説明

車両自動運転システム

【課題】車両自動運転システムにおいてよりフレキシブルに目的地を設定することを可能とする。
【解決手段】本発明による車両自動運転システムは、目的地の指示を受信する目的地指示受信手段(310)と、車両の現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段(410)と、車両の周辺状況を検出する周辺状況検出手段(320)と、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地に対して前記経路探索手段により探索された経路が、所定の条件を満たさない場合に、前記周辺状況検出手段により検出された車両の周辺状況に応じて、該指示された目的地に代わる第2の目的地を決定する第2目的地決定手段(420)と、前記第2目的地決定手段により第2の目的地が決定された場合に、車両の駆動手段、操舵手段及び制動手段を制御して、該決定された第2の目的地まで車両を導く走行制御手段(430)とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地まで車両を導く走行制御手段を備える車両自動運転システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動駐車システムにおいて、ユーザによって設定された駐車位置に駐車できないことが判明した場合に、ユーザに対して自動運転解除若しくは元の駐車開始位置に戻ることを選択させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−167103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ユーザは、必ずしも指定した目的地まで車両自動運転システムにより車両を移動させることができなくても、満足できる場合もある。しかしながら、上述の従来技術は、指定した目的地まで車両自動運転システムにより車両を移動させることができない場合に、ユーザに対して自動運転解除若しくは元の駐車開始位置に戻ることを選択させるというオール・オア・ナッシングの構成であり、フレキシブルに目的地を変更することができないという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明は、よりフレキシブルに目的地を設定することが可能な車両自動運転システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両自動運転システムは、目的地の指示を受信する目的地指示受信手段と、
車両の現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
車両の周辺状況を検出する周辺状況検出手段と、
前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地に対して前記経路探索手段により探索された経路が、所定の条件を満たさない場合に、前記周辺状況検出手段により検出された車両の周辺状況に応じて、該指示された目的地に代わる第2の目的地を決定する第2目的地決定手段と、
前記第2目的地決定手段により第2の目的地が決定された場合に、車両の駆動手段、操舵手段及び制動手段を制御して、該決定された第2の目的地まで車両を導く走行制御手段とを備えることを特徴とする。これにより、ユーザから指示された目的地まで、何らかの障害に起因して、車両を移動させることができない場合であっても、第2の目的地まで車両が移動されるので、車両が全く移動されない場合に比べて高い満足度をユーザに与えることができる。
【0006】
第2の発明は、第1の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離を検知する手段を含み、
前記第2目的地決定手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザから指示された目的地まで、何らかの障害に起因して、車両を移動させることができない場合であっても、“車両に乗り込めればよい”
と考えるユーザに対して満足感を与えることができる。
【0007】
第3の発明は、第1の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、降雨又は降雪を検知する手段と、雨又は雪が当たらない地点を検知する手段とを含み、
降雨又は降雪が検知されている状況下で、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地又はユーザの位置が雨又は雪が当たらない地点である場合に、前記第2目的地決定手段が、雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザから指示された目的地まで、何らかの障害に起因して、車両を移動させることができない場合であっても、“雨又は雪に当たらずに車両に乗り込めればよい”と考えるユーザに対して満足感を与えることができる。
【0008】
第4の発明は、第1の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、前記目的地指示受信手段に目的地の指示を送信する端末を所持するユーザの属性、及び/又は、該ユーザの状況を検出する手段を含み、
前記第2目的地決定手段が、前記ユーザの属性及び/又はユーザの状況に応じて、前記第2の目的地の決定方法を変化させることを特徴とする。これにより、ユーザから指示された目的地まで、何らかの障害に起因して、車両を移動させることができない場合であっても、ユーザの属性及び/又はユーザの状況に応じた適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【0009】
第5の発明は、第4の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離を検知する手段を更に含み、
前記第2目的地決定手段が、ユーザが子供を連れている場合に、後部ドアとドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザの状況としてユーザが子供を連れている場合に、後部ドアを開いて子供(特に赤ちゃん等の幼児)を乗せることができる適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【0010】
第6の発明は、第4の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離を検知する手段を更に含み、
前記第2目的地決定手段が、ユーザが同伴者を伴う場合に、助手席側ドアとドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザの状況としてユーザが同伴者を伴う場合に、同伴者が乗車する際に助手席側ドアを開くことができる適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【0011】
第7の発明は、第4の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、降雨又は降雪を検知する手段と、雨又は雪が当たらない地点を検知する手段とを含み、
降雨又は降雪が検知されている状況下で、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地又はユーザの位置が雨又は雪が当たらない地点であり、且つ、ユーザが子供を連れている場合には、前記第2目的地決定手段が、後部ドアに雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザが子供を連れている場合に、雨又は雪を当たらずに後部ドアから子供(特に赤ちゃん等の幼児)を乗せることができる適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【0012】
第8の発明は、第4の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、降雨又は降雪を検知する手段と、雨又は雪が当たらない地点を検知する手段とを含み、
降雨又は降雪が検知されている状況下で、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地又はユーザの位置が雨又は雪が当たらない地点である場合であり、且つ、ユーザが同伴者を伴う場合には、前記第2目的地決定手段が、助手席側ドアに雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザが同伴者を伴う場合に、同伴者が雨又は雪を当たらずに助手席側ドアから乗車できる適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【0013】
第9の発明は、第2の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、前記目的地指示受信手段に目的地の指示を送信する端末を所持するユーザの属性、及び/又は、該ユーザの状況を検出する手段を含み、
目的地まで車両を自動走行させた後において最初に開けられた車両のドアを、前記ユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けて学習する学習手段を備え、
前記第2目的地決定手段が、前記学習手段による学習結果と前記周辺状況検出手段の検出結果とに基づいて、今回検出されたユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けられたドアに対して、ドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザが最初に開くことが予測されるドアを精度良く予測して、当該ドアを開くことができる適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【0014】
第10の発明は、第3の発明に係る車両自動運転システムにおいて、
前記周辺状況検出手段が、前記目的地指示受信手段に目的地の指示を送信する端末を所持するユーザの属性、及び/又は、該ユーザの状況を検出する手段を含み、
目的地まで車両を自動走行させた後において最初に開けられた車両のドアを、前記ユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けて学習する学習手段を備え、
前記第2目的地決定手段が、前記学習手段による学習結果と前記周辺状況検出手段の検出結果とに基づいて、今回検出されたユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けられたドアに対して、雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする。これにより、ユーザが最初に開くことが予測されるドアを精度良く予測して、当該ドアから雨又は雪に当たらずに乗車できる適切な地点を、第2の目的地として決定することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、よりフレキシブルに目的地を設定することが可能な車両自動運転システムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0017】
図1は、本発明の一実施例による車両自動運転システム100を示すシステム構成図である。
【0018】
本実施例の車両自動運転システム100は、主要構成要素として、携帯端末200と、車両側システム300とを含む。車両自動運転システム100は、その他、外部センタ500を含む。
【0019】
携帯端末200は、主要構成要素として、通信部202と、入力処理部204と、情報出力部206と、入力部208とを含む。通信部202、入力処理部204及び情報出力部206は、マイクロコンピュータにより実現されてよい。
【0020】
通信部202は、以下で説明する対話式の目的地設定操作(遠隔操作)を実現するために、車両側システム300の通信部310との間で双方向通信を行う。通信部202は、入力処理部204からの指示に従って、車両側システム300の通信部310に対して、アンテナ202Aを介して各種情報を送信する。また、通信部202は、車両側システム300の通信部310から受信した信号を復調等して、受信信号を入力処理部204に供給する。
【0021】
入力部208は、例えば携帯電話の入力ボタンやキーボードの類であってもよいし、音声入力部であってもよい。
【0022】
入力処理部204には、入力部208を介して、ユーザの所望する目的地の位置や、ユーザの各種意思(例えば、後述の如く提示される第2の目的地に対する確定又は変更の意思)が入力される。また、携帯端末により車両の走行状態を制御する構成の場合には、入力処理部204には、入力部208を介して各種指示(停止、右旋回、左旋回、前進等)が入力される。入力処理部204は、入力部208を介して入力される各種情報を処理して、通信部202を介して車両側システム300に送信すべき各種送信信号を生成する。
【0023】
また、入力処理部204には、通信部202を介して車両側システム300からの信号が入力される。入力処理部204は、車両側システム300からの信号を処理して、情報出力部206を介して出力すべき出力情報を生成する。
【0024】
情報出力部206は、以下で説明する対話式の目的地設定操作を実現するために、入力処理部204からの指示に従って、通信部202を介して車両側システム300から供給される各種情報(後述の各種問い合わせ等)を映像及び/又は音声により出力する。尚、映像は、メッセージやメールを含む。
【0025】
車両側システム300は、主要構成要素として、通信部310、周辺状況検出手段320、制御ECU400、エンジンECU330、操舵ECU340、及び、ブレーキECU350を含む。車両側システム300は、その他、目的地条件データベース360や地図データベース370、経路条件データベース380を含む。
【0026】
通信部310は、以下で説明する対話式の目的地設定操作を実現するために、携帯端末200の通信部202との間で双方向通信を行う。通信部202は、制御ECU400からの指示に従って、携帯端末200の通信部202に対して、アンテナ310Aを介して各種情報を送信する。また、通信部310は、携帯端末200の通信部202から受信した信号を復調等して、受信信号を制御ECU400に供給する。通信部310には、ユーザの所望する目的地の情報や、ユーザの各種意思(例えば、後述の如く提示される第2の目的地に対する確定又は変更の意思)が携帯端末200側から送信されてくる。
【0027】
周辺状況検出手段320は、車両周辺の周辺状況を検出する。周辺状況とは、車両周辺の障害物状況、車両周辺の気候、車両周辺の路面状況、車両周辺の道路環境、車両周辺の建物状況、車両周辺のユーザの位置、該ユーザの属性、該ユーザの所持物、該ユーザに同伴する同伴者、該ユーザに同伴する同伴者の属性、該ユーザに同伴する同伴者の所持物等を含んでよい。
【0028】
周辺状況検出手段320は、画像センサ(カメラ等)、レーダーセンサ、GPS受信機、FM放送受信機、レインセンサ、温度センサ、湿度センサ、日照センサ等を含む。レーダーセンサは、ミリ波、超音波(ソナー)等を検出波とするものであってよい。また、周辺状況検出手段320は、通信部310を介して供給される外部センタ500からの情報に基づいて、車両周辺の周辺状況を検出してもよい。同様に、周辺状況検出手段320は、通信部310を介して供給される他車からの情報(いわゆる車車間通信により得た情報)に基づいて、車両周辺の周辺状況を検出してもよい。また、周辺状況検出手段320は、各種地図情報を記憶した地図データベース370内の各種地図情報・建物情報等に基づいて、車両周辺の周辺状況を検出してもよい。地図情報は、一方通行、Uターン禁止等のような、周辺状況を把握するために必要な情報を含んでよい。地図データベース370内の各種情報は、通信部310を介して供給される外部センタ500からの情報に基づいて、更新・書き換えされてもよい。
【0029】
制御ECU400は、ハードウェア構成としては、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータを中心として構成されている。
【0030】
制御ECU400は、主要な機能部として、経路探索部410、第2目的地決定部420、及び、走行制御部430を含む。制御ECU400は、その他、学習部440を含む。制御ECU400の各部の機能は、ROM等に記憶された各種プログラム及びデータにより実現される。制御ECU400の第2目的地決定部420の詳細機能は、図2以降のフローチャート等を参照して後述する。
【0031】
制御ECU400の走行制御部430は、エンジンECU330、操舵ECU340及びブレーキECU350と協働して、車両の自動走行を制御する。走行制御部430は、指定された目的地、又は、後述の如く第2目的地決定部420により決定された第2の目的地まで、車両を移動させる。この際、走行制御部430は、ユーザの携帯端末200からの指令に従って車両の停止等を行ってもよい(即ち、携帯端末200による遠隔的な車両操作を実現してもよい。)。
【0032】
エンジンECU330は、制御ECU400の走行制御部430からの指令に従って、車両の駆動手段であるエンジンを制御する。尚、車両が電気自動車やハイブリッド車の場合には、制御対象はモータを含んでよい。
【0033】
操舵ECU340は、制御ECU400の走行制御部430からの指令に従って、車両の操舵手段であるステアリング装置を制御する。ステアリング装置は、例えば電動モータによりラック軸(ひいてはタイロッド)を駆動して自動操舵できるものであってよい。
【0034】
ブレーキECU350は、制御ECU400の走行制御部430からの指令に従って、車両の制動手段であるブレーキ装置を制御する。ブレーキ装置は、例えばブレーキアクチュエータを制御して自動制動できるものであってよい。
【0035】
制御ECU400の経路探索部410は、携帯端末200側から送信されてくる目的地の指示に従って、車両の現在位置から目的地までの経路を探索する。この際、経路探索部410は、経路条件データベース380内の情報に基づいて、所定の条件に合致した経路を探索する。この所定の条件は、例えば
(1)車両から見て目的地と逆方向に出発する経路でないこと(即ち、後退走行が必要な経路でないこと)、
(2)経路途中で、目的地から前後若しくは左右に遠ざかる瞬間が無いこと、
(3)移動距離が一定範囲内であること、及び
(4)移動にかかる時間が一定時間以内であること、であってよい。尚、条件(4)における移動にかかる時間は、自動走行時に許容される一定速度(既知)に基づいて算出されてもよいし、道路に応じて異なる法定速度等を基準として算出されてもよい。経路条件データベース380内の条件は、通信部310を介して供給される外部センタ500からの情報に基づいて、更新・書き換えされてもよいし、通信部310を介して供給される携帯端末200からの情報(ユーザの要求)に基づいて、更新・書き換えされてもよい。
【0036】
次に、図2を参照して、本実施例の車両自動運転システム100により実現される遠隔操作処理の一例について説明する。
【0037】
ステップ10Aでは、ユーザが、携帯端末200を用いて、目的地を指定する。目的地の指定は、具体的な位置や場所を指定する態様であってもよいし、携帯端末200の位置(ユーザ自身の位置)が目的地として指定される態様であってよい。後者の場合、例えばユーザが携帯端末200の入力部208の「目的地設定」ボタンを押すと、入力処理部204がそれに応答して、図示しない携帯端末200に内蔵のGPS受信機からの情報に基づいて、携帯端末200の位置を測位する。そして、入力処理部204は、通信部202を介して、当該測位した携帯端末200の位置を、目的地として車両側システム300に送信する。
【0038】
ステップ20Aでは、制御ECU400は、周辺状況検出手段320からの情報に基づいて、ユーザから指定された目的地までの経路途中に、障害物があるか否かを判断する。障害物がある場合には、ステップ30Aに進み、障害物がない場合には、ステップ25Aに進む。
【0039】
ステップ25Aでは、制御ECU400は、ユーザから指定された目的地まで、車両を移動開始させる。この場合、ユーザの当初の希望通り、ユーザから指定された目的地へと車両が移動されることになる。
【0040】
ステップ30Aでは、制御ECU400は、ユーザが途中までの移動を希望したか否かを判定する。この判定は、制御ECU400が携帯端末200に対して「障害物があるために、指定された目的地まで移動させることができないが、途中までの移動でよいか?」といった趣旨の通知を送信し、それに応じた携帯端末200からの回答に基づいて、実現されてよい。ユーザが途中までの移動を希望した場合には、ステップ40Aに進み、ユーザが途中までの移動を希望しない場合には、ステップ35Aに進む。
【0041】
ステップ35Aでは、制御ECU400は、携帯端末200による車両の遠隔操作処理を停止する。即ち、制御ECU400は、以後何ら処理を行わずに、今回指定された目的地に対する制御を終了する。この場合、制御ECU400は、通信部310を介して、目的地の再指定をユーザに対して要求してもよい。
【0042】
ステップ40Aでは、制御ECU400は、ユーザから指定された目的地に至る途中の地点まで、車両を移動開始させる。この場合、ユーザの当初の希望とは異なるが、ユーザの希望通り、ユーザから指定された目的地の途中まで車両が移動されることになる。車両の移動開始及びその後の車両の停止は、ユーザからの指示(携帯端末200からの指令)に従って実現されてもよいし、制御ECU400が周辺状況に応じて自動的に実現してもよい。
【0043】
このように、図2に示す実施例によれば、ユーザから指定された目的地まで、何らかの障害(本例では、障害物の存在)に起因して、車両を移動させることができない場合であっても、その途中まで車両が移動される。従って、ユーザが、かかる途中までの移動で満足できる場合には、ユーザの当初の希望通りに車両が移動される場合に比べて満足度は幾分減少するものの、車両が全く移動されない場合に比べて高い満足度をユーザに与えることができる。
【0044】
図3は、本実施例の車両自動運転システム100により実現される遠隔操作処理のその他の一例について説明する。
【0045】
ステップ10Bでは、ユーザが、携帯端末200を用いて、目的地を指定する。同様に、目的地の指定は、具体的な位置や場所を指定する態様であってもよいし、携帯端末200の位置(ユーザ自身の位置)が目的地として指定される態様であってよい。
【0046】
ステップ12Bでは、制御ECU400の経路探索部410は、ユーザにより指定された目的地までの経路を探索する。
【0047】
ステップ14Bでは、制御ECU400の経路探索部410は、経路条件データベース380を参照して、探索した各経路の中に、所定の条件に合致した経路が存在するか否かを判定する。所定の条件に合致した経路が存在する場合には、ステップ20Bに進み、所定の条件に合致した経路がない場合には、ステップ16Bに進む。
【0048】
ステップ16Bでは、制御ECU400の経路探索部410は、通信部310を介して、ユーザに対して、所定の条件に合致した経路がない旨を通知すると共に、当該所定の条件外の経路でも良いか否かを問い合わせする。即ち、所定の条件を満たさない経路であれば目的地まで車両を移動させることができる場合には、例えば「N分かかる経路であれば実行可能ですが、開始しますか?」等の問い合わせを行う。所定の条件外の経路がユーザにより承認された場合には、ステップ20Bに進み、所定の条件外の経路がユーザにより承認されなかった場合には、今回指定された目的地に対する遠隔操作処理を終了する。所定の条件外の経路がユーザにより承認されなかった場合、第2目的地決定部420は、通信部310を介して、目的地の再指定をユーザに対して要求してもよい。
【0049】
ステップ20Bでは、制御ECU400の第2目的地決定部420は、周辺状況検出手段320からの情報に基づいて、所定の条件に合致した経路途中に、又は、ユーザから承認を得た所定の条件外の経路途中に、障害物があるか否かを判断する。障害物がある場合には、ステップ22Bに進み、障害物がない場合には、ステップ40Bに進む。この場合、ステップ40Bでは、制御ECU400の走行制御部430は、ユーザから指定された目的地まで、車両を移動開始させる。この場合、ユーザの当初の希望通り、ユーザから指定された目的地へと車両が移動されることになる。
【0050】
ステップ22Bでは、制御ECU400の第2目的地決定部420は、経路上の移動可能な範囲のうち、目的地に最も近くなる新しい目的地(第2の目的地)を決定し、当該第2の目的地を、通信部310を介してユーザに提示する。ここで、経路上の移動可能な範囲とは、所定の条件に合致した経路又はユーザから承認を得た所定の条件外の経路上における障害物手前までの範囲となる。
【0051】
ステップ30Bでは、制御ECU400の第2目的地決定部420は、ユーザからの回答内容を判断し、その結果、新しい目的地(第2の目的地)が承認された場合には、ステップ40に進み、新しい目的地が承認されなかった場合には、今回指定された目的地に対する遠隔操作処理を終了する。この場合、第2目的地決定部420は、通信部310を介して、目的地の再指定をユーザに対して要求してもよい。或いは、第2目的地決定部420は、別の新しい目的地(第2の目的地)を決定して、同様に、通信部310を介してユーザに提示することとしてもよい。
【0052】
ステップ30Bを経由した場合、ステップ40Bでは、制御ECU400の走行制御部430は、第2の目的地まで、車両を移動開始させる。この場合、ユーザの当初の希望とは異なるが、ユーザの希望通り、ユーザから承認された第2の目的地まで車両が移動されることになる。尚、第2の目的地が障害物直前位置の場合、車両の停止は、ユーザからの指示(携帯端末200からの指令)に従って実現されてもよいし、制御ECU400が周辺状況(レーダーセンサやカメラ等の検出結果に基づく周辺状況)に応じて自動的に実現してもよい。
【0053】
このように、図3に示す実施例によれば、ユーザから指定された目的地まで、何らかの障害(本例では、障害物の存在)に起因して、車両を移動させることができない場合であっても、第2の目的地まで車両が移動される。従って、ユーザが、かかる第2の目的地までの移動で満足できる場合には、ユーザの当初の希望通りに車両が移動される場合に比べて満足度は幾分減少するものの、車両が全く移動されない場合に比べて高い満足度をユーザに与えることができる。例えば、第2の目的地が障害物直前位置の場合には、ユーザは、第2の目的地まで移動してきた車両に乗り込み、その後、切り替えし等を行うなどして、障害物を避けながら車両を発進させることができる。
【0054】
尚、図3に示す実施例では、第2目的地決定部420は、障害物の存在状況に基づいて、指定された目的地まで通行可能か否かを判断しているが、指定された目的地まで通行可能か否かは、その他の周辺状況、例えば、道幅、路面状態、歩行者、他車両、壁等のような要因、或いは、一方通行やUターン禁止等の法規要件に基づいて、判断してもよい。この点については、上述の図2に示す実施例の場合も同様である。
【0055】
また、図3に示す実施例では、第2目的地決定部420が決定した第2の目的地に関してユーザの承認を得てから車両の移動を開始しているが、かかる承認を得ることなく、第2の目的地への車両の移動を開始してもよい。この場合、その旨(第2の目的地への車両の移動させる旨)をユーザに通知してもよい。この点については、上述の図2に示す実施例の場合も同様である。
【0056】
次に、上述の如く制御ECU400の第2目的地決定部420により実現される第2の目的地の決定方法に関する好ましい実施例について説明する。
【0057】
第2目的地決定部420は、第2の目的地の条件ないし目的(以下、「目的地条件」という。)を保有する目的地条件データベース360を参照して、目的地条件に合った第2の目的地を決定する。この場合、図3に示す例とは異なり、第2の目的地は、必ずしも障害物直前の位置になるとは限らない。第2の目的地の目的地条件としては、
(1)指定された目的地に近いこと、
(2)ユーザの歩く距離が少ないこと、
(3)乗車時にドアを開放できること、
(4)雨や雪に当たらずに乗車できること、等であってよい。
【0058】
これらの目的地条件は、例えば目的地条件(1)、(2)に関してはデフォルトとして予め設定されていてよく、その他については、ユーザからの入力情報に基づいて作成されてもよいし、例えば外部センタ500からの情報に基づいて更新されてもよい。
【0059】
目的地条件は、ユーザの行動パターンや好み、そのときの周囲環境に応じて変化しうる。このため、実可動時に、制御ECU400の学習部440が、ユーザの行動パターンや好み、そのときの周囲環境に関連付けて、各ユーザに適合した目的地条件を学習していってもよい。
【0060】
ここで、目的地条件(3)について詳説する。
【0061】
目的地条件(3)は、上記の目的地条件(1)、(2)を満たすものの、車両側方の障害物に起因して、ドアを十分な開度で開けられず、ユーザが車両に乗り込めないような地点が、第2の目的地として決定されてしまうのを防止するための条件である。
【0062】
第2目的地決定部420は、常に、目的地条件(3)を満たすような第2の目的地を決定してもよいし、ユーザの行動パターン等に基づいて適宜、目的地条件(1)、(2)に目的地条件(3)を組み入れることとしてよい。例えば、後者に関して、ユーザが車両に乗り込もうとしたが車両側方の障害物に起因して、ドアを十分な開度で開けられず、その後、乗り込みをあきらめてドアを閉めて、上述の遠隔操作を行った場合(即ち、目的地の指定を行った場合)には、ユーザの目的は、「車両に乗り込むこと」と判断して、目的地条件(3)を満たすような第2の目的地を決定してよい。
【0063】
第2目的地決定部420は、目的地条件(3)を満たすような第2の目的地を決定する場合、周辺状況検出手段320からの情報(例えば、レーダーセンサやカメラ等の検出結果に基づく周辺状況)に基づいて、運転席側のドアがドア側方の障害物との距離が所定距離α以上となる地点を、第2の目的地として決定してよい。運転席側のドアとドア側方の障害物との距離が所定距離α以上となる地点は、走行前の車両位置からは判断できない場合もありうるので、上述の経路途中までの走行過程で周辺状況を監視して、運転席側のドアとドア側方の障害物との距離が所定距離α以上となる地点を検出してもよい。
【0064】
ここで、所定距離αは、車両に乗り込むのに必要なドアの最小開度に基づいて決定されてよい。但し、車両に乗り込むのに必要な側方障害物との最小の距離は、ユーザの体格に起因するので、所定距離αは、ユーザ毎に学習されてよい。また、最初に開けたいドアは、ユーザ毎に、或いは、同一のユーザであってもそのときの状況に応じて、異なりうる。このため、障害物との間で所定距離α以上の空間を確保すべきドアの属性(運転席側ドア、後部座席用ドア等)は、ユーザの属性(男性、女性、子供連れ等)及びユーザの状況に応じて判断されてよい。ユーザの状況に関して、例えば、ユーザが単独のときは、側方障害物との間に所定距離α以上の空間を確保すべきドアを運転席側ドアと判断してよく、ユーザ(例えば女性のユーザ)が小さな子供を連れているときは、側方障害物との間に所定距離α以上の空間を確保すべきドアを後部座席用ドア(又は後部座席用ドア及び運転席側ドア)と判断してよく、ユーザが同伴者(大人)を伴うときは、側方障害物との間に所定距離α以上の空間を確保すべきドアを助手席側ドア(又は助手席側ドア及び運転席側ドア)と判断してよい。或いは、ユーザの状況に関して、ユーザ又はその同伴者が例えば両手に買い物袋を持っている場合や、ユーザがスキーの板やスノーボード等の大型の荷物を持っている場合等には、障害物との間に所定距離以上の空間を確保すべきドアをバックドア又はトランク(又はバックドア又はトランク及び運転席側ドア)と判断してよい。尚、ユーザの状況は、周辺状況検出手段320からの情報(例えば、ユーザの画像認識結果や、例えばRFタグなどによるユーザの所持品との通信結果に基づく周辺状況)に基づいて判断されてよい。
【0065】
また、制御ECU400の学習部440は、実可動時に、ユーザの属性及びユーザの状況に関連付けて、上述の車両の自動走行後、最初にどのドアが開かれるかを学習してよい。例えば、ユーザが小さな子供を連れているときに、後部座席用ドアが最初に開かれていた場合には、かかるユーザの状況に関連付けて、後部座席用ドアを重視すべきとの学習結果を蓄積していく。
【0066】
このように、目的地条件(3)を考慮する構成によれば、第2の目的地においてユーザが所望のドアを開けられずに不便を強いられてしまうことを適切に防止することができる。即ち、当初の希望通りの目的に車両が導かれない場合においても、車両に乗り込むというユーザの目的が満たされるような第2の目的地まで車両が導かれるので、ユーザの満足度を高めることができる。
【0067】
例えば、図4に示すような状況では、当初指定された目的地までの経路中に障害物Aが存在するために、当初指定された目的地へと車両を導くことができない。また、ユーザの車両の側方には障害物Bが存在するために、ユーザは、ドアを開けて車両に乗り込めない。本例では、かかる状況で、第2目的地決定部420は、図4に破線で示すような第2の目的地まで、即ち運転席側のドアを開くことができる位置まで車両が導かれるので、「車両に乗り込むこと」を目的にしたユーザは、当初指定した目的地まで車両が導かれなくても、満足して車両に乗り込むことができる。
【0068】
次に、目的地条件(4)について詳説する。
【0069】
目的地条件(4)は、上記の目的地条件(1)、(2)を満たすものの、ユーザが車両に乗り込む際に雨や雪に当たってしまうような地点が、第2の目的地として決定されてしまうのを防止するための条件である。
【0070】
第2目的地決定部420は、降雨又は降雪が検知された状況下で、常に、目的地条件(4)を満たすような第2の目的地を決定してもよいし、ユーザの行動パターン等に基づいて適宜、目的地条件(1)、(2)に目的地条件(4)を組み入れることとしてよい。例えば、目的地を指定した際のユーザの位置(携帯端末200の位置)が、雨又は雪に当たらない位置の場合、或いは、指定された目的地が雨又は雪に当たらない位置の場合、目的地条件(4)を目的地条件として組み入れることとしてよい。尚、降雨又は降雪の有無は、周辺状況検出手段320からの情報(例えば、レインセンサ、温度センサ、湿度センサの検出結果や路面状態の画像認識結果や、気象情報等に基づく周辺状況)に基づいて判断されてよい。
【0071】
第2目的地決定部420は、目的地条件(4)を満たすような第2の目的地を決定する場合、周辺状況検出手段320からの情報(例えば、レーダーセンサやカメラ等の検出結果に基づく周辺状況)に基づいて、ドアに雨又は雪が当たらない地点を、第2の目的地として決定してよい。ドアに雨又は雪が当たらない地点は、例えば路面状態の画像認識結果、周辺の建物の屋根の位置等に基づいて判断されてよい。或いは、経路途中までの走行過程で周辺状況を監視して、ドアに雨又は雪が当たらない地点を走行過程で検出してもよい。
【0072】
ここで、同様に、ユーザが車両に乗り込む際に最初に開くドア(運転席側ドア、後部座席用ドア等)は、ユーザの属性及びユーザの状況に応じて異なりうる。このため、ユーザが雨又は雪に当たらずに乗り込めるドアの属性(運転席側ドア、後部座席用ドア等)は、ユーザの属性及びユーザの状況に応じて判断されてよい。例えば、ユーザが単独のときは、雨又は雪に当たらないようにすべきドアを運転席側ドアと判断してよく、ユーザ(例えば女性のユーザ)が小さな子供を連れているときは、雨又は雪に当たらないようにすべきドアを後部座席用ドア(又は後部座席用ドア及び運転席側ドア)と判断してよく、ユーザが同伴者(大人)を伴うときは、雨又は雪に当たらないようにすべきドアを助手席側ドア(又は助手席側ドア及び運転席側ドア)と判断してよい。或いは、ユーザ又はその同伴者が例えば両手に買い物袋を持っている場合や、ユーザがスキーの板やスノーボード等の大型の荷物を持っている場合等には、雨又は雪に当たらないようにすべきドアをバックドア又はトランク(又はバックドア又はトランク及び運転席側ドア)と判断してよい。
【0073】
この際、第2目的地決定部420は、上述の如く学習される学習部440の学習結果を考慮して、ユーザの属性及びユーザの状況に応じて、どのドアをユーザが重視しているか(例えば最初に開けているか)を判断し、ユーザが重視していると判断されるドアに雨又は雪に当たらないような地点を、第2の目的地として決定してもよい。
【0074】
このように、目的地条件(4)を考慮する構成によれば、第2の目的地においてユーザが雨や雪に当たりながら車両に乗り込まざるを得ない状況になることを適切に防止することができる。即ち、当初の希望通りの目的に車両が導かれない場合においても、車両に雨や雪に当たらずに乗り込むというユーザの目的が満たされるような第2の目的地まで車両が導かれるので、ユーザの満足度を高めることができる。
【0075】
例えば、図5に示すような状況では、当初指定された目的地(出入り口の近傍)までの経路中に障害物Cが存在するために、当初指定された目的地へと車両を導くことができない。また、雨が降っており、屋根の無い範囲に車両が駐車されている(即ち、ハッチングされた範囲が、屋根があり雨に濡れない地点である)。本例では、かかる状況で、第2目的地決定部420は、図5に破線で示すような第2の目的地まで、即ち車両に雨に当たらずに乗り込める地点(ハッチングされた範囲内の地点)まで車両が導かれるので、「車両に雨に当たらずに乗り込むこと」を目的にしたユーザは、当初指定した目的地まで車両が導かれなくても、傘等を用いることなく、満足して車両に乗り込むことができる。尚、図5に示す例では、全てのドアに対して雨に当たらずに乗り込める地点が、当初の目的地の近傍に存在するために、かかる地点が、第2の目的地として決定されている。しかしながら、全てのドアに対して雨に当たらずに乗り込める地点が存在しないような状況下では、上述の如く、例えばユーザが小さな子供を連れた女性である場合には、一方側の後部ドアだけが雨に当たらないような地点が決定されることもありうる。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0077】
例えば、上述の実施例では、無人の車両を、当初の目的地または第2の目的地に自動的に車両を移動させているが、有人の車両を、当初の目的地または第2の目的地に自動的に車両を移動させることも可能である。
【0078】
また、上述の実施例では、ユーザが車両に乗り込む前段階において、目的地等に自動的に車両を移動させているが、本発明は、ユーザが駐車を行う段階において、指定の目的地(目標駐車位置)に自動的に車両を移動させる場合にも適用可能である。これは、指定の目標駐車位置への車両の移動が不能な場合に、それとは別の第2の目標駐車位置へと車両を移動させることでユーザの満足が得られる場合がありうるからである。即ち、空いている複数の駐車スペースの何れに駐車してもよい場合があるからである。
【0079】
また、上述の実施例では、当初の目的地または第2の目的地に自動的に車両を移動させているが、これに加えて、ユーザに車両の近接が検知された際に、車両のドアロックアクチュエータを制御して、自動的に車両のドアロックを解除させることも可能であるし、また、車両周辺の障害物が存在しないことが確実に検知されている場合には、更に、ドアを自動的に開放させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施例による車両自動運転システム100を示すシステム構成図である。
【図2】本実施例の車両自動運転システム100により実現される遠隔操作処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例の車両自動運転システム100により実現される遠隔操作処理のその他の一例を示すフローチャートである。
【図4】「車両に乗り込むこと」を目的とした第2の目的地の決定方法の説明図である。
【図5】「雨又は雪に当たらずに車両に乗り込むこと」を目的とした第2の目的地の決定方法の説明図である。
【符号の説明】
【0081】
100 車両自動運転システム
200 携帯端末
202 通信部
204 入力処理部
206 情報出力部
208 入力部
300 車両側システム
310 通信部
320 周辺状況検出手段
330 エンジンECU
340 操舵ECU
350 ブレーキECU
360 目的地条件データベース
370 地図データベース
380 経路条件データベース
400 制御ECU
410 経路探索部
420 第2目的地決定部
430 走行制御部
440 学習部
500 外部センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地の指示を受信する目的地指示受信手段と、
車両の現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
車両の周辺状況を検出する周辺状況検出手段と、
前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地に対して前記経路探索手段により探索された経路が、所定の条件を満たさない場合に、前記周辺状況検出手段により検出された車両の周辺状況に応じて、該指示された目的地に代わる第2の目的地を決定する第2目的地決定手段と、
前記第2目的地決定手段により第2の目的地が決定された場合に、車両の駆動手段、操舵手段及び制動手段を制御して、該決定された第2の目的地まで車両を導く走行制御手段とを備えることを特徴とする、車両自動運転システム。
【請求項2】
前記周辺状況検出手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離を検知する手段を含み、
前記第2目的地決定手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項1に記載の車両自動運転システム。
【請求項3】
前記周辺状況検出手段が、降雨又は降雪を検知する手段と、雨又は雪が当たらない地点を検知する手段とを含み、
降雨又は降雪が検知されている状況下で、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地又はユーザの位置が雨又は雪が当たらない地点である場合に、前記第2目的地決定手段が、雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項1に記載の車両自動運転システム。
【請求項4】
前記周辺状況検出手段が、前記目的地指示受信手段に目的地の指示を送信する端末を所持するユーザの属性、及び/又は、該ユーザの状況を検出する手段を含み、
前記第2目的地決定手段が、前記ユーザの属性及び/又はユーザの状況に応じて、前記第2の目的地の決定方法を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の車両自動運転システム。
【請求項5】
前記周辺状況検出手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離を検知する手段を更に含み、
前記第2目的地決定手段が、ユーザが子供を連れている場合に、後部ドアとドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項4に記載の車両自動運転システム。
【請求項6】
前記周辺状況検出手段が、車両のドアとドア側方の障害物との距離を検知する手段を更に含み、
前記第2目的地決定手段が、ユーザが同伴者を伴う場合に、助手席側ドアとドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項4に記載の車両自動運転システム。
【請求項7】
前記周辺状況検出手段が、降雨又は降雪を検知する手段と、雨又は雪が当たらない地点を検知する手段とを含み、
降雨又は降雪が検知されている状況下で、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地又はユーザの位置が雨又は雪が当たらない地点であり、且つ、ユーザが子供を連れている場合には、前記第2目的地決定手段が、後部ドアに雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項4に記載の車両自動運転システム。
【請求項8】
前記周辺状況検出手段が、降雨又は降雪を検知する手段と、雨又は雪が当たらない地点を検知する手段とを含み、
降雨又は降雪が検知されている状況下で、前記目的地指示受信手段を介して指示された目的地又はユーザの位置が雨又は雪が当たらない地点である場合であり、且つ、ユーザが同伴者を伴う場合には、前記第2目的地決定手段が、助手席側ドアに雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項4に記載の車両自動運転システム。
【請求項9】
前記周辺状況検出手段が、前記目的地指示受信手段に目的地の指示を送信する端末を所持するユーザの属性、及び/又は、該ユーザの状況を検出する手段を含み、
目的地まで車両を自動走行させた後において最初に開けられた車両のドアを、前記ユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けて学習する学習手段を備え、
前記第2目的地決定手段が、前記学習手段による学習結果と前記周辺状況検出手段の検出結果とに基づいて、今回検出されたユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けられたドアに対して、ドア側方の障害物との距離が所定距離以上となる地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項2に記載の車両自動運転システム。
【請求項10】
前記周辺状況検出手段が、前記目的地指示受信手段に目的地の指示を送信する端末を所持するユーザの属性、及び/又は、該ユーザの状況を検出する手段を含み、
目的地まで車両を自動走行させた後において最初に開けられた車両のドアを、前記ユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けて学習する学習手段を備え、
前記第2目的地決定手段が、前記学習手段による学習結果と前記周辺状況検出手段の検出結果とに基づいて、今回検出されたユーザの属性及び/又はユーザの状況に関連付けられたドアに対して、雨又は雪が当たらない地点を、前記第2の目的地として決定することを特徴とする、請求項3に記載の車両自動運転システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−9913(P2008−9913A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182152(P2006−182152)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】