説明

大型基板洗浄装置

【課題】一辺が1mを超える大型ガラス基板の加工後の洗浄において、大型ガラス基板の各洗浄、乾燥工程間の搬送経路が短く、広い設置スペースを必要としないコンパクトな構成の大型基板洗浄装置を提供することにある。
【解決手段】薬液用スプレーノズル31と、該ノズルの上部に配置され、上方に非接触式洗浄ツールを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールを1つ以上32、33有し、且つ、1つ以上の上方に非接触式洗浄ツールを具備して対向する一対の接触式洗浄ツール33の最上部に配置された対向する一対のシャワーノズル34と、該ノズルの上部に配置された対向する一対のジェットノズル35とを有する洗浄部30と、洗浄部30の上方に配置された対向する一対のエアーナイフ41を具備する乾燥部40と、大型基板90を直立させて保持する基板保持搬送治具50と、洗浄部30の下方に配置された投入払出部60とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一辺が1mを超える大型ガラス基板の加工後の洗浄に係り、詳しくは、大型ガラス基板の各洗浄、乾燥工程間の搬送経路が短く、広い設置スペースを必要としないコンパクトな構成の大型基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルについては、その用途は小型携帯端末用から大型TV用まで多岐にわたり、大型化においては、最大基板サイズとして2200mm×2400mmクラス、フォトマスクサイズとして1200mm×1400mmクラスと大型化が進んでいる。このような大型基板は機械による研磨加工が終了すると、加工後の洗浄処理において、研磨剤が残留付着した基板表面に対して、人手による擦り洗いが行われている。これは、基板が大きく重いことにより人手による作業性が悪く、コスト高となるという問題を生じている。
【0003】
図4は、引用文献1における基板洗浄装置の概略図である。図4において、基板の洗浄を行う際、洗浄すべきガラス基板Rを収納部1から取り出して、ブラシ洗浄槽2の上方に配置する。このため基板Rは縦に保持された状態で経路6に従って搬送され、ブラシ洗浄槽2の上方に配置される。そして基板Rはブラシ洗浄槽2に搬入されると共に、基板Rの上端面Raが図4に示す位置aに配置され、純水噴出部7から純水が噴出される。
【0004】
次に基板Rはさらに降下して、洗浄液噴出部8からの洗浄液を受けつつ、回転ブラシ11によって、ブラッシングされる。このとき、基板Rの上端面Raの位置が図4に示す位置bから位置cまでの間を往復する。この往復運動は、異物の付着状態に応じて任意に回数だけ繰り返される。
【0005】
基板Rのブラッシング操作が終了すると、基板Rは再び位置aに配置される。純水部7から基板Rに純水が噴出され、所定時間、純水洗浄が行なわれる。この純水洗浄が終了する直前に、吸引装置21が駆動され、吸引部21aをガラス基板Rの上端面Raの上部(吸引位置)に配置して、吸引装置21の吸引動作が開始される。
【0006】
吸引装置21はガラス基板Rの上端面Raに残留する純水を吸引すると、回収ライン24を介してブラシ洗浄槽2の外に排出する。純水洗浄が所定の時間行なわれると純水噴出部7からの純水の噴出は停止される。このときまだ吸引装置21による吸引動作は行われている。吸引動作が停止すると、吸引装置21は初期位置へ移動する。この動作により、ブラシ洗浄槽2での洗浄が終了したときに基板Rの上端面Raに残留する純水をほぼ全て除去することが可能となる。
【0007】
ブラシ洗浄槽2における洗浄工程が終了すると、ブラシ洗浄槽2から基板Rを搬出して超音波洗浄槽3の上方に配置し、超音波洗浄槽3での洗浄工程が開始される。ガラス基板Rは上端面Raの位置を位置dに配置され、全体が超音波洗浄槽3の内槽3aに溜まっている純水に漬けられ、内槽3aの下部にある高周波振動子20による超音波洗浄が行なわれる。その後、基板Rの上端面Raは位置eへ配置されると共に、純水噴出部13からガラス基板Rの表面に純水が噴射され、超音波洗浄で落ちた異物の再付着を防ぐために純水リンスされる。
【0008】
所定の時間後、純水リンスが終了する直前に、吸引装置22は吸引部22aをガラス基板Rの上部(吸引位置)に配置し、吸引動作が開始される。このように、純水を噴射しているときから純水の噴射を停止した後まで、上端面Ra上の純水を取り除いているため、純水の噴射を停止した後に上端面Ra上に残留する純水をほぼ全て除去することが可能となる。
【0009】
超音波洗浄槽3での洗浄が終了すると、ガラス基板Rは蒸気槽4内に搬入され、IPA液の蒸気で充満した位置まで降下される。ガラス基板Rはその位置で所定の時間静止した後、冷却管15の高さまで上昇される。ここで、ガラス基板Rにまとわりついた蒸気は降下するか、又は冷却管15の方へ引き寄せられて凝縮する。以上の工程によりガラス基板Rは乾燥するので、蒸気槽4から搬出されて、隣の収納部1へ直ちに収納される。
【0010】
このように特許文献1の発明においては、ガラス基板の大きさについての記載は無いものの、基板Rは縦に保持された状態で経路6に従って搬送され、ブラシ洗浄槽2で位置b、c間を上下に往復させてブラシ洗浄が可能であるため、人手による擦り洗いを無くすことができる可能性がある。ところがこの基板洗浄装置によると、各洗浄及び乾燥工程がそれぞれ独立した処理槽で行なわれるため、経路6が長くなり、装置設置においても広い面積を必要とする。また、特許文献2においては、基板を垂直に立て、水平に搬送する搬送手段と、先端にスリット状の開口が開けられたノズルを有し、該開口を基板の主表面に一定の間隔で平行に保ち、純水を噴射する複数の超音波シャワーで構成される超音波洗浄装置が、特許文献3においては、基板の上端縁を保持して垂下させ、超音波洗浄素子が基板表面の横方向に渡って均一に、かつ上部から下部に洗浄液を吐出して洗浄し、これに追従したエアーナイフがエアーを吹付け洗浄液を除去する方法及び装置が記載されている。
【特許文献1】特開平7−114174号公報
【特許文献2】特開平8−57436号公報
【特許文献3】特開平10−286535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、一辺が1mを超える大型ガラス基板の加工後の洗浄において、大型ガラス基板の各洗浄、乾燥工程間の搬送経路が短く、広い設置スペースを必要としないコンパクトな構成の大型基板洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の大型基板洗浄装置は、一辺が1mを超える大型基板の加工後の洗浄を行う大型基板洗浄装置において、最下部に配置されて対向する一対の薬液用スプレーノズルと、該ノズルの上部に配置され、上方に非接触式洗浄ツールを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールを1つ以上有し、且つ、1つ以上の上方に非接触式洗浄ツールを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールの最上部に配置された対向する一対のシャワーノズルと、該ノズルの上部に配置された対向する一対のジェットノズルとを有する洗浄部と、洗浄部の上方に配置された対向する一対のエアーナイフを具備する乾燥部と、大型基板を直立させて保持し、洗浄部の対向する各々のノズル、ブラシ及び乾燥部の対向するナイフの対向間隔に投入される基板保持搬送治具と、洗浄部の下方に配置され基板保持搬送治具の対向間隔への投入及び払出のための投入払出部と、を有し、基板を直立させて保持した基板保持搬送治具が、投入払出部を介して洗浄部の対向する各々のノズル、ツール及び乾燥部の対向するナイフの対向間隔に投入されて上下動し、洗浄部において洗浄が行われ、且つ、乾燥部において乾燥が行われた後、投入払出部を介して払い出されることを特徴とする。
【0013】
本発明の大型基板洗浄装置のディスクブラシ及びロールブラシは、基板が投入されると該基板に接触し、回転しながら左右に移動し、それぞれの洗浄が終わると該基板に対し非接触となることを特徴とする。
【0014】
本発明の大型基板洗浄装置の基板保持搬送治具は、基板を直立させて保持する上辺部、下辺部及び側辺部がコ型形状に組み合わされて成り、上辺部、下辺部及び側辺部は、基板を固定するチャックコマをそれぞれ具備し、上辺部及び下辺部の端部に配置されたチャックコマは、基板がハンガーに納まるとコ型形状の内側に折れ込んで基板を固定する。上辺部は、さらに搬送用治具を具備し、上辺部及び下辺部の端部に配置されたチャックコマにより基板が固定されると、前記基板保持搬送治具は、搬送用治具により投入払出部へ搬送されることを特徴とする。
【0015】
本発明の大型基板洗浄装置のロール状ブラシ及びディスク状ブラシは、ナイロン、PVA、ポリウレタンのいずれかの材料で形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の大型基板洗浄装置のジェットノズルは、3流体ジェットノズル、2流体ジェットノズル、1流体ジェットノズル、超音波ジェットノズル及びスチームジェットノズルの内のいずれか1つ、又は任意の複数の組み合わせであることを特徴とする。
【0017】
本発明の大型基板洗浄装置のシャワーノズルから噴射されるリンス液は、純水又は10%以下のアンモニア水であることを特徴とする。
【0018】
本発明の大型基板洗浄装置の薬液用スプレーノズルから噴射される薬液は、無機酸類である硫酸又はフッ酸を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、大型ガラス基板の各洗浄、乾燥工程間の搬送経路は、最初に洗浄を行うための搬入経路と、乾燥後の搬出経路だけとなるため搬送経路が短く、各処理槽を1つにまとめることが可能となるため、広い設置スペースを必要としないコンパクトな構成で、且つ、手洗いによる洗浄を必要としない大型基板洗浄装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、本発明による大型基板洗浄装置の概略構成を示す装置構成図である。図1において、大型基板洗浄装置100は、洗浄部30と乾燥部40と投入払出部60と基板保持搬送治具50とを有している。洗浄部30は、最下部に配置された対向する一対の薬液用スプレーノズル31と、該ノズルの上部に配置され上方に非接触式洗浄ツールである洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールであるディスクブラシ32と、該ブラシの上部に配置され上方に非接触式洗浄ツールである洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールであるロールブラシ33と、該ブラシの上部に配置された対向する一対のシャワーノズル34と、該ノズルの上部に配置された対向する一対のジェットノズル35とを有している。
【0021】
一対の薬液用スプレーノズル31は薬液70にパイプ接続され、洗浄時には薬液70が供給される。上方に洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対のディスクブラシ32と、上方に洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対のロールブラシ33とは、それぞれ動力源80−1、80−2を具備している。動力源80−1、80−2は、洗浄時にそれぞれのブラシを前進させ、基板90に接触回転させると共に、左右に移動させてブラシ洗浄を行い、洗浄が終了するとブラシを後退させる。上方のそれぞれの洗剤スプレーノズルは洗剤溶液72にパイプ接続され、洗浄時には洗剤溶液72が供給される。
【0022】
一対のシャワーノズル34は、リンス液74にパイプ接続され、リンス洗浄において、リンス液74が供給される。一対のジェットノズル35は、混合部Mを具備している。混合部Mは、圧縮エア76、リンス液74、及び洗剤溶液72にパイプ接続され、仕上げ洗浄においてそれぞれの所定の量を混合し、ジェットノズル35に供給する。
【0023】
乾燥部40は、洗浄部30の上方に配置され、対向する一対のエアーナイフ41を具備し、且つ、基板保持搬送治具50が上下し、エアーナイフ41により基板90の最下部が乾燥可能なように、十分な空間を上方に有している。エアーナイフ41は、圧縮エア76にパイプ接続されている。投入払出部60は、洗浄部30の下方に配置され、洗浄のために基板90を保持した基板保持搬送治具50を洗浄部30の対向する各々のノズル、ブラシ及び乾燥部40の対向するナイフの対向間隔に投入すると共に、洗浄、乾燥後に払出すための搬送空間を有している。また、基板保持搬送治具50は、基板90を直立させて保持するコ型形状を有している。
【0024】
図2は、本願発明による大型基板洗浄装置の基板保持搬送治具の構造を示す構造図である。図2において、基板保持搬送治具50は、基板90を直立させて保持する上辺部51−1、下辺部51−2及び側辺部51−3がコ型形状に組み合わされて成り、基板90を固定するチャックコマ52−1〜52−7をそれぞれ具備している。上辺部51−1及び下辺部51−2の端部にそれぞれ配置されたチャックコマ52−1、52−2は、基板90が納まるとコ型形状の内側に折れ込んで基板90を固定する。上辺部51−1はさらに搬送用治具53−1、53−2を具備している。これらのチャックコマは、基板90の端部との接触部が、湾曲して凹んだ滑車構造をしているため、基板90の端部を形成する2辺のエッジの一部分と接触するだけで基板90を保持固定できる。
【0025】
図1及び図2において、基板90が基板保持搬送治具50に挿入されて、上辺部51−1及び下辺部51−2の端部にそれぞれ配置されたチャックコマ52−1、52−2により基板90が固定されると、基板保持搬送治具50は、この搬送用治具53−1、53−2により所定の経路(図示されず)を通って投入払出部60へ搬送され、投入される(矢印方向S1)。投入は、装置レイアウトに依存し、図面に平行な方向から投入されても良く、図面に垂直な方向から投入されても良い(矢印方向S2)。
【0026】
基板保持搬送治具50が投入払出部60へ投入されると、基板保持搬送治具50は洗浄部30の対向する各々のノズル、ブラシ及び乾燥部40の対向するナイフの対向間隔に投入されて、上下方向に所定の回数だけ往復運動をする(矢印方向S3)。このため、投入払出部60及び乾燥部40は、洗浄、乾燥における基板90の上下運動が必要とする空間を有している。
【0027】
基板保持搬送治具50の上端部が、洗浄部30の最下部に配置された対向する一対の薬液用スプレーノズル31の位置に投入されると、薬液用スプレーノズル31から薬液である無機酸類の硫酸又はフッ酸を含んだ液体が噴射される。基板保持搬送治具50は、薬液用スプレーノズル31に対して上下動し、基板90に付着している加工時の研磨剤等の汚れが除去される。所定の回数上下した後、液体の噴射は停止される。
【0028】
基板保持搬送治具50の上端部が上方に洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対のディスクブラシ32の位置に投入されると、洗剤スプレーノズルから洗剤溶液が噴射される。ディスクブラシ32は基板90に接触すると回転を開始すると共に左右に移動し、ブラシ洗浄を開始する。基板保持搬送治具50は、ディスクブラシ32に対して上下動し、基板90に付着している荒い汚れが除去される。所定の回数上下した後、ディスクブラシ32は後退し、洗剤溶液の噴射は停止される。
【0029】
基板保持搬送治具50の上端部が上方に洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対のロールブラシ33の位置に投入されると、洗剤スプレーノズルから洗剤溶液72が噴射される。ロールブラシ33は基板90に接触すると回転を開始すると共に左右に移動し、ロールブラシ洗浄を開始する。基板保持搬送治具50は、ロールブラシ33に対して上下動し、基板90に付着している細かい汚れが除去される。所定の回数上下した後、ロールブラシ33は後退し、洗剤溶液の噴射は停止される。
【0030】
基板保持搬送治具50の上端部が対向する一対のシャワーノズル34の位置に投入されると、シャワーノズル34からリンス液である純水又は10%以下のアンモニア水液が噴射される。基板保持搬送治具50は、シャワーノズル34に対して上下動し、基板90はリンスされる。所定の回数上下した後、純水又は10%以下のアンモニア水液の噴射は停止される。
【0031】
基板保持搬送治具50の上端部が対向する一対のジェットノズル35の位置に投入されると、混合部Mを介して、リンス液76の純水又は10%以下のアンモニア水液、及び洗剤溶液72の所定の量が混合され、ジェットノズル35から圧縮エア76によりジェット噴射される。基板保持搬送治具50は、ジェットノズル35に対して上下動し、基板90は仕上げ洗浄される。所定の回数上下した後、仕上げの混合液の噴射は停止される。
【0032】
ジェットノズル35は、3流体ジェットノズル、2流体ジェットノズル、1流体ジェットノズル、超音波ジェットノズル及びスチームジェットノズルの内のいずれか1つ、又は任意の複数の組み合わせであっても良い。この場合、組み合わせに応じて混合部Mに供給される液体の種類及びそれに対応したパイプの数は任意に設定される。
【0033】
図3は、片面洗浄用のチャックコマの構造を示す構造図である。図2のチャックコマ52−1〜52−7では、基板90との接触部分のブラシ洗浄は困難であった。図3における片面洗浄用のチャックコマ54−1〜54−7においては、両面基板洗浄のために基板90を裏返して再度洗浄する必要があるものの、ブラシによる全面洗浄が可能となる。
【0034】
再び図1において、基板保持搬送治具50の上端部が、乾燥部40の対向する一対のエアーナイフ41の位置に投入されると、エアーナイフ41から乾燥エアが噴射される。基板保持搬送治具50は、エアーナイフ41に対して上下動し、基板90は乾燥される。所定の回数上下した後、乾燥エアの噴射は停止される。
【0035】
洗浄及び乾燥が終了すると、基板保持搬送治具50は投入払出部60へと搬送されて、払い出される(矢印方向S4)。基板保持搬送治具50は、再び所定の経路を通って搬送され、基板90が取り出される(矢印方向S5)。払い出しにおいては、投入が下側から行なわれたのに対して、乾燥部40の上側から行なわれても良い。
【0036】
以上説明したように本発明によれば、大型ガラス基板の各洗浄、乾燥工程間の搬送経路は、最初に洗浄を行うための搬入経路と、乾燥後の搬出経路だけとなるため搬送経路が短く、各処理槽を1つにまとめることが可能となるため、広い設置スペースを必要としないコンパクトな構成で、且つ、手洗いによる洗浄を必要としない大型基板洗浄装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による大型基板洗浄装置の概略構成を示す装置構成図。
【図2】本発明による大型基板洗浄装置の基板保持搬送治具の構造を示す構造図。
【図3】本発明による基板保持搬送治具の片面洗浄用チャックコマの構造図。
【図4】従来の基板洗浄装置の概略図。
【符号の説明】
【0038】
30 洗浄部
31 一対の薬液用スプレーノズル
32 洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対のディスクブラシ
33 洗剤スプレーノズルを具備して対向する一対のロールブラシ
34 一対のシャワーノズル
35 一対のジェットノズル
40 乾燥部
41 一対のエアーノズル
50 基板保持搬送治具
51−1 上辺部
51−2 下辺部
51−3 側辺部
52−1〜52−7 チャックコマ
53−1、53−2 搬送用治具
60 投入、払出部
70 薬液
72 洗剤溶液
74 リンス液
76 圧縮エア
80−1、80−2 動力源
90 基板
100 大型基板洗浄装置
G 対向間隔
M 混合部
S1〜S5 矢印方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一辺が1mを超える大型基板の加工後の洗浄を行う大型基板洗浄装置において、
最下部に配置されて対向する一対の薬液用スプレーノズルと、該ノズルの上部に配置され、上方に非接触式洗浄ツールを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールを1つ以上有し、且つ、前記1つ以上の上方に非接触式洗浄ツールを具備して対向する一対の接触式洗浄ツールの最上部に配置された対向する一対のシャワーノズルと、該ノズルの上部に配置された対向する一対のジェットノズルとを有する洗浄部と、
前記洗浄部の上方に配置された対向する一対のエアーナイフを具備する乾燥部と、
前記大型基板を直立させて保持し、前記洗浄部の前記対向する各々のノズル、ツール及び前記乾燥部の前記対向するナイフの対向間隔に投入される基板保持搬送治具と、
前記洗浄部の下方に配置され前記基板保持搬送治具の前記対向間隔への投入及び払出のための投入払出部と、を有し、
前記基板を直立させて保持した前記基板保持搬送治具が、前記投入払出部を介して前記洗浄部の前記対向する各々のノズル、ブラシ及び前記乾燥部の前記対向するナイフの対向間隔に投入されて上下動し、前記洗浄部において洗浄が行われ、且つ、前記乾燥部において乾燥が行われた後、前記投入払出部を介して払い出されることを特徴とする大型基板洗浄装置。
【請求項2】
前記ディスクブラシ及びロールブラシは、前記基板が投入されると該基板に接触し、回転しながら左右に移動し、それぞれの洗浄が終わると該基板に対し非接触となることを特徴とする請求項1に記載の大型基板洗浄装置。
【請求項3】
前記基板保持搬送治具は、前記基板を直立させて保持する上辺部、下辺部及び側辺部がコ型形状に組み合わされて成り、
前記上辺部、下辺部及び側辺部は、前記基板を固定するチャックコマをそれぞれ具備し、前記上辺部及び下辺部の端部に配置された前記チャックコマは、前記基板が納まると前記コ型形状の内側に折れ込んで前記基板を固定し、
前記上辺部はさらに搬送用治具を具備し、前記上辺部及び下辺部の端部に配置された前記チャックコマにより前記基板が固定されると、前記基板保持搬送治具は、前記搬送用治具により前記投入払出部へ搬送されることを特徴とする請求項1に記載の大型基板洗浄装置。
【請求項4】
前記ロール状ブラシ及びディスク状ブラシは、ナイロン、PVA、ポリウレタンのいずれかの材料で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の大型基板洗浄装置。
【請求項5】
前記ジェットノズルは、3流体ジェットノズル、2流体ジェットノズル、1流体ジェットノズル、超音波ジェットノズル及びスチームジェットノズルの内のいずれか1つ、又は任意の複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の大型基板洗浄装置。
【請求項6】
前記シャワーノズルから噴射されるリンス液は、純水又は10%以下のアンモニア水であることを特徴とする請求項1に記載の大型基板洗浄装置。
【請求項7】
前記薬液用スプレーノズルから噴射される薬液は、無機酸類である硫酸又はフッ酸を含むことを特徴とする請求項1に記載の大型基板洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−195777(P2009−195777A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37598(P2008−37598)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【Fターム(参考)】