説明

システムコンポーネントの状態をモニタリングするための方法およびそのための処理システム

処理中にコンポーネント(200,300)の状態をモニタリングする方法およびシステム。本方法は、処理中にコンポーネントを反応ガス(エロージョン生成物発生のためコンポーネント材をエッチングできる)に曝露することと、コンポーネントの状態を判定するため処理中にエロージョン生成物の放出をモニタリングすることを含む。モニターできる処理はチャンバークリーニング、同コンディショニング、基板エッチングおよび薄膜形成処理を含む。コンポーネントは、チューブ(25)、シールド、リング、バッフル、インジェクター、基板ホルダー(35,12)、ライナー、ペデスタル、キャップカバー、電極およびヒーター(15,20,65,70,122)等消耗部品でもよく、それらは保護コーティングを有していてもよい。処理システム(1,100)は、処理チャンバー(10,102)内のコンポーネント、ガス噴射システム(94,102)、チャンバー保護システム(92,108)およびコントローラ(90,124)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチャンバー処理に関し、さらに詳しくは、処理システム内で実施される処理中にシステムコンポーネントの状態をモニタリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな半導体製造処理が、処理チャンバー内において、たとえばプラズマエッチングチャンバー、プラズマ蒸着チャンバー、熱処理チャンバー、化学蒸着チャンバー、原子層堆積チャンバーその他の内部において実施されている。基板処理によって、処理チャンバー内のシステムコンポーネント上に原料堆積物が生じ得る。チャンバー堆積物を除去するために処理チャンバーの定期的なドライクリーニングを実施できる。このクリーニング処理は、システムコンポーネントから異なる原料堆積物の除去を必要とする。
【0003】
処理システムのさまざまな部品を、消耗可能なあるいは交換可能なシステムコンポーネントから構成でき、このシステムコンポーネントはたとえば、石英、ケイ素、アルミナ、カーボンあるいは炭化ケイ素から製造できる。交換可能なコンポーネントの消耗可能な特質は、処理システムの頻繁なメンテナンスを必要とし得る。消耗可能なシステム部品は、通常、薄膜堆積が粒子問題を生じ得るようになった後に、順に実施される両立しない処理の間に、有害な処理条件の後に、あるいは低劣な処理結果が観察された後に、交換あるいは浄化される。また、消耗可能なシステム部品は、所定のメンテナンススケジュールに従って浄化あるいは交換でき、このスケジュールは、たとえば運転時間数に基づくものとすることができる。こうした方法は、消耗可能なシステムコンポーネントの遅れたあるいは早期の交換につながり得る。その上、クリーニング処理の長さは、システムコンポーネントの適切なクリーニング状態が得られることが分かっている固定された時間に基づくことができる。だが、クリーニング処理は実際にはモニターされないか、あるいは浄化が必要になる前に非標準的な量の堆積物が蓄積し得るので、この固定された時間は不必要に長いものであり、システムコンポーネントの望ましくないエッチング(エロージョン)を生じることがある。
【0004】
チャンバーコンディショニング処理(パッシベーション処理とも呼ばれる)が、最適効率の処理チャンバーを用意するために、半導体製造においては一般的に実施される。たとえば、チャンバーコンディショニング処理はチャンバークリーニングに続いて、長いチャンバー遊休期間の後に、あるいは最初のチャンバー生産処理の前に実施可能である。プラズマチャンバーと使用される場合、チャンバーコンディショニング処理は、通常、生産ウエハを用いたプラズマ処理の実施のためのチャンバーを準備する(すなわち「コンディショニングする」)ために、所定長さの時間にわたってプラズマチャンバー内での「コンディショニングプラズマ」の使用を伴う。コンディショニング処理のパラメーター(たとえばRF出力、チャンバーおよび基板温度、供給ガス組成、圧力)は、そのためにチャンバーがコンディショニングされる対応する生産処理のパラメーターに、あるいはその近傍に、たいていは維持される。このようにして、コンディショニング処理は、処理チャンバー内で実施される全ての処理が所望の範囲内の結果をもたらすことを確実なものとするのを助け得る。
【0005】
コンディショニング処理は数枚のウエハあるいはウエハ群に関して実施できる。コンディショニングの程度は、処理追従を判定するためにコンディショニング処理中にウエハを周期的に分析することによってモニターできる。だが、長時間にわたって実施されるコンディショニング処理は多数の試験ウエハの使用を伴うことがあり、これは多額の始動費用を要する。あるいはコンディショニングは、生産処理追従をもたらすことが判明している固定された時間にわたって実施できる。だが、コンディショニング処理の有効性は実際にはモニターされないので、異なる運転のコンディショニング処理のための処理追従を実現するために必要な変化するコンディショニング時間を考慮するために、この固定された時間は不必要に長くなることがある。これはチャンバーに関する処理量の許容できない低下につながり得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
処理中、システムコンポーネントを反応ガス(このガスはエロージョン生成物を発生させるためにシステムコンポーネント材をエッチングできるものである)に曝露すると共に、システムコンポーネントの状態を判定するために、処理中、エロージョン生成物の放出に関して処理システムをモニタリングすることによって、処理システムにおけるシステムコンポーネントの状態をモニタリングする方法が提供される。この処理は、チャンバークリーニング処理、チャンバーコンディショニング処理、基板エッチング処理、および基板蒸着処理を含み得る。
【0007】
処理中に、システムコンポーネントの状態をモニタリングすることを可能にする処理システムが提供される。この処理システムは、処理チャンバーと、システムコンポーネントと、処理チャンバー内に反応ガスを導入するよう構成されたガス噴射システム(ここで反応ガスは処理中にエロージョン生成物を発生させるためシステムコンポーネント材をエッチングできる)と、システムコンポーネントの状態を判定するためにエロージョン生成物の放出に関して処理システムをモニタリングするためのチャンバー保護システムと、処理システムを制御するよう構成されたコントローラとを具備してなる。
【0008】
システムコンポーネントには、消耗システム部品、たとえば処理チューブ、シールド、リング、バッフル、インジェクター、基板ホルダー、ライナー、ペデスタル、キャップカバー、電極、およびヒーターが含まれてもよく、しかもさらに保護コーティングを含んでいてもよい。チャンバー保護システムは、エロージョン生成物による光吸収を検出するための光学式モニタリングシステム、あるいはそれからの質量信号を検出するための質量センサーを具備してなることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって、本発明ならびに付随するその多くの利点がより良く理解されるので、それらをさらに完全に容易に理解できるであろう。
【0010】
図1Aには本発明の一実施形態による処理システムの概略図を示す。このバッチ型処理システム100は、たとえば、熱処理システム、プラズマを維持できるプラズマ処理システム、化学蒸着システム、あるいは原子層堆積システムとすることができる。図1に示すように、バッチ型処理システム100は、処理チャンバー102、ガス噴射システム104、ヒーター122、真空ポンプシステム106、チャンバー保護システム108、そしてコントローラ124を具備してなる。複数の基板110を処理チャンバー102内に装填でき、そして基板ホルダー112を用いて処理できる。さらに、処理チャンバー102は外側セクション114および内側セクション116を具備してなる。本発明の一実施形態では、内側セクション116は処理チューブ(図示せず)を備えることもある。
【0011】
ガス噴射システム104は、処理チャンバー102の浄化のため、処理チャンバー102を準備するため、処理チャンバー102をクリーニングするため、そして基板110を処理するために、処理チャンバー102内にガスを導入できる。複数のガス噴射ライン(図示せず)を配列し、処理チャンバー102内にガスを流入させるようにすることができる。ガスは、内側セクション116によって画定される空間118内に、基板110をそれに曝すために導入できる。その後、ガスを、内側セクション116および外側セクション114によって画定される空間120内に流入させ、真空ポンプシステム106によって処理チャンバー102から排出することができる。
【0012】
基板110は処理チャンバー102内に装填でき、そして基板ホルダー112を用いて処理できる。バッチ式処理システム100は、多数の密に積層された基板110を処理可能とし、この結果、基板処理量の増大がもたらされる。基板バッチサイズは、たとえば約100枚基板(ウエハ)あるいはそれ以下とすることができる。あるいは、バッチサイズは約25枚基板あるいはそれ以下とすることができる。処理システム100は、さまざまなサイズの基板、たとえば200mm基板、300mm基板、あるいはさらに大きな基板を処理するよう構成できる。基板110は、たとえば、半導体基板(例としてSiまたは化合物半導体)、LCD基板およびガラス基板とすることができる。汚れのない基板に加えて、その上に薄い界面被膜が形成された基板を使用でき、これは、酸化物被膜(自然酸化物または熱酸化物)、窒化物被膜、オキシ窒化物被膜、およびその組み合わせを含む(ただし、これには限定されない)。薄い界面被膜は、たとえば数オングストローム(Å)の厚みであってもよく、しかも低い処理圧力で、自己制限過程で形成され得る。
【0013】
バッチ式処理システム100はコントローラ124によって制御でき、これは、バッチ式処理システム100からのモニター出力と同様、バッチ式処理システム100を制御するのに十分な制御電圧を発生させることができる。その上、コントローラ124は、処理チャンバー102、ガス噴射システム104、ヒーター122、チャンバー保護システム108および真空ポンプシステム106に接続でき、そしてそれらと情報を交換できる。たとえば、コントローラ124のメモリーに記憶させられたプログラムは、所望の処理に従って、バッチ式処理システム100の上記コンポーネントを制御するのに、あるいは処理のモニタリングに関連する何らかの機能を発揮させるのに使用できる。コントローラ124の一例は、テキサス州、ダラス、Dell Corporationから入手可能な、DELL PRECISION WORKSTATION 610(商標)である。
【0014】
リアルタイム処理モニタリングは、チャンバー保護システム108を用いて実施できる。このチャンバー保護システム108は、処理チャンバー102内のガス状環境をモニターするために設置できる。これに代えて、チャンバー保護システム108は処理チャンバー放出物をモニターするために設置できる。一般に、チャンバー保護システム108は多用途モニタリングシステムであり、しかもたとえば、質量センサー(質量分析計)あるいは処理ガスおよび反応生成物による光吸収をモニタリングのための光学式モニタリングシステム(例としてフーリエ変換赤外線(FTIR)質量分析計)からなっていてもよい。チャンバー保護システム108(これは処理モニタリングシステムである)は、処理チャンバー102内のガス状環境の定性および定量分析をもたらすことができる。チャンバー保護システム108を用いてモニターできる処理パラメーターは、処理ガス流量、ガス圧力、ガス状種の比率、ガス純度、およびエッチング生成物を含む反応副産物を含む。
【0015】
質量センサーは、本発明に係る処理システムおよび方法におけるガス状環境の検出、同定、およびモニタリング用の容易に入手可能な機器である。質量センサーは微量のガス状物質を検出するために非常に高い感度を提供し得る。典型的な処理の処理モニタリングポイントにおける比較的高い圧力に起因して、ガスサンプリングは圧力低減システムを備えることができる。圧力の低減は長尺な毛細管あるいは絞り弁を用いて実施され、しかも質量センサーそれ自体に連続的に送り込むことが可能である。赤外線分光学は、ガスの光吸収を測定するための確立された分析手法であり、しかもそれは半導体処理モニタリングにとって理想的である。なぜなら、それは真空ならびに非真空の両方の環境で使用でき、しかも、処理中、多くの有用な情報を提供できるからである。
【0016】
図1Bは本発明の実施形態による処理システム1の概略図である。バッチ式処理システム1は、たとえば熱処理システムとすることができ、あるいはこれに代えて、バッチ式処理システムはプラズマを維持できるプラズマ処理システムとすることができる。バッチ式処理システム1は、その内部に処理チューブ25を備えた処理チャンバー10を含み、この処理チューブ25は、排気パイプ80に接続された上端部23および円筒形マニホールド2の蓋27に密閉状態で接合された下端部24を有し、円筒形マニホールド2は、蓋27およびその操作コンポーネントと共に、処理チューブ25内に存在しかつそこから取外し可能なシステム1の上記コンポーネントを含む。排気パイプ80は処理チューブ25から真空ポンプシステム(以下でさらに詳細に説明する)へとガスを排出し、処理システム内を所定の大気圧あるいは大気圧以下に維持するようになっている。複数の基板(ウエハ)40を(垂直方向に間隔をおいて個々の平面内に)層状様式で保持するための基板ホルダー35が処理チューブ25内に配置される。基板ホルダー35はターンテーブル26の上に存在するが、このターンテーブル26は蓋27を貫通する回転可能なシャフト21の上に設置され、かつモーター28によって駆動される。ターンテーブル26は全体的なフィルム均質性を改善するために処理中、回転でき、あるいはその代わりに、ターンテーブル26は処理中、静止したままでもよい。蓋27は、基板ホルダー35を反応チューブ25内におよびそこから移送するためのエレベータ22に搭載される。図1Bに示すように、蓋27がその最上方位置にあるとき、この蓋27はマニホールド2の開放端部を閉塞するよう構成される。
【0017】
処理システム1はさらにペデスタル(図示せず)を備えてもよく、これは基板ホルダー35とマニホールド2との間の断熱をもたらす。加えて、処理システム1はさらに、キャップカバー(図示せず)を備えてもよく、これは処理環境から蓋27を保護する。ペデスタルおよびキャップカバーは、たとえば石英あるいはSiCから形成できる。
【0018】
ガス噴射ライン45を経て処理チューブ25内に複数のガスを供給するために、複数のガス噴射ライン45をマニホールド2の周りに配置できる。図1Bでは、複数の存在可能なガス噴射ラインのうちのただ一つのガスライン45を示している。ガス噴射ライン45はガス噴射システム94に接続されている。処理チャンバー10は鏡面仕上げ内面30を有し、これは、メインヒーター20、底部ヒーター65、天面ヒーター15、および排気パイプヒーター70から発せられる輻射熱の散逸を抑える。螺旋状冷却水流路(図示せず)が、冷却媒体流路として処理チャンバー10の壁内に形成される。
【0019】
真空ポンプシステム88は、真空ポンプ86、トラップ84、そして自動式圧力コントローラ(APC)82を具備してなる。真空ポンプ86は、たとえば、毎秒20,000リットル(およびそれ以上)までのポンプ速度を実現できる乾燥真空ポンプを含むことができる。処理中、ガスは、ガス噴射システム94によって処理チャンバー10内に導入でき、そして処理圧力はAPC82によって調整可能である。トラップ84は処理チャンバー10からの未反応前駆物質および副産物を回収できる。
【0020】
本発明によれば、処理チャンバー10内のガス状環境をモニターするために、チャンバー保護システム92を配置できる。これに代えて、チャンバー保護システム92を処理チャンバー放出物をモニターするために配置できる。チャンバー保護システム92はリアルタイム処理モニタリングが可能なセンサー75を含み、かつたとえばMSあるいはFTIRスペクトロメータを備えることができる。コントローラ90は、マイクロプロセッサー、メモリー、および処理システム1からのモニター出力と同様、処理システム1と通信すると共にそれに対する入力を発生させるのに十分な制御電圧を発生させることができるデジタルI/Oポートを備える。その上、コントローラ90は、ガス噴射システム94、モーター28、チャンバー保護システム92、ヒーター20,15,65および70、ならびに真空ポンプシステム88に接続されると共に、それらと情報交換できる。
【0021】
図1Aおよび図1Bの処理システム1は、例証のためのものに過ぎないことを理解されたい。なぜなら、さまざまな特定のハードウエアおよびソフトウエアの変形例を、本発明が実施される装備システムに対して役立てることができるからである。これら変形例は当業者には明白であろう。図1Aおよび図1Bにおける処理システム1,100は、処理中、侵食され得るかあるいは原料堆積物で覆われた状態となり得るシステムコンポーネントを有する。消耗システムコンポーネントの例としては、処理チューブ、シールド、リング、バッフル、ガスインジェクター、ウエハボート(基板ホルダー)、ペデスタル、キャップカバー、およびライナーが挙げられる。システムコンポーネントは、さまざまな素材、たとえば、酸化物(例として石英(SiO)およびアルミナ(Al))、窒化物(例として窒化ケイ素(SiN))、炭化物(例として炭化ケイ素(SiC))のようなセラミック素材、金属(例としてAl)、および金属含有素材(例としてスチール)から製造できる。システムコンポーネントは単一種の素材から構成でき、あるいはこれに代えて二つ以上の種類の素材から構成できる。
【0022】
本発明の他の実施形態では、処理システムは単一ウエハ処理システムを含むことができ、この処理は従来公知である。単一ウエハ処理システムにおいて使用される消耗システムコンポーネントの例としては、電極、ヒーター、シールド、リング、バッフル、インジェクター、およびライナーが挙げられる。
【0023】
処理システムにおける基板の処理は、システムコンポーネント上に原料堆積物を生じ得る。原料堆積物は一つ以上の種類の原料、たとえばケイ素(Si)、ケイ素ゲルマニウム(SiGe)、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)、ドープされたケイ素、ならびにHfO、HfSiO、ZrO、ZrSiOのような高k金属酸化物を含む誘電金属酸化物(ここでkは誘電率である)を含み得る。多くの異なる原料堆積物のエッチングに由来するエッチング生成物のモニタリングは、モニタリングを必要とするであろうよりも多数のエッチング生成物のために実用的でなくなることがある。
【0024】
本発明のある実施形態では、処理システムは保護コーティングを有するシステムコンポーネントを含み得る。保護コーティングは、たとえば、処理中に、処理環境から消耗システムコンポーネントを保護し、そして消耗システムコンポーネントの寿命を延ばすことができる。保護コーティングは、たとえばチャンバーコンディショニング処理中に、システムコンポーネントに本来の場所に堆積させることができ、あるいはこれに代えて、システムコンポーネントの製造時、このシステムコンポーネントに予め堆積させることができる。保護コーティングは、SiN、SiC、SiO、Y、Sc、Sc、YF、La、CeO、Eu、DyO、SiO、MgO、Al、ZnO、SnO、およびInを含み得る。本発明の方法およびシステムは、保護コーティング形成時、チャンバーコンディショニング処理時、あるいはチャンバークリーニング処理中に保護コーティング上に生じた堆積物の除去時に、システムコンポーネントの状態をモニターするのに使用できる。
【0025】
本発明のある実施形態によれば、処理中、システムコンポーネントを反応ガスに曝露することによって処理システムのシステムコンポーネントの状態をモニタリングすると共に、システムコンポーネントの状態を特定するために、処理中、システムコンポーネント材のエッチングに由来するエロージョン生成物の放出に関して処理システムをモニタリングする方法が提供される。この処理は、基板エッチング処理、基板薄膜形成処理、チャンバークリーニング処理、および/またはチャンバーコンディショニング処理を含み得る。
【0026】
システムコンポーネントの状態は、たとえば、チャンバークリーニング処理中(ここで原料堆積物はシステムコンポーネントから除去されている)、システムコンポーネント上に留まっている原料堆積物の相対量を、あるいは基板エッチング処理、基板薄膜形成処理またはチャンバーコンディショニング処理中にシステムコンポーネント上に生じた原料堆積物の相対量を示し得る。
【0027】
本発明の一実施形態では、チャンバー温度は、処理中、約100℃と約1000℃の間とすることができる。本発明の他の実施形態では、チャンバー圧力は約10mTorrと約760Torrの間とすることができる。本発明のさらに他の実施形態では、システムコンポーネントは石英から作られ、そしてチャンバークリーニングは、約200℃と約800℃の間の、たとえば300℃のチャンバー温度で、かつ約200mTorrと約760Torrの間の、たとえば約200mTorrのチャンバー圧力で実施される。
【0028】
本発明のある実施形態では、クリーニング処理中、システムコンポーネントの状態をモニタリングするための方法が提供される。クリーニング処理は、システムコンポーネント材に接触させられかつそれをエッチングするとき、システムコンポーネントから原料堆積物を除去でき、かつエロージョン生成物を発生させることができる反応ガスを伴い得る。本発明のある実施形態では、システムコンポーネントは石英を含むことができ、しかも反応ガスは、たとえば、ハロゲン含有ガス(例として、ClF、F、NFおよびHF)を含むクリーニングガスを含有し得る。エロージョン生成物は、ケイ素含有エロージョン生成物、たとえばケイ素ハロゲン化物(例として、SiF、SiCl、およびSiBr)あるいはケイ素オキシハロゲン化物(例として、Si。ここでXは、F、ClあるいはBrである)を含み得る。反応ガスはさらに、Ar、He、Ne、Kr、XeおよびNのうちの少なくとも一つから選ばれる不活性ガスを含み得る。ゆえに、モニタリングシステムによってシステムコンポーネントからのエロージョン生成物が検出された場合、モニタリング状態は、原料堆積物の除去が完了するか、あるいは略完了したことを示し、そしてコントローラは、システムコンポーネントにそれ以上のエロージョンが生じる前に、クリーニング/エッチング処理を停止させるための入力を受ける。
【0029】
本発明の他の実施形態では、システムコンポーネントは保護コーティングを持つことができ、しかも反応ガスは、システムコンポーネントから原料堆積物(たとえば高k金属酸化物)を除去すると共に、保護コーティングに接触させられかつそれをエッチングするときにエロージョン生成物を発生させることができる。本発明のある実施形態では、保護コーティングはSiNとすることができ、しかもエロージョン生成物はケイ素含有エロージョン生成物あるいは窒素含有エロージョン生成物とすることができる。システムコンポーネントは、たとえば石英から製造でき、しかもSiN保護コーティングおよび高k原料堆積物を含み得る。ゆえに、SiN保護コーティングからのエロージョン生成物がモニタリングシステムによって検出された場合、モニタリング状態は、高k原料堆積物除去が完了したこと、あるいは概ね完了であることを示し、そしてコントローラは、システムコンポーネントにそれ以上のエロージョンが生じる前にクリーニング/エッチング処理を停止させるための入力を受ける。
【0030】
クリーニング処理のモニタリングはさらに、システムコンポーネント材(あるいはシステムコンポーネント上の保護コーティング)のエッチングによるエロージョン生成物の強度レベルが閾値に達したかどうかを判定することをさらに伴うことができ、これによってシステムコンポーネントが十分に浄化されたかどうかが判定され、そしてこの判定に基づいて処理は継続されるか停止させられる。
【0031】
本発明のさらに他の実施形態では、コンディショニング処理、基板薄膜形成処理、あるいは基板エッチング処理の間、システムコンポーネントへの原料堆積の程度をモニタリングすることによって、システムコンポーネントの状態をモニタリングする方法を提供する。反応ガスは、保護膜を被せ汚染物質ガス放出を抑止するためシステムコンポーネント上に窒化ケイ素コーティングを形成するようチャンバーをコンディショニングするためのチャンバーコンディショニングガス、たとえばジクロロシラン(DCS)のようなケイ素含有ガスおよびNHのような窒素含有ガスを、あるいは基板上に薄膜を形成するための薄膜形成ガス、たとえば、基板上に酸化物膜またはオキシ窒化物膜を形成するためのNOまたはNOのような窒素含有ガスを、あるいは基板上にSiOを堆積させるためのテトラエチルオルトシリケート(TEOS)のようなケイ素含有ガスを、あるいは基板から原料を除去するための基板エッチングガス、たとえばSiO薄膜除去用のHFのようなハロゲン含有ガスを含んでいてもよい。反応ガスはさらに、Ar、He、Ne、Kr、XeおよびNの少なくとも一つから選択される不活性ガスを含むことができる。
【0032】
チャンバーコンディショニング処理、基板薄膜形成処理、あるいは基板エッチング処理のモニタリングは、システムコンポーネント材(あるいはシステムコンポーネント上の保護コーティング)のエッチングによるエロージョン生成物の強度レベルが閾値に達したかどうかを判定することをさらに伴うことができ、これによってシステムコンポーネント上への原料堆積の程度が判定され、そしてこの判定に基づいて処理は継続されるか停止させられる。
【0033】
図2Aには、本発明の一実施形態による原料堆積物210を含むシステムコンポーネント200の断面が概略的に示されている。図2Aのシステムコンポーネント200は、たとえば、処理チューブ、シールド、リング、バッフル、インジェクター、壁、基板ホルダー、ライナー、ペデスタル、キャップカバー、電極、および/またはヒーターからなることができる。システムコンポーネント200は、さまざまな素材、たとえば石英、SiC、Al、あるいは金属から製造できる。図2Aのシステムコンポーネント200は、システムコンポーネント材205の上に形成された連続した平滑な原料堆積物210を有する。原料堆積物210は、一つ以上の種類の物質、たとえば、Si、SiGe、SiN、SiO、ドープされたSi、および金属酸化物、たとえばHfO、HfSiO、ZrOおよびZrSiOを含むことができる。図2Bには、本発明の一実施形態による汚れのないシステムコンポーネントの断面図を概略的に示す。図2Aの原料堆積物210は、システムコンポーネント材205を反応ガスに曝すことにより、クリーニング処理において除去されており、これによって図2Bの汚れのないシステムコンポーネントがもたらされている。上記クリーニング処理は、原料堆積物210がシステムコンポーネント材205から実質的に除去されたとき、そしてシステムコンポーネント材205が侵食状態となる前に停止される。
【0034】
図2Cには本発明の一実施形態による侵食されたシステムコンポーネントの断面が概略的に示されている。図2Cのシステムコンポーネント200は、図2Bのシステムコンポーネントよりも長い間、クリーニング処理を受けており、これによってシステムコンポーネント材205の適度なエロージョンがもたらされている。
【0035】
図2Dには本発明の一実施形態による他な侵食されたシステムコンポーネントの断面が概略的に示されている。図2Dのシステムコンポーネント200は、図2Cのシステムコンポーネントよりも長い間、クリーニング処理を受けており、これによってシステムコンポーネント材205のより進んだエロージョンがもたらされている。
【0036】
図2A〜図2Dに関して、本発明は、処理中、エロージョン生成物の放出に関して処理システムをモニタリングすることにより、システムコンポーネント材205の望ましくないエロージョンを抑止できる。たとえば、図2Bに示すように、原料堆積物210がシステムコンポーネント材205から実質的に除去された時に、処理を停止することが望ましく、これによって図2Cおよび図2Dに示すようなシステムコンポーネント材205のエロージョンが抑止される。
【0037】
図3Aには本発明の一実施形態による原料堆積物310を含むシステムコンポーネント300の断面を概略的に示す。システムコンポーネント300は、システムコンポーネント材305の上に形成された不連続な原料堆積物310を有する。
【0038】
図3Bには本発明の一実施形態による侵食されたシステムコンポーネントの断面が概略的に示されている。石英製システムコンポーネント300はクリーニング処理において反応ガスに曝され、これによって図3Bの侵食されたシステムコンポーネント300がもたらされており、ここで堆積物310はシステムコンポーネント材305から実質的に除去されている。クリーニング処理はシステムコンポーネント材305の適度なエロージョンにつながり、特にここでは、原料堆積物310は厚みが僅かなものであるか、消失している。
【0039】
図3Cには本発明の一実施形態による他の侵食されたシステムコンポーネントの断面が概略的に示されている。図3Cのシステムコンポーネント300は、原料堆積物310の完全な除去のために、図3Bのシステムコンポーネント300よりも長い間、クリーニング処理を受けており、これによってシステムコンポーネント材305のエロージョンが拡大している。エロージョンが酷くなると、耐用期間が短くなり、しかもシステムコンポーネント300をさらに頻繁に交換しなければならなくなる。
【0040】
図3A〜図3Cに関して、本発明はシステムコンポーネント材305の甚だしいエロージョンを抑止できる。たとえば、図3Bに示すように、原料堆積物310がシステムコンポーネント材305から実質的に除去されたとき、処理を停止するのが望ましいであろう。これによって、図3Cに示すようなシステムコンポーネント材305のさらなるエロージョンが抑止される。モニタリングシステムは、たとえば、原料堆積物に関するエロージョン生成物の量に対する、システムコンポーネント材に関するエロージョン生成物の相対量を検出可能であり、所定の相対量に達したとき、システムコントローラが作動して処理を停止させることができる。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態による処理システムにおけるシステムコンポーネントの状態をモニタリングする方法を示すフローチャートである。400において処理が開始される。この処理は、チャンバー内で実施されると共にシステムコンポーネントの状態に影響を及ぼす準備または生産処理であってもよい。たとえば、上記処理は反応ガスを利用し、かつチャンバー内の基板上で行われる、いかなるタイプの析出あるいはエッチング処理であってもよく、あるいは上記処理は、半導体加工用のチャンバーを準備するのに使用されるチャンバーコンディショニング処理あるいはチャンバークリーニング処理であってもよい。402において、チャンバー内で実施される処理が、チャンバー保護システムによってモニターされる。このモニタリングは、たとえば、エロージョン生成物による光吸収信号または質量信号に基づくものとすることができる。チャンバー内での処理中、処理に用いられる原料を、システムコンポーネント(および処理チャンバー内の他の面)に堆積させることができ、あるいはそこから除去できる。これは、処理チャンバー内で処理が継続するとき、システムコンポーネント材のエッチングによるエロージョン生成物からの信号を改変し得る。この信号の変化は、チャンバー保護システムによって検出でき、かつシステムコンポーネントの状態に相関させることができる。404において、エロージョン生成物からの検出信号強度が閾値に達していない場合、処理は402において継続され、また404において信号が閾値に達した場合、402において処理を継続するかあるいは408において停止するかの、いずれかの決定が406においてなされる。
【0042】
エロージョン生成物からの信号強度は、処理の終点を特定するためにモニターすることができる。処理の終点に対する信号強度の相関は、信号強度の検出ならびにシステムコンポーネントの状態のモニタリング中に実施される試験処理によって実現可能である。システムコンポーネントの状態は、たとえば、試験処理中にシステムコンポーネントを検査すると共に処理の所望の終点が観察された時に記録された検出閾強度に対して点検結果を相関させることによって評価できる。この閾強度は固定された強度値であってもよく、あるいは測定された信号強度と初期信号強度(処理の開始時に測定される)との比率であってもよい。
【0043】
図5Aは、本発明の一実施形態による処理中のシステムコンポーネントのモニタリングに関する、処理時間の関数としての信号強度を示すグラフである。このシステムコンポーネントは、たとえば石英を含んでいてもよい。上記処理は、たとえば、クリーニング処理であってもよく、ここで、原料堆積物を含む石英製システムコンポーネントは反応ガスに曝される。上記信号は、たとえば、Si含有(例としてSiF)エロージョン生成物による光吸収信号あるいは質量信号であってもよい。曲線540からわかるように、システムコンポーネントからの原料堆積物の除去およびシステムコンポーネント材の反応ガスへの曝露の増進(これは処理チャンバー内のエロージョン生成物の量の増大につながる)により、検出信号強度はクリーニング処理が進むにつれて概して増大する。図5Aの曲線540は、信号強度に関して、実質上、直線的増加を示しているが、この信号強度曲線はクリーニング処理の様式に依存し、しかも非直線的なものであってもよいことを理解されたい。やはり図5Aからわかるように、閾強度550は時刻560において検出されるが、このとき、システムコンポーネントは、所要の処理のために許容し得るクリーンなレベルであることがわかる。この許容し得るクリーンレベルは、チャンバー内で実施されることになる生産処理に依存して変化し得ることを理解されたい。
【0044】
図5Bは、本発明の一実施形態による処理中のシステムコンポーネントのモニタリングに関する、処理時間の関数としての信号強度を示すグラフである。この処理は、たとえば、クリーニング処理とすることができ、ここで、原料堆積物を含むシステムコンポーネントは反応ガスにさらされる。上記信号は、たとえば、エロージョン生成物による光吸収信号あるいは質量信号であってもよい。曲線500の信号は、たとえば、連続した比較的均一な原料堆積物(例として図2A)を有するシステムコンポーネント上で実施されるクリーニング処理に対応し得る。たとえば、時刻524で検出される増大した信号強度522は、システムコンポーネント材の反応ガスへの曝露が開始されたことを指し示すものとなり得る。閾強度502はクリーニング処理中に時刻504において検出され、しかもより長い処理時間が経過した時点で、曲線500の信号は飽和状態となる。時刻504における閾強度502は、システムコンポーネントの所望の状態(例としてクリーンレベル)、たとえばシステムコンポーネントからの原料堆積物の略完全な除去(たとえば図2B)が実現された時刻に検出された信号強度に対応するものとすることができる。ここでクリーンレベルは達成されている。もし、クリーニング処理が時刻504を過ぎて実施された場合、システムコンポーネントのエロージョンが生じ得る(たとえば図2Cおよび図2D)。
【0045】
曲線510に関する信号は、たとえば、(単一または複数の)不連続な原料堆積物(たとえば図3A)を有するシステムコンポーネント上で実施されるクリーニング処理に対応し得る。不連続な原料堆積物の除去は、クリーニング処理の開始時から増大する信号強度によって指示し得る。閾強度512は、クリーニング処理中、時刻514において検出され、そしてより長い処理時間が経過した時点で曲線510に関する信号は飽和状態となる。時刻514における閾強度512は、システムコンポーネントからの原料堆積物の実質的な除去(図3B)に対応し得るものであり、ここで所望のクリーンレベルが達成されている。曲線500によってモニターされるクリーニング処理とは異なり、システムコンポーネントの部品は曲線510でモニターされるクリーニング処理においてエッチングされ、これによってシステムコンポーネントのエロージョンがもたらされる。
【0046】
図4に戻って、処理中に402で信号強度が検出されるとき、コントローラは、404において、検出された信号強度を先に記憶された信号強度と比較し、そして検出された信号強度が所定の閾強度に達したかどうかを判定する。信号閾強度が未だ検出されない場合、モニタリングは402に戻り、そして処理が継続される。閾値信号強度が検出されたとき、406において、402の処理を継続するか、あるいは408において処理を停止するか、いずれかの決定がなされる。あるいは、406における処理を継続する決定は、処理の第2の段階に入るための処理パラメーターの調整を含んでいてもよく、これは、その後、第2の閾値に達するまでモニターされる。たとえば、温度および/または反応ガス濃度は、より穏やかなクリーニング環境をもたらすために低下させることができる。
【0047】
図5Cは、本発明の一実施形態による処理中のシステムコンポーネントのモニタリングに関する、処理時間の関数としての信号強度を示すグラフである。この処理は、たとえば、チャンバーコンディショニング処理、基板薄膜形成処理、または基板エッチング処理とすることができ、ここで、汚れのないシステムコンポーネントは反応ガスにさらされる。信号は、たとえば、エロージョン生成物による光吸収信号あるいは質量信号とすることができる。曲線570からわかるように、システムコンポーネント上への原料堆積物の生成によって、したがってシステムコンポーネント材が反応ガスに曝されなくなること(これは処理チャンバー内での石英エロージョン生成物の量の低減につながる)によって、検出された信号強度は、概ね、処理が進むにつれて低下する。単に実例として言うと、タングステン六弗化物前駆物質から基板上にタングステンを蒸着させるためのバッチ式処理チャンバーにおいて、石英製システムコンポーネントは、前駆物質の解離によって生じるフッ素ガスに曝露されたとき、SiF反応生成物を生じ得る。タングステンがさらに石英製システムコンポーネント上に堆積することになる。だが、システムコンポーネント上の広範囲にわたるタングステンの積層は、結局のところ剥がれ落ち、基板上に非絶縁堆積物を生じるであろう。ゆえに、システムコンポーネントエロージョン生成物の状態をモニタリングすることで、システムコンポーネントの完全な、あるいは略完全なコーティングがなされたという判定に関する必要な入力情報が提供され得る。この時刻に、コントローラは処理チャンバークリーニング処理を実施するために蒸着処理を中止することになる。
【0048】
図5Aの曲線570は信号強度に関して、実質上、直線的な低下を示しているが、信号強度曲線は、処理の様式に依存しかつ非直線的なものであってもよいことを理解されたい。図5Cからもわかるように、閾強度580は時刻590において検出されるが、このとき、システムコンポーネントは所望の処理に関して既知の状態にあることが分かる。この既知の状態は、チャンバー内で実施されることになる生産処理次第で変わり得ることを理解されたい。
【0049】
明らかに、上記内容に鑑みて、本発明をさまざまに変形および変更することが可能である。それゆえ本発明は、特許請求の範囲内で、本明細書で詳しく説明したものとは異なる様式で実施できることを理解されたい。たとえば、本明細書で説明しかつ請求項に記載された処理ステップは、本明細書にて説明するか列挙された手順以外の手順で実施可能である。当業者には明白であるように、後の処理ステップの実施に必須の処理ステップのみを、後の処理ステップが実施される前に実施することが必要なだけである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A】本発明の実施形態に従った処理システムを示す概略図である。
【図1B】本発明の実施形態に従った他の処理システムを示す概略図である。
【図2A】本発明の実施形態に従った原料堆積物を含むシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図2B】本発明の実施形態に従った汚れのないシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図2C】本発明の実施形態に従った侵食されたシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図2D】本発明の実施形態に従った他の侵食されたシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図3A】本発明の実施形態に従った原料堆積物を含むシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図3B】本発明の実施形態に従った侵食されたシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図3C】本発明の実施形態に従った他の侵食されたシステムコンポーネントの概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態に従った処理システムにおけるシステムコンポーネントの状態をモニタリングする方法を説明したフローチャートである。
【図5A】本発明の実施形態に従ったシステムコンポーネントの状態のモニタリングに関する処理時間の関数として信号強度を示すグラフである。
【図5B】本発明の実施形態に従ったシステムコンポーネントの状態のモニタリングに関する処理時間の関数として信号強度を示すグラフである。
【図5C】本発明の実施形態に従ったシステムコンポーネントの状態のモニタリングに関する処理時間の関数として信号強度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0051】
1 バッチ式処理システム
2 円筒形マニホールド
10 処理チャンバー
15 天面ヒーター
20 メインヒーター
21 シャフト
22 エレベータ
23 上端部
24 下端部
25 処理チューブ
26 ターンテーブル
27 蓋
28 モーター
30 内面
35 基板ホルダー
40 基板(ウエハ)
45 ガス噴射ライン
65 底部ヒーター
70 排気パイプヒーター
75 センサー
80 排気パイプ
82 自動式圧力コントローラ(APC)
84 トラップ
86 真空ポンプ
88 真空ポンプシステム
90 コントローラ
92 チャンバー保護システム
94 ガス噴射システム
100 バッチ型処理システム
102 処理チャンバー
104 ガス噴射システム
106 真空ポンプシステム
108 チャンバー保護システム
110 基板
112 基板ホルダー
114 外側セクション
116 内側セクション
118,120 空間
122 ヒーター
124 コントローラ
200 システムコンポーネント
205 システムコンポーネント材
210 原料堆積物
300 システムコンポーネント
310 原料堆積物
305 システムコンポーネント材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理システムにおけるシステムコンポーネントの状態をモニタリングする方法であって、
処理中、システムコンポーネントを反応ガスに曝露するステップであって、この反応ガスはエロージョン生成物を発生させるために前記システムコンポーネント材をエッチングできるものであるようなステップと、
前記システムコンポーネントの状態を判定するため、前記処理中、前記エロージョン生成物の放出に関して前記処理システムをモニタリングするステップと、
前記モニタリングから得られる状態に基づいて、(a)前記曝露ならびにモニタリングの継続および(b)処理停止の一方を実施するステップと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記曝露ステップは、前記システムコンポーネントが、処理チューブ、シールド、リング、バッフル、壁、保護コーティング、インジェクター、基板ホルダー、ライナー、ペデスタル、キャップカバー、電極、およびヒーターからなる群から選ばれる少なくとも一つであるようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記曝露ステップは、前記システムコンポーネントが、酸化物、窒化物および炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記曝露ステップは、前記システムコンポーネントが、石英、Al、SiN、およびSiCからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記曝露ステップは、前記システムコンポーネントがその上に原料堆積物を有するようなものであり、かつ前記処理は、前記システムコンポーネントから前記原料堆積物を除去するクリーニング処理であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記曝露ステップは、前記システムコンポーネントがその上に、Si、SiGe、SiN、SiO、ドープされたSi、HfO、HfSiO、ZrO、およびZrSiOからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む原料堆積物を有するようなものであると共に、前記処理は、前記システムコンポーネントから前記原料堆積物を除去するクリーニング処理であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記処理は、チャンバークリーニング処理、チャンバーコンディショニング処理、基板エッチング処理、および基板薄膜形成処理からなる群から選ばれる少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、チャンバークリーニング処理中に前記システムコンポーネントをクリーニングするためのハロゲン含有ガスを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、チャンバークリーニング処理中に前記システムコンポーネントをクリーニングするための、ClF、F、NF、およびHFからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、チャンバーコンディショニング処理中に、前記システムコンポーネントをコンディショニングするための、ケイ素含有ガスおよび窒素含有ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、チャンバーコンディショニング処理中に、前記システムコンポーネントをコンディショニングするための、ジクロロシランおよびNHからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、基板エッチング処理中に、基板をエッチングするためのハロゲン含有ガスを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、基板エッチング処理中に、基板をエッチングするためのHFを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、基板薄膜形成処理中に、薄膜を堆積させるための、ケイ素含有ガスおよび窒素含有ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記曝露ステップは、前記反応ガスが、基板薄膜形成処理中に、薄膜を堆積させるための、NOおよびテトラエチルオルトケイ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一つを含むようなものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記曝露ステップ中、前記処理システムを約100℃と約1000℃の間の温度で作動させることをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記曝露ステップ中、前記処理システムを約10mTorrと約760Torrの間のチャンバー圧力で作動させることをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記システムコンポーネントは石英を含むと共に、前記曝露ステップ中、約200mTorrないし約760Torrのチャンバー圧力でかつ約200℃ないし約800℃の温度で前記処理システムを作動させることをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記曝露ステップは、前記システムコンポーネントが、SiN保護コーティングおよびその上の金属酸化物原料堆積物を有する石英を含むようなものであり、かつ前記処理は、前記保護コーティングから前記原料堆積物を除去するためのクリーニング処理であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記モニタリングステップは、前記エロージョン生成物の光吸収を検出するために光学式モニタリングシステムを使用することを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記モニタリングステップは、光吸収の強度レベルが閾値に達したかどうかを判定することをさらに具備することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(b)前記処理停止の実行は、前記閾値に達したと判定された後に行われることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記モニタリングステップは、前記エロージョン生成物からの質量信号を検出するために質量センサーを使用することを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記モニタリングステップは、前記質量信号の強度レベルが閾値に達したかどうかを判定することをさらに具備することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
(b)前記処理停止の実行は、前記閾値に達したと判定された後に行われることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記モニタリングステップは、ケイ素含有エロージョン生成物および窒素含有エロージョン生成物からなる群から選ばれる少なくとも一つの放出をモニタリングすることを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記モニタリングステップは、ケイ素ハロゲン化物エロージョン生成物の放出をモニタリングすることを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記モニタリングステップは、SiF、SiCl、およびSiBrからなる群から選ばれる少なくとも一つの放出をモニタリングすることを具備することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記モニタリングステップは、ケイ素オキシハロゲン化物エロージョン生成物の放出をモニタリングすることを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記システムコンポーネントはケイ素含有素材からなると共に、前記反応ガスはハロゲン化物含有ガスからなり、これによって前記曝露ステップはケイ素ハロゲン化物エロージョン生成物を発生させ、かつ前記モニタリングステップは前記ケイ素ハロゲン化物エロージョン生成物の放出をモニタリングすることを具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
処理システムにおけるシステムコンポーネントの状態をモニタリングする方法であって、
システムコンポーネントに保護コーティングを形成するステップと、
処理中、前記保護コーティングを反応ガスに曝露するステップであって、前記反応ガスはエロージョン生成物を発生させるために前記保護コーティングをエッチングできるものであるようなステップと、
前記システムコンポーネントの状態を判定するため、前記処理中、前記エロージョン生成物の放出に関して前記処理システムをモニタリングするステップと、
前記モニタリングによって得られた状態に基づいて、(a)前記曝露ならびにモニタリングの継続および(b)処理停止の一方を実施するステップと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項32】
前記保護コーティングの形成は、SiN、SiC、SiO、Y、Sc、Sc、YF、La、CeO、Eu、DyO、SiO、MgO、Al、ZnO、SnO、およびInからなる群から選ばれる少なくとも一つを形成することを具備することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
処理チャンバーと、
前記処理チャンバー内のシステムコンポーネントと、
前記処理チャンバー内に反応ガスを導入するよう構成されたガス噴射システムであって、前記反応ガスは、処理中、エロージョン生成物を発生させるため、前記システムコンポーネント材をエッチングできるものであるようなガス噴射システムと、
前記システムコンポーネントの状態を判定すると共に前記状態を伝達するために、前記エロージョン生成物の放出に関して前記処理チャンバー内で前記処理システムをモニタリングするためのチャンバー保護システムと、
前記チャンバー保護システムから得られる状態を受けると共に前記状態に応じて前記処理システムを制御するよう構成されたコントローラと、を具備してなることを特徴とする処理システム。
【請求項34】
熱処理システム、プラズマ処理システム、化学気相成長システム、および原子層堆積システムからなる群から選ばれる少なくとも一つからなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項35】
バッチ型処理システムおよび単一ウエハ処理システムからなる群から選ばれる少なくとも一つからなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項36】
前記システムコンポーネントが、処理チューブ、シールド、リング、バッフル、壁、保護コーティング、インジェクター、基板ホルダー、ライナー、ペデスタル、キャップカバー、電極、およびヒーターからなる群から選ばれる少なくとも一つからなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項37】
前記システムコンポーネントは、酸化物、窒化物および炭化物からなる群から選ばれる少なくとも一つからなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項38】
前記システムコンポーネントは、石英、AlO、SiN、およびSiCからなる群から選ばれる少なくとも一つからなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項39】
前記システムコンポーネントは、その上に原料堆積物を具備してなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項40】
前記システムコンポーネントは、Si、SiGe、SiN、SiO、ドープされたSi、HfO、HfSiO、ZrO、およびZrSiOからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む原料堆積物をさらに具備してなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項41】
前記チャンバー保護システムは、前記エロージョン生成物の光吸収を検出するため光学式モニタリングシステムを具備してなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項42】
前記チャンバー保護システムは、前記エロージョン生成物からの質量信号を検出するため質量センサーを具備してなることを特徴とする請求項33に記載の処理システム。
【請求項43】
処理チャンバーと、
前記処理チャンバー内のシステムコンポーネントと、
前記処理チャンバー内に反応ガスを導入するよう構成されたガス噴射システムであって、前記反応ガスは、処理中、エロージョン生成物を発生させるために、前記システムコンポーネント材をエッチングできるものであるようなガス噴射システムと、
前記処理中に、前記システムコンポーネントの状態をモニターするために、前記エロージョン生成物による光吸収をモニタリングするための光学式モニタリングシステムであって、光吸収の強度レベルが閾値に達したかどうかを判定し、かつ前記判定に基づいて処理を継続するか停止するようさらに構成されてなる光学式モニタリングシステムと、
前記判定に応じて前記処理システムを制御するよう構成されたコントローラと、を具備してなることを特徴とする処理システム。
【請求項44】
処理チャンバーと、
前記処理チャンバー内のシステムコンポーネントと、
前記処理チャンバー内に反応ガスを導入するよう構成されたガス噴射システムであって、前記反応ガスは、処理中、エロージョン生成物を発生させるために、前記システムコンポーネント材をエッチングできるものであるようなガス噴射システムと、
前記処理中に、前記システムコンポーネントの状態をモニターするために、エッチング生成物からの質量信号をモニタリングするための質量センサーであって、質量信号の強度レベルが閾値に達したかどうかを判定し、かつ前記判定に基づいて処理を継続するか停止するようさらに構成されてなる質量センサーと、
前記判定に応じて前記処理システムを制御するよう構成されたコントローラと、を具備してなることを特徴とする処理システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate


【公表番号】特表2007−510288(P2007−510288A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534101(P2006−534101)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/032170
【国際公開番号】WO2005/034210
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(505390680)ト−キョ−・エレクトロン・アメリカ・インコーポレーテッド (64)
【Fターム(参考)】