半導体装置
【課題】フローティング本体効果が得られる装置または本体領域が分離された装置を提供する。
【解決手段】SOI装置10はシリコン基板12に支持されたシリコン酸化物絶縁体層14を含む。本体領域22、58はシリコン酸化物絶縁体層14上に配置され、本体領域22は第1の導電型によって特徴づけられる。ソース、ドレイン領域18、20は第2の型によって特徴づけられる。SOI層14上方の本体領域近傍には遷移領域36、38、46、60が配置され、この遷移領域の導電型は、本体領域におけるフローティング本体効果を抑制するためには第1の導電型になるように、また本体領域を分離するためには第2の導電型になるように形成する。
【解決手段】SOI装置10はシリコン基板12に支持されたシリコン酸化物絶縁体層14を含む。本体領域22、58はシリコン酸化物絶縁体層14上に配置され、本体領域22は第1の導電型によって特徴づけられる。ソース、ドレイン領域18、20は第2の型によって特徴づけられる。SOI層14上方の本体領域近傍には遷移領域36、38、46、60が配置され、この遷移領域の導電型は、本体領域におけるフローティング本体効果を抑制するためには第1の導電型になるように、また本体領域を分離するためには第2の導電型になるように形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に、半導体に関し、特に、SOIタイプの半導体を様々な構成にするための方法及び構造に関する。
【背景技術】
【0002】
大量生産されている既存の相補型金属酸化物シリコン(CMOS)半導体装置は、上に能動的なまたは受動的な回路要素が配置される半導体バルク基板を含むため、「バルク」CMOSと呼ばれる。近年、バルクCMOS装置よりも消費電力の少ない、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置が、導入されているが、これは、電池電源の携帯電話および電池電源のラップトップコンピュータなどの多くの応用において重要な利点である。さらに、SOI装置は、バルクCMOS装置よりも高速で有利に動作する。
【特許文献1】特開平05−323362号公報
【特許文献2】特開平06−291265号公報
【特許文献3】特開平07−074363号公報
【特許文献4】特開平06−085262号公報 SOI装置は、装置の回路要素とバルク基板との間に挟まれる絶縁材料の薄層(いわゆる埋込酸化物層、またはSOI)を特徴とする。典型的には、SOIとバルク基板との間には他の材料層は介装されない。ここで使用する際には、回路要素は、能動トランジスタまたはレジスタなどの受動的な構成要素などの回路構成要素を確立する。
【0003】
SOI装置では、SOI上の回路要素は、フィールド酸化物の領域と、N型またはP型導電型のドーパントで適宜ドープされる単結晶半導体層の領域とによって確立される。たとえば、Nチャネルトランジスタについては、分離されたシリコン層は、P型のドーパントを有する本体領域を含むであろうし、本体領域は、ソース領域とドレイン領域との間に配置され、各領域がN型のドーパントでドープされ、たとえば、Nチャネル金属酸化物シリコン電界効果トランジスタ(MOSFET)または横方向NPNバイポーラトランジスタを形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SOI装置の不利点の一つは、本体領域の電圧が変動する、または「フロート」する傾向がある点である。チェン(Chen)他が「本体の連結された装置構造による、SOIフローティング本体効果の抑制(Suppression of the SOI Floating-body Effects by Linked-body Device Structure)」、1996年、VLSI Technology Digest of Technical Papers (1996年、IEEE)で述べているように、フローティング本体SOI装置の結果は、出力電流のキンク(kinks)、変則的サブスレッショルド電流、過渡電流のオーバーシュート、および早期の装置の故障を含む。
【0005】
チェン他は、フィールド酸化物の下に残った酸化されていないシリコン層を通じて電界効果トランジスタ(FET)が互いに連結され得るよう、フィールド酸化物が上に成長されるシリコン層の部分を不完全に酸化することによって、フローティング本体効果を抑制することを提案する。しかし、チェン他は、さまざまな構成要素の構成において彼らのフローティング本体抑制策をどのように実現するのか示唆しておらず、また、チェン他は、既存のバルクCMOS作製原理を使用して容易に実現できる技術を使用して彼らのフローティング本体抑制策をどのように実現するのか示唆していない。ここで理解されるように、半導体作製装置および設備の再設計(reengineering)を必要とすることなく、SOI
装置の使用を促進するよう、既存のバルクCMOS作製原理を使用して、回路設計者がさまざまなSOI構成要素を実現できるようにすることが重要である。
【0006】
さらに、チェン他は、いくつかの可能性のあるSOI回路構成要素の構成、たとえば極めて低電圧で動作するダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置などでは、フローティング本体効果が残ることが望ましいかもしれないという点を認識していない。実際、いくつかの回路要素組立においては、いくつかのSOI構成要素がフローティング本体特性を示し、組立における他のSOI構成要素のフローティング本体傾向が抑制されることが望ましいであろう。
【0007】
したがって、この発明の目的は、フローティング本体効果が最少化されたSOI装置を提供することである。この発明の他の目的は、フローティング本体効果が装置のいくつかの領域では選択的に最少化され得、他の領域ではされない、SOI装置を提供することである。この発明のさらに他の目的は、作製原理を使用してフローティング本体効果を最少化できる、さまざまなSOI装置を提供することである。この発明のまたさらに他の目的は、使用が簡単で製造の費用対効果のよいSOI装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
半導体装置は、少なくとも、第一のシリコン酸化物絶縁体(SOI)トランジスタと第二のSOIとトランジスタとを含み、少なくとも第一のSOIトランジスタは、半導体本体領域を有する。半導体遷移領域は、第一のSOIトランジスタと第二のSOIトランジスタとの間に配置される。遷移領域は、第一の導電型を有し、電源電圧源と通じる。この発明によると、第一のSOIトランジスタを第二のトランジスタから分離し第一のSOIトランジスタの本体領域がフローティング効果を示すようにするか、または、本体領域を連結し本体領域がフローティング効果を示さないようするために、第一の導電型および電圧源は、選択される。
【0009】
好ましい実施例では、オーミックコネクタ(ohmic connector)が遷移領域と電圧源とを接続する。遷移領域は、比較的重度にドープされた領域と比較的軽度にドープされた領域とを含み、オーミックコネクタは、比較的重度にドープされた領域と接触する。この発明では、第一のトランジスタは、第一の導電型を有するソース領域とドレイン領域とを含み、遷移領域は、第一のSOIトランジスタを第二のSOIトランジスタから分離する。このような実施例では、第一のSOIトランジスタの本体は、フローティング効果を示す。対照的に、第一のトランジスタが、第一の導電型の反対の第二の導電型を有するソース領域とドレイン領域とを含むときには、遷移領域は、第一のSOIトランジスタの本体が実質的にフローティング効果を示さないよう、第一のSOIトランジスタの本体領域を電圧源と連結する。ソース領域とドレイン領域とがN型のドーパントでドープされるときは、電圧源は、好ましくは、トランジスタのドレイン電圧源であり、ソース領域およびドレイン領域がP型のドーパントでドープされるときは、電圧源は、好ましくは、トランジスタのソース電圧源である。または、電源電圧源は、バイアスのかかった金属酸化物シリコン(MOS)装置を確立するため可変電圧を出力することができる。
【0010】
さらに、第一のSOIトランジスタはゲートを含み、装置はさらに、ゲートと遷移領域とを相互接続してダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置を確立する導体を含み得る。代替的に、第一のSOIトランジスタは、エミッタおよびゲートを含み得、導体は、横方向バイポーラトランジスタを確立するよう、ゲートとエミッタとを相互接続できる。このような実施例では、ゲートは第一の導電型を有する。
【0011】
他の局面において、半導体SOIピンチレジスタは、シリコン基板と基板上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)層とを含む。第一の導電型を有する、少なくとも一つの比較的軽
度にドープされた半導体領域が、SOI層上にある。さらに、第一の導電型を有する、少なくとも第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域が、比較的軽度にドープされた半導体領域上に配置される。さらに、少なくとも一つのフィールド酸化物層が第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域の間に配置され、少なくとも第一および第二のオーミックコネクタがそれぞれ第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域と接触する。
【0012】
さらに他の局面において、半導体SOIダイオードが、シリコン基板と基板上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)層とを含む。第一の導電型を有する、少なくとも一つの比較的軽度にドープされた半導体領域が、SOI層上に配置され、それぞれ第一の導電型および第二の導電型を有する、少なくとも第一のおよび第二の比較的重度にドープされた半導体領域が、比較的軽度にドープされた半導体領域上に配置される。第一および第二の導電型は、互いに反対である。少なくとも第一および第二のオーミックコネクタは、それぞれ、第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域と接触する。
【0013】
さらに他の局面において、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置を作るための方法が開示される。方法は、少なくとも一つのSOI層を少なくとも一つのシリコン基板上に配置するステップと、SOI層上に少なくとも一つの本体領域を支持するステップとを含み、本体領域は、第一の導電型を特徴とする。さらに、方法は、少なくともソース領域とドレイン領域とを本体領域と並べるステップを含み、ソース領域とドレイン領域とは、第二の導電型を特徴とする。少なくとも一つの遷移領域が、SOI層の上本体領域の近くに配置され、遷移領域は、遷移導電型を特徴とする。以下に詳細に開示するように、遷移導電型は、本体領域内のフローティング本体効果を抑制するためには、第一の導電型に確立される。他方、遷移導電型は、本体領域を分離するためには、第二の導電型に確立される。
【0014】
さらに他の局面において、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置は、少なくとも一つのSOI層とSOI層を支持する少なくとも1つのシリコン基板とを含む。少なくとも一つの本体領域が、SOI層上に配置され、本体領域は、第一の導電型を特徴とする。さらに、少なくともソース領域およびドレイン領域が本体領域と並べられ、ソース領域およびドレイン領域は、第二の導電型を特徴とする。少なくとも一つの遷移領域がSOI層上本体領域の近くに配置され、遷移領域は、遷移導電型を特徴とする。以下に述べる原理により、遷移導電型は、本体領域内のフローティング本体効果を抑制するためには、第一の導電型に確立され、本体領域を分離するためには、第二の導電型に確立される。
【0015】
この発明の他の特徴は、「詳細な説明」と題された部分で開示されるかまたは明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明がより十分に理解されるよう、以下のこの発明を実施するためのベストモードの詳細な説明において、添付の図面を参照する。図中、金属の要素は、通常、網がけして図示し、半導体要素は、ゲート領域の立面図を除いては、通常、網がけせずに図示する。
【0017】
いくつかの図面を通じ、参照番号は、この発明の同一または等価部分を指す。
まず、図1および図2を参照し、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置が、10で一般的に示される。図1にもっともよく示されるように、SOI装置10は、「埋込酸化物」層ともいわれる、シリコン酸化物絶縁体(SOI)層14を支持するシリコン基板12を含む。SOIの原理により、SOI層14は、500オングストロームから4000オングストローム(500Å〜4000Å)の間の厚さ「t」を有し得る。好ましい実施例では、シリコン基板12は、P導電型ドーパントで約50オームセンチメータ(50Ω−cm)に、軽度にドープされている。
【0018】
フィールド酸化物層16は、SOI層12上に配置され、予め定められた導電型を有するドーパントでドープされ得るさまざまな領域がさらに、SOI層14上に支持され、フィールド酸化物層16の部分的酸化によって確立され得る。図示される例示的実施例においては、Nチャネルソース領域18およびNチャネルドレイン領域20がN+導電型のドーパントでドープされており、図中の指示符号「+」は、比較的重度のドープを示し、図中の指示符号「−」は、比較的軽度のドープを示すものと理解される。さらに、Nチャネル本体領域22がソース領域18およびドレイン領域20の下かつ間に配置されており、P-ドーパントでドープされている。
【0019】
ソース領域18とドレイン領域20とを、装置10の外部の回路要素に接続するため、金属Nチャネルソース電極24がソース領域18に接続され、金属Nチャネルドレイン電極26がドレイン領域20に接続され、電極24、26の水平方向に配向された部分は、中間酸化物層28によりフィールド酸化物層16から距離をおいて位置づけられる。他方、金属Nチャネルゲート電極30は、Nチャネル本体領域22に向けて延びるコンタクト32を含み、その端部は、多結晶シリコンNチャネル制御ゲート34と当接する。上に説明した構造は、以下、「Q1」と呼ぶ、Nチャネル分離トランジスタ回路要素を確立する。
【0020】
この発明により、Nチャネル分離トランジスタQ1の本体22は、図1および図2に示す選択される他の回路要素内の電圧から遷移領域により分離される。この発明のトランジスタの本体が、NチャネルトランジスタQ1の本体22の場合のように分離されるときは、遷移領域は、それぞれ本体領域22の左側および右側(図1)に置かれSOI層14へ下向きに延びる、N接合分離領域36、38である。
【0021】
この発明により、分離領域36および38は、それぞれ本体22のドーパントとは反対の導電型のドーパントで比較的軽度にドープされる。したがって、トランジスタQ1はNチャネルトランジスタであるため、分離領域36、38は、図1および図2に示すようにNドーパントでドープされる。現在の好ましい実施例の一つにおいては、分離領域36、38は、立方センチメートルあたり約1014原子から立方センチメートルあたり約1018原子の間でドープされ、より好ましくは、立方センチメートルあたり約1016原子から立方センチメートルあたり約1018原子にドープされる。
【0022】
さらに、右の分離領域38は、比較的重度に(たとえば、立方センチメートルあたり約1019から1021原子に)ドープされた接続領域40を含む。図1および図2に示すように、接続領域40は、分離領域38と同じ導電型のドーパントでドープされる。さらに、接続領域40は、有利には、さらに電源電圧に接続される、分離電極42または多結晶シリコンコネクタなどのオーミックコネクタに接続される。接続領域40がN型ドーパントでドープされるときは、分離電極42は好ましくは、トランジスタQ1のドレイン電源用電源電圧VDDに接続される。上記原理は、以下に述べるトランジスタQ4のように、分離Pチャネルトランジスタの場合の反対の型のドーパントに当てはまることが理解され、このような場合には電源電圧は、好ましくは、ソース電源電圧VSSである。さらに、連結されるトランジスタの本体領域が適宜VSS/VDDより上または下にバイアスされていてもよく、または、上に説明したように固定電位にハードワイヤードされていてもよく、または、回路によって、たとえば待機動作についてはVDD+0.5ボルトおよび能動的動作についてはVDD−1.0ボルトなどに選択的にバイアスしてもよいことが理解される。
【0023】
上の開示に留意すると、本体領域22が遷移(分離)領域36、38により分離されることが理解される。この発明により理解されるように、本体領域22はフローティング本体原理を示すかもしれないが、図示するように本体22を分離することで、たとえば特定
のSRAMでの応用において、たとえば極めて低い電圧(2ボルト未満)での応用に対し、Nチャネル分離トランジスタQ1を有用なものとすることができる。
【0024】
いずれにせよ、さらに図1および図2を参照し、遷移領域を備えるオーミックコネクタの使用により、第一のSOIトランジスタの本体領域が上に説明したようにフローティング効果を示すよう、第二のトランジスタ(たとえばNチャネル連結トランジスタQ2)などの他の回路要素からSOIトランジスタ(たとえばNチャネル分離トランジスタQ1)の本体を選択的に分離するよう任意に設計された回路が与えられる。または、遷移領域を備えるオーミックコネクタの使用により、以下に説明するように本体領域がフローティング効果を示さないよう、トランジスタの本体領域を任意に連結するよう設計された回路が与えられる。さらに特に、図1および図2に示すNチャネル連結トランジスタQ2を参照し、トランジスタQ2は、P−ドーパントでドープされた本体領域44を有し、本体領域44はN+コンタクト領域46を介してコンタクト48を介し外部電源に連結される。この発明の広い意味においては、コンタクト領域46は、遷移領域である。
【0025】
上に述べたように、トランジスタQ2が、外部電圧源に連結されるべきNチャネルトランジスタ(すなわち、P−型でドープされた本体44およびN+でドープされたドレインおよびソース領域50、52を有するトランジスタ)であるときは、コンタクト48は、好ましくは、トランジスタのソース用電源電圧VSSに接続される。代替的に、コンタクト48を、遷移連結領域46がフェーズロック回路内の電圧制御発振器(VCO)などのための制御端子を確立できるよう、可変電圧源に接続できる。したがって、トランジスタQ1のフローティング本体とは異なり、トランジスタQ2の本体は、オーム的に電圧参照に接続され、それによって、通常SOI技術に起因する、時に望ましくない「フローティング本体効果」をなくすか、または緩和する。
【0026】
図1および図2は、Nチャネル連結トランジスタQ2の逆のPチャネル連結トランジスタQ3を示す。さらに特に、Pチャネル連結トランジスタQ3は、P+でドープされたソースおよびドレイン領域54、56ならびにN−本体領域58を含み、本体領域58は、P+でドープされた遷移領域60とこれと接触するコンタクト62とによって外部電源電圧に連結される。さらに、コンタクト62は、電源電圧、好ましくはドレイン電圧VDDと接触し、Pチャネル連結トランジスタQ3の本体58を電源電圧に連結する。それにより、トランジスタQ3内のフローティング本体効果が実質的に抑制される。
【0027】
さらに、Nチャネル分離トランジスタQ1の逆である、Pチャネル分離トランジスタQ4を設けることができ、Pチャネル分離トランジスタQ4のN−でドープされた本体64は外部電源から分離される。特に、トランジスタQ4は、比較的重度にドープされたP+接続領域68を含むP−でドープされた分離領域66である遷移領域を含む。接続領域68は、さらに、トランジスタQ4のドレイン電源用の電源電圧VDDに接続されるコンタクト70に接続される。
【0028】
上記構造は、N−フィールド用に一つとP−フィールド用に一つの二つのマスクを使用して作製してもよい。または、上に述べたNまたはP遷移領域に対応するフィールド注入領域をつくり、次にシリコン窒化物マスクを除去して、PまたはN遷移領域用に残りの注入をおこなうため、ハードマスクとしてシリコン窒化物などの他の代替物を使用する、自己整合アプローチを使用してもよい。
【0029】
上述の開示は、遷移領域を一定の電圧電源電圧源につなぐことに焦点をおいているが、この発明はまた、SOIフローティング本体内の遷移領域が所望であれば可変電圧源に接続できることも認識している。たとえば、携帯電話集積回路において消費電力を低減するため、Nチャネル本体領域内の遷移領域に負電圧を印加しPチャネル本体領域内の遷移領
域に正の電圧を印加し、サブスレッショルド漏れ電流を減じることによって、回路内のトランジスタのオフ電流をさらに減じて、回路の電源を選択的に断つ(deenergize)ことができる。アナログ回路も同様に、より低い漏れ電流を得るため、エンハンスできる。さらに、このような回路は、また、カレントミラーまたはカレントソースなどの機能のために遷移領域に電圧を印加することによって接地する、または、順方向バイアスをかけることができる。
【0030】
図3は、P−本体領域84内に配置されるP+遷移領域82を含むSOI Nチャネルダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)トランジスタ80を示す。DTMOS80はさらに、電極87を備えるN+ソース領域86、電極89を備えるN+ドレイン領域88、およびゲート90を含む。図示するように、金属電極92などのオーミックコネクタは、ゲート90と遷移領域82とを相互接続し、DTMOS80を確立する。P−チャネルDTMOSが、ドーパントの型を逆にすることによって上記原理を使用して構築できることが理解される。
【0031】
次に、図4を参照して、オーミックコネクタを備えるこの遷移領域が、バンドギャップ参照応用、カレントミラー応用、および他のアナログ回路での応用のために有用なSOI
NPNバイポーラトランジスタ94を実現するために使用できることが理解されよう。図4に示すように、バイポーラトランジスタ94は、オーミックコネクタ98を介してN+エミッタ102の電極100に接続されるゲート96を含む。代替的に、ゲート96は、別個の固定または可変電圧源(図示せず)に接続できる。バイポーラトランジスタ94は、さらに、電極106を備えるN+コレクタ104を含む。
【0032】
図4に示す実施例では、遷移領域は、P−でドープされたベース領域110内に配置されるP+でドープされた遷移領域108である。オーミックコネクタ112は、遷移領域108を外部電圧源と相互接続する。この構造により、NチャネルトランジスタのN+ソースがバイポーラトランジスタのN+エミッタとされ、他方、NチャネルトランジスタのN+ドレインは、バイポーラトランジスタのN+コレクタとされる。所望であれば、バイポーラトランジスタ94のベータ(HFE)は、さまざまなゲート寸法を持ち得、ゲート電圧を変えることで電気的に変化させことができる。ここに示す他の例示的実施例と同様、図4に示す装置も、その反対または逆にすることができる、すなわち、上に説明したドーパントの型を逆にすることで、PNPバイポーラトランジスタとすることができる。
【0033】
図5から図7は、この原理を、きわめて高抵抗での応用のためのピンチレジスタなど受動的回路要素に応用できることを示す。図5から図7は、P−型のピンチレジスタを示すが、ドーパント型を逆にすることでここに開示する原理を使用してN−型のピンチレジスタもできることが理解されよう。
【0034】
図5および図7に示すように、一般的に120で示されるSOIピンチレジスタは、フィールド酸化物領域123の下のP−フィールド領域122およびその中に配置され、互いに間隔をおいて位置づけられる二つのP+遷移領域124、126を含む。オーミックコネクタ128、130は、それぞれ、好ましくは、金属または多結晶シリコンなどの導電材料で作られ、中間酸化物層132を通じて延び、外部回路への各遷移領域124、126に接続する。
【0035】
図6および図7は、フィールド酸化物層123の上の中間酸化物層132内に多結晶シリコンフィールド電極142が配置され、多結晶シリコンオーミックピンチコネクタ144によって外部電圧源と接続される点を除いて、すべての必須点で図5および図7に示すピンチレジスタ120と同一であるピンチレジスタ140を示す。フィールド電極142は、フィールド電極142の下のP−フィールド122の部分122a内に配置される(
それぞれオーミックコネクタ150、152を備える)二つのP+遷移領域146、148の間に延びる。図示するように、P−フィールド122、122aは、SOI層154上に配置され、SOI層154は、さらに、バルクシリコン基板156上に支持される。
【0036】
この発明により認識されるように、ピンチコネクタ144を備えるフィールド電極142は、P−フィールド領域122aの導電性を調整するために使用できる。さらに特に、P−領域122aの抵抗は、フィールド電極142に負電圧でバイアスをかけることによって増加させることができ、他方、P−領域122aの抵抗は、フィールド電極142に正または負の電圧でバイアスをかけることによって減少させることができる。アナログ回路での応用、および抵抗性スタティックRAMロードを含む、ピンチレジスタ120、140のいくつかの応用例を、以下にさらに説明する。
【0037】
N−分離領域158は、フィールド酸化物層122とSOI層154との間で垂直に、かつレジスタ120と140との間で横方向に延び、レジスタ120と140とを分離する。本原則によると、N−分離領域158はN+コンタクト領域160を含み、オーミックコネクタ162はコンタクト領域160を電圧(たとえばVDD)に相互接続する。P−領域122は、たとえば1単位領域あたり1万オームから100万オームまでの値になるようにドープされ得る。
【0038】
図8および図9は本発明のSOI PNダイオードを示し、これは概して170と示される。図9に示すように、ダイオード170は、SOI層174を支持するシリコンバルク基板172を含む。P−本体領域176はSOI層176上に配置され、フィールド酸化物層178は本体領域176上に配置される。フィールド酸化物層178は、180および182で示すように、連続するP+ダイオード領域およびN+ダイオード領域である。各ダイオード領域180および182はそれぞれのオーミックコネクタ184および186によって縮小され、電圧源または他の回路素子をそれぞれのダイオード領域180および182に接続する。P+ダイオード領域180の場合は、オーミックコネクタ184はVDDに接続されても、回路信号ノードに接続されてもよい。N+遷移領域188はオーミックコネクタ190を介して接地または代替的には電圧源に接続され得る。接合分離領域192は、本体領域176を他の集積回路装置および構造物(図示せず)から分離する、N−にドープされた領域である。
【0039】
上記の構造を用いると、P+/N+ダイオードの逆ダイオード漏れが高いことによりそれがSRAMセル負荷を使用し易くなり、対応のNチャネルトランジスタのオフ状態電流はダイオード漏れ電流より非常に低くなる。
【0040】
図10および図11は、ピンチレジスタを用いた高抵抗本体タイを示す。図10では、Nチャネルトランジスタ200はオーミックコネクタ204(好ましくはVDDに接続される)を有するN+遷移領域202によって分離される。また、Nチャネルトランジスタ200のP−本体206は、本体領域を共有するピンチレジスタ208を用いてVSSにつなげられる。
【0041】
同様に、図11は、オーミックコネクタ214(好ましくはVSSに接続される)を有するP+遷移領域212によって分離されたPチャネルトランジスタ210を示す。また、Pチャネルトランジスタ210のN−本体216はピンチレジスタ218を用いてVDDにつなげられる。
【0042】
図10および図11に示す装置は、図示するように、ピンチレジスタ208および210によって平均直流バイアスがVSSおよびVDD(または他の好ましい電圧)に設定されたハイブリッドフローティング本体SOI装置である。しかしながら、チャネルのキャパシ
タ結合に対して比較的大きなゲートを用いると、本体は単一のトランジスタによって動的にバイアスされ、よって本体バイアス係数(当該技術分野ではギリシャ文字ζで参照される)を減じる。結果として、利得、ダイナミックIDSAT、およびダイナミックIDoffは向上する。これは低い動作電圧でとくに有利である。さらに、回路シミュレータは、平均本体電圧バイアスが精確に公知であるので、図10および11に示す装置のモデリングのときに正確な予測を行なう。そして、回路の設計時間は著しく短縮される。ピンチレジスタの本体バイアスは、バイアス基準電圧を交流減結合し、その結果、図10および図11に示すハイブリッド装置の回路速度は、フローティング本体装置の速度とほぼ同じになるであろう。1つのピンチレジスタで多数のトランジスタのセットをバイアスすることができる。
【0043】
図12から図14は、上記に開示された装置のさまざまな回路の実現を示す。図12では、回路(概して230と示す)がSRAMセルとして用いられ得る。図示したように、回路230は、図5から図7に示すピンチレジスタ120および140のうちの1つとなり得るピンチレジスタR1およびR2を含む。ピンチレジスタR1およびR2は、一端がVDDにつなげられ、それぞれフローティング本体SOIトランジスタQ1およびQ2と連続しており、またそれぞれ連結された本体トランジスタQ3およびQ4と連続している。図12に示すフローティング本体トランジスタQ1およびQ2の各々は、図1および図2に示すNチャネルフローティング本体トランジスタQ1によって確立され得る。一方、図12のトランジスタQ3およびQ4は、図1および図2に示すNチャネルの連結された本体トランジスタQ2などの、連結された本体SOIトランジスタである。当然、Pチャネル成分を用いる回路が用いられ得る。フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のゲートは図示したSRAM負荷回路のワード線に接続され、フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のソース/ドレイン領域の1つはビット線に接続される。
【0044】
図13も同様にSRAM負荷回路(概して240で示す)を表わし、ここでは、図9に示すダイオード170などのダイオードD1およびD2が図12に示すピンチレジスタの代わりとなっている。ダイオードD1およびD2の一端はVDDにつなげられ、それぞれフローティング本体SOIトランジスタQ1およびQ2と連続しており、またそれぞれ連結された本体トランジスタQ3およびQ4と連続している。図13に示すフローティング本体トランジスタQ1およびQ2の各々は、図1および図2に示すNチャネルのフローティング本体トランジスタQ1によって確立され得る。一方、図13のトランジスタQ3およびQ4は、図1および図2に示すNチャネルの連結された本体トランジスタQ2などの、連結された本体SOIトランジスタである。当然、Pチャネル成分を用いる回路が用いられ得る。フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のゲートは、図示したSRAM負荷回路のワード線に接続され、フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のソース/ドレイン領域の1つはビット線に接続される。
【0045】
次に図14を参照して、アナログ差動増幅回路250がキャパシタC1を介して信号ノード252に結合される。図示したように、回路252はSOI PNPバイポーラトランジスタQ4およびQ5を含む。図14に示すトランジスタQ4およびQ5の各々は、図4に示すNPNトランジスタ94の逆となるPNPバイポーラトランジスタによって確立され得る。さらに、図14に示す回路250はSOI NチャネルトランジスタQ2およびQ3を含み、本体はそれら自身の共通源(VSSの代替)につなげられ、トランジスタQ2およびQ3はそれぞれバイポーラトランジスタQ4およびQ5に接続される。また、Nチャネルの連結された本体トランジスタQ1はフローティング本体トランジスタQ2およびQ3に接続される。本原則によると、図14に示す回路250のNチャネルの連結およびバイアス本体トランジスタは図1および図2に示すQ2タイプのトランジスタであり得るが、これには次の例外がある。図14に示す回路250のNチャネルの連結された本体トランジスタ250は、それらの本体がVSSにつなげられている。特定の回路について考
慮すると、トランジスタのいずれかがフローティング本体を用いたときにより優れた性能を発揮すれば、図1および図2に示すQ1のNチャネルトランジスタまたはQ4のPチャネルトランジスタは、ウェハの製造をまったく変更せずに用いれら得る。
【0046】
図14は、Nチャネルフローティング本体トランジスタQ3のゲートがSOIピンチレジスタR4(好ましくはポリシリコンのフィールド電極を有する)に接続された図である。これに従うと、ピンチレジスタR4は図6に示すピンチレジスタ140によって確立され得る。図14のピンチレジスタR4のポリシリコンのフィールド電極は第2のピンチレジスタR5のポリシリコンのフィールド電極に接続される。ピンチレジスタR4およびR5にはまた、SOI NチャネルトランジスタQ6およびQ7も接続され、トランジスタQ6は連結された本体SOIトランジスタであり、トランジスタQ7はバイアスされた連結本体SOIトランジスタである。
【0047】
ピンチレジスタR3は連結された本体トランジスタQ1、Q6およびQ7に対してバイアスを確立する。本発明に従うと、連結された本体トランジスタQ1、Q6およびQ7はカレントミラートランジスタである。ピンチレジスタR3の抵抗が高いことにより、低電流の特異な適用例のために、連結された本体トランジスタQ1、Q6およびQ7に対して低い電流を確立することができるようになる。ここで認識されるように、既存のN+またはP+シート抵抗は抵抗値が低すぎ、図14に示す適用例には有用でない。
【0048】
同様に、ポリシリコンフィールド電極のピンチレジスタR4およびR5は高い抵抗経路を確立し、バイアスされた連結本体SOIトランジスタQ2およびQ3の制御ゲートをバイアスし、フィールド電極が回路250のローパス時定数を向上させる。当然、図14に示すSOIトランジスタの本体は、上述の電圧に接続され、回路250の低電圧動作を最適化する。
【0049】
上記の開示を考慮した上で、次に、ここに開示された原則は、SOIおよびバルクシリコンの両者の製造処理において用いられるという先行のアプローチを超えて、回路設計の柔軟性および性能にまで広げられることがわかる。さらに、本原則は、高電圧装置(たとえばドリフトフィールド、フィールドプレーテッドおよび傾斜接合MOSFETならびにバイポーラトランジスタ)などの他の多くの電子装置構造にも適用可能である。またさらに、本原則は、高電圧ダイオード、およびさまざまなキャパシタおよびインダクタにも応用でき、ここで論じた連結された本体またはフローティング本体の原則を用いる回路設計者に対しても、これらの装置を利用可能にする。本発明によって明らかになるように、ここに開示された本発明によって提供された柔軟性により性能は向上し、費用は削減される。
【0050】
本発明は、特定の実施例およびその特徴に関してとくに図示され記述される。しかしながら、当業者には、添付の請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から離れることなく形態および詳細に関するさまざまな変更および修正が可能であることが容易にわかるであろう。ここに例示的に開示された本発明は、ここに具体的に開示されないいかなる要素を用いても実行され得る。当然、請求の範囲に単数として表わされるものは、請求の範囲で明白に「唯一」の要素として記載されていない限り、「少なくとも1つの」要素という意味であり、「唯一」の要素を意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】4つのトランジスタを含むSOI装置の概略立面図である。
【図2】部分を除去した、図1に示す装置の概略平面図である。
【図3】この発明のSOI DTMOSの概略平面図である。
【図4】この発明のSOI NPNバイポーラトランジスタの概略平面図である。
【図5】受動的SOI要素の概略平面図である。
【図6】受動的SOIピンチレジスタの概略平面図である。
【図7】図5および図6に示すSOIピンチレジスタの概略立面図である。
【図8】スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)応用のためのSOIダイオードの半分の概略平面図である。
【図9】図8に示す線9−9で示す、図8に示すSOIダイオードの概略立面図である。
【図10】ピンチレジスタを使用するNチャネル高抵抗本体タイ(tie)を示す図である。
【図11】ピンチレジスタを使用するPチャネル高抵抗本体タイを示す図である。
【図12】このSOIピンチレジスタを使用する例示的回路を示す回路図である。
【図13】このSOIダイオードを使用する例示的回路を示す回路図である。
【図14】この発明のSOI構成要素を使用する例示的アナログ差動増幅回路を示す回路図である。
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に、半導体に関し、特に、SOIタイプの半導体を様々な構成にするための方法及び構造に関する。
【背景技術】
【0002】
大量生産されている既存の相補型金属酸化物シリコン(CMOS)半導体装置は、上に能動的なまたは受動的な回路要素が配置される半導体バルク基板を含むため、「バルク」CMOSと呼ばれる。近年、バルクCMOS装置よりも消費電力の少ない、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置が、導入されているが、これは、電池電源の携帯電話および電池電源のラップトップコンピュータなどの多くの応用において重要な利点である。さらに、SOI装置は、バルクCMOS装置よりも高速で有利に動作する。
【特許文献1】特開平05−323362号公報
【特許文献2】特開平06−291265号公報
【特許文献3】特開平07−074363号公報
【特許文献4】特開平06−085262号公報 SOI装置は、装置の回路要素とバルク基板との間に挟まれる絶縁材料の薄層(いわゆる埋込酸化物層、またはSOI)を特徴とする。典型的には、SOIとバルク基板との間には他の材料層は介装されない。ここで使用する際には、回路要素は、能動トランジスタまたはレジスタなどの受動的な構成要素などの回路構成要素を確立する。
【0003】
SOI装置では、SOI上の回路要素は、フィールド酸化物の領域と、N型またはP型導電型のドーパントで適宜ドープされる単結晶半導体層の領域とによって確立される。たとえば、Nチャネルトランジスタについては、分離されたシリコン層は、P型のドーパントを有する本体領域を含むであろうし、本体領域は、ソース領域とドレイン領域との間に配置され、各領域がN型のドーパントでドープされ、たとえば、Nチャネル金属酸化物シリコン電界効果トランジスタ(MOSFET)または横方向NPNバイポーラトランジスタを形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SOI装置の不利点の一つは、本体領域の電圧が変動する、または「フロート」する傾向がある点である。チェン(Chen)他が「本体の連結された装置構造による、SOIフローティング本体効果の抑制(Suppression of the SOI Floating-body Effects by Linked-body Device Structure)」、1996年、VLSI Technology Digest of Technical Papers (1996年、IEEE)で述べているように、フローティング本体SOI装置の結果は、出力電流のキンク(kinks)、変則的サブスレッショルド電流、過渡電流のオーバーシュート、および早期の装置の故障を含む。
【0005】
チェン他は、フィールド酸化物の下に残った酸化されていないシリコン層を通じて電界効果トランジスタ(FET)が互いに連結され得るよう、フィールド酸化物が上に成長されるシリコン層の部分を不完全に酸化することによって、フローティング本体効果を抑制することを提案する。しかし、チェン他は、さまざまな構成要素の構成において彼らのフローティング本体抑制策をどのように実現するのか示唆しておらず、また、チェン他は、既存のバルクCMOS作製原理を使用して容易に実現できる技術を使用して彼らのフローティング本体抑制策をどのように実現するのか示唆していない。ここで理解されるように、半導体作製装置および設備の再設計(reengineering)を必要とすることなく、SOI
装置の使用を促進するよう、既存のバルクCMOS作製原理を使用して、回路設計者がさまざまなSOI構成要素を実現できるようにすることが重要である。
【0006】
さらに、チェン他は、いくつかの可能性のあるSOI回路構成要素の構成、たとえば極めて低電圧で動作するダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置などでは、フローティング本体効果が残ることが望ましいかもしれないという点を認識していない。実際、いくつかの回路要素組立においては、いくつかのSOI構成要素がフローティング本体特性を示し、組立における他のSOI構成要素のフローティング本体傾向が抑制されることが望ましいであろう。
【0007】
したがって、この発明の目的は、フローティング本体効果が最少化されたSOI装置を提供することである。この発明の他の目的は、フローティング本体効果が装置のいくつかの領域では選択的に最少化され得、他の領域ではされない、SOI装置を提供することである。この発明のさらに他の目的は、作製原理を使用してフローティング本体効果を最少化できる、さまざまなSOI装置を提供することである。この発明のまたさらに他の目的は、使用が簡単で製造の費用対効果のよいSOI装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
半導体装置は、少なくとも、第一のシリコン酸化物絶縁体(SOI)トランジスタと第二のSOIとトランジスタとを含み、少なくとも第一のSOIトランジスタは、半導体本体領域を有する。半導体遷移領域は、第一のSOIトランジスタと第二のSOIトランジスタとの間に配置される。遷移領域は、第一の導電型を有し、電源電圧源と通じる。この発明によると、第一のSOIトランジスタを第二のトランジスタから分離し第一のSOIトランジスタの本体領域がフローティング効果を示すようにするか、または、本体領域を連結し本体領域がフローティング効果を示さないようするために、第一の導電型および電圧源は、選択される。
【0009】
好ましい実施例では、オーミックコネクタ(ohmic connector)が遷移領域と電圧源とを接続する。遷移領域は、比較的重度にドープされた領域と比較的軽度にドープされた領域とを含み、オーミックコネクタは、比較的重度にドープされた領域と接触する。この発明では、第一のトランジスタは、第一の導電型を有するソース領域とドレイン領域とを含み、遷移領域は、第一のSOIトランジスタを第二のSOIトランジスタから分離する。このような実施例では、第一のSOIトランジスタの本体は、フローティング効果を示す。対照的に、第一のトランジスタが、第一の導電型の反対の第二の導電型を有するソース領域とドレイン領域とを含むときには、遷移領域は、第一のSOIトランジスタの本体が実質的にフローティング効果を示さないよう、第一のSOIトランジスタの本体領域を電圧源と連結する。ソース領域とドレイン領域とがN型のドーパントでドープされるときは、電圧源は、好ましくは、トランジスタのドレイン電圧源であり、ソース領域およびドレイン領域がP型のドーパントでドープされるときは、電圧源は、好ましくは、トランジスタのソース電圧源である。または、電源電圧源は、バイアスのかかった金属酸化物シリコン(MOS)装置を確立するため可変電圧を出力することができる。
【0010】
さらに、第一のSOIトランジスタはゲートを含み、装置はさらに、ゲートと遷移領域とを相互接続してダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置を確立する導体を含み得る。代替的に、第一のSOIトランジスタは、エミッタおよびゲートを含み得、導体は、横方向バイポーラトランジスタを確立するよう、ゲートとエミッタとを相互接続できる。このような実施例では、ゲートは第一の導電型を有する。
【0011】
他の局面において、半導体SOIピンチレジスタは、シリコン基板と基板上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)層とを含む。第一の導電型を有する、少なくとも一つの比較的軽
度にドープされた半導体領域が、SOI層上にある。さらに、第一の導電型を有する、少なくとも第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域が、比較的軽度にドープされた半導体領域上に配置される。さらに、少なくとも一つのフィールド酸化物層が第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域の間に配置され、少なくとも第一および第二のオーミックコネクタがそれぞれ第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域と接触する。
【0012】
さらに他の局面において、半導体SOIダイオードが、シリコン基板と基板上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)層とを含む。第一の導電型を有する、少なくとも一つの比較的軽度にドープされた半導体領域が、SOI層上に配置され、それぞれ第一の導電型および第二の導電型を有する、少なくとも第一のおよび第二の比較的重度にドープされた半導体領域が、比較的軽度にドープされた半導体領域上に配置される。第一および第二の導電型は、互いに反対である。少なくとも第一および第二のオーミックコネクタは、それぞれ、第一および第二の比較的重度にドープされた半導体領域と接触する。
【0013】
さらに他の局面において、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置を作るための方法が開示される。方法は、少なくとも一つのSOI層を少なくとも一つのシリコン基板上に配置するステップと、SOI層上に少なくとも一つの本体領域を支持するステップとを含み、本体領域は、第一の導電型を特徴とする。さらに、方法は、少なくともソース領域とドレイン領域とを本体領域と並べるステップを含み、ソース領域とドレイン領域とは、第二の導電型を特徴とする。少なくとも一つの遷移領域が、SOI層の上本体領域の近くに配置され、遷移領域は、遷移導電型を特徴とする。以下に詳細に開示するように、遷移導電型は、本体領域内のフローティング本体効果を抑制するためには、第一の導電型に確立される。他方、遷移導電型は、本体領域を分離するためには、第二の導電型に確立される。
【0014】
さらに他の局面において、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置は、少なくとも一つのSOI層とSOI層を支持する少なくとも1つのシリコン基板とを含む。少なくとも一つの本体領域が、SOI層上に配置され、本体領域は、第一の導電型を特徴とする。さらに、少なくともソース領域およびドレイン領域が本体領域と並べられ、ソース領域およびドレイン領域は、第二の導電型を特徴とする。少なくとも一つの遷移領域がSOI層上本体領域の近くに配置され、遷移領域は、遷移導電型を特徴とする。以下に述べる原理により、遷移導電型は、本体領域内のフローティング本体効果を抑制するためには、第一の導電型に確立され、本体領域を分離するためには、第二の導電型に確立される。
【0015】
この発明の他の特徴は、「詳細な説明」と題された部分で開示されるかまたは明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明がより十分に理解されるよう、以下のこの発明を実施するためのベストモードの詳細な説明において、添付の図面を参照する。図中、金属の要素は、通常、網がけして図示し、半導体要素は、ゲート領域の立面図を除いては、通常、網がけせずに図示する。
【0017】
いくつかの図面を通じ、参照番号は、この発明の同一または等価部分を指す。
まず、図1および図2を参照し、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置が、10で一般的に示される。図1にもっともよく示されるように、SOI装置10は、「埋込酸化物」層ともいわれる、シリコン酸化物絶縁体(SOI)層14を支持するシリコン基板12を含む。SOIの原理により、SOI層14は、500オングストロームから4000オングストローム(500Å〜4000Å)の間の厚さ「t」を有し得る。好ましい実施例では、シリコン基板12は、P導電型ドーパントで約50オームセンチメータ(50Ω−cm)に、軽度にドープされている。
【0018】
フィールド酸化物層16は、SOI層12上に配置され、予め定められた導電型を有するドーパントでドープされ得るさまざまな領域がさらに、SOI層14上に支持され、フィールド酸化物層16の部分的酸化によって確立され得る。図示される例示的実施例においては、Nチャネルソース領域18およびNチャネルドレイン領域20がN+導電型のドーパントでドープされており、図中の指示符号「+」は、比較的重度のドープを示し、図中の指示符号「−」は、比較的軽度のドープを示すものと理解される。さらに、Nチャネル本体領域22がソース領域18およびドレイン領域20の下かつ間に配置されており、P-ドーパントでドープされている。
【0019】
ソース領域18とドレイン領域20とを、装置10の外部の回路要素に接続するため、金属Nチャネルソース電極24がソース領域18に接続され、金属Nチャネルドレイン電極26がドレイン領域20に接続され、電極24、26の水平方向に配向された部分は、中間酸化物層28によりフィールド酸化物層16から距離をおいて位置づけられる。他方、金属Nチャネルゲート電極30は、Nチャネル本体領域22に向けて延びるコンタクト32を含み、その端部は、多結晶シリコンNチャネル制御ゲート34と当接する。上に説明した構造は、以下、「Q1」と呼ぶ、Nチャネル分離トランジスタ回路要素を確立する。
【0020】
この発明により、Nチャネル分離トランジスタQ1の本体22は、図1および図2に示す選択される他の回路要素内の電圧から遷移領域により分離される。この発明のトランジスタの本体が、NチャネルトランジスタQ1の本体22の場合のように分離されるときは、遷移領域は、それぞれ本体領域22の左側および右側(図1)に置かれSOI層14へ下向きに延びる、N接合分離領域36、38である。
【0021】
この発明により、分離領域36および38は、それぞれ本体22のドーパントとは反対の導電型のドーパントで比較的軽度にドープされる。したがって、トランジスタQ1はNチャネルトランジスタであるため、分離領域36、38は、図1および図2に示すようにNドーパントでドープされる。現在の好ましい実施例の一つにおいては、分離領域36、38は、立方センチメートルあたり約1014原子から立方センチメートルあたり約1018原子の間でドープされ、より好ましくは、立方センチメートルあたり約1016原子から立方センチメートルあたり約1018原子にドープされる。
【0022】
さらに、右の分離領域38は、比較的重度に(たとえば、立方センチメートルあたり約1019から1021原子に)ドープされた接続領域40を含む。図1および図2に示すように、接続領域40は、分離領域38と同じ導電型のドーパントでドープされる。さらに、接続領域40は、有利には、さらに電源電圧に接続される、分離電極42または多結晶シリコンコネクタなどのオーミックコネクタに接続される。接続領域40がN型ドーパントでドープされるときは、分離電極42は好ましくは、トランジスタQ1のドレイン電源用電源電圧VDDに接続される。上記原理は、以下に述べるトランジスタQ4のように、分離Pチャネルトランジスタの場合の反対の型のドーパントに当てはまることが理解され、このような場合には電源電圧は、好ましくは、ソース電源電圧VSSである。さらに、連結されるトランジスタの本体領域が適宜VSS/VDDより上または下にバイアスされていてもよく、または、上に説明したように固定電位にハードワイヤードされていてもよく、または、回路によって、たとえば待機動作についてはVDD+0.5ボルトおよび能動的動作についてはVDD−1.0ボルトなどに選択的にバイアスしてもよいことが理解される。
【0023】
上の開示に留意すると、本体領域22が遷移(分離)領域36、38により分離されることが理解される。この発明により理解されるように、本体領域22はフローティング本体原理を示すかもしれないが、図示するように本体22を分離することで、たとえば特定
のSRAMでの応用において、たとえば極めて低い電圧(2ボルト未満)での応用に対し、Nチャネル分離トランジスタQ1を有用なものとすることができる。
【0024】
いずれにせよ、さらに図1および図2を参照し、遷移領域を備えるオーミックコネクタの使用により、第一のSOIトランジスタの本体領域が上に説明したようにフローティング効果を示すよう、第二のトランジスタ(たとえばNチャネル連結トランジスタQ2)などの他の回路要素からSOIトランジスタ(たとえばNチャネル分離トランジスタQ1)の本体を選択的に分離するよう任意に設計された回路が与えられる。または、遷移領域を備えるオーミックコネクタの使用により、以下に説明するように本体領域がフローティング効果を示さないよう、トランジスタの本体領域を任意に連結するよう設計された回路が与えられる。さらに特に、図1および図2に示すNチャネル連結トランジスタQ2を参照し、トランジスタQ2は、P−ドーパントでドープされた本体領域44を有し、本体領域44はN+コンタクト領域46を介してコンタクト48を介し外部電源に連結される。この発明の広い意味においては、コンタクト領域46は、遷移領域である。
【0025】
上に述べたように、トランジスタQ2が、外部電圧源に連結されるべきNチャネルトランジスタ(すなわち、P−型でドープされた本体44およびN+でドープされたドレインおよびソース領域50、52を有するトランジスタ)であるときは、コンタクト48は、好ましくは、トランジスタのソース用電源電圧VSSに接続される。代替的に、コンタクト48を、遷移連結領域46がフェーズロック回路内の電圧制御発振器(VCO)などのための制御端子を確立できるよう、可変電圧源に接続できる。したがって、トランジスタQ1のフローティング本体とは異なり、トランジスタQ2の本体は、オーム的に電圧参照に接続され、それによって、通常SOI技術に起因する、時に望ましくない「フローティング本体効果」をなくすか、または緩和する。
【0026】
図1および図2は、Nチャネル連結トランジスタQ2の逆のPチャネル連結トランジスタQ3を示す。さらに特に、Pチャネル連結トランジスタQ3は、P+でドープされたソースおよびドレイン領域54、56ならびにN−本体領域58を含み、本体領域58は、P+でドープされた遷移領域60とこれと接触するコンタクト62とによって外部電源電圧に連結される。さらに、コンタクト62は、電源電圧、好ましくはドレイン電圧VDDと接触し、Pチャネル連結トランジスタQ3の本体58を電源電圧に連結する。それにより、トランジスタQ3内のフローティング本体効果が実質的に抑制される。
【0027】
さらに、Nチャネル分離トランジスタQ1の逆である、Pチャネル分離トランジスタQ4を設けることができ、Pチャネル分離トランジスタQ4のN−でドープされた本体64は外部電源から分離される。特に、トランジスタQ4は、比較的重度にドープされたP+接続領域68を含むP−でドープされた分離領域66である遷移領域を含む。接続領域68は、さらに、トランジスタQ4のドレイン電源用の電源電圧VDDに接続されるコンタクト70に接続される。
【0028】
上記構造は、N−フィールド用に一つとP−フィールド用に一つの二つのマスクを使用して作製してもよい。または、上に述べたNまたはP遷移領域に対応するフィールド注入領域をつくり、次にシリコン窒化物マスクを除去して、PまたはN遷移領域用に残りの注入をおこなうため、ハードマスクとしてシリコン窒化物などの他の代替物を使用する、自己整合アプローチを使用してもよい。
【0029】
上述の開示は、遷移領域を一定の電圧電源電圧源につなぐことに焦点をおいているが、この発明はまた、SOIフローティング本体内の遷移領域が所望であれば可変電圧源に接続できることも認識している。たとえば、携帯電話集積回路において消費電力を低減するため、Nチャネル本体領域内の遷移領域に負電圧を印加しPチャネル本体領域内の遷移領
域に正の電圧を印加し、サブスレッショルド漏れ電流を減じることによって、回路内のトランジスタのオフ電流をさらに減じて、回路の電源を選択的に断つ(deenergize)ことができる。アナログ回路も同様に、より低い漏れ電流を得るため、エンハンスできる。さらに、このような回路は、また、カレントミラーまたはカレントソースなどの機能のために遷移領域に電圧を印加することによって接地する、または、順方向バイアスをかけることができる。
【0030】
図3は、P−本体領域84内に配置されるP+遷移領域82を含むSOI Nチャネルダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)トランジスタ80を示す。DTMOS80はさらに、電極87を備えるN+ソース領域86、電極89を備えるN+ドレイン領域88、およびゲート90を含む。図示するように、金属電極92などのオーミックコネクタは、ゲート90と遷移領域82とを相互接続し、DTMOS80を確立する。P−チャネルDTMOSが、ドーパントの型を逆にすることによって上記原理を使用して構築できることが理解される。
【0031】
次に、図4を参照して、オーミックコネクタを備えるこの遷移領域が、バンドギャップ参照応用、カレントミラー応用、および他のアナログ回路での応用のために有用なSOI
NPNバイポーラトランジスタ94を実現するために使用できることが理解されよう。図4に示すように、バイポーラトランジスタ94は、オーミックコネクタ98を介してN+エミッタ102の電極100に接続されるゲート96を含む。代替的に、ゲート96は、別個の固定または可変電圧源(図示せず)に接続できる。バイポーラトランジスタ94は、さらに、電極106を備えるN+コレクタ104を含む。
【0032】
図4に示す実施例では、遷移領域は、P−でドープされたベース領域110内に配置されるP+でドープされた遷移領域108である。オーミックコネクタ112は、遷移領域108を外部電圧源と相互接続する。この構造により、NチャネルトランジスタのN+ソースがバイポーラトランジスタのN+エミッタとされ、他方、NチャネルトランジスタのN+ドレインは、バイポーラトランジスタのN+コレクタとされる。所望であれば、バイポーラトランジスタ94のベータ(HFE)は、さまざまなゲート寸法を持ち得、ゲート電圧を変えることで電気的に変化させことができる。ここに示す他の例示的実施例と同様、図4に示す装置も、その反対または逆にすることができる、すなわち、上に説明したドーパントの型を逆にすることで、PNPバイポーラトランジスタとすることができる。
【0033】
図5から図7は、この原理を、きわめて高抵抗での応用のためのピンチレジスタなど受動的回路要素に応用できることを示す。図5から図7は、P−型のピンチレジスタを示すが、ドーパント型を逆にすることでここに開示する原理を使用してN−型のピンチレジスタもできることが理解されよう。
【0034】
図5および図7に示すように、一般的に120で示されるSOIピンチレジスタは、フィールド酸化物領域123の下のP−フィールド領域122およびその中に配置され、互いに間隔をおいて位置づけられる二つのP+遷移領域124、126を含む。オーミックコネクタ128、130は、それぞれ、好ましくは、金属または多結晶シリコンなどの導電材料で作られ、中間酸化物層132を通じて延び、外部回路への各遷移領域124、126に接続する。
【0035】
図6および図7は、フィールド酸化物層123の上の中間酸化物層132内に多結晶シリコンフィールド電極142が配置され、多結晶シリコンオーミックピンチコネクタ144によって外部電圧源と接続される点を除いて、すべての必須点で図5および図7に示すピンチレジスタ120と同一であるピンチレジスタ140を示す。フィールド電極142は、フィールド電極142の下のP−フィールド122の部分122a内に配置される(
それぞれオーミックコネクタ150、152を備える)二つのP+遷移領域146、148の間に延びる。図示するように、P−フィールド122、122aは、SOI層154上に配置され、SOI層154は、さらに、バルクシリコン基板156上に支持される。
【0036】
この発明により認識されるように、ピンチコネクタ144を備えるフィールド電極142は、P−フィールド領域122aの導電性を調整するために使用できる。さらに特に、P−領域122aの抵抗は、フィールド電極142に負電圧でバイアスをかけることによって増加させることができ、他方、P−領域122aの抵抗は、フィールド電極142に正または負の電圧でバイアスをかけることによって減少させることができる。アナログ回路での応用、および抵抗性スタティックRAMロードを含む、ピンチレジスタ120、140のいくつかの応用例を、以下にさらに説明する。
【0037】
N−分離領域158は、フィールド酸化物層122とSOI層154との間で垂直に、かつレジスタ120と140との間で横方向に延び、レジスタ120と140とを分離する。本原則によると、N−分離領域158はN+コンタクト領域160を含み、オーミックコネクタ162はコンタクト領域160を電圧(たとえばVDD)に相互接続する。P−領域122は、たとえば1単位領域あたり1万オームから100万オームまでの値になるようにドープされ得る。
【0038】
図8および図9は本発明のSOI PNダイオードを示し、これは概して170と示される。図9に示すように、ダイオード170は、SOI層174を支持するシリコンバルク基板172を含む。P−本体領域176はSOI層176上に配置され、フィールド酸化物層178は本体領域176上に配置される。フィールド酸化物層178は、180および182で示すように、連続するP+ダイオード領域およびN+ダイオード領域である。各ダイオード領域180および182はそれぞれのオーミックコネクタ184および186によって縮小され、電圧源または他の回路素子をそれぞれのダイオード領域180および182に接続する。P+ダイオード領域180の場合は、オーミックコネクタ184はVDDに接続されても、回路信号ノードに接続されてもよい。N+遷移領域188はオーミックコネクタ190を介して接地または代替的には電圧源に接続され得る。接合分離領域192は、本体領域176を他の集積回路装置および構造物(図示せず)から分離する、N−にドープされた領域である。
【0039】
上記の構造を用いると、P+/N+ダイオードの逆ダイオード漏れが高いことによりそれがSRAMセル負荷を使用し易くなり、対応のNチャネルトランジスタのオフ状態電流はダイオード漏れ電流より非常に低くなる。
【0040】
図10および図11は、ピンチレジスタを用いた高抵抗本体タイを示す。図10では、Nチャネルトランジスタ200はオーミックコネクタ204(好ましくはVDDに接続される)を有するN+遷移領域202によって分離される。また、Nチャネルトランジスタ200のP−本体206は、本体領域を共有するピンチレジスタ208を用いてVSSにつなげられる。
【0041】
同様に、図11は、オーミックコネクタ214(好ましくはVSSに接続される)を有するP+遷移領域212によって分離されたPチャネルトランジスタ210を示す。また、Pチャネルトランジスタ210のN−本体216はピンチレジスタ218を用いてVDDにつなげられる。
【0042】
図10および図11に示す装置は、図示するように、ピンチレジスタ208および210によって平均直流バイアスがVSSおよびVDD(または他の好ましい電圧)に設定されたハイブリッドフローティング本体SOI装置である。しかしながら、チャネルのキャパシ
タ結合に対して比較的大きなゲートを用いると、本体は単一のトランジスタによって動的にバイアスされ、よって本体バイアス係数(当該技術分野ではギリシャ文字ζで参照される)を減じる。結果として、利得、ダイナミックIDSAT、およびダイナミックIDoffは向上する。これは低い動作電圧でとくに有利である。さらに、回路シミュレータは、平均本体電圧バイアスが精確に公知であるので、図10および11に示す装置のモデリングのときに正確な予測を行なう。そして、回路の設計時間は著しく短縮される。ピンチレジスタの本体バイアスは、バイアス基準電圧を交流減結合し、その結果、図10および図11に示すハイブリッド装置の回路速度は、フローティング本体装置の速度とほぼ同じになるであろう。1つのピンチレジスタで多数のトランジスタのセットをバイアスすることができる。
【0043】
図12から図14は、上記に開示された装置のさまざまな回路の実現を示す。図12では、回路(概して230と示す)がSRAMセルとして用いられ得る。図示したように、回路230は、図5から図7に示すピンチレジスタ120および140のうちの1つとなり得るピンチレジスタR1およびR2を含む。ピンチレジスタR1およびR2は、一端がVDDにつなげられ、それぞれフローティング本体SOIトランジスタQ1およびQ2と連続しており、またそれぞれ連結された本体トランジスタQ3およびQ4と連続している。図12に示すフローティング本体トランジスタQ1およびQ2の各々は、図1および図2に示すNチャネルフローティング本体トランジスタQ1によって確立され得る。一方、図12のトランジスタQ3およびQ4は、図1および図2に示すNチャネルの連結された本体トランジスタQ2などの、連結された本体SOIトランジスタである。当然、Pチャネル成分を用いる回路が用いられ得る。フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のゲートは図示したSRAM負荷回路のワード線に接続され、フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のソース/ドレイン領域の1つはビット線に接続される。
【0044】
図13も同様にSRAM負荷回路(概して240で示す)を表わし、ここでは、図9に示すダイオード170などのダイオードD1およびD2が図12に示すピンチレジスタの代わりとなっている。ダイオードD1およびD2の一端はVDDにつなげられ、それぞれフローティング本体SOIトランジスタQ1およびQ2と連続しており、またそれぞれ連結された本体トランジスタQ3およびQ4と連続している。図13に示すフローティング本体トランジスタQ1およびQ2の各々は、図1および図2に示すNチャネルのフローティング本体トランジスタQ1によって確立され得る。一方、図13のトランジスタQ3およびQ4は、図1および図2に示すNチャネルの連結された本体トランジスタQ2などの、連結された本体SOIトランジスタである。当然、Pチャネル成分を用いる回路が用いられ得る。フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のゲートは、図示したSRAM負荷回路のワード線に接続され、フローティング本体トランジスタQ1およびQ2のソース/ドレイン領域の1つはビット線に接続される。
【0045】
次に図14を参照して、アナログ差動増幅回路250がキャパシタC1を介して信号ノード252に結合される。図示したように、回路252はSOI PNPバイポーラトランジスタQ4およびQ5を含む。図14に示すトランジスタQ4およびQ5の各々は、図4に示すNPNトランジスタ94の逆となるPNPバイポーラトランジスタによって確立され得る。さらに、図14に示す回路250はSOI NチャネルトランジスタQ2およびQ3を含み、本体はそれら自身の共通源(VSSの代替)につなげられ、トランジスタQ2およびQ3はそれぞれバイポーラトランジスタQ4およびQ5に接続される。また、Nチャネルの連結された本体トランジスタQ1はフローティング本体トランジスタQ2およびQ3に接続される。本原則によると、図14に示す回路250のNチャネルの連結およびバイアス本体トランジスタは図1および図2に示すQ2タイプのトランジスタであり得るが、これには次の例外がある。図14に示す回路250のNチャネルの連結された本体トランジスタ250は、それらの本体がVSSにつなげられている。特定の回路について考
慮すると、トランジスタのいずれかがフローティング本体を用いたときにより優れた性能を発揮すれば、図1および図2に示すQ1のNチャネルトランジスタまたはQ4のPチャネルトランジスタは、ウェハの製造をまったく変更せずに用いれら得る。
【0046】
図14は、Nチャネルフローティング本体トランジスタQ3のゲートがSOIピンチレジスタR4(好ましくはポリシリコンのフィールド電極を有する)に接続された図である。これに従うと、ピンチレジスタR4は図6に示すピンチレジスタ140によって確立され得る。図14のピンチレジスタR4のポリシリコンのフィールド電極は第2のピンチレジスタR5のポリシリコンのフィールド電極に接続される。ピンチレジスタR4およびR5にはまた、SOI NチャネルトランジスタQ6およびQ7も接続され、トランジスタQ6は連結された本体SOIトランジスタであり、トランジスタQ7はバイアスされた連結本体SOIトランジスタである。
【0047】
ピンチレジスタR3は連結された本体トランジスタQ1、Q6およびQ7に対してバイアスを確立する。本発明に従うと、連結された本体トランジスタQ1、Q6およびQ7はカレントミラートランジスタである。ピンチレジスタR3の抵抗が高いことにより、低電流の特異な適用例のために、連結された本体トランジスタQ1、Q6およびQ7に対して低い電流を確立することができるようになる。ここで認識されるように、既存のN+またはP+シート抵抗は抵抗値が低すぎ、図14に示す適用例には有用でない。
【0048】
同様に、ポリシリコンフィールド電極のピンチレジスタR4およびR5は高い抵抗経路を確立し、バイアスされた連結本体SOIトランジスタQ2およびQ3の制御ゲートをバイアスし、フィールド電極が回路250のローパス時定数を向上させる。当然、図14に示すSOIトランジスタの本体は、上述の電圧に接続され、回路250の低電圧動作を最適化する。
【0049】
上記の開示を考慮した上で、次に、ここに開示された原則は、SOIおよびバルクシリコンの両者の製造処理において用いられるという先行のアプローチを超えて、回路設計の柔軟性および性能にまで広げられることがわかる。さらに、本原則は、高電圧装置(たとえばドリフトフィールド、フィールドプレーテッドおよび傾斜接合MOSFETならびにバイポーラトランジスタ)などの他の多くの電子装置構造にも適用可能である。またさらに、本原則は、高電圧ダイオード、およびさまざまなキャパシタおよびインダクタにも応用でき、ここで論じた連結された本体またはフローティング本体の原則を用いる回路設計者に対しても、これらの装置を利用可能にする。本発明によって明らかになるように、ここに開示された本発明によって提供された柔軟性により性能は向上し、費用は削減される。
【0050】
本発明は、特定の実施例およびその特徴に関してとくに図示され記述される。しかしながら、当業者には、添付の請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から離れることなく形態および詳細に関するさまざまな変更および修正が可能であることが容易にわかるであろう。ここに例示的に開示された本発明は、ここに具体的に開示されないいかなる要素を用いても実行され得る。当然、請求の範囲に単数として表わされるものは、請求の範囲で明白に「唯一」の要素として記載されていない限り、「少なくとも1つの」要素という意味であり、「唯一」の要素を意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】4つのトランジスタを含むSOI装置の概略立面図である。
【図2】部分を除去した、図1に示す装置の概略平面図である。
【図3】この発明のSOI DTMOSの概略平面図である。
【図4】この発明のSOI NPNバイポーラトランジスタの概略平面図である。
【図5】受動的SOI要素の概略平面図である。
【図6】受動的SOIピンチレジスタの概略平面図である。
【図7】図5および図6に示すSOIピンチレジスタの概略立面図である。
【図8】スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)応用のためのSOIダイオードの半分の概略平面図である。
【図9】図8に示す線9−9で示す、図8に示すSOIダイオードの概略立面図である。
【図10】ピンチレジスタを使用するNチャネル高抵抗本体タイ(tie)を示す図である。
【図11】ピンチレジスタを使用するPチャネル高抵抗本体タイを示す図である。
【図12】このSOIピンチレジスタを使用する例示的回路を示す回路図である。
【図13】このSOIダイオードを使用する例示的回路を示す回路図である。
【図14】この発明のSOI構成要素を使用する例示的アナログ差動増幅回路を示す回路図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置であって、
少なくとも第1のシリコン酸化物絶縁体(SOI)トランジスタ(A)および第2のSOIトランジスタ(A)を含み、少なくとも第1のSOIトランジスタ(A)は半導体本体領域(B)を有し、前記装置はさらに、
第1のSOIトランジスタと第2のSOIトランジスタ(A)との間に半導体遷移領域(D)を含み、遷移領域(D)は第1の導電型を有して電力供給電圧源と通じ、第1の導電型および電圧源は第1のSOIトランジスタ(A)を第2のトランジスタから選択的に分離して第1のSOIトランジスタ(A)の本体領域がフローティング効果を現すように選択され、または本体領域(B)がフローティング効果を現さないように本体領域(B)に連結するように選択される、装置。
【請求項2】
遷移領域を電圧源に接続するオーミックコネクタ(E)をさらに含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
遷移領域(D)が比較的重度にドープされた領域(K)および比較的軽度にドープされた領域を含み、オーミックコネクタ(I)が比較的重度にドープされた領域(J)に接触する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1のトランジスタ(Q1,Q4)が第1の導電型を有するソースおよびドレイン領域(18,20)を含み、遷移領域(38,66)が第1のSOIトランジスタ(Q1,Q4)を第2のSOIトランジスタ(Q2,Q3)から分離し、第1のSOIトランジスタの本体(22,64)がフローティング効果を現す、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1のトランジスタ(Q2,Q3)が第1の導電型とは逆の第2の導電型を有するソースおよびドレイン領域(50,52,54,56)を含み、遷移領域(46,60)が第1のSOIトランジスタ(44,58)の本体領域が実質上フローティング効果を現さないように電圧源と連結する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1のSOIトランジスタ(2,1,0)がソースおよびドレイン領域を含み、ソースおよびドレイン領域はN型ドーパントでドープされ、電圧源はトランジスタドレイン電圧源である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
第1のSOIトランジスタがソースおよびドレイン領域を含み、ソースおよびドレイン領域はP型ドーパントでドープされ、電圧源はトランジスタソース電圧源である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
比較的重度にドープされた領域(J)が1立方センチメートルあたり約1019原子から1立方センチメートルあたり約1021原子の値になるようにドープされ、比較的軽度にドープされた領域(K)が1立方センチメートルあたり約1014原子から1立方センチメートルあたり約1018原子の値になるようにドープされる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置であって、第1のトランジスタ(80)がゲート(90)を含み、前記装置はさらに、ゲートと遷移領域(82)とを相互接続して、ダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置を確立するコンダクタ(92)を含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体装置であって、第1のSOIトランジスタ(94)がエミッタ(102)およびゲート(91)を含み、前記装置はさらに、ゲート(96)とエミッタとを相互接続して
横方向のバイポーラトランジスタを確立するコンダクタ(112)を含み、ゲート(96)は第1の導電型である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項11】
電力供給電圧源が、バイアスされた金属酸化物シリコン(MOS)装置(Q2)を確立するための可変の電圧を出力する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
シリコン基板(156)と、
基板(154)上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)と、
SOI層(154)上の第1の導電型を有する少なくとも1つの比較的軽度にドープされた半導体領域(122,122a)と、
比較的軽度にドープされた半導体領域(122,122a)上の第1の導電型を有する少なくとも第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域(124,126,146,156)と、
第1の比較的重度にドープされた半導体領域と第2の比較的重度にドープされた半導体領域との間の少なくとも1つのフィールド酸化物層(123)と、
第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域(124,126,146,148)とそれぞれ接触している少なくとも第1および第2のオーミックコネクタ(128,130,150,152)とを含む、半導体ピンチレジスタ(120,140)。
【請求項13】
フィールド酸化物層(142)上のポリシリコン層と、
ポリシリコン層(142)と接触しているオーミックコネクタ(144)とをさらに含む、請求項12に記載の半導体ピンチレジスタ(120,140)。
【請求項14】
半導体ダイオードであって、
シリコン基板(172)と、
基板(172)上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)層と、
SOI層(172)上の第1の導電型を有する少なくとも1つの比較的軽度にドープされた半導体領域(176)と、
比較的軽度にドープされた半導体領域(172)上のそれぞれ第1および第2の導電型を有する少なくとも第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域(180,182)とを含み、第1および第2の導電型が互いに逆になっており、前記半導体ダイオードはさらに、
第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域とそれぞれ接触している少なくとも第1および第2のオーミックコネクタ(184,186)を含む、半導体ダイオード。
【請求項15】
シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置を製造するための方法であって、
少なくとも1つのシリコン基板(12)上に少なくとも1つのSOI層(14)を堆積するステップと、
SOI層(14)上に少なくとも1つの本体領域(G)を支持するステップとを含み、本体領域(G)は第1の導電型によって特徴づけられ、前記方法はさらに、
少なくとも1つのソースおよびドレイン領域(C)を本体領域(G)と並置するステップを含み、ソースおよびドレイン領域(C)は第2の導電型によって特徴付けられ、前記方法はさらに、
少なくとも1つの遷移領域(H)をSOI層の上方の本体領域近傍に配置するステップを含み、遷移領域(H)は遷移導電型によって特徴づけられ、遷移導電型は本体領域(G)におけるフローティング本体効果を抑制するためには第1の導電型として確立され、遷移導電型は本体領域(G)を分離するためには第2の導電型として確立される、方法。
【請求項16】
遷移領域をオーミックコネクタ(I)と接触させるステップをさらに含む、請求項15
に記載の方法。
【請求項17】
遷移領域(H)において、比較的重度にドープされた領域(J)と比較的軽度にドープされた領域(K)を確立するステップをさらに含み、オーミックコネクタ(I)が比較的重度にドープされた領域(J)に接触する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
オーミックコネクタ(I)を電圧源に接続するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
電圧源は、ソースおよびドレイン領域(C)がN型ドーパントでドープされるときトランジスタドレイン電圧源になるように確立され、電圧源は、ソースおよびドレイン領域がP型ドーパントでドープされるときトランジスタソース電圧源になるように確立される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置であって、
少なくとも1つのSOI層(14)と、
SOI層(14)を支持する少なくとも1つのシリコン基板(12)と、
SOI層(14)上の少なくとも1つの本体領域(G)とを含み、本体領域(G)は第1の導電型によって特徴付けられ、前記装置はさらに、
本体領域(G)と並置された少なくともソースおよびドレイン領域(C)を含み、ソースおよびドレイン領域(C)は第2の導電型によって特徴付けられ、前記装置はさらに、
SOI層(14)上方の本体領域(G)の近傍に配置された少なくとも1つの遷移領域(H)を含み、遷移領域(H)は遷移導電型によって特徴づけられ、遷移導電型は、本体領域(G)におけるフローティング本体効果を抑制するためには第1の導電型に確立され、遷移導電型は、本体領域(G)を分離するためには第2の導電型に確立される、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置。
【請求項21】
遷移領域と電気に接触しているオーミックコネクタ(I)をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
遷移領域(I)が比較的重度にドープされた領域および比較的軽度にドープされた領域(K)を含み、オーミックコネクタ(I)が比較的重度にドープされた領域(J)に接触する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
オーミックコネクタ(I)に接続された電圧源をさらに含み、電圧源は、ソースおよびドレイン領域がN型ドーパントでドープされるときドランジスタドレイン電圧源として確立され、電圧源は、ソースおよびドレイン領域がP型ドーパントでドープされるときトランジスタソース電圧源として確立される、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
比較的重度にドープされた領域(J)が1立方センチメートルあたり約1019原子から1立方センチメートルあたり約1021原子の値になるようにドープされ、比較的軽度にドープされた領域が1立方センチメートルあたり約1014原子から1立方センチメートルあたり約1018原子の値になるようにドープされる、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
ゲート(90)と、
ゲート(90)と遷移領域(82)とを相互接続してダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置を確立するコンダクタとをさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
エミッタ(102)と、
ゲート(95)と、
ゲート(95)とエミッタ(102)とを相互接続して横方向のバイポーラトランジスタ(94)を確立するコンダクタ(112)とを含む装置であって、ゲートは第1の導電型を有する、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
電圧源が、バイアスされた金属酸化物シリコン(MOS)装置を確立するために可変の電圧を出力する、請求項23に記載の装置。
【請求項1】
半導体装置であって、
少なくとも第1のシリコン酸化物絶縁体(SOI)トランジスタ(A)および第2のSOIトランジスタ(A)を含み、少なくとも第1のSOIトランジスタ(A)は半導体本体領域(B)を有し、前記装置はさらに、
第1のSOIトランジスタと第2のSOIトランジスタ(A)との間に半導体遷移領域(D)を含み、遷移領域(D)は第1の導電型を有して電力供給電圧源と通じ、第1の導電型および電圧源は第1のSOIトランジスタ(A)を第2のトランジスタから選択的に分離して第1のSOIトランジスタ(A)の本体領域がフローティング効果を現すように選択され、または本体領域(B)がフローティング効果を現さないように本体領域(B)に連結するように選択される、装置。
【請求項2】
遷移領域を電圧源に接続するオーミックコネクタ(E)をさらに含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
遷移領域(D)が比較的重度にドープされた領域(K)および比較的軽度にドープされた領域を含み、オーミックコネクタ(I)が比較的重度にドープされた領域(J)に接触する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1のトランジスタ(Q1,Q4)が第1の導電型を有するソースおよびドレイン領域(18,20)を含み、遷移領域(38,66)が第1のSOIトランジスタ(Q1,Q4)を第2のSOIトランジスタ(Q2,Q3)から分離し、第1のSOIトランジスタの本体(22,64)がフローティング効果を現す、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1のトランジスタ(Q2,Q3)が第1の導電型とは逆の第2の導電型を有するソースおよびドレイン領域(50,52,54,56)を含み、遷移領域(46,60)が第1のSOIトランジスタ(44,58)の本体領域が実質上フローティング効果を現さないように電圧源と連結する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
第1のSOIトランジスタ(2,1,0)がソースおよびドレイン領域を含み、ソースおよびドレイン領域はN型ドーパントでドープされ、電圧源はトランジスタドレイン電圧源である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
第1のSOIトランジスタがソースおよびドレイン領域を含み、ソースおよびドレイン領域はP型ドーパントでドープされ、電圧源はトランジスタソース電圧源である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
比較的重度にドープされた領域(J)が1立方センチメートルあたり約1019原子から1立方センチメートルあたり約1021原子の値になるようにドープされ、比較的軽度にドープされた領域(K)が1立方センチメートルあたり約1014原子から1立方センチメートルあたり約1018原子の値になるようにドープされる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置であって、第1のトランジスタ(80)がゲート(90)を含み、前記装置はさらに、ゲートと遷移領域(82)とを相互接続して、ダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置を確立するコンダクタ(92)を含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体装置であって、第1のSOIトランジスタ(94)がエミッタ(102)およびゲート(91)を含み、前記装置はさらに、ゲート(96)とエミッタとを相互接続して
横方向のバイポーラトランジスタを確立するコンダクタ(112)を含み、ゲート(96)は第1の導電型である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項11】
電力供給電圧源が、バイアスされた金属酸化物シリコン(MOS)装置(Q2)を確立するための可変の電圧を出力する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
シリコン基板(156)と、
基板(154)上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)と、
SOI層(154)上の第1の導電型を有する少なくとも1つの比較的軽度にドープされた半導体領域(122,122a)と、
比較的軽度にドープされた半導体領域(122,122a)上の第1の導電型を有する少なくとも第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域(124,126,146,156)と、
第1の比較的重度にドープされた半導体領域と第2の比較的重度にドープされた半導体領域との間の少なくとも1つのフィールド酸化物層(123)と、
第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域(124,126,146,148)とそれぞれ接触している少なくとも第1および第2のオーミックコネクタ(128,130,150,152)とを含む、半導体ピンチレジスタ(120,140)。
【請求項13】
フィールド酸化物層(142)上のポリシリコン層と、
ポリシリコン層(142)と接触しているオーミックコネクタ(144)とをさらに含む、請求項12に記載の半導体ピンチレジスタ(120,140)。
【請求項14】
半導体ダイオードであって、
シリコン基板(172)と、
基板(172)上のシリコン酸化物絶縁体(SOI)層と、
SOI層(172)上の第1の導電型を有する少なくとも1つの比較的軽度にドープされた半導体領域(176)と、
比較的軽度にドープされた半導体領域(172)上のそれぞれ第1および第2の導電型を有する少なくとも第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域(180,182)とを含み、第1および第2の導電型が互いに逆になっており、前記半導体ダイオードはさらに、
第1および第2の比較的重度にドープされた半導体領域とそれぞれ接触している少なくとも第1および第2のオーミックコネクタ(184,186)を含む、半導体ダイオード。
【請求項15】
シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置を製造するための方法であって、
少なくとも1つのシリコン基板(12)上に少なくとも1つのSOI層(14)を堆積するステップと、
SOI層(14)上に少なくとも1つの本体領域(G)を支持するステップとを含み、本体領域(G)は第1の導電型によって特徴づけられ、前記方法はさらに、
少なくとも1つのソースおよびドレイン領域(C)を本体領域(G)と並置するステップを含み、ソースおよびドレイン領域(C)は第2の導電型によって特徴付けられ、前記方法はさらに、
少なくとも1つの遷移領域(H)をSOI層の上方の本体領域近傍に配置するステップを含み、遷移領域(H)は遷移導電型によって特徴づけられ、遷移導電型は本体領域(G)におけるフローティング本体効果を抑制するためには第1の導電型として確立され、遷移導電型は本体領域(G)を分離するためには第2の導電型として確立される、方法。
【請求項16】
遷移領域をオーミックコネクタ(I)と接触させるステップをさらに含む、請求項15
に記載の方法。
【請求項17】
遷移領域(H)において、比較的重度にドープされた領域(J)と比較的軽度にドープされた領域(K)を確立するステップをさらに含み、オーミックコネクタ(I)が比較的重度にドープされた領域(J)に接触する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
オーミックコネクタ(I)を電圧源に接続するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
電圧源は、ソースおよびドレイン領域(C)がN型ドーパントでドープされるときトランジスタドレイン電圧源になるように確立され、電圧源は、ソースおよびドレイン領域がP型ドーパントでドープされるときトランジスタソース電圧源になるように確立される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置であって、
少なくとも1つのSOI層(14)と、
SOI層(14)を支持する少なくとも1つのシリコン基板(12)と、
SOI層(14)上の少なくとも1つの本体領域(G)とを含み、本体領域(G)は第1の導電型によって特徴付けられ、前記装置はさらに、
本体領域(G)と並置された少なくともソースおよびドレイン領域(C)を含み、ソースおよびドレイン領域(C)は第2の導電型によって特徴付けられ、前記装置はさらに、
SOI層(14)上方の本体領域(G)の近傍に配置された少なくとも1つの遷移領域(H)を含み、遷移領域(H)は遷移導電型によって特徴づけられ、遷移導電型は、本体領域(G)におけるフローティング本体効果を抑制するためには第1の導電型に確立され、遷移導電型は、本体領域(G)を分離するためには第2の導電型に確立される、シリコン酸化物絶縁体(SOI)装置。
【請求項21】
遷移領域と電気に接触しているオーミックコネクタ(I)をさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
遷移領域(I)が比較的重度にドープされた領域および比較的軽度にドープされた領域(K)を含み、オーミックコネクタ(I)が比較的重度にドープされた領域(J)に接触する、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
オーミックコネクタ(I)に接続された電圧源をさらに含み、電圧源は、ソースおよびドレイン領域がN型ドーパントでドープされるときドランジスタドレイン電圧源として確立され、電圧源は、ソースおよびドレイン領域がP型ドーパントでドープされるときトランジスタソース電圧源として確立される、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
比較的重度にドープされた領域(J)が1立方センチメートルあたり約1019原子から1立方センチメートルあたり約1021原子の値になるようにドープされ、比較的軽度にドープされた領域が1立方センチメートルあたり約1014原子から1立方センチメートルあたり約1018原子の値になるようにドープされる、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
ゲート(90)と、
ゲート(90)と遷移領域(82)とを相互接続してダイナミックスレッショルド金属酸化物シリコン(DTMOS)装置を確立するコンダクタとをさらに含む、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
エミッタ(102)と、
ゲート(95)と、
ゲート(95)とエミッタ(102)とを相互接続して横方向のバイポーラトランジスタ(94)を確立するコンダクタ(112)とを含む装置であって、ゲートは第1の導電型を有する、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
電圧源が、バイアスされた金属酸化物シリコン(MOS)装置を確立するために可変の電圧を出力する、請求項23に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−193101(P2008−193101A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−30550(P2008−30550)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【分割の表示】特願2000−539529(P2000−539529)の分割
【原出願日】平成10年12月16日(1998.12.16)
【出願人】(591016172)アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド (439)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30550(P2008−30550)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【分割の表示】特願2000−539529(P2000−539529)の分割
【原出願日】平成10年12月16日(1998.12.16)
【出願人】(591016172)アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド (439)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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