説明

液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板

【課題】 液晶分子が存在する液晶層のみのリタデーション(dLC・△n)を求めることができ、セル厚を求めることができる液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板を提供する。
【解決手段】 液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セル5の厚さを測定するセル厚測定装置において、面内にリタデーションを有する1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて両外側表面に取付けた液晶セルを搭載するステージ1と、偏光子23を有し、かつ、位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44°〜46°の偏光光を出射する光源2と、偏光光に対して偏光子とクロスニコルに配設された検光子31を有し、かつ、偏光光の透過光量を検出する光検出器3と、位相差板に垂直な方向から偏光光の極角方向入射角を変化させる回転装置4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板であり、特に、正確なギャップ測定が可能である液晶表示装置、そのセル厚測定法及び測定方法並びに位相差板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶材料を使用した各種表示装置、例えばアクティブ駆動方式のTFT表示装置やPALC(プラズマアドレス液晶)表示装置、デューティー駆動方式のSTN表示装置が知られている。特に、PALC表示装置はプラズマ放電を用いたスイッチング素子を使用する表示装置であり、超大型ディスプレイへの適用が注目されている。PALC液晶表示装置は、TFTのような半導体プロセスを含まないので低コストであり、低消費電力の大型液晶表示装置としての可能性に注目が集められている。上述した液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の特徴を持っており、かかる液晶表示装置は、来るマルチメディア社会でのキーデバイスとして、各種OA、AV機器分野等で応用開発がなされている。この液晶表示装置には、両電極基板の近傍付近でネマティツク液晶分子が約90度ねじれているTN表示モード、又は、液晶分子が180度以上ねじれているSTN表示モードが多用されている。また、特開平10−186330号公報には、広視野角特性を有し良好な表示品位が得られる、液晶表示装置が開示されている。上述の液晶表示装置において、セル厚は表示色や応答速度、配向の安定性等に密接に関係しており、より高精度な測定法が求められている。さらに、セル厚の正確な値の情報は、液晶表示装置の設計や評価を行う上でも非常に重要である。従来では、液晶材料が注入されていない空セルの状態において、光干渉法を用いた測定法、液晶が注入されたセルに対しては、クリスタルローテンション法を用い、液晶層のリタデーションを測定して、セルギャップを求めるセル厚測定機器が多く市販されている。
【0003】しかしながら、光干渉法による空セル厚測定では、液晶セルがITO(透明電極)、配向膜、カラーフィルター等を有するため干渉が複雑になって、正確さを欠くこととなり、高確度な値を求めることが難しいという問題が見られた。さらに、液晶セルに液晶が封入された時では、液晶層と基板との屈折率差が小さいために基板での界面反射が起こりにくく干渉縞が現れないので、液晶が注入されたセル厚を求めることが原理的にできない問題があった。一方のクリスタルローテンション法では、ノーマリーホワイト表示の液晶の誘電率異方性が正のNp液晶セルにおいてのみ測定が可能であり、負のNn液晶セルには使用することができなかった。
【0004】特開平3−115804号公報は、セル厚測定器の下側透明絶縁性基板のラビング方向と、測定対称液晶パネルの上側透明絶縁性基板のラビング方向とが互いに直交するように重ね合わせ、さらにこれらパネルの両側に吸収軸方向が互いに直交する2枚の偏光板を配置することにより、小型軽量の測定器とすることが提案されている。また、特開平4−80641号公報において、液晶セルを2つの偏光子の間に配置したときの透過するスペクトルを偏光子の角度を90度変えて比較することにより、液晶セルの光学位相差やセル厚、液晶複屈折を正確に得られるようにすることが開示されている。そして、特開平4−184207号公報においては、印加する電圧を変化させながら透過光量を検出し、透過光量が最低となる電圧を求めることにより、簡便かつ正確な測定を可能とすることが提案されている。また、特開平5−71924号公報には、誘電率異方性が正のNp液晶が注入された液晶セルを閾値電圧の50倍以上の高電圧、もしくは、磁界の50倍以上の高磁界をかけながら測定することが開示されている。以上のように、セル厚を測定する方法においてさまざまな手法の提案がなされている。
【0005】しかしながら、空セルのみ測定が可能な光干渉法、電圧無印加時に水平配向のNp液晶セルの基板に偏光光を入射させた時、基板に平行な面内に方向において位相差が生じる透過率の入射角依存性を測定するクリスタルローテンション法や上記その他の測定法等では、カラーフィルター付きの液晶セルで、電圧無印加時には垂直配向で、液晶の誘電率異方性が負のNn液晶を注入したセルを電界や磁界をかけない状態で簡便に、透過光量の入射角依存性を測定することで液晶セルのリタデーションを求めることは不可能であった。つまり、基板に対して液晶分子が垂直配向した状態では、基板面内方向に光学位相差が無い状態(等方性)であるから、測定不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を解決し、液晶セルに電圧をかけずに、簡便で、正確なセル厚の測定を可能にするものであり、液晶セルの各構成部材であるガラス板、カラーフィルター、透明電極や配向膜は光学的に等方性であるため、液晶分子が存在する液晶層のみのリタデーション(dLC・△n)を求めることができ、セル厚を求めることができる液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板を提供するものである。
【0007】
【本発明が解決しようとする手段】本発明は、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、該液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セルの厚さを測定するセル厚測定装置において、面内にリタデーションを有する1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて両外側表面に取付けた液晶セルを搭載するステージと、偏光子を有し、かつ、前記位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の偏光光を液晶セルに出射する光源と、該偏光光に対して前記偏光子とクロスニコルに配設された検光子と受光器とを有し、かつ、偏光光の透過光量を検出する光検出器と、前記位相差板の遅相軸方向に対して垂直な方向から偏光光の極角方向入射角を変化させる回転装置と、を備える液晶表示装置のセル厚測定装置である。
【0008】また、本発明は、上記回転装置は光源と光検出器の受光器とを同期して回転させて極角方向入射角を変化させる液晶表示装置の液晶セル厚測定装置である。
【0009】そして、本発明は、上記回転装置はステージを回転させて極角方向入射角を変化させる液晶表示装置の液晶セル厚測定装置である。
【0010】更に、本発明は、上記光源は単色レーザ光源又は光学着色フィルタを有する光源である液晶表示装置のセル厚測定装置である。
【0011】また、本発明は、上記光源はY視感度フィルターを有するランプユニットを備える液晶表示装置のセル厚測定装置である。光源の波長については、バンドパスフィルターや単色光レーザーで約550nmに単色化することが好ましい。
【0012】そして、本発明は、上記ステージは、温度コントローラを備え、そして、任意の点を測定することが可能なX−Yステージである液晶表示装置のセル厚測定装置である。
【0013】更に、本発明は、上記偏光子は任意の角度にセットすることができる液晶表示装置のセル厚測定装置である。
【0014】また、本発明は、上記光検出器はフォトダイオード及び低ノイズアンプを有する液晶表示装置のセル厚測定装置である。
【0015】そして、本発明は、上記光検出器はディスプレイを有する液晶表示装置のセル厚測定装置である。
【0016】更に、本発明は、屈折率差が△nである液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、該液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セルの厚さを測定するセル厚測定法において、測定する液晶表示装置の液晶セルの両外側表面に、面内にリタデーションを有し、かつ、所定厚さの1対の1軸性位相差板をその遅相軸をそろえて取付け、次に、該位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の偏光光を、位相差板の遅相軸方向に対して垂直な方向から極角方向入射角を変化させながら液晶セルに入射させ、一方、前記偏光光の光源が有する偏光子に対しクロスニコルに配設した検光子を有する光検出器で透過光量を検出するとともに、得られた光量が最低又は消光状態である消光位置角度を測定し、そして、測定した消光位置角度に対応する液晶セルのリタデーションを位相差板の厚さにおける消光位置角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線から得、次に、得られた液晶セルリタデーション値及び液晶材料の屈折率差△nを使用してセルの厚さを算出する液晶表示装置のセル厚測定法である。
【0017】また、本発明は、上記位相差板の厚さにおける消光角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線は光学計算により得られたものである液晶表示装置のセル厚測定法である。
【0018】そして、本発明は、上記位相差板の厚さにおける消光角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線は、屈折率差△n及びセル厚さが判明している液晶表示装置について測定して得られたものである液晶表示装置のセル厚測定法である。
【0019】更に、本発明は、取付ける1軸性位相差板のリタデーションションは10nm〜50nmである液晶表示装置のセル厚測定法である。
【0020】また、本発明は、誘電率異方性が負の液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、該液晶層を挾持し、かつ、垂直配向膜を有する1対の基板と、を備える液晶表示装置において、液晶セルの両外側表面に、面内にリタデーションションを有し、かつ、該リタデーションションが10nm〜50nmである1対の1軸性位相差板を遅相軸方向をそろえて取付けている液晶表示装置である。
【0021】そして、本発明は、上記液晶表示装置のセル厚測定法で使用される位相差板であって、面内にリタデーションを有し、かつ、該リタデーションションが10nm〜50nmであり、そして、1軸性である位相差板である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発明の実施の形態を説明する。本発明の液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板について、発明の概要等を、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明のセル厚測定装置の概要説明図である。図2は、本発明におけるセル厚測定に使用する位相差板及び極角方向の説明図である。図3(a)は、本発明における消光位置角度と液晶リタデーションの関係の説明図であり、図3(b)は、位相差板のリタデーションとセル厚値誤差幅の関係の説明図である。
【0023】本発明のセル厚測定装置は、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セルの厚さを測定する装置であって、面内にリタデーションを有する1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて両外側表面に取付けた液晶セルを搭載するステージと、偏光子を有し、かつ、位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の偏光光を液晶セルに出射する光源と、偏光光に対して偏光子とクロスニコルに配設された検光子と受光器とを有し、かつ、偏光光の透過光量を検出する光検出器と、位相差板の遅相軸方向に対して垂直な方向から偏光光の極角方向入射角を変化させる回転装置と、を備えたセル厚測定装置であり、図1に示すように、ステージ1、光源2、光検出器3、回転装置4、等を備えている。ステージ1は、測定する液晶セル5を搭載する。光源2は、ランプユニット21、光学着色フィルタ22及び偏光子23等からなり、液晶セルの両外側表面に遅相軸方向をそろえて取付けた1対の1軸性位相差板8の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の単色偏光光を液晶セル5に出射する。光検出器3は、検光子31、受光器32及び光検出部33等からなり、光源2からの偏光光の透過光量を検出する。検光子31は、偏光光に対して偏光子21とクロスニコルに配設される。回転装置4は、回転機構41、ステージユニット42及び角度操作スイッチ43等からなり、光源2及び受光器32を同期させて回転させ、位相差板8の遅相軸方向に対して垂直な方向から偏光光の極角方向入射角を変化させる。位相差板8の遅相軸方向に対して垂直な方向から偏光光の極角方向入射角が変化すると、光検出器3が検出する透過光量は減少して最低又は消光状態となり、消光位置角度を測定することができる。ステージ1を回転させる回転装置を使用することも可能である。光源2として単色レーザ光源とすることができる。また、光源2は、Y視感度フィルターを有するランプユニットを備えることができる。ステージ1は、温度コントローラを備え、そして、任意の点を測定することが可能なX−Yステージとすることができる。偏光子21は、任意の角度にセットすることができる。光検出器3は、フォトダイオード及び低ノイズアンプを有することができる。光検出器3は、ディスプレイを有することができる。このセル厚測定装置は、構成が簡単であり、カラーフィルター付きの液晶セルについても使用することができ、電圧無印加状態で、短時間で、そして、非破壊で測定することができ、インラインとして組み込むことが可能で、また、低コストで設計製造することができる。液晶材料の屈折率差△nは温度に依存するので、液晶表示装置を一定温度に保つための温度コントロール装置(ヒーター及びクーリングユニット)を備えることが好ましい。ランプユニットからの単色偏光光の角度は、1軸性位相差板の遅相軸方向に対して44度〜46度なすように入射され、そして、45度のとき、最も消光位置が顕著に現われる。
【0024】本発明のセル厚測定法は、屈折率差が△nである液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セルの厚さを測定する方法であり、測定する液晶表示装置の液晶セルの両外側表面に、面内にリタデーションを有し、かつ、所定厚さの1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて取付け、次に、位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の偏光光を、位相差板の遅相軸方向に対して垂直な方向から極角方向入射角を変化させながら液晶セルに入射させ、一方、偏光光の光源が有する偏光子に対しクロスニコルに配設した検光子を有する光検出器で透過光量を測定するとともに、得られた光量が最低又は消光状態である消光位置角度を測定し、そして、測定した消光位置角度に対応する液晶セルのリタデーションを位相差板の厚さにおける消光位置角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線から得、次に、得られた液晶セルリタデーション値及び液晶材料の屈折率差△nを使用してセルの厚さを算出するセル厚測定法である。位相差板の厚さにおける消光角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線は、光学計算により得られたものとすることができる。また、位相差板の厚さにおける消光角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線は、屈折率差△n及びセル厚さが判明している液晶表示装置について測定して得られたものであるとすることができる。そして、取付ける1軸性位相差板のリタデーションションは、10nm〜50nmであるとすることができる。これにより、パネル作製工程でセル厚の検査を行うことができ、そして、セル厚制御は表示特性や表示品位に大きな影響を及ぼすため、液晶表示装置の品質管理及び歩留まり工場に貢献することができる。
【0025】本発明における測定する液晶表示装置は、誘電率異方性が負の液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、液晶層を挾持し、かつ、垂直配向膜を有する1対の基板と、を備えており、液晶セルの両外側表面に、面内にリタデーションを有し、かつ、リタデーションが10nm〜50nmである1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて取付けている。また、本発明において測定する際に使用される位相差板は、面内にリタデーションを有し、かつ、リタデーションションが10nm〜50nmであり、そして、1軸性である。1軸性位相差板としては、板状のものやフィルム状のものをガラス板に貼付けたものが挙げられる。
【0026】本発明の液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板について、その測定原理等について、説明する。測定する液晶表示装置の液晶パネルには、面内にリタデーションを有する一軸性の位相差板(リタデーション:10nm〜50nm)を両外側に軸方向を揃えて配置する。この液晶表示装置をサンプルステージにセットし、ランプユニットから出る単色光は液晶表示装置を通って、検出器及び検出器ユニットによって光量が検出される。
【0027】検光子は、偏光子に対しクロスニコルになるよう配設される。そして、一軸性の位相差板8は、図2R>2(a)に示すように、遅相軸方向が偏光子及び検光子の吸収軸方向に対して44度〜46度、好ましくは45度、になるよう液晶セル5の両外側表面に取付けられる。そのため、光源からの単色偏光光の偏光角度は、一軸性の位相差板の遅相軸方向に対して44度〜46度、好ましくは45度、になすように入射される。また、光源からの単色偏光光は、図2(a)に示すように、位相差板8の遅相軸方向に対して垂直な方向からの極角方向入射角を変化させながら入射される。これにより、図2(b)に示すように、液晶表示装置の液晶セル5の両側に1軸性位相差板8をセットし、ランプユニットからの単色偏光光の極角方向入射角の変化に応じた光量の変化を測定し、得られる光量又は透過率が最低又は消光状態である消光角度を検出することができる。
【0028】本発明で使用する傾斜角−セル厚の校正曲線の一例について、説明する。解析セル設定パラメーターは、電圧は無印加(0V)、セル厚(3μm〜8μm)、液晶物性定数(カイラル長:−24μm、屈折率no:1.47914、ne:1.55284、△n:0.0737)、液晶ダイレクターの初期分布(プレチルト角度:90度、ツイスト角:−90度)を平衡状態として、Gibbs、Helmholtsのエネルギー方程式を解いて、液晶ダイレクターの配向分布を求める。次に、偏光子及び位相差板の屈折率及び厚みと液晶ダイレクターの配向分布をパラメーターとして、透過型の表示器モデルである時の透過率を1軸性の位相差板(面内リタデーション:10nm〜50nm)の遅相軸に対して90度の方位、傾斜角について、拡張ジョーンズマトリックス法の2×2行列式を用いて計算した。最低透過率の時の入射した偏光光の傾斜角、つまり消光位置角度θ(単位:度)を液晶セルのリタデーションdLC・△nに対して、プロットして、図3(a)を得た。この時、各1軸性の位相差板のリタデーション10nm〜50nmに対する曲線について、以下の3次の多項式近似を行い、次式(1)〜(5)の校正曲線を得た。
10nm:dLC・△n≒−0.0279θ3+3.3896θ2 −137.96θ+2113.2 (1)
20nm:dLC・△n≒−0.0174θ3+2.4934θ2 −124・48θ+2434.7 (2)
30nm:dLC・△n≒−0.0064θ3+1.2130θ2 −80.123θ+2126.9 (3)
40nm:dLC・△n≒−0.0060θ3+1.2056θ2 −84.843θ+2419.5 (4)
50nm:dLC・△n≒−0.0044θ3+0.9870θ2 −76.648θ+2452.0 (5)
そして、上記の各校正曲線は、液晶材料の屈折率差△nが相違していても、同じ近似式であった。
【0029】また、消光位置角度の測定誤差がセル厚の計算値に与える影響について、説明する。まず。△nが既知で、dLC・△n=442.2nmの液晶セルを使用して測定し、各位相差板について、その消光位置角度θを測定した。光源はバンドパスフィルターを用いて544nmに単色化した。次に、得られた消光位置角度θ0の測定誤差が±0.1度として、各近似式(1)〜(5)に基づき、消光位置角度θ0及び(θ0±0.1)を使用して、dLC・△nを計算し、そして、既知の△nからセル厚及びセル厚誤差幅を求めた。各位相差板と得られたセル厚値誤差幅を、図3(b)にプロットした。図3(b)に示すように、1軸性位相差板のリタデーションが大きいほど誤差幅が小さいことがわかる。そして、図3(b)より、dLC・△nが300nm〜550nmの範囲の時、求められるセル厚の誤差幅が0.1μm以下となるため、1軸性位相差板のリタデーションの好ましい範囲は、10nm〜50nmである。
【0030】特に、dLC・△nが350nm〜550nmの範囲の時、消光位置を測定する装置の設計上、60度以内で消光位置となることが好ましく、そして、図3(a)に示す計算結果から、1軸性位相差板のリタデーションは40nm以下であるのが好ましいことがわかる。また、図3(b)に示す計算結果から、セル厚値の誤差幅が0.05μm以下である条件とする1軸性位相差板のリタデーションは、20nm以上である。以上から、更に好ましい1軸性位相差板のリタデーションの範囲は、20nm〜40nmである。最も好ましい範囲である30nm〜40nmの時、dLC・△nが400nm〜550nmの範囲で高精度にセル厚を求めることができる。
【0031】なお、以上の説明では、光学計算によって、消光位置角度θの関数である液晶セルのリタデーションdLC・△nの校正曲線を得、そして、液晶セルの消光位置角度を実測し、液晶材料の屈折率差△nと校正曲線とでセル厚dLCを求めたが、光学計算をせずに、液晶材料の△n及びセル厚さdLCが判明している液晶表示装置を使用して消光位置角度θを実測することにより、校正曲線を求めることも可能である。
【0032】次に、本発明の液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板の実施例について、図4〜図9を用いて説明する。図4は、実施例1のセル厚測定装置の斜視説明図である。図5は、実施例1のセル厚測定に使用する液晶表示装置の説明図である。図6は、実施例1のセル厚測定に使用する液晶表示装置の凸部パターンの説明図である。図7は、実施例1のセル厚測定に使用する液晶表示装置の軸対称表示モードの説明図である。図8は、実施例1の位相差板のリタデーション21nmのときの消光位置角度と消光位置角度θの関係の説明図である。図9は、実施例2のセル厚測定に使用する液晶表示装置の説明図である。
【0033】まず、実施例1を説明する。本実施例のセル厚測定装置は、図4に示すように、ステージ1、光源2、光検出器3、回転装置、コントローラー10等を備えている。ステージ1は、サンプルXYステージであり、測定対象の液晶表示装置をセットし、そして、液晶表示装置の全面の任意の点を測定できるよう、移動することができる。光源2は、ランプユニット、544nmに単色化するフィルター、偏光子等を備えており、セル厚測定に使用する偏光光を液晶セル5に出射する。フィルターは、例えばY視感度フィルターであって、ランプユニットに取付けられ、ランプユニットの光を単色化する。偏光子は、ランプユニットからの単色光を偏光させるため、所定角度で取付けられる。光検出器3は、検光子、受光器、光検出ユニット等を備えており、また、フォトダイオードと低ノイズアンプを使用し、ディスプレイを用いることにより、高精度に透過光量を測定することができ、透過率及び回転角度を正確に直読みすることができる。検光子は、偏光子とクロスニコルになる角度でセットされる。受光器は、液晶表示装置5からの透過光を受ける。光検出ユニットは、受光器が受けた透過光量の最低又は消光状態を判定する。回転装置は、回転機構41、ステージユニット、角度操作スイッチ43等を備え、光源2及び受光器を回転させることにより、液晶表示装置5への極角方向入射角度を変更することができる。角度操作スイッチ43により、回転機構41の回転軸の角度を変えることができる。コントローラー10は、ヒーター及びクーリングユニット等を収納しており、セル厚測定装置全体の制御を行う。
【0034】実施例1のセル厚測定装置による測定について、説明する。測定する液晶表示装置5は、図5に示すように、液晶材料51と、上下一対のガラス基板52a、52b、透明電極53a、53b、CF(カラーフィルター)層54、BM(ブラックマトリックス)55、第1凸部56、柱57、等からなり、誘電率異方性が負の液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、液晶層を挾持する1対の垂直配向膜(不図示)及び基板と、を備えている。この液晶表示装置の製造方法の一例を説明する。マトリックス状に形成されたBM55に対向する位置のガラス基板52b上に1μmの格子状の第1凸部56をフォトリソ工程によって形成した。樹脂材料として、光硬化性のポリイミド材料又はアクリル系光感光性材料を用いた。さらに、格子状の凸部56上に、第2凸部の厚さ5μmのセル厚制御部をフォトリソ工程によって形成し、柱57とした。形成した第1凸部56、柱57及び開口部(絵素部)58のパターンを図6に示す。各凸部56、57の厚さの測定には接触段差計を使用した。次に、透明電極53bを形成した。透明電極53bを形成してから凸部56、57を形成することも可能である。CF層54を有する基板52aの作製手順は、基板52a上にカラーフィルター層54及びBM55を形成し、その上に透明電極、例えばITO53aを形成する。上記凸部56、57を形成した基板52bと対向するCF層54を有する5.6型TFT基板52aとを、シール材を用いて貼り合わせた。光硬化性樹脂と光重合開始材を含む液晶材料(液晶前駆体混合物)を注入し、更に、液晶材料の聞値付近の電圧を印加して、紫外線露光し、軸対称配向の安定化を行った。その結果、電圧印加時に、図7に示すように、黒部59a及び白部59bからなる安定な軸対称配向が得られた。したがって、軸対称配向液晶セルを得たことがわかった。上記の作製プロセスで得られた液晶表示装置について、本実施例1のセル厚測定装置を使用し、室温25度の雰囲気下で測定した。透過率の偏光光傾斜角依存性を測定し、最低透過率の時の傾斜角すなわち消光位置角度(36.2度±0.1度)を得た。なお、液晶セル5の両外側表面に、面内にリタデーション(21nm)を有し、かつ、所定の厚さの1軸性位相差板8を取付けている。そして、ランプユニットからの単色偏光光の傾斜角に対する透過光量を測定し、得られる光量が最低又は消光状態である消光位置角度を実測し、図8に示す校正曲線又はそれに対応する近似式(6)からセル厚を求めた。
LC・△n=−0.013θ3+2.0539θ2 −113.07θ+2460.6 (6)
同時に、あらかじめ、上記液晶表示装置と測定形態での光学計算により得られた消光位置角度θとdLC・△n校正曲線及び△n=0.0737より、セル厚を求めたところ、6.00μm±0.02μmであることがわかった。セル厚の設計値どおりの電気光学表示特性が得られたこととから、実施例1のセル厚測定装置を使用して得られた数値は妥当であるといえる。
【0035】本実施例の液晶セルのセル厚測定装置は、図5及び図6に示すような液晶セルの構造ではなくても、液晶分子が基板に対して垂直配向状態にある液晶表示装置であれば測定することができる。
【0036】実施例2を説明する。本実施例では、実施例1の液晶駆動素子TFTの代わりにPALC(プラズマアドレス液晶素子)を用いた液晶表示装置を対象とした。測定に使用するPALC液晶表示装置は、図9に示すように、液晶材料61、CF基板62、透明電極であるITO電極63、垂直配向層68、薄板ガラス69、プラズマ隔壁(リブ)70、アノード電極A71、カソード電極K72、プラズマガス封入チャネル73、プラズマ支持基板74、等からなる。この液晶表示装置は、液晶材料61を挟んで、一方側(図の上側)に透明なガラス等からなる基板62を有し、他方側(図の下側)に誘電体シートとしての薄板ガラス69とプラズマ支持基板74とが対向配設されたプラズマ発生基板を有する。プラズマ支持基板74と薄板ガラス69との間には、ライン状に隔壁70が形成されており、隔壁70とプラズマ支持基板74と薄板ガラス69とで囲まれた空間は、プラズマガスが封入されたライン状のチャネル73を構成する。各チャネル内には、プラズマガスをプラズマ化するためのアノード電極A71とカソード電極K72が設けられている。このプラズマアドレス素子基板は、公知の技術により作製される。
【0037】一方、CF基板62の液晶層側には、カラーフィルター(CF)が設けられており、その上に、データ線としての透明電極63が、ストライプ状に、かつ、ライン状のプラズマチヤネル73に対して、交差して、例えば垂直方向に配線されている。液晶材料61は基板62と薄板ガラス69とに挾持されており、CF基板62と薄板ガラス69との間のセル厚は、図示していないが、実施例1と同様に、第1及び第2凸部により制御されている。なお、CF基板62及び薄板ガラス69の液晶層の表面には、それぞれ垂直配向層68、68が形成されている。また、CF基板62、ITO電極63及び液晶材料61からなる部分は液晶セルを構成する。このようにして作製された液晶表示装置においては、薄板ガラス69及びCF基板62の液晶層に接する表面に垂直配向層68が形成されているので、液晶材料61として負の誘電率異方性を有する液晶材料を用いると、無電圧印加時には液晶分子を基板62に対して垂直に配向している。
【0038】このPALC液晶表示装置を測定対象とし、実施例1と同様のセル厚測定装置を使用して、セル厚を測定した。セル厚を測定した結果について述べる。測定の際、偏光光の傾斜する方向が、プラズマリブ70に平行になるようにして、位相差板8の遅相軸と偏光子及び検光子の吸収軸を図2の関係で配置した。実施例2で説明した液晶表示装置に対し、実施例1及び図4を用いて説明したセル厚測定装置で透過率の偏光光傾斜角依存性を測定し、最低透過率の時の傾斜角すなわち消光位置角度(36.2度±0.1度)を得た。同時に、測定する液晶表示装置及び使用する位相差板(リタデーション21nm)とで、光学計算により得られた消光位置角度とdLC・△nについての校正曲線(図6及び近似式(6)参照)と△n=0.0737より、セル厚を求めたところ、6.00μm±0.02μmであることがわかった。接触段差計にて実測すると、セル厚制御部(第1凸部と第2凸部の厚さの和)は6.0μmであったことから、実施例2でのセル厚測定装置で得られた数値は妥当であるといえる。したがって、この測定法は、PALC型液晶表示装置においても測定が可能である。
【0039】比較例を説明する。上記実施例1、2で測定した液晶表示装置について、市販の光干渉法のセル厚測定器を用いて測定を行なったが、妥当な数値は得られなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、液晶表示装置のセル厚について、簡便かつ正確に求めることができ、そして、液晶パネルの光学設計や製造時の検査工程等において、短時間測定、非破壊、インラインでの検査、低コストとした液晶表示装置、そのセル厚測定装置及び測定法並びに位相差板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセル厚測定装置の概要説明図。
【図2】本発明におけるセル厚測定に使用する位相差板及び極角方向の説明図。
【図3】本発明における消光位置角度と液晶リタデーションの関係及び位相差板のリタデーションとセル厚値誤差幅の関係の説明図。
【図4】実施例1のセル厚測定装置の斜視説明図。
【図5】実施例1のセル厚測定に使用する液晶表示装置の説明図。
【図6】実施例1のセル厚測定に使用する液晶表示装置の凸部パターンの説明図。
【図7】実施例1のセル厚測定に使用する液晶表示装置の軸対称表示モードの説明図。
【図8】実施例1の位相差板のリタデーション21nmのときの消光位置角度と液晶リタデーションの関係の説明図。
【図9】実施例2のセル厚測定に使用する液晶表示装置の説明図。
【符号の説明】
1 ステージ
21 ランプユニット、 22 フィルター、 23 偏光子、31 検光子、 32 受光器、 33 光検出ユニット、41 回転機構、 42 ステージユニット、 43 角度操作スイッチ、5 液晶表示装置、 51 液晶材料、 52a、52b ガラス基板、53a、53b 透明電極、 54 CF層、 55 BM、56 第1凸部、 57 柱、 58 開口部(絵素部)、59a 黒部、 59b 白部、6 PALC型液晶表示装置、 61 液晶層、 62 CF基板、63 ITO電極、 68 垂直配向層、 69 薄板ガラス、70 プラズマ隔壁(リブ)、 71 アノード電極A、72 カソード電極K、 73 プラズマガス封入チャネル、74 プラズマ支持基板、8 位相差板、10 コントローラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、該液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セルの厚さを測定するセル厚測定装置において、面内にリタデーションを有する1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて両外側表面に取付けた液晶セルを搭載するステージと、偏光子を有し、かつ、前記位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の偏光光を液晶セルに出射する光源と、該偏光光に対して前記偏光子とクロスニコルに配設された検光子と受光器とを有し、かつ、偏光光の透過光量を検出する光検出器と、前記位相差板の遅相軸方向に対して垂直な方向から偏光光の極角方向入射角を変化させる回転装置と、を備えることを特徴とする液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項2】 上記回転装置は光源と光検出器の受光器とを同期して回転させて極角方向入射角を変化させる請求項1記載の液晶表示装置の液晶セル厚測定装置。
【請求項3】 上記回転装置はステージを回転させて極角方向入射角を変化させる請求項1記載の液晶表示装置の液晶セル厚測定装置。
【請求項4】 上記光源は単色レーザ光源又は光学着色フィルタを有する光源である請求項1記載の液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項5】 上記光源はY視感度フィルターを有するランプユニットを備える請求項1記載の液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項6】 上記ステージは、温度コントローラを備え、そして、任意の点を測定することが可能なX−Yステージである請求項1記載の液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項7】 上記偏光子は任意の角度にセットすることができる請求項1記載の液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項8】 上記光検出器はフォトダイオード及び低ノイズアンプを有する請求項1記載の液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項9】 上記光検出器はディスプレイを有する請求項1記載の液晶表示装置のセル厚測定装置。
【請求項10】 屈折率差が△nである液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、該液晶層を挾持する1対の基板と、を備える液晶表示装置の液晶セルの厚さを測定するセル厚測定法において、測定する液晶表示装置の液晶セルの両外側表面に、面内にリタデーションを有し、かつ、所定厚さの1対の1軸性位相差板をその遅相軸方向をそろえて取付け、次に、該位相差板の遅相軸方向に対して方位角方向44度〜46度の偏光光を、位相差板の遅相軸方向に対して垂直な方向から極角方向入射角を変化させながら液晶セルに入射させ、一方、前記偏光光の光源が有する偏光子に対しクロスニコルに配設した検光子を有する光検出器で透過光量を検出するとともに、得られた光量が最低又は消光状態である消光位置角度を測定し、そして、測定した消光位置角度に対応する液晶セルのリタデーションを位相差板の厚さにおける消光位置角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線から得、次に、得られた液晶セルリタデーション値及び液晶材料の屈折率差△nを使用してセルの厚さを算出することを特徴とする液晶表示装置のセル厚測定法。
【請求項11】 上記位相差板の厚さにおける消光角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線は光学計算により得られたものである請求項10記載の液晶表示装置のセル厚測定法。
【請求項12】 上記位相差板の厚さにおける消光角度と液晶セルリタデーションとの校正曲線は、屈折率差△n及びセル厚さが判明している液晶表示装置について測定して得られたものである請求項10記載の液晶表示装置のセル厚測定法。
【請求項13】 取付ける1軸性位相差板のリタデーションションは10nm〜50nmである請求項10記載の液晶表示装置のセル厚測定法。
【請求項14】 誘電率異方性が負の液晶材料を有し、かつ、液晶領域中の液晶分子が電圧無印加時に略垂直に配向する液晶層と、該液晶層を挾持し、かつ、垂直配向膜を有する1対の基板と、を備える液晶表示装置において、面内にリタデーションを有し、かつ、該リタデーションションが10nm〜50nmである1対の1軸性位相差板を、その遅相軸方向をそろえて液晶セルの両外側表面に取付けていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項15】 請求項10記載の液晶表示装置のセル厚測定法で使用される位相差板であって、面内にリタデーションを有し、かつ、該リタデーションションが10nm〜50nmであり、そして、1軸性であることを特徴とする位相差板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2000−321546(P2000−321546A)
【公開日】平成12年11月24日(2000.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−126671
【出願日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】