説明

半導体装置の製造方法

【課題】フォトリソグラフィーのプロセスマージンを確保すると共に、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡が生じにくい半導体装置の製造方法を実現できるようにする。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、層間絶縁膜114の上に第1の下部開口部115aを有する第1のマスク層115を形成する工程と、第1のマスク層115の上に第1の下部開口部115aを通して層間絶縁膜114を露出する第1の上部開口部116aを有する第2のマスク層116を形成する工程とを備えている。第1の下部開口部115aは、隣接するゲート電極102同士の間に形成され、ゲート電極102と平行な方向に延びる長辺と、ゲート電極102と交差する方向に延びる短辺とを有する平面方形状である。第1の上部開口部116aは、各辺の長さが第1の下部開口部115aの短辺よりも長い平面方形状である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特にセルフアラインコンタクトを有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の高集積化に伴い、コンタクトプラグを形成するためのパターンがどんどん微細化している。一方、パターンを形成するためのフォトリソグラフィーの分解能の向上はパターンの微細化に追いつくことができていない。このため、プロセスマージンが不足し、コンタクトホールパターンとゲート電極との重ね合わせ精度の確保が困難となってきている。このような問題を解決するために、セルフアラインコンタクト(Self Align Contact:SAC)の利用が進められている。
【0003】
セルフアラインコンタクトを形成する場合には次のような方法を用いることが一般的である。まず、基板上に複数のゲート電極を形成し、各ゲート電極の側面上にシリコン窒化膜等からなる側壁保護膜をそれぞれ形成する。続いて、基板上の全面にシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜を形成する。次に、層間絶縁膜の上にフォトレジストからなるコンタクトホールパターンを形成する。この際に、コンタクトホールパターンの開口部は過大に大きく形成する。コンタクトホールパターンと側壁保護膜とをエッチングマスクとして、層間絶縁膜をエッチングすることにより、ゲート電極同士の間にコンタクトホールを形成する。次に、コンタクトホールにタングステン等の導電膜を充填して、コンタクトプラグを形成する。
【0004】
このようにすれば、フォトリソグラフィー工程におけるプロセスマージンを確保しつつ、微細なコンタクトホールを形成することができる(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−49112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のセルフアラインコンタクトの形成方法には次のような問題がある。シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜と比べてシリコン窒化膜からなる側壁保護膜はエッチングされにくい。しかし、完全にエッチングが生じないわけではないため、層間絶縁膜をエッチングする際に側壁保護膜はエッチングされ薄くなる。このため、コンタクトプラグとゲート電極とが短絡するおそれがある。コンタクトプラグとゲート電極とが短絡すると、半導体デバイスの電気的特性及び信頼性が劣化したり、製造歩留まりが低下したりする。
【0007】
本願は、前記の問題を解決し、フォトリソグラフィーのプロセスマージンを確保すると共に、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡が生じにくい半導体装置の製造方法を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明は半導体装置の製造方法を、下部開口部を有する第1のマスク層と、上部開口部を有する第2のマスク層とをエッチングマスクとしてコンタクトホールを形成する構成とする。
【0009】
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、基板の上に複数のゲート電極を形成する工程(a)と、基板の上にゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程(b)と、層間絶縁膜の上に第1のマスク層を形成する工程(c)と、第1のマスク層に層間絶縁膜を露出する第1の下部開口部を形成する工程(d)と、第1のマスク層の上に第2のマスク層を形成する工程(e)と、第2のマスク層に第1の下部開口部を通して層間絶縁膜を露出する第1の上部開口部を形成する工程(f)と、工程(f)よりも後に、層間絶縁膜における第1の上部開口部及び第1の下部開口部から露出した部分をエッチングすることにより、第1のコンタクトホールを形成する工程(g)と、第1のコンタクトホールに導電性材料を埋め込むことにより第1のコンタクトプラグを形成する工程(h)とを備え、第1の下部開口部は、隣接するゲート電極同士の間に形成され、ゲート電極と平行な方向に延びる長辺と、ゲート電極と交差する方向に延びる短辺とを有する平面方形状であり、第1の上部開口部は、各辺の長さが第1の下部開口部の短辺よりも長い平面方形状であることを特徴とする。
【0010】
第1の半導体装置の製造方法において、第1の下部開口部はゲート電極と平行な方向に長いため、平面円形状又は平面正方形状に形成する場合と比べて、プロセスウィンドウを大きくすることができる。また、第1のコンタクトホールのゲート電極と交差する方向の寸法は、第1の下部開口部の寸法によって規定されるため、第1の上部開口部をプロセスウィンドウが確保できる大きさとすることができる。従って、フォトリソグラフィーのプロセスマージンを確保すると共に、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡を生じにくくすることが可能となる。
【0011】
第1の半導体装置の製造方法において、第1の下部開口部は長辺の長さが短辺の長さの2倍以上とすればよい。
【0012】
第1の半導体装置の製造方法において、工程(a)は、ゲート電極を形成するための第1のレジストパターンをフォトリソグラフィーにより形成する工程(a1)を含み、工程(d)は、第1の下部開口部を形成するための第2のレジストパターンをフォトリソグラフィーにより形成する工程(d1)を含み、工程(a1)における照明条件及び露光波長と、工程(d1)における照明条件及び露光波長とは同一としてもよい。この場合において、第1の下部開口部は、長辺の長さが露光波長の2倍以上とすればよい。
【0013】
第1の半導体装置の製造方法において、工程(d)では、複数の第1の下部開口部を形成し、工程(f)では、複数の第1の上部開口部を形成し、工程(g)では、複数の第1のコンタクトホールを形成し、複数の第1のコンタクトホールのうちの少なくとも2つは、一の第1の下部開口部と一の第1の下部開口部と対応する複数の第1の上部開口部とを用いて形成する構成としてもよい。
【0014】
第1の半導体装置の製造方法は、工程(d)は、第1のマスク層にゲート電極と交差する方向に延びる長辺と、ゲート電極と平行な方向に延びる短辺とを有する平面方形状の第2の下部開口部を形成する工程を含み、工程(f)は、第2のマスク層に第2の下部開口部を通して層間絶縁膜を露出する第2の上部開口部を形成する工程を含み、工程(g)は、層間絶縁膜の第2の上部開口部及び第2の下部開口部から露出した部分をエッチングすることにより第2のコンタクトホールを形成する工程を含み、工程(h)は、第2のコンタクトホールに導電性材料を埋め込むことにより第2のコンタクトプラグを形成する工程を含み、第2の上部開口部は、各辺の長さが第2の下部開口部の短辺よりも長い平面方形状であることが好ましい。このような構成とすることにより、ゲート電極と接続されたコンタクト等の形成も容易となる。
【0015】
第1の半導体装置の製造方法は、工程(a)よりも前に、基板に活性領域を選択的に形成する工程(i)をさらに備え、工程(f)では、複数の第2の上部開口部を形成し、且つ複数の第2の上部開口部のうちの少なくとも1つを、活性領域と活性領域の上に形成されたゲート電極との上に跨って形成し、工程(h)では、複数の第2のコンタクトプラグを形成し、複数の第2のコンタクトプラグのうちの少なくとも1つは、ゲート電極と活性領域とを接続するシェアードコンタクトプラグとしてもよい。
【0016】
第1の半導体装置の製造方法は、工程(a)よりも前に、基板に活性領域を選択的に形成する工程(i)をさらに備え、工程(d)では、複数の第1の下部開口部をゲート電極と並行に延びるストライプ状に形成し、複数の第2の下部開口部をゲート電極と交差する方向に延びるストライプ状に形成し、工程(f)では、複数の第1の上部開口部を活性領域の上に形成し、複数の第2の上部開口部をゲート電極の上及び活性領域と活性領域の上に形成されたゲート電極との上に跨るように形成すればよい。
【0017】
第1の半導体装置の製造方法において、工程(d)では、複数の第2の下部開口部を形成し、ゲート電極と交差する方向に2つの第2の下部開口部を隣接して配置する場合には、少なくとも1つのゲート電極を挟んで間隔をおいて配置する構成とすればよい。このような構成とすれば、シェアードコンタクトプラグを容易に形成することができる。
【0018】
第1の半導体装置の製造方法において、第1のマスク層及び第2のマスク層のうちの一方は無機膜であり、第1のマスク層及び第2のマスク層のうちの他方はレジスト膜とすればよい。この場合において、無機膜は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜とすればよい。
【0019】
第1の半導体装置の製造方法において、第1のマスク層及び第2のマスク層は、有機膜としてもよい。また、第1のマスク層は反射防止膜であり、第2のマスク層はレジスト膜としてもよい。
【0020】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、基板の上に複数のゲート電極を形成する工程(a)と、ゲート電極が形成された基板の上に層間絶縁膜を形成する工程(b)と、層間絶縁膜の上に第1のマスク層を形成する工程(c)と、第1のマスク層に層間絶縁膜を露出する第1の下部開口部を形成する工程(d)と、第1のマスク層の上に第2のマスク層を形成する工程(e)と、第2のマスク層に第1の下部開口部を通して層間絶縁膜を露出する第1の上部開口部を形成する工程(f)と、工程(f)よりも後に、層間絶縁膜の第1の上部開口部及び第1の下部開口部から露出した部分をエッチングすることにより、第1のコンタクトホールを形成する工程(g)と、第1のコンタクトホールに導電性材料を埋め込むことにより第1のコンタクトプラグを形成する工程(h)とを備え、第1の下部開口部は、隣接するゲート電極同士の間に形成され、各辺の長さが第1の上部開口部の短辺よりも長い平面方形状であり、第1の上部開口部は、第1の下部開口部を露出し、ゲート電極と平行な方向に延びる長辺と、ゲート電極と交差する方向に延びる短辺とを有する平面方形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、フォトリソグラフィーのプロセスマージンを確保すると共に、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡が生じにくい半導体装置を実現できる。また、コンタクトプラグの長辺側の拡大により、コンタクトプラグと基板との接触面積が拡大し、コンタクト抵抗を小さくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)及び(b)はゲート電極及びコンタクトプラグのパターン配置の一例を示す平面図であり、(a)は平面円形状のコンタクトプラグを示し、(b)は平面ストライプ状のコンタクトプラグを示す。
【図2】(a)は平面円形状のホールパターンを形成する際のフォーカス位置及び光学像閾値に対するホールパターンの寸法変動をシミュレーションにより見積もった結果であり、(b)は(a)の結果に基づいて求めたプロセスウィンドウである。
【図3】(a)は平面ストライプ状のホールパターンを形成する際のフォーカス位置及び光学像閾値に対するホールパターンの寸法変動をシミュレーションにより見積もった結果であり、(b)は(a)の結果に基づいて求めたプロセスウィンドウである。
【図4】(a)及び(b)は、一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図6】(a)及び(b)は、一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図7】(a)及び(b)は、一実施形態に係る半導体装置の製造方法の一工程を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図8】(a)及び(b)は、一実施形態に係る半導体装置の製造方法の変形例の一工程を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図9】スタンダードセルレイアウトの場合における設計レイアウトを示す平面図である。
【図10】スタティックラムセルレイアウトの場合における設計レイアウトを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(基本コンセプト)
まず、本実施形態におけるゲート電極とコンタクトプラグの寸法バジェットについて説明する。
【0024】
図1(a)及び(b)はゲート電極及びコンタクトプラグのパターン配置の一例を示している。図1(a)に示すように、配置ピッチPの間隔でゲート長Lgのゲート電極12が配置されており、ゲート電極12の間に平面円形状のコンタクトプラグ13が形成されている場合、コンタクトプラグ13の径Rの許容される最大値は次の式(1)のようになる。
R≦P−Lg−2×S−((Dg/2)2+(Dc/2)2+O21/2 ・・・(1)
但し、Sはゲート電極12とコンタクトプラグ13とを絶縁するために必要なセパレーションの幅であり、Dg及びDcはそれぞれゲート長Lg及びコンタクトプラグの径Rの寸法ばらつきであり、Oはゲート電極12とコンタクトプラグ13との重ね合わせ誤差である。配置ピッチPを120nm、ゲート長Lgを30nm、セパレーション幅Sを20nm、寸法ばらつきDg及びDcをそれぞれ±10nm、重ね合わせ誤差Oを15nmとすると、許容されるコンタクトプラグ13の径Rの最大値は37.75nmとなる。
【0025】
従って、コンタクトプラグ13の径を37.75nm以下にしなければ、寸法ばらつき及び重ね合わせ誤差が最大に振れた場合、ゲート電極12とコンタクトプラグ13とが短絡し、半導体装置の電気的特性や信頼性が悪化する。しかし、ゲート電極12とコンタクトプラグ13との短絡に影響するのは、ゲート電極12と交差する方向(ゲート長方向)の寸法である。従って、ゲート長方向の寸法が37.75nm以下であれば、ゲート電極と平行な方向(ゲート幅方向)の寸法は大きくなっても、ゲート電極12とコンタクトプラグ13との短絡という観点からは何ら問題ない。例えば、図1(b)に示すようにゲート幅方向の寸法がゲート長方向の寸法よりも長いストライプ状のコンタクトプラグ13であっても、ゲート電極12とコンタクトプラグ13との短絡は生じない。
【0026】
また、式(1)において示した値はコンタクトプラグ、つまり層間絶縁膜に形成したコンタクトホールの径であり、層間絶縁膜をエッチングしてコンタクトホールを形成するためのマスクとなるレジストに形成する開口部(ホールパターン)の開口径ではない。リソグラフィー処理及びエッチング処理によりコンタクトホールを形成する際に、リソグラフィー処理後にフォトレジストに形成されるホールパターンの開口径と、エッチング処理後に層間絶縁膜等の被エッチング膜に形成されるコンタクトホールの開口径との間にはオフセットが生じる。このため、例えば、リソグラフィー処理とエッチング処理とにより、被エッチング膜に径が35nmのコンタクトホールを形成する場合、リソグラフィー処理後にフォトレジストに形成するホールパターンの開口径は60nm程度になり得る。
【0027】
次に、ゲート電極とコンタクトプラグとを実現するために必要なリソグラフィー処理におけるプロセスウィンドウについて説明する。図2は開口径が60nmの円形のホールパターンをリソグラフィー処理によりフォトレジストに形成する際のプロセスウィンドウをシミュレーションにより見積もった結果を示している。一方、図3は開口幅が60nmのストライプ状のホールパターンをリソグラフィー処理によりフォトレジストに形成する際のプロセスウィンドウをシミュレーションにより見積もった結果を示している。
【0028】
シミュレーションに用いたリソグラフィー処理における露光プロセス条件は、純水(屈折率1.437)による液浸露光であり、露光波長が193nm、開口数NAが1.35であり、照明光学系の開口数/投影光学系の開口数(σ)が0.6の部分コヒーレント照明とした。また、マスクは6%透過のハーフトーン位相シフトマスクを用い、マスク上の開口幅を円形のホールパターンの場合にはウェハ上換算で80nmとし、ストライプ状のホールパターンの場合には60nmとした。
【0029】
図2(a)及び図3(a)は、それぞれ円形のホールパターン及びストライプ状のホールパターンについて、フォーカス位置及び光学像閾値に対するホールパターンの寸法変動を求めた結果を示している。図2(b)及び図3(b)は、それぞれ図2(a)及び図3(b)に示した相関データから解析した、フォーカス位置及び光学像閾値の逆数(=露光量に相当)に対するプロセスウィンドウを示している。図2(b)に示すように、プロセスウィンドウが楕円であるとした場合、露光量余裕度を5%確保した場合のDOF(Depth of Focus)は90nmとなった。一方、図3(b)に示すように、プロセスウィンドウが楕円であるとした場合、露光量余裕度を5%確保した場合のDOFは200nm以上となった。
【0030】
図2及び図3に示すように、ある一方向に対して同じ開口幅のホールパターンをリソグラフィー処理によりフォトレジストに形成する場合、円形のホールパターンよりも、ストライプ状のホールパターンの方がより大きなプロセスウィンドウを確保することができる。逆に言えば、同じプロセスウィンドウを確保する場合、ストライプ状のホールパターンとした方が円形状のホールパターンよりも一方向に対してより微細な開口を形成することができる。
【0031】
ストライプ状のホールパターンとは理想的には、長辺の長さが短辺の長さと比べてほぼ無限大の場合であるが、長辺の長さが短辺の長さの約2倍以上であればストライプ状のホールパターンとみなすことができ、大きなプロセスウィンドウを確保することができる。また、プロセスウィンドウを拡大する効果は露光波長によっても影響を受けるため、長辺の長さは露光波長の約2倍以上であることが好ましい。
【0032】
隣接するゲート電極間にコンタクトプラグを形成する際に、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡を防止するためには、ゲート長方向の寸法を許容範囲内に収められればよい。従って、従って、プロセスウィンドウを確保することが容易なストライプ状のホールパターンを用いてコンタクトプラグを形成すれば、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡のおそれを大幅に低減できると考えられる。
【0033】
以下に、この知見に基づいた半導体装置の製造方法について実施形態を用いて詳細に説明する。
【0034】
(一実施形態)
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図4〜7は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示している。各図において(a)は平面構成を示し、(b)は断面構成を示している。
【0035】
まず、図4に示すように、シリコン基板等の半導体基板101の上に複数のゲート電極102を形成する。ゲート電極102は、ゲート層に形成された導電パターンの一例であって、ゲート電極102に代えてゲート配線であってもよい。ゲート電極102と半導体基板101との間には、シリコン酸化膜等からなるゲート絶縁膜(図示せず)を形成する。ゲート電極102は、ポリシリコン、タングステン又はタングステンシリサイド等の単一層又は多重層とし、通常のリソグラフィー及びエッチング処理により形成すればよい。続いて、ゲート電極102の側壁上にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜等からなる側壁保護膜113を形成する。但し、側壁保護膜113はなくてもよい。また、ゲート電極102の上部にシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜等からなるハードマスクを形成してもよい。
【0036】
次に、図5に示すように半導体基板101上の全面にBPSG(Boron Phosphor Silicate Glass)、BSG(Boron Silicate Glass)、PSG(Phosphor Silicate Glass)又はHDP(High Density Plasma)酸化膜等からなる層間絶縁膜114形成する。層間絶縁膜114はCMP処理により平坦化してもよい。次に、層間絶縁膜114に対してエッチング選択比を有する膜により第1のマスク層115を形成した後、フォトリソグラフィー及びエッチングを用いて第1のマスク層115に第1の下部開口部115aを形成する。第1の下部開口部115aは、ゲート電極102同士の間に領域にゲート電極と並行に延びるストライプ状に形成する。ストライプ状の第1の下部開口部115aの短辺の寸法は、先に述べたゲート電極とコンタクトプラグとの短絡の発生が生じない許容範囲内に入るようにする。しかし、第1の下部開口部115aの長辺の寸法を短辺の寸法の約2倍以上とすることにより、プロセスウィンドウを拡大することができるため、フォトリソグラフィーを用いて精度良く第1の下部開口部115aを形成することができる。
【0037】
続いて、第1のマスク層115の上にフォトレジストからなる第2のマスク層116を形成し、第1の上部開口部116aを形成する。第1の上部開口部116aは、第1の下部開口部115aの短辺の寸法よりも一辺の長さが長い平面正方形状に形成する。また、第1の下部開口部を通して層間絶縁膜114を露出する位置に形成する。第1の上部開口部116aは、第1の下部開口部115aの短辺の寸法よりも大きく形成することができるため、十分なプロセスウィンドウを確保することが可能であり、精度良く形成することができる。この場合、露光マスクのパターンが正方形状であればよく、実際に露光されて形成された第1の上部開口部116aの平面形状は角が面取りされた形状となっていたり、図2に示すように円形となっていてもよい。また、必ずしも平面正方形状とする必要はなく、必要とするコンタクトの平面形状によっては長方形状であってもよい。平面長方形状の場合には、短辺が第1の下部開口部115aの短辺のよりも長ければよい。また、露光マスクのパターンには、マスク補正により、コーナー部にセリフパターンが付加されていてもよい。
【0038】
次に、図6に示すように、第1のマスク層115及び第2のマスク層116をエッチングマスクとして層間絶縁膜114をエッチングする。これにより、層間絶縁膜114における第1の下部開口部115a及び第1の上部開口部116aを通して露出する部分がエッチングされ、第1のコンタクトホール114aが形成される。
【0039】
次に、図7に示すように、第1のコンタクトホール114aに通常の方法によりタングステン等の導電性材料を埋め込むことにより半導体基板101と接続された第1のコンタクトプラグ103が形成される。半導体基板101における第1のコンタクトプラグ103と接する部分は、素子分離領域に囲まれた活性領域であり、ソース又はドレイン等が形成されていてもよい。
【0040】
本実施形態においては、第1のマスク層115と第2のマスク層116とをエッチングマスクとして用いる。また、第1の下部開口部115aはゲート幅方向に延びるストライプ状であり、第1の上部開口部116aは、一辺の長さが第1の下部開口部115aの幅よりも長い。このため、第1のコンタクトホール114aのゲート長方向の寸法は第1の下部開口部115aの幅によって決定され、ゲート幅方向の寸法は第1の上部開口部116aの一辺の長さによって決定される。
【0041】
第1の下部開口部115aはストライプ状であるため、先に述べたようにプロセスウィンドウを大きくすることができる。このため、第1の下部開口部115aが側壁保護膜113とが重なり合うことがないように又はほとんど重ならないように、第1の下部開口部115aの幅を非常に狭くしたとしても、第1の下部開口部115aを精度良く形成できる。従って、層間絶縁膜114をエッチングする際に側壁保護膜113が同時にエッチングされて薄くなることを抑制でき、コンタクトプラグ103とゲート電極102との短絡が生じにくくなる。一方、第1のコンタクトホール114aのゲート幅方向の寸法には余裕があるため、正方形状の第1の上部開口部116aはマージンを確保できるように十分大きく形成することができる。
【0042】
また、第1の下部開口部115aをストライプ状とすることにより、第1の下部開口部115aを形成するためのリソグラフィーのレジストの種類、マスクの種類、露光波長及び照明条件等の露光プロセス条件をゲート電極102を形成するためのリソグラフィーと同一にすることが可能となる。これにより、ゲート電極102と第1の下部開口部115aとのアライメント誤差を非常に小さくすることができる。
【0043】
第1のマスク層115は、例えばシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜等の無機膜とし、第2のマスク層116は、例えばフォトレジストとすればよい。この場合には、第1の下部開口部115aは、リソグラフィーとエッチングとにより形成し、第1の上部開口部116a及び第2の上部開口部116bは、リソグラフィーにより形成すればよい。第2のマスク層116に用いるフォトレジストは、一般的なものを用いることができるが、例えばアルゴンフッ素(ArF)レーザにより露光を行う場合には、アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂又はポリシクロオレフィン系樹脂等をベース樹脂とするフォトレジストを用いることができる。
【0044】
また、第1のマスク層115は、ネガタイプのフォトレジストとし、第2のマスク層116はポジタイプのフォトレジストとしてもよい。このようにすれば、第1の下部開口部115a及び第1の上部開口部116aは共にリソグラフィーにより形成できる。この場合には、第2のマスク層116に用いるポジタイプのフォトレジストに、第1のマスク層115に用いるネガタイプのフォトレジストとは容易に溶解しない材料を選択すればよい。また、第1のマスク層115にポジタイプのフォトレジストを用い、第2のマスク層116にネガタイプのフォトレジストを用いてもよい。さらに、互いに容易に溶解しない材料を用いれば、両方をポジタイプのフォトレジストとしたり、両方をネガタイプのフォトレジストとすることも可能である。
【0045】
また、第1のマスク層115に反射防止膜を用い、第2のマスク層116にフォトレジストを用いることも可能である。反射防止膜には種々の材料を用いることができるが、例えば架橋剤をヘキサメトキシメチルメラミンとし、溶剤にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とした材料等を用いればよい。また、シリコンを含有する有機反射防止膜はSiO2からなる層間絶縁膜114に対するエッチング選択比が高いため好ましい。なお、反射防止膜以外の有機膜を用いることもできる。第1のマスク層115に反射防止膜を用い、第2のマスク層116にフォトレジストを用いた場合には、第1の下部開口部115aはリソグラフィーとエッチングとにより形成し、第1の上部開口部116aはリソグラフィーにより形成すればよい。
【0046】
ゲート電極間にコンタクトプラグを形成する場合について説明したが、ゲート電極と接続されたコンタクトプラグ及びゲート電極と活性領域との両方と接続されたシェアードコンタクトプラグを形成する場合にも同様の方法を用いることができる。この場合、例えば、図8に示すように第1のマスク層115にゲート電極102と交差する方向に延びるストライプ状の第2の下部開口部115bを形成し、第2のマスク層116に平面方形状の第2の上部開口部116bを形成すればよい。この場合、第2のマスク層116及び第1のマスク層115をエッチングマスクとして形成した第2のコンタクトホール114bのゲート幅方向の寸法は、第2の下部開口部115bのゲート幅方向の寸法により規定され、ゲート長方向の寸法は、第2の上部開口部116bのゲート長方向の寸法により規定される。
【0047】
第2の上部開口部116bをゲート電極102の上に形成すれば、ゲート電極102と接続されたコンタクトプラグを形成できる。また、ゲート電極102の上と活性領域の上とに跨るように形成すればシェアードコンタクトを形成できる。第2の上部開口部116bについても、露光マスクの形状が平面方形状であればよく、実際に露光されて形成された第2の上部開口部116bの平面形状は、円形状又は長円形状等であってかまわない。なお、第1の下部開口部115aと第2の下部開口部115bとが交差する部分が存在していても問題ない。
【0048】
次に、第1の下部開口部115a、第2の下部開口部115b、第1の上部開口部116a及び第2の上部開口部116bを形成するためのマスクパターンについて説明する。
【0049】
図9は、スタンダードセルレイアウトの場合における設計レイアウトを示している。図9においては、活性領域、ゲート電極及びゲートコンタクトの3層のレイヤーを重ねて表示している。また、図9において、ゲート電極と交差する方向(ゲート長方向)をX方向、ゲート電極と平行な方向(ゲート幅方向)をY方向として説明する。
【0050】
図9に示すように、半導体装置には複数のコンタクトプラグ136が形成され、コンタクトプラグ136はそれぞれ、活性層131及びゲート電極132に形成されたパッド部138等と接続されている。ゲート電極132とコンタクトプラグ136とを接続する場合にパッド部138を形成することが一般的であるが、ゲート電極132のサイズ等によっては、パッド部138を形成せずに、ゲート電極132とコンタクトプラグ136とを接続することも可能である。
【0051】
第1のマスク層には次の3種類の下部開口パターンが形成される。各下部開口パターンは短辺の長さを、先に述べたゲート電極とコンタクトプラグとの短絡が発生しない許容範囲内に入るようにする。1つめは、隣接するゲート電極132の間に配置され、ゲート電極132と平行な方向に延びる第1の下部開口パターン133Aである。第1の下部開口パターン133Aは、第1の下部開口部に相当する。2つめは、ゲート電極132の対向スペースに配置され、ゲート電極132と交差する方向に延びる第2の下部開口パターン133Bである。第2の下部開口パターン133Bは第2の下部開口部に相当する。3つめは、ゲート電極132に形成されたパッド部138の上を横切り、ゲート電極132と交差する方向に延びる第3の下部開口パターン133Cである。第3の下部開口パターン133Cは第2の下部開口部115bに相当する。第1の下部開口パターン133A、第2の下部開口パターン133B及び第3の下部開口パターン133Cは、ゲート電極132の上及びゲート電極132の間に配置されるすべてのコンタクトプラグ136を含むように配置される。
【0052】
第2のマスク層には、平面正方形状の上部開口パターン135が形成される。上部開口パターン135は、第1の上部開口部及び第2の上部開口部に相当する。上部開口パターン135は、各コンタクトプラグ136を形成する位置に配置する。但し、図9では一部を省略している。また、隣接する下部開口パターン同士を跨がないコンタクトプラグ136と接触しない範囲で過大に形成する。
【0053】
第1の下部開口パターン133Aと上部開口パターン135とにより形成されるコンタクトプラグ136は、X方向の両隣又はY方向両隣のいずれかにゲート電極132が存在する。この場合、第1の下部開口パターン133Aは、長辺がゲート電極132に対して平行となり、短辺がゲート電極132に対して垂直となるように配置する。また、第1の下部開口パターン133Aは、X方向に一列に並ぶ隣接した2個以上の複数のコンタクトプラグ136に跨るストライプ状のパターンとする。このようにすることによりゲート電極132の側壁に形成された側壁保護膜と第1の下部開口パターン133Aとは、上面から見たときに重ならないか又は重なり部分を極力小さな状態とすることができる。
【0054】
第2の下部開口パターン133Bと上部開口パターン135とにより形成されるコンタクトプラグ136は、X方向の両隣及びY方向の両隣の両方にゲート電極132が存在せず、斜め方向のみにゲート電極132が存在する。第2の下部開口パターン133Bは、ゲート電極132の対向スペースにゲート電極132と重ならないように配置する。また、X方向に一列に並ぶ2個以上の複数のコンタクトプラグ136に跨るストライプ状のパターンとする。
【0055】
第3の下部開口パターン133Cは、長辺がゲート電極132に対して交差し、短辺がゲート電極132に対して平行になるように配置され、X方向に一列に並ぶ2個以上の複数のコンタクトプラグ136に跨るストライプ状のパターンとする。
【0056】
下部開口パターンと上部開口パターンとをこのような配置として、層間絶縁膜のエッチングを行えば、コンタクトプラグが形成される領域の近傍の側壁保護膜がエッチングされて薄くなることがない。従って、最終的に形成されたコンタクトプラグとゲート電極との間に短絡が発生することを抑えることができる。
【0057】
図10は、スタティックラムセルレイアウトの場合における設計レイアウトを示している。図10においては、活性領域、ゲート電極及びゲートコンタクトの3層のレイヤーを重ねて表示している。また、図10において、ゲート電極と交差する方向(ゲート長方向)をX方向、ゲート電極と平行な方向(ゲート幅方向)をY方向として説明する。
【0058】
図10に示すように、第1のマスク層に形成する下部開口パターンは、次のように配置する。1つめは、隣接するゲート電極142同士の間に、ゲート電極142と平行に延びる第1の下部開口パターン143Aである。2つめは、ゲート電極142と交差する方向に延びる、第2の下部開口パターン143Bである。第1の下部開口パターン143Aは第1の下部開口部に相当し、第2の下部開口パターン143Bは第2の下部開口部に相当する。第1の下部開口パターン143A及び第2の下部開口パターン143Bの一部は、それぞれX方向及びYに連続して形成されておらず、複数のパターンに分離されている。
【0059】
第1の下部開口パターン143A及び第2の下部開口パターン143Bは、ゲート電極142の上及びゲート電極142の間に配置されるコンタクトプラグ146及びシェアードコンタクトプラグ147をすべて含むように配置される。
【0060】
第2のマスク層には、平面正方形状の上部開口パターン145を形成する。上部開口パターン145は、第1の上部開口部及び第2の上部開口部に相当する。上部開口パターン145は、各コンタクトプラグ146と同じ位置に配置する。但し、図10においては一部の表示を省略している。また、隣接する下部開口パターン同士を跨がないコンタクトプラグ146及びシェアードコンタクトプラグ147と接触しない範囲で、過大に形成する。
【0061】
コンタクトプラグ146のX方向の両隣又はY方向両隣のいずれかにゲート電極142が存在する場合、第1の下部開口パターン143Aは、長辺がゲート電極142に対して平行となり、短辺がゲート電極142に対して交差するように配置する。このようにすることによりゲート電極142の側壁に形成された側壁保護膜と第1の下部開口パターンとが上面から見たときに重ならないか又は重なり部分を極力小さな状態とすることが可能となる。
【0062】
コンタクトプラグ146がゲート電極142の上又はパッド部の上に存在する場合、第2の下部開口パターン143Bは、長辺がゲート電極に対して交差し、短辺がゲート電極に対して平行となるように配置する。
【0063】
下部開口パターンと上部開口パターンとをこのような配置として、層間絶縁膜のエッチングを行えば、コンタクトプラグが形成される領域の近傍の側壁保護膜がエッチングされて薄くなることがない。従って、最終的に形成されたコンタクトプラグとゲート電極との間に短絡が発生することを抑えることができる。
【0064】
さらに、シェアードコンタクトプラグ147を形成する部分においては以下のように第1の下部開口パターン143Aと第2の下部開口パターン143Bとを配置すればよい。シェアードコンタクトプラグ146は、X方向に隣接する2つのゲート電極142を短絡しないように形成する必要がある。このため、シェアードコンタクトプラグ146と接続されたゲート電極142と隣接するゲート電極142のうち、シェアードコンタクトプラグ146と接続された活性領域141側のゲート電極142の上には、第2の下部開口パターン143Bを形成しないようにする。例えば、図10に示すように、シェアードコンタクトプラグ147と隣接するコンタクトプラグ146との間には第2の下部開口パターン143Bが形成されていない分離部151を設ける。また、Y方向にシェアードコンタクトプラグ147が隣接する場合、隣接するシェアードコンタクトプラグ147の間には第1の下部開口パターン143Aを形成せず、分離部152を設ける。このような配置とすれば、シェアードコンタクトプラグ147と隣接するゲート電極142との短絡及びシェアードコンタクトプラグ147同士の短絡を生じることなく、シェアードコンタクトプラグ147を容易に形成することが可能となる。
【0065】
本実施形態において、第1の下部開口部及び第2の下部開口部をストライプ状としたが、長辺の長さが短辺の長さの約2倍以上あれば、ストライプ状とみなすことができプロセスウィンドウを拡大する効果が得られる。但し、長辺の長さは露光波長の約2倍以上とすることが好ましい。
【0066】
また、第1の下部開口部及び第2の下部開口部をストライプ状としたが、第1の上部開口部及び第2の上部開口部をストライプ状としてもよい。この場合には、第1の下部開口部を一辺の長さが第1の上部開口部の短辺の長さよりも長い平面方形状とし、第2の下部開口部を一辺の長さが第2の上部開口部の短辺の長さよりも長い平面方形状とすればよい。ストライプ状の第1の下部開口部と方形状の第1の上部開口部との組み合わせと、方形状の第2の下部開口部とストライプ状の第2の上部開口部との組み合わせ、又はこの逆の組み合わせとすることも可能である。
【0067】
本実施形態において、層間絶縁膜に形成されるコンタクトホールの形状は楕円状又はそれに近い形となる。コンタクトホールの短辺の寸法は、第1のマスク層に形成する下部開口パターンの短辺の寸法によって規定され、長辺の寸法は第2のマスク層に形成される上部開口パターンの寸法によって規定される。このため、コンタクトホールの短辺側の微細化は、等方形状のコンタクトホールを形成する場合よりも容易となる。従って、リソグラフィー処理によりフォトレジストにコンタクトホールパターンを形成する際のプロセスマージンを確保しつつ、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡を防止することが可能となる。
【0068】
また、第1のマスク層に形成される下部開口パターンを形成するためのリソグラフィー処理における照明形状及び開口数等の投影光学条件(露光プロセス条件)は、ゲート電極パターンを形成する際のリソグラフィー処理におけるプロセス条件を転用可能である。このため、ゲート電極パターンと下部開口パターンとのアライメント誤差を極力小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、フォトリソグラフィーのプロセスマージンを確保すると共に、ゲート電極とコンタクトプラグとの短絡が生じにくい半導体装置の製造方法を実現でき、セルフアラインコンタクトを有する半導体装置の製造方法等として有用である。
【符号の説明】
【0070】
12 ゲート電極
13 コンタクトプラグ
101 半導体基板
102 ゲート電極
103 第1のコンタクトプラグ
113 側壁保護膜
114 層間絶縁膜
114a 第1のコンタクトホール
114b 第2のコンタクトホール
115 第1のマスク層
115a 第1の下部開口部
115b 第2の下部開口部
116 第2のマスク層
116a 第1の上部開口部
116b 第2の上部開口部
131 活性領域
132 ゲート電極
133A 第1の下部開口パターン
133B 第2の下部開口パターン
133C 第3の下部開口パターン
135 上部開口パターン
136 コンタクトプラグ
138 パッド部
141 活性領域
142 ゲート電極
143A 第1の下部開口パターン
143B 第2の下部開口パターン
145 上部開口パターン
146 コンタクトプラグ
147 シェアードコンタクトプラグ
151 分離部
152 分離部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に複数のゲート電極を形成する工程(a)と、
前記基板の上に前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程(b)と、
前記層間絶縁膜の上に第1のマスク層を形成する工程(c)と、
前記第1のマスク層に前記層間絶縁膜を露出する第1の下部開口部を形成する工程(d)と、
前記第1のマスク層の上に第2のマスク層を形成する工程(e)と、
前記第2のマスク層に前記第1の下部開口部を通して前記層間絶縁膜を露出する第1の上部開口部を形成する工程(f)と、
前記工程(f)よりも後に、前記層間絶縁膜における前記第1の上部開口部及び第1の下部開口部から露出した部分をエッチングすることにより、第1のコンタクトホールを形成する工程(g)と、
前記第1のコンタクトホールに導電性材料を埋め込むことにより第1のコンタクトプラグを形成する工程(h)とを備え、
前記第1の下部開口部は、隣接する前記ゲート電極同士の間に形成され、前記ゲート電極と平行な方向に延びる長辺と、前記ゲート電極と交差する方向に延びる短辺とを有する平面方形状であり、
前記第1の上部開口部は、各辺の長さが前記第1の下部開口部の短辺よりも長い平面方形状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の下部開口部は長辺の長さが短辺の長さの2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(a)は、前記ゲート電極を形成するための第1のレジストパターンをフォトリソグラフィーにより形成する工程(a1)を含み、
前記工程(d)は、前記第1の下部開口部を形成するための第2のレジストパターンをフォトリソグラフィーにより形成する工程(d1)を含み、
前記工程(a1)における照明条件及び露光波長と、前記工程(d1)における照明条件及び露光波長とは同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の下部開口部は、長辺の長さが露光波長の2倍以上であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記工程(d)では、複数の前記第1の下部開口部を形成し、
前記工程(f)では、複数の前記第1の上部開口部を形成し、
前記工程(g)では、複数の前記第1のコンタクトホールを形成し、前記複数の第1のコンタクトホールのうちの少なくとも2つは、一の前記第1の下部開口部と、前記一の第1の下部開口部と対応する複数の第1の上部開口部とを用いて形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記工程(d)は、前記第1のマスク層に前記ゲート電極と交差する方向に延びる長辺と、前記ゲート電極と平行な方向に延びる短辺とを有する平面方形状の第2の下部開口部を形成する工程を含み、
前記工程(f)は、前記第2のマスク層に前記第2の下部開口部を通して前記層間絶縁膜を露出する第2の上部開口部を形成する工程を含み、
前記工程(g)は、前記層間絶縁膜における前記第2の上部開口部及び第2の下部開口部から露出した部分をエッチングすることにより第2のコンタクトホールを形成する工程を含み、
前記工程(h)は、前記第2のコンタクトホールに導電性材料を埋め込むことにより第2のコンタクトプラグを形成する工程を含み、
前記第2の上部開口部は、各辺の長さが前記第2の下部開口部の短辺よりも長い平面方形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記工程(a)よりも前に、前記基板に活性領域を選択的に形成する工程(i)をさらに備え、
前記工程(f)では、複数の前記第2の上部開口部を形成し、且つ前記複数の第2の上部開口部のうちの少なくとも1つを、前記活性領域と該活性領域の上に形成された前記ゲート電極との上に跨って形成し、
前記工程(h)では、複数の前記第2のコンタクトプラグを形成し、
前記複数の第2のコンタクトプラグのうちの少なくとも1つは、前記ゲート電極と前記活性領域とを接続するシェアードコンタクトプラグであることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(a)よりも前に、前記基板に活性領域を選択的に形成する工程(i)をさらに備え、
前記工程(d)では、複数の前記第1の下部開口部を前記ゲート電極と並行に延びるストライプ状に形成し、複数の前記第2の下部開口部を前記ゲート電極と交差する方向に延びるストライプ状に形成し、
前記工程(f)では、複数の前記第1の上部開口部を前記活性領域の上に形成し、複数の前記第2の上部開口部を前記ゲート電極の上及び前記活性領域と該活性領域の上に形成されたゲート電極との上に跨るように形成することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記工程(d)では、複数の前記第2の下部開口部を形成し、前記ゲート電極と交差する方向に2つの前記第2の下部開口部を隣接して配置する場合には、少なくとも1つの前記ゲート電極を挟んで間隔をおいて配置することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1のマスク層及び第2のマスク層のうちの一方は無機膜であり、前記第1のマスク層及び第2のマスク層のうちの他方はレジスト膜であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記無機膜は、シリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1のマスク層及び第2のマスク層は、有機膜であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1のマスク層は反射防止膜であり、前記第2のマスク層はレジスト膜であることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
基板の上に複数のゲート電極を形成する工程(a)と、
前記ゲート電極が形成された基板の上に層間絶縁膜を形成する工程(b)と、
前記層間絶縁膜の上に第1のマスク層を形成する工程(c)と、
前記第1のマスク層に前記層間絶縁膜を露出する第1の下部開口部を形成する工程(d)と、
前記第1のマスク層の上に第2のマスク層を形成する工程(e)と、
前記第2のマスク層に前記第1の下部開口部を通して前記層間絶縁膜を露出する第1の上部開口部を形成する工程(f)と、
前記工程(f)よりも後に、前記層間絶縁膜の前記第1の上部開口部及び第1の下部開口部から露出した部分をエッチングすることにより、第1のコンタクトホールを形成する工程(g)と、
前記第1のコンタクトホールに導電性材料を埋め込むことにより第1のコンタクトプラグを形成する工程(h)とを備え、
前記第1の下部開口部は、隣接する前記ゲート電極同士の間に形成され、各辺の長さが前記第1の上部開口部の短辺よりも長い平面方形状であり、
前記第1の上部開口部は、前記第1の下部開口部を露出し、前記ゲート電極と平行な方向に延びる長辺と、前記ゲート電極と交差する方向に延びる短辺とを有する平面方形状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−283140(P2010−283140A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135149(P2009−135149)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】