説明

半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法

【課題】低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、下地層と、第1半導体層と、発光層と、第2半導体層と、を備えた半導体発光素子が提供される。発光層は下地層と第1半導体層との間に設けられる。第2半導体層は下地層と発光層との間に設けられる。下地層は、第2半導体層の側の第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面と、を有する。下地層は、第2主面に設けられ、凹部と側部と凸部とを有する凹凸を有する。凸部に繋がる転位の少なくともいずれかは、側部に繋がる。凸部に繋がる転位のうちで第1主面に到達する転位の割合は、凹部に繋がる転位のうちで第1主面に到達する転位の割合よりも低い。第1主面のうちで凹部と重なる領域に繋がる転位は、凹部に繋がる転位よりも少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウムなどの窒化物半導体を用いた、紫外、青色または緑色の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、及び、青紫色または青色のレーザダイオード(LD:Laser Diode)などの半導体発光素子が開発されている。
【0003】
窒化物半導体発光素子の高効率化のために、外部量子効率の向上が望まれている。外部量子効率の向上のために、窒化物半導体層を貫く転位を低減すると共に、ピット密度が少なく良好な平坦性を得ることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−49179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、下地層と、第1半導体層と、発光層と、第2半導体層と、を備えた半導体発光素子が提供される。前記下地層は、窒化物半導体を含む。前記第1半導体層は、窒化物半導体を含み、第1導電形である。前記発光層は、前記下地層と前記第1半導体層との間に設けられ、窒化物半導体を含む。前記第2半導体層は、前記下地層と前記発光層との間に設けられ、窒化物半導体を含み、前記第1導電形とは異なる第2導電形である。前記下地層は、前記第2半導体層の側の第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有する。前記下地層は、前記第2主面に設けられ、凹部と側部と凸部とを有する凹凸を有する。前記凸部に繋がる転位の少なくともいずれかは、前記側部に繋がり、前記第1主面に到達しない。前記凸部に繋がる前記転位のうちで前記第1主面に到達する転位の、前記凸部に繋がる前記転位の全てに対する割合は、前記凹部に繋がる転位のうちで前記第1主面に到達する転位の、前記凹部に繋がる前記転位の全てに対する割合よりも低い。前記第2主面から前記第1主面に向かう積層方向に沿ってみたときに前記第1主面のうちで前記凹部と重なる領域に繋がる転位は、前記凹部に繋がる転位よりも少ない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1(a)〜図1(d)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体発光素子を示す模式的断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部を示す模式的断面図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部を示す模式図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を示す工程順模式的断面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、半導体発光素子に関する実験結果を示すグラフ図である。
【図7】半導体発光素子に関する実験結果を示すグラフ図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、半導体発光素子の特性を示す電子顕微鏡写真像である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、半導体発光素子の特性を示すグラフ図である。
【図10】半導体発光素子の特性を示すグラフ図である。
【図11】図11(a)〜図11(d)は、第2参考例の半導体発光素子を示す模式図である。
【図12】図12(a)及び図12(b)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子を示す模式的断面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る窒化物半導体層を示す模式的断面図である。
【図14】第3の実施形態に係る窒化物半導体層の形成方法を示すフローチャート図である。
【図15】図15(a)〜図15(h)は、実施形態に係る半導体発光素子の構成及び窒化物半導体層の形成方法を例示する模式的平面図である。
【図16】図16(a)〜図16(h)は、実施形態に係る半導体発光素子の構成及び窒化物半導体層の形成方法を例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1(a)〜図1(d)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式図である。
図2は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。 まず、図2により、本実施形態に係る半導体発光素子の構成の概要について説明する。
【0010】
図2に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110は、下地層60と、第1半導体層10と、発光層30と、第2半導体層20と、を備える。
【0011】
下地層60は、窒化物半導体を含む。下地層60は、第1半導体層10の不純物濃度よりも低い、または、ノンドープの層である。第1半導体層10は、窒化物半導体を含み、第1導電形である。発光層30は、下地層60と第1半導体層10との間に設けられる。発光層30は、窒化物半導体を含む。第2半導体層20は、下地層60と発光層30との間に設けられる。第2半導体層20は、窒化物半導体を含み、第2導電形である。第2導電形は、第1導電形とは異なる。
【0012】
例えば、第1導電形はp形であり、第2導電形はn形である。ただし、実施形態はこれに限らず、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形でも良い。以下では、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形である場合として説明する。
【0013】
ここで、下地層60から第1半導体層10に向かう方向をZ軸方向とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸とする。Z軸とX軸とに対して垂直な方向をY軸とする。Z軸は、下地層60、第2半導体層20、発光層30及び第1半導体層10を含む積層構造体10sの積層方向に対して平行である。
【0014】
本願明細書において、「積層」とは、互いに接して重ねられる場合の他に、間に他の層が挿入されて重ねられる場合も含む。
【0015】
この例では、半導体発光素子110は、多層構造体40をさらに備える。すなわち、積層構造体10sは、多層構造体40をさらに含む。多層構造体40は、第2半導体層20と発光層30との間に設けられる。多層構造体40は、例えば、超格子層である。多層構造体40は、例えばn形である。多層構造体40は必要に応じて設けられ、省略しても良い。多層構造体40は、第2半導体層20に含まれるものと見なすこともできる。
【0016】
第2半導体層20は、例えば、n側コンタクト層の機能を有する。第2半導体層20には、例えば、n形GaN層が用いられる。
【0017】
この例では、第1半導体層10は、第1p側層11、第2p側層12及び第3p側層13を含む。第1p側層11と第2半導体層20との間(この例では、第1p側層11と多層構造体40との間)に発光層30が設けられる。第2p側層12は、第1p側層11と発光層30との間に設けられる。第3p側層13は、第2p側層12と発光層30との間に設けられる。第1p側層11は、例えば、p側コンタクト層としての機能を有する。第1p側層11には、例えばp形GaN層が用いられる。第2p側層12には、例えばp形GaN層が用いられる。第3p側層13には、例えばp形AlGaN層が用いられる。
発光層30及び多層構造体40の例に関しては後述する。
【0018】
下地層60は、第1主面60aと、第2主面60bと、を有する。第1主面60aは、第2半導体層20の側の主面である。第2主面60bは、第1主面60aとは反対側の主面である。第1主面60aは、第2半導体層20に対向する。例えば、第2主面60bは下面であり、第1主面60aは上面である。また、例えば、第2主面60bは上面であり、第1主面60aは下面としても良い。
第2主面60bから第1主面60aに向かう方向は、積層方向(Z軸方向)に対して平行である。
【0019】
下地層60は、凹凸61を有する。凹凸61は、下地層60の第2主面60b上に設けられる。凹凸61は、凹部61dと、側部61sと、凸部61pと、を有する。凹部61dは、凸部61pよりも相対的に後退している部分である。凸部61pは、凹部61dよりも相対的に突出している部分である。側部61sは、凹部61dと凸部61pとの間の部分である。
【0020】
この例では、半導体発光素子110は、基板50と、バッファ層55と、第1電極70と、第2電極80と、をさらに備える。
【0021】
基板50と第2半導体層20との間に下地層60が配置される。すなわち、基板50は、下地層60の第2主面60bに対向して設けられる。基板50には、例えば、サファイア、炭化珪素(SiC)、シリコン(Si)基板、ガリウム砒素(GaAs)などが用いられる。バッファ層55は、基板50と下地層60との間に設けられる。
【0022】
基板50の主面上に凹凸(基板凹凸51)が設けられている。基板50の主面上にバッファ層55が設けられる。バッファ層55の上に、下地層60が設けられる。基板50に設けられた基板凹凸51により、下地層60の凹凸61が形成される。例えば、基板50の基板凹凸51は、基板凸部51pと、基板側部51sと、基板凹部51dと、を有する。基板凸部51pは、下地層60の凹部61dと、Z軸に沿って対向する。基板凹部51dは、下地層60の凸部61pと、Z軸に沿って対向する。基板側部51sは、下地層60の側部61sに対向する。
【0023】
基板50の上に形成されたバッファ層55の上に上記の積層構造体10sが形成される。積層構造体10sを形成した後に、基板50を分離しても良い。基板50の分離のときに、バッファ層55は除去されても良い。また、基板50の分離の後に、バッファ層55の少なくとも一部が残っていても良い。なお、バッファ層55は、必要に応じて設けられ、場合によっては省略しても良い。
【0024】
第1電極70は、第1半導体層10と電気的に接続される。第2電極80は、第2半導体層20と電気的に接続される。この例では、第2半導体層20の一部と第1半導体層10との間に発光層30が設けられている。積層構造体10sの第1半導体層10の側の主面において、第2半導体層20の一部の上に第2電極80が設けられている。
【0025】
第1電極70と第2電極80との間に電圧を印加することで、第1半導体層10と第2半導体層20とを介して発光層30に電流が流れ、発光層30から光が放出される。半導体発光素子110は、例えばLEDである。
【0026】
以下、発光層30の構成の例について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
図3に表したように、発光層30は、複数の障壁層31と、複数の障壁層31どうしの間に設けられた井戸層32と、を含む。
【0027】
例えば、発光層30は、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well)構造を有することができる。このとき、発光層30は、2つの障壁層31と、その障壁層31の間に設けられた井戸層32と、を含む。例えば、発光層30は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造を有することができる。このとき、発光層30は、3つ以上の障壁層31と、障壁層31どうしのそれぞれの間に設けられた井戸層32と、を含む。
【0028】
図3に示した例では、発光層30は、(n+1)個の障壁層31と、n個の井戸層32と、を含む(nは、1以上の整数)。第(i+1)番目の障壁層BL(i+1)は、第i番目の障壁層BLiと第1半導体層10との間に配置される(iは、1以上(n−1)以下の整数)。第(i+1)番目の井戸層WL(i+1)は、第i番目の井戸層WLiと第1半導体層10との間に配置される。第1番目の障壁層BL1は、第2半導体層20(この例では多層構造体40)と第1番目の井戸層WL1との間に設けられる。第n番目の井戸層WLnは、第n番目の障壁層BLnと第(n+1)番目の障壁層BL(n+1)との間に設けられる。第(n+1)番目の障壁層BL(n+1)は、第n番目の井戸層WLnと第1半導体層10との間に設けられる。
【0029】
井戸層32は、III族元素とV族元素とを含む窒化物半導体を含む。例えば、井戸層32は、インジウム(In)とガリウム(Ga)とを含む窒化物半導体を含む。すなわち、井戸層32は、例えば、InxsGa1−xsN(0.05≦xs≦0.5)を含む。発光層30から放出される光のピーク波長は、例えば400ナノメートル(nm)以上650nm以下である。
【0030】
障壁層31は、III族元素とV族元素とを含む窒化物半導体を含む。障壁層31のバンドギャップエネルギーは、井戸層32のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
【0031】
障壁層31がInを含む場合、障壁層31のIII族元素中におけるInの組成比は、井戸層32のIII族元素中におけるInの組成比(上記のIn組成比xs)よりも低い。これにより、井戸層32におけるバンドギャップエネルギーは、障壁層31におけるバンドギャップエネルギーよりも小さくなる。
【0032】
多層構造体40は、Z軸に沿って積層された複数の第1構造体膜(図示しない)と、第1構造体膜どうしの間のそれぞれに設けられた第2構造体膜と、を含む。すなわち、多層構造体40は、Z軸方向に交互に積層された複数の第1構造体膜と複数の第2構造体膜とを含む。第1構造体膜は、例えばGaNを含み、第2構造体膜は、例えばInGaNを含む。
【0033】
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式図である。
すなわち、図4(a)は、下地層60の凹凸61を例示する模式的平面図である。図4(b)は、図4(a)のA3−A4線断面図である。
【0034】
図4(a)に表したように、下地層60において、連続的な凸部61pと、複数の凹部61dと、が設けられる。このとき、基板50には、連続的な基板凹部51dと、複数の基板凸部51pと、が設けられる。
【0035】
ただし、実施形態はこれに限らず、下地層60において、連続的な凹部61dと、複数の凸部61pと、が設けられても良い。このとき、基板50には、連続的な基板凸部51pと、複数の基板凹部51dと、が設けられる。また、下地層60において、複数の凸部61pと、複数の凹部61dと、が設けられても良い。このとき、基板50には、複数の基板凹部51dと、複数の基板凸部51pと、が設けられる。
【0036】
また、例えば、下地層60において、渦巻き状の1つの連続した凸部61pが設けられ、その凸部61p以外の部分が1つの連続した凹部61d(渦巻き状)となっても良い。この場合には、基板50には、渦巻き状の1つの連続した基板凹部51dが設けられ、その基板凹部51以外の部分が1つの連続した基板凸部51d(渦巻き状)となる。すなわち、例えばZ軸を含む平面で下地層60(または基板50)を切断したときに、複数の凸部及び複数の凹部の少なくともいずれかが形成されれば良い。
以下では、下地層60において、連続的な凸部61pと、複数の凹部61dと、が設けられる場合として説明する。
【0037】
図4(a)表したように、Z軸に沿ってみたときに、下地層60の凹凸61の複数の凹部61dは、例えば、正六角形の中心及び6つの角のそれぞれに配置される。このとき、基板50の複数の基板凸部51pは、正六角形の中心及び6つの角のそれぞれに配置される。ただし、複数の凹部61dの配置は任意である。複数の基板凸部51pの配置は任意である。
【0038】
また、この例では、凹部61dの平面形状(Z軸に沿ってみたときの形状)は、円である。このとき、基板凸部51pの平面形状も円である。ただし、実施形態はこれに限らず、凹部61dの平面形状は任意である。すなわち、基板凸部51pの平面形状は任意である。
【0039】
例えば、基板50の第2半導体層20の側の主面に、複数の基板凸部51pが繰り返しパターンで形成される。
例えば、基板50の主面のうちの基板側部51s及び基板凹部51dとなる領域が選択的にエッチングされる。これにより、基板凸部51p、基板側部51s及び基板凹部51dが形成される。
【0040】
基板凹凸51を有する基板50の主面上に下地層60を形成することで、下地層60の第2主面60bに凹凸61が形成される。この例では、基板50の主面上にバッファ層55が形成され、その上に下地層60が形成される。なお、基板50(及びバッファ層55)を除去した後も、下地層60の凹凸61の形状は実質的に維持される。
【0041】
下地層60のうちで、基板凸部51pに対向する部分が凹部61dとなり、基板凹部51dに対向する部分が凸部61pとなり、基板側部51sに対向する部分が側部61sとなる。
【0042】
バッファ層55の厚さは、例えば10nm以上50nm以下程度である。一方、基板凹凸51の高さ(深さ)及び周期は、例えば500nm以上3μm程度以下である。このように、バッファ層55の厚さは、基板凹凸51の高さ(深さ)及び周期に比べて十分に薄いため、基板凹凸51の形状を実質的に反映した凹凸61が下地層60に形成される。
【0043】
図4(b)に表したように、凸部61pと第2半導体層20との間のZ軸に沿った距離Lpは、凹部61dと第2半導体層20との間のZ軸に沿った距離Ldよりも長い。凹部61dと凸部61pとの間のZ軸に沿った距離(距離Lpと距離Ldとの差)は、凹部61dと凸部61pとの間の高さh61(または、深さ)に相当する。
【0044】
凸部61pは、例えば、凹凸61の中で最も突出している部分から高さh61の10%の位置の部分と、凹凸61の中で最も突出している部分と、の間の範囲の部分である。凹部61dは、例えば、凹凸61の中で最も後退している部分から高さh61(深さ)の10%の位置の部分と、凹凸61の中で最も後退している部分と、の間の範囲の部分である。側部61sは、凹凸61の内で凸部61pと凹部61dとを除いた部分(高さh61の80%の範囲の部分)である。
【0045】
ここで、説明を簡単にするために、基板50の基板凸部51pが、基板凹部51dよりも上方に位置するとする。このとき、下地層60の凸部61pは、凹部61dよりも下方に位置する。
【0046】
また、基板50には、連続的な基板凹部51dと、複数の基板凸部51pと、が設けられる。そして、下地層60には、連続的な凸部61pと、複数の凹部61dと、が設けられている。以下では、複数の基板凸部51pのうちの2つに着目する。この2つの基板凸部51pの中心(Z軸に沿ってみたときの平面形状の重心)どうしを結ぶ線がX軸に対して平行である場合として説明する。このとき、複数の凹部61dのうちで着目する2つの中心どうしを結ぶ線は、X軸に対して平行である。
【0047】
複数の基板凸部51pのそれぞれの高さh51(すなわち、基板凹部51dの深さ)は、例えば約1マイクロメートル(μm)である。X軸に沿って並ぶ2つの基板凸部51pどうしの間における、基板凹部51dの幅W22(X軸に沿った長さ)は、例えば約1.5μmである。X軸に沿って並ぶ2つの基板凸部51pの中心どうしのX軸に沿った間隔W23は、例えば約5μmである。この例では、X軸に沿って並ぶ2つの基板凸部51pの中心を通るX−Z平面で基板50を切断した時に得られる複数の基板凹部51dの中心どうしの間隔は、間隔W23と同じである。基板凸部51pのX軸に沿った幅W21は、例えば約2μmである。
【0048】
また、既に説明したように、バッファ層55の厚さが基板凹凸51の高さ(深さ)及び周期に比べて十分に薄い。このとき、バッファ層55の厚さは実質的に無視でき、下地層60の凹凸61の形状は、基板50の基板凹凸51の形状と実質的に一致する。
【0049】
下地層60の凸部61pの高さh61(すなわち、複数の凹部61dのそれぞれの深さ)は、例えば約1μmである。下地層60において、X軸に沿って並ぶ2つの凹部61dどうしの間における、凸部61pの幅W12(X軸に沿った長さ)は、例えば約1.5μmである。下地層60において、X軸に沿って並ぶ2つの凹部61dの中心どうしのX軸に沿った間隔W13は、例えば約5μmである。この例では、X軸に沿って並ぶ2つの凹部61dの中心を通るX−Z平面で下地層60を切断した時に得られる複数の凸部61pの中心どうしの間隔は、間隔W13と同じである。下地層60における凹部61dのX軸に沿った幅W11は、例えば約2μmである。
【0050】
なお、上記は、基板50の基板凹凸51、及び、下地層60の凹凸61の1つの例であり、実施形態はこれに限らない。また、基板50において、連続的な基板凸部51pと、複数の基板凹部51dと、が設けられ、下地層60において、連続的な凹部61dと、複数の凸部61pと、が設けられる場合においても、例えば、下地層60の凹凸61の形状は、基板50の基板凹凸51の形状と実質的に一致する。
【0051】
下地層60は、転位を有する。転位は、線状の結晶欠陥のことである。以下、下地層60に発生する転位について説明する。
図1(a)は、図1(b)〜図1(d)のA1−A2線断面図である。図1(b)、図1(c)及び図1(d)は、それぞれ、図1(a)のB1平面、C1平面及びD1平面の平面図である。B1平面、C1平面及びD1平面は、Z軸に対して垂直な平面である。図1(b)は、下地層60の第1主面60aにおける転位65を表している。図1(c)は、下地層60の凹部61dを含む平面における転位65を表している。図1(d)は、下地層60の凸部61pを含む平面における転位65を表している。
【0052】
図1(a)に表したように、下地層60に転位65が発生する。例えば、基板50の主面上にバッファ層55を形成し、その上に下地層60を結晶成長させるときに、転位65が発生する。この転位65は、少なくとも下地層60中に形成される。転位65は、バッファ層55を介して基板50の主面に実質的に繋がっている。転位65は、下地層60の結晶成長において、基板50の主面から、第1主面60aに向けて形成される。
【0053】
図1(a)に表したように、凸部61pに繋がる転位65の少なくともいずれかは、他端も凸部61pに繋がり、第1主面60aに到達していない。すなわち、基板凹部51dから発生した転位65は、基板凹部51dに繋がり、第1主面60aに到達していない。
【0054】
また、図1(a)に表したように、凸部61pに繋がる転位65の少なくともいずれかは、側部61sに繋がり、第1主面60aに到達していない。すなわち、基板凹部51dから発生した転位65は、基板側部51sに繋がり、第1主面60aに到達していない。
【0055】
また、図1(a)には図示されないが、凸部61pに繋がる転位65(基板凹部51dに繋がる転位65)のうちのごく一部が、第1主面60aに到達し、残りの大部分は、第1主面60aに到達せず消滅している。
すなわち、図1(d)に表したように、凸部61pには、比較的多くの転位65が繋がっている。凸部61pに繋がる転位65は、凸部61pから発生したものであり、基板凹部51dから発生したものである。
【0056】
図1(c)に表したように、凹部61dを含む平面(実質的に基板凸部51pを含む平面)においては、Z軸に沿ってみたときに凸部61pに重なる領域における転位65は著しく減少している。これは、凸部61pから発生した転位65が、側部61sに繋がり、凹部61dを含む平面の高さで消滅したことによる。
【0057】
そして、図1(b)に表したように、第1主面60aにおいては、Z軸に沿ってみたときに凸部61pに重なる領域における転位65は、やはり少ない。このように、凸部61pに繋がる転位65のうちのごく一部が、第1主面60aに到達し、残りの大部分は、側部61sに繋がり、第1主面60aに到達せず消滅している。
【0058】
一方、図1(a)、図1(b)及び図1(c)に表したように、凹部61dから発生した転位65も、凹部61dから第1主面60aに向かって進むにつれて減少している。しかし、その減少の程度は、凸部61pから発生した転位65が第1主面60aにおいて減少する程度よりも大きくはない。
【0059】
例えば、図1(b)及び図1(d)を比較すると、凸部61pに繋がる転位65のうちの約10%程度が第1主面60aに到達し、残りの約90%は第1主面60aに到達せず消滅している。一方、図1(b)及び図1(c)を比較すると、凹部61dに繋がる転位65のうちの約50%が第1主面60aに到達し、残りの約50%が第1主面60aに到達せず消滅している。
【0060】
このように、凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凸部61pに繋がる転位65の全てに対する割合(上記の例では10%)は、凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凹部61dに繋がる転位65の全てに対する割合(上記の例では50%)よりも低い。
【0061】
そして、上記のように、Z軸に沿ってみたときに、第1主面60aのうちで凹部61dと重なる領域に繋がる転位65は、凹部61dに繋がる転位65の全体の約50%である。すなわち、Z軸方向(第2主面60bから第1主面60aに向かう積層方向)に沿ってみたときに、第1主面60aのうちで凹部61dと重なる領域に繋がる転位65は、凹部61dに繋がる転位65よりも少ない。すなわち、凹部61dに繋がる転位65が、第1主面60aの位置(高さ)では減少する。
【0062】
なお、上記の図1(a)〜図1(d)は、転位65を模式的に例示したものである。従って、例えば、凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凸部61pに繋がる転位65の全てに対する割合の値、及び、凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凹部61dに繋がる転位65の全てに対する割合は、上記に例示した値に限らない。実施形態においては、上記の値の相対的な大小関係が維持される。
【0063】
また、下地層60において、凸部61pが連続的であり、複数の凹部61dが設けられる場合は、「凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65」は、例えば、「Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65」とすることができる。そして、この場合には、「凸部61pに繋がる転位65の全て」は、「Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凸部61pに繋がる転位65の全て」とすることができる。
【0064】
複数の凹部61dが設けられる場合において、「凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65」は、例えば、「1つの凹部61dに関しての、凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65」とすることができる。このときは、「凹部61dに繋がる転位65の全て」は、「1つの凹部61dに関しての、凹部61dに繋がる転位65の全て」とすることができる。
【0065】
または、「凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65」は、例えば、「Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65」とすることができる。このときは、「凹部61dに繋がる転位65の全て」は、「Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凹部61dに繋がる転位65の全て」とすることができる。
【0066】
そして、「Z軸方向に沿ってみたときに、第1主面60aのうちで凹部61dと重なる領域に繋がる転位65」は、例えば、「Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凹部61dに関して、Z軸方向に沿ってみたときに、第1主面60aのうちで凹部61dと重なる領域に繋がる転位65」とすることができる。
【0067】
一方、下地層60において、凹部61dが連続的であり、複数の凸部61pが設けられる場合は、凹部61dに関しては、例えば、Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凹部61dに関する特性とすることができる。また、凸部61pに関しては、例えば、1つの凸部61pに関する特性、または、Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凸部61pに関する特性とすることができる。
【0068】
半導体発光素子110が、下地層60の第2主面60bの側に設けられる基板50をさらに備える場合には、以下となる。
基板50は、下地層60に対向する面に設けられた基板凹凸51を有する。基板凹凸51は、基板凹部51dと、基板側部51sと、基板凸部51pと、を有する。
【0069】
基板凹部51dに繋がる転位65の少なくともいずれかは、基板側部51sに繋がり、下地層60の第1主面60aに到達しない。
【0070】
基板凹部51dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、基板凹部51dに繋がる転位65の全てに対する割合は、基板凸部51pに繋がる転位のうちで第1主面60aに到達する転位65の、基板凸部51pに繋がる転位65の全てに対する割合よりも低い。
【0071】
Z軸方向に沿ってみたときに第1主面60aのうちで基板凸部51pと重なる領域に繋がる転位65は、基板凸部51pに繋がる転位65よりも少ない。すなわち、基板凸部51pに繋がる転位65が、第1主面60aの位置(高さ)では減少する。
【0072】
このような構成により、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な窒化物半導体発光素子が提供できる。
【0073】
以下、実施形態に係る半導体発光素子110の製造方法の1つの例について説明する。 図5(a)〜図5(c)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、下地層60の形成方法を例示している。
【0074】
図5(a)に表したように、基板凹凸51が設けられた基板5の主面上(この例ではバッファ層55の上)に、III族原料とV族原料とを用いて、第1層64aを形成する。第1層64aは、窒化物半導体を含む。第1層64aは、下地層60の一部となる。
【0075】
最初の段階では、第1層64aは、複数の微結晶63である。複数の微結晶63のそれぞれの幅(Z軸に対して垂直な方向に沿った幅)、及び、複数の微結晶63のそれぞれの高さは、例えば、約30nmである。複数の微結晶63(第1層64a)は、基板凹部51dの上及び基板凸部51pの上に形成される。微結晶63には、転位65が形成される。この転位65は、たとえばZ軸に沿って延びている。
【0076】
基板50が微結晶63で覆われていない部分ではピットが形成され易い。複数の微結晶63が、基板50の主面を被覆していることが好ましい。これにより、ピットの形成が抑制される。
【0077】
図5(b)に表したように、さらに、第1層64aの形成を続ける。これにより、図5(b)に例示した微結晶63の形状を保ちながら、第1層64aの厚さが増大する。第1層64aの厚さが、基板凸部51pの高さ程度になる。
【0078】
この過程において、第1層64aの下面においてZ軸に沿って延びた転位65の一部の延在方向は、Z軸と交差する方向(例えばZ軸に対して垂直な方向)に変化する。そして、複数の微結晶63が合体する際に、これらの転位65どうしが衝突し、転位65の一部が消滅する。
【0079】
また、基板凹部51dの上方において延在方向がZ軸と交差する方向に変化した転位65の一部は、基板側部51sにぶつかり、消滅する。
【0080】
さらに、図5(c)に表したように、第1層64aの上に、III族原料とV族原料とを用いて第2層64bを形成する。第2層64bは、窒化物半導体を含む。第2層64bは、下地層60の別の一部となる層である。
【0081】
第2層64bの形成においては、例えば、第2層64bのZ軸に沿う成長速度がZ軸に対して垂直な方向における成長速度よりも速くなる条件が採用される。これにより、基板凹部51dから成長した部分と、基板凸部51pから成長した部分と、を合体させ、平坦化させることができる。すなわち、第2層64bの形成において、積層方向の成長速度を速くすることで、基板凸部51pからの成長に比べ、基板凹部51dからの成長が相対的に速くなる。これにより、基板凹部51dの埋め込みが促進される。これにより、平坦性を向上できる。また、平坦化に必要な膜厚を薄くすることができる。
【0082】
このような第1層64a及び第2層64bにより、下地層60が作製される。この後、この下地層60の上に、第2半導体層20(及び多層構造体40)、発光層30及び第1半導体層10を形成し、電極の形成及び所定形状への加工を経て、半導体発光素子110が得られる。
【0083】
上記のように、本形成方法においては、第1層64aの形成中に、転位65を減少させ、その後の第2層64bの形成により、良好な平坦性を得る。これにより、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な窒化物半導体発光素子が得られる。
【0084】
すなわち、下地層60の形成において、基板凹凸51の高さ以下の領域(基板凸部51pと基板凹部51dとの間のZ軸に沿った領域)で転位65を曲げる。その後、基板凹凸51を埋め込む。この埋め込みのときには、既に多くの転位65がZ軸と交差する方向(例えば直交する方向)に変化しているため、転位65の延伸方向を曲げる必要はない。これにより、転位密度の低減と表面平坦性との両立を実現できる。
【0085】
本形成方法においては、第1層64aの形成において、基板凸部51pの高さ以下の領域で、Z軸方向に対して交差する方向(例えば直交する方向)に、転位65の延在方向を変化させる。これにより、基板凹部51dで発生した転位65(下地層60の凸部61pに繋がる転位65)は、基板凸部51p以下の高さの領域内で大幅に低減する。高さ以下の領域とすることで、基板凹部51dの上方において延在方向がZ軸と交差する方向に変化した転位65の一部は、基板側部51sにぶつかり消滅するため、転位65の伝播方向(延在方向)が再度変化して第1主面60aに到達する転位65を大幅に抑制することができ、大きな転位低減効果が得られる。
【0086】
例えば、微結晶63の大きさによって、転位65の伝播方向が変化する位置(Z軸方向に沿った位置)が変化する。基板凹部51dの近傍における転位密度は、第1主面60aに近い側における転位密度よりも高い。転位65の伝播方向が変化する位置が基板凹部51dに近いほど、微結晶63の合体時に転位65どうしが出会う割合が高くなる。このため、転位65の伝播方向が変化する位置が基板凹部51dに近いほど、転位低減効果が大きい。下地層60の成長初期における微結晶63が小さいほど、転位低減効果が大きくなり、好ましい。
【0087】
一方、第2層64bにおいては積層方向の成長を速くしていることから、第2層64bにおける転位65の低減の程度は、第1層64aにおける転位65の低減の程度よりも低い。
【0088】
実施形態において、基板凹部51d及び基板凸部51pの平面形状(Z軸に沿ってみたときの形状)は、任意である。同様に、下地層60の凸部61p及び凹部61dの平面形状は任意である。基板凹部51d及び基板凸部51pの形面形状、並びに、下地層60の凸部61p及び凹部61dの平面形状は、例えば、四角形(ひし形などを含む)、六角形、円形、扁平円形など、種々の形状とすることができる。
【0089】
第1層64aにおいて、転位65は、基板凸部51pの高さ以下の領域内で減少する。このため、基板凹部51dの幅W22(Z軸に対して垂直な方向に沿った長さ)は、基板凸部51pの幅W21(Z軸に対して垂直な方向に沿った長さ)よりも長いことが好ましい。同様に、第1層64aにおいて、転位65は、下地層60の凸部61pの高さ以下の領域(凸部61pと凹部61dとの間のZ軸に沿った領域)で減少する。このため、下地層60の凸部61pの幅W12(Z軸に対して垂直な方向に沿った長さ)は、凹部61dの幅W11(Z軸に対して垂直な方向に沿った長さ)よりも長いことが好ましい。これにより、第1層64aにおける転位低減効果をより大きくすることができる。
【0090】
実施形態において、基板凸部51pの高さh51(基板凹部51dの深さ)、及び、下地層60の凹部61dの深さ(凸部61pの高さh61)は、任意である。
基板凸部51pの高さh51、及び、下地層60の凸部61pの高さh61は、発光層30から放出される光のピーク波長λの半波長(λ/2)よりも大きいことが好ましい。これにより、光の回折効果により、光取り出し効率が向上できる。
【0091】
基板凸部51pの高さh51、及び、下地層60の凸部61pの高さh61を過度に大きくすると、基板凹凸51の上に下地層60を形成した際の表面平坦性が悪化し易くなる。例えば、高さh51及び高さh61は、基板凹部51dの幅W22(すなわち、下地層60の凸部61pの幅W12)以下であることが好ましい。これにより、良好な表面平坦性がより得易くなる。
【0092】
本実施形態に係る半導体発光素子110の製造方法の1つの例についてさらに具体的に説明する。
サファイアの基板50の主面に、基板凹凸51となるパターンを有するフォトレジストを形成する。このフォトレジストは、例えば、複数の円形パターンを有する。複数の円形パターンのそれぞれは、基板50の主面のうちの、基板凸部51pのそれぞれとなる部分を覆う。RIE(Reactive Ion Etching)装置で、フォトレジストの円形パターンから露出している部分の基板50をエッチングする。これにより、深さが約1μmの基板凹部51dが形成される。幅W22は、約1.5μmである。ピッチに相当する間隔W23は、約5μmである。なお、ピッチは、隣接する同一形状のパターンどうしの中心間距離のうち、最小の距離である。また、基板50には、サファイア基板に限らず、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、炭化珪素(SiC)などを用いることができる。
【0093】
基板50を有機洗浄及び酸洗浄によって処理し、基板50をMOCVD装置の反応室内に導入する。トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)及びアンモニア(NH)を用い、バッファ層55を形成する。バッファ層55は、例えばGaN層である。バッファ層55の厚さは約30nmである。
【0094】
次に、窒素及び水素を含む雰囲気にて、TMGa及びアンモニアを用い、1120℃で、下地層60を形成する。下地層60は、例えば、アンドープのGaN層である。下地層60の厚さは、例えば、約3μmである。具体的には、既に説明したように、第1層64aと第2層64bとを形成する。
【0095】
まず、例えば、幅が30nmで高さが30nmのGaNの複数の微結晶63を、基板凹部51d上及び基板凸部51p上に形成する。引き続き、さらにGaN層を成長させる。これにより、微結晶63どうしを合体させ、基板凹部51dの上におけるGaN層の厚さが0.5μmとなるまで成長させる。厚さが0.5μmのGaN層が、第1層64aとなる。上記の微結晶63は、第1層64aに含まれるものとする。第1層64aの形成を第1工程と呼ぶ。
【0096】
その後、第1層64aの上に第2層64bを形成する第2工程を実施する。第2層64bの形成における温度は、この例では1120℃であり、第1層64aの形成の温度と同じである。第2工程におけるアンモニアの供給量は、例えば、第1工程におけるアンモニアの供給量の4倍である。そして、第2工程においては、キャリアガスの水素をアンモニアの増加分だけ減少させる。すなわち、第2工程におけるガスの総供給量は、第1工程におけるガスの総供給量と同じである。この条件で第2層64bを形成することにより、第1層64aと第2層64bとの合計の厚さが約3μmとなる。すなわち、第2層64bの厚さは、約2.5μmである。これにより、下地層60(厚さが約3μm)が形成される。
【0097】
次に、不純物原料ガスとしてシラン(SiH)を用い、第2半導体層20(n側コンタクト層)を形成する。第2半導体層20の厚さは、例えば4μmである。
【0098】
次に、多層構造体40を形成する。具体的には、例えば、窒素雰囲気にて、TMGa及びアンモニアを用いて、800℃でアンドープのGaN膜(第1構造体膜)を形成する。第1構造体膜の厚さは、例えば3nmである。続いて、800℃において、さらにトリメチルインジウム(TMIn)を追加し、アンドープのIn0.07Ga0.93N膜(第2構造体膜)を形成する。第2構造体膜の厚さは、例えば1nmである。第1構造体膜及び第2構造体膜の形成を計20回繰り返す。そして、最後に、アンドープのGaN膜(第1構造体膜)を3nmの厚さで形成する。これにより、多層構造体40が形成される。
【0099】
次に、発光層30を形成する。具体的には、例えば、基板50の温度を850℃として、窒素雰囲気にて、TMGa及びアンモニアを用い、アンドープのGaN層(複数の障壁層31のうちの第1番目の障壁層BL1)を形成する。このGaN層の厚さは、例えば5nmである。続いて、基板50の温度を730℃として、TMGa、TMIn及びアンモニアを用い、アンドープのIn0.15Ga0.85N層(複数の井戸層32のうちの第1番目の井戸層WL1)を形成する。このIn0.15Ga0.85N層の厚さは、例えば2.5nmである。その後、上記の障壁層31の形成と、上記の井戸層32の形成と、を繰り返し、発光層30を形成する。
【0100】
次に、窒素及び水素を含む雰囲気にて、TMAl、TMGa及びアンモニア、並びに、不純物原料として、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いて、1030℃にて、第3p側層13を形成する。さらに、TMGa及びアンモニアを用いて、第2p側層12を形成する。その後、第1p側層11(p側コンタクト層)を形成する。第3p側層13の厚さは、例えば10nmであり、第2p側層12の厚さは、例えば80nmであり、第1p側層11の厚さは、例えば10nmである。これにより、第1半導体層10が形成される。
【0101】
上記の結晶の成長の後、温度を室温まで下げる。第1p側層11の側の主面から、第2半導体層20の途中の厚さに達するまで、積層構造体10sをドライエッチングし、第2半導体層20の一部を露出させる。そして、露出した第2半導体層20の上に、Ti/Pt/Auの積層膜からなる第2電極80を形成する。また、第1p側層11上に、ITOからなる第1電極70を形成する。これにより、半導体発光素子110が形成される。
【0102】
以下、本実施形態に係る構成を創出するに到った、発明者が独自に行った実験について説明する。
この実験では、下地層60の形成条件が、実施形態に係る形成方法の下地層60の形成条件とは異なる。すなわち、本実施形態においては、下地層60の形成は、第1層64aの形成(第1工程)と、第1層64aとは異なる形成条件の第2層64bの形成(第2工程)と、を含む。これに対して、以下に説明する実験においては、1つの下地層60においては、下地層60の形成条件は一定とされた。その際、下地層60の形成時の原料供給比を種々変えて下地層60を形成し、下地層60における転位65及びピットを評価した。この実験においては、基板50及びバッファ層55の条件は、実施形態に関して説明した条件と同じである。
【0103】
図6(a)及び図6(b)は、半導体発光素子に関する実験結果を例示するグラフ図である。
図6(a)は転位65の密度の評価結果を示し、図6(b)はピットの密度の評価結果を示している。これらの図の横軸は、下地層60を形成するときの、III族原料の供給量に対するV族原料の供給量の比率、すなわち、V族/III族比R(V/III)である。これらの図に示したように、この実験では、V族/III族比R(V/III)が、330、660、1320及び2640の4種とされた。図6(a)の左側の縦軸は、下地層60のらせん転位密度Csdを示し、右側の縦軸は、刃状転位密度Cedを示す。図6(b)の縦軸は、ピット密度Cpを示す。らせん転位密度Csd及び刃状転位密度Cedは、試料のX線回折測定における対称面及び非対称面のロッキングカーブ半値幅、及び、試料のTEM(Transmission Electron Microscope)像から求めた。刃状転位密度Ced及びらせん転位密度Csdは、下地層60の第1主面60aにおける密度である。また、ピット密度Cpは、SEM(Scanning Electron Microscope)像から求めた。
【0104】
図6(a)に表したように、下地層60の形成の際のV族/III族比R(V/III)が低いと、転位密度(らせん転位密度Csd及び刃状転位密度Ced)は低い。
【0105】
そして、図6(b)に表したように、V族/III族比R(V/III)が低いと、ピット密度Cpは高い。ピット密度Cpが高いと、下地層60における平坦性が悪く、及び、ボイドが発生する。すなわち、V族/III族比R(V/III)が低い条件で下地層60を形成すると、平坦性が悪く、例えば、ボイドなども発生する。
【0106】
図6(a)及び図6(b)から分かるように、V族/III族比R(V/III)に関し、転位密度を低下させることと、ピット密度Cpを低下させることと、はトレードオフの関係になる。低いピット密度Cp(例えばピット密度Cpが0)を維持しつつ、低い転位密度が安定して得られるV族/III族比R(V/III)は、例えば1320である。このとき、刃状転位密度Cedは、約4×10/cmである。すなわち、下地層60を1つの条件で形成する参考例においては、ピット密度Cpが安定して0にしようとすると、刃状転位密度Cedは、約4×10/cm以上になる。
【0107】
図7は、半導体発光素子に関する実験結果を例示するグラフ図である。
同図は、刃状転位密度Cedと、半導体発光素子の光出力OPと、の関係の評価結果を示している。横軸は、刃状転位密度Cedを示し、縦軸は、光出力OP(規格化値)を示す。
図7に表したように、刃状転位密度Cedが低いほど、半導体発光素子の光出力OPが高くなる。高い光出力OPを得るためには、刃状転位密度Cedができるだけ低いことが好ましい。しかしながら、図6(a)及び図6(b)に関して説明したように、転位密度を低下させることと、ピット密度Cpを低下させることと、はトレードオフの関係があり、転位密度(例えば刃状転位密度Ced)を下げることに限界がある。
【0108】
ところで、図6(a)に例示したように、V族/III族比R(V/III)が低い条件(例えば330程度)においては、ピット密度Cpが急激に高くなり、平坦性が著しく損なわれる。このため、V族/III族比R(V/III)が低い条件は、一般的には採用されない。例えば、下地層60を形成する際のV族/III族比R(V/III)は、一般的には、2000以上3000以下程度の条件が採用される。
【0109】
V族/III族比R(V/III)が低い条件は、ピット密度Cpが高く、平坦性が悪く、ボイドなどが発生するため、放棄されるのが一般的である。発明者は、このように、一般的には放棄される条件で作製した下地層60の評価を敢えて実施した。そして、V族/III族比R(V/III)が低い条件において、図6(a)に示したように、転位密度(らせん転位密度Csd及び刃状転位密度Cedの双方)が、明らかに低下することを見出した。
【0110】
発明者は、新たに見出したこの現象に基づいて、転位密度が低く、かつ、ピット密度Cpが低い(すなわち、表面平坦性が良好な)条件が得られる下地層60について検討した。その結果、本実施形態に係る構成によれば、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率が得られる半導体発光素子が得られることが分かった。
【0111】
すなわち、下地層60の形成において、第1層64aでは、基板凹凸51の高さ以下の領域で転位65を曲げる。その後に形成される第2層64bにおいては、基板凹凸51を埋め込み平坦性を確保する。この第2層64bにおいては、転位65を曲げる必要はない。これにより、転位密度の低減と表面平坦性との両立を実現できる。
【0112】
図8(a)及び図8(b)は、半導体発光素子の特性を例示する電子顕微鏡写真像である。
これらの図は、半導体発光素子の一部である基板50及び下地層60の断面TEM像を示している。図8(a)は、本実施形態に係る半導体発光素子110に対応する。図8(b)は、第1参考例の半導体発光素子191に対応する。
【0113】
半導体発光素子110においては、下地層60の第1層64aにおけるV族/III族比R(V/III)は、330である。そして、第2層64bにおけるV族/III族比R(V/III)は、1320である。
【0114】
一方、半導体発光素子191においては、1つの条件で下地層60が形成された。すなわち、半導体発光素子191の下地層60の形成においては、V族/III族比R(V/III)が1320である。すなわち、第1層64aの形成を行わず、第2層64bだけの形成が行われたことに対応する。基板50の上のバッファ層55の上に、この条件で下地層60を形成した。下地層60の厚さは、約3μmである。
【0115】
図8(a)及び図8(b)において、像中の暗い線が転位65に対応する。
図8(a)及び図8(b)から分かるように、半導体発光素子110においては、下地層60の第2主面60bから第1主面60aに到達している転位65は、第1比較例の半導体発光素子191に比べて、明らかに少ない。
【0116】
図8(a)から分かるように半導体発光素子110においては、凹部61dの下面から上に向かって約100nmまでの領域、及び、凸部61pの下面から上に向かって約100nmまでの領域において、転位65の伝播方向が変化している。なお、「下面」は、基板50の側の面であり、「上に向かう」とは、基板50から下地層60に向かう方向のことである。そして、転位65の伝播方向の変化は、上に向かうに従って、Z軸に沿う方向から、Z軸に対して交差する方向への変化である。
【0117】
そして、転位65の伝播の方向が変化することで、転位65どうしが衝突し、上に延びる転位65が消滅している。さらに、凸部61pの下面に繋がる転位65(基板凹部51dに繋がる転位65)の一部は、側部61s(基板側部51s)に繋がり、消滅している。そのため、凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凸部61pに繋がる転位65の全てに対する割合は、凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凹部61dに繋がる転位65の全てに対する割合よりも低い。
【0118】
これらの現象により、下地層60の基板50に対向する面(第2主面60b)で発生した転位65は、下地層60の第2主面60bから500nmの領域で1/5以下に減少する。
すなわち、半導体発光素子110においては、凸部61pに繋がる転位65の少なくともいずれかは、凸部61pの第2主面60bの側の表面から、第2主面60bから第1主面60aに向かって500nm以下の領域で、側部61sに繋がっている。
【0119】
そして、Z軸に対して垂直な平面の単位面積に含まれる凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の数と、単位面積に含まれる凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の数と、の合計は、単位面積に含まれる凸部61pに繋がる転位65の数と、単位面積に含まれる凹部61dに繋がる転位65の数と、の合計の数の1/5以下である。さらに望ましくは、1/8以下である。
【0120】
一方、図8(b)に示すように、第1参考例の半導体発光素子191においては、凹部61d及び凸部61pに繋がる転位65の大部分は、Z軸に沿って伝播し、下地層60の第1主面60aに到達している。そして、凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凸部61pに繋がる転位65の全てに対する割合と、凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凹部61dに繋がる転位65の全てに対する割合は同程度である。また、第1主面60aにおいては、転位65に起因するピットが形成され、表面平坦性が低かった。
【0121】
図9(a)及び図9(b)は、半導体発光素子の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、これらの図は、半導体発光素子110及び半導体発光素子191における転位密度の測定結果を表している。図9(a)は、刃状転位密度Cedを示し、図9(b)は、らせん転位密度Csdを示す。
【0122】
図9(a)及び図9(b)に表したように、半導体発光素子110においては、半導体発光素子191に比べて、刃状転位密度Ced及びらせん転位密度Csdが低い。例えば、半導体発光素子191における刃状転位密度Cedは、約4.1×10/cmであるのに対して、半導体発光素子110における刃状転位密度Cedは、約2.0×10/cmであり、半減している。また、半導体発光素子191におけるらせん転位密度Csdは、約5.6×10/cmであるのに対して、半導体発光素子110における刃状転位密度Cedは、約3.6×10/cmであり、大幅に半減している。
【0123】
図10は、半導体発光素子の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、同図は、半導体発光素子110及び191における発光特性の測定結果を示している。横軸は駆動電流Idであり、縦軸は発光効率Eff(相対値)である。
図10に表したように、半導体発光素子110の発光効率Effは、半導体発光素子191の発光効率Effよりも高い。特に、半導体発光素子110においては、低電流域で、発光効率Effが大きく向上している。これは、半導体発光素子110においては、非発光再結合中心である転位密度が低く、発光再結合に寄与するキャリアが増加するためである。
【0124】
このように、本実施形態に係る半導体発光素子110によれば、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な窒化物半導体発光素子が得られる。
【0125】
本実施形態に係る下地層60において、上記では、第1層64a及び第2層64bの形成の温度は同じ場合について説明したが、本実施形態はこれに限らない。例えば、第1層64aの形成温度を1060℃とし、第2層64bの形成温度を1120℃とした場合も上記と同様の結果が得られた。また、例えば、第1層64aの形成時の反応室内の圧力を1013hPaとし、第2層64bの形成時の反応室内の圧力を400hPaとした場合も、上記と同様の結果が得られた。
【0126】
なお、本実施形態において第2層64bの形成の温度は、第1層64aの形成の温度以上であることが好ましい。これにより、例えば、埋め込み性が向上し、良好な表面平坦性を得やすくなる。
【0127】
また、本実施形態において第2層64bの形成時の反応室内の圧力は、第1層64aの形成の形成時の反応室内の圧力以上であることが好ましい。これにより、例えば、埋め込み性が向上し、良好な表面平坦性を得やすくなる。
【0128】
本実施形態において、下地層60の厚さは、1μm以上4μm以下であることが好ましい。下地層60の厚さを1μm以上4μm以下にすることで、基板凹凸51の埋め込み性が良好になりやすく、平坦な下地層60を得やすい。
【0129】
図11(a)〜図11(d)は、第2参考例の半導体発光素子の構成を示す模式図である。
図11(a)は、図11(b)〜図11(d)のA1−A2線断面図である。図11(b)、図11(c)及び図11(d)は、それぞれ、図11(a)のB1平面、C1平面及びD1平面の平面図である。
【0130】
第2参考例の半導体発光素子192においては、1つの条件で下地層60が形成されている。そして、そのときのV族/III族比R(V/III)は低く、例えば330である。すなわち、半導体発光素子192においては、半導体発光素子110の第1層64aの形成条件だけで下地層60の全てを形成したことに相当する。半導体発光素子192は、図6(a)及び図6(b)に例示した、V族/III族比R(V/III)が、例えば、330である場合に相当する。
【0131】
図11(a)に表したように、半導体発光素子192においては、下地層60にボイド60vが形成される。そして、凸部61pに繋がる転位65の一部は側部61sに繋がっているものの、凸部61pに繋がる転位65の多くは、第1主面60aに到達している。
【0132】
半導体発光素子192においては、基板凸部51pの高さ以上の領域で、Z軸方向に対して交差する方向(例えば直交する方向)に、転位65の延在方向が変化している。このため、基板凹部51dで発生した転位65の一部が、基板凸部51pの上方において、第1主面60aに到達している。
【0133】
このため、図11(b)及び図11(c)に表したように、第1主面60aのうちでZ軸方向に沿ってみたときに凹部61dと重なる領域に繋がる転位65は、凹部61dに繋がる転位65よりも多くなる。
【0134】
なお、図11(d)に表したように、半導体発光素子192の第2主面60bにおける転位65の特性は、半導体発光素子110と同様である。
【0135】
このように、第2参考例の半導体発光素子192においては、下地層60の形成が、低いV族/III族比R(V/III)のみで行われるため、ボイド60vが発生する。そして、図6(b)に例示したように、ピット密度Cpが高い。さらに、基板凹部51dで発生した転位65の一部は、基板凸部51pの上方において第1主面60aに到達するため、転位65の減少の程度が低い。
【0136】
これに対し、本実施形態に係る半導体発光素子110においては、下地層60の形成が、低いV族/III族比R(V/III)による第1層64aの形成と、高いV族/III族比R(V/III)による第2層64bの形成と、を含む。このため、ボイド60vの発生が抑制される。そして、ピット密度Cpも低い。さらに、基板凹部51dで発生した転位65の延在方向は、基板凸部51pの高さ以下の領域で、Z軸方向に対して交差する方向に変化し、互いに繋がって消滅し、または、側部61sに繋がり消滅する。このため、転位65の減少の程度が高い。
【0137】
図12(a)及び図12(b)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図12(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子111においては、バッファ層55が設けられていない。または、バッファ層55が薄く、基板50と下地層60が実質的に接している。この場合も、下地層60が上記の構成を有していれば、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な窒化物半導体発光素子が提供できる。
【0138】
図12(b)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子112においては、基板50及びバッファ層55が設けられていない。この構成は、例えば、基板50の上(バッファ層55の上)に、下地層60を含む積層構造体10sを形成し、その後、基板50(及びバッファ層55)を除去することで得られる。この場合も、下地層60が上記の構成を有していれば、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な窒化物半導体発光素子が提供できる。
【0139】
なお、基板50を除去する場合には、溶液による化学的なエッチングが可能なSiを基板50に用いることで、下地層60にダメージを与えることなく除去ができるとともに、工程が簡便になり好ましい。
【0140】
(第2の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体層に係る。
図13(a)及び図13(b)は、第2の実施形態に係る窒化物半導体層の構成を例示する模式的断面図である。
図13(a)に表したように、本実施形態に係る窒化物半導体層120(例えば下地層60)は、第1主面60aと、第2主面60bと、を有する。第2主面60bは、第1主面60aとは反対側の主面である。窒化物半導体層120は、第2主面60bに設けられた凹凸61をさらに有する。
【0141】
凹凸61の凸部61pに繋がる転位65の少なくともいずれかは、凹凸61の側部61sに繋がり、第1主面60aに到達しない。
【0142】
凸部61pに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凸部61pに繋がる転位65の全てに対する割合は、凹凸61の凹部61dに繋がる転位65のうちで第1主面60aに到達する転位65の、凹部61dに繋がる転位65の全てに対する割合よりも低い。
【0143】
第2主面60bから第1主面60aに向かう積層方向(例えばZ軸方向)に沿ってみたときに第1主面60aのうちで凹部61dと重なる領域に繋がる転位65は、凹部61dに繋がる転位65よりも少ない。
【0144】
窒化物半導体層120は、例えば基板50の上に設けられる。そして、窒化物半導体層120は、例えば、半導体発光素子の第2半導体層20、発光層30及び第1半導体層10の下地層として機能することができる。または、窒化物半導体層120は、例えば、半導体発光素子に含まれる半導体層の少なくとも一部として用いることができる。または、窒化物半導体層120は、トランジスタ(例えばHEMT)などの窒化物半導体層を用いた半導体装置に応用できる。
【0145】
本実施形態に係る窒化物半導体層120は、第1実施形態に関して説明した第1層64aと第2層64bとを含むことができる。そして、窒化物半導体層120の製造方法には、第1実施形態に関して説明した製造方法の少なくとも一部を用いることができる。
【0146】
図13(b)に表したように、本実施形態に係る別の窒化物半導体層121(例えば下地層60)においては、基板50及びバッファ層55が設けられていない。この構成は、例えば、基板50の上(バッファ層55の上)に、下地層60を形成し、その後、基板50(及びバッファ層55)を除去することで得られる。この場合も、下地層60が上記の構成を有していれば、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した窒化物半導体層が提供できる。窒化物半導体層121も、LEDなどの半導体発光素子や、トランジスタ(例えば、HEMT)などの窒化物半導体層を用いた半導体装置に応用できる。
【0147】
(第3の実施形態)
本実施形態は、窒化物半導体層の形成方法に係る。
図14は、第3の実施形態に係る窒化物半導体層の形成方法を例示するフローチャート図である。
図14に表したように、本実施形態に係る窒化物半導体層の形成方法は、第1工程(ステップS110)と、第2工程(ステップS120)と、を備える。
【0148】
第1工程は、主面に設けられた基板凸部51pと基板凹部51dと基板側部51sとを有する基板50の主面上に、III族原料とV族原料とを用いて窒化物半導体を含む第1層64aを形成することを含む。
【0149】
基板凸部51pは、基板50の主面において、基板凹部51dよりも相対的に突出している部分である。基板凹部51dは、基板凸部51pよりも相対的に後退している部分である。基板側部51sは、基板凸部51pと基板凹部51dとの間の部分である。
【0150】
基板凸部51pは、例えば、基板50の主面において最も突出している部分から基板凸部51pの高さh51の10%の位置までの部分と、最も突出している部分と、の間の部分である。基板凹部51dは、例えば、主面において最も後退している部分から高さh51(深さ)の10%の位置の部分と、最も後退している部分と、の間の部分である。基板側部51sは、例えば、主面において基板凸部51pと基板凹部51dとを除いた部分(高さh61の80%の範囲の部分)である。
【0151】
第2工程は、第1層64aの上に、III族原料とV族原料とを用いて窒化物半導体を含む第2層64bを形成することを含む。
【0152】
第1工程におけるIII族原料の供給量に対するV族原料の供給量の比率(V族/III族比R(V/III))は、第2工程におけるIII族原料の供給量に対するV族原料の供給量の比率(V族/III族比R(V/III))よりも低い。
【0153】
第1工程は、第1層64aにおいて基板凹部51dから発生する転位65の少なくともいずれかを基板側部51sに繋げることを含む。第2工程は、第1層64aの表面に形成される凹凸を第2層64bで埋め込んで平坦化することを含む。
【0154】
これにより、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な窒化物半導体層の形成方法が提供できる。
【0155】
なお、第2工程における転位密度の減少の程度は、第1工程における転位密度の減少の程度に比べて低い。
【0156】
本実施形態において、第1工程は、基板凹部51dから発生する転位65を基板側部51sに繋げることを、第1層64aのうちで基板凹部51dからの厚さが500nm以下の領域において実施することを含む。なお、第1層64aの厚さは、500nm未満でも良い。
【0157】
本実施形態において、第1工程におけるV族/III族比R(V/III)は、200以上660未満であることが好ましい。これにより、例えば、転位密度の低減効果が、より得や易くなる。
【0158】
本実施形態において、第2工程におけるV族/III族比R(V/III)は、660以上であることが好ましい。これにより、例えば、ピット密度Cpがより安定して低減でき、より高い表面平坦性を得易くなる。
【0159】
本実施形態は、窒化物半導体層の形成方法だけでなく、窒化物半導体層を用いた任意の半導体装置(例えば半導体発光素子を含む)の製造方法にも応用できる。
【0160】
基板凹凸51を有する基板50の上に窒化物半導体層を形成する方法として、ファセット面を有する結晶単位を形成し、その後、横方向成長を促進して平坦膜を形成するとともに、転位線を横方向に曲げる方法(第3参考例)がある。この場合には、基板凸部51pの高さh51よりも高い位置において、転位65の方向が変化する。このため、転位65は、基板側部51sに繋がらない。このため、第3参考例においては、転位密度の減少効果が十分でない。
【0161】
また、基板凹部51dからは結晶を成長させず基板凸部51pから結晶を成長させ、基板凸部51pから成長した結晶を基板凹部51dの上方で合体させる方法(第4参考例)がある。この場合も、転位65は、基板側部51sに繋がらないため、転位密度の減少効果が十分でない。
【0162】
基板凹凸51を有する基板50上に、V族/III族比R(V/III)が0以上100以下の条件でIII族窒化物半導体を形成する方法(第5参考例)がある。この場合に形成されるIII族窒化物半導体は、金属過剰であり、実質的にGa層またはAl層である。この場合には、ボイドが発生しやすく、ピット密度Cpが高くなり、良好な特性の窒化物半導体層が得られない。これに対し、本実施形態においては、V族/III族比R(V/III)は、200以上に設定される。これにより、金属含有比は適正であり、良好な特性の窒化物半導体層が得られる。
【0163】
なお、基板50の上に、基板50とは異なる材料で凹凸を形成し、その上に窒化物半導体層を形成する方法(第6参考例)があるが、この場合には、製造が煩雑である。これに対し、本実施形態においては、別の材料を用いず、基板50自身に基板凹凸51を形成することから、生産性が高い。
【0164】
なお、実施形態において、基板50に複数の基板凸部51pが設けられる場合は、複数の基板凸部51pは、Z軸に対して垂直な平面内で2次元的に配置されることが好ましい。また、基板50に複数の基板凹部51dが設けられる場合は、複数の基板凹部51dは、Z軸に対して垂直な平面内で2次元的に配置されることが好ましい。これにより、基板凹部51dから発生した転位65がその平面内で延びたときに、基板側部51sに繋がり易くなり、転位密度の低減効果が大きくなる。
【0165】
下地層60において、複数の凹部61dが設けられる場合は、複数の凹部61dは、Z軸に対して垂直な平面内で2次元的に配置されることが好ましい。また、下地層60において、複数の凸部61pが設けられる場合は、複数の凸部61pは、Z軸に対して垂直な平面内で2次元的に配置されることが好ましい。これにより、凸部61pから発生した転位65がその平面内で延びたときに、側部61sに繋がり易くなり、転位密度の低減効果が大きくなる。
【0166】
すなわち、下地層60において、凸部61p及び凹部61dの少なくともいずれかは複数設けられ、複数の前記少なくともいずれかは、Z軸方向に対して垂直な面内で2次元的に配置されていることが好ましい。
【0167】
図15(a)〜図15(h)、及び、図16(a)〜図16(h)は、実施形態に係る半導体発光素子の構成及び窒化物半導体層の形成方法を例示する模式的平面図である。
すなわち、これらの図は、下地層60の凹凸61(凹部61d及び凸部61p)、及び、基板凹凸51(基板凸部51p及び基板凹部51d)の平面形状及び平面配置(Z軸に沿ってみたときの形状及び配置)を例示している。
【0168】
図15(a)〜図15(h)、及び、図16(a)〜図16(h)に例示したように、基板凸部51p及び基板凹部51dは、三角形、四角形(ひし形及び平行四辺形を含む)、及び、六角形など種々の形状を有することができる。また、複数設けられる基板凸部51p及び複数設けられる基板凹部51dは、三角形の頂点、並びに、六角形の中心及び頂点などに配置されることができる。上記の他、実施形態において、凹凸61及び基板凹凸51の平面配置は、種々の変形が可能である。
【0169】
実施形態によれば、低転位密度と良好な表面平坦性とを両立した、高効率な半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法が提供できる。
【0170】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BInAlGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0171】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0172】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子に含まれる下地層、半導体層、発光層、電極、基板及びバッファ層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0173】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光素子、窒化物半導体層、及び、窒化物半導体層の形成方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0174】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0175】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0176】
10…第1半導体層、 10s…積層構造体、 11…第1p側層、 12…第2p側層、 13…第3p側層、 20…第2半導体層、 30…発光層、 31…障壁層、 32…井戸層、 40…多層構造体、 50…基板、 51…基板凹凸、 51d…基板凹部、 51p…基板凸部、 51s…基板側部、 55…バッファ層、 60…下地層、 60a…第1主面、 60b…第2主面、 60v…ボイド、 61…凹凸、 61d…凹部、 61p…凸部、 61s…側部、 63…微結晶、 64a…第1層、 64b…第2層、 65…転位、 70…第1電極、 80…第2電極、 110、111、112、191、192…半導体発光素子、 120、121…窒化物半導体層、 B1、C1、D1…平面、 BL、BL1、BLn…障壁層、 Ced…刃状転位密度、 Cp…ピット密度、 Csd…らせん転位密度、 Eff…発光効率、 Id…駆動電流、 Ld、Lp…距離、 OP…光出力、 R(V/III)…V族/III族比、 W11、W12、W21、W22…幅、 W13、W23…間隔、 WL、WL1、WLn…井戸層、 h51、h61…高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化物半導体を含む下地層と、
窒化物半導体を含み第1導電形の第1半導体層と、
前記下地層と前記第1半導体層との間に設けられ窒化物半導体を含む発光層と、
前記下地層と前記発光層との間に設けられ窒化物半導体を含み前記第1導電形とは異なる第2導電形の第2半導体層と、
を備え、
前記下地層は、前記第2半導体層の側の第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有し、
前記下地層は、前記第2主面に設けられ、凹部と側部と凸部とを有する凹凸を有し、
前記下地層において、前記凸部に繋がる転位の少なくともいずれかは、前記側部に繋がり、前記第1主面に到達せず、
前記下地層において、前記凸部に繋がる前記転位のうちで前記第1主面に到達する転位の、前記凸部に繋がる前記転位の全てに対する割合は、前記凹部に繋がる転位のうちで前記第1主面に到達する転位の、前記凹部に繋がる前記転位の全てに対する割合よりも低く、
前記下地層において、前記第2主面から前記第1主面に向かう積層方向に沿ってみたときに前記第1主面のうちで前記凹部と重なる領域に繋がる転位は、前記凹部に繋がる転位よりも少ないことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記積層方向に対して垂直な平面の単位面積に含まれる前記凸部に繋がる前記転位のうちで前記第1主面に到達する前記転位の数と、前記単位面積に含まれる前記凹部に繋がる前記転位のうちで前記第1主面に到達する前記転位の数と、の合計は、前記単位面積に含まれる前記凸部に繋がる前記転位の数と、前記単位面積に含まれる前記凹部に繋がる前記転位の数と、の合計の数の1/5以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記凸部に繋がる前記転位の前記少なくともいずれかは、前記凸部の前記第2主面の側の表面から、前記第2主面から前記第1主面に向かって500ナノメートル以下の領域で、前記側部に繋がっていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記下地層の厚さは、1マイクロメートル以上4マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記凸部及び前記凹部の少なくともいずれかは複数設けられ、前記複数の前記少なくともいずれかは、前記積層方向に対して垂直な面内で2次元的に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
【請求項6】
第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、前記第2主面に設けられた凹凸と、を有し、
前記凹凸の凸部に繋がる転位の少なくともいずれかは、前記凹凸の側部に繋がり、前記第1主面に到達せず、
前記凸部に繋がる前記転位のうちで前記第1主面に到達する転位の、前記凸部に繋がる前記転位の全てに対する割合は、前記凹凸の凹部に繋がる転位のうちで前記第1主面に到達する転位の、前記凹部に繋がる前記転位の全てに対する割合よりも低く、
前記第2主面から前記第1主面に向かう積層方向に沿ってみたときに前記第1主面のうちで前記凹部と重なる領域に繋がる転位は、前記凹部に繋がる転位よりも少ないことを特徴とする窒化物半導体層。
【請求項7】
主面に設けられた基板凸部と基板凹部と基板側部とを有する基板の前記主面上に、III族原料とV族原料とを用いて窒化物半導体を含む第1層を形成する第1工程と、
前記第1層の上に、前記III族原料と前記V族原料とを用いて窒化物半導体を含む第2層を形成する第2工程と、
を備え、
前記第1工程における前記III族原料の供給量に対する前記V族原料の供給量の比率は、前記第2工程における前記III族原料の供給量に対する前記V族原料の供給量の比率よりも低く、
前記第1工程は、前記第1層において前記基板凹部から発生する転位の少なくともいずれかを前記基板側部に繋げ、
前記第2工程は、前記第1層の表面に形成される凹凸を前記第2層で埋め込んで平坦化することを含むことを特徴とする窒化物半導体層の形成方法。
【請求項8】
前記第1工程は、前記基板凹部から発生する前記転位を前記基板側部に繋げることを、前記第1層の前記基板凹部からの厚さが500ナノメートル以下の領域において実施することを含むことを特徴とする請求項7記載の窒化物半導体層の形成方法。
【請求項9】
前記第1工程における前記比率は、200以上660未満であることを特徴とする請求項7または8に記載の窒化物半導体層の形成方法。
【請求項10】
前記第2工程における前記比率は、660以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の窒化物半導体層の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−244092(P2012−244092A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115584(P2011−115584)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】