説明

自動変速機のリバースインヒビット制御方法

【課題】車両に搭載され前進側クラッチ及び後進側クラッチを備える自動変速機において、後進側クラッチの過大な高温化を抑制し、後進側クラッチの耐久性向上を図る。
【解決手段】シフトセレクタが後進レンジにあるとともに車速vが所定車速vthを上回る場合に前進側クラッチたる逆転ブレーキ48後進側クラッチたる直結クラッチ49を切断してニュートラル状態とするリバースインヒビット制御を行うステップと、前記ニュートラル状態としている際に直結クラッチ49に供給する潤滑油の油圧又は量を増加させる制御を行うステップと、車速vが所定車速vthを下回った場合に直結クラッチ49の締結を開始する制御を行うステップと、直結クラッチ49の締結開始の際にエンジン回転数Neを低減させるための出力ダウン制御を行うステップとを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され前進側クラッチ及び後進側クラッチを備えた自動変速機のリバースインヒビット制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前進側クラッチ及び後進側クラッチを備えた自動変速機を搭載した車両において、車両の前進走行中に後進走行に切り替えるべくシフトセレクタが後進レンジに切り替えられたとき、車速が所定車速以上である場合には前進側クラッチ及び後進側クラッチを切断してニュートラル状態とするリバースインヒビット制御を行うことが知られている。
【0003】
ところで、ドライバーは、前進走行から後進走行に切り替えて速やかに後進するためにアクセルを踏み込む場合がある。しかし、後進走行に切り替えたときの車速が所定車速以上にあるとリバースインヒビット制御でニュートラル状態となり、エンジンが吹き上がる。そして、アクセルが踏まれたまま車速が低下し自動的に後進クラッチの締結が開始される。このような状況においては、エンジン回転数が非常に高く、後進クラッチの係合時の発熱によるクラッチの損傷及び締結時の大きなショックが発生する。そこで、その損傷及びショックを低減すべく、アクセルが踏み込まれたとしてもエンジン回転数が過大値とならないよう抑制するための出力ダウン制御を行うことがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
車両が前進している状態で、リバースインヒビット制御の終了に伴い後進側クラッチを締結すると、前進惰行状態で後進側クラッチが締結されるので、この後進側クラッチにて車軸側とエンジン側とから相反する逆方向のトルクが作用する。それ故、このような場合にエンジン回転数が高いと、後進側クラッチに更なる大きな摩擦熱が発生する。
【0005】
一方で、後進側クラッチに供給する潤滑油量は、メカロスをできるだけ抑えるために最低限に設定している。従って、後進側クラッチが潤滑油により十分冷却されず、後進側クラッチが焼けるという、耐久性に対する不利益がもたらされるおそれがある。
【0006】
このような不具合を解消するには、リバースインヒビット中にアクセルが踏み込まれたときにエンジン回転数の過大化を抑制するという出力ダウン制御のみでは不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−177834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上の点に着目し、後進側クラッチの過大な高温化を抑制し、後進側クラッチの耐久性向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係る自動変速装置のリバースインヒビット制御方法は、車両に搭載され前進側クラッチ及び後進側クラッチを備える自動変速機の制御方法であって、シフトセレクタが後進レンジにあるとともに車速が所定値を上回る場合に前進側クラッチ及び後進側クラッチを切断してニュートラル状態とする制御を行うステップと、前記ニュートラル状態としている際に後進側クラッチに供給する潤滑油の油圧又は量を増量する制御を行うステップと、シフトセレクタが後進レンジにあるとともに車速が所定値を下回った場合に後進側クラッチの締結を開始する制御を行うステップと、前記後進側クラッチの締結開始の際にエンジン回転数を低減させるための出力ダウン制御を行うステップとを具備することを特徴とする。
【0010】
このような制御方法によれば、後進側クラッチを切断する制御中に潤滑油を増量することにより後進側クラッチの冷却を行うことができる上、前記後進側クラッチの締結開始の際にエンジン回転数を低減させるための出力ダウン制御を行うことにより、後進側クラッチに発生する摩擦熱を低減できる。従って、後進側クラッチの温度上昇を効果的に抑制することができる。特に、出力ダウン制御は、少なくとも後進側クラッチの締結開始から締結完了までの間、行うことが好ましい。
【0011】
さらに、後進側クラッチを切断するステップの実行中にアクセル操作があったときに、エンジン回転数を低減させるための出力ダウン制御を行うステップをさらに具備するものであれば、エンジン回転数を低減させることにより後進側クラッチを締結した際に後進側クラッチに発生する摩擦熱をさらに低減できる。すなわち、さらに効果的に後進側クラッチの温度上昇を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る自動変速装置のリバースインヒビット制御方法によれば、後進側クラッチの温度上昇を抑制することができる。従って、後進側クラッチの焼き付き耐性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成を示す構成説明図。
【図2】同実施形態の制御手順の概略を示すフローチャート。
【図3】同実施形態に係る作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本発明の適用対象となるトランスミッションシステムの一例を示す。エンジン2が出力するトルクは、ドライブプレート83及びトルクコンバータ3を介して入力軸30を回転させる。入力軸30の回転は、遊星歯車機構41を用いた前後進切替装置4を介して駆動軸510に伝わり、CVT5における変速を経て従動軸520を回転させる。従動軸520には出力ギヤ524が固設され、この出力ギヤ524はデファレンシャル装置6のリングギヤと噛合して出力軸60ひいては図示しない駆動輪を回転させる。ここで本実施形態では、前記前後進切替装置4とCVT5とデファレンシャル装置6とが、本発明の自動変速機として機能し、これら前後進切替装置4とCVT5とデファレンシャル装置6とを、図示しない変速機ケース内に収容している。
【0015】
前後進切替装置4は、前記遊星歯車機構41と逆転ブレーキ48と直結クラッチ49とで構成している。遊星歯車機構41のサンギア42は入力軸30に連結され、リングギア43は駆動軸510に連結されている。この遊星歯車機構41はシングルピニオン方式である。前記逆転ブレーキ48はピニオンギア44を支えるキャリア45と前記変速機ケースとの間に設けている。また、前記直結クラッチ49は、前記キャリア45と前記サンギア42との間に設けている。前記逆転ブレーキ48及び直結クラッチ49は、いずれも油圧クラッチ機構を利用して形成している。ここで、前記前後進切替装置4の直結クラッチ49を開放して逆転ブレーキ48を締結すると、トルクコンバータ3から入力される駆動力が逆転かつ減速されて駆動軸510に伝達され、前進駆動状態となる。すなわち、逆転ブレーキ48は本発明の前進側クラッチである。逆に、逆転ブレーキ48を開放して直結クラッチ49を締結すると、遊星歯車機構41のキャリア45とサンギア42とが一体に回転するので、トルクコンバータ3から入力される駆動力がそのまま駆動軸510に伝達され、後進駆動状態となる。すなわち、直結クラッチ49は本発明の後進側クラッチである。
【0016】
CVT5は、駆動プーリ51及び従動プーリ52と、両プーリ51、52に巻き掛けられたベルト53とを要素とするベルト式の周知のものである。すなわち、駆動プーリ51及び従動プーリ52は、ともに、プーリ軸に固設された固定シーブと、軸方向に変位可能に支持された可動シーブとを有し、可動シーブを変位させることを通じて変速比を無段階に変更できるようにしている。
【0017】
前記油圧制御装置9は、前記逆転ブレーキ48及び前記直結クラッチ49に供給するソレノイド弁9aとライン圧を制御して所望の潤滑圧を供給するソレノイド弁9bとを少なくとも有する。そして、ソレノイド弁9aはシフトセレクタ操作と連動して、逆転ブレーキ48あるいは直結クラッチ49に供給先を切り替える切替弁10を備える。また、ライン圧用ソレノイド弁9bにより制御される潤滑油が、前後進切替装置4内部の入力軸30の図示しない軸芯油路を経て直結クラッチ49に供給される。
【0018】
エンジン2、油圧制御装置9等は、電子制御装置1によって制御される。電子制御装置1は、CPU、RAM、ROM、I/Oインタフェース等を包有してなるマイクロコンピュータシステムである。制御用のプログラムは予めROMに格納されており、その実行の際にROMからRAMに読み込まれ、CPUで解読される。
【0019】
電子制御装置1は、エンジン回転数Neを検出するセンサから出力される回転数信号71、図示しないシフトセレクタ(通常の車両ではシフトレバー)の位置を検知するセンサから出力されるシフト状態信号72、車速vを検知するセンサから出力される車速信号73等を参照する。
【0020】
また、電子制御装置1は、エンジン2の燃料噴射弁及び点火プラグに対して燃料噴射信号及び点火信号を入力し、油圧制御装置9に対してソレノイド弁9a、9bの開度を制御するための制御信号を入力する。
【0021】
しかして本実施形態では、シフトセレクタが後進レンジ(以下Rレンジと称する)に切り替えられた際に、電子制御装置1が以下のようなリバースインヒビット制御プログラムを実行する。このリバースインヒビット制御プログラムは、シフトセレクタがRレンジにありかつ車速vが所定車速vth以上であるか否かを判定し、シフトセレクタがRレンジにありかつ車速vが所定車速vth以上である場合に、直結クラッチ49の焼き付きを抑制すべく、直結クラッチ49を切断してニュートラル状態にするリバースインヒビット制御と、エンジン回転数Neを所定の閾値すなわち所定回転数Neth以下に抑制する出力ダウン制御と、直結クラッチ49に供給する潤滑油の量を増量する制御とを行うものである。ここで、このリバースインヒビット制御プログラムにおいては、前後進切替装置4内に供給すべき潤滑油の量を増量中である場合には値1、そうでない場合には値0をとる潤滑油増量フラグF1、及びエンジン回転数Neを所定回転数Neth以下に抑制する制御を実行中である場合には値1、そうでない場合には値0をとる出力ダウンフラグF2を利用している。なお、これら潤滑油増量フラグF1及び出力ダウンフラグF2の初期値は、ともに0に設定している。
【0022】
以下、リバースインヒビット制御プログラムが行う処理の手順をフローチャートである図2を参照しつつ以下に述べる。
【0023】
まず、ステップS1では、リバースインヒビット制御を行うべき条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、車速vが所定車速vthを上回っているか否かを判定する。車速vが所定車速vthを上回っている場合には、ステップS2に進む。一方、車速vが所定車速vthを上回っていない場合には、ステップS5に進む。
【0024】
ステップS2では、リバースインヒビット制御、すなわち逆転ブレーキ48及び直結クラッチ49を切断しニュートラル状態とする制御を行う。
【0025】
ステップS3では、潤滑油増量フラグF1の値が0であるか否かを判定する。潤滑油増量フラグF1の値が0である、すなわち前記潤滑油の量を増量中でない場合にはステップS4に進む。潤滑油増量フラグF1の値が1である、すなわち前記潤滑油の量を増量中である場合にはステップS1に戻る。
【0026】
ステップS4では、直結クラッチ49の冷却を行うべく前後進切替装置4内に供給すべき潤滑油の量を増量する制御、すなわち前記ソレノイド弁9bの開度を増加させ前後進切替装置4内に潤滑油を供給する流路のライン圧を上昇させる制御を行い、潤滑油増量フラグF1の値を1にセットする。そしてステップS1に戻る。
【0027】
ステップS5では、直結クラッチ49の締結を開始させるための直結クラッチ締結開始指令を発する。
【0028】
ステップS6では、潤滑油増量フラグF1の値が1であるか否かを判定する。潤滑油増量フラグF1の値が1である、すなわち前記潤滑油の量を増量中である場合にはステップS7に進む。潤滑油増量フラグF1の値が1でない、すなわち前記潤滑油の量を増量中でない場合にはステップS8に進む。
【0029】
ステップS7では、前後進切替装置4内に供給すべき潤滑油の量の増量を終了する制御、すなわち前記ソレノイド弁9bの開度、及び前後進切替装置4内に潤滑油を供給する流路のライン圧をステップS4を実行する以前に戻す制御を行い、潤滑油増量フラグF1の値を0にリセットする。
【0030】
ステップS8では、エンジン回転数Neが所定回転数Nethを上回っている否かを判定する。エンジン回転数Neが所定回転数Nethを上回っている場合には、ステップS9に進む。エンジン回転数Neが所定回転数Nethを上回っていない場合には、ステップS11に進む。
【0031】
ステップS9では、出力ダウンフラグF2の値が0であるか否かを判定する。出力ダウンフラグF2の値が0である、すなわち出力ダウン制御を実行中でない場合にはステップS10に進む。出力ダウンフラグF2の値が1である、すなわち出力ダウン制御を実行中である場合にはステップS8に戻る。
【0032】
ステップS10では、出力ダウンフラグF2の値を1にセットし、出力ダウン制御を開始する。そしてステップS8に戻る。なお、出力ダウン制御としては、具体的にはエンジン回転数Neが所定回転数Nethを上回った場合に燃料カットを行う制御や、電磁スロットル弁の開度を小さくする制御等が考えられる。
【0033】
なお、直結クラッチ49の締結動作は、このインヒビット制御プログラムのステップS5における直結クラッチ締結開始指令を受けて、このインヒビット制御プログラムのステップS6〜S10と並行して行うようにしている。
【0034】
また、上述したステップS8、S9及びS10が実行されることにより、少なくとも直結クラッチ49の締結開始から締結完了までの間、エンジン2の出力トルクダウンが実現される。
【0035】
ステップS11では、出力ダウンフラグF2の値が1であるか否かを判定する。出力ダウンフラグF2の値が1である、すなわち出力ダウン制御を実行中である場合にはステップS12に進む。出力ダウンフラグF2の値が1でない、すなわち出力ダウン制御を実行中でない場合にはこの前後進切替装置制御制御プログラムを一旦終了する。
【0036】
ステップS12では、出力ダウン制御を一旦終了し、出力ダウンフラグF2の値を0にリセットする。
【0037】
なお、このリバースインヒビット制御プログラムのステップS1〜S4の実行中においては、アクセルペダルに操作が行われた場合に、エンジン回転数Neを低減させるべく燃料カットを行うようにしている。
【0038】
すなわち、図3に示すように、時刻t1で車速vが所定車速vth以上である際にシフトセレクタがRレンジに切り替えられた場合には、ステップS1によりリバースインヒビット制御を行うべき条件を満たしていると判定される。そこで、潤滑油増量フラグF1の初期値は0であるので、まず、ステップS2、ステップS3、及びステップS4の制御が順次行われ、直結クラッチ49の冷却を行うべく前後進切替装置4内に供給すべき潤滑油の量を増量する制御が開始されるとともに潤滑油増量フラグF1の値が1にセットされる。その後、車速vが所定車速vth以上である間、すなわち図3の時刻t1からt2までの時間帯においては、ステップS1、ステップS2、及びステップS3の制御が繰り返され、直結クラッチ49の冷却を行うべく前後進切替装置4内に供給すべき潤滑油の量を増量する制御は続行される。それから、時刻t2において車速vが所定車速vthを下回ると、ステップS1の制御からステップS5の制御に移行し、直結クラッチ49の締結を開始させるための直結クラッチ締結開始指令が発せられる。それから、ステップS6において潤滑油増量フラグF1の値が1であると判定され、ステップS7が実行されることにより潤滑油増量フラグF1の値が0にリセットされ前後進切替装置4内に供給すべき潤滑油の量の増量する制御が終了する。その後、ステップS8によりエンジン回転数Neが所定回転数Neth以上であると判定されると、出力ダウンフラグF2の初期値は0であるので、ステップS9及びステップS10の制御が順次行われ、直結クラッチ49に発生する摩擦熱を低減させるべくエンジン回転数Neを所定回転数Neth以下に抑制する出力ダウン制御が開始されるとともに出力ダウンフラグF2の値が1にセットされる。その後、エンジン回転数Neが所定回転数Neth以上である間、すなわち図3の時刻t2からt3までの時間帯においては、ステップS8及びステップS9の制御が繰り返され、エンジン回転数Neを所定回転数Neth以下に抑制する出力ダウン制御が続行される。すなわち、少なくとも直結クラッチ49の締結開始から締結完了までの間、出力ダウン制御が続行される。そして、時刻t3においてエンジン回転数Neが所定回転数Nethを下回ると、ステップS8の制御からステップS11の制御に移行し、ステップS11において出力ダウンフラグF2の値が1であると判定され、ステップS12が実行され出力ダウンフラグF2の値が0にリセットされ、出力ダウン制御を一旦終了する。
【0039】
以上に述べたように、本実施形態に係るリバースインヒビット制御方法によれば、潤滑油による直結クラッチ49の冷却を行うようにするとともに、直結クラッチ49の締結開始直後はエンジン回転数Neを所定回転数Neth以下に抑制して直結クラッチ49に発生する摩擦熱を小さくすることにより、前後進切替装置4の直結クラッチ49の過大な温度上昇を抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、この前後進切替装置制御プログラムのステップS1〜S4の実行中においては、アクセルペダルに操作が行われた場合に、エンジン回転数Neを低減させるべく出力ダウン制御を行うようにしているので、この点からも直結クラッチ49に発生する摩擦による発熱を抑制でき、従って、さらに効果的に前後進切替装置4の直結クラッチ49の過大な温度上昇を抑制することができる。
【0041】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0042】
例えば、上述した実施形態における前後進切替装置及びCVTに替えて、遊星歯車列を利用して構成した周知の自動変速装置を採用してもよい。この場合、後進時に締結されるクラッチを本発明にいう後進側クラッチとして、本発明に係る制御方法を適用する。
【0043】
また、後進側クラッチに供給すべき潤滑油の量を増量する制御の実行中においては、エンジン回転数を低減させるための出力カット制御は必ずしも行う必要はない。
【0044】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0045】
1…制御装置
4…前後進切替装置
48…逆転ブレーキ(前進側クラッチ)
49…直結クラッチ(後進側クラッチ)
9…油圧制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され前進側クラッチ及び後進側クラッチを備える自動変速機の制御方法であって、
シフトセレクタが後進レンジにあるとともに車速が所定値を上回る場合に前進側クラッチ及び後進側クラッチを切断してニュートラル状態とする制御を行うステップと、
前記ニュートラル状態としている際に後進側クラッチに供給する潤滑油の油圧又は量を増量する制御を行うステップと、
シフトセレクタが後進レンジにあるとともに車速が所定値を下回った場合に後進側クラッチの締結を開始する制御を行うステップと、
前記後進側クラッチの締結開始の際にエンジン回転数を低減させるための出力ダウン制御を行うステップとを具備することを特徴とする自動変速機のリバースインヒビット制御方法。
【請求項2】
前進側クラッチ及び後進側クラッチを切断してニュートラル状態とするステップの実行中にアクセル操作があったときに、エンジン回転数を低減させるための出力ダウン制御を行うステップをさらに具備する請求項1記載の自動変速機のリバースインヒビット制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−133082(P2011−133082A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294796(P2009−294796)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】