説明

樹脂封止型光チップの製造装置及び製造方法

【課題】 発光ダイオード装置の封止部とレンズ部を別工程で製作するため量産化が困難である。
【解決手段】 発光ダイオード装置の封止部とレンズ部を一体形成可能なキャビティ45を形成し、プランジャの周面にリング状リング状のシール部材を設けると共に、プランジャの先端側の周面とポット内壁面との間に液状のシリコーン樹脂を導入し、この樹脂を硬化させてシール用樹脂層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状の熱硬化性樹脂を用いて樹脂封止型光チップを製造するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は樹脂封止型発光ダイオード装置の断面図である。即ち、この発光ダイオード装置はリフレクタ70の中央に埋没されているヒートシンク71と、このヒートシンク71上に配されている発光ダイオード素子72と、発光ダイオード素子72を封止する封止部73と、封止部73上に固着されているレンズ部74とを備えている。封止部73は、通常、液状のシリコーン樹脂から形成されている。
【0003】
ところで、上金型及び下金型を用いる、いわゆるトランスファーモ−ルド方式の製造装置を用いると、樹脂封止型のチップの量産化を図ることができ、チップを安価に提供することが可能である。
【0004】
しかるに、上記封止部73等の形成に用いる液状のシリコーン樹脂は、低粘度であるため加圧時にプランジャとポット内周面との間から漏れ出てしまう欠点を有している。
【0005】
このため、上記した発光ダイオード装置の封止部73は、従来、射出成形により形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、射出成形方式では、シリコーン樹脂を型に封入する際に空気を巻き込むことが多く、ボイドの含まれる樹脂の封止部が形成され、しかもウェルド(樹脂流の跡)も生じ易いため、非常に歩留まりが悪くなる欠点があった。またボイドの発生率が高いため、レンズ部を別体として形成する必要が生じ、光チップが非常に高価となる欠点もあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以上の点を解決するために次のような構成を備える。
即ち、本発明は、トランスファーモールド方式を採用するものであり、光素子の封止部及びレンズ部を有する樹脂封止型光チップの製造装置であって、
上金型と下金型との対向面に形成されて光素子が配されるキャビティと、このキャビティに充填すべき液状の熱硬化性樹脂が供給される筒状のポットと、このポット内に往復動可能に配され、この駆動で熱硬化性樹脂をキャビティへ向け圧送するプランジャとを備え、
キャビティは封止部及びレンズ部を一体形成可能な空間形状を有し、
プランジャの周面に装着されてポットの内壁面との摺接で液密を保持するリング状のシール部材と、
プランジャの先端側の周面とポットの内壁面との間に導入された液状の熱硬化性樹脂を硬化させて成るシール用樹脂層と、
を含むことを特徴としている。
【0008】
また、他の発明は、上金型と下金型との対向面から光素子が配され、かつ封止部及びレンズ部を一体形成可能なキャビティを形成するステップと、筒状のポットにキャビティへ充填すべき液状の熱硬化性樹脂を供給するステップと、ポット内の熱硬化性樹脂をポット内でプランジャを移動させてキャビティに向けて圧送するステップとを含み、
プランジャの周面にポットの内壁面と摺接して液密を保持するためのリング状シール部材を装着すると共にプランジャの先端側の周面に凹所を形成し、
プランジャの先端側の周面とポットの内壁面との間及び凹所に液状の熱硬化性樹脂を導入し、この導入した熱硬化性樹脂を硬化させてシール用樹脂層を形成する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トランスファーモールド方式であっても液状の熱硬化性樹脂を用いて封止部及びレンズ部をボイドを生じさせずに一体的に形成することができるので、品質の優れた樹脂封止型光チップを安価に提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図4には本発明に係る樹脂封止型光チップの製造装置が示されている。
【0012】
即ち、この製造装置は、図4に示されているように、上金型12と下金型13とを備えている。
【0013】
下金型13は、可動ブロック14上に固定されている中空の支持体15と、支持体15上に固定されているエジェクト用ブロック部16とを備えている。支持体15内には可動ブロック14から伸びるねじロッド17が突出し、ねじロッド17の上端は連結部18に回転自在に連結され、連結部18上には取付板19を介してプランジャ20のロッド21下端が連結されている。上記ねじロッド17は図示しないモータにより回転駆動されて上動する。従って、プランジャ20はロッド21を介して上動する。
【0014】
取付板19上にはベローズ22の下端のフランジ22aが気密に固定され、ベローズ22の上端のフランジ22bはエジェクト用ブロック部16の凹所に気密に固定されている。これにより、このベローズ22はプランジャ20のロッド21を気密に覆っている。
【0015】
エジェクト用ブロック部16には上方開口の収容空間31が形成されている。この収容空間31にはピンプレート32がストッパ33に当接して配されている。ピンプレート32には上方に伸長するエジェクトピン34が取付けられており、弾性部材35を介して常時、下方への押圧力が付与されている。そして、エジェクト用ブロック部16には収容空間31に連通する真空引き通路36が形成されている。
【0016】
上記ピンプレート32の下面からは、エジェクト用ブロック部16を貫通して上動ロッド37が伸長している。そして、ベローズ38の上端のフランジ38bはエジェクト用ブロック部16の下面に気密に固定され、その下端のフランジ38aは取付板39に固定されている。取付板39の下方には押圧ロッド40が位置している。従って、押圧ロッド40が上動して取付板39を押し上げると、上動ロッド37と共にピンプレート32が上動する。これにより、エジェクトピン34が後述するキャビティ内に突出する。
【0017】
エジェクト用ブロック部16の上方には断熱材41を介して加熱プレート42が気密に配されている。この加熱プレート42はヒータ43が埋設されている。加熱プレート42の上方には金型板44が取付けられている。金型板44の上面にはキャビティ45を形成するための凹部とランナーを形成するための溝及びゲートが設けられている。そして、金型板44の縁部に形成した矩形状の凹部にはゴム製のパーティングシール部材46が嵌入されている。
【0018】
金型板44及び加熱プレート42の中央にはポット47が設けられ、ポット47には後述するように液状のシリコーン樹脂48が供給される。
【0019】
一方、上金型12は、下金型13の金型板44と対向する金型板50を備えている。この金型板50の下面には上記キャビティ45を形成するための凹部やランナーを形成するための溝が設けられている。そして、金型板50の縁部には上記パーティングシール部材46を係入させるための凹部が形成されている。
【0020】
ところで、上金型12と下金型13とが接近し、金型板50の凹部に上記パーティングシール部材46が係入すると、両金型板50,44の対向面間とパーティングシール部材46とによりパーティング空間51が形成される。そして、金型板50にはこのパーティング空間51に連通する真空引き通路52が設けられている。
【0021】
上金型12は更に金型板50を加熱するための加熱プレート53を備えている。この加熱プレート53にはヒータ54が埋設されている。加熱プレート53の上方には断熱材55を介してエジェクト用ブロック部56が配されている。このエジェクト用ブロック部56には下方開口の収容空間57が形成されている。この収容空間57にはピンプレート58がストッパ59に当接して配されている。ピンプレート58には下方に伸長するエジェクトピン60が取付けられており、弾性部材61を介して常時、下方への押圧力が付与されている。そして、エジェクト用ブロック部56には収容空間57に連通する真空引き通路62が形成されている。
【0022】
尚、ピンプレート58の下面からは、加熱プレート53及び金型板50を貫通して下金型13の金型板44に当接するロッド63が伸長している。
【0023】
さて、上金型12と下金型13とが接近すると、上記パーティングシール部材46により密閉状態のパーティング空間51が形成される。また、上下動するプランジャ20(ロッド21)と上動ロッド37とがベローズ22,38により気密に覆われているので、下金型13及び上金型12の両収容空間31,57は気密状態に保持されている。
【0024】
このような気密状態において真空引き通路36,52,62を図示しない連結管を介して真空引きポンプに接続しており、該ポンプにより10Pa〜20Paに大きく減圧する。即ち、パーティング空間51及び両収容空間31,57を10Pa〜20Paまで減圧する。従って、キャビティ45内も同様に減圧されている。
【0025】
ところで、上記したキャビティ45には、図5に示すフレーム7が配される。このフレーム7には予め射出成形によりリフレクタ70が形成され、リフレクタ70の中央の凹部には銅製のヒートシンク71が埋没されている。ヒートシンク71上には発光ダイオード素子72が配され、該素子72はリード75にワイヤを介して接続されている。
【0026】
一方、このようなフレーム7の配されるキャビティ45は、図1に示すように、リフレクタ70の配置する空間、発光ダイオード素子72の封止空間45A及びレンズ形成空間45Bから形成され、図2に示す封止部73及びレンズ部74が一体的に形成可能な空間を有している。そして、レンズ形成空間45Bの端部位置にゲート76が連通している。
【0027】
また、図3に示すように、ポット47内に位置するプランジャ20には、ほぼ中央の周面にリング状のシール部材20Aが装着されている。このシール部材20Aはテフロン(登録商標)から形成されている。また、プランジャ20のシール部材20Aより上方の周面には、環状の凹所20Bが形成されている。そして、プランジャ20の先端(上方)側の周面には、凹所20Bに一部が入り込んでいるシール用樹脂層20Cが設けられている。即ち、本実施例では、ポット47の内壁面とプランジャ20の周面との間に間隙を設け、この間隙に液状のシリコーン樹脂48を導入し、該樹脂48を加熱、硬化させることによりシール用樹脂層20Cを形成している。
【0028】
このようなシール用樹脂層20Cはプランジャ20を往復動させた場合、ポット47の内壁面とを摺接し、ポット47内の液密を保持するので、液状のシリコーン樹脂48の漏れを確実に防止することができる。また、シール部材20Aの寸法精度が低くても液密を保持できるので、シール部材20Aの摩耗を少なくしてその長寿命化を図ることができる。
尚、凹所20Bに代えて、例えばローレット加工等により、凹凸を設け、シール用樹脂層20Cの一体化を図ってもよい。
【0029】
上記製造装置の近傍には、図6に示すように、樹脂供給装置1が配されている。この樹脂供給装置1はA液及びB液から成る、いわゆる二液性シリコーン樹脂を供給する構成を有し、二液をミキシング2により混合、撹拌し、真空脱泡して液状のシリコーン樹脂48を生成する。生成された液状のシリコーン樹脂48は各計量ポンプ3に送信され、所定量だけ供給ホースを介して搬送ユニット4に供給される。搬送ユニット4は複数のノズル5を有し、下金型13上まで移動して各ノズル5を各ポット47上に位置させ、各ノズル5からポット47内に液状のシリコーン樹脂48を滴下させる。尚、ノズル5は冷却部6により常時、冷却され、これによりシリコーン樹脂の供給時における金型の熱による硬化を防止している。
【0030】
次に、本発明の製造方法を説明する。
【0031】
先ず、図示しないマガジンからアームによりリードフレーム7を取り出し、リードフレーム7を搬送ユニット4(図6参照)により保持し、搬送ユニット4により下金型13のキャビティ45にリードフレーム7を配置する。
【0032】
次に、搬送ユニット4の各ノズル5から上述したように液状のシリコーン樹脂48をポット47内に滴下させる。この場合、プランジャ20には図1に示すシール用樹脂層20Cが予め形成されている。
【0033】
その後、図7に示すように、下金型13を上動し、パーティング空間51を形成し、該空間を真空引きにより10Pa〜20Paまで減圧する。
【0034】
次に、図1に示すように、上金型12と下金型13とを型締めし、プランジャ20を上動させることによりポット内の液状のシリコーン樹脂48をゲート76を介してキャビティ45に充填する。プランジャ20の押圧力は、例えば、10kgf/cmに設定されている。このように小さな押圧力であっても充分に減圧し、かつ樹脂漏れを確実に防止しているので、ボイドを生じさせることなくシリコーン樹脂により樹脂封止することが可能である。また、エアーベント溝9(図7参照)は、本実施例では0.001mn〜0.003mmに設定しているが、これにより充分に減圧でき、かつ樹脂漏れが生じなかった。
【0035】
その後、下金型13を下動すると、上金型12のピンプレート58が弾性部材61により下動し、エジェクトピン60がキャビティ45に突出する。従って、樹脂封止されたリードフレーム7は下金型13のキャビティ45上に位置する。
【0036】
次いで、下金型13の上動ロッド37が上動してピンプレート32が上動し、エジェクトピン34がキャビティ45に突出するので、上記リードフレームを下金型13から取り出すことができる。
【0037】
以上の製造方法により、図8に示す樹脂封止型発光ダイオード装置10が得られる。
即ち、封止部73とレンズ部74とが一体的に同時に形成することができる。従って、品質的に優れ、量産化が可能であることから安価な発光ダイオード装置10を提供することができる。
【0038】
尚、上記したヒートシンク71を有しない発光ダイオード装置であっても同様に製造することができる。
【0039】
図9は図1の変形例に係るキャビティ45を示している。このキャビティ45は、二つ(複数)の発光ダイオード装置を製造するための空間が形成され、上金型12の対向面の中央に凹状のスルーゲート77が形成されている。従って、ゲート76からの液状のシリコーン樹脂48は、キャビティ45の1つ目の発光ダイオード装置を製造するための空間へ充填されると、スルーゲート77を介して次の発光ダイオード装置を製造するための空間へ充填される。尚、製品はダイシングにより個片に発光ダイオード装置10として分離される。
【0040】
図10は本発明の他の実施例の要部を示す断面図である。この実施例では、上金型12にポット47及びプランジャ20が配され、ポット47から押し出された液状のシリコーン樹脂48はランナー78及び下方へ向かうゲート76を介して本発明のキャビティ45に充填される。
【0041】
図11は本発明の更に他の実施例の要部を示す断面図である。この実施例では、キャビティ45に配されるリフレクタ70のゲート76と対向する位置に封入穴79を設けると共に上金型の対向面に凹状のスルーゲート77Aを設ける。この封入穴としては直径が0.05mmであればよく、液状のシリコーン樹脂48はゲート76から最初の封入穴79を介してキャビティ45に導入され、又スルーゲート77A及び同様に次の封入穴79を介して隣接する他のキャビティにも導入される。この実施例はゲート76の設ける位置が制限される場合に任意位置に設ける封入穴79を利用して樹脂を導入できる利点がある。
【0042】
図12は本発明の他の実施例に係る要部の断面図である。この実施例では、上金型12のキャビティ45形成壁面と、リフレクタ70の周面との間に0.05mm程度の空隙80を設け、両キャビティ45、45間にスルーゲート77を設けている。
【0043】
図13には更に他の実施例が示され、この実施例ではリフレクタ70の周壁に上下方向の溝81を設け、両キャビティ45、45間にスルーゲート77を設けている。
【0044】
図14には他の製造方法に係るリードフレーム7が示されている。このリードフレーム7には発光ダイオード素子72が直接的に取付けられ、かつリードにワイヤボンディングされている。
【0045】
このリードフレーム7は、図4に示す製造装置に配される。この場合キャビティ45としてはリフレクタの配置空間を有しない空間に形成されている。従って、上記したようにキャビティに液状のシリコーン樹脂48を充填することにより、図15に示す半成品が製造される。即ち、この半成品は、素子72の封止部とレンズ部74とが一体形成され、リフレクタを有しない構造を有している。
【0046】
次に、この半成品に対し、図16に示すようにその後にリフレクタ70を形成する。このリフレクタ70は、射出成形又はトランスファーモールド方式のいずれによっても形成が可能である。このリフレクタ70の形成時には素子72及びワイヤが予め封止されているので、その熱的な影響等を防止することができる。
【0047】
このように発光ダイオード素子72を封止した半成品を予め製造すると、この半成品を次のリフレクタ製造工程まで搬送する場合に、素子72が既に封止されていることから素子72塵が付着することが無く、従って、搬送作業の簡単化を図ることができる上に製品的に優れた発光ダイオード装置を得ることができる。
【0048】
図17及び図18は更に他の実施例に係る発光ダイオード装置10Aの断面図である。この発光ダイオード装置10Aは、先ず、基板82上に複数の発光ダイオード素子72を整列されて配置し、配線にワイヤボンディングを行う。
【0049】
そして、この基板82を図4に示す製造装置に配置する。この場合、キャビティ45としては複数の素子72を一体封止する封止部73Aと複数のレンズ部74とを一体形成可能な空間に形成されている。
【0050】
得られた製品は発光素子アレイとしてそのまま利用してもよく、又はダイシングにより個片に分割してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上記実施例では、発光ダイオード素子を用いた製造及び方法に適用しているが、本発明は、LED、更には各種の受光素子の製造にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るキャビティを示す断面図である。
【図2】従来の製法に係る発光ダイオード装置の断面図である。
【図3】本発明に係るポット及びプランジャの断面図である。
【図4】本発明に係る製造装置の断面図である。
【図5】本発明のキャビティに配するリードフレームの断面図である。
【図6】本発明に係る樹脂供給装置の概略図である。
【図7】図4の装置の要部の断面図である。
【図8】本発明に係る発光ダイオード装置の斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る要部の断面図である。
【図10】本発明の更に他の実施例に係る断面図である。
【図11】本発明の他の実施例に係る断面図である。
【図12】本発明の更に他の実施例に係る断面図である。
【図13】本発明の他の実施例に係る断面図である。
【図14】本発明の他の製造方法に係るリードフレームの斜視図である。
【図15】図14のリードフレームを用いて製造した半成品の断面図である。
【図16】図15の半成品を用いて製造した発光ダイオード装置の断面図である。
【図17】本発明の他の実施例に係る発光ダイオード装置の断面図である。
【図18】図17の発光ダイオード装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
2 ミキシング
3 計量ポンプ
4 搬送ユニット
5 ノズル
6 冷却部
7 リードフレーム
8 塗布ノズル
9 エアーベント溝
10、10A ダイオード装置
12 上金型
13 下金型
16、56 エジェクト用ブロック部
20 プランジャ
20A シール部材
20B 凹所
20C シール用樹脂層
22、38 ベローズ
31、57 収容空間
32、58 ピンプレート
34、60 エジェクトピン
36、52、62 真空引き通路
45 キャビティ
46 パーティングシール部材
47 ポット
48 シリコーン樹脂
51 パーティング空間
61 弾性部材
70 リフレクタ
71 ヒートシンク
72 発光ダイオード素子
73、73A 封止部
74 レンズ部
76 ゲート
77、77A スルーゲート
79 封入穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子を封止する封止部と前記光素子に対し光を送受するためのレンズ部とを有する樹脂封止型光チップの製造装置であって、
上金型と下金型との対向面に形成されて前記光素子が配されるキャビティと、前記キャビティに充填すべき液状の熱硬化性樹脂が供給される筒状のポットと、該ポット内に往復動可能に配され、その駆動で前記熱硬化性樹脂を前記キャビティへ向け圧送するプランジャとを備え、
前記キャビティは前記封止部及び前記レンズ部を一体形成可能な空間形状を有し、
前記プランジャの周面に装着されて前記ポットの内壁面との摺接で液密を保持するリング状のシール部材と、
前記プランジャの先端側の周面と前記ポットの内壁面との間に導入された前記液状の熱硬化性樹脂を硬化して成るシール用樹脂層と、
を含むことを特徴とする樹脂封止型光チップの製造装置。
【請求項2】
前記プランジャの先端側の周面に形成される凹所を有し、該凹所に前記液状の熱硬化性樹脂を導入することを特徴とする請求項1記載の樹脂封止型光チップの製造装置。
【請求項3】
前記キャビティ内を減圧する減圧機構を更に備えることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止型光チップの製造装置。
【請求項4】
前記液状の熱硬化性樹脂は、液状のシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止型光チップの製造装置。
【請求項5】
光素子を封止する封止部と前記光素子に対し光を送受するためのレンズ部とを有する樹脂封止型光チップの製造方法であって、
上金型と下金型との対向面から前記光素子が配され、かつ前記封止部及び前記レンズ部を一体形成可能なキャビティを形成するステップと、筒状のポットに前記キャビティへ充填すべき液状の熱硬化性樹脂を供給するステップと、前記ポット内の熱硬化性樹脂を該ポット内でプランジャを移動させて前記キャビティへ向けて圧送するステップとを含み、
前記プランジャの周面にポットの内壁面と摺接して液密を保持するためのリング状シール部材を装着すると共に前記プランジャの先端側の周面に凹所を形成し、
前記プランジャの先端側の周面と前記ポットの内壁面との間及び前記凹所に前記液状の熱硬化性樹脂を導入し、該導入した熱硬化性樹脂を硬化させてシール用樹脂層を形成する、
ことを特徴とする樹脂封止型光チップの製造方法。
【請求項6】
前記キャビティ内を減圧することを特徴とする請求項5記載の樹脂封止型光チップの製造方法。
【請求項7】
前記液状の熱硬化性樹脂は、液状のシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項5記載の樹脂封止型光チップの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2006−351970(P2006−351970A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178558(P2005−178558)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(392009191)株式会社多加良製作所 (5)
【Fターム(参考)】