半導体装置
【課題】金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時にレジスト膜中に定在波が発生するのを防止して金属抵抗素子の寸法バラツキを低減する。
【解決手段】金属抵抗素子27の下地絶縁膜23は、金属抵抗素子27の長手方向において、金属抵抗素子27の接続孔25,25間における上面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。金属抵抗素子27はその長手方向において下地絶縁膜23の曲面に起因して、コンタクト、コンタクト間における上面及び下面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。金属抵抗素子27の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、金属抵抗素子27を形成するための金属膜の上面及び下面で露光光の反射光は上記曲面により散乱されるので、反射光と入射光によるレジスト膜中での定在波の発生が防止される。
【解決手段】金属抵抗素子27の下地絶縁膜23は、金属抵抗素子27の長手方向において、金属抵抗素子27の接続孔25,25間における上面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。金属抵抗素子27はその長手方向において下地絶縁膜23の曲面に起因して、コンタクト、コンタクト間における上面及び下面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。金属抵抗素子27の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、金属抵抗素子27を形成するための金属膜の上面及び下面で露光光の反射光は上記曲面により散乱されるので、反射光と入射光によるレジスト膜中での定在波の発生が防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、下地絶縁膜上に形成された金属抵抗素子を備え、その金属抵抗素子の長手方向の両端にそれぞれコンタクトが接続されている半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アナログ集積回路において、抵抗素子は重要な素子として多用されている。近年、抵抗素子の中でも金属薄膜からなる抵抗体(金属抵抗素子と称す)がその抵抗値の温度依存性(以下TCRという)の低さから注目を集めている。金属抵抗素子の材料としては、例えばクロムシリコン(CrSi)やニッケルクロム(NiCr)、窒化タンタル(TaN)、クロムシリサイド(CrSi2)、窒化クロムシリサイド(CrSiN)、クロムシリコンオキシ(CrSi0)などが用いられる(例えば特許文献1〜3を参照)。
金属抵抗素子を備えた半導体装置において、高集積化の要求を満たすために、より高いシート抵抗を目指し、500Å(オングストローム)以下という薄い膜厚で金属抵抗素子を形成することが多い。
【0003】
図20は従来の半導体装置を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のX−X位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。図20において(A)での下地絶縁膜及び最終保護膜の図示は省略している。
【0004】
シリコン基板1上に素子分離酸化膜3が形成されている。素子分離酸化膜3の形成位置を含んでシリコン基板1上に層間絶縁膜5が形成されている。層間絶縁膜5上に、TEOS(tetra ethyl ortho silicate)膜11とTEOS膜13の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。層間絶縁膜13上に、金属抵抗素子のコンタクトをとるための金属膜パターン15が形成されている。金属膜パターン15の上面にTiN膜17が形成されている。
【0005】
金属膜パターン15の形成位置を含んでTEOS膜13上に、TEOS膜19とTEOS膜23の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。TEOS膜19,23は、金属膜パターン15,15間で平坦に形成されている。
金属抵抗素子の両端に対応する位置で、金属膜パターン15上のTEOS膜19,23に接続孔25が形成されている。
【0006】
接続孔25内及びTEOS膜23上に、接続孔25,25間の領域から接続孔25内及び金属膜パターン15上にわたって例えばCrSi膜からなる金属抵抗素子27が形成されている。金属抵抗素子27の両端部は接続孔25内でTiN膜17及び金属膜パターン15と電気的に接続されている。
TEOS膜23上及び金属抵抗素子27上に最終保護膜29が形成されている。
【0007】
図21は、図20に示した金属抵抗素子27の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンを形成する際のレジスト膜への露光時の状態を概略的に示す断面図である。
【0008】
レジスト膜33a表面から入射した露光光の入射光(下向き矢印参照)は、金属抵抗素子を形成するためのCrSi膜27a、層間絶縁膜を構成する絶縁膜23,19,13,11等を透過する際にその一部が吸収されたり、反射されて反射光(上向き矢印参照)になったりする。
【0009】
一般的に光の反射は屈折率の異なる物質が接する界面で起こるとされており、種々の層間絶縁膜が形成された金属抵抗素子の下層膜では、各界面で入射光の一部が反射され、その反射光がさらにその上層の界面で反射されるといった多重反射が繰り返される。
【0010】
このように多重反射を繰り返してCrSi膜27a表面に戻ってきた入射光の一部は、CrSi膜27a表面で反射された光や入射光と干渉を起こし、レジスト膜33a中に定在波を形成する。一般的にレジストの露光によるパターニングでは、レジスト表面からの入射光のみならず、半導体基板側からの反射光による定在波が大きく関与しており、この定在波の強弱はレジスト膜パターンの寸法に大きく影響を与えるとされている。したがって、CrSi膜27aの下層膜から反射してきた光は、各絶縁膜の膜厚や膜質(屈折率等)のバラツキの影響を当然受けるため、レジスト膜33a中に発生する定在波も各絶縁膜のバラツキの影響を受け、レジスト膜パターンの寸法バラツキに大きく影響する。
【0011】
また、この定在波の強度を大きく決定する要因として、シリコン基板からの反射光の強度が挙げられる。ここで、反射率Rは下記の式(1)で算出される。
R=(nf−nons)2÷(nf+nons)2 ・・・(1)
式(1)で、noは入射媒質の屈折率、nfは膜の屈折率、nsは基材の屈折率である。
【0012】
式(1)に示す通り、界面における反射光の強度は界面における屈折率の差と強い相関があり、実際に半導体装置に用いられる絶縁膜の屈折率は1.4〜2.2程度(波長:365nm時)であり、シリコン基板の屈折率(5.5前後)とは大きな隔たりがある。つまり、各絶縁膜界面における反射光の強度は、シリコン基板表面での反射光の強度より相対的に弱く、シリコン基板表面での反射強度が定在波の強度に強く影響していると考えられる。
【0013】
【特許文献1】特開2004−304068号公報
【特許文献2】特開2005−303051号公報
【特許文献3】特開2005−268317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
金属抵抗素子の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンの寸法にバラツキが生じると、金属抵抗素子の寸法バラツキが大きくなり、ひいては金属抵抗素子の抵抗値バラツキが大きくなる。
そこで本発明は、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時にレジスト膜中に定在波が発生するのを防止して金属抵抗素子の寸法バラツキを低減することができる半導体装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる半導体装置は、半導体基板上に形成された下地絶縁膜と、下地絶縁膜上に形成された金属抵抗素子を備え、その金属抵抗素子の長手方向の両端にそれぞれコンタクトが接続されている半導体装置であって、上記下地絶縁膜は、上記金属抵抗素子の長手方向において、上記コンタクト、上記コンタクト間における上面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えており、上記金属抵抗素子は、その長手方向において、上記曲面に起因して、上記コンタクト、上記コンタクト間における上面及び下面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。
本発明の半導体装置では、金属抵抗素子の長手方向において、下地絶縁膜の上面ならびに金属抵抗素子の上面及び下面は上側に凸の1つの曲面を備えているので、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、金属抵抗素子を形成するための金属膜の上面及び下面で露光光の反射光は上記曲面により散乱される。
【0016】
本発明の半導体装置において、上記下地絶縁膜下に、上記下地絶縁膜の上記曲面を形成するための金属膜パターンが形成されている例を挙げることができる。
その金属膜パターンの材料として、例えば高融点金属を上げることができる。
また、金属膜パターンの上面に高融点金属が形成されているようにしてもよい。
【0017】
また、上記金属抵抗素子の長手方向において、上記金属膜パターンはその上面及び下面の少なくとも一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の半導体装置では、金属抵抗素子下の下地絶縁膜は、金属抵抗素子の長手方向において、コンタクト、コンタクト間における上面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えており、金属抵抗素子は、その長手方向において、上記曲面に起因して、コンタクト、コンタクト間における上面及び下面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えているようにしたので、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、金属抵抗素子を形成するための金属膜の上面及び下面で露光光の反射光は上記曲面により散乱されるので、反射光と入射光によりレジスト膜中に定在波が発生するのを防止することができ、金属抵抗素子の寸法バラツキを低減することができる。
【0019】
上記下地絶縁膜下に、上記下地絶縁膜の上記曲面を形成するための金属膜パターンが形成されているようにすれば、下地絶縁膜に上記曲面を形成することができる。
その金属膜パターンは高融点金属で形成されているようにするか、又は金属膜パターンの上面に高融点金属が形成されているようにすれば、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、高融点金属の上面での露光光の反射を防止することができ、露光光の反射光を低減して、金属抵抗素子の寸法バラツキを低減することができる。
【0020】
また、上記金属抵抗素子の長手方向において、上記金属膜パターンはその上面及び下面の少なくとも一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えているようにすれば、金属膜パターンの上面で露光光の反射光を散乱させることができるので、金属抵抗素子の寸法バラツキをさらに低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は一実施例を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。図1において(A)での下地絶縁膜及び最終保護膜の図示は省略している。以下に説明する実施例では同一基板上にトランジスタ素子や容量素子、ヒューズ素子などが形成されているが、図ではそれらの素子の図示は省略する。
【0022】
シリコン基板(半導体基板)1上に素子分離酸化膜3が形成されている。素子分離酸化膜3の形成位置を含んでシリコン基板1上にBPSG(Borophospho silicate glass)膜又はPSG(phospho silicate glass)膜からなる層間絶縁膜5が形成されている。層間絶縁膜5上に例えばAlSiCu膜からなる金属膜パターン7が形成されている。金属膜パターン7は、後述する下地絶縁膜及び金属抵抗素子の表面に曲面を形成するためのものである。金属膜パターン7の上面にTiN膜9が形成されている。ここで、TiN膜9が他の高融点金属(Ti、TiW、WSi、W等)でもよい。また、TiN膜9は形成されていなくてもよい。また、金属膜パターン7は高融点金属で形成されていてもよい。
【0023】
金属膜パターン7の形成位置を含んで層間絶縁膜5上に、TEOS膜11とTEOS膜13の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。TEOS膜11の上面は、平坦化処理が施されており、断面方向で金属膜パターン7上に1つの曲面を備えている。その曲面に起因して、層間絶縁膜13の上面にも曲面が形成されている。
【0024】
層間絶縁膜13上に例えばAlSiCu膜からなる金属膜パターン15が形成されている。金属膜パターン15は、後述する金属抵抗素子のコンタクトをとるためのものであり、金属抵抗素子の両端に対応する位置にそれぞれ配置されている。金属膜パターン15の上面にTiN膜17が形成されている。ここで、TiN膜17が他の高融点金属(Ti、TiW、WSi、W等)でもよい。また、TiN膜17は形成されていなくてもよい。また、金属膜パターン15は高融点金属で形成されていてもよい。
【0025】
金属膜パターン15の形成位置を含んでTEOS膜13上に、TEOS膜19とSOG(spin on glass)膜21とTEOS膜(下地絶縁膜)23の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。TEOS膜19,21の上面は、TEOS膜13の上面の曲面、ひいては金属膜パターン7に起因して、断面方向で金属膜パターン7上に1つの曲面を備えている。
【0026】
金属抵抗素子の両端に対応する位置で、金属膜パターン15上のTEOS膜19,21に接続孔(コンタクト)25が形成されている。
接続孔25内及びTEOS膜23上に、接続孔25,25間の領域から接続孔25内及び金属膜パターン15上にわたってCrSi膜からなる金属抵抗素子27が形成されている。金属抵抗素子27の両端部は接続孔25内でTiN膜17及び金属膜パターン15と電気的に接続されている。
【0027】
(B),(C)に示すように、金属抵抗素子27は、その長手方向において、接続孔25,25間における上面及び下面の一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。
TEOS膜23上及び金属抵抗素子27上に最終保護膜29が形成されている。
【0028】
図2、図3及び図4は、図1に示した実施例の製造工程例を示す工程断面図である。図2、図3及び図4のかっこ数字は以下に説明する工程(1)〜(14)に対応している。図5は、製造工程例の工程(3)で形成されるSOG膜の膜厚分布を説明するための平面図である。図1〜図5を参照して図1に示した実施例の製造工程例を説明する。
【0029】
(1)シリコン基板1上に素子分離酸化膜3を6000Åの膜厚に形成する。MOSトランジスタのゲート電極用ポリシリコン膜パターン(図示せず)を形成した後、膜厚が8000ÅのBPSG膜からなる層間絶縁膜5を形成し、さらにその上に膜厚が7000ÅのAlSiCu膜7aを形成し、さらにその上にTiN膜9aを300Åの膜厚に形成する。
【0030】
(2)公知の写真製版技術とエッチング技術を用いて、TiN膜9aとAlSiCu膜7aをパターニングして、金属抵抗素子の下を含んだ領域に金属膜パターン7とTiN膜9を形成する。
【0031】
(3)全面にTEOS膜11aを5000Åの膜厚に形成する。TEOS膜11a上にSOG膜31を4000Åの膜厚に形成する。このとき、金属膜パターン7上のSOG膜31は、その特性により金属膜パターン7の中央から周辺部にかけて広い領域で曲面をもった形状に塗布される。
【0032】
図5にSOG膜31の膜厚分布を示した平面図を示す。
金属膜パターン7上にSOG膜31が塗布された時、金属膜パターン7の周辺部付近ではSOG膜31は薄く塗布され、金属膜パターン7の中央付近では平坦面に塗布される膜厚に近い膜厚が塗布される。これにより、SOG膜31は、図5中に破線で図示した等高線31aに示されたような膜厚分布で塗布される。したがって、塗布されたSOG膜31は、断面的には金属膜パターン7上及びその周辺の広い範囲で曲面を描くこととなる。
【0033】
図2に戻って製造工程の説明を続ける。
(4)配線信頼性確保のために異方性エッチングによりSOG膜31及びTEOS膜11aに対してエッチバック処理を行なう。このとき、SOG膜31の表面形状がTEOS膜11aに転写され、エッチバック処理後のTEOS膜11の表面は曲面を有する形状となる。エッチバックの処理条件としては、並行平板型プラズマエッチング装置にて、圧力:1700mTorr、RFパワー:600W、Ar流量:1000sccm、CHF3流量:47sccm、CF4流量:53sccmの条件で、TEOS膜11aのエッチング量換算で5750Å分のエッチングを行なった。ただし、通常、SOG膜のエッチバック処理は、平坦度を確保するために異方性エッチングとなる条件で処理されるため、SOG膜31表面の曲面は問題無くTEOS膜11の表面に転写される。ここではSOG膜31を完全に除去するまでエッチバックしているが、段差部にのみ又は全面にSOG膜31が残った状態でもかまわない。また、エッチバック処理を行なわず、SOG膜31をそのまま残存させる方法も可能である。
【0034】
(5)TEOS膜11上に、さらに配線信頼性確保のためのTEOS膜13を4000Åの膜厚に形成する。TEOS膜11上面の曲面に起因してTEOS膜13の上面に曲面が形成される。TEOS膜13上に2層目金属配線用のAlSiCu膜15aを7000Åの膜厚に形成し、さらにその上にTiN膜17aを300Åの膜厚に形成する。
【0035】
(6)公知の写真製版技術とエッチング技術を用いて、TiN膜17a及びAlSiCu膜15aをパターニングして、金属抵抗素子の電極となる金属膜パターン15及びTiN膜17を形成する。
【0036】
(7)全面にTEOS膜19aを5000Åの膜厚に形成する。TEOS膜19a上にSOG膜21aを4000Åの膜厚に形成する。このとき、上記工程(5)で形成したTEOS膜13上面の曲面は非常に緩やかな曲面であり、SOG膜の特性として急峻な段差部にのみ厚く塗布されるため、TEOS膜13の曲面上でSOG膜21aによって平坦化される度合は僅かであり、SOG膜21aの上面にはTEOS膜13上面の曲面に対応して曲面が維持される。
【0037】
(8)配線信頼性確保のために異方性エッチングによりSOG膜21a及びTEOS膜19aに対してエッチバック処理を行なってSOG膜21及びTEOS膜19を形成する。このとき、異方性エッチングを用いているので、TEOS膜19の上面には曲面が維持されている。
【0038】
(9)TEOS膜19上及びSOG膜21上に、さらなる配線信頼性確保のためのTEOS膜23を2500Åの膜厚に形成する。TEOS膜23の上面にはTEOS膜21上面の曲面に起因して曲面が形成される。
【0039】
(10)公知の写真製版技術とエッチング技術を用いて、金属膜パターン15上のTEOS膜23及びTEOS膜21上に接続孔25を形成する。
【0040】
(11)TEOS膜23上及び接続孔25内に、金属抵抗素子を形成するためのCrSi膜27aを100Åの膜厚に形成する。CrSi膜27aの上面及び下面にはTEOS膜23上面の曲面に起因して曲面が形成される。CrSi膜27a上にレジスト膜33aを形成する。金属抵抗素子の形成位置を画定するためのフォトマスクを用いて、レジスト膜33aに対して露光処理を行なう。
【0041】
この露光処理において、図21に示した従来技術とは異なり、CrSi膜27aの上面及び下面が曲面を有しているため、CrSi膜27a上面における反射光が散乱される(図中矢印参照。)。これにより、露光光の入射光と反射光によるレジスト膜33a内での定在波の形成が阻害される。
【0042】
さらに、CrSi膜27aとTEOS膜23の界面や、CrSi膜27aよりも下層側の絶縁膜23,13,11の界面も曲面を有しているため、これらの界面における反射光も散乱されることとなり、レジスト膜33a中に形成される定在波の形成が阻害される。
【0043】
加えて、金属抵抗素子となるCrSi膜27a部分の下に配置されたTiN膜9の効果により、TiN膜9表面での露光光反射が大幅に軽減されるため、さらに定在波の形成は大きく阻害される。また、TiN膜9及び金属膜パターン7を配置したことにより、金属膜パターン7よりも下層に配置された膜の界面における光の反射は発生しなくなるため、これら下層膜の膜厚は反射率のバラツキが定在波の強弱に影響を与えることはなくなる。
【0044】
図4に戻って製造工程の説明を続ける。
(12)レジスト膜33aへの露光処理後、現像処理及び洗浄処理を施してレジスト膜パターン33を形成する。上述のように、レジスト膜33aへの露光処理時にレジスト膜33a内での定在波の形成を防止しているので、レジスト膜パターン33を精度よく形成することができる。
【0045】
(13)公知のエッチング技術により、レジスト膜パターン33をマスクにしてCrSi膜27aをパターニングして金属抵抗素子27を形成する。その後、レジスト膜パターン33を除去する(図1参照)。
【0046】
このように、レジスト膜33aへの露光処理時にレジスト膜33a内での定在波の形成を防止することにより、レジスト膜パターン33、ひいては金属抵抗素子27を精度よく形成することができ、金属抵抗素子27の寸法バラツキを低減することができる。
【0047】
図6に、金属抵抗素子の抵抗長さに締める曲面の割合(曲面率)と抵抗値バラツキの関係を示す。図7は曲面率の算出方法について説明するための金属抵抗素子及び金属膜パターンを概略的に示す平面図である。曲面率は金属抵抗素子27に曲面を導入するための金属膜パターン7の長さL2と抵抗体長L1より、L2÷L1×100(%)で求めた。サンプルは、金属抵抗素子27の幅が1.2μmのものを用い、その他の寸法条件は上記製造工程例で説明したものと同じである。表1に、抵抗値測定に用いたサンプルのL1、L2、曲面率、バラツキを示す。
【0048】
【表1】
【0049】
図6及び表1の結果から、曲面率が高くなるに従ってサンプル間のバラツキが大きく改善されていることが確認された。図6のグラフより、曲面率が40%以上、好ましくは66%以上であれば、金属抵抗素子の下層よりの反射光の強度の違いによる抵抗のバラツキを軽減できることがわかる。
【0050】
図8は、金属抵抗素子の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンの寸法バラツキを調べた結果を示す図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示す。サンプルとしては、抵抗幅:1.2μm、抵抗長さ:58μmの金属抵抗素子をスペース2.2μmで85本並べたパターンを形成するためのレジスト膜パターンを用い、これら85本の抵抗のうち端から2,12,22,32,42,52,62,72,82本目のレジスト膜パターンの寸法を測定した。この9回の測定をウェハ2枚についておのおのウェハ面内5点で行ない、計90本のレジスト膜パターン寸法測定を、曲面を導入したパターン(本発明)と導入していないパターン(従来技術)についてそれぞれ実施した。曲面の導入は長さ54.6μmの金属膜パターンを金属抵抗素子の下に配置することにより実施した。用いたサンプルの製造条件は上記製造工程例と同じである。
図8に示したように、金属抵抗素子に曲面を導入した本発明の場合には、導入しない従来技術の場合に比べ、約半分程度の寸法バラツキであることがわかる。
【0051】
図9〜図19は、それぞれ他の実施例を示す断面図である。図9〜図19で図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
【0052】
図9に示した実施例では、金属抵抗素子27に曲面を導入するための金属膜パターン35が2層目の金属配線層によって形成されている。金属膜パターン35の表面にはTiN膜17が形成されている。
この実施例では、金属抵抗素子27の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンを形成するためのレジスト膜への露光時において、露光光の反射に寄与する界面の数を図1に示した実施例に比べて少なくすることができるので、レジスト膜中に発生する定在波をばらつかせる要因が減少する。
【0053】
図10に示した実施例では、図1に示した実施例に比べて、金属抵抗素子27に曲面を導入するための、2層目の金属配線層によって形成された金属膜パターン35が追加されている。金属膜パターン35は、その下層側の金属膜パターン7に起因して、金属抵抗素子27の長手方向において上面及び下面が上側に凸の1つの曲面を備えている。これにより、露光光の反射光を金属膜パターン35の上面で散乱させることができるので、金属抵抗素子27の寸法バラツキをさらに低減することができる。
【0054】
以上のように、金属抵抗素子そのものに曲面をもたせること、金属抵抗素子の下層絶縁膜界面に曲面をもたせること、金属抵抗素子下に配置した金属配線表面に形成した高融点金属による反射軽減効果、及び金属抵抗素子下に配置した金属配線表面に曲面をもたせることによる定在波軽減効果が、金属抵抗素子のレジスト寸法バラツキを軽減可能であることがわかる。
【0055】
以上の実施例では、金属抵抗素子27へ曲面を導入する金属膜パターン7を金属抵抗素子27の電極となる金属膜パターン15,15の間の領域に形成しているが、図11に示すように、金属膜パターン15,15の領域を含んだ領域に金属抵抗素子27へ曲面を導入する金属膜パターン7を形成してもよい。
【0056】
また、図10に示した実施例では、金属膜パターン35に曲面を導入するためのパターンとして金属膜パターン7を使用しているが、図12に示すように、金属膜パターン7の下層にポリシリコン膜パターン37を配置することにより、金属膜パターン7に曲面を導入することが可能である。
【0057】
また、図13に示すように、図12に示した実施例のポリシリコン膜パターン37の替わりに素子分離膜パターン39を使用することも可能である。
さらに、図14に示すように、ポリシリコン膜パターン37と素子分離膜パターン39を組み合わせた曲面導入パターンも有効である。
【0058】
以上では、2層目金属配線層からなる金属膜パターン15を金属抵抗素子27の電極として用いる実施例を示したが、1層目金属配線層からなる金属膜パターン41を金属抵抗素子27の電極として用いる場合は、金属抵抗素子27の下に金属膜パターン7を配置したり(図15参照)、ポリシリコン膜パターン37を配置したり(図16参照)、素子分離膜パターン39を配置したり(図17参照)、金属膜パターン7、ポリシリコン膜パターン37、素子分離膜パターン39のうちの2つ又は3つを組み合わせたりすることにより、金属抵抗素子27に曲面を導入できる。
【0059】
また、ポリシリコン膜パターン43を金属抵抗素子27の電極として用いる場合は、金属抵抗素子27の下にポリシリコン膜パターン37を配置したり(図18参照)、素子分離膜パターン39(図19参照)を配置したり、ポリシリコン膜パターン37と素子分離膜パターン39を組み合わせたりすることにより、金属抵抗素子27に曲面を導入できる。
【0060】
以上の実施例では、単層金属配線構造又は2層金属配線構造の半導体装置への適用例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3層以上の金属配線構造の半導体装置への適用も可能である。さらに3層以上の金属配線構造における金属抵抗素子へ曲面を導入するパターンへの曲面の導入についても、より下層のパターンの配置によって達成が可能である。その時、下層のパターンは任意の組み合わせで選択が可能である。また、金属抵抗素子の電極として金属抵抗素子より下層の金属配線を用いた例を示しているが、金属抵抗素子より上層の金属配線を電極として用いても構わない。
【0061】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、形状、配置、個数、材料、寸法などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】一実施例を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。
【図2】図1に示した実施例の製造工程例を示す工程断面図である。
【図3】同製造工程例の続きの工程を示す断面図である。
【図4】同製造工程例のさらに続きの工程を示す断面図である。
【図5】製造工程例の工程(3)で形成されるSOG膜の膜厚分布を説明するための平面図である。
【図6】本発明の半導体装置において、金属抵抗素子の抵抗長さに締める曲面の割合(曲面率)と抵抗値バラツキの関係を示す図である。
【図7】曲面率の算出方法について説明するための金属抵抗素子及び金属膜パターンを概略的に示す平面図である。
【図8】金属抵抗素子の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンの寸法バラツキを調べた結果を示す図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示す。
【図9】他の実施例を示す断面図である。
【図10】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図11】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図12】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図13】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図14】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図15】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図16】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図17】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図18】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図19】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図20】従来の半導体装置を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のX−X位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。
【図21】図20に示した金属抵抗素子27の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンを形成する際のレジスト膜への露光時の状態を概略的に示す断面図である
【符号の説明】
【0063】
1 シリコン基板(半導体基板)
7 金属膜パターン
9 TiN膜
23 TEOS膜(下地絶縁膜)
27 金属抵抗素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、下地絶縁膜上に形成された金属抵抗素子を備え、その金属抵抗素子の長手方向の両端にそれぞれコンタクトが接続されている半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アナログ集積回路において、抵抗素子は重要な素子として多用されている。近年、抵抗素子の中でも金属薄膜からなる抵抗体(金属抵抗素子と称す)がその抵抗値の温度依存性(以下TCRという)の低さから注目を集めている。金属抵抗素子の材料としては、例えばクロムシリコン(CrSi)やニッケルクロム(NiCr)、窒化タンタル(TaN)、クロムシリサイド(CrSi2)、窒化クロムシリサイド(CrSiN)、クロムシリコンオキシ(CrSi0)などが用いられる(例えば特許文献1〜3を参照)。
金属抵抗素子を備えた半導体装置において、高集積化の要求を満たすために、より高いシート抵抗を目指し、500Å(オングストローム)以下という薄い膜厚で金属抵抗素子を形成することが多い。
【0003】
図20は従来の半導体装置を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のX−X位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。図20において(A)での下地絶縁膜及び最終保護膜の図示は省略している。
【0004】
シリコン基板1上に素子分離酸化膜3が形成されている。素子分離酸化膜3の形成位置を含んでシリコン基板1上に層間絶縁膜5が形成されている。層間絶縁膜5上に、TEOS(tetra ethyl ortho silicate)膜11とTEOS膜13の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。層間絶縁膜13上に、金属抵抗素子のコンタクトをとるための金属膜パターン15が形成されている。金属膜パターン15の上面にTiN膜17が形成されている。
【0005】
金属膜パターン15の形成位置を含んでTEOS膜13上に、TEOS膜19とTEOS膜23の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。TEOS膜19,23は、金属膜パターン15,15間で平坦に形成されている。
金属抵抗素子の両端に対応する位置で、金属膜パターン15上のTEOS膜19,23に接続孔25が形成されている。
【0006】
接続孔25内及びTEOS膜23上に、接続孔25,25間の領域から接続孔25内及び金属膜パターン15上にわたって例えばCrSi膜からなる金属抵抗素子27が形成されている。金属抵抗素子27の両端部は接続孔25内でTiN膜17及び金属膜パターン15と電気的に接続されている。
TEOS膜23上及び金属抵抗素子27上に最終保護膜29が形成されている。
【0007】
図21は、図20に示した金属抵抗素子27の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンを形成する際のレジスト膜への露光時の状態を概略的に示す断面図である。
【0008】
レジスト膜33a表面から入射した露光光の入射光(下向き矢印参照)は、金属抵抗素子を形成するためのCrSi膜27a、層間絶縁膜を構成する絶縁膜23,19,13,11等を透過する際にその一部が吸収されたり、反射されて反射光(上向き矢印参照)になったりする。
【0009】
一般的に光の反射は屈折率の異なる物質が接する界面で起こるとされており、種々の層間絶縁膜が形成された金属抵抗素子の下層膜では、各界面で入射光の一部が反射され、その反射光がさらにその上層の界面で反射されるといった多重反射が繰り返される。
【0010】
このように多重反射を繰り返してCrSi膜27a表面に戻ってきた入射光の一部は、CrSi膜27a表面で反射された光や入射光と干渉を起こし、レジスト膜33a中に定在波を形成する。一般的にレジストの露光によるパターニングでは、レジスト表面からの入射光のみならず、半導体基板側からの反射光による定在波が大きく関与しており、この定在波の強弱はレジスト膜パターンの寸法に大きく影響を与えるとされている。したがって、CrSi膜27aの下層膜から反射してきた光は、各絶縁膜の膜厚や膜質(屈折率等)のバラツキの影響を当然受けるため、レジスト膜33a中に発生する定在波も各絶縁膜のバラツキの影響を受け、レジスト膜パターンの寸法バラツキに大きく影響する。
【0011】
また、この定在波の強度を大きく決定する要因として、シリコン基板からの反射光の強度が挙げられる。ここで、反射率Rは下記の式(1)で算出される。
R=(nf−nons)2÷(nf+nons)2 ・・・(1)
式(1)で、noは入射媒質の屈折率、nfは膜の屈折率、nsは基材の屈折率である。
【0012】
式(1)に示す通り、界面における反射光の強度は界面における屈折率の差と強い相関があり、実際に半導体装置に用いられる絶縁膜の屈折率は1.4〜2.2程度(波長:365nm時)であり、シリコン基板の屈折率(5.5前後)とは大きな隔たりがある。つまり、各絶縁膜界面における反射光の強度は、シリコン基板表面での反射光の強度より相対的に弱く、シリコン基板表面での反射強度が定在波の強度に強く影響していると考えられる。
【0013】
【特許文献1】特開2004−304068号公報
【特許文献2】特開2005−303051号公報
【特許文献3】特開2005−268317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
金属抵抗素子の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンの寸法にバラツキが生じると、金属抵抗素子の寸法バラツキが大きくなり、ひいては金属抵抗素子の抵抗値バラツキが大きくなる。
そこで本発明は、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時にレジスト膜中に定在波が発生するのを防止して金属抵抗素子の寸法バラツキを低減することができる半導体装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる半導体装置は、半導体基板上に形成された下地絶縁膜と、下地絶縁膜上に形成された金属抵抗素子を備え、その金属抵抗素子の長手方向の両端にそれぞれコンタクトが接続されている半導体装置であって、上記下地絶縁膜は、上記金属抵抗素子の長手方向において、上記コンタクト、上記コンタクト間における上面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えており、上記金属抵抗素子は、その長手方向において、上記曲面に起因して、上記コンタクト、上記コンタクト間における上面及び下面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。
本発明の半導体装置では、金属抵抗素子の長手方向において、下地絶縁膜の上面ならびに金属抵抗素子の上面及び下面は上側に凸の1つの曲面を備えているので、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、金属抵抗素子を形成するための金属膜の上面及び下面で露光光の反射光は上記曲面により散乱される。
【0016】
本発明の半導体装置において、上記下地絶縁膜下に、上記下地絶縁膜の上記曲面を形成するための金属膜パターンが形成されている例を挙げることができる。
その金属膜パターンの材料として、例えば高融点金属を上げることができる。
また、金属膜パターンの上面に高融点金属が形成されているようにしてもよい。
【0017】
また、上記金属抵抗素子の長手方向において、上記金属膜パターンはその上面及び下面の少なくとも一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の半導体装置では、金属抵抗素子下の下地絶縁膜は、金属抵抗素子の長手方向において、コンタクト、コンタクト間における上面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えており、金属抵抗素子は、その長手方向において、上記曲面に起因して、コンタクト、コンタクト間における上面及び下面の40%以上、好ましくは66%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えているようにしたので、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、金属抵抗素子を形成するための金属膜の上面及び下面で露光光の反射光は上記曲面により散乱されるので、反射光と入射光によりレジスト膜中に定在波が発生するのを防止することができ、金属抵抗素子の寸法バラツキを低減することができる。
【0019】
上記下地絶縁膜下に、上記下地絶縁膜の上記曲面を形成するための金属膜パターンが形成されているようにすれば、下地絶縁膜に上記曲面を形成することができる。
その金属膜パターンは高融点金属で形成されているようにするか、又は金属膜パターンの上面に高融点金属が形成されているようにすれば、金属抵抗素子の形成位置を画定するための写真製版技術における露光時に、高融点金属の上面での露光光の反射を防止することができ、露光光の反射光を低減して、金属抵抗素子の寸法バラツキを低減することができる。
【0020】
また、上記金属抵抗素子の長手方向において、上記金属膜パターンはその上面及び下面の少なくとも一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えているようにすれば、金属膜パターンの上面で露光光の反射光を散乱させることができるので、金属抵抗素子の寸法バラツキをさらに低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は一実施例を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。図1において(A)での下地絶縁膜及び最終保護膜の図示は省略している。以下に説明する実施例では同一基板上にトランジスタ素子や容量素子、ヒューズ素子などが形成されているが、図ではそれらの素子の図示は省略する。
【0022】
シリコン基板(半導体基板)1上に素子分離酸化膜3が形成されている。素子分離酸化膜3の形成位置を含んでシリコン基板1上にBPSG(Borophospho silicate glass)膜又はPSG(phospho silicate glass)膜からなる層間絶縁膜5が形成されている。層間絶縁膜5上に例えばAlSiCu膜からなる金属膜パターン7が形成されている。金属膜パターン7は、後述する下地絶縁膜及び金属抵抗素子の表面に曲面を形成するためのものである。金属膜パターン7の上面にTiN膜9が形成されている。ここで、TiN膜9が他の高融点金属(Ti、TiW、WSi、W等)でもよい。また、TiN膜9は形成されていなくてもよい。また、金属膜パターン7は高融点金属で形成されていてもよい。
【0023】
金属膜パターン7の形成位置を含んで層間絶縁膜5上に、TEOS膜11とTEOS膜13の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。TEOS膜11の上面は、平坦化処理が施されており、断面方向で金属膜パターン7上に1つの曲面を備えている。その曲面に起因して、層間絶縁膜13の上面にも曲面が形成されている。
【0024】
層間絶縁膜13上に例えばAlSiCu膜からなる金属膜パターン15が形成されている。金属膜パターン15は、後述する金属抵抗素子のコンタクトをとるためのものであり、金属抵抗素子の両端に対応する位置にそれぞれ配置されている。金属膜パターン15の上面にTiN膜17が形成されている。ここで、TiN膜17が他の高融点金属(Ti、TiW、WSi、W等)でもよい。また、TiN膜17は形成されていなくてもよい。また、金属膜パターン15は高融点金属で形成されていてもよい。
【0025】
金属膜パターン15の形成位置を含んでTEOS膜13上に、TEOS膜19とSOG(spin on glass)膜21とTEOS膜(下地絶縁膜)23の積層膜からなる層間絶縁膜が形成されている。TEOS膜19,21の上面は、TEOS膜13の上面の曲面、ひいては金属膜パターン7に起因して、断面方向で金属膜パターン7上に1つの曲面を備えている。
【0026】
金属抵抗素子の両端に対応する位置で、金属膜パターン15上のTEOS膜19,21に接続孔(コンタクト)25が形成されている。
接続孔25内及びTEOS膜23上に、接続孔25,25間の領域から接続孔25内及び金属膜パターン15上にわたってCrSi膜からなる金属抵抗素子27が形成されている。金属抵抗素子27の両端部は接続孔25内でTiN膜17及び金属膜パターン15と電気的に接続されている。
【0027】
(B),(C)に示すように、金属抵抗素子27は、その長手方向において、接続孔25,25間における上面及び下面の一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている。
TEOS膜23上及び金属抵抗素子27上に最終保護膜29が形成されている。
【0028】
図2、図3及び図4は、図1に示した実施例の製造工程例を示す工程断面図である。図2、図3及び図4のかっこ数字は以下に説明する工程(1)〜(14)に対応している。図5は、製造工程例の工程(3)で形成されるSOG膜の膜厚分布を説明するための平面図である。図1〜図5を参照して図1に示した実施例の製造工程例を説明する。
【0029】
(1)シリコン基板1上に素子分離酸化膜3を6000Åの膜厚に形成する。MOSトランジスタのゲート電極用ポリシリコン膜パターン(図示せず)を形成した後、膜厚が8000ÅのBPSG膜からなる層間絶縁膜5を形成し、さらにその上に膜厚が7000ÅのAlSiCu膜7aを形成し、さらにその上にTiN膜9aを300Åの膜厚に形成する。
【0030】
(2)公知の写真製版技術とエッチング技術を用いて、TiN膜9aとAlSiCu膜7aをパターニングして、金属抵抗素子の下を含んだ領域に金属膜パターン7とTiN膜9を形成する。
【0031】
(3)全面にTEOS膜11aを5000Åの膜厚に形成する。TEOS膜11a上にSOG膜31を4000Åの膜厚に形成する。このとき、金属膜パターン7上のSOG膜31は、その特性により金属膜パターン7の中央から周辺部にかけて広い領域で曲面をもった形状に塗布される。
【0032】
図5にSOG膜31の膜厚分布を示した平面図を示す。
金属膜パターン7上にSOG膜31が塗布された時、金属膜パターン7の周辺部付近ではSOG膜31は薄く塗布され、金属膜パターン7の中央付近では平坦面に塗布される膜厚に近い膜厚が塗布される。これにより、SOG膜31は、図5中に破線で図示した等高線31aに示されたような膜厚分布で塗布される。したがって、塗布されたSOG膜31は、断面的には金属膜パターン7上及びその周辺の広い範囲で曲面を描くこととなる。
【0033】
図2に戻って製造工程の説明を続ける。
(4)配線信頼性確保のために異方性エッチングによりSOG膜31及びTEOS膜11aに対してエッチバック処理を行なう。このとき、SOG膜31の表面形状がTEOS膜11aに転写され、エッチバック処理後のTEOS膜11の表面は曲面を有する形状となる。エッチバックの処理条件としては、並行平板型プラズマエッチング装置にて、圧力:1700mTorr、RFパワー:600W、Ar流量:1000sccm、CHF3流量:47sccm、CF4流量:53sccmの条件で、TEOS膜11aのエッチング量換算で5750Å分のエッチングを行なった。ただし、通常、SOG膜のエッチバック処理は、平坦度を確保するために異方性エッチングとなる条件で処理されるため、SOG膜31表面の曲面は問題無くTEOS膜11の表面に転写される。ここではSOG膜31を完全に除去するまでエッチバックしているが、段差部にのみ又は全面にSOG膜31が残った状態でもかまわない。また、エッチバック処理を行なわず、SOG膜31をそのまま残存させる方法も可能である。
【0034】
(5)TEOS膜11上に、さらに配線信頼性確保のためのTEOS膜13を4000Åの膜厚に形成する。TEOS膜11上面の曲面に起因してTEOS膜13の上面に曲面が形成される。TEOS膜13上に2層目金属配線用のAlSiCu膜15aを7000Åの膜厚に形成し、さらにその上にTiN膜17aを300Åの膜厚に形成する。
【0035】
(6)公知の写真製版技術とエッチング技術を用いて、TiN膜17a及びAlSiCu膜15aをパターニングして、金属抵抗素子の電極となる金属膜パターン15及びTiN膜17を形成する。
【0036】
(7)全面にTEOS膜19aを5000Åの膜厚に形成する。TEOS膜19a上にSOG膜21aを4000Åの膜厚に形成する。このとき、上記工程(5)で形成したTEOS膜13上面の曲面は非常に緩やかな曲面であり、SOG膜の特性として急峻な段差部にのみ厚く塗布されるため、TEOS膜13の曲面上でSOG膜21aによって平坦化される度合は僅かであり、SOG膜21aの上面にはTEOS膜13上面の曲面に対応して曲面が維持される。
【0037】
(8)配線信頼性確保のために異方性エッチングによりSOG膜21a及びTEOS膜19aに対してエッチバック処理を行なってSOG膜21及びTEOS膜19を形成する。このとき、異方性エッチングを用いているので、TEOS膜19の上面には曲面が維持されている。
【0038】
(9)TEOS膜19上及びSOG膜21上に、さらなる配線信頼性確保のためのTEOS膜23を2500Åの膜厚に形成する。TEOS膜23の上面にはTEOS膜21上面の曲面に起因して曲面が形成される。
【0039】
(10)公知の写真製版技術とエッチング技術を用いて、金属膜パターン15上のTEOS膜23及びTEOS膜21上に接続孔25を形成する。
【0040】
(11)TEOS膜23上及び接続孔25内に、金属抵抗素子を形成するためのCrSi膜27aを100Åの膜厚に形成する。CrSi膜27aの上面及び下面にはTEOS膜23上面の曲面に起因して曲面が形成される。CrSi膜27a上にレジスト膜33aを形成する。金属抵抗素子の形成位置を画定するためのフォトマスクを用いて、レジスト膜33aに対して露光処理を行なう。
【0041】
この露光処理において、図21に示した従来技術とは異なり、CrSi膜27aの上面及び下面が曲面を有しているため、CrSi膜27a上面における反射光が散乱される(図中矢印参照。)。これにより、露光光の入射光と反射光によるレジスト膜33a内での定在波の形成が阻害される。
【0042】
さらに、CrSi膜27aとTEOS膜23の界面や、CrSi膜27aよりも下層側の絶縁膜23,13,11の界面も曲面を有しているため、これらの界面における反射光も散乱されることとなり、レジスト膜33a中に形成される定在波の形成が阻害される。
【0043】
加えて、金属抵抗素子となるCrSi膜27a部分の下に配置されたTiN膜9の効果により、TiN膜9表面での露光光反射が大幅に軽減されるため、さらに定在波の形成は大きく阻害される。また、TiN膜9及び金属膜パターン7を配置したことにより、金属膜パターン7よりも下層に配置された膜の界面における光の反射は発生しなくなるため、これら下層膜の膜厚は反射率のバラツキが定在波の強弱に影響を与えることはなくなる。
【0044】
図4に戻って製造工程の説明を続ける。
(12)レジスト膜33aへの露光処理後、現像処理及び洗浄処理を施してレジスト膜パターン33を形成する。上述のように、レジスト膜33aへの露光処理時にレジスト膜33a内での定在波の形成を防止しているので、レジスト膜パターン33を精度よく形成することができる。
【0045】
(13)公知のエッチング技術により、レジスト膜パターン33をマスクにしてCrSi膜27aをパターニングして金属抵抗素子27を形成する。その後、レジスト膜パターン33を除去する(図1参照)。
【0046】
このように、レジスト膜33aへの露光処理時にレジスト膜33a内での定在波の形成を防止することにより、レジスト膜パターン33、ひいては金属抵抗素子27を精度よく形成することができ、金属抵抗素子27の寸法バラツキを低減することができる。
【0047】
図6に、金属抵抗素子の抵抗長さに締める曲面の割合(曲面率)と抵抗値バラツキの関係を示す。図7は曲面率の算出方法について説明するための金属抵抗素子及び金属膜パターンを概略的に示す平面図である。曲面率は金属抵抗素子27に曲面を導入するための金属膜パターン7の長さL2と抵抗体長L1より、L2÷L1×100(%)で求めた。サンプルは、金属抵抗素子27の幅が1.2μmのものを用い、その他の寸法条件は上記製造工程例で説明したものと同じである。表1に、抵抗値測定に用いたサンプルのL1、L2、曲面率、バラツキを示す。
【0048】
【表1】
【0049】
図6及び表1の結果から、曲面率が高くなるに従ってサンプル間のバラツキが大きく改善されていることが確認された。図6のグラフより、曲面率が40%以上、好ましくは66%以上であれば、金属抵抗素子の下層よりの反射光の強度の違いによる抵抗のバラツキを軽減できることがわかる。
【0050】
図8は、金属抵抗素子の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンの寸法バラツキを調べた結果を示す図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示す。サンプルとしては、抵抗幅:1.2μm、抵抗長さ:58μmの金属抵抗素子をスペース2.2μmで85本並べたパターンを形成するためのレジスト膜パターンを用い、これら85本の抵抗のうち端から2,12,22,32,42,52,62,72,82本目のレジスト膜パターンの寸法を測定した。この9回の測定をウェハ2枚についておのおのウェハ面内5点で行ない、計90本のレジスト膜パターン寸法測定を、曲面を導入したパターン(本発明)と導入していないパターン(従来技術)についてそれぞれ実施した。曲面の導入は長さ54.6μmの金属膜パターンを金属抵抗素子の下に配置することにより実施した。用いたサンプルの製造条件は上記製造工程例と同じである。
図8に示したように、金属抵抗素子に曲面を導入した本発明の場合には、導入しない従来技術の場合に比べ、約半分程度の寸法バラツキであることがわかる。
【0051】
図9〜図19は、それぞれ他の実施例を示す断面図である。図9〜図19で図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付す。
【0052】
図9に示した実施例では、金属抵抗素子27に曲面を導入するための金属膜パターン35が2層目の金属配線層によって形成されている。金属膜パターン35の表面にはTiN膜17が形成されている。
この実施例では、金属抵抗素子27の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンを形成するためのレジスト膜への露光時において、露光光の反射に寄与する界面の数を図1に示した実施例に比べて少なくすることができるので、レジスト膜中に発生する定在波をばらつかせる要因が減少する。
【0053】
図10に示した実施例では、図1に示した実施例に比べて、金属抵抗素子27に曲面を導入するための、2層目の金属配線層によって形成された金属膜パターン35が追加されている。金属膜パターン35は、その下層側の金属膜パターン7に起因して、金属抵抗素子27の長手方向において上面及び下面が上側に凸の1つの曲面を備えている。これにより、露光光の反射光を金属膜パターン35の上面で散乱させることができるので、金属抵抗素子27の寸法バラツキをさらに低減することができる。
【0054】
以上のように、金属抵抗素子そのものに曲面をもたせること、金属抵抗素子の下層絶縁膜界面に曲面をもたせること、金属抵抗素子下に配置した金属配線表面に形成した高融点金属による反射軽減効果、及び金属抵抗素子下に配置した金属配線表面に曲面をもたせることによる定在波軽減効果が、金属抵抗素子のレジスト寸法バラツキを軽減可能であることがわかる。
【0055】
以上の実施例では、金属抵抗素子27へ曲面を導入する金属膜パターン7を金属抵抗素子27の電極となる金属膜パターン15,15の間の領域に形成しているが、図11に示すように、金属膜パターン15,15の領域を含んだ領域に金属抵抗素子27へ曲面を導入する金属膜パターン7を形成してもよい。
【0056】
また、図10に示した実施例では、金属膜パターン35に曲面を導入するためのパターンとして金属膜パターン7を使用しているが、図12に示すように、金属膜パターン7の下層にポリシリコン膜パターン37を配置することにより、金属膜パターン7に曲面を導入することが可能である。
【0057】
また、図13に示すように、図12に示した実施例のポリシリコン膜パターン37の替わりに素子分離膜パターン39を使用することも可能である。
さらに、図14に示すように、ポリシリコン膜パターン37と素子分離膜パターン39を組み合わせた曲面導入パターンも有効である。
【0058】
以上では、2層目金属配線層からなる金属膜パターン15を金属抵抗素子27の電極として用いる実施例を示したが、1層目金属配線層からなる金属膜パターン41を金属抵抗素子27の電極として用いる場合は、金属抵抗素子27の下に金属膜パターン7を配置したり(図15参照)、ポリシリコン膜パターン37を配置したり(図16参照)、素子分離膜パターン39を配置したり(図17参照)、金属膜パターン7、ポリシリコン膜パターン37、素子分離膜パターン39のうちの2つ又は3つを組み合わせたりすることにより、金属抵抗素子27に曲面を導入できる。
【0059】
また、ポリシリコン膜パターン43を金属抵抗素子27の電極として用いる場合は、金属抵抗素子27の下にポリシリコン膜パターン37を配置したり(図18参照)、素子分離膜パターン39(図19参照)を配置したり、ポリシリコン膜パターン37と素子分離膜パターン39を組み合わせたりすることにより、金属抵抗素子27に曲面を導入できる。
【0060】
以上の実施例では、単層金属配線構造又は2層金属配線構造の半導体装置への適用例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3層以上の金属配線構造の半導体装置への適用も可能である。さらに3層以上の金属配線構造における金属抵抗素子へ曲面を導入するパターンへの曲面の導入についても、より下層のパターンの配置によって達成が可能である。その時、下層のパターンは任意の組み合わせで選択が可能である。また、金属抵抗素子の電極として金属抵抗素子より下層の金属配線を用いた例を示しているが、金属抵抗素子より上層の金属配線を電極として用いても構わない。
【0061】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、形状、配置、個数、材料、寸法などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】一実施例を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のA−A位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。
【図2】図1に示した実施例の製造工程例を示す工程断面図である。
【図3】同製造工程例の続きの工程を示す断面図である。
【図4】同製造工程例のさらに続きの工程を示す断面図である。
【図5】製造工程例の工程(3)で形成されるSOG膜の膜厚分布を説明するための平面図である。
【図6】本発明の半導体装置において、金属抵抗素子の抵抗長さに締める曲面の割合(曲面率)と抵抗値バラツキの関係を示す図である。
【図7】曲面率の算出方法について説明するための金属抵抗素子及び金属膜パターンを概略的に示す平面図である。
【図8】金属抵抗素子の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンの寸法バラツキを調べた結果を示す図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示す。
【図9】他の実施例を示す断面図である。
【図10】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図11】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図12】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図13】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図14】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図15】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図16】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図17】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図18】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図19】さらに他の実施例を示す断面図である。
【図20】従来の半導体装置を示す断面図であり、(A)は金属抵抗素子の形成位置を示す平面図、(B)は(A)のX−X位置での断面図、(C)は(B)の断面に対応する走査イオン顕微鏡の画像である。
【図21】図20に示した金属抵抗素子27の形成位置を画定するためのレジスト膜パターンを形成する際のレジスト膜への露光時の状態を概略的に示す断面図である
【符号の説明】
【0063】
1 シリコン基板(半導体基板)
7 金属膜パターン
9 TiN膜
23 TEOS膜(下地絶縁膜)
27 金属抵抗素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成された下地絶縁膜と、下地絶縁膜上に形成された金属抵抗素子を備え、その金属抵抗素子の長手方向の両端にそれぞれコンタクトが接続されている半導体装置において、
前記下地絶縁膜は、前記金属抵抗素子の長手方向において、前記コンタクト、前記コンタクト間における上面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えており、
前記金属抵抗素子は、その長手方向において、前記曲面に起因して、前記コンタクト、前記コンタクト間における上面及び下面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記下地絶縁膜下に、前記下地絶縁膜の前記曲面を形成するための金属膜パターンが形成されている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
金属膜パターンは高融点金属で形成されている請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
金属膜パターンの上面に高融点金属が形成されている請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属抵抗素子の長手方向において、前記金属膜パターンはその上面及び下面の少なくとも一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている請求項2から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項1】
半導体基板上に形成された下地絶縁膜と、下地絶縁膜上に形成された金属抵抗素子を備え、その金属抵抗素子の長手方向の両端にそれぞれコンタクトが接続されている半導体装置において、
前記下地絶縁膜は、前記金属抵抗素子の長手方向において、前記コンタクト、前記コンタクト間における上面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えており、
前記金属抵抗素子は、その長手方向において、前記曲面に起因して、前記コンタクト、前記コンタクト間における上面及び下面の40%以上の部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記下地絶縁膜下に、前記下地絶縁膜の前記曲面を形成するための金属膜パターンが形成されている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
金属膜パターンは高融点金属で形成されている請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
金属膜パターンの上面に高融点金属が形成されている請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属抵抗素子の長手方向において、前記金属膜パターンはその上面及び下面の少なくとも一部分を占める上側に凸の1つの曲面を備えている請求項2から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−251616(P2008−251616A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87778(P2007−87778)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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