説明

制御された二軸応力を有する超低誘電率膜および該作製方法

【課題】制御された二軸応力を有する超低誘電率層と、該低誘電率層を形成するための方法を提供する。
【解決手段】PECVDとスピン・コーティングとの一方によってSi、C、OおよびHを含む層を形成する工程と、それぞれ10ppm未満の非常に低い濃度の酸素および水を含む環境中で膜を硬化する工程とを組み込んだ、制御された二軸応力を有する超低誘電率層を形成するための方法を含む。この方法を用いて形成された2.8以下の誘電率を有する材料も含む。本発明は、46MPa未満の低い二軸応力を有する膜を形成するための問題を克服する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、低誘電率または超低誘電率(低kまたは超低k)を有する誘電体層中の二軸応力のレベルを制御するための方法と、そのような誘電体層の作製を可能にするツール設計と、そのような誘電体層を含む電子デバイスとに関する。より詳しくは、本発明は、超大規模集積回路(「ULSI」)後工程(BEOL)配線構造体中のレベル内誘電体またはレベル間誘電体として用いる低応力超低k膜を作製するための方法と、そのような方法によって形成した電子構造体とに関する。
【背景技術】
【0002】
ULSI回路中で用いられる電子デバイスの近年の絶え間ない微細化の結果、後工程金属(メタライゼーション)の抵抗が増加した。配線のキャパシタンスは、層内誘電体と層間誘電体とによって増加する。この複合効果によって、ULSI電子デバイス中の信号遅延が増加する。将来のULSI回路のスイッチング性能を改善するために、キャパシタンスを減らす低誘電率(k)絶縁体、特に、シリコン酸化物より著しく低いkを有する絶縁体が必要である。ULSIデバイス中での利用の検討の対象となった低k誘電体材料(すなわち低k誘電体)には、メチルシロキサン、メチルシルセスキオキサンおよびその他の有機および無機重合体など、Si、C、OおよびHの元素を含む材料が含まれる。そのような材料は、スピン・コーティング法またはプラズマ促進化学的気相堆積法(PECVD)によって堆積することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの材料を後工程相互接続配線構造体中に集積化するときに遭遇する問題の一つは、特に高湿度環境中で亀裂(クラック)が発生しやすいことである。亀裂発生の推進力は、低k誘電体層中に存在する二軸応力の二乗に比例する。二軸応力を減らすことは、低k誘電体層中の亀裂発生をできるだけ少なくするために非常に重要である。
【0004】
低k誘電体材料および超低k誘電体材料に関する長年の研究にもかかわらず、低k誘電体層および超低k誘電体層中の二軸応力を制御し、減らすための方法を開発することと、室温とそのような層からなる目的のデバイスの動作温度とで、低く、制御可能な二軸応力を有する低k誘電体層および超低k誘電体層を作製するためのツールを設計することと、が常に要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低k誘電体層および超低k誘電体層中の二軸応力を制御し、低下させるための方法と、室温と電子デバイスなど目的の構造体の動作温度とで低く、制御可能な二軸応力を有する低k誘電体層および超低k誘電体層を作製するためのツールの設計と、低く、制御可能な二軸応力を有する低k誘電体層および超低k誘電体層を用いて設計され、作製されたチップ上の相互接続配線体などの構造体と、を提供する。
【0006】
本発明は、さらに、半導体チップまたは電子デバイスの後工程(BEOL)配線構造体中のレベル内誘電体またはレベル間誘電体として絶縁材料の層を組み込む電子構造体を提供する。電子構造体の少なくとも2つの絶縁材料層は、本発明に記載の方法を用いて応力を制御した超低k材料を含む。
【0007】
さらに、本発明は、後工程(BEOL)配線構造体中のレベル内誘電体またはレベル間誘電体として、本発明に記載の方法を用いて応力を制御した本発明の超低k材料の層を含み、反応性イオン・エッチング(「RIE」)停止層、化学機械的研磨停止層または拡散障壁として機能する少なくとも1つの誘電体キャップ層をさらに含む、電子構造体を提供する。
【0008】
本発明によれば、本発明に記載の方法を用いて応力を制御し、Si、C、OおよびH原子ならびに原子レベルのナノ多孔体を含む共有結合によるランダム三次元ネットワークまたはマトリックス(Matrix)を有する熱的に安定な誘電体層を作製するための方法を提供する。
【0009】
第1の実施態様では、誘電体材料は、制御された二軸応力を有し、基本的にSi、C、OおよびHからなる共有結合によるランダム三次元ネットワークまたはマトリックスを有する。
【0010】
本発明は、さらに、後工程(BEOL)配線構造体中で用いるレベル内誘電体またはレベル間誘電体として絶縁材料層を有する電子構造体(すなわち基板)を提供する。絶縁材料は、本発明に記載の方法を用いて応力を制御した本発明の超低k膜であるとよい。
【0011】
第2の実施態様では、プラズマ促進化学的気相堆積法(「PECVD」)反応器を準備する工程と、電子構造体(すなわち基板)を反応器中に置く工程と、Si、C、OおよびHの原子を含む第1のシリコン含有前駆体ガスを反応器中に流す工程と、C、Hおよび任意選択としてO、FおよびNの原子を含む第2の有機物含有前駆体混合ガスを反応器の中に流す工程と、超低k膜を基板の上に堆積する工程と、基板を酸化性雰囲気(例えば100ppm、好ましくは10ppmより多い濃度の酸素を含む雰囲気)に暴露するか、またはウエハを次のプロセス工程(例えば硬化)の領域へ移動する前に、基板を酸化性雰囲気(例えば、100ppm、好ましくは10ppmより多い濃度の酸素を含む雰囲気)に暴露することなく、基板を室温へ冷却する工程と、任意選択として、1つまたは2つ以上の工程において、堆積後の膜を非酸化性雰囲気(例えば、100ppm、好ましくは10ppmより多い濃度の酸素を含む雰囲気)の中で硬化する工程と、を含む熱的に安定な超低k膜を作製するための方法を提供する。
【0012】
第3の実施態様では、Si、C、OおよびHの原子を含む材料を含む溶液をスピン・コーティングすることによって超低k膜を基板の上に堆積する工程と、任意選択として、1つまたは2つ以上の工程において、堆積後の膜を、非酸化性雰囲気(例えば、10ppmより少ない濃度の酸素を含む雰囲気)中で硬化する工程とを含む、熱的に安定な超低k膜を作製するための方法を提供する。
【0013】
硬化する、と言う場合、本発明の堆積膜を、非酸化性雰囲気(例えば、10ppm未満の濃度の酸素を含む雰囲気)中、約300℃以上の温度で少なくとも約0.25時間熱処理してもよいものとする。あるいは、本発明の堆積膜を、非酸化性雰囲気(例えば約10ppm未満の濃度の酸素を含む雰囲気)中で紫外線(UV)放射、電子線(EB)またはレーザで処理してもよい。
【0014】
熱処理工程は、さらに、約300℃以下の温度で第1の時間、次に約380℃以上の温度で第2の時間実行してもよい。第2の時間は第1の時間より長い。第2の時間は、第1の時間の約10倍であるとよい。任意選択として、UV放射または電子線へ曝露して、熱処理後の膜を処理してもよい。上記に記載した工程は、すべて非酸化性雰囲気(例えば、約10ppm未満の濃度の酸素を含む雰囲気)中で実行する。
【0015】
第4の実施態様では、本発明の方法は、さらに、無酸素環境中で実行される1回または2回以上のアニール工程を含んでもよい。本明細書で用いる言葉「無酸素環境」は、誘電体膜を処理するための環境を意味する。前記環境はN、Ar、He、Xe、またはそれらの混合物などの不活性ガスを含み、10ppm未満の濃度のOを含むガスである。
【0016】
第5の実施態様では、本発明の方法は、さらに、Oが10ppm未満の無酸素環境中でUV放射または電子線で膜を処理する工程を含んでもよい。
【0017】
第6の実施態様では、本発明の方法は、代替としてまたは追加として、マイクロ波またはRF電力をウエハに照射する工程を含んでもよい。この工程は、Oが10ppm未満の無酸素環境中で実行する。
【0018】
第7の実施態様では、本発明は、予備プロセス加工済みの半導体基板を含み、後工程(BEOL)相互接続配線構造体中のレベル内誘電体またはレベル間誘電体として、本発明に記載の方法を用いて応力を制御した絶縁材料の層を有する電子構造体を目的とする。電子構造体は、第1の絶縁材料層中に埋め込まれた第1の金属領域と、Si、C、OおよびHならびに複数のナノメートル・サイズの細孔(pore)とを含み、約2.8以下の誘電率を有する本発明の超低k誘電体である第2の絶縁材料層中に埋め込まれた第1の導体領域とを有する。第2の絶縁材料層は第1の絶縁材料層と密接に接触し、第1の導体領域は第1の金属領域と電気的に連通し、第2の導体領域は第1の導体領域と電気的に連通し、本発明の超低k誘電体を含む第3の絶縁材料層中に埋め込まれ、第3の絶縁材料層は第2の絶縁材料層と密接に接触している。電子構造体は、さらに、第2の絶縁材料層と第3の絶縁材料層との間に配置された第1の誘電体キャップ層を含んでもよい。電子構造体は、さらに、第2の絶縁材料層と第3の絶縁材料層との間に第2の誘電体キャップ層、第3の絶縁材料層の上に第3の誘電体キャップ層を含んでもよい。
【0019】
第1の誘電体キャップ材料は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコンカーボン窒化物(SiCN)、シリコンカーボン酸窒化物(SiCON)、耐熱金属シリコン窒化物(耐熱金属は、Ta、Zr、HfおよびWからなる群から選ぶ)、シリコン炭化物、炭素をドーピングした酸化物またはSiCOHおよび以上のものの水素化化合物から選ぶとよい。第2の誘電体キャップ層および第3の誘電体キャップ層は、同じ誘電体材料の群から選ぶとよい。第1の絶縁材料層は、シリコン酸化物またはシリコン窒化物、あるいはリン・シリケートガラス(「PSG」)またはボロン・リン・シリケートガラス(「BPSG」)など、これらの材料のドーピングした変形でもよい。電子構造体は、さらに、第2の絶縁材料層および第3の絶縁材料層の少なくとも一つの上に堆積した誘電体材料の拡散障壁層を含んでもよい。電子構造体は、さらに、第2の絶縁材料層の上に誘電体を含んでもよい。この誘電体は、反応性イオン・エッチング(「RIE」)ハード・マスクおよび研磨停止層として機能してもよく、誘電体RIEハード・マスクおよび研磨停止層の上に誘電体拡散障壁層があってもよい。
【0020】
電子構造体は、さらに、第2の絶縁材料層の上に第1の誘電体RIEハード・マスク/研磨停止層、第1の誘電体研磨停止層の上に第2の誘電体RIEハード・マスク/拡散障壁層、第3の絶縁材料層の上に第2の誘電体RIEハード・マスク/研磨停止層、および第2の誘電体研磨停止層の上に第2の誘電体拡散障壁層を含んでもよい。電子構造体は、さらに、超低k誘電体のレベル間誘電体と超低k誘電体のレベル内誘電体との間に、上記で述べた同じ材料の誘電体キャップ層を含んでもよい。
【0021】
上記の本発明の目的、特徴および利点を、以下の詳細な説明と添付の図面とによって明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、超低k(誘電率)、すなわち約2.8以下の誘電率を有し、後工程配線構造体中の集積化に適し、本発明に記載の手段を用いて二軸応力を制御した層を調製するための方法を提供する。より好ましくは、本発明の超低k膜の誘電率は約1.5から約2.8、最も好ましくは、誘電率は約1.8から約2.25である。
【0023】
堆積プロセスでは、Si、C、OおよびHの原子を含む少なくとも第1の前駆体(液体、ガスまたは蒸気)と、HeまたはArなどの不活性キャリアとを反応器の中に供給する工程であって、好ましくは、反応器はPECVD反応器である工程と、次に、SiCOH誘電体材料を形成する際に有効な条件を利用して、前記第1の前駆体から誘導される膜を適当な基板の上に堆積する工程と、によってSiCOH誘電体材料を形成する。さらに、第1の前駆体をO、COまたはそれらの組み合わせなどの酸化剤と混合し、それによって、反応器中の反応体を安定化し、基板上に堆積する誘電体膜の均一性を改善する。
【0024】
第1の前駆体に加えて、C、H、および任意選択としてO、FおよびNの原子を含む第2の前駆体(ガス、液体または蒸気)を用いてもよい。任意選択として、Geを含む第3の前駆体(ガス、液体またはガス)も用いてよい。
【0025】
好ましくは、第1の前駆体は、1,3,5,7‐テトラメチルシクロテトラシロキサン(「TMCTS」または「C16Si」)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ジエトキシメチルシラン(DEMS)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS)、ジエチルメトキシシラン(DIDMOS)および関連する環状および非環状シラン、シロキサンおよび類似化合物などのSiCOH成分を含む環構造を有する有機分子から選ばれる。
【0026】
用いてもよい第2の前駆体は、炭化水素分子である。任意の炭化水素分子を用いてもよいが、好ましくは第2の前駆体は、環構造を有する、好ましくは分子中に2つ以上の環が存在するか、または環に結合した分枝鎖を有する炭化水素分子からなる群から選ばれる。特に有用なのは、縮合環(fused ring)を含み、縮合環の少なくとも1つがヘテロ原子、好ましくは酸素を含む化学種(species)である。これらの化学種の中で、最も適しているのは、著しい環歪みを発生するサイズの環、すなわち3原子または4原子または7原子以上あるいはこれらの組合せの環を含むものである。特に魅力的なのは、シクロペンテンオキシド(「CPO」または「CO」)など、含酸素二環化合物として知られる種類の化合物の種類である。炭化水素環に結合した分岐形ターシャリーブチル(t‐ブチル)およびイソプロピル(i‐プロピル)基を含む分子も有用である。環は飽和であっても不飽和(C=C二重結合を含む)であってもよい。第3の前駆体は、水素化ゲルマン(germane)または原料Geを含む他の任意の反応体から形成してもよい。
【0027】
本発明の方法は、さらに、約85cmと約750cmとの間の基板チャックの導電体面積と、約1cmと約12cmとの間の基板と上部電極の間のギャップとを有する平行板反応器を準備する工程を含んでもよい。約0.45MHzと約200MHzとの間の周波数の高周波RF電力を電極の一つに印加する。任意選択として、別の低周波電力を電極の一つに印加してもよい。
【0028】
堆積工程で用いる条件は、SiCOH誘電体材料の所望の最終的な誘電率によって変化することがある。大まかに、約2.8以下の誘電率、46MPa未満の引張り応力、約2から約15GPaの弾性モジュラス、約0.2から約2GPaの硬度を有するSi、C、O、Hの元素を含む安定な誘電体材料を準備するために用いる条件は、約300℃と約425℃との間の基板温度設定、約0.1W/cmと約1.5W/cmとの間の高周波RF電力密度設定、約100mg/分と約5000mg/分との間の第1の液状前駆体流速設定、任意選択として、約50mg/分から約10,000mg/分の間の第2の液状前駆体流速設定、任意選択として、約25mg/分から約4000mg/分の間の第3の液状前駆体流速設定、任意選択として、約50sccmから約5000sccmの間のヘリウム(またはアルゴンあるいはこれらの両方)などの不活性キャリアガス流速設定、約1000mTorr(1.33×10パスカル)と約7000mTorr(9.33×10パスカル)との間の圧力の反応器圧力設定、約75Wと約1000Wとの間の高周波RF電力設定を含む。任意選択として、約30Wと約400Wとの間の超低周波数電力をプラズマに印加してもよい。基板チャックの導電面積がX倍に変化すると、基板チャックに印加されるRF電力もX倍に変化する。
【0029】
酸化剤を使用するとき、約10sccmから約1000sccmの間の流速で酸化剤をPECVD反応器の中に流す。
【0030】
上記のプロセスでは液状前駆体を用いるが、当分野では、有機シリコンガス前駆体(トリメチルシランなど)を堆積に用いてもよいことが知られている。
【0031】
上記のプロセスの結果として得られる膜を、本明細書では「堆積後(as‐deposited)の膜」と呼ぶ。
【0032】
本発明の範囲内では、堆積後のSiCOH膜の熱、UV、EB、レーザまたはRF処理の雰囲気は、N、H、Ar、He、Xeまたはその他の希ガスなどの不活性ガスまたは炭化水素ガスあるいはそれらの混合物を含む環境中とされ、0から100ppm、好ましくは10ppmの範囲の濃度のOを含む。
【0033】
非酸化性(無酸素)環境は、硬化後のシリコンの酸素からのダングリングボンドなどの反応性部位を不動態化し、SiCOHおよび多孔質SiCOH膜酸化を減らすために、好ましくは、二重結合基を有し、100ppm、好ましくは10ppm未満の酸素レベルを有する炭化水素雰囲気を含むとよい。二重結合基を有する炭化水素雰囲気は、エチレンまたは1,3‐ブタジエンを含むとよい。
【0034】
詳しくは、任意選択として、膜を安定化させ、その特性(電気的、機械的、接着)を改善し、結果として最終的な最適の膜とするために、エネルギー源を用いて堆積後の膜を処理してもよい。適当なエネルギー源は、熱、化学、紫外(UV)光、深紫外(DUV)光、電子線(e‐ビーム)、マイクロ波およびプラズマを含む。上記エネルギー源の組み合わせを用いてもよい。本発明において使用されるエネルギー源は、堆積後の誘電体のSi‐O結合ネットワークを変化させ、材料中の他の結合を変化させ、より多くのSi‐O架橋を起こさせ、場合によっては、炭化水素相(phase)を除去するために利用される。これらの変化のすべての結果として、より高い弾性モジュラス、より高い硬度、より低い二軸応力、または前記特性の組み合わせが得られる。他のすべてのパラメータが同じなら、より高い弾性モジュラスまたはより低い応力のどちらかもしくはこれらの両方の結果、水分存在下で測定して、より低い亀裂伝播速度が得られる。従って、より高い弾性モジュラスとより低い応力との組み合わせは、エネルギー処理の好ましい結果である。
【0035】
熱エネルギー源は、例えば、堆積後の誘電体材料を約300℃から約500℃の温度に加熱することができる加熱素子またはランプなど、任意のエネルギー源を含む。より好ましくは、熱エネルギー源は、堆積後の誘電体材料を約350℃から約430℃の温度に加熱することができる。この熱処理プロセスは、さまざまな時間実行することができ、約1分から約300分の時間が典型的である。熱処理工程は、典型的には、HeおよびArなど、不活性ガスの存在下で実行される。熱処理工程は、アニール工程と呼んでもよく、急速熱アニール、ファーネス・アニール、レーザ・アニールまたはスパイク・アニール条件を使用する。
【0036】
UV光処理工程は、ウエハ温度を25℃から500℃に維持しながら、約500nmから約150nmの波長を有する光を発生することができる光源を利用して基板を照射するために実行され、300℃から450℃の温度が好ましい。370nmより大きな波長を有する放射は、Si‐CHおよびSi−Hなどの重要な結合を解離させるかまたは活性化させるのにエネルギーが不十分であり、そのため150から370nmの範囲の波長が好ましい範囲である。本発明者らは、文献データと堆積後の膜で測定した吸光度スペクトルとを用いて、170nmより小さな波長を有する放射エネルギーはSiCOH膜を劣化させることがあるので好ましくないこことを見いだした。さらに、310から370nmの範囲の波長を有する放射エネルギーは、310から370nmの範囲の波長の光子あたりのエネルギーが比較的低いため、150から310nmの範囲の波長を有する放射エネルギーより有用性が低い。150から310nmの波長範囲内で、最適波長は、堆積後の膜の吸光度スペクトルと重なり、任意選択として、膜の特性(疎水性など)の劣化が最も少なくなるように、SiCOHの特性を変えるための最も効果的なUVスペクトルの領域を選んでもよい。
【0037】
電子線処理工程は、ウエハ温度を25℃から500℃の範囲に維持しながら、0.5から25keVのエネルギーと0.1から100マイクロアンペア/cm(好ましくは1から5マイクロアンペア/cm)の電流密度とを有する一様な電子流束をウエハの表面の上に発生させる能力のある電子線源を利用して実行され、300℃から450℃の範囲の温度が好ましい。電子線処理工程で用いられる好ましい電子の照射量は、50から500マイクロクーロン/cmの範囲内であり、100から300マイクロクーロン/cm(すなわちμC/cm)の電子の照射量がもっとも好ましい。
【0038】
さらに集積化プロセス処理を施す前に、堆積後の膜を安定化する。安定化した膜は、堆積後の膜の中の蒸気成分を追い出した膜である。安定化プロセスは、ファーネス・アニール工程において、約300℃から約430℃で約0.5時間から約4時間実行するとよい。安定化プロセスは、急速熱アニールプロセスにおいて、約300℃より高い温度で実行してもよい。安定化プロセスは、300℃より高い温度でUVまたは電子線チャンバ中で実行してもよい。本発明によって得られる膜の誘電率は、約2.8より低い。非酸化性雰囲気、すなわち10ppm未満のO中で本発明によって得た膜の熱安定性範囲は、室温以下から少なくとも約430℃の温度である。熱安定性を有する膜は、室温以下から約430℃までの温度で組成も特性も変化しない膜である。
【0039】
本発明によって形成される電子デバイスのいくつかの断面図を図1〜4に示す。図1〜4に示したデバイスは、本発明による例として示したにすぎず、本発明によって無数の他のデバイスも形成することができる点に注意すべきである。
【0040】
図1は、シリコン基板またはシリコン含有基板32の上に構築した電子デバイス30の断面図を示す。シリコン基板またはシリコン含有基板32の上に絶縁材料層34を形成し、第1の金属領域36を絶縁材料層34の中に埋め込む。第1の金属領域36に化学機械的研摩(「CMP」)プロセスを実行した後、第1の絶縁材料層34と第1の金属領域36との上に超低k膜38などの膜を堆積する。任意選択として、層34と層38との間に別の誘電体キャップ層(図に示していない)を追加してもよい。第1の絶縁材料層34は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、これらの材料をドーピングした変形、または他の任意の適当な絶縁材料で適宜形成するとよい。フォトリソグラフィー・プロセスによって超低k膜38をパターン形成し、そこに導体層40を形成する。第1の導体層40にCMPプロセスを実行した後、プラズマ促進化学的気相堆積法(「PECVD」)プロセスによって、第2の超低k膜層44を第1の超低k膜38と第1の導体層40との上に堆積する。導体層40は、金属導電材料で形成しても非金属導電材料で形成してもよい。例えば、アルミニウムまたは銅の金属導電材料、あるいは窒化物またはポリシリコンなどの非金属材料を利用してもよい。第1の導体40は、第1の金属領域36と電気的に連通している。
【0041】
第2の超低k膜層44にフォトリソグラフィー・プロセスを実行した後、第2の導体領域50を形成し、続いて、第2の導体材料の堆積プロセスを行う。第2の導体50も、第1の導体層40を形成する際に用いたものと同様な金属材料または非金属材料で形成するとよい。第2の導体領域50を、第1の導体領域40と電気的に連通させ、第2の超低k絶縁体層44の中に埋め込む。超低k膜の第2の層44を、絶縁材料の第1の層38と緊密に接触させる。この特定の例では、絶縁材料の第1の層38は、本発明による超低k材料であり、レベル内誘電体材料として働くが、第2の絶縁材料層、すなわち超低k膜44は、レベル内誘電体とレベル間誘電体との両方として働く。超低k膜の低い誘電率によって、第1の絶縁層38と第2の絶縁層44とで非常に優れた絶縁特性を実現することができる。
【0042】
図2は、本発明による電子デバイス60の断面図を示す。この断面図は、図1に示した電子デバイス30の断面図と同様であるが、第1の絶縁材料層38と第2の絶縁材料層44との間に堆積した別の誘電体キャップ層62を有する。誘電体キャップ層62は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭窒化物(SiCN)、シリコン炭酸化物(SiCO)、改質超低kおよび以上のものの水素化化合物ならびに耐熱金属シリコン窒化物などの材料で適切に形成するとよい。耐熱金属は、Ta、Zr、HfおよびWからなる群から選ばれる。さらに、誘電体キャップ層62は、第1の導体層40の第2の絶縁材料層44またはそれより下にある層、特に層34および32への拡散を防ぐための拡散障壁層として機能する。
【0043】
図3は、本発明による電子デバイス70の別の代替実施態様の断面図を示す。電子デバイス70では、RIEマスクおよびCMP(化学機械的研磨)研磨停止層として働く2つの別の誘電体キャップ層72および74を用いる。第1の絶縁材料層38の上に第1の誘電体キャップ層72を堆積する。誘電体層72の機能は、第1の導体層40を平坦化する際に利用されるCMPプロセスの終点を準備することである。層72は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭酸化物(SiCO)、シリコン炭窒化物(SiCN)、改質超低kおよびそれらの水素化化合物ならびに耐熱金属シリコン窒化物などの適当な誘電体材料で堆積するとよい。耐熱金属は、Ta、Zr、HfおよびWからなる群から選ばれる。誘電体層72の上面は、第1の導体層40と同じレベルにある。同じ目的で、第2の絶縁材料層44の上に第2の誘電体層74を追加してもよい。
【0044】
図4は、本発明による電子デバイス80のさらに別の代替実施態様の断面図を示す。この代替実施態様では、別の誘電体層82を堆積し、従って、第2の絶縁材料層44を二つの別々の層84と86とに分割する。従って、図3に示したレベル内およびレベル間誘電体層44を、層間誘電体層84とレベル内誘電体層86とに分割する。相互接続部92と相互接続部94との間には、誘電体82とレベル内誘電体層86との界面と同一平面(共面)の境界があってもよい。さらに、上部誘電体層74の上に別の拡散障壁層96を堆積する。電子デバイス80のこの代替実施態様によって提供される別の利点は、誘電体層82がRIEエッチング停止層として働き、非常に優れた相互接続部94の深さ制御、ひいては、非常に優れた導体抵抗の制御を提供する点である。
【0045】
本発明による超低k誘電体膜の作製法を例示し、同時に、本発明による超低k誘電体膜の作製法から得ることができる利点を実証するために、以下の実施例を提示する。
【実施例1】
【0046】
本実施例では、2種類のSiCOH膜をSiウエハの上に堆積した。第1の種類のSiCOH膜は、PECVDによって堆積した超低k誘電体膜であり、堆積後の状態では、前駆体ジエトキシメチルシラン(DEMS)と、エネルギー源によって後で除去して膜を安定化し、膜の特性(電気的、機械的、接着)を改善し、その結果、最終的な最適の膜にすることができる有機相とによるマトリックスを含んだ。適当なエネルギー源は、熱、化学、紫外(UV)光、深紫外(DUV)光、EB、RF、マイクロ波およびプラズマを含む。本発明では、上記のエネルギー源の組み合わせを用いてもよい。本発明の範囲内では、熱、UV光、DUV光、EB、レーザまたはRF(高周波)処理のための雰囲気は、N、H、Ar、He、Xeまたはその他の希ガスなどの不活性ガスまたは炭化水素ガスあるいはそれらの混合物を含み、0から10ppmの範囲の濃度のOを含む環境とする。
【0047】
第2の種類のSiCOH膜は、溶液からのスピン・コーティングによってSi基板上に堆積したメチルシルセスキオキサン(MSQ)と水素シルセスキオキサン(HSQ)との混合物による膜であった。この膜をエネルギー源によって処理して膜を安定化し、膜の特性(電気的、機械的、接着)を改善し、その結果、最終的な最適の膜を得てもよい。適当なエネルギー源は、熱、化学、紫外(UV)光、EB、RF、マイクロ波およびプラズマを含む。本発明では、上記のエネルギー源の組み合わせを用いてもよい。本発明の範囲内では、熱、UV、EB、レーザまたはRF処理のための雰囲気は、N、H、Ar、He、Xeまたはその他の希ガスなどの不活性ガスまたは炭化水素ガスあるいはそれらの混合物を含み、0から10ppmの範囲の濃度のOを含む環境とされる。
【0048】
PECVDによって形成したSiCOH膜(第1の種類の膜)の試料と、スピン・コーティングしたMSQとHSQとの混合物によって形成したSiCOH膜(第2の種類の膜)からの試料とを、さまざまな量の酸素を含むさまざまなガス中400℃でアニールした。図5は、アニール工程時のガス環境中の酸素含量に対する膜の二軸応力のプロットを示す。ガス環境中の酸素含量が高いほど、アニール後に結果として得られる膜の二軸応力が高く、これは、PECVD法膜と溶液プロセスによってスピン・コーティングした膜との両方のSiCOH膜に当てはまる。図5で、縦軸は室温での二軸応力を表し、横軸は硬化時のガス環境中の酸素濃度を表す。図5で、データ点101〜104をプロットすると曲線105は直線となり、PECVD法SiCOH膜に対応し、一方、データ点106〜110と直線となる曲線111とは、溶液プロセスによってスピン・コーティングしたSiCOH膜に対応する。
【0049】
PECVD法SiCOH膜の堆積後の膜は、表1と図5とに示すように、31MPa(この二軸応力測定の誤差バーは5MPaである)の二軸応力を有する。

【表1】

【0050】
アニール後のSiCOH膜の二軸応力は、膜を4000ppmの酸素を含む雰囲気中でアニールすると、76MPaまで増加する。表2は、PECVD法SiCOH膜を含む再現実験の結果を示す。

【表2】

【0051】
表2に示した再現実験の結果は、表1に示した最初の実験の結果と一致する。
【0052】
溶液プロセスによってスピン・コーティングしたSiCOH膜の堆積後の膜は、表3と図5とに示すように、33MPaの二軸応力(この応力測定の誤差バーは9MPaである)を有する。

【表3】

【0053】
アニール後のスピン・コーティングしたSiCOH膜の室温での二軸応力は、SiCOH膜を4000ppmの酸素を含む雰囲気中でアニールすると、46MPaまで増加する。
【0054】
図6は、データ点114〜116と曲線117とを示し、アニール後のPECVD法SiCOH膜中の室温での二軸応力を示す。図6で、縦軸は二軸応力を表し、横軸は空気中の時間を表す。図6では、空気中150℃で最大約50時間アニールした後の堆積後のPECVD法SiCOH膜の試料からデータを得た。図6の曲線117によって示したように、二軸応力は、空気中のアニールの時間とともに単調に増加する。図6は、堆積後のPECVD法SiCOH膜をOの存在下でアニールすると、結果として、PECVD法SiCOH膜の二軸応力が増加することを示す。
【0055】
図7の(A)および(B)は、図1に示した第1の実施態様で取り込んだ超低kSiCOH膜のFTIRスペクトルを示す。図7の(A)は、図7の(B)の拡大版である。図7の(A)は、DEMSと有機前駆体との混合物から調製した3つのPECVD法超低kSiCOH膜のアニール前のFTIRスペクトルの曲線117〜119を示す。曲線121〜123は、さまざまなO含量を有するガス環境または雰囲気中のアニールの後の、堆積後のPECVD法超低kSiCOH膜の3つの試料のそれぞれのFTIRスペクトルを示す。これらの3つの試料は、曲線117〜119で示したアニールの前のFTIRスペクトルを測定した同じものである。
【0056】
以下の3つのアニール条件を用いた。
1.フォーミング・ガス・アニール、400℃、14時間。
2.10ppmのOを有するNガス・アニール、400℃、14時間。
3.300ppmのOを有するNガス・アニール、400℃、14時間。
【0057】
図7の(A)および(B)で、縦軸は吸光度を表し、横軸はFTIRスペクトルの波数(cm−1)を表す。図7の(A)および(B)で、曲線121〜123で示したデータは、用いた3つのアニール環境によって、膜構造を構成する化学結合が異なることを示す。曲線121は、上記アニール条件1、すなわちフォーミング・ガス・アニールの場合である。曲線122は、上記アニール条件2、すなわち10ppmのOを有するNガス・アニールの場合である。曲線123は、上記アニール条件3、すなわち300ppmのOを有するNガス・アニールの場合である。図7の(B)の6つのスペクトル(3つの堆積後の膜と3つの異なるアニール処理後の同じ膜)は、すべて980と1250cm−1との間の複合体Si‐O吸収バンドを示す。図7の(A)および(B)の6つのスペクトル(3つの堆積後の膜と3つの異なるアニール処理後の同じ膜)は、すべて約1268cm−1のSi‐CH吸収ピークおよび約2800〜3050cm−1の重なり合うCH吸収ピークを示す。これらのスペクトル中に存在する他の関連吸収帯は、以下の化学的部分の属性によると考えられる。
・1700〜1800cm−1の領域の1つまたは2つ以上のピークはさまざまな隣接原子を有するC=Oによる。
・1607cm−1のピークはC=Cによる。
・1460cm−1のピークはSiから離れたCHによる。
・1411cm−1のピークはSiMeのCHによる。
・1378cm−1のピークはSiCHSiのCHによる。
・2241および2172cm−1のピークはそれぞれHSiOおよびHSiOSiによる。
【0058】
曲線121〜123によって図7の(B)に示した超低kSiCOH膜のFTIRスペクトルの1つの特徴は、3つの異なるアニール条件1〜3について図8の(B)、図9の(B)および図10の(B)(図8の(B)、条件1、フォーミング・ガス・アニール、400℃、14時間、図9の(B)、条件2、10ppmのOを有するNガス・アニール、400℃、14時間、図10の(B)、条件3、300ppmのOを有するNガス・アニール、400℃、14時間)に詳しく例を示したように、Si‐Oピークを、約1141cm−1、1064cm−1および1030cm−1に中心がある3つのピークに分解することができることである。図8の(A)、図8の(B)、図9の(A)、図9の(B)、図10の(A)および図10の(B)で、縦軸は吸光度を表し、横軸は波数(cm−1)を表す。
【0059】
Si‐OのピークのFTIRスペクトルを、図8の(A)の曲線125および129、図8の(B)の曲線131および135、図9の(A)の曲線137および141、図9の(B)の曲線145および149、図10の(A)の曲線155および159、ならびに図10の(B)の曲線161および165によって示す。
【0060】
Si‐Oピークを分解した結果、形成された3つのピークは、大体1141cm−1、1064cm−1および1030cm−1に中心があり、図8の(A)では曲線125〜128、図8の(B)では曲線131〜134、図9の(A)では曲線137〜140、図9の(B)では曲線145〜148、図10の(A)では曲線155〜158、図10の(B)では曲線161〜164によって示す。
【0061】
さまざまな環境下でアニールした膜の中の大体1141cm−1、1064cm−1および1030cm−1に中心があるこれらの3つのピークのさまざまな比を用いてこれらのPECVD法超低kSiCOH膜の構造に関する結論を導く。
【0062】
FTIRスペクトルからの全体としての結論は、以下の記述を含む。
・条件1〜3でアニールすると、
o膜の中のCH含量は減少し、細孔源(porogen)の減少を示す。
oSiOSi結合全含量は増加し、架橋が増加したことを示す。
oSiCH変角振動(bend)の強度は増加し、多孔度(多孔率)が増加し、その結果、振動の遮蔽が減少したことを意味する。
・条件1、フォーミング・ガス中、400℃、14時間、または条件2、10ppmのOを有するNガス中、400℃、14時間、でアニールすると
oネットワーク・ピーク強度はほとんど同じであった。これは、SiOSi結合含量が保持されることを意味する。
o亜酸化物(suboxide)ピーク強度は増加した。これは、Si‐Si架橋形成によって説明される。
oSiHピーク強度は減少した。これは、この部分がSi‐Si架橋反応に関与することを意味する。
oC=Oピーク強度は減少した。これは、細孔源の損失が起こり、C=O結合が減少したことを意味する。
oCH(無Si)ピーク強度は減少した。これは、細孔源の損失が起こったことを意味する。
oSiCHSiは消失した。これは、Si‐Si架橋形成によって失われることを意味する。
・条件3、300ppmのOを有するNガス中、400℃、14時間、でアニールすると、
oSiOSiネットワーク・ピーク強度は増加した。これは、より多くのSiOSi結合が形成されたことを意味する。
oSiOSi亜酸化物ピーク強度は減少した。これは、これらのアニールによってより多くのSiOSi結合が形成され、O以外のXを有するSiX結合が除去されたことを意味する。
o全SiHピーク強度は減少し、一方、HSiOSiによるピークは完全に消失した。これは、新しいSiOSi架橋結合の生成に結びつけることができる。
oC=Oピーク強度は増加した。これは、SiCOH中の有機成分の酸化が起こったことを意味する。
oCH(無Si)ピーク強度は増加した。これは、細孔源が膜の中に捕捉されたことを意味する
oSiCHSiピーク強度は保持された。
・条件3、300ppmのOを有するNガス中、400℃、14時間、または条件2、10ppmのOを有するNガス中、400℃、14時間、でアニールすると、おそらく炭酸塩形成によって、C=Cピーク強度は増加する。これとは反対に、条件1、純フォーミング・ガス中、400℃、14時間、でアニールした膜の中では、C=Cピークは同じままであるか、または減少する。
【0063】
図11は、SiCH変角ピーク強度に対して規格化したさまざまなピークの強度を示す。図11で、縦軸はSiCH変角ピーク面積に対するさまざまなピーク面積の比を表す。横軸は、フォーミング・ガス、Nガス10ppmO、およびNガス300ppmO中でアニールしたSiCOH膜を表す。
【0064】
曲線170、180、190および200は、SiCH変角ピーク面積に対する堆積後のCHのピーク面積の比を表す。曲線171、181、191および201は、SiCH変角ピーク面積に対するアニール後のCHのピーク面積の比を表す。曲線172、182、192および202は、SiCH変角ピーク面積に対する堆積後の全SiOSiのピーク面積の比を表す。曲線173、183、193および203は、SiCH変角ピーク面積に対するアニール後の全SiOSiのピーク面積の比を表す。曲線174、184、194および204は、SiCH変角ピーク面積に対する堆積後のケージ(cage)のピーク面積の比を表す。曲線175、185、195および205は、SiCH変角ピーク面積に対するアニール後のケージのピーク面積の比を表す。曲線176、186、196および206は、SiCH変角ピーク面積に対する堆積後のネットワークのピーク面積の比を表す。曲線177、187、197および207は、SiCH変角ピーク面積に対するアニール後のネットワークのピーク面積の比を表す。曲線178、188、198および208は、SiCH変角ピーク面積に対する堆積後の亜酸化物のピーク面積の比を表す。曲線179、189、199および209は、SiCH変角ピーク面積に対するアニール後の亜酸化物のピーク面積の比を表す。
【0065】
曲線170〜179は、フォーミング・ガス中でアニールしたSiCOH膜の場合である。曲線180〜189は、フォーミング・ガス中でアニールした別のSiCOH膜の場合である。曲線190〜199は、10ppmのOを有するNガス中でアニールしたSiCOH膜の場合である。曲線200〜209は、300ppmのOを有するNガス中でアニールしたSiCOH膜の場合である。図11の曲線170〜209によって、SiCOH膜アニール条件の関数として相対ピーク強度変化を定量化し、これらの曲線によって、上記の結論を導いた。全SiOSiピーク強度に対して規格化すると、SiCH変角ピーク強度は、図12の曲線212、213、222、223、232、233、242および243に示すようにアニールの前後で一定のままであったので、SiCH変角ピーク強度を基準強度として選んだ。
【0066】
図12で、縦軸はSiOSiピーク面積に対するさまざまなピーク面積の比を表す。横軸は、フォーミング・ガス、Nガス、10ppmのOおよびNガス、300ppmのO中でアニールしたSiCOH膜を表す。
【0067】
曲線210、220、230および240は、SiOSi全ピーク面積に対する堆積後のCHのピーク面積の比を表す。曲線211、221、231および241は、SiOSi全ピーク面積に対するアニール後のCHのピーク面積の比を表す。曲線212、222、232および242は、SiOSi全ピーク面積に対する堆積後のSiCHのピーク面積比を表す。曲線213、223、233および243は、SiOSi全ピーク面積に対するアニール後のSiCHのピーク面積の比を表す。曲線214、224、234および244は堆積直後のケージのSiOSi全ピーク面積に対する堆積後のケージのピーク面積の比を表す。曲線215、225、235および245は、SiOSi全ピーク面積に対するアニール後のケージのピーク面積比を表す。曲線116、226、236および246は、SiOSi全ピーク面積に対する堆積後のネットワークのピーク面積の比を表す。曲線217、227、237および247は、SiOSi全ピーク面積に対するアニール後のネットワークのピーク面積の比を表す。曲線218、228、238および248は、SiOSi全ピーク面積に対する堆積後の亜酸化物のピーク面積の比を表す。曲線219、229、239および249は、SiOSi全ピーク面積に対するアニール後の亜酸化物のピーク面積の比を表す。
【0068】
曲線210〜219は、フォーミング・ガス中でアニールしたSiCOH膜の場合である。曲線220〜229は、フォーミング・ガス中でアニールした別のSiCOH膜の場合である。曲線220〜229は、10ppmのOを有するNガス中でアニールしたSiCOH膜の場合である。曲線240〜249は、300ppmのOを有するNガス中でアニールしたSiCOH膜の場合である。
【実施例2】
【0069】
本実施例では、PECVDによって超低kSiCOH膜の特定の組成物をSiウエハ上に堆積した。堆積後の状態では、これらのSiCOH膜は、前駆体DEMSと有機相とによるマトリックスを含んでいた。このマトリックスを、高温でのUV光曝露によって後で除去してSiCOH膜を安定化し、SiCOH膜の特性(電気的、機械的、接着)を改善し、結果として最終的な最適のSiCOH膜をSiウエハ上に得た。それぞれのSiウエハの上のSiCOH膜をUV硬化し、3つの異なるガス環境中で処理するかまたはアニールした。3つの異なるガス環境は、HeまたはArなどの希ガス、Hと混合したHe、およびOであった。UV処理の場合、処理時の基板温度を400℃で20分間維持し、UV処理には同じUVランプを用いた。
【0070】
図13は、UV処理後のSiウエハ上のSiCOH膜の二軸応力を示す。図13で、縦軸は二軸応力を表し、横軸は3つのガス環境、すなわち、希ガス環境、HeとHとの混合物、およびOのガス環境中でアニールしたSiCOH膜を表す。
【0071】
曲線256は、希ガス環境の場合であり、約40MPaの二軸応力を示す。曲線257は、HeとHガスとの混合物の場合であり、約42MPaの二軸応力を示す。曲線258は、Oのガス環境の場合であり、約117MPaの二軸応力を示す。曲線258を、曲線256の40MPaおよび曲線257の42MPaと比較すると、UV硬化時のOのガス環境によって膜の二軸応力が約117MPaに劇的に増加することを示す。二軸応力はSiCOH膜などの誘電体膜の亀裂を促進するので、117MPaの二軸応力は望ましくない。膜の中では46MPa未満の二軸応力が望ましく、40MPa未満が好ましい。従って、低い二軸応力のSiCOH膜を提供するために、SiCOH膜のUV硬化またはその他のエネルギー処理時にO濃度を0から10ppmの範囲に保つことによって、硬化チャンバからOを取り除く。
【0072】
次に、図14、15および16を参照して、第2の実施態様の結果を考察する。図14〜16は、3つのPECVD法による超低k膜から得たFTIRスペクトルを示す。図14〜16で、縦軸は吸光度を表し、横軸は波数を表す。3つの異なるガス、すなわち、図14の曲線164、図15の曲線168および図16の曲線174によって示す希ガス、図14の曲線163、図15の曲線167および図16の曲線173によって示すHeとHとのガス混合物、ならびに図14の曲線162、図15の曲線166および図16の曲線172によって示すOのガス環境中のUV硬化の前後のDEMSと有機前駆体との混合物から3つの膜を調製した。曲線162、166および172は、Oのガス環境中でアニールした試料のFTIRスペクトルは、希ガスのガス環境中またはHeとHとのガス混合物中でアニールした他の二つの試料のFTIRスペクトルと非常に異なることを示す(曲線163、167および173)。Oのガス環境中でアニールしたSiCOH膜ではC含有部分がほぼ完全になくなり、SiOSiピーク領域ではケージ・ピークが減少し、ネットワーク・ピークが劇的に増加したことが明らかである。別の観測結果は、FTIRスペクトル中のOHに関連する特徴である。
【0073】
次に、図14、15および16を参照して、第2の実施態様の結果を考察する。これらの図は、希ガス、HeとHとの混合物、およびOの3つの異なるガス中のUV硬化の前後のDEMSと有機前駆体との混合物から調製した3つのPECVD法による超低k膜から得たFTIRスペクトルを示す。Oアニール後の試料のスペクトルは、他の二つの試料と非常に異なることが分る。図14の関連スペクトル中の1270cm−1付近にSi‐CHピークがないことと、図15の関連するスペクトル中の2800から3050cm−1にCH振動がないこととによって立証されるように、Oアニール後の試料中ではC含有部分がほぼ完全になくなった。図14のOアニール後の試料のスペクトル中のSiOSiピーク領域から、1150cm−1付近のケージ・ピークの強度は減少し、1100と1000cm−1との間のネットワーク・ピークの強度は劇的に増加した。従って、希ガスまたはHe/H雰囲気中で硬化した試料よりはるかに低いケージ対ネットワーク・ピーク強度比を示すことが明らかである。別の観測結果は、Oアニール後の試料のスペクトル中のOHに関連する特徴の存在である。そのような特徴は、希ガスまたはHe/H雰囲気中で硬化した試料の場合にはほとんどない。
【0074】
例を示すことによって本発明を説明してきたが、用いられる用語法は、言葉の性質として、限定的でなく、説明的であるものと理解すべきである。
【0075】
さらに、好ましい実施態様およびいくつかの代替実施態様によって本発明を詳しく示し、説明してきたが、当業者は、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなくこれらの教示を本発明の他の考え得る変化形に容易に適用できることを認識すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】電子デバイス30の断面図である。
【図2】電子デバイス60の断面図である。
【図3】電子デバイス70の断面図である。
【図4】電子デバイス80の断面図である。
【図5】膜の硬化時の酸素濃度の関数としての室温の膜中の応力のグラフである。
【図6】空気中150℃でアニールした時間に対するPECVD法によるSiCOH膜中の応力のグラフである。
【図7】(A)は、3つのPECVD法超低k膜のFTIRスペクトルを示すグラフのプロットである。(B)は、横軸の目盛りが異なる同じグラフのプロットである。
【図8】(A)は、堆積後の膜のFTIRスペクトルのグラフである。(B)は、アニール後の同じ膜のFTIRスペクトルのグラフである。
【図9】(A)は、堆積後の膜のFTIRスペクトルのグラフである。(B)は、アニール後の同じ膜のFTIRスペクトルのグラフである。
【図10】(A)は、堆積後の膜のFTIRスペクトルのグラフである。(B)は、アニール後の同じ膜のFTIRスペクトルのグラフである。
【図11】SiCH変角(ベンド)ピーク強度に対するさまざまな規格化ピーク強度の比を示すグラフである。
【図12】SiOSiピーク強度に対するさまざまな規格化ピーク強度の比を示すグラフである。
【図13】いくつかのアニール・ガス環境の関数としての膜応力のグラフである。
【図14】3つの異なるガス環境中のアニールの後の3つのPECVD膜から得たFTIRスペクトルのグラフである。
【図15】3つの異なるガス環境中のアニールの後の3つのPECVD膜から得たFTIRスペクトルのグラフである。
【図16】3つの異なるガス環境の中アニールの後の3つのPECVD膜から得たFTIRスペクトルのグラフである。
【符号の説明】
【0077】
30 電子デバイス
32 シリコン基板またはシリコン含有基板
34 第1の絶縁材料層
36 第1の金属領域
38 第1の超低k膜
40 第1の導体層
44 第2の超低k膜
50 第2の導体領域
60 電子デバイス
62 誘電体キャップ層
70 電子デバイス
72 誘電体キャップ層
74 誘電体キャップ層
80 電子デバイス
82 誘電体層(エッチング停止層)
84 絶縁材料層
86 絶縁材料層
92 相互接続部
94 相互接続部
96 拡散障壁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si、C、OおよびHの元素を含み、低く、制御可能な二軸応力を有する超低誘電率膜を作製するための方法であって
プラズマ促進化学的気相堆積法(PECVD)とスピン・コーティングとからなる群から選ばれたプロセスによって基板の上に膜を堆積する工程と、
0から10ppmの範囲の酸素濃度を含む環境中で前記膜を硬化する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記硬化する工程は、熱、電子線、プラズマ、紫外(UV)光、深紫外(DUV)光およびレーザからなる群から選ばれたエネルギー源を用いることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸素濃度は、8ppm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
0から10ppmの範囲の水濃度を含む環境中で前記膜を前記エネルギー源の一つにもう一度曝露する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記膜の前記二軸応力は、46MPa以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記膜の前記二軸応力は、前記堆積後の未硬化の膜の応力プラス5MPa以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記硬化する工程は、前記膜を300℃以上の温度で0.25時間以上加熱することによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化する工程は、前記膜を300℃以上の温度に維持しながら、電子線、プラズマ、UV光、DUV光またはレーザからなる群から選ばれたエネルギー源を用いることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記超低k膜は、2.8以下の誘電率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記超低k膜は、1.5から2.8の範囲の誘電率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記超低k膜は、5から40原子パーセントのSiと、5から45原子パーセントのCと、0から50原子パーセントのOと、10から55原子パーセントのHと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Si、C、OおよびHの原子を含む超低誘電率膜であって、共有結合による三次元ネットワーク構造体と、2.8以下の誘電率と、直径が0.5乃至30ナノメートル分子スケールの空洞を有する制御された多孔体であって、前記分子スケールの空洞は5%乃至40%の体積を占める前記多孔体と、を有し、46MPa未満の二軸応力を示す超低誘電率膜。
【請求項13】
前記膜の前記二軸応力は、40MPa以下である、請求項12に記載の膜。
【請求項14】
前記膜の前記二軸応力は、堆積後の未硬化の膜の応力プラス5MPa以下である、請求項12に記載の膜。
【請求項15】
前記膜は、2.8以下の誘電率を有する、請求項12に記載の膜。
【請求項16】
前記膜は、1.5から2.8の範囲の誘電率を有する、請求項7に記載の膜。
【請求項17】
前記膜は、5から40原子パーセントのSiと、5から45原子パーセントのCと、0から50原子パーセントのOと、10から55原子パーセントのHと、を含む請求項12に記載の膜。
【請求項18】
Si、C、OおよびHの原子を含む誘電体材料を少なくとも含む電子構造体であって、前記誘電体材料は、共有結合による三次元ネットワーク構造体と、2.8以下の誘電率と、直径が0.5乃至30ナノメートル分子スケールの空洞を有する制御された多孔体であって、前記分子スケールの空洞は5%乃至40%の体積を占める前記多孔体と、46MPaおよび前記堆積後の未硬化の材料の応力プラス5MPaのどちらよりも高くない制御された二軸応力と、を有する電子構造体。
【請求項19】
前記誘電体材料は、後工程(BEOL)相互接続配線レベル間、BEOL相互接続配線レベル内、キャップ層、ハード・マスク、CMP停止層およびエッチング停止層の一つにおいて用いられる、請求項18に記載の電子構造体。
【請求項20】
Si、C、OおよびHの元素を含み、低く、制御可能な二軸応力を示す超低誘電率膜を作製するための方法であって、
プラズマ促進化学的気相堆積法(PECVD)とスピン・コーティングとからなる群から選ばれたプロセスによって基板の上に前記膜を堆積する工程と、
前記堆積後の膜と、前記堆積後の膜を上に形成した基板とを、前記堆積後の膜を周囲雰囲気に暴露する前に、0から10ppmの範囲の制御された非常に低い酸素濃度を含む非酸化性環境中で放冷する工程と、
それぞれ0から10ppmの範囲の制御された非常に低い濃度の酸素と水とを含む環境中で前記堆積後の膜を硬化する工程と、
を含む方法。
【請求項21】
前記硬化する工程は、熱、電子線、プラズマ、UV、DUVおよびレーザの少なくとも一つを含む群から選ばれたエネルギー源を用いて実行される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記硬化する工程は、それぞれ0から10ppmの範囲の制御された非常に低い濃度の酸素または水を含む環境中で、熱、電子線、プラズマ、UV、DUVまたはレーザを含む群から選ばれた一つ以上のエネルギー源に前記膜をもう一度曝露することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記硬化する工程は、前記堆積後の膜を300℃以上の温度で0.25時間以上加熱することによって実行される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記膜を、UV光または電子線処理してから、同じ環境中で室温まで放冷する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
Si、C、OおよびHの元素を含む超低誘電率膜を硬化する硬化用ツールであって、それぞれ0から100ppmの範囲の制御された非常に低い濃度の酸素と水とを含む環境中で、熱、電子線、プラズマ、UV光、DUV光およびレーザを含む群から選ばれたエネルギー源を用いて前記硬化を実行し、結果として、低く、制御可能な二軸応力を有する膜を作製する硬化用ツール。
【請求項26】
任意選択として、制御された、それぞれ0から10ppmの範囲の非常に低い濃度の酸素および水を含む環境中で、熱、電子線、プラズマ、UV、DUVおよびレーザを含む群から選ばれた一つ以上のエネルギー源に前記膜をもう一度暴露する、請求項25に記載のツール。
【請求項27】
前記堆積後の膜を300℃以上の温度で0.25時間以上加熱することによって前記硬化を実行する、請求項25に記載のツール。
【請求項28】
前記堆積後の膜を300℃以上の温度に保ちながら、電子線、プラズマ、UV、DUV(ディープUV)またはレーザを含む群から選ばれたエネルギー源を用いて前記硬化を実行する、請求項25に記載のツール。
【請求項29】
Si、C、OおよびHの元素を含み、低く、制御可能な二軸応力を示す超低誘電率膜を作製するための一体型PECVDの硬化ツールであって、
プラズマ促進化学的気相堆積法(PECVD)を用いて基板上に前記膜を堆積するプロセス工程と、
0から100ppmの範囲の制御された非常に低い酸素濃度を含む非酸化性環境中のツール中のプロセス領域の間で前記基板を移動するプロセス工程と、
それぞれ0から100ppmの範囲の制御された非常に低い濃度の酸素または水を含む環境中で前記堆積後の膜を硬化するプロセス工程と、
前記基板を周囲雰囲気に暴露する前に、それぞれ0から10ppmの範囲の制御された非常に低い濃度の酸素または水を含む非酸化性環境中で前記基板を放冷するプロセス工程と、
を実行するツール。
【請求項30】
前記環境は、二重結合基を有し、硬化後の反応部位を不動態化し、SiCOHおよび多孔質SiCOH膜酸化を減らすために10ppm未満の酸素レベルを有する非酸化性(無酸素)炭化水素雰囲気である、請求項29に記載のツール。
【請求項31】
前記炭化水素雰囲気の二重結合基は、エチレンまたは1,3‐ブタジエンを含む、請求項30に記載のツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2008−527757(P2008−527757A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557020(P2007−557020)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/001154
【国際公開番号】WO2007/089223
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】