説明

電子スチルカメラ

【課題】 撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とを適応的に切り換えることにより、使用者に負担をかけることなく撮影時のミスを低減できるようにした電子スチルカメラを提供する。
【解決手段】 連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定部120 と、撮像条件又は該撮像条件で撮像された画像に基づいて連写を実行するか否かの判定を行う連写判定部121 と、連写判定部により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する連写条件設定部122 と、撮像条件設定部又は連写条件設定部で設定された撮像条件に基づいて撮像された画像をメモリカード118 に記録する記録手段とを備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連写機能を有する電子スチルカメラに関し、特に撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換えることで使用者に負担をかけることなく撮影時のミスを低減する撮像機能を備えた電子スチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子スチルカメラの利用は近年急増しており、それに伴ってその性能の改善が進んでいる。既に銀塩写真用のカメラと同程度の機能と画質を持つものが登場しており、PC等による画像補正を行えば銀塩写真に勝る画像を得ることも可能になっている。しかし、特定の撮像条件のもとで得られた画像を補正することには限界があり、例えばピンぼけの画像を補正することや白飛びしてしまった部分の情報を回復することは、困難ないし不可能である。近年のAE,AF技術は発達しているが、それでも適正な撮像条件の設定が難しいシーンは存在する。その結果、電子スチルカメラにおいても、補正不可能ないわゆる「失敗画像」が撮られてしまうという問題があった。
【0003】この問題を解決する従来技術として、特開平6−105218号公報に開示されている技術がある。この従来技術では、一回のレリーズ操作に対して絞りとシャッター速度を段階的に切り換えた複数の撮像条件で画像を連写し、得られた複数枚の画像から適切な画像を選択ないし合成することによって、失敗画像が生成されないようにしたカメラを開示している。複数の撮像条件については、例えば特定の場所に外部装置をおき、適正な条件をカメラに送信することで決定するようになっている。また、特開平9−130660号公報では、マルチ撮影モードを備えた電子スチルカメラを開示している。このカメラでは、使用者がマルチ撮影モードを指定すると、予め指定された撮像条件で複数枚撮像が行われる。その後、記録された複数枚の画像から使用者が適切なものを選択するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平6−105218号公報開示の技術では、撮像条件を変更しての連写撮像が常に行われるため、一回の撮像で適切な撮像が可能な条件下でも複数枚の撮像を行ってしまう。すなわち、記憶媒体の最適な使用という点について対応することができないという問題点がある。また、特開平9−130660号公報開示の技術では使用者の判断により通常の一枚撮像と連写撮像を切り換える必要がある。このような切り換えの判断は初心者においては困難であり、必要時に連写撮像が選択されない可能性がある。すなわち、簡便な操作性で適切な画像を得るという点について対応することができないという問題点がある。
【0005】更に、いずれの従来技術においても、連写撮像時の撮像条件を電子スチルカメラ本体の被写体測定情報に基づき適応的に設定するのではなく、予め設定されている条件や外部装置又は使用者の判断に依存して設定している。このため、連写撮像時に適切な撮像条件の選択が行われず、無駄な連写撮像を行う可能性がある。また、使用者に連写撮像中であることを提示する手段を備えていないため、連写中に不用意にアングルを移動してしまい、連写撮像そのものに失敗する可能性がある。すなわち、無駄な連写撮像を行うことなく適切な画像を得るという点について対応することができない。また、いずれの従来技術においても、連写順序に関しての設定法に関しては考慮がなされておらず、複数の連写条件が重なる場合に使用者に対する負担の少ない高速な連写を行うことができない。すなわち、最適な連写順序での撮像という点について対応することができない。
【0006】一方、連写した画像の選択に関しては、従来技術においては使用者が選択する方法が開示されている。しかし、各画像に対する撮像条件が明示されず、且つ液晶モニタなど小サイズの表示装置では選択が困難な場合がある。また、外部装置などに接続した後に確認を行う方法についても開示がなされているが、記憶媒体を使いきった場合に不要な画像をその場で消去したいなどの状況に対応することができない。すなわち、必要とされる画像を容易且つ高速に選択又は合成するという点について対応することができない。
【0007】本発明は、従来提案されている電子スチルカメラにおける上記問題点を解消するためになされたもので、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換えることで、記憶媒体の最適な使用と簡便な操作性並びに失敗の少ない撮影を実現することができる電子スチルカメラを提供することを主たる目的とする。また、連写時の撮像条件を電子スチルカメラ本体の被写体測定情報に基づき適応的に設定することで、無駄な連写撮像を行うことなく常に適切な画像を得られるようにした電子スチルカメラを提供することを目的とする。また、連写においては、その撮像条件の変化が最小になる順序で行うことで、高速且つ負担の少ない撮像が可能な電子スチルカメラを提供することを目的とする。更に、連写撮像を使用者に提示する手段を設けることで、連写撮像の失敗を防止できるようにした電子スチルカメラを提供することを目的とする。また、連写によって得られた画像を選択する場合に連写時の撮像条件に基づき提示可能とすることで、容易且つ高速に選択又は合成を可能とする電子スチルカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、前記撮像条件又は該撮像条件にて撮像された画像に基づいて連写を実行するか否かの判定を行う連写判定手段と、該連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する連写条件設定手段と、前記撮像条件設定手段又は前記連写条件設定手段で設定された撮像条件に基づいて撮像された画像を記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】この請求項1に係る発明を、更に具体的に実施の形態に対応づけて説明すると、次の通りである。すなわち、この請求項1に係る発明に対応する実施の形態は第1の実施の形態であり、請求項1の構成要素の撮像条件設定手段には、撮像制御部110 及び撮像条件設定部120 が該当し、構成要素の連写判定手段には、連写判定部121 が該当し、構成要素の連写条件設定手段には、連写条件設定部122 が該当する。また構成要素の記録手段には、A/D変換回路106 ,色分離回路111,プロセス回路112 ,マトリックス回路113 ,補間部114 ,画像用バッファ115,圧縮部116 ,メモリカードI/F部117 ,メモリカード118 が該当する。
【0010】そして、このように請求項1の各構成要素に対応づけられている第1の実施の形態の電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像をA/D変換回路106 及びAE用フォトセンサー107 によって変換して撮像条件設定部120 に転送し、撮像条件設定部120 において露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行わない場合は撮像した画像を圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録し、連写を行う場合には連写条件設定部122 において連写時の撮像条件を設定し(更に連写順を設定してもよい)、設定された連写条件を撮像制御部110 に転送して連写を行い、連写画像を順次圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録するようになっている。
【0011】請求項1に係る電子スチルカメラは、上記動作説明のように、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、不適切な撮像に関連する撮像条件を判断し適切な撮像が行われるように条件を変えて自動的に連写が行われる。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とが適応的に切り換えられ、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに、失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを実現することができる。
【0012】請求項2に係る発明は、連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、前記撮像条件又は該撮像条件にて撮像された画像に基づいて連写を実行するか否かの判定を行う連写判定手段と、該連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する連写条件設定手段と、該連写条件設定手段により設定された各撮影こまの撮像条件に基づき撮像された連写画像を連写用メモリに記録する連写記録手段と、前記連写用メモリに記録された連写画像を選択又は合成する選択合成手段と、前記撮像条件設定手段により設定された撮像条件に基づいて撮像された画像又は前記選択合成手段により選択又は合成された画像を記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】この請求項2に係る発明に対応する実施の形態は第2の実施の形態であり、請求項2の構成要素の撮像条件設定手段には、撮像制御部110 及び撮像条件設定部120 が該当し、構成要素の連写判定手段には連写判定部121 が該当し、構成要素の連写条件設定手段には連写条件設定部122 が該当し、構成要素の連写記録手段には連写用バッファ201 が該当し、構成要素の選択合成手段には選択合成部202が該当する。また構成要素の記録手段には、A/D変換回路106 ,色分離回路111 ,プロセス回路112 ,マトリックス回路113 ,補間部114 ,切換部200 ,画像用バッファ115 ,圧縮部116 ,メモリカードI/F部117 ,メモリカード118 が該当する。
【0014】そして、このように請求項2の各構成要素に対応ずけられている第2の実施の形態の電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像をA/D変換回路106 及びAE用フォトセンサー107 によって変換して撮像条件設定部120 に転送し、撮像条件設定部120 において露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行わない場合は撮像した画像を圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録し、連写を行う場合には連写条件設定部122 において連写時の撮像条件を設定し(更に連写順を設定してもよい)、設定された連写条件を撮像制御部110 に転送して連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ201 に保存し、連写終了後に連写用バッファ201 上の連写画像を選択合成部202 を介して操作表示部119 に表示して、使用者が適切な画像を選択又は使用者が希望する画像を複数枚の画像から合成して生成した後に、圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録するようになっている。
【0015】請求項2に係る電子スチルカメラは、上記動作説明のように、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、不適切な撮像に関連する撮像条件を判断し適切な撮像が行われるように条件を変えて自動的に連写を行う。そしてその後、連写画像を使用者が選択したり、複数枚の連写した画像を用いて合成処理が行われる。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とが適応的に切り換えられ、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに、失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを実現することができる。また、連写後の画像を選択したり、あるいは合成したりするようになっているため、無駄な画像を記録することなく、記憶媒体の最適な使用が可能となる。
【0016】請求項3に係る発明は、連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、前記撮像条件又は前記撮像条件にて撮像された画像に基づき連写を実行するか否かの判定を行う第1の連写判定手段と、該第1の連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する第1の連写条件設定手段と、前記連写時の撮影条件にて撮像された連写画像に基づき再度の連写を実行するか否かの判定を行う第2の連写判定手段と、該第2の連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する第2の連写条件設定手段と、前記撮像条件設定手段又は前記第1の連写条件設定手段又は第2の連写条件設定手段で設定された撮像条件に基づき撮像された画像を記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とするものである。
【0017】この請求項3に係る発明に対応する実施の形態は第3の実施の形態であり、請求項3の構成要素の撮像条件設定手段には、撮像制御部110 及び撮像条件設定部120 が該当し、構成要素の第1の連写判定手段には連写判定部121 が該当し、構成要素の第1の連写条件設定手段には連写条件設定部122 が該当し、構成要素の第2の連写判定手段には再連写判定部402 が該当し、構成要素の第2の連写条件設定手段には再連写条件設定部403 が該当する。また構成要素の記録手段には、A/D変換回路106 ,色分離回路111 ,プロセス回路112 ,マトリックス回路113 ,補間部114 ,切換部400 ,画像用バッファ115 ,連写用バッファ401 ,圧縮部116 ,メモリカードI/F部117 ,メモリカード118 が該当する。
【0018】そして、このように請求項3の各構成要素に対応ずけられている第3の実施の形態の電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像をA/D変換回路106 及びAE用フォトセンサー107 によって変換して撮像条件設定部120 に転送し、撮像条件設定部120 において露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行わない場合は撮像した画像を圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録し、連写を行う場合には連写条件設定部122 において連写時の撮像条件及び連写順を設定し、設定された連写条件を撮像条件設定部120 に転送して連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ401 に保存し、連写終了後に連写用バッファ401 に保存されている連写画像に基づき再連写判定部402 において第2の連写を行うか否かの判定をし、第2の連写を行わない場合は連写用バッファ401 に保存されていた画像を圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録し、第2の連写を行う場合には再連写条件設定部403 において第2の連写時の撮像条件及び連写順を設定し、設定された第2の連写条件を撮像制御部110 に転送して連写を行い、第2の連写画像を順次圧縮部116 において圧縮してメモリーカード118 に記録するようになっている。
【0019】請求項3に係る電子スチルカメラは、上記動作説明のように、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、不適切な撮像に関連する撮像条件を判断し適切な撮像が行われるように条件を変えて自動的に連写を行う。そしてその後、連写された画像に基づき適切な撮像が行われたか否かを再度チェックし、不適切な撮像が行われた場合には再度の連写が行われる。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とが適応的に切り換えられ、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを実現することができる。また、ストロボ撮像などでは実際に連写を行った後に適切かどうかの判断をして再度の連写を行えるようになっているため、更に失敗の少ない撮影が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)次に、実施の形態について説明する。図1は本発明に係る電子スチルカメラの第1の実施の形態を示すブロック構成図で、この実施の形態は、請求項1に係る発明に対応するものである。この実施の形態に係る電子スチルカメラは、絞り101 を内包するレンズ系100 ,分光ハーフミラー系102 ,シャッター103 ,ローパスフィルタ104 ,CCD撮像素子105 が光軸に沿って配置されている。なお、本実施の形態ではCCD撮像素子105 として単板CCD撮像素子の使用を前提としている。分光ハーフミラー系102 から分岐した光束はAE用フォトセンサー107に導かれる。レンズ系100 には、合焦作業時にレンズ系の一部を移動するためのAFモーター108 が接続されている。また、撮像範囲をカバーするように配置されたストロボ109 が設けられている。CCD撮像素子105 からの信号は、A/D変換回路106 ,色分離回路111 ,プロセス回路112 ,マトリックス回路113 ,補間部114 を介して画像用バッファ115 へ入力されるようになっている。画像用バッファ115 からの出力は、JPEGなどの圧縮を行う圧縮部116 ,液晶表示部やモード設定ボタンからなる操作表示部119 ,連写判定部121 へ接続されている。圧縮部116 からの信号は、メモリカードI/F部117 を介して脱着可能なメモリカード118 へ入力されている。A/D変換器106 及びAE用フォトセンサー107からの信号は撮像条件設定部120 へ入力されており、撮像条件設定部120 からの信号は連写判定部121 と撮像制御部110 へ入力している。
【0021】連写判定部121 は、連写提示部112a,手ぶれ検出部121b,被写界深度検出部121c,合焦点精度検出部121d,逆光検出部121e,ストロボ有効性検出部121f,コントラスト検出部121g,適正露光検出部121hを内包し、操作表示部119 と連写条件設定部122 へ接続されている。連写条件設定部122 は、順序決定部122a,シャッター速設定部122b,被写界深度設定部122c,合焦位置設定部122d,露光量設定部122e,積算撮像設定部122f,ストロボ設定部122gを内包し、撮像制御部110 へ接続されている。撮像制御部110 は、絞り101 ,AFモーター108 ,シャッター103 ,ストロボ109 へ接続し、これらを制御するようになっている。
【0022】次に、このように構成されている第1の実施の形態の動作を、信号の流れに基づいて説明する。まず使用者が図示しないシャッターボタンを半押したり、あるいは電源スイッチをON状態にすることにより、撮像条件設定部120 において本撮像の撮像条件を決定するためのプリ撮像が行われる。撮像条件とは、シャッター速と絞り値、ストロボの発光量、合焦位置などの撮影時に要する各要素に対する設定値の組である。撮像条件を求める過程は、公知の技術によって行われる。例えば、露光量に関するシャッター速と絞り値は、レンズ系100 と分光ハーフミラー系102 を介して被写体の光量をAE用フォトセンサー107 にて測定した結果に基づき設定される。測定対象となる領域は、AE用フォトセンサー107 前に配置された図示しない絞り機能などから切り換え可能で、スポットや中央重点や平均測光などが測定される。なお、シャッター速と絞り値の組合せとしては、事前にその組合せを定めてあるプログラム方式や使用者が設定した絞り値にあわせてシャッター速を求める絞り優先方式などが選択できる。合焦位置は、CCD撮像素子105 からの出力信号をA/D変換回路106 にてデジタル信号化し、この単板状態の画像から低解像度の輝度信号を算出し、その輝度信号中のエッジ強度から求められる。すなわち、AFモーター108 にてレンズ系100 の合焦位置を段階的に変えることで、エッジ強度が最大となる合焦位置を推定する。ストロボの発光量は、被写体までの距離及び絞り値に基づき設定される。
【0023】撮像条件設定部120 にて撮像条件が設定されると、その情報は撮影制御部110に転送され、絞り101 ,シャッター103 ,AFモーター108 ,ストロボ109 の制御がなされて、プリ撮影が行われる。なお、ストロボ109 に関しては、発光量の制御信号が伝達されるだけで発光はしない。プリ撮影後のCCD撮像素子105 からの信号はA/D変換回路106 にてデジタル信号化され、色分離回路111 ,プロセス回路112 ,マトリックス回路113 ,補間部114 により公知のホワイトバランス、強調処理、補間処理などがなされた三板状態の画像信号として、画像用バッファ115 上に出力される。
【0024】連写判定部121 は、撮像条件設定部120 からの撮影条件又は画像用バッファ115 上のプリ撮影された画像に基づき、連写を行うかどうかの判断をする。連写の必要が無いと判断され、使用者がシャッターボタンを完全に押した場合、本撮像が行われる。これにより、撮像条件設定部120 で設定された条件で、プリ撮像と同様にして画像用バッファ115 上へ画像信号が出力される。本撮影の場合は、必要に応じてストロボ109 が発光する。画像用バッファ115 上の画像信号に対しては、公知のJPEGなどの圧縮処理が圧縮部116 にて行われ、メモリカードI/F部117 を介して脱着可能なメモリカード118 へ出力される。
【0025】連写判定部121 は、上記のように撮像条件設定部120 からのシャッター速と絞り値、ストロボの発光量、合焦位置などの撮像条件および撮影条件を求める過程の情報に基づき連写を行うかどうかの判断をする。また、必要に応じて画像用バッファ115 上の画像信号を用いても判断を行う。その判断は、連写判定部121 内にある手ぶれ検出部121b,被写界深度検出部121c,合焦点精度検出部121d,逆光検出部121e,ストロボ有効性検出部121f,コントラスト検出部121g,適正露光検出部121hで行われる。手ぶれ検出部121bは、撮像条件設定部120 からのシャッター速とレンズ系100 の焦点距離から手ぶれ限界となるシャッター速を、例えば焦点距離をmm単位で示したときの逆数などを用いて算出し、この手ぶれ限界以下のシャッター速の場合に連写の必要があると判断する。被写界深度検出部121cは、絞り値、合焦位置、レンズ系100 の焦点距離から有効な被写界深度を算出し、これが所定の基準値を下回る場合に連写の必要があると判断する。
【0026】また合焦点精度検出部121dは、撮像条件設定部120 にて合焦位置を求める過程で合焦位置を段階的に変えた場合のエッジ強度変化が急峻なピークを持つかどうかで判断を行う。これは、低コントラストの状況ではエッジ強度の変化が緩慢で、合焦位置の判断を誤る可能性が高いためである。すなわち、求められた合焦位置を中心とし、その前後の合焦位置の計3枚の画像のエッジ強度からエッジ強度の2組の微分値を求め、いずれか一方又は両方の微分値が所定の基準値を下回る場合に連写の必要があると判断する。逆光検出部121eは、撮像条件設定部120 がAE用フォトセンサー107 にて測定したスポットと平均測光の差異から中央部と周辺部のコントラスト比を求め、この比が基準値を上回る場合に連写の必要があると判断する。ストロボ有効性検出部121fは、撮像条件設定部120 が設定した絞り及び合焦位置から必要となる光量を求め、更に絞り値が開放でない場合は開放にした場合に必要となる光量を求め、この光量がストロボ109 の最大発光量を上回る場合に連写の必要があると判断する。
【0027】またコントラスト検出部121gは、画像用バッファ115 上の画像から所定値以上の輝度となる画素数を露光オーバー領域として、また所定以下の輝度となる画素数を露光アンダー領域として算出し、これらの値が所定の基準値を上回る場合に連写の必要があると判断する。また適正露光検出部121hにおいては、次のような処理が行われる。まず画像用バッファ115 上の画像から輝度信号のエッジ部に相当する画素のヒストグラム(横軸を輝度、縦軸を画素数とし、各輝度をもつ画素数をプロットしたもの)を求め、該ヒストグラムを平滑した後にピークを検出する。検出したピークについて、その大きさ(輝度)が所定の閾値以上のものを選択し、その個数をNとする。次いで、選択されたピークのうち最大のピークの輝度値P1と、最大のピーク値P1以外のピークの平均輝度値を求め、その平均値と最大ピーク値P1の比rを算出する。更に、画像の中央部の所定サイズの領域内の輝度平均値を算出し、最大ピーク値P1との差分dを求める。以上の処理の後、Nが所定の閾値以上で、且つdが所定の閾値以上又はrが所定の閾値以下である場合に、画面中央部以外に適正露光でない主要な被写体が複数あるものと判断して連写を行うようにする。この判定は、Nが大きい場合は画像内に色々な明るさの物体がある、rが小さい場合は複数の物体の画面内での面積比にあまり差がない、またdが大きい場合は画面内で最も広い面積を占める被写体が中央にない、という傾向に基づくものである。
【0028】そして連写の必要があると判断された場合、連写判定部121 内にある連写提示部121aは、使用者に対し連写の提示を、図示しないランプを点滅させたり、操作表示部119 の液晶表示部の特定領域に表示するなどで行う。また、この提示は連写が終了するまで行うこともできるし、連写を行う前は点滅で連写中は連続点灯でなどと、両者を切り換えて提示することも可能である。
【0029】連写条件設定部122 は、連写判定部121 にて連写の必要があると判断された場合、連写に関する撮像条件および連写順を決定する。連写に関する撮像条件は、連写条件設定部122 内にあるシャッター速設定部122b,被写界深度設定部122c,合焦位置設定部122d,露光量設定部122e,積算撮像設定部122f,ストロボ設定部122gで行われる。シャッター速設定部122bは、手ぶれ検出部121b,逆光検出部121e,コントラスト検出部121g,適正露光検出部121hからの情報を受け、露光量設定部122eに優先してシャッター速を定める。この設定は、手ぶれ検出部121bで求めた手ぶれ限界以上のシャッター速が基準となる。シャッター速設定部122bは、露光量の設定がプログラム方式の場合は手ぶれ限界以上のシャッター速を設定し、絞り優先方式の場合は使用者が定めた絞りに適合するシャッター速と手ぶれ限界以上のシャッター速を設定する。絞りを開放にした場合でも手ぶれ限界以上のシャッター速が設定できない場合は、絞りを開放にした場合のシャッター速を設定するものとする。被写界深度設定部122cは、被写界深度検出部121cからの情報を受け、撮像条件設定部120 からの絞り値に一段階づつ絞った絞り値を複数設定するか、合焦位置を現在の被写界深度単位で前後に移動した複数の合焦位置を設定する。
【0030】合焦位置設定部122dは、合焦点精度検出部121dからの情報を受け、撮像条件設定部120 からの合焦位置を中心として前後に所定の距離だけずらした複数の合焦位置を設定する。露光量設定部122eは、手ぶれ検出部121b,逆光検出部121e,コントラスト検出部121g,適正露光検出部121hからの情報を受け、撮像条件設定部120 からの露光量を中心として所定量ずらした複数の露光量を設定し、これに基づき露光量の設定がプログラム方式の場合はプログラムに従ったシャッター速と絞り値を求め、絞り優先方式の場合は使用者が定めた絞りを固定してシャッター速のみを求める。この場合、シャッター速は手ぶれ検出部121bで求めた手ぶれ限界以上のシャッター速が基準となり、これ以下のシャッター速が必要になる場合には、絞り値の調整やストロボの使用を選択する。但し、絞り優先モードの場合は使用者の意図を考慮して、手ぶれ限界以下のシャッター速であっても使用者が定めた絞りに対応するシャッター速を連写条件の一つに含める。積算撮像設定部122fは、ストロボ有効性検出部121fからの情報を受け、撮像条件設定部120 からの絞り値を開放へ変更し、手ぶれ限界以上のシャッター速での所定回の連写を設定する。ストロボ設定部122gは、逆光検出部121e,ストロボ有効性検出部121f,コントラスト検出部121g,適正露光検出部121hからの情報を受け、ストロボ撮像を行う場合にはストロボ発光を行わない撮像も合わせて設定する。
【0031】上記の連写に関する撮像条件は、おのおの単独に行われることも可能であるし、複数の条件を組み合わせることも可能である。順序決定部122aは、設定された条件又は組合せ可能な複数の条件を求め、撮像条件に関する各要素の設定値を昇順又は降順になるよう配置する。例えば、被写界深度検出部121cから3通りの合焦位置と、露光量設定部122eから3通りの絞り値が設定されたとすると、計3×3=9通りの撮像条件で撮像を行う必要がある。その際、合焦位置及び絞り値は予め昇順又は降順になるよう組み合わされ、連写時の撮像条件の変化が最小になるように設定される。
【0032】上記のように連写判定部121 において連写の必要があると判断されると、使用者に対して連写の提示が行われ、連写条件設定部122 により連写に関する撮像条件及び連写順が設定される。その後、使用者がシャッターボタンを完全に押すと、連写条件設定部122 は撮像制御部110 に設定された順序で連写に関する撮像条件を撮像制御部110 に転送し、一枚撮像と同様にして、連写画像が画像用バッファ115 上へ順次出力される。画像用バッファ115 上の連写画像は、圧縮されたのちに順次メモリーカード118 に保存される。
【0033】以上の動作により、使用者がシャッターを半押しした段階で失敗画像を生成する可能性があるかどうかが連写判定部121 で判断され、失敗の可能性がある場合は、失敗が生じないような複数の撮像条件が連写条件設定部122 にて設定される。また、使用者には予め連写されることが提示され、使用者の確認を待って連写が行われる。このため、現在のアングルが失敗を招く可能性のある場合でも、使用者はモード切り換えやアングル変更などの煩雑な操作をする必要が無く、シャッターを押すだけで失敗を最小限にする撮像条件での複数枚撮像が行われる。更に、連写時に撮像条件の順番が最適化されるので消費電力も最小に抑えられる。すなわち、例えば焦点距離を複数変えて撮影するとき、遠方と近景をランダムに行き来しながら撮影するよりも、一方向に変えて撮影する方がAFモータの使用量が減り、消費電力を低減することができることになり、また絞りなどの変更の場合も同様である。また、連写する場合は使用者に提示されるため、連写中に使用者がカメラを動かして連写そのものが失敗する可能性が少なくなる。また、撮影の条件設定にかかる時間が減少して連写全体の時間が少なくなるという利点も得られる。
【0034】また連写画像に関しては、撮影後使用者が自由に選択することも可能であるし、パーソナルコンピュータに転送して合成処理などを行うことも可能である。本実施の形態には様々な変形、変更が可能である。連写判定部121 における連写決定の方法及び連写条件設定部122 における連写条件の設定法は、他の方式でも可能である。例えば、絞り値の決定に際して中央部に肌色領域があるかどうかを判断し、ある場合はポートレート撮影と判断して、絞りを開放方向にする設定がある。これにより、背景部のぼけた好ましいポートレート画像を得ることができる。
【0035】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態について説明する。図2は第2の実施の形態を示すブロック構成図で、図1に示した第1の実施の形態と基本構成は同等であり、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して示している。以下は第1の実施の形態と異なる構成部に関して説明する。補間部114 からの出力は、切換部200 を介して画像用バッファ115 と連写用バッファ201 へ接続している。切換部200 は、連写判定部121 からの入力を受けるようになっている。連写用バッファ201 の出力は、選択合成部202 と操作表示部119 へと接続している。選択合成部202 は、広ダイナミックレンジ画像合成部202a,積算部202b,撮像条件指定部202c,提示部202dを内包し、操作表示部119 からの入力を受け、操作表示部119並びに圧縮部116 へ出力を行うように構成されている。
【0036】次に、このように構成されている第2の実施の形態の動作を、信号の流れに基づいて説明する。なお、図1に示した第1の実施の形態と同一の動作の説明は省略する。使用者が図示しないシャッターボタンを半押したり電源スイッチをON状態にすることで、撮像条件設定部120 において本撮像の撮像条件を決定するためのプリ撮像が行われる。プリ撮像時には、切換部200 の出力は画像用バッファ115 に入力される。そして第1の実施の形態と同様に連写判定部121 にて連写の必要性が判断される。そこで連写の必要が無いと判断され、使用者がシャッターボタンを完全に押した場合、撮像条件設定部120 に設定された撮像条件で画像が撮影され、メモリカード118 へ出力される。一方、連写の必要があると判断された場合、使用者に対して連写の提示が行われ、連写条件設定部122 にて連写に関する撮像条件及び連写順が設定される。連写判定部121 は、このとき切換部200の出力を連写用バッファ201 に切り換える。第1の実施の形態と同様に連写が行われて、連写画像は一時的に連写用バッファ201 上に保存される。
【0037】連写判定部121 の被写界深度検出部121c,合焦点精度検出部121dの判定に基づき連写が行われる場合、連写条件設定部122 により設定される条件には、合焦位置を段階的に変化させる連写条件が含まれる。すなわち、連写用バッファ201 上に保存される連写画像は、異なる合焦位置の画像群となる。使用者は、これらの画像群から適切な合焦位置の画像を選択することができる。この操作は、選択合成部202 内の撮像条件指定部202c,提示部202d及び操作表示部119 を用いて行われる。
【0038】図3は、操作表示部119 の具体的な構成を示す一例である。操作表示部119 には、液晶表示部301 ,液晶表示部ON/OFFスイッチ302 ,カード/連写スイッチ303 ,明るさ調整ボタン304a, 304b,合焦位置調整ボタン305a,305b,ぼけ調整ボタン306a,306b,画像送りボタン307a,307b,選択スイッチ308 が設けられている。
【0039】使用者は、連写の終了後、液晶表示部ON/OFFスイッチ302 をONにすることで液晶表示を可能とし、カード/連写スイッチ303 を連写に切り換えることで、連写用バッファ201 上の連写画像を液晶表示部301 へ転送表示する。最初に表示する場合は、撮像条件指定部202cは連写された合焦位置の中間に位置する画像を選択し、提示部202dを介して液晶表示部301 へ転送する。提示されている画像の合焦位置よりも遠方に合焦位置を移動したいときはプラス(+)の合焦位置調整ボタン304aを、近景に移動したいときはマイナス(−)の合焦位置調整ボタン304aを押すことで、対応する画像を撮像条件指定部202cが選択し、提示部202dを介して液晶表示部301 へ転送する。この時、液晶表示部301 の特定領域に合焦位置を数字で表示することも可能である。また、撮影順に画像を表示させたいときは、画像送りボタン307a, 307bを用いることで行える。適切と思われる画像が表示されたとき、選択スイッチ308 を押すことで撮像条件指定部202cに信号が送信される。撮像条件指定部202cは、その時点で提示部202dが選択している画像を圧縮部116 へ転送する。この後は、通常の一枚撮影と同様に圧縮画像がメモリーカード118 に記録される。
【0040】連写判定部121 の逆光検出部121e,適正露光検出部121hの判定に基づき連写が行われる場合、連写条件設定部122 において設定される条件には、露光量を段階的に変化させる連写条件が含まれる。すなわち、連写用バッファ201 上に保存される連写画像は、異なる露光量の画像群となる。使用者は、これらの画像群から適切な露光量の画像を選択することができる。この操作は、撮像条件指定部202c,提示部202d及び明るさ調整ボタン304a,304bを用いて、液晶表示部301 に表示されている画像より適切な画像を選択することで行われる。また、露光量の異なる二枚の画像を所定の比率で合成した画像を生成することも可能である。この操作は、選択合成部202 内の広ダイナミックレンジ画像合成部202a及び操作表示部119 を用いて行われる。この操作は、明るさ調整ボタン304a,304bを用いて明暗に関する合成比率を変化させ、広ダイナミックレンジ画像合成部202aに伝える。広ダイナミックレンジ画像合成部202aは指定された比率で合成した画像を生成し、液晶表示部301 に表示する。上記合成処理を使用者が満足するまで反復し、選択スイッチ308 を押すことで処理が終了し圧縮部116 へ転送する。この後は、通常の一枚撮影と同様に圧縮画像がメモリーカード118 に記録される。
【0041】連写判定部121 の被写界深度検出部121cの判定に基づき連写が行われる場合、連写条件設定部122 において設定される条件には、絞り値を段階的に変化させる連写条件が含まれる。すなわち、連写用バッファ201 上に保存される連写画像は、異なる絞り値の画像群となる。使用者は、これらの画像群から適切なぼけ量の画像を選択することができる。この操作は、撮像条件指定部202c,提示部202d及びぼけ調整ボタン306a,306bを用いて液晶表示部301 に表示されている画像より選択できる。また、撮像画像にない中間的なぼけ画像をぼけ調整ボタン306a,306bを用いて指定することも可能で、この場合は撮像条件指定部202cからの条件を提示部202dに受け、提示部202dが指定されたぼけ画像に類似する前後二枚の画像を合成する。
【0042】連写判定部121 のストロボ有効性検出部121fの判定に基づき連写が行われる場合、連写条件設定部122 において設定される条件には、手ぶれ限界シャッター速での連写条件が含まれる。すなわち、連写用バッファ201 上に保存される連写画像は、手ぶれ限界でのシャッター速で撮像した画像群となる。この画像群はストロボを使用していないため暗い画像となる。選択合成部202 内の積算部202bは、連写画像を積算することでノイズの少ない明るい画像を得る。この画像は、圧縮部116 へ転送する。この後は、通常の一枚撮影と同様に圧縮画像がメモリーカード118 に記録される。また、上記積算時に、連写した場合に得られる複数画像間の位置ずれを公知の動き補償技術で補正して合成することも可能である。
【0043】以上の動作により、使用者がシャッターを半押しした段階で失敗画像を生成する可能性があるかどうかが連写判定部121 で判断され、失敗の可能性がある場合は、失敗が生じないような複数の撮像条件が連写条件設定部122 にて計算され、最適な連写条件と連写順で連写が行なわれる。連写された画像は選択合成部202により条件に応じて適切な合成、選択処理がされる。このため、現在のアングルが失敗を招く可能性のあるものでも、使用者はモード切り換えやアングル変更などの煩雑な操作をする必要が無く、シャッターを押すだけで失敗が最小限で済む画像が得られる。更に、この実施の形態では、被写体が暗いがストロボが有効でない場合には、シャッター速を速めて連写した画像を積算することで手ぶれを防ぐと共に、ノイズを増加することなく感度を向上できるため、ストロボを使用しなくとも画質の高い画像が得られる。記録媒体の容量消費についても、第1の実施の形態に対し、合成選択部210 で使用者が選択した最適な画像だけが記録媒体110 に記録されるので、少なくて済む。
【0044】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態について説明する。図4は第3の実施の形態を示すブロック構成図で、図1に示した第1の実施の形態と基本構成は同等であり、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付して示している。以下は第1の実施の形態と異なる構成部に関して説明する。補間部114 からの出力は、切換部400 を介して画像用バッファ115 と連写用バッファ401 へ接続している。切換部400 は、連写判定部121 からの入力を受けるようになっている。連写用バッファ401 の出力は、再連写判定部402 ,圧縮部116 及び操作表示部119 へ入力されている。再連写判定部402 は、色彩変化検出部402a,正反射検出部402b及びストロボコントラスト検出部402cを内包し、連写判定部121 及び連写用バッファ401の入力を受け、再連写条件設定部403 に出力する。再連写条件設定部403 は、ストロボ連続撮像設定部403a,ストロボ照射角設定部403b及びストロボ発光量設定部403cを内包し、撮像制御部110 に出力する。また、ストロボ109 とは異なる方向から撮像範囲をカバーするよう配置された第2のストロボ404 が設けられており、撮像制御部110 からの入力を受けるようになっている。
【0045】次に、このように構成されている第3の実施の形態の動作を、信号の流れに基づいて説明する。なお、図1に示す第1の実施の形態と同一の動作の説明は省略する。使用者が図示しないシャッターボタンを半押したり電源スイッチをON状態にすることで、撮像条件設定部120 において本撮像の撮像条件を決定するためのプリ撮像が行われる。プリ撮像時には、切換部400 の出力は画像用バッファ115 に入力される。第1の実施の形態と同様に連写判定部121 において連写の必要性が判断される。そこで連写の必要が無いと判断され、使用者がシャッターボタンを完全に押した場合、撮像条件設定部120 に設定された撮像条件で画像が撮影され、メモリカード118 へ出力される。
【0046】一方、連写の必要があると判断された場合、操作表示部119 を通じて使用者に連写の提示をし、切換部400 の出力を連写用バッファ401 に入力設定する。以後は、本実施の形態に関連するストロボ撮像に限定して説明を行う。連写条件設定部122 では、ストロボ設定部122gにより一枚はストロボ無しで、もう一枚はストロボ109 を使用して二枚連写を行うように、撮像制御部110 の撮像条件が設定される。ストロボ発光量は撮像条件設定部120 で設定された値とする。その後、使用者がシャッターボタンを完全に押すと、連写条件設定部122 は撮像制御部110に設定された順序で連写に関する撮像条件を撮像制御部110 に転送し、連写画像が連写用バッファ401 上へ順次出力される。
【0047】連写用バッファ401 に二枚の連写画像が書き込まれた後、再連写判定部402 はストロボ撮像した画像に画質上の問題があるかどうかを調べる。問題とは例えば白とび、黒つぶれ、正反射の有無や閉じた目などであり、再連写判定部402 内の色彩変化検出部402a, 正反射検出部402b及びストロボコントラスト検出部402cにより、その有無が検出される。
【0048】ストロボコントラスト検出部402cは、連写用バッファ401 内のストロボ使用画像を読み出して中央付近の所定サイズのブロックの輝度平均値を調べ、所定の範囲を上まわっている場合は白とび、下まわっている場合は黒潰れがあると判断する。一方、正反射検出部402b及び色彩変化検出部402aは、連写用バッファ401 内の二枚の画像の露出量の差を補正した後で、ストロボ使用画像からストロボ不使用画像を減算して、ストロボのみを照明光とするストロボ光のみの画像を得、このストロボ光のみの画像とストロボ不使用画像を比較することで、それぞれ正反射と閉じた目などを検出する。正反射検出部402bでは、ストロボ光のみの画像で飽和レベルにあり且つストロボ不使用画像で所定の閾値以下の明るさとなる連結領域が、所定の値以上の面積を占めた場合に、正反射を検出したと判断する。色彩変化検出部402aでは、ストロボ光のみの画像とストロボ不使用画像における照明光との色温度差を、ホワイトバランスをとりなおして補正し、ストロボ光のみの画像において所定の閾値以上の明るさを持つ画素のうち、色相がストロボ不使用画像と所定の値以上異なっている部分の面積に基づき、閉じた目や赤目の有無を判定する。
【0049】再連写判定部402 により画質上の問題が検出されなかった場合、連写用バッファ401 内のストロボ使用画像が圧縮部116 に転送され、一枚撮像と同様にして、メモリーカード118 に保存される。
【0050】一方、画質上の問題が検出された場合、再連写条件設定部403 は再度ストロボ撮像を行う条件を設定する。条件の設定は、検出された問題に応じてストロボ連続撮像設定部403a、ストロボ照射角設定部403b及びストロボ発光量設定部403cにより行われる。ストロボコントラスト検出部402cにより白とびが検出された場合、ストロボ発光量設定部403cがストロボ発光量を少ない方に数段階変化させた撮像条件を設定する。ストロボコントラスト検出部402cにより黒潰れが検出された場合は、同じくストロボ発光量設定部403cが逆にストロボ発光量を多い方に数段階変化させた撮像条件を設定する。いずれの場合も、ストロボ光源としては2つのストロボ404 ,109 を交互に用いる。正反射検出部402bにより正反射が検出された場合は、ストロボ照射角設定部403bにより、光源には第2のストロボ404 を用い、ストロボ発光量は少ない方に1段階変化させた撮像条件が設定される。色彩変化検出部402aにより閉じた目等が検出された場合、ストロボ連続撮像設定部403aにより、ストロボ発光量は前回と同じ設定で予め定められた複数枚数の連写を行う撮像条件が設定される。このように設定された撮像条件は直ちに撮像制御部110 に伝達される。撮像制御部110 は指定された撮像条件で連写を行い、連写用バッファ401 に順次連写された画像が書き込まれる。書き込まれた各画像は圧縮部116 に転送された後、メモリーカード118 に保存される。
【0051】以上の動作により、使用者がシャッターを半押しした段階で、ストロボ使用が有効かどうかが連写判定部121 で判定され、有効である場合にはストロボ撮像で失敗が生じたかどうか判断できるように、連写条件設定部122 でストロボ使用と不使用の2条件が設定されて連写が行われる。そして、ストロボ撮像した画像に問題があるかどうか再連写判定部402 により判定され、問題がある場合は問題を緩和するような発光条件が再連写条件設定部403 により設定されて、再度ストロボ撮像が行われる。このため、失敗の多いストロボ撮影時でもシャッターを押すだけで、失敗を最小限とする画像が得られる。
【0052】なお、この実施の形態においても様々な変形、変更が可能である。例えばストロボが有効な場合に行うストロボ不使用の撮像は一回に限る必要はなく、複数回撮像して積算すると、ストロボ不使用画像のノイズを合成段階で低減させることができる。再連写条件設定部403 によるストロボの再発光についても、ストロボを複数設けなくても、照射角度をコントロールできるストロボを用いて、照射角度を変えて撮像する方法で行うことができる。また、第2の実施の形態のように複数枚撮像した結果を選択合成する選択合成部を設けてもよい。この場合、選択合成で、ストロボ不使用画像にゲインを変えたストロボのみの画像を加算して合成を行うと、擬似的にストロボ光量を変えた画像が生成できる。操作表示部119に第2の実施の形態における明るさ調整ボタン304a,b に類似のインターフェースを設けて、ゲインを使用者が可変できるようにすると、使用者の好みのストロボ光量の画像が選択できる。
【0053】以上、本発明に係る電子スチルカメラの実施の形態について説明したが、次に請求項1〜3に示した特徴とする構成以外の本発明の特徴とする構成を、特徴構成4〜28として列挙する。なお、特徴とする構成と共にその構成に対応する実施の形態の構成部分、及びその構成に基づく作用効果をまとめて示す。
【0054】(特徴構成4)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写判定手段、又は請求項3における第1の連写判定手段が、連写を行うものと決定した場合に連写を行うことおよび連写中であることを使用者に提示する連写提示手段を有していることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写提示手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写提示部121aが該当する。そして、この連写提示部121aを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件または撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写提示部121aが使用者に対し連写の提示を行うようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において連写を行う必要が生じた場合に、連写を行う前に使用者に対して連写の提示を行う。したがって、連写時のカメラ移動を防止することができ、連写撮像自体の失敗を低減する電子スチルカメラを提供することができる。
(特徴構成5)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写判定手段、又は請求項3における第1の連写判定手段が、前記撮像条件設定手段により設定された撮像条件において所定の基準値を逸脱する撮像条件を検出する検出手段を有し、該検出手段により検出された撮像条件に基づいて連写を実行するか否かの判定を行うことを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の検出手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における手ぶれ検出部121b,被写界深度検出部121c,合焦点精度検出部121d,逆光検出部121e,ストロボ有効性検出部121f,コントラスト検出部121g,適正露光検出部121hが該当する。そして、これらの検出部121b〜121hを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、連写判定部121 において設定された撮像条件又は撮像した画像から所定の基準値を逸脱する撮像条件を検出して、連写を行うか否かの判定を行うようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像を用いて予め定められた基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換えることで、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供できる。また、無駄な連写を行わないため、記憶媒体の最適な使用も可能となる。
【0055】(特徴構成6)この特徴構成は、前記特徴構成5における検出手段が、シャッター速及びレンズの焦点距離から手ぶれ限界の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の検出手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内の手ぶれ検出部121bが該当する。そして、この手ぶれ検出部121bを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像に関するシャッター速やレンズの焦点距離などの撮像条件を撮像条件設定部120 において設定し、連写判定部121 内の手ぶれ検出部121bにて上記設定されたシャッター速及びレンズの焦点距離から手ぶれに関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、設定されたシャッター速およびレンズの焦点距離を用いて予め定められた手ぶれに関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時に手ぶれのおこる可能性を検出することで、手ぶれによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供できる。
【0056】(特徴構成7)この特徴構成は、前記特徴構成5における検出手段が、絞り値及び合焦位置及びレンズの焦点距離から被写界深度の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の検出手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内の被写界深度検出部121cが該当する。この被写界深度検出部121cを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像に関する絞り値、合焦位置、レンズの焦点距離などの撮像条件を撮像条件設定部120 において設定し、連写判定部121 内の被写界深度検出部121cにおいて、上記設定された絞り値及び合焦位置及びレンズの焦点距離から被写界深度に関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、設定された絞り値及び合焦位置及びレンズの焦点距離を用いて予め定められた被写界深度に関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時に被写界深度が浅いことに起因するぼけの可能性を検出することで、ぼけによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供できる。
(特徴構成8)この特徴構成は、前記特徴構成5における検出手段が、画像中心部のコントラストから合焦精度の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の検出手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内の合焦点精度検出部121dが該当する。そして、この合焦点精度検出部121dを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像に関する撮像条件を撮像条件設定部120 において設定し、連写判定部121 内の合焦点精度検出部121dにおいて画像中心部のコントラストから合焦精度に関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、合焦位置を求める過程で使用した画像中心部のコントラストを用いて予め定められた合焦精度に関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時に画像中心部のコントラストが低いことに起因する合焦ずれの可能性を検出することで、合焦ずれによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供できる。
【0057】(特徴構成9)この特徴構成は、前記特徴構成5における検出手段が、画像全体のコントラストから逆光時の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の検出手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内の逆光検出部121eが該当する。そして、この逆光検出部121eを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像に関する撮像条件を撮像条件設定部120 において設定し、連写判定部121 内の逆光検出部121eにおいて画像中心部と周辺部のコントラストを求め、このコントラストから逆光に関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、露光量を求める過程で使用した画像中心部と周辺部との露光量比を用いて予め定められた逆光に関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時に逆光の可能性を検出することで、露出オーバー又は露出アンダーによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供できる
【0058】(特徴構成10)この特徴構成は、前記特徴構成5における検出手段が、絞り値及び合焦位置及びストロボの最大発光量からストロボの有効性の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の検出手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内のストロボ有効性検出部121fが該当する。そして、このストロボ有効性検出部121fを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像に関する絞り値、合焦位置、ストロボ最大発光量などの撮像条件を撮像条件設定部120 において設定し、連写判定部121 内のストロボ有効性検出部121fにおいて、上記設定された絞り値及び合焦位置及びストロボの最大発光量から、ストロボの有効性に関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、設定された絞り値及び合焦位置及びストロボの最大発光量から予め定められたストロボの有効性に関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時にストロボの有効範囲を逸脱する可能性を検出することで、ストロボの光量不足による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0059】(特徴構成11)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写判定手段、又は請求項3における第1の連写判定手段が、前記撮像条件設定手段により設定された撮影条件にて撮像された画像中の露光オーバー及び露光アンダーの面積がコントラストの基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写判定手段又は第1の連写判定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内のコントラスト検出部121gが該当する。そして、このコントラスト検出部121gを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、撮像した画像から連写判定部121 内のコントラスト検出部121gにおいて露光オーバー及び露光アンダーの面積がコントラストに関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、撮像された画像を用いて露光オーバー及び露光アンダーの面積を求め、この割合が予め定められたコントラストに関する基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時に露光オーバー及び露光アンダーの面積を検出することで、被写体の白飛びや黒潰れの失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0060】(特徴構成12)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写判定手段、又は請求項3における第1の連写判定手段が、前記撮像条件設定手段により設定された撮像条件にて撮像された画像における輝度ヒストグラムのピーク数及び大きさが適正露光の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写判定手段又は第1の連写判定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写判定部121 内の適正露光検出部121hが該当する。そして、この適正露光検出部121hを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、撮像した画像から連写判定部121 内の適正露光検出部121hにて輝度ヒストグラムのピーク数及び大きさが適正露光に関する基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、撮像された画像を用いて輝度ヒストグラムのピーク数及び大きさを求め、これが予め定められた適正露光に関する基準値を逸脱する場合に連写の判定を行う。したがって、撮影時に輝度ヒストグラムのピーク数及び大きさを検出することで、不適切な露光による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0061】(特徴構成13)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写条件設定手段、又は請求項3における第1の連写条件設定手段が、連写間の撮像条件の変化が最も小さくなるように撮影順を決定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写条件設定手段又は第1の連写条件設定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写条件設定部122 内の順序決定部122aが該当する。そして、この順序決定部122aを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内の順序決定部122aにより連写時の撮像条件の変化が最小となるように連写順が設定されるようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件の変化が最小となるよう連写の順序を定める。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、且つ連写時の撮像変化が最小となるように設定するため、連写自体が高速に行われ使用者に負担とならい撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0062】(特徴構成14)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写条件設定手段、又は請求項3における第1の連写条件設定手段が、手ぶれ限界の基準値に基づき、基準値以上の高速なシャッター速を設定するシャッター速設定手段を有することを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成のシャッター速設定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写条件設定部122 内のシャッター速設定部122bが該当する。そして、このシャッター速設定部122bを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内のシャッター速設定部122bにおいて手ぶれ限界以上の高速シャッター速又は絞り開放値で設定できるシャッター速で連写を行うよう連写時の撮像条件を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件として可能な限り手ぶれ限界以上シャッター速を設定する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、且つ連写時のシャッター速を手ぶれ限界以上に設定するために、手ぶれによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0063】(特徴構成15)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写条件設定手段、又は請求項3における第1の連写条件設定手段が、被写界深度の基準値に基づき、前記撮像条件設定手段により設定された絞り値より大なる複数の絞り値を設定するか、又は前記撮像条件設定手段により設定された合焦位置を中心に現在の被写界深度を1単位として合焦位置を前後に1単位づつずらした複数の合焦位置を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写条件設定手段又は第1の連写条件設定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写条件設定部122 内の被写界深度設定部122cが該当する。そして、この被写界深度設定部122cを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内の被写界深度設定部122cにおいて一段階づつ絞った絞り値を複数設定するか、又は合焦位置を現在の被写界深度を1単位として前後に1単位づつ移動した複数の合焦位置を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件として所定の被写界深度が得られるような絞り値又は合焦位置を移動した撮像条件を設定する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、且つ連写時に所定の基準値以上の被写界深度になる撮像条件又は合焦位置を移動した撮像条件を設定するために、ぼけによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0064】(特徴構成16)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写条件設定手段、又は請求項3における第1の連写条件設定手段が、合焦精度の基準値に基づき、前記撮像条件設定手段により設定された合焦位置を中心に前後に所定距離変化させた複数の合焦位置を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写条件設定手段又は第1の連写条件設定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写条件設定部122 内の合焦位置設定部122dが該当する。そして、この合焦位置設定部122dを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内の合焦位置設定部122dにより前後に所定の距離だけずらした複数の合焦位置を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件として所定の距離だけずらした複数の合焦位置を設定する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、且つ連写時に所定の距離だけずらした複数の合焦位置を設定するために、合焦ずれによる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0065】(特徴構成17)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写条件設定手段、又は請求項3における第1の連写条件設定手段が、逆光時の基準値又はコントラストの基準値に基づき、前記撮像条件設定手段が設定した露光量を中心に前後に所定量変化させた複数の露光量を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写条件設定手段又は第1の連写条件設定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写条件設定部122 内の露光量設定部122eが該当する。そして、この露光量設定部122eを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内の露光量設定部122eにより前後に所定量ずらした複数の露光量を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件または撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件として所定量ずらした複数の露光量を設定する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、且つ連写時に所定量ずらした複数の露光量を設定するために、不適切な露光量による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0066】(特徴構成18)この特徴構成は、前記請求項1又は2における連写条件設定手段、又は請求項3における第1の連写条件設定手段が、ストロボ使用時の有効性の基準値に基づき、ストロボを使用しない場合の手ぶれ限界シャッター速で複数枚の撮像を行うように設定することを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の連写条件設定手段又は第1の連写条件設定手段には、図1〜図4に示されている第1〜第3の実施の形態における連写条件設定部122 内の積算撮像設定部122fが該当する。そして、この積算撮像設定部122fを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内の積算撮像設定部122fによって絞り値を開放とし手ぶれ限界以上のシャッター速での所定回の連写を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件として絞り値を開放とし手ぶれ限界以上のシャッター速での所定回の連写を設定する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、且つ連写時に絞り値を開放とし手ぶれ限界以上のシャッター速での所定回の連写を設定するために、ストロボの光量不足よる失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0067】(特徴構成19)この特徴構成は、前記請求項2における選択合成手段が、前記連写設定手段により設定された撮像条件で得られた複数枚の画像の露光量を補正して広ダイナミックレンジ画像を生成し、前記広ダイナミックレンジ画像の輝度ヒストグラムのピークを求め、前記ピーク位置が適正露光となる画像を前記広ダイナミックレンジ画像から合成するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の選択合成手段には、図2及び図3に示されている第2の実施の形態における選択合成部202 内の広ダイナミックレンジ画像合成部202aが該当する。そして、この広ダイナミックレンジ画像合成部202aを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ201 に保存し、連写終了後に連写用バッファ201 上の連写画像を広ダイナミックレンジ画像合成部202aにより合成することで広ダイナミックレンジ画像を生成するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この後、連写された複数枚の画像を合成することで、一枚の広ダイナミックレンジ画像を生成する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、連写された複数枚の画像を合成することで、被写体の白飛びや黒潰れのなどの失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0068】(特徴構成20)この特徴構成は、前記請求項2における選択合成手段が、前記連写設定手段により設定された撮像条件で得られた複数枚画像を重み付け積算して一枚の画像を生成するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の選択合成手段には、図2及び図3に示されている第2の実施の形態における選択合成部202 内の積算部202bが該当する。そして、この積算部202bを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ201 に保存し、連写終了後に連写用バッファ201 上の連写画像を積算部202bにより積算することで、ノイズの少ない適正露光の画像を生成するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この後、連写された複数枚の画像を重み付け積算することで、一枚の適正露光の画像を生成する。したがって、ストロボの光量が不足する撮影時に連写撮像を重み付け積算することで、ストロボを使用しないでも適正露光の撮像を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0069】(特徴構成21)この特徴構成は、前記請求項2における選択合成手段が、前記連写設定手段により設定された撮像条件に関して、使用者にその撮像条件を任意に指定可能とする撮像条件指定手段と、前記撮像条件指定手段に指定された撮像条件に最も近い撮像条件の画像を撮像された画像から選択ないし合成して画像提示手段に提示する提示手段とを有することを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の選択合成手段における撮像条件指定手段には、第2図及び図3に示されている第2の実施の形態における選択合成部202 内の撮像条件指定部202c及び操作表示部119 内の明るさ調整ボタン304a,304b,合焦位置調整ボタン305a,305b,ぼけ調整ボタン306a,306bが該当する。また選択合成手段における提示手段には、選択合成部202 内の提示部202d及び操作表示部119 内の液晶表示部301 が該当する。そして、この選択合成部202 を備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件又は撮像した画像から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ201 に保存し、連写終了後に連写用バッファ201 上の連写画像を撮像条件指定部202c,明るさ調整ボタン304a,304b,合焦位置調整ボタン305a,305b,ぼけ調整ボタン306a,306bにて連写時の撮影条件に基づき選択又は合成条件を設定し、提示部202dにて選択合成するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件または撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この後、連写された複数枚のから使用者の希望する画像を選択又は合成する。したがって、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像を適応的に切り換え、連写された複数枚の画像から使用者の希望に沿った画像を選択または合成することで、意図しない撮影を行う失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0070】(特徴構成22)この特徴構成は、前記請求項3における第1の連写条件設定手段が、ストロボ使用時の有効性の基準値に基づき、ストロボを使用する場合はストロボを使用しない撮像を含めた複数枚撮像を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の第1の連写条件設定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における連写条件設定部122 内のストロボ設定部122gが該当する。そして、このストロボ設定部122gを備えた電子スチルカメラにおいて、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 内のストロボ設定部122gにてストロボを使用しない撮像を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。この時、連写の撮像条件としてストロボ撮像とストロボを使用しない撮像の連写を設定する。したがって、ストロボ撮影時にストロボを使用しない撮像が行われるため、両者の差からストロボ撮像よる失敗を検出することが可能となり、ストロボ撮像による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0071】(特徴構成23)この特徴構成は、前記請求項3における第2の連写判定手段が、前記連写設定手段により設定された撮像条件で撮像された複数枚画像間の色彩変化が色彩変化の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の第2の連写判定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における再連写判定部402 内の色彩変化検出部402aが該当する。そして、この色彩変化検出部402aを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ401 に保存し、連写終了後に連写用バッファ401 上の連写画像に基づき再連写判定部402 内の色彩変化検出部402aにおいて連写画像間の色彩変化が色彩変化の基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。その後、連写された画像間における色彩変化を用いて予め定められた色彩変化に関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に再度の連写の判定を行う。したがって、ストロボ撮影時にストロボを使用しない画像との差から赤目現象や目を閉じてしまうケースを検出することで、ストロボ撮像による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0072】(特徴構成24)この特徴構成は、前記請求項3における第2の連写判定手段が、前記連写設定手段により設定された撮像条件で撮像された複数枚画像間の輝度変化が正反射の基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態構成)この特徴構成の第2の連写判定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における再連写判定部402 内の正反射検出部402bが該当する。そして、この正反射検出部402bを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ401 に保存し、連写終了後に連写用バッファ401 上の連写画像に基づき、再連写判定部402 内の正反射検出部402bにおいて連写画像間の輝度変化が正反射の基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。その後、連写された画像間における輝度変化を用いて予め定められた正反射に関する基準値との比較を行い、基準値を逸脱する場合に再度の連写の判定を行う。したがって、ストロボ撮影時にストロボを使用しない画像との差から想定外の正反射領域を検出することで、ストロボ撮像による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0073】(特徴構成25)この特徴構成は、前記請求項3における第2の連写条件設定手段が、色彩変化の基準値に基づき、複数のストロボ撮像を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の第2の連写条件設定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における再連写条件設定部403 内のストロボ連続撮像設定部403aが該当する。そして、このストロボ連続撮像設定部403aを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像に基づき再連写判定部402 において再度の連写を行うか否かの判定をし、再度の連写を行う場合には再連写条件設定部403 内のストロボ連続撮像設定部403aにおいてストロボを用いた連写撮像を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。その後、連写された画像から適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に再度の連写を行う。この時、再度の連写の撮像条件としてストロボ撮像の連写を設定する。したがって、ストロボ撮影時に最初の連写画像から不適切な撮像と判断された場合に再度のストロボ撮像が行われるため、ストロボ撮像による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0074】(特徴構成26)この特徴構成は、前記請求項3における第2の連写条件設定手段が、正反射の基準値に基づき、複数のストロボ照射角を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の第2の連写条件設定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における再連写条件設定部403 内のストロボ照射角設定部403bが該当する。そして、このストロボ照射角設定部403bを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像に基づき再連写判定部402 において再度の連写を行うか否かの判定をし、再度の連写を行う場合には再連写条件設定部403 内のストロボ照射角設定部403bにて異なる照射角のストロボを用いた連写撮像を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。その後、連写された画像から適切な画像が得られな可能性がある場合、自動的に再度の連写を行う。この時、再度の連写の撮像条件として照射角の異なるストロボ撮像の連写を設定する。したがって、ストロボ撮影時に最初の連写画像から不適切な撮像と判断された場合に照射角の異なる再度のストロボ撮像が行われるため、ストロボ撮像による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0075】(特徴構成27)この特徴構成は、前記請求項3における第2の連写判定手段が、前記連写設定手段の設定した撮影条件のうちストロボを使用する撮像条件で得られた画像において露光オーバー及び露光アンダーの面積がコントラストの基準値を逸脱するか否かを検出するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の第2の連写判定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における再連写判定部402 内のストロボコントラスト検出部402cが該当する。そして、このストロボコントラスト検出部402cを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像を順次連写用バッファ401 に保存し、連写終了後に連写用バッファ401 上の連写画像中ストロボを使用して得られた画像から再連写判定部402 内のストロボコントラスト検出部402cにおいて、ストロボ使用画像のコントラストが基準値を逸脱するか否かを検出するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。その後、連写された画像中ストロボを使用した画像におけるコントラストを評価して適正なコントラスト基準値との比較を行い、基準値が逸脱する場合に白とびや黒潰れが生じたと判断して再度の連写の判定を行う。したがって、ストロボ撮影時にストロボを使用した画像のコントラストを評価することで、ストロボ撮像における白とびや黒潰れの発生の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0076】(特徴構成28)この特徴構成は、前記請求項3における第2の連写条件設定手段が、コントラストの基準値に基づき、複数のストロボ発光量を設定するように構成されていることを特徴とするものである。
(対応する実施の形態の構成)この特徴構成の第2の連写条件設定手段には、図4に示されている第3の実施の形態における再連写条件設定部403 内のストロボ発光量設定部403cが該当する。そして、このストロボ発光量設定部403cを備えた電子スチルカメラにおいては、レンズ系100 からの入力画像を撮像条件設定部120 において設定された撮像条件で撮像し、設定された撮像条件から連写判定部121 において連写を行うか否かの判定をし、連写を行う場合には連写条件設定部122 において設定された連写条件にて連写を行い、連写画像に基づき再連写判定部402 において再度の連写を行うか否かの判定をし、再度の連写を行う場合には再連写条件設定部403 内のストロボ発光量設定部403cにおいて、複数のストロボ発光量でストロボを用いた連写撮像を設定するようになっている。
(作用効果)このような特徴構成をもつ電子スチルカメラにおいては、通常の一枚撮像において、その撮像条件又は撮像された画像に基づき適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に連写を行う。その後、連写された画像から適切な画像が得られない可能性がある場合、自動的に再度の連写を行う。この時、再度の連写の撮像条件として発光量を複数段階変えたストロボ撮像の連写を設定する。したがって、ストロボ撮影時に最初の連写画像から不適切な撮像と判断された場合に発光量を変えて再度のストロボ撮像が行われるため、ストロボ撮像による失敗の少ない撮影を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。
【0077】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したように、請求項1に係る発明によれば、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とが適応的に切り換えられ、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに、失敗の少ない撮像を可能とする電子スチルカメラを提供することができる。また請求項2に係る発明によれば、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とが適応的に切り換えられ、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに、失敗の少ない撮像を可能とすると共に、連写後の画像を選択したりあるいは合成したりして無駄な画像を記録することなく記録媒体の最適な使用を可能とした電子スチルカメラを提供することができる。また請求項3に係る発明によれば、撮影時の状況に応じて通常の一枚撮像と連写撮像とが適応的に切り換えられ、特別なモード切り換えなどの煩雑な操作なしに、失敗の少ない撮像を可能とすると共に、実際に連写を行った後に適切か否かの判断をして再度の連写を行えるようになっているため、更に失敗の少ない撮影が可能な電子スチルカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子スチルカメラの第1の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すブロック構成図である。
【図3】図2に示した第2の実施の形態における操作表示部の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
100 レンズ系
101 絞り
102 分光ハーフミラー系
103 シャッター
104 ローパスフィルタ
105 CCD撮像素子
106 A/D変換回路
107 AE用フォトセンサー
108 AFモータ
109 ストロボ
110 撮像制御部
111 色分離回路
112 プロセス回路
113 マトリックス回路
114 補間部
115 画像用バッファ
116 圧縮部
117 メモリカードI/F部
118 メモリカード
119 操作表示部
120 撮像条件設定部
121 連写判定部
121a 連写提示部
121b 手ぶれ検出部
121c 被写界深度検出部
121d 合焦点精度検出部
121e 逆光検出部
121f ストロボ有効性検出部
121g コントラスト検出部
121h 適正露光検出部
122 連写条件設定部
122a 順序決定部
122b シャッター速設定部
122c 被写界深度設定部
122d 合焦位置設定部
122e 露光量設定部
121f 積算撮像設定部
121g ストロボ設定部
200 切換部
201 連写用バッファ
202 選択合成部
202a 広ダイナミックレンジ画像合成部
202b 積算部
202c 撮像条件指定部
202d 提示部
301 液晶表示部
302 液晶表示部0N/OFFスイッチ
303 カード/連写スイッチ
304a,304b 明るさ調整ボタン
305a,305b 合焦位置調整ボタン
306a,306b ぼけ調整ボタン
307a,307b 画像送りボタン
308 選択スイッチ
400 切換部
401 連写用バッファ
402 再連写判定部
402a 色彩変化検出部
402b 正反射検出部
402c ストロボコントラスト検出部
403 再連写条件設定部
403a ストロボ連続撮像設定部
403b ストロボ照射角設定部
403c ストロボ発光量設定部
404 第2のストロボ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、前記撮像条件又は該撮像条件にて撮像された画像に基づいて連写を実行するか否かの判定を行う連写判定手段と、該連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する連写条件設定手段と、前記撮像条件設定手段又は前記連写条件設定手段で設定された撮像条件に基づいて撮像された画像を記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項2】 連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、前記撮像条件又は該撮像条件にて撮像された画像に基づいて連写を実行するか否かの判定を行う連写判定手段と、該連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する連写条件設定手段と、該連写条件設定手段により設定された各撮影こまの撮像条件に基づき撮像された連写画像を連写用メモリに記録する連写記録手段と、前記連写用メモリに記録された連写画像を選択又は合成する選択合成手段と、前記撮像条件設定手段により設定された撮像条件に基づいて撮像された画像又は前記選択合成手段により選択又は合成された画像を記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項3】 連写機能を有する電子スチルカメラにおいて、撮像時に要する露光量、合焦位置、ストロボ光量などの撮像条件を設定する撮像条件設定手段と、前記撮像条件又は前記撮像条件にて撮像された画像に基づき連写を実行するか否かの判定を行う第1の連写判定手段と、該第1の連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する第1の連写条件設定手段と、前記連写時の撮影条件にて撮像された連写画像に基づき再度の連写を実行するか否かの判定を行う第2の連写判定手段と、該第2の連写判定手段により連写を実行するものと判定された場合に連写時の各撮影こまの撮像条件を設定する第2の連写条件設定手段と、前記撮像条件設定手段又は前記第1の連写条件設定手段又は第2の連写条件設定手段で設定された撮像条件に基づき撮像された画像を記録媒体に記録する記録手段とを有することを特徴とする電子スチルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2001−8087(P2001−8087A)
【公開日】平成13年1月12日(2001.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−171773
【出願日】平成11年6月18日(1999.6.18)
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】