説明

半導体装置の製造方法、熱酸化処理方法及び熱酸化処理装置

【課題】本発明は、熱酸化処理方法に関し、膜厚均一性の高いゲート酸化膜を形成することができる半導体装置の製造方法、熱酸化処理方法及び熱酸化処理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る半導体装置の製造方法は、モニタウェハM1の裏面と第1の製品ウェハ#2の表面を対向させ、且つ第1の製品ウェハ#2の裏面と第2の製品ウェハ#3の表面を対向させ、且つモニタウェハM1、第1及び第2の製品ウェハ#2、#3それぞれの裏面にシリコン窒化膜23が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置し、熱酸化処理装置によってモニタウェハM1、第1及び第2の製品ウェハ#2、#3それぞれの表面に熱酸化膜を形成する工程を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、熱酸化処理方法及び熱酸化処理装置等に係わり、特に半導体ウェハ間において膜厚均一性の高いゲート酸化膜を形成することができる半導体装置の製造方法、熱酸化処理方法及び熱酸化処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は縦型熱酸化処理装置のウェハホルダでの従来のウェハ並びを説明するための模式図である。縦型熱酸化処理装置には取り出し可能な図示せぬウェハホルダが設置されており、ウェハホルダにはモニタウェハM1及び複数の製品ウェハ#2〜#6が保持されている。
【0003】
半導体装置に2種類以上のゲート酸化膜の膜厚を有するプロセスにおいては、それぞれのゲート酸化膜の膜厚を切り分けるために、半導体ウェハ32にSiN膜23aなどの酸化防止膜を用いている。これにより、縦型熱酸化処理装置(図示せず)におけるSiN膜23aを用いた選択酸化工程の適用によって、2種類以上のゲート酸化膜の膜厚ができる。
【0004】
選択酸化による熱酸化処理は、まず、製品ウェハ21全面にSiN膜23aを成膜する。この際に、SiN膜23は製品ウェハ21の裏面全面にも同時に成膜されている。次いで、製品ウェハ21上のSiN膜23aはフォトリソグラフィー法及びドライエッチング法により、加工する。これにより、製品ウェハ21上に選択酸化したい領域のみ開口部25が形成される。また、ドライエッチング時に製品ウェハ21の裏面は、プラズマに曝されていないため、裏面全面にSiN膜23が残存している。
【0005】
次いで、製品ウェハ21を複数枚まとめて縦型熱酸化処理装置(図示せず)内のウェハホルダ(図示せず)に保持させる。図9に示すように、ウェハホルダの最上部にはモニタウェハ(M1)30が保持せれ、ウェハホルダの2番目以降は#2、#3、#4、#5、#6・・・という順にて、複数枚の製品ウェハ21が上から順に保持されている。この際に、ウェハホルダの#3に保持されている製品ウェハ21の表面は、ウェハホルダの#2に保持されている製品ウェハ21の裏面に残存しているSiN膜23と対向することになる。また、ウェハホルダの#4、#5、#6・・・という順に保持されている製品ウェハにおいても上記と同様の状態となる。つまり、製品ウェハ21を複数枚まとめて縦型熱酸化処理装置内のウェハホルダに保持させた場合において、製品ウェハ21の表面とSiN膜23が残存した製品ウェハ21の裏面が対向することになる。
【0006】
また、ウェハホルダの最上部に保持されたモニタウェハ30は、縦型熱酸化処理装置内にて形成される酸化膜の膜厚を管理するために用意されたものであり、例えば膜が形成されていないシリコンウェハをモニタウェハとして製品ウェハ21と同時に処理を行っている。これにより、縦型熱酸化処理装置における膜の成膜能力を管理している。
【0007】
上述したようにモニタウェハ及び複数の製品ウェハ21が保持された図示せぬウェハホルダは、縦型熱酸化処理装置(図示せず)に挿入され、製品ウェハ32の熱酸化処理が行われる(例えば特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平10−189565号公報(0007〜0012)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の選択酸化工程においては、SiN膜の加工をドライエッチング法にて行うことにより、製品ウェハ21の裏面には、SiN膜23が残存している。これにより、図9に示すように、ウェハホルダの3番目以降に保持されている製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・の表面においては、SiN膜23が残存している製品ウェハ#2、#3、#4、#5・・・の裏面と対向することになる。これに対し、複数枚ある製品ウェハ#2、#3、#4、#5、#6・・・のうち最上部に位置する製品ウェハ#2の表面においては、SiN膜が残存していないモニタウェハM1の裏面と対向している。つまり、製品ウェハ#2の表面は、SiN膜が形成されていないシリコンウェハ30の裏面と対向する点で、他の製品ウェハ#3、#4、#5、#6と異なる。このため、製品ウェハ#2の酸化レートは、製品ウェハ#3、#4、#5、#6と比べて異なってしまうことがある。
【0010】
上述したように、複数枚の半導体ウェハを同時に熱酸化処理した場合において、製品ウェハ#2と他の製品ウェハ#3、#4、#5、#6との酸化レートが異なると、製品ウェハ#2と他の製品ウェハ#3、#4、#5、#6において熱酸化膜の膜厚の均一性が悪くなってしまう。それにより、製品ウェハ#2のみ他の製品ウェハ#3、#4、#5、#6に比べて製品特性が異なってしまい、膜厚が薄く形成され且つ非常に厳しく膜厚を管理されるゲート酸化膜形成において規格外れを引き起こす可能性がある。その結果、歩留まりの低下となる。
【0011】
本発明に係る態様は、半導体ウェハ間において膜厚均一性の高いゲート酸化膜を形成することができる半導体装置の製造方法、熱酸化処理方法及び熱酸化処理装置である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0013】
上記半導体装置の製造方法によれば、モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、熱酸化処理装置内に配置し、第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成している。これにより、熱酸化処理装置内に配置された第1及び第2の製品ウェハをシリコン窒化膜が形成された面と対向した状態とすることができ、第1及び第2の製品ウェハを同一条件下にて処理することができる。その結果、厳しく膜厚が管理されるゲート酸化膜において、製品ウェハ間での膜厚均一性が向上し、歩留まりの低下の抑制が可能となる。
【0014】
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする。
【0015】
上記半導体装置の製造方法によれば、モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、熱酸化処理装置内に配置し、第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成している。これにより、これにより、熱酸化処理装置内に配置された第1及び第2の製品ウェハをシリコン窒化膜が形成された面と対向した状態とすることができ、第1及び第2の製品ウェハを同一条件下にて処理することができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法において、前記熱酸化膜はゲート酸化膜であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法において、前記熱酸化処理装置は、縦型又は横型の熱酸化処理装置であることも可能である。
【0018】
本発明の一態様に係る熱酸化処理方法は、モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置し、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様に係る熱酸化処理方法は、モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置し、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする。
【0020】
本発明の一態様に係る熱酸化処理装置は、モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させるように保持するウェハホルダと、
前記ウェハホルダが挿入されるチャンバーと、
前記チャンバー内に酸素ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を加熱するヒーターと、
を具備し、
前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で、前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る熱酸化処理装置は、モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させるように保持するウェハホルダと、
前記ウェハホルダが挿入されるチャンバーと、
前記チャンバー内に酸素ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を加熱するヒーターと、
を具備し、
前記モニタウェハ、前記ダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で、前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、裏面に第1のシリコン窒化膜が形成された第1のモニタウェハ、裏面に第2のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第1のシリコン窒化膜マスクが形成された第1の製品ウェハ、及び裏面に第3のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第2のシリコン窒化膜マスクが形成された第2の製品ウェハを用意する工程と、
前記第1のモニタウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第1のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第1の製品ウェハの表面及び前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第2の製品ウェハの表面に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第1熱酸化工程と、
前記熱酸化処理装置内から前記第1のモニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハを取り出す工程と、
前記第1及び第2のシリコン窒化膜マスクを除去する工程と、
裏面に第4のシリコン窒化膜が形成された第2のモニタウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で前記熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第2のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第1の製品ウェハの表面、前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第2の製品ウェハの表面、及び前記第1熱酸化工程で形成された前記熱酸化膜上に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第2熱酸化工程と、
を具備することを特徴とする。
【0023】
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、第1のモニタウェハ、裏面に第1のシリコン窒化膜が形成された第1のダミーウェハ、裏面に第2のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第1のシリコン窒化膜マスクが形成された第1の製品ウェハ、及び裏面に第3のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第2のシリコン窒化膜マスクが形成された第2の製品ウェハを用意する工程と、
前記第1のモニタウェハの裏面と前記第1のダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記第1のダミーウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と前記第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第1のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第1の製品ウェハの表面及び前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第2の製品ウェハの表面に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第1の熱酸化工程と、
前記熱酸化処理装置内から前記第1のモニタウェハ、前記第1のダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハを取り出す工程と、
前記第1及び第2のシリコン窒化膜マスクを除去する工程と、
裏面に第4のシリコン窒化膜が形成された第2のモニタウェハの裏面と、裏面に第5のシリコン窒化膜が形成された第2のダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記第2のダミーウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と前記第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で前記熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第2のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第1の製品ウェハの表面、前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第2の製品ウェハの表面、及び前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面の前記第1熱酸化工程で形成された熱酸化膜上に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第2熱酸化工程と、
を具備することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図7(A)はゲート酸化膜を形成するための熱酸化工程に用いる縦型熱酸化処理装置を示す模式図であり、図7(B)は図7(A)に示すウェハホルダを示す模式図である。
【0025】
図7(A)に示すように、縦型熱酸化処理装置は支持台1を有しており、この支持台1上にはウェハを保持するウェハホルダ2が支持されている。また、縦型熱酸化処理装置は、ウェハホルダ2を挿入可能なチャンバーとしての石英管3を有しており、石英管3の上部にはアール部3'が形成されるとともに、石英管3の下部には排気管10が設けられている。
【0026】
また、縦型熱処理装置は窒素又は酸素などのガスをチャンバー内に導入するガス導入機構を有している。詳細には、石英管3内には、石英管3の上部を仕切る仕切り板5が設けられており、仕切り板5には、窒素又は酸素などのガスを噴出させる開口部6が散点上に設けられている。石英管3の上部には、石英管3の上部に形成されたアール部3'と仕切り板5とで囲まれたガス室7が設けられている。そして、ガス室7はガス配管8に連結され、ガス配管8は固定部材9により石英管4の本体に固定されている。
【0027】
石英管3の周囲には、石英管3内の熱を均一化する均熱管11が設けられている。均熱管11の周囲には、石英管3内を加熱するヒーター12が設けられている。ウェハの熱処理を行う場合、ウェハホルダ2にウェハを配置し、ウェハが配置されたウェハホルダ2を石英管3内に挿入する。そして、石英管3内を加熱し、ガス配管8及びガス室7を介して石英管3内にガスを噴出させながら、ウェハの熱処理を行う。
【0028】
次に、ウェハホルダ2におけるウェハの配置を説明する。
図7(B)に示すように、ウェハホルダ2にはモニタウェハ及び複数の半導体ウェハが保持されている。また、図1は図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図である。
【0029】
図7(B)に示すウェハホルダ2の最上部、中間部及び最下部それぞれには、第1のモニタウェハM1、第2のモニタウェハM2、第3のモニタウェハM3が保持される。第1乃至第3のモニタウェハM1,M2,M3は図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置における成膜能力を管理するためのものである。また、第1のモニタウェハM1と第2のモニタウェハM2との間及び第2のモニタウェハM2と第3のモニタウェハM3との間それぞれには、複数枚の製品ウェハが保持される。詳細には、図1及び図7(b)に示すように、上から順に第1のモニタウェハM1、製品ウェハ#2、#3、#4、#5、#6・・・が保持される。
【0030】
次に、図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置を用いてゲート酸化膜を形成する方法について図3を参照しつつ説明する。図3(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法を説明するものであってゲート酸化膜を形成する工程を説明するための断面図である。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板(製品ウェハ)21の表面上に素子分離膜であるLOCOS酸化膜22を形成する。次いで、図3(b)に示すように、LOCO酸化膜22を含むシリコン基板21の表面及び裏面にCVD法にてSiN膜(シリコン窒化膜)を形成する。この際のSiN膜は、シリコン基板21の表面に形成することを目的とするが、CVDガスがシリコン基板21の裏面にも回り込むことで裏面にもSiN膜が形成される。次いで、このSiN膜をフォトリソグラフィー法及びドライエッチング法にて加工形成することにより、シリコン基板21表面のSiN膜(シリコン窒化膜マスク)23aには、開口領域25が形成される。この際、シリコン基板21の裏面がドライエッチング装置のステージ上に置かれた状態で、シリコン基板21の表面上のSiN膜をエッチングするため、シリコン基板21の裏面に形成されているSiN膜23は除去されない。
【0032】
また、図1に示す第1のモニタウェハM1は、シリコンウェハ30aを用い、製品ウェハ21と同様の工程にてシリコンウェハ30aの表面及び裏面にCVD法にてSiN膜を形成する。その後、ドライエッチング法にてシリコンウェハ30aの表面のSiN膜を除去している。これと同様の方法で第2及び第3のモニタウェハM2,M3も作製される。なお、第1乃至第3のモニタウェハM1〜M3は、予め複数枚を製品ウェハ21とは別に用意しておき、選択酸化工程の際に使用しても良い。
【0033】
次いで、図3(c)に示すように、シリコン基板21表面のSiN膜23aに開口領域25が形成された製品ウェハ#2、#3、#4・・・は縦型熱酸化処理装置のウェハホルダに保持される。詳細には、上述した図1に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序によって、第1乃至第3のモニタウェハ及び製品ウェハは保持される。その後、縦型熱酸化処理装置内に酸素ガスが充填され、熱酸化処理が開始され、シリコン基板21表面のSiN膜23aをマスクにして、SiN膜23aが形成されていない開口領域25内において第1領域のゲート酸化膜24が形成される。その後、製品ウェハは縦型熱酸化処理装置から取り出される。
【0034】
その後、図3(d)に示すように、第1領域のゲート酸化膜24が形成されたシリコン基板21にウェットエッチング処理を施すことにより、シリコン基板21表面のSiN膜23a及びシリコン基板21裏面のSiN膜23が除去される。
【0035】
以上、本発明の第1の実施形態によれば、第1のモニタウェハM1として、裏面にSiN膜23が残存しているシリコンウェハ30aを用いている。これにより、製品ウェハ#3、#4、#5・・・それぞれの表面と対向する製品ウェハの裏面にSiN膜23が形成されているのと同様に、製品ウェハ#2の表面と対向する第1のモニタウェハM1の裏面にもSiN膜23が形成される。つまり、ゲート酸化膜を形成するための熱酸化処理時に、製品ウェハ#2を含めた全ての製品ウェハをSiN膜が形成された面と対向した状態とすることができる。その為、製品ウェハ#2と他の製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・との酸化レートが異なることを抑制でき、例えば第1のモニタウェハM1と対向する製品ウェハ#2のみの酸化レートが他の製品ウェハに比べて高くなることを抑制できる。従って、ウェハホルダ2に保持された製品ウェハを全数同一条件下にて処理することができる。その結果、厳しく膜厚が管理されるゲート酸化膜において、製品ウェハ間での膜厚均一性が向上し、歩留まりの低下の抑制が可能となる。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明するが、第1の実施形態と同様である部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0037】
第2の実施形態に係るウェハホルダ2におけるウェハの配置を説明する。
図2は図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図である。
【0038】
図2及び図7(B)に示すように、上から順に第1のモニタウェハM1、ダミーウェハ#2、製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・が保持される。ダミーウェハ#2は、シリコンウェハ31を用いており、このシリコンウェハ31の表面に成膜されたSiN膜23a及びシリコンウェハの裏面に成膜されたSiN膜23を有している。また、第2のモニタウェハM2の下にもダミーウェハが配置されている。
【0039】
次に、図2に示すように製品ウェハ等を配置したウェハホルダを図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置に挿入し、この縦型熱酸化処理装置を用いてゲート酸化膜を形成する方法について図3を参照しつつ説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0040】
製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・は、図3(a),(b)と同様の工程を経る。また、第1のモニタウェハM1は、膜が形成されていないシリコンウェハ30を用いる。また、ダミーウェハ#2はシリコンウェハ31を用い、製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・と同様の図3(a),(b)の工程にてシリコンウェハ31の表面及び裏面にSiN膜23a,23を形成する。但し、シリコンウェハ31の表面のSiN膜23aはパターニングされてもされなくても良いし、また、LOCOS酸化膜22が形成されてもされなくても良い。なお、選択酸化工程時に用いられる第1乃至第3のモニタウェハM1〜M3及びダミーウェハ#2は、予め複数枚を製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・とは別に用意しておき、選択酸化工程の際に使用しても良い。
【0041】
次いで、図3(c)に示す工程を行う。この際、上述した図2に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序によって、第1乃至第3のモニタウェハ、ダミーウェハ及び製品ウェハは保持される。その後、図3(d)に示す工程を行う。
【0042】
以上、本発明の第2の実施形態によれば、ウェハホルダ2に、図2に示すように、上から順に第1のモニタウェハM1、ダミーウェハ#2、製品ウェハ#3、#4、#5、#6・・・を配置している。これにより、複数枚ある製品ウェハの最上部に位置する製品ウェハ#3の表面が、ダミーウェハ#2の裏面に形成されているSiN膜23と対向することとなり、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
さらに、成膜能力を管理するため第1のモニタウェハM1とは別に、製品ウェハ#3と対向させる為の裏面にSiN膜23が形成されたダミーウェハ#2を使用している。これにより、第1のモニタウェハM1の裏面にSiN膜を形成する必要はなく、ダミーウェハ#2の表面に形成されたSiN膜23aを除去する必要もなくなり、工程の簡略化が可能となる。
【0044】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図4及び図6を参照しつつ説明するが、第1の実施形態と同様である部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0045】
図4は、図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図である。図4に示す第2の実施形態に係るウェハホルダ2におけるウェハの配置は、図1に示す第1の実施形態と同様である。
【0046】
次に、図4に示すように製品ウェハ等を配置したウェハホルダを図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置に挿入し、この縦型熱酸化処理装置を用いてゲート酸化膜を形成する方法について図6を参照しつつ説明する。図6(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0047】
第3の実施形態による半導体装置の製造方法は、まず、図3(a)〜(c)に示す工程を経る。次いで、図6(a)に示すように、シリコン基板21表面のSiN膜23aはドライエッチング法にて除去されるが、ドライエッチング時に半導体ウェハ32の裏面は、プラズマに曝されていないため、裏面全面にSiN膜23が残存している。
【0048】
次いで、図6(a)に示す状態の製品ウェハ#2、#3、#4、#5・・・及び第1のモニタウェハM1は、図7(B)に示すウェハホルダに図4に示すように配置して保持される。
【0049】
次いで、図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置内に窒素又は酸素などのガスが充填し、熱酸化処理が行われる。それによって、図6(b)に示すように、シリコン基板21上に第2領域のゲート酸化膜24aが形成される。この際に、第1領域のゲート酸化膜24も第2領域のゲート酸化膜24aとともに熱酸化処理が施されているため、第2領域のゲート酸化膜24aの膜厚よりも厚い膜厚の第1領域のゲート酸化膜24が形成されることとなる。これにより、シリコン基板21には、2種類の膜厚を有するゲート酸化膜が形成される。
【0050】
その後、図6(c)に示すように、第1領域のゲート酸化膜24及び第2領域のゲート酸化膜24aが形成されたシリコン基板21に、ウェットエッチング処理を施すことにより、シリコン基板21裏面のSiN膜23が除去される。
【0051】
以上、本発明の第3の実施形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、2回の熱酸化処理を行うことにより第1領域のゲート酸化膜24を形成している。このため、従来技術を用いた場合に比べて、第1領域のゲート酸化膜24における製品ウェハ間での膜厚均一性の低下をより抑制することができる。
【0053】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図5を参照しつつ説明するが、第3の実施形態と同様である部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0054】
第4の実施形態に係るウェハホルダ2におけるウェハの配置を説明する。
図5は図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図である。図5に示す第4の実施形態に係るウェハホルダ2におけるウェハの配置等は、図2に示す第2の実施形態と同様である。また、図5に示す第1のモニタウェハM1及びダミーウェハ#2は第2の実施形態と同様のものが用いられる。
【0055】
次に、図5に示すように製品ウェハ等を配置したウェハホルダを図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置に挿入し、この縦型熱酸化処理製品ウェハ装置を用いてゲート酸化膜を形成する方法について図6を参照しつつ説明する。
【0056】
第4の実施形態による半導体装置の製造方法は、まず、図3(a)〜(c)及び図6(a)に示す工程を経る。
【0057】
次いで、図6(a)に示す状態の製品ウェハ#2、#3、#4、#5・・・及び第1のモニタウェハM1は、図7(B)に示すウェハホルダに図5に示すように配置して保持される。そして、図6(b)に示す工程が行われる。
【0058】
以上、本発明の第4の実施形態においても第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製造について図8を参照しつつ説明する。また、第1の実施形態と同様である部分は説明を省略する。
【0060】
図8は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法における横型熱酸化処理装置を示す模式図である。また、横型熱酸化処理装置は、図7(A)に示す縦型熱酸化処理装置を横型に構成した横型炉である。複数枚の半導体ウェハWafは、ウェハホルダBT1に保持され、フォークFK1の移動制御によりプロセスチューブCHB1に搬入される。プロセスチューブCHB1内は、周囲のヒーターHT1によって所定温度範囲の熱処理環境になっている。
【0061】
ウェハホルダBT1を伴う半導体ウェハWafの配列は、所定温度範囲にされたプロセスチューブCHB1のウェハ搬入出側A1から横型熱酸化処理装置内へ搬入せれる。半導体ウェハWafの配列先端は末端E1側に置かれる。プロセスチューブCHB1内において反応ガス供給が伴う半導体ウェハWafへの熱処理工程がなされる。その後、半導体ウェハWafの配列は再びウェハ搬入出側A1から搬出される。
【0062】
上述した横型熱酸化処理装置にて半導体ウェハWafの熱処理を施すことによって、図3(c)に示す選択酸化工程によるゲート酸化膜が形成される。また、ウェハホルダBT1におけるウェハの配置は、縦型熱酸化処理装置と同様とする。
【0063】
以上、本発明の第5の実施形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態において図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図。
【図2】本発明の第2の実施形態において図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図。
【図3】本発明の第1の実施形態による半導体装置の製造方法を説明するための断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態において図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第4の実施形態において図7(B)に示すウェハホルダ2に保持されるウェハの順序を説明するための模式図。
【図6】本発明の第3の実施形態において半導体装置の製造方法を説明する為の図であり、図4に示す半導体ウェハ32の断面図
【図7】(a)は半導体装置の製造方法における縦型熱酸化処理装置を示す模式図であり、(b)は図7(A)に示すウェハホルダを示す模式図。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法における横型熱酸化処理装置を示す模式図。
【図9】従来のウェハ並びを説明するための模式図。
【符号の説明】
【0066】
1・・・支持台、2・・・ウェハホルダ、3・・・石英管、3'・・・アール部、5・・・仕切り板、6・・・開口部、7・・・ガス室、8・・・ガス配管、9・・・固定部材、10・・・排気管、11・・・均熱管、12・・・ヒーター、M1,30・・・モニタウェハ、BT1・・・ウェハホルダ、CHB1・・・プロセスチューブ、HT1・・・ヒーター、Waf・・・半導体ウェハ、FK1・・・フォーク、A1・・・ウェハ搬入出側、E1・・・末端側、21・・・製品ウェハ、23,23a・・・SiN膜、25・・・開口部、30a・・・シリコンウェハ、22・・・LOCOS酸化膜、24、24a・・・ゲート酸化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成する工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1において、前記熱酸化膜はゲート酸化膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記熱酸化処理装置は、縦型又は横型の熱酸化処理装置であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置し、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする熱酸化処理方法。
【請求項6】
モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で熱酸化処理装置内に配置し、
前記熱酸化処理装置によって前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする熱酸化処理方法。
【請求項7】
モニタウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させるように保持するウェハホルダと、
前記ウェハホルダが挿入されるチャンバーと、
前記チャンバー内に酸素ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を加熱するヒーターと、
を具備し、
前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で、前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする熱酸化処理装置。
【請求項8】
モニタウェハの裏面とダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記ダミーウェハの裏面と第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させるように保持するウェハホルダと、
前記ウェハホルダが挿入されるチャンバーと、
前記チャンバー内に酸素ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を加熱するヒーターと、
を具備し、
前記モニタウェハ、前記ダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの裏面にシリコン窒化膜が形成された状態で、前記モニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面に熱酸化膜を形成することを特徴とする熱酸化処理装置。
【請求項9】
裏面に第1のシリコン窒化膜が形成された第1のモニタウェハ、裏面に第2のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第1のシリコン窒化膜マスクが形成された第1の製品ウェハ、及び裏面に第3のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第2のシリコン窒化膜マスクが形成された第2の製品ウェハを用意する工程と、
前記第1のモニタウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第1のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第1の製品ウェハの表面及び前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第2の製品ウェハの表面に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第1熱酸化工程と、
前記熱酸化処理装置内から前記第1のモニタウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハを取り出す工程と、
前記第1及び第2のシリコン窒化膜マスクを除去する工程と、
裏面に第4のシリコン窒化膜が形成された第2のモニタウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で前記熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第2のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第1の製品ウェハの表面、前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第2の製品ウェハの表面、及び前記第1熱酸化工程で形成された前記熱酸化膜上に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第2熱酸化工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
第1のモニタウェハ、裏面に第1のシリコン窒化膜が形成された第1のダミーウェハ、裏面に第2のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第1のシリコン窒化膜マスクが形成された第1の製品ウェハ、及び裏面に第3のシリコン窒化膜が形成され且つ表面に第2のシリコン窒化膜マスクが形成された第2の製品ウェハを用意する工程と、
前記第1のモニタウェハの裏面と前記第1のダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記第1のダミーウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と前記第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第1のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第1の製品ウェハの表面及び前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていない前記第2の製品ウェハの表面に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第1の熱酸化工程と、
前記熱酸化処理装置内から前記第1のモニタウェハ、前記第1のダミーウェハ、前記第1及び第2の製品ウェハを取り出す工程と、
前記第1及び第2のシリコン窒化膜マスクを除去する工程と、
裏面に第4のシリコン窒化膜が形成された第2のモニタウェハの裏面と、裏面に第5のシリコン窒化膜が形成された第2のダミーウェハの表面を対向させ、且つ前記第2のダミーウェハの裏面と前記第1の製品ウェハの表面を対向させ、且つ前記第1の製品ウェハの裏面と前記第2の製品ウェハの表面を対向させた状態で前記熱酸化処理装置内に配置する工程と、
前記第2のモニタウェハの表面、前記第1のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第1の製品ウェハの表面、前記第2のシリコン窒化膜マスクで覆われていた前記第2の製品ウェハの表面、及び前記第1及び第2の製品ウェハそれぞれの表面の前記第1熱酸化工程で形成された熱酸化膜上に、前記熱酸化処理装置によって熱酸化膜を形成する第2熱酸化工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−87019(P2010−87019A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251311(P2008−251311)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】