説明

車載用情報提供装置

【課題】車両の走行シーンが予め用意された走行シーンと合致しない場合、ユーザが容易に好みの走行シーンを選択できるようにする。
【解決手段】予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがないと判定された場合(S204でNOと判定)、ユーザに好みの走行シーンの選択を促すシーン選択画面を表示画面に表示させ(S208)、シーン選択画面の表示に従って、ユーザが選択した走行シーンに適した情報を含む番組表情報を生成し、生成した番組表情報に従って情報提供を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両に搭載され各種情報を提供する車載情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの嗜好や車両の走行シーンなどの各種条件に基づいて決定された番組表情報(タイムテーブル)に従って各種情報を再生するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような装置には、複数の様々な走行シーンに適したコンテンツを含む番組表情報が用意されており、車両の走行シーンが予め用意された走行シーンと合致する場合には、車両の走行シーンと合致する走行シーンに適したコンテンツを含む番組表情報に従って各種情報を提供し、車両の走行シーンと合致する走行シーンが用意されていない場合には、再生処理を中止してエラーを示すメッセージを表示する画面に遷移するものがある。
【0004】
また、車両の走行シーンと合致する走行シーンが用意されていない場合に、車両の走行シーンと条件の近い走行シーンに適したコンテンツを含む番組表情報に従ってコンテンツを再生するものもある。
【特許文献1】特開2005−84752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記したように、車両の走行シーンと合致する走行シーンが用意されていない場合、エラーメッセージの表示画面が表示されると、再生処理を再開させるための各種操作が必要となってしまう。
【0006】
また、上記したように、車両の走行シーンと条件の近い走行シーンに適したコンテンツを含む番組表情報に従ってコンテンツが再生された場合、ユーザの予想から大きく外れたコンテンツが提供されてしまうことが考えられる。このような場合、好みのコンテンツが提供されるように変更するためのユーザ操作が必要となってしまう。
【0007】
このように、上記した装置では、車両の走行シーンが予め用意された走行シーンと合致しない場合、ユーザが容易に好みの走行シーンの選択することができないので、使い勝手が良くないといった問題がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みたもので、車両の走行シーンが予め用意された走行シーンと合致しない場合、ユーザが容易に好みの走行シーンを選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明では、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあるか否かを判定する判定手段によって、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがないと判定された場合、ユーザに好みの走行シーンの選択を促す手段を備え、番組表情報生成手段は、ユーザによって選択された好みの走行シーンに適した情報を含む番組表情報を生成することを第1の特徴としている。
【0010】
このように、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがないと判定された場合、ユーザに好みの走行シーンの選択を促し、ユーザによって選択された走行シーンに適した情報を含む番組表情報を生成し、生成した番組表情報に従って情報提供を行うので、車両の走行シーンが予め用意された走行シーンと合致しない場合、ユーザが容易に好みの走行シーンを選択することができる。
【0011】
また、本発明は、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあると判定され、かつ、車両の走行シーンと合致する走行シーンに適した情報の提供が不可能であると判定された場合、再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認する番組再生確認手段を備え、情報提供手段は、ユーザによって確認された番組表情報に従って情報提供を行うことを第2の特徴としている。
【0012】
このように、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあると判定され、かつ、車両の走行シーンと合致する走行シーンに適した情報の提供が不可能であると判定された場合、再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認し、ユーザによって確認された番組表情報に従って情報提供を行うので、ユーザの予想から大きく外れたコンテンツが提供されることをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る車載情報提供装置の全体構成を図1に示す。車載情報提供装置は、ナビゲーション装置1を用いて構成されている。ナビゲーション装置1は、位置検出部11、操作スイッチ群17、TVチューナ18、FM・AMチューナ19、CDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22、外部オーディオインタフェース23、制御回路24、内部記憶媒体25、表示部26、音声出力部27、外部情報入出力部28およびリモコンセンサ29を備えている。
【0014】
位置検出器11は、いずれも周知の地磁気センサ12、ジャイロスコープ13、距離センサ14およびGPS受信機15等のセンサを有している。これらセンサ12〜15は、現在位置を特定するための各種情報を制御回路24に出力する。
【0015】
操作スイッチ群17は、表示部26の表示画面の周囲に設けられた複数のメカニカルスイッチ、表示部26の表示画面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置からなり、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに応じた信号を制御回路24に出力する。
【0016】
TVチューナ18は、制御回路24からの制御信号に応じてTV放送局からの電波を受信し、映像信号および音声信号を制御回路24に出力する。
【0017】
FM・AMチューナ19は、制御回路24からの制御信号に応じてFMラジオまたはAMラジオ放送局からの電波を受信し、音声信号を制御回路24に出力する。
【0018】
CDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22は、制御回路24からの制御に基づいて、CD、DVD、MD等のメディアに記憶された楽曲および音楽情報を読み出して制御回路24に出力する。これらの各ドライブ20〜22は、CD、DVD、MD等の各メディアの挿入を検知すると検知信号を制御回路24へ出力するセンサを有している。
【0019】
外部オーディオインタフェース23は、携帯オーディオ端末(図示せず)とケーブルを介して接続するための接続端子を有し、この接続端子を介して携帯オーディオ端末と各種データの入出力を行う。
【0020】
内部記憶媒体25は、HDD(ハードディスクドライブ)等の大容量不揮発性記憶媒体によって構成されている。この内部記憶媒体25には、制御回路24が実行するためのプログラム、地図表示のための地図データ、目的地、目的地までの走行ルート、目的地に到着するまでの予想走行時間、楽曲および音楽情報、ユーザ嗜好情報、行動パターン情報等の情報が記憶される。
【0021】
また、内部記憶媒体25には、「通勤」、「デート」、「ドライブ」、「買い物」といった複数の走行シーンが定義されている。また、ユーザの操作によって、内部記憶媒体25に走行シーンを定義することもできるようになっている。
【0022】
表示部26は、液晶等による表示画面を有し、制御回路24から入力される映像信号に応じた映像を表示画面に表示させる。
【0023】
音声出力部27は、スピーカを有し、制御回路24から入力される音声信号に応じた音声をスピーカから出力させる。
【0024】
外部情報入出力部28は、例えば、VICSなどのインフラネットワークやインターネットなどのネットワークから提供される各種外部情報を取得し、ネットワークに接続された通信装置に対して情報を発信するためのものである。この外部情報入出力部28を介して取得される外部情報としては、例えば、天気情報(天気予報、警報、注意報など)、交通情報(通行止め情報、渋滞情報)、音楽番組、ニュース、ライブ中継などがある。なお、インターネットなどのネットワークから取得する外部情報は、ストリーミング形式やダウンロード形式等、様々な形式で取得が可能となっている。
【0025】
リモコンセンサ29は、ユーザの操作に基づいて赤外線等による無線信号を送信するリモコン29aから受信した信号を制御回路24へ出力する。
【0026】
制御回路24は、メモリ、CPU等を備えたコンピュータによって構成され、内部記憶媒体25に記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。また、制御回路24は、年月日、時分秒、曜日を示す日時情報を管理する内部カレンダを有している。
【0027】
本実施形態におけるナビゲーション装置1の内部記憶媒体25には、製品出荷時に、数万タイトルの楽曲およびこれらの楽曲の音楽情報(アルバム名、トラック名、アーティスト名、ジャンル等)が記憶されている。
【0028】
利用者は、内部記憶媒体25に記憶された楽曲を予め定められた回数(例えば、3回)まで無料で試聴できるようになっており、試聴した楽曲が気に入った場合には、購入操作を行うことで楽曲を購入して何度でも聞くことが可能となる。
【0029】
また、ナビゲーション装置1は、各ドライブ20〜22に挿入されたCD、DVD、MD等のメディアに記憶された楽曲を再生すると、再生した楽曲を自動的に内部記憶媒体25にコピーする機能を備えている。この機能により、次回から、CD、DVD、MD等のメディアの挿入操作を行うことなく、内部記憶媒体25にコピーされた楽曲を選択操作して再生することができる。
【0030】
また、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、ユーザに係るユーザ基本情報をアンケート形式で入力するようになっている。ユーザ基本情報として入力される情報としては、例えば、ユーザの氏名、生年月日、性別、血液型、現住所、出身地、学歴、職種、役職、勤務地、休みの日(曜日)などのユーザ属性情報、ユーザの好みの色、好みの音、好みの匂い、好みの色、好みの音楽アーティスト、好みの音楽ジャンル、好みの書籍、好みの作家、好みの書籍ジャンル、好みのテレビ・ラジオ番組、1日の平均テレビ視聴時間、1日の平均ラジオ聴取時間、好みの食べ物、流行敏感度などのユーザ嗜好情報がある。
【0031】
図2に示すように、内部記憶媒体25には、スケジュールおよび走行履歴が含まれる行動パターン情報Aとユーザの嗜好に合ったユーザ嗜好情報Bを記憶するユーザ情報記憶領域Cが設けられている。ユーザによってユーザ基本情報が入力されると、入力された情報によって初期テンプレートが生成され、ユーザ嗜好情報Bに記憶される。このテンプレートは、ユーザ毎に生成される。
【0032】
本実施形態におけるナビゲーション装置1は、ユーザによる選曲操作、音楽購入操作、楽曲が記憶されたメディアの挿入操作等の各種操作を検知すると、ユーザの操作内容からユーザの嗜好に合った情報を取得して内部記憶媒体25に記憶されたユーザ嗜好情報に追加記憶してユーザの嗜好を学習する学習機能を備えている。この学習機能によって学習したユーザの嗜好に合った番組を生成し、生成した番組に従ってユーザの嗜好に合った情報を提供するようになっている。
【0033】
次に、図3を参照して、制御回路24によるユーザ嗜好の学習機能について説明する。制御回路24は、イグニッションスイッチを介してバッテリから電源が供給されると、位置検出部11から入力される現在位置を特定するための情報に基づいて車両の現在位置を算出する現在位置算出処理等の処理を開始する。制御回路24は、これらの各処理と並行して図3に示す処理を繰り返し行う。
【0034】
まず、操作スイッチ群17あるいはリモコンセンサ29から入力される信号に基づいてユーザ操作検知を行う。具体的には、TVチューナ18、FM・AMチューナ19、CDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22、外部オーディオインタフェース23、内部記憶媒体25、外部情報入出力部28のいずれかに対するユーザの操作を検知する(S100)。
【0035】
ここで、ユーザの操作が検知されると、次に、操作情報を取得する(S102)。具体的には、TVチューナ18、FM・AMチューナ19、CDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22、外部オーディオインタフェース23、内部記憶媒体25、外部情報入出力部28に対する操作内容を示す操作情報を取得する。
【0036】
次に、取得した操作情報に基づいて操作対象を判定する(S104)。具体的には、操作対象がCDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22、外部オーディオインタフェース23に接続された携帯オーディオ端末、内部記憶媒体25に対する楽曲再生に関するものであるか、外部情報入出力部28に対するものであるか、TVチューナ18、FM・AMチューナ19に対するものであるかを判定する。
【0037】
操作対象がCDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22、外部オーディオインタフェース23に接続された携帯オーディオ端末および内部記憶媒体25のいずれかに対するものであると判定された場合、次に、音楽情報を取得する(S106)。具体的には、ユーザによって選曲操作された楽曲の音楽情報(アルバム名、トラック名、アーティスト名、ジャンル等)を、選曲操作された楽曲が記憶されているメディアあるいは内部記憶媒体25から取得する。
【0038】
また、操作対象が外部情報入出力部28に対するものであると判定された場合、次に、外部情報を取得する(S108)。具体的には、外部情報入出力部28によって受信可能な外部情報(天気情報、交通情報、音楽番組、ニュース、ライブ中継等)の中からユーザの操作によって特定された外部情報を取得する。インターネットなどのネットワークから取得する外部情報としては、例えば、ユーザの操作によって特定されたインターネット上のウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)、ウェブサイトに含まれるテキストデータ等を取得する。
【0039】
また、操作対象がTVチューナ18とFM・AMチューナ19のいずれかであると判定された場合、次に、テレビ・ラジオ番組情報を取得する(S110)。具体的には、TVチューナ18あるいはFM・AMチューナ19によって受信可能な番組の中からユーザによって選択された番組情報(受信チャンネル、放送開始時刻、放送終了時刻等)を取得し、S112へ進む。
【0040】
また、S114では、ユーザの操作スイッチ群17あるいはリモコンセンサ29から入力される信号に基づいて音楽購入検知を行う。具体的には、外部情報入出力部28を介してネットワークに接続されたセンタから音楽を視聴するためのライセンスキーを取得する購入操作が行われたかに基づいて音楽の購入操作の検知を行う。
【0041】
ここで、音楽購入の操作が検知されると、次に、購入操作された音楽情報を取得する(S116)。具体的には、購入操作に基づいて購入操作された楽曲の音楽情報(アルバム名、トラック名、アーティスト名、ジャンル等)を取得し、S112へ進む。
【0042】
また、S118では、ユーザによってCDドライブ20、DVDドライブ21およびMDドライブ22のいずれかへメディアが挿入されたときに、各ドライブ20〜22から出力されるメディア挿入の検知信号に基づいてユーザによるCDドライブ20、DVDドライブ21、MDドライブ22へのメディア挿入の検知を行う。
【0043】
ここで、ユーザによるCDドライブ20、DVDドライブ21およびMDドライブ22のいずれかへのメディア挿入が検知されると、次に、挿入されたメディアに記憶された楽曲の音楽情報(アルバム名、トラック名、アーティスト名、ジャンル等)を取得し(S120)、S112へ進む。
【0044】
S112では、このようにS106、S108、S110、S116、S120において取得したユーザの嗜好に合った情報を内部記憶媒体25に記憶されたユーザ嗜好情報に追加記憶してユーザの嗜好を学習する。すなわち、ユーザの選曲操作によって選曲された楽曲の音楽情報(アルバム名、トラック名、アーティスト名、ジャンル等)、ユーザの操作によって特定された外部情報(天気情報、交通情報、音楽番組、ニュース、ライブ中継等)、ユーザの操作によって選択されたテレビ・ラジオ番組、ユーザの購入操作によって購入された楽曲の音楽情報、ユーザのメディアの挿入操作によって挿入されたメディアに記憶された音楽情報を、それぞれユーザの嗜好に合った情報としてユーザ嗜好情報に追加記憶してユーザの嗜好を学習し、本処理を終了する。
【0045】
次に、図4を参照して、制御回路24による番組生成処理について説明する。ユーザの操作に応じて表示画面にユーザ認証のための入力画面(例えば、名前とパスワードの入力画面)を表示させ、この表示画面に従ってユーザの操作により入力された情報に基づいてユーザ認証を行い、このユーザ認証によってユーザが認証されると、制御回路24は図4に示す番組生成処理を開始する。
【0046】
まず、車両周辺の状況を認識するためのシーン判定処理を行う(S200)。図5に、シーン判定処理のフローチャートを示す。
【0047】
このシーン判定処理では、まず、車両の走行シーンがどのような走行シーンかを判定する(S202)。具体的には、内部記憶媒体25に記憶されたユーザ基本情報、内部カレンダから取得される年月日、時分秒、曜日を示す日時情報、外部情報入出力部28を介して取得される天気情報や交通情報、位置検出部11から入力される現在位置を特定するための情報に基づいて算出された現在位置、ユーザの操作に応じて入力された目的地等の各種情報に基づいて、車両の走行シーンがどのような走行シーンかを判定する。例えば、出勤日(曜日)に現住所から勤務地に至る経路上を走行中の場合、「通勤」であると判定し、休みの日(曜日)にショッピングセンターを目的地として走行中の場合、「買い物」であると判定する。
【0048】
次に、シーン判定が成功か否かを判定する(S204)。具体的には、予め用意された複数の走行シーンにS202において判定された車両の走行シーンと合致するものがあるか否かに基づいてシーン判定が成功か否かを判定する。
【0049】
ここで、予め用意された複数の走行シーンにS202において判定された車両の走行シーンと合致するものがある場合、S204の判定はYESとなり、次に、シーン対応データがあるか否かを判定する(S206)。具体的には、車両の走行シーンと合致した走行シーンに対応するデータが内部記憶媒体25に存在するか否かを判定する。
【0050】
ここで、車両の走行シーンと合致した走行シーンに対応するデータが内部記憶媒体25に存在する場合、S206の判定はYESとなり、図4のS300へ進む。
【0051】
また、予め用意された複数の走行シーンにS202において判定された車両の走行シーンと合致するものがない場合、S204の判定はNOとなり、次に、ユーザに好みの走行シーンの選択を促すシーン選択画面を表示画面に表示させる(S208)。
【0052】
このシーン選択画面の表示例を図6に示す。図に示すように、シーン選択画面には、予め用意された複数の走行シーンが表示されており、ユーザは、これらの走行シーンの中から好みの走行シーンを1つ選択するようになっている。なお、図6の「ユーザ設定1」、「ユーザ設定2」には、ユーザによって定義された走行シーンが表示される。
【0053】
この表示画面に従って、ユーザによって好みのシーンが選択されると、S300へ進む。
【0054】
また、車両の走行シーンと合致した走行シーンに対応するデータが内部記憶媒体25に存在しない場合、S206の判定はNOとなり、次に、提供可能なコンテンツを含む番組表情報をユーザに確認させる番組再生確認画面を表示画面に表示させる(S210)。
【0055】
この番組再生確認画面の表示例を図7に示す。図に示すように、提供可能なコンテンツが含まれる番組表情報とともに、「シーン変更」、「音楽再生」の各スイッチが表示されている。
【0056】
ユーザによって「シーン変更」が選択操作されると、他に用意された提供可能なコンテンツが含まれる番組表情報が表示される。また、ユーザによって「音楽再生」が選択操作されると、図4のS402へ進む。
【0057】
図4の説明に戻り、S300では、内部記憶媒体25からユーザ嗜好情報を取得する。このユーザ嗜好情報は、ユーザによる各種操作内容からユーザの嗜好に合った情報が反映されたものである。
【0058】
次に、シーン判定処理によって判定された走行シーンと内部記憶媒体25から取得したユーザ嗜好情報に基づいてタイムテーブル(番組)を生成する(S400)。ここで、シーン判定処理によって判定された走行シーンとは、予め用意された走行シーンと合致した車両の走行シーン、または、S208において表示画面に表示されたシーン選択画面に従ってユーザが選択した好みの走行シーンである。具体的には、ベイジアン・ネットワーク・モデル等の確率ネットワーク・モデルを用いて、上述したようにシーン判定処理によって判定された走行シーンとユーザの操作内容に基づいて学習したユーザ嗜好情報からユーザの嗜好と走行シーンに適した楽曲や番組を予測して、FMラジオ、AMラジオ、テレビ、CDドライブ、DVDドライブ、MDドライブ、携帯オーディオ端末、HDDオーディオ等の各情報源からユーザの嗜好に合った楽曲や番組を選択してタイムテーブルを作成する。なお、ベイジアン・ネットワーク・モデルを用いて各種情報にユーザの嗜好を反映させる技術は公知である(例えば、特開2004−355075参照)。
【0059】
図8に、上記シーン判定処理によって判定された走行シーンと内部記憶媒体25から取得したユーザ嗜好情報に基づいて生成されたタイムテーブルの一例を示す。図に示すように、定期的に通知される交通情報、HDDに記憶されたユーザの好みのアーティストの音楽(JPOP)、ヘッドラインニュース、HDDに記憶されたユーザの好みのジャンルの音楽(最新JPOP)、時報、定期的に通知される交通情報、予め登録された地点のピンポイント天気情報、HDDに記憶されたユーザの好みのジャンルの音楽(ロック)といった番組内容を含むタイムテーブルが生成されている。
【0060】
次に、生成されたタイムテーブルに従って番組再生を行う(S402)。具体的には、生成されたタイムテーブルに従って、FMラジオ、AMラジオ、テレビ、CDドライブ、DVDドライブ、MDドライブ、HDDオーディオ等の各情報源から音楽や番組を取得して提供する。
【0061】
次に、シーン変更があるか否かを判定する。具体的には、シーン判定処理において決定した状況(シーン)に変更があるか否かを判定する(S404)。
【0062】
ここで、シーン変更があると判定された場合、S404の判定はYESとなり、S200の処理へ戻る。また、シーン変更がないと判定された場合、S404の判定はNOとなり、ユーザ嗜好情報を取得して、前に取得したユーザ嗜好情報を比較して変更が有るか否かを判定する(S406)。
【0063】
ここで、変化があると判定された場合、S406の判定はYESとなり、S200の処理へ戻る。また、変化がないと判定された場合、S406の判定はNOとなり、次に、タイムテーブルに従って全ての番組内容の提供が終了したか否かに基づいて番組が終了したか否かを判定する(S408)。
【0064】
ここで、全ての番組内容の提供が終了してない場合、S408の判定はNOとなり、S402の処理へ戻る。また、全ての番組内容の提供が終了した場合、S418の判定はYESとなり、S200の処理へ戻る。
【0065】
上記した構成によれば、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがないと判定された場合、ユーザに好みの走行シーンの選択を促すシーン選択画面を表示画面に表示させ、シーン選択画面の表示に従って、ユーザが選択した走行シーンに適した情報を含む番組表情報を生成し、生成した番組表情報に従って情報提供を行うので、車両の走行シーンが予め用意された走行シーンと合致しない場合、ユーザが容易に好みの走行シーンを選択することができ、使い勝手を向上させることができる。
【0066】
また、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあると判定され、かつ、車両の走行シーンと合致する走行シーンに適した情報の提供が不可能であると判定された場合、再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認する番組再生確認画面を表示画面に表示させるので、ユーザの予想から大きく外れたコンテンツが提供されることをなくすことができる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0068】
例えば、上記実施形態では、ナビゲーション装置1を用いて車載情報提供装置を構成した例を示したが、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯端末などを用いて車載情報提供装置を構成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、S400において、シーン判定処理によって判定された走行シーンと内部記憶媒体から取得したユーザ嗜好情報に基づいてタイムテーブル(番組)を生成する例を示したが、シーン判定処理によって判定された走行シーンのみに基づいてタイムテーブル(番組)を生成してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、S208において、ユーザに好みの走行シーンの選択を促すシーン選択画面を表示画面に表示させ、このシーン選択画面に従ってユーザが選択した走行シーンに適した情報を提供する例を示したが、音声対話によってユーザに好みの走行シーンの選択を促してもよい。この場合、例えば、音声によってユーザに好みの走行シーンの選択を促し、ユーザの音声によって選択された走行シーンに適した情報を提供するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、S210において、再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認する番組再生確認画面を表示画面に表示させ、この番組再生確認画面によりユーザが確認した番組表情報に従って情報提供を行う例を示したが、音声対話により再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認してもよい。この場合、例えば、音声によって再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認し、ユーザの音声によって番組表情報の確認を行うようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、S206において、車両の走行シーンと合致した走行シーンに対応するデータが内部記憶媒体25に存在するか否かを判定する例を示したが、内部記憶媒体25に記憶されているデータに限定されるものではなく、例えば、FMラジオ、AMラジオ、テレビ、CDドライブ、DVDドライブ、MDドライブ、携帯オーディオ端末、HDDオーディオ等の各情報源から車両の走行シーンと合致した走行シーンに対応するデータを入手して提供することが可能であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、「通勤」、「買い物」といったように走行シーンがどのような走行シーンかを判定する例を示したが、例えば、「晴れの日の通勤で、渋滞中の一般道を走行中」、「高速道路に入口料金所に接近中」、「高速道路を走行中で、サービスエリアに接近中」といったように、より詳細に走行シーンがどのような走行シーンかを判定してもよい。これにより、例えば、高速道路に進入する手前で交通情報を提供したり、あるいは、サービスエリアに進入する手前では落ち着いた音楽を再生したりするなど、車両の走行シーンにきめ細かく対応した情報を提供することが可能である。
【0074】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S204の処理が判定手段に相当し、S208の処理がユーザに好みの走行シーンの選択を促す手段に相当し、S400の処理が番組表情報生成手段に相当し、S402の処理が情報提供手段に相当し、S206の処理が情報提供可否判定手段に相当し、S210の処理が番組再生確認画面表示手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る車載情報提供装置の全体構成を示す図である。
【図2】行動パターン情報とユーザ嗜好情報についての説明図である。
【図3】制御回路によるユーザ嗜好の学習機能についての説明図である。
【図4】制御回路による番組生成処理を示す図である。
【図5】番組生成処理におけるシーン判定処理のフローチャートである。
【図6】シーン選択画面の表示例を示す図である。
【図7】番組再生確認画面の表示例を示す図である。
【図8】番組生成処理によって生成されたタイムテーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1…ナビゲーション装置、11…位置検出部、12…地磁気センサ、
13…ジャイロスコープ、14…距離センサ、15…GPS受信機、
17…操作スイッチ群、18…TVチューナ、19…FM・AMチューナ、
20…CDドライブ、21…DVDドライブ、22…MDドライブ、
23…外部オーディオインタフェース、24…制御回路、
25…内部記憶媒体、26…表示部、27…音声出力部、
28…外部情報入出力部、29…リモコンセンサ、29a…リモコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあると判定された場合、前記車両の走行シーンと合致した走行シーンに適した情報を含む番組表情報を生成する番組表情報生成手段と、前記番組表情報手段によって生成された前記番組表情報に従って情報提供を行う情報提供手段と、を備えた車載情報提供装置であって、
前記判定手段によって、前記予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがないと判定された場合、ユーザに好みの走行シーンの選択を促す手段を備え、
前記番組表情報生成手段は、前記ユーザによって選択された好みの走行シーンに適した情報を含む番組表情報を生成することを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項2】
前記車両の走行シーンと合致する走行シーンに適した情報の提供が可能か否かを判定する情報提供可否判定手段と、
前記判定手段によって、前記予め用意された複数の走行シーンに車両の走行シーンと合致するものがあると判定され、かつ、前記情報提供可否判定手段によって、前記車両の走行シーンと合致する走行シーンに適した情報の提供が不可能であると判定された場合、再生する番組表情報の内容を事前にユーザに確認する番組再生確認手段と、を備え、
前記情報提供手段は、前記ユーザによって確認された前記番組表情報に従って情報提供を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−101219(P2007−101219A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287893(P2005−287893)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】