説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラム

【課題】交差点に進入できる優先度をより正確に決定することが可能となるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU41は、自車両2が信号機の無い交差点に接近した場合には、当該交差点に接近している他車両の車両状況、自車両2の車両状況を取得すると共に、当該信号機の無い交差点を構成する各道路の道路状況に関する情報を取得する(S14:NO〜S16)。そして、自車両2と他車両が当該交差点で交差する場合には、CPU41は、自車両2と他車両が交差点を通過後にそれぞれが進入する各進入道路の道路状況から自車両が優先的に進入できるか否かを判定し、他車両と自車両2の運転者とに通知する(S17〜S20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点での進行案内を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、交差点での進行案内を行う技術に関し種々提案されている。
例えば、信号機の無い交差点で交差可能性の高い車両に対して、各車両の交差点までの距離、各車両の走行速度、及び、交差点を構成する各交差道路における先頭車両に対する後続車両の後続状況により、当該信号機の無い交差点に優先的に進入できる優先度を決定するように構成された車両制御システムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−34382号公報(段落(0010)〜(0065)、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両制御システムでは、信号機の無い交差点に進入する自車両の車両状況及び他車両の車両状況や、当該交差点を通過後にそれぞれが進入する各道路状況が考慮されていないため、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定できない虞があるという問題がある。例えば、優先側に設定した車両の進行方向が渋滞している場合には、優先的に走行させてもすぐに停車したり、進入できないことがあるため、優先的に走行させる効果が低下するという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、交差点に進入する自車両及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度をより正確に決定することが可能となるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るナビゲーション装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段(11)と、地図情報を記憶する地図情報記憶手段(12)と、他車両と通信可能な通信手段(17)と、前記自車位置と前記地図情報とに基づいて車両進行方向前方の交差点を検出する交差点検出手段(13)と、前記交差点に接近した場合には、自車両の車両状況を取得すると共に前記通信手段を介して該交差点に接近する他車両の車両状況を取得する車両状況取得手段(13)と、前記自車両の車両状況及び前記他車両の車両状況に基づいて、前記交差点で該自車両が該他車両と交差するか否かを判定する交差判定手段(13)と、前記交差点で前記自車両が前記他車両と交差すると判定した場合には、該自車両及び他車両が該交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を取得する道路状況取得手段(13)と、前記各進入道路の道路状況に基づいて、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定する優先度判定手段(13)と、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できると判定した場合には、該自車両が優先である旨を前記他車両に対して前記通信手段を介して通知すると共に該自車両の運転者に通知するように制御する通知制御手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置(1)において、前記優先度判定手段(13)は、前記自車両及び他車両が前記交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況に基づいて、該自車両が該交差点に優先的に進入できるか否かを判定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るナビゲーション装置は、請求項2に記載のナビゲーション装置(1)において、前記優先度判定手段(13)は、前記自車両及び他車両がそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が同じ場合には、前記地図情報に基づいて前記交差点を構成する優先側道路及び非優先側道路を決定して、該自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係るナビゲーション方法は、自車位置と地図情報とに基づいて車両進行方向前方の交差点を検出する交差点検出工程と、前記交差点検出工程で検出した前記交差点に接近した場合には、自車両の車両状況を取得すると共に通信手段を介して該交差点に接近する他車両の車両状況を取得する車両状況取得工程と、前記車両状況取得工程で取得した前記自車両の車両状況及び前記他車両の車両状況に基づいて、前記交差点で該自車両が該他車両と交差するか否かを判定する交差判定工程と、前記交差点で前記自車両が前記他車両と交差すると判定した場合には、該自車両及び他車両が該交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、前記道路状況取得工程で取得した前記各進入道路の道路状況に基づいて、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定する優先度判定工程と、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できると判定した場合には、該自車両が優先である旨を前記他車両に対して前記通信手段を介して通知すると共に該自車両の運転者に通知するように制御する通知制御工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
更に、請求項5に係るプログラムは、コンピュータに、自車位置と地図情報とに基づいて車両進行方向前方の交差点を検出する交差点検出工程と、前記交差点検出工程で検出した前記交差点に接近した場合には、自車両の車両状況を取得すると共に通信手段を介して該交差点に接近する他車両の車両状況を取得する車両状況取得工程と、前記車両状況取得工程で取得した前記自車両の車両状況及び前記他車両の車両状況に基づいて、前記交差点で該自車両が該他車両と交差するか否かを判定する交差判定工程と、前記交差点で前記自車両が前記他車両と交差すると判定した場合には、該自車両及び他車両が該交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、前記道路状況取得工程で取得した前記各進入道路の道路状況に基づいて、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定する優先度判定工程と、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できると判定した場合には、該自車両が優先である旨を前記他車両に対して前記通信手段を介して通知すると共に該自車両の運転者に通知するように制御する通知制御工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する請求項1に係るナビゲーション装置では、自車両及び他車両が交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を考慮するため、自車両及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。また、自車両が交差点に優先的に進入できることを他車両及び自車両の運転者に確実に通知して、交差点での安全な進行案内を行うことが可能となる。
【0011】
また、請求項2に係るナビゲーション装置では、自車両及び他車両が交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況(渋滞無し/混雑/渋滞の別等である。)に基づいて、自車両及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を更に正確に決定することが可能となる。例えば、自車両の進行方向が渋滞している場合には、他車両を当該交差点へ優先的に進入させることが可能となる。
【0012】
また、請求項3に係るナビゲーション装置では、自車両及び他車両がそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が同じ場合には、交差点を構成する優先側道路及び非優先側道路に基づいて、自車両が交差点に優先的に進入できるか否かを正確に判定することが可能となる。例えば、自車両が優先側道路を走行している場合には、自車両が優先である旨を他車両に対して通知すると共に該自車両の運転者に通知することが可能となる。
ここで、「優先側道路」とは、道幅の広い方の道路である。また、「非優先側道路」とは、道幅の狭い方の道路、一端停止線のある方の道路である。そして、交差点では、「優先側道路」を走行している車両が優先である。
【0013】
また、請求項4に係るナビゲーション方法では、自車両及び他車両が交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を考慮するため、自車両及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。また、自車両が交差点に優先的に進入できることを他車両及び自車両の運転者に確実に通知して、交差点での安全な進行案内を行うことが可能となる。
【0014】
更に、請求項5に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、該コンピュータは、自車両及び他車両が交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を考慮するため、自車両及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。また、コンピュータは、自車両が交差点に優先的に進入できることを他車両及び自車両の運転者に確実に通知して、交差点での安全な進行案内を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、以下に説明する本実施例では、本発明を適用した一例として、自車両及び他車両が信号機の無い交差点に進入する場合について説明する。
【実施例】
【0016】
[車両の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1が搭載される車両2の概略構成図である。
【0017】
図1に示すように、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に設置されたナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13には、左方向指示器52A及び右方向指示器52B(図2参照)等を駆動制御する方向指示器ECU(ElectronicControl Unit)3が電気的に接続されている。また、ナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(ElectronicControl Unit)4が電気的に接続されている。また、車両2のルームミラー付近には、CCDカメラ等により構成されて車両前方を撮像する前方撮像用カメラ62が設置されている。
【0018】
[ナビゲーション装置の概略構成]
次に、本実施例に係る車両2の制御系に係る構成について特にナビゲーション装置1を中心にして図2に基づき説明する。図2は車両2に搭載されるナビゲーション装置1を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、車両2の制御系は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に対して電気的に接続された方向指示器ECU3、カメラECU4を基本にして構成され、各制御装置に対して所定の周辺機器が接続されている。
【0020】
このナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、道路交通情報センタ(VICS:登録商標)等の情報センタとの間で相互に通信を行う通信装置17等から構成されている。
【0021】
また、ナビゲーション制御部13には、自車両2の走行速度を検出する車速センサ21と、他車両に左方向への操舵を知らせる左方向指示器52Aと右方向への操舵を知らせる右方向指示器52Bのそれぞれの点灯を指示する点灯指示信号と消灯を指示する消灯指示信号とを入力可能な方向指示スイッチ51とが接続されている。従って、運転者は、この方向指示スイッチ51を操作することによって、左方向指示器52A又は右方向指示器52Bのいずれかを選択して点灯又は消灯することができる。
【0022】
そして、ナビゲーション装置1は、通信装置17を介して道路交通情報センタ(VICS)から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報は、道路渋滞情報の場合、VICSリンクID、渋滞の実際の長さ、旅行時間、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0023】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明する。
図2に示すように、現在地検出部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33、高度計(図示せず)等からなり、自車位置、自車の向きを表す自車方位等を検出することが可能となっている。
【0024】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報DB25及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0025】
また、地図情報DB25には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、各交差点に関する信号機の有・無や接続するリンク等の情報を含む交差点データ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、地図情報DB25の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0026】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の信号機の無い交差点における自車両2及び他車両の進入優先度を決定する進入優先度決定処理プログラム等(図3参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0027】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部12に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0028】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0029】
操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種のキー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14としては、キーボード、マウス等や、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0030】
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0031】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行案内や、信号機の無い交差点や横断歩道での停止又は安全確認を警告する音声案内を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や、後述のように「交差点の手前で停車して下さい。他車両を先に通過させて下さい。」等がある。
【0032】
そして、通信装置17は、情報配信センタと通信を行う通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ(VICS)等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報等の各情報から成る道路交通情報を受信する。また、通信装置17は情報配信センタ等に加えて、他の車両(以下、「他車両」という。)に搭載されたナビゲーション装置1とも双方向通信可能に構成されている。
【0033】
また、方向指示器ECU3は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部3Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき各方向指示器52A、52Bの点灯を制御する制御回路部3Bを備えている。そして、方向指示器ECU3は、ナビゲーション装置1から受信した制御信号に基づいて、各方向指示器52A、52Bを点灯することができる。
【0034】
また、カメラECU4は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部4Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき前方撮像用カメラ62を制御すると共に画像認識を行う画像認識部4Bを備えている。そして、カメラECU4は、ナビゲーション制御部13から受信した制御信号に基づいて、前方撮像用カメラ62の映像信号を画像処理して、交差点に停車中の車両2の前方を撮影した撮影画像の画像認識データを時系列的に出力する。
【0035】
[進入優先度決定処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、信号機の無い交差点における自車両2及び他車両の進入優先度を決定する進入優先度決定処理について図3乃至図6に基づいて説明する。
【0036】
図3は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、信号機の無い交差点における自車両2及び他車両の進入優先度を決定する進入優先度決定処理を示すメインフローチャートである。図4は図3の「優先・非優先の判定処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。図5は信号機の無い交差点で自車両2と他車両とが交差しない一例を示す説明図である。図6は信号機の無い交差点で自車両2の前方の道路状況が渋滞している場合の一例を示す説明図である。
尚、図3にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0037】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出部11により自車位置(例えば、緯度と経度のデータである。)及び自車方位を検出すると共に、地図情報DB25に格納された地図データを用いてマップマッチング処理を行い、地図上での自車両2の現在位置を特定する。
そして、CPU41は、地図情報DB25に格納された地図データを用いて、自車両2が進行方向前方にある信号機の無い交差点に所定距離(例えば、約100m以内である。)まで接近しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0038】
その結果、信号機の無い交差点に所定距離まで接近していないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、信号機の無い交差点に所定距離まで接近したと判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、通信装置17を介して当該信号機の無い交差点に接近している他車両に搭載されたナビゲーション装置1と通信可能か否かを判定する判定処理を実行する。つまり、CPU41は、当該交差点に接近してくる他車両から当該他車両の車両情報を取得することが可能か否かを判定する判定処理を実行する。
【0039】
そして、通信装置17を介して当該信号機の無い交差点に接近している他車両に搭載されたナビゲーション装置1と通信可能でないと判定した場合には(S12:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、通信装置17を介して当該信号機の無い交差点に接近している他車両に搭載されたナビゲーション装置1と通信可能であると判定した場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。
【0040】
S13において、CPU41は、当該信号機の無い交差点に接近している他車両と通信装置17を介して双方向通信を行い、当該他車両の車両状況(左右方向指示器の点灯状態、ハンドル操作状態、経路情報、車速等である。)等に関する情報を取得して、RAM42に記憶する。
【0041】
続いて、S14において、CPU41は、上記S13で通信装置17を介して自車両2が当該交差点に優先的に進入することを許可する旨、または、他車両が優先的に進入する旨の情報を他車両から受信したか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、通信装置17を介して自車両2が当該交差点に優先的に進入することを許可する旨、または、他車両が優先的に進入する旨の情報を他車両から受信した場合には(S14:YES)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0042】
一方、通信装置17を介して自車両2が当該交差点に優先的に進入することを許可する旨、または、他車両が優先的に進入する旨の情報を他車両から受信していない場合には(S14:NO)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、自車両2の車両状況(左右方向指示器の点灯状態、ハンドル操作状態、経路情報、車速等である。)に関する情報を取得してRAM42に記憶する。具体的には、方向指示器ECU3を介して各方向指示器52A、52Bの点灯状態を検出し、方位センサ32を構成するステアリングセンサを用いてハンドル操作を検出し、車速センサ21を用いて車速を検出する。
【0043】
続いて、S16において、CPU41は、当該信号機の無い交差点を構成する各道路の道路状況及び道路形状を取得し、RAM42に記憶する。ここで、道路状況としては、例えば、渋滞状況としての道路の渋滞度(渋滞なし/混雑/渋滞等である。)、工事中であるか否か、通行規制中であるか否か等の情報であり、道路形状としては、各道路及び交差点の道路幅、車線数、一旦停止線の有・無等の情報である。また、CPU41は、この道路状況に関する情報を、通信装置17を介して道路交通情報センタ等の情報センタから取得する。また、CPU41は、この道路形状に関する情報を、地図情報DB25に格納された地図データから取得する。
【0044】
そして、S17において、CPU41は、後述の自車両2が当該信号機の無い交差点に優先的に進入できるか否かを判定する「優先・非優先の判定処理」のサブ処理(図4参照)を実行する。
【0045】
続いて、S18において、CPU41は、上記S17で自車両2が当該信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定されたか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグがONに設定されているか否かを判定する判定処理を実行する。尚、ナビゲーション装置1の起動時には、優先フラグはOFFに設定されてRAM42に記憶されている。
【0046】
そして、上記S17で自車両2が当該信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定された場合、即ち、RAM42から読み出した優先フラグがONに設定されている場合には(S18:YES)、CPU41は、S19の処理に移行する。
【0047】
S19において、CPU41は、自車両2が信号機の無い交差点に先に進入する旨を通信装置17を介して当該交差点に接近している他車両に通知すると共に、液晶ディスプレイ15とスピーカ16を介して運転者に自車両2が信号機の無い交差点に優先的に進入できる旨を通知後、当該処理を終了する。例えば、CPU41は、スピーカ16を介して「交差点に先に進入できます。」と音声案内後、当該処理を終了する。
【0048】
一方、上記S17で自車両2が当該信号機の無い交差点に優先的に進入できないと設定された場合、即ち、RAM42から読み出した優先フラグがOFFに設定されている場合には(S18:NO)、CPU41は、S20の処理に移行する。
【0049】
S20において、CPU41は、当該交差点に接近している他車両に対して、信号機の無い交差点に先に進入することを許可する旨を通信装置17を介して通知すると共に、液晶ディスプレイ15とスピーカ16を介して運転者に信号機の無い交差点の手前で一旦停止して、他車両を優先的に進入させるように通知後、当該処理を終了する。例えば、CPU41は、スピーカ16を介して「交差点の手前で停車して下さい。他車両を先に通過させて下さい。」と音声案内後、当該処理を終了する。
【0050】
[優先・非優先の判定処理]
次に、CPU41が上記S17において実行する「優先・非優先の判定処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、S111において、CPU41は、上記S13で取得した他車両の車両状況等に関する情報と、上記S15で取得した自車両2の車両状況に関する情報とに基づいて、自車両2が当該信号機の無い交差点に進入した場合に、自車両2と交差する他車両が無いか否か、つまり、自車両2と他車両が、この信号機の無い交差点に進入した場合に、両車両が交差しないか否かを判定する判定処理を実行する。
【0051】
そして、自車両2と他車両が、この信号機の無い交差点に進入した場合に、両車両が交差しないと判定した場合には(S111:YES)、CPU41は、後述のS115の処理に移行する。
【0052】
ここで、自車両2と他車両が、この信号機の無い交差点に進入した場合に、両車両が交差しない一例について図5に基づいて説明する。
図5に示すように、CPU41は、自車両2が進入する信号機の無い交差点71に接近した他車両81から、他車両81が交差点71を右折する旨の車両状況を通信装置17を介して取得する。具体的には、CPU41は、他車両81の現在位置、他車両81の自車方位、車速が約5km/h以下で、右側方向指示器52Bが点灯していること等の情報を通信装置17を介して取得する。そして、CPU41は、この取得した情報から、他車両81は交差点71を右折すると判定する。
【0053】
また、CPU41は、自車両2の車両状況から自車両2が交差点71を左折すると判定する。具体的には、CPU41は、自車位置、自車方位、車速が約5km/h以下で、左側方向指示器52Aが点灯していること等から、自車両2が交差点71を左折すると判定する。
【0054】
そして、CPU41は、地図情報DB25に格納される地図データから当該信号機の無い交差点71の道路幅や車線数を読み出し、道路幅が6m以上又は車線数が2車線以上である場合には、自車両2と他車両81が、交差点71に進入しても、自車両2と他車両81は交差しないと判定し、S115の処理に移行する。
【0055】
尚、CPU41は、自車両2が進入する信号機の無い交差点71に接近した他車両81から、他車両81の現在位置、他車両81の自車方位、車速が約5km/h以下で、左側方向指示器52Aが点灯していること等の情報を通信装置17を介して取得した場合には、他車両81は交差点71を左折すると判定する。
【0056】
そして、CPU41は、自車両2の車両状況から自車両2が交差点71を左折すると判定すると共に、交差点71の道路幅が2車線以上である場合には、自車両2と他車両81が、交差点71に進入しても、自車両2と他車両81は交差しないと判定し、S115の処理に移行する。
【0057】
一方、図4に示すように、CPU41は、S111で自車両2と他車両が、この信号機の無い交差点に進入した場合に、両車両が交差すると判定した場合には(S111:NO)、S112の処理に移行する。
【0058】
S112において、CPU41は、カメラECU4に対して、前方撮像用カメラ62の撮影画像の画像認識データを出力するように指示する制御信号を出力する。そして、CPU41は、カメラECU4から受信した画像認識データから進行方向の信号機や車両台数を検出し、信号機の無い交差点を通過後に自車両2が進入する道路の渋滞状況を取得する。また、CPU41は、上記S16で取得した当該信号機の無い交差点を構成する各道路の渋滞状況としての渋滞度(渋滞なし/混雑/渋滞等である。)、工事中であるか否か、通行規制中であるか否か等の道路状況をRAM42から読み出す。
【0059】
続いて、S113において、CPU41は、自車両2と他車両が、信号機の無い交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が同じであるか否かを判定する判定処理を実行する。つまり、自車両2と他車両が、それぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が、共に渋滞しているか、または、共に渋滞無しかを判定する判定処理を実行する。
【0060】
そして、自車両2と他車両が、信号機の無い交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が異なる場合、つまり、各進入道路のうちの一方の進入道路が渋滞し、他方の進入道路が渋滞無しの場合には(S113:NO)、CPU41は、S114の処理に移行する。S114において、CPU41は、自車両2が当該交差点を通過後に進入する前方の進入道路が、渋滞しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0061】
そして、自車両2が当該交差点を通過後に進入する前方の進入道路の渋滞状況が、渋滞無しの場合には(S114:NO)、CPU41は、他車両が当該交差点を通過後に進入する進入道路が渋滞していると判定して、S115の処理に移行する。S115において、CPU41は、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「ON」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、自車両2が信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0062】
一方、自車両2が当該交差点を通過後に進入する前方の進入道路の渋滞状況が、渋滞している場合には(S114:YES)、CPU41は、他車両が当該交差点を通過後に進入する進入道路が渋滞無しと判定して、S116の処理に移行する。S116において、CPU41は、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「OFF」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、他車両が信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0063】
ここで、信号機の無い交差点で自車両2の前方の渋滞状況が渋滞している場合の一例について図6に基づいて説明する。
図6に示すように、CPU41は、自車両2が進入する信号機の無い交差点71に接近した他車両81から、他車両81が交差点71の右側から左側へ直進する旨の車両状況を通信装置17を介して取得する。具体的には、CPU41は、他車両81の現在位置、他車両81の自車方位、車速が約10km/h以下で、左側方向指示器52A及び右側方向指示器52Bが点灯していないこと等の情報を通信装置17を介して取得する。そして、CPU41は、この取得した情報から、他車両81は交差点71を右側から左側へ直進すると判定する。
【0064】
また、CPU41は、自車両2の車両状況から自車両2が交差点71を直進すると判定する。具体的には、CPU41は、自車位置、自車方位、車速が約10km/h以下で、左側方向指示器52A及び右側方向指示器52Bが点灯していないこと等から、自車両2が交差点71を直進すると判定する。そして、CPU41は、自車両2と他車両81が、交差点71に進入した場合には、自車両2と他車両81のそれぞれの進行方向より、両車両は交差すると判定する(S111:NO)。
【0065】
続いて、CPU41は、カメラECU4から受信した画像認識データから進行方向の信号機72の赤色発光部が点灯し、前方に各他車両82、83が停車していることを検出して、前方の進入道路73が渋滞していると判定する。また、CPU41は、上記S16で取得した当該信号機の無い交差点を構成する各道路の渋滞状況から、他車両81の前方の進入道路74は渋滞していないと判定する。つまり、CPU41は、自車両2の前方の進入道路73は渋滞し、他車両81が進入する進入道路74は渋滞無しと判定する(S112〜S113:NO)
【0066】
そして、CPU41は、自車両2の前方の進入道路73が渋滞し、他車両81の前方の進入道路が渋滞していないことから(S114:YES)、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「OFF」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、他車両81が信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻る(S116)。
【0067】
他方、図4に示すように、上記S113で自車両2と他車両が、信号機の無い交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が同じ場合、つまり、自車両2と他車両が、それぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が、共に渋滞しているか、または、共に渋滞無しの場合には(S113:YES)、CPU41は、S117の処理に移行する。
【0068】
S117において、CPU41は、上記S16で取得した当該信号機の無い交差点を構成する各道路の道路幅、車線数、一旦停止線や一旦停止標識の有・無等に関する道路形状から自車両2が信号機の無い交差点に優先的に進入できるか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、自車両2と他車両の走行する各走行道路のうち、道路幅の広い方が優先道路であり、道路幅の狭い方、一旦停止線や一旦停止標識等がある方は非優先道路となる。
【0069】
そして、自車両2が優先道路に位置し、当該信号機の無い交差点に優先的に進入できると判定した場合には(S117:YES)、CPU41は、上記S115の処理に移行する。つまり、CPU41は、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「ON」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、自車両2が信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0070】
一方、自車両2が非優先道路に位置し、当該信号機の無い交差点に優先的に進入できないと判定した場合には(S117:NO)、CPU41は、上記S116の処理に移行する。つまり、CPU41は、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「OFF」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、他車両が信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S18の処理に移行する。
【0071】
[上記実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、自車両2が信号機の無い交差点に接近した場合には、通信装置17を介して当該交差点に接近している他車両の車両状況等に関する情報を取得する(S11〜S13)。また、CPU41は、自車両2の車両状況に関する情報を取得すると共に、当該信号機の無い交差点を構成する各道路の道路状況や道路形状に関する情報を取得する(S14:NO〜S16)。
【0072】
そして、自車両2と他車両が当該信号機の無い交差点で交差する場合には(S111:NO)、CPU41は、前方撮像用カメラ62の画像認識データや道路交通情報を取得する。そして、CPU41は、それぞれが進入する各進入道路の渋滞状況が異なる場合には(S113:NO)、前方の進入道路が渋滞していない方を優先的に進入できるように設定する(S17)。また、CPU41は、それぞれが進入する各進入道路の渋滞状況が同じ場合には(S113:YES)、それぞれの走行道路の道路形状に基づいて、優先道路を走行している方を優先的に進入できるように設定する(S17)。
【0073】
続いて、CPU41は、自車両2が当該信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定された場合には、自車両2が信号機の無い交差点に先に進入する旨を他車両に通知すると共に、運転者に自車両2が信号機の無い交差点に優先的に進入できる旨を通知する(S18:YES〜S19)。また、CPU41は、自車両2が当該信号機の無い交差点に優先的に進入できないと設定された場合には、他車両に対して、信号機の無い交差点に先に進入することを許可すると共に、運転者に信号機の無い交差点の手前で一旦停止して、他車両を優先的に進入させるように通知する(S18:NO〜S20)。
【0074】
これにより、CPU41は、自車両2と他車両が信号機の無い交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が異なるときには、前方の進入道路が渋滞していない方を優先的に進入できるように設定するため、自車両2及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。
【0075】
また、CPU41は、自車両2と他車両が信号機の無い交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が同じときには、優先道路を走行している方を優先的に進入できるように設定するため、自車両2及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を更に正確に決定することが可能となる。
【0076】
また、CPU41は、自車両2が信号機の無い交差点に先に進入できる旨、又は、他車両に当該交差点に先に進入することを許可する旨を、他車両に確実に通知すると共に、自車両2の運転者に確実に通知して、信号機の無い交差点での安全な進行案内を行うことが可能となる。
【0077】
更に、CPU41は、自車両2と他車両が信号機の無い交差点で交差しない場合には、自車両2が信号機の無い交差点に先に進入できる旨を、他車両に確実に通知すると共に、自車両2の運転者に確実に通知して、信号機の無い交差点での安全な進行案内を行うことが可能となる。
【0078】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0079】
(A)上記S114において、自車両2が信号機の無い交差点を通過後に進入する前方の進入道路の道路状況が渋滞していた場合に、当該渋滞が直ちに解消される旨を予測できる場合には、CPU41は、S115の処理に移行するようにしてもよい。つまり、CPU41は、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「ON」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、自車両2が信号機の無い交差点に優先的に進入できると設定するようにしてもよい。これにより、自車両2及び他車両に対して、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。
【0080】
ここで、上記S114において、自車両2が信号機の無い交差点を通過後に進入する前方の進入道路の道路状況が渋滞していた場合に、当該渋滞が直ちに解消される旨を予測できる場合の一例について図7に基づいて説明する。
図7は信号機の無い交差点で自車両2の前方の渋滞が直ちに解消される旨を予測できる場合の一例を示す説明図である。
【0081】
図7に示すように、CPU41は、カメラECU4から受信した画像認識データから進行方向の信号機72の赤色発光部が消灯して、緑色発光部が点灯したことを検出すると共に、前方に停車していた各他車両82、83が発進したことを検出した場合には、前方の進入道路73の渋滞が直ちに解消されると判定する。
【0082】
そして、CPU41は、自車両2の前方の進入道路73の渋滞が直ちに解消されるため、進入道路73の道路状況を渋滞無しと判定し(S114:NO)、RAM42から優先フラグを読み出し、この優先フラグを「ON」に設定して再度RAM42に記憶後、つまり、自車両2が信号機の無い交差点に、他車両81よりも優先的に進入できると設定後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S18の処理に移行するようにしてもよい。これにより、自車両2及び他車両81に対して、当該交差点71に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。
【0083】
(B)また、例えば、信号機のある2車線以上の交差点において、自車両2と他車両が対向車線を走行しており、互いに従うべき信号が青色を示している場合においても、本発明を適用することができる。この場合、上記S113において、自車両2と他車両が、それぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が、共に渋滞しているか、または、共に渋滞無しの場合には(S113:YES)、CPU41は、上記S117の処理に移行する。
【0084】
S117において、CPU41は、自車両2が直進レーン又は左折レーンを走行し、他車両が右折レーンを走行している場合には、直進レーン又は左折レーンが優先道路で、右折レーンが非優先道路であることから、自車両2が優先道路に位置していると判定し、上記S115の処理に移行するようにしてもよい。一方、上記S117において、CPU41は、他車両が直進レーン又は左折レーンを走行し、自車両2が右折レーンを走行している場合には、自車両2が非優先道路に位置していると判定し、上記S116の処理に移行するようにしてもよい。これにより、自車両2及び他車両に対して、信号機のある2車線以上の交差点において、当該交差点に優先的に進入できる優先度を正確に決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成図である。
【図2】車両に搭載されるナビゲーション装置を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、信号機の無い交差点における自車両2及び他車両の進入優先度を決定する進入優先度決定処理を示すメインフローチャートである。
【図4】図3の「優先・非優先の判定処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】信号機の無い交差点で自車両と他車両とが交差しない一例を示す説明図である。
【図6】信号機の無い交差点で自車両の前方の道路状況が渋滞している場合の一例を示す説明図である。
【図7】信号機の無い交差点で自車両の前方の渋滞が直ちに解消される旨を予測できる場合の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ナビゲーション装置
2 車両(自車両)
3 方向指示器ECU
4 カメラECU
11 現在地検出部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
16 スピーカ
21 車速センサ
25 地図情報DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
52A 左方向指示器
52B 右方向指示器
62 前方撮像用カメラ
71 交差点
72 信号機
73、74 進入道路
81〜83 他車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
他車両と通信可能な通信手段と、
前記自車位置と前記地図情報とに基づいて車両進行方向前方の交差点を検出する交差点検出手段と、
前記交差点に接近した場合には、自車両の車両状況を取得すると共に前記通信手段を介して該交差点に接近する他車両の車両状況を取得する車両状況取得手段と、
前記自車両の車両状況及び前記他車両の車両状況に基づいて、前記交差点で該自車両が該他車両と交差するか否かを判定する交差判定手段と、
前記交差点で前記自車両が前記他車両と交差すると判定した場合には、該自車両及び他車両が該交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を取得する道路状況取得手段と、
前記各進入道路の道路状況に基づいて、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定する優先度判定手段と、
前記自車両が前記交差点に優先的に進入できると判定した場合には、該自車両が優先である旨を前記他車両に対して前記通信手段を介して通知すると共に該自車両の運転者に通知するように制御する通知制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記優先度判定手段は、前記自車両及び他車両が前記交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況に基づいて、該自車両が該交差点に優先的に進入できるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記優先度判定手段は、前記自車両及び他車両がそれぞれ進入する各進入道路の渋滞状況が同じ場合には、前記地図情報に基づいて前記交差点を構成する優先側道路及び非優先側道路を決定後、前記優先側道路及び非優先側道路に基づいて、該自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自車位置と地図情報とに基づいて車両進行方向前方の交差点を検出する交差点検出工程と、
前記交差点検出工程で検出した前記交差点に接近した場合には、自車両の車両状況を取得すると共に通信手段を介して該交差点に接近する他車両の車両状況を取得する車両状況取得工程と、
前記車両状況取得工程で取得した前記自車両の車両状況及び前記他車両の車両状況に基づいて、前記交差点で該自車両が該他車両と交差するか否かを判定する交差判定工程と、
前記交差点で前記自車両が前記他車両と交差すると判定した場合には、該自車両及び他車両が該交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、
前記道路状況取得工程で取得した前記各進入道路の道路状況に基づいて、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定する優先度判定工程と、
前記自車両が前記交差点に優先的に進入できると判定した場合には、該自車両が優先である旨を前記他車両に対して前記通信手段を介して通知すると共に該自車両の運転者に通知するように制御する通知制御工程と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
コンピュータに、
自車位置と地図情報とに基づいて車両進行方向前方の交差点を検出する交差点検出工程と、
前記交差点検出工程で検出した前記交差点に接近した場合には、自車両の車両状況を取得すると共に通信手段を介して該交差点に接近する他車両の車両状況を取得する車両状況取得工程と、
前記車両状況取得工程で取得した前記自車両の車両状況及び前記他車両の車両状況に基づいて、前記交差点で該自車両が該他車両と交差するか否かを判定する交差判定工程と、
前記交差点で前記自車両が前記他車両と交差すると判定した場合には、該自車両及び他車両が該交差点を通過後にそれぞれ進入する各進入道路の道路状況を取得する道路状況取得工程と、
前記道路状況取得工程で取得した前記各進入道路の道路状況に基づいて、前記自車両が前記交差点に優先的に進入できるか否かを判定する優先度判定工程と、
前記自車両が前記交差点に優先的に進入できると判定した場合には、該自車両が優先である旨を前記他車両に対して前記通信手段を介して通知すると共に該自車両の運転者に通知するように制御する通知制御工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−180705(P2009−180705A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22520(P2008−22520)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】