説明

防犯機能付き携帯電話機及び携帯電話機用防犯アダプタ

【課題】 フラッシュライトを防犯機能として利用する防犯機能付き携帯電話機及び携帯電話機用防犯アダプタを提供する。
【解決手段】 本体1、受話器開口部2、送話器開口部3、LCD4、ダイヤルキー5、四方向キー及び決定キー6、カメラ(デジタルカメラ)7、フラッシュライト(ストロボ)8、非常ボタン部9により構成されている。本携帯電話機は、インターネット接続機能及び電子メール送受信機能を有する。非常ボタンを押すと、携帯電話機の警報音出力部から大音量の警報が鳴ると共に、フラッシュライト8が発光又は点滅発光する。さらに、フラッシュライト8の発光時にカメラ7で証拠写真を撮影し、その写真を予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスへ自動送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緊急事態を報知する防犯機能付き携帯電話機及び携帯電話機用防犯アダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、痴漢や暴漢等に襲われた場合に、警報を発して緊急事態を報知するための携帯用防犯装置として、防犯ベル、携帯用防犯ブザー等が知られている。
【0003】また、近年著しく普及した携帯電話に防犯機能を備えたものが考えられている。例えば、特開2001−109976号公報では携帯電話端末に警報音を発する防犯機能を付加した携帯用防犯装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の携帯電話端末では警報音を発する防犯機能しか備えていないため、周囲に対して緊急事態を報知することしかできなかった。また、周囲の雑音が大きい場所や非常に混雑した場所では、警報音による報知では周囲に対して緊急事態を報知することが困難な場合があった。
【0005】ところで、現在、フラッシュライトの付いた携帯電話機が販売されているが、このフラッシュライトは、電子メールに添付する写真を内蔵のデジタルカメラによって撮影する目的にしか使用されていない。
【0006】そこで本発明は、フラッシュライトを防犯機能として利用する防犯機能付き携帯電話機及び携帯電話機用防犯アダプタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明は、携帯電話の防犯機能として警報音とフラッシュライト(ストロボ)を用いることを特徴とする。フラッシュライトによる光は、周囲の雑音が大きい場所でも緊急事態を報知することが可能になる。警報音とフラッシュライトの二つの手段を用いることにより、周囲に対して緊急事態の報知を確実に行うことが可能になる。また、暗闇において窃盗や痴漢や暴漢に襲われた場合、防犯機能として警報音に加えてフラッシュライトを発光させ、相手の目をくらませることにより、聴覚のみならず視覚からも刺激を与え、非常に効果的に相手を撹乱することが可能になる。
【0008】さらに、フラッシュライトの発光時にカメラで証拠写真を撮影し、携帯電話機の電子メール送信機能を用いて、撮影された写真を予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスへ自動送信する。このため、警察や警備会社に緊急事態を報知すると共に、証拠写真を残すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】図1は、本発明の防犯機能付き携帯電話機の斜視図である。本発明の防犯機能付き携帯電話機は、本体1、受話器開口部2、送話器開口部3、LCD4、ダイヤルキー5、四方向キー及び決定キー6、カメラ(デジタルカメラ)7、フラッシュライト(ストロボ)8、非常ボタン部9により構成されている。本携帯電話機は、インターネット接続機能及び電子メール送受信機能を有する。この電子メール送受信機能は、携帯電話網内のメッセージ交換システムによるメール送受信、及びインターネット接続によるインターネット・メール送受信のいずれも利用することができる。
【0011】図2は非常ボタン部9の拡大図であり、本発明の防犯機能付き携帯電話機は、通常使用時に非常ボタン10が押せないように非常ボタンカバー11により保護されている。非常時にこのカバー11を矢印の方向へスライドさせることにより、内部に隠されている非常ボタン10を押すことが可能になる。
【0012】この非常ボタン10を押すと、携帯電話機の警報音出力部(図示省略)から大音量の警報が鳴ると共に、フラッシュライト8が発光又は点滅発光する。さらに、フラッシュライト8の発光時にカメラ7で証拠写真を撮影し、その写真を予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスへ自動送信する。この設定されたメールアドレスへの送信は、携帯電話網内のメッセージ交換システムによるメール送信を用いることもでき、また、インターネット接続によるインターネット・メール送信を用いることもできる。あるいは、設定によっていずれかを選択設定する構成とする。
【0013】さらに、上記携帯電話が位置特定機能(GPS(Global Positioning System)やPHS(Personal Handyphone System)の位置特定機能)を有し、予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスにメールを送信する際に、その携帯電話の位置情報も一緒に送信するように構成し、警察や警備会社がそのメールアドレスにメールを受信すると、緊急事態と認識して、その携帯電話の位置情報の場所に出動するシステムを構築すれば、極めて強力な防犯システムとなる。
【0014】図3は、本発明の他の実施形態の構成を示す。本実施形態は、携帯電話本体21の外部に独立した電源を持つ防犯アダプタ30を備え、接続端子33により脱着可能にしている。携帯電話機は、本体21、受話器開口部22、送話器開口部23、LCD24、ダイヤルキー25、四方向キー及び決定キー26により構成される。本携帯電話機は、インターネット接続機能及び電子メール送受信機能を有する。この電子メール送受信機能は、携帯電話網内のメッセージ交換システムによるメール送受信、及びインターネット接続によるインターネット・メール送受信のいずれも利用することができる。
【0015】防犯アダプタ30は、カメラ(デジタルカメラ)37、フラッシュライト(ストロボ)38、非常ボタン部39、シャッターボタン31、警報音出力部32、接続端子33により構成されている。
【0016】本構成により、非常ボタン部39の非常ボタンを押すと、警報音出力部32から警報音を発生すると共にフラッシュライト38を発光又は点滅発光させ、さらにフラッシュライト38の発光時にカメラ37で証拠写真を撮影し、撮影された写真を携帯電話本体から予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスに自動送信させる。この設定されたメールアドレスへの送信は、携帯電話網内のメッセージ交換システムによるメール送信を用いることもでき、また、インターネット接続によるインターネット・メール送信を用いることもできる。あるいは、設定によっていずれかを選択設定する構成とする。
【0017】本実施形態では、外部に防犯アダプタを持つことにより、小型化して容易に携帯できるという効果が得られる。また、購入者が必要に応じて防犯アダプタの購入を選択可能にすることができる。
【0018】また、本実施形態の構成においてカメラ37、フラッシュライト38、シャッターボタン31による撮影機能を携帯電話本体21に内蔵し、非常ボタン部39、警報音出力部32による防犯機能を防犯アダプタ30に備えることにより、購入者が必要に応じた機能を追加可能とする構成とすることもできる。この構成により、防犯アダプタの非常ボタンを押すと、警報音出力部から警報音を発生すると共に携帯電話本体のフラッシュライトを発光又は点滅発光させ、携帯電話本体のフラッシュライトの発光時にカメラで証拠写真を撮影し、撮影された写真を予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスに自動送信させる。
【0019】その逆に、非常ボタン部39、警報音出力部32による防犯機能を携帯電話本体21に内蔵し、カメラ37、フラッシュライト38、シャッターボタン31による撮影機能を防犯アダプタ30に備える構成とすることもできる。この構成により、携帯電話本体の非常ボタンを押すと、警報音出力部から警報音を発生すると共に防犯アダプタのフラッシュライトを発光又は点滅発光させ、フラッシュライトの発光時にカメラで証拠写真を撮影し、撮影された写真を携帯電話本体から予め設定された警察や警備会社等のメールアドレスに自動送信する。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による第一の効果は、暗闇等の視認困難な状況及び雑音や混雑等により警報音の発信源が確認困難な状況において、周囲に緊急事態を報知する場合、警報音により聴覚から位置を報知すると共に、フラッシュライトの発光又は点滅発光により視覚から位置を報知する。これら二つの感覚器官に作用させることにより位置を容易に特定することが可能になる。
【0021】第二の効果は、暗闇で窃盗や痴漢や暴漢等に襲われた場合、フラッシュライトで強烈な光を浴びせることにより、瞬間的に相手を撹乱することができる。
【0022】第三の効果は、窃盗や痴漢や暴漢等に襲われた場合、非常ボタンを押すだけで撮影が可能になることにより、面倒なアプリケーションソフトの操作手順を省き、瞬時に証拠写真を撮ることが可能になる。
【0023】第四の効果は、窃盗や痴漢や暴漢等の証拠写真を警察や警備会社等へ自動送信する機能を備えることにより、警察や警備会社にリアルタイムで緊急事態を報知することができると共に、加害者が携帯電話を奪い証拠隠滅を図っても証拠を残すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防犯機能付き携帯電話機の斜視図である。
【図2】非常ボタン部の拡大図である。
【図3】本発明の他の実施形態の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体
2 受話器開口部
3 送話器開口部
4 LCD
5 ダイヤルキー
6 四方向キー及び決定キー
7 カメラ(デジタルカメラ)
8 フラッシュライト(ストロボ)
9 非常ボタン部
10 非常ボタン
11 非常ボタンカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 警報音発生装置とフラッシュライトと非常ボタンを備え、この非常ボタンを押すと、警報音を発生すると共にフラッシュライトを発光又は点滅発光させることを特徴とする防犯機能付き携帯電話機。
【請求項2】 フラッシュライトとデジタルカメラと非常ボタンと電子メール送信機能を有する携帯電話機であって、前記非常ボタンを押すと、フラッシュライトを発光させてデジタルカメラで写真を撮影し、撮影された写真を予め設定されたメールアドレスに自動送信することを特徴とする防犯機能付き携帯電話機。
【請求項3】 携帯電話機に接続して使用する防犯アダプタであって、警報音発生装置とフラッシュライトと非常ボタンを備え、この非常ボタンを押すと、警報音を発生すると共にフラッシュライトを発光又は点滅発光させることを特徴とする携帯電話機用防犯アダプタ。
【請求項4】 電子メール送信機能を有する携帯電話機に接続して使用する防犯アダプタであって、フラッシュライトとデジタルカメラと非常ボタンを備え、この非常ボタンを押すと、フラッシュライトを発光させてデジタルカメラで写真を撮影し、撮影された写真を前記携帯電話機から予め設定されたメールアドレスに自動送信させることを特徴とする携帯電話機用防犯アダプタ。
【請求項5】 フラッシュライトを有する携帯電話機に接続して使用する防犯アダプタであって、警報音発生装置と非常ボタンを備え、この非常ボタンを押すと、警報音を発生すると共に前記携帯電話機のフラッシュライトを発光又は点滅発光させることを特徴とする携帯電話機用防犯アダプタ。
【請求項6】 フラッシュライトとデジタルカメラと電子メール送信機能を有する携帯電話機に接続して使用する防犯アダプタであって、非常ボタンを備え、この非常ボタンを押すと、前記携帯電話機のフラッシュライトを発光させてデジタルカメラで写真を撮影し、撮影された写真を予め設定されたメールアドレスに自動送信させることを特徴とする携帯電話機用防犯アダプタ。
【請求項7】 警報音発生装置と非常ボタンを有する携帯電話機に接続して使用する防犯アダプタであって、フラッシュライトを備え、前記携帯電話機の非常ボタンを押すと、フラッシュライトを発光又は点滅発光させることを特徴とする携帯電話機用防犯アダプタ。
【請求項8】 非常ボタンと電子メール送信機能を有する携帯電話機に接続して使用する防犯アダプタであって、フラッシュライトとデジタルカメラを備え、前記携帯電話機の非常ボタンを押すと、フラッシュライトを発光させてデジタルカメラで写真を撮影し、撮影された写真を前記携帯電話機から予め設定されたメールアドレスに自動送信することを特徴とする携帯電話機用防犯アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−219062(P2003−219062A)
【公開日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−11752(P2002−11752)
【出願日】平成14年1月21日(2002.1.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】