説明

半導体装置の製造方法

【課題】不純物導入工程の回数を少なくすることにより、生産効率の向上を図った半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】トンネル拡散層24を有する不揮発性メモリセルと、ドレイン領域のチャネル部側に前記ドレイン領域よりも低不純物濃度の低濃度層を有するMOSトランジスタと、静電破壊対策トランジスタとを、共通の半導体基板1上に備える半導体装置が製造される。この製造方法は、半導体基板1において不揮発性メモリセル用領域20Rおよび静電破壊対策トランジスタ用領域10Rに第1濃度で不純物を選択的に導入することによって、トンネル拡散層24を形成し、同時に静電破壊対策トランジスタのソース領域11およびドレイン領域12を形成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トンネル拡散層を有する不揮発性メモリセルを備えた半導体装置を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FLOTOX(Floating Gate Tunnel Oxide)型EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)は、スタックド・ゲート型メモリセルトランジスタと、これに直列に接続された選択トランジスタとで不揮発性メモリセルを構成した半導体メモリである。EEPROMは、複数のメモリセルを集積したメモリセル部と、行・列デコーダその他の周辺回路を集積した周辺回路部と、入出力パッドを配置した入出力部とを一つの半導体基板上に形成して構成されている。
【0003】
メモリセル部には、前述のような不揮発性メモリセルが複数個配列されている。周辺回路部には、MOSトランジスタその他の回路素子からなるロジック回路が形成されている。入出力部は、半導体基板の周縁部に配列された複数の入出力パッドと、これらのパッドからのサージによる素子破壊対策のための静電破壊(ESD:Electrostatic Discharge)対策トランジスタとを備えている。
【0004】
図4は、不揮発性メモリセル、周辺回路を構成するMOSトランジスタ、および静電破壊対策トランジスタの構成例を説明するための断面図である。不揮発性メモリセル70、MOSトランジスタ80および静電破壊対策トランジスタ90は、p型半導体基板60上に共通に形成されている。
不揮発性メモリセル70は、スタックド・ゲート型のメモリセルトランジスタ71と、選択トランジスタ72とを有している。メモリセルトランジスタ71は、半導体基板60の表層部に間隔を開けて形成されたn型ソース領域73およびn型トンネル拡散層74と、これらの間のチャネル領域75に対向するように配置されたフローティングゲート76と、このフローティングゲート76に積層されたコントロールゲート77とを備えている。n型トンネル拡散層74は、メモリセルトランジスタ71のドレイン領域として機能する。一方、選択トランジスタ72は、n型トンネル拡散層74をそのソース領域とし、これに対して所定間隔だけ隔てて半導体基板60に形成されたn型ドレイン領域78と、トンネル拡散層74とドレイン領域78との間のチャネル領域に対向するよう配置されたゲート79とを備えている。
【0005】
半導体基板60とフローティングゲート76およびゲート79との間にはゲート絶縁膜61が介在されている。また、フローティングゲート76とコントロールゲート77との間は、絶縁膜62によって絶縁されている。ゲート絶縁膜61において、トンネル拡散層74と、フローティングゲート76との間には、薄膜部が形成されている。この薄膜部は、トンネル拡散層74とフローティングゲート76との間で、FN(ファウラー・ノルドハイム)トンネリングによって電子を通過させるためのトンネルウィンドウ65である。
【0006】
周辺回路を形成するMOSトランジスタ80は、ホットエレクトロン効果を抑制するために、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。すなわち、MOSトランジスタ80は、半導体基板60の表層部に間隔を開けて形成されたn型ソース領域81およびn型ドレイン領域82と、これらの間のチャネル領域に対向するようにゲート絶縁膜61を介して配置されたゲート84と、ゲート84の縁部とソース・ドレイン領域81,82との間の領域に配置されたn型低濃度層85とを備えている。低濃度層85の不純物濃度は、ソース・ドレイン領域81,82よりも低くなっている。低濃度層85を確保するために、ゲート84の両側面に沿ってサイドウォール86が設けられている。すなわち、低濃度層85のための低濃度イオン注入(LDD注入)を行った後に、サイドウォール86をマスクとしてソース・ドレイン領域81,82のための高濃度イオン注入を行うことによって、LDD構造が形成されている。
【0007】
静電破壊対策トランジスタ90は、半導体基板60に形成されたソース領域91およびドレイン領域92と、これらの間のチャネル領域に対向してゲート絶縁膜61を介して配置されたゲート94とを備えたシングルドレイン構造を有している。ゲート94の両側面には、MOSトランジスタ80の形成時に同時に形成されたサイドウォール95が形成されている。ソース・ドレイン領域91,92は、サイドウォール95の直下の領域まで延びて形成されている。すなわち、ソース・ドレイン領域91,92は、それぞれ、サイドウォール95の形成前に予めイオン注入(ESD注入)を行って形成されている。そして、サイドウォール95の形成後には、MOSトランジスタ80のソース・ドレイン領域81,82のためのイオン注入と同工程で、高濃度層91a,92aがソース・ドレイン領域91,92内に形成される。ソース・ドレイン領域91,92は、MOSトランジスタ80の低濃度層85よりも不純物濃度が高くなっている。これにより、静電破壊対策トランジスタ90は、LDD構造ではなく、シングルドレイン構造とされ、これにより、静電パルス印加後のソフトリークの問題を解決している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−132489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ESD注入では、静電破壊対策トランジスタ90をシングルドレイン構造とするために、LDD注入よりも高濃度のイオン注入を行う必要がある。そのため、LDD注入とESD注入とは、別工程としなければならない。
したがって、上述のような構成のEEPROMを作製するためには、トンネル拡散層のためのイオン注入、ESD注入、LDD注入、およびMOSトランジスタのソース・ドレイン領域のためのイオン注入を行わなければならない。このように多数回のイオン注入工程を必要とするために、EEPROMの生産工程が長く、生産効率が悪いという課題があった。
【0009】
さらに、EEPROMには、高耐圧MOSトランジスタが周辺回路に備えられる場合があり、この場合には、高耐圧MOSトランジスタは、ホットキャリア対策のために、DDD(Double Diffused Drain)構造を有することになる。DDD構造を形成するためには、高エネルギーで半導体基板の深い位置への低濃度イオン注入を行う必要があるから、さらにイオン注入工程の回数が多くなる。
【0010】
そこで、この発明の目的は、不純物導入工程の回数を少なくすることにより、生産効率の向上を図った半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、トンネル拡散層を有する不揮発性メモリセルと、ドレイン領域のチャネル部側に前記ドレイン領域よりも低不純物濃度の低濃度層を有するMOSトランジスタと、静電破壊対策トランジスタとを、共通の半導体基板上に備える半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板において前記不揮発性メモリセル用の領域および前記静電破壊対策トランジスタ用の領域に第1濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記不揮発性メモリセル用の領域に前記トンネル拡散層を形成し、同時に前記静電破壊対策トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する第1不純物導入工程と、前記半導体基板において前記MOSトランジスタ用の領域に、前記第1濃度よりも低い第2濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記低濃度層を形成する第2不純物導入工程と、前記MOSトランジスタ用の領域に前記第2濃度よりも高い(好ましくは前記第1濃度よりも高い)第3濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記MOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する第3不純物導入工程とを含む、半導体装置の製造方法である。
【0012】
この方法によれば、第1不純物導入工程において、トンネル拡散層の形成と同時に静電破壊対策トランジスタのソース領域およびドレイン領域が形成される。そのため、静電破壊対策トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成するための専用の不純物導入工程を省くことができるので、不純物導入工程の回数を少なくすることができる。こうして、不揮発性メモリセル、低濃度層を有するMOSトランジスタ、および静電破壊対策トランジスタを共通の半導体基板上に備える半導体装置を製造する際に、不純物導入工程の回数を少なくできる。これにより、半導体装置の生産工程を短縮して、生産効率を高めることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記第3不純物導入工程が、前記MOSトランジスタ用の領域および前記静電破壊対策トランジスタ用の領域に、前記第3濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記MOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成し、同時に前記静電破壊対策トランジスタのソース領域およびドレイン領域内に、これらのソース領域およびドレイン領域よりも高不純物濃度の高濃度層をそれぞれ形成する工程である、請求項1記載の半導体装置の製造方法である。この構成により、MOSトランジスタのソース・ドレイン領域の形成と同時に、静電破壊対策トランジスタのソース・ドレイン領域を電極にオーミック接触させるための高濃度層を同時に形成できる。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記不揮発性メモリセル用の領域に前記トンネル拡散層に対向するフローティングゲートを形成するとともに、前記MOSトランジスタ用の領域および前記静電破壊対策トランジスタ用の領域にそれぞれゲートを形成するゲート形成工程と、前記ゲートの側壁に絶縁物からなるサイドウォールを形成するサイドウォール形成工程とをさらに含み、前記第1不純物導入工程が、前記ゲート形成工程よりも前に行われ、前記第2不純物導入工程が、前記ゲート形成工程の後、前記サイドウォール形成工程よりも前に行われ、前記第3不純物導入工程が、前記サイドウォール形成工程よりも後に行われる、請求項1または2記載の半導体装置の製造方法である。
【0015】
フローティングゲートは、トンネル拡散層に対向するように形成する必要がある。そのため、フローティングゲートの形成よりも前にトンネル拡散層の形成のための第1不純物導入工程を行わなければならない。したがって、フローティングゲートと同工程で形成される静電破壊対策トランジスタのゲートは、そのソース・ドレイン領域の形成よりも後の工程で形成されることになる。静電破壊対策トランジスタのゲート長は、メモリセル領域の周辺回路などを構成する微細なMOSトランジスタよりも長い。そこで、静電破壊対策トランジスタのゲートは、第1不純物導入工程のためのマスクとゲート形成のためのマスクとのマスクずれを考慮して、そのソース・ドレイン領域に重なるように大きめの幅を有するように形成することが好ましい。
【0016】
一方、MOSトランジスタのゲートを形成した後に第2不純物導入工程を行い、そのゲートの側壁にサイドウォールを形成した後に第3不純物導入工程を行えば、サイドウォールの直下に低濃度層の領域を確保できる。こうして、MOSトランジスタは、ドレイン領域のチャネル領域側に確実に低濃度層を有することができる。そして、サイドウォールの形成よりも前に、第1不純物導入工程が行われるので、静電破壊対策トランジスタでは、サイドウォールの直下の領域まで第1濃度のソース・ドレイン領域が広がっている。その結果、静電破壊対策トランジスタは、シングルドレイン構造を有することができる。
【0017】
前記第2不純物導入工程は、MOSトランジスタおよび静電破壊対策トランジスタの各ゲートに対して自己整合的に不純物を導入する工程であってもよい。
前記ゲート形成工程では、前記不揮発性メモリセル用領域において、前記フローティングゲートから所定距離離隔した位置に、前記トンネル拡散領域に一縁部が重なるように選択ゲートが同時に形成されることが好ましい。この場合、さらに、前記トンネル拡散層に対して所定距離離隔して対向し、前記フローティングゲートと一部重なる領域にソース領域を形成する工程と、前記トンネル拡散層に対して所定距離離隔して対向し、前記選択ゲートと一部重なる領域にドレイン領域を形成する工程とをさらに含むことが好ましい。これにより、メモリセルトランジスタと選択トランジスタとを直列接続した構造のメモリセルを形成できる。
【0018】
また、前記方法は、前記フローティングゲートに対して絶縁膜を介して積層するようにコントロールゲートを形成するコントロールゲート形成工程をさらに含んでいてもよい。これにより、メモリセルトランジスタをスタックド・ゲート型トランジスタとして形成できる。
請求項4記載の発明は、前記第3不純物導入工程が、前記サイドウォールに対して自己整合的に不純物を前記半導体基板に導入する工程を含む、請求項3記載の半導体装置の製造方法である。この方法により、MOSトランジスタ用領域では、サイドウォールの直下にのみ低濃度層を残すことができ、いわゆるLDD構造を形成できる。
【0019】
請求項5記載の発明は、前記第2不純物導入工程が、前記MOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域よりも深い領域まで広がる低濃度層を形成する工程を含み、前記第3不純物導入工程が、前記低濃度層内に前記ソース領域およびドレイン領域を形成する工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法である。この方法により、MOSトランジスタ用領域において、いわゆるDDD構造を形成できる。MOSトランジスタを高耐圧仕様とする場合には、このDDD構造とするとよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る半導体装置であるEEPROMの構成を説明するための図解的な平面図である。この半導体装置は、たとえばシリコンからなるp型半導体基板1と、この半導体基板1の中央部分に設定されたメモリセル領域2と、このメモリセル領域2の周辺に配置された周辺回路領域3,4,5,6と、半導体基板1の周縁部に配置された入出力領域7とを備えている。
【0021】
メモリセル領域2には、複数の不揮発性メモリセルが行列状に配列されている。メモリセル領域2は、ほぼ矩形に形成されており、その一辺に沿って周辺回路領域3が配置されていて、前記一辺と直交する他の一辺に沿って別の周辺回路領域4が配置されている。
周辺回路領域3,4は、メモリセル領域2内の不揮発性メモリセルに対して、選択的に、書き込み、読み出しおよび消去の各動作を行うためのデコーダ回路である。不揮発性メモリセルは高耐圧仕様であるため、周辺回路領域3,4には、デコーダを構成する高耐圧仕様のMOSトランジスタが配置されている。後述するように、この高耐圧仕様のMOSトランジスタはDDD構造を有している。
【0022】
他の周辺回路領域5,6は、外部からの入力信号や、外部への出力信号を処理するための回路であり、通常の耐圧のMOSトランジスタで構成されている。これらのMOSトランジスタは、後述するLDD構造のトランジスタである。
入出力領域7には、半導体基板1の周縁部に沿って複数の入出力パッド9が配列されている。そして、各入出力パッド9に対応して、静電気放電に起因するサージ電流を吸収してメモリセル領域2および周辺回路領域3〜6の静電破壊を抑制または防止するための静電破壊対策トランジスタ10(図1において斜線を付して示す。)が半導体基板1上に設けられている。
【0023】
図2は、不揮発性メモリセル、高耐圧MOSトランジスタ、通常耐圧MOSトランジスタ、および静電破壊対策トランジスタの構成を説明するための断面図である。半導体基板1上のメモリセル領域2に不揮発性メモリセル20が形成されており、周辺回路領域3,4に高耐圧のDDD−MOSトランジスタ40が形成されており、周辺回路領域5,6に通常耐圧のLDD−MOSトランジスタ50が形成されており、入出力領域7に静電破壊対策トランジスタ10が形成されている。
【0024】
不揮発性メモリセル20は、スタックド・ゲート型のメモリセルトランジスタ21と、選択トランジスタ22とを直列接続した構成を有している。より具体的には、メモリセルトランジスタ21は、半導体基板1の表層部に間隔を開けて形成されたn型ソース領域23およびn型トンネル拡散層24と、これらの間のチャネル領域25に対向するように配置されたフローティングゲート26と、このフローティングゲート26に積層されたコントロールゲート27とを備えている。n型ソース領域23の内方には、n型不純物を高濃度に拡散して形成したコンタクト領域37(高濃度層)が形成されている。このコンタクト領域37に、ソース電極(図示省略)がオーミック接合されている。
【0025】
n型トンネル拡散層24は、フローティングゲート26の一部に対向する領域に形成されており、また、メモリセルトランジスタ21のドレイン領域として機能する。一方、選択トランジスタ22は、n型トンネル拡散層24をそのソース領域とし、これに対して所定間隔だけ隔てて半導体基板1に形成されたn型ドレイン領域28と、トンネル拡散層24とドレイン領域28との間のチャネル領域に対向するよう配置されたゲート29(選択ゲート)とを備えている。
【0026】
半導体基板1とフローティングゲート26およびゲート29との間には、たとえば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜31が介在されている。また、フローティングゲート26とコントロールゲート27との間は、絶縁膜32によって絶縁されている。この絶縁膜32は、たとえば、窒化シリコン膜を一対の酸化シリコン膜で挟み込んだONO(酸化膜-窒化膜-酸化膜)構造の膜からなる。ゲート絶縁膜31において、トンネル拡散層24と、フローティングゲート26との間の部分には、たとえば、膜厚50Å〜100Åの薄膜部が形成されている。この薄膜部は、トンネル拡散層24とフローティングゲート26との間で、FN(ファウラー・ノルドハイム)トンネリングによって電子を通過させるためのトンネルウィンドウ35である。
【0027】
コントロールゲート27は、この実施形態では、フローティングゲート26の上面に対向する上部と、この上部の両側縁からフローティングゲート26の両側面に対向するように垂れ下がった一対の側部とを有し、断面視略逆U字形に形成されている。このコントロールゲート27の両側面は、酸化シリコン等の絶縁物からなるサイドウォール34で覆われている。
【0028】
選択トランジスタ22のゲート29の両側面も、同様に、酸化シリコン等の絶縁物からなるサイドウォール36で覆われている。この選択トランジスタ22のドレイン領域28には、n型不純物を高濃度に拡散して形成したコンタクト領域38(高濃度層)が形成されている。このコンタクト領域38に、ドレイン電極(図示省略)がオーミック接合されている。
【0029】
フローティングゲート26に対する電子の注入は、たとえば、ソースをオープンとするとともに、ゲート29に高電圧を印加して選択トランジスタ22をオン状態として行われる。この状態で、コントロールゲート27に高電圧を印加し、ドレインをグランド電位とすると、トンネル拡散層24からトンネルウィンドウ35を介するFNトンネリングによって、フローティングゲート26に電子が注入される。
【0030】
フローティングゲート26からの電子の引き抜きは、たとえば、ソースをオープンとするとともに、ゲート29に高電圧を印加して選択トランジスタ22をオン状態として行われる。この状態で、コントロールゲート27をグランド電位とし、ドレインに高電圧を印加すると、フローティングゲート26からトンネルウィンドウ35を介するFNトンネリングによって、トンネル拡散層24へと電子が引き抜かれる。
【0031】
フローティングゲート26に電子が注入されると、このフローティングゲート26が帯電している状態では、メモリセルトランジスタ21を導通させるためにコントロールゲート27に印加すべき閾値電圧が高くなる。そこで、コントロールゲート27に与えるべき読出電圧を、フローティングゲート26が非帯電状態(電子が引き抜かれた状態)のときにソース領域23−トンネル拡散層24間を導通させることができ、かつ、フローティングゲート26が帯電状態(電子が注入された状態)のときにソース23−トンネル拡散層24間が遮断状態に保持される値に設定しておく。そして、選択トランジスタ22のゲート29をハイレベルとし、ドレインをハイレベルとし、コントロールゲート27に前記読出電圧を印加する。このとき、ソース側に電流が流れるか否かを調べることにより、フローティングゲート26に電子が注入されているかどうかを区別できる。
【0032】
こうして、不揮発性メモリセル20に対する情報の書き込み、消去および読み出しの各動作を行うことができる。
一方、DDD−MOSトランジスタ40は、半導体基板1の表層領域に間隔を開けて形成されたn型ソース領域41およびn型ドレイン領域42を備えている。ソース領域41およびドレイン領域42の間のチャネル領域43に対向するように、ゲート絶縁膜31を挟んでゲート44が形成されている。ゲート44の両側面は、酸化シリコン等の絶縁物からなるサイドウォール45で覆われている。
【0033】
ソース領域41およびドレイン領域42は、サイドウォール45の直下から広がるn型低濃度層46,47内にそれぞれ形成されており、こうして、二重拡散ドレイン(DDD)構造が形成されている。n型低濃度層46,47は、ソース・ドレイン領域41,42よりも低濃度に形成され、かつ、これらよりも深く不純物イオンを注入して形成した領域である。n型低濃度層46,47は、ゲート44に対して自己整合的に形成されている。また、ソース・ドレイン領域41,42は、サイドウォール45から離れた領域に形成されている。n型低濃度層46,47は、ドレイン領域42の近傍における電界を緩和して、ホットエレクトロン効果を抑制する。
【0034】
LDD−MOSトランジスタ50は、半導体基板1の表層領域に間隔を開けて形成したn型ソース領域51およびn型ドレイン領域52を備えている。ソース・ドレイン領域51,52の間のチャネル領域53に対向するように、ゲート絶縁膜31を挟んでゲート54が形成されている。ゲート54の両側面は、酸化シリコン等の絶縁物からなるサイドウォール55で覆われている。
【0035】
ソース領域51およびドレイン領域52とゲート54との間、すなわち、サイドウォール55の直下の領域には、n型低濃度層56,57が形成されている。こうして、LDD構造が形成されている。低濃度層56,57は、ソース・ドレイン領域51,52よりも低濃度に形成され、かつ、これらよりも浅く不純物イオンを注入して形成された領域である。n型低濃度層56,57は、ゲート54に対して自己整合的に形成されており、ソース・ドレイン領域51,52はサイドウォール55に対して自己整合的に形成されている。n型低濃度層56,57は、ドレイン領域52の近傍における電界を緩和して、ホットエレクトロン効果を抑制する。
【0036】
静電破壊対策トランジスタ10は、半導体基板1の表層領域に間隔を開けて形成されたn型ソース領域11およびn型ドレイン領域12と、これらの間のチャネル領域13に対向してゲート絶縁膜31を介して配置されたゲート14とを備えたシングルドレイン構造を有している。ゲート14の両側面には、酸化シリコン等の絶縁物からなるサイドウォール15が形成されている。ソース・ドレイン領域11,12は、サイドウォール15の直下の領域まで延びて形成されている。より詳細には、ソース・ドレイン領域11,12は、それぞれ、サイドウォール15の形成前に予めイオン注入(ESD注入)を行って形成されている。また、ソース・ドレイン領域11,12の各内方の領域には、ソース・ドレイン領域11,12よりも高不純物濃度のコンタクト領域18,19(高濃度層)が、サイドウォール15に対して自己整合的に形成されている。これらのコンタクト領域18,19は、ソース電極およびドレイン電極とのオーミック接合をとるための領域であり、サイドウォール15の形成後に、MOSトランジスタ40,50のソース・ドレイン領域のためのイオン注入と同工程で形成されたものである。
【0037】
ソース・ドレイン領域11,12は、コンタクト領域18,19よりは低不純物濃度であるが、MOSトランジスタ40,50の低濃度層46,56よりも不純物濃度が高くなっている。これにより、静電破壊対策トランジスタ10は、DDD構造またはLDD構造ではなく、シングルドレイン構造となっていて、静電パルス印加後に生じるいわゆるソフトリークの問題を解決している。
【0038】
図3A〜3Jは、前述のような構成を有するEEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図である。まず、図3Aに示すように、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法により、半導体基板1上にフィールド酸化膜17が形成され、素子形成領域を分離する素子分離工程が行われる。これにより、個々の不揮発性メモリセル20用の領域20R、個々のDDD−MOSトランジスタ40用の領域40R、個々のLDD−MOSトランジスタ50用の領域50R、および個々の静電破壊対策トランジスタ10用の領域10Rがそれぞれ確保される。
【0039】
次に、図3Bに示すように、n型トンネル拡散層24を形成するためのイオン注入(トンネル注入が行われる(第1不純物導入工程)。具体的には、半導体基板1上に所定のパターンのレジスト膜101が形成され、このレジスト膜101をマスクとして、n型不純物イオンが半導体基板1に注入される。レジスト膜101は、不揮発性メモリセル用の領域20Rにおいてn型ソース領域23およびn型トンネル拡散層24を形成すべき領域にそれぞれ開口101a,101bを有している。また、レジスト膜101は、MOSトランジスタ用領域40R,50Rの領域をいずれも被覆している。そして、レジスト膜101は、静電破壊対策トランジスタ用領域10Rにおいて、ゲート14を形成すべき領域以外の領域を露出させる開口101c,101dを有している。たとえば、n型不純物イオンとしてAsイオンまたはPイオンが用いられ、そのドーズ量は1×1014〜1×1015/cm(第1濃度)とされ、その注入エネルギーは100keV〜200keVとされる。こうして、n型トンネル拡散層24の形成のためのイオン注入と同工程で、静電破壊対策トランジスタ10のソース・ドレイン領域11,12のためのイオン注入が行われる。
【0040】
次の工程は、図3Cに示すように、トンネルウィンドウ35を有するゲート絶縁膜31の形成である。すなわち、レジスト膜101を剥離した後に、半導体基板1の表面を熱酸化することによって、たとえば、膜厚100Å〜200Åの酸化シリコン膜が形成され、これがゲート絶縁膜31となる。このとき、図3Bの工程で注入されたn型不純物イオンが同時に活性化され、不揮発性メモリセル用領域20Rにn型ソース領域23およびn型トンネル拡散層24が形成され、静電破壊対策トランジスタ用領域10Rにn型ソース・ドレイン領域11,12が形成される。
【0041】
トンネルウィンドウ35の形成は既知の方法で行われる。すなわち、トンネル拡散層24上の所定領域(トンネルウィンドウ35を形成すべき領域)に開口を有するレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとしたエッチングによって、当該領域のゲート絶縁膜31が選択的に除去される。レジスト膜を除去した後、熱酸化法によって、電子をFNトンネリングさせることができる所定膜厚(50Å〜100Å)だけ酸化膜を成長させる。これにより、当該膜厚からなる薄膜のトンネルウィンドウ35が形成され、ゲート絶縁膜31も同じ膜厚だけ厚膜化される。トンネルウィンドウ35以外の領域における最終的なゲート絶縁膜31の膜厚は、たとえば、200Å〜300Åである。こうして、局所的な薄膜部(残余の部分よりも膜厚の小さい部分)であるトンネルウィンドウ35を有するゲート絶縁膜31が、不揮発性メモリセル用領域20R、MOSトランジスタ用領域40R,50R、および静電破壊対策トランジスタ用領域10Rの半導体基板1表面に形成される。
【0042】
次に、図3Dに示すように、ゲート形成工程が行われる。すなわち、不揮発性メモリセル用領域20Rにおいて、ゲート絶縁膜31上に、n型ソース領域23からn型トンネル拡散層24に渡る領域にフローティングゲート26が形成され、このフローティングゲート26とは間隔を開けて、選択トランジスタ22のゲート29が形成される。フローティングゲート26は、n型ソース領域23とは反対側にn型トンネル拡散層24と重なり合う領域を有し、この領域において、トンネルウィンドウ35を挟んでn型トンネル拡散層24に対向するように形成される。ゲート29は、n型トンネル拡散層24においてフローティングゲート26とは反対側の縁部に整合するように形成される。また、MOSトランジスタ用領域40R,50Rにおいては、ゲート絶縁膜31上に、各領域のほぼ中央にそれぞれゲート44,54が形成される。そして、静電破壊対策トランジスタ用領域10Rにおいては、ゲート絶縁膜31上において、n型ソース・ドレイン領域11,12の両方の縁部に重なるように、ゲート14が形成される。
【0043】
フローティングゲート26およびゲート29,44,45,14の形成は、たとえば、導電化のための不純物(たとえば燐)を添加したポリシリコン膜を半導体基板1の全面に形成し、これをフォトリソグラフィでパターニングすることによって行える。すなわち、全面に形成されたポリシリコン膜上に、レジスト膜のパターンを形成する。このレジスト膜のパターンは、フローティングゲート26およびゲート29,44,45,14を形成すべき領域を選択的に被覆し、その他の領域を露出させるパターンである。このレジスト膜をマスクとしてエッチングを行うことにより、導電化されたポリシリコン膜からなるフローティングゲート26およびゲート29,44,45,14を形成することができる。
【0044】
次に、図3Eに示すように、不揮発性メモリセル20のための絶縁膜32が形成される。絶縁膜32の形成は、たとえば、CVD(化学的気相成長)法によって、半導体基板1の全面に対して行われる。具体的には、まず、膜厚100Å程度の酸化シリコン膜が形成され、次いで、膜厚100Å程度の窒化シリコン膜が形成され、引き続き、膜厚100Å程度の酸化シリコン膜が形成される。こうして、酸化膜/窒化膜/酸化膜構造(ONO構造)の絶縁膜32が形成される。
【0045】
次の工程は、図3Fに示すコントロールゲート形成工程である。具体的には、導電化のための不純物(たとえば燐)を添加したポリシリコン膜が半導体基板1の全面に形成され、これをパターニングすることによって、コントロールゲート27が形成される。パターニングは、フォトリソグラフィによって行われる。すなわち、ポリシリコン膜上に、フローティングゲート26の上方を覆い、さらに、フローティングゲート26の側方へと所定距離だけ広がった領域に至るレジスト膜のパターンが形成される。このレジスト膜のパターンは、フローティングゲート26の近傍の領域以外の領域は露出させるものである。この状態で、ドライエッチングが行われ、その後にレジスト膜が剥離されることによって、コントロールゲート27が形成される。このコントロールゲート27は、フローティングゲート26を、絶縁膜32を介して、その上面および両側面から覆うパターンとなる。ポリシリコン膜をパターニングするためのドライエッチングの際に、コントロールゲート27で覆われる領域以外の領域において、絶縁膜32がエッチングされて除去される。これにより、ゲート29,44,45,14が露出することになる。
【0046】
次に、図3Gに示すDDD注入工程が行われる(第2不純物導入工程)。すなわち、レジスト膜102をマスクとして、半導体基板1の表面に向けて選択的にn型不純物イオンが注入される。レジスト膜102は、不揮発性メモリセル用領域20Rにおいてn型ドレイン領域28に対応する領域に開口102aを有し、DDD−MOSトランジスタ用領域40Rにおいてn型低濃度層46,47に対応する開口102bを有し、残余の領域を覆っている。このレジスト膜102をマスクとしてn型不純物イオンを注入することによって、不揮発性メモリセル用領域20Rにn型ドレイン領域28が形成され、DDD−MOSトランジスタ用領域40Rでは、ゲート44の両側にn型低濃度層46,47がそれぞれ形成される。たとえば、n型不純物イオンとしてAsイオンまたはPイオンが用いられ、そのドーズ量は1×1012〜1×1013/cm(第2濃度)とされ、その注入エネルギーは50keV〜100keVとされる。こうして、選択トランジスタ22のn型ドレイン領域28の形成のためのイオン注入と同工程で、DDD−MOSトランジスタ40のサイドウォール34直下を含む領域へのイオン注入が行われてn型低濃度層46,47が形成される。
【0047】
レジスト膜102を剥離した後、次に、図3Hに示すLDD注入工程が行われる(第2不純物導入工程)。すなわち、レジスト膜103をマスクとして、半導体基板1の表面に向けて選択的にn型不純物イオンが注入される。レジスト膜103は、不揮発性メモリセル用領域20RおよびDDD−MOSトランジスタ用領域40Rを覆っているとともに、LDD−MOSトランジスタ用領域50Rおよび静電破壊対策トランジスタ用領域10Rを露出させる開口103aを有している。これにより、LDD−MOSトランジスタ用領域50Rおよび静電破壊対策トランジスタ用領域10Rに対して選択的にn型不純物イオンが注入されることになる。その結果、LDD−MOSトランジスタ用領域50Rではゲート54の両側にn型低濃度層56,57が形成される。たとえば、n型不純物イオンとしてAsイオンまたはPイオンが用いられ、そのドーズ量は1×1012〜1×1013/cm(第2濃度)とされ、その注入エネルギーは20keV〜50keVとされる。注入エネルギーは、DDD注入の場合よりも小さくされ、これにより、DDD−MOSトランジスタ40のn型低濃度層46,47よりも浅い領域にn型低濃度層56,57が形成される。
【0048】
このとき、静電破壊対策トランジスタ用領域10Rでは、ゲート14の両側のソース・ドレイン領域11,12にもn型不純物が導入される。しかし、トンネル注入工程(図3B参照)において、より高濃度でn型不純物イオンが注入されているので、静電破壊対策トランジスタ用領域10Rにおいては実質的な変化はない。したがって、レジスト膜103は、静電破壊対策トランジスタ用領域10Rを覆うパターンに形成されてもよい。
【0049】
レジスト膜103を剥離した後、図3Iに示すように、サイドウォール形成工程が行われる。すなわち、たとえば、CVD法によって、半導体基板1の全面に酸化シリコン膜等の絶縁膜が形成された後、その絶縁膜がドライエッチングによってエッチバックされる。このエッチバックを、コントロールゲート27およびゲート29,44,54,14が露出するまで行うと、それらの各両側面にサイドウォール34,45,55,15が形成される。
【0050】
次に、図3Jに示すように、ソース−ドレイン注入工程が行われる(第3不純物導入工程)。すなわち、レジスト膜104をマスクとして、半導体基板1の表面に向けて選択的にn型不純物イオンが注入される。レジスト膜104には、開口104a,104b,104,104d,104eが形成されている。開口104aは、不揮発性メモリセル用領域20Rにおいてソース領域23を露出させ、開口104bは、同じく不揮発性メモリセル用領域20Rにおいてドレイン領域28の内方の一部の領域を露出させる。開口104c,104dは、DDD−MOSトランジスタ用領域40Rにおいて、低濃度層46,47の内方の一部の領域(ソース・ドレイン領域41,42の対応領域)をそれぞれ露出させる。開口104eは、LDD−MOSトランジスタ用領域50Rおよび静電破壊対策トランジスタ用領域10Rを露出させる。したがって、レジスト膜104をマスクとしてn型不純物イオンを注入することによって、不揮発性メモリセル20のコンタクト領域37,38が形成され、DDDトランジスタ40のソース・ドレイン領域41,42が形成され、LDD−MOSトランジスタ50のソース・ドレイン領域51,52が形成され、静電破壊対策トランジスタ10のコンタクト領域18,19が形成される。たとえば、n型不純物イオンとしてAsイオンまたはPイオンが用いられ、そのドーズ量は、トンネル拡散層24のためのイオン注入(図3B)のときよりも多く、たとえば、1×1015〜1×1016/cm(第3濃度)とされる。または、注入エネルギーは、トンネル拡散層24のための注入(図3B)およびDDD注入(図3G)のときよりも小さく、かつ、LDD注入(図3H)のときよりも大きく、たとえば、40keV〜70keVとされる。
【0051】
この後は、レジスト膜104を剥離し、全面を覆う保護膜(図示せず)が形成される。そして、この保護膜に、コンタクト領域37,38;18,19およびソース・ドレイン領域41,42;51,52をそれぞれ露出させる複数のコンタクトホールが形成され、これらのコンタクトホールを介して各領域にそれぞれ接触する複数の電極が形成される。
以上のように、この実施形態によれば、静電破壊対策トランジスタ10のソース・ドレイン領域11,12を形成するためのイオン注入は、不揮発性メモリセル20のn型トンネル拡散層24を形成するためのイオン注入工程において同時に行われる(図3B)。これにより、イオン注入工程の数を削減することができるから、製造工程を短縮でき、生産性の向上に寄与することができる。
【0052】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、DDD−MOSトランジスタ40およびLDD−MOSトランジスタ50の両方が半導体基板1上に形成される構成について説明したが、これらのうちの一方のみが半導体基板1上に形成される構成に対してもこの発明を適用することができる。また、前述の実施形態で示したドーズ量等の数値は一例であり、必要とされる仕様に応じて別の値が適用されてもよい。
【0053】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の一実施形態に係る半導体装置であるEEPROMの構成を説明するための図解的な平面図である。
【図2】不揮発性メモリセル、高耐圧MOSトランジスタ、通常耐圧MOSトランジスタ、および静電破壊対策トランジスタの構成を説明するための断面図である。
【図3A】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、素子分離工程を示す。
【図3B】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、トンネルイオン注入工程を示す。
【図3C】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、トンネルウィンドウ形成工程を示す。
【図3D】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、ゲート形成工程を示す。
【図3E】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、絶縁膜形成工程を示す。
【図3F】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、コントロールゲート形成工程を示す。
【図3G】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、DDD注入工程を示す。
【図3H】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、LDD注入工程を示す。
【図3I】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、サイドウォール形成工程を示す。
【図3J】EEPROMの製造工程の要部を説明するための断面図であり、ソース−ドレイン注入工程を示す。
【図4】不揮発性メモリセル、周辺回路を構成するMOSトランジスタ、および静電破壊対策トランジスタの構成例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 半導体基板
2 メモリセル領域
3〜6 周辺回路領域
7 入出力領域
9 入出力パッド
10 静電破壊対策トランジスタ
10R 静電破壊対策トランジスタ用領域
11 n型ソース領域
12 n型ドレイン領域
13 チャネル領域
14 ゲート
15 サイドウォール
17 フィールド酸化膜
18,19 コンタクト領域
20 不揮発性メモリセル
20R 不揮発性メモリセル用領域
21 メモリセルトランジスタ
22 選択トランジスタ
23 n型ソース領域
24 n型トンネル拡散層
25 チャネル領域
26 フローティングゲート
27 コントロールゲート
28 n型ドレイン領域
29 ゲート
31 ゲート絶縁膜
32 絶縁膜
34 サイドウォール
35 トンネルウィンドウ
36 サイドウォール
37,38 コンタクト領域
40 DDD−MOSトランジスタ
40R DDD−MOSトランジスタ用領域
41 n型ソース領域
42 n型ドレイン領域
43 チャネル領域
44 ゲート
45 サイドウォール
46,47 n型低濃度層
50 LDD−MOSトランジスタ
50R LDD−MOSトランジスタ用領域
51 n型ソース領域
52 n型ドレイン領域
53 チャネル領域
54 ゲート
55 サイドウォール
56,57 n型低濃度層
101〜104 レジスト膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル拡散層を有する不揮発性メモリセルと、ドレイン領域のチャネル部側に前記ドレイン領域よりも低不純物濃度の低濃度層を有するMOSトランジスタと、静電破壊対策トランジスタとを、共通の半導体基板上に備える半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板において前記不揮発性メモリセル用の領域および前記静電破壊対策トランジスタ用の領域に第1濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記不揮発性メモリセル用の領域に前記トンネル拡散層を形成し、同時に前記静電破壊対策トランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する第1不純物導入工程と、
前記半導体基板において前記MOSトランジスタ用の領域に、前記第1濃度よりも低い第2濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記低濃度層を形成する第2不純物導入工程と、
前記MOSトランジスタ用の領域に前記第2濃度よりも高い第3濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記MOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成する第3不純物導入工程とを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第3不純物導入工程が、前記MOSトランジスタ用の領域および前記静電破壊対策トランジスタ用の領域に、前記第3濃度で不純物を選択的に導入することによって、前記MOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域を形成し、同時に前記静電破壊対策トランジスタのソース領域およびドレイン領域内に、これらのソース領域およびドレイン領域よりも高不純物濃度の高濃度層をそれぞれ形成する工程である、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記不揮発性メモリセル用の領域に前記トンネル拡散層に対向するフローティングゲートを形成するとともに、前記MOSトランジスタ用の領域および前記静電破壊対策トランジスタ用の領域にそれぞれゲートを形成するゲート形成工程と、
前記ゲートの側壁に絶縁物からなるサイドウォールを形成するサイドウォール形成工程とをさらに含み、
前記第1不純物導入工程が、前記ゲート形成工程よりも前に行われ、
前記第2不純物導入工程が、前記ゲート形成工程の後、前記サイドウォール形成工程よりも前に行われ、
前記第3不純物導入工程が、前記サイドウォール形成工程よりも後に行われる、請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第3不純物導入工程が、前記サイドウォールに対して自己整合的に不純物を前記半導体基板に導入する工程を含む、請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2不純物導入工程が、前記MOSトランジスタのソース領域およびドレイン領域よりも深い領域まで広がる低濃度層を形成する工程を含み、
前記第3不純物導入工程が、前記低濃度層内に前記ソース領域およびドレイン領域を形成する工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−306061(P2008−306061A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153044(P2007−153044)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】