説明

半導体装置

【課題】高周波数動作が可能な半導体装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、基板10上に設けられたGaN電子走行層14と、GaN電子走行層14上に設けられたAlNスペーサ層16と、AlNスペーサ層16上に設けられたInAlN電子供給層18と、InAlN電子供給層18上に設けられたゲート電極24とゲート電極24を挟むソース電極26およびドレイン電極28と、を備え、AlNスペーサ層16の膜厚が、0.5nm以上1.25nm以下の半導体装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体を用いた半導体装置は、高周波かつ高出力で動作するパワー素子などに用いられている。例えば、非特許文献1には、半絶縁性基板上に、バッファ層、GaN電子走行層、AlGaN電子供給層を順次積層し、AlGaN電子供給層との界面近傍でGaN電子走行層に発生する2次元電子ガス(2DEG:two dimensional electron gas)を利用して動作するHEMT(High Electron Mobility transistor)構造の半導体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】高橋清監修、「ワイドギャップ半導体光・電子デバイス」、森北出版、2006年3月31日、p.242−243
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HEMT構造の半導体装置において、より高周波数での動作を求める要望が強くなっている。より高周波数での動作を実現するには、相互コンダクタンスを高くすることが求められ、具体的には、AlGaN電子供給層を薄くした状態で2次元電子ガスのシート抵抗を低くすることが求められる。
【0005】
2次元電子ガスのシート抵抗を低くするためには、AlGaN電子供給層のAl組成比を上げて、より高濃度の2次元電子ガスを発生させることが考えられる。しかしながら、高Al組成のAlGaN電子供給層はGaN電子走行層との格子不整合が大きくなるため、2次元電子ガスの移動度が低下してしまう。2次元電子ガスの移動度の低下は、2次元電子ガスのシート抵抗の増大をもたらしてしまう。一方、Al組成比を上げずに単純にAlGaN電子供給層を薄くした場合は、2次元電子ガスの濃度が低下し、2次元電子ガスのシート抵抗が高くなってしまう。このように、AlGaN電子供給層を用いたHEMT構造の半導体装置では、高周波数動作の限界が生じている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高周波数動作が可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板上に設けられた窒化物半導体からなる電子走行層と、前記電子走行層上に設けられたAlNからなるスペーサ層と、前記スペーサ層上に設けられたInAlNからなる電子供給層と、前記電子供給層上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を挟むソース電極およびドレイン電極と、を備え、前記スペーサ層の膜厚は、0.5nm以上1.25nm以下であることを特徴とする半導体装置である。本発明によれば、InAlNからなる電子供給層の表面平坦性を良好にでき、また、2次元電子ガスのシート抵抗を低くすることができるため、高周波数動作が可能となる。
【0008】
上記構成において、前記スペーサ層の膜厚は、0.5nm以上0.8nm以下である構成とすることができる。この構成によれば、InAlNからなる電子供給層の表面平坦性をより良好にでき、2次元電子ガスの移動度の低下をより抑制できる。
【0009】
上記構成において、前記電子供給層上に設けられたGaN層を備える構成とすることができる。この構成によれば、InAlNからなる電子供給層の表面が酸化されることを抑制できる。
【0010】
上記構成において、前記電子走行層は、GaNである構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記電子供給層のIn組成比は、12%以上35%以下である構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記電子供給層のIn組成比は、12%以上18%以下である構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記電子供給層のIn組成比は、17%以上18%以下である構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記電子供給層の表面におけるHaze値は、120ppm以下である構成とすることができる。
【0015】
上記構成において、前記電子供給層の表面におけるHaze値は、50ppm以下である構成とすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、InAlNからなる電子供給層の表面平坦性を良好にでき、また、2次元電子ガスのシート抵抗を低くすることができるため、高周波数動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、2次元電子ガスのシート抵抗とInAlN電子供給層の表面平坦性を測定するために作製したエピタキシャル層の断面図の例である。
【図2】図2は、AlNスペーサ層の膜厚に対する2次元電子ガスのシート抵抗の測定結果を示す図である。
【図3】図3は、AlNスペーサ層の膜厚に対するInAlN電子供給層の表面平坦性の測定結果を示す図である。
【図4】図4は、実施例1に係る半導体装置の断面図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず初めに、発明者が行った実験について説明する。図1は、2次元電子ガスのシート抵抗とInAlN電子供給層の表面平坦性を測定するために作製したエピタキシャル層の断面図の例である。エピタキシャル層は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて成長される。図1を参照して、まず、SiCからなる基板10を、MOCVD装置の成長炉内にセットする。そして、基板10上に、以下の成長条件にて、AlNからなるバッファ層12を成長させる。なお、以下に説明する結晶成長には、特に注釈しないかぎり、キャリアガスとして水素を用いる。
原料ガス:TMA(トリメチルアルミニウム)、NH(アンモニア)
成長温度:1000℃
膜厚 :20nm
【0019】
バッファ層12上に、以下の成長条件にて、GaN電子走行層14を成長させる。
原料ガス:TMG(トリメチルガリウム)、NH
成長温度:1000℃
膜厚 :1000nm
【0020】
GaN電子走行層14上に、以下の成長条件にて、AlNスペーサ層16を成長させる。
原料ガス:TMA、NH
成長温度:1000℃
膜厚 :0nm〜2nm
【0021】
キャリアガスを水素から窒素に変えた後、AlNスペーサ層16上に、以下の成長条件にて、InAlN電子供給層18を成長させる。
原料ガス:TMI(トリメチルインジウム)、TMA、NH
成長温度:800℃
III族組成比(In組成比):17%
膜厚 :6nm
【0022】
本実験で電子供給層として使用したInAlNは、GaNと格子整合し、またInAlNとGaNの大きな自発分極差と、伝導帯の大きな不連続により、高濃度の2次元電子ガスが得られることが期待できる。即ち、InAlN電子供給層18を用いることで、InAlN電子供給層18を薄層化させた状態でも、2次元電子ガスのシート抵抗が低くなることが期待できる。また、GaN電子走行層14とInAlN電子供給層18の間にAlNスペーサ層16を設けている。これは、AlNスペーサ層16を設けることで、2次元電子ガスの移動度の向上が期待できるためである。なお、2次元電子ガスの移動度の向上という観点からは、GaN電子走行層14とInAlN電子供給層18の間にAlGaNスペーサ層を設けることも考えられるが、AlNスペーサ層とすることで、製造を容易にすることができる。
【0023】
ここで、AlNスペーサ層16の膜厚を0nm〜2nmの間で振って作製した複数のエピタキシャル層それぞれについて、GaN電子走行層14に生成される2次元電子ガスのシート抵抗と、InAlN電子供給層18の表面平坦性を測定した。図2は、AlNスペーサ層16の膜厚に対する2次元電子ガスのシート抵抗の測定結果を示す図である。図3は、AlNスペーサ層16の膜厚に対するInAlN電子供給層18の表面平坦性の測定結果を示す図である。なお、AlNスペーサ層16の膜厚は、断面TEM(Transmission Electron Microscope)により測定した。
【0024】
図2を参照して、2次元電子ガスのシート抵抗は、AlNスペーサ層16を設けない場合(AlNスペーサ層16の膜厚が0nmの場合)に比べて、AlNスペーサ層16を設けた場合の方が小さくなることが分かる。また、2次元電子ガスのシート抵抗は、AlNスペーサ層16の膜厚に依存していて、具体的には、AlNスペーサ層16の膜厚が0nmから0.5nmの間では、膜厚が厚くなるに従い2次元電子ガスのシート抵抗は急激に低下し、その後、0.5nmから1nmの間では、ゆっくりと低下する。そして、AlNスペーサ層16の膜厚が1nmを超えると、膜厚が厚くなるに従い徐々に2次元電子ガスのシート抵抗は上昇する。
【0025】
図2のグラフから、2次元電子ガスのシート抵抗を小さくするには、AlNスペーサ層16の膜厚は0.5nm以上とするのがよいこと分かる。例えば、AlGaN電子供給層を用いた場合では、2次元電子ガスのシート抵抗を300Ω/sqr以下にすることは難しいが、InAlN電子供給層18を用いると、AlNスペーサ層16の膜厚を0.5nm以上1.5nm以下とすることで、2次元電子ガスのシート抵抗は300Ω/sqr以下となる。
【0026】
次に、図3を用いて、InAlN電子供給層18の表面平坦性を説明する。InAlN電子供給層18の表面モフォロジーは、電子移動度に影響を与えるため、InAlN電子供給層18の表面は平坦であることが求められる。つまり、InAlN電子供給層18の平坦性が劣化すると、2次元電子ガスの移動度も低下してしまうことになる。2次元電子ガスの移動度の低下は、2次元電子ガスのシート抵抗の増大をもたらすため、相互コンダクタンスが小さくなり、高周波数特性が劣化してしまう。
【0027】
図3を参照して、InAlN電子供給層18の表面平坦性は、AlNスペーサ層16の膜厚に依存していることが分かる。具体的には、AlNスペーサ層16の膜厚が0nmから0.8nmまでは、InAlN電子供給層18の表面のHaze値は50ppm以下であり、良好な表面平坦性を示している。AlNスペーサ層16の膜厚が0.8nmより厚くなると、InAlN電子供給層18の表面のHaze値は大きくなっていき、AlNスペーサ層16の膜厚が1.25nmを境にHaze値は急激に大きくなる。AlNスペーサ層16の膜厚が1.25nmの場合のHaze値は120ppm程度である。そして、AlNスペーサ層16の膜厚が1.75nm以上となると、InAlN電子供給層18の表面のHaze値は300ppm程度に飽和する。このことから、InAlN電子供給層18の表面平坦性の観点からは、AlNスペーサ層16の膜厚は1.25nm以下とするのがよいことが分かる。
【0028】
なお、図2および図3に示した測定結果は、AlNスペーサ層16の成長条件(例えば成長圧力やV/III比など)には依存せず、成長条件を変更しても、図2および図3に示す結果と同様の傾向が得られた。
【0029】
そこで、上記の実験結果を踏まえて、高周波数動作が可能な半導体装置の実施例について以下に説明する。
【実施例1】
【0030】
図4は、実施例1に係る半導体装置の断面図の例である。図4を参照して、SiC基板である基板10上に、AlNからなり、膜厚が20nmのバッファ層12が設けられている。バッファ層12上に、膜厚が1000nmのGaN電子走行層14が設けられている。GaN電子走行層14上に、膜厚が0.5nm〜1.25nmのAlNスペーサ層16が設けられている。AlNスペーサ層16上に、膜厚が6nm、In組成比が17%で、GaN電子走行層14に2次元電子ガス20を生成するInAlN電子供給層18が設けられている。InAlN電子供給層18上に、膜厚が5nmのGaN層22が設けられている。GaN層22上に、ゲート電極24と、ゲート電極24を挟むソース電極26およびドレイン電極28と、が設けられている。ゲート電極24は、例えばGaN層22側からNi(ニッケル)、Au(金)が順次積層された2層構造をしている。ソース電極26およびドレイン電極28は、例えばGaN層22側からTi(チタン)、Al(アルミニウム)が順次積層された2層構造をしている。GaN層22上であって、ゲート電極24、ソース電極26、およびドレイン電極28が設けられていない領域には、例えばSiN(窒化シリコン)からなる保護膜30が設けられている。
【0031】
バッファ層12からInAlN電子供給層18は、図1で説明した成長により形成することができる。GaN層22は、MOCVD法を用いて、以下の成長条件にて、InAlN電子供給層18上に成長させることができる。
原料ガス:TMG、NH
成長温度:1000℃
膜厚 :5nm
【0032】
ゲート電極24、ソース電極26、ドレイン電極28、および保護膜30は以下の方法により形成することができる。まず、GaN層22上に、例えば蒸着法およびリフトオフ法を用いて、ゲート電極24と、ゲート電極24を挟むソース電極26およびドレイン電極28と、を形成する。次いで、例えばプラズマCVD法(プラズマ化学気相成長法)を用いて、ゲート電極24、ソース電極26、およびドレイン電極28が形成された領域を除いたGaN層22上に、保護膜30を形成する。
【0033】
以上説明してきたように、実施例1によれば、基板10上にGaN電子走行層14が設けられ、GaN電子走行層14上にAlNスペーサ層16が設けられ、AlNスペーサ層16上にInAlN電子供給層18が設けられ、InAlN電子供給層18上にゲート電極24と、ゲート電極24を挟むソース電極26およびドレイン電極28とが設けられている。例えば、AlNスペーサ層16は、GaN電子走行層14上に接して設けられ、InAlN電子供給層18は、AlNスペーサ層16上に接して設けられている。そして、AlNスペーサ層16の膜厚は0.5nm以上1.25nm以下である。図3で説明したように、InAlN電子供給層18の表面平坦性の劣化は、2次元電子ガスの移動度の低下をもたらすことから、高周波数特性の劣化を引き起こしてしまう。しかしながら、実施例1に係る半導体装置では、AlNスペーサ層16の膜厚を0.5nm以上1.25nm以下としているため、図3のように、InAlN電子供給層18の表面平坦性を良好にすることができ、また、図2のように、2次元電子ガスのシート抵抗を低くすることができる。このため、高周波数動作が可能となる。
【0034】
図3のように、AlNスペーサ層16の膜厚が薄いと、InAlN電子供給層18の表面のHaze値は小さく、良好な表面平坦性を得ることができる。このことから、より良好な表面平坦性を得るには、AlNスペーサ層16の膜厚は、1.0nm以下の場合が好ましく、0.8nm以下の場合がより好ましい。したがって、高周波数動作を可能とすべく、2次元電子ガスの移動度の低下をより抑えるためには、AlNスペーサ層16の膜厚は、0.5nm以上1.0nm以下の場合が好ましく、0.5nm以上0.8nm以下の場合がより好ましい。
【0035】
図3のように、AlNスペーサ層16の膜厚を0.5nm以上1.25nm以下とした場合、InAlN電子供給層18の表面におけるHaze値は120ppm以下にすることができる。また、AlNスペーサ層16の膜厚を0.5nm以上0.8nm以下とした場合、InAlN電子供給層18の表面におけるHaze値は50ppm以下にすることができる。
【0036】
図2のように、2次元電子ガスのシート抵抗は、AlNスペーサ層16の膜厚が0.5nmまでは急激に低下し、その後、1.0nmまでは徐々に低下する。このことから、AlNスペーサ層16の膜厚は、0.6nm以上の場合が好ましく、0.8nm以上の場合がさらに好ましい。したがって、高周波数動作を可能とするためには、AlNスペーサ層16の膜厚は、0.6nm以上1.25nm以下の場合が好ましく、0.8nm以上1.25nm以下の場合がより好ましい。
【0037】
図4のように、InAlN電子供給層18上にGaN層22が設けられている。例えば、GaN層22は、InAlN電子供給層18上に接して設けられている。InAlN電子供給層18は、Alを含んでいるため、大気に曝されると表面酸化が進み易く、酸化アルミニウムなどが形成され、大きな不良要因となってしまう。したがって、InAlN電子供給層18上にGaN層22が設けられていない場合でもよいが、InAlN電子供給層18の表面酸化を抑制する点からは、GaN層22が設けられている場合が好ましい。
【0038】
図4のように、GaN層22に凹部を設けず、GaN層22の上面にゲート電極24、ソース電極26、およびドレイン電極28を設ける場合を例に示したが、これに限られるわけではない。例えば、GaN層22に凹部を設けて、この凹部にゲート電極26を設けたゲートリセス構造の場合でもよく、またオーミックリセス構造の場合でもよい。
【0039】
InAlN電子供給層18のIn組成比は17%である場合を例に示したが、これに限られない。In組成比は、12%以上35%以下の範囲内であることが好ましい。In組成比が12%より小さいまたは35%より大きい場合は、a軸方向の格子歪みが大きくクラックが生じてしまうためである。また、In組成比が18%以下であると、2次元電子ガスのシート抵抗が下がっていく傾向にあるから、In組成比は、12%以上18%以下であることがより好ましい。さらに、In組成比が17%以上18%以下であることがさらに好ましい。In組成比が17%以上18%以下である場合は、InAlNはGaNと格子整合するので格子歪みが抑制されるためである。
【0040】
GaN層22は、i型の場合でもn型の場合でもよい。n型の場合は、表面電荷が安定し易く、また高温でn型のGaNを成長することでドーパントの活性化率が上がり、より表面電荷が安定されるため、デバイス全体のバンド構造が安定化し不良が低減する。なお、nドーパントとしてはSiH(シラン)を用いることができる。
【0041】
基板10はSiC基板である場合を例に示したが、その他に、Si基板、GaN基板、サファイア基板、Ga基板などを用いることができる。バッファ層12はAlNである場合を例に示したが、その他に、InN、InGaN、InAlN、AlInGaNなどの窒化物半導体を用いることができる。また、成長に用いる原料は、上述した原料の他に、Al原料としてTEA(トリエチルアルミニウム)、Ga原料としてTEG(トリエチルガリウム)を用いることができる。また、電子走行層は、GaN電子走行層14である場合を例に示したが、この場合に限られず、BαAlβGaγIn1−α−β−γNからなる窒化物半導体であって、電子供給層のInAl1−XNとa軸格子定数が合うように下記の式を満たす材料を用いることができる。
2.55α+3.11β+3.19γ+3.55(1−α−β−γ)=3.55X+3.11(1−X)
【0042】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 基板
12 バッファ層
14 GaN電子走行層
16 AlNスペーサ層
18 InAlN電子供給層
20 2次元電子ガス
22 GaN層
24 ゲート電極
26 ソース電極
28 ドレイン電極
30 保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた窒化物半導体からなる電子走行層と、
前記電子走行層上に設けられたAlNからなるスペーサ層と、
前記スペーサ層上に設けられたInAlNからなる電子供給層と、
前記電子供給層上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を挟むソース電極およびドレイン電極と、を備え、
前記スペーサ層の膜厚は、0.5nm以上1.25nm以下であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記スペーサ層の膜厚は、0.5nm以上0.8nm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電子供給層上に設けられたGaN層を備えることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電子走行層は、GaNであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記電子供給層のIn組成比は、12%以上35%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記電子供給層のIn組成比は、12%以上18%以下であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記電子供給層のIn組成比は、17%以上18%以下であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項8】
前記電子供給層の表面におけるHaze値は、120ppm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の半導体装置。
【請求項9】
前記電子供給層の表面におけるHaze値は、50ppm以下であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−256706(P2012−256706A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128650(P2011−128650)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】