半導体装置の製造方法
【課題】ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置において、ロジック回路部に形成されるレジストパターン形状の精度低下抑制に寄与する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、ロジックトランジスタ、不揮発性メモリをそれぞれ形成する第1及び第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、STIで形成する工程と、第2の活性領域上方に、フローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、導電層上及びその外側の領域を覆って、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、第1の活性領域の隣接部分の素子分離絶縁膜上の窒化シリコンを含む絶縁膜を覆い、第1の活性領域を露出するマスクを用いてエッチングする工程と、第1の活性領域の隣接部分の素子分離絶縁膜上の窒化シリコンを含む絶縁膜上に端部の配置されたフォトレジストパターンを形成する工程とを有する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、ロジックトランジスタ、不揮発性メモリをそれぞれ形成する第1及び第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、STIで形成する工程と、第2の活性領域上方に、フローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、導電層上及びその外側の領域を覆って、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、第1の活性領域の隣接部分の素子分離絶縁膜上の窒化シリコンを含む絶縁膜を覆い、第1の活性領域を露出するマスクを用いてエッチングする工程と、第1の活性領域の隣接部分の素子分離絶縁膜上の窒化シリコンを含む絶縁膜上に端部の配置されたフォトレジストパターンを形成する工程とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程においては、フォトレジスト膜の露光及び現像を行なうことにより、フォトレジスト膜がパターニングされ、残されたフォトレジスト膜によるレジストパターンが形成される。
【0003】
配線パターンの微細化に伴い、このようなレジストパターンのパターン形状に要求される精度も高くなり、露光条件の制御技術等の進歩が望まれる。
【0004】
ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置についても、このようなパターン形状の精度を確保するために、種々の方法(製造技術)が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−282740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置において、ロジック回路部に形成されるレジストパターン形状の精度低下抑制に寄与する半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、半導体基板に、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域及び不揮発性メモリを形成する第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、シャロートレンチアイソレーションで形成する工程と、前記第2の活性領域上に、不揮発性メモリのフローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、前記導電層上及び前記導電層の外側の領域を覆い、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、前記導電層上の前記絶縁膜、及び、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を覆い、前記第1の活性領域を露出する第1のマスクを形成する工程と、前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を残す工程と、前記第1のマスクを除去する工程と、前記半導体基板上にフォトレジスト材料層を形成し、露光を行って、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に端部の配置されたレジストパターンを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
不揮発性メモリのフローティングゲート上に形成される窒化シリコンを含む膜を、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域に隣接する部分の素子分離絶縁膜上に残す。レジストパターン形成の露光時に、素子分離絶縁膜の形成された半導体基板凹部の内面による反射を、窒化シリコンを含む膜が抑制することにより、素子分離絶縁膜上に形成されるレジストパターンの形状精度低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1A及び図1Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図2】図2A及び図2Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図3】図3A及び図3Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図4】図4A及び図4Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図5】図5A及び図5Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図6】図6A及び図6Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図7】図7A及び図7Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図8】図8A及び図8Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図9】図9A及び図9Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図10】図10A及び図10Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図11】図11A及び図11Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図12】図12A及び図12Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図13】図13A及び図13Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図14】図14A及び図14Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図15】図15A及び図15Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図16】図16A及び図16Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図17】図17A及び図17Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図18】図18A及び図18Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図19】図19A及び図19Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図20】図20A及び図20Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図21】図21A及び図21Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図22】図22A及び図22Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図23】図23A及び図23Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図24】図24A及び図24Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図25】図25A及び図25Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図26】図26A及び図26Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図27】図27A及び図27Bは、それぞれ、実施例のレジストパターン形成工程を示す概略断面図、及び実施例のレジストパターンの概略平面図である。
【図28】図28A及び図28Bは、それぞれ、比較例のレジストパターン形成工程を示す概略断面図、及び比較例のレジストパターンの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例による半導体装置は、ロジック回路とメモリ回路が混載された半導体集積回路である。まず、実施例の半導体装置に形成されるトランジスタの種類について説明する。
【0011】
メモリ回路は、フラッシュメモリセルを形成するMOSトランジスタを含む。フラッシュメモリセルに、例えばn型MOSトランジスタが用いられる。
【0012】
ロジック回路は、高電圧(例えば5〜10V)動作、3.3V動作、及び1.2V動作のMOSトランジスタを含む。
【0013】
高電圧動作MOSトランジスタ(「HV」と表記する)は、n型(N−HV)及びp型(P−HV)を含み、n型(N−HV)とp型(P−HV)それぞれに、閾値電圧が異なる2種類(High Vt、Low Vt)がある。つまり、高電圧動作MOSトランジスタは、4種類が形成される。高電圧動作MOSトランジスタは、フラッシュメモリセルの制御回路で使用される。
【0014】
3.3V動作MOSトランジスタ(「3.3V」と表記する)は、n型(N−3.3V)及びp型(P−3.3V)の2種類が形成される。3.3V動作MOSトランジスタは、入出力系の回路で使用される。
【0015】
1.2V動作MOSトランジスタ(「1.2V」と表記する)は、n型(N−1.2V)及びp型(P−1.2V)を含み、n型(N−1.2V)、p型(P−1.2V)それぞれに、閾値電圧が異なる3種類(STD、HS、UHS)がある。つまり、1.2V動作MOSトランジスタは、6種類が形成される。1.2V動作MOSトランジスタは、ロジック回路の主モジュールで使用される。
【0016】
このように、実施例の半導体装置に、フラッシュメモリセルのMOSトランジスタも含めて、13種類のMOSトランジスタが形成される。
【0017】
次に、実施例による半導体装置の製造方法について説明する。
【0018】
図1A、図1B〜図26A、図26Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。「A」を付した図はロジック回路部を示し、「B」を付した図はメモリ回路部を示す。「B」を付した図の右側部分は、ビット線に平行な方向(Y方向)の断面を示し、「B」を付した図の左側部分は、ワード線に平行な方向(X方向)の断面を示す。
【0019】
まず、図1A及び図1Bを参照して、フラッシュメモリセルのフローティングゲートに用いられる導電膜形成の前の工程までをまとめて説明する。
【0020】
まず、シリコン基板1に、シャロートレンチアイソレーション(STI)による素子分離絶縁膜2を形成する。素子分離絶縁膜2により、ロジック回路部で各種トランジスタが形成される活性領域、及び、メモリ回路部でメモリセルが形成される活性領域が画定される。
【0021】
次に、シリコン基板1表面に、熱酸化により例えば厚さ15nmのSiO膜を成長させて、犠牲酸化膜3を形成する。
【0022】
次に、フォトリソグラフィーにより、メモリセル形成領域、及び、高閾値及び低閾値のn型高電圧動作トランジスタ(N−HV High Vt及びN−HV Low Vt)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ2MeV、ドーズ量2×1013/cm2でP+をイオン注入して、n型領域4を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0023】
次に、フォトリソグラフィーにより、メモリセル形成領域、及び、ロジック回路部のn型トランジスタ(N−HV High Vt、N−HV Low Vt、N−3.3V、N−1.2V STD、N−1.2V HS、及びN−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ420keV、ドーズ量1.4×1013/cm2でB+をイオン注入して、p型領域5を形成する。
【0024】
さらに、同じレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ100keV、ドーズ量3.6×1012/cm2でB+をイオン注入して、p型領域6を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0025】
次に、フォトリソグラフィーにより、低閾値n型高電圧動作トランジスタ(N−HV Low Vt)を除く、ロジック回路部のn型トランジスタ(N−HV High Vt、N−3.3V、N−1.2V STD、N−1.2V HS、及びN−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ100keV、ドーズ量4.0×1012/cm2で、p型領域6に、B+を重ねてイオン注入する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0026】
次に、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部のp型トランジスタ(P−HV High Vt、P−HV Low Vt、P−3.3V、P−1.2V STD、P−1.2V HS、及びP−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ600keV、ドーズ量3.0×1013/cm2でP+をイオン注入して、n型領域7を形成する。
【0027】
さらに、同じレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ240keV、ドーズ量9.0×1011/cm2でP+をイオン注入して、n型領域8を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0028】
次に、フォトリソグラフィーにより、低閾値p型高電圧動作トランジスタ(P−HV Low Vt)を除く、ロジック回路部のp型トランジスタ(P−HV High Vt、P−3.3V、P−1.2V STD、P−1.2V HS、及びP−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ240keV、ドーズ量3.6×1012/cm2で、n型領域8に、P+を重ねてイオン注入する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0029】
次に、フォトリソグラフィーにより、メモリセル形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ40keV、ドーズ量6.0×1013/cm2でB+をイオン注入して、p型領域9を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0030】
次に、犠牲酸化膜3を、HF溶液で除去する。
【0031】
次に、図2A及び図2Bに示すように、シリコン基板1表面に、熱酸化により例えば厚さ10nmのSiO膜を成長させて、トンネル絶縁膜10を形成する。
【0032】
さらに、トンネル絶縁膜10上に、化学気相堆積(CVD)により例えば厚さ90nmのポリシリコン膜を堆積して、メモリセルのフローティングゲートに用いられる導電膜11を形成する。
【0033】
次に、図3A及び図3Bに示すように、導電膜11のフローティングゲートに用いられる部分上に、フォトリソグラフィーによりレジストパターンRP1を形成し、レジストパターンRP1をマスクとするエッチングで、導電膜11の不要部分を除去する。これにより、ロジック回路部で、トンネル絶縁膜10及び素子分離絶縁膜2が露出する。その後、レジストパターンRP1を除去する。
【0034】
次に、図4A及び図4Bに示すように、導電膜11上とその外側の領域を覆って、CVDで例えば厚さ5nmのSiO膜を成長させ、その上にCVDで例えば厚さ8nmのSiN膜を成長させ、さらに、このSiN膜の表面を熱酸化して例えば厚さ6nmのSiO膜を成長させる。このようにして、ONO膜構造の絶縁膜12を形成する。ロジック回路部で、活性領域のトンネル絶縁膜10上、及び素子分離絶縁膜2上に、絶縁膜12が形成される。
【0035】
絶縁膜12のSiN膜の成膜方法として、例えば、低圧(LP)CVDが用いられる。材料ガスとして、例えば、SiH2Cl2とNH3が用いられ、成膜温度は例えば800℃〜900℃である。
【0036】
次に、ロジック回路部の各種トランジスタに対し、チャネルドーズのイオン注入を行なう。代表的に、n型1.2V動作トランジスタN−1.2V STDについて図示して説明する。
【0037】
図5A及び図5Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、n型1.2V動作トランジスタN−1.2V STDの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP2を形成する。レジストパターンRP2をマスクとして、加速エネルギ15keV、ドーズ量8.2×1012/cm2でB+をイオン注入して、p型チャネルドーズ領域13を形成する。その後、レジストパターンRP2を除去する。
【0038】
次に、フォトリソグラフィーにより、p型1.2V動作トランジスタP−1.2V STDの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ150keV、ドーズ量2.9×1012/cm2でAs+をイオン注入して、(図6Aに示す)n型チャネルドーズ領域14を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0039】
次に、フォトリソグラフィーにより、n型3.3V動作トランジスタN−3.3Vの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ35keV、ドーズ量4.5×1012/cm2でB+をイオン注入して、(図6Aに示す)p型チャネルドーズ領域15を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0040】
次に、フォトリソグラフィーにより、p型3.3V動作トランジスタP−3.3Vの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ150keV、ドーズ量2.0×1012/cm2でAs+をイオン注入して、(図6Aに示す)n型チャネルドーズ領域16を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0041】
次に、図6A及び図6Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部の活性領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP3を形成する。ロジック回路部の隣接する活性領域同士に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2a上に、その幅の一部を覆ってレジストパターンRP3が形成されている。
【0042】
次に、図7A及び図7Bに示すように、レジストパターンRP3をマスクとして、ロジック回路部の活性領域上で、ONO膜構造の絶縁膜12の上側SiO膜及びSiN膜をドライエッチングで除去して、ONO膜構造の下側SiO膜17を残す。その後、レジストパターンRP3を除去する。レジストパターンRP3で保護されていた部分の素子分離絶縁膜2a上に、絶縁膜12が残される。
【0043】
次に、図8A及び図8Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP4を形成する。
【0044】
そして、レジストパターンRP4をマスクとして、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタの形成領域の下側SiO膜17及びその下のトンネル絶縁膜10を、HF溶液によるウエットエッチングで除去する。その後、レジストパターンRP4を除去する。
【0045】
図7A及び図7Bを参照して説明したエッチングで、ロジック回路部の隣接する活性領域同士に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2aの幅の一部を覆って絶縁膜12が残されている。
【0046】
レジストパターンRP4は、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタを形成する活性領域同士に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2aの上に、絶縁膜12を完全に覆いその外側の下側SiO膜17まで重なる幅で形成されている。
【0047】
これにより、下側SiO膜17及びトンネル絶縁膜10のウエットエッチングにおいて、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12の端部がエッチング液に曝されないので、絶縁膜12の端部下側に入り込んだ、素子分離絶縁膜2aのエッチングが抑制される(絶縁膜12のオーバーハングが抑制される)。
【0048】
次に、図9A及び図9Bに示すように、シリコン基板1表面を熱酸化し、例えば厚さ12nmのSiO膜を成長させて、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタの形成領域にゲート酸化膜18aを形成する。
【0049】
次に、図10A及び図10Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、3.3V動作トランジスタの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP5を形成する。
【0050】
そして、レジストパターンRP5をマスクとして、3.3V動作トランジスタ形成領域のゲート絶縁膜18aをウエットエッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP5を除去する。
【0051】
レジストパターンRP5も、絶縁膜12のオーバーハングを抑制するように、素子分離絶縁膜2a上に、絶縁膜12の外側の下側SiO膜17まで重なる幅で形成されている。
【0052】
次に、図11A及び図11Bに示すように、シリコン基板1表面を熱酸化し、例えば厚さ7.0nmのSiO膜を成長させて、3.3V動作トランジスタ形成領域にゲート酸化膜18bを形成する。この熱酸化で、高電圧動作トランジスタ形成領域のゲート酸化膜18aも厚くなる。
【0053】
次に、図12A及び図12Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、1.2V動作トランジスタの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP6を形成する。
【0054】
そして、レジストパターンRP6をマスクとして、1.2V動作トランジスタ形成領域の下側SiO膜17及びその下のトンネル絶縁膜10を、HF溶液によるウエットエッチングで除去する。その後、レジストパターンRP6を除去する。
【0055】
レジストパターンRP6も、絶縁膜12のオーバーハングを抑制するように、素子分離絶縁膜2a上に、絶縁膜12の外側の下側SiO膜17まで重なる幅で形成されている。
【0056】
次に、図13A及び図13Bに示すように、シリコン基板1表面を熱酸化し、例えば厚さ2.0nmのSiO膜を成長させて、1.2V動作トランジスタ形成領域にゲート酸化膜18cを形成する。この熱酸化で、高電圧動作トランジスタ形成領域のゲート酸化膜18a、及び3.3V動作トランジスタ形成領域のゲート酸化膜18bも厚くなる。
【0057】
最終的に、高電圧動作トランジスタ形成領域、3.3V動作トランジスタ形成領域、及び1.2V動作トランジスタ形成領域に、それぞれ、例えば厚さ16nm、7.5nm、及び2.2nmのゲート絶縁膜18a、18b、及び18cが形成される。
【0058】
なお、図8A及び図8Bを参照して説明したウエットエッチング工程、及び、図10A及び図10Bを参照して説明したウエットエッチング工程で、1.2V動作トランジスタ形成領域をマスクしている。これにより、膜厚の違うゲート絶縁膜18a、18b、18cを作り分ける工程において、1.2V動作トランジスタ形成領域に対する酸化膜のウエットエッチング回数低減を図っている。
【0059】
酸化膜のウエットエッチング回数が増えると、素子分離絶縁膜の、活性領域との境界にできる凹み(ディボット)が深くなり、トランジスタ性能及び信頼性の観点で好ましくない。
【0060】
なお、図5A及び図5Bを参照して説明したチャネルドーズのイオン注入を、絶縁膜12を介して行なっていることも、ディボットを深くしない対策といえる。このイオン注入で、絶縁膜12は、犠牲酸化膜的な役割を兼ねる。
【0061】
もし絶縁膜12除去の後にこのイオン注入を行なうならば、このイオン注入のために犠牲酸化膜が形成され、後のゲート酸化膜形成前に、この犠牲酸化膜がウエットエッチングで除去される。絶縁膜12が、犠牲酸化膜的な役割を兼ねることにより、酸化膜のウエットエッチング回数低減が図られることになる。
【0062】
次に、図14A及び図14Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、CVDで例えば厚さ180nmのポリシリコン膜を堆積して、導電膜19を形成する。導電膜19の上に、反射防止材及びエッチングマスク材としてプラズマCVDで例えば厚さ30nmのSiN膜20を堆積する。
【0063】
次に、図15A及び図15Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、メモリセルのスタックトゲート電極及びインターフェースのパターンを有し、ロジック回路部を覆うレジストパターンRP7を形成する。
【0064】
そして、レジストパターンRP7をマスクとしたエッチングにより、SiN膜20、導電膜19、絶縁膜12、及び導電膜11をパターニングして、導電膜11をフローティングゲートとし、導電膜19をコントロールゲートとする、メモリセルのスタックトゲート電極21を形成する。また、導電膜19を用いた、メモリ回路部のインターフェース22も形成される。その後、レジストパターンRP7を除去する。
【0065】
次に、図16A及び図16Bに示すように、スタックトゲート電極21の側面に熱酸化膜を例えば厚さ10nm成長させて、絶縁膜23を形成する。
【0066】
次に、図17A及び図17Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部を覆いメモリ回路部を露出するレジストパターンRP8を形成する。
【0067】
そして、レジストパターンRP8及びスタックトゲート電極21をマスクとして、加速エネルギ50keV、ドーズ量6.0×1014/cm2でAs+をイオン注入して、フラッシュメモリセルのn型ソース/ドレイン領域24を形成する。その後、レジストパターンRP8を除去する。
【0068】
次に、図18A及び図18Bに示すように、スタックトゲート電極21の側面にさらに熱酸化膜を例えば厚さ9.5nm成長させて、絶縁膜23を厚くする。
【0069】
次に、図19A及び図19Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、CVDで例えば厚さ115nmのSiN膜を堆積し、このSiN膜(及びSiN膜20)を反応性イオンエッチング(RIE)でエッチングして、スタックトゲート電極21の側面にサイドウォールスペーサ絶縁膜25を残す。
【0070】
次に、図20A及び図20Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部の各種トランジスタのゲート電極のパターンを有し、メモリ回路部を覆うレジストパターンRP9を形成する。
【0071】
そして、レジストパターンRP9をマスクとしたエッチングにより、導電膜19をパターニングして、ロジックトランジスタのゲート電極19aを形成する。その後、レジストパターンRP9を除去する。
【0072】
素子分離絶縁膜2上の絶縁膜12にオーバーハングが生じていると、導電膜19がオーバーハングの下に回り込んで形成される。これに起因して、導電膜19のパターニング時にオーバーハングの下の導電膜19が残存し、残存した導電膜19に起因する短絡が生じる懸念がある。素子分離絶縁膜2上の絶縁膜12のオーバーハングを抑制することにより、このような導電膜19の残存が防止される。
【0073】
次に、ロジック回路部の各種トランジスタに対し、エクステンション領域のイオン注入を行なう。代表的に、n型3.3V動作トランジスタN−3.3Vについて図示して説明する。
【0074】
図21A及び図21Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、n型3.3V動作トランジスタN−3.3Vの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP10を形成する。レジストパターンRP10及びゲート電極19aをマスクとして、加速エネルギ35keV、ドーズ量4.0×1013/cm2でP+をイオン注入して、n型エクステンション領域26nを形成する。その後、レジストパターンRP10を除去する。
【0075】
ロジック回路部の他の種類のトランジスタについても、それぞれ、所望の加速エネルギ及びドーズ量で、対応する導電型の不純物のイオン注入が行なわれて、対応する導電型のエクステンション領域26nまたは26p(図22A参照)が形成される。
【0076】
ここで、図27A及び図27Bを参照して、ロジック回路部の、例えばエクステンション領域のイオン注入工程における、実施例のレジストパターン形成工程について説明する。
【0077】
併せて、図28A及び図28Bを参照して、比較例のレジストパターン形成工程についても説明する。
【0078】
図27A及び図28Aは、それぞれ、実施例及び比較例のレジストパターン形成工程を示す概略断面図であり、図27B及び図28Bは、それぞれ、実施例及び比較例のレジストパターンの概略平面図である。
【0079】
まず、図27Bを参照して、設計時に想定されるレジストパターンRPの開口形状OPについて説明する。隣接する活性領域ARに同時にイオン注入を行なう場合について考える。活性領域ARの形状を一定幅外側に拡げた形状で、開口OPが設定される。
【0080】
このとき、隣接する活性領域ARに挟まれた部分の素子分離絶縁膜2a上に、隣接する開口OP同士の間に残る部分のレジストパターンRPaが配置される。レジストパターンRPaは、素子分離絶縁膜2aの長さ方向に延在する細長い形状を有する。
【0081】
次に、比較例のレジストパターン形成工程について説明する。比較例でも、フラッシュメモリとロジックトランジスタを同時に形成し、フラッシュメモリのフローティングゲートとコントロールゲートの間に、ONO膜構造の絶縁膜が形成される。ロジックトランジスタの活性領域では、ONO膜構造の絶縁膜の少なくともSiN膜を除去する必要がある。
【0082】
実施例では、図7A及び図7Bを参照して説明したエッチングにおいて、隣接する活性領域に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2a上では、ONO膜構造の絶縁膜12を残した。しかし、比較例では、素子分離絶縁膜2a上も残さずに、ロジック回路部全体でONO膜構造の絶縁膜が除去される。
【0083】
図28Aに示すように、シリコン基板1上に、素子分離絶縁膜2aを覆って、フォトレジスト材料層RLが形成され、上記のようなレジストパターンRPaを形成するように、露光が行われる。フォトレジスト材料として、ポジタイプが用いられ、露光光源として例えばKrFエキシマレーザが用いられる。
【0084】
しかし、素子分離絶縁膜2aが形成されたシリコン基板1の凹部内面で反射された露光光に起因して、フォトレジスト材料層RLの下側部分に過剰に光が照射される。これにより、素子分離絶縁膜2a上に形成されたレジストパターンRPCが、所望のレジストパターンRPaに比べて下細りになる。
【0085】
図28Bに、レジストパターンRPCの概略平面図を示す。下細りのレジストパターンRPCは、例えば、基板上への定着性が弱く基板から外れてしまい、基板上の他の位置にゴミとして付着する等の不具合につながるので、好ましくない。
【0086】
次に、実施例のレジストパターン形成工程について説明する。
【0087】
図27Aに示すように、シリコン基板1上に、素子分離絶縁膜2aを覆って、フォトレジスト材料層RLが形成される。実施例では、素子分離絶縁膜2aとフォトレジスト材料層RLとの間に、窒化シリコンを含む絶縁膜12が介在する。窒化シリコンは、吸光性のある材料である。従って、シリコン基板1による反射が抑えられ、過剰な露光が抑制されると考えられる。
【0088】
レジストパターンRPaの幅に比べて、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12の幅が広い。つまり、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12の一部上に、レジストパターンRPaが配置される。あるいは、レジストパターンRPaの端部が、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12上に配置されている。
【0089】
絶縁膜12の反射抑制により、図27Bに示すように、比較例に比べ所望の形状に近い端部形状のレジストパターンRPaが得られ、上記のような不具合の抑制が図られる。
【0090】
なお、各種類のトランジスタを1つずつ示した図示の都合上、図21Aには、隣接する活性領域に挟まれた部分の素子分離絶縁膜上に残った幅の細いレジストパターンが示されていない。しかし、例えば、同種類のトランジスタが複数並ぶ領域で、図27Bに示したような、素子分離絶縁膜上の幅の細いレジストパターンが形成され、窒化シリコンを含む絶縁膜による反射抑制により、レジストパターン形状の精度低下抑制が図られる。
【0091】
なお、エクステンション形成工程に限らず、他のイオン注入工程等でも、同様に、レジストパターン形状の精度低下抑制が図られる。
【0092】
なお、隣接する活性領域に挟まれた部分の素子分離絶縁膜上に残る幅の細いレジストパターンに限らず、窒化シリコンを含む絶縁膜上に端部が配置されるレジストパターンについて、反射抑制により、レジストパターン形状の精度低下抑制が図られるといえる。
【0093】
次に、図22A及び図22Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、CVDで例えば厚さ100nmのSiO膜を堆積し、このSiO膜(及びロジック回路部のゲート絶縁膜18a、18b、18c)をエッチバックして、ゲート電極19aの側面にサイドウォールスペーサ絶縁膜27を残す。なお、サイドウォールスペーサ絶縁膜27は、メモリセルのスタックトゲート電極21のサイドウォールスペーサ絶縁膜25側面にも残っている。
【0094】
なお、このエッチングにより、素子分離絶縁膜2上に残したONO膜構造の絶縁膜12は、上側SiO膜が除去されて、SiN膜が露出した絶縁膜12aになる。
【0095】
次に、図23A及び図23Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、メモリ回路部と、ロジック回路部のn型トランジスタ形成領域を覆い、ロジック回路部のp型トランジスタ形成領域を露出するレジストパターンRP11を形成する。
【0096】
そして、レジストパターンRP11、p型トランジスタのゲート電極19a及びそのサイドウォールスペーサ絶縁膜27をマスクとして、加速エネルギ5keV、ドーズ量4.0×1015/cm2でB+をイオン注入して、p型ソース/ドレイン領域28pを形成する。その後、レジストパターンRP11を除去する。
【0097】
次に、図24A及び図24Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部のp型トランジスタ形成領域を覆い、ロジック回路部のn型トランジスタ形成領域及びメモリ回路部を露出するレジストパターンRP12を形成する。
【0098】
そして、レジストパターンRP12、n型トランジスタのゲート電極19aとそのサイドウォールスペーサ絶縁膜27、及び、スタックトゲート電極21とそのサイドウォールスペーサ絶縁膜25、27をマスクとして、加速エネルギ10keV、ドーズ量6.0×1015/cm2でP+をイオン注入して、n型ソース/ドレイン領域28nを形成する。その後、レジストパターンRP12を除去する。
【0099】
次に、図25A及び図25Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面にCo膜と(Co膜上の)TiN膜を成長後、ラピッドサーマルアニール(RTA)でシリサイド(CoSi)を形成し、未反応のCo膜とTiN膜を除去し、さらにラピッドサーマルアニールを行なう。これにより、ゲート電極21、19a上、及びソース/ドレイン領域28n、28p上に、シリサイド層29を形成する。
【0100】
次に、図26A及び図26Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、例えば、厚さ70nmのSiN膜30をLPCVDで形成し、さらにSiN膜30上に、例えば、厚さ1200nmのSiO(PSG)膜を形成して、層間絶縁膜31を形成する。
【0101】
その後、コンタクトホール形成工程、多層配線形成工程、パッド電極形成工程、パッシベーション膜形成工程等を経て、不揮発性メモリとロジックトランジスタを混載した実施例の半導体装置が形成される。なお、不揮発性メモリとロジックトランジスタのゲート電極及びソース/ドレイン領域に接続する電極端子を、図26A及び図26B中に概略的に示す。
【0102】
以上説明したように、不揮発性メモリとロジックトランジスタを混載した実施例の半導体装置の製造方法では、不揮発性メモリのフローティングゲートとコントロールゲートとの間に形成される、窒化シリコン膜を含む絶縁膜を、ロジックトランジスタの活性領域を画定する素子分離絶縁膜上に残す。
【0103】
吸光性の窒化シリコン膜を含む絶縁膜による反射抑制で、素子分離絶縁膜上のレジストパターン形成時の過剰な露光が抑制されて、レジストパターンの精度低下抑制が図られる。
【0104】
なお、上記実施例では、反射抑制に用いるSiN膜を、LPCVDで形成したが、他の成膜方法でSiN膜を形成することもできる。例えば、材料ガスとしてSiH2Cl2、NH3を用い、成膜温度を800℃〜900℃とした熱CVDで成膜することができる。また例えば、材料ガスとしてSiH4、NH3を用い、成膜温度を300℃〜400℃としたプラズマCVDで成膜することができる。
【0105】
窒化シリコン膜の吸光特性に係る消衰係数は、成膜条件によって変えることができる。本願発明者の知見によれば、LPCVDのSiN膜は、屈折率nが2.28、消衰係数κが0.05であり、熱CVDのSiN膜は、屈折率nが2.08、消衰係数κが0.27であり、プラズマCVDのSiN膜は、屈折率nが2.24、消衰係数κが0.636である。これを踏まえると、消衰係数の比較的大きな、プラズマCVDあるいは熱CVDによるSiN膜が、より好ましいともいえよう。
【0106】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0107】
以上説明した実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板に、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域及び不揮発性メモリを形成する第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、シャロートレンチアイソレーションで形成する工程と、
前記第2の活性領域上に、不揮発性メモリのフローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、
前記導電層上及び前記導電層の外側の領域を覆い、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、
前記導電層上の前記絶縁膜、及び、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を覆い、前記第1の活性領域を露出する第1のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を残す工程と、
前記第1のマスクを除去する工程と、
前記半導体基板上にフォトレジスト材料層を形成し、露光を行って、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に端部の配置されたレジストパターンを形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記レジストパターンを形成する工程は、隣接する2つの前記第1の活性領域に挟まれた部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に、レジストパターンを形成する付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記レジストパターンを形成する工程は、ポジタイプのフォトレジスト材料層を形成する付記1または2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
さらに、
前記レジストパターンをマスクとして、前記第1の活性領域にイオン注入する工程を有する付記1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
さらに、
前記半導体基板上に、不揮発性メモリのトンネル絶縁膜を形成する工程を有し、
前記導電層を形成する工程は、前記トンネル絶縁膜上に、フローティングゲートとなる導電層を形成し、
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、前記第1の活性領域上で、前記トンネル絶縁膜の上に、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成し、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングする工程は、該第1の活性領域上で、該絶縁膜の下の前記トンネル絶縁膜を残し、
さらに、
前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上に残された前記絶縁膜をその外側まで覆い、前記第1の活性領域を露出する第2のマスクを形成する工程と、
前記第2のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記トンネル絶縁膜をウエットエッチングする工程と
を有する付記1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、プラズマCVDまたは熱CVDによる窒化シリコン膜を形成する付記1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び酸化シリコン膜を積層した構造の絶縁膜を形成する付記1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、ロジック回路部の第1の活性領域、及びメモリ回路部の第2の活性領域を画定する、シャロートレンチアイソレーションによる素子分離絶縁膜と、
前記第1の活性領域に形成されたMOSトランジスタと、
前記第2の活性領域に形成され、フローティングゲート、窒化シリコンを含む絶縁膜、及びコントロールゲートの積層された電極構造を持つ不揮発性メモリと、
前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上に形成され、前記不揮発性メモリの電極構造中の前記窒化シリコンを含む絶縁膜と同一工程で形成された窒化シリコンを含む絶縁膜と
を有する半導体装置。
【符号の説明】
【0108】
1 半導体基板
2 素子分離絶縁膜
10 トンネル絶縁膜
11、19 導電膜
12 (ONO膜構造の)絶縁膜
12a(ONO膜構造の上側SiO膜が除去された)絶縁膜
17 (ONO膜構造の)下側SiO膜
18a〜18c ゲート酸化膜
19a ゲート電極
21 スタックトゲート電極
26n、26p エクステンション領域
24、28n、28p ソース/ドレイン領域
RP1〜RP12 レジストパターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程においては、フォトレジスト膜の露光及び現像を行なうことにより、フォトレジスト膜がパターニングされ、残されたフォトレジスト膜によるレジストパターンが形成される。
【0003】
配線パターンの微細化に伴い、このようなレジストパターンのパターン形状に要求される精度も高くなり、露光条件の制御技術等の進歩が望まれる。
【0004】
ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置についても、このようなパターン形状の精度を確保するために、種々の方法(製造技術)が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−282740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、ロジック回路とメモリ回路を混載した半導体装置において、ロジック回路部に形成されるレジストパターン形状の精度低下抑制に寄与する半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、半導体基板に、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域及び不揮発性メモリを形成する第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、シャロートレンチアイソレーションで形成する工程と、前記第2の活性領域上に、不揮発性メモリのフローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、前記導電層上及び前記導電層の外側の領域を覆い、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、前記導電層上の前記絶縁膜、及び、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を覆い、前記第1の活性領域を露出する第1のマスクを形成する工程と、前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を残す工程と、前記第1のマスクを除去する工程と、前記半導体基板上にフォトレジスト材料層を形成し、露光を行って、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に端部の配置されたレジストパターンを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
不揮発性メモリのフローティングゲート上に形成される窒化シリコンを含む膜を、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域に隣接する部分の素子分離絶縁膜上に残す。レジストパターン形成の露光時に、素子分離絶縁膜の形成された半導体基板凹部の内面による反射を、窒化シリコンを含む膜が抑制することにより、素子分離絶縁膜上に形成されるレジストパターンの形状精度低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1A及び図1Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図2】図2A及び図2Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図3】図3A及び図3Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図4】図4A及び図4Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図5】図5A及び図5Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図6】図6A及び図6Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図7】図7A及び図7Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図8】図8A及び図8Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図9】図9A及び図9Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図10】図10A及び図10Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図11】図11A及び図11Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図12】図12A及び図12Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図13】図13A及び図13Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図14】図14A及び図14Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図15】図15A及び図15Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図16】図16A及び図16Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図17】図17A及び図17Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図18】図18A及び図18Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図19】図19A及び図19Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図20】図20A及び図20Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図21】図21A及び図21Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図22】図22A及び図22Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図23】図23A及び図23Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図24】図24A及び図24Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図25】図25A及び図25Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図26】図26A及び図26Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。
【図27】図27A及び図27Bは、それぞれ、実施例のレジストパターン形成工程を示す概略断面図、及び実施例のレジストパターンの概略平面図である。
【図28】図28A及び図28Bは、それぞれ、比較例のレジストパターン形成工程を示す概略断面図、及び比較例のレジストパターンの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例による半導体装置は、ロジック回路とメモリ回路が混載された半導体集積回路である。まず、実施例の半導体装置に形成されるトランジスタの種類について説明する。
【0011】
メモリ回路は、フラッシュメモリセルを形成するMOSトランジスタを含む。フラッシュメモリセルに、例えばn型MOSトランジスタが用いられる。
【0012】
ロジック回路は、高電圧(例えば5〜10V)動作、3.3V動作、及び1.2V動作のMOSトランジスタを含む。
【0013】
高電圧動作MOSトランジスタ(「HV」と表記する)は、n型(N−HV)及びp型(P−HV)を含み、n型(N−HV)とp型(P−HV)それぞれに、閾値電圧が異なる2種類(High Vt、Low Vt)がある。つまり、高電圧動作MOSトランジスタは、4種類が形成される。高電圧動作MOSトランジスタは、フラッシュメモリセルの制御回路で使用される。
【0014】
3.3V動作MOSトランジスタ(「3.3V」と表記する)は、n型(N−3.3V)及びp型(P−3.3V)の2種類が形成される。3.3V動作MOSトランジスタは、入出力系の回路で使用される。
【0015】
1.2V動作MOSトランジスタ(「1.2V」と表記する)は、n型(N−1.2V)及びp型(P−1.2V)を含み、n型(N−1.2V)、p型(P−1.2V)それぞれに、閾値電圧が異なる3種類(STD、HS、UHS)がある。つまり、1.2V動作MOSトランジスタは、6種類が形成される。1.2V動作MOSトランジスタは、ロジック回路の主モジュールで使用される。
【0016】
このように、実施例の半導体装置に、フラッシュメモリセルのMOSトランジスタも含めて、13種類のMOSトランジスタが形成される。
【0017】
次に、実施例による半導体装置の製造方法について説明する。
【0018】
図1A、図1B〜図26A、図26Bは、実施例の半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。「A」を付した図はロジック回路部を示し、「B」を付した図はメモリ回路部を示す。「B」を付した図の右側部分は、ビット線に平行な方向(Y方向)の断面を示し、「B」を付した図の左側部分は、ワード線に平行な方向(X方向)の断面を示す。
【0019】
まず、図1A及び図1Bを参照して、フラッシュメモリセルのフローティングゲートに用いられる導電膜形成の前の工程までをまとめて説明する。
【0020】
まず、シリコン基板1に、シャロートレンチアイソレーション(STI)による素子分離絶縁膜2を形成する。素子分離絶縁膜2により、ロジック回路部で各種トランジスタが形成される活性領域、及び、メモリ回路部でメモリセルが形成される活性領域が画定される。
【0021】
次に、シリコン基板1表面に、熱酸化により例えば厚さ15nmのSiO膜を成長させて、犠牲酸化膜3を形成する。
【0022】
次に、フォトリソグラフィーにより、メモリセル形成領域、及び、高閾値及び低閾値のn型高電圧動作トランジスタ(N−HV High Vt及びN−HV Low Vt)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ2MeV、ドーズ量2×1013/cm2でP+をイオン注入して、n型領域4を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0023】
次に、フォトリソグラフィーにより、メモリセル形成領域、及び、ロジック回路部のn型トランジスタ(N−HV High Vt、N−HV Low Vt、N−3.3V、N−1.2V STD、N−1.2V HS、及びN−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ420keV、ドーズ量1.4×1013/cm2でB+をイオン注入して、p型領域5を形成する。
【0024】
さらに、同じレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ100keV、ドーズ量3.6×1012/cm2でB+をイオン注入して、p型領域6を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0025】
次に、フォトリソグラフィーにより、低閾値n型高電圧動作トランジスタ(N−HV Low Vt)を除く、ロジック回路部のn型トランジスタ(N−HV High Vt、N−3.3V、N−1.2V STD、N−1.2V HS、及びN−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ100keV、ドーズ量4.0×1012/cm2で、p型領域6に、B+を重ねてイオン注入する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0026】
次に、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部のp型トランジスタ(P−HV High Vt、P−HV Low Vt、P−3.3V、P−1.2V STD、P−1.2V HS、及びP−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ600keV、ドーズ量3.0×1013/cm2でP+をイオン注入して、n型領域7を形成する。
【0027】
さらに、同じレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ240keV、ドーズ量9.0×1011/cm2でP+をイオン注入して、n型領域8を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0028】
次に、フォトリソグラフィーにより、低閾値p型高電圧動作トランジスタ(P−HV Low Vt)を除く、ロジック回路部のp型トランジスタ(P−HV High Vt、P−3.3V、P−1.2V STD、P−1.2V HS、及びP−1.2V UHS)の形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ240keV、ドーズ量3.6×1012/cm2で、n型領域8に、P+を重ねてイオン注入する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0029】
次に、フォトリソグラフィーにより、メモリセル形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ40keV、ドーズ量6.0×1013/cm2でB+をイオン注入して、p型領域9を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0030】
次に、犠牲酸化膜3を、HF溶液で除去する。
【0031】
次に、図2A及び図2Bに示すように、シリコン基板1表面に、熱酸化により例えば厚さ10nmのSiO膜を成長させて、トンネル絶縁膜10を形成する。
【0032】
さらに、トンネル絶縁膜10上に、化学気相堆積(CVD)により例えば厚さ90nmのポリシリコン膜を堆積して、メモリセルのフローティングゲートに用いられる導電膜11を形成する。
【0033】
次に、図3A及び図3Bに示すように、導電膜11のフローティングゲートに用いられる部分上に、フォトリソグラフィーによりレジストパターンRP1を形成し、レジストパターンRP1をマスクとするエッチングで、導電膜11の不要部分を除去する。これにより、ロジック回路部で、トンネル絶縁膜10及び素子分離絶縁膜2が露出する。その後、レジストパターンRP1を除去する。
【0034】
次に、図4A及び図4Bに示すように、導電膜11上とその外側の領域を覆って、CVDで例えば厚さ5nmのSiO膜を成長させ、その上にCVDで例えば厚さ8nmのSiN膜を成長させ、さらに、このSiN膜の表面を熱酸化して例えば厚さ6nmのSiO膜を成長させる。このようにして、ONO膜構造の絶縁膜12を形成する。ロジック回路部で、活性領域のトンネル絶縁膜10上、及び素子分離絶縁膜2上に、絶縁膜12が形成される。
【0035】
絶縁膜12のSiN膜の成膜方法として、例えば、低圧(LP)CVDが用いられる。材料ガスとして、例えば、SiH2Cl2とNH3が用いられ、成膜温度は例えば800℃〜900℃である。
【0036】
次に、ロジック回路部の各種トランジスタに対し、チャネルドーズのイオン注入を行なう。代表的に、n型1.2V動作トランジスタN−1.2V STDについて図示して説明する。
【0037】
図5A及び図5Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、n型1.2V動作トランジスタN−1.2V STDの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP2を形成する。レジストパターンRP2をマスクとして、加速エネルギ15keV、ドーズ量8.2×1012/cm2でB+をイオン注入して、p型チャネルドーズ領域13を形成する。その後、レジストパターンRP2を除去する。
【0038】
次に、フォトリソグラフィーにより、p型1.2V動作トランジスタP−1.2V STDの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ150keV、ドーズ量2.9×1012/cm2でAs+をイオン注入して、(図6Aに示す)n型チャネルドーズ領域14を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0039】
次に、フォトリソグラフィーにより、n型3.3V動作トランジスタN−3.3Vの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ35keV、ドーズ量4.5×1012/cm2でB+をイオン注入して、(図6Aに示す)p型チャネルドーズ領域15を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0040】
次に、フォトリソグラフィーにより、p型3.3V動作トランジスタP−3.3Vの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、加速エネルギ150keV、ドーズ量2.0×1012/cm2でAs+をイオン注入して、(図6Aに示す)n型チャネルドーズ領域16を形成する。その後、このレジストパターンを除去する。
【0041】
次に、図6A及び図6Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部の活性領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP3を形成する。ロジック回路部の隣接する活性領域同士に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2a上に、その幅の一部を覆ってレジストパターンRP3が形成されている。
【0042】
次に、図7A及び図7Bに示すように、レジストパターンRP3をマスクとして、ロジック回路部の活性領域上で、ONO膜構造の絶縁膜12の上側SiO膜及びSiN膜をドライエッチングで除去して、ONO膜構造の下側SiO膜17を残す。その後、レジストパターンRP3を除去する。レジストパターンRP3で保護されていた部分の素子分離絶縁膜2a上に、絶縁膜12が残される。
【0043】
次に、図8A及び図8Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP4を形成する。
【0044】
そして、レジストパターンRP4をマスクとして、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタの形成領域の下側SiO膜17及びその下のトンネル絶縁膜10を、HF溶液によるウエットエッチングで除去する。その後、レジストパターンRP4を除去する。
【0045】
図7A及び図7Bを参照して説明したエッチングで、ロジック回路部の隣接する活性領域同士に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2aの幅の一部を覆って絶縁膜12が残されている。
【0046】
レジストパターンRP4は、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタを形成する活性領域同士に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2aの上に、絶縁膜12を完全に覆いその外側の下側SiO膜17まで重なる幅で形成されている。
【0047】
これにより、下側SiO膜17及びトンネル絶縁膜10のウエットエッチングにおいて、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12の端部がエッチング液に曝されないので、絶縁膜12の端部下側に入り込んだ、素子分離絶縁膜2aのエッチングが抑制される(絶縁膜12のオーバーハングが抑制される)。
【0048】
次に、図9A及び図9Bに示すように、シリコン基板1表面を熱酸化し、例えば厚さ12nmのSiO膜を成長させて、高電圧動作トランジスタ及び3.3V動作トランジスタの形成領域にゲート酸化膜18aを形成する。
【0049】
次に、図10A及び図10Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、3.3V動作トランジスタの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP5を形成する。
【0050】
そして、レジストパターンRP5をマスクとして、3.3V動作トランジスタ形成領域のゲート絶縁膜18aをウエットエッチングにより除去する。その後、レジストパターンRP5を除去する。
【0051】
レジストパターンRP5も、絶縁膜12のオーバーハングを抑制するように、素子分離絶縁膜2a上に、絶縁膜12の外側の下側SiO膜17まで重なる幅で形成されている。
【0052】
次に、図11A及び図11Bに示すように、シリコン基板1表面を熱酸化し、例えば厚さ7.0nmのSiO膜を成長させて、3.3V動作トランジスタ形成領域にゲート酸化膜18bを形成する。この熱酸化で、高電圧動作トランジスタ形成領域のゲート酸化膜18aも厚くなる。
【0053】
次に、図12A及び図12Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、1.2V動作トランジスタの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP6を形成する。
【0054】
そして、レジストパターンRP6をマスクとして、1.2V動作トランジスタ形成領域の下側SiO膜17及びその下のトンネル絶縁膜10を、HF溶液によるウエットエッチングで除去する。その後、レジストパターンRP6を除去する。
【0055】
レジストパターンRP6も、絶縁膜12のオーバーハングを抑制するように、素子分離絶縁膜2a上に、絶縁膜12の外側の下側SiO膜17まで重なる幅で形成されている。
【0056】
次に、図13A及び図13Bに示すように、シリコン基板1表面を熱酸化し、例えば厚さ2.0nmのSiO膜を成長させて、1.2V動作トランジスタ形成領域にゲート酸化膜18cを形成する。この熱酸化で、高電圧動作トランジスタ形成領域のゲート酸化膜18a、及び3.3V動作トランジスタ形成領域のゲート酸化膜18bも厚くなる。
【0057】
最終的に、高電圧動作トランジスタ形成領域、3.3V動作トランジスタ形成領域、及び1.2V動作トランジスタ形成領域に、それぞれ、例えば厚さ16nm、7.5nm、及び2.2nmのゲート絶縁膜18a、18b、及び18cが形成される。
【0058】
なお、図8A及び図8Bを参照して説明したウエットエッチング工程、及び、図10A及び図10Bを参照して説明したウエットエッチング工程で、1.2V動作トランジスタ形成領域をマスクしている。これにより、膜厚の違うゲート絶縁膜18a、18b、18cを作り分ける工程において、1.2V動作トランジスタ形成領域に対する酸化膜のウエットエッチング回数低減を図っている。
【0059】
酸化膜のウエットエッチング回数が増えると、素子分離絶縁膜の、活性領域との境界にできる凹み(ディボット)が深くなり、トランジスタ性能及び信頼性の観点で好ましくない。
【0060】
なお、図5A及び図5Bを参照して説明したチャネルドーズのイオン注入を、絶縁膜12を介して行なっていることも、ディボットを深くしない対策といえる。このイオン注入で、絶縁膜12は、犠牲酸化膜的な役割を兼ねる。
【0061】
もし絶縁膜12除去の後にこのイオン注入を行なうならば、このイオン注入のために犠牲酸化膜が形成され、後のゲート酸化膜形成前に、この犠牲酸化膜がウエットエッチングで除去される。絶縁膜12が、犠牲酸化膜的な役割を兼ねることにより、酸化膜のウエットエッチング回数低減が図られることになる。
【0062】
次に、図14A及び図14Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、CVDで例えば厚さ180nmのポリシリコン膜を堆積して、導電膜19を形成する。導電膜19の上に、反射防止材及びエッチングマスク材としてプラズマCVDで例えば厚さ30nmのSiN膜20を堆積する。
【0063】
次に、図15A及び図15Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、メモリセルのスタックトゲート電極及びインターフェースのパターンを有し、ロジック回路部を覆うレジストパターンRP7を形成する。
【0064】
そして、レジストパターンRP7をマスクとしたエッチングにより、SiN膜20、導電膜19、絶縁膜12、及び導電膜11をパターニングして、導電膜11をフローティングゲートとし、導電膜19をコントロールゲートとする、メモリセルのスタックトゲート電極21を形成する。また、導電膜19を用いた、メモリ回路部のインターフェース22も形成される。その後、レジストパターンRP7を除去する。
【0065】
次に、図16A及び図16Bに示すように、スタックトゲート電極21の側面に熱酸化膜を例えば厚さ10nm成長させて、絶縁膜23を形成する。
【0066】
次に、図17A及び図17Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部を覆いメモリ回路部を露出するレジストパターンRP8を形成する。
【0067】
そして、レジストパターンRP8及びスタックトゲート電極21をマスクとして、加速エネルギ50keV、ドーズ量6.0×1014/cm2でAs+をイオン注入して、フラッシュメモリセルのn型ソース/ドレイン領域24を形成する。その後、レジストパターンRP8を除去する。
【0068】
次に、図18A及び図18Bに示すように、スタックトゲート電極21の側面にさらに熱酸化膜を例えば厚さ9.5nm成長させて、絶縁膜23を厚くする。
【0069】
次に、図19A及び図19Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、CVDで例えば厚さ115nmのSiN膜を堆積し、このSiN膜(及びSiN膜20)を反応性イオンエッチング(RIE)でエッチングして、スタックトゲート電極21の側面にサイドウォールスペーサ絶縁膜25を残す。
【0070】
次に、図20A及び図20Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部の各種トランジスタのゲート電極のパターンを有し、メモリ回路部を覆うレジストパターンRP9を形成する。
【0071】
そして、レジストパターンRP9をマスクとしたエッチングにより、導電膜19をパターニングして、ロジックトランジスタのゲート電極19aを形成する。その後、レジストパターンRP9を除去する。
【0072】
素子分離絶縁膜2上の絶縁膜12にオーバーハングが生じていると、導電膜19がオーバーハングの下に回り込んで形成される。これに起因して、導電膜19のパターニング時にオーバーハングの下の導電膜19が残存し、残存した導電膜19に起因する短絡が生じる懸念がある。素子分離絶縁膜2上の絶縁膜12のオーバーハングを抑制することにより、このような導電膜19の残存が防止される。
【0073】
次に、ロジック回路部の各種トランジスタに対し、エクステンション領域のイオン注入を行なう。代表的に、n型3.3V動作トランジスタN−3.3Vについて図示して説明する。
【0074】
図21A及び図21Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、n型3.3V動作トランジスタN−3.3Vの形成領域を露出し他の領域を覆うレジストパターンRP10を形成する。レジストパターンRP10及びゲート電極19aをマスクとして、加速エネルギ35keV、ドーズ量4.0×1013/cm2でP+をイオン注入して、n型エクステンション領域26nを形成する。その後、レジストパターンRP10を除去する。
【0075】
ロジック回路部の他の種類のトランジスタについても、それぞれ、所望の加速エネルギ及びドーズ量で、対応する導電型の不純物のイオン注入が行なわれて、対応する導電型のエクステンション領域26nまたは26p(図22A参照)が形成される。
【0076】
ここで、図27A及び図27Bを参照して、ロジック回路部の、例えばエクステンション領域のイオン注入工程における、実施例のレジストパターン形成工程について説明する。
【0077】
併せて、図28A及び図28Bを参照して、比較例のレジストパターン形成工程についても説明する。
【0078】
図27A及び図28Aは、それぞれ、実施例及び比較例のレジストパターン形成工程を示す概略断面図であり、図27B及び図28Bは、それぞれ、実施例及び比較例のレジストパターンの概略平面図である。
【0079】
まず、図27Bを参照して、設計時に想定されるレジストパターンRPの開口形状OPについて説明する。隣接する活性領域ARに同時にイオン注入を行なう場合について考える。活性領域ARの形状を一定幅外側に拡げた形状で、開口OPが設定される。
【0080】
このとき、隣接する活性領域ARに挟まれた部分の素子分離絶縁膜2a上に、隣接する開口OP同士の間に残る部分のレジストパターンRPaが配置される。レジストパターンRPaは、素子分離絶縁膜2aの長さ方向に延在する細長い形状を有する。
【0081】
次に、比較例のレジストパターン形成工程について説明する。比較例でも、フラッシュメモリとロジックトランジスタを同時に形成し、フラッシュメモリのフローティングゲートとコントロールゲートの間に、ONO膜構造の絶縁膜が形成される。ロジックトランジスタの活性領域では、ONO膜構造の絶縁膜の少なくともSiN膜を除去する必要がある。
【0082】
実施例では、図7A及び図7Bを参照して説明したエッチングにおいて、隣接する活性領域に挟まれた部分の素子分離絶縁膜2a上では、ONO膜構造の絶縁膜12を残した。しかし、比較例では、素子分離絶縁膜2a上も残さずに、ロジック回路部全体でONO膜構造の絶縁膜が除去される。
【0083】
図28Aに示すように、シリコン基板1上に、素子分離絶縁膜2aを覆って、フォトレジスト材料層RLが形成され、上記のようなレジストパターンRPaを形成するように、露光が行われる。フォトレジスト材料として、ポジタイプが用いられ、露光光源として例えばKrFエキシマレーザが用いられる。
【0084】
しかし、素子分離絶縁膜2aが形成されたシリコン基板1の凹部内面で反射された露光光に起因して、フォトレジスト材料層RLの下側部分に過剰に光が照射される。これにより、素子分離絶縁膜2a上に形成されたレジストパターンRPCが、所望のレジストパターンRPaに比べて下細りになる。
【0085】
図28Bに、レジストパターンRPCの概略平面図を示す。下細りのレジストパターンRPCは、例えば、基板上への定着性が弱く基板から外れてしまい、基板上の他の位置にゴミとして付着する等の不具合につながるので、好ましくない。
【0086】
次に、実施例のレジストパターン形成工程について説明する。
【0087】
図27Aに示すように、シリコン基板1上に、素子分離絶縁膜2aを覆って、フォトレジスト材料層RLが形成される。実施例では、素子分離絶縁膜2aとフォトレジスト材料層RLとの間に、窒化シリコンを含む絶縁膜12が介在する。窒化シリコンは、吸光性のある材料である。従って、シリコン基板1による反射が抑えられ、過剰な露光が抑制されると考えられる。
【0088】
レジストパターンRPaの幅に比べて、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12の幅が広い。つまり、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12の一部上に、レジストパターンRPaが配置される。あるいは、レジストパターンRPaの端部が、素子分離絶縁膜2a上の絶縁膜12上に配置されている。
【0089】
絶縁膜12の反射抑制により、図27Bに示すように、比較例に比べ所望の形状に近い端部形状のレジストパターンRPaが得られ、上記のような不具合の抑制が図られる。
【0090】
なお、各種類のトランジスタを1つずつ示した図示の都合上、図21Aには、隣接する活性領域に挟まれた部分の素子分離絶縁膜上に残った幅の細いレジストパターンが示されていない。しかし、例えば、同種類のトランジスタが複数並ぶ領域で、図27Bに示したような、素子分離絶縁膜上の幅の細いレジストパターンが形成され、窒化シリコンを含む絶縁膜による反射抑制により、レジストパターン形状の精度低下抑制が図られる。
【0091】
なお、エクステンション形成工程に限らず、他のイオン注入工程等でも、同様に、レジストパターン形状の精度低下抑制が図られる。
【0092】
なお、隣接する活性領域に挟まれた部分の素子分離絶縁膜上に残る幅の細いレジストパターンに限らず、窒化シリコンを含む絶縁膜上に端部が配置されるレジストパターンについて、反射抑制により、レジストパターン形状の精度低下抑制が図られるといえる。
【0093】
次に、図22A及び図22Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、CVDで例えば厚さ100nmのSiO膜を堆積し、このSiO膜(及びロジック回路部のゲート絶縁膜18a、18b、18c)をエッチバックして、ゲート電極19aの側面にサイドウォールスペーサ絶縁膜27を残す。なお、サイドウォールスペーサ絶縁膜27は、メモリセルのスタックトゲート電極21のサイドウォールスペーサ絶縁膜25側面にも残っている。
【0094】
なお、このエッチングにより、素子分離絶縁膜2上に残したONO膜構造の絶縁膜12は、上側SiO膜が除去されて、SiN膜が露出した絶縁膜12aになる。
【0095】
次に、図23A及び図23Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、メモリ回路部と、ロジック回路部のn型トランジスタ形成領域を覆い、ロジック回路部のp型トランジスタ形成領域を露出するレジストパターンRP11を形成する。
【0096】
そして、レジストパターンRP11、p型トランジスタのゲート電極19a及びそのサイドウォールスペーサ絶縁膜27をマスクとして、加速エネルギ5keV、ドーズ量4.0×1015/cm2でB+をイオン注入して、p型ソース/ドレイン領域28pを形成する。その後、レジストパターンRP11を除去する。
【0097】
次に、図24A及び図24Bに示すように、フォトリソグラフィーにより、ロジック回路部のp型トランジスタ形成領域を覆い、ロジック回路部のn型トランジスタ形成領域及びメモリ回路部を露出するレジストパターンRP12を形成する。
【0098】
そして、レジストパターンRP12、n型トランジスタのゲート電極19aとそのサイドウォールスペーサ絶縁膜27、及び、スタックトゲート電極21とそのサイドウォールスペーサ絶縁膜25、27をマスクとして、加速エネルギ10keV、ドーズ量6.0×1015/cm2でP+をイオン注入して、n型ソース/ドレイン領域28nを形成する。その後、レジストパターンRP12を除去する。
【0099】
次に、図25A及び図25Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面にCo膜と(Co膜上の)TiN膜を成長後、ラピッドサーマルアニール(RTA)でシリサイド(CoSi)を形成し、未反応のCo膜とTiN膜を除去し、さらにラピッドサーマルアニールを行なう。これにより、ゲート電極21、19a上、及びソース/ドレイン領域28n、28p上に、シリサイド層29を形成する。
【0100】
次に、図26A及び図26Bに示すように、メモリ回路部及びロジック回路部の全面に、例えば、厚さ70nmのSiN膜30をLPCVDで形成し、さらにSiN膜30上に、例えば、厚さ1200nmのSiO(PSG)膜を形成して、層間絶縁膜31を形成する。
【0101】
その後、コンタクトホール形成工程、多層配線形成工程、パッド電極形成工程、パッシベーション膜形成工程等を経て、不揮発性メモリとロジックトランジスタを混載した実施例の半導体装置が形成される。なお、不揮発性メモリとロジックトランジスタのゲート電極及びソース/ドレイン領域に接続する電極端子を、図26A及び図26B中に概略的に示す。
【0102】
以上説明したように、不揮発性メモリとロジックトランジスタを混載した実施例の半導体装置の製造方法では、不揮発性メモリのフローティングゲートとコントロールゲートとの間に形成される、窒化シリコン膜を含む絶縁膜を、ロジックトランジスタの活性領域を画定する素子分離絶縁膜上に残す。
【0103】
吸光性の窒化シリコン膜を含む絶縁膜による反射抑制で、素子分離絶縁膜上のレジストパターン形成時の過剰な露光が抑制されて、レジストパターンの精度低下抑制が図られる。
【0104】
なお、上記実施例では、反射抑制に用いるSiN膜を、LPCVDで形成したが、他の成膜方法でSiN膜を形成することもできる。例えば、材料ガスとしてSiH2Cl2、NH3を用い、成膜温度を800℃〜900℃とした熱CVDで成膜することができる。また例えば、材料ガスとしてSiH4、NH3を用い、成膜温度を300℃〜400℃としたプラズマCVDで成膜することができる。
【0105】
窒化シリコン膜の吸光特性に係る消衰係数は、成膜条件によって変えることができる。本願発明者の知見によれば、LPCVDのSiN膜は、屈折率nが2.28、消衰係数κが0.05であり、熱CVDのSiN膜は、屈折率nが2.08、消衰係数κが0.27であり、プラズマCVDのSiN膜は、屈折率nが2.24、消衰係数κが0.636である。これを踏まえると、消衰係数の比較的大きな、プラズマCVDあるいは熱CVDによるSiN膜が、より好ましいともいえよう。
【0106】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0107】
以上説明した実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板に、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域及び不揮発性メモリを形成する第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、シャロートレンチアイソレーションで形成する工程と、
前記第2の活性領域上に、不揮発性メモリのフローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、
前記導電層上及び前記導電層の外側の領域を覆い、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、
前記導電層上の前記絶縁膜、及び、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を覆い、前記第1の活性領域を露出する第1のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を残す工程と、
前記第1のマスクを除去する工程と、
前記半導体基板上にフォトレジスト材料層を形成し、露光を行って、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に端部の配置されたレジストパターンを形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記レジストパターンを形成する工程は、隣接する2つの前記第1の活性領域に挟まれた部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に、レジストパターンを形成する付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記レジストパターンを形成する工程は、ポジタイプのフォトレジスト材料層を形成する付記1または2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
さらに、
前記レジストパターンをマスクとして、前記第1の活性領域にイオン注入する工程を有する付記1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
さらに、
前記半導体基板上に、不揮発性メモリのトンネル絶縁膜を形成する工程を有し、
前記導電層を形成する工程は、前記トンネル絶縁膜上に、フローティングゲートとなる導電層を形成し、
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、前記第1の活性領域上で、前記トンネル絶縁膜の上に、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成し、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングする工程は、該第1の活性領域上で、該絶縁膜の下の前記トンネル絶縁膜を残し、
さらに、
前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上に残された前記絶縁膜をその外側まで覆い、前記第1の活性領域を露出する第2のマスクを形成する工程と、
前記第2のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記トンネル絶縁膜をウエットエッチングする工程と
を有する付記1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、プラズマCVDまたは熱CVDによる窒化シリコン膜を形成する付記1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び酸化シリコン膜を積層した構造の絶縁膜を形成する付記1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、ロジック回路部の第1の活性領域、及びメモリ回路部の第2の活性領域を画定する、シャロートレンチアイソレーションによる素子分離絶縁膜と、
前記第1の活性領域に形成されたMOSトランジスタと、
前記第2の活性領域に形成され、フローティングゲート、窒化シリコンを含む絶縁膜、及びコントロールゲートの積層された電極構造を持つ不揮発性メモリと、
前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上に形成され、前記不揮発性メモリの電極構造中の前記窒化シリコンを含む絶縁膜と同一工程で形成された窒化シリコンを含む絶縁膜と
を有する半導体装置。
【符号の説明】
【0108】
1 半導体基板
2 素子分離絶縁膜
10 トンネル絶縁膜
11、19 導電膜
12 (ONO膜構造の)絶縁膜
12a(ONO膜構造の上側SiO膜が除去された)絶縁膜
17 (ONO膜構造の)下側SiO膜
18a〜18c ゲート酸化膜
19a ゲート電極
21 スタックトゲート電極
26n、26p エクステンション領域
24、28n、28p ソース/ドレイン領域
RP1〜RP12 レジストパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域及び不揮発性メモリを形成する第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、シャロートレンチアイソレーションで形成する工程と、
前記第2の活性領域上に、不揮発性メモリのフローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、
前記導電層上及び前記導電層の外側の領域を覆い、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、
前記導電層上の前記絶縁膜、及び、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を覆い、前記第1の活性領域を露出する第1のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を残す工程と、
前記第1のマスクを除去する工程と、
前記半導体基板上にフォトレジスト材料層を形成し、露光を行って、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に端部の配置されたレジストパターンを形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記レジストパターンを形成する工程は、隣接する2つの前記第1の活性領域に挟まれた部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に、レジストパターンを形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
さらに、
前記レジストパターンをマスクとして、前記第1の活性領域にイオン注入する工程を有する請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
さらに、
前記半導体基板上に、不揮発性メモリのトンネル絶縁膜を形成する工程を有し、
前記導電層を形成する工程は、前記トンネル絶縁膜上に、フローティングゲートとなる導電層を形成し、
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、前記第1の活性領域上で、前記トンネル絶縁膜の上に、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成し、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングする工程は、該第1の活性領域上で、該絶縁膜の下の前記トンネル絶縁膜を残し、
さらに、
前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上に残された前記絶縁膜をその外側まで覆い、前記第1の活性領域を露出する第2のマスクを形成する工程と、
前記第2のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記トンネル絶縁膜をウエットエッチングする工程と
を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、プラズマCVDまたは熱CVDによる窒化シリコン膜を形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板に、ロジックトランジスタを形成する第1の活性領域及び不揮発性メモリを形成する第2の活性領域を画定する素子分離絶縁膜を、シャロートレンチアイソレーションで形成する工程と、
前記第2の活性領域上に、不揮発性メモリのフローティングゲートとなる導電層を形成する工程と、
前記導電層上及び前記導電層の外側の領域を覆い、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程と、
前記導電層上の前記絶縁膜、及び、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を覆い、前記第1の活性領域を露出する第1のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングし、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜を残す工程と、
前記第1のマスクを除去する工程と、
前記半導体基板上にフォトレジスト材料層を形成し、露光を行って、前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に端部の配置されたレジストパターンを形成する工程と
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記レジストパターンを形成する工程は、隣接する2つの前記第1の活性領域に挟まれた部分の前記素子分離絶縁膜上の前記絶縁膜上に、レジストパターンを形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
さらに、
前記レジストパターンをマスクとして、前記第1の活性領域にイオン注入する工程を有する請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
さらに、
前記半導体基板上に、不揮発性メモリのトンネル絶縁膜を形成する工程を有し、
前記導電層を形成する工程は、前記トンネル絶縁膜上に、フローティングゲートとなる導電層を形成し、
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、前記第1の活性領域上で、前記トンネル絶縁膜の上に、窒化シリコンを含む絶縁膜を形成し、
前記第1のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記絶縁膜をエッチングする工程は、該第1の活性領域上で、該絶縁膜の下の前記トンネル絶縁膜を残し、
さらに、
前記第1の活性領域に隣接する部分の前記素子分離絶縁膜上に残された前記絶縁膜をその外側まで覆い、前記第1の活性領域を露出する第2のマスクを形成する工程と、
前記第2のマスクをマスクとして、前記第1の活性領域上の前記トンネル絶縁膜をウエットエッチングする工程と
を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記窒化シリコンを含む絶縁膜を形成する工程は、プラズマCVDまたは熱CVDによる窒化シリコン膜を形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−54636(P2011−54636A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200102(P2009−200102)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]