説明

基板処理方法および基板処理装置

【課題】基板の表面周縁領域のうち処理領域に薬液を供給して当該処理領域の不要物をエッチング除去する基板処理方法および基板処理装置において、当該エッチング除去により表面周縁領域に形成される処理領域と非処理領域の界面を良好なものとする。
【解決手段】基板Wの表面周縁領域(=NTR2+TR)のうち非処理領域NTR2にリンス液を供給して表面周縁領域をリンス液で覆った状態で処理領域TRに薬液が供給されて当該処理領域TRの不要物(薄膜TF)がエッチング除去されて当該表面周縁領域に処理領域TRと非処理領域NTR2の界面が形成される。このように表面周縁領域全体をリンス液で覆いながらエッチング除去を行っているので、非処理領域NTR2側への薬液付着やリンス不良を防止することができ、表面周縁領域に処理領域とTR非処理領域NTR2の界面を良好に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面周縁領域に周端面側に位置する処理領域と処理領域の内側に位置する非処理領域を有する、基板に処理液を供給して処理領域に存在する不要物を除去する基板処理方法および基板処理装置に関するものである。ここでは、処理対象となる基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の基板の一連の処理工程においては、基板の表面にフォトレジスト等の薄膜を形成するための成膜工程を複数工程有しているが、この成膜工程では基板表面の周縁部あるいは基板裏面にも成膜されることがある。しかしながら、一般的には基板において成膜が必要なのは基板表面の中央部の回路形成領域のみであり、基板表面の周縁部に成膜されてしまうと、成膜工程の後工程において、他の装置との接触により基板表面の周縁部に形成された薄膜が剥がれたりすることがあり、これが原因となって歩留まりの低下や基板処理装置自体のトラブルが起こることがある。
【0003】
そこで、基板表面の周縁部に形成された薄膜を除去するために、例えば特許文献1に記載された装置が提案されている。この装置では、その表面に薄膜が形成された基板を基板保持手段によって基板裏面を吸着保持するとともに、該基板保持手段を回転させる。また、基板の表面側には基板の半径よりも小さな半径を有する円板状の遮断板(遮断部材)を基板表面に対向配置するとともに基板回転軸と同軸上に回転させる。この状態で、遮断板の上面に薬液を供給すると、薬液は遮断板の縁部から基板表面の周縁部へと落下して、該表面周縁領域の薄膜が選択的にエッチング除去される。
【0004】
【特許文献1】特開2002−75953号公報(第5−6頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の装置では、基板表面の周縁部(本発明の「処理領域」に相当)に存在する薄膜をエッチング除去した後、当該処理領域に対してリンス処理を次のように実行している。同装置では、遮断板の上面に供給した液を基板表面の周縁部に落下させるように構成しているため、薬液によるエッチング処理と同様にして純水(リンス液)が遮断板の上面に供給されることによって基板表面の周縁部がリンス処理される。つまり、薬液が供給される領域とリンス液が供給される領域とが同一となる。そのため、基板の表面周縁領域のうち周端面側に位置する処理領域(基板端面から内側に向かってエッチング除去される領域)と当該処理領域の内側に位置する非処理領域との界面に付着する薬液を十分に洗い流すことができず、リンス不良が起こり易くなっていた。また、エッチング処理を行った際に、薬液が処理領域で跳ね返って当該処理領域と隣接する非処理領域に飛散することがあるが、同装置ではリンス液の供給位置が薬液のそれと同一であるため、界面近傍の非処理領域に飛散した薬液をリンスすることができない。これらの要因により、従来装置では、基板表面の周縁部のうちエッチング除去された処理領域と非処理領域との界面を良好に形成することが困難であった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板の表面周縁領域のうち処理領域に薬液を供給して当該処理領域の不要物をエッチング除去する基板処理方法および基板処理装置において、当該エッチング除去により表面周縁領域に形成される処理領域と非処理領域の界面を良好なものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、表面周縁領域に処理領域と処理領域の内側に位置する非処理領域を有する、基板に処理液を供給して処理領域に存在する不要物を除去するものであって、上記目的を達成するため、次のように構成している。すなわち、この発明にかかる基板処理方法は、非処理領域に処理液としてリンス液を供給することで表面周縁領域をリンス液で覆いながら処理領域に処理液として薬液が供給されて不要物をエッチング除去することを特徴としている。また、この発明にかかる基板処理装置は、表面周縁領域を上方に向けた略水平姿勢で基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段を回転させることで基板を回転させる基板回転手段と、非処理領域にリンス液を処理液として供給して表面周縁領域をリンス液で覆うカバーリンス手段と、表面周縁領域がリンス液で覆われた状態で処理領域に処理液として薬液を供給して不要物をエッチング除去するエッチング手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
このように構成された発明では、非処理領域にリンス液が供給されて表面周縁領域がリンス液で覆われる。そして、この状態で処理領域に薬液が供給されて処理領域の不要物がエッチング除去されて表面周縁領域に処理領域と非処理領域の界面が形成される。このように薬液が処理領域に供給される間、表面周縁領域がリンス液で覆われているため、処理領域に供給された薬液の一部が跳ね返って界面近傍で非処理領域に飛散したとしても非処理領域への薬液付着が防止される。また、表面周縁領域の全体にリンス液が供給された状態で薬液による非処理領域のエッチング除去が実行されるため、非処理領域と処理領域との界面にもリンス液が確実に供給されて界面に付着する薬液が洗い流されてリンス不良が防止される。したがって、界面を良好に形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、非処理領域にリンス液を供給して表面周縁領域をリンス液で覆った状態で処理領域に薬液が供給されて当該処理領域の不要物がエッチング除去されて当該表面周縁領域に処理領域と非処理領域の界面が形成される。このように表面周縁領域全体をリンス液で覆いながらエッチング除去を行っているので、非処理領域側への薬液付着やリンス不良を防止することができ、表面周縁領域に処理領域と非処理領域の界面を良好に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。図2は、図1の基板処理装置の部分断面図である。また、図3は、図1の基板処理装置の部分平面図である。この基板処理装置は、半導体ウエハ等の基板表面Wfの周縁部および裏面Wbからメタル層やフォトレジスト層などの薄膜TFをエッチング除去する装置である。具体的には、その表面Wfに薄膜が形成された基板Wの周縁部(本発明の「処理領域」に相当)に対して化学薬品または有機溶剤等の薬液や純水またはDIW等のリンス液(以下、「処理液」という)を供給することで該周縁部から薄膜TFをエッチング除去するとともに、基板裏面Wbに処理液を供給して裏面Wb全体を洗浄する装置である。
【0011】
この基板処理装置は、基板Wをその表面Wfを上方に向けた状態で水平に保持して回転させるスピンチャック1と、スピンチャック1に保持された基板Wの下面(裏面Wb)の中央部に向けて処理液(薬液やリンス液)を供給する下面側処理液ノズル3と、スピンチャック1に保持された基板Wの上面(表面Wf)に対向配置された遮断板5と、スピンチャック1に保持された基板Wの上面にリンス液を供給するカバーリンスノズル7と、該カバーリンスノズル7とは別に基板Wの上面に処理液を供給する周縁処理ノズル9とを備えている。
【0012】
スピンチャック1は、中空の回転軸11がモータを含むチャック回転駆動機構13の回転軸に連結されており、チャック回転駆動機構13の駆動により鉛直方向に伸びる回転軸J回りに回転可能となっている。この回転軸11の上端部には、スピンベース15が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4からの動作指令に応じてチャック回転駆動機構13を駆動させることによりスピンベース15が回転軸J回りに回転する。このように、この実施形態では、チャック回転駆動機構13が本発明の「基板回転手段」に相当している。
【0013】
中空の回転軸11には、処理液供給管31が挿通されており、その上端に裏面洗浄手段として機能する下面側処理液ノズル3が結合されている。処理液供給管31は薬液供給ユニット22およびリンス液供給ユニット23と接続されており、薬液またはリンス液が選択的に供給される。また、回転軸11の内壁面と処理液供給管31の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路33を形成している。このガス供給路33はガス供給ユニット21と接続されており、基板Wの下面とスピンベース15の対向面との間に形成される空間に窒素ガスを供給することができる。なお、この実施形態では、ガス供給ユニット21から窒素ガスを供給しているが、空気や他の不活性ガスなどを吐出するように構成してもよい。
【0014】
スピンベース15の上面側周縁部には、支持ピン17が複数個(少なくとも3個以上、好ましくは4個以上)、支持部材として回転軸Jを中心として等角度間隔で放射状にスピンベース15から上方に向けて突設されている。複数の支持ピン17の各々は、基板Wの下面周縁部に当接することで、スピンベース15から所定の間隔だけ離間させた状態で基板Wを水平に支持可能となっている。このため、基板Wがスピンベース15に当接して支持される場合に生じる基板Wの下面(裏面Wb)の損傷や汚染が防止される。
【0015】
各支持ピン17は、基板Wの下面に対して離当接自在に構成されている。具体的には、後述する昇降駆動部を作動させることで、支持ピン17を基板Wの下面に当接させたり、基板Wの下面から離間させたりすることができる。これにより、基板Wの下面に対する処理中に少なくとも1回以上、各支持ピン17を基板Wの下面から離間させることで、支持ピン17が基板Wの下面に当接する部分をも含めて基板Wの下面全体を処理することができる。
【0016】
次に、支持ピン17の構成および動作について図2を参照しつつ説明する。なお、上記複数の支持ピン17はいずれも同一構成を有しているため、ここではひとつの支持ピン17の構成についてのみ説明する。支持ピン17はスピンベース15の一部が上方に向けて凸状に延出した延出部15aの内部に設けられている。この支持ピン17は、基板Wの下面周縁部に離当接可能に延出部15aの上面に埋設されたフィルム171と、上下方向に移動可能に支持されてフィルム171の下面側に開口した円筒状凹部の上底面に離当接してフィルム171の上面中央部を押上可能となっている可動ロッド173と、この可動ロッド173を上下動させるモータ等の昇降駆動部175とを備えている。なお、昇降駆動部175にはモータに限らず、エアシリンダ等のアクチュエータ全般を用いてもよい。
【0017】
上記した構成を有する支持ピン17では、昇降駆動部175が制御ユニット4からの駆動信号によって図示省略する駆動連結部を介して可動ロッド173を上昇駆動させることにより、可動ロッド173の先端部がフィルム171の円筒状凹部の上底面に当接してそのままフィルム171の上面中央部を押上げる。これにより、スピンベース15の上面側に埋設されているフィルム171の上面がスピンベース15の延出部15aの上面から突出する。このため、複数の支持ピン17のフィルム171の全て(若しくは少なくとも3個以上)を突出させることで、フィルム171を基板Wの下面と当接させつつ基板Wをスピンベース15の延出部15aの上面から離間(例えば1mm程度)させて水平支持することが可能となる。
【0018】
一方で、昇降駆動部175が可動ロッド173を下降駆動させると、可動ロッド173の先端部はフィルム171の円筒状凹部の上底面から離間されて、フィルム171の上面をスピンベース15の延出部15aの上面と同一平面内に収容する。このため、突出させた複数の支持ピン17のフィルム171のうち少なくとも3個を残して、その一部を下降させることで、下降させたフィルム171を基板Wの下面から離間させることが可能となる。なお、このようなフィルム171は、可撓性を有するとともに薬液に対する耐腐食性を有する樹脂により成形される。好ましくは、PCTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が用いられる。
【0019】
図1に戻って説明を続ける。スピンチャック1の上方には、支持ピン17に支持された基板Wに対向する円盤状の遮断板5が遮断部材として水平に配設されている。この遮断板5は、スピンチャック1の回転軸11と同軸上に配置された回転軸51の下端部に一体回転可能に取り付けられている。この回転軸51には、遮断板回転駆動機構61が連結されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて遮断板回転駆動機構61のモータを駆動させることにより遮断板5を鉛直軸J回りに回転させる。制御ユニット4は、遮断板回転駆動機構61をチャック回転駆動機構13と同期するように制御することで、スピンチャック1と同じ回転方向および同じ回転速度で遮断板5を回転駆動させることができる。
【0020】
また、遮断板5は、遮断板昇降駆動機構62と接続され、遮断板昇降駆動機構62の昇降駆動用アクチェータ(例えばエアシリンダーなど)を作動させることで、遮断板5をスピンベース15に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断板昇降駆動機構62を駆動させることで、基板処理装置に対して基板Wが搬入出される際には、スピンチャック1の上方の退避位置に遮断板5を上昇させる。その一方で、基板Wに対してエッチングなどの所定の処理を施す際には、スピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された所定の処理位置まで遮断板5を下降させる。
【0021】
回転軸51は、中空軸となっており、その内部には同軸に円筒状のガス供給路53が形成されている。このガス供給路53は、下端部において基板Wの上方の空間と連通しており、ガス供給路53に接続されたガス供給ユニット21からの窒素ガスを基板Wと遮断板5とで挟まれた空間SPに供給することができる。そして、この空間SPに窒素ガスが供給されることで空間SPの内部圧力を高めて基板Wをその下面に当接する支持ピン17に押圧させることができる。これによって、支持ピン17に押圧された基板Wは、チャック回転駆動機構13がスピンベース15を回転させることで基板Wの下面と支持ピン17との間に発生する摩擦力によって支持ピン17に支持されながらスピンベース15とともに回転する。なお、供給された窒素ガスは空間SPを基板Wの中心付近から径方向外側へと流れていく。
【0022】
次に、遮断板5の構成について図1ないし図3を参照しつつ詳述する。遮断板5は、その下面(底面)が基板表面Wfと対向する対向面5aとなっている。この対向面5aは基板表面Wfと略平行な平面で形成され、その平面サイズD1は、基板表面Wfの周縁部の処理領域TRに対して内側の非処理領域NTR全体の平面サイズD2よりも小さく構成されている。そのため、基板表面Wfと対向面5aとを平行して近接対向させた際に、非処理領域NTRの一部領域NTR1(非処理領域)が対向面5aで覆われる一方で、非処理領域NTRのうち対向面5aで覆われない非処理領域NTR2(非対向部位)と処理領域TRとが遮断板5に塞がれることなく露出する。一方で、対向面5aの平面サイズD1は該非処理領域NTRに形成された回路形成領域の平面サイズに対して同等以上の大きさを有している。これにより、基板Wと遮断板5とを近接対向させることで、回路形成領域を対向面5aで覆って保護することができる。
【0023】
この遮断板5は、対向面5aを下面として上方にいくに従って横断面のサイズが徐々に小さくなっている円錐台形状の下部と、該円錐台の上面を横断面とする円柱形状の上部とを連結した形状をしている。具体的には、遮断板5の下部周縁は全周にわたって対向面5aから上方にいくに従って回転軸J側に近づくように傾斜した傾斜面5bを形成している。また、遮断板5の上部周縁、つまり傾斜面5bから上方は、ほぼ垂直に立ち上がった側壁面5cを形成している。遮断板5の対向面5aは疎水性を有する疎水面となっている一方で、傾斜面5bは親水性を有する親水面となっている。
【0024】
遮断板5の周縁部には複数のガスノズル55が設けられ、対向面5aに開口している。これら複数のガスノズル55は対向面aに鉛直軸Jを中心とする円周に沿って等間隔に配列されており、遮断板5が処理位置に位置決めされると、基板表面Wfの非処理領域NTRと近接して対向配置される(図2)。ガスノズル55は、遮断板5の内部のガス流通空間57に連通しており、ガス流通空間55に接続されたガス供給ユニット21からの窒素ガスを基板表面Wfに向けて略鉛直方向に吐出する。そして、複数のガスノズル55の各々から均一に窒素ガスが吐出されることで、基板Wは各支持ピン17に均等に押圧される。このように、この実施形態では、遮断板5と基板表面Wfとに挟まれた空間SPに窒素ガスを供給する、ガス供給路53およびガスノズル55が、押圧手段として機能している。
【0025】
複数のガスノズル55から吐出された窒素ガスは、基板表面Wfの非処理領域NTRに向けて供給され、基板Wの径方向外側に向けて流れていく。これによって、後述するようにエッチング処理中に飛散した薬液が空間SPに侵入して基板表面Wfの中央部の非処理領域NTR(非処理領域NTR1)に付着するのを防止している。なお、ガスノズルは複数の開口に限らず、単一の開口、例えば、鉛直軸Jを中心として同心円状に全周にわたってリング状に開口したものであってもよい。但し、複数の開口とした方が、ガス吐出圧の均一性を得る点で有利である。
【0026】
次に、カバーリンスノズル7および周縁処理ノズル9の構成および動作について説明する。カバーリンスノズル7はリンス液供給ユニット23と接続されており、下端部からリンス液を供給することが可能となっている。また、周縁処理ノズル9は薬液供給ユニット22およびリンス液供給ユニット23と接続されており、薬液またはリンス液が選択的に供給される。これらノズル7,9はそれぞれノズル移動機構71,91と接続され、ノズル移動機構71,91を駆動することで各ノズル先端部(下端部)が基板表面Wfと対向する対向位置(図3に示す位置)と、該対向位置から側方(あるいは上方)に退避した退避位置とに位置決めされる。ノズル7,9は例えば鉛直方向に伸びる円筒形状に構成されている。カバーリンスノズル7は対向位置に位置決めされた際に、ノズル側面が遮断板5の側壁面5cと平行して対向配置され傾斜面5bに向けてリンス液が吐出可能となっている。また、この実施形態では、ノズル移動機構91(駆動手段)は径方向における周縁処理ノズル9の移動量を連続的に設定することができるように構成されており、周縁処理ノズル9の移動量制御による周縁エッチング幅EHのコントロールについては後で詳述する。
【0027】
カバーリンスノズル7からリンス液が傾斜面5bに供給されると、該リンス液は親水性の傾斜面5bに沿って流下する。傾斜面5bの下端に達したリンス液は、疎水面である対向面5aに回り込むことなく、遮断板5の回転による遠心力を受けてリンス液が、非処理領域NTRのうち遮断板5の対向面5aで覆われていない非処理領域(非対向部位)NTR2に広がりながら流下する。詳しくは、遮断板5から流下するリンス液は、傾斜面5bを基板Wに向けて延長したときの基板表面Wfとの交線よりも外側の非処理領域NTR2に供給され、基板Wの回転に伴う遠心力を受けて基板Wの周縁に向かって流れ、基板Wの周端面を伝って流下する。このため、カバーリンスノズル7からリンス液を吐出しつつ基板Wを回転させることで、基板Wの円周方向における、非処理領域NTR2および処理領域TRの各部を全周にわたって均一にリンス液で覆うことができる。このように、この実施形態ではカバーリンスノズル7が本発明の「カバーリンス手段」として機能している。つまり、この実施形態では、図2に示すように、非処理領域NTR2と処理領域TRによりなる領域が本発明の「基板の表面周縁領域」に相当しており、非処理領域NTR2にリンス液が供給されることで表面周縁領域全体がリンス液で覆われる。
【0028】
こうして、基板表面Wfの非処理領域NTRのうち、上述したように回路形成領域が対向部位NTR1として遮断板5の対向面5aで覆われるとともに、非処理領域NTR2および処理領域TRがリンス液で覆われる。したがって、非処理領域NTRのうち回路形成領域に形成された、リンス液の接液による銅薄膜の錆あるいはlow−k膜などの吸湿が問題となる部位については、遮断板5の対向面5aで覆うことによって該部位(対向部位NTR1)が保護される。一方で、回路形成領域以外の部位(非処理領域NTR2)については、リンス液が接液しても歩留りに影響することはないから、リンス液で覆うことによって遮断板5の真円度および基板Wの回転中心と遮断板5の回転中心との相対位置精度にかかわりなく確実に保護される。
【0029】
周縁処理ノズル9は、図3に示すように、カバーリンスノズル7に対して基板Wの径方向外側であって、基板Wの回転方向Aの下流側に配置される。周縁処理ノズル9から薄膜TFに対してエッチング作用を有する薬液が基板表面Wfの周縁部に供給されると、薬液は基板Wの回転に伴う遠心力を受けて基板Wの周縁に向かって流れ、基板Wの周端面を伝って流下する。このため、基板表面Wfの周縁部における薬液供給位置から径方向外側の領域が処理領域TRとして該周縁部から薄膜TFがエッチング除去される。その結果、周縁処理ノズル9から薬液を吐出しつつ基板Wを回転させることで、周縁エッチング幅EHで全周にわたって均一にしてエッチング処理することができる。このように、この実施形態では周縁処理ノズル9が本発明の「エッチング手段」として機能している。
【0030】
ここで、周縁処理ノズル9はカバーリンスノズル7に対して基板Wの回転方向Aの下流側に配置されるため、カバーリンスノズル7からリンス液が吐出されると基板表面Wfの表面周縁領域(非処理領域NTR2+処理領域TR)はリンス液で覆われるが、周縁処理ノズル9から吐出される薬液の吐出圧によって薄膜TFが基板表面Wfの周縁部(処理領域TR)からエッチング除去される。しかも、処理領域TRから径方向内側の非処理領域NTRはカバーリンスノズル7からのリンス液と遮断板5とによって覆われているため、薬液の跳ね返りによる非処理領域NTRへの薬液付着が確実に防止される。また、上記したように周縁処理ノズル9は移動量を連続的に設定することができるため、周縁処理ノズル9の移動量を制御することで周縁エッチング幅EHを任意の値に調整することができる。
【0031】
さらに、周縁エッチング幅EHを周縁処理ノズル9から吐出される薬液の幅よりも大きく設定した場合には、メタル層などの薄膜は直接に薬液が供給される部分のみがエッチングレートが高くなる傾向にあることから、それ以外の薬液で単に覆われている部分はエッチングレートが遅くなる傾向にある。この場合、ノズル駆動機構91を制御して周縁処理ノズル9から薬液が直接に供給される範囲を径方向にスキャンさせるのが望ましい。これにより、エッチング処理時間を短縮することができる。
【0032】
上記においては薬液を周縁処理ノズル9に圧送する場合について説明したが、薬液に代えてリンス液を圧送する場合も上記と同様である。つまり、制御ユニット4からの動作指令に応じてリンス液供給ユニット23からリンス液が圧送されると、周縁処理ノズル9からリンス液が吐出され、薬液は基板Wの回転に伴う遠心力を受けて基板Wの周縁に向かって流れ、基板Wの周端面を伝って流下する。そのため、周縁処理ノズル9からリンス液を吐出しつつ基板Wを回転させることで、処理領域TRの全周をリンス処理することができる。また、周縁処理ノズル9の移動量を制御することでリンス液が供給される範囲をコントロールすることが可能となっている。
【0033】
次に、上記のように構成された基板処理装置の動作について説明する。図4は、図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。この装置では、基板Wの表面Wfにメタル層などの薄膜TFが形成された基板Wが薄膜形成面を上方に向けた状態で搬入され支持ピン17上に載置されると、制御ユニット4が装置各部を以下のように制御して該基板Wに対してベベルエッチング処理(エッチング工程+リンス工程+乾燥工程)が実行される。なお、基板Wの搬送を行う際には、遮断板5はスピンチャック1の上方の退避位置にあり、基板Wとの干渉を防止している。
【0034】
未処理基板Wが支持ピン17に載置されると、制御ユニット4は遮断板5を処理位置まで降下させて基板Wに近接して対向配置させる(ステップS1)。そして、ガスノズル55から窒素ガスを吐出させるとともに、ガス供給路53から基板表面Wfの中央部に向けて窒素ガスを供給する(ステップS2)。これによって、遮断板5の対向面5aと基板表面Wfとの間に形成される空間SPの内部圧力が高められ、基板Wはその下面に当接する支持ピン17に押圧されてスピンベース15に保持される。また、基板表面Wfの回路形成領域は遮断板5の対向面5aにごく近接した状態で覆われることによって、基板Wの周辺の外部雰囲気から確実に遮断される。
【0035】
次に、制御ユニット4はノズル駆動機構71,91を駆動して、図3に示すように、カバーリンスノズル7および周縁処理ノズル9をそれぞれ基板表面Wfに対向する対向位置に位置決めする(ステップS3)。すなわち、この実施形態では、 (1)エッチング処理の内容を規定する処理レシピ、(2)周縁エッチング幅EH、および(3)エッチング処理時の周縁処理ノズル9の移動量を相互に関連付けたジョブデータが複数個予め制御ユニット4のメモリ(記憶部)41に記憶されている(図3)。そして、基板処理装置の操作パネル(図示省略)を介してオペレータが所定の処理レシピを選択すると、その処理レシピで予め設定された移動量だけ周縁処理ノズル9が基板内周側(図2の左手側)に移動されて周縁エッチング幅EHに対応するように位置決めされる。
【0036】
それに続いて、チャック回転駆動機構13を駆動してスピンベース15を回転させることにより、基板Wを回転させる(ステップS4)。このとき支持ピン17に押圧された基板Wは支持ピン17と基板Wの下面との間に発生する摩擦力でスピンベース15に保持されながら、スピンベース15とともに回転することとなる。また、ステップS4と同時に、あるいは前後して制御ユニット4は遮断板回転駆動機構61を制御してスピンベース15の回転数とほぼ同一の回転数で同一方向に遮断板5を回転させる(ステップS5)。これにより、基板Wと遮断板5との間に余分な気流が発生するのを防止して、後述するベベルエッチング処理におけるミスト状の処理液の巻き込みを抑制することができる。
【0037】
この状態で、制御ユニット4はカバーリンスノズル7からリンス液を遮断板5の傾斜面5bに向けて吐出する(ステップS6)。吐出されたリンス液は回転する遮断板5の遠心力を受けて径方向外側に広がりながら傾斜面5bを流下して基板表面Wfの非処理領域NTR2に供給される。ここで、遮断板5の対向面5aは疎水面であることから、対向面5aにリンス液が回り込むことはなく、また、遮断板5と基板Wとで挟まれた空間SPに供給された窒素ガスが径方向外側に流れ出ることで、回路形成領域(非処理領域NTR1)にリンス液が侵入することがない。そして、非処理領域NTR2に供給されたリンス液は基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁に向かって流れ、基板Wの周端面を伝って流下する。これにより、基板Wの円周方向における、非処理領域NTR2および処理領域TRの各部が全周にわたってリンス液で均一に覆われる。こうして、基板表面Wfの非処理領域NTRが遮断板5の対向面5aとリンス液とにより選択的に覆われる。
【0038】
続いて、薬液供給ユニット22からエッチング処理に適した薬液が周縁処理ノズル9に圧送されて、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの周縁に向かって流れ、基板Wの周端面を伝って流下する。これによって、基板表面Wfの周縁部の所定範囲が処理領域TRとして該表面周縁領域から不要物(薄膜TF)が周縁エッチング幅EHで均一に、全周にわたってエッチング除去される(ステップS7)。ここで、処理領域TRに対して径方向内側の非処理領域NTRは遮断板5とリンス液とによって覆われているので、跳ね返った薬液が非処理領域NTRに付着するのが防止される。
【0039】
また、制御ユニット4は基板表面Wfへの薬液供給と同時に下面側処理液ノズル3から基板裏面Wbの中央部に向けて薬液を供給する。基板裏面Wbの中央部に供給された薬液は基板Wの回転に伴う遠心力によって裏面全体に拡がり裏面Wbが洗浄される。ここで、洗浄処理中に各支持ピン17を基板裏面Wbから少なくとも1回以上、離間させることで支持ピン17と基板裏面Wbの当接部分にも薬液を回り込ませて当該部分を洗浄することができる。
【0040】
この実施形態では、基板Wの外周端部に接触して基板Wを保持する、チャックピン等の保持部材がないことから、基板Wの回転により基板表面Wfを伝って径方向外側に向かう薬液が直接に保持部材に当たって基板表面Wfへ跳ね返ることがない。また、基板Wの外周端部付近の気流を乱す要因がないことからミスト状の薬液の非処理領域NTRへの巻き込みが軽減される。これにより、非処理領域NTRへの薬液の付着を効果的に防止することができる。
【0041】
エッチング処理が終了すると、制御ユニット4は周縁処理ノズル9および下面側処理液ノズル3への薬液の圧送を停止する。処理領域TRにはカバーリンスノズル7から継続してリンス液が非処理領域NTRから流れ込んでいるので、該リンス液によって処理領域TRがリンス処理される(ステップS8)。また、カバーリンスノズル7からのリンス液と併せて周縁処理ノズル9からもリンス液を吐出させてリンス処理を行うようにしてもよい。具体的には、周縁処理ノズル9をエッチング処理時よりも径方向内側(図2の左手側)に位置決めさせて該周縁処理ノズル9からリンス液を吐出させるようにしてもよい。このように、薬液が供給される範囲(処理領域TR)はリンス液が供給される範囲より狭くなるので、処理領域TRと非処理領域NTRとの界面に付着する薬液をリンス液によって十分に洗い流すことができ、リンス不良が防止される。
【0042】
また、基板表面Wfへのリンス液供給と同時に下面側処理液ノズル3から基板裏面Wbの中央部に向けてリンス液を供給する。基板裏面Wbの中央部に供給されたリンス液は基板Wの回転に伴う遠心力によって裏面全体に拡がり裏面Wbがリンス処理される。
【0043】
こうして、エッチング処理およびリンス処理が完了すると、カバーリンスノズル7(および周縁処理ノズル9)からのリンス液の供給を停止させる(ステップS9)。その後、ノズル駆動機構71,91を駆動してカバーリンスノズル7および周縁処理ノズル9をそれぞれ基板Wから離れた退避位置に位置決めする(ステップS10)。続いて、制御ユニット4はチャック回転駆動機構13および遮断板回転駆動機構61のモータの回転速度を高めて基板Wおよび遮断板5を高速回転させる。このとき、上記した基板表面Wfへの窒素ガス供給と併せて、ガス供給路33からも窒素ガスを供給することで、基板Wの表裏面に窒素ガスを供給させる。これにより、基板Wの表裏面が乾燥処理される(ステップS11)。
【0044】
基板Wの乾燥処理が終了すると、制御ユニット4は遮断板回転駆動機構61を制御して遮断板5の回転を停止させる(ステップS12)とともに、チャック回転駆動機構13を制御して基板Wの回転を停止させる(ステップS13)。そして、ガス供給路53およびガスノズル55からの窒素ガスの供給を停止することで、基板Wの支持ピン17への押圧支持を解除する(ステップS14)。その後、遮断板5が上昇され、処理済基板Wが装置から搬出される(ステップS15)。
【0045】
以上のように、この実施形態によれば、基板Wの表面周縁領域(=NTR2+TR)のうち非処理領域NTR2にリンス液を供給して表面周縁領域をリンス液で覆うとともに、この状態で処理領域TRに薬液が供給されて当該処理領域TRの不要物(薄膜TF)がエッチング除去される。これによって、当該表面周縁領域に処理領域TRと非処理領域NTR2の界面が形成される。エッチング処理される処理領域TRに隣接する非処理領域NTR2にリンス液を供給するとともに、該リンス液を処理領域TRを介して基板外に排出しているのでリンス不良を防止することができる。つまり、薬液が供給される範囲(処理領域TR)はカバーリンスノズル7(および周縁処理ノズル9)からのリンス液が供給される範囲より狭くなる。これにより、処理領域TRと非処理領域NTRとの界面に付着する薬液をリンス液によって十分に洗い流すことができ、リンス不良を防止することができる。このように表面周縁領域全体をリンス液で覆いながらエッチング除去を行っているので、非処理領域NTR2側への薬液付着やリンス不良を防止することができ、表面周縁領域に処理領域TRと非処理領域NTR2の界面を良好に形成することができる。
【0046】
また、カバーリンスノズル7からのリンス液は非処理領域NTR2(および処理領域TR)にのみ供給されることから非処理流域NTR1にある回路形成領域に形成されたメタル層に錆の発生などメタル層を腐食させるようなことなく、吸湿性の高い膜であっても処理が可能となる。さらに、回路形成領域を遮断板5で覆って保護することにより、基板表面Wf全体へのカバーリンスが不要となることからリンス液の消費量が抑制される。
【0047】
また、この実施形態によれば、周縁エッチング幅EHが、従来装置のように、遮断板5の真円度および基板Wの回転中心と遮断板5の回転中心との相対位置精度に依存するようなことがなく、基板Wと周縁処理ノズル9との相対位置精度のみによって決定される。このため、周縁エッチング幅EHの均一性を高めることができる。また、基板Wと周縁処理ノズル9との径方向における相対位置を調整することにより、周縁エッチング幅EHが制御されるので、要求されるエッチング処理の内容に柔軟に対応することができ、優れた汎用性が得られる。
【0048】
また、エッチング処理の内容を予め処理レシピを複数個規定しておき、それらから処理レシピが選択されると、該選択処理レシピに対応するジョブデータをメモリ41から読出し、該ジョブデータ中の移動量に基づき周縁処理ノズル9を移動させて周縁エッチング幅EHを制御しているため、エッチング処理の内容変更に対して迅速に対応することができる。つまり、周縁エッチング幅EHの変更が処理レシピで可能なため、従来装置のように、部品交換を必要とすることがなく、簡便かつ迅速な処理が可能となる。
【0049】
<第2実施形態>
図5は、この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す要部断面図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、カバーリンスノズルからのリンス液を遮断板5上に供給するのではなく、基板表面Wfの非処理領域NTR(非処理領域NTR2)に直接供給している点であり、その他の構成および動作は基本的に第1実施形態と同様である。したがって、以下においては相違点を中心に説明する。
【0050】
この実施形態においては、カバーリンスノズル8から吐出されたリンス液は径方向外向きの力を得て回転する基板Wに供給される。そして、基板Wの回転による遠心力を受けて非処理領域NTR、詳しくは遮断板5の対向面5aに覆われていない非処理領域NTR2から処理領域TRに流れ、基板Wの周端面を伝って流下する。これにより、基板Wの円周方向における、非処理領域NTR2および処理領域TRの各部が全周にわたってリンス液で覆われる。
【0051】
以上のように、この実施形態によれば、非処理領域NTR2にリンス液を直接供給して表面周縁領域をリンス液で覆った状態で処理領域TRに薬液が供給されて当該処理領域TRの不要物(薄膜TF)がエッチング除去されるので、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。すなわち、非処理領域NTR2側への薬液付着やリンス不良を防止することができ、表面周縁領域に処理領域とTR非処理領域NTR2の界面を良好に形成することができる。
【0052】
また、この実施形態によれば、遮断板5の位置にかかわらず、カバーリンスノズル8から基板表面Wfに供給されるリンス液の供給位置を可変することができる。さらに、カバーリンスノズル8から吐出されたリンス液が非処理領域NTR2に直接に供給され回転する遮断板5に引っ張られることがないから、リンス量の使用量を低減することができる。
【0053】
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、基板表面Wf(周縁部)と裏面Wbとを同時に処理しているが、これに限定されず、基板表面Wfを処理した後に裏面Wbを処理するようにしてもよいし、基板表面Wfのみを処理するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、基板Wを基板Wの下面(裏面Wb)に当接する支持ピン17などの支持部材に押圧支持させて基板Wを保持しているが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、チャックピンなどの保持部材を基板Wの外周端部に当接させて基板Wを保持する基板処理装置にも適用される。
【0055】
また、上記実施形態では、基板表面Wfに形成されている不要な薄膜TFを処理領域TRとして薬液で除去するエッチング処理から非処理領域NTR2を保護する装置に適用しているが、これに限定されない。例えば腐食性のあるガスから、あるいは洗浄液による洗浄処理から非処理領域NTR2を保護する装置に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などを含む基板全般の表面に対して所定の処理を施す基板処理装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1の基板処理装置の部分断面図である。
【図3】図1の基板処理装置の部分平面図である。
【図4】図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1…スピンチャック(基板保持手段)
7,8…カバーリンスノズル(カバーリンス手段)
9…周縁処理ノズル(エッチング手段)
13…チャック回転駆動機構(基板回転手段)
NTR2…非対向部位(非処理領域)
TR…処理領域
W…基板
Wb…基板裏面
Wf…基板表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面周縁領域に処理領域と前記処理領域の内側に位置する非処理領域を有する、基板に処理液を供給して前記処理領域に存在する不要物を除去する基板処理方法において、
前記非処理領域に前記処理液としてリンス液を供給することで前記表面周縁領域を前記リンス液で覆いながら前記処理領域に前記処理液として薬液が供給されて前記不要物をエッチング除去することを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
前記リンス液は脱イオン水または純水である請求項1記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記表面周縁領域を上方に向けた略水平姿勢で前記基板を回転させながら、前記リンス液を前記非処理領域に供給するとともに前記薬液を前記処理領域に供給する請求項1または2記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記薬液は前記基板の径方向外側に向けて吐出されて前記処理領域に供給される請求項3記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記リンス液は前記基板の径方向外側に向けて吐出されて前記非処理領域に供給される請求項3または4記載の基板処理方法。
【請求項6】
表面周縁領域に処理領域と前記処理領域の内側に位置する非処理領域を有する、基板に処理液を供給して前記処理領域に存在する不要物を除去する基板処理装置において、
前記表面周縁領域を上方に向けた略水平姿勢で基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段を回転させることで基板を回転させる基板回転手段と、
前記非処理領域にリンス液を前記処理液として供給して前記表面周縁領域を前記リンス液で覆うカバーリンス手段と、
前記表面周縁領域がリンス液で覆われた状態で前記処理領域に前記処理液として薬液を供給して前記不要物をエッチング除去するエッチング手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
前記カバーリンス手段は前記リンス液を吐出するカバーリンスノズルを有し、
前記エッチング手段は前記薬液を吐出する周縁処理ノズルを有する請求項6記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記周縁処理ノズルは前記カバーリンスノズルに対して前記基板の径方向外側で、かつ前記基板の回転方向の下流側に配置される請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記周縁処理ノズルは前記薬液を前記基板の径方向外側に向けて吐出して前記処理領域に供給する請求項7または8記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記カバーリンスノズルは前記リンス液を前記基板の径方向外側に向けて吐出して前記非処理領域に供給する請求項7、8または9記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−177584(P2008−177584A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14639(P2008−14639)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【分割の表示】特願2005−19596(P2005−19596)の分割
【原出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】