説明

ADAMTS−5関連の疾患の処置方法

本発明は、ADAMTS−5関連の疾患、特に骨関節炎を処置するための方法であって、この疾患に罹患した対象にADAMTS−5活性を調整する能力のある薬剤を投与することを含んでなる方法に関する。この薬剤は、好ましくはビアリールスルホンアミド化合物である。本発明は、機能的なADAMTS−5を発現しないトランスジェニック動物がWT動物と比較して骨関節炎を誘導した後に骨関節炎の程度の低下を示すということに部分的に基づく。更には、このADAMTS−5トランスジェニック動物はWT動物に比較して関節組織中で低下したアグレカナーゼ活性を有する。これらの動物は、ADAMTS−S関連の疾患のための、これらの疾患の処置および/または予防において有用な薬物のスクリーニングのための良好なモデルである。単一の遺伝子の活性の欠如が骨関節炎の過程を無効にする能力がある他の動物モデルは存在しない。従って、これらの動物は、また、ADAMTS−5阻害剤、特にADAMTS−5のアグレカナーゼ活性を阻害する能力のある薬剤を対象に投与することにより、骨関節炎を予防および/または処置することができることも示す。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患に罹患した対象のADAMTS−5関連の前記疾患を処置するための方法であって、ADAMTS−5を阻害する薬剤を対象に投与することを含んでなる、方法。
【請求項2】
この薬剤がADAMTS−5のメタロプロテアーゼ活性を阻害する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
この薬剤がADAMTS−5のアグレカナーゼ活性を阻害する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
このADAMTS−5関連の疾患が、骨関節炎、がん、喘息、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、アテローム性動脈硬化症、加齢関連の黄斑変性症、心筋梗塞症、角膜潰瘍と他の眼球表面疾患、肝炎、大動脈瘤、腱炎、中枢神経系疾患、異常創傷治癒、血管形成、再狭窄、肝硬変、多発性硬化症、糸球体腎炎、対宿主性移植片疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、ショック、脊椎椎間板変性、脳卒中、骨減少症、関節リュウマチと他の形態の関節炎、および歯周疾患からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
この疾患が骨関節炎である、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
この薬剤が抗ADAMTS−5抗体およびビアリールスルホンアミド化合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
このビアリールスルホンアミド化合物が式I
【化1】

(式中、
1はHまたはC1−C6アルキルであり;
2はH、C1−C6アルキル、(CH2n2'、フェニル、またはベンジルであり;
nは0−6であり;
2'はアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
3は、各々の起源とは独立に、H、ハロゲン、OC(ハロゲン)3、C(ハロゲン)3、アルコキシ、またはC1−C6アルキルであり;
Xは、CH2O、OCH2、C(R3)=C(R3)、C(R32−C(R32、CH2NHC(=O)、O(C=O)NH、O、C(=O)CH2、SO2CH2C(=O)NH、SO2NH、OC(=O)、CH2S(O)、およびCH2S(O)2から選択され;
Zは少なくとも1つのアリールまたはヘテロアリール部分である)
の化合物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
Zがピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フェニル、ナフタレン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、またはイソキノリン、または
【化2】

(式中、
UはS、O、C(R3)=C(R3)、C(R3)=N、およびN(R4)から選択され;
WはC(R3)およびNから選択され;
MはC(R3)およびNから選択され;
LはS、O、C(R3)=C(R3)、C(R3)=N、およびN(R4)から選択され;
4およびR5は、各々の起源とは独立に、他への結合、H、C1−C6アルキル、またはフェニルであり;
7は、R3への結合、H、ハロゲン、C(ハロゲン)3、NR45、N[(CH222O、N[(CH222NR4、NHSO24、NR4C(=O)R5、NHC(=O)OR4、NO2、SO2NR45、SO24、OR4、C(=O)R4、COOR4、CONR45、CN、フェニル、ヘテロアリール、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、またはC2−C6アルキニルから選択され;
8はH、フェニル、ヘテロアリール、およびC1−C6アルキルから選択される)
である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
7がNR45、N[(CH222O、N[(CH222NR4、NHSO24、NR4C(=O)R5、NHC(=O)OR4、NO2、SO2NR45、SO24、OR8、C(=O)R4、COOR4、CONR45、CN、フェニル、またはヘテロアリールにより置換されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
8がNR45、N[(CH222O、N[(CH222NR4、NR4SO25、NR4C(=O)R5、NHC(=O)OR4、NO2、SO2NR45、SO24、C(=O)R4、COOR4、CONR45、CN、フェニル、またはヘテロアリールにより置換されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
1がHまたは分岐アルキルである、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
1がイソプロピルである、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
3がハロゲン、CF3、OCH3、またはCH3である、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
XがCH2O、OCH2、C(R3)=C(R3)、またはCH2NHC(=O)である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
7がCH3、エチル、イソプロピル、CF3、CN、またはOCH3である、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
8がCH3、フェニル、およびベンジルである、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
Zが双環式である、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
ADAMTS−5を潜在的な薬剤と接触させ、潜在的な薬剤の存在下でADAMTS−5の活性を測定することを含んでなり、活性の低下がこの潜在的な薬剤が疾患の処置に有用であるということを示す、ADAMTS−5関連の疾患の処置に有用な潜在的な薬剤を同定する方法。
【請求項19】
この活性がメタロプロテイナーゼ活性およびアグレカナーゼ活性からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
このADAMTS−5が細胞中にあり、この活性がこの細胞中で測定される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
ADAMTS−5を欠く細胞を潜在的な薬剤と接触させ、ADAMTS−5を欠く細胞中の活性を測定し、この活性をADAMTS−5を有する細胞の活性と比較することを更に含んでなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
このADAMTS−5関連の疾患が、骨関節炎、がん、喘息、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、アテローム性動脈硬化症、加齢関連の黄斑変性症、心筋梗塞症、角膜潰瘍および他の眼球表面疾患、肝炎、大動脈瘤、腱炎、中枢神経系疾患、異常創傷治癒、血管形成、再狭窄、肝硬変、多発性硬化症、糸球体腎炎、対宿主性移植片疾患、糖尿病、炎症性腸疾患、ショック、脊椎椎間板変性、脳卒中、骨減少症、および歯周疾患からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
このADAMTS−5関連の疾患が骨関節炎である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
ADAMTS−5を式I
【化3】

(式中、
1はHまたはC1−C6アルキルであり;
2はH、C1−C6アルキル、(CH2n2'、フェニル、またはベンジルであり;
nは0−6であり;
2'はアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
3は、各々の起源とは独立に、H、ハロゲン、OC(ハロゲン)3、C(ハロゲン)3、アルコキシ、またはC1−C6アルキルであり;
Xは、CH2O、OCH2、C(R3)=C(R3)、C(R32−C(R32、CH2NHC(=O)、O(C=O)NH、O、C(=O)CH2、SO2CH2C(=O)NH、SO2NH、OC(=O)、CH2S(O)、およびCH2S(O)2から選択され;
Zは少なくとも1つのアリールまたはヘテロアリール部分である)
の化合物と接触させることを含んでなる、ADAMTS−5の活性を調節する方法。
【請求項25】
Zがピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フェニル、ナフタレン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、またはイソキノリン、または
【化4】

(式中、
UはS、O、C(R3)=C(R3)、C(R3)=N、およびN(R4)から選択され;
WはC(R3)およびNから選択され;
MはC(R3)およびNから選択され;
LはS、O、C(R3)=C(R3)、C(R3)=N、およびN(R4)から選択され;
4およびR5は、各々の起源とは独立に、他への結合、H、C1−C6アルキル、またはフェニルであり;
7は、R3への結合、H、ハロゲン、C(ハロゲン)3、NR45、N[(CH222O、N[(CH222NR4、NHSO24、NR4C(=O)R5、NHC(=O)OR4、NO2、SO2NR45、SO24、OR4、C(=O)R4、COOR4、CONR45、CN、フェニル、ヘテロアリール、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、またはC2−C6アルキニルから選択され;
8はH、フェニル、ヘテロアリール、およびC1−C6アルキルから選択される)
である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
7がNR45、N[(CH222O、N[(CH222NR4、NHSO24、NR4C(=O)R5、NHC(=O)OR4、NO2、SO2NR45、SO24、OR8、C(=O)R4、COOR4、CONR45、CN、フェニル、またはヘテロアリールにより置換されている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
8がNR45、N[(CH222O、N[(CH222NR4、NR4SO25、NR4C(=O)R5、NHC(=O)OR4、NO2、SO2NR45、SO24、C(=O)R4、COOR4、CONR45、CN、フェニル、またはヘテロアリールにより置換されている、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
1がHまたは分岐アルキルである、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
1がイソプロピルである、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
3がハロゲン、CF3、OCH3、またはCH3である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
XがCH2O、OCH2、C(R3)=C(R3)、またはCH2NHC(=O)である、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
7がCH3、エチル、イソプロピル、CF3、CN、またはOCH3である、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
8がCH3、フェニル、およびベンジルである、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
Zが双環式である、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
この活性がメタロプロテイナーゼ活性である、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
この活性がアグレカナーゼ活性である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
この化合物が表1に挙げられた化合物からなる群から選択される、請求項7または24に記載の方法。
【請求項38】
この薬剤が抗ADAMTS−5抗体である、請求項1または18に記載の方法。
【請求項39】
この抗体がメタロプロテイナーゼ阻害活性を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
この抗体がアグレカナーゼ阻害活性を有する、請求項39に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516245(P2007−516245A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542590(P2006−542590)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037169
【国際公開番号】WO2005/060456
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】