説明

減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置

【課題】一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置にも適用でき、排気速度が速くパーティクルの舞い上がりを抑制できる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる減圧排気弁10は、一端が真空チャンバ2に連通し、他端が真空ポンプ3に連通する排気路5中に取付けられる減圧排気弁10において、前記減圧排気弁10が、前記排気路5に接続される管部11と、前記管部内に収容された、前記排気路5を開閉する開閉弁12と、前記開閉弁12に設けられた、通気孔を有する多孔質体部13と、前記開閉弁12の上流側または下流側の排気路中に設けられ、排気路5の遮蔽面積が可変となされた遮蔽量調整部10Bとを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置に関し、特に多孔質体部を有する開閉弁を備えた減圧排気弁、及びこの減圧排気弁を組み込んだ減圧排気機構を備える減圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハもしくは液晶材料の製造工程において、例えばドライエッチング装置、スパッタ装置、CVD装置等の減圧装置が用いられている。これら装置における排気機構には、真空チャンバ内を減圧状態になす際の圧力緩衝を目的として、主排気路と並列にスロー排気路が設けられている。
【0003】
従来の減圧装置を図9に基づいて説明する。図9に示すように、従来の減圧装置41には、真空チャンバ42内を減圧する排気機構43が設けられている。
この排気機構43は、一端が真空チャンバ42に設けられた排気口45に連通し、他端が真空ポンプ46に連通する主排気路47と、一端が主排気路47を介して真空チャンバ42に連通し、他端が主排気路47を介して真空ポンプ46に連通するスロー排気路49とを備えている。
【0004】
また、前記排気機構43は、前記主排気路47に設けた第1の開閉弁(メインバルブ)48と、このスロー排気路49に第1の開閉弁と並列に第2の開閉弁(スロー排気バルブ)50とを備えている。
更に、前記排気機構43は、前記排気口45に設けられた、排気時の圧力を緩衝するフィルター44を備えている。
【0005】
このような従来の減圧装置41にあっては、排気初期はスロー排気路49で緩やかに排気し、その後、主排気路47で一気に排気する。
しかし、前記排気口45にフィルター44が設置されているため、主排気路47で一気に排気する際、フィルター44が抵抗となり、排気速度が大幅に遅くなるという課題があった。
【0006】
これを解決する減圧装置として、図10に示す減圧装置51がある。この減圧装置51にあっては、一端が直接真空チャンバ42に連通し、他端が主排気路47を介して真空ポンプ46に連通するスロー排気路52を備えている。そして、スロー排気口53にはフィルター44が取付けられている。
このように構成された減圧装置51にあっては、フィルター44、スロー排気口53、スロー排気路52を介して緩やかに排気し、その後、第2の開閉弁50,第1の開閉弁48を切換えて、主排気路47から一気に排気する。
そのため、この減圧装置51にあっては、主排気路47における排気速度を上げることができるが、排気口45とは別にスロー排気口53を設ける必要があり、多額な装置改造費がかかるという課題があった。
【0007】
なお、真空チャンバと真空ポンプを連通する主排気路と、この主排気路に並列にスロー排気路を設けたウエハ取扱システム(例えば、特許文献1参照)、さらに、スロー排気路に可変コンダクタンスバルブを設けた横型処理炉が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭61−228648号公報
【特許文献2】特開平7−235497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、本願出願人は、上記した課題を解決するために、図11に示すように、スロー排気路49に、円筒形状のシリカ多孔体からなるフィルター62を備える減圧装置61を提案している(特願2007−190462号)。
しかしながら、前記した従来の減圧装置及び本願出願人が提案した減圧装置は、主排気路とスロー排気路を前提としたものであった。
そのため、スロー排気路から主排気路に切換えた際、圧力変動が生じ、パーティクルが舞い上がることがあった。
【0009】
また、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置に適用した場合、一つの排気路(主排気路)の排気口にフィルターを設けなければならず、排気速度が大幅に小さくなり、所定の真空度に到達するまでに長時間かかるという課題があった。しかも、常に排気口にフィルターが存在するため、フィルターが抵抗となり所定の真空度に到達し難いという課題があった。
このように前記したフィルターにあっては、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置には適用することは困難であった。
【0010】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置にも適用でき、排気速度が速くパーティクルの舞い上がりを抑制できる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するためになされた本発明にかかる減圧排気弁は、一端が真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路中に取付けられる減圧排気弁において、前記減圧排気弁が、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部と、前記開閉弁の上流側または下流側の排気路中に設けられ、排気路の遮蔽面積が可変となされた遮蔽量調整部とを備えることに特徴を有する。
ここで、前記遮蔽量調整部は、複数の遮蔽部材の組み合わせにより排気路の遮蔽面積を可変とすることが望ましい。
また、前記減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることが望ましい。
【0012】
このように減圧排気弁を構成することにより、真空チャンバの減圧開始時において、チャンバ内のガスは開閉弁の多孔質体部を流れ、さらに遮蔽量調整部における段階的な流量増加調整(遮蔽面積の調整)により、緩やか且つ細かに減圧速度が調整される。また、その緩やかな減圧工程の後、開閉弁を開くことで排気速度を上げた排気を行うことができる。したがって、真空チャンバの減圧処理において、チャンバ内の急激な減圧を確実に回避することができ、パーティクルの舞い上がりを抑制することができる。
【0013】
また、上記した目的を達成するためになされた本発明にかかる減圧装置は、真空チャンバと、この真空チャンバ内を減圧する排気機構を備えた減圧装置において、前記排気機構は、一端が前記真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路と、前記排気路中に取付けられた減圧排気弁とを有し、前記減圧排気弁は、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部と、前記開閉弁の上流側または下流側の排気路中に設けられ、排気路の遮蔽面積が可変となされた遮蔽量調整部とを備えることに特徴を有する。
ここで、前記遮蔽量調整部は、複数の遮蔽部材の組み合わせにより排気路の遮蔽面積を可変とすることが望ましい。
また、前記減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることが望ましい。
【0014】
このように減圧装置を構成することにより、真空チャンバの減圧開始時において、チャンバ内のガスは開閉弁の多孔質体部を流れ、さらに遮蔽量調整部における段階的な流量増加調整(遮蔽面積の調整)により、緩やか且つ細かに減圧速度が調整される。また、その緩やかな減圧工程の後、開閉弁を開くことで排気速度を上げた排気を行うことができる。したがって、真空チャンバの減圧処理において、チャンバ内の急激な減圧を確実に回避することができ、パーティクルの舞い上がりを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置にも適用でき、排気速度が速くパーティクルの舞い上がりを抑制できる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態にかかる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置について、図に基づき説明する。
尚、図1は本発明にかかる減圧装置の概略構成図、図2は本発明にかかる減圧排気弁を示す側断面図である。また、図3は図2の減圧排気弁が備えるフィルター弁の正面図であって、開閉体が閉じた状態を示す図、図4は、その開閉弁が開いた状態を示す図である。さらに、図5は、図2の減圧排気弁が備える遮蔽調整部の平面図であって、シャッター板が閉じた状態を示す図、図6は、そのシャッター板が開いた状態を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本発明にかかる減圧装置1は、真空に減圧され処理室となる真空チャンバ2を備え、更にこの真空チャンバ2を真空に減圧する排気機構3を備えている。
前記排気機構3は、一端が真空チャンバ2の底部に設けられた排気口2aを介して真空チャンバ2に連通し、他端が真空ポンプ4に連通する排気路5と、前記排気路5中に取付けられる減圧排気弁10とを備えている。
この減圧排気弁10は、フィルター弁10Aと、排気路5の排気方向に沿って、このフィルター弁10Aの前方または後方のいずれか(本実施形態では後方)に設けられた遮蔽量調整部10Bとを備える。
【0018】
前記フィルター弁10Aは、図3、図4に示すように、排気路5に接続される管部11と、前記管部11の内部に回動可能に収容され、前記排気路5を開閉する円板状の開閉弁12と、前記開閉弁12に設けられた、円板状の通気孔を有する多孔質体部13とを備えている。即ち、前記多孔質体部13の外周部を、輪状のリング部12aの内周部が把持することによって、開閉弁12が構成されている。
【0019】
また、前記リング部12aの背面には、回動軸14が取付けられている。この回動軸14は、排気路5(管部11)の軸線に対して垂直に、かつ管部11に対して回動可能に取付けられている。
この回動軸14の端部にはギヤ部14aが形成され、管部11の外部において、駆動軸15の端部に形成されたギヤ部15aと噛合している。即ち、前記駆動軸15をモータ等の駆動手段(図示せず)によって、回転させることにより、前記回動軸24を回動させ、開閉弁12を回動させ、排気路5(管部11)の開閉を行うように構成されている。
尚、前記回動軸14のギヤ部14a及び駆動軸15のギヤ部15aは、ケーシング16内に収容されている。
【0020】
更に、多孔質体部13について説明する。
この多孔質体部13は、金属多孔質体、ガラス多孔質体、石英製多孔質体、通常の粉末焼結による多孔質焼結体、セラミックス繊維を焼結した多孔質焼結体、攪拌起泡によって形成され焼結した多孔質焼結体などを用いることができる。
特に、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることが望ましい。このようなセラミックス多孔質体の製造は、本出願人が先に出願した特開2000−264753号公報、特開2003−238267号公報に記載した方法により製造することができる。
ここで、前記多孔質体部を製造する原料としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ムライト、コーディエライト、シリカ、水酸化アパタイトなどの他、金属製多孔体などの種々の材料を採用することができるが、これらの内、特に耐食性および機械的特性に優れている炭化ケイ素が好ましい。
【0021】
また、平均気孔径が5〜90μm、気孔率は30〜65%であるのが好ましい。
特に、炭化ケイ素の場合、平均気孔径30〜90μm、気孔率55〜65%が好ましい。具体的には、水銀ポロシメーターを用いて測定(JIS R1634 1998に基づく)した気孔の平均気孔径が30μm以上90μm以下であって、前記気孔が10μm以上20μm以下(SEM観察に基づく)の連通孔で連通する三次元網目状の骨格構造を有しているのが好ましい。
【0022】
また、この気孔率(サンプルを特定体積に機械加工し、この重量を測定することで、前記体積、重量及びSiC密度:3.21g/cm3より算出)は55%以上、65%未満に形成されているのが好ましい。
尚、前記平均気孔径、気孔率は、製造工程における原料粉、攪拌起泡条件を調整することによって可変することができ、所望の平均気孔径、気孔率を有するセラミックス多孔質焼結体を得ることができる。
【0023】
また、遮蔽量調整部10Bは、排気路5の遮蔽面積を可変に構成されており、図5に示すように、排気路5に接続される管部17と、前記管部17の内部でそれぞれ回動可能に収容された複数(図では6枚)のシャッター板18(遮蔽部材)とを備える。シャッター板18は、それぞれ図示するように長板状に形成され、その長手方向の側部が隣り合うシャッター板18と重なり合うように配列されている。また、全てのシャッター板18が閉じた状態(側部が重なり合った状態)で、全てのシャッター板18により排気路5の断面形状の遮蔽板が形成されるようになされている。
尚、シャッター板18において、隣り合うシャッター板18と重なり合う部分には、合成樹脂部材(図示せず)が設けられ、シャッター板18が閉じたときの密閉性を向上するようになされている。
【0024】
また、各シャッター板18には、その長手方向に沿って回転軸19が設けられ、その回転軸19が管部17に回転自在に支持されることにより、シャッター板18が管部17内で回動可能に軸支されている。即ち、各シャッター板18の回動により、排気路5が閉状態(図5の状態)か、或いは開状態(図6の状態)のいずれかの状態になされる。
回転軸19の一端は外方へ突出しており、その端部に設けられた駆動軸20がモータ等の駆動手段(図示せず)により回転駆動して回転軸19を回転させ、シャッター板18が回動するようになされている。
【0025】
各シャッター板18に対応する駆動軸20は、それぞれ独立して駆動制御される。これにより、所定のシャッター板18のみを開いた状態とし、シャッター板18の組み合わせにより排気路5の遮蔽面積を所望の状態として、減圧排気弁10を通過するガス流量を細かに調整することが可能となる。
尚、各シャッター板18は、その回転角度を微調整可能に駆動されることが好ましく、そのような構成であれば、ガス流量をより細かに調整することができる。
また、そのように遮蔽量調整部10Bにおいて、排気路5の遮蔽面積が可変な構成であるため、真空チャンバ2の容量に応じた最適な排気量(排気速度)に調整することが可能となる。
【0026】
次に減圧装置の作用について説明する。処理室となる真空チャンバ2を減圧する場合、減圧開始時は、排気路5に設けた減圧排気弁10において、先ず、図7(a)に示すように遮蔽量調整部10Bの全てのシャッター板18が閉じられた状態から、図7(b)に示すように例えば中央のシャッター板18のみを回動させて開く。
さらに図7(b)に示すように、減圧排気弁10Aの開閉弁12を閉じた状態となし、真空ポンプ4を運転する。真空チャンバ2中のガスは、排気口2a、排気路5、減圧排気弁10Aの多孔質体部13、さらに流量調整機構10Bの開いたシャッター板18を介して真空ポンプ4に流れ、真空チャンバ2内は緩やかに減圧開始される。
【0027】
所定時間経過後、或いは真空チャンバ2内が所定気圧に達すると、順次、他のシャッター板18を開き(図7(c)参照)、徐々にガス流量を増加させて、最後に図7(d)に示すように全てのシャッター板18を開いた状態とする。
このとき、フィルター弁10Aの多孔質体部13の外径が25mm、平均気孔径が5〜90μm、気孔率は30〜65%と適度なガス通気抵抗に設定されているので、真空チャンバ2内の急激な減圧が避けられて、パーティクルの舞い上がりが抑制され、緩やかに減圧を行うことができる。また、複数のシャッター板18を順次開くことによりガス流量を徐々に増加させ、減圧速度をより細かく調整することができる。
【0028】
そして、この緩やかな減圧工程の後、駆動軸15を回転させ、前記回動軸14を回動させることにより、開閉弁12を回動させて、開閉弁12を開く。
そして、この開閉弁12の開放により、減圧排気弁10の多孔質体部13の緩衝作用が弱められ、排気速度の速い状態での排気が行なわれる。
【0029】
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、真空チャンバ2の減圧開始時において、真空チャンバ2内のガスはフィルター弁10A(開閉弁12)の多孔質体部13を流れ、さらに遮蔽量調整部10Bにおける段階的な流量増加調整(遮蔽面積の調整)により、緩やか且つ細かに減圧速度が調整される。また、その緩やかな減圧工程の後、開閉弁12を開くことで排気速度を上げた排気を行うことができる。
したがって、真空チャンバ2の減圧処理において、チャンバ内の急激な減圧を確実に回避することができ、パーティクルの舞い上がりを抑制することができる。
【0030】
尚、前記実施の形態においては、遮蔽量調整部10Bで用いる遮蔽部材として、それぞれ開閉自在なシャッター板18の開閉状態を組み合わせて、排気路5の遮蔽量を調整するものとしたが、本発明にあっては、それに限定されるものではない。
【0031】
例えば、遮蔽量調整部10Bに代え、図8(a)乃至図8(c)に模式的に示すようなカメラの絞り構造に近い構造を有する遮蔽量調整部10Cを排気路5中に設け、減圧排気弁10における遮蔽量調整部として用いてもよい。
図8(a)は、遮蔽量調整部10Cの平面図であって、閉じた状態を示し、図8(b)は、少し開いた状態を示す図、図8(c)は完全に開いた状態を示す図である。
【0032】
図示するように、この遮蔽量調整部10Cは、複数(図では6枚)の羽根部材21(遮蔽部材)と、各羽根部材21に形成された細長いカム穴21aにそれぞれ係合する複数のピン23とを有する。各羽根部材21は回転軸22を軸に回動自在に設けられ、ピン23は図8(a)に一点鎖線で示す軌道に沿って移動可能となされている。
【0033】
この構成により、例えば図8(a)に示す閉状態から、ピン23が駆動手段(図示せず)により前記軌道に沿って移動すると、羽根部材21がカム穴21aに沿って回動して図8(b)に示すように開口部25が生じる。この開口部25は、前記ピン23の移動に伴い徐々に大きくなり、最後には図8(c)に示す完全な開状態となる。
即ち、ピン23の移動量を制御することにより、羽根部材21の組み合わせ状態が変化し、その開口部25の大きさが決定されるため、開排気路5の遮蔽量を調整することが可能となる。
【0034】
尚、上記実施形態にあっては、減圧排気弁を、排気路を一つしか有しない減圧装置に搭載した場合を例にとって説明したが、従来のように二つの排気路を備える減圧装置にも、当然に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本発明にかかる減圧装置の概略構成図である。
【図2】図2は本発明にかかる減圧排気弁を示す側断面図である。
【図3】図3は図2の減圧排気弁が備えるフィルター弁の正面図であって、開閉体が閉じた状態を示す図である。
【図4】図4は図3のフィルター弁において開閉弁が開いた状態を示す図である。
【図5】図5は図2の減圧排気弁が備える遮蔽調整部の平面図であって、シャッター板が閉じた状態を示す図である。
【図6】図6は図5の遮蔽量調整部が有するシャッター板が開いた状態を示す図である。
【図7】図7は本発明にかかる減圧排気弁の動作例を示す図である。
【図8】図8は、遮蔽調整部の他の形態を模式的に示す図である。
【図9】図9は、従来の減圧装置を示す概略構成図である。
【図10】図10は、他の従来の減圧装置を示す概略構成図である。
【図11】図11は、本願出願人が先に提案した減圧装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0036】
1 減圧装置
2 真空チャンバ
2a 排気口
3 排気機構
4 真空ポンプ
5 排気路
10 減圧排気弁
10A フィルター弁
10B 遮蔽量調整部
11 管部
12 開閉弁
12a リング部
13 多孔質体部
14 回動軸
14a ギヤ部
15 駆動軸
15a ギヤ部
16 ケーシング
17 管部
18 シャッター板(遮蔽部材)
19 回転軸
20 駆動軸
21 羽根部材(遮蔽部材)
21a カム穴
22 回転軸
23 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路中に取付けられる減圧排気弁において、
前記減圧排気弁が、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部と、前記開閉弁の上流側または下流側の排気路中に設けられ、排気路の遮蔽面積が可変となされた遮蔽量調整部とを備えることを特徴とする減圧排気弁。
【請求項2】
前記遮蔽量調整部は、複数の遮蔽部材の組み合わせにより排気路の遮蔽面積を可変とすることを特徴とする請求項1に記載された減圧排気弁。
【請求項3】
前記減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の減圧排気弁。
【請求項4】
真空チャンバと、この真空チャンバ内を減圧する排気機構を備えた減圧装置において、
前記排気機構は、一端が前記真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路と、前記排気路中に取付けられた減圧排気弁とを有し、
前記減圧排気弁は、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部と、前記開閉弁の上流側または下流側の排気路中に設けられ、排気路の遮蔽面積が可変となされた遮蔽量調整部とを備えることを特徴とする減圧装置。
【請求項5】
前記遮蔽量調整部は、複数の遮蔽部材の組み合わせにより排気路の遮蔽面積を可変とすることを特徴とする請求項4に記載された減圧装置。
【請求項6】
前記減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の減圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−112391(P2010−112391A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282926(P2008−282926)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(507182807)コバレントマテリアル株式会社 (506)
【Fターム(参考)】