説明

圧電デバイスの製造方法

【課題】圧電振動素子及びベアチップICを共に気密裡に封止し、加熱工程が少なく、ベ
アチップIC保護用のポッティング剤を必要しない圧電デバイスの製造方法を得る。
【解決手段】ベアチップIC12を収容した第2パッケージ本体11の凹所に、水晶振動
素子3を実装した第1パッケージ本体1の底部を嵌め込む。第1パッケージ本体1の底部
と、第2パッケージ本体11に塗布したガラス封止材21とが接し、第1パッケージ本体
1の電極7a〜7dと、第2パッケージ本体11の電極20a〜20dとが導電性のポリ
イミド系樹脂を介して接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイスの製造方法に関し、特に加熱工程を減らし、使用する接着剤、
ICへの熱ストレスを低減した圧電デバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧電デバイス、特に水晶デバイスは周波数安定度、小型軽量、低価格等により携帯電話
等の通信機器から水晶時計のような民生機器まで、多くの分野で用いられている。水晶振
動子の周波数温度特性を補償した温度補償型圧電発振器(TCXO)は、周波数安定度を
必要とする携帯電話等に広く用いられている。
特許文献1には、能動素子を実装したパッケージと、振動素子を実装したパッケージと
を積層して構成した発振器が開示されている。この発振器は、上面が開口し内部に能動素
子52が実装された第1パッケージ本体51と、振動素子62が実装され第1パッケージ
本体51よりも小さく上面が開口した第2パッケージ本体61と、第2パッケージ本体6
1の上面開口部に装着された封止板63と、を備え、第1パッケージ本体51の上面に第
2パッケージ本体61を接合し、第2パッケージ本体61の接続電極と、第1パッケージ
本体51の接続電極とを電気的に接続して構成される。
【0003】
第1パッケージ本体51はセラミックシートの積層体で形成され、その形状は図5(b
)の断面図に示すように上面が開口した箱型に成形されている。この第1パッケージ本体
51の内部には、ベアチップよりなる能動素子(IC)52が接着剤により固定されて実
装されている。能動素子52は、図に示すようにボンディングワイヤ53により第1パッ
ケージ本体51内に設けた電極端子と電気的に接続され、第1パッケージ本体51の外周
壁の接続電極と接続されている。
振動ユニット60は、図5(a)の断面図に示すようにセラミックシートの積層体で形
成され、上面が開口した第2パッケージ本体61と、該第2パッケージ本体61の内部に
実装された水晶振動素子62と、第2パッケージ本体61の開口部を気密封止する金属蓋
63と、を備えている。第2パッケージ本体61の外周壁の上に固定したシームリング6
4に金属蓋63を溶接することによって振動素子62を第2パッケージ本体61の内部に
気密封止している。
図5(b)に示すように、第1パッケージ本体51の外周壁54の上面内周部に凹状の
段差部55を形成し、この段差部55の上に第2パッケージ本体61を支持させれば、第
1パッケージ本体51における第2パッケージ本体61の位置決めがなされ、第1、第2
の夫々の接続電極の相対位置も正しく設定され、両者の電気的接続が確実に行われると共
に、第1パッケージ本体51の上面開口部は第2パッケージ本体61で確実に封止される

【特許文献1】特許2974622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された積層型の発振器では、第2パッケージ本体61
内に水晶振動素子62を実装し、第2パッケージ本体61のシームリング64に金属蓋6
3を溶接して振動ユニット60を構成する工程と、第1パッケージ本体51の底面に導電
性接着剤を用いて能動素子52を接着し、ボンディングワイヤで接続する実装工程と、第
1パッケージ本体51の上面に第2パッケージ本体61を接合して樹脂で封止すると共に
第1及び第2の接続電極を接続する工程と、が必要であり、工程が複雑であると共に加熱
工程の回数が多く、IC(能動素子)、接着剤への熱ストレスの回数が多いという問題が
あった。また、第1パッケージ本体51が樹脂封止では気密性が保たれない虞があり、I
C(能動素子)を樹脂(ポッティング剤)で保護しなければならず、該樹脂によりIC(
能動素子)の接着に用いる導電性接着剤、つまりAgペースト樹脂の剥離が生じるという
問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、加熱工程が少なく、IC保護用の
ポッティング剤を必要しない圧電デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本発明に係る圧電デバイスの製造方法は、第1の絶縁基板の凹所内に圧電
振動素子を収容した第1パッケージ本体、又は第2の絶縁基板の凹所内にベアチップを収
容した第2パッケージ本体の何れか一方のパッケージ本体の開口部に他方のパッケージ本
体の底面を重ね合わせると共に、他方のパッケージ本体の開口部に蓋体を重ね合わせる工
程と、前記一方のパッケージ本体の開口部と他方のパッケージ本体の底面との間のガラス
部材と、前記他方のパッケージ本体の開口部と前記蓋体との間のガラス部材、及び前記一
方のパッケージ本体の開口部と他方のパッケージ本体の底面との間のポリイミド系の導電
性接着剤を加熱する工程と、備えることを特徴とする。
【0007】
以上のような圧電デバイスの製造方法を用いて圧電デバイスを製造すると、第1及び第
2パッケージ本体ともガラス封止により気密性は完全であり、ベアチップICに樹脂でコ
ーティング(ポッティング剤)する必要もなく、第2パッケージ本体の内部底面にベアチ
ップICの接着のために用いた導電性接着剤が、ポッティング剤により剥離(デラミネー
ション)するという虞も無くなる利点がある。
また、加熱工程は、圧電振動素子を第1パッケージ本体に導通固定する接着剤の加熱工
程と、ベアチップICを第2パッケージ本体に導通固定する接着剤の加熱工程と、第1及
び第2パッケージ本体をガラス封止するための加熱工程と、の3回であり、加熱工程によ
る圧電振動素子、導電性接着剤、ベアチップIC等への悪影響も減少させることができる
という効果がある。
【0008】
[適用例2]また、圧電デバイスの製造方法は、前記蓋体の裏面、及び前記一方のパッ
ケージ本体の上面に、前記ガラス部材が予め塗布されていることを特徴とする適用例1に
記載の圧電デバイスの製造方法である。
【0009】
以上のように、蓋体の一方の面と、一方のパッケージ本体の開口部の上面に予めガラス
部材を塗布しておくことにより、作業効率が改善されるという効果がある。
【0010】
[適用例3]また、圧電デバイスの製造方法は、前記一方のパッケージ本体の上面の一
部には、前記導電性接着剤が予め塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
の圧電デバイスの製造方法である。
【0011】
以上のように、一方のパッケージ本体の端子電極に予め導電性のポリイミド樹脂を塗布
しておくことにより、作業効率が良くなると共に350℃という高温の工程を経ても、ポ
リイミド樹脂の特性により一方のパッケージ本体の端子電極と他方のパッケージ本体の端
子電極との導通が確実に行えるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では
、圧電デバイスとして水晶発振器を例に挙げて説明する。
図1は、本発明に係る圧電デバイスの製造方法を用いて製造する圧電発振器の概略斜視
図である。圧電発振器は、圧電振動素子(水晶振動素子)3を実装した第1パッケージ本
体1と、ベアチップIC12を実装した第2パッケージ本体11と、第1パッケージ本体
1の開口部を気密封止する蓋体9と、を備えている。
第1パッケージ本体1は、例えば複数のセラミックシートの積層体で形成され、その形
状は図1の斜視図に示すように上面が開口した箱型となっている。図1に示した例では、
第1パッケージ本体1はセラミックシート1a、1b(図示せず)、1c、1dより構成
されている。第1パッケージ本体1の開口部2に形成された段差部8に導電性接着剤、例
えばポリイミド系の接着剤を塗布し、この導電性接着剤の上に水晶振動素子3を載置し、
加熱硬化させて、固定及び導通を図る。水晶振動素子3は、例えば所定の厚さに仕上げた
ATカット水晶基板4の両面に、励振電極5a、5b(図示せず)と、励振電極5a、5
bから水晶基板4の端部に延在する引き出し電極6a、6bと、を真空蒸着法等を用いて
形成する。水晶振動素子3の引き出し電極6a、6bは、段差部8に形成した端子電極を
介してセラミックシート1cの裏面に設けた端子電極7b、7cと導通している。
【0013】
第2パッケージ本体11は、第1パッケージ本体1と同様に複数のセラミックシートを
積層して形成され、その形状は図1の斜視図に示すように上面が開口した箱型となってい
る。第2パッケージ本体11の開口部13の底面には階段状に段差14、15a、15b
、16が形成されており、一番下の段差部14の上面に導電性接着剤、例えばポリイミド
系の接着剤を塗布し、該導電性接着剤の上にベアチップIC12を載置し、加熱乾燥させ
て固定する。ベアチップIC12の端子電極と、段差部15a、15b上に設けられた端
子電極と、をボンディングワイヤ17で接続する。段差部15a、15b上の端子電極は
、第2パッケージ本体11の外周壁の接続電極(キャスタレーション)18a、18b、
18c、18d及び19a、19b、19c、19dと導通している。また、第2パッケ
ージ本体11の外周壁の上面には端子電極20a、20b、20c、20dが形成されて
おり、これらは段差15a、15b上の端子電極と導通している。
さらに、段差部16上にはベアチップIC12の周囲を囲むように、ガラス封止材21
が塗布されている。
なお、ベアチップIC12には、水晶振動素子3を駆動する発振回路、水晶振動素子3
の周波数補償に用いられる可変容量素子、該可変容量素子に電圧を供給する補償電圧発生
回路、データと記憶するメモリ回路等が構成されている。
【0014】
図1に示すように蓋体9の裏面には、該蓋体9の周縁に沿ってガラス封止材22が塗布
されている。蓋体9の材質はセラミック材、ガラス材、金属材のいずれであってもよい。
第2パッケージ本体11の開口部13に第1パッケージ本体1の底部1aを嵌め込み、第
1パッケージ本体1の開口部2の周縁1cに蓋体9を載置する。嵌合した第1及び第2パ
ッケージ本体1、11と、第1パッケージ本体の上部に載置した蓋体9とを所定の温度の
加熱炉で所定の時間保持すことにより、ガラス封止材21、22は溶融し、水晶振動素子
3は第1パッケージ本体1と蓋体9により気密封止される。また、ベアチップIC12は
第1パッケージ本体1の底部1aと、第2パッケージ本体11の段差部16とにより、気
密封止される。加熱炉を例えば窒素N2ガスで満たすことにより、第1及び第2パッケー
ジ本体1、11内に窒素N2ガスを封入することが可能である。
【0015】
図2は、水晶振動素子3を実装した第1パッケージ本体1、IC12を実装した第2パ
ッケージ本体11及び蓋体9が、ガラス封止材21、22にて気密封止され、一体化した
圧電発振器の斜視図である。
以上説明したように、本発明の製造方法を用いて水晶発振器を製造すると、第1及び第
2パッケージ本体1、11ともガラス封止により気密性は完全であり、ベアチップIC1
2に樹脂でコーティング(ポッティング剤)する必要もなく、第2パッケージ本体の内部
底面にベアチップICの接着のために用いた導電性接着剤が、ポッティング剤により剥離
(デラミネーション)するという虞も無くなる利点がある。
また、加熱工程は、圧電振動素子3を第1パッケージ本体1に導通固定する接着剤の加
熱工程と、ベアチップIC12を第2パッケージ本体に導通固定する接着剤の加熱工程と
、第1及び第2パッケージ本体1、11をガラス封止するための加熱工程と、の3回であ
り、加熱工程による圧電振動素子3、導電性接着剤、ベアチップIC12等への悪影響も
減少させることができるという効果がある。
また、蓋体9の一方の面と、一方のパッケージ本体の開口部の上面にガラス部材を予め
塗布しておくことにより、作業効率が改善されるという効果がある。
また、一方のパッケージ本体の端子電極に予め導電性のポリイミド樹脂を塗布しておく
ことにより、作業効率が良くなると共に350℃という高温下でもポリイミド樹脂特性に
より一方のパッケージ本体端子電極と他方のパッケージ本体の端子電極との導通が確実に
行えるという利点がある。
【0016】
図3は、本発明に係る圧電デバイスの製造方法を用いて製造する他の圧電発振器の概略
断面図である。第1パッケージ本体1は複数のセラミックシート1a、1b、1c、1d
より構成されており、セラミックシート1aは導体薄膜25を内蔵し、該導体薄膜25は
セラミックシート1cの裏面に形成した電極7aと導通している。水晶振動素子3は第1
パッケージ本体1の段差部上に形成された端子電極10に導電性接着剤S1、例えばポリ
イミド系の接着剤で接着、固定され、該端子電極10はセラミックシート1cの裏面に形
成した電極7b、7c(図示せず)と導通している。セラミックシート1dの上部周縁に
はガラス封止材が塗布されている。
第2パッケージ本体11は、複数のセラミックシート11a、11b、11c、11d
より構成されており、セラミックシート11aは導体薄膜26を内蔵し、該導体薄膜26
は第2パッケージ本体11の外周壁の接続電極(キャスタレーション)18a〜18d及
び19a〜19dの何れかと導通し、接地される。第2パッケージ本体11の内底部(セ
ラミックシート11aの上面)に導電性接着剤S2、例えばポリイミド系の接着剤を塗布
し、該導電性接着剤S2上にベアチップIC12を載置する。ベアチップIC12の端子
電極と、セラミックシート11bの上面に形成した端子電極(図示せず)と、をボンディ
ングワイヤ17で接続すし、導電性接着剤S2を加熱炉内で硬化させて固定する。セラミ
ックシート11cの上面にはベアチップIC12を囲むようにガラス封止材22が塗布さ
れている。第2パッケージ本体11の上部(セラミックシート11dの上部)には端子電
極20a、20b、20c(図示せず)、20d(図示せず)が形成されおり、これらの
電極は外周壁の接続電極(キャスタレーション)18a〜18d及び19a〜19dの何
れかと導通している。
【0017】
第2パッケージ本体11の端子電極20a、20b、20c(図示せず)、20d(図
示せず)に導電性接着剤(ポリイミド系樹脂)を塗布し、開口部13に第1パッケージ本
体1の底部1a、1bを嵌め込む。嵌合した第1及び第2パッケージ本体1、11と、第
1パッケージ本体の上部に載置した蓋体9とを所定の温度の加熱炉で所定の時間保持すこ
とにより、ガラス封止材21、22は溶融し、水晶振動素子3は第1パッケージ本体1と
蓋体9により気密封止される。
図1及び3ではベアチップIC12の端子電極と、第2パッケージ本体11の端子電極
とをボンディングワイヤにより接続する例を示したが、ベアチップICをフリップチップ
ボンディングで接続してもよい。
【0018】
図4は、本発明に係る圧電発振器の製造フローを示す図である。なお、理解を容易にす
る為に、図1及び図3に付した符号を用いて説明する。始めに絶縁基板からなる第1及び
第2パッケージ本体1、11と、励振電極5a、5b及び引き出し電極6a、6bを形成
した水晶振動素子3と、ベアチップIC12と、裏面にガラス封止材を塗布した蓋体9と
、を用意する。
第1パッケージ本体1の凹所内(開口部2)の段差部8上に導電性接着剤を塗布し、そ
の上に水晶振動素子(圧電振動素子)3を載置(マウント)する。水晶振動素子3を載置
した第1パッケージ本体1を所定の温度の加熱炉内で所定の時間保持し、前記導電性接着
剤を乾燥し、その後、所定の温度のアニール装置内で所定の時間、アニール処理を行う。
アニール処理は水晶基板4(圧電基板)、電極薄膜5a、5b、接着剤等に残留する歪を
緩和するためである。さらに、所定の周波数に仕上げるため、励振電極5a、5b上に微
調整用の金属膜等を蒸着し、共振周波数を調整する。あるいは、励振電極から僅かに薄膜
を除去して周波数を調整してもよい。
【0019】
並行して、第2パッケージ本体11の凹所内(開口部13)の底部に導電性接着剤を塗
布し、該導電性接着剤上にベアチップIC12を載置する。ベアチップIC12の端子電
極と、第2パッケージ本体11の内底部に設けた端子電極と、をボンディングワイヤにて
接続する(ICマウント)。
ベアチップIC12を搭載した第2パッケージ本体11を、所定の温度の加熱炉内で所
定の時間保持し、前記導電性接着剤を乾燥する。乾燥処理が終了した第2パッケージ本体
11を取り出し、その後、第2パッケージ本体11の凹所内(開口部13)の底部であっ
て、ベアチップIC12の周縁にガラス封止材21を塗布する。あるいは、予めガラス封
止材21を塗布した第2パッケージ本体11を用意してもよい。その後、第2パッケージ
本体11の外周壁の上に形成した電極20a、20b、20c、20d上に導電性のポリ
イミド系樹脂を塗布する。
【0020】
ベアチップIC12を収容(実装)した第2パッケージ本体11の凹所(開口部13)
に、水晶振動素子3を実装した第1パッケージ本体1の底部を嵌め込む。第1パッケージ
本体1の底部と、第2パッケージ本体に塗布したガラス封止材21と、が接し、第1パッ
ケージ本体1のつば(図3の1c)の裏面に形成した電極7a、7b、7c、7dと、第
2パッケージ本体11の外周壁の上に形成した電極20a、20b、20c、20dと、
が導電性のポリイミド系樹脂を介して接する。更に、ガラス封止材を塗布した蓋体9を第
1パッケージ本体1の開口部2に重ねる。嵌合した第1及び第2パッケージ本体1、11
を所定の温度、例えば350℃の加熱炉で所定の時間保持すると、蓋体9と、第2パッケ
ージ本体11の凹部底面と、に塗布したガラス封止材21、22が溶融して第1及び第2
パッケージ本体1、11が気密封止されると共に、前記導電性のポリイミド系樹脂が硬化
して第1パッケージ本体1の電極7a、7b、7c、7dと、第2パッケージ本体の20
a、20b、20c、20dとが夫々導通する。ポリイミド系の導電性接着剤は350℃
の高温に耐用するように作られている。
その後、圧電発振器の特性検査、例えば電気的特性を従来の手法で検査する。
【0021】
図1、図3の例では圧電振動素子を収容する第1パッケージ本体1で、セラミックシー
ト1cが他のセラミックシートより大きくした例を示したが、第2パッケージ本体11の
ように外周壁は一様の幅寸法であってもよい。この場合は、第2の外周壁の上端と、第1
パッケージ本体の底部周縁とを接合するようにすればよい。また、第1の外周壁の上端と
、第2パッケージ本体の底部周縁とを接合するようにしてもよい。
ガラス封止材は、第1パッケージ本体1の上部周縁(セラミックシート1d上)と、第
2パッケージ本体の段差部16上と、に塗布してもよい。要は第1及び第2パッケージ本
体が共に気密封止できればよい。また、ガラス封止材は予め塗布しておいた方が作業の効
率がよくなる。
また、ガラス封止剤の代わりに樹脂封止剤を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る圧電デバイスの製造方法を用いた圧電発振器の斜視図。
【図2】圧電発振器の外観斜視図。
【図3】第2の実施例の製造方法を用いた圧電発振器の断面図。
【図4】本発明に係る圧電デバイスの製造方法のフロー図。
【図5】従来の圧電発振器の断面図であり、(a)は振動ユニットの断面図、(b)は能動素子を実装した第1パッケージ本体の断面図。
【符号の説明】
【0023】
1…第1パッケージ本体、2、13…開口部、3…圧電振動素子、4…圧電基板、5a
…励振電極、6a…引出電極、7a、7b、7c、7d…端子電極、8…段差部、9…蓋
体、11…第2パッケージ本体、12…ベアチップIC、14、15a、15b、16…
段差部、17…ボンディングワイヤ、18a、18b、18c、18d…外周壁電極(キ
ャスタレーション)、19a、19b、19c、19d…外周壁電極(キャスタレーショ
ン)、20a、20b、20c、20d…端子電極、21、22…ガラス封止材、S1、
S2…導電性接着剤、25、26…導体薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁基板の凹所内に圧電振動素子を収容した第1パッケージ本体、又は第2の絶
縁基板の凹所内にベアチップを収容した第2パッケージ本体の何れか一方のパッケージ本
体の開口部に他方のパッケージ本体の底面を重ね合わせると共に、他方のパッケージ本体
の開口部に蓋体を重ね合わせる工程と、
前記一方のパッケージ本体の開口部と他方のパッケージ本体の底面との間のガラス部材
と、前記他方のパッケージ本体の開口部と前記蓋体との間のガラス部材、及び前記一方の
パッケージ本体の開口部と他方のパッケージ本体の底面との間のポリイミド系の導電性接
着剤を加熱する工程と、
を備えることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記蓋体の裏面、及び前記一方のパッケージ本体の上面に、前記ガラス部材が予め塗布
されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記一方のパッケージ本体の上面の一部には、前記導電性接着剤が予め塗布されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−302995(P2009−302995A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156294(P2008−156294)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】