基板の形状または厚さの情報を測定するための方法および装置
干渉計システムは、2つの間隔を空けて配置された参照フラットを含み得る。前記2つの間隔を空けて配置された参照フラットは、2つの平行参照表面間に光キャビティを形成する。第1のおよび第2の基板表面が対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行な様態で、前記第1のまたは第2の基板表面の間の空間が前記参照表面または減衰表面のうち対応するものから3ミリメートル以下の位置に来るように、前記基板を前記キャビティ内に配置するように基板ホルダが構成され得る。前記キャビティの直径方向において対向する両側においてかつ前記キャビティ光学的に結合して、干渉計デバイスが設けられ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製作に主に関し、より詳細には、半導体基板の形状および厚さの変動の測定における干渉法の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
干渉法は、光路における変動に起因する位相シフトを測定する光学技術である。典型的には、プローブビームを部分に分割し、これらの部分を2つの異なる経路を通じて送り、そのうち1つの部分(プローブビームと呼ぶ)は対象サンプルを含む経路内を移動し、他方の部分(参照ビームとも呼ぶ)は、当該サンプルを含まない経路内を移動する。プローブビームが当該サンプルと相互作用し、参照ビームが当該サンプルと相互作用しなかった後、これら2つのビームを再度組み合わせる。これら2つのビームの異なる光路長さに起因する干渉を、感光検出器によって検出することができる。
【0003】
干渉法は、比較的小さな距離変化(例えば、干渉計において用いられる光波長のオーダーの距離変化)の測定用途において、多く用いられる。干渉法は、プローブビームをサンプルから反射させることにより、実施することができる。このような反射は、垂直入射においてまたは斜入射において、行うことができる。垂直入射干渉法の場合、高反射率表面が必要となる。これは、ある種のサンプルの場合において非実際的である。これとは対照的に、斜入射干渉法の場合、極めて粗い表面(例えば、名刺程度の粗さの表面)上での実施が可能である。そのため、斜入射干渉法は、垂直入射干渉法の場合よりもより多様なサンプルに対して利用することが可能である。
【0004】
ウェーハの両側の表面高さおよび厚さの変動の測定を高速かつ正確に行うための垂直入射干渉法の一例について、米国特許第6,847,458 B2号(2005年1月)およびSPIE(Advanced Characterization Techniques for Optics,Semiconductors,and Nanotechnologies III、No.6672−1、サンディエゴ、米国、2007年8月)中に記載があり、本明細書中、同文献双方全体を参考のため援用する。同文献中に記載されている技術では、2つの位相シフトフィゾー干渉計を組み合わせて、ウェーハの各側と対応する参照フラットとの間の2つの片面距離マップを同時に入手し、これらのデータと、2つの参照フラット間の較正距離マップとからウェーハの厚さの変動および形状を計算する。この技術の場合、システムがウェーハ振動を感知できる程度に参照プレート(単数または複数)をウェーハの極めて近隣に配置することができないため、時間コヒーレンス長さが短い光源を用いることができない。
【0005】
残念なことに、斜入射干渉法の場合、長いビーム経路が必要である。斜入射干渉法において用いられる光源の場合、コヒーレンス長さが数ミリメートル(例えば、約3ミリメートル)であることが多い。そのため、斜入射干渉法は、ビーム経路における振動および熱変動に対して高い感受性を有する。熱変動については、多様な温度安定化技術によって対処することができるものの、振動については、低周波数(例えば、100Hz以下)においては特に対処するのが困難である。その上、米国特許第6,847,458号に記載の装置の場合、光学コンポーネント(例えば、参照フラットおよびコリメータ)をウェーハの直径よりも大きくする必要がある。このような要求に起因して、特に直径の大きなウェーハ(例えば、直径が450ミリメートルのウェーハ)において、システムが高価となる。
【0006】
米国特許第7,009,696 B2号(2006年3月7日)および米国特許第7,057,741 B2号(2006年3月7日)(本明細書中、同文献双方全体を参考のため援用する)中に記載されている別の干渉法技術の場合、ウェーハの両側の表面高さおよび厚さ変動の測定が可能である。この技術の場合、2つの斜入射干渉計を用いて前方および後方のトポグラフィーデータを同時に入手し、これらのデータから、当該ウェーハの厚さ変動および形状を計算する。当該ウェーハの複数部分を複数回測定行い、これらの結果をつなぎ合わせることで、ウェーハ全体に関するトポグラフィーデータマップを得る。ウェーハの片側の一部の近隣に設けられた平棒から、測定時の不要なウェーハ振動を低減するための減衰配置が得られる。
【0007】
残念なことに、この技術の場合、測定対象物と参照物との間の光路長さが長くかつ非共通であるため、空気温度勾配(およびその結果得られる乱気流)による影響を受け易くなる。また、減衰配置は、ウェーハ表面積全体を網羅することはできず、ウェーハの片側のみに設けられている。そのため、減衰の効果も低いと考えられることが多い。さらに、この技術の場合、斜入射光学配置を用いているため、精密測定における精度が比較的低くなる。その上、このような光学配置の場合、システム間の整合性をとるのが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような文脈を鑑みて、本発明の実施形態が得られた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
先行技術に関連する不利点は、本発明の実施形態により、解消可能である。第1の実施形態によれば、基板厚さを測定するために、向上した干渉計装置を用いることができる。このような装置は、間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの組み合わせを含み得る。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有する。前記対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面の間には、前記基板の配置先となる光キャビティが形成される。基板ホルダは、前記基板を前記参照フラット間の前記キャビティ内に配置できるように構成され得、これにより、前記基板の第1の表面および第2の表面は、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行になり、かつ、前記基板の前記第1の表面または第2の表面は、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうちの対応する1つから3ミリメートルまたは2.5ミリメートル以下であり、好適には2ミリメートル以下であり、より好適には1.5ミリメートル以下であり、さらにより好適には1ミリメートル以下である。これらの間隔全てについては、前記基板の前記第1の表面または第2の表面が、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから0.5ミリメートル以上であると望ましい。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットへの距離は、均等であってもよいし、均等でなくてもよい。
【0010】
第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスは、前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置され得、かつ、前記キャビティに光学的に結合され得る。前記第1の干渉計および第2の干渉計はそれぞれ、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔空けにおける変動をマッピングするように動作可能であり、前記変動のマッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスにより、それぞれ行われる。
【0011】
第1の実施形態のいくつかの様態において、前記システムは、第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器と、前記基板の厚さ変動を決定するために、前記第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器の出力を受信するように接続された少なくとも1つのコンピュータとをさらに含み得る。
【0012】
前記第1の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの寸法は、前記基板について大型視野が得られるような寸法にされ得る。
【0013】
前記第1の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスは、フィゾー干渉計であり得る。
【0014】
前記第1の実施形態のいくつかの様態において、1つ以上の光源が、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスに光学的に結合される。これらの光源は、複数の波長の光を生成するように構成された光源を含み得る。いくつかの様態において、前記光源は、1つ以上の短コヒーレンス光源を含み得る。いくつかの様態において、前記光源は、照明器と、前記照明器と、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスとの間にそれぞれ接続された第1の光ファイバーおよび第2の光ファイバーとを含み得る。
【0015】
第1の実施形態のいくつかの様態において、前記基板ホルダは、前記基板を受け入れるように適合された開口フレームと、前記フレームに取り付けられた2つ以上のエッジホルダであって、前記2つ以上のエッジホルダは、そのエッジによって前記基板を保持するように適合される、2つ以上のエッジホルダとを含み得る。前記エッジホルダは、前記参照フラットの前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間の間隙内にぴったり嵌るようなサイズにされ得る。
【0016】
第1の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズを前記基板よりも小さくすることができ、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しなくなる。このような場合において、前記装置は、少なくとも1つの減衰プレートと、前記減衰プレートに接続された位置決め機構とをさらに含み得る。前記減衰プレートは、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していないものに近接して配置される。前記減衰プレートは減衰表面を有し、前記減衰表面は、前記基板ホルダが前記基板を前記キャビティ内に配置した際に、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して実質的に平行となるように、構成される。前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から2ミリメートル以下となるように、前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である。
【0017】
第1の実施形態のこの様態のいくつかの実行形態において、前記位置決め機構は、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直方向において距離を以て移動させるように動作可能であり、前記距離は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置することを可能にするのに十分である。
【0018】
この様態のいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複する。前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有する。前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複する。前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する。
【0019】
このような実行形態において、前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートにそれぞれ接続された第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを含み得る。前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能である。前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である。
【0020】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れるように、少なくとも1つの減衰プレート、前記基板ホルダならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットを配向することができる。
【0021】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記基板のエッジは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置することができる。
【0022】
この様態のいくつかの実行形態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは十分に大きな直径を有し得、これにより、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する。
【0023】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記基板ホルダは、前記基板を回転または平行移動させるように、構成され得る。
【0024】
第2の実施形態によれば、基板の形状または厚さの情報を測定するための方法が提供される。この方法において、少なくとも前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の一部をマッピングするために、第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成されたキャビティ内に基板が配置される。前記基板が配置される際、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行となり、かつ、前記第1のまたは第2の試験表面が前記第1の参照表面または第2の参照表面のうち対応するものから3ミリメートルまたは2.5ミリメートル以下、好適には2ミリメートル以下、より好適には1.5ミリメートル以下、さらにより好適には1ミリメートル以下の位置に来るように、配置される。これらの間隔空け全てについて、前記基板の第1の表面または第2の表面が、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから0.5ミリメートル以上の位置に来ることが望ましい。
【0025】
前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性は、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて測定される。少なくとも前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の一部をマッピングするように、前記干渉計チャンネル内に第1の位相シフトが設けられ、前記参照表面のキャビティ特性を測定するために、第2の位相シフトが設けられる。前記形状または厚さの情報は、前記第1の試験表面および第2の試験表面および前記キャビティ特性の干渉計マップから決定される。
【0026】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトは、前記参照表面のうちの1つと前記試験表面のうち対応するものとの間の相対距離を変化させることにより、得ることができる。
【0027】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記形状または厚さの情報は、前記基板の厚さ変動を含む。
【0028】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトを提供するステップは、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルにおいて用いられる光の波長を変化させるステップを含み得る。このような様態において、前記形状または厚さの情報は、前記基板の絶対厚さを含み得る。
【0029】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは前記基板よりも小さく、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部は、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しない。このような様態において、前記方法は、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部分と近接して少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップをさらに含み得る。前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に対して平行に配向された減衰表面を持ち得る。前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、位置決めされ得る。
【0030】
第2の実施形態のこのような様態のいくつかの実行形態において、前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に形成された前記キャビティ内に前記基板を配置する前に、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離を以て、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させることができる。
【0031】
第2の実施形態のこのような様態のいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し得る。前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を持ち得る。加えて、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し得る。前記第2の減衰プレートも、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を持ち得る。
【0032】
このような実行形態において、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めすることができる。同様に、前記第2の減衰表面が前記基板の第2の表面から1ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めすることができる。
【0033】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心は、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れ得る。
【0034】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記基板のエッジは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置され得る。
【0035】
この様態のいくつかの実行形態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複するような、十分に大きな直径である。
【0036】
この様態のいくつかの実行形態は、前記基板を回転または平行移動させるステップと、前記基板が前記光キャビティ内にある際に、前記第1の試験表面および第2の試験表面の異なる部分を干渉マッピングするステップとをさらに含み得る。
【0037】
第3の実施形態によれば、干渉計システムは、間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットを含み得る。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有する。前記対応する第1の平行参照表面と第2の平行参照表面との間には、光キャビティが形成される。前記光キャビティは、前記対応する第1の平行参照表面と第2の平行参照表面との間の基板を受け入れるようなサイズにされる。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは前記基板よりも小さくすることができ、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しなくなる。少なくとも1つの減衰プレートが、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部分に近接して配置される。前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記基板が前記キャビティ内に配置された際に、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して平行に配向されるように構成された減衰表面を有する。位置決め機構が、前記減衰プレートに接続される。前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である。第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスが、前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置され、前記両側に光学的に結合される。前記第1の干渉計および第2の干渉計はそれぞれ、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔の変動をマッピングするように動作可能であり、前記変動のマッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスにより、それぞれ行われる。
【0038】
前記システムは、基板ホルダをさらに含み得る。前記基板ホルダは、前記基板を前記参照フラット間の前記キャビティ内に配置するように構成され、これにより、前記基板の第1の表面および第2の表面が、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行になる。前記位置決め機構は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離を以て、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させることができる。
【0039】
前記システムのいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有する。前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複する。前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する。このような実行形態において、前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートに接続された第1のアクチュエータと、前記第2の減衰プレートに接続された第2のアクチュエータとを任意選択的に含み得る。前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から2ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の第2の表面から2ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である。
【0040】
前記システムのいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れるように、配向され得る。このような実行形態において、前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置され得る。あるいは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが複前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重できるくらいの、十分な大きさの直径である。
【0041】
他の実行形態において、前記システムは、基板ホルダをさらに含み得る。前記基板ホルダは、前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に平行な面において前記基板を移動させるように、構成される。このような実行形態において、前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの前記面に平行な1つ以上の方向において前記基板を平行移動させるように、構成され得る。あるいは、前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に対して平行な面に対して垂直な軸周囲において前記基板を回転させるように構成され得る。
【0042】
第4の実施形態によれば、基板の形状または厚さの情報を測定するための別の方法が提供される。この方法において、第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成された光キャビティ内に基板の第1の部位が配置され、これにより、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面をマッピングする。前記基板の第1の表面および第2の表面は、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行である。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは前記基板よりも小さく、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部は前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しない。少なくとも1つの減衰プレートが、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して位置決めされる。前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に平行に配向された減衰表面を有する。前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から2ミリメートル以下の位置に来るように、位置決めされる。
【0043】
前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性が、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて測定される。前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第1の部位の第1の干渉計マップが得られるように、第1の位相シフトが前記干渉計チャンネル内に設けられる。前記参照表面のキャビティ特性を測定するために、第2の位相シフトが設けられる。前記基板の第2の部位を前記光キャビティ内に配置するように、前記基板を移動させる。前記第1の位相シフトおよび第2の位相シフトを繰り返すことで、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第2の部位の第2の干渉計マップを得ることができる。前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップはつなぎ合わせることができ、前記基板の形状または厚さの情報は、前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップおよび前記キャビティ特性から決定することができる。
【0044】
第4の実施形態のいくつかの様態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し得、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を持ち得る。前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し得、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する。
【0045】
このような様態において、前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めするステップを含み得る。前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めするステップをさらに含み得る。このような様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心は、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れ得る。あるいは、前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置され得る。
【0046】
第4の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する位の十分な大きさの直径である。
【0047】
第4の実施形態の他の様態において、前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸の周囲において前記基板を回転させるかまたは前記参照表面に平行な方向に沿って前記基板を平行移動させることにより、前記基板を移動させることができる。
【0048】
本発明の他の目標および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付図面を参照すれば、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態による、基板の厚さおよび形状の変動を測定するための干渉計システムの図示である。
【図2】ウェーハの正面図であり、前記ウェーハはエッジによって保持されており、図1のシステムに挿入されている。
【図3】図2に示すウェーハおよびホルダの一部の拡大エッジ図である。
【図4】本発明の実施形態による基板の形状または厚さの情報を決定する方法を示すフロー図である。
【図5】本発明の別の実施形態による基板の厚さおよび形状の変動を測定するための干渉計システムを示す。
【図6】図5の線6−6に沿ってとられた干渉計システムの平面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態による基板の厚さおよび形状の変動を測定するための干渉計システムを示す。
【図8A】図7の干渉計システムの一部を示す平面図である。
【図8B】図7の干渉計システムの一部を示す平面図である。
【図8C】図7の干渉計システムの一部を示す平面図である。
【図9】図5または図7に示す種類のシステムを用いて基板の形状および厚さの情報を測定する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の詳細な説明は、例示目的のための具体的詳細を多く含むが、当業者であれば誰でも、以下の詳細における多くの変更および改変が本発明の範囲内であることを理解する。従って、以下に説明する本発明の例示的実施形態について、特許請求の範囲に記載の発明に対するいかなる一般性を失うことなくかつ特許請求の範囲に記載の発明を制限することなく、説明する。
【0051】
本発明の実施形態は、米国特許第6,847458号におけるような、ウェーハの2つの側部に対向する2つの位相シフト干渉計を用いた干渉計システムの場合、両側の表面高さの同時測定が可能であるという点を利用している。加えて、2つの平行参照フラットをウェーハ表面の極めて近隣に配置することにより、フィゾー干渉計を用いて測定の精度および再現性を向上させることにより、光学セットアップの非共通経路を最小限にすることが可能となる。平行である2つの参照フラットと、ウェーハ前面または背面の極めて近隣に配置された参照フラットまたは少なくとも1つの参照フラットのいずれかとを用いたシステムにより、ウェーハ振動を受動的かつ効果的に沈静化させることが可能となる。さらに、このような構成の場合、機械的均衡が保たれ、かつ、低周波数振動による影響を比較的受けにくい。
【0052】
本発明の実施形態は、図1中に示すような米国特許第6,847,458号に示すものと同様の様態で構成された干渉計システム10と共に用いられ得る。このようなシステムを用いて、平面かつ不透明の基板(例えば、半導体ウェーハ)について、形状および厚さを測定することができる。ウェーハ測定においては、2つの向上したフィゾー干渉計20および40間の中心にある光キャビティに基板60(例えば、半導体ウェーハ)を配置し、その際、前記基板の表面61および62双方が保持デバイスによってできるだけ遮られないようにする。干渉計20および40は、以下のように動作する。すなわち、入射光が光源24および44から出射される。前記入射光は、2つの異なるチャンネルであるチャンネルAおよびチャンネルBを介して(例えば、単一の照明器8からの光ファイバー22およびファイバー42を通じて)提供され得る。例示目的のためかつ非限定的に、照明器8は、単一の光源かまたは異なるコヒーレンス長さおよび波長帯域幅を有する複数の光源を含み得る。この例において、光源24および44は、ファイバー22および42の端部である。図1に示す例においてはフィゾー干渉計を図示しているが、干渉計20および40において、他の種類の干渉計構成を用いてもよい。
【0053】
光源24および44から出射された光は、偏光ビームスプリッタ26および46から反射された後、光偏光方向に対して45度において整列された1/4波長プレート28および48を通過する。その後、これらのビームはレンズ30および50へと伝搬し、ここで、ビーム直径とコリメートされる。前記ビーム直径は、ウェーハ直径よりも大きくすることができる。その後、これらのビームは、伝送フラット32および52を通じて移動する。各伝送されたビームの中央部分は、基板60の対応する試験表面61および62において、反射される。伝送されたビームの反射部分は、フラット32および52の対応する参照表面33および53から反射された光ビームと共に、インターフェログラムを形成する。前記光キャビティは、参照表面33および53の間の空間に概して対応する。各伝送されたビームの外側部分は、対向する参照フラット52および32へと移動し、ここで参照表面53および33において反射されて、同様に、参照表面33および53から反射された光ビームと共に環状インターフェログラムを形成する。カメラ36および56は、これらのインターフェログラムを記録した後、1つ以上のコンピュータ38および58へと送り、コンピュータ38および58において、所望の情報(例えば、ウェーハ60の形状および厚さの変動または絶対厚さに関連する情報)を生成するための処理が行われる。
【0054】
前記参照フラットが前記ウェーハ表面の十分に近隣にある場合、前記ウェーハが極めて安定する点に留意されたい。1つまたは2つの参照フラットをウェーハ表面全体の極めて近隣に配置した場合、ウェーハ振動の沈静という有利な高価が得られる。本発明の実施形態によれば、参照フラット32および52の片方または両方をウェーハ60の十分近隣に配置することで、ウェーハが安定させる。例示目的のため、参照フラット表面33および53のうち少なくとも1つと、対応するウェーハ表面61および62との間の距離は、1mm未満であり得る。このような安定化は、ウェーハ表面と参照フラットとの間に空気またはガスの膜が発生することでウェーハ振動が沈静された結果得られるものと考えられる。このような空気膜による減衰は、ウェーハエッジの取り扱い時の他にも、望遠鏡中の振動の沈静化にも用いられている点に留意されたい。しかし、出願人の知る限り、干渉計用の共通光路中の空気間隙を用いた、空気膜による減衰は実行されていない。
【0055】
照明器8は、単色光または複数の波長の光のいずれかを提供し得る点に留意されたい。複数の波長光(例えば「白色」光)を用いた場合の1つの利点として、異なる波長を用いて、ウェーハ60の表面上の膜の異なる層を貫通させることが可能である点がある。白色光を用いた場合、白色光のコヒーレンス長さは比較的短いため、干渉計における経路差を十分に短くすることが望ましい。
【0056】
参照表面33および53の間に形成された光キャビティ内へのウェーハ60の配置を容易化するために、システム10は、基板ホルダ70を含み得る。基板ホルダ70は、基板を受け入れ、前記基板を前記基板の面に平行な方向に沿って参照表面33および53の間の間隙へと平行移動させるように、適合される。例示目的のためかつ非限定的に、基板ホルダ70は、図2に示すように構成され得る。具体的には、基板ホルダ70は、フレーム72を含み得る。フレーム72は、一端において開口して、ウェーハ60を受け入れる。ウェーハ60は、参照表面33および53の間の間隙内において、垂直方向保持され得る。例示目的のため、フレーム72は、「C」字型の形状であり得る。フレーム72は、平行移動機構73(例えば、機械アクチュエータ)に取り付けられ得る。平行移動機構73により、ウェーハ60に平行な面に沿って前記フレームを平行移動させることが可能となる。基板ホルダ70は、フレーム72に取り付けられた2つ以上のエッジホルダ74および76を含む。エッジホルダ74および76は、自身のエッジによってウェーハ60を把持するように、適合される。エッジホルダ74および76は、矢印によって示すように移動して、ウェーハ60を把持または解放することができる。図3中の拡大図から分かるように、エッジホルダ74は、1つ以上のコンプライアント部材75を含み得る。これらのコンプライアント部材75は、自身のエッジ63により、ウェーハ60を保持する。これらのコンプライアント部材は、コンプライアント部材がエッジホルダ74および76によって把持または保持されている間のウェーハの損傷を回避するような、適切なコンプライアント材料によって構成される。エッジホルダ74および76のサイズは、2つの参照表面33および53の間の間隙よりも狭いサイズにされ得る。
【0057】
2つの参照フラットが互いに平行でありかつウェーハ表面の極めて近隣に配置されている干渉計システムを用いた場合、取得時において位相シフト速度からウェーハの絶対厚さを決定する精度を大幅に向上させることが可能である点に留意されたい。2つの参照フラットが互いに平行でありかつ両方または少なくとも1つの参照フラットがウェーハ表面の極めて近隣に配置されている干渉計システムを用いた場合、準単色光源または白色光を極めて狭い帯域フィルターと共にフィゾー干渉計に対して用いることが可能となる(ただし、そのコヒーレンス長さが参照フラットとウェーハ表面との間の間隙の2倍よりも大きい場合のみ)。そのため、このようなシステムを用いれば、システム測定誤差を最小化することができるだけでなく、膜面またはパターン化表面を含む異なる用途におけるシステムの測定能力を拡大することも可能となる。
【0058】
加えて、2つの参照フラットを用いた干渉計システムの場合、キャビティ経路の差または参照フラットの形状に起因することの多い誤差を発生させることなく、ウェーハの厚さ変動を測定することができる。
【0059】
測定対象ウェーハよりもサイズが大きい2つの参照フラットを用いた干渉計システムの場合、各測定毎において2つの参照フラットによって参照フラットの傾斜変動を監視することが可能である。このような能力により、このようなシステムを用いて行われる測定の再現性が大幅に向上する。また、測定中のウェーハよりもサイズが大きな2つの参照フラット干渉計システムを用いた場合、ウェーハのエッジにおける表面傾斜による影響を受けることなく、結像面における試験ウェーハの位置を極めて高精度に決定することも可能となる。
【0060】
さらに、2つの参照フラットを用いた干渉計システムの場合、ウェーハ材料による影響を受けることなく、ウェーハの両側の表面高さおよび厚さ変動を測定することが可能である。
【0061】
本発明の別の実施形態によれば、基板の形状および厚さの情報を測定する方法を、図1のシステムによって実行することができる。本明細書中用いられる、形状または厚さの情報を非限定的に挙げると、基板の厚さ変動および基板の絶対厚さがある。このような方法の一例を図4のフロー図中に示す。方法100は、図1および図4を同時に参照することにより、理解され得る。このような方法は、コンピュータ38および58のうち1つ以上の上で実行されるコンピュータソフトウェアの制御下において全体的または部分的に実行され得る。
【0062】
前記システムの位相シフト速度は、102に示すように、任意選択的に較正することができる。例示目的のためかつ非限定的に、この目的のために参照表面33および53の間に形成されたキャビティ内に、研磨された不透明プレートを配置することができる。あるいは、前記キャビティそのものを用いて較正を行ってもよい。前記参照フラットのキャビティ特性を104において示すように較正してもよい。前記参照フラット較正手順により、インターフェログラムが得られる。前記インターフェログラムは、参照表面33および53間の間隔の変動をウェーハ60の配置先となる領域において示す。
【0063】
106に示すように、測定対象となる基板(例えば、ウェーハ60)を2つのフィゾー干渉計間のキャビティ内に配置することができる。例示目的のため、基板ホルダ70は、コンピュータ38および58のうちの1つによる制御下において、ウェーハ60を所定位置まで移動させ得る。前記キャビティの中心または中心から外れた位置に前記基板を配置して、前記基板がチャンネルAおよびチャンネルBを介して垂直入射光を受信できるようにし、その際、ウェーハ試験表面61および62双方が保持機構70によってできるだけ遮断されないようにする。少なくとも1つの試験表面を、対応する近隣表面から3ミリメートル以下の距離、好適には2ミリメートル以下の距離、より好適には1.5ミリメートル以下の距離、さらにより好適には1ミリメートル以下の距離において配置する。
【0064】
その後、チャンネルAおよびチャンネルBにおけるインターフェログラムを異なる位相シフトと共に記録する2つの組の強度フレームが、108に示すように収集され得る。例えば照明光源8から生成される光の波長を変化させることにより位相シフト差を得ることができる。あるいは、参照フラット33および53をウェーハ60に対してシフトさせることにより、異なる位相シフトを得ることもできる。インターフェログラム収集後、110に示すように、インターフェログラムの移送を強度フレームから抽出することができる。その後、112に示すように、基板の形状および/または厚さに関する所望の情報をこれらの位相から計算することができる。このような情報は、基板の表面上の位置に対する形状または厚さの情報を示す1つ以上のマップの形態において、提示することができる。
【0065】
このような情報の計算方法としては、複数の方法がある。例えば、参照フラット33および対応するウェーハ試験表面61によって形成されるインターフェログラムの位相をAとし、参照フラット53およびウェーハ試験表面62によって形成されるインターフェログラムの位相をBとし、2つの参照表面33および53間のキャビティによって形成されるインターフェログラムの位相をCとする。従って、試験表面61についての表面高さ情報がAから得られ、試験表面62についての表面高さ情報がBから得られ、ウェーハ60の厚さ変動がC−(A+B)から得られる。
【0066】
この技術を用いれば、波長変化に起因して位相シフトが発生した場合における、1つの表面座標、複数の表面座標またはすべての表面座標における絶対ウェーハ厚さを計算することが可能になる。絶対厚さは、既知の波長変化あたりの位相シフト量から計算することができる。この例において、Aは、参照表面33およびウェーハ試験表面61によって形成されたインターフェログラムの位相シフトであり、Bは、参照表面53およびウェーハ試験表面62によって形成されたインターフェログラムの位相シフトであり、Cは、2つの参照表面33および53間のキャビティによって形成されたインターフェログラムの位相シフトである。従って、参照表面53とウェーハ試験表面62との間の絶対距離がAから得られ、参照表面33とウェーハ試験表面61との間の絶対距離がBから得られ、参照表面33と参照表面53との間の絶対距離がCから得られ、絶対ウェーハ厚さがC−(A+B)から得られる。
【0067】
上記したシステムおよび方法の場合、米国特許第6,847,458号中に記載されたシステムおよび方法に比していくつかの利点がある。具体的には、システム安定性および/またはシステムによって行われる測定の再現性を大幅に向上させることができる。さらに、上記したシステムおよび方法を用いれば、時間コヒーレント長さの短い照明を用いる能力が得られる。加えて、干渉計の非共通経路および/または測定誤差を最小化することも可能になる。加えて、上記したシステムおよび方法により、絶対ウェーハ厚さ情報を得ることも可能となる。これとは対照的に、米国特許第6,847,458号中に記載されたシステムおよび方法の場合、厚さ変動に関する情報しか得られない。
【0068】
上記したシステムおよび方法の場合、米国特許号7,009,696号中に記載されたシステムおよび方法に比していくつかの利点がある。例えば、上記したシステムおよび方法の場合、時間コヒーレンス長さが短い照明を用い、非共通干渉計経路および測定誤差を最小化し、かつ、絶対ウェーハ厚さ情報を得ることができる。加えて、上記のシステムおよび方法を用いれば、ウェーハ全体の減衰配置を片面または両面について得ることが可能となる。さらに、上記したシステムおよび方法では、垂直入射照明を用いることも可能である。
【0069】
上記した実施形態に対して、複数の向上が可能である。例えば、図5および図6に示す本発明の別の実施形態によれば、参照プレート32および52によって被覆されていない基板部位と重複する減衰プレートを用いることにより、基板60の振動減衰を向上させることができる。具体的には、図5に示すように、別の干渉計システム11が、図1に示すシステム10に基づき得る。図5中、図1と同一の参照符号は、図1を参照して上述した要素と同一の要素を示す。
【0070】
システム11がシステム10と異なる点としては、伝送フラット32および52の直径が基板60の直径よりも小さい点がある。例示目的のため、伝送フラット32および52の直径は300ミリメートルであり得、基板60の直径は450ミリメートルであり得る。その結果、伝送フラット32および52の参照表面33および53は、基板60の表面61および62と完全には重複しなくなる。システム11は、1つ以上の減衰プレート80および90と、これらの減衰プレートに接続された位置決め機構85および95とを含む。これらの減衰プレート80および90はそれぞれ、参照表面33および53のうちの1つと重複しない基板60の表面61および62のうちの1つの対応する部位に近接して配置される。減衰プレート80および90は、減衰表面83および93を有する。減衰表面83および93は、前記基板が例えば基板ホルダ70によって参照表面33および53の間のキャビティ内に配置された際に、基板60の表面61および62に実質的に平行にそれぞれ配置されるように、構成される。本明細書中用いられる「実質的に平行」という用語は、製造およびアライメントにおける有限公差に起因して、完全な平行状態から受容可能な範囲内において逸脱した各表面も含むものとする。減衰表面83および93は、参照表面33および53と同様のある程度の平坦性および平滑度と共に、製造され得る。例示目的のためかつ非限定的に、図6に示すように、減衰プレート80および90は、より高いかまたは低い程度で三日月形状とすることができ、内径は、伝送フラット32および52の外径と同じかまたは伝送フラット32および52の外径よりも若干大きく、外径は、基板60の直径以上である(極細線によって示す)。その結果、伝送フラットを受け入れるようなサイズおよび形状の空間が得られる。
【0071】
例示目的のためかつ非限定的に、図6に示すように、減衰プレート80および90ならびに伝送フラット32および52は、円対称性と共に構成することができ、このような構成において、前記減衰プレートの中心および基板60の中央軸は、相互におおよそ同心状となっており、かつ、記干渉計および伝送フラットの光軸zと中心がずれている。このような構成において、これらの減衰プレートは、伝送フラット32および52よりも直径が大きな基板60の有意な部位と重複し得る。伝送フラット32および52は基板60の全面とは重複していないが、それでも、システム11は、前記表面の十分な部分を多くの実際的用途において検査することができる。例えば、図6に示す構成において、伝送フラット32および52は、前記基板のエッジおよびその中心双方を含む基板60の一部と重複する。生産工程におけるウェーハの干渉測定において、これで十分な場合が多い。基板60の全面を検査することが望ましい場合、図6中の両側方向の曲線状の矢印によって示すように、基板60をその中心周囲において回転させることができ、異なる回転角度において測定を複数回行うことができる。場合によっては、例えば所与のインゴットからの1つのウェーハのみに対してこのような測定を行い、当該インゴットからの他のウェーハのみを中心およびエッジにおいて回転無しで測定することが望ましい場合もある。
【0072】
基板を回転させる方法には、複数の方法がある。例えば、いくつかの場合において、基板ホルダ70によって伝送フラット32および52の間の間隙から基板60を取り外して、基板を回転させる方向づけ機構へと基板60を移送する。その後、基板ホルダ70は、回転後の基板を取り出し、前記間隙内へと戻すことができる。あるいは、基板60が伝送フラット32および52の間にある際に、基板60をその中心周囲において回転させるように基板ホルダ70そのものを構成することも可能である。
【0073】
図1および図5に示す種類の干渉計システムにおいて、伝送フラット32および52は、光学機器の一部を形成しているため、通常は移動不可能である点に留意されたい。基板ホルダ70が参照表面33および53間の間隙内に基板60を位置決めする能力には制約があるため、所望の高レベルの減衰が参照表面から得られるように、基板表面61および62が参照表面33および53に十分に近接するように、基板60を位置決めするための前記間隙を十分に小さくすることは、非実際的である場合がある。
【0074】
しかし、干渉計システム11においては、減衰プレート80および90は干渉計の光路の一部を形成していないため、減衰プレート80および90は可動とすることができる。その結果、減衰プレート80および90を基板表面62および63の一部に極めて近接して選択的に配置することが可能となり、これにより、減衰表面83および93と、参照表面33および53と重複していない基板表面の一部とが近接していることに起因して振動減衰を得ることが可能となる。前記減衰プレートを選択的に位置決めすることにより、干渉計システム11は、可動減衰プレート80および90によってさらなる減衰を提供することにより、参照表面33および53間の間隔が最適ではない場合でも、振動減衰目的のための補償を提供することができる。減衰表面83および93の大きさを伝送フラット32および52よりも十分に大きくすることにより、これらの減衰プレートから、基板60の振動減衰の大部分を得ることが可能になる。
【0075】
前記減衰表面の近接した位置決めを容易化するために、位置決め機構85および95により、減衰プレート80および90を参照表面33および53に対して垂直に移動させることができる。位置決め機構85および95はそれぞれ、減衰プレート80および90を十分な精度で位置決めするように構成され得、これにより、減衰表面83および93を、基板60の表面61および62から3ミリメートル以下の位置において配置することができる。その後、干渉計システム11による基板60の測定のために、配置された減衰プレート80および90を所定位置にロックすることができる。
【0076】
例示目的のためかつ非限定的に、前記位置決め機構は、センサー86および96と、アクチュエータ87および97とを含み得る。センサー86および96と、アクチュエータ87および97とは、コンピュータ38および58にそれぞれ接続される。センサー86および96は、基板表面61および62がセンサー86および96に近接するのに応答できる任意の種類の近接センサーでよい。適切なセンサーの例を非限定的に挙げると、キャパシタンスセンサーおよび光センサーがある。アクチュエータ87および97は、フィードバックループにおいてセンサー86および96ならびにコンピュータ38および58に接続されたサーボ機構であり得る。前記フィードバックループの構成は、感知された間隔変化に反作用するように減衰プレートを移動させることにより、減衰表面と基板表面との間の間隔の変化がセンサーによって測定されるのにサーボ機構が応答するような構成である。このような様態で動作することにより、位置決め機構85および95は、参照表面83および93と、基板表面61および62との間の距離を安定化させることができる。
【0077】
いくつかの実行形態において、位置決め機構85および95は、基板ホルダ70が参照表面33および53の間に基板60を配置することが可能となるだけの距離を以て、前記減衰プレートを基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させるように、構成され得る。
【0078】
図5中では例示目的のために2つの減衰プレートおよび2つの位置決め機構を図示しているが、いくつかの実行形態において、干渉計11は、単一の減衰プレートおよび単一の対応する位置決め機構を持ち得る点に留意されたい。
【0079】
図5および図6中に示す種類のシステムは、より大きなサイズのウェーハ(例えば、直径450mmのウェーハ)については、より大きな直径の伝送フラットを有するシステムよりも開発コストが低い点に留意されたい。既存のより小さな直径(例えば、300mm)のシステムからの、先行開発された光学コンポーネントを、図5に示す種類のシステムにおいて用いることができるように適合させることができる。そのため、Tn図1に示す種類の干渉計のためにより大きな直径の光学コンポーネントを開発することは不要である。さらに、図5および図6中に示す種類のシステムは、図1に示す種類のより大きな直径のシステムよりも高い性能を持つことができる。なぜならば、減衰プレート80および90からより高い振動減衰を得ることができるからである。これは、直径の大きな(例えば、450mm)ウェーハをより小さな(例えば、15nmの)設計規則に対して用いる場合において、有意な利点となり得る。
【0080】
図5および図6に示す種類の改変されたシステムにより、参照フラット32および52をウェーハよりもずっと離隔位置に配置し、振動減衰を得るための減衰プレート80および90の近接のみに依存させることが可能となる。例示目的のため、このようなシステム12は、図7に示すように構成することができる。図7において、図1および図5と共通する要素については、図5および図7において用いた参照符号と同じ参照符号によって示している。この実施形態において、参照フラット32および52は、減衰プレート80および90の場合よりも、相互により離隔位置に設けることができる。図5に示す装置11と同様に、減衰プレート80および90は、開口部を含み得る。この開口部は、参照フラット32および52によって規定された視野を妨げないようなサイズおよび形状にされる。
【0081】
図1および図5について上述した実施形態と同様に、この実施形態においても、(米国特許第第6,847,458B2号(2005年1月))におけるようなウェーハの2つの側部に対向する2つの位相シフトフィゾー干渉計を用いた装置を用いれば、両側における表面高さを同時に測定することが可能である点を利用している。加えて、ウェーハ60の2つの側部に対向する2つの参照フラットを用いたシステムは、キャビティ経路の差または参照フラットの形状に起因する誤差を発生させることなく、ウェーハの厚さ変動を測定することができる。さらに、垂直入射光学配置を用いたシステムは、測定の精度および再現性を向上させるフィゾー干渉計を用いることにより、光学セットアップの非共通経路を最小化することができる。
【0082】
2つの減衰プレート80および90が相互に平行でり、かつ、減衰プレートの双方または少なくとも1つがウェーハ前面または背面61および62に極めて近接して配置されたシステムを用いれば、ウェーハ振動を受動的におよび効果的に沈静化することができ、その機械的均衡は、低周波数振動による影響を実質的に受けない。光学系の光路内に1つ以上の減衰プレートが設けられていないシステムを用いれば、減衰プレート(単数または複数)をウェーハ表面に極めて近接して配置することができる。よって、光源の連続波長同調範囲およびウェーハの機械的取り扱いに対する厳しい要求を発生させることなく、ウェーハ振動を効果的に沈静化することができる。減衰プレート面積は、ウェーハ面積よりも小さくすることができ、これにより、ロバストなウェーハ取り扱いのための空間が得られる。
【0083】
2つの参照フラット32および52を用いたシステムは、ウェーハ材料への影響を生じることなく、ウェーハの両側の表面高さと、ウェーハの厚さ変動とを測定することができる。
【0084】
ウェーハの全面をマッピングするために、ウェーハホルダ70は、ウェーハ60を参照フラット32および52に平行に移動させて、ウェーハ表面61および62の異なる部位が干渉計20および40の視野内に入るようにすることができる。異なる位置におけるウェーハから、前方および/または後方の表面61および62の干渉マップを得ることができる。例示目的のためかつ非限定的に、図8Aに示すようにウェーハ60を減衰表面83および93に平行に平行移動させることにより、ウェーハを移動させることができる。あるいは、図8Bに示すように、光軸zから中心が外れておりかつ光軸zと平行な軸周囲においてウェーハ60を回転させてもよい。コンピュータ38および58は、これらのマップ(サブマップとも呼ぶ)をつなぎ合わせて、ウェーハの前面および/または背面の全体を網羅する干渉マップを提供することができる。なぜならば、サブマップをつなぎ合わせることで、測定システムのFOV増加を招くことなく測定面積を拡大することが可能となるからである。このようなサブマップのつなぎ合わせにより、システム12は、測定における空間分解能を犠牲にすることなく、異なるウェーハサイズのウェーハを測定できる柔軟性を持つことが可能となる。このような高い空間分解能は、l例えばウェーハのエッジ領域の検査において極めて重要である。
【0085】
特定の用途において、ウェーハ表面のごく一部のみを測定するだけで、ウェーハ平坦性を評価できる場合がある(ただし、この一部が、中心からエッジにわたる実質的領域を網羅する場合)。このような場合、サブアパチャ走査を一回または数回行えば十分である。
【0086】
いくつかの実施形態において、ウェーハ60は、干渉計の視野を完全に妨げることのないように、位置決めされ得る。このような構成により、システム12が、ウェーハを測定しつつ、ウェーハによって部分的に妨げられない、参照表面33および53の間のキャビティの部分を測定することが可能となる。その結果、システム12は、参照フラット32および52の傾斜変化を各測定において監視することができる。このような能力により、システム12によって行われる測定の再現性を有意に上昇させることができる。
【0087】
ウェーハ測定時において、ウェーハによって遮断されている領域外のキャビティを測定することが可能なシステムを用いれば、ウェーハのエッジにおける表面傾斜による影響を受けることなく、結像面における試験ウェーハの位置を極めて高精度に決定することが可能となる。その結果、前記システムは、サブマップのつなぎ合わせをより高精度に行うことができる。
【0088】
図8Cは、ウェーハ移動時の干渉計の視野をウェーハが完全に妨げることがないように、ウェーハを参照フラットに対して位置決めする様態の一例を示す。この例において、前記ウェーハは、光軸zでもある参照フラットの軸から中心が外れた軸周囲において回転する。これらの参照フラットは、円対称性を有するものとみなされ、前記参照フラットと実質的に同じ直径を有する視野を規定する(ただし、前記視野と前記参照フラットとが同一直径を有すると仮定したときに)。前記ウェーハの異なる回転角度において、ウェーハ60の異なる部位が前記視野内に入る。これらの異なる部位は、異なる視野FOV1、FOV2、FOV3、FOV4およびFOV5内に入る。ウェーハ60は各視野と部分的にしか重複しないため、各視野の一部が前記ウェーハによって遮断されない状態となっている点に留意されたい。各視野内のウェーハ部位の干渉マップは、これらの角度それぞれにおいて得ることができる。加えて、干渉計20および40は、ウェーハ60によって遮断されていない視野の部分のキャビティ特性を測定することができる。
【0089】
図5または図7に示す種類のシステムを用いて、基板の形状および厚さの情報を測定する方法を実行することができる。このような方法の一例を、図9のフロー図に示す。方法900は、図7および図9を同時に参照することにより、理解され得る。このような方法は、コンピュータ38および58のうち1つ以上の上で実行されるコンピュータソフトウェアの制御下において、全体的または部分的に実行され得る。
【0090】
前記方法は、以下のようにして進行し得る。まず、902に示すように、位相シフト速度が較正され得る。例示目的のため、研磨された不透明プレートが、参照フラット32および52の参照表面33および53の間に形成されたキャビティ内に配置され得る。あるいは、前記位相シフト速度をキャビティそのものによって較正してもよい。参照フラット32および52のキャビティ特性は、904に示すように較正され得る。測定対象となるウェーハ60を、906に示すように前記キャビティ内に配置することができる。前記ウェーハは、ウェーハ側部61および62双方がウェーハホルダ70によってできるだけ妨げられないような様態で、減衰プレート80および90と、フィゾー干渉計20および40との間における中心または中心から外れた位置に配置され得る。908に示すように、チャンネルAおよびチャンネルBにおけるインターフェログラムを記録する2組の強度フレームが、異なる位相シフトと共に取得される。前記異なる位相シフトは、例えば光源8の波長を変化させるか、前記参照フラットを前記ウェーハに対してシフトさせるかまたは前記ウェーハを前記参照フラットに対してシフトさせることにより、得ることができる。インターフェログラムの位相は、910に示すようにこれらの強度フレームから抽出することができる。912に示すように、これらの位相から、所望の情報を任意選択的に計算することができる。例示目的のため、参照フラット32および前方ウェーハ表面61によって形成されたインターフェログラムの位相がAである場合、後方参照フラット52および後方ウェーハ表面62によって形成されたインターフェログラムの位相はBであり、2つの参照フラット32および52のキャビティによって形成されたインターフェログラムの位相はCである。従って、Aから前方表面高さが得られ、Bから後方表面高さが得られ、C−(A+B)から厚さ変動が得られる。その後、914に示すように、ウェーハホルダ70は、ウェーハ60を別の所定位置へと移動させて、前記ウェーハの別の領域を測定することができる。908、910、912および914において示す動作は、ウェーハ表面の部分全てが測定され終えるまで、所望の回数だけ繰り返すことができる。各強度フレーム組からのウェーハの部分的表面高さまたは厚さ変動を916において計算することができ、前記所望の情報は912に示すように計算されなかった。相互に重複する部分的表面測定全てを918に示すようにつなぎ合わせることができ、これにより、ウェーハ表面全体を網羅する測定を達成することができる。
【0091】
上記した方法およびシステムには、従来に比べていくつかの利点がある。例えば、上記の方法およびシステムは、極めて大きなサイズ(例えば、直径450ミリメートルの)ウェーハなどの異なるサイズのウェーハを柔軟に測定することができる。また、上記システムの場合、ウェーハよりも直径が小さな光学機器を用いることが可能であるため、直径が大きな光学系よりも比較的低コストである。ウェーハの移動およびデジタル画像処理が可能なように既存のシステムを容易に適合させることができ、これにより、ウェーハの異なる重複部分のインターフェログラムをつなぎ合わせることが可能となる。さらに、上記システムの場合、空間分解能がより高い。加えて、通常の照明干渉計(例えば、フィゾー干渉計)を用いることで、光学配置の非共通経路が最小限にされる。
【0092】
上記は本発明の好適な実施形態を網羅的記載であるが、多様な代替物、改変物および均等物を用いることが可能である。そのため、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきものではなく、添付の特許請求の範囲と、その全範囲における均等物とを鑑みて決定されるべきものである。好適であるかないかに関わらず、任意の特徴を他の任意の特徴と組み合わせることが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製作に主に関し、より詳細には、半導体基板の形状および厚さの変動の測定における干渉法の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
干渉法は、光路における変動に起因する位相シフトを測定する光学技術である。典型的には、プローブビームを部分に分割し、これらの部分を2つの異なる経路を通じて送り、そのうち1つの部分(プローブビームと呼ぶ)は対象サンプルを含む経路内を移動し、他方の部分(参照ビームとも呼ぶ)は、当該サンプルを含まない経路内を移動する。プローブビームが当該サンプルと相互作用し、参照ビームが当該サンプルと相互作用しなかった後、これら2つのビームを再度組み合わせる。これら2つのビームの異なる光路長さに起因する干渉を、感光検出器によって検出することができる。
【0003】
干渉法は、比較的小さな距離変化(例えば、干渉計において用いられる光波長のオーダーの距離変化)の測定用途において、多く用いられる。干渉法は、プローブビームをサンプルから反射させることにより、実施することができる。このような反射は、垂直入射においてまたは斜入射において、行うことができる。垂直入射干渉法の場合、高反射率表面が必要となる。これは、ある種のサンプルの場合において非実際的である。これとは対照的に、斜入射干渉法の場合、極めて粗い表面(例えば、名刺程度の粗さの表面)上での実施が可能である。そのため、斜入射干渉法は、垂直入射干渉法の場合よりもより多様なサンプルに対して利用することが可能である。
【0004】
ウェーハの両側の表面高さおよび厚さの変動の測定を高速かつ正確に行うための垂直入射干渉法の一例について、米国特許第6,847,458 B2号(2005年1月)およびSPIE(Advanced Characterization Techniques for Optics,Semiconductors,and Nanotechnologies III、No.6672−1、サンディエゴ、米国、2007年8月)中に記載があり、本明細書中、同文献双方全体を参考のため援用する。同文献中に記載されている技術では、2つの位相シフトフィゾー干渉計を組み合わせて、ウェーハの各側と対応する参照フラットとの間の2つの片面距離マップを同時に入手し、これらのデータと、2つの参照フラット間の較正距離マップとからウェーハの厚さの変動および形状を計算する。この技術の場合、システムがウェーハ振動を感知できる程度に参照プレート(単数または複数)をウェーハの極めて近隣に配置することができないため、時間コヒーレンス長さが短い光源を用いることができない。
【0005】
残念なことに、斜入射干渉法の場合、長いビーム経路が必要である。斜入射干渉法において用いられる光源の場合、コヒーレンス長さが数ミリメートル(例えば、約3ミリメートル)であることが多い。そのため、斜入射干渉法は、ビーム経路における振動および熱変動に対して高い感受性を有する。熱変動については、多様な温度安定化技術によって対処することができるものの、振動については、低周波数(例えば、100Hz以下)においては特に対処するのが困難である。その上、米国特許第6,847,458号に記載の装置の場合、光学コンポーネント(例えば、参照フラットおよびコリメータ)をウェーハの直径よりも大きくする必要がある。このような要求に起因して、特に直径の大きなウェーハ(例えば、直径が450ミリメートルのウェーハ)において、システムが高価となる。
【0006】
米国特許第7,009,696 B2号(2006年3月7日)および米国特許第7,057,741 B2号(2006年3月7日)(本明細書中、同文献双方全体を参考のため援用する)中に記載されている別の干渉法技術の場合、ウェーハの両側の表面高さおよび厚さ変動の測定が可能である。この技術の場合、2つの斜入射干渉計を用いて前方および後方のトポグラフィーデータを同時に入手し、これらのデータから、当該ウェーハの厚さ変動および形状を計算する。当該ウェーハの複数部分を複数回測定行い、これらの結果をつなぎ合わせることで、ウェーハ全体に関するトポグラフィーデータマップを得る。ウェーハの片側の一部の近隣に設けられた平棒から、測定時の不要なウェーハ振動を低減するための減衰配置が得られる。
【0007】
残念なことに、この技術の場合、測定対象物と参照物との間の光路長さが長くかつ非共通であるため、空気温度勾配(およびその結果得られる乱気流)による影響を受け易くなる。また、減衰配置は、ウェーハ表面積全体を網羅することはできず、ウェーハの片側のみに設けられている。そのため、減衰の効果も低いと考えられることが多い。さらに、この技術の場合、斜入射光学配置を用いているため、精密測定における精度が比較的低くなる。その上、このような光学配置の場合、システム間の整合性をとるのが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような文脈を鑑みて、本発明の実施形態が得られた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
先行技術に関連する不利点は、本発明の実施形態により、解消可能である。第1の実施形態によれば、基板厚さを測定するために、向上した干渉計装置を用いることができる。このような装置は、間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの組み合わせを含み得る。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有する。前記対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面の間には、前記基板の配置先となる光キャビティが形成される。基板ホルダは、前記基板を前記参照フラット間の前記キャビティ内に配置できるように構成され得、これにより、前記基板の第1の表面および第2の表面は、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行になり、かつ、前記基板の前記第1の表面または第2の表面は、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうちの対応する1つから3ミリメートルまたは2.5ミリメートル以下であり、好適には2ミリメートル以下であり、より好適には1.5ミリメートル以下であり、さらにより好適には1ミリメートル以下である。これらの間隔全てについては、前記基板の前記第1の表面または第2の表面が、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから0.5ミリメートル以上であると望ましい。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットへの距離は、均等であってもよいし、均等でなくてもよい。
【0010】
第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスは、前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置され得、かつ、前記キャビティに光学的に結合され得る。前記第1の干渉計および第2の干渉計はそれぞれ、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔空けにおける変動をマッピングするように動作可能であり、前記変動のマッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスにより、それぞれ行われる。
【0011】
第1の実施形態のいくつかの様態において、前記システムは、第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器と、前記基板の厚さ変動を決定するために、前記第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器の出力を受信するように接続された少なくとも1つのコンピュータとをさらに含み得る。
【0012】
前記第1の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの寸法は、前記基板について大型視野が得られるような寸法にされ得る。
【0013】
前記第1の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスは、フィゾー干渉計であり得る。
【0014】
前記第1の実施形態のいくつかの様態において、1つ以上の光源が、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスに光学的に結合される。これらの光源は、複数の波長の光を生成するように構成された光源を含み得る。いくつかの様態において、前記光源は、1つ以上の短コヒーレンス光源を含み得る。いくつかの様態において、前記光源は、照明器と、前記照明器と、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスとの間にそれぞれ接続された第1の光ファイバーおよび第2の光ファイバーとを含み得る。
【0015】
第1の実施形態のいくつかの様態において、前記基板ホルダは、前記基板を受け入れるように適合された開口フレームと、前記フレームに取り付けられた2つ以上のエッジホルダであって、前記2つ以上のエッジホルダは、そのエッジによって前記基板を保持するように適合される、2つ以上のエッジホルダとを含み得る。前記エッジホルダは、前記参照フラットの前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間の間隙内にぴったり嵌るようなサイズにされ得る。
【0016】
第1の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズを前記基板よりも小さくすることができ、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しなくなる。このような場合において、前記装置は、少なくとも1つの減衰プレートと、前記減衰プレートに接続された位置決め機構とをさらに含み得る。前記減衰プレートは、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していないものに近接して配置される。前記減衰プレートは減衰表面を有し、前記減衰表面は、前記基板ホルダが前記基板を前記キャビティ内に配置した際に、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して実質的に平行となるように、構成される。前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から2ミリメートル以下となるように、前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である。
【0017】
第1の実施形態のこの様態のいくつかの実行形態において、前記位置決め機構は、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直方向において距離を以て移動させるように動作可能であり、前記距離は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置することを可能にするのに十分である。
【0018】
この様態のいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複する。前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有する。前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複する。前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する。
【0019】
このような実行形態において、前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートにそれぞれ接続された第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを含み得る。前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能である。前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である。
【0020】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れるように、少なくとも1つの減衰プレート、前記基板ホルダならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットを配向することができる。
【0021】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記基板のエッジは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置することができる。
【0022】
この様態のいくつかの実行形態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは十分に大きな直径を有し得、これにより、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する。
【0023】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記基板ホルダは、前記基板を回転または平行移動させるように、構成され得る。
【0024】
第2の実施形態によれば、基板の形状または厚さの情報を測定するための方法が提供される。この方法において、少なくとも前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の一部をマッピングするために、第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成されたキャビティ内に基板が配置される。前記基板が配置される際、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行となり、かつ、前記第1のまたは第2の試験表面が前記第1の参照表面または第2の参照表面のうち対応するものから3ミリメートルまたは2.5ミリメートル以下、好適には2ミリメートル以下、より好適には1.5ミリメートル以下、さらにより好適には1ミリメートル以下の位置に来るように、配置される。これらの間隔空け全てについて、前記基板の第1の表面または第2の表面が、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから0.5ミリメートル以上の位置に来ることが望ましい。
【0025】
前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性は、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて測定される。少なくとも前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の一部をマッピングするように、前記干渉計チャンネル内に第1の位相シフトが設けられ、前記参照表面のキャビティ特性を測定するために、第2の位相シフトが設けられる。前記形状または厚さの情報は、前記第1の試験表面および第2の試験表面および前記キャビティ特性の干渉計マップから決定される。
【0026】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトは、前記参照表面のうちの1つと前記試験表面のうち対応するものとの間の相対距離を変化させることにより、得ることができる。
【0027】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記形状または厚さの情報は、前記基板の厚さ変動を含む。
【0028】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトを提供するステップは、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルにおいて用いられる光の波長を変化させるステップを含み得る。このような様態において、前記形状または厚さの情報は、前記基板の絶対厚さを含み得る。
【0029】
第2の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは前記基板よりも小さく、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部は、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しない。このような様態において、前記方法は、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部分と近接して少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップをさらに含み得る。前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に対して平行に配向された減衰表面を持ち得る。前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、位置決めされ得る。
【0030】
第2の実施形態のこのような様態のいくつかの実行形態において、前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に形成された前記キャビティ内に前記基板を配置する前に、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離を以て、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させることができる。
【0031】
第2の実施形態のこのような様態のいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し得る。前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を持ち得る。加えて、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し得る。前記第2の減衰プレートも、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を持ち得る。
【0032】
このような実行形態において、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めすることができる。同様に、前記第2の減衰表面が前記基板の第2の表面から1ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めすることができる。
【0033】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心は、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れ得る。
【0034】
この様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記基板のエッジは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置され得る。
【0035】
この様態のいくつかの実行形態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複するような、十分に大きな直径である。
【0036】
この様態のいくつかの実行形態は、前記基板を回転または平行移動させるステップと、前記基板が前記光キャビティ内にある際に、前記第1の試験表面および第2の試験表面の異なる部分を干渉マッピングするステップとをさらに含み得る。
【0037】
第3の実施形態によれば、干渉計システムは、間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットを含み得る。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有する。前記対応する第1の平行参照表面と第2の平行参照表面との間には、光キャビティが形成される。前記光キャビティは、前記対応する第1の平行参照表面と第2の平行参照表面との間の基板を受け入れるようなサイズにされる。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは前記基板よりも小さくすることができ、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しなくなる。少なくとも1つの減衰プレートが、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部分に近接して配置される。前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記基板が前記キャビティ内に配置された際に、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して平行に配向されるように構成された減衰表面を有する。位置決め機構が、前記減衰プレートに接続される。前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である。第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスが、前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置され、前記両側に光学的に結合される。前記第1の干渉計および第2の干渉計はそれぞれ、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔の変動をマッピングするように動作可能であり、前記変動のマッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスにより、それぞれ行われる。
【0038】
前記システムは、基板ホルダをさらに含み得る。前記基板ホルダは、前記基板を前記参照フラット間の前記キャビティ内に配置するように構成され、これにより、前記基板の第1の表面および第2の表面が、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行になる。前記位置決め機構は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離を以て、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させることができる。
【0039】
前記システムのいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有する。前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複する。前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する。このような実行形態において、前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートに接続された第1のアクチュエータと、前記第2の減衰プレートに接続された第2のアクチュエータとを任意選択的に含み得る。前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から2ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の第2の表面から2ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である。
【0040】
前記システムのいくつかの実行形態において、前記少なくとも1つの減衰プレートならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れるように、配向され得る。このような実行形態において、前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置され得る。あるいは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが複前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重できるくらいの、十分な大きさの直径である。
【0041】
他の実行形態において、前記システムは、基板ホルダをさらに含み得る。前記基板ホルダは、前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に平行な面において前記基板を移動させるように、構成される。このような実行形態において、前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの前記面に平行な1つ以上の方向において前記基板を平行移動させるように、構成され得る。あるいは、前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に対して平行な面に対して垂直な軸周囲において前記基板を回転させるように構成され得る。
【0042】
第4の実施形態によれば、基板の形状または厚さの情報を測定するための別の方法が提供される。この方法において、第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成された光キャビティ内に基板の第1の部位が配置され、これにより、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面をマッピングする。前記基板の第1の表面および第2の表面は、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行である。前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは前記基板よりも小さく、これにより、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部は前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しない。少なくとも1つの減衰プレートが、前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して位置決めされる。前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に平行に配向された減衰表面を有する。前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から2ミリメートル以下の位置に来るように、位置決めされる。
【0043】
前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性が、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて測定される。前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第1の部位の第1の干渉計マップが得られるように、第1の位相シフトが前記干渉計チャンネル内に設けられる。前記参照表面のキャビティ特性を測定するために、第2の位相シフトが設けられる。前記基板の第2の部位を前記光キャビティ内に配置するように、前記基板を移動させる。前記第1の位相シフトおよび第2の位相シフトを繰り返すことで、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第2の部位の第2の干渉計マップを得ることができる。前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップはつなぎ合わせることができ、前記基板の形状または厚さの情報は、前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップおよび前記キャビティ特性から決定することができる。
【0044】
第4の実施形態のいくつかの様態において、前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み得る。前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し得、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を持ち得る。前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し得、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する。
【0045】
このような様態において、前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第1の減衰プレートを位置決めするステップを含み得る。前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から3ミリメートル以下の位置に来るように、前記第2の減衰プレートを位置決めするステップをさらに含み得る。このような様態のいくつかの実行形態において、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心は、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れ得る。あるいは、前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置され得る。
【0046】
第4の実施形態のいくつかの様態において、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する位の十分な大きさの直径である。
【0047】
第4の実施形態の他の様態において、前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸の周囲において前記基板を回転させるかまたは前記参照表面に平行な方向に沿って前記基板を平行移動させることにより、前記基板を移動させることができる。
【0048】
本発明の他の目標および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付図面を参照すれば、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態による、基板の厚さおよび形状の変動を測定するための干渉計システムの図示である。
【図2】ウェーハの正面図であり、前記ウェーハはエッジによって保持されており、図1のシステムに挿入されている。
【図3】図2に示すウェーハおよびホルダの一部の拡大エッジ図である。
【図4】本発明の実施形態による基板の形状または厚さの情報を決定する方法を示すフロー図である。
【図5】本発明の別の実施形態による基板の厚さおよび形状の変動を測定するための干渉計システムを示す。
【図6】図5の線6−6に沿ってとられた干渉計システムの平面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態による基板の厚さおよび形状の変動を測定するための干渉計システムを示す。
【図8A】図7の干渉計システムの一部を示す平面図である。
【図8B】図7の干渉計システムの一部を示す平面図である。
【図8C】図7の干渉計システムの一部を示す平面図である。
【図9】図5または図7に示す種類のシステムを用いて基板の形状および厚さの情報を測定する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の詳細な説明は、例示目的のための具体的詳細を多く含むが、当業者であれば誰でも、以下の詳細における多くの変更および改変が本発明の範囲内であることを理解する。従って、以下に説明する本発明の例示的実施形態について、特許請求の範囲に記載の発明に対するいかなる一般性を失うことなくかつ特許請求の範囲に記載の発明を制限することなく、説明する。
【0051】
本発明の実施形態は、米国特許第6,847458号におけるような、ウェーハの2つの側部に対向する2つの位相シフト干渉計を用いた干渉計システムの場合、両側の表面高さの同時測定が可能であるという点を利用している。加えて、2つの平行参照フラットをウェーハ表面の極めて近隣に配置することにより、フィゾー干渉計を用いて測定の精度および再現性を向上させることにより、光学セットアップの非共通経路を最小限にすることが可能となる。平行である2つの参照フラットと、ウェーハ前面または背面の極めて近隣に配置された参照フラットまたは少なくとも1つの参照フラットのいずれかとを用いたシステムにより、ウェーハ振動を受動的かつ効果的に沈静化させることが可能となる。さらに、このような構成の場合、機械的均衡が保たれ、かつ、低周波数振動による影響を比較的受けにくい。
【0052】
本発明の実施形態は、図1中に示すような米国特許第6,847,458号に示すものと同様の様態で構成された干渉計システム10と共に用いられ得る。このようなシステムを用いて、平面かつ不透明の基板(例えば、半導体ウェーハ)について、形状および厚さを測定することができる。ウェーハ測定においては、2つの向上したフィゾー干渉計20および40間の中心にある光キャビティに基板60(例えば、半導体ウェーハ)を配置し、その際、前記基板の表面61および62双方が保持デバイスによってできるだけ遮られないようにする。干渉計20および40は、以下のように動作する。すなわち、入射光が光源24および44から出射される。前記入射光は、2つの異なるチャンネルであるチャンネルAおよびチャンネルBを介して(例えば、単一の照明器8からの光ファイバー22およびファイバー42を通じて)提供され得る。例示目的のためかつ非限定的に、照明器8は、単一の光源かまたは異なるコヒーレンス長さおよび波長帯域幅を有する複数の光源を含み得る。この例において、光源24および44は、ファイバー22および42の端部である。図1に示す例においてはフィゾー干渉計を図示しているが、干渉計20および40において、他の種類の干渉計構成を用いてもよい。
【0053】
光源24および44から出射された光は、偏光ビームスプリッタ26および46から反射された後、光偏光方向に対して45度において整列された1/4波長プレート28および48を通過する。その後、これらのビームはレンズ30および50へと伝搬し、ここで、ビーム直径とコリメートされる。前記ビーム直径は、ウェーハ直径よりも大きくすることができる。その後、これらのビームは、伝送フラット32および52を通じて移動する。各伝送されたビームの中央部分は、基板60の対応する試験表面61および62において、反射される。伝送されたビームの反射部分は、フラット32および52の対応する参照表面33および53から反射された光ビームと共に、インターフェログラムを形成する。前記光キャビティは、参照表面33および53の間の空間に概して対応する。各伝送されたビームの外側部分は、対向する参照フラット52および32へと移動し、ここで参照表面53および33において反射されて、同様に、参照表面33および53から反射された光ビームと共に環状インターフェログラムを形成する。カメラ36および56は、これらのインターフェログラムを記録した後、1つ以上のコンピュータ38および58へと送り、コンピュータ38および58において、所望の情報(例えば、ウェーハ60の形状および厚さの変動または絶対厚さに関連する情報)を生成するための処理が行われる。
【0054】
前記参照フラットが前記ウェーハ表面の十分に近隣にある場合、前記ウェーハが極めて安定する点に留意されたい。1つまたは2つの参照フラットをウェーハ表面全体の極めて近隣に配置した場合、ウェーハ振動の沈静という有利な高価が得られる。本発明の実施形態によれば、参照フラット32および52の片方または両方をウェーハ60の十分近隣に配置することで、ウェーハが安定させる。例示目的のため、参照フラット表面33および53のうち少なくとも1つと、対応するウェーハ表面61および62との間の距離は、1mm未満であり得る。このような安定化は、ウェーハ表面と参照フラットとの間に空気またはガスの膜が発生することでウェーハ振動が沈静された結果得られるものと考えられる。このような空気膜による減衰は、ウェーハエッジの取り扱い時の他にも、望遠鏡中の振動の沈静化にも用いられている点に留意されたい。しかし、出願人の知る限り、干渉計用の共通光路中の空気間隙を用いた、空気膜による減衰は実行されていない。
【0055】
照明器8は、単色光または複数の波長の光のいずれかを提供し得る点に留意されたい。複数の波長光(例えば「白色」光)を用いた場合の1つの利点として、異なる波長を用いて、ウェーハ60の表面上の膜の異なる層を貫通させることが可能である点がある。白色光を用いた場合、白色光のコヒーレンス長さは比較的短いため、干渉計における経路差を十分に短くすることが望ましい。
【0056】
参照表面33および53の間に形成された光キャビティ内へのウェーハ60の配置を容易化するために、システム10は、基板ホルダ70を含み得る。基板ホルダ70は、基板を受け入れ、前記基板を前記基板の面に平行な方向に沿って参照表面33および53の間の間隙へと平行移動させるように、適合される。例示目的のためかつ非限定的に、基板ホルダ70は、図2に示すように構成され得る。具体的には、基板ホルダ70は、フレーム72を含み得る。フレーム72は、一端において開口して、ウェーハ60を受け入れる。ウェーハ60は、参照表面33および53の間の間隙内において、垂直方向保持され得る。例示目的のため、フレーム72は、「C」字型の形状であり得る。フレーム72は、平行移動機構73(例えば、機械アクチュエータ)に取り付けられ得る。平行移動機構73により、ウェーハ60に平行な面に沿って前記フレームを平行移動させることが可能となる。基板ホルダ70は、フレーム72に取り付けられた2つ以上のエッジホルダ74および76を含む。エッジホルダ74および76は、自身のエッジによってウェーハ60を把持するように、適合される。エッジホルダ74および76は、矢印によって示すように移動して、ウェーハ60を把持または解放することができる。図3中の拡大図から分かるように、エッジホルダ74は、1つ以上のコンプライアント部材75を含み得る。これらのコンプライアント部材75は、自身のエッジ63により、ウェーハ60を保持する。これらのコンプライアント部材は、コンプライアント部材がエッジホルダ74および76によって把持または保持されている間のウェーハの損傷を回避するような、適切なコンプライアント材料によって構成される。エッジホルダ74および76のサイズは、2つの参照表面33および53の間の間隙よりも狭いサイズにされ得る。
【0057】
2つの参照フラットが互いに平行でありかつウェーハ表面の極めて近隣に配置されている干渉計システムを用いた場合、取得時において位相シフト速度からウェーハの絶対厚さを決定する精度を大幅に向上させることが可能である点に留意されたい。2つの参照フラットが互いに平行でありかつ両方または少なくとも1つの参照フラットがウェーハ表面の極めて近隣に配置されている干渉計システムを用いた場合、準単色光源または白色光を極めて狭い帯域フィルターと共にフィゾー干渉計に対して用いることが可能となる(ただし、そのコヒーレンス長さが参照フラットとウェーハ表面との間の間隙の2倍よりも大きい場合のみ)。そのため、このようなシステムを用いれば、システム測定誤差を最小化することができるだけでなく、膜面またはパターン化表面を含む異なる用途におけるシステムの測定能力を拡大することも可能となる。
【0058】
加えて、2つの参照フラットを用いた干渉計システムの場合、キャビティ経路の差または参照フラットの形状に起因することの多い誤差を発生させることなく、ウェーハの厚さ変動を測定することができる。
【0059】
測定対象ウェーハよりもサイズが大きい2つの参照フラットを用いた干渉計システムの場合、各測定毎において2つの参照フラットによって参照フラットの傾斜変動を監視することが可能である。このような能力により、このようなシステムを用いて行われる測定の再現性が大幅に向上する。また、測定中のウェーハよりもサイズが大きな2つの参照フラット干渉計システムを用いた場合、ウェーハのエッジにおける表面傾斜による影響を受けることなく、結像面における試験ウェーハの位置を極めて高精度に決定することも可能となる。
【0060】
さらに、2つの参照フラットを用いた干渉計システムの場合、ウェーハ材料による影響を受けることなく、ウェーハの両側の表面高さおよび厚さ変動を測定することが可能である。
【0061】
本発明の別の実施形態によれば、基板の形状および厚さの情報を測定する方法を、図1のシステムによって実行することができる。本明細書中用いられる、形状または厚さの情報を非限定的に挙げると、基板の厚さ変動および基板の絶対厚さがある。このような方法の一例を図4のフロー図中に示す。方法100は、図1および図4を同時に参照することにより、理解され得る。このような方法は、コンピュータ38および58のうち1つ以上の上で実行されるコンピュータソフトウェアの制御下において全体的または部分的に実行され得る。
【0062】
前記システムの位相シフト速度は、102に示すように、任意選択的に較正することができる。例示目的のためかつ非限定的に、この目的のために参照表面33および53の間に形成されたキャビティ内に、研磨された不透明プレートを配置することができる。あるいは、前記キャビティそのものを用いて較正を行ってもよい。前記参照フラットのキャビティ特性を104において示すように較正してもよい。前記参照フラット較正手順により、インターフェログラムが得られる。前記インターフェログラムは、参照表面33および53間の間隔の変動をウェーハ60の配置先となる領域において示す。
【0063】
106に示すように、測定対象となる基板(例えば、ウェーハ60)を2つのフィゾー干渉計間のキャビティ内に配置することができる。例示目的のため、基板ホルダ70は、コンピュータ38および58のうちの1つによる制御下において、ウェーハ60を所定位置まで移動させ得る。前記キャビティの中心または中心から外れた位置に前記基板を配置して、前記基板がチャンネルAおよびチャンネルBを介して垂直入射光を受信できるようにし、その際、ウェーハ試験表面61および62双方が保持機構70によってできるだけ遮断されないようにする。少なくとも1つの試験表面を、対応する近隣表面から3ミリメートル以下の距離、好適には2ミリメートル以下の距離、より好適には1.5ミリメートル以下の距離、さらにより好適には1ミリメートル以下の距離において配置する。
【0064】
その後、チャンネルAおよびチャンネルBにおけるインターフェログラムを異なる位相シフトと共に記録する2つの組の強度フレームが、108に示すように収集され得る。例えば照明光源8から生成される光の波長を変化させることにより位相シフト差を得ることができる。あるいは、参照フラット33および53をウェーハ60に対してシフトさせることにより、異なる位相シフトを得ることもできる。インターフェログラム収集後、110に示すように、インターフェログラムの移送を強度フレームから抽出することができる。その後、112に示すように、基板の形状および/または厚さに関する所望の情報をこれらの位相から計算することができる。このような情報は、基板の表面上の位置に対する形状または厚さの情報を示す1つ以上のマップの形態において、提示することができる。
【0065】
このような情報の計算方法としては、複数の方法がある。例えば、参照フラット33および対応するウェーハ試験表面61によって形成されるインターフェログラムの位相をAとし、参照フラット53およびウェーハ試験表面62によって形成されるインターフェログラムの位相をBとし、2つの参照表面33および53間のキャビティによって形成されるインターフェログラムの位相をCとする。従って、試験表面61についての表面高さ情報がAから得られ、試験表面62についての表面高さ情報がBから得られ、ウェーハ60の厚さ変動がC−(A+B)から得られる。
【0066】
この技術を用いれば、波長変化に起因して位相シフトが発生した場合における、1つの表面座標、複数の表面座標またはすべての表面座標における絶対ウェーハ厚さを計算することが可能になる。絶対厚さは、既知の波長変化あたりの位相シフト量から計算することができる。この例において、Aは、参照表面33およびウェーハ試験表面61によって形成されたインターフェログラムの位相シフトであり、Bは、参照表面53およびウェーハ試験表面62によって形成されたインターフェログラムの位相シフトであり、Cは、2つの参照表面33および53間のキャビティによって形成されたインターフェログラムの位相シフトである。従って、参照表面53とウェーハ試験表面62との間の絶対距離がAから得られ、参照表面33とウェーハ試験表面61との間の絶対距離がBから得られ、参照表面33と参照表面53との間の絶対距離がCから得られ、絶対ウェーハ厚さがC−(A+B)から得られる。
【0067】
上記したシステムおよび方法の場合、米国特許第6,847,458号中に記載されたシステムおよび方法に比していくつかの利点がある。具体的には、システム安定性および/またはシステムによって行われる測定の再現性を大幅に向上させることができる。さらに、上記したシステムおよび方法を用いれば、時間コヒーレント長さの短い照明を用いる能力が得られる。加えて、干渉計の非共通経路および/または測定誤差を最小化することも可能になる。加えて、上記したシステムおよび方法により、絶対ウェーハ厚さ情報を得ることも可能となる。これとは対照的に、米国特許第6,847,458号中に記載されたシステムおよび方法の場合、厚さ変動に関する情報しか得られない。
【0068】
上記したシステムおよび方法の場合、米国特許号7,009,696号中に記載されたシステムおよび方法に比していくつかの利点がある。例えば、上記したシステムおよび方法の場合、時間コヒーレンス長さが短い照明を用い、非共通干渉計経路および測定誤差を最小化し、かつ、絶対ウェーハ厚さ情報を得ることができる。加えて、上記のシステムおよび方法を用いれば、ウェーハ全体の減衰配置を片面または両面について得ることが可能となる。さらに、上記したシステムおよび方法では、垂直入射照明を用いることも可能である。
【0069】
上記した実施形態に対して、複数の向上が可能である。例えば、図5および図6に示す本発明の別の実施形態によれば、参照プレート32および52によって被覆されていない基板部位と重複する減衰プレートを用いることにより、基板60の振動減衰を向上させることができる。具体的には、図5に示すように、別の干渉計システム11が、図1に示すシステム10に基づき得る。図5中、図1と同一の参照符号は、図1を参照して上述した要素と同一の要素を示す。
【0070】
システム11がシステム10と異なる点としては、伝送フラット32および52の直径が基板60の直径よりも小さい点がある。例示目的のため、伝送フラット32および52の直径は300ミリメートルであり得、基板60の直径は450ミリメートルであり得る。その結果、伝送フラット32および52の参照表面33および53は、基板60の表面61および62と完全には重複しなくなる。システム11は、1つ以上の減衰プレート80および90と、これらの減衰プレートに接続された位置決め機構85および95とを含む。これらの減衰プレート80および90はそれぞれ、参照表面33および53のうちの1つと重複しない基板60の表面61および62のうちの1つの対応する部位に近接して配置される。減衰プレート80および90は、減衰表面83および93を有する。減衰表面83および93は、前記基板が例えば基板ホルダ70によって参照表面33および53の間のキャビティ内に配置された際に、基板60の表面61および62に実質的に平行にそれぞれ配置されるように、構成される。本明細書中用いられる「実質的に平行」という用語は、製造およびアライメントにおける有限公差に起因して、完全な平行状態から受容可能な範囲内において逸脱した各表面も含むものとする。減衰表面83および93は、参照表面33および53と同様のある程度の平坦性および平滑度と共に、製造され得る。例示目的のためかつ非限定的に、図6に示すように、減衰プレート80および90は、より高いかまたは低い程度で三日月形状とすることができ、内径は、伝送フラット32および52の外径と同じかまたは伝送フラット32および52の外径よりも若干大きく、外径は、基板60の直径以上である(極細線によって示す)。その結果、伝送フラットを受け入れるようなサイズおよび形状の空間が得られる。
【0071】
例示目的のためかつ非限定的に、図6に示すように、減衰プレート80および90ならびに伝送フラット32および52は、円対称性と共に構成することができ、このような構成において、前記減衰プレートの中心および基板60の中央軸は、相互におおよそ同心状となっており、かつ、記干渉計および伝送フラットの光軸zと中心がずれている。このような構成において、これらの減衰プレートは、伝送フラット32および52よりも直径が大きな基板60の有意な部位と重複し得る。伝送フラット32および52は基板60の全面とは重複していないが、それでも、システム11は、前記表面の十分な部分を多くの実際的用途において検査することができる。例えば、図6に示す構成において、伝送フラット32および52は、前記基板のエッジおよびその中心双方を含む基板60の一部と重複する。生産工程におけるウェーハの干渉測定において、これで十分な場合が多い。基板60の全面を検査することが望ましい場合、図6中の両側方向の曲線状の矢印によって示すように、基板60をその中心周囲において回転させることができ、異なる回転角度において測定を複数回行うことができる。場合によっては、例えば所与のインゴットからの1つのウェーハのみに対してこのような測定を行い、当該インゴットからの他のウェーハのみを中心およびエッジにおいて回転無しで測定することが望ましい場合もある。
【0072】
基板を回転させる方法には、複数の方法がある。例えば、いくつかの場合において、基板ホルダ70によって伝送フラット32および52の間の間隙から基板60を取り外して、基板を回転させる方向づけ機構へと基板60を移送する。その後、基板ホルダ70は、回転後の基板を取り出し、前記間隙内へと戻すことができる。あるいは、基板60が伝送フラット32および52の間にある際に、基板60をその中心周囲において回転させるように基板ホルダ70そのものを構成することも可能である。
【0073】
図1および図5に示す種類の干渉計システムにおいて、伝送フラット32および52は、光学機器の一部を形成しているため、通常は移動不可能である点に留意されたい。基板ホルダ70が参照表面33および53間の間隙内に基板60を位置決めする能力には制約があるため、所望の高レベルの減衰が参照表面から得られるように、基板表面61および62が参照表面33および53に十分に近接するように、基板60を位置決めするための前記間隙を十分に小さくすることは、非実際的である場合がある。
【0074】
しかし、干渉計システム11においては、減衰プレート80および90は干渉計の光路の一部を形成していないため、減衰プレート80および90は可動とすることができる。その結果、減衰プレート80および90を基板表面62および63の一部に極めて近接して選択的に配置することが可能となり、これにより、減衰表面83および93と、参照表面33および53と重複していない基板表面の一部とが近接していることに起因して振動減衰を得ることが可能となる。前記減衰プレートを選択的に位置決めすることにより、干渉計システム11は、可動減衰プレート80および90によってさらなる減衰を提供することにより、参照表面33および53間の間隔が最適ではない場合でも、振動減衰目的のための補償を提供することができる。減衰表面83および93の大きさを伝送フラット32および52よりも十分に大きくすることにより、これらの減衰プレートから、基板60の振動減衰の大部分を得ることが可能になる。
【0075】
前記減衰表面の近接した位置決めを容易化するために、位置決め機構85および95により、減衰プレート80および90を参照表面33および53に対して垂直に移動させることができる。位置決め機構85および95はそれぞれ、減衰プレート80および90を十分な精度で位置決めするように構成され得、これにより、減衰表面83および93を、基板60の表面61および62から3ミリメートル以下の位置において配置することができる。その後、干渉計システム11による基板60の測定のために、配置された減衰プレート80および90を所定位置にロックすることができる。
【0076】
例示目的のためかつ非限定的に、前記位置決め機構は、センサー86および96と、アクチュエータ87および97とを含み得る。センサー86および96と、アクチュエータ87および97とは、コンピュータ38および58にそれぞれ接続される。センサー86および96は、基板表面61および62がセンサー86および96に近接するのに応答できる任意の種類の近接センサーでよい。適切なセンサーの例を非限定的に挙げると、キャパシタンスセンサーおよび光センサーがある。アクチュエータ87および97は、フィードバックループにおいてセンサー86および96ならびにコンピュータ38および58に接続されたサーボ機構であり得る。前記フィードバックループの構成は、感知された間隔変化に反作用するように減衰プレートを移動させることにより、減衰表面と基板表面との間の間隔の変化がセンサーによって測定されるのにサーボ機構が応答するような構成である。このような様態で動作することにより、位置決め機構85および95は、参照表面83および93と、基板表面61および62との間の距離を安定化させることができる。
【0077】
いくつかの実行形態において、位置決め機構85および95は、基板ホルダ70が参照表面33および53の間に基板60を配置することが可能となるだけの距離を以て、前記減衰プレートを基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させるように、構成され得る。
【0078】
図5中では例示目的のために2つの減衰プレートおよび2つの位置決め機構を図示しているが、いくつかの実行形態において、干渉計11は、単一の減衰プレートおよび単一の対応する位置決め機構を持ち得る点に留意されたい。
【0079】
図5および図6中に示す種類のシステムは、より大きなサイズのウェーハ(例えば、直径450mmのウェーハ)については、より大きな直径の伝送フラットを有するシステムよりも開発コストが低い点に留意されたい。既存のより小さな直径(例えば、300mm)のシステムからの、先行開発された光学コンポーネントを、図5に示す種類のシステムにおいて用いることができるように適合させることができる。そのため、Tn図1に示す種類の干渉計のためにより大きな直径の光学コンポーネントを開発することは不要である。さらに、図5および図6中に示す種類のシステムは、図1に示す種類のより大きな直径のシステムよりも高い性能を持つことができる。なぜならば、減衰プレート80および90からより高い振動減衰を得ることができるからである。これは、直径の大きな(例えば、450mm)ウェーハをより小さな(例えば、15nmの)設計規則に対して用いる場合において、有意な利点となり得る。
【0080】
図5および図6に示す種類の改変されたシステムにより、参照フラット32および52をウェーハよりもずっと離隔位置に配置し、振動減衰を得るための減衰プレート80および90の近接のみに依存させることが可能となる。例示目的のため、このようなシステム12は、図7に示すように構成することができる。図7において、図1および図5と共通する要素については、図5および図7において用いた参照符号と同じ参照符号によって示している。この実施形態において、参照フラット32および52は、減衰プレート80および90の場合よりも、相互により離隔位置に設けることができる。図5に示す装置11と同様に、減衰プレート80および90は、開口部を含み得る。この開口部は、参照フラット32および52によって規定された視野を妨げないようなサイズおよび形状にされる。
【0081】
図1および図5について上述した実施形態と同様に、この実施形態においても、(米国特許第第6,847,458B2号(2005年1月))におけるようなウェーハの2つの側部に対向する2つの位相シフトフィゾー干渉計を用いた装置を用いれば、両側における表面高さを同時に測定することが可能である点を利用している。加えて、ウェーハ60の2つの側部に対向する2つの参照フラットを用いたシステムは、キャビティ経路の差または参照フラットの形状に起因する誤差を発生させることなく、ウェーハの厚さ変動を測定することができる。さらに、垂直入射光学配置を用いたシステムは、測定の精度および再現性を向上させるフィゾー干渉計を用いることにより、光学セットアップの非共通経路を最小化することができる。
【0082】
2つの減衰プレート80および90が相互に平行でり、かつ、減衰プレートの双方または少なくとも1つがウェーハ前面または背面61および62に極めて近接して配置されたシステムを用いれば、ウェーハ振動を受動的におよび効果的に沈静化することができ、その機械的均衡は、低周波数振動による影響を実質的に受けない。光学系の光路内に1つ以上の減衰プレートが設けられていないシステムを用いれば、減衰プレート(単数または複数)をウェーハ表面に極めて近接して配置することができる。よって、光源の連続波長同調範囲およびウェーハの機械的取り扱いに対する厳しい要求を発生させることなく、ウェーハ振動を効果的に沈静化することができる。減衰プレート面積は、ウェーハ面積よりも小さくすることができ、これにより、ロバストなウェーハ取り扱いのための空間が得られる。
【0083】
2つの参照フラット32および52を用いたシステムは、ウェーハ材料への影響を生じることなく、ウェーハの両側の表面高さと、ウェーハの厚さ変動とを測定することができる。
【0084】
ウェーハの全面をマッピングするために、ウェーハホルダ70は、ウェーハ60を参照フラット32および52に平行に移動させて、ウェーハ表面61および62の異なる部位が干渉計20および40の視野内に入るようにすることができる。異なる位置におけるウェーハから、前方および/または後方の表面61および62の干渉マップを得ることができる。例示目的のためかつ非限定的に、図8Aに示すようにウェーハ60を減衰表面83および93に平行に平行移動させることにより、ウェーハを移動させることができる。あるいは、図8Bに示すように、光軸zから中心が外れておりかつ光軸zと平行な軸周囲においてウェーハ60を回転させてもよい。コンピュータ38および58は、これらのマップ(サブマップとも呼ぶ)をつなぎ合わせて、ウェーハの前面および/または背面の全体を網羅する干渉マップを提供することができる。なぜならば、サブマップをつなぎ合わせることで、測定システムのFOV増加を招くことなく測定面積を拡大することが可能となるからである。このようなサブマップのつなぎ合わせにより、システム12は、測定における空間分解能を犠牲にすることなく、異なるウェーハサイズのウェーハを測定できる柔軟性を持つことが可能となる。このような高い空間分解能は、l例えばウェーハのエッジ領域の検査において極めて重要である。
【0085】
特定の用途において、ウェーハ表面のごく一部のみを測定するだけで、ウェーハ平坦性を評価できる場合がある(ただし、この一部が、中心からエッジにわたる実質的領域を網羅する場合)。このような場合、サブアパチャ走査を一回または数回行えば十分である。
【0086】
いくつかの実施形態において、ウェーハ60は、干渉計の視野を完全に妨げることのないように、位置決めされ得る。このような構成により、システム12が、ウェーハを測定しつつ、ウェーハによって部分的に妨げられない、参照表面33および53の間のキャビティの部分を測定することが可能となる。その結果、システム12は、参照フラット32および52の傾斜変化を各測定において監視することができる。このような能力により、システム12によって行われる測定の再現性を有意に上昇させることができる。
【0087】
ウェーハ測定時において、ウェーハによって遮断されている領域外のキャビティを測定することが可能なシステムを用いれば、ウェーハのエッジにおける表面傾斜による影響を受けることなく、結像面における試験ウェーハの位置を極めて高精度に決定することが可能となる。その結果、前記システムは、サブマップのつなぎ合わせをより高精度に行うことができる。
【0088】
図8Cは、ウェーハ移動時の干渉計の視野をウェーハが完全に妨げることがないように、ウェーハを参照フラットに対して位置決めする様態の一例を示す。この例において、前記ウェーハは、光軸zでもある参照フラットの軸から中心が外れた軸周囲において回転する。これらの参照フラットは、円対称性を有するものとみなされ、前記参照フラットと実質的に同じ直径を有する視野を規定する(ただし、前記視野と前記参照フラットとが同一直径を有すると仮定したときに)。前記ウェーハの異なる回転角度において、ウェーハ60の異なる部位が前記視野内に入る。これらの異なる部位は、異なる視野FOV1、FOV2、FOV3、FOV4およびFOV5内に入る。ウェーハ60は各視野と部分的にしか重複しないため、各視野の一部が前記ウェーハによって遮断されない状態となっている点に留意されたい。各視野内のウェーハ部位の干渉マップは、これらの角度それぞれにおいて得ることができる。加えて、干渉計20および40は、ウェーハ60によって遮断されていない視野の部分のキャビティ特性を測定することができる。
【0089】
図5または図7に示す種類のシステムを用いて、基板の形状および厚さの情報を測定する方法を実行することができる。このような方法の一例を、図9のフロー図に示す。方法900は、図7および図9を同時に参照することにより、理解され得る。このような方法は、コンピュータ38および58のうち1つ以上の上で実行されるコンピュータソフトウェアの制御下において、全体的または部分的に実行され得る。
【0090】
前記方法は、以下のようにして進行し得る。まず、902に示すように、位相シフト速度が較正され得る。例示目的のため、研磨された不透明プレートが、参照フラット32および52の参照表面33および53の間に形成されたキャビティ内に配置され得る。あるいは、前記位相シフト速度をキャビティそのものによって較正してもよい。参照フラット32および52のキャビティ特性は、904に示すように較正され得る。測定対象となるウェーハ60を、906に示すように前記キャビティ内に配置することができる。前記ウェーハは、ウェーハ側部61および62双方がウェーハホルダ70によってできるだけ妨げられないような様態で、減衰プレート80および90と、フィゾー干渉計20および40との間における中心または中心から外れた位置に配置され得る。908に示すように、チャンネルAおよびチャンネルBにおけるインターフェログラムを記録する2組の強度フレームが、異なる位相シフトと共に取得される。前記異なる位相シフトは、例えば光源8の波長を変化させるか、前記参照フラットを前記ウェーハに対してシフトさせるかまたは前記ウェーハを前記参照フラットに対してシフトさせることにより、得ることができる。インターフェログラムの位相は、910に示すようにこれらの強度フレームから抽出することができる。912に示すように、これらの位相から、所望の情報を任意選択的に計算することができる。例示目的のため、参照フラット32および前方ウェーハ表面61によって形成されたインターフェログラムの位相がAである場合、後方参照フラット52および後方ウェーハ表面62によって形成されたインターフェログラムの位相はBであり、2つの参照フラット32および52のキャビティによって形成されたインターフェログラムの位相はCである。従って、Aから前方表面高さが得られ、Bから後方表面高さが得られ、C−(A+B)から厚さ変動が得られる。その後、914に示すように、ウェーハホルダ70は、ウェーハ60を別の所定位置へと移動させて、前記ウェーハの別の領域を測定することができる。908、910、912および914において示す動作は、ウェーハ表面の部分全てが測定され終えるまで、所望の回数だけ繰り返すことができる。各強度フレーム組からのウェーハの部分的表面高さまたは厚さ変動を916において計算することができ、前記所望の情報は912に示すように計算されなかった。相互に重複する部分的表面測定全てを918に示すようにつなぎ合わせることができ、これにより、ウェーハ表面全体を網羅する測定を達成することができる。
【0091】
上記した方法およびシステムには、従来に比べていくつかの利点がある。例えば、上記の方法およびシステムは、極めて大きなサイズ(例えば、直径450ミリメートルの)ウェーハなどの異なるサイズのウェーハを柔軟に測定することができる。また、上記システムの場合、ウェーハよりも直径が小さな光学機器を用いることが可能であるため、直径が大きな光学系よりも比較的低コストである。ウェーハの移動およびデジタル画像処理が可能なように既存のシステムを容易に適合させることができ、これにより、ウェーハの異なる重複部分のインターフェログラムをつなぎ合わせることが可能となる。さらに、上記システムの場合、空間分解能がより高い。加えて、通常の照明干渉計(例えば、フィゾー干渉計)を用いることで、光学配置の非共通経路が最小限にされる。
【0092】
上記は本発明の好適な実施形態を網羅的記載であるが、多様な代替物、改変物および均等物を用いることが可能である。そのため、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきものではなく、添付の特許請求の範囲と、その全範囲における均等物とを鑑みて決定されるべきものである。好適であるかないかに関わらず、任意の特徴を他の任意の特徴と組み合わせることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせを含む基板の形状または厚さの情報を測定する干渉計装置であって、
間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットであって、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有し、前記対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面は、前記基板の配置用の光キャビティを前記第1の参照フラットと前記第2の参照フラットとの間に形成する、第1の参照フラットおよび第2の参照フラットと、
前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成された基板ホルダであって、前記配置は、前記基板の第1の表面および第2の表面が、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行となり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから3ミリメートル以下の位置となるように行われる、基板ホルダと、
前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置され、かつ前記キャビティに光学的に結合される第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスであって、前記第1の干渉計および第2の干渉計はそれぞれ、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔の変動をマッピングするように動作可能であり、前記マッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスによりそれぞれ行われる、第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスと、
を含む、装置。
【請求項2】
第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器と、前記基板の厚さ変動を決定するために、前記第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器の出力を受信するように接続された少なくとも1つのコンピュータとをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板について大型視野が得られる寸法である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスはフィゾー干渉計である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスに光学的に結合された1つ以上の光源をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の光源は、複数の波長の光を生成するように構成された光源を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上の光源は、白色光源を1つ以上含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上の光源は、照明器と、前記照明器と前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスとの間にそれぞれ接続された第1の光ファイバーおよび第2の光ファイバーとを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記基板ホルダは、前記基板を受け入れるように適合された開口フレームおよび前記フレームに取り付けられた2つ以上のエッジホルダを含み、前記2つ以上のエッジホルダは、そのエッジによって前記基板を保持するように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記エッジホルダは、前記参照フラットの前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間の間隙内に嵌るサイズにされる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基板ホルダは、前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成され、前記配置は、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行であり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから2ミリメートル以下の位置となるように行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記基板ホルダは、前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成され、前記配置は、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行であり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから1ミリメートル以下の位置となるように行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないような、前記基板よりも小さなサイズであり、前記装置は、
前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接する少なくとも1つの減衰プレートであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは減衰表面を有し、前記減衰表面は、前記基板ホルダが前記基板を前記キャビティ内に配置した際に、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して実質的に平行となるように構成される、少なくとも1つの減衰プレートと、
前記減衰プレートに接続された位置決め機構であって、前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である、位置決め機構と、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記位置決め機構は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置できる距離を以て、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させることができる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートに接続された第1のアクチュエータおよび前記第2の減衰プレートに接続された第2のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記少なくとも1つの減衰プレート、前記基板ホルダならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れた様態において配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記基板のエッジは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記基板ホルダは、前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸周囲において前記基板を回転させるように構成され、あるいは、前記基板ホルダは、前記基板が前記光キャビティ内にある間、前記参照表面に平行な方向に沿って前記基板を平行移動させるように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
基板の形状または厚さの情報を測定するための方法であって、
第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成された光キャビティ内に基板を配置して、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面をマッピングするステップであって、前記マッピングは、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行であり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから3ミリメートル以下の位置となるように行われる、ステップと、
前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
n前記干渉計チャンネル内に第1の位相シフトを設けて、少なくとも前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の一部をマッピングするステップと、
第2の位相シフトを設けて、前記参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
前記第1の試験表面および第2の試験表面ならびに前記キャビティ特性の干渉計マップから、前記基板の形状または厚さの情報を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトを提供するステップは、前記参照表面のうちの1つと、前記試験表面のうちの対応する1つとの間の相対距離を変化させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記形状または厚さの情報は、前記基板の厚さ変動を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトを提供するステップは、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルにおいて用いられる光の波長を変化させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
形状または厚さの情報は、前記基板の絶対厚さを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記基板の第1の表面または第2の表面は、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから2ミリメートル以下の位置となる、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記基板の第1の表面または第2の表面は、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから1ミリメートル以下の位置となる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないような、前記基板よりも小さなサイズであり、前記方法は、
前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して、少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に平行に配向された減衰表面を有し、前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように位置決めされるステップ、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に形成された前記キャビティ内に前記基板を配置する前に、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離だけ、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように、前記第2の減衰プレートを位置決めするステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記参照フラットの中心は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れる、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸周囲において前記基板を回転させるステップと、前記基板が前記光キャビティ内にある際に前記第1の試験表面および第2の試験表面の異なる部位を干渉マッピングするステップとをさらに含むか、または、前記参照表面に平行な方向に沿って前記基板を平行移動させるステップと、前記基板が前記光キャビティ内にある際に前記第1の試験表面および第2の試験表面の異なる部位を干渉マッピングするステップとをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記基板を回転させるステップは、前記基板が前記光キャビティ内にある様態でその中心周囲において前記基板を回転させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
干渉計システムであって、
間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットであって、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有し、前記対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面は、光キャビティを形成し、前記光キャビティのサイズは、前記対応する第1の平行参照表面と第2の平行参照表面との間の基板を受け入れるようなサイズにされ、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部がd前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないように、前記基板よりも小さなサイズにされ、第1の参照フラットおよび第2の参照フラットと、
前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して配置された少なくとも1つの減衰プレートであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは減衰表面を有し、前記減衰表面は、前記基板が前記キャビティ内にある際、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して平行に配置されるように構成される、少なくとも1つの減衰プレートと、
前記減衰プレートに接続された位置決め機構であって、前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である、位置決め機構と、
前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置されかつ前記キャビティに光学的に結合された第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスであって、前記第1の干渉計および第2の干渉計は、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔の変動をマッピングするようにそれぞれ動作可能であり、前記マッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスによりそれぞれ行われる、第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスと、
を含む、システム。
【請求項39】
前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行になるように、前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成された基板ホルダをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記位置決め機構は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離だけ、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直方向へと移動させるように動作可能である、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの減衰プレートは第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートに接続された第1のアクチュエータおよび前記第2の減衰プレートに接続された第2のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記少なくとも1つの減衰プレートならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れるように、配置される、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に平行な面において前記基板を移動させるように構成された基板ホルダをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項47】
前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの前記面に平行な1つ以上の方向において前記基板を平行移動させるように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に対して平行な面に対して垂直な軸周囲において前記基板を回転させるように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
基板の形状または厚さの情報を測定するための方法であって、
a)第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成された光キャビティ内に基板の第1の部位を配置して、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面をマッピングするステップであって、前記マッピングは、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行な様態で行われ、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないように、前記基板よりも小さいサイズである、ステップと、
b)前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に平行に配向された減衰表面を有し、前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように位置決めされる、ステップと、
c)前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
d)前記干渉計チャンネル内に第1の位相シフトを設けて、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第1の部位の第1の干渉計マップを得るステップと、
e)第2の位相シフトを設けて、前記参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
f)前記基板を移動させて、前記基板の第2の部位を前記光キャビティ内に配置するステップと、
g)d)およびe)を繰り返して、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第2の部位の第2の干渉計マップを得るステップと、
h)前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップをつなぎ合わせるステップと、
i)前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップならびに前記キャビティ特性から、前記基板の形状または厚さの情報を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記第2の減衰プレートを位置決めするステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心は、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れる、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
f)は、前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸周囲において前記基板を回転させるステップを含むか、または、前記参照表面に対して平行な方向に沿って前記基板を平行移動させるステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップは重複する、請求項49に記載の方法。
【請求項58】
前記基板は半導体ウェーハである、請求項49に記載の方法。
【請求項1】
組み合わせを含む基板の形状または厚さの情報を測定する干渉計装置であって、
間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットであって、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有し、前記対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面は、前記基板の配置用の光キャビティを前記第1の参照フラットと前記第2の参照フラットとの間に形成する、第1の参照フラットおよび第2の参照フラットと、
前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成された基板ホルダであって、前記配置は、前記基板の第1の表面および第2の表面が、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行となり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから3ミリメートル以下の位置となるように行われる、基板ホルダと、
前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置され、かつ前記キャビティに光学的に結合される第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスであって、前記第1の干渉計および第2の干渉計はそれぞれ、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔の変動をマッピングするように動作可能であり、前記マッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスによりそれぞれ行われる、第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスと、
を含む、装置。
【請求項2】
第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器と、前記基板の厚さ変動を決定するために、前記第1のインターフェログラム検出器および第2のインターフェログラム検出器の出力を受信するように接続された少なくとも1つのコンピュータとをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板について大型視野が得られる寸法である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスはフィゾー干渉計である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスに光学的に結合された1つ以上の光源をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の光源は、複数の波長の光を生成するように構成された光源を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上の光源は、白色光源を1つ以上含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上の光源は、照明器と、前記照明器と前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスとの間にそれぞれ接続された第1の光ファイバーおよび第2の光ファイバーとを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記基板ホルダは、前記基板を受け入れるように適合された開口フレームおよび前記フレームに取り付けられた2つ以上のエッジホルダを含み、前記2つ以上のエッジホルダは、そのエッジによって前記基板を保持するように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記エッジホルダは、前記参照フラットの前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間の間隙内に嵌るサイズにされる、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基板ホルダは、前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成され、前記配置は、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行であり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから2ミリメートル以下の位置となるように行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記基板ホルダは、前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成され、前記配置は、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行であり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから1ミリメートル以下の位置となるように行われる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないような、前記基板よりも小さなサイズであり、前記装置は、
前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接する少なくとも1つの減衰プレートであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは減衰表面を有し、前記減衰表面は、前記基板ホルダが前記基板を前記キャビティ内に配置した際に、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して実質的に平行となるように構成される、少なくとも1つの減衰プレートと、
前記減衰プレートに接続された位置決め機構であって、前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である、位置決め機構と、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記位置決め機構は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置できる距離を以て、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させることができる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートに接続された第1のアクチュエータおよび前記第2の減衰プレートに接続された第2のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記少なくとも1つの減衰プレート、前記基板ホルダならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れた様態において配置される、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記基板のエッジは、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記基板ホルダは、前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸周囲において前記基板を回転させるように構成され、あるいは、前記基板ホルダは、前記基板が前記光キャビティ内にある間、前記参照表面に平行な方向に沿って前記基板を平行移動させるように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
基板の形状または厚さの情報を測定するための方法であって、
第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成された光キャビティ内に基板を配置して、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面をマッピングするステップであって、前記マッピングは、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面に実質的に平行であり、かつ、前記基板の第1の表面または第2の表面が前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから3ミリメートル以下の位置となるように行われる、ステップと、
前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
n前記干渉計チャンネル内に第1の位相シフトを設けて、少なくとも前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の一部をマッピングするステップと、
第2の位相シフトを設けて、前記参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
前記第1の試験表面および第2の試験表面ならびに前記キャビティ特性の干渉計マップから、前記基板の形状または厚さの情報を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトを提供するステップは、前記参照表面のうちの1つと、前記試験表面のうちの対応する1つとの間の相対距離を変化させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記形状または厚さの情報は、前記基板の厚さ変動を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の位相シフトまたは第2の位相シフトを提供するステップは、前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルにおいて用いられる光の波長を変化させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
形状または厚さの情報は、前記基板の絶対厚さを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記基板の第1の表面または第2の表面は、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから2ミリメートル以下の位置となる、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記基板の第1の表面または第2の表面は、前記第1の参照フラットまたは第2の参照フラットのうち対応する1つから1ミリメートル以下の位置となる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないような、前記基板よりも小さなサイズであり、前記方法は、
前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して、少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に平行に配向された減衰表面を有し、前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように位置決めされるステップ、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に形成された前記キャビティ内に前記基板を配置する前に、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離だけ、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直に移動させるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように、前記第2の減衰プレートを位置決めするステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記参照フラットの中心は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れる、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際に、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸周囲において前記基板を回転させるステップと、前記基板が前記光キャビティ内にある際に前記第1の試験表面および第2の試験表面の異なる部位を干渉マッピングするステップとをさらに含むか、または、前記参照表面に平行な方向に沿って前記基板を平行移動させるステップと、前記基板が前記光キャビティ内にある際に前記第1の試験表面および第2の試験表面の異なる部位を干渉マッピングするステップとをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記基板を回転させるステップは、前記基板が前記光キャビティ内にある様態でその中心周囲において前記基板を回転させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
干渉計システムであって、
間隔を空けて配置された第1の参照フラットおよび第2の参照フラットであって、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面を有し、前記対応する第1の平行参照表面および第2の平行参照表面は、光キャビティを形成し、前記光キャビティのサイズは、前記対応する第1の平行参照表面と第2の平行参照表面との間の基板を受け入れるようなサイズにされ、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部がd前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないように、前記基板よりも小さなサイズにされ、第1の参照フラットおよび第2の参照フラットと、
前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して配置された少なくとも1つの減衰プレートであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは減衰表面を有し、前記減衰表面は、前記基板が前記キャビティ内にある際、前記基板の第1の表面または第2の表面に対して平行に配置されるように構成される、少なくとも1つの減衰プレートと、
前記減衰プレートに接続された位置決め機構であって、前記位置決め機構は、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記減衰プレートを位置決めするように動作可能である、位置決め機構と、
前記キャビティの直径方向において対向する両側に配置されかつ前記キャビティに光学的に結合された第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスであって、前記第1の干渉計および第2の干渉計は、前記基板の前記第1の表面および第2の表面と、前記第1の参照表面および第2の参照表面との間の間隔の変動をマッピングするようにそれぞれ動作可能であり、前記マッピングは、前記キャビティに光学的に結合された光が前記キャビティを出入りすることによる干渉を通じて、前記第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスによりそれぞれ行われる、第1の干渉計デバイスおよび第2の干渉計デバイスと、
を含む、システム。
【請求項39】
前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行になるように、前記参照フラット間の前記キャビティ内に前記基板を配置するように構成された基板ホルダをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記位置決め機構は、前記基板ホルダが前記基板を前記第1の参照表面と前記第2の参照表面との間に配置するのに十分な距離だけ、前記減衰プレートを前記基板の第1の表面または第2の表面に対して垂直方向へと移動させるように動作可能である、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの減衰プレートは第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記位置決め機構は、前記第1の減衰プレートに接続された第1のアクチュエータおよび前記第2の減衰プレートに接続された第2のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするように動作可能であり、前記第2のアクチュエータは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から2ミリメートル以下の位置となるように前記第2の減衰プレートを位置決めするように動作可能である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記少なくとも1つの減衰プレートならびに前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心が前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れるように、配置される、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記基板が前記光キャビティ内に配置されている間、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に平行な面において前記基板を移動させるように構成された基板ホルダをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項47】
前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの前記面に平行な1つ以上の方向において前記基板を平行移動させるように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記基板ホルダは、前記少なくとも1つの減衰プレートの面に対して平行な面に対して垂直な軸周囲において前記基板を回転させるように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
基板の形状または厚さの情報を測定するための方法であって、
a)第1の干渉計チャンネルおよび第2の干渉計チャンネル内の第1の参照フラットと第2の参照フラットとの間に形成された光キャビティ内に基板の第1の部位を配置して、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面をマッピングするステップであって、前記マッピングは、前記基板の第1の表面および第2の表面が前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの対応する第1の参照表面および第2の参照表面と実質的に平行な様態で行われ、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのサイズは、前記基板の第1の表面または第2の表面の一部が前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複しないように、前記基板よりも小さいサイズである、ステップと、
b)前記基板の第1の表面または第2の表面のうち、前記第1の参照表面または第2の参照表面と重複していない部位に近接して少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップであって、前記少なくとも1つの減衰プレートは、前記第1の参照表面または第2の参照表面に平行に配向された減衰表面を有し、前記減衰プレートは、前記減衰表面が前記基板の第1の表面または第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように位置決めされる、ステップと、
c)前記第1の干渉計チャンネルまたは第2の干渉計チャンネルを用いて前記キャビティを形成する参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
d)前記干渉計チャンネル内に第1の位相シフトを設けて、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第1の部位の第1の干渉計マップを得るステップと、
e)第2の位相シフトを設けて、前記参照表面のキャビティ特性を測定するステップと、
f)前記基板を移動させて、前記基板の第2の部位を前記光キャビティ内に配置するステップと、
g)d)およびe)を繰り返して、前記基板の第1の試験表面および第2の試験表面の第2の部位の第2の干渉計マップを得るステップと、
h)前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップをつなぎ合わせるステップと、
i)前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップならびに前記キャビティ特性から、前記基板の形状または厚さの情報を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの減衰プレートは、第1の減衰プレートおよび第2の減衰プレートを含み、前記第1の減衰プレートは、前記基板の前記第1の表面の一部であって、前記第1の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第1の減衰プレートは、前記第1の参照表面に対して平行に配向された第1の減衰表面を有し、前記第2の減衰プレートは、前記基板の前記第2の表面の一部であって、前記第2の参照表面と重複しない一部と重複し、前記第2の減衰プレートは、前記第2の参照表面に対して平行に配向された第2の減衰表面を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第1の減衰表面が前記基板の第1の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記第1の減衰プレートを位置決めするステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記少なくとも1つの減衰プレートを位置決めするステップは、前記第2の減衰表面が前記基板の前記第2の表面から3ミリメートル以下の位置となるように前記第2の減衰プレートを位置決めするステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記参照フラットの中心は、前記少なくとも1つの減衰プレートの中心および前記基板の中心から外れる、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記基板のエッジは、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットのエッジに近接して配置される、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットの直径は、前記基板が前記光キャビティ内に配置された際、前記第1の参照フラットおよび第2の参照フラットが前記基板のエッジおよび中心を含む前記基板の一部と重複する直径である、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
f)は、前記参照表面に対して垂直でありかつ前記参照フラットの対称軸から中心が外れた軸周囲において前記基板を回転させるステップを含むか、または、前記参照表面に対して平行な方向に沿って前記基板を平行移動させるステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の干渉計マップおよび第2の干渉計マップは重複する、請求項49に記載の方法。
【請求項58】
前記基板は半導体ウェーハである、請求項49に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【公表番号】特表2012−518185(P2012−518185A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551165(P2011−551165)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/024305
【国際公開番号】WO2010/096387
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/024305
【国際公開番号】WO2010/096387
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
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