説明

不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法

【課題】 不揮発性半導体記憶装置の信頼性を向上することのできる技術を提供する。
【解決手段】 基板1の主面上に形成されたアシストゲートAGと、アシストゲートAG上に絶縁膜11を介して形成されたフローティングゲートFGと、フローティングゲートFGの一方の側壁側で絶縁膜14を介すると共に、アシストゲートAG上に絶縁膜11を介して形成されたコントロールゲートCGとの3つのゲートを有してなる複数のメモリセルを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置およびその製造技術に関し、特に、不揮発性半導体記憶装置の高信頼性化に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気的に書換えが可能な不揮発性半導体記憶装置のうち、フラッシュメモリは、携帯性や耐衝撃性に優れ、電気的に一括消去が可能なことから、近年、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラ等の小型携帯情報機器用記憶装置として急速に需要が拡大している。しかし、さらなる需要を拡大するためには、メモリセル面積の縮小およびチップ面積の縮小によるビットコストの低減が重要な要素となることから、これを実現すべく、種々のメモリセル構造が提案されている。
【0003】
AND型フラッシュメモリは、アシストゲート(Assist Gate)がメモリセル間のアイソレーション機能、すなわちメモリセル間の干渉を防ぐ機能を有していることから、メモリアレイ領域内に素子分離領域を形成しなくともよく、互いに隣接するメモリセル同士の間隔を縮小して高集積化を図ることができるので大容量化に適している。
【0004】
特許文献1および特許文献2は、3層ポリシリコンからなる3つのゲート(コントロールゲート、フローティングゲートおよびアシストゲート)を用いたメモリセルを有するAND型フラッシュメモリを開示している。
【特許文献1】特開2001−028428号公報
【特許文献2】特開2001−085541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、フラッシュメモリについて検討しており、以下に示す課題があることを見出した。図28は、本発明者らが検討したフレッシュメモリのメモリアレイ領域を模式的に示す要部平面図である。図29は、図28におけるC−C線に沿ったフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。なお、図28の平面図において、図面を見やすくするため各部材にハッチングを施し、一部の部材は省略している。
【0006】
本発明者らが検討したフラッシュメモリは、例えばシリコン基板などの半導体基板からなる基板201のp型ウエル202上に形成した3つのゲートを有する電界効果型トランジスタによってメモリセルMCを構成している。メモリセルMCを構成する3つのゲートは、フローティングゲートFG、コントロールゲートCGおよびアシストゲートAGである。アシストゲートAGは、ゲート絶縁膜211を介してp型ウエル202上に形成される。フローティングゲートFGは、隣接する2つのアシストゲートAGの間に形成され、ゲート絶縁膜(トンネル酸化膜)210を介してp型ウエル202と絶縁される。フローティングゲートFGとアシストゲートAGとはアシストゲートAGの側壁の絶縁膜208により絶縁される。フローティングゲートFGとその上部に形成されるコントロールゲートCGは、絶縁膜207により絶縁される。アシストゲートAGとその上部に形成されるコントロールゲートCGは、絶縁膜209により絶縁される。
【0007】
コントロールゲートCGは、行方向(x方向)に延在し、ワード線を構成している。アシストゲートAGは、ワード線であるコントロールゲートCGに直交する列方向(y方向)に延在する。メモリセルMCのソースS、ドレインDを構成する拡散層203は、アシストゲートAGの一方の側壁下部のp型ウエル202に形成され、ワード線に直交する列方向に延在してビット線を構成している。このようにメモリセルMCは、ワード線とビット線の交点に置かれており、読み出し/書込みを行うアドレスに対応するワード線の電圧を上げることで、書込み/読み出しが可能になる。ここで、ワード線は、マトリクス状に並んだ複数のメモリセルMCの中から一列を選択するための制御信号線であり、ビット線は、メモリセルMCからデータを取り出すための信号線である。
【0008】
選択したメモリセルMCにデータを書込む場合は、コントロールゲートCGに正の高電圧を印加し、アシストゲートAGに正の低電圧を印加する。このとき、ドレインDには正の電圧を印加し、ソースSおよび基板201は0Vに保持する。これにより、アシストゲートAG下の基板201中にチャネルが形成され、ソースS側のフローティングゲートFG端部のチャネルで発生するホットエレクトロンがフローティングゲートFGに注入される。
【0009】
データを消去する場合は、コントロールゲートCGに負の高電圧を印加し、アシストゲートAG、ソースS、ドレインDおよび基板201をそれぞれ0Vに保持する。これにより、フローティングゲートFGから基板201にF−N(Fowler-Nordheim)トンネル電流が流れ、フローティングゲートFGに蓄積された電子が放出される。
【0010】
ところが、上記フラッシュメモリ200において、例えば90nm以降の世代に対応したメモリセルMCを検討した場合、すなわちメモリセルMCを微細化した場合、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜208でリークが発生する問題が生じた。このアシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜208は、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の耐圧確保のため、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間に一定の膜厚が必要である。しかしながら、本発明者らの検討によれば、メモリセルMCの微細化によって、基板201の主面に平行な方向(行方向、x方向)における絶縁膜208の膜厚の加工マージンを確保することが困難になり、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の耐圧を確保することは難しいという問題を見出した。すなわち、基板201の主面に平行な方向におけるアシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜208の加工マージンが低下した場合、フラッシュメモリの動作時において、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜208でリークが発生する。このように加工マージンが低下した場合、フラッシュメモリの信頼性の低下を引き起こす。したがって、メモリセルMCを微細化した場合であっても、アシストゲートAGとフローティングゲートFG間の耐圧確保のために、絶縁膜(第1絶縁膜)208はフローティングゲートFGとアシストゲートAGとの間に一定の膜厚が必要である。
【0011】
また、上記フラッシュメモリ201において、メモリセルMCを微細化した場合、カップリング比が低下するという問題が生じた。カップリング比は、コントロールゲート電圧Vcgとフローティングゲート電圧Vfgとの比(Vfg/Vcg)であり、C2/(C1+C2+C3+C4)で表せる。ここで、C1は、フローティングゲートFGと基板201との間のゲート絶縁膜210の容量、C2は、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとの間の絶縁膜207の容量、C3は、フローティングゲートFGとアシストゲートAGとの間の絶縁膜208の容量、C4は、隣接するコントロールゲートCG間下に存在するフローティングゲートFGの絶縁膜207の容量である。
【0012】
カップリング比の低下は、コントロールゲートCGに印加された電圧を効率よくフローティングゲートFGに伝達し、より低い内部電圧で書込み/消去を行うことの妨げとなる。カップリング比を増大するためには、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとの間の絶縁膜207の容量C2を増大することが考えられる。この容量C2を増大するためには、絶縁膜207を介してコントロールゲートCGと接触する側のフローティングゲートFGの表面積を増大することが必要である。そのフローティングゲートFGの表面積を増大するためには、その断面形状が略U字型のフローティングゲートFGでは、そのアスペクト比を増大させる必要がある。しかしながら、メモリセルMCを微細化し、かつアスペクト比を増大した場合、フローティングゲートFGの段差が大きいところで、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとの間の絶縁膜207で局所電界によるリークが発生する問題が生じる。したがって、メモリセルMCを微細化した場合であっても、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとの間の耐圧確保のために、絶縁膜(第2絶縁膜)207はフローティングゲートFGとコントロールゲートCGとの間に一定の膜厚が必要である。
【0013】
また、市場で要求されるフラッシュメモリは、書換え回数が多いことが望まれる。しかしながら、トランジスタのしきい値が上昇してしまう現象、いわゆるディスターブが発生する問題がある。上述したように、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMCのうち選択したメモリセルMCにデータを書込む場合、ワード線であるコントロールゲートCGに正の高電圧を印加し、アシストゲートAGに正の低電圧およびビット線であるソースS、ドレインDに正の電圧を印加する。このため、選択されたメモリセルMCに対して書込み/消去動作が繰り返される一方で、選択されていないメモリセルMCであってもドレインDからソースSに充電電流が流れ、ホットエレクトロンが注入されることにより、トランジスタのしきい値が上昇してしまい、ディスターブが発生する。したがって、書換え回数の増大のために、ディスターブの発生を抑制する必要がある。
【0014】
本発明の目的は、不揮発性半導体記憶装置の信頼性を向上することのできる技術を提供することにある。
【0015】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0017】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、基板の主面上に形成されたアシストゲートと、前記アシストゲート上に第1絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートと、前記フローティングゲートの一方の側壁側で第2絶縁膜を介し、前記アシストゲート上に前記1絶縁膜を介して形成されたコントロールゲートとを有してなる複数のメモリセルを備える。
【発明の効果】
【0018】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0019】
第1絶縁膜および第2絶縁膜の膜厚を確保することができるので、不揮発性半導体記憶装置の信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1であるフラッシュメモリのメモリアレイ領域A1を模式的に示す要部平面図である。図2は、図1のA−A線に沿ったフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。図3は、図1のB−B線に沿ったフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【0022】
本実施の形態のフラッシュメモリは、例えば16Gb(ギガビット)の容量を有するAND型フラッシュメモリである。このフラッシュメモリの複数のメモリセルMCは、例えばp型のシリコン(Si)単結晶からなるシリコン基板(半導体基板)からなる基板1の主面のメモリアレイ領域A1に形成されている。基板1の内部にはn型埋込み層2が形成されており、n型埋込み層2の上部には、p型ウエル3が形成されている。n型埋込み層2は、各メモリセルMCのp型ウエル3と基板1とを電気的に分離し、各メモリセルMCのp型ウエル3に所定の電位を供給するために形成されている。ここで、本願においては、図1に示すように、基板1の主面と平行な方向をx方向(行方向、横方向)、およびこのx方向と垂直な方向をy方向(列方向、横方向)とし、基板1の主面と垂直な方向をz方向(縦方向)とする。
【0023】
メモリアレイ領域A1の基板1には、行方向および列方向に沿って複数のメモリセルMCがマトリクス状に配置されている。メモリセルMCのそれぞれは、基板1の厚さ方向にゲート長が形成されるアシストゲートAGおよびフローティングゲートFGを有する電界効果型トランジスタによって構成されている。ここで、本実施の形態では、最小加工寸法Fを90nm程度とし、行方向に隣接するメモリセルMCのセルピッチCP1を225nm程度、列方向に隣接するメモリセルMCのセルピッチCP2を180nm程度とする。なお、最小加工寸法Fを65nm程度した場合は、セルピッチCP1は162.5nm程度、セルピッチCP2は130nm程度となる。すなわち、本実施の形態のフラッシュメモリの各メモリセル間の、行方向のセルピッチは最小加工寸法Fの2.5倍であり、列方向のセルピッチは最小加工寸法Fの2.0倍である。
【0024】
また、基板1上に形成されたp型ウエル3上には、絶縁膜8、さらに絶縁膜9が形成されており、その絶縁膜9上には、アシストゲートAGが形成されている。このアシストゲートAGの両側の側壁には、ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)10が形成されている。
【0025】
そのアシストゲートAG上には、絶縁膜(第1絶縁膜)11が形成されており、この絶縁膜11上には、キャップ部を有するコントロールゲートCGが形成されている。そのコントロールゲートCGの両側の側壁および絶縁膜11上には、例えばONO(Oxide Nitride Oxide)膜からなる絶縁膜(第2絶縁膜)14が形成されており、この絶縁膜14上には、フローティングゲートFGが形成されている。
【0026】
そのフローティングゲートFGの絶縁膜14側の側壁とは反対の側壁には、ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)15が形成されている。このフローティングゲートFG上には、サイドウォール状の絶縁膜16が形成されている。
【0027】
また、p型ウエル3には、例えば拡散層からなる導電部6が形成されており、この導電部6上には、n型の半導体層7a、p型の半導体層7bおよびn型の半導体層7cが形成されている。この半導体層7a〜7cは、例えばイオン注入されて、導電部6上から順に、n型の半導体層7a、p型の半導体層7bおよびn型の半導体層7cから構成されている。なお、アシストゲートAGおよびフローティングゲートFG側のp型の半導体層7bの表面に反転層が形成されるため、上記電界効果型トランジスタはn型トランジスタである。
【0028】
アシストゲートAGは、例えば、z方向の膜厚が100nm程度のn型多結晶シリコン膜からなり、そのためアシストゲートAGのゲート長は、100nm程度となる。y方向に隣接する複数のメモリセルMCのそれぞれのアシストゲートAGは、互いに接続されて一体となり、1本のアシストゲート線を構成している。アシストゲートAGの側壁に形成されているゲート絶縁膜10は、例えば、y方向の厚さが膜厚5nm程度の酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜からなる。また、アシストゲートAGの上部には、例えば、ISSG(In-Situ Steam Generation)酸化法による膜厚5nm程度の酸化シリコン膜と熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法による膜厚20nm程度の酸化シリコン膜とからなる絶縁膜11が形成されている。
【0029】
コントロールゲートCGは、例えば、z方向の膜厚が250nm程度のn型ポリシリコン(多結晶シリコン)膜からなる。x方向に隣接する複数のメモリセルMCのそれぞれのコントロールゲートCGは、互いに接続されて一体となり、x方向(行方向)に延在する1本のワード線を構成している。
【0030】
フローティングゲートFGは、z方向の膜厚が260nm程度のn型ポリシリコン膜からなり、そのためフローティングゲートFGのゲート長は、260nm程度となる。フローティングゲートFGの側壁に形成されているゲート絶縁膜15は、y方向の厚さが膜厚5nm程度の酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜からなる。
【0031】
n型の半導体層7cは、y方向(列方向)に隣接する複数のメモリセルMCのそれぞれの上部で延在する1本のビット線を構成している。
【0032】
また、上記電界効果型トランジスタのドレインDは、n型の半導体層7cからなり、y方向に延在する1本のドレイン線(ビット線)を構成している。また、上記電界効果型トランジスタのソースSは、導電部6からなり、x方向に延在する1本のソース線を構成している。
【0033】
このように本実施の形態のフラッシュメモリのメモリセルMCは、アシストゲートAG上(縦方向)にフローティングゲートFG、さらにコントロールゲートCGが形成された縦型構造のフラッシュメモリである。この縦型構造のフラッシュメモリは、上記本発明者らが検討したフラッシュメモリのメモリセルMCのようにアシストゲートAGの側壁側(横方向)にフローティングゲートFGが形成された横型構造のフラッシュメモリとは異なる。
【0034】
本発明者らが検討したフラッシュメモリに対して微細化を行った場合、アシストゲートAGとフローティングゲートFGが微細化の方向である横方向に形成されるため、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の加工マージンを確保することが困難であり、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の耐圧を確保するのは難しい。すなわち、横方向におけるアシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の加工マージンが低下し、その絶縁膜の膜厚が薄くなった場合、フラッシュメモリの動作時において、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜でリークが発生する。しかしながら、本実施の形態のフラッシュメモリは、アシストゲートAGとフローティングゲートFGが微細化の方向でない縦方向に形成されるため、アシストゲートAGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜の加工マージンを確保することができる。すなわち、フラッシュメモリを微細化した場合であっても、アシストゲートAGとフローティングゲートFG間の耐圧確保のために、フローティングゲートFGとアシストゲートAGとの間の絶縁膜11の膜厚を所定の厚さで確保することができる。したがって、本発明は、フラッシュメモリの信頼性を向上することができる。
【0035】
また、本発明者らが検討したフローティングゲートFGの断面形状が略U字型のフラッシュメモリに対して微細化を行った場合、カップリング比の低下を防止するためにフローティングゲートFGのアスペクト比を増大すると、フローティングゲートFGの段差が大きいところで、フローティングゲートFGとコントロールゲートCGとの間の絶縁膜207で局所電界によるリークが発生する。しかしながら、本実施の形態のフラッシュメモリは、アシストゲートAGとフローティングゲートFGが微細化の方向でない縦方向に形成されるため、本発明者らが検討したような断面形状が略U字型でない、略矩形状のローティングゲートFGとすることができる。すなわち、フラッシュメモリを微細化した場合であっても、コントロールゲートCGとフローティングゲートFG間の耐圧確保のために、コントロールゲートCGとフローティングゲートFGとの間の絶縁膜14の膜厚を一定の厚さで確保することができる。したがって、本発明は、フラッシュメモリの信頼性を向上することができる。
【0036】
また、本実施の形態のフラッシュメモリのように、絶縁膜14に誘電率の高いONO膜を適用することで、コントロールゲートCGとフローティングゲートFG間の絶縁膜14の耐圧を確保しつつ、微細化の方向である横方向の絶縁膜14の厚さを薄くすることができる。なお、本実施の形態では、絶縁膜14にONO膜を適用した場合について説明したが、low−k膜を適用しても良い。
【0037】
また、本実施の形態のフラッシュメモリは、アシストゲートAGおよびフローティングゲートFGのゲート長は縦方向で決定されるため、微細化する方向である横方向のセル縮小の影響を受けない。
【0038】
なお、図1〜図3に図示はしないが、本実施の形態のフラッシュメモリは、メモリアレイ領域A1の周囲、すなわち互いに隣接するメモリアレイ領域A1の間に素子分離領域が形成されている。この素子分離領域は、基板1に形成された溝の内部に酸化シリコン膜を埋め込んだSTI(Shallow Trench Isolation)またはSGI(Shallow Groove Isolation)とよばれる公知の素子分離溝によって構成されている。また、ドレイン線を構成するn型の半導体層7c(ドレインD)の上層には、層間絶縁膜を挟んで複数層のメタル配線が形成されている。また、基板1上には、上記のように構成されたメモリマット領域が複数形成され、これら複数のメモリマット領域によって、16Gb(ギガビット)の容量を有するAND型フラッシュメモリのメモリアレイが構成されている。メモリアレイの周囲には、各メモリマット領域のメモリセルMCを駆動する周辺回路(カラムデコーダ、ロウデコーダ、カラムラッチ回路、センスアンプ回路、IO(Input-Output)回路など)が形成されているが、それらの図示は省略する。
【0039】
次に、マトリクス状に配置された複数のメモリセルMCを用いて、そのうちのあるメモリセルMCxへの書込み、読み出しおよび消去動作を説明する。図4は、本実施の形態のフラッシュメモリのメモリアレイの要部回路構成を示す説明図である。図5は、図4の回路構成を実現したメモリアレイを模式的に示す平面図である。図6は、図4の回路構成における書込み動作時の説明図である。図7は、図4の回路構成における消去動作時の説明図である。図8は、図4の回路構成における読出し動作時の説明図である。図9は、書込み、読み出しおよび消去動作時に、メモリセルMCに印加する電圧の関係を示す説明図である。なお、図5の平面図において、図面を見やすくするためフローティングゲートFGにハッチングを施し、一部の部材は省略している。また、図9に示した電圧の値は、好ましい一例を示すものであって、この値に限定されるものではない。
【0040】
図4〜図7において、符号CGはコントロールゲート、符号AGはアシストゲート、符号FGはフローティングゲート、符号Dはドレイン、符号Sはソース、符号GBLはグローバルビット線、符号SGは共通ソース、および符号MCはメモリセルを示している。なお、コントロールゲートCGはメモリアレイのワード線を構成し、ソースSはメモリアレイのビット線を構成している。
【0041】
あるメモリセルMCxにデータを書込むには、図6および図9に示したように、コントロールゲートCG、アシストゲートAG、ドレインDおよびソースSに以下の電圧を印加する。メモリセルMCxのコントロールゲートCG2に例えば15Vを印加し、他のコントロールゲートCG1、CG3、CG4に例えば0Vを印加する。また、メモリセルMCxを選択するために、アシストゲートAG1に例えば1.3Vを印加し、アシストゲートAG2に例えば0Vを印加する。また、メモリセルMCxのソースS1に例えば2Vを印加し、他のソースS2に例えば0Vを印加する。また、メモリセルMCxのドレインD2に例えば4.5Vを印加し、他のドレインD1、D3に例えば0Vを印加する。図2に示したように、アシストゲートAGの側壁側の半導体層7表面にチャネルが形成され、導電部6(ソースS)側のフローティングゲートFG端部のチャネルでホットエレクトロンが発生し、フローティングゲートFGに電子が注入される。すなわち、フローティングゲートFGに対するデータの書込みは、SSI(Source Side Injection)書込みにより行われ、メモリセルMCxの閾値が上昇する。このSSI書込みは、ホットエレクトロンを導電部6(ソースS)側から注入することにより、フローティングゲートFGへの注入効率を高め、高速書込みが可能となる。
【0042】
あるメモリセルMCxのデータを消去するには、図7および図9に示したように、コントロールゲートCG、アシストゲートAG、ドレインDおよびソースSに以下の電圧を印加する。メモリセルMCxのコントロールゲートCG2に例えば−18V程度を印加し、他のコントロールゲートCG1、CG3、CG4に例えば0Vを印加する。また、アシストゲートAG1、AG2に例えば0Vを印加し、他のソースS1、S2、ドレインD1〜D3のすべてに例えば0Vを印加する。これにより、フローティングゲートFGから半導体層7にF−Nトンネル電流が流れ、フローティングゲートFGに蓄積された電子が放出される。すなわち、フローティングゲートFGに対するデータの消去は、F−N消去により行われ、メモリセルMCxの閾値が低下する。なお、F−N消去の場合、コントロールゲートCG2に接続されたメモリセルMCxを含む複数のメモリセルは、一括して消去されることとなる。
【0043】
あるメモリセルMCxのデータを読み出しするには、図8および図9に示したように、コントロールゲートCG、アシストゲートAG、ドレインDおよびソースSに以下の電圧を印加する。モリセルMCxのコントロールゲートCG2に閾値程度の電圧、例えば3Vを印加し、他のコントロールゲートCG1、CG3、CG4に例えば0Vを印加する。また、メモリセルMCxを選択するために、アシストゲートAG3に例えば3Vを印加し、アシストゲートAG2に例えば0Vを印加する。また、メモリセルMCxのソースS1に例えば4Vを印加し、他のソースS2に例えば0Vを印加する。また、ドレインD1〜D3に例えば1Vを印加する。このような電圧印加により、チャネルに流れる電流の向きを、メモリセルMCxへの書込み時と同じとすることで、ソースSとドレインDとの間に流れる電流の状況からメモリセルMCxの閾値電圧を検出し、フローティングゲートFGに注入された電荷の有無を判定(読み出し)する。
【0044】
このように本実施の形態のフラッシュメモリの各メモリセルMCは、2bit/1セルとして“00”/“01”/“10”/“11”のような4種類のデータを書込むことができる。このような多値記憶は、ワード線の書込み電圧を一定にしたまま、書込み時間を変え、選択されたあるメモリセルMCxのフローティングゲートFGに注入するホットエレクトロンの量を変化させることによって行う。また、上述したように、セルピッチCP1およびセルピッチCP2(図1参照)がそれぞれ、最小加工寸法Fの2.5倍程度、2.0倍程度であるため、2ビットがメモリセル面積5F程度で形成されることから、本実施の形態のフラッシュメモリは、1ピット当たり2.5F程度と最小で形成できる。
【0045】
また、上述したように、フラッシュメモリには、書換え回数が多いことが望まれている。本発明者らが検討したフラッシュメモリは、延在するアシストゲートAGと延在するコントロールゲートCGとが交差する構造である。このため、あるメモリセルを選択するため、あるアシストゲートAGを選択(電圧印加)している場合であっても、そのアシストゲートAGを横切るコントロールゲートCGのメモリセルにも、電圧が印加されることとなり、アシストゲートAGによるディスターブが発生してしまう。しかしながら、本実施の形態のフラッシュメモリは、アシストゲートAG上にコントロールゲートCGが形成されている、すなわちアシストゲートAGとコントロールゲートCGとが平行に形成されていることから、アシストゲートAGを横切るコントロールゲートCGのメモリセルが存在せず、アシストゲートAGによるディスターブが発生しない。したがって、本実施の形態のフラッシュメモリは、書換え回数を多くすることができ、本発明は、フラッシュメモリの信頼性を向上することができる。
【0046】
次に、本実施の形態で示すフラッシュメモリの製造方法の一例を図10〜図25により説明する。本実施の形態のフラッシュメモリは、情報を蓄積するための複数のメモリセルをマトリクス状に配置したメモリアレイ領域A1と、書換えや読み出しを行うビットを選択するため、およびチップ内部で必要な電圧を発生する周辺回路を構成するためのMISトランジスタ(以下、「周辺回路MISトランジスタ」と称する)を複数個配置した周辺回路領域A2から構成される。
【0047】
図10〜図25は、製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。なお、メモリアレイ領域A1には、図1のA−A線およびB−B線に対応する断面図が示されている。
【0048】
まず、図10に示すように、例えばp型の単結晶シリコンからなる基板1に周知の製造方法を用いて、n型埋込み層2を形成した後、周辺回路MISトランジスタを分離するSTI(Shallow Trench Isolation)31を形成する。次いで、イオン打ち込み法によりp型ウエル3を形成する。次いで、基板1を熱酸化することによって、p型ウエル3の表面に酸化シリコンからなるゲート絶縁膜8を形成する。次いで、周辺回路MISトランジスタのゲート電極用としてポリシリコンからなる導電膜32を例えば100nm程度形成した後、絶縁膜33を例えば50nm程度形成する。ここで、絶縁膜33は、例えば原料をTEOS(tetraethylorthosilicate or tetraethoxysilane)としたCVD法を用いて形成される。次いで、メモリアレイ領域A1の絶縁膜33および導電膜32を異方性エッチング法などにより除去する。
【0049】
続いて、図11に示すように、基板1の主面上にTEOSからなる絶縁膜9を形成した後、ポリシリコンからなる導電膜(第1導電膜)4を形成する。次いで、導電膜4上にISSG(In-Situ Steam Generation)酸化法による酸化シリコン(SiO)膜と、熱CVD法による酸化シリコン膜であるHTO(High Temperature Oxide)膜との積層構造の絶縁膜(第1絶縁膜)11を形成する。ここで、ISSG酸化法は、熱処理チャンバ内に水素と酸素を直接導入し、高温(例えば900℃)に加熱した基板1上でラジカル酸化反応を行う方法である。ISSG酸化法は、RTP(Rapid Thermal Process)方式などのような通常の熱酸化法と比較した場合、基板1上に形成されたポリシリコンからなる導電膜4中への酸素の増速拡散が抑制されるという特徴があるので、ほぼ均一な膜厚の絶縁膜11を形成することができる。本実施の形態では、ポリシリコンからなる導電膜4表面をISSG酸化法により酸化した酸化シリコン膜を例えば5nm程度形成し、HTO膜を例えば20nm程度形成する。このように表面が均一なISSG酸化法による酸化シリコン膜上に、HTO膜を形成することで、容易に表面が均一で、かつ厚膜(例えば25nm程度)の絶縁膜11を形成することができる。なお、本実施の形態では、絶縁膜11を、ISSG酸化法による酸化シリコン膜と、HTO膜との積層構造により構成したが、ISSG酸化法による酸化シリコン膜のみで構成して、より均一な表面の絶縁膜11を形成しても良い。
【0050】
次いで、絶縁膜11上に、ポリシリコンからなる導電膜(第2導電膜)13を例えば250nm程度形成した後、窒化シリコン(SiN)からなる絶縁膜(第3絶縁膜)12を例えば300nm程度形成する。
【0051】
続いて、図12に示すように、メモリアレイ領域A1において、絶縁膜12および導電膜13をパターニングした後、絶縁膜(第2絶縁膜)14を形成する。このパターニングされたコントロールゲートCGは、第1パターンを用いてホトレジスト工程と異方性エッチング法により形成される。ここで、第1パターンは、図1の平面図で示したx方向(行方向)へ延びるストライプ状のコントロールゲートCGが形成されるパターンである。また、このパターニングの際に、周辺回路領域A2において、絶縁膜12および導電膜13を除去した後、絶縁膜14を形成する。
【0052】
これにより、絶縁膜12からなるキャップ部(第1キャップ部)および導電部13からなるコントロールゲートCGが形成される。すなわち、キャップ部を含むコントロールゲートCGの側壁、および酸化シリコン膜からなる絶縁膜11上に、層間絶縁膜となる絶縁膜14が形成される。この絶縁膜14は、CVD法または酸化法により形成された酸化シリコン膜上に、CVD法で窒化シリコン膜を形成した後、さらにCVD法または酸化法により形成された酸化シリコン膜を形成してなるONO(Oxide Nitride Oxide)膜である。
【0053】
続いて、図13に示すように、絶縁膜14上に、ポリシリコンからなる導電膜(第3導電膜)5を形成し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により平坦化する。
【0054】
続いて、図14に示すように、絶縁膜12からなるキャップ部を含むコントロールゲートCGの側壁側の導電膜5の一部を除去するため、異方性エッチングにより、エッチバックする。
【0055】
続いて、図15に示すように、メモリアレイ領域A1では、除去された導電膜5上に、例えば原料をTEOSとしたCVD法により絶縁膜(第4絶縁膜)16を例えば35nm程度形成した後、絶縁膜16を異方性エッチングにより、絶縁膜12からなるキャップ部(第2キャップ部)を含むコントロールゲートCGの両側壁にサイドウォール構造の絶縁膜16を形成する。このサイドウォール構造の絶縁膜9からなるキャップ部は、後にフローティングゲートFGを形成するためのキャップ部である。また、周辺回路領域A2では、導電膜5上に上記絶縁膜16が形成されるが、その後の異方性エッチングにより除去される。
【0056】
続いて、図16に示すように、第2パターンの反転パターンを用いたホトレジスト工程と異方性エッチング法により、フローティングゲートFGが形成されない領域のサイドウォール構造の絶縁膜16を除去する。ここで、第2パターンは、図1で示したy方向(列方向)へ延びるストライプ状のドレインDが形成されるパターンである。
【0057】
続いて、図17に示すように、メモリアレイ領域A1では、絶縁膜12からなるキャップ部および絶縁膜16からなるキャップ部をハードマスクとし、導電膜5、絶縁膜14、絶縁膜11、導電膜4、絶縁膜9および絶縁膜8を異方性エッチング法によりエッチングし、基板1の表面が露出するように開口部35を形成する。ここで、ポリシリコンからなる導電膜5をエッチングすることにより、フローティングゲートFGが形成される。また、ポリシリコンからなる導電膜4をエッチングすることにより、アシストゲートAGが形成される。
【0058】
続いて、図18に示すように、開口部35の底部で露出している基板1の表面にヒ素(As)をイオン注入して、基板1にソース線Sとなる導電部6を形成する。
【0059】
続いて、図19に示すように、開口部35を埋め込むように基板1上に、例えば原料をTEOSとしたCVD法により絶縁膜36を形成する。
【0060】
続いて、図20に示すように、周辺回路領域A2では、絶縁膜36、絶縁膜14、絶縁膜11および導電膜4をホトレジスト工程およびエッチング法により除去する。また、メモリアレイ領域A1では、上記第2パターンを用いたホトレジスト工程と異方性エッチング法により、フローティングゲートFGの側壁側に形成されている絶縁膜36を除去する。
【0061】
続いて、図21に示すように、シストゲートAGの側壁およびフローティングゲートFGの側壁に、第1導電膜4上にISSG酸化法によって、それぞれゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)10およびゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)15を形成する。
【0062】
続いて、図22に示すように、開口部35を埋め込むように基板1上に、ポリシリコンからなる半導体層7を形成する。これにより、アシストゲートAG、フローティングゲートFG、コントロールゲートCG、ゲート絶縁膜10およびゲート絶縁膜15を覆うように半導体層7が形成される。次いで、イオン注入法により、リン(P)を半導体層7に注入し、高温熱処理工程によりリンをポリシリコンからなる半導体層7の濃度が、例えば10−17cm−3程度となるようにする。
【0063】
続いて、図23に示すように、周辺回路領域A2では、半導体層7を除去した後、周辺回路MISトランジスタのゲートをパターニングして形成する。
【0064】
続いて、図24に示すように、周辺回路領域A2では、周知の技術により、LDD構造を有する周辺回路MISトランジスタQを形成する。
【0065】
続いて、図25に示すように、周辺回路領域A2にレジストを選択的に残し、メモリアレイ領域A1の半導体層7に、ボロン(B)注入、さらにヒ素(As)注入することによって、ソースSとなる導電部6上にn型の半導体層7a、p型の半導体層7bおよびn型の半導体層7cを形成する。ここで、半導体層7cは、ドレインDを構成するものである。以上により、メモリフラッシュが略完成する。
【0066】
(実施の形態2)
前記実施の形態では、メモリセルは、シリコンからなる基板を用い、その基板にソース線となる導電部を形成する場合について説明した。本実施の形態では、シリコンからなる基板上に、絶縁膜を形成し、その絶縁膜にソース線となる導電部を形成する場合について説明する。
【0067】
図26は、本実施の形態のフラッシュメモリのメモリアレイ領域を模式的に示す要部断面図である。図26に示すように、本実施の形態のメモリセルは、例えばシリコンなどの半導体基板からなる基板1上に形成された絶縁膜41に導電部6が形成されている。なお、絶縁膜41上に導電部が形成される他は前記実施の形態1のメモリセルと同様である。
【0068】
この絶縁膜41は、基板1上に形成された後、例えばCMP法により平坦化されている。また、ソース線Sとなる導電部6は、例えば絶縁膜41中に溝を形成し、その溝をポリシリコン膜で埋め込んで形成されている。
【0069】
図27は、本実施の形態で示すフラッシュメモリを模式的に示す説明図である。図27に示すように、例えばシリコン基板などの半導体基板からなる基板1上には、例えばデコーダ回路、センスアンプ回路およびIO回路などの周辺回路が形成されている。この周辺回路上には、絶縁膜41を介して複数のメモリセルからなるメモリアレイが形成されている。なお、IO回路には、外部端子となるボンディングパッドが電気的に接続されて、外部との入出力を行う。符号42は、ボンディングパッド用の開口部である。
【0070】
このように本実施の形態のフラッシュメモリは、絶縁膜41上にメモリセルを形成することで、周辺回路とメモリアレイとの積層構造で構成することができる。したがって、メモリアレイの周辺に周辺回路が形成されていた前記実施の形態1のフラッシュメモリより、本実施の形態のフラッシュメモリは、基板上に形成されるフラッシュメモリの面積を小さくすることができる。すなわち、チップとしてのフラッシュメモリのチップ面積を縮小することができる。
【0071】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0072】
前記実施の形態では、基板としてシリコン基板を適用した場合について説明したが、絶縁性基板、または例えばガリウムヒ素(GaAs)などの半絶縁性基板を適用しても良い。なお、この場合は絶縁性基板または半絶縁性基板に、ソース線となる導電部が形成されることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置を製造する製造業に幅広く利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態1であるフラッシュメモリのメモリアレイ領域を模式的に示す要部平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿ったフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿ったフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図4】本実施の形態のフラッシュメモリのメモリアレイの要部回路構成を示す説明図である。
【図5】図4の回路構成を実現したメモリアレイを模式的に示す平面図である。
【図6】図4の回路構成における書込み動作時の説明図である。
【図7】図4の回路構成における消去動作時の説明図である。
【図8】、図4の回路構成における読出し動作時の説明図である。
【図9】書込み、読出しおよび消去動作時に、メモリセルに印加する電圧の関係を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1における製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図11】図10に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図12】図11に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図13】図12に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図14】図13に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図15】図14に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図16】図15に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図17】図16に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図18】図17に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図19】図18に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図20】図19に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図21】図20に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図22】図21に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図23】図22に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図24】図23に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図25】図24に続く製造工程中のフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【図26】本発明の実施の形態2のフラッシュメモリのメモリアレイ領域を模式的に示す要部断面図である。
【図27】本実施の形態2で示すフラッシュメモリを模式的に示す説明図である。
【図28】本発明者らが検討したフレッシュメモリのメモリアレイ領域を模式的に示す要部平面図である。
【図29】図28におけるC−C線に沿ったフラッシュメモリを模式的に示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 基板
2 n型埋込み層
3 p型ウエル
4 導電膜(第1導電膜)
5 導電膜(第3導電膜)
6 導電部
7 半導体層
7a、7b、7c 半導体層
8 絶縁膜
9 絶縁膜
10 ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜)
11 絶縁膜(第1絶縁膜)
12 絶縁膜(第3絶縁膜)
13 導電膜(第2導電膜)
14 絶縁膜(第2絶縁膜)
15 ゲート絶縁膜(第2ゲート絶縁膜)
16 絶縁膜(第4絶縁膜)
31 STI
32 導電膜
33 絶縁膜
35 開口部
36 絶縁膜
41 絶縁膜
42 開口部
200 フラッシュメモリ
201 基板
202 p型ウエル
203 拡散層
207 絶縁膜(第2絶縁膜)
208 絶縁膜(第1絶縁膜)
209 絶縁膜
210 ゲート絶縁膜(トンネル酸化膜)
211 ゲート絶縁膜
A1 メモリアレイ領域
A2 周辺回路領域
AG アシストゲート
CG コントロールゲート
CP1、CP2 セルピッチ
D ドレイン
FG フローティングゲート
MC メモリセル
S ソース
Q 周辺回路MISトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の主面上に形成されたアシストゲートと、
前記アシストゲート上に第1絶縁膜を介して形成されたコントロールゲートと、
前記アシストゲート上に前記第1絶縁膜を介し、かつ前記コントロールゲートの両側壁側に第2絶縁膜を介して形成された一対のフローティングゲートと、
前記アシストゲートの側壁に形成された第1ゲート絶縁膜と、
前記フローティングゲートの側壁に形成された第2ゲート絶縁膜と、
前記基板の主面上に形成され、前記主面と垂直な方向にチャネルが発生する半導体層とを有してなる複数のメモリセルを備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1絶縁膜は、ISSG酸化法によって形成された酸化シリコン膜を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第2絶縁膜は、ONO膜であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記第1および第2ゲート絶縁膜は、ISSG酸化法によって形成された酸化シリコン膜であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記フローティングゲートに対するデータの書込みは、SSI書込みにより行い、
前記フローティングゲートに対するデータの消去は、F−N消去により行うことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記基板は、半導体基板、絶縁性基板または半絶縁性基板であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記基板は、シリコン基板であり、
前記アシストゲートは、周辺回路に用いられるMISFETのゲート絶縁膜上に形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記基板は、シリコン基板であり、
イオン注入によって、前記アシストゲートの側壁側の前記基板に導電部が、形成されており、
前記半導体層が、前記導電部上に形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記基板は、シリコン基板であり、
前記アシストゲートは、前記基板の主面上に形成された絶縁層上に形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項9記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記アシストゲートの側壁側の前記絶縁層に導電部が、形成されており、
前記導電部は、多結晶シリコンからなり、
前記半導体層が、前記導電部上に形成されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項11】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記複数のメモリセルが、前記主面の行方向およびこれと交差する列方向に沿ってマトリクス状に配置されており、
前記行方向には、前記複数のメモリセルのコントロールゲートを互いに接続してなるワード線が延在し、
前記行方向には、前記複数のメモリセルのアシストゲートを互いに接続してなるアシストゲート配線が前記ワード線と平行に延在し、
前記列方向には、前記複数のメモリセルのそれぞれの上部を覆うように形成された前記半導体層によってなるビット線が延在していることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項12】
基板の主面上に形成された第1導電膜からなるアシストゲートと、
前記アシストゲート上に第1絶縁膜を介して形成された第2導電膜からなる一対のコントロールゲートと、
前記アシストゲート上に前記第1絶縁膜を介し、かつ前記コントロールゲートの両側壁側に第2絶縁膜を介して形成された第3導電膜からなるフローティングゲートと、
前記アシストゲートの側壁に形成された第1ゲート絶縁膜と、
前記フローティングゲートの側壁に形成された第2ゲート絶縁膜と、
前記基板の主面上に形成され、前記主面と垂直な方向にチャネルが発生する半導体層とを有してなる複数のメモリセルを備える不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、
(a)前記主面上に前記第1導電膜を形成した後、前記第1導電膜上に前記第1絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記第1絶縁膜上に前記第2導電膜を形成した後、前記第2導電膜上に第3絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記第3絶縁膜および前記第2導電膜をパターニングすることによって、前記第3絶縁膜からなる第1キャップ部、および前記コントロールゲートを形成する工程と、
(d)前記コントロールゲートの側壁および前記第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成した後、前記第2絶縁膜上に前記第3導電膜を形成する工程と、
(e)前記コントロールゲートの側壁側の前記第3導電膜の一部を異方性エッチングして除去する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記第3導電膜上に第4絶縁膜を形成した後、前記コントロールゲートの側壁側に前記第4絶縁膜からなる第2キャップ部を形成する工程と、
(g)前記第1および第2キャップ部をマスクとし、前記第3導電膜を異方性エッチングすることによって、前記フローティングゲートを形成する工程と、
(h)前記および第2キャップ部をマスクとし、前記第1導電膜を異方性エッチングすることによって、前記アシストゲートを形成する工程と、
(i)前記アシストゲートの側壁に前記第1ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(j)前記フローティングゲートの側壁に前記第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、
(k)前記アシストゲート、フローティングゲート、コントロールゲート、第1ゲート絶縁膜および第2ゲート絶縁膜を覆うように前記半導体層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
前記(a)工程では、前記第1絶縁膜をISSG酸化法によって形成することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項14】
請求項12記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
前記(i)工程および(j)工程では、前記第1および第2ゲート絶縁膜をISSG酸化法によって形成することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項15】
請求項12記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
(l)前記(h)工程の後、前記(i)工程または(j)工程前に、前記アシストゲートの側壁側の前記基板に導電部を形成する工程を更に含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2006−310687(P2006−310687A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−134057(P2005−134057)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】