説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】チャンバ内の浮遊処理液の影響を低減できる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】振り切り乾燥処理が終了すると、スピンチャック10および雰囲気遮断板50の回転が停止させられて、基板Wの回転が停止する。続いて、スピンチャック10と雰囲気遮断板50とが近接する状態から、スピンチャック10および雰囲気遮断板50との間の距離Dが2mm以上10mm以下となるよう、雰囲気遮断板50が上昇させられる。そして、スピンチャック10から搬送ロボットの搬送アーム8aに基板Wが受け渡される。これにより、チャンバ内の浮遊薬液を完全にチャンバ外に排気することができない場合であっても、搬送時または搬送待ちの基板Wに浮遊薬液が付着することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)に対して処理を施す基板処理装置および基板処理方法に関するもので、特に、チャンバ内の液処理部から搬送される基板が汚染されることを防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回転する基板に薬液や純水等(以下、単に、「処理液」とも呼ぶ)を供給することによって、基板に所定の処理を施す装置が知られている。また、回転により飛散してチャンバ内を浮遊する処理液のミストや、チャンバ内で蒸発した処理液の蒸気が、基板に付着することを防止する技術についても、従来より知られている(例えば、特許文献1および2)。
【0003】
例えば、特許文献1の装置は、飛散防止カップ内を排気するとともに、清浄な下向きの気流が形成された外容器(飛散防止カップ外)を排気することによって、装置内部で基板が汚染されることを防止している。
【0004】
また、特許文献2の装置は、回転処理ユニット内のミスト量が所定量より小さくなった時点で基板の搬送を開始することによって、搬送中の基板にミストが付着することを防止している。
【0005】
【特許文献1】特開平09−148231号公報
【特許文献2】特開平10−097972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、基板処理装置が設置されるクリーンルームは、通常、単位面積当たりの維持コストが非常に高く、基板処理装置の占有床面積(フットプリント)の縮小が望まれている。また、クリーンルーム内に設置できる装置高さには限度がある。
【0007】
そこで、この占有床面積および装置高さの制約を緩和する手法の1つとして、例えば、各処理部の高さ方向のサイズを縮小させるとともに、各処理部を多段に積層する手法が採用されている。この手法の場合、占有床面積および装置高さを増大させることなく、同様の基板処理を実現することができる。
【0008】
しかしながら、各処理部の高さ方向サイズに対する水平方向(幅方向および奥行き方向)サイズの比率が増大し、各処理部のチャンバ形状が幅広状となると、以下のような問題が生ずる。
【0009】
すなわち、処理部のチャンバ内に配置される構造物の影響により、ダウンフローの気流が完全な層流とならず一部が乱流となると、処理部内を浮遊する処理液のミストおよび処理液の蒸気等(以下、単に、「浮遊処理液」とも呼ぶ)は、良好に排気側に導かれず、その一部は処理部内に滞留する。その結果、浮遊処理液が基板に付着し、基板汚染の問題が生ずる。そして、この滞留は、チャンバ形状が幅広状の場合、特に顕著となる。
【0010】
また、滞留の問題を解消する手法の1つとして、排気口のサイズ(例えば、口径)を増大させる手法も考えられる。しかしながら、排気ポンプの排気能力との関係で排気口サイズを増大させることにも限界があり、チャンバ内の浮遊処理液を完全にチャンバ外に排気することができない。
【0011】
そこで、本発明では、チャンバ内の浮遊処理液の影響を低減できる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、基板処理装置であって、チャンバ内に設けられており、基板に対して液処理を実行する処理部と、前記チャンバ外の搬送空間に設けられており、前記処理部との間で前記基板の受け渡しをする搬送手段とを備え、前記処理部は、前記基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、前記保持手段の上方に配置されており、前記保持手段に保持された前記基板の上面と対向する雰囲気遮断板とを有し、前記基板を保持している前記保持手段と、前記雰囲気遮断板と、が近接し、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、前記搬送手段は、基板上面側が雰囲気遮断状態とされた前記基板を受け取ることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、前記雰囲気遮断板は、前記基板上面側の雰囲気遮断状態を維持させつつ上昇することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の基板処理装置において、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、前記雰囲気遮断板は、前記保持手段との距離が2mm以上10mm以下となるように上昇することを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の基板処理装置において、前記処理部は、前記雰囲気遮断板に設けられており、前記保持手段側に向けて清浄な第1ガスを吐出する第1ガス吐出手段、をさらに有し、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、前記第1ガス吐出手段は、前記基板上面側に向けて前記第1ガスを吐出することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の基板処理装置において、前記第1ガスは、不活性ガスであることを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板処理装置において、前記処理部は、前記チャンバ内であって前記チャンバの進入口付近に設けられており、前記搬送手段により搬送される前記基板に向けて清浄な第2ガスを吐出する第2ガス吐出手段、をさらに有することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置において、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、前記搬送手段は、前記雰囲気遮断板の上昇動作に追従して上昇することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置において、前記雰囲気遮断板は、前記搬送手段の進退動作に追従して水平移動することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする。
【0020】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置において、前記搬送空間内の圧力は、前記チャンバ内の圧力より高いことを特徴とする。
【0021】
また、請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板処理装置において、前記処理部は、前記保持手段に設けられており、前記保持手段に保持された前記基板の下面側に向けて清浄な第3ガスを吐出する第3ガス吐出手段、をさらに有し、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、前記第3ガス吐出手段から基板下面側に前記第3ガスが吐出されることによって、前記基板下面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする。
【0022】
また、請求項11の発明は、基板処理方法であって、(a)チャンバ内に保持された基板に対して液処理を実行する工程と、(b)前記基板の付近の雰囲気を前記チャンバ内の雰囲気から遮断して乾燥する工程と、(c)前記工程(b)により形成された雰囲気遮断状態を維持しつつ、乾燥後の前記基板を前記チャンバ内から搬出する工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項12の発明は、請求項11に記載の基板処理方法において、前記工程(b)は、前記基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、前記保持手段の上方に配置されており、前記保持手段に保持された前記基板の上面と対向する雰囲気遮断板とを近接させることによって、前記基板の付近の雰囲気を前記チャンバ内の雰囲気から遮断し、前記工程(c)は、前記雰囲気遮断板を上昇させつつ、基板上面側を雰囲気遮断状態に維持することを特徴とする。
【0024】
また、請求項13の発明は、請求項12に記載の基板処理方法において、前記工程(c)は、前記雰囲気遮断板から前記基板上面側に向けて第1ガスを吐出することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする。
【0025】
また、請求項14の発明は、請求項12または請求項13に記載の基板処理方法において、前記工程(c)は、前記雰囲気遮断板の上昇動作に追従して前記基板を上昇させることを特徴とする。
【0026】
また、請求項15の発明は、請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の基板処理方法において、前記工程(c)は、前記基板の進退動作に追従して前記雰囲気遮断板を水平移動させることを特徴とする。
【0027】
また、請求項16の発明は、請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の基板処理方法において、(d)前記工程(c)により前記チャンバ内から搬出される前記基板に向けて、前記チャンバ内にて清浄な第2ガスと吐出する工程、をさらに有することを特徴とする。
【0028】
また、請求項17の発明は、請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の基板処理方法において、(e)前記チャンバ外の圧力を前記チャンバ内の圧力より高くなるように設定する工程、をさらに有することを特徴とする。
【0029】
また、請求項18の発明は、請求項11ないし請求項17のいずれかに記載の基板処理方法において、前記工程(c)は、前記基板を保持する保持手段から前記基板の下面側に向けて第3ガスを吐出することによって、基板下面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
請求項1ないし請求項10に記載の発明によれば、基板付近の雰囲気がチャンバ内の雰囲気と遮断された後、保持手段から搬送手段に基板が受け渡される場合において、搬送手段は、上面側が雰囲気遮断状態とされた基板を、保持手段から受け取ることができる。これにより、チャンバ内に浮遊処理液が存在する場合であっても、搬送時または搬送待ちの基板上面側に浮遊処理液が付着することを防止できる。そのため、搬送時の基板が浮遊処理液により汚染されることを防止できる。また、基板に付着した浮遊処理液が後工程に影響を及ぼすことを防止できる。
【0031】
また、請求項11ないし請求項18に記載の発明によれば、基板乾燥時に形成された雰囲気遮断状態を維持しつつ、乾燥後の基板をチャンバ内から搬出することができる。これにより、チャンバ内に浮遊処理液が存在する場合であっても、搬送時または搬送待ちの基板に浮遊処理液が付着することを防止できる。そのため、搬送時の基板が浮遊処理液により汚染されることを防止できる。また、基板に付着した浮遊処理液が後工程に影響を及ぼすことを防止できる。
【0032】
特に、請求項2、請求項3、および請求項12に記載の発明によれば、搬送手段が進入する空間を確保するために雰囲気遮断板を上昇させても、基板上面側の雰囲気遮断状態を維持することができる。そのため、基板汚染を防止しつつ、保持手段から搬送手段に対して基板を容易に受け渡すことができる。
【0033】
特に、請求項4、請求項5、および請求項13に記載の発明によれば、基板付近の雰囲気がチャンバ内の雰囲気と遮断された後、保持手段から搬送手段に基板が受け渡される場合において、第1ガス吐出手段から基板上面側に向けて清浄な第1ガスを吐出することができる。そのため、雰囲気遮断板を上昇させた場合であっても、基板上面側の雰囲気遮断状態をさらに良好に維持することができる。
【0034】
特に、請求項6および請求項16に記載の発明によれば、チャンバ内から基板が搬出される場合において、進入口付近に設けられた第2ガス吐出手段から基板に向けて清浄な第2ガスを吐出することができる。そのため、チャンバ内に浮遊処理液が存在する場合であっても、進入口を介してチャンバ外に搬送される基板の上面側に浮遊処理液が付着することを防止できる。
【0035】
特に、請求項7および請求項14に記載の発明によれば、基板付近の雰囲気がチャンバ内の雰囲気と遮断された後、保持手段から搬送手段に基板が受け渡される場合において、搬送手段は、雰囲気遮断板の上昇動作に追従して上昇する。これにより、基板上昇時において、基板上面側にチャンバ内の雰囲気が流入することがない。そのため、チャンバ内に浮遊処理液が存在する場合であっても、上昇時の基板上面側に浮遊処理液が付着することを防止できる。
【0036】
特に、請求項8および請求項15に記載の発明によれば、基板付近の雰囲気がチャンバ内の雰囲気と遮断された後、保持手段から搬送手段に基板が受け渡される場合において、雰囲気遮断板は、搬送手段の進退動作に追従して水平移動する。これにより、基板進退時において、基板上面側にチャンバ内の雰囲気が流入することがない。そのため、チャンバ内に浮遊処理液が存在する場合であっても、進退時の基板上面側に浮遊処理液が付着することを防止できる。
【0037】
特に、請求項9および請求項17に記載の発明において、搬送空間内の圧力は、チャンバ内の圧力より高くなるように設定されている。また、搬送空間の雰囲気は、通常、液処理が実行されるチャンバ内と比較して清浄である。これにより、搬送空間からチャンバ内に向けて清浄な気流が生ずる。そのため、この気流によりチャンバ内の浮遊処理液が基板に付着することを防止できる。
【0038】
特に、請求項10および請求項18に記載の発明によれば、基板付近の雰囲気がチャンバ内の雰囲気と遮断された後、保持手段から搬送手段に基板が受け渡される場合において、第3ガス吐出手段から基板下面側に向けて清浄な第3ガスを吐出することができる。そのため、搬送手段により基板を上昇させた場合であっても、基板下面側の雰囲気遮断状態をさらに良好に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0040】
<1.基板処理装置の構成>
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態における基板処理装置1の構成の一例を示す平面図および正面図である。ここで、基板処理装置1は、例えば、基板Wに付着したパーティクルや各種金属不純物などの汚染物質を除去する洗浄処理、および基板Wの下面側から供給した薬液により基板Wの周縁部(ベベル)をエッチングするベベルエッチング処理等の液処理等の基板処理に使用される。図1および図2に示すように、基板処理装置1は、主として、基板処理部PSと、インデクサIDと、を有している。
【0041】
インデクサIDは、基板処理部PSと並設されており、基板処理が施されていない未処理基板を基板処理部PS側に受け渡すとともに、処理済みの基板を基板処理部PS側から受け取る。図1および図2に示すように、インデクサIDは、主として、載置台2と、移載ロボットIRと、を有している。
【0042】
載置台2は、複数(本実施の形態では4個)のカセットCを載置する。各カセットCは、複数の基板Wを収納可能とされている。なお、カセットCの形態としては、複数の基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納された基板Wを外気に曝すOC(open cassette)が採用されても良い。
【0043】
移載ロボットIRは、各カセットCと、基板処理部PS側の搬送ロボットTRとの間で、基板Wの搬送を行う。図1および図2に示すように、移載ロボットIRは、主として、搬送アーム3aと、アームステージ3bと、可動台3cと、を有している。
【0044】
可動台3cは、載置台2に沿って(略Y軸方向に沿って)延びるボールネジ4と螺合している。また、可動台3cは、2本のガイドレール4a、4bに対して摺動自在に設けられている。そのため、ボールネジ4に回転モータ(図示省略)の回転力が付与されると、可動台3cを含む移載ロボットIR全体は、載置台2に沿って水平移動する。
【0045】
アームステージ3bは、可動台3cに対して、搬送アーム3aを旋回および昇降させるステージであり、可動台3cの上部に搭載されている。すなわち、アームステージ3bは、可動台3cに対して、鉛直方向(略Z軸方向)に沿った軸心周りに回動可能とされるとともに、鉛直方向に沿って昇降可能とされている。
【0046】
搬送アーム3aは、アームステージ3b上に取り付けられており、基板Wを略水平姿勢にて保持する。搬送アーム3aの多関節機構が駆動機構(図示省略)により屈伸動作させられると、搬送アーム3aは、保持された基板Wを、アームステージ3bの旋回半径方向に進退させる。したがって、移載ロボットIRは、各カセットCから未処理の基板Wを取り出したり、基板処理部PS側の搬送ロボットTRから直接受け渡された処理済みの基板Wを対応するカセットCに収納することができる。
【0047】
基板処理部PSは、インデクサID側から受け渡された基板Wに対して基板処理を施す。図1および図2に示すように、基板処理部PSは、主として、複数の液処理部100と、搬送ロボットTRと、を有している。
【0048】
液処理部100は、チャンバ100a内に設けられており、基板Wに対して液処理を実行する処理部である。図1に示すように、液処理部100は、搬送空間8の両側に配置されている。また、クリーンルーム内における基板処理装置1の占有床面積および装置高さの制約を緩和するため、各液処理部100は、図2に示すように、多段(本実施の形態では4段)に積層されるとともに、各液処理部100のチャンバ100aの形状は、幅広状とされている。このように、基板処理部PSには、縦方向に多段に積層された2つの処理部群が、搬送空間8を挟んで配置されている。
【0049】
ここで、本実施の形態において、搬送空間8内の圧力は、各液処理部100のチャンバ100a内の圧力より高くなるように設定されている。これにより、各液処理部100内の雰囲気が搬送空間8に流入することを防止できる。
【0050】
また、図1に示すように、各チャンバ100aの搬送空間8側の側壁には、シャッター100bが設けられている。シャッター100bが開放されることにより形成される開口(進入口)は、対応するチャンバ100a内の雰囲気と搬送空間8の雰囲気とを連通させる。なお、液処理部100の構成の一例については、後述する。
【0051】
ファンフィルタユニットFFUは、例えば、図2に示すように、基板処理部PSの上部に配設されている。ファンフィルタユニットFFUは、基板処理装置1が配置されているクリーンルーム内の空気を取り込み、この空気パからーティクルを除去する。また、ファンフィルタユニットFFUは、各液処理部100内、および搬送空間8内に、パーティクルが除去された清浄空気のダウンフローを形成する。
【0052】
搬送ロボットTRは、図1に示すように、基板処理部PS内の搬送空間8に設けられている。搬送ロボットTRは、基板処理部PS内に積層配置された各液処理部100と、インデクサIDの移載ロボットIRとの間で、基板Wの受け渡しを行う。図1および図2に示すように、搬送ロボットTRは、主として、複数(本実施の形態では2本)の搬送アーム8a、8bと、アームステージ8cと、を有している。
【0053】
アームステージ8cは、搬送空間8の中央付近に固定される基台8dに対して、搬送アーム8a、8bを旋回および昇降させるステージである。すなわち、アームステージ8cは、基台8dに対して、鉛直方向に沿った軸心周りに回動可能とされるとともに、鉛直方向に沿って昇降可能とされている。図2に示すように、アームステージ8cは、基台8dの上部に搭載されている。
【0054】
搬送アーム8a、8bは、アームステージ8c上に取り付けられており、基板Wを略水平姿勢にて支持する。各搬送アーム8a、8bは、図2に示すように、上下に所定のピッチを隔てて配設されている。また、各搬送アーム8a、8bの先端形状は上面視略V字状とされており、基板Wは各搬送アーム8a、8bの先端付近にて支持される。さらに、各搬送アーム8a、8bの多関節機構が駆動機構(図示省略)により屈伸動作させられると、搬送アーム8a、8bは、支持された基板Wを、アームステージ8cの旋回半径方向(矢印AR1方向:図1参照)に進退させる。したがって、搬送ロボットTRは、各液処理部100に未処理の基板Wを受け渡したり、処理済みの基板Wを各液処理部100から受け取ることができる。
【0055】
<2.液処理部の構成>
図3は、液処理部の構成の一例を示す正面断面図である。液処理部100は、いわゆる枚葉式の基板処理部であり、各基板Wに対して、例えば洗浄処理やベベルエッチング処理等の液処理を実行する。図3に示すように、液処理部100は、主として、スピンチャック10と、ベース部材20と、案内部材30と、雰囲気遮断板50と、薬液供給源61と、純水供給源62と、気体供給源71と、を備えている。
【0056】
スピンチャック10(保持手段)は、基板Wを略水平姿勢にて保持する。図3に示すように、スピンチャック10は、主として、回転軸12と、スピンベース13と、挟持ピン14と、を有している。
【0057】
スピンベース13は、図3に示すように、その中心部に開口17a、18aが形成された円盤状の支持板である。スピンベース13の上面は、基板Wの下面と対向する。挟持ピン14は、スピンベース13上に立設されており、基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持するピンである。すなわち、挟持ピン14は、基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板Wの外周端面から離れる開放状態とを、切換可能に構成されている。
【0058】
例えば、基板Wが搬送ロボットTRから液処理部100に受け渡される場合、挟持ピン14が開放状態とされる。続いて、基板Wがスピンチャック10に受け渡されると、挟持ピン14が押圧状態となり、基板Wの外周端面を挟持する。これにより、基板Wは、スピンベース13から所定間隔を隔てた略水平姿勢にて保持される。なお、図3では、図示の便宜上、2個の挟持ピン14のみを示している。
【0059】
回転軸12は、スピンベース13の中心部下面側から垂設されており、スピンベース13と一体的に回転可能とされている。図3に示すように、回転軸12は、中空円筒形状を有しており、ベルト伝動機構15を介して第1モータ16と連動連結されている。
【0060】
したがって、第1モータ16が駆動させられると、第1モータ16の駆動力は、ベルト伝動機構15を介して回転軸12に伝達される。そのため、挟持ピン14により挟持されている基板Wは、回転軸12およびスピンベース13とともに、鉛直方向に沿った回転軸心Jを中心に略水平面内にて回転する。
【0061】
液供給管17は、回転軸12内の中空部分に挿通されている。液供給管17の先端部(上端部)に形成されている開口17aは、上面視略円形状とされており、挟持ピン14に挟持された基板Wの中心(さらに言うと、基板Wの回転中心)付近の直下に位置する。一方、液供給管17の基端部(下端部)は、配管63と連通接続されている。
【0062】
気体供給路18は、回転軸12の内壁と、液供給管17の外壁とに挟まれる隙間として形成されている。スピンベース13の径方向から見た気体供給路18の断面は、略円環形状を有している。また、気体供給路18の先端部(上端部)に形成されている開口18aは、上面視略円環状とされており、挟持ピン14に挟持された基板Wの中心(さらに言うと基板Wの回転中心)付近の直下に位置する。一方、気体供給路18の基端部(下端部)は、配管73と連通接続されている。
【0063】
なお、図3に示すように、回転軸12、ベルト伝動機構15、および第1モータ16などは、ベース部材20上に設けられたケーシング19内に収容されている。また、回転軸12は、ケーシング19の上部に配置されたベアリングにより軸受けされており、ケーシング19に対して回転自在とされている。
【0064】
ベース部材20は、スピンチャック10の下方に設けられた略円盤状の板材である。ベース部材20には、主として、上述のケーシング19と、受け部材21と、が設けられている。
【0065】
受け部材21は、図3に示すように、ケーシング19を囲繞するように設けられており、主として、スピンベース13側に立設する円筒状の仕切り部材22a〜22cを有している。排気槽23、第1排液槽24a、および第2排液槽24bは、仕切り部材22a〜22cおよびケーシング19の外壁面のうち、隣接する2つにより形成されており、案内部材30で回収された処理液を貯留する。
【0066】
また、図3に示すように、排気槽23底部の排気口26は、排気ダクト25と連通接続されている。排気槽23内の使用済みの処理液および気体は、排気口26から吸引されて排出される。また、第1排液槽24a底部の第1排液口28aは、回収ドレイン27と連通接続されている。回収ドレイン27で回収された使用済みの処理液は循環再利用される。さらに、第2排液槽24b底部の第2排液口28bは、廃棄ドレイン29と連通接続されている。廃棄ドレイン29に排出された使用済みの処理液は浄化処理が施された後、廃棄される。
【0067】
案内部材30は、図3に示すように、第1および第2排液槽24a、24bの上方に設けられており、スピンベース13および雰囲気遮断板50の径方向外方を囲繞可能とされている。これにより、案内部材30は、基板W回転の遠心力によりスピンベース13側から飛散した処理液を回収する。図3に示すように、案内部材30は、主として、傾斜部31a、31bと、垂直部33、34a、34bと、を有している。
【0068】
傾斜部31a、31bは、スピンベース13側から外方に向かってこの順番に配置される円筒部である。各傾斜部31a、31bの内径は、外方および下方に向かうに従って増大する。
【0069】
垂直部34a、34bは、それぞれ傾斜部31a、31bの下端から鉛直下方に延びる円筒部である。また、垂直部33は、垂直部34aよりスピンベース13側に設けられており、傾斜部31aの下面から鉛直下方に延びる円筒部である。このように、各垂直部33、34a、34bは、スピンベース13側から外方に向かって、この順番に、同心円状に配置されている。
【0070】
溝36は、案内部材30の傾斜部31a、および垂直部33、34aとにより形成され、鉛直方向に延びる深溝である。図3に示すように、案内部材30が下降させられると、仕切り部材22bは溝36中に遊嵌するとともに、垂直部34a、34bは第2排液槽24b中に遊嵌する。
【0071】
昇降機構40は、支持部材41に固定された案内部材30を昇降させる。例えば、傾斜部31aが基板Wの高さ位置となるように(すなわち、傾斜部31aの上端がスピンベース13上の基板Wより高くなるように)、昇降機構40が駆動させられると、回転する基板Wから飛散した処理液は、傾斜部31aで受け止められる。そして、傾斜部31aで受け止められた処理液は、傾斜部31a、垂直部33に沿って流下し、第1排液槽24aに導かれる。また、傾斜部31bが基板Wの高さ位置となるように(すなわち、傾斜部31bの上端がスピンベース13上の基板Wより高くなり、傾斜部31aの上端がスピンベース13上の基板Wより低くなるように)、昇降機構40が駆動させられると、基板Wから飛散した処理液は、傾斜部31bで受け止められ、傾斜部31b、垂直部34bに沿って流下し、第2排液槽24bに導かれる。
【0072】
雰囲気遮断板50は、下方に配置されたスピンチャック10と近接することにより、スピンチャック10に保持されている基板W付近の雰囲気をチャンバ100a内の雰囲気と遮断する。図3に示すように、雰囲気遮断板50は、スピンベース13に保持されている基板Wの上面と対向するように設けられており、雰囲気遮断板50の中心部には、開口57a、58aが形成されている。さらに、雰囲気遮断板50の径方向サイズは、スピンベース13に保持可能な基板W直径より大きくなるように設定されている。
【0073】
回転軸51は、雰囲気遮断板50の中心上面側から垂設されており、雰囲気遮断板50と一体的に回転可能とされている。回転軸51は、回転軸12と同様に、中空円筒形状を有しており、その内側の中空部分には液供給管57が挿設されている。
【0074】
また、回転軸51は、支持アーム52に固定されたベアリングに軸受けされており、支持アーム52に対して回転自在とされている。すなわち、従動プーリ53は、回転軸51の外周に沿って固定されている。また、第2モータ54は、支持アーム52側に固定されるとともに、第2モータ54の駆動軸には主動プーリ55が取り付けられている。さらに、従動プーリ53と主動プーリ55との間には、無端ベルト56が掛け渡されている。したがって、第2モータ54が駆動させられると、第2モータ54の回転力は回転軸51に伝達される。そのため、雰囲気遮断板50は、回転軸51とともに、鉛直方向に沿った回転軸心を中心に略水平面内にて回転する。
【0075】
水平昇降機構56aは、回転軸51に支持された雰囲気遮断板50を昇降させる。例えば、スピンチャック10に保持された基板Wが振り切り乾燥される場合、水平昇降機構56aは、雰囲気遮断板50をスピンチャック10と近接させる。また、搬送ロボットTRとの間で基板Wの受け渡しが行われる場合、水平昇降機構56aは、雰囲気遮断板50をスピンチャック10から離隔させる。
【0076】
液供給管57は、回転軸51内の中空部分に挿通されている。液供給管57の下端部に形成されている開口57aは、下面視略円形状とされており、スピンチャック10に保持された基板Wの中心(さらに言うと、基板Wの回転中心)付近の直上に位置する。一方、液供給管57の上端部は、配管68と連通接続されている。
【0077】
気体供給路58は、回転軸51の内壁と、液供給管57の外壁とに挟まる隙間として形成されている。雰囲気遮断板50の径方向から見た気体供給路58の断面は、略円環形状を有している。また、気体供給路58の下端部に形成されている開口58aは、下面視略円環状とされており、スピンチャック10に保持された基板Wの中心(さらに言うと、基板Wの回転中心)付近の直上に位置する。一方、気体供給路58の上端部は、分岐配管78aと連通接続されている。
【0078】
気体供給部100c(第2ガス吐出手段)は、図3に示すように、チャンバ100a内であって、かつ、シャッター100b(さらに言うと、シャッター100bの開放により形成される進入口)付近に設けられている。気体供給部100cは、搬送ロボットTRにより搬送される基板Wの上方から基板Wに向けて、清浄なガス(第2ガス)を吐出することができる。
【0079】
薬液供給源61および純水供給源62は、それぞれ薬液および純水を、スピンベース13に保持されている基板Wに供給する。図3に示すように、スピンチャック10側の液供給管17は、分岐配管63a、開閉バルブ64a、および配管63を介して、薬液供給源61と連通接続されている。また、液供給管17は、分岐配管63b、開閉バルブ64b、および配管63を介して、純水供給源62と連通接続されている。
【0080】
一方、雰囲気遮断板50側の液供給管57は、分岐配管68a、開閉バルブ69a、および配管68を介して、薬液供給源61と連通接続されている。また、液供給管57は、分岐配管68b、開閉バルブ69b、および配管68を介して、純水供給源62と連通接続されている。
【0081】
したがって、例えば開閉バルブ64b、69a、69bが閉鎖され、開閉バルブ64aが開放されると、スピンチャック10側の開口17aから基板Wの下面に向けて薬液が吐出される。また、開閉バルブ64a、64b、69aが閉鎖され、開閉バルブ69bが開放されると、雰囲気遮断板50側の開口57aから基板Wの上面に向けて純水が吐出される。
【0082】
なお、薬液供給源61から供給され、基板Wの洗浄やエッチングに使用される薬液としては、例えば、ばフッ酸(HF)、緩衝フッ酸(BHF:フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液)、SC1(アンモニア水と過酸化水素水と水との混合液)、SC2(塩酸と過酸化水素水と水との混合液)、およびフッ酸と硝酸との混合液等があげられる。
【0083】
気体供給源71は、スピンチャック10に保持されている基板Wの上面側、下面側、およびシャッター100bを介して搬出入される基板Wの上面側の少なくとも1つに向けて、例えば窒素ガスおよびアルゴン等の不活性ガス、並びにドライエアーのような清浄な乾燥ガスを供給する。図3に示すように、スピンチャック10側の気体供給路18は、配管73および開閉バルブ74を介して、気体供給源71と連通接続されている。
【0084】
また、雰囲気遮断板50側の気体供給路58は、分岐配管78aおよび開閉バルブ79aを介して、気体供給源71と連通接続されている。さらに、気体供給部100cは、分岐配管78bおよび開閉バルブ79bを介して、気体供給源71と連通接続されている。
【0085】
したがって、開閉バルブ79a、79bが閉鎖され、開閉バルブ74が開放されると、気体供給路18の開口18a(第1ガス吐出手段)からスピンチャック10側に向けて清浄なガス(第1ガス)が吐出される。また、開閉バルブ74、79aが閉鎖され、開閉バルブ79bが開放されると、搬送ロボットTRにより搬送される基板Wの上面側に向けて、清浄なガス(第2ガス)が吐出される。さらに、開閉バルブ74、79bが閉鎖され、開閉バルブ79aが開放されると、気体供給路58の開口58a(第3ガス吐出手段)からスピンチャック10に保持された基板Wの下面側に向けて、清浄なガス(第3ガス)が吐出される。
【0086】
制御部90は、データの演算処理や基板処理装置1の各構成要素の動作制御を実現する。図1に示すように、制御部90は、主として、RAM91と、ROM92と、CPU93と、を有している。
【0087】
RAM(Random Access Memory)91は、揮発性の記憶部であり、種々のデータが記憶可能とされている。また、ROM(Read Only Memory)92は、いわゆる不揮発性の記憶部であり、例えばプログラム92aが格納される。なお、ROM92としては、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが使用されてもよい。
【0088】
CPU(Central Processing Unit)93は、ROM92に格納されているプログラム92aに従って、案内部材30の昇降動作、スピンチャック10の回転動作、雰囲気遮断板50の回転、昇降および進退動作、開閉バルブ64a、64b、69a、69b、74、79a、79bの開閉動作等を所定のタイミングで行う。
【0089】
<3.基板処理手順>
ここでは、液処理部100で基板Wに施される基板処理手順、すなわち、ベベルエッチング処理の手順、およびベベルエッチング後の基板Wを液処理部100から搬出する手順について説明する。なお、ベベルエッチング処理に先立って、搬送ロボットTRからスピンチャック10に未処理の基板Wが受け渡される。すなわち、案内部材30が昇降機構40により下降させられ、雰囲気遮断板50が水平昇降機構56aにより上昇させられる。これにより、スピンベース13の上方および周囲に空間が確保される。そして、この確保された空間を介して搬送ロボットTRから受け渡される基板Wが挟持ピン14により挟持される。
【0090】
次に、雰囲気遮断板50がスピンチャック10に保持された基板Wと近接するように、雰囲気遮断板50が下降させられる。また、遠心力により基板Wから飛散する処理液が第1排液槽24aに貯留されるように、案内部材30が上昇させられる。
【0091】
続いて、開閉バルブ64b、69a、69bの閉鎖状態が維持され、開閉バルブ64aが開放されるとともに、スピンチャック10および雰囲気遮断板50が回転させられる。これにより、液供給管17に薬液供給源61からの薬液が(エッチング液)が供給され、液供給管17の開口17aから基板Wの下面側に向けて薬液が吐出される。
【0092】
この状態において、基板Wに供給された薬液は、基板W回転の遠心力により基板Wの下面全体に拡がる。また、薬液の一部は、基板W表面の周縁部にまで回り込む。この回り込んだ薬液によって、基板W周縁部のエッチング処理が進行する。さらに、回転の遠心力により基板W付近から飛散した薬液は、案内部材30で回収され、第1排液槽24aに貯留された後、再利用される。
【0093】
ここで、本実施の形態において基板Wに供給されるエッチング液としては、例えば液温が50〜60℃程度に保温されたフッ酸が使用されている。そのため、基板Wに供給された薬液の一部は、蒸発し、薬液の蒸気としてチャンバ100a内に浮遊する。また、案内部材30で回収されなかった薬液ミストの一部は、チャンバ100a内で浮遊する。
【0094】
なお、エッチング処理の際において、基板Wの上面側および下面側に少量の不活性ガス(例えば、窒素ガス)が吐出されてもよい。これにより、基板Wに吐出された薬液が気体供給路18、58に逆流することを防止できる。
【0095】
エッチング処理が終了すると、開閉バルブ64aが閉鎖され、薬液吐出が停止する。また、基板Wから飛散する処理液が第2排液槽24bに貯留されるように、案内部材30が若干下降させられる。
【0096】
続いて、開閉バルブ64a、69aの閉鎖状態が維持され、スピンチャック10および雰囲気遮断板50の回転が維持された状態で、開閉バルブ64b、69bが開放される。これにより、液供給管17および液供給管57に純水供給源62からの純水が供給され、液供給管17の開口17aから基板Wの下面側に向けて、および液供給管57の開口57aから基板Wの上面側に向けて、それぞれ純水が吐出される。
【0097】
この状態において、基板Wに供給された純水は、遠心力により基板Wの上下面全体に拡がる。そのため、基板Wの上面側および下面側に残存する薬液を純水で洗い流す洗浄処理(リンス処理)が進行する。また、回転の遠心力により基板W付近から飛散した純水は、案内部材30で回収され、第2排液槽24bに貯留された後、廃棄される。
【0098】
なお、このリンス処理の際においても、基板Wの下面側および上面側に少量の不活性ガスが吐出されてもよい。これにより、基板Wに吐出された純水が気体供給路18、58に逆流することを防止できる。
【0099】
図4は、振り切り乾燥時におけるスピンチャック10、案内部材30、および雰囲気遮断板50の位置関係を説明するための図である。リンス処理が終了すると、開閉バルブ64b、69bが閉鎖され、純水吐出が停止する。また、図4に示すように、案内部材30が矢印AR2の方向に下降させられて、スピンベース13の周囲の空間が確保される。そして、雰囲気遮断板50が基板Wに近接した状態で、開閉バルブ79bの閉鎖状態が維持されつつ、開閉バルブ74、79aが開放され、スピンチャック10および雰囲気遮断板50の回転速度が増加させられる。このように、振り切り乾燥処理が施される場合において、基板W付近の雰囲気はチャンバ100a内の雰囲気と遮断されており、チャンバ100a内に浮遊する薬液のミストや薬液の蒸気が基板Wに付着することが防止される。
【0100】
これにより、気体供給路18、58に気体供給源71からの不活性ガスが供給され、気体供給路18の開口18aから基板Wの下面側に向けて、および気体供給路58の開口58aから基板Wの上面側に向けて、それぞれ不活性ガスが吐出される。そのため、基板W付近の空間(すなわち、スピンベース13および雰囲気遮断板50に挟まれた空間:以下、単に、「隙間空間」とも呼ぶ)10aが低酸素雰囲気とされた状態で、基板Wに付着している純水が基板Wの径方向外方に振り切られ、振り切り乾燥処理(スピンドライ処理)が進行する。
【0101】
ここで、上述のように、エッチング処理で使用される薬液の液温は、50〜60(℃)程度に保温されており、薬液の一部は蒸発して、チャンバ100a内には薬液の蒸気が浮遊する。また、案内部材30で回収されなかった薬液ミストの一部は、チャンバ100a内で浮遊する。そして、チャンバ100a内に浮遊する薬液ミストや薬液の蒸気(以下、単に、「浮遊薬液」とも呼ぶ)が基板Wに付着すると、薬液汚染の原因となる。例えば、非処理面であり配線パターン等が形成された基板Wの上面に浮遊薬液が付着すると、非処理面も腐食されてデバイス不良の原因となる。
【0102】
一方、振り切り乾燥時において、基板Wの上面は、スピンチャック10に保持された状態で、雰囲気遮断板50と近接している。これにより、スピンチャック10および雰囲気遮断板50の回転により気流が発生しても、この気流に乗った薬液蒸気や薬液ミストが基板Wに付着することが防止される。そのため、乾燥時において、基板Wが薬液汚染されることを防止できる。
【0103】
図5は、振り切り乾燥後における基板Wの搬送手法の一例を説明するための図である。振り切り乾燥処理が終了すると、スピンチャック10および雰囲気遮断板50の回転が停止させられて、基板Wの回転が停止する。続いて、図5に示すように、雰囲気遮断板50が矢印AR3の方向に上昇させられて、雰囲気遮断板50はスピンチャック10から離隔させられる。続いて、シャッター100bを介してチャンバ100a内に、搬送ロボットTRの搬送アーム8aが進入する。そして、スピンチャック10に保持されている振り切り乾燥後の基板Wが受け取られ、チャンバ100a外に処理済みの基板Wが搬出されることによって、基板処理が完了する。
【0104】
ここで、スピンチャック10および雰囲気遮断板50が近接し、隙間空間10aの雰囲気が、チャンバ100a内の雰囲気と遮断された後、スピンチャック10から搬送ロボットTRに基板Wが受け渡される場合において検討する。
【0105】
図2に示すように、基板処理部PSに積層配置された各チャンバ100aの形状は、高さ方向サイズに対する水平方向(幅方向および奥行き方向)サイズの比率が大きい幅広状とされている。そして、このような幅広状のチャンバ100aが採用される場合、ファンフィルタユニットFFUにより形成されたダウンフローの気流は、チャンバ100a内に配置されるスピンチャック10、案内部材30、および雰囲気遮断板50等の構造物の影響によって、完全な層流とならず一部が乱流となる。
【0106】
これにより、チャンバ100a内の浮遊薬液は、完全に排気されず、その一部がチャンバ100a内に滞留し、基板Wに付着する。例えば、基板Wの乾燥後、雰囲気遮断板50が上昇させられる場合、チャンバ100a内の雰囲気が基板W側に流入し、搬送ロボットTRに受け渡される前の搬送待ち状態の基板Wに浮遊薬液が付着する。また、搬送ロボットTRに受け渡された後、搬送状態の基板Wにも浮遊薬液が付着する。
【0107】
これに対して、本実施の形態のように、スピンチャック10および雰囲気遮断板50との間の距離Dが2mm以上10mm以下(好ましくは、6mm以上8mm以下)となるよう、雰囲気遮断板50が上昇させられると、基板Wの上面側付近にチャンバ100a内の雰囲気が流入することを防止でき、隙間空間10aは、基板乾燥時に形成された雰囲気遮断状態に維持される。このように、振り切り乾燥後において、雰囲気遮断板50は、基板W上面側の雰囲気遮断状態を維持させつつ上昇する。
【0108】
これにより、各液処理部100のチャンバ100aの形状が幅広状となり(図2参照)、チャンバ100a内の浮遊薬液が完全にチャンバ外に排気されない場合であっても、搬送時または搬送待ちの基板Wに浮遊薬液が付着することを防止できる。また、距離Dが上述の範囲とされる場合、搬送アーム8aの進入に十分な隙間空間10aが確保される。そのため、基板W上面側の清浄性が維持された状態で、スピンチャック10から搬送ロボットTRに対して容易に基板Wを受け渡すことができる。
【0109】
その結果、搬送時または搬送待ち期間において、基板Wが薬液汚染されることを防止できる。また、基板Wに付着した浮遊薬液が後工程の基板処理に影響を及ぼすことを防止できる。
【0110】
なお、スピンチャック10から搬送ロボットTRに基板Wを受け渡すため、雰囲気遮断板50が上昇させられる場合において、液供給管57の開口57aから基板Wの上面側に向けて不活性ガスが吐出されてもよい。これにより、隙間空間10aには、基板Wの上面側中心付近から外周方向に流れる不活性ガスの気流が形成され、チャンバ100a内の雰囲気が隙間空間10aに流入することをさらに防止できる。そのため、雰囲気遮断板50が上昇させられる場合であっても、基板W上面側の雰囲気遮断状態をさらに良好に維持することができる。
【0111】
また、スピンチャック10から搬送ロボットTRに基板Wが受け渡され、スピンベース13から基板Wが離隔する場合において、液供給管17の開口17aから基板Wの下面側に向けて不活性ガスが吐出されてもよい。これにより、隙間空間10aには、基板Wの下面側中心付近から外周方向に流れる不活性ガスの気流が形成され、チャンバ100a内の雰囲気が隙間空間10aに流入することをさらに防止できる。そのため、搬送ロボットTRにより基板Wがスピンチャック10から離隔される場合であっても、基板W下面側の雰囲気遮断状態をさらに良好に維持することができる。
【0112】
また、チャンバ100a内から基板Wが搬出される場合において、気体供給源71からの不活性ガスが、気体供給部100cから搬出される基板Wに向けて吐出されてもよい。これにより、チャンバ100a内に浮遊薬液が存在する場合であっても、チャンバ100a外に搬送される基板Wの上面側に浮遊薬液が付着することを防止できる。そのため、
基板Wの薬液汚染、および後工程の処理不良を防止することができる。
【0113】
さらに、搬送空間8の雰囲気は、通常、薬液処理が施される液処理部100のチャンバ100a内と比較して清浄である。また上述のように、搬送空間8内の圧力は、チャンバ100a内の圧力より高くなるように設定されている。これにより、各液処理部100内の雰囲気が搬送空間8に流入し、搬送空間8が浮遊薬液により汚染されることを防止できる。そのため、チャンバ100a内の浮遊薬液が、後工程の基板処理に影響を及ぼすことを防止できる。
【0114】
<4.本実施の形態の基板処理装置の利点>
以上のように、本実施の形態の搬送ロボットTRは、基板W付近の雰囲気がチャンバ100a内の雰囲気と遮断された後、スピンチャック10から搬送ロボットTRに基板が受け渡される場合において、上面側が雰囲気遮断状態に維持された基板Wをスピンチャック10から受け取ることができる。これにより、チャンバ100a内に浮遊薬液(広義には浮遊処理液)が存在する場合であっても、搬送時または搬送待ちの基板W上面側に浮遊薬液が付着することを防止できる。そのため、搬送時または搬送待ちの基板Wが浮遊薬液により汚染されることを防止できる。また、基板Wに付着した浮遊薬液が後工程に影響を及ぼすことを防止できる。
【0115】
<5.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0116】
本発明の実施の形態において、振り切り乾燥後の基板Wは、雰囲気遮断板50が上昇させられた後、搬送アーム8aに受け渡されるものとして説明したが、基板Wの搬送手法は、これに限定されるものでない。
【0117】
図6および図7は、振り切り乾燥後における基板Wの搬送手法の他の例を説明するための図である。隙間空間10aの雰囲気がチャンバ100a内の雰囲気と遮断された後、スピンチャック10から搬送ロボットTRに基板Wが受け渡される場合において、図6に示す搬送手法では、搬送ロボットTRは、雰囲気遮断板50の上昇動作に追従して、矢印AR4の方向に上昇する。すなわち、搬送ロボットTRは、基板Wの上面側と雰囲気遮断板50との近接状態を維持しつつ、基板Wを上昇させる。これにより、基板Wの上昇時において、基板Wの上面側にチャンバ100a内の雰囲気が流入することを防止できる。そのため、チャンバ100a内に浮遊薬液が存在する場合であっても、上昇時の基板Wの上面側に浮遊薬液が付着することを防止できる。
【0118】
また、図7に示す搬送手法では、基板Wが搬送ロボットTRの搬送アーム8aに受け渡された後において、雰囲気遮断板50は、搬送ロボットTRの搬送アーム8aの進退動作に追従して、矢印AR5の方向に水平移動機構520によりチャンバ100a内を水平移動させられる。すなわち、基板Wは、雰囲気遮断板50との近接状態が維持されつつ、水平移動させられる。これにより、基板進退時において、基板Wの上面側には、チャンバ100a内の雰囲気が流入することが防止できる。そのため、チャンバ100a内に浮遊薬液が存在する場合であっても、進退時の基板Wの上面側に浮遊薬液が付着することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態における基板処理装置の構成の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における基板処理装置の構成の一例を示す正面図である。
【図3】液処理部の構成の一例を示す正面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の振り切り乾燥時におけるスピンチャック、案内部材、および雰囲気遮断板の位置関係の一例を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態における基板の搬送手法の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態における基板の搬送手法の他の例を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態における基板の搬送手法の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0120】
1 基板処理装置
8 搬送空間
10 スピンチャック(保持手段)
10a 隙間空間
17a、57a 液供給部
18a 開口(第3ガス吐出手段)
30 案内部材
50 雰囲気遮断板
58a 開口(第1ガス吐出手段)
90 制御部
100 液処理部
100a チャンバ
100b シャッター
100c 気体供給部(第2ガス吐出手段)
ID インデクサ
IR 移載ロボット
PS 基板処理部
TR 搬送ロボット(搬送手段)
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
(a) チャンバ内に設けられており、基板に対して液処理を実行する処理部と、
(b) 前記チャンバ外の搬送空間に設けられており、前記処理部との間で前記基板の受け渡しをする搬送手段と、
を備え、
前記処理部は、
(a-1) 前記基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、
(a-2) 前記保持手段の上方に配置されており、前記保持手段に保持された前記基板の上面と対向する雰囲気遮断板と、
を有し、
前記基板を保持している前記保持手段と、前記雰囲気遮断板と、が近接し、前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、
前記搬送手段は、基板上面側が雰囲気遮断状態とされた前記基板を受け取ることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、
前記雰囲気遮断板は、前記基板上面側の雰囲気遮断状態を維持させつつ上昇することを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、
前記雰囲気遮断板は、前記保持手段との距離が2mm以上10mm以下となるように上昇することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の基板処理装置において、
前記処理部は、
(a-3) 前記雰囲気遮断板に設けられており、前記保持手段側に向けて清浄な第1ガスを吐出する第1ガス吐出手段、
をさらに有し、
前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、
前記第1ガス吐出手段は、前記基板上面側に向けて前記第1ガスを吐出することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記第1ガスは、不活性ガスであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理部は、
(a-4) 前記チャンバ内であって前記チャンバの進入口付近に設けられており、前記搬送手段により搬送される前記基板に向けて清浄な第2ガスを吐出する第2ガス吐出手段、
をさらに有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、
前記搬送手段は、前記雰囲気遮断板の上昇動作に追従して上昇することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記雰囲気遮断板は、前記搬送手段の進退動作に追従して水平移動することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記搬送空間内の圧力は、前記チャンバ内の圧力より高いことを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理部は、
(a-5) 前記保持手段に設けられており、前記保持手段に保持された前記基板の下面側に向けて清浄な第3ガスを吐出する第3ガス吐出手段、
をさらに有し、
前記基板付近の雰囲気が前記チャンバ内の雰囲気と遮断された後、前記保持手段から前記搬送手段に前記基板が受け渡される場合、
前記第3ガス吐出手段から基板下面側に前記第3ガスが吐出されることによって、前記基板下面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
基板処理方法であって、
(a) チャンバ内に保持された基板に対して液処理を実行する工程と、
(b) 前記基板の付近の雰囲気を前記チャンバ内の雰囲気から遮断して乾燥する工程と、
(c) 前記工程(b)により形成された雰囲気遮断状態を維持しつつ、乾燥後の前記基板を前記チャンバ内から搬出する工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の基板処理方法において、
前記工程(b)は、前記基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、前記保持手段の上方に配置されており、前記保持手段に保持された前記基板の上面と対向する雰囲気遮断板と、を近接させることによって、前記基板の付近の雰囲気を前記チャンバ内の雰囲気から遮断し、
前記工程(c)は、前記雰囲気遮断板を上昇させつつ、基板上面側を雰囲気遮断状態に維持することを特徴とする基板処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の基板処理方法において、
前記工程(c)は、前記雰囲気遮断板から前記基板上面側に向けて第1ガスを吐出することによって、前記基板上面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする基板処理方法。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の基板処理方法において、
前記工程(c)は、前記雰囲気遮断板の上昇動作に追従して前記基板を上昇させることを特徴とする基板処理方法。
【請求項15】
請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記工程(c)は、前記基板の進退動作に追従して前記雰囲気遮断板を水平移動させることを特徴とする基板処理方法。
【請求項16】
請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の基板処理方法において、
(d) 前記工程(c)により前記チャンバ内から搬出される前記基板に向けて、前記チャンバ内にて清浄な第2ガスと吐出する工程、
をさらに有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項17】
請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の基板処理方法において、
(e) 前記チャンバ外の圧力を前記チャンバ内の圧力より高くなるように設定する工程、
をさらに有することを特徴とする基板処理方法。
【請求項18】
請求項11ないし請求項17のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記工程(c)は、前記基板を保持する保持手段から前記基板の下面側に向けて第3ガスを吐出することによって、基板下面側を雰囲気遮断状態とすることを特徴とする基板処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−10433(P2010−10433A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168527(P2008−168527)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】