開閉装置制御システム
【課題】 悪意を有する第三者等により、不正な照合データが登録されたり、登録済みの照合データが消去されたりするのを防ぐことができる開閉装置制御システムを提供する。
【解決手段】 外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした開閉装置制御システム1において、前記認証データが入力された際に、その入力された認証データと同一の照合データが前記照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作が可能となるようにした。
【解決手段】 外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした開閉装置制御システム1において、前記認証データが入力された際に、その入力された認証データと同一の照合データが前記照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作が可能となるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーヘッドドアを含むシャッター装置、ドア、雨戸を含む引戸、窓、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置、門扉、ゲート、スライディングウォール装置等の開閉装置を制御する開閉装置制御システムに関し、特にシャッター装置を制御するのに好適な開閉装置制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッター装置を開閉操作する操作部には、例えば、特許文献1に記載されたもののように、複数の操作ボタン(停止、開放、閉鎖等)と、これら操作ボタンの前面側を開閉可能に覆うとともにシリンダー錠により施錠可能な蓋とを備えたスイッチボックスが用いられている。
このようなスイッチボックスによれば、悪意を有する者によって、前記シリンダー錠や前記蓋が破壊されたりドリル貫通されたり等して、操作ボタンが強引に操作されてしまうおそれがある。
そこで、例えば、特許文献2に記載されたカード式ドア施錠装置等を利用して、外部から入力される認証データと、予め記憶されている照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力を可能とするようなシステムが好ましい。
【0003】
しかしながら、上記のようなシステムでは、悪意を有する第三者により、不正なデータが上記照合データとして登録されてしまったり、その第三者によって記憶済みの上記照合データが消去されてしまったり等のおそれがあるため、防犯上の工夫が望まれる。
【特許文献1】特開平10−162678号公報
【特許文献2】特開2001−55851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、悪意を有する第三者等により、不正な照合データが登録されたり、登録済みの照合データが消去されたりするのを防ぐことができる開閉装置制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために第一の発明は、外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした開閉装置制御システムにおいて、前記認証データが入力された際に、その入力された認証データと同一の照合データが前記照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作が可能となるようにしたことを特徴とする。
【0006】
ここで、当該開閉装置制御システムの具体的構成としては、例えば、入出力装置や、記憶装置、中央処理装置などからなるマイコンを備えた電子回路とすればよい。
また、当該開閉装置制御システムは、単一の装置からなる一体的な構成であってもよいし、例えば、上記認証データの入力を可能にする操作部や上記制御指令を発する制御部等、複数の装置からなる構成であってもよい。
【0007】
また、上記認証データとは、上記照合データ記憶手段に記憶された照合データに照合させるために、外部から入力されるデータである。
この認証データには、無線または有線のリモコン装置から入力されるデータ、キー入力されるID番号、磁気カードから入力されるデータ、ICタグ(ICカードを含む)から入力されるデータ、指紋データとして入力されるデータ、静脈パターンのデータとして入力されるデータ、携帯端末(例えば携帯電話など)から入力されるデータ、バーコードやホログラムや透かし等のパターンとして入力されるデータ等を含む。
なお、上記認証データは、複数種類入力されるようにしてもよく、例えば、2つのICタグからそれぞれ異なる認証データが入力されるようにした構成や、ICタグから認証データが入力されるとともにキー入力によって異なる認証データ(パスワード、暗証番号等)が入力されるようにした構成等としてもよい。
【0008】
また、上記照合データとは、上記認証データを照合させるために予め上記照合データ記憶手段に記憶されるデータである。
この照合データは、外部から近接されるICタグのデータを読み取って記憶したデータであってもよいし、他の外部装置から受信したデータや、外部からキー入力されたデータ等であってもよい。
【0009】
また、上記照合データ記憶手段は、例えば、マイコンの記憶装置や他の記憶装置に確保された所定の記憶領域等とすればよい。
【0010】
また、「外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ」という構成には、例えば、認証データと照合データとの一方又は双方のデータの一部又は全部が、エンコード(暗号化)されていて、そのデータをデコード(復号化)したときに一致するか否かを判断するようにした構成を含む。
【0011】
また、「その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした」という構成には、上記認証データと上記照合データとが一致したことを条件に上記制御指令を出力するようにした態様や、上記認証データと上記照合データとが一致したことを条件に、操作スイッチを有効にし、該操作スイッチの操作に応じた制御指令が出力されるようにした態様、上記認証データと上記照合データとが一致したことを条件に、リモコンや携帯端末等の外部機器から入力される信号を有効にし、該信号に応じた制御指令が出力されるようにした態様等を含む。
【0012】
また、上記制御指令には、例えば、開閉装置の開閉体を閉鎖動作させるための指令や、開閉体を開放動作させるための指令、開閉体を停止するための指令、警報音を発するための指令、警報ランプを点灯または点滅させるための指令、開閉体を反転させるための指令、開閉体を操作するための閉操作用及び/又は開操作用の押ボタンスイッチによる自己保持動作を解除や復帰するための指令、開閉装置や制御回路の電源をONからOFFに切換える指令、開閉体位置を感知するリミットスイッチの設定や開閉体の開閉速度等の各種設定を変更する指令、開閉装置の動作モードを切換える指令等を含む。
この制御指令は、1種類であっても複数種類であってもよい。
【0013】
また、上記登録操作には、上記照合データ記憶手段に対し照合データを記憶させる操作を含むのは勿論のこと、上記照合データ記憶手段に記憶された照合データを新たな照合データに更新する操作、上記照合データ記憶手段に無効化された状態で記憶されていた照合データを有効化する操作等も含む。
また、上記消去操作には、上記照合データ記憶手段に記憶された照合データの一部を消去する操作や、その全部を消去する操作、上記照合データ記憶手段に記憶されている照合データを記憶された状態のまま無効化する操作等を含む。
【0014】
また、第二の発明では、上記登録操作を行う登録モードと上記消去操作を行う消去モードとが、所定の操作により選択されるようにした開閉装置制御システムであって、上記登録操作と上記消去操作との内の一方の操作が行われた後、前記所定の操作が再度行われた場合に、前記一方の操作に対応する前記モードを解除し、前記所定の操作が再度行われなかった場合には、前記一方の操作が再度可能となるようにしたことを特徴とする。
【0015】
ここで、上記所定の操作には、動作モードスイッチ等のスイッチ操作による操作や、開閉装置を操作するための操作スイッチに対する特別な操作(例えば開放スイッチと閉鎖スイッチを同時に押す操作等)、外部機器の操作信号を入力するようにした構成における該外部機器の操作等を含む。
【0016】
また、第三の発明では、上記照合データ記憶手段に対する上記照合データの登録操作中又は消去操作中に、開閉装置の特定の制御動作が行われないように、上記制御指令を制限したことを特徴とする。
【0017】
ここで、「前記制御指令を制限した」という構成には、特定の制御動作を行わせるための制御指令が出力されないようにした構成や、特定の制御動作を行わせるための制御指令を無視するための制御指令が出力されるようにした構成、特定の制御動作よりも優先して他の制御動作を行わせるための制御指令が出力されるようにした構成等を含む。
なお、前記「制御指令が出力される」とは、制御指令を受信する開閉装置側の制御回路に応じて、制御指令を所定時間だけ出力する態様としてもよいし、制御指令を継続的に出力する(出力し続ける)態様としてもよい。
【0018】
また、第四の発明では、上記認証データが入力された際に、その入力があったことを外部に報せる応答手段を具備したことを特徴とする。
【0019】
ここで、上記応答手段には、例えば、発光ダイオードや電球等を用いて光を発するようにした態様や、ブザーや音声発生器等を用いて音を発するようにした態様等を含む。
【0020】
また、第五の発明では、開閉装置を操作するための操作部を備えた開閉装置制御システムであって、この操作部は、ICタグから送信される上記認証データを受信するためのICタグリーダーと、開閉装置を操作するための操作スイッチと、該操作スイッチを覆ったり露出したりするように開閉可能な蓋部材と、上記応答手段として内在された発光体と、該発光体の光を外部に透過するように配設された透光部材とを備え、前記透光部材は、その一部分である第一の部分を前記発光体に臨ませるとともに、その他部分である第二の部分を操作スイッチへ臨ませ、更に、前記第一の部分および前記第二の部分以外の第三の部分を、蓋部材が閉じられた状態で外部に露出させるように配設されていることを特徴とする。
【0021】
ここで、上記透光部材は、その形状が特に限定されるものでないが、特に好ましい具体例としては、例えば多面体形状に形成され、その一面を上記第一の部分とし、他の一面を上記第二の部分とし、更に他の一面を上記第三の部分とした態様が挙げられる。
【0022】
また、第六の発明では、上記認証データ毎に操作制限データを設定し、上記認証データが入力された際に、前記操作制限データに応じて特定の操作が制限されるようにしたことを特徴とする。
【0023】
ここで、上記操作制限データとは、入力される認証データ毎に対応して、上記特定の操作を制限するために設定されたデータである。
また、上記特定の操作には、例えば、開閉装置に操作指令(開放指令や閉鎖指令、停止指令等を含む。)を発する操作や、照合データを登録する操作、照合データを消去する操作等を含む。上記特定の操作は、前記操作の内の一部の操作としてもよいし、全部の操作としてもよく、更に、前記操作以外の操作を含むようにしてもよい。
【0024】
上記操作制限データの具体例としては、上記特定の操作が行われる日時を制限する日時条件のデータや、上記特定の操作が一日あたりに行われる許容回数を制限する許容回数条件のデータ、複数の特定の操作の内の登録操作のみを不能にする登録操作限定条件のデータ、複数の特定の操作の内の消去操作のみを不能にする消去操作限定条件のデータ、複数の特定の操作の内の開放操作のみを不能にする開放操作限定条件のデータ等が挙げられる。
更に、上記操作制限データの他例としては、開閉装置からのフィードバック信号に応じて該開閉装置における開閉体の開放量を制限する開放量条件のデータや、ICタグとICタグリーダーとの間の通信距離に対応した電界強度を検出するようにした態様においてその通信距離を制限する通信距離条件のデータ等が挙げられる。
この操作制限データは、好ましくは、上記認証データ毎に対応する上記照合データに対し設定すればよく、また、他例としては、上記認証データの一部に設定されるデータとすることも可能である。
【0025】
また、第七の発明では、入力された認証データと同一の照合データが照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作が行われる際に、その新たな照合データに対し、先に入力された前記認証データに対応する操作制限データに応じて、新たな操作制限データが設定されるようにしたことを特徴とする。
【0026】
ここで、新たな操作制限データは、先に入力された前記認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えるように設定されるようにしてもよいが、防犯性を良好にする観点より、同操作制限範囲を超えないように設定されることが好ましい。
【0027】
また、第八の発明では、上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えないように設定されることを特徴とする。
【0028】
また、第九の発明では、上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データと同一の操作制限範囲となるように設定されることを特徴とする。
【0029】
また、第十の発明では、上記新たな照合データに対応する操作制限データが選択的に設定されるようにしたことを特徴とする。
【0030】
ここで、更に好ましい態様としては、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えない範囲内で、上記新たな照合データに対応する操作制限データが選択的に設定されるようにする。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の発明によれば、認証データが入力された際、その入力された認証データと同一の照合データが照合データ記憶手段に記憶されているか否かによって、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作の可否が判断される。
よって、例えば、悪意を有する第三者が不正な認証データを照合データとして登録してしまったり、その第三者によって照合データが消去されてしまったりするのを防ぐことができる。
【0032】
更に、第二の発明によれば、一度、登録操作または消去操作が行われた後に、新たな照合データを追加登録する操作や、異なる照合データを消去する操作を、簡単な操作で繰り返すことができる。
【0033】
更に、第三の発明によれば、照合データ記憶手段に対する前記照合データの登録操作中又は消去操作中に、制御指令の出力が制限されるため、開閉体閉鎖動作や開閉体開放動作等、意図しない不要な制御動作が行われてしまうのを防ぐことができる。
【0034】
更に、第四の発明によれば、操作者等に対し、認証データが入力されたことを、応答手段により確認させることができる。
【0035】
更に、第五の発明によれば、認証データの入力があったことを蓋部材の開閉状態に拘わらずに視覚的に外部へ報せることができる上、蓋部材が開放した状態では、発光体から発せられ透光部材を透過した光によって、操作スイッチを照らすことができる。
【0036】
更に、第六の発明によれば、認証データが入力された際に、その認証データに対応する操作制限データに応じて、特定の操作を制限することができる。
すなわち、認証データを所持する操作者毎に、可能な操作を限定したり無制限にしたりすることができ、ひいては、防犯性を向上することができる。
【0037】
更に、第七の発明によれば、新たな照合データに対応する操作制限データを、先に入力された認証データに対応する操作制限データに応じて設定することができる。したがって、新たな照合データに対応する操作制限データの設定操作を容易化することができる。
【0038】
更に、第八の発明によれば、新たな照合データによる操作制限範囲が、先に入力された認証データによる操作制限範囲を超えてしまうのを防ぐことができ、ひいては、防犯性を向上することができる。
【0039】
更に、第九の発明によれば、新たな照合データによる操作制限範囲が、先に入力された認証データによる操作制限範囲と同一になる。
したがって、新たな照合データに対応する操作制限データの設定操作を容易化することができる上、防犯性も向上することができる。
【0040】
更に、第十の発明によれば、新たな照合データによる操作利便性を良好にしたり、新たな照合データによる操作を適切に制限したり等、新たな照合データに対応する操作制限データを設定する際の融通性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態による開閉装置制御システムの一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置に具備されている。
【0042】
この開閉装置制御システム1は、シャッター装置Aの屋外側に配設される操作部10と、同シャッター装置Aの屋内側に配設される制御部20とを具備し、外部から操作部10に入力される信号に応じて、シャッター装置Aを制御するための制御指令を、制御部20から出力する(図1参照)。
【0043】
当該開閉装置制御システム1の制御対象であるシャッター装置Aは、閉鎖方向端部をスライドさせて開閉動作する開閉体a1と、該開閉体a1をその幅方向の両端部側で開閉方向へ案内するガイドレールa2,a2と、該開閉体a1をその開放方向側で巻き取ったり繰出したりする巻取装置a3とを具備してなる。
【0044】
開閉体a1は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラットを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接するとともに、これらスラットの最下端部(換言すれば閉鎖方向側先端部)に、開閉体幅方向(図1によれば左右方向)へわたる座板部材を接続してなる。
また、各ガイドレールa2は、開閉体a1の幅方向の端部を囲むように形成された部材であり、開閉体a1によって着座される当接対象部位p(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置a3との間にわたって配設されている。
また、巻取装置a3は、開閉体a1を巻き取ったり繰出したりする巻取軸(図示せず)や、該巻取軸をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段(図示せず)等を介して双方向へ回転する電動駆動源a31、該電動駆動源a31を制御するシャッター制御盤a32等を具備してなる。
【0045】
操作部10は、本体部11と、該本体部11に対し開閉される蓋部材12とを具備している(図2参照)。
本体部11は、図示例によれば、その表面に、開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、および閉鎖スイッチ11a3等の操作スイッチ11aが取り付けられている。
本体部11の内部には、後述するICタグリーダー10aへ認証データの入力があったことを外部に報せる応答手段である発光体11j(例えば、LED等)およびブザー11k等が配設されている(図4参照)。
また、この本体部11は、操作スイッチ11aを有する部分が、それ以外の部分よりも正面視奥側に配置され(換言すれば図2(c)に示すように段状に配設され)、これら双方の部分の境目に、前記発光体11jの光を通過させる開口部(図示せず)を有する。この開口部は、発光体11jの光を透過可能な透光部材11bにより覆われている。
また、蓋部材12は、図2に示す一例によれば本体部11の片半部側を覆う板状の部材であり、その1辺側が本体部11に対し回動自在に軸支されている。
【0046】
前記操作スイッチ11aは、シャッター装置Aを操作するための操作信号の入力を可能にする操作信号入力手段として機能する。
なお、前記開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、および閉鎖スイッチ11a3等は、例えば押ボタンスイッチとすればよいが、トグルスイッチや、他の態様のスイッチ類とすることも可能である。
【0047】
また、透光部材11bは、例えば、透明や乳白色の合成樹脂材料や、ガラス材料等、光を透過可能な材料から形成されている。
そして、この透光部材11bは、その一部分である第一の部分11b1(図示例によれば一方の側面部)により、本体部11における発光体11jに臨む開口部を塞ぐとともに、その他部分である第二の部分11b2(図示例によれば他方の側面部)を上記操作スイッチ11aへ臨ませ、更に、蓋部材12が閉じられた状態で正面側となる第三の部分11b3を外部に露出させて、本体部11に固定されている。
【0048】
この構成によれば、蓋部材12が閉じられた状態(図2(a)参照)では、透光部材11bの正面側の第三の部分11b3により、本体部11内の発光体11jの光を操作者等に視認させることができる。
また、蓋部材12が開放された状態(図2(a)(c)参照)では、同透光部材11bの正面側の第三の部分11b3、および操作スイッチ11aを向く第二の部分11b2により、本体部11内の発光体11jの光を操作者等に視認させることができる。
しかも、この蓋部材12の開放状態では、前記第二の部分11b2から放出される光により、操作スイッチ11aが照らされるため、周囲が暗い場所であっても、操作者等に対し操作スイッチ11aを容易に視認させることができる。
【0049】
次に、本体部11内のICタグリーダー10aについて説明する(図4参照)。
このICタグリーダー10a内にはマイコン11gが具備され、このマイコン11gには、開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、及び閉鎖スイッチ11a3等の操作スイッチ11aの接点信号が入力されるようになっている。
【0050】
より詳細に説明すれば、このICタグリーダー10aは、図4に示すように、アンテナ11f、マイコン11g、インターフェース11h等を備え、アンテナ11fから発信する電磁波により、接近されるICタグ14へ電力を供給し、ICタグ14から発信される電波を受信するように構成されている。
ICタグ14は、予め記憶された識別コード等の情報を、近接するICタグリーダー10aに送信する機能が具備された構成であればよく、カード形状のものや、鍵形状等のカード形状以外のもの、ICタグ機能付き携帯端末(例えば携帯電話など)、その他、前記機能を任意の物体に付加あるいは内蔵した構成等、何れの態様であってもよいが、本実施の形態では、特に使い勝手の良好なものとして、カード形状のICタグ(所謂ICカード)を用いている。
このICタグ14は、ICチップを搭載しており、アンテナ11fに近接されることで、該チップのメモリに記憶された認証データを、電波にのせてICタグリーダー10aへ送信する。
また、アンテナ11fは、蓋部材12の開閉状態に拘わらずに、ICタグ14から送信された電波を受信するように、本体部11内に配置されている。
【0051】
上記ICタグリーダー10aのマイコン11gは、CPUや記憶装置などを備えた電子回路であり、アンテナ11fによりICタグ14から受信した認証データや、開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、閉鎖スイッチ11a3等の接点信号が入力され、これら入力信号を、インターフェース11hを介して、制御部20へ送信する。
操作部10と制御部20との間の通信用の電線L1は、これら操作部10と制御部20間の通信方式を所謂シリアル通信方式とすることで、2本用いられている。
【0052】
更に、このマイコン11gは、アンテナ11fによりICタグ14の認証データを受信した際に、発光体11j(例えばLED等)およびブザー11kに電力を供給し、これら発光体11jの発光およびブザー11kの警報音により、認証データを受信したことを操作者等に報せる。
なお、発光体11jの発光やブザー11kの警報音は、認証データの照合結果に応じて、例えば、点灯/点滅や、連続音/断続音等のように、変化させるようにしてもよい。
そして、このマイコン11gの電力は、2本の電線L2,L2を介して制御部20から供給される。
また、本実施の形態の好ましい一例によれば、前記発光体11jは、後述するように操作スイッチ11aを照らす照明としての機能も有する。
【0053】
上記構成では、操作部10と制御部20との間の電線L1,L1,L2,L2を4本にしているため、例えば、既設のスイッチボックスがあり、このスイッチボックスを操作部10に交換する場合に、そのスイッチボックスの電線(通常は開放信号用電線、閉鎖信号用電線、停止信号用電線、COM電線の4本)を、交換することなく、そのまま有効利用することができる。
なお、前述した既設のスイッチボックスは、少なくとも、前記のような既設の電線を備えたものであればよく、その外観形状や前記電線以外の構成は限定されない。
【0054】
また、制御部20は、CPUおよび記憶装置等を具備してなるマイコン21、該マイコン21に対し操作部10からの信号を入力するインターフェース22、該マイコン21に対し認証データの入力や消去を行う登録スイッチ23および消去スイッチ24、後述する動作モードの切り替えを可能にする動作モードスイッチ27、これら登録スイッチ23や消去スイッチ24、動作モードスイッチ27による操作内容を表示する表示装置28、該マイコン21からの出力信号をシャッター制御盤a32に対し接点信号として出力するリレー回路25、該マイコン21及びICタグリーダー10aへ電力を供給する電源回路26等を具備してなり(図3及び4参照)、シャッター装置Aの屋内側に配設され、躯体壁面等に装着される。
【0055】
登録スイッチ23、消去スイッチ24、動作モードスイッチ27の各々は、ペン先等の先細物で押し操作可能な比較的小径の自動復帰タイプの押しボタンスイッチであり、その接点信号がマイコン21に入力されるように電気配線されている。
各スイッチの機能について詳述すれば、登録スイッチ23は、ICタグ14及びICタグリーダー10a等によって外部から入力される認証データに照合させるための照合データを、マイコン21の記憶装置に登録するために用いられ、該登録スイッチ23が押されると、マイコン21による処理が後述する登録モード(図6参照)に切換えられる。
また、消去スイッチ24は、マイコン21の記憶装置に登録された複数の照合データを、選択的に消去する手段として用いられ、該消去スイッチ24が押されると、マイコン21による処理が後述する消去モード(図6参照)に切換えられる。
また、動作モードスイッチ27は、外部からの押し操作により動作モードの選択を可能にするスイッチであり、例えば、該動作モードスイッチ27が押される毎に、動作モードが切り替わるようになっている。
【0056】
また、表示装置28は、例えば、7セグメントLED(図3参照)、又はその他の周知の表示装置により構成される。この表示装置28は、前記登録スイッチ23、消去スイッチ24、及び動作モードスイッチ27等による操作内容や、マイコン21の記憶装置内のデータ等を表示するようにマイコン21の出力端子に電気配線されている。
【0057】
また、マイコン21は、CPUや記憶装置などを備えた電子回路であり、その記憶装置に確保された所定の記憶領域を、プログラムである動作モードを複数種類記憶する動作モード記憶手段や、複数種類の照合データを記憶する照合データ記憶手段、照合データ毎の操作制限データを記憶する操作制限データ記憶手段等として機能させている。
【0058】
前記記憶装置には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)や、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリ、RAM等の周知の記憶装置が用いられ、単一の構成であっても複数の構成であってもよい。
【0059】
また、前記各動作モードは、マイコン21のCPUを機能させるプログラムであり、ICタグ14による照合操作や、操作スイッチ11aへの入力操作等による入力信号に応じて、リレー回路25へ適宜な制御指令を出力するようにプログラミングされている。
【0060】
また、前記操作制限データは、照合データ毎に設定された条件を示す変数である。この操作制限データを視覚的に表現すれば、図10に図示するようなデータテーブルとなる。
【0061】
図10中、日時条件とは、操作可能な日時を限定する条件である。図示例によれば、○印の場合には日時制限なく操作が可能であり、×印の場合には、所定の日時のみ操作が可能となるようにしている。認証データの照合が行われた際の日時は、マイコン21が備える時計機能等により把握されるようにしている。
なお、照合データ毎に、異なる日時が設定されるようにしてもよい。
【0062】
また、図10中、一日あたりの許容回数条件とは、一日あたりの操作回数が所定回数を超えた場合に操作不能にする条件である。図示例によれば、○印の場合には回数制限なく操作が可能であり、×印の場合には、所定の回数だけ操作が可能となるようにしている。認証データの一日あたりの照合回数は、マイコン21の図示しないカウンターによりカウントされている。
なお、照合データ毎に、異なる許容回数が設定されるようにしてもよい。
【0063】
また、図10中、登録操作限定条件とは、照合データを登録する権限を有するか否かを定める条件である。
同様に、消去操作限定条件とは、照合データを消去する権限を有するか否かを定める条件である。
また、開放操作限定条件とは、シャッター装置Aの開放動作させる権限を有するか否かを定める条件である。
【0064】
そして、このマイコン21は、登録スイッチ23がONにされた場合には登録モードとなり、外部からの照合データの入力を可能にし、消去スイッチ24がONにされた場合には消去モードとなり、指定された照合データの消去を可能にする。
更に、このマイコン21は、登録スイッチ23及び消去スイッチ24がONにされなかった場合には、通常モードとなり、動作モードスイッチ27により選択された動作モードに基づき、ICタグ14から送信された認証データや、操作スイッチ11aによる操作信号等、外部からの入力信号を受け付け、前記認証データと前記記憶装置に記憶された照合データとを照合したり、その照合結果や前記操作信号等に応じてリレー回路25を動作させたり等する。
【0065】
リレー回路25は、開放リレー25a、停止リレー25b、閉鎖リレー25c等を具備してなる電気回路である(図4参照)。
開放リレー25a、停止リレー25b、閉鎖リレー25cは、マイコン21からの指令に応じて、シャッター装置Aの開閉体a1を開放動作させるための接点信号、同開閉体a1を停止するための接点信号、同開閉体a1を閉鎖するための接点信号を、それぞれシャッター装置Aのシャッター制御盤a32へ送信する。
なお、このリレー回路25は、例えば、電磁コイルと接点とを備えた一般的なリレーとすればよいが、スイッチング機能を有する半導体素子(トランジスタなど)等を用いた構成とすることも可能である。
【0066】
前記リレー回路25の具体例を、図5に示す電気回路図に基づいて詳細に説明すれば、停止リレー25bは、OFFからONに変化する接点信号と、ONからOFFに変化する接点信号との二つの接点信号を出力するように構成されおり、何れかの接点信号が、シャッター制御盤a32側の電気回路に応じて選択されるようにしている。
また、開放リレー25aは、OFFからONに変化する接点信号を出力するように構成されている。
また、閉鎖リレー25cは、開放リレー25aがOFF状態であることを条件に、OFFからONに変化する接点信号を出力する構成としている。
すなわち、この電気回路では、開放スイッチ11a1と閉鎖スイッチ11a3とが同時に押される等することで、開放リレー25aの接点と閉鎖リレー25cの接点とが略同時にON状態になった場合には、開放リレー25aの接点を優先させて、その接点信号のみを出力するようにしている。
よって、この電気回路構成によれば、誤操作等により開閉体a1が閉鎖されてしまうのを防ぐことができ、シャッター装置Aの安全性を向上することができる。
【0067】
次に、上記開閉装置制御システム1において、登録スイッチ23、消去スイッチ24、動作モードスイッチ27等が選択的に押された際の処理を、図6以降に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。
【0068】
先ず、図6に示すように、ステップ1aでは、登録スイッチ23が押されたか否かが判断され、登録スイッチ23が押された場合には、ステップ2aへ処理を進め、そうでない場合には、後述するステップ1bへ処理を移行する。
【0069】
そして、ステップ2aでは、マイコン21が登録モードであることを認識し、表示装置28や図示しない音声出力装置等により、操作者等に対し登録モードとなったことを報せる。
なお、フローチャートによる図示を省略しているが、マイコン21の記憶装置が容量オーバーとなってしまう場合には、表示装置28や音声出力装置等により、照合データの登録が不可能であることを出力し、その後の処理を、上記ステップ1aへ戻すようにしている。
【0070】
次に、ステップ3aでは、制御部20からリレー回路25への制御指令を出力不能にする。
すなわち、このステップ3aによれば、操作スイッチ11aの操作や、図示しないリモコン操作等によって、操作信号が入力された場合でも、その操作信号を無効にする。
したがって、この構成によれば、マイコン21の記憶装置(照合データ記憶手段)に対する照合データの登録操作の最中に、開閉体a1の開放動作や、閉鎖動作、停止等、シャッター装置Aの特定の制御動作が行われないようにすることができる。
【0071】
そして、ステップ4aでは、後述する照合データ登録ルーチン(図7参照)が実行されることで、照合データが記憶装置に記憶され、その後に、処理をステップ5aへ移行する。
【0072】
ステップ5aでは、上記ステップ3aで行った制御指令の不能状態を解除し、処理を上記ステップ1aへ戻す。
【0073】
また、ステップ1bでは、消去スイッチ24が押されたか否かが判断され、消去スイッチ24が押された場合には、ステップ2bへ処理を進め、そうでない場合には、後述するステップ1cへ処理を移行する。
【0074】
ステップ2bでは、マイコン21が消去モードであることを認識し、表示装置28や図示しない音声出力装置等により、操作者に対し消去モードとなったことを報せる。
【0075】
ステップ3bでは、上記ステップ3aと略同様に、制御部20からリレー回路25への制御指令を出力不能にする。
すなわち、このステップ3bによれば、操作スイッチ11aの操作や、図示しないリモコン操作等によって、操作信号入力された場合でも、その操作信号を無効にする。
したがって、この構成によれば、マイコン21の記憶装置(照合データ記憶手段)に対する照合データの消去操作の最中に、開閉体a1の開放動作や、閉鎖動作、停止等、シャッター装置Aの特定の制御動作が行われないようにすることができる。
【0076】
そして、ステップ4bでは、後述する照合データ消去ルーチン(図8参照)により、指定された照合データが記憶装置から消去され、その後に、処理をステップ5bへ移行する。
【0077】
そして、ステップ5bでは、上記ステップ3bで行った制御指令の不能状態を解除し、処理を上記ステップ1aへ戻す。
【0078】
すなわち、上記ステップ3a〜5aおよびステップ3b〜5bによれば、登録モード又は消去モードとなった後、操作スイッチ11aやその他の操作に基づく制御指令の出力が不能とされ、照合データの登録操作または消去操作の後に、同制御指令の出力が可能となる。
したがって、照合データの登録操作または消去操作中には、開閉体の閉鎖動作や開放動作等、開閉装置が意図しない不要な制御動作をしてしまうのを防ぐことができる。
【0079】
また、ステップ1cでは、マイコン21が通常モードであることを認識し、表示装置28や図示しない音声出力装置等により、操作者等に対し通常モードとなったことを報せる。
そして、次のステップ2cでは、後述する制御指令出力ルーチン(図11参照)が実行され、その後に、処理が上記ステップ1aへ戻される。
【0080】
次に、図7に示す照合データ登録ルーチンのフローチャートについて説明する。
先ず、ステップ11aでは、登録フラグがONにされる。
この登録フラグは、登録スイッチ23が押されたことを示すフラグであり、具体的には、登録スイッチ23が押された際に、1や0等の変数として、マイコン21の記憶装置に記憶される。
【0081】
次に、ステップ12aでは、認証データの入力を所定時間可能にする認証時間タイマーt’をスタートする。
そして、ステップ13aでは、表示装置28の表示や図示しない音声出力装置等により、操作者等に対し認証データの入力を要求する。操作者等は、ICタグ14を操作部10に近接する操作により認証データを入力することになる。
【0082】
ステップ14aでは、認証データが入力されたか否かが判断され、入力された場合には次のステップ15aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ15bへ処理を移行する。
【0083】
ステップ15aでは、入力された認証データが、マイコン21の記憶装置に記憶された照合データと一致したか否かが判断され、一致した場合には、ステップ16aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ15bへ処理を移行する。
【0084】
ステップ15bでは、認証時間タイマーによりカウントされた時間が所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、後述するステップ24aへ処理を移行する。
【0085】
すなわち、上記ステップ12a〜15bによれば、所定時間の間は認証データの照合を繰り返し可能となり、その所定時間以上となった場合には、認証データの照合を不能になる。
【0086】
また、ステップ16aでは、認証データの照合が、日時条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ24aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ17aへ処理を移行する。
ステップ17aでは、認証データの照合が、一日あたりの許容回数条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ24aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ18aへ処理を移行する。
ステップ18aでは、入力された認証データに対応する照合データについて、操作制限データとして登録操作限定条件の制限が無いか否かを判断し、制限が無い場合には、ステップ19aへ処理を進め、制限がある場合には、後述するステップ24aへ処理を移行する。
【0087】
すなわち、上記ステップ16a〜18aによれば、認証データが照合データにより照合された場合であっても、その照合データに対応する操作制限データの条件が満たされない場合には、登録操作が行われるのを拒否する。
したがって、操作権限を持たない操作者等により照合データが登録されてしまうのを防ぐことができる。
【0088】
そして、上記ステップで操作制限データの条件が満たされていることを確認した場合には、次のステップ19aにより、登録用データの入力を要求する。この入力の要求は、具体的には、表示装置28への表示や音声出力装置等による。
ここで、登録用データとは、認証データに照合させるための照合データであって、マイコン21の記憶装置に登録される前の状態のデータを意味している。
この登録用データを入力する手段について、具体的に説明すれば、ICタグ14に記憶された認証データを前記登録用データとし、この登録用データが、ICタグリーダー10aへ入力されるようにしている。
なお、登録用データを入力する他の手段としては、制御部20に対する特定の操作や、操作スイッチ11aに対する特定の操作、図示しない他の入力機器による操作等によるものとしてもよい。
【0089】
次のステップ20aでは、登録用データが入力されたか否かが判断され、入力された場合にはステップ21aへ処理を進め、そうでない場合には、上記ステップ19aへ処理を戻す。
【0090】
そして、ステップ21aでは、入力された登録用データを新たな照合データとして、マイコン21の記憶装置に記憶する。
【0091】
次に、ステップ22aでは、後述する操作制限設定ルーチンが実行されることで、記憶された新たな照合データに対し、特定の操作制限データが設定される。
【0092】
そして、ステップ23aでは、登録フラグの状態より、登録スイッチが再度押されたか否かを判断し、押された場合には処理をステップ24aへ進め、押されなかった場合には、処理を上記ステップ19aへ戻す。
すなわち、このステップ23aによれば、登録スイッチ23が再度押されなかった場合には、もう一度認証データの照合をせずとも、再度追加の登録用データの入力が可能となる。
なお、他の好ましい一例としては、上記ステップ22aと上記ステップ23aとの間で、表示装置28への表示や音声出力装置により追加登録するか否かの判断を要求するようにしてもよい(フローチャート省略)。
【0093】
そして、ステップ24aでは、登録フラグがOFFにされて当該照合データ登録ルーチンを終了し、上述したステップ5aへ処理を移行する。
【0094】
次に、図8に示す照合データ消去ルーチンについて説明する。
先ず、ステップ31aでは、消去フラグがONにされる。
この消去フラグは、消去スイッチ24が押されたことを示すフラグであり、具体的には、消去スイッチ24が押された際に、1や0等の変数として、マイコン21の記憶装置に記憶される。
【0095】
次に、ステップ32aでは、認証データの入力を所定時間可能にする認証時間タイマーt’をスタートする。
そして、ステップ33aでは、表示装置28の表示や音声出力装置等により、操作者等に対し認証データの入力を要求する。操作者等は、ICタグ14を操作部10に近接する操作により認証データを入力することになる。
【0096】
ステップ34aでは、認証データが入力されたか否かが判断され、入力された場合には次のステップ35aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ35bへ処理を移行する。
ステップ35aでは、入力された認証データが、マイコン21の記憶装置に記憶された照合データと一致したか否かが判断され、一致した場合には、ステップ36aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ35bへ処理を移行する。
また、ステップ35bでは、認証時間タイマーによりカウントされた時間が所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、後述するステップ43aへ処理を移行する。
【0097】
すなわち、上記ステップ32a〜35bによれば、所定時間の間は認証データの照合を繰り返し可能にし、その所定時間以上となった場合には、認証データの照合を不能にする。
【0098】
また、ステップ36aでは、認証データの照合が、日時条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、37aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ43aへ処理を移行する。
ステップ37aでは、認証データの照合が、一日あたりの許容回数条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ38aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ43aへ処理を移行する。
ステップ38aでは、入力された認証データに対応する照合データについて、操作制限データとして消去操作限定条件の制限が無いか否かを判断し、制限が無い場合には、ステップ39aへ処理を進め、制限がある場合には、後述するステップ43aへ処理を移行する。
【0099】
すなわち、上記ステップ36a〜38aによれば、認証データが照合データにより照合された場合であっても、その照合データに対応する操作制限データの条件が満たされない場合には、消去操作が行われるのを拒否する。
したがって、操作制限を持たない操作者等により照合データが消去されてしまうのを防ぐことができる。
【0100】
上記ステップで操作制限データの条件が満たされていることを確認した場合には、次のステップ39aにより、消去対象となる照合データの指定を要求する。この要求は、具体的には、表示装置28への表示や音声出力装置等による。
【0101】
ここで、前記照合データの指定は、具体的には、制御部20に対する特別な操作や、ICタグ14を制御部20に近接する操作等とすればよい。
より具体的に説明すれば、例えば、登録スイッチ23と消去スイッチ24が同時に所定時間押された場合に、記憶された全ての照合データが指定されたものとみなしたり、消去スイッチ24が押された後の所定時間の間にICタグ14から認証データが送信された場合に、その認証データに対応する照合データが指定されたものとみなしたり等とすればよい。
【0102】
次のステップ40aでは、照合データの指定があったか否かが判断され、指定があった場合にはステップ41aへ処理を進め、そうでない場合には、上記ステップ39aへ処理を戻す。
そして、ステップ41aでは、マイコン21の記憶装置から指定された照合データを消去する。
【0103】
次に、ステップ42aでは、消去フラグの状態より、消去スイッチ24が再度押されたか否かを判断し、押された場合には処理をステップ43aへ進め、押されなかった場合には、処理を上記ステップ39aへ戻す。
すなわち、このステップ42aによれば、消去スイッチ24が再度押されなかった場合には、もう一度認証データの照合をせずとも、再度照合データの追加消去が可能となる。
なお、他の好ましい一例としては、上記ステップ41aと上記ステップ42aとの間で、表示装置28への表示や音声出力装置により追加消去するか否かの判断を要求するようにしてもよい(フローチャート省略)。
【0104】
そして、ステップ43aでは、消去フラグがOFFにされて当該照合データ登録ルーチンを終了し、上述したステップ5b(図6参照)へ処理を移行する。
【0105】
次に、図9に示す操作制限設定ルーチンについて説明する。
先ず、ステップ51aでは、上記ステップ14a(図7参照)で入力された認証データに操作制限があるか否かを判断する。
具体的には、前記認証データに対応して制御部20に記憶されている照合データについて、その照合データに対し設定されている各種操作制限データ(図10参照)が、全て制限なしの状態か否かが判断される。
そして、前記操作制限データについて、一つでも操作制限がある場合には、ステップ52aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ51bへ処理を移行する。
【0106】
ステップ52aでは、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データについて、上記ステップ14aで入力された認証データのものと同一の操作制限データを設定し、上記ステップ23a(図7参照)へ処理を戻す。
すなわち、このステップ52aによれば、認証のために用いたICタグ14の操作制限が、新たに登録されるICタグ14に対しても適用されることになる。
【0107】
また、ステップ51bでは、表示装置28への表示あるいは音声出力装置等により、操作者に対し、操作制限を付加するか否かを要求する。
ステップ52bでは、操作者からの応答により、操作制限を付加すると判断した場合には、次のステップ53bへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ52cへ処理を移行する。
【0108】
ステップ53bでは、表示装置28への表示や音声出力装置等により、操作者に対し日時条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された日時条件を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
同様に、次のステップ54bでは、操作者に対し一日あたりの許容回数条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された一日あたりの許容回数条件を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
【0109】
なお、前記日時条件や許容回数条件は、図10に示す一例によれば、予め設定された特定の日時条件および許容回数条件について、「制限なし(○)」と「制限あり(×)」の何れかが選択されるようにしているが、他例としては、任意の日時範囲や許容回数が入力されるようにしたり、複数種類の日時範囲や許容回数の中から何れかが選択されるようにしたり等してもよい。
【0110】
次に、ステップ55bでは、表示装置28への表示や音声出力装置等により、操作者に対し登録操作限定条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された操作制限データを、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
換言すれば、このステップ55bでは、前記照合データに対し登録操作の制限を付加するか否かの判断を、操作者に対し要求し、その判断に応じた操作制限データ(制限なし(○)又は制限あり(×))を、前記照合データに対応して設定する。
【0111】
同様にして、ステップ56bでは、操作者に対し消去操作限定条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された操作制限データ(制限なし又は制限あり)を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
更に、ステップ57bでは、操作者に対し開放操作限定条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された操作制限データ(制限なし又は制限あり)を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
【0112】
また、ステップ52cでは、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し、操作制限が無制限に設定される。
すなわち、より具体的に説明すれば、このステップ52cでは、図10のデータテーブル中、前記照合データに対応する各種操作制限データが、全て「制限なし(○)」に設定される。
【0113】
そして、上記のようにして、操作制限データが設定された後、マイコン21による処理は、上記ステップ23a(図7参照)へ戻る。
【0114】
次に、図11に示す制御指令出力ルーチンのフローチャートについて説明する。
先ず、ステップ61aでは、認証データの入力を所定時間可能にする認証時間タイマーt’をスタートする。
そして、ステップ62aでは、表示装置28の表示や音声出力装置等により、操作者等に対し認証データの入力を要求する。操作者等は、ICタグ14を操作部10に近接する操作により認証データを入力することになる。
【0115】
ステップ63aでは、認証データが入力されたか否かが判断され、入力された場合には次のステップ64aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ64bへ処理を移行する。
【0116】
ステップ64aでは、入力された認証データが、マイコン21の記憶装置に記憶された照合データと一致したか否かが判断され、一致した場合には、ステップ65aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ64bへ処理を移行する。
また、ステップ64bでは、認証時間タイマーによりカウントされた時間が所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、上記ステップ1a(図6参照)へ処理を移行する。
【0117】
すなわち、上記ステップ61a〜64bによれば、所定時間の間は認証データの照合を繰り返し可能にし、その所定時間以上となった場合には、認証データの照合を不能にする。
【0118】
次に、ステップ65aでは、認証データの照合が、日時条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ66aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ1a(図6)へ処理を戻す。
ステップ66aでは、認証データの照合が、一日あたりの許容回数条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ67aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ1a(図6)へ処理を戻す。
【0119】
次の、ステップ67aでは、入力された認証データに対応する照合データについて、操作制限データとして開放操作限定条件の制限が無いか否かを判断し、制限が無い場合には、ステップ68aへ処理を進め、制限がある場合には、ステップ67bへ処理を移行する。
ステップ67bでは、開放操作のみを無効にする設定が行われ、処理をステップ68aへ進める。
【0120】
すなわち、上記ステップ65a〜67bによれば、認証データが照合データにより照合された場合であっても、その照合データに対応する操作制限データの条件が満たされない場合には、後述するシャッター装置Aに対する操作を、拒否したり一部制限したりする。
【0121】
次に、ステップ68aでは、操作有効時間タイマーTが0秒にリセットされスタートする。
そして、ステップ69aでは、発光体11jの発光を開始する。
したがって、この状態において、操作者は、ICタグ14が照合されたことを、発光体11jの発光により視覚的に確認することができ、更に、周囲が暗い場合であっても、ICタグ14の発光により操作スイッチ11aを視認することができる。
【0122】
次に、ステップ70aでは、シャッター装置Aに対する開放操作や、閉鎖操作、停止操作の内、限定条件のない操作のみが有効にされる。
本実施の形態の一例によれば、上記ステップ67aにより無効にされた開放操作以外の操作、すなわち、閉鎖操作および停止操作等が有効にされる。
これら操作は、動作モードスイッチ27により選択された動作モード上において行われる操作である。
【0123】
前記動作モードには、例えば、ICタグ14を操作部10に近接させる毎に、開放指令、閉鎖指令、停止指令等が順次に発せられるようにしたモードや、操作部10の操作スイッチ11aへの操作に応じて、開放指令、閉鎖指令、停止指令の内の選択された指令が発せられるようにしたモード、図示しないリモコン装置からの送信信号により特定の動作指令が発せられるようにしたモード、その他の適宜なモード等があり、これらのモードは、予めマイコン21の記憶装置にプログラムとして単数もしくは複数種類記憶され、動作モードスイッチ27の操作により選択されるようになっている。
上記ステップ70aによれば、選択された前記動作モードにおいて、上記ステップ67aにより無効にされた開放操作以外の操作が有効になる。
【0124】
そして、ステップ71aでは、操作有効時間タイマーによるカウントが所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、次のステップ72aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ69aへ処理を戻す。
【0125】
次に、ステップ72aでは、全ての操作、すなわち、開放操作、閉鎖操作、停止操作を無効とする。なお、非常停止等のために、停止操作のみは無効にせずに、有効のままに維持するようにしてもよい。
【0126】
そして、ステップ73aでは、発光体11jが消灯され、マイコン21による処理は上記ステップ1a(図6参照)へ戻される。
【0127】
すなわち、上記ステップ68a〜73aによれば、設定された時間内であれば、限定条件の無い操作(図示例によれば閉鎖操作および停止操作)を、繰り返し行うことができ、その時間が経過した後には、操作不能な状態とすることができる。
なお、上記ステップ71aにおいて、操作有効時間タイマーによるカウントが所定時間以上とならない場合でも、前記限定条件の無い操作が行われたことを条件に次のステップ72aへ処理を移行させるようにすることも可能である。
【0128】
また、上記実施の形態によれば、登録モードや消去モードにするために登録スイッチ23や消去スイッチ24が操作されるように構成してあるが、他例としては、特定の認証データの入力があった場合に、登録スイッチ23や消去スイッチ24が操作されなくとも、登録モードや消去モード等のモード指定がされる構成としてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態によれば、登録モードにするために登録スイッチ23が操作されるように構成してあるが、更に、照合データ記憶手段に認証データが全く記憶されていない場合には、登録スイッチ23が操作されたか否かに拘らずに自働的に登録モードとなるようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態によれば、登録モードの場合と消去モードの場合とで同様にして制御指令を制限するようにしているが(ステップ3a,3b参照)、他例としては、その制限される制御指令を、登録モードの場合と消去モードの場合とで、異なる指令としてもよい。
また、上記実施の形態によれば、制御指令の制限の一例として、制御指令を出力不能にしているが(ステップ3a,3b参照)、他例としては、シャッター装置Aにおける電動駆動源a31への電源供給を遮断する制御指令を出力するようにすることも可能である。
【0131】
また、上記実施の形態によれば、図7に示すように、登録用データは、特定の認証データが照合された後に入力されるようにしているが、特定の認証データが照合される前に入力され、その照合を確認した後に無効状態から有効状態にされるようにしてもよい。
【0132】
また、上記実施の形態に付加される機能として、登録モード及び/又は消去モードの最中に、停止指令又は開放指令を所定時間(例えば0.5秒)出力するようにしてもよい。
この態様では、例えば、登録スイッチ23や消去スイッチ24による登録操作又は消去操作の開始直後に、前記停止指令又は開放指令が前記所定時間出力されるようにすればよい。この構成によれば、登録操作又は消去操作の開始直後に、開閉装置の開閉体を停止又は開放できるため、開閉装置の安全性を向上することができる。
また、この態様においては、認証データが照合された場合に、前記停止指令又は開放指令が所定時間出力されるようにしてもよいし、また、開閉装置の安全性を向上させるために、認証データの照合に拘らずに、前記停止指令又は開放指令が所定時間出力されるようにしてもよい。
また、この態様において、制御指令を一時的に出力不能にするなど制限した後に、停止指令又は開放指令を所定時間(例えば0.5秒)出力するようにすることも可能である。
【0133】
また、上記実施の形態に付加される機能として、登録モード及び/又は消去モードの最中に、停止指令を出力し続けるようにしてもよい。
すなわち、一般的な開閉装置の制御回路では、閉鎖指令や開放指令よりも、停止指令を優先させるようにしている。
したがって、このような開閉装置において、停止指令が入力され続けた場合には、その停止指令の入力中に閉鎖指令や開放指令が入力されたとしても、停止指令が優先するため、開閉体を停止状態に維持することができる。また、登録モードや消去モードとなった時点で開閉体が動作していても、その開閉体を停止させることができる。
【0134】
また、上記実施の形態に付加される機能として、開閉装置Aにおける開閉体a1の動作状況を示す信号を制御部20に入力するようにし、該信号によって登録操作又は消去操作の前に開閉体a1が動作していることを確認した場合には、登録操作及び/又は消去操作が行われないようにすることも可能である。
【0135】
また、上記実施の形態に付加される機能として、登録スイッチ23と消去スイッチ24が略同時に押される等の特定の操作が行われた場合に、登録処理と消去処理を略同時に行うような処理(例えば、照合データ記憶手段に記憶された照合データを全消去し、その直後に入力された新たな照合データが登録されるようにした処理等)が行われるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明に係わる開閉装置制御システムの一例、及び該制御システムの制御対象であるシャッター装置を示す概略構成図である。
【図2】同開閉装置制御システムの操作部の一例を示す正面図であり、(a)は蓋部材を閉鎖した状態を示し、(b)は蓋部材を開放した状態を示し、(c)は、(b)の状態における底面図である。
【図3】同開閉装置制御システムの制御部を示す正面図である。
【図4】同開閉装置制御システムのブロック図である。
【図5】同開閉装置制御システムの制御部におけるリレー回路の電気回路図である。
【図6】同開閉装置制御システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】照合データ登録ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】照合データ消去ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図9】操作制限設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】操作制限データを視覚化したデータテーブルを示す。
【図11】制御指令出力ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0137】
1:開閉装置制御システム
10:操作部
10a:ICタグリーダー
11a:操作スイッチ
11a1:開放スイッチ
11a2:停止スイッチ
11a3:閉鎖スイッチ
14:ICタグ
20:制御部
A:シャッター装置
a1:開閉体
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーヘッドドアを含むシャッター装置、ドア、雨戸を含む引戸、窓、ロールスクリーン、ブラインド、オーニング装置、門扉、ゲート、スライディングウォール装置等の開閉装置を制御する開閉装置制御システムに関し、特にシャッター装置を制御するのに好適な開閉装置制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シャッター装置を開閉操作する操作部には、例えば、特許文献1に記載されたもののように、複数の操作ボタン(停止、開放、閉鎖等)と、これら操作ボタンの前面側を開閉可能に覆うとともにシリンダー錠により施錠可能な蓋とを備えたスイッチボックスが用いられている。
このようなスイッチボックスによれば、悪意を有する者によって、前記シリンダー錠や前記蓋が破壊されたりドリル貫通されたり等して、操作ボタンが強引に操作されてしまうおそれがある。
そこで、例えば、特許文献2に記載されたカード式ドア施錠装置等を利用して、外部から入力される認証データと、予め記憶されている照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力を可能とするようなシステムが好ましい。
【0003】
しかしながら、上記のようなシステムでは、悪意を有する第三者により、不正なデータが上記照合データとして登録されてしまったり、その第三者によって記憶済みの上記照合データが消去されてしまったり等のおそれがあるため、防犯上の工夫が望まれる。
【特許文献1】特開平10−162678号公報
【特許文献2】特開2001−55851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、悪意を有する第三者等により、不正な照合データが登録されたり、登録済みの照合データが消去されたりするのを防ぐことができる開閉装置制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために第一の発明は、外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした開閉装置制御システムにおいて、前記認証データが入力された際に、その入力された認証データと同一の照合データが前記照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作が可能となるようにしたことを特徴とする。
【0006】
ここで、当該開閉装置制御システムの具体的構成としては、例えば、入出力装置や、記憶装置、中央処理装置などからなるマイコンを備えた電子回路とすればよい。
また、当該開閉装置制御システムは、単一の装置からなる一体的な構成であってもよいし、例えば、上記認証データの入力を可能にする操作部や上記制御指令を発する制御部等、複数の装置からなる構成であってもよい。
【0007】
また、上記認証データとは、上記照合データ記憶手段に記憶された照合データに照合させるために、外部から入力されるデータである。
この認証データには、無線または有線のリモコン装置から入力されるデータ、キー入力されるID番号、磁気カードから入力されるデータ、ICタグ(ICカードを含む)から入力されるデータ、指紋データとして入力されるデータ、静脈パターンのデータとして入力されるデータ、携帯端末(例えば携帯電話など)から入力されるデータ、バーコードやホログラムや透かし等のパターンとして入力されるデータ等を含む。
なお、上記認証データは、複数種類入力されるようにしてもよく、例えば、2つのICタグからそれぞれ異なる認証データが入力されるようにした構成や、ICタグから認証データが入力されるとともにキー入力によって異なる認証データ(パスワード、暗証番号等)が入力されるようにした構成等としてもよい。
【0008】
また、上記照合データとは、上記認証データを照合させるために予め上記照合データ記憶手段に記憶されるデータである。
この照合データは、外部から近接されるICタグのデータを読み取って記憶したデータであってもよいし、他の外部装置から受信したデータや、外部からキー入力されたデータ等であってもよい。
【0009】
また、上記照合データ記憶手段は、例えば、マイコンの記憶装置や他の記憶装置に確保された所定の記憶領域等とすればよい。
【0010】
また、「外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ」という構成には、例えば、認証データと照合データとの一方又は双方のデータの一部又は全部が、エンコード(暗号化)されていて、そのデータをデコード(復号化)したときに一致するか否かを判断するようにした構成を含む。
【0011】
また、「その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした」という構成には、上記認証データと上記照合データとが一致したことを条件に上記制御指令を出力するようにした態様や、上記認証データと上記照合データとが一致したことを条件に、操作スイッチを有効にし、該操作スイッチの操作に応じた制御指令が出力されるようにした態様、上記認証データと上記照合データとが一致したことを条件に、リモコンや携帯端末等の外部機器から入力される信号を有効にし、該信号に応じた制御指令が出力されるようにした態様等を含む。
【0012】
また、上記制御指令には、例えば、開閉装置の開閉体を閉鎖動作させるための指令や、開閉体を開放動作させるための指令、開閉体を停止するための指令、警報音を発するための指令、警報ランプを点灯または点滅させるための指令、開閉体を反転させるための指令、開閉体を操作するための閉操作用及び/又は開操作用の押ボタンスイッチによる自己保持動作を解除や復帰するための指令、開閉装置や制御回路の電源をONからOFFに切換える指令、開閉体位置を感知するリミットスイッチの設定や開閉体の開閉速度等の各種設定を変更する指令、開閉装置の動作モードを切換える指令等を含む。
この制御指令は、1種類であっても複数種類であってもよい。
【0013】
また、上記登録操作には、上記照合データ記憶手段に対し照合データを記憶させる操作を含むのは勿論のこと、上記照合データ記憶手段に記憶された照合データを新たな照合データに更新する操作、上記照合データ記憶手段に無効化された状態で記憶されていた照合データを有効化する操作等も含む。
また、上記消去操作には、上記照合データ記憶手段に記憶された照合データの一部を消去する操作や、その全部を消去する操作、上記照合データ記憶手段に記憶されている照合データを記憶された状態のまま無効化する操作等を含む。
【0014】
また、第二の発明では、上記登録操作を行う登録モードと上記消去操作を行う消去モードとが、所定の操作により選択されるようにした開閉装置制御システムであって、上記登録操作と上記消去操作との内の一方の操作が行われた後、前記所定の操作が再度行われた場合に、前記一方の操作に対応する前記モードを解除し、前記所定の操作が再度行われなかった場合には、前記一方の操作が再度可能となるようにしたことを特徴とする。
【0015】
ここで、上記所定の操作には、動作モードスイッチ等のスイッチ操作による操作や、開閉装置を操作するための操作スイッチに対する特別な操作(例えば開放スイッチと閉鎖スイッチを同時に押す操作等)、外部機器の操作信号を入力するようにした構成における該外部機器の操作等を含む。
【0016】
また、第三の発明では、上記照合データ記憶手段に対する上記照合データの登録操作中又は消去操作中に、開閉装置の特定の制御動作が行われないように、上記制御指令を制限したことを特徴とする。
【0017】
ここで、「前記制御指令を制限した」という構成には、特定の制御動作を行わせるための制御指令が出力されないようにした構成や、特定の制御動作を行わせるための制御指令を無視するための制御指令が出力されるようにした構成、特定の制御動作よりも優先して他の制御動作を行わせるための制御指令が出力されるようにした構成等を含む。
なお、前記「制御指令が出力される」とは、制御指令を受信する開閉装置側の制御回路に応じて、制御指令を所定時間だけ出力する態様としてもよいし、制御指令を継続的に出力する(出力し続ける)態様としてもよい。
【0018】
また、第四の発明では、上記認証データが入力された際に、その入力があったことを外部に報せる応答手段を具備したことを特徴とする。
【0019】
ここで、上記応答手段には、例えば、発光ダイオードや電球等を用いて光を発するようにした態様や、ブザーや音声発生器等を用いて音を発するようにした態様等を含む。
【0020】
また、第五の発明では、開閉装置を操作するための操作部を備えた開閉装置制御システムであって、この操作部は、ICタグから送信される上記認証データを受信するためのICタグリーダーと、開閉装置を操作するための操作スイッチと、該操作スイッチを覆ったり露出したりするように開閉可能な蓋部材と、上記応答手段として内在された発光体と、該発光体の光を外部に透過するように配設された透光部材とを備え、前記透光部材は、その一部分である第一の部分を前記発光体に臨ませるとともに、その他部分である第二の部分を操作スイッチへ臨ませ、更に、前記第一の部分および前記第二の部分以外の第三の部分を、蓋部材が閉じられた状態で外部に露出させるように配設されていることを特徴とする。
【0021】
ここで、上記透光部材は、その形状が特に限定されるものでないが、特に好ましい具体例としては、例えば多面体形状に形成され、その一面を上記第一の部分とし、他の一面を上記第二の部分とし、更に他の一面を上記第三の部分とした態様が挙げられる。
【0022】
また、第六の発明では、上記認証データ毎に操作制限データを設定し、上記認証データが入力された際に、前記操作制限データに応じて特定の操作が制限されるようにしたことを特徴とする。
【0023】
ここで、上記操作制限データとは、入力される認証データ毎に対応して、上記特定の操作を制限するために設定されたデータである。
また、上記特定の操作には、例えば、開閉装置に操作指令(開放指令や閉鎖指令、停止指令等を含む。)を発する操作や、照合データを登録する操作、照合データを消去する操作等を含む。上記特定の操作は、前記操作の内の一部の操作としてもよいし、全部の操作としてもよく、更に、前記操作以外の操作を含むようにしてもよい。
【0024】
上記操作制限データの具体例としては、上記特定の操作が行われる日時を制限する日時条件のデータや、上記特定の操作が一日あたりに行われる許容回数を制限する許容回数条件のデータ、複数の特定の操作の内の登録操作のみを不能にする登録操作限定条件のデータ、複数の特定の操作の内の消去操作のみを不能にする消去操作限定条件のデータ、複数の特定の操作の内の開放操作のみを不能にする開放操作限定条件のデータ等が挙げられる。
更に、上記操作制限データの他例としては、開閉装置からのフィードバック信号に応じて該開閉装置における開閉体の開放量を制限する開放量条件のデータや、ICタグとICタグリーダーとの間の通信距離に対応した電界強度を検出するようにした態様においてその通信距離を制限する通信距離条件のデータ等が挙げられる。
この操作制限データは、好ましくは、上記認証データ毎に対応する上記照合データに対し設定すればよく、また、他例としては、上記認証データの一部に設定されるデータとすることも可能である。
【0025】
また、第七の発明では、入力された認証データと同一の照合データが照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作が行われる際に、その新たな照合データに対し、先に入力された前記認証データに対応する操作制限データに応じて、新たな操作制限データが設定されるようにしたことを特徴とする。
【0026】
ここで、新たな操作制限データは、先に入力された前記認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えるように設定されるようにしてもよいが、防犯性を良好にする観点より、同操作制限範囲を超えないように設定されることが好ましい。
【0027】
また、第八の発明では、上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えないように設定されることを特徴とする。
【0028】
また、第九の発明では、上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データと同一の操作制限範囲となるように設定されることを特徴とする。
【0029】
また、第十の発明では、上記新たな照合データに対応する操作制限データが選択的に設定されるようにしたことを特徴とする。
【0030】
ここで、更に好ましい態様としては、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えない範囲内で、上記新たな照合データに対応する操作制限データが選択的に設定されるようにする。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の発明によれば、認証データが入力された際、その入力された認証データと同一の照合データが照合データ記憶手段に記憶されているか否かによって、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作の可否が判断される。
よって、例えば、悪意を有する第三者が不正な認証データを照合データとして登録してしまったり、その第三者によって照合データが消去されてしまったりするのを防ぐことができる。
【0032】
更に、第二の発明によれば、一度、登録操作または消去操作が行われた後に、新たな照合データを追加登録する操作や、異なる照合データを消去する操作を、簡単な操作で繰り返すことができる。
【0033】
更に、第三の発明によれば、照合データ記憶手段に対する前記照合データの登録操作中又は消去操作中に、制御指令の出力が制限されるため、開閉体閉鎖動作や開閉体開放動作等、意図しない不要な制御動作が行われてしまうのを防ぐことができる。
【0034】
更に、第四の発明によれば、操作者等に対し、認証データが入力されたことを、応答手段により確認させることができる。
【0035】
更に、第五の発明によれば、認証データの入力があったことを蓋部材の開閉状態に拘わらずに視覚的に外部へ報せることができる上、蓋部材が開放した状態では、発光体から発せられ透光部材を透過した光によって、操作スイッチを照らすことができる。
【0036】
更に、第六の発明によれば、認証データが入力された際に、その認証データに対応する操作制限データに応じて、特定の操作を制限することができる。
すなわち、認証データを所持する操作者毎に、可能な操作を限定したり無制限にしたりすることができ、ひいては、防犯性を向上することができる。
【0037】
更に、第七の発明によれば、新たな照合データに対応する操作制限データを、先に入力された認証データに対応する操作制限データに応じて設定することができる。したがって、新たな照合データに対応する操作制限データの設定操作を容易化することができる。
【0038】
更に、第八の発明によれば、新たな照合データによる操作制限範囲が、先に入力された認証データによる操作制限範囲を超えてしまうのを防ぐことができ、ひいては、防犯性を向上することができる。
【0039】
更に、第九の発明によれば、新たな照合データによる操作制限範囲が、先に入力された認証データによる操作制限範囲と同一になる。
したがって、新たな照合データに対応する操作制限データの設定操作を容易化することができる上、防犯性も向上することができる。
【0040】
更に、第十の発明によれば、新たな照合データによる操作利便性を良好にしたり、新たな照合データによる操作を適切に制限したり等、新たな照合データに対応する操作制限データを設定する際の融通性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態による開閉装置制御システムの一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置に具備されている。
【0042】
この開閉装置制御システム1は、シャッター装置Aの屋外側に配設される操作部10と、同シャッター装置Aの屋内側に配設される制御部20とを具備し、外部から操作部10に入力される信号に応じて、シャッター装置Aを制御するための制御指令を、制御部20から出力する(図1参照)。
【0043】
当該開閉装置制御システム1の制御対象であるシャッター装置Aは、閉鎖方向端部をスライドさせて開閉動作する開閉体a1と、該開閉体a1をその幅方向の両端部側で開閉方向へ案内するガイドレールa2,a2と、該開閉体a1をその開放方向側で巻き取ったり繰出したりする巻取装置a3とを具備してなる。
【0044】
開閉体a1は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラットを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接するとともに、これらスラットの最下端部(換言すれば閉鎖方向側先端部)に、開閉体幅方向(図1によれば左右方向)へわたる座板部材を接続してなる。
また、各ガイドレールa2は、開閉体a1の幅方向の端部を囲むように形成された部材であり、開閉体a1によって着座される当接対象部位p(例えば、床面や地面、枠部材等)と巻取装置a3との間にわたって配設されている。
また、巻取装置a3は、開閉体a1を巻き取ったり繰出したりする巻取軸(図示せず)や、該巻取軸をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段(図示せず)等を介して双方向へ回転する電動駆動源a31、該電動駆動源a31を制御するシャッター制御盤a32等を具備してなる。
【0045】
操作部10は、本体部11と、該本体部11に対し開閉される蓋部材12とを具備している(図2参照)。
本体部11は、図示例によれば、その表面に、開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、および閉鎖スイッチ11a3等の操作スイッチ11aが取り付けられている。
本体部11の内部には、後述するICタグリーダー10aへ認証データの入力があったことを外部に報せる応答手段である発光体11j(例えば、LED等)およびブザー11k等が配設されている(図4参照)。
また、この本体部11は、操作スイッチ11aを有する部分が、それ以外の部分よりも正面視奥側に配置され(換言すれば図2(c)に示すように段状に配設され)、これら双方の部分の境目に、前記発光体11jの光を通過させる開口部(図示せず)を有する。この開口部は、発光体11jの光を透過可能な透光部材11bにより覆われている。
また、蓋部材12は、図2に示す一例によれば本体部11の片半部側を覆う板状の部材であり、その1辺側が本体部11に対し回動自在に軸支されている。
【0046】
前記操作スイッチ11aは、シャッター装置Aを操作するための操作信号の入力を可能にする操作信号入力手段として機能する。
なお、前記開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、および閉鎖スイッチ11a3等は、例えば押ボタンスイッチとすればよいが、トグルスイッチや、他の態様のスイッチ類とすることも可能である。
【0047】
また、透光部材11bは、例えば、透明や乳白色の合成樹脂材料や、ガラス材料等、光を透過可能な材料から形成されている。
そして、この透光部材11bは、その一部分である第一の部分11b1(図示例によれば一方の側面部)により、本体部11における発光体11jに臨む開口部を塞ぐとともに、その他部分である第二の部分11b2(図示例によれば他方の側面部)を上記操作スイッチ11aへ臨ませ、更に、蓋部材12が閉じられた状態で正面側となる第三の部分11b3を外部に露出させて、本体部11に固定されている。
【0048】
この構成によれば、蓋部材12が閉じられた状態(図2(a)参照)では、透光部材11bの正面側の第三の部分11b3により、本体部11内の発光体11jの光を操作者等に視認させることができる。
また、蓋部材12が開放された状態(図2(a)(c)参照)では、同透光部材11bの正面側の第三の部分11b3、および操作スイッチ11aを向く第二の部分11b2により、本体部11内の発光体11jの光を操作者等に視認させることができる。
しかも、この蓋部材12の開放状態では、前記第二の部分11b2から放出される光により、操作スイッチ11aが照らされるため、周囲が暗い場所であっても、操作者等に対し操作スイッチ11aを容易に視認させることができる。
【0049】
次に、本体部11内のICタグリーダー10aについて説明する(図4参照)。
このICタグリーダー10a内にはマイコン11gが具備され、このマイコン11gには、開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、及び閉鎖スイッチ11a3等の操作スイッチ11aの接点信号が入力されるようになっている。
【0050】
より詳細に説明すれば、このICタグリーダー10aは、図4に示すように、アンテナ11f、マイコン11g、インターフェース11h等を備え、アンテナ11fから発信する電磁波により、接近されるICタグ14へ電力を供給し、ICタグ14から発信される電波を受信するように構成されている。
ICタグ14は、予め記憶された識別コード等の情報を、近接するICタグリーダー10aに送信する機能が具備された構成であればよく、カード形状のものや、鍵形状等のカード形状以外のもの、ICタグ機能付き携帯端末(例えば携帯電話など)、その他、前記機能を任意の物体に付加あるいは内蔵した構成等、何れの態様であってもよいが、本実施の形態では、特に使い勝手の良好なものとして、カード形状のICタグ(所謂ICカード)を用いている。
このICタグ14は、ICチップを搭載しており、アンテナ11fに近接されることで、該チップのメモリに記憶された認証データを、電波にのせてICタグリーダー10aへ送信する。
また、アンテナ11fは、蓋部材12の開閉状態に拘わらずに、ICタグ14から送信された電波を受信するように、本体部11内に配置されている。
【0051】
上記ICタグリーダー10aのマイコン11gは、CPUや記憶装置などを備えた電子回路であり、アンテナ11fによりICタグ14から受信した認証データや、開放スイッチ11a1、停止スイッチ11a2、閉鎖スイッチ11a3等の接点信号が入力され、これら入力信号を、インターフェース11hを介して、制御部20へ送信する。
操作部10と制御部20との間の通信用の電線L1は、これら操作部10と制御部20間の通信方式を所謂シリアル通信方式とすることで、2本用いられている。
【0052】
更に、このマイコン11gは、アンテナ11fによりICタグ14の認証データを受信した際に、発光体11j(例えばLED等)およびブザー11kに電力を供給し、これら発光体11jの発光およびブザー11kの警報音により、認証データを受信したことを操作者等に報せる。
なお、発光体11jの発光やブザー11kの警報音は、認証データの照合結果に応じて、例えば、点灯/点滅や、連続音/断続音等のように、変化させるようにしてもよい。
そして、このマイコン11gの電力は、2本の電線L2,L2を介して制御部20から供給される。
また、本実施の形態の好ましい一例によれば、前記発光体11jは、後述するように操作スイッチ11aを照らす照明としての機能も有する。
【0053】
上記構成では、操作部10と制御部20との間の電線L1,L1,L2,L2を4本にしているため、例えば、既設のスイッチボックスがあり、このスイッチボックスを操作部10に交換する場合に、そのスイッチボックスの電線(通常は開放信号用電線、閉鎖信号用電線、停止信号用電線、COM電線の4本)を、交換することなく、そのまま有効利用することができる。
なお、前述した既設のスイッチボックスは、少なくとも、前記のような既設の電線を備えたものであればよく、その外観形状や前記電線以外の構成は限定されない。
【0054】
また、制御部20は、CPUおよび記憶装置等を具備してなるマイコン21、該マイコン21に対し操作部10からの信号を入力するインターフェース22、該マイコン21に対し認証データの入力や消去を行う登録スイッチ23および消去スイッチ24、後述する動作モードの切り替えを可能にする動作モードスイッチ27、これら登録スイッチ23や消去スイッチ24、動作モードスイッチ27による操作内容を表示する表示装置28、該マイコン21からの出力信号をシャッター制御盤a32に対し接点信号として出力するリレー回路25、該マイコン21及びICタグリーダー10aへ電力を供給する電源回路26等を具備してなり(図3及び4参照)、シャッター装置Aの屋内側に配設され、躯体壁面等に装着される。
【0055】
登録スイッチ23、消去スイッチ24、動作モードスイッチ27の各々は、ペン先等の先細物で押し操作可能な比較的小径の自動復帰タイプの押しボタンスイッチであり、その接点信号がマイコン21に入力されるように電気配線されている。
各スイッチの機能について詳述すれば、登録スイッチ23は、ICタグ14及びICタグリーダー10a等によって外部から入力される認証データに照合させるための照合データを、マイコン21の記憶装置に登録するために用いられ、該登録スイッチ23が押されると、マイコン21による処理が後述する登録モード(図6参照)に切換えられる。
また、消去スイッチ24は、マイコン21の記憶装置に登録された複数の照合データを、選択的に消去する手段として用いられ、該消去スイッチ24が押されると、マイコン21による処理が後述する消去モード(図6参照)に切換えられる。
また、動作モードスイッチ27は、外部からの押し操作により動作モードの選択を可能にするスイッチであり、例えば、該動作モードスイッチ27が押される毎に、動作モードが切り替わるようになっている。
【0056】
また、表示装置28は、例えば、7セグメントLED(図3参照)、又はその他の周知の表示装置により構成される。この表示装置28は、前記登録スイッチ23、消去スイッチ24、及び動作モードスイッチ27等による操作内容や、マイコン21の記憶装置内のデータ等を表示するようにマイコン21の出力端子に電気配線されている。
【0057】
また、マイコン21は、CPUや記憶装置などを備えた電子回路であり、その記憶装置に確保された所定の記憶領域を、プログラムである動作モードを複数種類記憶する動作モード記憶手段や、複数種類の照合データを記憶する照合データ記憶手段、照合データ毎の操作制限データを記憶する操作制限データ記憶手段等として機能させている。
【0058】
前記記憶装置には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)や、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリ、RAM等の周知の記憶装置が用いられ、単一の構成であっても複数の構成であってもよい。
【0059】
また、前記各動作モードは、マイコン21のCPUを機能させるプログラムであり、ICタグ14による照合操作や、操作スイッチ11aへの入力操作等による入力信号に応じて、リレー回路25へ適宜な制御指令を出力するようにプログラミングされている。
【0060】
また、前記操作制限データは、照合データ毎に設定された条件を示す変数である。この操作制限データを視覚的に表現すれば、図10に図示するようなデータテーブルとなる。
【0061】
図10中、日時条件とは、操作可能な日時を限定する条件である。図示例によれば、○印の場合には日時制限なく操作が可能であり、×印の場合には、所定の日時のみ操作が可能となるようにしている。認証データの照合が行われた際の日時は、マイコン21が備える時計機能等により把握されるようにしている。
なお、照合データ毎に、異なる日時が設定されるようにしてもよい。
【0062】
また、図10中、一日あたりの許容回数条件とは、一日あたりの操作回数が所定回数を超えた場合に操作不能にする条件である。図示例によれば、○印の場合には回数制限なく操作が可能であり、×印の場合には、所定の回数だけ操作が可能となるようにしている。認証データの一日あたりの照合回数は、マイコン21の図示しないカウンターによりカウントされている。
なお、照合データ毎に、異なる許容回数が設定されるようにしてもよい。
【0063】
また、図10中、登録操作限定条件とは、照合データを登録する権限を有するか否かを定める条件である。
同様に、消去操作限定条件とは、照合データを消去する権限を有するか否かを定める条件である。
また、開放操作限定条件とは、シャッター装置Aの開放動作させる権限を有するか否かを定める条件である。
【0064】
そして、このマイコン21は、登録スイッチ23がONにされた場合には登録モードとなり、外部からの照合データの入力を可能にし、消去スイッチ24がONにされた場合には消去モードとなり、指定された照合データの消去を可能にする。
更に、このマイコン21は、登録スイッチ23及び消去スイッチ24がONにされなかった場合には、通常モードとなり、動作モードスイッチ27により選択された動作モードに基づき、ICタグ14から送信された認証データや、操作スイッチ11aによる操作信号等、外部からの入力信号を受け付け、前記認証データと前記記憶装置に記憶された照合データとを照合したり、その照合結果や前記操作信号等に応じてリレー回路25を動作させたり等する。
【0065】
リレー回路25は、開放リレー25a、停止リレー25b、閉鎖リレー25c等を具備してなる電気回路である(図4参照)。
開放リレー25a、停止リレー25b、閉鎖リレー25cは、マイコン21からの指令に応じて、シャッター装置Aの開閉体a1を開放動作させるための接点信号、同開閉体a1を停止するための接点信号、同開閉体a1を閉鎖するための接点信号を、それぞれシャッター装置Aのシャッター制御盤a32へ送信する。
なお、このリレー回路25は、例えば、電磁コイルと接点とを備えた一般的なリレーとすればよいが、スイッチング機能を有する半導体素子(トランジスタなど)等を用いた構成とすることも可能である。
【0066】
前記リレー回路25の具体例を、図5に示す電気回路図に基づいて詳細に説明すれば、停止リレー25bは、OFFからONに変化する接点信号と、ONからOFFに変化する接点信号との二つの接点信号を出力するように構成されおり、何れかの接点信号が、シャッター制御盤a32側の電気回路に応じて選択されるようにしている。
また、開放リレー25aは、OFFからONに変化する接点信号を出力するように構成されている。
また、閉鎖リレー25cは、開放リレー25aがOFF状態であることを条件に、OFFからONに変化する接点信号を出力する構成としている。
すなわち、この電気回路では、開放スイッチ11a1と閉鎖スイッチ11a3とが同時に押される等することで、開放リレー25aの接点と閉鎖リレー25cの接点とが略同時にON状態になった場合には、開放リレー25aの接点を優先させて、その接点信号のみを出力するようにしている。
よって、この電気回路構成によれば、誤操作等により開閉体a1が閉鎖されてしまうのを防ぐことができ、シャッター装置Aの安全性を向上することができる。
【0067】
次に、上記開閉装置制御システム1において、登録スイッチ23、消去スイッチ24、動作モードスイッチ27等が選択的に押された際の処理を、図6以降に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。
【0068】
先ず、図6に示すように、ステップ1aでは、登録スイッチ23が押されたか否かが判断され、登録スイッチ23が押された場合には、ステップ2aへ処理を進め、そうでない場合には、後述するステップ1bへ処理を移行する。
【0069】
そして、ステップ2aでは、マイコン21が登録モードであることを認識し、表示装置28や図示しない音声出力装置等により、操作者等に対し登録モードとなったことを報せる。
なお、フローチャートによる図示を省略しているが、マイコン21の記憶装置が容量オーバーとなってしまう場合には、表示装置28や音声出力装置等により、照合データの登録が不可能であることを出力し、その後の処理を、上記ステップ1aへ戻すようにしている。
【0070】
次に、ステップ3aでは、制御部20からリレー回路25への制御指令を出力不能にする。
すなわち、このステップ3aによれば、操作スイッチ11aの操作や、図示しないリモコン操作等によって、操作信号が入力された場合でも、その操作信号を無効にする。
したがって、この構成によれば、マイコン21の記憶装置(照合データ記憶手段)に対する照合データの登録操作の最中に、開閉体a1の開放動作や、閉鎖動作、停止等、シャッター装置Aの特定の制御動作が行われないようにすることができる。
【0071】
そして、ステップ4aでは、後述する照合データ登録ルーチン(図7参照)が実行されることで、照合データが記憶装置に記憶され、その後に、処理をステップ5aへ移行する。
【0072】
ステップ5aでは、上記ステップ3aで行った制御指令の不能状態を解除し、処理を上記ステップ1aへ戻す。
【0073】
また、ステップ1bでは、消去スイッチ24が押されたか否かが判断され、消去スイッチ24が押された場合には、ステップ2bへ処理を進め、そうでない場合には、後述するステップ1cへ処理を移行する。
【0074】
ステップ2bでは、マイコン21が消去モードであることを認識し、表示装置28や図示しない音声出力装置等により、操作者に対し消去モードとなったことを報せる。
【0075】
ステップ3bでは、上記ステップ3aと略同様に、制御部20からリレー回路25への制御指令を出力不能にする。
すなわち、このステップ3bによれば、操作スイッチ11aの操作や、図示しないリモコン操作等によって、操作信号入力された場合でも、その操作信号を無効にする。
したがって、この構成によれば、マイコン21の記憶装置(照合データ記憶手段)に対する照合データの消去操作の最中に、開閉体a1の開放動作や、閉鎖動作、停止等、シャッター装置Aの特定の制御動作が行われないようにすることができる。
【0076】
そして、ステップ4bでは、後述する照合データ消去ルーチン(図8参照)により、指定された照合データが記憶装置から消去され、その後に、処理をステップ5bへ移行する。
【0077】
そして、ステップ5bでは、上記ステップ3bで行った制御指令の不能状態を解除し、処理を上記ステップ1aへ戻す。
【0078】
すなわち、上記ステップ3a〜5aおよびステップ3b〜5bによれば、登録モード又は消去モードとなった後、操作スイッチ11aやその他の操作に基づく制御指令の出力が不能とされ、照合データの登録操作または消去操作の後に、同制御指令の出力が可能となる。
したがって、照合データの登録操作または消去操作中には、開閉体の閉鎖動作や開放動作等、開閉装置が意図しない不要な制御動作をしてしまうのを防ぐことができる。
【0079】
また、ステップ1cでは、マイコン21が通常モードであることを認識し、表示装置28や図示しない音声出力装置等により、操作者等に対し通常モードとなったことを報せる。
そして、次のステップ2cでは、後述する制御指令出力ルーチン(図11参照)が実行され、その後に、処理が上記ステップ1aへ戻される。
【0080】
次に、図7に示す照合データ登録ルーチンのフローチャートについて説明する。
先ず、ステップ11aでは、登録フラグがONにされる。
この登録フラグは、登録スイッチ23が押されたことを示すフラグであり、具体的には、登録スイッチ23が押された際に、1や0等の変数として、マイコン21の記憶装置に記憶される。
【0081】
次に、ステップ12aでは、認証データの入力を所定時間可能にする認証時間タイマーt’をスタートする。
そして、ステップ13aでは、表示装置28の表示や図示しない音声出力装置等により、操作者等に対し認証データの入力を要求する。操作者等は、ICタグ14を操作部10に近接する操作により認証データを入力することになる。
【0082】
ステップ14aでは、認証データが入力されたか否かが判断され、入力された場合には次のステップ15aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ15bへ処理を移行する。
【0083】
ステップ15aでは、入力された認証データが、マイコン21の記憶装置に記憶された照合データと一致したか否かが判断され、一致した場合には、ステップ16aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ15bへ処理を移行する。
【0084】
ステップ15bでは、認証時間タイマーによりカウントされた時間が所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、後述するステップ24aへ処理を移行する。
【0085】
すなわち、上記ステップ12a〜15bによれば、所定時間の間は認証データの照合を繰り返し可能となり、その所定時間以上となった場合には、認証データの照合を不能になる。
【0086】
また、ステップ16aでは、認証データの照合が、日時条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ24aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ17aへ処理を移行する。
ステップ17aでは、認証データの照合が、一日あたりの許容回数条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ24aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ18aへ処理を移行する。
ステップ18aでは、入力された認証データに対応する照合データについて、操作制限データとして登録操作限定条件の制限が無いか否かを判断し、制限が無い場合には、ステップ19aへ処理を進め、制限がある場合には、後述するステップ24aへ処理を移行する。
【0087】
すなわち、上記ステップ16a〜18aによれば、認証データが照合データにより照合された場合であっても、その照合データに対応する操作制限データの条件が満たされない場合には、登録操作が行われるのを拒否する。
したがって、操作権限を持たない操作者等により照合データが登録されてしまうのを防ぐことができる。
【0088】
そして、上記ステップで操作制限データの条件が満たされていることを確認した場合には、次のステップ19aにより、登録用データの入力を要求する。この入力の要求は、具体的には、表示装置28への表示や音声出力装置等による。
ここで、登録用データとは、認証データに照合させるための照合データであって、マイコン21の記憶装置に登録される前の状態のデータを意味している。
この登録用データを入力する手段について、具体的に説明すれば、ICタグ14に記憶された認証データを前記登録用データとし、この登録用データが、ICタグリーダー10aへ入力されるようにしている。
なお、登録用データを入力する他の手段としては、制御部20に対する特定の操作や、操作スイッチ11aに対する特定の操作、図示しない他の入力機器による操作等によるものとしてもよい。
【0089】
次のステップ20aでは、登録用データが入力されたか否かが判断され、入力された場合にはステップ21aへ処理を進め、そうでない場合には、上記ステップ19aへ処理を戻す。
【0090】
そして、ステップ21aでは、入力された登録用データを新たな照合データとして、マイコン21の記憶装置に記憶する。
【0091】
次に、ステップ22aでは、後述する操作制限設定ルーチンが実行されることで、記憶された新たな照合データに対し、特定の操作制限データが設定される。
【0092】
そして、ステップ23aでは、登録フラグの状態より、登録スイッチが再度押されたか否かを判断し、押された場合には処理をステップ24aへ進め、押されなかった場合には、処理を上記ステップ19aへ戻す。
すなわち、このステップ23aによれば、登録スイッチ23が再度押されなかった場合には、もう一度認証データの照合をせずとも、再度追加の登録用データの入力が可能となる。
なお、他の好ましい一例としては、上記ステップ22aと上記ステップ23aとの間で、表示装置28への表示や音声出力装置により追加登録するか否かの判断を要求するようにしてもよい(フローチャート省略)。
【0093】
そして、ステップ24aでは、登録フラグがOFFにされて当該照合データ登録ルーチンを終了し、上述したステップ5aへ処理を移行する。
【0094】
次に、図8に示す照合データ消去ルーチンについて説明する。
先ず、ステップ31aでは、消去フラグがONにされる。
この消去フラグは、消去スイッチ24が押されたことを示すフラグであり、具体的には、消去スイッチ24が押された際に、1や0等の変数として、マイコン21の記憶装置に記憶される。
【0095】
次に、ステップ32aでは、認証データの入力を所定時間可能にする認証時間タイマーt’をスタートする。
そして、ステップ33aでは、表示装置28の表示や音声出力装置等により、操作者等に対し認証データの入力を要求する。操作者等は、ICタグ14を操作部10に近接する操作により認証データを入力することになる。
【0096】
ステップ34aでは、認証データが入力されたか否かが判断され、入力された場合には次のステップ35aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ35bへ処理を移行する。
ステップ35aでは、入力された認証データが、マイコン21の記憶装置に記憶された照合データと一致したか否かが判断され、一致した場合には、ステップ36aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ35bへ処理を移行する。
また、ステップ35bでは、認証時間タイマーによりカウントされた時間が所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、後述するステップ43aへ処理を移行する。
【0097】
すなわち、上記ステップ32a〜35bによれば、所定時間の間は認証データの照合を繰り返し可能にし、その所定時間以上となった場合には、認証データの照合を不能にする。
【0098】
また、ステップ36aでは、認証データの照合が、日時条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、37aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ43aへ処理を移行する。
ステップ37aでは、認証データの照合が、一日あたりの許容回数条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ38aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ43aへ処理を移行する。
ステップ38aでは、入力された認証データに対応する照合データについて、操作制限データとして消去操作限定条件の制限が無いか否かを判断し、制限が無い場合には、ステップ39aへ処理を進め、制限がある場合には、後述するステップ43aへ処理を移行する。
【0099】
すなわち、上記ステップ36a〜38aによれば、認証データが照合データにより照合された場合であっても、その照合データに対応する操作制限データの条件が満たされない場合には、消去操作が行われるのを拒否する。
したがって、操作制限を持たない操作者等により照合データが消去されてしまうのを防ぐことができる。
【0100】
上記ステップで操作制限データの条件が満たされていることを確認した場合には、次のステップ39aにより、消去対象となる照合データの指定を要求する。この要求は、具体的には、表示装置28への表示や音声出力装置等による。
【0101】
ここで、前記照合データの指定は、具体的には、制御部20に対する特別な操作や、ICタグ14を制御部20に近接する操作等とすればよい。
より具体的に説明すれば、例えば、登録スイッチ23と消去スイッチ24が同時に所定時間押された場合に、記憶された全ての照合データが指定されたものとみなしたり、消去スイッチ24が押された後の所定時間の間にICタグ14から認証データが送信された場合に、その認証データに対応する照合データが指定されたものとみなしたり等とすればよい。
【0102】
次のステップ40aでは、照合データの指定があったか否かが判断され、指定があった場合にはステップ41aへ処理を進め、そうでない場合には、上記ステップ39aへ処理を戻す。
そして、ステップ41aでは、マイコン21の記憶装置から指定された照合データを消去する。
【0103】
次に、ステップ42aでは、消去フラグの状態より、消去スイッチ24が再度押されたか否かを判断し、押された場合には処理をステップ43aへ進め、押されなかった場合には、処理を上記ステップ39aへ戻す。
すなわち、このステップ42aによれば、消去スイッチ24が再度押されなかった場合には、もう一度認証データの照合をせずとも、再度照合データの追加消去が可能となる。
なお、他の好ましい一例としては、上記ステップ41aと上記ステップ42aとの間で、表示装置28への表示や音声出力装置により追加消去するか否かの判断を要求するようにしてもよい(フローチャート省略)。
【0104】
そして、ステップ43aでは、消去フラグがOFFにされて当該照合データ登録ルーチンを終了し、上述したステップ5b(図6参照)へ処理を移行する。
【0105】
次に、図9に示す操作制限設定ルーチンについて説明する。
先ず、ステップ51aでは、上記ステップ14a(図7参照)で入力された認証データに操作制限があるか否かを判断する。
具体的には、前記認証データに対応して制御部20に記憶されている照合データについて、その照合データに対し設定されている各種操作制限データ(図10参照)が、全て制限なしの状態か否かが判断される。
そして、前記操作制限データについて、一つでも操作制限がある場合には、ステップ52aへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ51bへ処理を移行する。
【0106】
ステップ52aでは、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データについて、上記ステップ14aで入力された認証データのものと同一の操作制限データを設定し、上記ステップ23a(図7参照)へ処理を戻す。
すなわち、このステップ52aによれば、認証のために用いたICタグ14の操作制限が、新たに登録されるICタグ14に対しても適用されることになる。
【0107】
また、ステップ51bでは、表示装置28への表示あるいは音声出力装置等により、操作者に対し、操作制限を付加するか否かを要求する。
ステップ52bでは、操作者からの応答により、操作制限を付加すると判断した場合には、次のステップ53bへ処理を移行し、そうでない場合には、ステップ52cへ処理を移行する。
【0108】
ステップ53bでは、表示装置28への表示や音声出力装置等により、操作者に対し日時条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された日時条件を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
同様に、次のステップ54bでは、操作者に対し一日あたりの許容回数条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された一日あたりの許容回数条件を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
【0109】
なお、前記日時条件や許容回数条件は、図10に示す一例によれば、予め設定された特定の日時条件および許容回数条件について、「制限なし(○)」と「制限あり(×)」の何れかが選択されるようにしているが、他例としては、任意の日時範囲や許容回数が入力されるようにしたり、複数種類の日時範囲や許容回数の中から何れかが選択されるようにしたり等してもよい。
【0110】
次に、ステップ55bでは、表示装置28への表示や音声出力装置等により、操作者に対し登録操作限定条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された操作制限データを、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
換言すれば、このステップ55bでは、前記照合データに対し登録操作の制限を付加するか否かの判断を、操作者に対し要求し、その判断に応じた操作制限データ(制限なし(○)又は制限あり(×))を、前記照合データに対応して設定する。
【0111】
同様にして、ステップ56bでは、操作者に対し消去操作限定条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された操作制限データ(制限なし又は制限あり)を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
更に、ステップ57bでは、操作者に対し開放操作限定条件の入力を要求し、その要求に応じて操作者から入力された操作制限データ(制限なし又は制限あり)を、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し設定する。
【0112】
また、ステップ52cでは、上記ステップ21a(図7参照)で記憶された照合データに対し、操作制限が無制限に設定される。
すなわち、より具体的に説明すれば、このステップ52cでは、図10のデータテーブル中、前記照合データに対応する各種操作制限データが、全て「制限なし(○)」に設定される。
【0113】
そして、上記のようにして、操作制限データが設定された後、マイコン21による処理は、上記ステップ23a(図7参照)へ戻る。
【0114】
次に、図11に示す制御指令出力ルーチンのフローチャートについて説明する。
先ず、ステップ61aでは、認証データの入力を所定時間可能にする認証時間タイマーt’をスタートする。
そして、ステップ62aでは、表示装置28の表示や音声出力装置等により、操作者等に対し認証データの入力を要求する。操作者等は、ICタグ14を操作部10に近接する操作により認証データを入力することになる。
【0115】
ステップ63aでは、認証データが入力されたか否かが判断され、入力された場合には次のステップ64aへ処理を移行し、そうでない場合にはステップ64bへ処理を移行する。
【0116】
ステップ64aでは、入力された認証データが、マイコン21の記憶装置に記憶された照合データと一致したか否かが判断され、一致した場合には、ステップ65aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ64bへ処理を移行する。
また、ステップ64bでは、認証時間タイマーによりカウントされた時間が所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、上記ステップ1a(図6参照)へ処理を移行する。
【0117】
すなわち、上記ステップ61a〜64bによれば、所定時間の間は認証データの照合を繰り返し可能にし、その所定時間以上となった場合には、認証データの照合を不能にする。
【0118】
次に、ステップ65aでは、認証データの照合が、日時条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ66aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ1a(図6)へ処理を戻す。
ステップ66aでは、認証データの照合が、一日あたりの許容回数条件の制限内で行われたか否かを判断し、制限内で行われた場合には、ステップ67aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ1a(図6)へ処理を戻す。
【0119】
次の、ステップ67aでは、入力された認証データに対応する照合データについて、操作制限データとして開放操作限定条件の制限が無いか否かを判断し、制限が無い場合には、ステップ68aへ処理を進め、制限がある場合には、ステップ67bへ処理を移行する。
ステップ67bでは、開放操作のみを無効にする設定が行われ、処理をステップ68aへ進める。
【0120】
すなわち、上記ステップ65a〜67bによれば、認証データが照合データにより照合された場合であっても、その照合データに対応する操作制限データの条件が満たされない場合には、後述するシャッター装置Aに対する操作を、拒否したり一部制限したりする。
【0121】
次に、ステップ68aでは、操作有効時間タイマーTが0秒にリセットされスタートする。
そして、ステップ69aでは、発光体11jの発光を開始する。
したがって、この状態において、操作者は、ICタグ14が照合されたことを、発光体11jの発光により視覚的に確認することができ、更に、周囲が暗い場合であっても、ICタグ14の発光により操作スイッチ11aを視認することができる。
【0122】
次に、ステップ70aでは、シャッター装置Aに対する開放操作や、閉鎖操作、停止操作の内、限定条件のない操作のみが有効にされる。
本実施の形態の一例によれば、上記ステップ67aにより無効にされた開放操作以外の操作、すなわち、閉鎖操作および停止操作等が有効にされる。
これら操作は、動作モードスイッチ27により選択された動作モード上において行われる操作である。
【0123】
前記動作モードには、例えば、ICタグ14を操作部10に近接させる毎に、開放指令、閉鎖指令、停止指令等が順次に発せられるようにしたモードや、操作部10の操作スイッチ11aへの操作に応じて、開放指令、閉鎖指令、停止指令の内の選択された指令が発せられるようにしたモード、図示しないリモコン装置からの送信信号により特定の動作指令が発せられるようにしたモード、その他の適宜なモード等があり、これらのモードは、予めマイコン21の記憶装置にプログラムとして単数もしくは複数種類記憶され、動作モードスイッチ27の操作により選択されるようになっている。
上記ステップ70aによれば、選択された前記動作モードにおいて、上記ステップ67aにより無効にされた開放操作以外の操作が有効になる。
【0124】
そして、ステップ71aでは、操作有効時間タイマーによるカウントが所定時間以上となったか否かが判断され、所定時間以上となった場合には、次のステップ72aへ処理を移行し、そうでない場合には、上記ステップ69aへ処理を戻す。
【0125】
次に、ステップ72aでは、全ての操作、すなわち、開放操作、閉鎖操作、停止操作を無効とする。なお、非常停止等のために、停止操作のみは無効にせずに、有効のままに維持するようにしてもよい。
【0126】
そして、ステップ73aでは、発光体11jが消灯され、マイコン21による処理は上記ステップ1a(図6参照)へ戻される。
【0127】
すなわち、上記ステップ68a〜73aによれば、設定された時間内であれば、限定条件の無い操作(図示例によれば閉鎖操作および停止操作)を、繰り返し行うことができ、その時間が経過した後には、操作不能な状態とすることができる。
なお、上記ステップ71aにおいて、操作有効時間タイマーによるカウントが所定時間以上とならない場合でも、前記限定条件の無い操作が行われたことを条件に次のステップ72aへ処理を移行させるようにすることも可能である。
【0128】
また、上記実施の形態によれば、登録モードや消去モードにするために登録スイッチ23や消去スイッチ24が操作されるように構成してあるが、他例としては、特定の認証データの入力があった場合に、登録スイッチ23や消去スイッチ24が操作されなくとも、登録モードや消去モード等のモード指定がされる構成としてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態によれば、登録モードにするために登録スイッチ23が操作されるように構成してあるが、更に、照合データ記憶手段に認証データが全く記憶されていない場合には、登録スイッチ23が操作されたか否かに拘らずに自働的に登録モードとなるようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態によれば、登録モードの場合と消去モードの場合とで同様にして制御指令を制限するようにしているが(ステップ3a,3b参照)、他例としては、その制限される制御指令を、登録モードの場合と消去モードの場合とで、異なる指令としてもよい。
また、上記実施の形態によれば、制御指令の制限の一例として、制御指令を出力不能にしているが(ステップ3a,3b参照)、他例としては、シャッター装置Aにおける電動駆動源a31への電源供給を遮断する制御指令を出力するようにすることも可能である。
【0131】
また、上記実施の形態によれば、図7に示すように、登録用データは、特定の認証データが照合された後に入力されるようにしているが、特定の認証データが照合される前に入力され、その照合を確認した後に無効状態から有効状態にされるようにしてもよい。
【0132】
また、上記実施の形態に付加される機能として、登録モード及び/又は消去モードの最中に、停止指令又は開放指令を所定時間(例えば0.5秒)出力するようにしてもよい。
この態様では、例えば、登録スイッチ23や消去スイッチ24による登録操作又は消去操作の開始直後に、前記停止指令又は開放指令が前記所定時間出力されるようにすればよい。この構成によれば、登録操作又は消去操作の開始直後に、開閉装置の開閉体を停止又は開放できるため、開閉装置の安全性を向上することができる。
また、この態様においては、認証データが照合された場合に、前記停止指令又は開放指令が所定時間出力されるようにしてもよいし、また、開閉装置の安全性を向上させるために、認証データの照合に拘らずに、前記停止指令又は開放指令が所定時間出力されるようにしてもよい。
また、この態様において、制御指令を一時的に出力不能にするなど制限した後に、停止指令又は開放指令を所定時間(例えば0.5秒)出力するようにすることも可能である。
【0133】
また、上記実施の形態に付加される機能として、登録モード及び/又は消去モードの最中に、停止指令を出力し続けるようにしてもよい。
すなわち、一般的な開閉装置の制御回路では、閉鎖指令や開放指令よりも、停止指令を優先させるようにしている。
したがって、このような開閉装置において、停止指令が入力され続けた場合には、その停止指令の入力中に閉鎖指令や開放指令が入力されたとしても、停止指令が優先するため、開閉体を停止状態に維持することができる。また、登録モードや消去モードとなった時点で開閉体が動作していても、その開閉体を停止させることができる。
【0134】
また、上記実施の形態に付加される機能として、開閉装置Aにおける開閉体a1の動作状況を示す信号を制御部20に入力するようにし、該信号によって登録操作又は消去操作の前に開閉体a1が動作していることを確認した場合には、登録操作及び/又は消去操作が行われないようにすることも可能である。
【0135】
また、上記実施の形態に付加される機能として、登録スイッチ23と消去スイッチ24が略同時に押される等の特定の操作が行われた場合に、登録処理と消去処理を略同時に行うような処理(例えば、照合データ記憶手段に記憶された照合データを全消去し、その直後に入力された新たな照合データが登録されるようにした処理等)が行われるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明に係わる開閉装置制御システムの一例、及び該制御システムの制御対象であるシャッター装置を示す概略構成図である。
【図2】同開閉装置制御システムの操作部の一例を示す正面図であり、(a)は蓋部材を閉鎖した状態を示し、(b)は蓋部材を開放した状態を示し、(c)は、(b)の状態における底面図である。
【図3】同開閉装置制御システムの制御部を示す正面図である。
【図4】同開閉装置制御システムのブロック図である。
【図5】同開閉装置制御システムの制御部におけるリレー回路の電気回路図である。
【図6】同開閉装置制御システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】照合データ登録ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】照合データ消去ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図9】操作制限設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】操作制限データを視覚化したデータテーブルを示す。
【図11】制御指令出力ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0137】
1:開閉装置制御システム
10:操作部
10a:ICタグリーダー
11a:操作スイッチ
11a1:開放スイッチ
11a2:停止スイッチ
11a3:閉鎖スイッチ
14:ICタグ
20:制御部
A:シャッター装置
a1:開閉体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした開閉装置制御システムにおいて、
前記認証データが入力された際に、その入力された認証データと同一の照合データが前記照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作が可能となるようにしたことを特徴とする開閉装置制御システム。
【請求項2】
上記登録操作を行う登録モードと上記消去操作を行う消去モードとが、所定の操作により選択されるようにした開閉装置制御システムであって、
上記登録操作と上記消去操作との内の一方の操作が行われた後、前記所定の操作が再度行われた場合に、前記一方の操作に対応する前記モードを解除し、前記所定の操作が再度行われなかった場合には、前記一方の操作が再度可能となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置制御システム。
【請求項3】
上記照合データ記憶手段に対する上記照合データの登録操作中又は消去操作中に、開閉装置の特定の制御動作が行われないように、上記制御指令を制限したことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置制御システム。
【請求項4】
上記認証データが入力された際に、その入力があったことを外部に報せる応答手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置制御システム。
【請求項5】
開閉装置を操作するための操作部を備えた開閉装置制御システムであって、
この操作部は、ICタグから送信される上記認証データを受信するためのICタグリーダーと、開閉装置を操作するための操作スイッチと、該操作スイッチを覆ったり露出したりするように開閉可能な蓋部材と、上記応答手段として内在された発光体と、該発光体の光を外部に透過するように配設された透光部材とを備え、
前記透光部材は、その一部分である第一の部分を前記発光体に臨ませるとともに、その他部分である第二の部分を操作スイッチへ臨ませ、更に、前記第一の部分および前記第二の部分以外の第三の部分を、蓋部材が閉じられた状態で外部に露出させるように配設されていることを特徴とする請求項4記載の開閉装置制御システム。
【請求項6】
上記認証データ毎に操作制限データを設定し、
上記認証データが入力された際に、前記操作制限データに応じて特定の操作が制限されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置制御システム。
【請求項7】
入力された認証データと同一の照合データが照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作が行われる際に、
その新たな照合データに対し、先に入力された前記認証データに対応する操作制限データに応じて、新たな操作制限データが設定されるようにしたことを特徴とする請求項6記載の開閉装置制御システム。
【請求項8】
上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えないように設定されることを特徴とする請求項7記載の開閉装置制御システム。
【請求項9】
上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データと同一の操作制限範囲となるように設定されることを特徴とする請求項7記載の開閉装置制御システム。
【請求項10】
上記新たな照合データに対応する操作制限データが選択的に設定されるようにしたことを特徴とする請求項7又は8記載の開閉装置制御システム。
【請求項1】
外部から入力される認証データと照合データ記憶手段に予め記憶される照合データとを照合させ、その照合結果に応じて、開閉装置を制御動作させるための制御指令の出力が可能となるようにした開閉装置制御システムにおいて、
前記認証データが入力された際に、その入力された認証データと同一の照合データが前記照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作、及び/又は記憶済みの照合データの消去操作が可能となるようにしたことを特徴とする開閉装置制御システム。
【請求項2】
上記登録操作を行う登録モードと上記消去操作を行う消去モードとが、所定の操作により選択されるようにした開閉装置制御システムであって、
上記登録操作と上記消去操作との内の一方の操作が行われた後、前記所定の操作が再度行われた場合に、前記一方の操作に対応する前記モードを解除し、前記所定の操作が再度行われなかった場合には、前記一方の操作が再度可能となるようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置制御システム。
【請求項3】
上記照合データ記憶手段に対する上記照合データの登録操作中又は消去操作中に、開閉装置の特定の制御動作が行われないように、上記制御指令を制限したことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置制御システム。
【請求項4】
上記認証データが入力された際に、その入力があったことを外部に報せる応答手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置制御システム。
【請求項5】
開閉装置を操作するための操作部を備えた開閉装置制御システムであって、
この操作部は、ICタグから送信される上記認証データを受信するためのICタグリーダーと、開閉装置を操作するための操作スイッチと、該操作スイッチを覆ったり露出したりするように開閉可能な蓋部材と、上記応答手段として内在された発光体と、該発光体の光を外部に透過するように配設された透光部材とを備え、
前記透光部材は、その一部分である第一の部分を前記発光体に臨ませるとともに、その他部分である第二の部分を操作スイッチへ臨ませ、更に、前記第一の部分および前記第二の部分以外の第三の部分を、蓋部材が閉じられた状態で外部に露出させるように配設されていることを特徴とする請求項4記載の開閉装置制御システム。
【請求項6】
上記認証データ毎に操作制限データを設定し、
上記認証データが入力された際に、前記操作制限データに応じて特定の操作が制限されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置制御システム。
【請求項7】
入力された認証データと同一の照合データが照合データ記憶手段に記憶されていることを条件に、新たな照合データの登録操作が行われる際に、
その新たな照合データに対し、先に入力された前記認証データに対応する操作制限データに応じて、新たな操作制限データが設定されるようにしたことを特徴とする請求項6記載の開閉装置制御システム。
【請求項8】
上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データの操作制限範囲を超えないように設定されることを特徴とする請求項7記載の開閉装置制御システム。
【請求項9】
上記新たな操作制限データは、上記先に入力された認証データに対応する操作制限データと同一の操作制限範囲となるように設定されることを特徴とする請求項7記載の開閉装置制御システム。
【請求項10】
上記新たな照合データに対応する操作制限データが選択的に設定されるようにしたことを特徴とする請求項7又は8記載の開閉装置制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−314988(P2007−314988A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144056(P2006−144056)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
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