説明

自動車において目標の駆動軸パワーを達成するための駆動制御システム

【課題】従来より大きな自由度でエンジンを管理できる自動車制御システムを提供する。
【解決手段】内燃機関(E)は、制御装置(ECU,GSCU,SCU)とセンサ(S1,S2)を備える。制御装置がエンジンを制御して、アクセルペダル(AP)の位置(α)に応じて変化する駆動トルク(C)を供給する。まず、センサ手段(S1,S2)から、アクセルペダル位置(α)と、エンジン回転速度(ω)または自動車前進速度(v)とを取得する。次に、測定されたアクセルペダル位置(α)と、計算または取得した自動車の前進速度(v)とに基づき、駆動輪に印加すべきパワー(P)を決定する。そして、駆動輪に印加すべきパワー(P)として決定した値と、自動車の前進速度(v)とに基づき、これに対応してエンジン(E)が供給すべき駆動トルク(CMREF)を計算し、この駆動トルク(CMREF)を供給するようエンジン(E)を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用駆動制御システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、請求項1のプレアンブル(preamble)に記載したタイプの駆動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCT国際公開第9737868号公報には、そのようなシステムが開示されている。すなわち、アクセル位置および車両速度を用いて、記憶されたグラフから、対応する望ましい牽引力が決定される。牽引力に車両速度を掛算して、対応する必要なパワーが決定される。同時に、その時トランスミッション比が最大比ではない場合には、最大比へとシフトされる。最大比は、アクセル位置および車両速度の関数として決定される。そして、エンジンにより配給されるべきトルクは、必要なパワーおよび最大トランスミッション比に基いて計算される。
【0003】
ヨーロッパ特許出願公開明細書(EP-A-0559342)は、ロックアップクラッチを有するオートマチックトランスミッションを装備した車の燃費を改善するシステムを開示している。このシステムは、エンジンおよびオートマチックトランスミッションの両方を、アクセルペダルのストロークに対応する目標トルクに基いて制御する。
米国特許第353272号明細書は、車両のエンジン-トランスミッションアセンブリを制御するシステムを開示する。このシステムにおいては、アクセルの位置により、エンジンのパワーセットポイントが決まる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に、従来のシステムより大きな自由度でエンジンを管理することのできる革新的な自動車用駆動制御システムを提供することにある。本発明によれば、添付した請求項1に規定した主要特徴を有するシステムにより、この目的やその他の目的が達成される。
【課題を解決するための手段および効果】
【0005】
本発明に係る制御システムは、特に、サーボ制御クラッチによりエンジン軸と結合できる入力軸を備えたサーボ支援ギヤボックスを有する自動車であって、第1および第2の電気駆動されるアクチュエータ手段がギヤボックスおよびクラッチに付随している前記自動車、における統合化駆動制御に対して有効に適用できる。
【0006】
サーボ支援された、すなわち「自動」の、ギヤボックスを有する自動車においては、駆動制御、すなわち、駆動輪に印加されると共に地面に伝達されるパワーないしトルクの制御は、運転者がアクセルペダルから与えた命令と、運転者が選択したギヤ比と、の組合せの結果である。
【0007】
これらの自動車では、運転者が特別に熟練しているのでない場合には、駆動制御、すなわち、実際に駆動輪に印加されると共に地面に伝達されるトルクの制御は、一般に、最適ではない。
【0008】
本発明の更なる目的は、エンジンおよびギヤボックスを個別に制御する従来の方法より優れていると共に、駆動輪に印加されるパワーの、改良された、より直接的な制御が可能であり、運転をより快適にすることができ、燃料消費および/または排ガス放出の低減などの所定の目的に応じてエンジン使用を最適化することのできる統合化駆動制御システムを提供することにある。
【0009】
本発明によれば、添付した請求項3に規定した主要特徴を有する統合化駆動制御システムにより、この目的やその他の目的が達成される。
【0010】
本明細書の以下の部分で明確となるように、本発明に係るこのタイプのシステムは、動力ユニットから供給される駆動トルクではなく、自動車の駆動輪に印加されるパワーを、アクセルペダルにより、直接に制御するというコンセプトに基づいている。換言すれば、アクセルペダルという運転者用手段により制御される対象は、純粋単純なエンジンではなく、自動車の前進する動的挙動である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1においては、自動車の内燃エンジンを符号Eで示し、その軸をMで示す。
【0012】
公知のタイプの電子制御ユニットECUがエンジンEに付随している。様々なセンサ装置が制御ユニットECUに接続している。特に、自動車のアクセルペダルAPに付随したセンサS1がユニットECUに接続している。このセンサはユニットECUに対し、信号、たとえば、0%(ペダル解放)〜100%(ペダル最大踏込み)の間で変化する百分率として表わされるペダル操作度αを示す信号、を供給する。
【0013】
別のセンサS2はユニットECUに対し、単位時間当りの軸の回転数nとして表わされるエンジンEの軸Mの回転速度ωを示す信号を供給する。
【0014】
制御ユニットECUは、エンジンEにより軸Mに供給されるトルクCを、センサS1により検出されたアクセルペダルAPの位置αに応じて制御する手続を実施すべく構成されている。
【0015】
このために、電子メモリM1がユニットECUに付随しており、アクセルペダルAPの位置αと自動車の前進速度vとに応じて自動車の駆動輪に印加すべきパワーPを規定するためのデータを記憶している。メモリM1に記憶されているデータは「駆動能力マップ」を規定する。このマップは、以下に詳しく説明するように、従来のエンジン管理システムとは異なり、駆動輪に印加すべき所定のパワーPを、アクセルの位置αと自動車の前進速度vとに一意に対応させるものである。
【0016】
換言すれば、現在までに製造されたエンジン管理システムでは、アクセルペダルから与えた命令は、ペダル位置をエンジンの特定の変数ないしパラメータ、特に、単位時間当りの回転数nおよび軸に供給する駆動トルクC、に直接に対応させる「駆動能力マップ」に基づいて解釈されていた。本発明に係るシステムでは、アクセルペダルAPの位置αは、これと異なる方法で、すなわち、位置αをエンジンの動力学に関係する変数ないしパラメータ、特に、前進速度vおよび駆動輪に印加するパワーP、に対応させる「駆動能力マップ」に基づいて解釈される。
【0017】
メモリM1に記憶される駆動能力マップは、基本的には、図3に例示したようなエンジンEに対する所定の曲線の、離散的数値による表現である。以下に説明する方法などで前もって定めたこれらの曲線は、自動車の前進速度vの各々の値に対して、アクセルペダルの位置αを、駆動輪に印加すべきパワーPに対応させる。
【0018】
制御ユニットECUは、以下の動作を繰返し実行すべく構成されている。
−アクセルペダルAPの位置αと単位時間当りのエンジンEの回転数nとを示す、センサS1,S2から供給される信号を取得。
−自動車の前進速度vを計算。
−アクセルペダルの位置αの取得値と自動車の前進速度vの計算値とに基づいて、メモリM1に記憶した駆動能力マップを参照することにより、車輪に印加すべきパワーPの値を決定。この値Pの決定には、一般に、メモリに記憶されている離散的数値の間の内挿が含まれる。
−上述のステップで決定したパワー値Pに基づいて、エンジンEから供給すべき駆動トルクCMREFを計算。
−計算したトルクCMREFに等しい駆動トルクを軸Mに供給するようにエンジンEを制御(点火に先立った燃料噴射等)。
【0019】
上述とは別の方法として、センサS2が、前進速度を検出して、この速度に関するデータを直接にユニットECUに供給してもよい。その場合には、速度を計算で決定する必要はない。
【0020】
図1に示した制御システムの更なる特徴は、サーボ支援ギヤボックスを備えた自動車における統合化駆動制御システムに関する以下の説明から明らかとなろう。
【0021】
図2では、自動車の内燃エンジンを符号Eで示す。符号Mで示すエンジン軸は、摩擦クラッチFにより、ギヤボックスGの入力軸すなわち1次軸Pに結合できる。ギヤボックスGは、自動車の図示しない駆動輪に公知の方法で結合する出力軸Sを備えている。
【0022】
このギヤボックスGはサーボ支援されている。摩擦クラッチFとギヤボックスGとにそれぞれ付随しているアクチュエータA,Bは、たとえば、電気−油圧式であって、ギヤシフト制御ユニットGSCUの制御下で、クラッチFの離切/結合とギヤの結合/離切とをそれぞれ行うことができる。
【0023】
公知のタイプの電子制御ユニットECUがエンジンEに付随している。このユニットは、所定の測定量ないしパラメータに応じて変化する駆動トルクをエンジンが軸Mを介して供給するようにこのエンジンEを制御することができる。
【0024】
図2に示した駆動制御システムにおいては、エンジンEの制御ユニットECUおよびギヤシフト制御ユニットGSCUは、システム制御ユニットSCUにより順次制御される。様々なセンサ装置がこのシステム制御ユニットに接続されている。特に、自動車のアクセルペダルAPに付随するセンサS1がユニットSCUに接続している。このセンサは、ユニットSCUに対し、信号、たとえば、0%(ペダル解放)〜100%(ペダル最大踏込み)の間で変化する百分率として表わされるペダル操作度αを示す信号、を供給する。
【0025】
別のセンサS2はユニットSCUに対し、単位時間当りの軸の回転数nとして表わされるエンジンEの軸Mの回転速度ωを示す信号を供給する。
【0026】
ここでも、別例として、センサS2は、自動車の前進速度を検出するものであってもよい。
【0027】
符号Snで表わされる更なるセンサが、ギヤボックスGにより実現されるギヤ比すなわちトランスミッション比を示す信号を供給するためにシステム制御ユニットSCUに接続される。
【0028】
システム制御ユニットSCUは、自動駆動制御手続を、特に、センサS1が検出するアクセルペダルAPの位置に基づいて、行うべく構成されている。
【0029】
このために、ユニットSCUには、アクセルペダルAPの位置αと自動車の前進速度vとに応じて自動車の駆動輪に印加すべきパワーPを規定するためのデータを記憶する第1の電子メモリM1を付随している。メモリM1に記憶されているデータは「駆動能力マップ」を規定する。このマップは、図1のシステムに関して説明したように、駆動輪に印加すべき所定値のパワーPを、アクセルの位置αと自動車の前進速度vとに一意に対応させるものである。
【0030】
メモリM1に記憶される駆動能力マップは、基本的には、図3に例示した曲線のように、特定のエンジンEとこれに付随する特定のギヤボックスGとに対する所定の曲線の、離散的数値による表現である。以下に説明する方法などで前もって定めたこれらの曲線は、自動車の前進速度vの各々の値に対して、アクセルペダルの位置αを、駆動輪に印加すべきパワーPに相関させる。
【0031】
図3に示した駆動能力曲線は、以下の性質を有する特定のエンジン−トランスミッションユニットについて、特に以下に説明する方法で決定したものである。
−「コモンレール」燃料供給装置付きディーゼルサイクル内燃エンジン、フィアット社DI/TCA M724型、排気量1.91l。
−フィアット社C510自動ギヤボックス。ギヤ1,2,3,4,5に対してギヤ比は、それぞれ、3.908,2.238,1.44,1.03,0.767。
−アクセル比τ=3.15。
−トランスミッション効率η=0.95。
−車輪の回転半径R=0.277m。
−車輪の慣性モーメントJ=2.2465Kg・m
【0032】
図3aには、上述のエンジンにおける様々なアクセル位置α(%)に対して、回転速度n(RPM)の関数として表わしたトルクCの特性曲線を示した。
【0033】
図3aに示したトルク特性曲線は、アクセルペダルから与えた命令が、エンジンに対する駆動トルクの要求であると実質的に解釈される従来のエンジン制御において従来から用いられてきた「駆動能力マップ」に、実質的に対応する。
【0034】
図3aの曲線は、考察中の特定のエンジンの動作を特徴付けるものであり、当業者には公知である方法により実験的に導き出すことができる。
【0035】
図3aは、特に、様々な回転速度においてエンジンから供給できる最大トルクおよび最小トルクをそれぞれ規定する曲線CMMAX,CMMINを示している。
【0036】
エンジンEから供給される駆動トルクCとエンジン軸の回転速度ωは、以下の数式によって、自動車の前進速度vに関連すると共に、車輪に印加され地面に伝達されるトルクCにも関連している。
【数1】

【数2】

ここで、
ηはトランスミッション効率、
τはアクスルトランスミッション比(axle transmission ratio)、
τはギヤボックスGで実現されるトランスミッション比、
Rは車輪の回転半径、である。
【0037】
パワーとトルクとを関係付ける公知の関係式と共に変換式(1),(2)を図3aの曲線に適用すれば、考察中のエンジン−トランスミッションユニットに関して、様々なアクセル位置αにおいて自動車の前進速度vの各々の値に対して車輪に印加されるパワーPを表わす図3bの曲線が容易に得られる。グラフ表現の繁雑さを避けるために、図3bには、ギヤボックスGの各ギヤ比すなわちトランスミッション比に対する、最大パワーPTMAXi(i=1〜5)および最小パワーPTMINi(i=1〜5)の曲線を示した。
【0038】
さらに、図3bには、アクセルペダル位置α=45%に対応するパワー曲線のみを特別に示した。
【0039】
様々なアクセルペダル位置において自動車の前進速度に対して駆動輪に印加されるパワーで表わした駆動能力マップを規定するために、図3bから示唆されることは、例えば、1速ギヤにおける低い自動車速度では、使用する駆動能力マップにおいて、本来のマップC=f(n,α)を対応する変数P,vに単純に置換し、これにより、静止状態からの自動車の発進に関する特性、および低速度での駆動能力特性を共に不変に維持することが有利であるということである。より高速度では、全てのギヤ比すなわちトランスミッション比において、自動車速度vが増加するに伴い車輪に印加されるパワーPを実質的に一定とするか、または、自動車の前進運動に対する抵抗の一部を補償するために漸増する曲線となるように、駆動能力マップを規定することができる。
【0040】
これらの基準により、たとえば、図3bのグラフから、図3に示した駆動能力マップを規定することができる。この駆動能力マップは、非常に様々な判断基準に基づいて規定することのできる無数の可能なマップのうちの1例に過ぎない。しかし、一般に、駆動能力マップを規定するに当っては、そのトランスミッション用に選択されるギヤ比は考慮外とすることができる。この独立性は、或るギヤから別のギヤへの変更時のトルクの連続性を保証する。つまり、所与のアクセルペダル位置αおよび所与の自動車前進速度vに対応するパワーPを駆動輪に印加するために、考慮中の動作点をその領域(パワー、速度)内に含むギヤならば、その何れをも同等に使用できる。
【0041】
図2のシステムにおいて、メモリM1に記憶されている駆動能力マップは、アクセルAPより与えた命令が、ギヤボックスGにより実現されたギヤ比とは無関係に、車輪へのパワーPの印加へと変換されるように構成されている。
【0042】
この事実により、ギヤ比すなわちトランスミッション比の選択は、もはや、自動車運転者の運転スタイルに依存した主観的判断基準と無関係になる。つまり、車輪に印加されるパワーは運転者がアクセルペダルにより指定する「要求」に対応するものであるから、そのパワーを実現するギヤ比は第2義的重要性を有するに過ぎない。この関係で、必然的に以下のような制約が伴なう。
−快適性(主に騒音)の理由から、エンジンEの高速回転時のギヤ変更を可能な限り避けることが必要である。
−効率および快適性の理由から、ギヤ変更の頻度を可能な限り低く抑えるべきである。
【0043】
上述の2つの要請が満たされれば、実現されるトランスミッション比すなわち使用するギヤの選択は、燃料消費および/または排ガス放出を最小に抑える等の所定の目的を達成するための所定の方法に従って、原理的に、ある程度の自由度をもって行うことができる。
【0044】
たとえば、燃料消費を最小に抑える目的に関しては、エンジンEに印加される負荷の増加に伴って単位当り燃料消費が減少するので、どの条件においても、可能な限り高いギヤ比すなわち、可能な限り低いトランスミッション比、を使用することが有利である。これは、様々なギヤについて、同一のパワー曲線をギヤシフト境界線として使用する必要性を意味している。
【0045】
燃料消費を最小に抑える目的でギヤシフト境界線の選択に用いることができる判断基準は、たとえば、以下のようなものである。
−ギヤを上げる場合および下げる場合の2つの隣接するギヤ比すなわちトランスミッション比の間の推移は、アクセルペダル位置αに対して指定した正値のパワーPについて、自動車の前進速度の範囲に渡って存在する境界線により規定される。なお、これは、最初のギヤと最終ギヤとによってこのエンジンにより発生可能なパワーの最大限度と最小限度の内で実現されねばならない。
−ギヤの上方シフト、たとえば、2速ギヤから3速ギヤへの変更、については、ギヤシフト境界線は最終ギヤのパワー曲線PTMAXに対応させ、特に、エンジンEの低速回転における自動車の駆動能力を確保する。
−ギヤの下方シフト、たとえば、3速ギヤから2速ギヤへの変更、については、境界線上での「オーバーギヤ」現象を避けるために、これに対応する上方ギヤシフト(2速ギヤから3速ギヤへの変更)用に規定したものとは別のギヤシフト境界線を規定する必要がある。このためには、下方シフト用の境界線を自動車前進速度の低速側に適切な量だけずらすことにより「ヒステリシス」を導入する。
【0046】
図4のグラフには、上述のエンジン−トランスミッションユニット用に上述のようにして規定した規則に基づいて得られた、様々なギヤシフトに対する境界線を示す。
【0047】
図4に示したギヤシフト境界線は、たとえば、下表1に示したように、対応する離散的数値のマップに書き変えることができる。
【0048】
【表1】

【0049】
上述のマップすなわち表を、システム制御ユニットSCU(図2)に付随する更なるメモリM2に記憶することが有利である。
【0050】
上述の駆動制御システムが動作する方法を、図5のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0051】
システム制御ユニットSCUは、以下の動作を繰返し実行すべく構成されている。
−センサS1,Snから供給される信号を取得(図5、ボックス10)。これらの信号は、アクセルペダルAPの位置α%、およびギヤボックスGにより現在実現されているギヤ比すなわちトランスミッション比τを示すものである。
−上述の式(2)に基づいて自動車の前進速度vを計算、または、対応するセンサから速度の値を取得(ボックス11)。
−アクセルペダルの位置αの取得値と自動車の前進速度vの計算値または取得値とに基づいて、メモリM1に記憶した駆動能力マップを参照することにより、車輪に印加すべきパワーPの値を決定。この値Pの決定には、一般に、メモリに記憶されている離散的数値の間の内挿が含まれる(ボックス12)。
−上述のステップで決定したパワー値Pに基づくと共に、上述の式(1)を適用することにより、エンジンEから供給すべき駆動トルクCMREFを計算(ボックス13)。
−前進速度vの計算値または取得値と、決定されたパワー値Pとに基づいて、メモリM2に記憶したギヤシフトマップを参照することにより、必要なギヤ比すなわちトランスミッション比τを決定(ボックス14)。
−トランスミッション比τが、現在実現されているトランスミッション比τに等しいかチェック(ボックス15)。
− τ=τの場合には、システム制御ユニットSCUは、エンジンEの管理ユニットECUに対して、必要な駆動トルクCMREFの計算値を示す信号を供給する。このエンジン管理ユニットECUは、エンジンEが駆動トルクCMREFを供給するように燃料噴射を制御する(ボックス16)。
− τがτと異なる場合には、システム制御ユニットSCUは、ギヤシフト制御ユニットGSCUに対して、トランスミッション比の変更を要求すると共に実現すべき比τを示す信号を送出する。システム制御ユニットSCUは、また、エンジン管理ユニットECUおよびギヤシフト制御ユニットGSCUに対して、ギヤシフト過程の完了後にエンジンEより供給されるべき目標駆動トルク値CMREFを示すトルク目標信号を供給する。ギヤシフト制御ユニットGSCUは、トランスミッション比の変更を監督し、クラッチFおよびギヤボックスGにそれぞれ付随するアクチュエータA,Bを制御する(ボックス17)。
【0052】
このギヤシフト制御ユニットGSCUは、ギヤシフト過程に有効な自動車トランスミッションの単純な数学モデルを使用してギヤシフトを監督すべく構成されることが有効である。
【0053】
このギヤシフト制御の複雑さは、エンジンEの動作と、摩擦クラッチFおよびギヤボックスGに付随するアクチュエータA,Bの動作とを協調させて、ギヤシフトの推移を可能な限り快適かつ迅速にする必要性に起因する。
【0054】
ギヤまたはトランスミッション比のシフト操作は、基本的に以下のステップを含む。
−エンジンEから供給する駆動トルクCの低減、および、クラッチFの離切。
−現在のギヤの離切、および、新たなギヤの選択および結合。
−クラッチFの再結合、および、駆動トルクの回復。
【0055】
性能低下を来さずにギヤシフトの快適性を達成するためには、制御システムは、ギヤシフト動作に要する時間を可能な限り短縮する必要があると共に、運転者の「フィーリング」を考慮に入れて駆動力の低減および増加の過程を変調する必要がある。
【0056】
以下に説明する実施例において、それは、「ジャーク指向」戦略、すなわち、自動車の前進加速度の時間微分であるジャークを低減する方向の戦略、を行うことにより実現される。
【0057】
実際のところ、測定されるジャークは、乗客が感じるギヤシフトの快適さの度合の良き指標であることが、統計的解析により明らかになっている。ジャークは、また、運転者が感じるギヤシフトの快適さに関係するパラメータでもある。しかし、運転者の判断は、ギヤシフトに要する全時間に渡る前進加速度の積分値にも影響されるが、これは、遅さの感覚とも関係している。
【0058】
本発明に係る駆動制御システムにおいては、システム制御ユニットSCUは、上述の方法によるギヤシフトの実行を決定するだけでなく、ギヤシフト過程中のジャークの目標値JREFを指定すべく構成されてもよい。
【0059】
このためには、システム制御ユニットSCUは、考慮中のエンジン−トランスミッションユニットを備えた自動車に関して実験的に導き出された目標ジャーク値を、車輪に印加すべきパワーPの関数として記憶した更なるメモリM3(図2)を付随していてもよい。
【0060】
実験測定に基づけば、たとえば、目標ジャーク値をパワーPの関数として、たとえば、図6に基づいて規定することができる。ジャーク曲線をパワーPの関数として離散的に表現している値はメモリM3に記憶される。
【0061】
ギヤシフト手続を実行するために、システム制御ユニットSCUは、また、上述の方法により決定した必要なパワーPに基づいて、メモリM3にアクセスし、内挿することにより選択または決定されたジャーク目標値JREFを、ギヤシフト制御ユニットGSCUに対して指定する。
【0062】
ギヤシフト過程中に、エンジンEから供給される駆動トルクおよび駆動輪に伝達されるトルクを、リアルタイムで決定するために使用するエンジン/トランスミッション/駆動輪ユニットのモデルは、図7に示した基本図とこれに対応する以下の数式に基づいている。
クラッチF結合時:
【数3】

クラッチF離切時:
【数4】

【数5】

ここで(図6も参照)、
,J,ωは、それぞれ、エンジンEの軸Mから供給されるトルク、エンジン軸Mの慣性モーメント、この軸の回転速度、であり、
,Xは、それぞれ、摩擦クラッチFからギヤボックスGの1次軸Pに伝達されるトルク、摩擦クラッチFの可動部材の位置、であり、
,J,ωは、それぞれ、ギヤボックスGの1次軸P上の抵抗トルク、1次ギヤボックス軸P上の等価慣性モーメント、この1次軸の角速度、である。
【0063】
上述の式(3),(5)を参照すれば、抵抗トルクCは、第1近似として、ギヤシフト過程中一定であると見なしてよい。
【0064】
式(3)〜(5)に基づけば、ギヤシフトの各過程は以下のように解析できる。
【0065】
トルク低減過程
図8を参照すれば、この過程は初期時刻tから後の時刻tまで継続し、その長さはtである。
【0066】
この過程中に、駆動トルクCは、その初期値CM0から徐々にゼロまで低減しなければならない。摩擦クラッチFにより伝達されるトルクCも、同期してゼロまで低減しなければならないが、このとき、図8の下のグラフに示したように、駆動トルクCに等しく維持される。したがって、このトルク低減過程では、初期条件は以下のようになる。
【数6】

また、最終条件は以下のようになる。
【数7】

【0067】
t=tからt=tの間の推移では、上述の式(3)と、抵抗トルクCが一定であるとの仮定とにに基づいて、以下のようになる。
【数8】

【0068】
式(6)においては、慣性モーメントJは、ギヤシフト過程の開始時に実現されていたトランスミッション比τに対応するものである。
【0069】
自動車の前進加速度aは、エンジンEの軸Mの角加速度と、以下の数式で表わされる関係がある。
【数9】

ここで、ω,Rは、それぞれ、駆動輪の角速度および回転半径である。
【0070】
ジャークは前進加速度aの時間微分である。したがって、以下のようになる。
【数10】

【0071】
この過程中、ジャークが一定値を維持すると共に所定の目標値JREFに等しくあるためには、駆動トルクCは、線形カーブに基づいて低減しなければならない。トルク低減過程の完了時には、摩擦クラッチFにより伝達されるトルクCもゼロでなければならないので、図8の下のグラフの左部分に示したように、トルクCにも同じ線形低減カーブが適用される。したがって、以下のようになる。
【数11】

【0072】
トルク低減過程の期間(長さ)Tは、所定のジャーク目標値JREFに基づいて上述の式(8)により一意に決定される。したがって、以下のようになる。
【数12】

【0073】
同期過程
この過程中には、摩擦クラッチFが離切され、ギヤ比τが離切され、新たなギヤ比τで結合される。
【0074】
これらの操作中には、1次ギヤボックス軸Pの角速度は、同期装置の性能と摩擦クラッチFに付随するアクチュエータAの特性とに依存する時間内に、ωτからωτへと変化する。
【0075】
この過程の完了時には、以下のようになる。
【数13】

【0076】
トルク再印加過程
この過程(図8)は、期間T=t−tを有する。
【0077】
この過程中には、駆動トルクCおよび摩擦クラッチFにより伝達されるトルクCは、前もって計算した最終値CMREFに達すべく、エンジン軸Mの角速度ωとギヤボックスGの1次軸Pの角速度ωとに同期しなければならない(図5、ボックス13)。
【0078】
したがって、この過程では、初期条件は以下のようになる。
【数14】

また、最終条件は以下のようになる。
【数15】

【0079】
〜tの間の推移では、上述の式(5)と、抵抗トルクCが一定であると共に値CR0に等しいとの仮定とにに基づいて、以下のようになる。
【数16】

このJは、新たなギヤ比τに基づいて、このとき計算された値である。
【0080】
この過程中には、自動車の前進加速度aは以下のようになる。
【数17】

【0081】
したがって、ジャークは以下のようになる。
【数18】

【0082】
この過程中にジャークを一定値に維持するためには、駆動トルクCおよび摩擦クラッチFにより伝達されるトルクCの両方を、図8の下のグラフの右部分に示したように、線形カーブに基づいて制御する必要がある。この時、以下のようになる。
【数19】

【数20】

【数21】

【0083】
トルク再印加過程の全体期間Tは、式(14),(15)に基づくと共に、ジャークが目標値JREFを取らねばならないことから、以下のようになる。
【数22】

【0084】
時間長さTは、クラッチFにより伝達されるトルクによりエンジンEの軸Mが減速するに必要な期間を表わす。この期間の長さは、エンジン軸Mの角速度ωと1次ギヤボックス軸Pの角速度ωとの同期に関連する制約に基づいて決まる。
【0085】
したがって、期間Tの長さは、上述の式(4),(5)のt〜tにおける時間積分に対応する2つの式を解くことで計算できる。その解は、以下のようになる。
【数23】

【0086】
エンジン管理ユニットECUおよびギヤシフト制御ユニットGSCUは、駆動トルクCおよびクラッチFにより伝達されるトルクCに対し、上述した種々の規則を実行すべく構成される。
【0087】
しかし、上述の自動駆動制御システムは、実質的に従来技術に基づいてサーボ支援ギヤボックスGを「手動」制御することもできるよう構成されてもよい。このために、ユーザが操作のタイプ(手動または自動)を選択するために手動操作できるセレクタM/A(図2)と、運転者が実行したいトランスミッション比を示す信号をユニットSCUに供給するための追加のセンサ装置Sと、がシステム制御ユニットSCUに接続されている。センサSは、ジョイスティック型装置、押ボタン、上下選択レバー、等の、トランスミッション比を選択するための公知のタイプの装置と協働する位置センサであってもよい。
【0088】
「手動」操作モードでは、システム制御ユニットSCUは、上述の制御方法を実行しない。システム制御ユニットSCUは、アクセルペダル位置αに対応する駆動トルクCをエンジンEから得るために運転者がアクセルペダルAPから与える命令をユニットECUに転送すること、および運転者が実行したいトランスミッション比を示す信号をギヤシフト制御ユニットGSCUに転送すること、のみを行なう。
【0089】
図2に示した制御システムのアーキテクチャは、様々に可能なアーキテクチャの1例に過ぎない。
【0090】
可能な別のアーキテクチャを図9に示した。図中、説明済みの部分および要素には上述のものと同じ参照符号を付した。
【0091】
図9に示した構成においては、図2の制御ユニットSCUの機能が、エンジンE制御ユニットECUとギヤシフト制御ユニットGSCUとに分割されている。これらは、CANタイプ等の通信ネットワークCNにより相互に接続されている。特に、駆動能力マップを備えたメモリM1は、エンジン制御ユニットECUに付随している。ECUには、センサS1(アクセルペダルAPの位置α)およびセンサS2(エンジンEの軸Mの角速度ω)も接続されている。
【0092】
これに対し、メモリM2(ギヤシフトマップ)およびメモリM3(ジャークマップ)が存在する場合には、センサSn(実現される比τ)、セレクタM/A、センサS、と共に、ギヤシフト制御ユニットGSCUに付随する。
【0093】
自動操作中には、ユニットECUは、前進速度vを計算し、パワーPの値を決定し、これに対応するトルクCMREFを計算する。また、このユニットECUは、速度vの値とパワーPの値とをユニットGSCUに伝送する。このユニットGSCUは、実現すべきトランスミッション比τと共にジャーク目標値JREFを決定し、次いで、必要な場合には、実質的に上述の方法によりユニットECUと協働してトランスミッション比の変更を制御する。
【0094】
使用する制御ユニット間でのタスク分担を変えることにより、または、全システムを制御する単一の制御ユニットを用いることにより、別のアーキテクチャを採用することも当然に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係る制御システムのブロック図。
【図2】本発明に係る統合化エンジン制御システムおよびサーボ支援ギヤボックスのアーキテクチャ例を示すブロック図。
【図3】本発明に係るシステムにおける、アクセルペダルの位置と、自動車の前進速度と、駆動輪に印加されるパワーとの間の関係を示すグラフ。
【図3a】特定の内燃エンジンにおいて、様々なアクセルペダル位置について、回転速度の関数として供給トルクを表わす曲線の図。
【図3b】特定のエンジン/トランスミッションユニットにおいて、様々なアクセルペダル位置について、自動車の前進速度の関数として、駆動輪に印加されるパワーを表わす曲線の図。
【図4】本発明に係るシステムにおいてトランスミッション比を変更する方法に関連するグラフ。
【図5】本発明に係るシステムが動作する方法を示すフローチャート。
【図6】本発明に係るシステムにおいて使用されるところの、車輪に印加されるパワーの関数として進行方向の目標ジャーク(jerk)を表わす図。
【図7】ギヤボックスを備えた自動車におけるエンジン軸と駆動輪との間のトランスミッションの模式図。
【図8】本発明に係るシステムにおけるギヤ変更中の回転速度およびトルクを横軸の時間の関数として表わす曲線のグラフ。
【図9】図2に示したシステムアーキテクチャの別の例を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の測定パラメータ、特に、アクセルペダル(AP)の位置(α)、に応じて変化する駆動トルク(C)をエンジン(E)が供給するような態様でこのエンジンを動作させるための制御手段(ECU,GSCU,SCU)を付随せる内燃機関(エンジンE)と、
アクセルペダル(AP)の位置(α)と、エンジン(E)の軸(M)の回転速度(ω)または自動車の前進速度(v)と、を示す電気信号をそれぞれ供給するセンサ手段(S1,S2)と、
を備えた自動車用駆動制御システムであって、
前記制御手段(ECU,GSCU,SCU)は、
センサ手段(S1,S2)から、アクセルペダル(AP)の位置(α)と、エンジン(E)の軸(M)の回転速度(ω)または自動車の前進速度(v)と、を取得し、そして、
測定されたアクセルペダル(AP)の位置(α)と、計算または取得した自動車の前進速度(v)と、に基づいて、駆動輪に印加すべきパワー(P)を決定する、ように構成されており、
前記制御手段(ECU,GSCU,SCU)は、
駆動輪に印加すべきパワー(P)として決定した値と、自動車の前進速度(v)と、に基づき、これに対応してエンジン(E)が供給すべき駆動トルク(CMREF)を計算し、このようにして計算した駆動トルク(CMREF)を供給するようエンジン(E)を制御する、ように構成されており、
当該システムは、第1のメモリ手段(M1)を備えていて、
前記第1のメモリ手段は、前記制御手段に付随していると共に、アクセルペダル(AP)の位置(α)と自動車の前進速度(v)とに基づいて自動車の駆動輪に印加すべきパワー(P)を規定するためのデータを記憶しており、
前記制御手段は、前記第1のメモリ手段(M1)に記憶されたデータに基づいて、駆動輪に印加すべきパワー(P)を決定すべく構成されている、制御システム。
【請求項2】
サーボ支援クラッチ(F)によりエンジン(E)の軸(M)と結合される入力軸(P)と、ギヤボックス(G)およびクラッチ(F)にそれぞれ付随した第1および第2の電気的に駆動されるアクチュエータ手段(B,A)と、を備えたサーボ支援ギヤボックス(G)と、
ギヤボックス(G)により実現されるトランスミッション比(τ)を示す電気信号を供給するための更なるセンサ手段(Sn)と、
を備えた、請求項1記載の制御システムであって、
前記制御手段は、アクセルペダル(AP)の位置(α)に基づいて自動駆動制御手続を実行すべく構成されており、
前記制御手段は、特に、
センサ手段(S1,S2,Sn)から、アクセルペダル(AP)の位置(α)と、エンジン(E)の軸(M)の回転速度(ω)または自動車の前進速度(v)と、ギヤボックス(G)により実現されているトランスミッション比(τ)と、を取得し、
自動車の前進速度(v)を計算または取得し、
測定されたアクセルペダル(AP)の位置(α)と、自動車の前進速度(v)と、に基づき、所定の方法により、駆動輪に印加すべきパワー(P)を決定し、
駆動輪に印加すべきパワー(P)として決定した値と、自動車の前進速度(v)と、に基づき、これに対応してエンジン(E)が供給すべき駆動トルク(CMREF)を計算し、
駆動輪に印加すべきパワー(P)として決定した値と、自動車の前進速度(v)と、に基づき、所定の方法により、ギヤボックス(G)により実現されるべきトランスミッション比(τ)を決定し、
実現されるべきトランスミッション比(τ)が、実現されているトランスミッション比(τ)と対応しているかをチェックし、
対応している場合には、計算した駆動トルク(CMREF)を供給するようエンジン(E)を制御するとともに、
対応していない場合には、実現されるべきトランスミッション比(τ)への変更の実施を制御して、実現されるべきトランスミッション比(τ)への変更操作の完了時には、計算された駆動トルク(CMREF)に実質的に等しい駆動トルクを供給するようエンジン(E)を制御すべく、
構成されているシステム。
【請求項3】
第2のメモリ手段(M2)を備えた請求項2記載の制御システムであって、
前記第2のメモリ手段は、前記制御手段に付随していると共に、駆動輪に印加すべきパワー(P)と自動車の前進速度(v)とに基づいて、ギヤボックス(G)により実現されるべきトランスミッション比すなわちギヤ(τ)を規定するためのデータを記憶しており、
前記制御手段は、前記第2のメモリ手段(M2)に記憶されたデータに基づいて、実現されるべきトランスミッション比(τ)を決定すべく構成されている、制御システム。
【請求項4】
請求項2または3記載の制御システムであって、
前記制御手段は、
駆動輪に印加すべきパワー(P)として決定した値に基づき、所定の方法により、自動車の前進加速度(a)の時間微分の目標値(JREF)を決定し、
目標駆動トルク(CMREF)を示す目標信号を生成し、
自動車の前進加速度(a)の時間微分が実質的に一定値を維持すると共に目標値(JREF)に等しくなるように、実現すべきトランスミッション比(τ)への変更を制御すべく、
構成されているシステム。
【請求項5】
第3のメモリ手段(M3)を備えた請求項4記載の制御システムであって、
前記第3のメモリ手段は、前記制御手段に付随していると共に、自動車の前進加速度(a)の時間微分の所定の値を、駆動輪に印加すべきパワー(P)の関数として記憶しているシステム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の制御システムであって、
前記制御手段は、
ギヤシフト過程において、エンジン(E)から供給される駆動トルク(C)およびクラッチ(F)からギヤボックス(G)に伝達されるトルク(C)がそれぞれ実質的に線形規則に基づいて変化するように、エンジン(E)と、クラッチ(F)およびギヤボックス(G)にそれぞれ付随したアクチュエータ手段(A,B)と、を制御すべく構成されていることを特徴とする前記制御システム。
【請求項7】
請求項3に記載の制御システムであって、前記第2のメモリ手段(M2)は、対地パワー/前進速度−平面(P/v)においてギヤシフト境界線を示すデータを記憶しており、
あるギヤから隣接する高いまたは低いギヤへのシフトに関する境界線は、その逆のシフトに関する境界線とは異なっている、システム。
【請求項8】
手動操作されるセレクタ手段(M/A)を備えた、請求項1〜7のいずれか1つに記載の制御システムであって、
当該セレクタ手段は、手動駆動制御または自動駆動制御のための選択的な信号を、前記制御手段に供給する、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−111443(P2008−111443A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283771(P2007−283771)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【分割の表示】特願2001−507672(P2001−507672)の分割
【原出願日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【出願人】(598031246)チ・エレ・エッフェ・ソシエタ・コンソルティーレ・ペル・アチオニ (86)
【氏名又は名称原語表記】C.R.F. Societa Consortile per Azioni
【Fターム(参考)】