説明

駐車位置判定装置、駐車位置判定方法及びコンピュータプログラム

【課題】駐車場内での車両の走行に基づくバッテリの電力消費及び駐車中のバッテリの充電を考慮して車両の駐車可能位置を選択する駐車位置判定装置、駐車位置判定方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】駐車場に対して自車が進入した際に進入した駐車場に関する駐車場情報48と自車情報を取得し(S1、S2)、駐車場内の各駐車可能位置に自車を駐車する場合のバッテリ7の電力消費量と充電量をそれぞれ推定し(S3、S5)、推定されたバッテリ7の充電量から電力消費量を引いた値が最も多くなる駐車可能位置を選択し(S6、S7)、選択された駐車可能位置を案内する(S8)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場での車両の駐車位置を判定する駐車位置判定装置、駐車位置判定方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等の電動車両が多く存在する。特にハイブリッド車両では、アクセル開度、車速等の車両駆動状態を検出してエンジンとモータの使用分担をコントロールしている。また、このハイブリッド車両では、要求される運転状態に応じてモータ駆動、エンジン駆動等の一方又は両方を適宜選択して、エンジン効率の良い回転数・出力で運転すると共に、モータ駆動によって排気ガス量を減少させた運転が行われる。
【0003】
そして、このような電動車両が備えるバッテリの充電を行う方法としては、自宅や専用の充電施設で充電を行う他に、車両走行中において減速時や降坂路走行中に発生するモータの回生電力やエンジンの駆動力の一部を用いて充電を行う方法がある。そこで、従来よりこのような充電を考慮して、目的地まで到達可能な誘導経路を案内する電気自動車の経路探索装置が提案されている。例えば、特開平10−170293号公報には、目的地までの到達が困難な場合には、充電ステーションを経由する経路を案内することが記載されている。
【特許文献1】特開平10−170293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、前記した特許文献1に記載された経路探索装置では、目的地まで到達可能な誘導経路を案内することはできたが、目的地に到着した後に目的地で車両をどのように駐車をすれば良いのかについては案内が行われなかった。しかしながら、駐車場内にはバッテリの充電施設等が設けられている場合もあり、駐車場内でどの駐車スペースに車両を駐車するかによって、最終的なバッテリの残容量が大きく異なる結果となる。また、特に大型の駐車場である場合には、駐車スペースを探す間にもバッテリの電力を大きく消費してしまうこととなる。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、駐車場内での車両の走行に基づくバッテリの電力消費及び駐車中のバッテリの充電を考慮して最適な車両の駐車可能位置の選択を可能とした駐車位置判定装置、駐車位置判定方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る駐車位置判定装置(1)は、駐車場における複数の駐車可能位置を取得する駐車位置取得手段(33)と、前記駐車場内で車両(2)に駆動力を発生させるモータ(5)に電力を供給するバッテリ(7)の充電可能地点を取得する充電可能地点取得手段(33)と、前記充電可能地点での車両の駐車中に前記バッテリに充電される電力の充電量を推定する充電量推定手段(33)と、前記駐車位置取得手段によって取得された複数の駐車可能位置毎に、車両が駐車する場合の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定する電力消費量推定手段(33)と、前記バッテリの電力消費量及び充電量に基づいて前記複数の駐車可能位置から適当な駐車可能位置を選択する駐車位置選択手段(33)と、を有することを特徴とする。
ここで、「車両」とはバッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車以外にも、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両も含む。
【0007】
また、請求項2に係る駐車位置判定装置(1)は、請求項1に記載の駐車位置判定装置であって、駐車場内の路面の勾配に関する情報を取得する駐車場構造取得手段(33)を有し、前記電力消費量推定手段(33)は前記駐車場構造取得手段により取得した駐車場内の路面の勾配に関する情報に基づいて、前記複数の駐車可能位置毎に車両(2)が駐車を行う際の駐車場内での走行によるバッテリ(7)の電力消費量をそれぞれ推定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る駐車位置判定装置(1)は、請求項2に記載の駐車位置判定装置であって、車両(2)のパラメータを取得する車両パラメータ取得手段(33)を有し、前記電力消費量推定手段(33)は、前記駐車場構造取得手段(33)により取得した駐車場内の路面の勾配に関する情報に基づいて、前記駐車場の駐車可能位置までの経路における平坦路と勾配路の走行距離を算出する経路算出手段(33)を備え、前記車両パラメータと前記平坦路と勾配路の走行距離とに基づいて、前記複数の駐車可能位置毎に車両が駐車を行う際の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る駐車位置判定装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駐車位置判定装置であって、前記駐車位置選択手段(33)は、前記電力消費量推定手段(33)によって推定されたバッテリ(7)の充電量から電力消費量を引いた値が最も大きくなる駐車可能位置を選択することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る駐車位置判定方法は、駐車場における複数の駐車可能位置を取得する駐車位置取得ステップ(S1)と、前記駐車場内で車両(2)に駆動力を発生させるモータ(5)に電力を供給するバッテリ(7)の充電可能地点を取得する充電可能地点取得ステップ(S1)と、前記充電可能地点での車両の駐車中に前記バッテリに充電される電力の充電量を推定する充電量推定ステップ(S5)と、前記駐車位置取得ステップによって取得された複数の駐車可能位置毎に、車両が駐車する場合の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定する電力消費量推定ステップ(S3)と、前記バッテリの電力消費量及び充電量に基づいて前記複数の駐車可能位置から適当な駐車可能位置を選択する駐車位置選択ステップ(S7)と、を有することを特徴とする。
【0011】
更に、請求項6に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、駐車場における複数の駐車可能位置を取得する駐車位置取得機能(S1)と、前記駐車場内で車両(2)に駆動力を発生させるモータ(5)に電力を供給するバッテリ(7)の充電可能地点を取得する充電可能地点取得機能(S1)と、前記充電可能地点での車両の駐車中に前記バッテリに充電される電力の充電量を推定する充電量推定機能(S5)と、前記駐車位置取得手段によって取得された複数の駐車可能位置毎に、車両が駐車する場合の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定する電力消費量推定機能(S3)と、前記バッテリの電力消費量及び充電量に基づいて前記複数の駐車可能位置から適当な駐車可能位置を選択する駐車位置選択機能(S7)と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1に記載の駐車位置判定装置によれば、駐車場内での車両の走行に基づくバッテリの電力消費及び駐車中のバッテリの充電を考慮して、最適な車両の駐車可能位置の選択が可能となる。
【0013】
また、請求項2に記載の駐車位置判定装置によれば、平坦路と勾配路のそれぞれの車両走行時におけるバッテリの電力消費量の違いを考慮することによって、駐車場内の車両の走行によるバッテリの電力消費量をより正確に算出することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に記載の駐車位置判定装置によれば、駐車場内を走行する車両の走行経路の内、平坦路と勾配路の走行距離と車両の走行特性を考慮して、駐車場内の車両の走行によるバッテリの電力消費量をより正確に算出することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に記載の駐車位置判定装置によれば、駐車後におけるバッテリの残容量が最も多くなる車両の駐車可能位置を、最適な車両の駐車可能位置として選択することが可能となる。
【0016】
また、請求項5に記載の駐車位置判定方法によれば、駐車場内での車両の走行に基づくバッテリの電力消費及び駐車中のバッテリの充電を考慮して、最適な車両の駐車可能位置の選択が可能となる。
【0017】
更に、請求項6に記載のコンピュータプログラムによれば、駐車場内での車両の走行に基づくバッテリの電力消費及び駐車中のバッテリの充電を考慮して、最適な車両の駐車可能位置の選択が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る駐車位置判定装置についてナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した電動車両2の電動車両制御システム3の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る電動車両制御システム3の概略構成図、図2は本実施形態に係る電動車両制御システム3の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、電動車両としてはモータのみを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両があるが、以下に説明する本実施形態ではハイブリッド車両を用いることとする。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電動車両制御システム3は、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1と、エンジン4と、駆動モータ5と、発電機6と、バッテリ7と、プラネタリギヤユニット8と、車両制御ECU9と、エンジン制御ECU10と、駆動モータ制御ECU11と、発電機制御ECU12と、ソーラーパネル(太陽電池)13と、充電コントローラ14とから基本的に構成されている。
【0020】
ここで、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、車両周辺の地図や目的地までの探索経路を表示する液晶ディスプレイ15や、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16等を備えている。そして、GPS等によって車両2の現在位置を特定するととともに、目的地が設定された場合においては目的地までの経路の探索、並びに設定された経路に従った案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、後述するように車両2が駐車場内に進入した際に、駐車後のバッテリ残容量(SOC値)が最も多くなる駐車可能位置の案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。尚、ナビゲーション装置1の詳細な構成については後述する。
【0021】
また、エンジン4はガソリン、軽油、エタノール等の燃料によって駆動される内燃機関等のエンジンであり、車両2の第1の駆動源として用いられる。そして、エンジン4の駆動力であるエンジントルクはプラネタリギヤユニット8に伝達され、プラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
【0022】
また、駆動モータ5はバッテリ7から供給される電力に基づいて回転運動するモータであり、車両2の第2の駆動源として用いられる。駆動モータはバッテリ7から供給された電力により駆動され、駆動モータ5のトルクである駆動モータトルクが発生する。そして、発生した駆動モータトルクにより駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
特に、本実施形態に示すようなプラグインハイブリッド車両では、バッテリの残容量が0となるまでは駆動モータ5のみにより車両2が駆動され、バッテリの残容量が0となった後はエンジン4により車両が駆動される。尚、通常時にはエンジン4により車両を駆動し、エンジン4の効率が悪い発進時や上り坂路等の低回転域において、駆動モータ5により車両2を駆動するようにしても良い。また、加速走行時においてはエンジン4と駆動モータ5の両方により駆動力を発生させ、車両2を駆動するようにしても良い。
更に、エンジンブレーキ必要時及び制動停止時において、駆動モータ5は回生ブレーキとして車輌慣性エネルギを電気エネルギとして回生する。具体的には、定常低・中速走行及び降坂路走行等によりエンジン4の出力に余裕がある場合、バッテリ7の残容量に応じて、駆動モータ5を発電機として機能させてバッテリ7を充電する。特に、降坂時においてエンジンブレーキを要求する場合、発電機として機能する駆動モータ5の回生電力を大きくして、充分なエンジンブレーキ効果を得ることができる。また、運転者がフットブレーキを踏んで車両2の停止を要求する場合には、駆動モータ5の回生電力を更に大きくして、回生ブレーキとして作動し、車両2の慣性エネルギを電力として回生して、摩擦ブレーキに基づく熱によるエネルギ放散を減少する。また、中速域においても、エンジン4をより高出力、高効率な領域で運転できるように、駆動モータ5を回生状態にする。それにより、エンジン効率を向上できると共に、上記回生によるバッテリ7の充電に基づきモータ走行を増大することができ、エネルギ効率が向上する。尚、駆動モータ5としては交流モータやDCブラシレスモータ等が用いられる。
【0023】
また、発電機6はプラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動され、電力を発生させる発電装置である。そして、発電機6は図示されない発電機用インバータを介してバッテリ7に接続されており、発生した交流電流を直流電流に変換し、バッテリ7に供給する。尚、駆動モータ5と発電機6を一体的に構成しても良い。
【0024】
また、バッテリ7は充電と放電とを繰り返すことができる蓄電手段としての二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。更に、バッテリ7は車両2の側壁に設けられた充電コネクタ18と接続されている。そして、自宅や所定の充電設備を備えた充電施設において、充電コネクタ18をコンセント等の電力供給源に接続することにより、バッテリ7の充電を行うことが可能となる。更に、バッテリ7は上記駆動モータで発生した回生電力や発電機で発電された電力、ソーラーパネル13で発電された電力によっても充電される。
【0025】
また、プラネタリギヤユニット8はサンギヤ、ピニオン、リングギヤ、キャリア等によって構成され、エンジン4の駆動力の一部を発電機6へと分配し、残りの駆動力を駆動輪17へと伝達する。
【0026】
また、車両制御ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)9は、車両2の全体の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU9には、エンジン4の制御を行う為のエンジン制御ECU10、駆動モータ5の制御を行う為の駆動モータ制御ECU11、発電機6の制御を行う為の発電機制御ECU12が接続されるとともに、ナビゲーション装置1が備える後述のナビゲーションECU33に接続されている。
そして、車両制御ECU9は、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラム等が記録されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0027】
また、エンジン制御ECU10、駆動モータ制御ECU11及び発電機制御ECU12は、図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、それぞれエンジン4、駆動モータ5、発電機6の制御を行う。
【0028】
また、ソーラーパネル13は、光起電力効果を利用し、光エネルギを直接電力に変換する発電機である。例えば、P型とN型の半導体物質を張り合わせた薄い板型の構造からなり、ソーラーパネル13の表面に光が当たると、これらの半導体間に起電力が生じて電流が流れる特性を利用し、電力を発電する。尚、ソーラーパネル13としては、単結晶型、多結晶型、アモルファス型、ハイブリッド型(単結晶・アモルファス結合型)等がある。
【0029】
また、充電コントローラ14は、ソーラーパネル13で発電した電力をバッテリ7に充電する際の充電を制御する制御装置である。具体的には、充電コントローラ14はソーラーパネル13により発電した電力をバッテリ7に充電する場合に、過充電させないようにバッテリ7への充電電圧を制御する。また、ソーラーパネル13が発電していない時に、バッテリ7から電流が逆流しないように制御する。
【0030】
続いて、ナビゲーション装置1の構成について図2を用いて説明する。
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(駐車位置取得手段、充電可能地点取得手段、充電量推定手段、電力消費量推定手段、駐車位置選択手段、駐車場構造取得手段、車両パラメータ取得手段、経路算出手段)33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して自車周辺の地図や駐車場内での適当な駐車可能位置を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内や駐車可能位置に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37、交通情報センタ等の情報センタや駐車場に設けられた管理システムとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。また、ナビゲーションECU33には、自車の走行速度を検出する車速センサ等が接続される。
【0031】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、地磁気センサ42、距離センサ43、ステアリングセンサ44、方位検出部としてのジャイロセンサ45、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位等を検出することが可能となっている。
【0032】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された車両パラメータDB46、地図情報DB47、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0033】
ここで、車両パラメータDB46は、車両2に関する各種パラメータを記憶するDBである。具体的には、車両2の平坦路を走行する場合の単位走行時間当たりの電力消費量を規定した定常走行力[W]、上り勾配路を走行する場合の単位走行時間当たりの電力消費量を規定した勾配路走行力[W]、下り勾配路を走行する場合の単位走行時間当たりの駆動モータ5の回生電力を規定した勾配回生の加算力[W]、日照時間当たりのソーラーパネル13による発電量を規定した電気出力[W]等が記憶される。そして、ナビゲーションECU33は車両パラメータDB46に記憶された車両パラメータに基づいて、後述のように駐車場にある各駐車可能位置(空きスペース)について車両が駐車を行う場合のバッテリ7の電力消費量や充電量を推定する。
【0034】
また、地図情報DB47は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データが記録されている。具体的には、レストランや駐車場等の施設に関する施設データ、道路(リンク)形状に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置1は、施設データの一種として駐車場に関する駐車場情報48についても記録されている。
【0035】
ここで、駐車場情報48は、駐車場の構造に関する情報であり、具体的には、出入口、駐車エリア、駐車場内の充電可能地点、路面の勾配等が記憶される。尚、充電可能地点とは駐車エリア内で、特に充電施設の有るエリア並びに太陽光による充電可能なエリアをいう。特に、太陽光による充電可能なエリアは、屋根の有無や方角によって特定される。そして、ナビゲーションECU33は駐車場情報48に基づいて、後述のように駐車場にある各駐車可能位置(空きスペース)について車両が駐車を行う場合のバッテリ7の電力消費量や充電量を推定する。尚、駐車場情報48はプローブセンタ等の外部の情報センタから取得するようにしても良い。
【0036】
例えば、図3は駐車場情報48によって特定される駐車場の一例を示した図である。図3に示す駐車場61は、車両を駐車させるスペースである駐車エリア62と、駐車エリア62内において特に充電施設が設置された充電施設設置エリア63と、同じく駐車エリア62内において特に太陽光による充電が可能な太陽光充電可能エリア64と出入口65から構成される。そして、駐車場情報48には、駐車場61の形状とともに駐車場61内における駐車エリア62、充電施設設置エリア63、太陽光充電可能エリア64、出入口65についてそれぞれ範囲を特定する情報が含まれている。また、駐車エリア62には西から東へと上り勾配となる勾配エリア66があり、駐車場情報48には勾配エリア66の範囲と勾配方向と勾配角度を特定する情報が含まれている。
【0037】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの誘導経路を設定する誘導経路設定処理、駐車場内の駐車可能位置毎に駐車を行った場合のバッテリ7の電力消費量と充電量を推定し、適当な駐車可能位置を選択する駐車地点選択処理、選択された駐車可能位置を液晶ディスプレイ15やスピーカ16で案内する駐車地点案内処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、駐車地点選択処理プログラム(図4参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0038】
操作部34は、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。特に、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、駐車場で駐車を行う駐車時間を入力する際にも操作部34は用いられる。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0039】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。更に、車両2が駐車場で駐車を行う場合には、適当な駐車可能位置を案内する案内画面を表示する。
【0040】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。更に、車両2が駐車場で駐車を行う場合には、適当な駐車可能位置を案内する案内音声を出力する。
【0041】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB47の更新等が行われる。
【0042】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、天気情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、通信モジュール38を介して駐車場に設置された管理システムとの間で通信を行うことにより、現在の駐車場の駐車状況(即ち、駐車可能な空きスペースの位置)を取得することも可能である。
【0043】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU33が実行する駐車地点選択処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る駐車地点選択処理プログラムのフローチャートである。ここで、駐車地点選択処理プログラムは車両2が駐車場内に進入した場合又はユーザにより操作部34で所定の操作が行われた場合に実行され、駐車場内の各駐車可能位置(空きスペース)から駐車後のバッテリ7の残容量が最も多くなる駐車可能位置を選択し、案内するプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0044】
先ず、駐車地点選択処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は自車が進入した駐車場に関する駐車場情報を取得する。具体的には、先ず、自車の現在位置をGPS41の検出結果とマップマッチング処理により特定し、地図情報DB47に記憶された地図情報から自車の進入した駐車場を特定する。そして、特定された駐車場に関する駐車場情報48を地図情報DB47から取得する。尚、駐車場情報48は、駐車場形状、出入口、駐車エリア、駐車場内の充電可能地点(充電施設の設置された充電施設設置エリア及び太陽光充電が可能な太陽光充電可能エリア)、路面の勾配等から構成される(図3参照)。
また、前記S1では駐車場に設置された管理システムと通信モジュール38を介して通信を行うことにより、駐車場の駐車状況(即ち、駐車スペース内で自車が駐車可能な駐車可能位置)や充電施設を備える場合にはその充電施設の出力値(W)を取得する。更に、駐車場のある地域の本日の天気情報についても通信モジュール38を介して取得する。尚、上記S1が駐車位置取得手段、充電可能位置取得手段及び駐車場構造取得手段の処理に相当する。
【0045】
次に、S2においてCPU51は、自車情報を取得する。ここで、前記S2で取得される自車情報としては、GPS41やジャイロセンサ45により検出された自車の現在位置や自車方位の他に、車両パラメータである定常走行力[W]、勾配路走行力[W]、勾配回生の加算力[W]、ソーラーパネル13の電気出力[W]についても車両パラメータDB46から取得する。尚、上記S2が車両パラメータ取得手段の処理に相当する。
【0046】
続いて、S3においてCPU51は、前記S1及び前記S2で取得した各種情報に基づいて、前記S1で取得した駐車場内の各駐車可能位置に車両を駐車する際の駐車場内での走行によるバッテリ7の電力消費量と充電量をそれぞれ推定する。
具体的には、以下の式(1)、(2)によって算出される。
走行中のバッテリ消費量(J)={K×L1÷(V1/3.6)}+{S×L2÷(V2/3.6)}・・・・(1)
走行中のバッテリ充電量(J)=A×L3÷(V3/3.6)・・・・(2)
K:定常走行力(W)
S:勾配走行力(W)
A:勾配回生の加算力(W)
L1:平坦路の走行距離(m)
L2:上り勾配路の走行距離(m)
L3:下り勾配路の走行距離(m)
V1:平坦路を走行する推定車速(km/h)
V2:上り勾配路を走行する推定車速(km/h)
V3:下り勾配路を走行する推定車速(km/h)
【0047】
ここで、定常走行力K、勾配走行力S、勾配回生の加算力Aについては、前記S2で車両パラメータDB46から取得される。
平坦路を走行する推定車速V1、上り勾配路を走行する推定車速V2、下り勾配路を走行する推定車速V3については、固定値(例えば、V1=10km/h、V2=6km/h、V3=8km/h)とする。
また、平坦路の走行距離L1、上り勾配路の走行距離L2及び下り勾配路の走行距離L3については、前記S1で取得した駐車場情報と駐車可能位置に基づいて算出される。図5は、例えば図3に示す駐車場に車両が進入した場合における平坦路の走行距離L1、上り勾配路の走行距離L2及び下り勾配路の走行距離L3の算出例について示した図である。
【0048】
図5では、駐車場61にある多数の駐車可能位置の内、特に充電施設設置エリア63内にある駐車可能位置72に車両71を駐車する際の駐車場内での走行によるバッテリ7の電力消費量と充電量を推定する場合を示す。図5に示すように、CPU51は先ず車両71が駐車可能位置72までの走行経路73を特定する。そして、走行経路73上に勾配エリア66がある場合には、勾配エリア66に重複する経路の内、特に上り勾配方向へ走行する走行経路の合計距離を上り勾配路の走行距離L2とする。また、特に下り勾配方向へ走行する走行経路の合計距離を下り勾配路の走行距離L3とする。一方、勾配エリア66と重複しない経路や、勾配エリア66と重複し且つ勾配方向と交差する方向へ走行する走行経路の合計距離を平坦路の走行距離L1とする。
従って、図5に示す走行経路73では、地点A〜地点Bと地点C〜地点Dまでの距離の合計が平坦路の走行距離L1となる。
また、地点B〜地点Cまでの距離が上り勾配路の走行距離L2となる。
また、下り勾配路の走行距離L3は0となる。
尚、上記S3が電力消費量推定手段の処理に相当する。
【0049】
その後、S4でCPU51は、自車が進入した駐車場で駐車を行う駐車時間について推定する。ここで、駐車時間については駐車場を経由した目的地への走行スケジュールがナビゲーション装置1で設定されている場合には、設定されたスケジュールに従って駐車時間を推定する。また、操作部34によって具体的な駐車時間がユーザにより入力された場合には入力された駐車時間に基づいて推定する。それ以外の場合には、固定時間(例えば2時間)と推定する。尚、自車の過去の走行履歴に基づいて駐車時間を推定するようにしても良い。
【0050】
そして、S5でCPU51は前記S4で推定された駐車時間に基づいて、前記S1で取得した駐車場内の各駐車可能位置に車両を駐車する際の駐車中のバッテリ7の電力の充電量を推定する。
具体的には、駐車可能位置が充電施設設置エリアに含まれる場合には、以下の式(3)によって算出される。
駐車中のバッテリ充電量(J)=充電施設の出力値(W)×駐車時間(s)・・・・(3)
また、駐車可能位置が太陽光充電可能エリアに含まれる場合には、以下の式(4)によって算出される。
駐車中のバッテリ充電量(J)=ソーラーパネルの出力(W)×駐車時間中の日照時間(s)・・・・(4)
【0051】
ここで、ソーラーパネルの出力については、前記S2で車両パラメータDB46から取得される。
また、駐車時間中の日照時間については前記S4で推定された駐車時間と通信モジュール38により取得した駐車場のある地域の本日の天気情報に基づいて算出される。
また、充電施設の出力値については駐車場に設置された管理システムとの通信により取得される。
【0052】
尚、駐車可能位置が充電施設設置エリアであって且つ太陽光充電可能エリアでもある場合には、式(3)と式(4)の算出結果を加えた値が駐車中のバッテリ充電量となる。また、上記S5が充電量推定手段の処理に相当する。
【0053】
続いて、S6においてCPU51は、前記S3及びS5の推定結果に基づいて、前記S1で取得した駐車場内の各駐車可能位置に車両を駐車する際(走行中及び駐車中を含む)の『バッテリ7の電力の充電量』と『バッテリ7の電力消費量』の差分を算出する。具体的には、式(2)で算出された“走行中のバッテリ充電量(J)”と式(3)及び(4)で算出された“駐車中のバッテリ充電量(J)”とを加えた値から、式(1)で算出された“走行中のバッテリ消費量(J)”を引くことにより算出される。
尚、上記S3、S5、S6の処理は前記S1で取得した駐車場内の全駐車可能位置に対してそれぞれ行う。
【0054】
次に、S7でCPU51は、前記S1で取得した駐車場内の全駐車可能位置の内、前記S6の算出値が最も大きくなる駐車可能位置を選択する。このS6で選択された駐車可能位置は、駐車後のバッテリ残容量が最も多くなる駐車可能位置に相当する。尚、上記S6及びS7が駐車位置選択手段の処理に相当する。
【0055】
そして、S8においてCPU51は前記S7で選択された駐車可能位置を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて案内する。具体的には、液晶ディスプレイ15に駐車場内の地図を表示して、選択された駐車可能位置を点灯させる。また、駐車位置の方角を案内する音声(例えば、「前方左奥の駐車スペースに駐車して下さい。」)をスピーカ16から出力する。
【0056】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による駐車位置判定方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、駐車場に対して自車が進入した際に進入した駐車場に関する駐車場情報48と自車情報を取得し(S1、S2)、駐車場内の各駐車可能位置に自車を駐車する場合のバッテリ7の電力消費量と充電量をそれぞれ推定し(S3、S5)、推定されたバッテリ7の充電量から電力消費量を引いた値が最も多くなる駐車可能位置を選択し(S6、S7)、選択された駐車可能位置を案内する(S8)ので、駐車場内での車両2の走行に基づくバッテリ7の電力消費及び駐車中のバッテリ7の充電を考慮して適当な車両の駐車可能位置を選択することが可能となる。それにより、バッテリを駆動源とする所謂ハイブリッド車両において駐車場での駐車を含めた最終的な燃料消費量を最適化した車両制御スケジュールの設定が可能となる。
また、自車を駐車する駐車場の構造に関する情報を取得することによって、駐車場内を走行する際の平坦路と勾配路の走行距離を特定できる。そして、平坦路と勾配路のそれぞれの車両走行時におけるバッテリの電力消費量の違いを考慮することによって、駐車場内の車両の走行によるバッテリの電力消費量をより正確に算出することが可能となる。
【0057】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではハイブリッド車両に搭載されたナビゲーション装置により駐車可能位置の選択を行うこととしているが、駐車可能位置の選択処理については車両と双方向通信可能にある情報センタで実行し、車両はその選択結果を受信して駐車可能位置の案内のみを行うようにしても良い。
【0058】
また、本実施形態では自車の進入した駐車場に対して、バッテリの充電量と電力消費量の差分を比較して駐車可能位置を選択する選択処理を行うこととしているが、自車の進入した駐車場以外でも、例えばユーザにより選択された任意の駐車場に対して駐車可能位置の選択を行うようにしても良い。
【0059】
また、本実施形態では車両が駐車場の入口から進入して駐車が終了するまでの間のバッテリの充電量と電力消費量の差分を比較しているが、車両が駐車場の入口から進入して駐車を行い、駐車後に駐車場の出口から退出するまでのバッテリの充電量と電力消費量の差分を比較して駐車可能位置を選択するようにしても良い。
【0060】
そして、上記のように車両が駐車場の入口から進入して出口から退出するまでのバッテリの充電量と電力消費量の差分を比較する場合には、前記S3において、駐車場内の各駐車可能位置に車両を駐車する場合における駐車場内での全走行に基づくバッテリ7の電力消費量と充電量をそれぞれ推定する必要がある。ここで、図5を用いて上記他の実施例における平坦路の走行距離L1、上り勾配路の走行距離L2及び下り勾配路の走行距離L3の算出例を説明する。
図5に示す走行経路73を往復して駐車可能位置72に駐車を行う場合には、地点A〜地点Bと地点C〜地点Dまでの距離の合計の2倍が平坦路の走行距離L1となる。
また、駐車可能位置72へと向かう地点B〜地点Cまでの距離が上り勾配路の走行距離L2となる。
また、出入口65へと向かう地点C〜地点Bまでの距離が下り勾配路の走行距離L3となる。
そして、算出された各走行距離L1〜L3を前記式(1)、(2)に代入することによって、バッテリ7の電力消費量と充電量がそれぞれ推定される。
尚、駐車場の出入り口が複数ある場合であって、ナビゲーション装置1で誘導経路が設定されている場合には、誘導経路に従った出口から退出すると推定する。
【0061】
また、上記実施形態では本願発明をモータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両に適用した場合を説明したが、モータのみを駆動源とする電気自動車にも適用可能である。
【0062】
また、駐車中にバッテリの充電が可能な充電可能エリア(充電施設設置エリア、太陽光充電可能エリア)のみを対象として駐車可能位置を選択するようにしても良い。その場合には、駐車場内の充電可能エリアを特定し、特定したエリア内のみにある各駐車可能位置の『バッテリ充電量』と『バッテリ消費量』を比較するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る電動車両駆動制御システムの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る電動車両制御システムの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】駐車場情報によって特定される駐車場の一例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る駐車地点選択処理プログラムのフローチャートである。
【図5】図3に示す駐車場に車両が進入した場合における平坦路の走行距離L1、上り勾配路の走行距離L2及び下り勾配路の走行距離L3の算出例について示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ナビゲーション装置
2 車両
3 電動車両制御システム
4 エンジン
5 駆動モータ
7 バッテリ
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
33 ナビゲーションECU
47 地図情報DB


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場における複数の駐車可能位置を取得する駐車位置取得手段と、
前記駐車場内で車両に駆動力を発生させるモータに電力を供給するバッテリの充電可能地点を取得する充電可能地点取得手段と、
前記充電可能地点での車両の駐車中に前記バッテリに充電される電力の充電量を推定する充電量推定手段と、
前記駐車位置取得手段によって取得された複数の駐車可能位置毎に、車両が駐車する場合の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定する電力消費量推定手段と、
前記バッテリの電力消費量及び充電量に基づいて前記複数の駐車可能位置から適当な駐車可能位置を選択する駐車位置選択手段と、を有することを特徴とする駐車位置判定装置。
【請求項2】
駐車場内の路面の勾配に関する情報を取得する駐車場構造取得手段を有し、
前記電力消費量推定手段は前記駐車場構造取得手段により取得した駐車場内の路面の勾配に関する情報に基づいて、前記複数の駐車可能位置毎に車両が駐車を行う際の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定することを特徴とする請求項1に記載の駐車位置判定装置。
【請求項3】
車両のパラメータを取得する車両パラメータ取得手段を有し、
前記電力消費量推定手段は、
前記駐車場構造取得手段により取得した駐車場内の路面の勾配に関する情報に基づいて、前記駐車場の駐車可能位置までの経路における平坦路と勾配路の走行距離を算出する経路算出手段を備え、
前記車両パラメータと前記平坦路と勾配路の走行距離とに基づいて、前記複数の駐車可能位置毎に車両が駐車を行う際の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定することを特徴とする請求項2に記載の駐車位置判定装置。
【請求項4】
前記駐車位置選択手段は、前記電力消費量推定手段によって推定されたバッテリの充電量から電力消費量を引いた値が最も大きくなる駐車可能位置を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駐車位置判定装置。
【請求項5】
駐車場における複数の駐車可能位置を取得する駐車位置取得ステップと、
前記駐車場内で車両に駆動力を発生させるモータに電力を供給するバッテリの充電可能地点を取得する充電可能地点取得ステップと、
前記充電可能地点での車両の駐車中に前記バッテリに充電される電力の充電量を推定する充電量推定ステップと、
前記駐車位置取得ステップによって取得された複数の駐車可能位置毎に、車両が駐車する場合の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定する電力消費量推定ステップと、
前記バッテリの電力消費量及び充電量に基づいて前記複数の駐車可能位置から適当な駐車可能位置を選択する駐車位置選択ステップと、を有することを特徴とする駐車位置判定方法。
【請求項6】
コンピュータに搭載され、
駐車場における複数の駐車可能位置を取得する駐車位置取得機能と、
前記駐車場内で車両に駆動力を発生させるモータに電力を供給するバッテリの充電可能地点を取得する充電可能地点取得機能と、
前記充電可能地点での車両の駐車中に前記バッテリに充電される電力の充電量を推定する充電量推定機能と、
前記駐車位置取得手段によって取得された複数の駐車可能位置毎に、車両が駐車する場合の駐車場内での走行によるバッテリの電力消費量をそれぞれ推定する電力消費量推定機能と、
前記バッテリの電力消費量及び充電量に基づいて前記複数の駐車可能位置から適当な駐車可能位置を選択する駐車位置選択機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−42095(P2009−42095A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207833(P2007−207833)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】