説明

基板処理装置

【課題】実際に基板を処理させる処理部の数が変動しても、複数種類の処理を所定の順番どおりに効率よく基板に行うことができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】レジスト膜用塗布処理ユニットRESIST、加熱冷却ユニットPHP、冷却ユニットCPの順番で基板Wを搬送し、複数種類の処理を基板Wに行う。たとえば、レジスト膜用塗布処理ユニットRESIST、加熱冷却ユニットPHPおよび冷却ユニットCPをそれぞれ3台、2台、1台使用しているところ、1台の加熱冷却ユニットPHPを使用処理部から外れた場合であっても、残っている使用処理部によって、所定の順番で基板Wに処理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に対して一連の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、基板にレジスト膜を形成するとともに、別体の露光機で露光された基板を現像する基板処理装置がある。この装置は、レジスト膜などの塗膜を形成するための塗布セルや基板を現像するための現像セルなどが並べられて構成されている。各セルは、単一の主搬送機構と、各種の処理ユニットを備えている。塗布セルの処理ユニットとしては、基板にレジスト膜材料を塗布する複数のレジスト膜用塗布処理ユニットや、基板に熱処理を行う複数の熱処理ユニットなどを備えている。現像セルの処理ユニットとしては、基板に現像液を供給する複数の現像処理ユニットや複数の熱処理ユニットなどを備えている。各セルの主搬送機構は、そのセルに設けられる各種の処理ユニットに一定の搬送周期ごとに基板を順次搬送させる。これにより、複数種類の処理を所定の順番で基板に行わせる。主搬送機構はさらに、複数種類の処理が行われた基板を、隣接する他のセルの主搬送機構に受け渡す(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−324139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置では、例えば一の処理ユニットが故障すると、主搬送機構が当該処理ユニットに対して基板を搬送しようとしても搬送できない。また、この処理ユニットに搬入する予定であった基板はこの処理ユニット以外に適当な搬送先がないので、主搬送機構はその基板を保持したままの状態となる。この状態のまま、主搬送機構は次の搬送動作に移ることができず、停止してしまう。
【0004】
また、次の搬送動作に移ることができたとしても、その後は、基板を処理可能な処理ユニットの数が変わるので、少なくともいずれかの種類の処理に要する時間が変わる。このため、そのままの搬送周期で主搬送機構が動作を継続しても、実際には基板を効率よく搬送することができないという不都合がある。
【0005】
具体的には、レジスト膜用塗布処理ユニットを並列に複数台使用する場合を例にとって説明する。基板1枚当たり60秒で処理可能なレジスト膜用塗布処理ユニットを3台使用しているときは、全体で20秒毎に1枚の基板を処理可能である。よって、レジスト膜用塗布処理ユニットのみについてみれば、20秒ごとにいずれかのレジスト膜用塗布処理ユニット内の基板Wを入れ替えれば、すなわち、搬送周期が20秒であれば、主搬送機構は効率よく基板を搬送することができる。
【0006】
しかし、レジスト膜用塗布処理ユニットが2台になると、全体では30秒毎に1枚の基板を処理可能となる。このような場合では、20秒の搬送周期ごとに主搬送機構がレジスト膜用塗布処理ユニットにアクセスしても、効率よく基板を搬送することができなくなる。
【0007】
さらに、上述した不都合は処理ユニットの使用数の変動に起因しているが、これに限られない。たとえば、塗布セルを複数備え、各塗布セルでレジスト膜などの塗膜を形成する処理を並行して行う場合にあっては、塗布セルの使用数の変動に応じて同じ不都合が生じる。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、実際に基板を処理させる処理部の数が変動しても、複数種類の処理を所定の順番どおりに効率よく基板に行うことができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に複数種類の処理を所定の順番で行う基板処理装置において、処理の種類ごとに設けられるとともに、少なくともいずれかの種類については複数設けられている処理部と、各処理部に基板を搬送可能な搬送部と、前記処理部のうち実際に基板を処理させる使用処理部と、実際に基板を処理させない待機処理部とに区別して、使用処理部の数に応じた搬送周期ごとに、各使用処理部のみを基板の搬送先として前記搬送部を動作させ、前記複数種類の処理を前記所定の順番通りに基板に行わせる制御部と、を備えている。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、制御部は各処理部を使用処理部と待機処理部とに区別して、使用処理部のみに応じた搬送周期と搬送先によって搬送部を制御する。これにより、常に搬送周期を適切な期間に保つことができ、搬送先を実際に基板を処理する処理部のみに絞ることができる。したがって、基板処理装置が備える処理部の全てが使用処理部である場合は勿論のこと、基板処理装置が備える処理部の一部が使用処理部である場合であっても、基板を効率よく搬送して、複数種類の処理を所定の順番通りに基板に行うことができる。
【0011】
本発明において、前記制御部は、使用処理部を変更した場合であっても、前記所定の順番を変えることなく前記複数種類の処理を基板に行わせることが好ましい(請求項2)。使用処理部を変更した場合であっても、複数種類の処理を行う順番は所定の順番のまま変わらないので、基板を好適に処理することができる。なお、使用処理部を待機処理部に変えるとき、および、待機処理部を使用処理部に変えるときはいずれも、使用処理部の変更に該当する。
【0012】
また、本発明において、前記制御部は、使用処理部を変更した場合は、搬送周期および搬送先を、変更後の使用処理部に応じた搬送周期および搬送先に更新し、更新した搬送周期および搬送先に基づいて前記搬送部を制御することが好ましい(請求項3)。制御部は、使用処理部の変更に好適に対応することができる。
【0013】
また、本発明において、任意の処理部を使用処理部に指定する命令をユーザーから受け付ける入力部を備え、前記制御部は、前記入力部が受け付けた命令に基づいて使用処理部を決定することが好ましい(請求項4)。使用処理部を任意に指定することができる。
【0014】
また、本発明において、前記制御部は、使用処理部が異常状態である場合は、前記入力部が受け付けた命令に関わらず、その使用処理部を待機処理部に変更することが好ましい(請求項5)。使用処理部に指定されている処理部が異常状態である場合であっても、自動的に待機処理部に変更するので、基板処理を円滑に継続させることができる。
【0015】
また、本発明において、前記制御部は、異常状態でない処理部を使用処理部に決定することが好ましい(請求項6)。処理部が異常状態である場合は自動的に待機処理部に決定するので、常に異常状態でない処理部のみが使用処理部となる。よって、高い効率性を維持しつつ、基板処理を行うことができる。
【0016】
また、本発明において、前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送先を更新した場合、更新した後に新しく始まる搬送周期から更新後の搬送先のみに基板を搬送させるように、前記搬送部の制御を切り替えることが好ましい(請求項7)。制御部は、更新した後に新しく始まる搬送周期から搬送部の搬送先を切り替える。言い換えれば、搬送部が動作しているときに搬送先を更新しても、制御部は搬送部の動作中に搬送部の搬送先を切り替えない。この結果、各搬送周期の搬送部の動作をそれぞれ搬送開始前に原則的に確定させることができ、搬送部を確実かつ円滑に制御することができる。
【0017】
また、本発明において、前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送先を更新した場合であって更新の前後で搬送先から外れる処理部があるときは、搬送先から外れた処理部に基板を強制的に搬送可能か否かを判断し、搬送可能でないと判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部に基板を搬送することを中止させることが好ましい(請求項8)。搬送先から外れた処理部に基板を強引に搬送することによって、搬送部が搬送不能に陥ることを回避することができる。なお、強制的に搬送可能であるとは、搬送部に障害が生じることなく搬送部が処理部に基板を搬入/搬出できることある。よって、その処理部が基板を一定の品質以上で処理できるか否かとは関係がない。
【0018】
本発明において、基板を載置するバッファ部を備え、前記搬送部は前記バッファ部に基板を搬送可能であり、前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能でないと判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部に搬入する予定であった基板を前記バッファ部に載置させることが好ましい(請求項9)。搬送部は、搬送先から外れた処理部に搬入する予定であった基板をバッファ部に載置する。この結果、搬送部は他の基板を保持可能になり、次の搬送動作に移ることができる。よって、搬送部はその後の搬送動作を継続することができる。
【0019】
また、本発明において、前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部に対しても基板搬送を続行させることが好ましい(請求項10)。搬送先から外れた処理部に対して強制的に搬送可能であれば、搬送部は当該処理部に対しても基板搬送を続行する。これにより、搬送動作の途中で搬送先を変更することを極力回避することができる。
【0020】
また、本発明において、前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部からも基板を搬出させることが好ましい(請求項11)。搬送先から外れた処理部に対して強制的に搬送可能であれば、搬送部は当該処理部から基板を搬出させる。これにより、搬送動作の途中で搬送部の動作を変更することを極力回避することができる。
【0021】
また、本発明において、前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部にも基板を搬入させることが好ましい(請求項12)。これにより、搬送動作の途中で搬送部の動作を変更することを極力回避することができる。
【0022】
また、本発明において、基板を載置するバッファ部を備え、前記搬送部は前記バッファ部に基板を搬送可能であり、前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部から搬出した基板を前記バッファ部に載置させることが好ましい(請求項13)。使用処理部から待機処理部に変更された時点でその処理部内にあった基板についてはバッファ部に載置する。これにより、その基板にさらに他の処理を行うことを中止することができる。
【0023】
また、本発明において、前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送周期を更新した場合であって更新の前後で搬送周期の期間が変わったときは、更新した時に進行中の搬送周期の次から更新後の搬送周期に基づいて前記搬送部を制御することが好ましい(請求項14)。更新した時に進行中の搬送周期は更新前の搬送周期である。たとえ、ある搬送周期が進行中に搬送周期の期間が変わったとしても、制御部は、搬送部の制御において搬送周期の途中から更新後の搬送周期に変更しない。これにより、制御部による搬送部の確実な制御を実現することができる。
【0024】
また、本発明において、前記制御部は、前記搬送部の制御において更新前の搬送周期から更新後の搬送周期に切り替える場合、直前の搬送周期の始期から更新後の搬送周期に相当する時間が経過したときに、更新後の搬送周期を開始させることが好ましい(請求項15)。搬送周期が進行中に搬送周期の期間が変わったときでも、進行中の搬送周期の次から更新した搬送周期を好適に開始することができる。
【0025】
また、本発明において、前記処理部として、基板に処理液を供給する処理ユニットと、基板に熱処理を行う処理ユニットとを少なくとも有し、前記搬送部は各処理ユニットに基板を搬送する単一の主搬送機構で構成されることが好ましい(請求項16)。基板に処理液を供給する処理、および、基板に熱処理を行う処理をそれぞれ所定の順番で好適に行うことができる。
【0026】
また、本発明において、基板に処理液を供給する処理ユニットは、レジスト膜材料を基板に塗布するレジスト膜用塗布処理ユニット、および、基板に現像液を供給する現像処理ユニットの少なくともいずれかであることが好ましい(請求項17)。基板にレジスト膜を形成する処理、および、基板を現像する処理の少なくともいずれかを好適に行うことができる。
【0027】
また、本発明において、前記処理ユニットと前記主搬送機構とで構成されるセルを複数備えており、前記制御部は各セルの前記主搬送機構を制御することが好ましい(請求項18)。複数のセルのそれぞれにおいて、複数種類の処理を基板に行うことができる。
【0028】
また、本発明において、前記処理部として、複数の処理ユニットを含んで構成され、基板にレジスト膜を形成する処理を行う塗布セルと、複数の処理ユニットを含んで構成され、基板を現像する処理を行う現像セルとを少なくとも有することが好ましい(請求項19)。レジスト膜を形成する処理、および、現像する処理を基板に対して好適に行うことができる。
【0029】
また、本発明において、単一の塗布セルと単一の現像セルとによって相互に基板を受け渡し可能に構成されるセルの列を複数有し、前記搬送部は、各塗布セルとの間で基板を搬送するインデクサ用搬送機構と、各現像セルとの間で基板を搬送するインターフェイス用搬送機構とを含んで構成されていることが好ましい(請求項20)。単一の塗布セルと単一の現像セルとによって構成されるセルの列を複数備えているので、各セルの列において基板を並列的に処理することができる。また、搬送部は、塗布セルと現像セルとで別個の搬送機構(インデクサ用搬送機構およびインターフェイス用搬送機構)を備えているので、塗布セル及び現像セルのそれぞれに好適に基板を搬送することができる。
【0030】
なお、本明細書は、次のような基板処理装置に係る発明も開示している。
【0031】
(1)請求項1から請求項20のいずれかに基板処理装置において、前記搬送周期は、各種類の処理に要する基板1枚あたりの処理時間をそれぞれ種類別単位処理時間として、各種類別単位処理時間を対応する種類の処理を行う使用処理部の数でそれぞれ除した種類別処理時間のうち、最も長い種類別処理時間またはこれより若干長い時間とする基板処理装置。
【0032】
前記(1)に記載の基板処理装置によれば、処理部の種類別の数を考慮した搬送周期とすることができる。このような搬送周期で搬送部を動作させることにより、基板に複数種類の処理を効率良く行わせることができる。
【0033】
ここで、「種類別単位処理時間」は、各種類のプロセス処理の時間に、プロセス処理の前後に発生する準備時間および待ち時間や、搬送部が各処理部において基板を取り置きする時間などを実用に即して適宜に加えた時間である。
【0034】
(2)請求項3に記載の基板処理装置において、前記制御部は、使用処理部の変更と同時に搬送周期および搬送先を更新する基板処理装置。
【0035】
前記(2)に記載の基板処理装置によれば、制御部は、使用処理部の変更に好適かつ迅速に対応することができる。
【0036】
(3)請求項6に記載の基板処理装置において、前記制御部は、使用処理部が異常状態となったとき、その使用処理部を待機処理部に変更する基板処理装置。
【0037】
前記(3)に記載の基板処理装置によれば、使用処理部が異常状態の変化にしても、それによって基板に対する処理が滞ることを好適に回避することができる。
【0038】
(4)請求項5または請求項6に記載の基板処理装置において、前記制御部は、待機処理部が異常状態でなくなったときは、その待機処理部を使用処理部に変更する基板処理装置。
【0039】
前記(4)に記載の基板処理装置によれば、基板を好適に処理可能となった待機処理部を自動的に使用処理部に変更することで、常に装置の処理能力を最大まで引き出すことができる。
【0040】
(5)請求項5または請求項6に記載の基板処理装置において、異常状態は、一定以上の品質で基板に処理を行うことができない状態である基板処理装置。
【0041】
前記(5)に記載の基板処理装置によれば、基板に行う処理の品質を一定以上確保することができる。
【0042】
(6)請求項5または請求項6に記載の基板処理装置において、前記異常状態は、基板に対する処理液の供給量、および、基板を熱処理する温度の少なくともいずれかである基板処理装置。
【0043】
前記(6)に記載の基板処理装置によれば、基板に行う処理の品質を好適に確保することができる。
【0044】
(7)請求項5または請求項6に記載の基板処理装置において、前記処理部が異常状態であることを検知する検知部を備え、前記制御部は前記検知部の検知結果に基づいて使用処理部を決定する基板処理装置。
【0045】
前記(7)に記載の基板処理装置によれば、制御部は的確に使用処理部を変更することができる。
【0046】
(8)請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理装置において、前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送先を更新した場合、更新した後に新しく始まる最初の搬送周期から更新後の搬送先のみに基板を搬送させるように、前記搬送部の制御を切り替える基板処理装置。
【0047】
前記(8)に記載の基板処理装置によれば、制御部は、更新した後に新しく始まる最初の搬送周期から搬送部の制御を切り替える。言い換えれば、搬送部が動作しているときに搬送先を更新しても、制御部は搬送部の動作中に搬送部の制御を切り替えることはない。この結果、各搬送周期の搬送部の動作をそれぞれ搬送開始前に原則的に確定させることができ、搬送部を確実かつ円滑に制御することができる。また、搬送部の制御の切り替えは、更新した後に新しく始まる最初の搬送周期で行うので、迅速に搬送部の動作を変更させることができる。
【0048】
(9)請求項1から請求項14のいずれかに記載の基板処理装置において、前記制御部は、前記搬送部の制御において更新前の搬送周期から更新後の搬送周期に切り替える場合、直前の搬送周期の期間の始期から更新前の搬送周期に相当する時間が経過したときに、更新後の搬送周期を開始させる基板処理装置。
【0049】
前記(9)に記載の基板処理装置によれば、搬送周期が進行中に搬送周期の期間が変わったときでも、進行中の搬送周期の期間を変更しないので、更新した搬送周期に確実に切り替えることができる。
【0050】
(10)請求項18に記載の基板処理装置において、2以上のセルで行われる処理は互いに異なっており、前記制御部は、異なる処理を行う複数のセルに同じ基板を順次搬送して処理させる基板処理装置。
【0051】
前記(10)に記載の基板処理装置によれば、同じ基板に対して、各セルにおいてそれぞれ複数種類の処理を行うことができる。
【0052】
(11)請求項19に記載の基板処理装置において、前記塗布セルは、レジスト膜材料を基板に塗布するレジスト膜用塗布処理ユニットと、基板に熱処理を行う熱処理ユニットとを有し、前記現像セルは、基板に現像液を供給する現像処理ユニットと、基板に熱処理を行う熱処理ユニットとを有する基板処理装置。
【0053】
前記(11)に記載の基板処理装置によれば、塗布セルではレジスト膜を形成する処理を基板に好適に行うことができる。また、現像セルでは現像する処理を基板に好適に行うことができる。
【0054】
(12)請求項20に記載の基板処理装置において、前記セルの列は、互いに上下方向に並ぶように配置されているとともに、各セルの列を構成する前記塗布セルと前記現像セルとは、横方向に並ぶように配置されている基板処理装置。
【0055】
前記(12)に記載の基板処理装置によれば、セルの列は上下方向に並ぶように配置されているので、設置面積を低減することができる。
【発明の効果】
【0056】
この発明に係る基板処理装置によれば、制御部は各処理部を使用処理部と待機処理部とに区別して、使用処理部のみに応じた搬送周期と搬送先によって搬送部を制御する。これにより、常に搬送周期を適切な期間に保つことができ、搬送先を実際に基板を処理する処理部のみに絞ることができる。したがって、基板処理装置が備える処理部の全てが使用処理部である場合は勿論のこと、基板処理装置が備える処理部の一部が使用処理部である場合であっても、基板を効率よく搬送して、複数種類の処理を所定の順番通りに基板に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図であり、図2と図3は基板処理装置が有する処理ユニットの配置を示す概略側面図であり、図4ないし図7は、図1におけるa−a矢視、b−b矢視、c−c矢視およびd−d矢視の各垂直断面図である。
【0058】
実施例は、基板(例えば、半導体ウエハ)Wにレジスト膜を形成するとともに露光された基板Wを現像する基板処理装置10である。以下では、基板処理装置10を「装置10」と適宜に略記する。本装置10は、インデクサ部(以下、「ID部」と記載する)1と、処理ブロックBa、Bbと、インターフェイス部(以下、「IF部」と記載する)5とを備える。
【0059】
ID部1、処理ブロックBa、処理ブロックBbおよびIF部5は、この順番に1列で並ぶように設けられている。並び方向は横方向(水平方向)が好ましい。ID部1、処理ブロックBa、処理ブロックBbおよびIF部5は、互いに隣接している。IF部5にはさらに本装置10とは別体の外部装置である露光機EXPが隣接して設けられる。
【0060】
処理ブロックBaは、上下方向に複数(2つ)の塗布セルC1、C3を備えている。処理ブロックBbは、上下方向に複数(2つ)の現像セルC2、C4を備えている。図1では、処理ブロックBaの上側の塗布セルC1と、処理ブロックBbの上側の現像セルC2を示す。塗布セルC3と現像セルC4の平面視におけるレイアウトは、図示を省略するが、それぞれ塗布セルC1と現像セルC2と略同様である。
【0061】
塗布セルC1は、塗布処理ユニット31と熱処理ユニット41等を有し、基板Wにレジスト膜を形成する処理を行う。現像セルC2は、現像処理ユニットDEVと熱処理ユニット42等を有し、基板Wを現像する処理を行う。
【0062】
塗布セルC1と現像セルC2は互いに横方向に隣接しており、相互に基板Wを受け渡し可能である。このように、塗布セルC1と現像セルC2とによって「セルの列」が構成されている。同様に、塗布セルC3と現像セルC4も互いに横方向に隣接しており、相互に基板Wを受け渡し可能であり、塗布セルC3と現像セルC4とによって「セルの列」が構成されている。これら複数(2つ)のセルの列は、上下方向に並んでいる。以下では、塗布セルC1、C3、および、現像セルC2、C4を特に区別しない場合は、単に「セルC」と略記する。
【0063】
ID部1は、各塗布セルC1、C3との間で基板Wを搬送するID用搬送機構TIDを備えている。各セルC1、C2、C3、C4はそれぞれ、単一の主搬送機構T、T、T、Tを備えている。IF部5は、各現像セルC2、C4との間で基板Wを搬送するIF用搬送機構TIFを備えている。
【0064】
ID部1、各セルCおよびIF部5の各動作の概略を説明する。ID部1は、各塗布セルC1、C3に基板Wを搬送する。塗布セルC1は、基板Wにレジスト膜を形成する処理を行い、現像セルC2に搬送する。同様に、塗布セルC3は、基板Wにレジスト膜を形成する処理を行い、現像セルC4に搬送する。現像セルC2、C4はそれぞれ、基板WをIF5に搬送する。IF部5は露光機EXPに基板Wを搬送する。露光機EXPは基板Wを露光し、再びIF部5に基板Wを搬送する。IF部5は基板Wを現像セルC2、C4に搬送する。現像セルC2は、基板Wを現像する処理を行い、塗布セルC1に搬送する。同様に、現像セルC4は、基板Wを現像する処理を行い、塗布セルC3に搬送する。塗布セルC1、C3は、基板WをID部1に搬送する。以下では、本実施例の各部の構成をより詳細に説明する。
【0065】
[ID部1]
ID部1は複数枚の基板Wを収容するカセットCaから基板Wを取り出すとともに、カセットCaに基板Wを収納する。このID部1はカセットCaを載置するカセット載置台9を備える。カセット載置台9は4個のカセットCaを1列に並べて載置可能に構成される。
【0066】
ID用搬送機構TIDは、各カセットCaに対して基板Wを搬送するとともに、後述する載置部PASS及び載置部PASSに基板Wを搬送する。ID用搬送機構TIDは、カセット載置台9の側方をカセットCaの並び方向に水平移動する可動台21と、可動台21に対して鉛直方向に伸縮する昇降軸23と、この昇降軸23に対して旋回するとともに旋回半径方向に進退して基板Wを保持する保持アーム25とを備えている。
【0067】
[処理ブロックBa]
ID部1と処理ブロックBaの各塗布セルC1、C3の間には、基板Wを載置する載置部PASS、PASSが設けられている。載置部PASSには、ID用搬送機構TIDと主搬送機構Tとの間で受け渡される基板Wが一時的に載置される。同様に、載置部PASSには、ID用搬送機構TIDと主搬送機構Tとの間で受け渡される基板Wが一時的に載置される。断面視では載置部PASSは塗布セルC1の下部付近の高さ位置に配置され、載置部PASSは塗布セルC3の上部付近の高さに配置されている。このように載置部PASSと載置部PASSの位置が比較的近いので、ID用搬送機構TIDは少ない昇降量で載置部PASSと載置部PASSとの間を移動することができる。
【0068】
処理ブロックBa、Bbの間にも、基板Wを載置する載置部PASS、PASSが設けられている。載置部PASSは塗布セルC1と現像セルC2との間に、載置部PASSは塗布セルC3と現像セルC4との間にそれぞれ配置されている。そして、主搬送機構Tと主搬送機構Tは載置部PASSを介して基板Wを受け渡し、主搬送機構Tと主搬送機構Tは載置部PASSを介して基板Wを受け渡す。
【0069】
各載置部PASSは複数(本実施例では2台)であり、これら複数の載置部PASSは互いに上下方向に近接して配置されている。2つの載置部PASSのうち、一方の載置部PASS1Aには、ID用搬送機構TIDから主搬送機構Tへ渡す基板Wが載置され、他方の載置部PASS1Bには主搬送機構TからID用搬送機構TIDへ渡す基板Wが載置される。載置部PASS〜PASSおよび後述する載置部PASS、PASSもそれぞれ複数(2台)であり、基板Wが受け渡される方向に応じていずれかの載置部PASSが選択される。また、載置部PASS1A、PASS1Bには基板Wの有無を検知するセンサ(図示省略)がそれぞれ付設されており、各センサの検出信号に基づいて、ID用搬送機構TIDおよび主搬送機構Tによる基板Wの受け渡しを制御する。同様のセンサは載置部PASS〜PASSにもそれぞれ付設されている。
【0070】
また、処理ブロックBa、Bbの間には、基板Wを載置するバッファ部BF2、BF4が設けられている。バッファ部BF2は、塗布セルC1と現像セルC2との間に設けられている。バッファ部BF4は、塗布セルC3と現像セルC4との間に設けられている。
【0071】
バッファ部BF2、BF4は、それぞれ載置部PASS、PASSに近接する位置に配置されている。本実施例では、バッファ部BF2は載置部PASSの下方に、バッファ部BF4は載置部PASSの下方に積層配置されている。
【0072】
各バッファ部BF2、BF4は、複数の基板Wを載置可能である。バッファ部BF2は、基板Wを多段に収納できる棚を備えて、主搬送機構Tおよび主搬送機構Tに対向する両側が開放されている。主搬送機構Tおよび主搬送機構Tはいずれも、当該棚に基板Wを載置すること、および、当該棚に載置された基板Wを取り出すことが許容されている。バッファ部BF4もバッファ部BF2と同様に構成されており、主搬送機構Tおよび主搬送機構Tはいずれも、バッファ部BF4に対して基板を搬送可能に構成されている。
【0073】
なお、バッファ部BF2、BF4は、上述した構成に限られない。すなわち、基板Wを一時的に載置できれば、基板Wの周縁部や下面などいずれの位置で保持してもよい。たとえば、載置部PASSと同様に、突出形成された複数の支持ピンを備えて、これら支持ピンによって基板Wを略水平姿勢で載置可能に構成してもよい。
【0074】
塗布セルC1について説明する。主搬送機構Tは、平面視で塗布セルC1の略中央を通り搬送方向と平行な搬送スペースAを移動可能に設けられている。上述した塗布処理ユニット31は搬送スペースAの一方側に配置されており、上述した熱処理ユニット41は搬送スペースAの一方側に配置されている。塗布処理ユニット31は、基板Wに処理液を塗布する。熱処理ユニット41は、基板Wに熱処理を行う。
【0075】
塗布処理ユニット31は、それぞれ搬送スペースAに面して縦横に複数個並べて設けられている。本実施例では、基板Wの搬送路に沿って2列2段で合計4つの塗布処理ユニット31が配置されている。
【0076】
塗布処理ユニット31は、基板Wに反射防止膜用材料を塗布する反射防止膜用塗布処理ユニットBARCと、基板Wにレジスト膜材料を塗布するレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTとを含む。本明細書では、反射防止膜用塗布処理ユニットBARCで行われる処理を適宜に反射防止膜材料塗布処理と記載し、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTで行われる処理を適宜にレジスト膜材料塗布処理と記載する。
【0077】
反射防止膜用塗布処理ユニットBARCは複数(2台)であり、下段に略同じ高さ位置となるように並べて配置されている。レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTも複数であり、上段に略同じ高さ位置となるように並べて配置されている。各反射防止膜用塗布処理ユニットBARCの間には隔壁又は仕切り壁等はない。すなわち、全ての反射防止膜用塗布処理ユニットBARCを共通のチャンバーに収容するのみで、各反射防止膜用塗布処理ユニットBARCの周囲の雰囲気は互いに遮断されていない(連通している)。同様に、各レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTの周囲の雰囲気も互いに遮断されていない。
【0078】
図8(a)、(b)を参照する。図8(a)は塗布処理ユニットの平面図であり、(b)は塗布処理ユニットの断面図である。各塗布処理ユニット31は、基板Wを回転可能に保持する回転保持部32と、基板Wの周囲に設けられるカップ33と、基板Wに処理液を供給する供給部34などを備えている。
【0079】
供給部34は、複数個のノズル35と、一のノズル35を把持する把持部36と、把持部36を移動させて一のノズル35を基板Wの上方の処理位置と基板Wの上方からはずれた待機位置との間で移動させるノズル移動機構37とを備えている。各ノズル35にはそれぞれ処理液配管38の一端が連通接続されている。処理液配管38は、待機位置と処理位置との間におけるノズル35の移動を許容するように可動(可撓)に設けられている。各処理液配管38の他端側は処理液供給源(図示省略)に接続されている。具体的には、反射防止膜用塗布処理ユニットBARCの場合には、処理液供給源は種類の異なる反射防止膜用の処理液を各ノズル35に対して供給する。レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTの場合には、処理液供給源は種類の異なるレジスト膜材料を各ノズル35に対して供給する。
【0080】
ノズル移動機構37は、第1ガイドレール37aと第2ガイドレール37bと有する。第1ガイドレール37aは横に並ぶ2つのカップ33を挟んで互いに平行に配備されている。第2ガイドレール37bは2つの第1ガイドレール37aに摺動可能に支持されて、2つのカップ33の上に架設されている。把持部36は第2ガイドレール37bに摺動可能に支持される。ここで、第1ガイドレール37aおよび第2ガイドレール37bが案内する各方向はともに略水平方向で、互いに略直交する。ノズル移動機構37は、さらに第2ガイドレール37bを摺動移動させ、把持部36を摺動移動させる図示省略の駆動部を備えている。そして、駆動部が駆動することにより、把持部36によって把持されたノズル35を処理位置に相当する2つの回転保持部32の上方位置に移動させる。
【0081】
熱処理ユニット41は複数であり、それぞれ搬送スペースAに面するように縦横に複数個並べられている。本実施例では横方向に3つの熱処理ユニット41を配置可能であり、縦方向に5つの熱処理ユニット41を積層可能である。熱処理ユニット41はそれぞれ基板Wを載置するプレート43などを備えている。熱処理ユニット41は基板Wを冷却処理する冷却ユニットCP、加熱処理と冷却処理を続けて行う加熱冷却ユニットPHPおよび基板Wと被膜の密着性を向上させるためにヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気雰囲気で熱処理するアドヒージョン処理ユニットAHLを含む。なお、加熱冷却ユニットPHPはプレート43を2つ有するとともに、2つのプレート43間で基板Wを移動させる図示省略のローカル搬送機構を備えている。各種の熱処理ユニットCP、PHP、AHLはそれぞれ複数個であり、適宜の位置に配置されている。なお、本明細書では、加熱冷却ユニットPHPで行われる処理を適宜に加熱/冷却処理と記載する。
【0082】
主搬送機構Tを具体的に説明する。図9を参照する。図9は、主搬送機構の斜視図である。主搬送機構Tは、上下方向に案内する2本の第3ガイドレール51と横方向に案内する第4ガイドレール52を有している。第3ガイドレール51は搬送スペースAの一側方に対向して固定されている。本実施例では、塗布処理ユニット31の側に配置している。第4ガイドレール52は第3ガイドレール51に摺動可能に取り付けられている。第4ガイドレール52には、ベース部53が摺動可能に設けられている。ベース部53は搬送スペースAの略中央まで横方向に張り出している。主搬送機構Tは、さらに第4ガイドレール52を上下方向に移動させ、ベース部53を横方向に移動させる図示省略の駆動部を備えている。この駆動部が駆動することにより、縦横に並ぶ塗布処理ユニット31および熱処理ユニット41の各位置にベース部53を移動させる。
【0083】
ベース部53には縦軸心Q周りに回転可能に回転台55が設けられている。回転台55には基板Wを保持する2つの保持アーム57a、57bがそれぞれ水平方向に移動可能に設けられている。2つの保持アーム57a、57bは互いに上下に近接した位置に配置されている。さらに、回転台55を回転させ、各保持アーム57a、57bを移動させる図示省略の駆動部を備えている。この駆動部が駆動することにより、各塗布処理ユニット31、各熱処理ユニット41及び載置部PASS、PASSに対向する位置に回転台55を対向させ、これら塗布処理ユニット31等に対して保持アーム57a、57bを進退させる。
【0084】
塗布セルC3について説明する。なお、塗布セルC1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。塗布セルC3の主搬送機構Tおよび処理ユニットの平面視でのレイアウト(配置)は塗布セルC1のそれらと略同じである。このため、主搬送機構Tから見た塗布セルC3の各種処理ユニットの配置は、主搬送機構Tから見た塗布セルC1の各種処理ユニットの配置と略同じである。塗布セルC3の塗布処理ユニット31と熱処理ユニット41は、それぞれ塗布セルC1の塗布処理ユニット31と熱処理ユニット41の下側にそれぞれ積層されている。
【0085】
以下において、塗布セルC1、C3に設けられているレジスト膜用塗布処理ユニットRESIST等を区別するときは、それぞれ下付きの符号「1」又は「3」を付す(たとえば、塗布セルC1に設けられるレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTを「レジスト膜用塗布処理ユニットRESIST」と記載する)。
【0086】
処理ブロックBaのその他の構成について説明する。図4、図5に示すように、搬送スペースA、Aには、清浄な気体を吹き出す第1吹出ユニット61と気体を吸引する排出ユニット62とがそれぞれ設けられている。第1吹出ユニット61と排出ユニット62は、それぞれ平面視における搬送スペースAと略同じ広さを有する扁平な箱状物である。第1吹出ユニット61と排出ユニット62の一方面にはそれぞれ第1吹出口61aと排出口62aが形成されている。本実施例では多数の小孔f(図9参照)で第1吹出口61aおよび排出口62aが構成されている。第1吹出ユニット61は第1吹出口61aを下に向けた姿勢で搬送スペースA、Aの上部に配置されている。また、排出ユニット62は排出口62aを上に向けた姿勢で搬送スペースA、Aの下部に配置されている。搬送スペースAの雰囲気と搬送スペースAの雰囲気とは、搬送スペースAの排出ユニット62と搬送スペースAの第1吹出ユニット61とによって遮断されている。よって、各塗布セルC1、C3は互いに雰囲気が遮断されている。
【0087】
搬送スペースA、Aの各第1吹出ユニット61は同じ第1気体供給管63に連通接続されている。第1気体供給管63は載置部PASS、PASSの側方位置に、搬送スペースAの上部から搬送スペースAの下部にかけて設けられているとともに、搬送スペースAの下方で水平方向に曲げられている。第1気体供給管63の他端側は図示省略の気体供給源に連通接続されている。同様に、搬送スペースA、Aの排出ユニット62は同じ第1気体排出管64に連通接続されている。第1気体排出管64は搬送スペースAの下部から搬送スペースAの下部にかけて、載置部PASS、PASSの側方位置に設けられているとともに、搬送スペースAの下方で水平方向に曲げられている。そして、搬送スペースA、Aの各第1吹出口61aから気体を吹き出させるとともに各排出口62aから気体を吸引/排出させることで、搬送スペースA、Aには上部から下部に流れる気流が形成されて、各搬送スペースA、Aは個別に清浄な状態に保たれる。
【0088】
図1、図6、および、図8(a)に示すように、塗布セルC1、C3の各塗布処理ユニット31には、縦方向に貫く竪穴部PSが形成されている。この竪穴部PSには清浄な気体を供給するための第2気体供給管65と、気体を排気するための第2気体排出管66が上下方向に設けられている。第2気体供給管65と第2気体排出管66はそれぞれ各塗布処理ユニット31の所定の高さ位置で分岐して竪穴部PSから略水平方向に引き出されている。分岐した複数の第2気体供給管65は、気体を下方に吹き出す第2吹出ユニット67に連通接続している。また、分岐した複数の第2気体排出管66は各カップ33の底部にそれぞれ連通接続している。第2気体供給管65の他端は、塗布セルC3の下方において第1気体供給管63に連通接続されている。第2気体排出管66の他端は、塗布セルC3の下方において第1気体排出管64に連通接続されている。そして、第2吹出ユニット67から気体を吹き出させるとともに、第2気体排出管66を通じて気体を排出させることで、各カップ33内の雰囲気は常に清浄に保たれ、回転保持部32に保持された基板Wを好適に処理できる。
【0089】
また、竪穴部PSにはさらに処理液を通じる配管や電気配線等(いずれも図示省略)が設置されている。このように、竪穴部PSに塗布セルC1、C3の塗布処理ユニット31に付設される配管や配線等を収容することができるので、配管や配線等の長さを短くすることができる。
【0090】
処理ブロックBaは、上述した主搬送機構T、Tと塗布処理ユニット31と熱処理ユニット41とを収容する一の筐体75を備えている。後述する処理ブロックBbも主搬送機構T、Tと処理ブロックBbが有する各処理ユニットとを収容する筐体75を備えている。処理ブロックBaの筐体75と処理ブロックBbの筐体75は別体である。このように処理ブロックBa、Bbごとに主搬送機構Tと各処理ユニットをまとめて収容する筐体75を備えているので、処理ブロックBa、Bbを並べて処理部3を簡易に製造し、組み立てることができる。
【0091】
[処理ブロックBb]
現像セルC2について説明する。なお、塗布セルC1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。現像セルC2の搬送スペースAは搬送スペースAの延長上となるように形成されている。
【0092】
現像セルC2には、基板Wに現像液を供給する現像処理ユニットDEVと、基板Wに熱処理を行う熱処理ユニット42と、基板Wの周縁部を露光するエッジ露光ユニットEEWが設けられている。現像処理ユニットDEVは搬送スペースAの一方側に配置され、熱処理ユニット42およびエッジ露光ユニットEEWは搬送スペースAの他方側に配置されている。ここで、現像処理ユニットDEVは塗布処理ユニット31と同じ側に配置されることが好ましい。また、熱処理ユニット42及びエッジ露光ユニットEEWは熱処理ユニット41と同じ並びとなることが好ましい。なお、本明細書では、現像処理ユニットDEVで行われる処理を適宜に現像処理と記載し、エッジ露光ユニットEEWで行われる処理を適宜にエッジ露光と記載する。
【0093】
現像処理ユニットDEVは4つであり、搬送スペースAに沿う横方向に2つ並べられたものが上下2段に積層されている。図1、図6に示すように、各現像処理ユニットDEVは基板Wを回転可能に保持する回転保持部77と、基板Wの周囲に設けられるカップ79とを備えている。1段に並設される2つの現像処理ユニットDEVは仕切り壁等で間仕切りされることなく設けられている。さらに、2つの現像処理ユニットDEVに対して、現像液を供給する供給部81が設けられている。供給部81は、現像液を吐出するためのスリットまたは小孔列を有する2つのスリットノズル81aを有する。スリットまたは小孔列の長手方向の長さは基板Wの直径相当が好ましい。また、2つのスリットノズル81aは互いに異なる種類または濃度の現像液を吐出するように構成することが好ましい。供給部81はさらに、各スリットノズル81aを移動させる移動機構81bとを備えている。これにより、各スリットノズル81aはそれぞれ、横方向に並ぶ2つの回転保持部77の上方に移動可能である。
【0094】
熱処理ユニット42は複数であり、搬送スペースAに沿う横方向に複数並べられるとともに、縦方向に複数積層されている。熱処理ユニット42は、基板Wを加熱処理する加熱ユニットHPと、基板Wを冷却処理する冷却ユニットCPと、加熱/冷却処理を行う加熱冷却ユニットPHPを含む。
【0095】
加熱冷却ユニットPHPは複数である。各加熱冷却ユニットPHPは、最もIF部5側の列に上下方向に積層されて、それぞれの一側部がIF部5側に面している。現像セルC2に設けられる加熱冷却ユニットPHPについては、その側部に基板Wの搬送口を形成している。そして、加熱冷却ユニットPHPに対しては、後述するIF用搬送機構TIFが上記搬送口を通じて基板Wを搬送する。そして、これら現像セルC2に配置される加熱冷却ユニットPHPでは露光後加熱(PEB)処理を行う。したがって、現像セルC2に設けられる加熱冷却ユニットPHPで行われる加熱/冷却処理を、特にPEB処理と記載する。同様に現像セルC4に加熱冷却ユニットPHPで行われる加熱/冷却処理を、特にPEB処理と記載する。
【0096】
エッジ露光ユニットEEWは単一であり、所定の位置に設けられている。エッジ露光ユニットEEWは、基板Wを回転可能に保持する回転保持部(不図示)と、この回転保持部に保持された基板Wの周縁を露光する光照射部(不図示)とを備えている。
【0097】
さらに、加熱冷却ユニットPHPの上側には、載置部PASSが積層されている。主搬送機構Tと後述するIF用搬送機構TIFは、載置部PASSを介して基板Wを受け渡す。
【0098】
主搬送機構Tは平面視で搬送スペースAの略中央に設けられている。主搬送機構Tは主搬送機構Tと同様に構成されている。そして、載置部PASSと各種の熱処理ユニット42とエッジ露光ユニットEEWと載置部PASSとの間で主搬送機構Tが基板Wを搬送する。
【0099】
現像セルC4について簡略に説明する。現像セルC2と現像セルC4の各構成の関係は、塗布セルC1、C3間の関係と同様である。現像セルC4の処理ユニットは、現像処理ユニットDEVと熱処理ユニット42とエッジ露光ユニットEEWである。現像セルC4の熱処理ユニット42は加熱ユニットHPと冷却ユニットCPと加熱冷却ユニットPHPを含む。現像セルC4の加熱冷却ユニットPHPの上側には、載置部PASSが積層されている。主搬送機構Tと後述するIF用搬送機構TIFは、載置部PASSを介して基板Wを受け渡す。現像セルC4に設けられる加熱冷却ユニットPHPも、露光後の基板Wに露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)処理を行う。
【0100】
以下において、現像セルC2、C4に設けられている現像処理ユニットDEVやエッジ露光ユニットEEW等を区別するときは、それぞれ下付きの符号「2」又は「4」を付す(たとえば、現像セルC2に設けられる加熱ユニットHPを「加熱ユニットHP」と記載する)。
【0101】
現像セルC2、C4の搬送スペースA、Aにも、第1吹出ユニット61や排出ユニット62等に相当する構成がそれぞれ設けられている。また、現像セルC2、C4の現像処理ユニットDEVには、第2吹出ユニット67や第2気体排出管66等に相当する構成がそれぞれ設けられている。
【0102】
[IF部5]
IF部5は処理ブロックBbの各現像セルC2、C4と露光機EXPとの間で基板Wを受け渡す。IF部5は基板Wを搬送するIF用搬送機構TIFを備えている。IF用搬送機構TIFは、相互に基板Wを受け渡し可能な第1搬送機構TIFAと第2搬送機構TIFBを有する。第1搬送機構TIFAは、各現像セルC2、C4に対して基板Wを搬送する。上述したように、本実施例では第1搬送機構TIFAは、現像セルC2、C4の載置部PASS、PASSと、現像セルC3、C4の各加熱冷却ユニットPHPに対して基板Wを搬送する。第2搬送機構TIFBは、露光機EXPに対して基板Wを搬送する。
【0103】
図1に示すように、第1搬送機構TIFAと第2搬送機構TIFBとは、処理ブロックBa、処理ブロックBbの搬送方向と略直交した横方向に並んで設けられている。第1搬送機構TIFAは現像セルC2、C4の熱処理ユニット42等が位置する側に配置されている。第2搬送機構TIFBは現像セルC2、C4の現像処理ユニットDEVが位置する側に配置されている。また、第1、第2搬送機構TIFA、TIFBの間には基板Wを載置して冷却する載置部PASS−CPと、基板Wを載置する載置部PASSと、基板Wを一時的に収容するバッファ部BFIFが設けられている。バッファ部BFIFは複数枚の基板Wを載置または収容可能である。第1、第2搬送機構TIFA、TIFBは、載置部PASS−CP及び載置部PASSを介して基板Wを受け渡す。バッファ部BFIFには、専ら第1搬送機構TIFAのみがアクセスする。
【0104】
図7に示すように、第1搬送機構TIFAは、固定的に設けられる基台83と、基台83に対して鉛直上方に伸縮する昇降軸85と、この昇降軸85に対して旋回可能であるとともに旋回半径方向に進退して基板Wを保持する保持アーム87とを備えている。第2搬送機構TIFBも基台83と昇降軸85と保持アーム87とを備えている。
【0105】
次に本装置10の制御系について説明する。図10は、実施例に係る基板処理装置の制御ブロック図である。図示するように、本装置10は、制御部90と入力部101を備えている。
【0106】
入力部101は、任意の処理ユニットを実際に基板Wに処理させる処理ユニットに指定する命令をユーザーから受け付ける。ここで、処理ユニットは、上述した各セルCに設けられている全ての処理ユニット(具体的には、塗布処理ユニット31、熱処理ユニット41、現像処理ユニットDEV、熱処理ユニット42、および、エッジ露光ユニットEEW)である。また、以下では、制御部90等によって各処理ユニットを、実際に基板Wに処理させる処理ユニットと実際に基板Wに処理させない処理ユニットとに区別する場合、前者を「使用処理部」と記載し、後者を「待機処理部」と記載する。入力部101は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。
【0107】
制御部90は、メインコントローラ91と第1ないし第7コントローラ93、94、95、96、97、98、99を備えている。メインコントローラ91には、入力部101が受け付けた命令が入力される。メインコントローラ91は、第1から第7コントローラ93〜99を統括的に制御する。
【0108】
第1コントローラ93はID用搬送機構TIDによる基板搬送を制御する。第2コントローラ94は主搬送機構Tによる基板搬送と、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTと反射防止膜用塗布処理ユニットBARCと冷却ユニットCPと加熱冷却ユニットPHPとアドヒージョン処理ユニットAHLにおける基板処理を制御する。第3コントローラ95は主搬送機構Tによる基板搬送と、エッジ露光ユニットEEWと現像処理ユニットDEVと加熱ユニットHPと冷却ユニットCPにおける基板処理を制御する。第4、第5コントローラ96、97の制御はそれぞれ第2、第3コントローラ94、95の制御と対応する。第6コントローラ98は、第1搬送機構TIFAによる基板搬送と、加熱冷却ユニットPHP、PHPにおける基板処理を制御する。第7コントローラ99は、第2搬送機構TIFBによる基板搬送を制御する。上述した第1〜第7コントローラ93〜99はそれぞれ互いに独立して制御を行う。
【0109】
また、本装置10は、第1ないし第7コントローラ93〜99ごとに、それらが制御する搬送機構および処理ユニットが異常状態であることを検知する検知部ER1、ER2、…、ER7を備えている。各検知部ER1〜ER7はそれぞれ、搬送機構ごとに、または、処理ユニットごとに別個に設けられていてもよい。各検知部ER1〜ER7が異常状態を検知すると、その検知結果は、対応する第1ないし第7コントローラ93〜99を介してメインコントローラ91に与えられる。
【0110】
ここで、異常状態とは、処理ユニットであれば、一定以上の品質で基板に処理を行うことができない状態をいう。たとえば、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTであれば、処理液の供給量の異常などが例示される。また、加熱冷却ユニットPHPや冷却ユニットCPであれば、基板Wを熱処理する温度の異常などが例示される。そのほか、各処理ユニットの基板搬送口が開閉できない場合や、基板Wを回転保持できない場合など、処理ユニットの機械的な異常も含まれる。また、搬送機構の場合、物理的に基板Wを搬送できない場合のほか、保持アームの汚損等により基板を清浄に搬送できない場合などが例示される。
【0111】
メインコントローラ91および第1〜第7コントローラ93〜99はそれぞれ、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)や、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)や、予め設定されている処理レシピ(処理プログラム)など各種情報を記憶する固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。処理レシピには、本装置10が搭載する処理ユニットの種類別の数、および、各種の処理ユニットが1枚の基板Wを処理するのに要する処理時間(「種類別単位処理時間」)が予め記憶されている。
【0112】
[1.本装置の基本的な動作]
次に、実施例に係る基板処理装置の動作について説明する。まず、図11、図12を参照して、本装置10の基本的な動作を説明し、その後で、本装置10の特徴的な動作を説明する。図11は基板Wに一連の処理を行う際のフローチャートであり、基板Wが順次搬送される処理ユニットまたは載置部などを示すものである。また、図12は、各搬送機構がそれぞれ繰り返し行う動作を模式的に示す図であり、搬送機構がアクセスする処理ユニット、載置部またはカセット等の順序を明示するものである。
【0113】
[ID用搬送機構TID
ID用搬送機構TIDは一のカセットCに対向する位置に移動し、カセットCに収容される一枚の未処理の基板Wを保持アーム25に保持してカセットCから搬出する。ID用搬送機構TIDは保持アーム25を旋回し昇降軸23を昇降して載置部PASSに対向する位置に移動し、保持している基板Wを載置部PASS1Aに載置する(図11におけるステップS1aに対応する。以下、ステップの記号のみ付記する。)。このとき、載置部PASS1Bには通常、基板Wが載置されており、この基板Wを受け取ってカセットCに収納する(ステップS23)。なお、載置部PASS1Bに基板Wがない場合はステップS23を省略する。続いて、ID用搬送機構TIDはカセットCにアクセスして、カセットCに収容される基板Wを載置部PASS3Aへ搬送する(ステップS1b)。ここでも、載置部PASS3Bに基板Wが載置されていれば、この基板WをカセットCに収納する(ステップS23)。ID用搬送機構TIDは上述した動作を繰り返し行う。
【0114】
このようなID用搬送機構TIDの動作は、第1コントローラ93によって制御されている。これにより、カセットCの基板Wを塗布セルC1に送るとともに、塗布セルC1から払い出された基板WをカセットCに収容する。同様に、カセットCの基板Wを塗布セルC3へ送るとともに、塗布セルC3から払い出された基板WをカセットCに収容する。
【0115】
[主搬送機構T、T
主搬送機構Tの動作は主搬送機構Tの動作と略同じであるので、主搬送機構Tについてのみ説明する。主搬送機構Tは載置部PASSに対向する位置に移動する。このとき、主搬送機構Tは直前に載置部PASS2Bから受け取った基板Wを一方の保持アーム57(例えば57b)に保持している。主搬送機構Tは保持している基板Wを載置部PASS1Bに載置するとともに(ステップS22)、他方の保持アーム57(例えば57a)で載置部PASS1Aに載置されている基板Wを保持する。
【0116】
主搬送機構Tは冷却ユニットCPにアクセスする。冷却ユニットCPには既に冷却処理が終了した他の基板Wがある。主搬送機構Tは空の(基板Wを保持していない)保持アーム57で他の基板Wを保持して冷却ユニットCPから搬出するとともに、載置部PASS1Aから受け取った基板Wを冷却ユニットCPに搬入する。そして、主搬送機構Tは冷却された基板Wを保持して反射防止膜用塗布処理ユニットBARCに移動する。冷却ユニットCPは搬入された基板Wに対して冷却処理を開始する(ステップS2)。この熱処理(冷却)は、当該冷却処理ユニットCPに主搬送機構Tが次にアクセスする際には既に終了している。以下の説明では、その他の各種の熱処理ユニット41や塗布処理ユニット31においても、主搬送機構Tがアクセスする際に、それぞれ所定の処理を終えた基板Wが既にあるものとする。
【0117】
反射防止膜用塗布処理ユニットBARCにアクセスすると、主搬送機構Tは反射防止膜用塗布処理ユニットBARCから反射防止膜が形成された基板Wを搬出するとともに、冷却された基板Wを反射防止膜用塗布処理ユニットBARCの回転保持部32に置く。その後、主搬送機構Tは反射防止膜が形成された基板Wを保持して加熱冷却ユニットPHPに移動する。反射防止膜用塗布処理ユニットBARCは回転保持部32に載置された基板Wに対して反射防止膜材料塗布処理を開始する(ステップS3a)。
【0118】
具体的には、回転保持部32が基板Wを水平姿勢で回転させるとともに、把持部36で一のノズル35を把持し、ノズル移動機構37の駆動により把持したノズル35を基板Wの上方に移動させ、ノズル35から反射防止膜用の処理液を基板Wに供給する。供給された処理液は基板Wの全面に広がり、基板Wから捨てられる。カップ33は捨てられた処理液を回収する。このようにして、基板Wに反射防止膜を塗布形成する処理が行われる。
【0119】
主搬送機構Tは加熱冷却ユニットPHPにアクセスすると、加熱冷却ユニットPHPから熱処理が済んだ基板Wを搬出するとともに、反射防止膜が形成された基板Wを加熱冷却ユニットPHPに投入する。その後、主搬送機構Tは加熱冷却ユニットPHPから搬出した基板Wを保持して冷却ユニットCPに移動する。加熱冷却ユニットPHPでは2つのプレート43上に順次、基板Wを載置して、一のプレート43上で基板Wを加熱した後に他のプレート43上で基板Wを冷却する(ステップS4a)。
【0120】
主搬送機構Tは冷却ユニットCPに移動すると、冷却ユニットCP内の基板Wを搬出するとともに、保持している基板Wを冷却ユニットCPに搬入する。冷却ユニットCPは搬入された基板Wを冷却する(ステップS5a)。
【0121】
続いて、主搬送機構Tはレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTに移動する。そして、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTからレジスト膜が形成された基板Wを搬出するとともに、保持している基板Wをレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTに搬入する。レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTは搬入された基板Wを回転させつつレジスト膜材料を塗布する(ステップS6a)。
【0122】
主搬送機構Tはさらに加熱冷却ユニットPHPと冷却ユニットCPに移動する。そして、レジスト膜が形成された基板Wを加熱冷却ユニットPHPに搬入し、加熱冷却ユニット部PHPで処理が済んだ基板Wを冷却ユニットCPに移すとともに、この冷却ユニットCPにおいて処理が済んだ基板Wを受け取る。加熱冷却ユニットPHPと冷却ユニットCPはそれぞれ未処理の基板Wに所定の処理を行う(ステップS7a、ステップS8a)。
【0123】
主搬送機構Tは載置部PASSに移動して、保持している基板Wを載置部PASS2Aに載置し(ステップS9a)、載置部PASS2Bに載置されている基板Wを受け取る(ステップS21a)。
【0124】
その後、主搬送機構Tは再び載置部PASSにアクセスして上述した動作を繰り返し行う。この動作は第2コントローラ94によって制御されている。これにより、カセットCから載置部PASSに搬送された基板Wは全て、塗布セルC1において各種処理ユニット間を上述した搬送経路で搬送され、搬送された各処理ユニットで所定の処理が順次行われる。
【0125】
また、主搬送機構Tは、載置部PASSに搬送された基板Wを所定の処理ユニット(本実施例では冷却ユニットCP)に搬送するとともに、当該処理ユニットから処理済の基板Wを取り出す。引き続いて、取り出した基板Wを次の処理ユニット(本実施例で反射防止膜用塗布処理ユニットBARC)に搬送するとともにこの処理ユニットから処理済みの基板Wを取り出す。このように、各処理ユニットで処理が済んだ基板Wをそれぞれ新たな処理ユニットに移すことで、複数の基板Wについて並行して処理を進める。そして、先に載置部PASSに載置された基板Wから順に載置部PASSに載置して、現像セルC2へ払いだす。同様に、先に載置部PASSに載置された基板Wから順に載置部PASSに載置して、ID部1へ払い出す。
【0126】
[主搬送機構T、T
主搬送機構Tの動作は主搬送機構Tの動作と略同じであるので、主搬送機構Tについてのみ説明する。主搬送機構Tは載置部PASSに対向する位置に移動する。このとき、主搬送機構Tは直前にアクセスした冷却ユニットCPから受け取った基板Wを保持している。主搬送機構Tは保持している基板Wを載置部PASS2Bに載置するとともに(ステップS21a)、載置部PASS2Aに載置されている基板Wを保持する(ステップS9a)。
【0127】
主搬送機構Tはエッジ露光ユニットEEWにアクセスする。そして、エッジ露光ユニットEEWで所定の処理が行われた基板Wを受け取るととともに、冷却された基板Wをエッジ露光ユニットEEWに搬入する。エッジ露光ユニットEEWは搬入された基板Wを回転させつつ、図示省略の光照射部から基板Wの周縁部に光を照射する。これにより基板Wの周辺を露光する(ステップS10a)。
【0128】
主搬送機構Tはエッジ露光ユニットEEWから受け取った基板Wを保持して載置部PASSにアクセスする。そして、保持している基板Wを載置部PASS5Aに載置し(ステップS11a)、載置部PASS5Bに載置されている基板Wを保持する(ステップS16a)。
【0129】
主搬送機構Tは冷却ユニットCPに移動して、保持している基板Wを冷却ユニットCP内の基板Wと入れ換える。主搬送機構Tは冷却処理が済んだ基板Wを保持して現像処理ユニットDEVにアクセスする。冷却ユニットCPは新たに搬入された基板Wに対して処理を開始する(ステップS17a)。
【0130】
主搬送機構Tは現像処理ユニットDEVから現像された基板Wを搬出するとともに、冷却された基板Wを現像処理ユニットDEVの回転保持部77に置く。現像処理ユニットDEVは回転保持部77に置かれた基板Wを現像する(ステップS18a)。具体的には、回転保持部77が基板Wを水平姿勢で回転させつつ、いずれかのスリットノズル81aから基板Wに現像液を供給して基板Wを現像する。
【0131】
主搬送機構Tは現像された基板Wを保持して加熱ユニットHPにアクセスする。そして、加熱ユニットHPから基板Wを搬出するとともに、保持する基板Wを加熱ユニットHPに投入する。続いて、主搬送機構Tは加熱ユニットHPから搬出した基板Wを冷却ユニットCPに搬送するとともに、この冷却ユニットCPにおいて既に処理が済んだ基板Wを取り出す。加熱ユニットHPと冷却ユニットCPはそれぞれ未処理の基板Wに所定の処理を行う(ステップS19a、ステップS20a)。
【0132】
その後、主搬送機構Tは再び載置部PASSにアクセスして上述した動作を繰り返し行う。なお、この動作は第3コントローラ95によって制御されている。これにより、載置部PASS2Aに載置された順番どおりに基板Wが載置部PASS5Aに払い出される。同様に、また、基板Wを載置部PASS5Bに載置された順番どおりに基板Wが載置部PASS2Bに払い出される。
【0133】
[IF用搬送機構TIF〜第1搬送機構TIFA
第1搬送機構TIFAは載置部PASSにアクセスし、載置部PASS5Aに載置される基板Wを受け取る(ステップS11a)。第1搬送機構TIFAは受け取った基板Wを保持して載置部PASS−CPに移動し、載置部PASS−CP内に搬入する(ステップS12)。
次に、第1搬送機構TIFAは載置部PASSから基板Wを受け取り(ステップS14)、加熱冷却ユニットPHPに対向する位置に移動する。そして、第1搬送機構TIFAは加熱冷却ユニットPHPからすでに露光後加熱(PEB)処理が済んだ基板Wを取り出し、載置部PASSから受け取った基板Wを加熱冷却ユニットPHPに搬入する。加熱冷却ユニットPHPは未処理の基板Wを熱処理する(ステップS15)。
【0134】
第1搬送機構TIFAは加熱冷却ユニットPHPから取り出した基板Wを載置部PASS5Bに搬送する(ステップS16a)。続いて、第1搬送機構TIFAは載置部PASS6Aに載置される基板Wを載置部PASS−CPに搬送する(ステップS11b、S12)。次に、第1搬送機構TIFAは載置部PASSから加熱冷却ユニットPHPに搬送する。このとき、既に加熱冷却ユニットPHPにおける露光後加熱(PEB)処理が済んだ基板Wを取り出して載置部PASS4Bに載置する(ステップS14、S15b、S16b)。
【0135】
その後、第1搬送機構TIFAは再び載置部PASSにアクセスして上述した動作を繰り返し行う。なお、この動作は第6コントローラ98によって制御されている。
【0136】
[IF用搬送機構TIF〜第2搬送機構TIFB
第2搬送機構TIFBは載置部PASS−CPから基板Wを取り出して、露光機EXPに搬送する。露光機EXPでは基板Wを露光する(ステップS13)。そして、露光機EXPから払い出される露光済みの基板Wを受け取ると、載置部PASSに搬送する。
【0137】
その後、第2搬送機構TIFBは再び載置部PASS−CPにアクセスして上述した動作を繰り返し行う。
【0138】
[2.本装置の特徴的な動作]
次に、本実施例の特徴的な動作を説明する。ここでは、塗布セルC1における主搬送機構Tの搬送動作を例にとって説明する。また、説明を簡略にするため、主搬送機構Tの搬送動作を、図11におけるステップS6aからステップS8aまでとして説明する。
【0139】
さらに前提として、塗布セルC1は、ステップS6aで使用するレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTを3台、ステップS7aで使用する加熱冷却ユニットPHPを2台、ステップS8aで使用する冷却ユニットCPを1台、を備えているものとする。以下では、これらを各処理ユニットを区別するために、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTa、「RESISTb、RESISTc、と記載する。同様に、加熱冷却ユニットPHPa、PHPbと記載する。
【0140】
また、各レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTが基板Wを1枚処理するのに要する処理時間、すなわち、種類別単位時間を60秒とする。同様に、各加熱冷却ユニットPHPの種類別単位時間を40秒、各冷却ユニットCPの種類別単位時間を20秒とする。
【0141】
この前提では、各レジスト膜用塗布処理ユニットRESIST、各加熱冷却ユニットPHP、冷却ユニットCPが、この発明における処理部に相当する。また、主搬送機構Tが搬送部に相当する。また、バッファ部BF2が、この発明におけるバッファ部に相当する。ただし、この発明における処理部、搬送部、および、バッファ部は、これら各構成のみに限定されない。
【0142】
図13を参照する。図13は制御部90の処理手順を示すフローチャートである。
【0143】
<ステップV1> 使用処理部の設定
ユーザーは、入力部101を操作して使用処理部を指定する。制御部90は、入力部101が受け付けた命令に基づいて、指定された処理ユニットを使用処理部と決定する。また、使用処理部に指定されなかった処理ユニットを待機処理部に決定する。
【0144】
<ステップV2> 搬送周期と搬送先の設定
レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTの種類別処理時間を、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTの数で除して、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTの種類別処理時間を算出する。同様な手法で、加熱冷却ユニットPHPおよび冷却ユニットCPの各種類別処理時間を算出する。そして、最も長い種類別処理時間を、搬送周期に設定する。また、使用処理部と決定した各種の処理ユニットを搬送先と設定する。
【0145】
たとえば、全ての処理ユニットが使用処理部と決定された場合は次のようになる。すなわち、レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTは3台であるので、その種類別処理時間は20秒である。加熱冷却ユニットPHPは2台であるので、その種類別処理時間は20秒である。冷却ユニットCPは1台であるので、その種類別処理時間は20秒である。よって、制御部90は、これらの中で最も長い種類別処理時間である20秒を搬送周期と設定する。また、全ての処理ユニットRESISTa、RESISTb、RESISTc、PHPa、PHPb、CPを搬送先と設定する。
【0146】
<ステップV3> 搬送制御
制御部90は設定した搬送周期ごとに、使用処理部のみを搬送先として、主搬送機構Tを動作させる。
【0147】
<ステップV4> 異常状態の使用処理部があるか?
制御部90は、各検知部ER1〜ER7の検知結果に基づいて使用処理部が異常状態であるか否かを監視する。そして、異常状態の使用処理部がない場合はステップV3に戻り、上述した搬送動作を繰り返す。
【0148】
ここで、図14を参照する。図14は、処理の工程を例示するタイミングチャートである。図14において、符号u1、u2、u3、……を付記した黒三角は、各搬送周期t1、t2、t3、…における主搬送機構Tの搬送動作を模式的に示している。図15は、図14に示す搬送動作u1、u2、u3、…における主搬送機構Tの具体的な動作を示す図である。図14、図15は、全ての処理ユニットが使用処理部と決定された場合であって、異常状態の使用処理部がないときの動作を例示している。
【0149】
図14に示すように、全ての処理ユニットRESISTa、RESISTb、RESISTc、PHPa、PHPb、CPに基板Wが搬送されている。また、各搬送動作uは、搬送周期(20秒)ごとに行われている。
【0150】
搬送周期t4における搬送動作u4に注目すると、搬送動作u4は、主搬送機構Tによる以下の一連に動作に相当する。まず、主搬送機構Tはレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTaに対して基板W6を搬出するとともに、基板W9を搬入する。続いて、加熱冷却ユニットPHPaに対して基板W4を搬出するとともに、基板W6は搬入する。最後に、冷却ユニットCPに対して基板W3を搬出するともに、基板W4を搬入する。
【0151】
ふたたび、ステップV4の説明をする。異常状態の使用処理部がある場合はステップV5に進む。
【0152】
<ステップV5> 使用処理部の変更
制御部90は、異常状態となった使用処理部を待機処理部に変更する。
【0153】
<ステップV6> 搬送周期と搬送先の更新
制御部90は、それまでの搬送周期を、変更された使用処理部の数に基づいて得られる搬送周期に更新する。また、制御部90は、搬送先についても変更された使用処理部のみを搬送先とするように更新する。これにより、ステップV4で異常状態であると検知された処理ユニットは、搬送先から外れる。
【0154】
<ステップV7> 強制的に搬送可能か?
続いて、制御部90は、搬送先から外れた処理ユニットに強制的に搬送可能か否かを判断する。「強制的に搬送可能」とは、主搬送機構Tに障害、損傷、機能低下が生じることなく搬送部が処理部に基板を搬入/搬出できることである。したがって、その処理部が基板を一定の品質以上で処理できるか否かとは関係がない。また、この搬送可能か否かの判断の際、ステップV6で搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期tにおける搬送動作uにおいては搬送先から外れた処理ユニットに基板Wを搬送しない場合は一律に、搬送可能と判断する(後述する「動作例2」に対応する)。
【0155】
制御部90が強制的に搬送可能と判断したときは、ステップV8に進む。また、制御部90が強制的に搬送可能でないと判断したときはステップV9に進む。
【0156】
<ステップV8> 強制搬送
制御部90は、ステップV6で搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期tにおける搬送動作uにおいてはそのまま続行させる。具体的には、搬送先からはずれた処理ユニットに対しても基板Wを搬出するとともに、基板Wを搬入する。
【0157】
<ステップV9> バッファ部に搬送
制御部90は、ステップV6で搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期tにおける搬送動作uにおいて、搬送先から外れた処理ユニットに対する基板搬送を中止させる。そして、搬送先からはずれた処理ユニットに搬入する予定であった基板Wをバッファ部に載置する。
【0158】
<ステップV10> 搬送制御の切り替え
ステップV6で搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期tにおける搬送動作uが終了すると、制御部90は主搬送機構Tの搬送制御を切り替えて、ステップV3に進む。ステップV3では、更新された搬送周期および搬送先に基づいて主搬送機構Tを制御する。
【0159】
ここで、ステップV4〜V8、V3の動作例1、2、および、ステップV4〜V7、V9、V3の動作例3をそれぞれ例示する。
【0160】
前提として、加熱冷却ユニットPHPaが異常状態であると判断し(ステップV4)、加熱冷却ユニットPHPaを使用処理部から待機処理部に変更した(ステップV5)場合を例にとる。この場合、加熱冷却ユニットPHPは1台となるので、その種類別処理時間は40秒である。レジスト膜用塗布処理ユニットRESISTの種類別処理時間は20秒、冷却ユニットCPの種類別処理時間は20秒のままであるので、搬送周期は40秒に更新される(ステップV6)。また、搬送先は、処理ユニットRESISTa、RESISTb、RESISTc、PHPb、CPに更新され、搬送先から外れるのは加熱冷却ユニットPHPaである(ステップV6)。
【0161】
〈動作例1:ステップV4〜V8、V10、V3〉
制御部90は、この搬送先の更新を搬送周期t4の進行中に行い(ステップV6)、加熱冷却ユニットPHPaに強制的に基板Wを搬送可能と判断した(ステップV7)場合で説明する。
【0162】
この場合、主搬送機構Tによる基板搬送は図16、図17に示す通りとなる。図16は、処理の工程を例示するタイミングチャートであり、図16(a)は搬送先の更新前の期間のみを示し、(b)は搬送先の更新の前後の期間を示す。図17は、図16(b)に示す搬送動作u4以降を模式的に示す図である。
【0163】
図16(b)と図17に示すように、更新した時点で進行中の搬送周期t4における搬送動作u4自体は、図14、図15と同じである。すなわち、まず、主搬送機構Tはレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTaに対して基板W6を搬出するとともに、基板W9を搬入する。続いて、加熱冷却ユニットPHPaに対して基板W4を搬出するとともに、基板W6は搬入する。最後に、冷却ユニットCPに対して基板W3を搬出するともに、基板W4を搬入する。このように、制御部90は、搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期t4における搬送動作u4については、そのまま続行させる。
【0164】
続く搬送周期t5から、更新後の搬送先および搬送周期に基づく搬送制御に切り替わる(ステップV10、V3)。具体的には、搬送動作u5以降、搬送先から加熱冷却ユニットPHPaを外す。この結果、基板W6は加熱冷却ユニットPHPa内に搬入されたままとなる。また、搬送先の更新時に進行中である搬送周期t4の次に新たに始まる最初の搬送周期t5以降では、搬送周期tを40秒に変更している。また、図16(b)に明示するように、更新された搬送周期に切り替わる最初の搬送周期t5は、直前の搬送周期t4の開始から20秒経過した時点で開始されている。すなわち、搬送周期t4の進行中に搬送期間を更新した場合であって更新の前後で搬送周期の期間が変わったときでも、制御部90は搬送周期t4については更新前の搬送周期(20秒)のまま、維持する。
【0165】
〈動作例2:ステップV4〜V8、V10、V3〉
強制的に搬送可能と判断したときの動作例をもう一つ例示する。上述の前提において、制御部90は、搬送先の更新を搬送周期t5の進行中に行い(ステップV6)場合で説明する。この場合、加熱冷却ユニットPHPaには搬送周期t5における搬送動作u5では基板Wを搬送しないので、強制的に搬送可能と判断する(ステップV7)。
【0166】
この場合、主搬送機構Tによる基板搬送は図18、図19に示す通りとなる。図18は、処理の工程を例示するタイミングチャートであり、図18(a)は搬送先の更新前の期間のみを示し、(b)は搬送先の更新の前後の期間を示す。図19は、図18(b)に示す搬送動作u5以降を模式的に示す図である。
【0167】
図18(b)と図19に示すように、更新した時点で進行中の搬送周期t5における搬送動作u5自体は、図14、図15と同じである。すなわち、まず、主搬送機構Tはレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTbに対して基板W7を搬出するとともに、基板W10を搬入する。続いて、加熱冷却ユニットPHPbに対して基板W5を搬出するとともに、基板W7は搬入する。最後に、冷却ユニットCPに対して基板W4を搬出するともに、基板W5を搬入する。このように、制御部90は、搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期t5における搬送動作u5については、そのまま続行させる。
【0168】
続く搬送周期t6から、更新後の搬送先および更新後の搬送周期に基づく搬送制御に切り替わる(ステップV10、V3)。具体的には、搬送動作u6以降、搬送先から加熱冷却ユニットPHPaを外す。この結果、基板W6は加熱冷却ユニットPHPa内に搬入されたままとなる。また、搬送周期t6以降では、搬送周期tを40秒に変更している。また、図18(b)に明示するように、更新された搬送周期に切り替わる最初の搬送周期t6は、直前の搬送周期t5の開始から40秒経過した時点で開始されている。すなわち、搬送周期t5の進行中に搬送期間を更新した場合であって更新の前後で搬送周期tの期間が変わったときに、更新後の最初の搬送周期t6を、直前の搬送周期t5の始期から更新後の搬送周期t(40秒)に相当する時間が経過したときに、開始させる。
【0169】
〈動作例3:ステップV4〜V7、V9、V10、V3〉
次に、強制的に搬送可能でないと判断したときの動作例を例示する。ここでは、制御部90は、上述した搬送先の更新を搬送周期t4の進行中に行い(ステップV6)、加熱冷却ユニットPHPaに強制的に基板Wを搬送可能ではないと判断した(ステップV7)場合で説明する。
【0170】
この場合、主搬送機構Tによる基板搬送は図20、図21に示す通りとなる。図20は、処理の工程を例示するタイミングチャートであり、図20(a)は搬送先の更新前の期間のみを示し、(b)は搬送先の更新の前後の期間を示す。図21は、図20(b)に示す搬送動作u4以降を模式的に示す図である。
【0171】
図18(b)と図19に示すように、まず、主搬送機構Tはレジスト膜用塗布処理ユニットRESISTaに対して基板W6を搬出するとともに、基板W9を搬入する。続いて、加熱冷却ユニットPHPaに基板W6を搬送することを中止する。そして、基板W6をバッファ部BF2に載置する。最後に、冷却ユニットCPに対して基板W3を搬出する。このように、制御部90は、搬送先を更新した時点で進行中の搬送周期t4における搬送動作u4において、加熱冷却ユニットPHPaに基板W6を搬入することを中止し、加熱冷却ユニットPHPaに搬入する予定であった基板W6をバッファ部BF2に載置させる。
【0172】
続く搬送周期t5から、更新後の搬送先および搬送周期に基づく搬送制御に切り替わる(ステップV10、V3)。具体的には、搬送動作u5以降、搬送先から加熱冷却ユニットPHPaを外す。この結果、基板W6はバッファ部BF2に載置されたままとなる。また、搬送周期t5、t6、…を40秒に変更している。
【0173】
このように、実施例1に係る基板処理装置によれば、制御部90は各処理ユニットを使用処理部と待機処理部とに区別して、使用処理部のみに応じた搬送周期と搬送先によって搬送部を制御する。これにより、常に搬送周期を適切な期間に保つことができ、搬送先を実際に基板Wを搬送する処理ユニットのみに絞ることができる。したがって、塗布セルC1が備える処理ユニットの全てが使用処理部である場合は勿論のこと、塗布セルC1が備える処理ユニットの一部が使用処理部である場合であっても、基板Wを効率よく搬送して、複数種類の処理を所定の順番通りに基板Wに行うことができる。
【0174】
また、上述した実施例では、説明の便宜上、塗布セルC1のみに着目して行ったが、他のセルC2ないしC4についても同様である。したがって、本装置10によれば、本装置10が備える処理ユニットの全てが使用処理部である場合は勿論のこと、本装置10が備える処理ユニットの一部が使用処理部である場合であっても、基板Wを効率よく搬送して、複数種類の処理を所定の順番通りに基板Wに行うことができる。
【0175】
また、制御部90が使用処理部を変更した場合、制御部90は、搬送周期および搬送先を、変更後の使用処理部に応じた搬送周期および搬送先に更新し、更新した搬送周期および搬送先に基づいて主搬送機構TないしTを制御する。これにより、使用処理部を変更した場合であっても、複数種類の処理を行う順番を所定の順番のまま変えないので、基板Wを好適に処理することができる。
【0176】
また、制御部90は、使用処理部に指定されている処理部が異常状態であると判断すると自動的に待機処理部に変更する(ステップV4、V5)ので、基板処理を円滑に継続することができる。
【0177】
また、制御部90は、主搬送機構Tの動作中に搬送先を更新した場合、更新した後に新しく始まる搬送周期tから更新後の搬送先のみに基板Wを搬送させるように、主搬送機構Tの制御を切り替える。これにより、主搬送機構Tが動作しているときに搬送先を更新しても、制御部90は主搬送機構Tの動作中に主搬送機構Tの搬送先を原則として切り替えない。この結果、各搬送周期tにおける搬送動作uを、動作開始前に原則的に確定させることができる。よって、搬送部を確実かつ円滑に制御することができる。
【0178】
ただし、主搬送機構Tの動作中に搬送先を更新し、更新の前後で搬送先から外れる処理ユニットがある場合に、搬送先から外れた処理ユニットに基板を強制的に搬送可能でないと判断したときは、その処理ユニットに基板Wを搬送することを中止させる。これにより主搬送機構Tが搬送不能に陥ることを回避することができる。この場合、本装置10はバッファ部BF2を備えているので、搬送先から外れた処理ユニットに搬送する予定であった基板Wをバッファ部に載置させる。これにより、主搬送機構Tのその後の搬送動作uを好適に継続することができる。
【0179】
他方、搬送可能であると判断したときは、主搬送機構Tは当該処理ユニットに対しても基板搬送を続行する。これにより、主搬送機構Tの搬送動作の途中で搬送先を変更することを極力回避することができる。
【0180】
また、入力部101を備えているので、ユーザーは使用処理部を任意に指定することができる。
【0181】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0182】
(1)上述した実施例では、入力部101を備え、ユーザーから任意の処理ユニットを使用処理部に指定する命令を受け付けていたが、これに限られない。たとえば、制御部90は、異常状態でない処理ユニットを使用処理部に設定するように構成してもよい。この場合、ステップV1において、制御部90は各検知部ER1〜ER7の検知結果に基づいて各処理ユニットを使用処理部または待機処理部に自動的に決定することができ、ユーザーによる設定作業を省略することができる。
【0183】
(2)上述した実施例では、レジスト膜用塗布処理ユニットRESIST、加熱冷却ユニットPHPおよび冷却ユニットCPの各種類別処理時間のうち、最も長い種類別処理時間を、搬送周期に設定する(ステップV2)と説明したが、搬送周期の算出方法はこれに限られない。たとえば、最も長い種類別処理時間に所定時間を加えた時間を搬送周期としてもよい。
【0184】
(3)上述した実施例では、制御部90は、異常状態の使用処理部があると判断したときは(ステップV4)、その使用処理部に設定されている処理ユニットを待機処理部に変更するように構成されていた(ステップV5)が、これに限られない。たとえば、ユーザーが使用処理部から待機処理部に変更する命令を入力部101が受け付けるように構成して、制御部90は、入力部101が受け付けた命令に基づいて使用処理部の変更を行うように構成してもよい。この変形例によれば、装置10が基板Wに処理を行っているときでも、ユーザーが任意に使用処理部を変更することができる。
【0185】
また、制御部90は、待機処理部の処理ユニットが異常状態でなくなったか否かの判断をし、異常状態でなくなった待機処理部を使用処理部に変更するように構成してもよい。あるいは、ユーザーが待機処理部から使用処理部に変更する命令を入力部101が受け付けるように構成して、制御部90は、ユーザーの命令に基づいて待機処理部から使用処理部への変更を行うように構成してもよい。この変形例によれば、正常な処理ユニットを自動的に全て稼動させることができ、本装置10の処理能力を高く保つことができる。
【0186】
(4)上述した実施例において、ステップV4〜V8、V10、V3の動作例として動作例1を具体的に例示した。ここで、動作例1では、搬送先から外れた加熱冷却ユニットPHPaから搬出した基板W4を冷却ユニットCPに搬入すると説明したが、これに限られない。たとえば、加熱冷却ユニットPHPaから搬出した基板W4を、バッファ部BF2に搬送し、基板W4に冷却処理を行うことを中止するように変更してもよい。これにより、基板Wの処理品質がばらつくことを未然に回避することができる。
【0187】
(5)上述した実施例では、動作例1において、搬送先から外れた加熱冷却ユニットPHPaに、基板W6を搬入すると説明したが、これに限られない。たとえば、加熱冷却ユニットPHPaに強制的に基板Wを搬送可能と判断しても、当該加熱冷却ユニットPHPaに搬入する予定の基板W6を、バッファ部BF2に搬送するように変更してもよい。
【0188】
(6)上述した実施例において、動作例1および動作例3では、搬送周期の更新時に進行中である搬送周期t4の次に新たに始まる最初の搬送周期t5から、更新後の搬送周期t(40秒)に変更すると説明した。同様に、動作例2では、搬送周期の更新時に進行中である搬送周期t5の次に新たに始まる最初の搬送周期t6から、更新後の搬送周期t(40秒)に変更すると説明した。しかしながら、更新後の搬送周期t(40秒)に切り替わるのは、搬送周期の更新時に進行中の搬送周期tの次に新たに始まる最初の搬送周期からでなくてもよい。たとえば、搬送周期t4の進行中に搬送周期tが変わった場合には、搬送周期t6、あるいは、それ以降の搬送周期tから更新後の搬送周期t(40秒)に切り替えるように変更してもよい。
【0189】
同様に、動作例1および動作例3では、搬送先が更新された時点で進行中の搬送周期t4の次の搬送周期t5以降、更新後の搬送先に切り替わったが、これに限られない。すなわち、搬送周期t4の進行中に搬送先が変わった場合には、搬送周期t6、あるいは、それ以降の搬送周期tから更新後の搬送先に切り替えるように変更してもよい。
【0190】
(7)上述した実施例では、制御部90は各処理ユニットを使用処理部と待機処理部に区別して制御していたが、これに限られない。たとえば、塗布セルC1、C3、現像セルC2、C4を使用処理部と待機処理部に区別して制御してもよい。この場合、塗布セルC1、C3がそれぞれ使用処理部か否かによって、ID用搬送機構TIDの基板搬送を制御し、現像セルC2、C4がそれぞれ使用処理部か否かによって、IF用搬送機構TIFの基板搬送を制御するように変更する。これにより、制御部90は、使用処理部に変更があっても、各塗布セルC1、C3による基板Wにレジスト膜を形成する処理と、各現像セルC2、C4による基板Wを現像する処理と、この順番で行うように制御する。なお、この変形例の場合、各セルC1ないしc4は、この発明における処理部に相当する。また、ID用搬送機構TIDとIF用搬送機構TIFは、この発明における搬送部に相当する。
【0191】
(8)上述した実施例では、各セルC1ないしC4において、それぞれ複数種類の処理の順番を例示したが、これに限られることなく、適宜に変更してもよい。
【0192】
(9)上述した実施例では、各処理ユニットの種類別の数、および、各処理ユニットユニットの種類別単位処理時間を例示したが、これに限られるものではない。いずれかの種類の処理ユニットが複数であれば、他の種類の処理ユニットは単一であってもよい。また、全ての種類の処理ユニットを複数としてもよい。
【0193】
(10)上述した実施例では、複数のセルC1ないしC4を備える構成であったが、これに限られない。単一のセルCのみを備える装置であってもよい。
【0194】
(11)上述した実施例では、塗布セルC1と現像セルC2の列、および、塗布セルC3と現像セルC4の列を備えるものであったが、これに限られない。セルCの列は単一であってもよいし、3以上であってもよい。
【0195】
(12)上述した実施例では、基板Wにレジスト膜を形成する処理や、露光後加熱(PEB)処理、現像処理を行うものであったが、これに限られない。たとえば、洗浄処理などその他の処理を基板Wに行う装置に変更してもよい。
【0196】
(13)上述した実施例および上記(1)から(12)の各変形例で説明した各構成を適宜に組み合わせて構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】基板処理装置が有する処理ユニットの配置を示す概略側面図である。
【図3】基板処理装置が有する処理ユニットの配置を示す概略側面図である。
【図4】図1におけるa−a矢視の各垂直断面図である。
【図5】図1におけるb−b矢視の各垂直断面図である。
【図6】図1におけるc−c矢視の各垂直断面図である。
【図7】図1におけるd−d矢視の各垂直断面図である。
【図8】(a)は塗布処理ユニットの平面図であり、(b)は塗布処理ユニットの断面図である。
【図9】主搬送機構の斜視図である。
【図10】実施例に係る基板処理装置の制御ブロック図である。
【図11】基板に行う一連の処理をフローチャートである。
【図12】各搬送機構がそれぞれ繰り返し行う動作を模式的に示す図である。
【図13】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】処理の工程を例示するタイミングチャートである。
【図15】図14に示す各搬送動作における、主搬送機構の具体的な動作手順を示す図である。
【図16】処理の工程を例示するタイミングチャートであり、(a)は搬送先の更新前の期間のみを示し、(b)は搬送先の更新の前後の期間を示す。
【図17】図16(b)に示す各搬送動作における、主搬送機構の具体的な動作手順を示す図である。
【図18】処理の工程を例示するタイミングチャートであり、(a)は搬送先の更新前の期間のみを示し、(b)は搬送先の更新の前後の期間を示す。
【図19】図18(b)に示す各搬送動作における、主搬送機構の具体的な動作手順を示す図である。
【図20】処理の工程を例示するタイミングチャートであり、(a)は搬送先の更新前の期間のみを示し、(b)は搬送先の更新の前後の期間を示す。
【図21】図20(b)に示す各搬送動作における、主搬送機構の具体的な動作手順を示す図である。
【符号の説明】
【0198】
1 … インデクサ部(ID部)
5 … インターフェイス部(IF部)
31 … 塗布処理ユニット
41、42 … 熱処理ユニット
90 … 制御部
101 … 入力部
C1、c3 … 塗布セル
C2、C4 … 現像セル
Ba、Bb … 処理ブロック
RESIST … レジスト膜用塗布処理ユニット
HP … 加熱ユニット
CP、CPa、CPb … 冷却ユニット
DEV … 現像処理ユニット
EEW … エッジ露光ユニット
ID… ID用搬送機構
、T、T、T … 主搬送機構
IF … IF用搬送機構
IFA … 第1搬送機構
IFB … 第2搬送機構
PASS、PASS−CP … 載置部
BF2、BF4、BFIF … バッファ部
ER1〜ER7 … 検知部
、A、A、A … 搬送スペース
EXP … 露光機
C … カセット
W … 基板
t … 搬送周期
u … 搬送動作

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に複数種類の処理を所定の順番で行う基板処理装置において、
処理の種類ごとに設けられるとともに、少なくともいずれかの種類については複数設けられている処理部と、
各処理部に基板を搬送可能な搬送部と、
前記処理部のうち実際に基板を処理させる使用処理部と、実際に基板を処理させない待機処理部とに区別して、使用処理部の数に応じた搬送周期ごとに、各使用処理部のみを基板の搬送先として前記搬送部を動作させ、前記複数種類の処理を前記所定の順番通りに基板に行わせる制御部と、
を備えている基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、使用処理部を変更した場合であっても、前記所定の順番を変えることなく前記複数種類の処理を基板に行わせる基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、使用処理部を変更した場合は、搬送周期および搬送先を、変更後の使用処理部に応じた搬送周期および搬送先に更新し、更新した搬送周期および搬送先に基づいて前記搬送部を制御する基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
任意の処理部を使用処理部に指定する命令をユーザーから受け付ける入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部が受け付けた命令に基づいて使用処理部を決定する基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、使用処理部が異常状態である場合は、前記入力部が受け付けた命令に関わらず、その使用処理部を待機処理部に変更する基板処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記制御部は、異常状態でない処理部を使用処理部に決定する基板処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送先を更新した場合、更新した後に新しく始まる搬送周期から更新後の搬送先のみに基板を搬送させるように、前記搬送部の制御を切り替える基板処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送先を更新した場合であって更新の前後で搬送先から外れる処理部があるときは、
搬送先から外れた処理部に基板を強制的に搬送可能か否かを判断し、
搬送可能でないと判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部に基板を搬送することを中止させる基板処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の基板処理装置において、
基板を載置するバッファ部を備え、
前記搬送部は前記バッファ部に基板を搬送可能であり、
前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能でないと判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部に搬入する予定であった基板を前記バッファ部に載置させる基板処理装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部に対しても基板搬送を続行させる基板処理装置。
【請求項11】
請求項8に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部からも基板を搬出させる基板処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部にも基板を搬入させる基板処理装置。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の基板処理装置において、
基板を載置するバッファ部を備え、
前記搬送部は前記バッファ部に基板を搬送可能であり、
前記制御部は、搬送先から外れた処理部に強制的に搬送可能であると判断したときは、更新した時に進行中の搬送周期において搬送先から外れた処理部から搬出した基板を前記バッファ部に載置させる基板処理装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記制御部は、前記搬送部の動作中に搬送周期を更新した場合であって更新の前後で搬送周期の期間が変わったときは、更新した時に進行中の搬送周期の次から更新後の搬送周期に基づいて前記搬送部を制御する基板処理装置。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、前記搬送部の制御において更新前の搬送周期から更新後の搬送周期に切り替える場合、直前の搬送周期の始期から更新後の搬送周期に相当する時間が経過したときに、更新後の搬送周期を開始させる基板処理装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理部として、基板に処理液を供給する処理ユニットと、基板に熱処理を行う処理ユニットとを少なくとも有し、
前記搬送部は各処理ユニットに基板を搬送する単一の主搬送機構で構成される基板処理装置。
【請求項17】
請求項16に記載の基板処理装置において、
基板に処理液を供給する処理ユニットは、レジスト膜材料を基板に塗布するレジスト膜用塗布処理ユニット、および、基板に現像液を供給する現像処理ユニットの少なくともいずれかである基板処理装置。
【請求項18】
請求項16または請求項17に記載の基板処理装置において、
前記処理ユニットと前記主搬送機構とで構成されるセルを複数備えており、
前記制御部は各セルの前記主搬送機構を制御する基板処理装置。
【請求項19】
請求項1から請求項15のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理部として、複数の処理ユニットを含んで構成され、基板にレジスト膜を形成する処理を行う塗布セルと、複数の処理ユニットを含んで構成され、基板を現像する処理を行う現像セルとを少なくとも有する基板処理装置。
【請求項20】
請求項19に記載の基板処理装置において、
単一の塗布セルと単一の現像セルとによって相互に基板を受け渡し可能に構成されるセルの列を複数有し、
前記搬送部は、各塗布セルとの間で基板を搬送するインデクサ用搬送機構と、各現像セルとの間で基板を搬送するインターフェイス用搬送機構とを含んで構成されている基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−153473(P2010−153473A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327897(P2008−327897)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】