説明

半導体集積回路装置の製造方法および半導体集積回路装置の製造装置

【課題】本願発明者らによると、VLSI(Very Large Scale Integration)のウエハ・プロセスにおいて、以下のような問題があることが明らかとなった。すなわち、プリ・メタル(Premetal)工程のタングステン・プラグ形成の準備工程としてのバリア・メタル・スパッタリング成膜時や第1層メタル配線層のスパッタリング成膜時に、ウエハからの脱ガスによる水分に起因する異物の発生がみられる。
【解決手段】本願発明は半導体集積回路装置の製造工程におけるプラズマ・プロセスで、プロセス・チャンバ外に設けられたアンテナにより、プラズマから発生する電磁波を受信することで、同チャンバ内の水分をインサイチュー・モニタ(In Situ Monitor)するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置(または半導体装置)の製造方法における気相プラズマ処理に関するガス・モニタ技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2005−209935号公報(特許文献1)には、気相プラズマ処理装置の高周波電力供給ラインの途中に電流プローブを設置することによって、処理チャンバ内での放電を確認する技術が開示されている。
【0003】
日本特開2004−288849号公報(特許文献2)および日本特開2003−243367号公報(特許文献3)には、気相プラズマ処理装置の処理チャンバ内での異常放電を、チャンバ側面の観測窓外に設置された受信アンテナによりモニタする技術が開示されている。
【0004】
日本特開2005−277397号公報(特許文献4)または米国特許公開2005−0188922号公報(特許文献5)には、気相プラズマ処理装置の処理チャンバ内での異常放電を、チャンバ側面の観測窓外に設置された受信アンテナによりモニタするにあたり、観測窓部に誘電体材料を挿入することにより電磁波の伝播特性を改善する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−209935号公報
【特許文献2】特開2004−288849号公報
【特許文献3】特開2003−243367号公報
【特許文献4】特開2005−277397号公報
【特許文献5】米国特許公開2005−0188922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者らによると、VLSI(Very Large Scale Integration)のウエハ・プロセスにおいて、以下のような問題があることが明らかとなった。すなわち、プリ・メタル(Premetal)工程のタングステン・プラグ形成の準備工程としてのバリア・メタル・スパッタリング成膜時や第1層メタル配線層のスパッタリング成膜時に、ウエハからの脱ガスによる水分に起因する異物の発生がみられる。
【0007】
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
【0008】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体集積回路装置の製造プロセスを提供することにある。
【0009】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0011】
すなわち、本願発明は半導体集積回路装置の製造工程におけるプラズマ・プロセスで、プロセス・チャンバ外に設けられたアンテナにより、プラズマから発生する電磁波を受信することで、同チャンバ内の水分をインサイチュー・モニタ(In Situ Monitor)するものである。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0013】
すなわち、プラズマ・プロセス中に発生する水分を直接検出することができるので、先行するデガス(Degas)工程の評価をより正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0015】
1.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)ウエハを第1の処理チャンバ内に導入する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記第1の処理チャンバ内において、プラズマを励起することにより、前記ウエハに対して、気相処理を実行する工程、
ここで、前記工程(b)中において、前記第1の処理チャンバの外部に設けられたアンテナにより、前記第1の処理チャンバ内の前記プラズマから発生する電波を受信することにより、前記第1の処理チャンバ内の水分をモニタする。
【0016】
2.前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1の処理チャンバは、マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置内にある。
【0017】
3.前記1または2項の半導体集積回路装置の製造方法において、更に以下の工程を含む:
(c)前記工程(a)の前に、前記マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置内の第2の処理チャンバ内に前記ウエハを導入する工程;
(d)前記工程(c)の後であって前記工程(a)の前に、前記第2の処理チャンバ内において、前記ウエハに対して、デガス処理を実行する工程。
【0018】
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記気相処理は、スパッタリング成膜処理である。
【0019】
5.前記1から4項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記気相処理は、メタル膜のスパッタリング成膜処理である。
【0020】
6.前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタン、タングステン、タンタル、ルテニウム、およびこれらの窒化物からなる群から選択された一つを主要な成分とする。
【0021】
7.前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【0022】
8.前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、タングステンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【0023】
9.前記1から8項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波の帯域は、1GHz以上、6GHz以下である。
【0024】
10.前記1から9項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、5マイクロ秒以下である。
【0025】
11.前記1から10項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、100マイクロ秒以下である。
【0026】
12.以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置内のデガス処理チャンバ内にウエハを導入する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記デガス処理チャンバ内において、前記ウエハに対して、デガス処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記ウエハ処理装置内を通って、前記ウエハを前記ウエハ処理装置内のスパッタリング成膜処理チャンバ内に移送する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記スパッタリング成膜処理チャンバ内において、プラズマを励起することにより、前記ウエハに対して、スパッタリング処理により、前記ウエハの第1の主面上に、メタル膜を形成する工程、
ここで、前記工程(d)中において、前記スパッタリング成膜処理チャンバの外部に設けられたアンテナにより、前記スパッタリング成膜処理チャンバ内の前記プラズマから発生する電波を受信することにより、前記スパッタリング成膜処理チャンバ内の水分をモニタする。
【0027】
13.前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタン、タングステン、タンタル、ルテニウム、およびこれらの窒化物からなる群から選択された一つを主要な成分とする。
【0028】
14.前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【0029】
15.前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、タングステンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【0030】
16.前記12から15項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波の帯域は、1GHz以上、6GHz以下である。
【0031】
17.前記12から16項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、5マイクロ秒以下である。
【0032】
18.前記12から17項のいずれか一つの半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、100マイクロ秒以下である。
【0033】
19.以下を含む半導体集積回路装置の製造装置:
(a)ウエハ処理チャンバ;
(b)前記ウエハ処理チャンバ内にプラズマを励起するためのプラズマ励起機構;
(c)前記ウエハ処理チャンバの外側に設けられ、前記プラズマから生成した電波を受信するための受信アンテナ;
(d)前記受信アンテナからの受信信号から前記ウエハ処理チャンバ内の水分に起因する信号成分を抽出する水分信号抽出部。
【0034】
20.前記19項の半導体集積回路装置の製造装置において、前記受信アンテナは、前記ウエハ処理チャンバの外壁の前記電波の内の水分に起因する信号成分を実質的に透過する部分の近傍に設けられている。
【0035】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0036】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NSC)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0037】
同様に、「アルミニウム系配線」、「アルミニウム配線」、「タングステン系配線」等というときは、比較的純粋なもののみではなく、アルミニウム、タングステン等を主要な成分とするものを広く指すものとする。これらは「バリア・メタル」、「反射防止膜」等についても同じである。
【0038】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0039】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0040】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0041】
6.「電波」というときは、電磁波の内、波長が100マイクロ・メートル以上のものを指す。本願で扱う水分子の回転スペクトルは、通常、1GHz以上、6GHz以下の周波数帯にあると考えられている。
【0042】
7.「スパッタリング成膜処理」とは、高真空中で、成膜すべき膜またはその主要成分とほぼ同じ組成のスパッタリング・ターゲットにアルゴン・イオン等を衝突させて、飛び出してくるターゲット成分またはその反応物をウエハ等の被処理物上に堆積させる処理を言う。
【0043】
8.「デガス処理」とは、被処理ウエハに対して、スパッタリング成膜処理等の高真空処理前に、被処理ウエハ上に吸着された水分等の付着成分を放出(脱ガス)させるために、ウエハ等を熱しながら高真空中に保持することを言う。ウエハに対する一種の真空ベークである。
【0044】
9.プラズマ装置における「異常放電」というときは、プラズマとチャンバ壁、またはチャンバ内の設置物との間の間歇的な放電を言う。従って、プラズマ内部における電流は異常放電ではない。
【0045】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0046】
1.本願の各実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法に使用するマルチ・チャンバ型ウエハ処理&成膜装置等の説明(主に図14から図16)
まず、以下のセクション2および3(ここではセクション2を念頭に説明する)で使用する半導体集積回路装置の製造装置等に関して説明する。図14に、ウエハ1に対して気相処理(デガス処理、スパッタリング成膜、CVD処理、エッチング等)を実行する複数のウエハ処理チャンバを有するマルチ・チャンバ型のウエハ処理装置30の平面図を示す。なお、セクション3のプロセスにおいては、たとえば、これらのチャンバの内、一つをアルミニウム・スパッタリング成膜用に設定すればよい。もちろん、別装置としてもよい。また、ここでは、エッチングは別の装置で処理しているが、同一の装置で処理するようにしてもよい。更に、ここでは、スパッタリング成膜とCVD処理を同一の装置で実施しているが、別装置としてもよい。同様に、チタンと窒化チタンのスパッタリング成膜を同一の装置の別チャンバで実施する構造となっているが、同一チャンバで、連続的に実施してもよい。以下、マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置30の構造ならびに動作の概要を説明する。
【0047】
図14に示すように、被処理ウエハ1は、ウエハ容器32に収容された状態で、ロード・ポート31に置かれる。ウエハ1は、そこから、ロード・ロック室33および真空搬送室34(真空搬送ロボットによる移送)を通って、必要に応じて、デガス処理チャンバ35(第2の処理チャンバ)、チタン・スパッタリング成膜処理チャンバ36(処理チャンバ又は第1の処理チャンバ)、窒化チタン・スパッタリング成膜処理チャンバ37(処理チャンバ又は第1の処理チャンバ)、窒化チタンCVDチャンバ38、タングステンCVDチャンバ39、およびタングステン・スパッタリング・チャンバ40(処理チャンバ又は第1の処理チャンバ)の一つに移送される。これらの各処理チャンバ35,36,37,38,39,40間の移動は、真空搬送室34(真空搬送ロボットによる移送)を介して行われる。ウエハ1の搬出は、搬入の逆であり、真空搬送室34(真空搬送ロボットによる移送)およびロード・ロック室33を通って行われる。
【0048】
次に、図15により、スパッタリング成膜チャンバ37(40)及びその周辺構造等を説明する(主に窒化チタン・スパッタリング成膜処理を例にとり説明する)。ここでは、窒化チタン・スパッタリング成膜処理チャンバ37またはタングステン・スパッタリング・チャンバ40に受信アンテナ51を取り付けた例を説明するが、受信アンテナ51は、必要に応じてデガス処理チャンバ35、チタン・スパッタリング成膜処理チャンバ36、窒化チタンCVDチャンバ38、タングステンCVDチャンバ39、その他のスパッタリング成膜処理チャンバ、ドライ・エッチング・チャンバ、または、その他の気相処理チャンバに取り付けてもよい。
【0049】
図15に示すように、処理チャンバ37の内部には、ウエハ1を置くウエハ・ステージ41(下部電極)が設けられている。このウエハ・ステージ41は、通常、接地されている。ウエハ・ステージ41に対向して、チタン・ターゲット50(窒化チタン・スパッタリング成膜処理の場合)を保持する上部電極42が設けられており、この上部電極42には、直流バイアス電源43からバイアスが供給されている。この上部電極42および直流バイアス電源43でプラズマ励起機構55が構成されている。窒化チタンの成膜時には、ガス導入口54から窒素ガスが供給される。処理チャンバ37内は、排気口53に連結されたクライオ・ポンプ45、メカニカル荒引きポンプ46等から構成された真空排気系44により高真空に保持される。スパッタリング成膜の実行中に、ウエハ1から水分のリリース(脱ガス14)があると、プラズマ47から電波48(電磁波)が放出され、石英ガラス等の観測窓49を透過して、アンテナ・シールド52内の受信アンテナ51によって受信される。
【0050】
次に、図16により、受信アンテナ51で受信された受信信号57の処理について説明する。図16に示すように、受信信号57は水分信号抽出部56に取り込まれ、以下のように処理される。まず、不必要な電波帯域がフィルタリング処理71により除去される。ここでは、水分子の回転放射スペクトルの帯域が、ほぼ1GHz以上、6GHz以下であることから、この帯域のみを通過させる。この後、受信信号57に対して、増幅処理72が実行され、その後、3分割(第1分岐信号、第2分岐信号、第3分岐信号)され、以下のように並行処理される。第1分岐信号は、たとえば、0.1秒区間で最大値を計測する最大値計測処理73が行われ、続いて、この最大値群がスパッタ時間中に渡って積算される積算処理74が行われる。その後、この積算値と適切な閾値(たとえば十分にデガスしたウエハによる同一の処理による積算値)とが比較される比較処理75が施され、閾値よりも大きい場合には、「水分信号あり」の信号が出力される。一方、第2分岐信号および第3分岐信号に対しては、それぞれ100マイクロ秒を超えるパルス長、および(100マイクロ秒以下で)5マイクロ秒を超えるパルス長を有するパルスの有無を判定する長パルス長の異常放電等起因の信号有無確認処理76および中間パルス長の異常放電等起因の信号有無確認処理77が施される。これは、通常、水分に起因するパルス信号は、5マイクロ秒以下のパルス長(量子力学的なミクロな現象)を有するのに対して、異常放電による放射パルスは、100マイクロ秒を超えるパルス長(落雷と同様なマクロな現象)を有すると考えられるからである。5マイクロ秒と100マイクロ秒の間のパルス長を持つ信号の有無を考慮するのは(必須ではない)、中間的な雑多な原因による放射の有無を確認するためである。
【0051】
このようにして得られた第1分岐信号、第2分岐信号、および第3分岐信号の処理結果を考慮して、たとえば、積算値が閾値以上であり、且つ、両方の長パルス長信号(長パルス長および中間パルス長)が検出されないときに、受信信号57が水分によるものと判定する。なお、中間パルス長の異常放電等起因の信号有無確認処理77の結果を無視してもよい。
【0052】
このようにして、スパッタリング成膜時にウエハ1から水分が脱ガスしていることが検出された場合には、必要に応じて、先行するデガス工程の処理条件を変更する(処理時間の延長、温度の上昇、デガス・チャンバの変更、クリーニング、真空排気系のメンテナンス等)等のフィードバック処理を実施する。
【0053】
これまでは、直接、スパッタリング成膜チャンバ自体の水分を検出できる実用的に手段がないので、先行するデガス処理チャンバに質量分析装置を接続して、間接的に、後続のスパッタリング成膜チャンバでの水分脱ガスを予測していた。しかし、ここに説明するモニタ方法によれば、量産中のスパッタリング成膜チャンバ自体の水分を検出できるので、精度の高い水分検出を可能とすることができる。また、前記の信号処理により、異常放電による雑音成分を有効に除去できるので、量産へ直接適用できる精度の高い(誤報が少ない)モニタリングを達成できる。
【0054】
2.本願の一実施の形態(第1実施形態「タングステン系M1プロセス」、以下同じ)の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー等の説明(主に図1から図11、図14及び図15)
先ず、タングステン系M1配線を有するウエハ・プロセスの要部(コンタクト・ホール完成後)を説明する。図1に示すように、P型シリコン単結晶ウエハ1(半導体基板)の一部にn型ウエル領域2が形成されており、それの縁に沿って半導体基板1の第1の主面側1a(デバイス主面側)に、STI(Shallow Trench Isolation)絶縁膜領域3が形成されている。このSTI絶縁膜領域3によって、Nチャネル領域5nとPチャネル領域5pが分離されている。半導体基板1のデバイス主面側1aの表面領域のNチャネル領域5nには、nチャネルMISFET4nの一部を構成するN型ソース・ドレイン領域6nが設けられている。一方、半導体基板1のデバイス主面側1aの表面領域のPチャネル領域5pには、pチャネルMISFET4pの一部を構成するP型ソース・ドレイン領域6pが設けられている。これらのN型ソース・ドレイン領域6nおよびP型ソース・ドレイン領域6pの表面は、シリサイド化(たとえばニッケル・モノ・シリサイド層)されている。nチャネルMISFET4nは、その他に半導体基板1上のゲート絶縁膜8、その上のn型ポリ・シリコン・ゲート電極10n、更にその上のシリサイド層9(たとえばニッケル・モノ・シリサイド層)、およびこれらを囲むサイド・ウォール・スペーサ絶縁膜7等を有する。同様に、pチャネルMISFET4pは、前記P型ソース・ドレイン領域6pの外、半導体基板1上のゲート絶縁膜8、その上のp型ポリ・シリコン・ゲート電極10p、更にその上のシリサイド層9(たとえばニッケル・モノ・シリサイド層)、およびこれらを囲むサイド・ウォール・スペーサ絶縁膜7等を有する。更に、これら及び半導体基板1のデバイス主面側1aを覆うように、プリ・メタル(Pre−Metal)層間絶縁膜11が形成されている。プリ・メタル層間絶縁膜11は、通常、下層の薄い窒化シリコン膜(エッチ・ストップ膜)と上層の厚い酸化シリコン系絶縁膜等から構成されている。この厚い酸化シリコン系絶縁膜としては、P−TEOS(Plasma−Tetraethylorthosilicate)を用いた酸化シリコン系絶縁膜等を例示することができる。コンタクト・ホール12(ほぼ円形の微細開口)の形成は、レジスト・パターンをエッチング・マスクとして、たとえばフルオロ・カーボン系のエッチング・ガス(CF,CHF,C,C,C,Cおよびこれらの混合ガス)、希釈ガス(たとえば、アルゴン、ヘリウムなど)、その他の添加ガス(たとえば酸素、水素、二酸化炭素)等を主要な成分として含む混合ガス中で、ドライ・エッチング(窒化シリコン膜等をエッチング・ストップ膜として、使用して)によって実行する。孔底の窒化シリコン膜は、同様にたとえばフルオロ・カーボン系その他のエッチング・ガス(CF,CHF,NF3,SF6およびこれらの混合ガス)、希釈ガス(たとえば、アルゴン、ヘリウムなど)、その他の添加ガス(たとえば酸素水素、二酸化炭素、窒素)等を主要な成分として含む混合ガス中で、ドライ・エッチングによって除去する。レジストの除去及び必要な洗浄が完了する(このような一連のパターニング処理を以下「通常のリソグラフィ」という)と、ウエハ1は搬送容器32に収納されて、マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置30(図14の統合成膜装置)のロード・ポートに移送される。
【0055】
次に、ウエハ1はマルチ・チャンバ型のウエハ処理装置30(図14)内のデガス処理チャンバ35に移送され、そこで、図2に示すように、デガス処理14が行われる。デガス処理の条件は、たとえば、ウエハ1を高真空状態で50から100秒程度、ランプ加熱で加熱する(到達温度摂氏200度から300度程度)。
【0056】
次に、処理チャンバ36,37,38を順次移動して、図3に示すようにバリア・メタル膜15の成膜が行われる。図3のコンタクト・ホール周縁部R1の拡大詳細ステップを図4から図6を用いて説明する。
【0057】
バリア・メタル膜15の成膜は、まず、図4に示すように、処理チャンバ36(図14)において、スパッタリング成膜処理により、10nm程度の厚さの下地チタン膜15aを形成する。ここで、成膜条件は、たとえば以下のごとくである。すなわち、ステージ温度摂氏300度程度、チャンバ内気圧47mPa程度(0.35mTorr)、アルゴン流量10sccm程度,DCパワー10KW程度、成膜時間5秒程度である。
【0058】
次に、図5に示すように、処理チャンバ37(図14)において、反応性スパッタリング成膜処理により、下地チタン膜15の上に、10nm程度の厚さの中層窒化チタン膜15bを形成する。ここで、成膜条件は、たとえば以下のごとくである。すなわち、ステージ温度摂氏300度程度、チャンバ内気圧100mPa程度(0.8mTorr)、アルゴン流量10sccm程度,窒素流量30sccm程度,DCパワー13KW程度、成膜時間5秒程度である。
【0059】
次に、図6に示すように、処理チャンバ38(図14)において、CVD処理により、中層窒化チタン膜15bの上に、20nm程度の厚さの上層窒化チタン膜15cを形成する。これで、バリア膜成膜が完了する。
【0060】
次に、処理チャンバ40(図14)において、スパッタリング成膜処理により、バリア・メタル膜15の上に、薄いシード・タングステン膜を形成する。
【0061】
次に、図7に示すように、処理チャンバ39(図14)において、CVD処理により、薄いシード・タングステン膜の上に、厚いタングステン膜(厚さ350nm程度)を形成して、コンタクト・ホール12(図6)を完全に埋め込む。その後、ウエハ1は、一旦、マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置30から排出され、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置へ移送され、そこで、図8に示すように、メタルCMP処理が施され、タングステン・プラグ16aが完成する。必要なポストCMP洗浄等が完了した後、ウエハ1は、再び、マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置30(他の装置でもよい)に移送され、デガス処理チャンバ35(同一装置の他のチャンバでも、別装置でもよい)において、図9に示すように、デガス処理14が施される。デガス処理の条件は、たとえば、ウエハ1を高真空状態で50から100秒程度、ランプ加熱で加熱する(到達温度摂氏200度から300度程度)。
【0062】
次に、処理チャンバ40(同一装置の他のチャンバでも、別装置でもよい)に移送され、そこで、図10に示すように、第1層配線の主要配線層であるタングステン・スパッタリング膜17(厚さ100nm程度)がタングステン・ターゲットを用いたスパッタリング成膜により行われる。ここで、成膜条件は、たとえば以下のごとくである。すなわち、ステージ温度摂氏400度程度、チャンバ内気圧600mPa程度(4.5mTorr)、アルゴン流量86sccm程度,DCパワー2KW程度、成膜時間37秒程度である。
【0063】
次に、処理チャンバ37(同一装置の他のチャンバでも、別装置でもよい)に移送され、そこで、図10に示すように、第1層配線の主要配線層であるタングステン・スパッタリング膜17に対する反射防止膜としての窒化チタン膜18の成膜がチタン・ターゲットを用いた反応性スパッタリング成膜(CVDによって実行してもよい)により行われる。
【0064】
次に、通常のリソグラフィにより、図11に示すように、タングステン・スパッタリング膜17と窒化チタン膜18等を含む第1層タングステン系配線をパターニングする。
【0065】
その後、同様なやり方で、必要なタングステン・プラグおよびアルミニウム系配線等からなるアルミニウム系多層配線構造または銅系(銀系)ダマシン配線構造を形成する。
【0066】
3.本願の他の実施の形態(第2実施形態「アルミニウム系M1プロセス」、以下同じ)の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー等の説明(主に図12および図13、ただし、図1から図9は基本的に共通する)
セクション2の図1から図9までは基本的に同じであり、説明は繰り返さない(図13以降のプロセスについてもセクション2と同じ)。以下図9のデガス処理の後から説明する(図14のデガス処理チャンバ35でデガス完了)。図12に示すように、たとえば処理チャンバ36,37等において、比較的薄い下層バリア・メタル膜19をスパッタリング成膜等により形成する。たとえば処理チャンバ40等において、その上に、主配線層である比較的厚いアルミニウム系主配線層20(一般にアルミニウムを主要な成分として、銅、シリコン、その他の添加物を数%程度含む)をスパッタリング成膜により形成する。次に、たとえば処理チャンバ36,37等において、アルミニウム系主配線層20上に比較的薄い上層バリア・メタル膜18(一部は反射防止膜)をスパッタリング成膜等により形成する。各バリア・メタル膜18、19は、一般に下層のチタン膜と上層の窒化チタン膜から構成されている。
【0067】
次に、図13に示すように、通常のリソグラフィにより、下層バリア・メタル膜19、アルミニウム系主配線層20、上層バリア・メタル膜18等を含む第1層アルミニウム系配線をパターニングする。
【0068】
4.スパッタリング成膜時の水分モニタの際のパルス信号処理等の説明(主に図17から図20および図16)
セクション1で説明した図16を参照しつつ、実際の受信信号57等の例を説明する。水分起因のパルスを含む実際の受信信号57は、図17に示すようなものとなる。すなわち、数ミリ・ボルト程度以下の波高で比較的平坦なプラズマ背景放射(プラズマの自然ゆらぎにより放射される電波)、水分等に起因し、典型的には30ナノ秒(短パルス長P1)から100ナノ秒(長パルス長P2)程度(長くとも5マイクロ秒、すなわち5000ナノ秒以下)のパルス長を持ち、波高が前者よりも高い短パルス信号、および、強度が短パルス信号と同程度で、これらよりもパルス長が十分に長い(通常100マイクロ秒を超える)異常放電等に起因する長パルス信号等(長すぎて図面に表示するのが困難であるが)を含んでいる。短パルス長P1(水分起因のパルスの一例のパルス長の下限)すなわち時点T1から時点T2の期間に着目すると、短パルス長P1の間が、水分子の回転スペクトル放射に直接起因する擾乱で、長パルス長P2の内、短パルス長P1後の期間すなわち、時点T2から時点T3の期間は2次的な擾乱と見ることもできる。これらを考慮すると、パルス長は、背景放射のみの状態から波高が急上昇する時点T1の直前から、2次的な擾乱が背景放射の強度枠内に収まる時点T3までの期間を取るのが好適と考えられる。これでも100ナノ秒程度であり、上限値5000ナノ秒(5マイクロ秒)と比較すると十分に小さい値である。
【0069】
次に、図15に示すような装置内において、デガスが十分でないウエハ1に対してスパッタリング成膜処理を実行したときの図16の最大値計測処理73の出力を時系列で表示(ダイナミック・レンジを0Vから10Vとした)したものを図18に示す。
【0070】
一方、図15に示すような装置内において、デガスが十分に行われたウエハ1に対してスパッタリング成膜処理を実行したときの図16の最大値計測処理73の出力を時系列で表示(ダイナミック・レンジを0Vから10Vとした)したものを図19に示す。
【0071】
このように、デガスが十分でないウエハ1では、多くの高波高ピークが見られるのに比べて、デガスが十分に行われたウエハ1では、高波高ピークがほとんど見られないことがわかる。
【0072】
図20は、図16の積算処理74の出力とデガス時間の関係をプロットしたものである。ここから、デガス時間が長くなるほど、積算信号強度が減少することがわかる。
【0073】
5.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0074】
例えば、前記実施の形態においては、プリ・メタル工程のタングステン・プラグ形成プロセス(特にそのバリア・メタル形成プロセス)、M1タングステン系配線層の形成プロセス、およびM1アルミニウム系配線層の形成プロセスを主な例にとり具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、各アルミニウム系配線層間のタングステン・プラグ形成プロセス、銅ダマシン配線プロセス等への適用できることは言うまでもない。
【0075】
また、前記実施の形態においては、バリア・メタルについては、チタン系のバリア・メタルについて、具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、各窒化物を含むタングステン系、タンタル系、ルテニウム系統のバリア・メタル(これらを主要な成分とする混晶系を含む)にも適用できることは言うまでもない。また、配線層の形成についても、タングステン系に限らず、アルミニウム系(セクション3参照)、銅系、および銀系などにも適用できることは言うまでもない。更に、その他の金属層その他の膜、たとえば、金、白金、ニッケル、パラジウム、コバルト等(絶縁膜でもよい)を主要な成分とする膜の形成等にも適用できることは言うまでもない。
【0076】
更に、前記実施の形態においては、直流スパッタリングによる成膜を例にとり、具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、交流スパッタリング、イオン化スパッタリングその他による成膜、ドライ・エッチング、CVDその他の気相処理等にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本願の一実施の形態(第1実施形態、以下同じ)の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(コンタクト・ホール形成完了時)である。
【図2】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(コンタクト・ホール内外のバリア・メタル・スパッタ成膜前のデガス工程)である。
【図3】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(コンタクト・ホール内外のバリア・メタル・スパッタ成膜)である。
【図4】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における図3のR1部分の拡大デバイス断面フロー図(コンタクト・ホール内外のバリア・メタル膜の内の下層膜であるチタン膜のスパッタ成膜工程)である。
【図5】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における図3のR1部分の拡大デバイス断面フロー図(コンタクト・ホール内外のバリア・メタル膜の内の中間膜である窒化チタン膜の反応性スパッタ成膜工程)である。
【図6】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における図3のR1部分の拡大デバイス断面フロー図(コンタクト・ホール内外のバリア・メタル膜の内の上層膜である窒化チタン膜のCVD工程)である。
【図7】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法における図3に続くデバイス断面フロー図(タングステンCVD工程)である。
【図8】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(メタルCMP工程)である。
【図9】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(第1層メタル配線用のタングステン・スパッタ成膜前のデガス工程)である。
【図10】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(第1層メタル配線用のメタル膜構造スパッタリング成膜工程)である。
【図11】本願の一実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるデバイス断面フロー図(第1層タングステン系メタル配線パターニング完了時)である。
【図12】本願の他の実施の形態(第2実施形態、以下同じ)の半導体集積回路装置の製造方法(図1から図9は共通)におけるデバイス断面フロー図(第1層アルミニウム系メタル配線用のメタル膜構造スパッタリング成膜工程)である。
【図13】本願の他の実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法(図1から図9は共通)におけるデバイス断面フロー図(第1層アルミニウム系メタル配線パターニング完了時)である。
【図14】本願の各実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法に使用するマルチ・チャンバ型ウエハ処理&成膜装置のチャンバ等の構成を示す装置平面図である。
【図15】本願の各実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法に使用するマルチ・チャンバ型ウエハ処理&成膜装置のスパッタリング成膜チャンバの構造等を示す模式的正断面図である。
【図16】本願の各実施の形態の半導体集積回路装置の製造方法におけるスパッタリング成膜時の水分モニタの信号処理の概要を示す信号処理ブロック・フロー図である。
【図17】スパッタリング成膜時の水分モニタの際のパルス信号の実例を示すパルス波形図である。
【図18】スパッタリング成膜時の水分モニタの際、スパッタリングの全期間に渡り抽出したパルス信号の実例を示すパルス波形図(デガスが充分でない場合)である。
【図19】スパッタリング成膜時の水分モニタの際、スパッタリングの全期間に渡り抽出したパルス信号の実例を示すパルス波形図(デガスが充分されている場合)である。
【図20】スパッタリング成膜前のデガス時間と、スパッタリング成膜の水分モニタによる抽出された積算信号強度の関係を示すプロット図である。
【符号の説明】
【0078】
1 ウエハ(半導体基板又はP型シリコン単結晶ウエハ)
1a ウエハの第1の主面側(またはデバイス主面側)
1b ウエハの裏面
2 n型ウエル領域
3 STI絶縁膜領域
4n nチャネルMISFET
4p pチャネルMISFET
5n nチャネル領域
5p pチャネル領域
6n n型ソース・ドレイン領域
6p p型ソース・ドレイン領域
7 サイド・ウォール・スペーサ絶縁膜
8 ゲート絶縁膜
9 シリサイド層
10n n型ポリ・シリコン・ゲート電極
10p p型ポリ・シリコン・ゲート電極
11 プリ・メタル層間絶縁膜
12 コンタクト・ホール
14 デガス(脱ガス)
15 バリア・メタル膜
15a (バリア・メタル膜の内の)下層チタン膜
15b (バリア・メタル膜の内の)中層窒化チタン膜
15c (バリア・メタル膜の内の)上層窒化チタン膜
16 W−CVD膜
16a タングステン・プラグ
17 タングステン・スパッタリング膜
18 TiN反射防止膜
19 アルミニウム下層バリア・メタル膜
20 アルミニウム系主配線膜
30 マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置
31 ロード・ポート
32 ウエハ容器
33 ロード・ロック室
34 真空搬送室
35 デガス処理チャンバ(第2の処理チャンバ)
36 チタン・スパッタリング成膜処理チャンバ(処理チャンバ又は第1の処理チャンバ)
37 窒化チタン・スパッタリング成膜処理チャンバ(処理チャンバ又は第1の処理チャンバ)
38 窒化チタンCVDチャンバ
39 タングステンCVDチャンバ
40 タングステン・スパッタリング・チャンバ(処理チャンバ又は第1の処理チャンバ)
41 下部電極(ウエハ・ステージ)
42 上部電極
43 直流バイアス電源
44 真空排気系
45 クライオ・ポンプ
46 メカニカル荒引きポンプ
47 プラズマ
48 電波
49 観測窓
50 ターゲット
51 受信アンテナ
52 アンテナ・シールド
53 排気口
54 ガス導入口
55 プラズマ励起機構
56 水分信号抽出部
57 受信信号
71 フィルタリング処理
72 増幅処理
73 最大値計測処理
74 積算処理
75 比較処理
76 長パルス長の異常放電等起因の信号有無確認処理
77 中間パルス長の異常放電等起因の信号有無確認処理
78 水分信号抽出・判定処理
P1 短パルス長(水分起因のパルスの一例のパルス長の下限)
P2 長パルス長(水分起因のパルスの一例のパルス長の上限)
R1 コンタクト・ホール周辺領域
T1 長短パルス長の始点
T2 短パルス長の終点
T3 長パルス長の終点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)ウエハを第1の処理チャンバ内に導入する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記第1の処理チャンバ内において、プラズマを励起することにより、前記ウエハに対して、気相処理を実行する工程、
ここで、前記工程(b)中において、前記第1の処理チャンバの外部に設けられたアンテナにより、前記第1の処理チャンバ内の前記プラズマから発生する電波を受信することにより、前記第1の処理チャンバ内の水分をモニタする。
【請求項2】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記第1の処理チャンバは、マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置内にある。
【請求項3】
前記2項の半導体集積回路装置の製造方法において、更に以下の工程を含む:
(c)前記工程(a)の前に、前記ウエハ処理装置内の第2の処理チャンバ内に前記ウエハを導入する工程;
(d)前記工程(c)の後であって前記工程(a)の前に、前記第2の処理チャンバ内において、前記ウエハに対して、デガス処理を実行する工程。
【請求項4】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記気相処理は、スパッタリング成膜処理である。
【請求項5】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記気相処理は、メタル膜のスパッタリング成膜処理である。
【請求項6】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタン、タングステン、タンタル、ルテニウム、およびこれらの窒化物からなる群から選択された一つを主要な成分とする。
【請求項7】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【請求項8】
前記5項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、タングステンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【請求項9】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波の帯域は、1GHz以上、6GHz以下である。
【請求項10】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、5マイクロ秒以下である。
【請求項11】
前記1項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、100マイクロ秒以下である。
【請求項12】
以下の工程を含む半導体集積回路装置の製造方法:
(a)マルチ・チャンバ型のウエハ処理装置内のデガス処理チャンバ内にウエハを導入する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記デガス処理チャンバ内において、前記ウエハに対して、デガス処理を実行する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記ウエハ処理装置内を通って、前記ウエハを前記ウエハ処理装置内のスパッタリング成膜処理チャンバ内に移送する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記スパッタリング成膜処理チャンバ内において、プラズマを励起することにより、前記ウエハに対して、スパッタリング処理により、前記ウエハの第1の主面上に、メタル膜を形成する工程、
ここで、前記工程(d)中において、前記スパッタリング成膜処理チャンバの外部に設けられたアンテナにより、前記スパッタリング成膜処理チャンバ内の前記プラズマから発生する電波を受信することにより、前記スパッタリング成膜処理チャンバ内の水分をモニタする。
【請求項13】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタン、タングステン、タンタル、ルテニウム、およびこれらの窒化物からなる群から選択された一つを主要な成分とする。
【請求項14】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、チタンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【請求項15】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記メタル膜は、タングステンまたはその窒化物を主要な成分とする。
【請求項16】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波の帯域は、1GHz以上、6GHz以下である。
【請求項17】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、5マイクロ秒以下である。
【請求項18】
前記12項の半導体集積回路装置の製造方法において、前記電波のパルス長は、100マイクロ秒以下である。
【請求項19】
以下を含む半導体集積回路装置の製造装置:
(a)ウエハ処理チャンバ;
(b)前記ウエハ処理チャンバ内にプラズマを励起するためのプラズマ励起機構;
(c)前記ウエハ処理チャンバの外側に設けられ、前記プラズマから生成した電波を受信するための受信アンテナ;
(d)前記受信アンテナからの受信信号から前記ウエハ処理チャンバ内の水分に起因する信号成分を抽出する水分信号抽出部。
【請求項20】
前記19項の半導体集積回路装置の製造装置において、前記受信アンテナは、前記ウエハ処理チャンバの外壁の前記電波の内の水分に起因する信号成分を実質的に透過する部分の近傍に設けられている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−90434(P2010−90434A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261310(P2008−261310)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】