説明

基板処理装置

【課題】基板の表面のデバイス形成領域に影響を与えることなく、基板の表面の周縁領域から汚染を確実に除去することができる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】スピンチャック3により回転されるウエハWの表面の周縁領域40にブラシ21が当接されることにより、その周縁領域40に付着する汚染を掻き取ることができる。ウエハWの表面の周縁領域40には、ブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向下流側に間隔L5を隔てたDIW着液位置P6に、第2表面DIWノズル57からのDIWが供給される。ブラシ21により掻き取られた汚染を、DIWにより洗い流すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を洗浄処理するための基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の周縁部の汚染が、ウエハの処理品質に対して無視できない影響を与える場合がある。具体的には、いわゆるバッチ処理工程では、複数枚のウエハが鉛直姿勢で処理液中に浸漬されるため、ウエハの周縁部に汚染物質が付着していると、その汚染物質が、処理液中に拡散し、ウエハの表面のデバイス形成領域に再付着するおそれがある。
【0003】
そのため、最近では、ウエハなどの基板の周縁部の洗浄に対する要求が高まっている。
ウエハの周縁部の洗浄に関する先行技術として、たとえば、ウエハの表面に付着する付着物(汚染)を薬液により除去した後、ウエハを回転させつつ、そのウエハの表面の中央部に純水を供給して、ウエハの表面に残留している薬液および付着物を除去する際に、ウエハの周縁部に円筒状のブラシの外周面を当接させることにより、ウエハの周縁部に付着している付着物を除去する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−278592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、基板の表面が疎水性を示す場合(たとえば、基板の表面にLow−k膜が形成されている場合、基板の表面にベアシリコンが露出している場合など)、デバイス形成領域である表面の中央部に純水が供給されると、デバイス形成領域にウォータマーク(純水の乾燥跡)を生じるおそれがある。また、基板の表面に銅配線などが形成されている場合には、基板の表面の中央部に純水が供給されると、銅配線の酸化による腐食を生じるおそれがある。
【0005】
このような問題を回避するため、基板の表面に純水を供給しないことも考えられるが、そうすると、ブラシにより基板の周縁部から掻き取られた汚染が周縁部上に残り、その汚染が残存したまま基板が乾燥されることにより、汚染の基板へのこびりつきが発生するおそれがある。
そこで、この発明の目的は、基板の表面のデバイス形成領域に影響を与えることなく、基板の表面の周縁領域から汚染を良好に除去することができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を回転させるための基板回転手段(3)と、前記基板回転手段により回転される基板に対して、少なくとも基板の表面の周縁領域において当接するブラシ(21)と、基板の表面の周縁領域における前記ブラシが接触する領域(P1)に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てた所定のリンス液吐出位置(P3,P6)に向けて、その所定のリンス液吐出位置よりも基板の回転半径方向の内側からリンス液を吐出する周縁リンス液吐出手段(9,57)とを含むことを特徴とする、基板処理装置(1,51)である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この発明によれば、基板回転手段により回転される基板に対して、少なくとも基板の表面の周縁領域にブラシが当接されることにより、その周縁領域に付着する汚染を掻き取ることができる。一方、基板の表面の周縁領域には、ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てた所定のリンス液吐出位置に、周縁リンス液吐出手段からのリンス液が供給される。これにより、ブラシにより掻き取られた汚染を、その掻き取られた直後にリンス液により洗い流すことができる。そのため、基板の表面の周縁領域にブラシにより掻き取られた汚染が残留してこびりつくことを防止することができる。
【0008】
さらに、リンス液が供給される所定のリンス液吐出位置が基板の表面の周縁領域とブラシとの接触領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てているので、所定のリンス液吐出位置に供給されたリンス液がブラシに供給されることがほとんどない。これにより、リンス液により洗い流される汚染がブラシに付着するのを抑制することができる。
また、基板の表面の周縁領域上の所定のリンス液吐出位置に供給されるリンス液は、その所定のリンス液吐出位置に対して基板の回転半径方向の内側から供給されるので、基板の回転半径方向の外側に向かうベクトルを有している。そして、その供給後には、リンス液に対して基板の回転による遠心力が作用する。このため、基板の表面の周縁領域に供給されたリンス液が表面の中央部に進入することがほとんどない。したがって、基板の表面のデバイス形成領域にリンス液による影響を与えるおそれがない。
【0009】
その結果、基板の表面のデバイス形成領域に影響を与えることなく、基板の表面の周縁領域から汚染を良好に除去することができる。
請求項2記載の発明は、前記ブラシに薬液を供給するための薬液供給手段(5,52)をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置である。
この発明によれば、薬液が供給されたブラシが、基板回転手段により回転される基板に対して、少なくとも基板の表面の周縁領域に当接される。高い洗浄力を有する薬液によって基板の表面の周縁領域に付着する汚染を良好に除去することができる
請求項3記載の発明は、前記薬液供給手段(52)は、基板の表面の周縁領域における前記ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向上流側の所定の薬液吐出位置(P5)に向けて、その所定の薬液吐出位置よりも基板の回転半径方向の内側から薬液を吐出することを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置である。
【0010】
この発明によれば、基板回転手段により回転される基板の表面の周縁領域には、ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向上流側の所定の薬液吐出位置に向けて、薬液供給手段からの薬液が供給される。基板の表面の周縁領域に供給された薬液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の周縁部に接触しているブラシに付与される。このため、ブラシに対して薬液を良好に供給することができる。
【0011】
また、薬液供給手段からの薬液が、基板の表面の周縁領域を伝って、回転状態にあるブラシに供給される。そのため、薬液供給手段からブラシに向けて薬液を直接供給する構成と比較して、ブラシの回転に伴う薬液の飛散を抑制することができる。
さらに、基板の表面の周縁領域上の所定の薬液吐出位置に供給される薬液は、その所定の薬液吐出位置に対して基板の回転半径方向の内側から供給されるので、基板の回転半径方向の外側に向かうベクトルを有している。そして、その供給後には、薬液に対して基板の回転による遠心力が作用する。このため、基板の表面の周縁領域に供給された薬液が表面の中央部に進入することがほとんどない。したがって、基板の表面のデバイス形成領域に薬液による影響を与えることなく、ブラシに対して薬液を供給することができる。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記基板回転手段は、基板を、その表面が上方に向いたほぼ水平な姿勢に保持しつつ鉛直軸線周りに回転させるものであり、前記薬液供給手段(5)は、前記基板回転手段により回転される基板の裏面に薬液を供給することを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置である。
この発明によれば、基板の裏面に供給された薬液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の裏面を伝ってその周縁領域に向けて流れる。そして、基板の裏面の周縁領域に達した薬液は、基板の周縁部と接触しているブラシに供給される。このため、基板の表面のデバイス領域に薬液を供給することなく、ブラシに対して薬液を供給することができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記ブラシの内部に含まれる薬液を吸引するための薬液吸引手段(54,55)をさらに含むことを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の基板処理装置である。
この発明によれば、ブラシに対して、薬液供給手段からの薬液が供給される一方、ブラシの内部に含まれる薬液が薬液吸引手段によって吸引される。
【0014】
ブラシに薬液が供給されることにより、ブラシの内部には十分な量の薬液が含まれている。そのため、基板の表面の周縁領域には、ブラシが接触する領域に、適切な濡れ幅を有する薬液の液膜を形成することができる。これにより、高い洗浄力を有する薬液によって基板の表面の周縁領域に付着する汚染を良好に除去することができる。
ブラシの内部に含まれる薬液は吸引手段によって吸引される。そのため、ブラシが接触する領域よりも回転方向下流側における基板の表面の周縁領域に、ブラシから染み出る薬液の量は比較的少量である。このため、基板の表面の周縁領域に供給された薬液が表面の中央部に進入することがほとんどない。
【0015】
その結果、基板の表面のデバイス形成領域に薬液による影響を与えることなく、基板の表面の周縁領域を良好に洗浄することができる。
請求項6記載の発明は、基板の表面の周縁領域における前記ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てた所定の薬液吐出位置(P2)に向けて、その所定の薬液吐出位置よりも基板の回転半径方向の内側から薬液を吐出するための下流側周縁薬液吐出手段(8)をさらに含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0016】
この発明によれば、基板の表面の周縁領域には、ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てた所定の薬液吐出位置に、下流側周縁薬液吐出手段からの薬液が供給される。これにより、ブラシにより掻き取られた汚染を、その掻き取られた直後に薬液により洗い流すことができる。そのため、基板の表面の周縁領域にブラシにより掻き取られた汚染が残留してこびりつくことを防止することができる。
【0017】
さらに、薬液が供給される所定の薬液吐出位置が基板の表面の周縁領域とブラシとの接触領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てているので、所定の薬液吐出位置に供給された薬液が、基板を介して直接的にブラシに接触するのを防止することができる。これにより、薬液により洗い流される汚染がブラシに付着するのを防止することができる。
また、基板の表面の周縁領域上の所定の薬液吐出位置に供給される薬液は、その所定の薬液吐出位置に対して基板の回転半径方向の内側から供給されるので、基板の回転半径方向の外側に向かうベクトルを有している。そして、その供給後には、薬液に対して基板の回転による遠心力が作用する。このため、基板の表面の周縁領域に供給された薬液が表面の中央部に進入することがほとんどない。したがって、基板の表面のデバイス形成領域に薬液による影響を与えるおそれがない。
【0018】
その結果、基板の表面のデバイス形成領域に影響を与えることなく、基板の表面の周縁領域から汚染を良好に除去することができる。
請求項7記載の発明は、前記周縁リンス液吐出手段により基板の表面の周縁領域に供給されたリンス液に対して、前記所定のリンス液吐出位置よりも基板の回転方向下流側に間隔を隔てた位置(P4)において、基板の回転半径方向の内側から不活性ガスを吹き付けるためのガス吹付け手段(10)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の基板処理装置である。
【0019】
この発明によれば、基板の表面の周縁領域に供給されたリンス液に対して、基板の回転方向の内側から不活性ガスが吹き付けられる。このため、汚染洗浄後のリンス液を基板外に排出することができる。これにより、基板の表面の周縁領域から汚染を速やかに除去することができ、乾燥後における基板の表面への汚染のこびりつきの発生を防止することができる。
【0020】
また、ガス吹付け手段を設ける場合には、周縁リンス液吐出手段から吐出されるリンス液の量を少なくしても、基板の表面の周縁領域から汚染を良好に除去することができる。周縁リンス液吐出手段からのリンス液の量を少なくすることにより、基板の周縁領域から飛散したリンス液の基板の表面への跳ね返りを防止することができる。
請求項8に記載のように、前記ブラシ(21)は、弾性変形可能な材料を用いて形成され、前記基板回転手段により回転される基板の表面に垂直な垂線方向の一方側に向けて狭まる形状の第1洗浄面(32)を備えていてもよい。このような形状の第1洗浄面は、その垂線方向に対して傾斜しているので基板の表面の周縁領域および周端面に跨って当接させることができる。これにより、基板の表面の周縁領域および周端面を同時に洗浄することができる。
【0021】
また、請求項9に記載のように、前記ブラシは、前記第1洗浄面の前記一方側の端縁から前記垂線方向の前記一方側に向けて拡がる形状の第2洗浄面(33)をさらに備えていてもよい。このような第2洗浄面は基板の裏面の周縁領域および周端面に跨って当接させることができる。これにより、基板の裏面の周縁領域および周端面を同時に洗浄することができる。よって、第1洗浄面により基板の表面の周縁領域および周端面を同時に洗浄することができ、また、第2洗浄面により基板の裏面の周縁領域および周端面を同時に洗浄することができる。その結果、基板の両面の周縁領域ならびに周端面を含む周縁部全域を良好に洗浄することができる。
【0022】
なお、請求項10に記載のように、前記薬液は、アンモニア過酸化水素水混合液であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す側面図である。
基板処理装置1は、基板の一例としてのウエハWを1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。この基板処理装置1は、ウエハWを、その表面(デバイスが形成される側の面)を上方に向けてほぼ水平に保持して回転させるためのスピンチャック3と、スピンチャック3に保持されたウエハWの裏面(表面と反対側の面)に薬液としてのSC1(アンモニア過酸化水素水)を供給するための一対の裏面SC1ノズル5(図1では一方のみ図示)と、ウエハWの裏面にリンス液としてのDIW(脱イオン化された純水)を供給するための一対の裏面DIWノズル6(図1では一方のみ図示)と、ウエハWの周縁部を洗浄するためのブラシ機構7と、ウエハWの表面の周縁領域(デバイスが形成されない領域)40にSC1を供給するための第1表面SC1ノズル8と、ウエハWの表面の周縁領域40にDIWを供給するための第1表面DIWノズル9と、ウエハWの表面の周縁領域40に不活性ガスとしてのN2ガスを供給するためのN2ガスノズル10とを備えている。
【0024】
なお、ウエハWの周縁部とは、ウエハWの表面の周縁領域40、ウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42を含む部分をいう。また、周縁領域40,41とは、たとえば、ウエハWの周端縁から幅1〜4mmの環状領域をいう。
スピンチャック3は、真空吸着式チャックであって、ほぼ鉛直な方向に延びたスピン軸11と、このスピン軸11の上端に取り付けられて、ウエハWをほぼ水平な姿勢でその裏面を吸着して保持する吸着ベース12と、スピン軸11と同軸に結合された回転軸を有するスピンモータ13とを備えている。ウエハWの裏面が吸着ベース12に吸着保持された状態で、スピンモータ13が駆動されると、ウエハWがスピン軸11の中心軸線まわりに回転する。
【0025】
各裏面SC1ノズル5には、裏面SC1バルブ14を介して、図示しないSC1供給源からのSC1が供給されるようになっている。
各裏面DIWノズル6には、裏面DIWバルブ15を介して、図示しないDIW供給源からのDIWが供給されるようになっている。
第1表面SC1ノズル8には、第1表面SC1バルブ16を介して、図示しないSC1供給源からのSC1が供給されるようになっている。
【0026】
第1表面DIWノズル9には、第1表面DIWバルブ17を介して、図示しないDIW供給源からのDIWが供給されるようになっている。
2ガスノズル10には、N2ガスバルブ18を介して、図示しないN2ガス供給源からのN2ガスが供給されるようになっている。
ブラシ機構7は、スピンチャック3によるウエハWの保持位置よりも上方で略水平に延びる揺動アーム19と、揺動アーム19を支持するアーム支持軸20と、揺動アーム19の先端に保持されて、ウエハWの周縁部を洗浄するためのブラシ21とを備えている。
【0027】
アーム支持軸20は、鉛直方向に延びて設けられている。このアーム支持軸20の上端部は、揺動アーム19の一端部(基端部)の下面に結合されている。アーム支持軸20には、揺動駆動機構23の駆動力が入力されるようになっている。揺動駆動機構23の駆動力をアーム支持軸20に入力して、アーム支持軸20を往復回転させることによって、揺動アーム19を、アーム支持軸20を支点に揺動させることができる。また、アーム支持軸20には、昇降駆動機構24が結合されている。昇降駆動機構24により、アーム支持軸20を上下動させて、このアーム支持軸20と一体的に揺動アーム19を上下動させることができる。
【0028】
揺動アーム19の先端部には、ブラシ回転軸25が回転可能に保持されている。ブラシ回転軸25には、揺動アーム19の内部において、ブラシ回転軸25を回転させるためのブラシ自転機構26が結合されている。一方、ブラシ回転軸25の下端部には、ホルダ取付部27が固定されている。ホルダ取付部27に、ブラシホルダ28を介して、ブラシ21が取り付けられている。
【0029】
図2は、ブラシの構成を示す側面図である。
ブラシ21は、たとえば、PVA(ポリビニルアルコール)などのスポンジ材からなる。このブラシ21は、ウエハWの表面の周縁領域40および周端面42を洗浄するための第1洗浄部30と、ウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42を洗浄するための第2洗浄部31とを上下に一体的に備え、鉛直軸線まわりに回転対称な略鼓状に形成されている。
【0030】
第1洗浄部30は、その上部30aが略円筒状をなし、下部30bが下方に向けて狭まる略円錐台状をなしている。第1洗浄部30の下部33bの側面は、上端縁が上部30aの側面の下端縁に連続し、その中心軸線に対してたとえば45°の傾斜角度を有して、下方ほど中心軸線に近づくように傾斜している。この第1洗浄部30において、下部30bの側面がウエハWの表面の周縁領域40および周端面42に当接する第1洗浄面32となっている。
【0031】
第2洗浄部31は、第1洗浄部30の下端に一体的に結合されて、第1洗浄部30と中心軸線を共有するように配置されている。この第2洗浄部31は、上部31aが下方に向けて拡がる略円錐台状をなし、下部31bが略円筒状をなしている。第2洗浄部31の上部31aの側面は、上端縁が第1洗浄部30の下部30bの側面の下端縁に連続し、その中心軸線に対して45度の傾斜角度を有して、下方ほど中心軸線から離れるように傾斜している。また、上部31aの側面の下端縁は、下部31bの側面の上端縁に連続している。この第2洗浄部31において、上部31aの側面がウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42に当接する第2洗浄面33となっている。
【0032】
図3は、スピンチャックに保持されたウエハの平面図である。
一対の裏面SC1ノズル5は、平面視で、スピン軸11の中心軸線を中心とする円周上に、その中心軸線を中心として対称となるように配置されている。各裏面SC1ノズル5は、その吐出口を、ウエハWの裏面に近接する位置で、鉛直方向上方に向けて配置されている。
【0033】
一対の裏面DIWノズル6は、平面視で、裏面SC1ノズル5と同じ円周上に、その中心軸線を中心として互いに対称をなし、かつ、裏面SC1ノズル5の位置と90°ずれる位置に配置されている。各裏面DIWノズル6は、その吐出口を、ウエハWの裏面に近接する位置で、鉛直方向上方に向けて配置されている。
第1表面SC1ノズル8は、スピンチャック3の上方で、その吐出口をウエハWの表面の周縁領域40上のSC1着液位置P2に向けて、SC1着液位置P2よりもウエハWの回転半径方向における内側に配置されている。これにより、第1表面SC1ノズル8の吐出口から吐出されるSC1は、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かう。SC1着液位置P2は、ブラシ21が当接するウエハWの周縁部のブラシ接触位置P1に対して、ウエハWの回転方向(矢印35で示す方向)の下流側に間隔L1を隔てた位置に設定されている。この間隔L1として、ウエハWの直径の1/10程度のサイズを例示することができる。
【0034】
第1表面DIWノズル9は、スピンチャック3の上方で、その吐出口をウエハWの表面の周縁領域40のDIW着液位置P3に向けて、DIW着液位置P3よりもウエハWの回転半径方向における内側に配置されている。これにより、第1表面DIWノズル9から吐出されるDIWは、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かう。DIW着液位置P3は、SC1着液位置P2に対してウエハWの回転方向の下流側に間隔L2を隔てた位置に設定されている。この間隔L2として、ウエハWの直径の1/10程度のサイズを例示することができる。
【0035】
2ガスノズル10は、スピンチャック3の上方で、その吐出口をウエハWの表面の周縁領域40のN2ガス吹付け位置P4に向けて、ガス吹付け位置P4よりもウエハWの回転半径方向における内側に配置されている。これにより、N2ガスノズル10から吹き付けられるN2ガスは、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かう。N2ガス吹付け位置P4は、DIW着液位置P3に対してウエハWの回転方向の下流側に間隔L3を隔てた位置に設定されている。この間隔L3として、ウエハWの直径の1/10程度のサイズを例示することができる。
【0036】
図4は、基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
基板処理装置1は、マイクロコンピュータを含む構成の制御部50を備えている。
この制御部50には、スピンモータ13、裏面SC1バルブ14、裏面DIWバルブ15、第1表面SC1バルブ16、第1表面DIWバルブ17、N2ガスバルブ18、揺動駆動機構23、昇降駆動機構24およびブラシ自転機構26が制御対象として接続されている。
【0037】
図5は、基板処理装置におけるウエハの処理を説明するための工程図である。以下、その表面の中央部(デバイス形成領域)にLow−k膜(疎水性膜)が形成されたウエハWを洗浄する場合を例にとって説明する。
基板処理装置1内に搬入されるウエハWは、その表面を上方に向けて、スピンチャック3に保持される。
【0038】
ウエハWがスピンチャック3に保持されると、制御部50によりスピンモータ13が制御されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が開始される(ステップS1)。ウエハWは、矢印35で示す方向に、たとえば100rpmの回転速度で回転される。
次いで、制御部50によって裏面SC1バルブ14が開かれて、一対の裏面SC1ノズル5からウエハWの裏面へのSC1の供給が開始される(ステップS2)。一対の裏面SC1ノズル5から吐出されるSC1の流量は、たとえば20ml/minである。ウエハWの裏面に供給されたSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの裏面を伝ってその周縁領域41に向けて流れる。
【0039】
また、制御部50により第1表面SC1バルブ16が開かれて、第1表面SC1ノズル8からウエハWの表面の周縁領域40のSC1着液位置P2に向けてSC1が吐出される(ステップS2)。ウエハWの表面の周縁領域40に供給されるSC1は、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かうベクトルを有している。第1表面SC1ノズル8から吐出されるSC1の流量は、たとえば10ml/minである。このようにSC1の流量を比較的少量としたのは、ウエハWの表面から飛散したSC1がスピンチャック3の周囲に配置される部材(たとえば、スピンチャック3を取り囲むように収容する図示しない処理カップ)に当たって跳ね返り、ウエハWの表面の中央部にSC1が付着することを防止するためである。
【0040】
さらに、制御部50によってN2ガスバルブ18が開かれて、N2ガスノズル10からウエハWの表面の周縁領域40のN2ガス吹付け位置P4に向けてN2ガスが吹き付けられる(ステップS2)。N2ガスノズル10から吹き出されるN2ガスの流量は、たとえば5L/minである。
また、制御部50によりブラシ自転機構26が制御されて、ブラシ21が、たとえば、100〜200rpmの回転速度で、ウエハWの回転方向と同方向に回転される。その後、制御部50により揺動駆動機構23および昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42に当接される(ステップS3)。具体的には、まず、昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が予め設定された高さの位置に移動され、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWの周端面15に対向する。次に、揺動駆動機構23が制御されて、揺動アーム19が旋回し、ブラシ21が水平移動することにより、ブラシ21の第2洗浄面33にウエハWが食い込み、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42に押し付けられる。この状態において、ブラシ21には、ウエハWの裏面の周縁領域41に達するSC1が供給される。そして、SC1が供給されたブラシ21によって、ウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42が洗浄される。
【0041】
ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部50により昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が所定の高さまで下降される(ステップS4)。これにより、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWから離れ、第1洗浄面32にウエハWの周縁部が当接する。そして、第1洗浄面32にウエハWが食い込み(ステップS5:ブラシの第1洗浄面当接)、第1洗浄面32がウエハWの表面の周縁領域40および周端面42に押し付けられる。この状態において、ウエハWの裏面へのSC1の供給が継続されており、ブラシ21には、ウエハWの裏面を伝って周端面42に達するSC1が供給される。これにより、SC1が供給されたブラシ21によって、ウエハWの表面の周縁領域40および周端面42が洗浄される。
【0042】
ブラシ接触位置P1よりもウエハWの回転方向の下流側に位置するSC1着液位置P2に、第1表面SC1ノズル8からのSC1が供給される。ブラシ21によりウエハWから剥がされた汚染は、第1表面SC1ノズル8からのSC1によって洗い流される。ブラシ接触位置P1よりも回転方向下流側にSC1が供給されるので、表面の周縁領域40から剥がれて間もない汚染をSC1により洗い流すことができる。
【0043】
ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの回転半径方向の外方に向けて流れる。SC1着液位置P2が、ブラシ接触位置P1に対して間隔L1を隔てた位置に位置しているので、洗浄後のSC1が、ウエハWを介して直接的にブラシ21に接触することはない。
また、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたSC1に対して、ウエハWの回転半径方向の内側から、N2ガスノズル10からのN2ガスが吹き付けられる。これにより、SC1は、回転半径方向外側に向けて押され、ウエハWの表面の周縁領域40上に止まることなく、周縁領域40上から速やかに除去される。
【0044】
ブラシ21の第1洗浄面32がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部50により揺動駆動機構23および昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が処理開始前のホームポジションに退避される(ステップS6)。また、ブラシ21がホームポジションに戻される間に、ブラシ自転機構26が制御されて、ブラシ21の回転が停止される。さらに、制御部50によって裏面SC1バルブ14および第1表面SC1バルブ16が閉じられて、裏面SC1ノズル5および第1表面SC1ノズル8からのSC1の供給が停止される(ステップS7)。
【0045】
その後、制御部50により裏面DIWバルブ15が開かれて、ウエハWの裏面の中央部にDIWが供給される(ステップS8)。これにより、ウエハWの裏面に付着したSC1が洗い流される。また、制御部50により第1表面DIWバルブ17が開かれる。これにより、ウエハWの表面の周縁領域40に付着したSC1が洗い流される。
このとき、N2ガスノズル10からウエハWの表面の周縁領域40へのN2ガスの供給は続行されている。これにより、DIWの表面の中央部への回り込みを防止することができる。
【0046】
裏面DIWバルブ15および第1表面DIWバルブ17の開成から所定時間が経過すると、制御部50により裏面DIWバルブ15および第1表面DIWバルブ17が閉じられて、裏面DIWノズル6からのDIWの供給および第1表面DIWノズル9からのDIWの供給が停止される(ステップS9)。また、制御部50によりN2ガスバルブ18が閉じられて、N2ガスノズル10からのN2ガスの供給が停止される(ステップS9)。
【0047】
その後は、制御部50によりスピンモータ13が制御されて、ウエハWが高速(たとえば、3000rpm)で回転され、ウエハWに付着しているDIWが振り切られて、ウエハWが乾燥される。ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられた後、スピンチャック3によるウエハWの回転が停止される。そして、ウエハWが静止した後、その処理済みのウエハWが基板処理装置1から搬出されていく。
【0048】
以上のように、この実施形態によれば、スピンチャック3により回転されるウエハWの表面の周縁領域40にブラシ21が当接されることにより、その周縁領域40に付着する汚染を掻き取ることができる。一方、ウエハWの表面の周縁領域40には、ブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向下流側に間隔L1を隔てたSC1着液位置P2に、第1表面SC1ノズル8からのSC1が供給される。これにより、ブラシ21により掻き取られた汚染を、その掻き取られた直後にSC1により洗い流すことができる。そのため、ウエハWの表面の周縁領域40にブラシ21により掻き取られた汚染が残留してこびりつくことを防止することができる。
【0049】
さらに、SC1着液位置P2がブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向下流側に間隔L1を隔てているので、SC1着液位置P2に供給されたSC1が、ウエハWを介して直接的にブラシ21に接触するのを防止することができる。これにより、SC1により洗い流される汚染がブラシ21に付着するのを防止することができる。
また、ウエハWの表面の周縁領域40上のSC1着液位置P2に供給されるSC1は、そのSC1着液位置P2に対してウエハWの回転半径方向の内側から供給されるので、ウエハWの回転半径方向の外側に向かうベクトルを有している。そして、その供給後には、SC1に対してウエハWの回転による遠心力が作用する。このため、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたSC1がウエハWの表面の中央部に進入することがほとんどない。したがって、ウエハWの表面のデバイス形成領域にSC1による影響を与えるおそれがない。
【0050】
その結果、ウエハWの表面のデバイス形成領域に影響を与えることなく、ウエハWの表面の周縁領域40から汚染を良好に除去することができる。
図6は、本発明の他の実施形態(第2の実施形態)に係る基板処理装置の構成を模式的に示す側面図である。この第2の実施形態において、前述の図1〜図5の実施形態(第1の実施形態)に示された各部に対応する部分には、図1〜図5の場合と同一の参照符号を付して示し、特に説明が必要な場合を除き、その説明を省略する。
【0051】
第1の実施形態では、ブラシ21へのSC1の供給のために、ウエハWの裏面に裏面SC1ノズル5からのSC1が供給される構成について説明したが、第2の実施形態では、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されるSC1を用いて、ブラシ21にSC1を供給している。そして、この第2の実施形態では、裏面SC1ノズル5および裏面DIWノズル6が省略されている。
【0052】
基板処理装置51は、ウエハWの表面の周縁領域40にSC1を供給するための第2表面SC1ノズル52と、ウエハWの表面の周縁領域40にDIWを供給するための第2表面DIWノズル57とを備えている。
第2表面SC1ノズル52には、第2表面SC1バルブ53を介して、図示しないSC1供給源からのSC1が供給されるようになっている。
【0053】
第2表面DIWノズル57には、第2表面DIWバルブ58を介して、図示しないDIW供給源からのDIWが供給されるようになっている。
さらに、基板処理装置51は、ブラシ21の内部に含まれるSC1を吸引するための吸引ノズル54を備えている。吸引ノズル54には、吸引管55の一端が接続されている。吸引管55の他端は、吸引管55の内部を真空吸引するための吸引装置(図示せず)に接続されている。吸引管55の途中部には、吸引ノズル54からの吸引/吸引停止を切り換えるための吸引バルブ56が介装されている。この吸引ノズル54は、ブラシホルダ28に係止された保持金具(図示せず)によって、ブラシ21と一体的に昇降可能に構成にされている。
【0054】
図7は、第2の実施形態に係る基板処理装置のスピンチャックに保持されたウエハの平面図である。
第2表面SC1ノズル52は、スピンチャック3の上方で、その吐出口をウエハWの表面の周縁領域40上のSC1着液位置P5に向けて、SC1着液位置P5よりもウエハWの回転半径方向における内側に配置されている。これにより、第2表面SC1ノズル52の吐出口から吐出されるSC1は、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かう。SC1着液位置P5は、ブラシ21が当接するウエハWの周縁部のブラシ接触位置P1に対して、ウエハWの回転方向(矢印35で示す方向)の上流側に間隔L4を隔てた位置に設定されている。この間隔L4として、ウエハWの直径の1/30程度のサイズを例示することができる。
【0055】
第2表面DIWノズル57は、スピンチャック3の上方で、その吐出口をウエハWの表面の周縁領域40のDIW着液位置P6に向けて、DIW着液位置P6よりもウエハWの回転半径方向における内側に配置されている。これにより、第2表面DIWノズル57から吐出されるDIWは、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かう。DIW着液位置P6は、ブラシ21が当接するウエハWの周縁部のブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向の下流側に間隔L5を隔てた位置に設定されている。この間隔L5として、ウエハWの直径の1/10程度のサイズを例示することができる。
【0056】
また、第2の実施形態では、N2ガスノズル10からのN2ガスが吹き付けられるN2ガス吹付け位置P4は、DIW着液位置P6に対してウエハWの回転方向の下流側に間隔L6を隔てた位置に設定されている。この間隔L6として、ウエハWの直径の1/10程度のサイズを例示することができる。
吸引ノズル54は、その先端が、ブラシ21の周面(図6および図7では、たとえば、第2洗浄面33)に微小な間隔(たとえば、3mm)を隔てて配置されている。そのため、ブラシ21にSC1が含まれている状態で、吸引バルブ56が開かれて、吸引管55の内部が吸引装置(図示せず)によって吸引されると、ブラシ21の内部に含まれるSC1が、吸引ノズル54に吸引される。したがって、ブラシ21の回転を妨げることなく、ブラシ21の内部に含まれるSC1を、吸引ノズル54により吸引することができる。
【0057】
図8は、第2の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
制御部50には、スピンモータ13、第2表面SC1バルブ53、第2表面DIWバルブ58、N2ガスバルブ18、吸引バルブ56、揺動駆動機構23、昇降駆動機構24およびブラシ自転機構26が制御対象として接続されている。
【0058】
図9は、第2の実施形態に係る基板処理装置におけるウエハの処理を説明するための工程図である。第1の実施形態と同様、その表面の中央部(デバイス形成領域)にLow−k膜(疎水性膜)が形成されたウエハWを洗浄する場合を例にとって説明する。
基板処理装置51内に搬入されるウエハWは、その表面を上方に向けて、スピンチャック3に保持される。
【0059】
ウエハWがスピンチャック3に保持されると、制御部50によりスピンモータ13が制御されて、スピンチャック3によるウエハWの回転が開始される(ステップS11)。ウエハWは、たとえば100rpmの回転速度で回転される。
次いで、制御部50によって第2表面SC1バルブ53が開かれる(ステップS12)。これにより、第2表面SC1ノズル52からウエハWの表面の周縁領域40のSC1着液位置P5に向けてSC1が吐出される(ステップS12)。第2表面SC1ノズル52から吐出されるSC1の流量は、たとえば20ml/minである。ウエハWの表面の周縁領域40に供給されるSC1は、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かうベクトルを有している。
【0060】
また、制御部50によって吸引バルブ56が開かれる(ステップS12)。
さらにまた、制御部50によってN2ガスバルブ18が開かれて、N2ガスノズル10からウエハWの表面の周縁領域40のN2ガス吹付け位置P4に向けてN2ガスが吹き付けられる(ステップS12)。N2ガスノズル10から吹き出されるN2ガスの流量は、たとえば5L/minである。
【0061】
さらに、制御部50によりブラシ自転機構26が制御されて、ブラシ21が、たとえば、100〜200rpmの回転速度で、ウエハWの回転方向と同方向に回転される。その後、制御部50により揺動駆動機構23および昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42に当接される(ステップS13)、ウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42が洗浄される。ステップS13の処理は、図5のステップS3と同様の処理である。
【0062】
ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部50により昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が所定の高さまで下降される(ステップS14)。これにより、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWから離れ、第1洗浄面32にウエハWの周縁部が当接する。そして、第1洗浄面32にウエハWが食い込み(ステップS15:ブラシの第1洗浄面当接)、第1洗浄面32がウエハWの表面の周縁領域40および周端面42に押し付けられる。この状態において、第2表面SC1ノズル52からのSC1の供給が継続されている。ウエハWの表面の周縁領域40のSC1着液位置P5に着液したSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、表面の周縁領域40上をウエハWの回転半径方向の外方に向けて移動し、ウエハWの周縁部に接触しているブラシ21に付与される。これにより、SC1が供給されたブラシ21によって、ウエハWの表面の周縁領域40および周端面42が洗浄される。したがって、ウエハWの表面の周縁領域40および周端面42に付着する汚染が剥がされる。
【0063】
また、この状態において、吸引ノズル54によるSC1の吸引は続行されている。すなわち、ブラシ21に対して、第2表面SC1ノズル52からのSC1が供給される一方、ブラシ21の内部に含まれるSC1が吸引ノズル54によって吸引される。
ブラシ21の内部に含まれるSC1が吸引ノズル54によって吸引されているとともに、ブラシ21へSC1が供給されているので、ブラシ21に含まれるSC1は必要十分で適切な量に保たれている。そのため、ブラシ21が当接するウエハWの周縁部のブラシ接触位置P1では、適切な濡れ幅(たとえば、2mm)のSC1の液膜を形成することができる。
【0064】
さらに、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたSC1に対して、ウエハWの回転半径方向の内側から、N2ガスノズル10からのN2ガスが吹き付けられる。これにより、SC1は、回転半径方向外側に向けて押され、ウエハWの表面の周縁領域40上に止まることなく、周縁領域40上から速やかに除去される。
ブラシ21の第1洗浄面32がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部50によって第2表面SC1バルブ53が閉じられて、第2表面SC1ノズル52からのSC1の供給が停止される(ステップS16)。また、制御部50によって吸引バルブ56は開いた状態が維持されて、吸引ノズル54からのSC1の吸引は継続される(ステップS16)。
【0065】
その後、制御部50により第2表面DIWバルブ58が開かれる(ステップS17)。これにより、第2表面DIWノズル57からウエハWの表面の周縁領域40のDIW着液位置P6に向けてDIWが吐出される。第2表面DIWノズル57から吐出されるDIWの流量は、たとえば10ml/minである。ウエハWの表面の周縁領域40に供給されるDIWは、平面視において、ウエハWの回転半径方向に沿ってその内側から外側に向かうベクトルを有している。また、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたDIWには、ウエハWの回転による遠心力が作用する。そのため、着液位置P6に吐出されたDIWのほとんどはウエハWの外方に排出される。しかしながら、DIWの一部は、ウエハWの表面の周縁領域40に残留する。
【0066】
また、制御部50により昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が所定の高さまで上昇される(ステップS18)。これにより、ブラシ21の第1洗浄面32がウエハWから離れ、第2洗浄面33にウエハWの周縁部が当接する。そして、第2洗浄面33にウエハWが食い込み(ステップS19:ブラシの第2洗浄面当接)、第2洗浄面33がウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42に押し付けられる。この状態において、ウエハWの回転に伴って、ウエハWの表面の周縁領域40に残留したDIWがブラシ21に供給される。DIWが供給されたブラシ21によって、ウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42が洗浄され、ウエハWの裏面の周縁領域41に付着したSC1が洗い流される。
【0067】
ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部50により昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が所定の高さまで下降される(ステップS20)。これにより、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWから離れ、第1洗浄面32にウエハWの周縁部が当接する。そして、第1洗浄面32にウエハWが食い込み(ステップS21:ブラシの第1洗浄面当接)、第1洗浄面32がウエハWの表面の周縁領域40および周端面42に押し付けられる。この状態において、第2表面DIWノズル57からのDIWの供給が継続されている。そのため、ウエハWの回転に伴って、ウエハWの表面の周縁領域40に残留したDIWがブラシ21に供給される。DIWが供給されたブラシ21によって、ウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42が洗浄され、ウエハWの裏面の周縁領域41に付着したSC1が洗い流される。
【0068】
ブラシ接触位置P1よりもウエハWの回転方向の下流側に位置するDIW着液位置P6に、第2表面DIWノズル57からのDIWが供給される。ブラシ21によりウエハWから剥がされた汚染は、第2表面DIWノズル57からのDIWによって洗い流される。ブラシ接触位置P1よりも回転方向下流側にDIWが供給されるので、表面の周縁領域40から剥がれた汚染をDIWにより洗い流すことができる。
【0069】
ブラシ21の第1洗浄面32がウエハWに当接してから所定時間が経過すると、制御部50により揺動駆動機構23および昇降駆動機構24が制御されて、ブラシ21が処理開始前のホームポジションに退避されるとともに、制御部50によって吸引バルブ56が閉じられて、吸引ノズル54からのSC1の吸引が停止される(ステップS22)。また、ブラシ21がホームポジションに戻される間に、ブラシ自転機構26が制御されて、ブラシ21の回転が停止される。さらに、制御部50によって第2表面DIWバルブ58が閉じられて、第2表面DIWノズル57からのDIWの供給が停止される(ステップS23)。
【0070】
その後は、制御部50によりスピンモータ13が制御されて、ウエハWが高速(たとえば、3000rpm)で回転され、ウエハWに付着しているDIWが振り切られて、ウエハWが乾燥される。ウエハWの高速回転が所定時間にわたって続けられた後、スピンチャック3によるウエハWの回転が停止される。そして、ウエハWが静止した後、その処理済みのウエハWが基板処理装置51から搬出されていく。
【0071】
以上のように、スピンチャック3により回転されるウエハWの表面の周縁領域40に、SC1が供給されたブラシ21が当接されることにより、その周縁領域40に付着する汚染を掻き取ることができる。一方、ウエハWの表面の周縁領域40には、ブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向下流側に間隔L5を隔てたDIW着液位置P6に、第2表面DIWノズル57からのDIWが供給される。これにより、ブラシ21により掻き取られた汚染を、DIWにより洗い流すことができる。そのため、ウエハWの表面の周縁領域40にブラシ21により掻き取られた汚染が残留してこびりつくことを防止することができる。
【0072】
さらに、DIW着液位置P6がブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向下流側に間隔L5を隔てているので、DIW着液位置P6に供給されたDIWのほとんどは、ウエハWを介して直接的にブラシ21に接触しない。これにより、DIWにより洗い流される汚染がブラシ21に付着するのを抑制することができる。
また、ウエハWの表面の周縁領域40上のDIW着液位置P6に供給されるDIWは、そのDIW着液位置P6に対してウエハWの回転半径方向の内側から供給されるので、ウエハWの回転半径方向の外側に向かうベクトルを有している。そして、その供給後には、DIWに対してウエハWの回転による遠心力が作用する。このため、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたDIWがウエハWの表面の中央部に進入することがほとんどない。したがって、ウエハWの表面のデバイス形成領域にDIWによる影響を与えるおそれがない。
【0073】
その結果、ウエハWの表面のデバイス形成領域に影響を与えることなく、ウエハWの表面の周縁領域40から汚染を良好に除去することができる。
また、スピンチャック3により回転されるウエハWの表面の周縁領域40には、ブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向上流側のSC1着液位置P5に向けて、第2表面SC1ノズル52からのSC1が供給される。ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの周縁部に接触しているブラシ21に付与される。このため、ブラシ21に対してSC1を良好に供給することができる。
【0074】
さらに、第2表面SC1ノズル52からのSC1が、ウエハWの表面の周縁領域40を伝って、回転状態にあるブラシ21に供給される。そのため、第2表面SC1ノズル52からブラシ21に向けてSC1を直接吐出する構成と比較して、ブラシ21の回転に伴うSC1の飛散を抑制することができる。
さらにまた、ブラシ21へのSC1の供給により、ブラシ21の内部には十分な量のSC1が含まれている。そのため、ウエハWの表面の周縁領域40には、ブラシ接触位置P1に、所定の濡れ幅を有するSC1の液膜を形成することができる。これにより、SC1 の洗浄力によってウエハWの表面の周縁領域40に付着する汚染を良好に掻き取ることができる。一方、ブラシ21の内部に含まれるSC1は吸引ノズル54によって吸引される。そのため、ブラシ接触位置P1よりも回転方向下流側におけるウエハWの表面の周縁領域40に、ブラシ21から染み出るSC1の量は比較的少量である。このため、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたSC1がウエハWの表面の中央部に進入することがほとんどない。
【0075】
以上、本発明の2つの実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、ブラシ21にSC1を直接供給する構成を採用することもできる。この場合、ブラシ21の洗浄面32,33に対してSC1が供給されてもよいし、ブラシ回転軸25を介してブラシ21の内部にSC1が供給されてもよい。
また、前記の2つの実施形態では、基板処理装置1,51を用いて、ウエハWの表面の中央部にLow−k膜(疎水性膜)が形成されたウエハWを洗浄する場合を例にとって説明したが、基板処理装置1,51を用いた洗浄処理は、その表面の中央部に銅配線が形成されたウエハWを洗浄対象とすることもできるし、それ以外のウエハWを洗浄対象とすることもできる。
【0076】
また、第1の実施形態の基板処理装置においては、ブラシ21を吸引する吸引ノズルを備えていないが、さらに、第2の実施形態と同様の吸引ノズル54及び吸引管55を設け、ブラシ21内のSC1等の液体を吸引するようにしてもよい。
さらに、第1の実施形態の処理工程では、ステップS8のリンス処理時にブラシ21がホームポジションに退避されているが、このリンス処理時のブラシ21がウエハWの周縁部に接触させられていてもよい。この場合、リンス処理では、ステップS2〜S7のSC1処理のように、まず、ブラシ21の第2洗浄面33がウエハWの裏面の周縁領域41および周端面42に当接されて、その後に、ブラシ21の第1洗浄面32がウエハWの表面の周縁領域40および周端面42に当接されることが好ましい。
【0077】
また、第2実施形態において、第1実施形態のように裏面DIWノズル6を配設する構成を採用することもできる。かかる場合には、ステップS17〜S22のリンス処理時に、裏面DIWノズル6からのDIWを、ブラシ21に供給することができる。このため、第2表面DIWノズル57からのDIWをブラシ21に供給する必要はない。
したがって、ステップS17〜S22のリンス処理において、N2ガスノズル10からN2ガスを吐出させることもできる。このとき、ウエハWの表面の周縁領域40に供給されたDIWに対して、ウエハWの回転半径方向の内側から、N2ガスノズル10からのN2ガスが吹き付けられる。これにより、DIWは、回転半径方向外側に向けて押され、ウエハWの表面の周縁領域40上に止まることなく、周縁領域40上から速やかに除去される。
【0078】
また、リンス処理においてN2ガスノズル10からN2ガスを吐出させる場合には、第2表面DIWノズル57から吐出されるDIWの量を少なくしても、ウエハWの表面の周縁領域40から汚染を良好に除去することができる。第2表面DIWノズル57からのDIWの量を少なくすることにより、ウエハWの表面の周縁領域40から飛散したDIWのウエハWの表面への跳ね返りを防止することができる。
【0079】
さらに、裏面DIWノズル6を配設する構成では、リンス処理時にブラシ21に十分な量のDIWが供給される。そのため、吸引ノズル54からの吸引を、ステップS12〜S16のSC1処理だけでなく、ステップS17〜S22のリンス処理において行う構成であってもよい。この場合、ウエハWの中央部へのDIWの進入を防止することができる。
また、前記の2つの実施形態では、SC1処理後にリンス処理を施す構成を例に挙げて説明したが、SC1(薬液)を用いずにDIW(リンス液)だけを用いて、ウエハWの表面の周縁領域40を洗浄することもできる。かかる場合、第2の実施形態では、ステップS12〜S16のSC1処理に関する工程を削除することができる。
【0080】
この場合、DIWが供給されたブラシ21がウエハWの表面の周縁領域40に接触することにより、その周縁領域40に付着する汚染を掻き取ることができる。一方、ウエハWの表面の周縁領域40には、ブラシ接触位置P1に対してウエハWの回転方向下流側に間隔L5を隔てたDIW着液位置P6に、第2表面DIWノズル57からのDIWが供給される。これにより、ブラシ21により掻き取られた汚染を、その掻き取られた直後にDIWにより洗い流すことができる。そのため、ウエハWの表面の周縁領域40にブラシ21により掻き取られた汚染が残留してこびりつくことを防止することができる。
【0081】
さらに、前記の2つの実施形態では、薬液としてSC1を例示したが、これ以外にたとえばアンモニア水を用いることができる。
また、リンス液としては、DIWに限られず、たとえば、炭酸水、イオン水、オゾン水、還元水(水素水)または磁気水などの機能水を用いることもできる。
さらにまた、前記の2つの実施形態では、スピンチャック3として真空吸着式のチャックを用いたが、スピンチャック3は、このような真空吸着式のチャックに限られない。たとえば、ウエハWの周端面42を複数個の回転ローラを用いて挟持することにより、ウエハWをほぼ水平な姿勢で保持することができるローラ式のチャックが採用されていてもよい。この場合、ウエハWの裏面に薬液またはリンス液を供給する構成を採用する場合には、ウエハWの裏面の回転中心近傍に薬液またはリンス液が供給されることにより、ブラシ21への薬液またはリンス液の供給が達成されることが好ましい。また、ウエハWの裏面に薬液またはリンス液を供給する構成を採用しない場合には、ウエハWの周端面42を複数個のチャックピンを用いて挟持することにより、ウエハWをほぼ水平な姿勢で保持することができる端面挟持型のチャックが採用されていてもよい。
【0082】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図2】ブラシの構成を示す側面図である。
【図3】スピンチャックに保持されたウエハの平面図である。
【図4】基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図5】基板処理装置におけるウエハの処理を説明するための工程図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図7】第2の実施形態に係る基板処理装置のスピンチャックに保持されたウエハの平面図である。
【図8】第2の実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る基板処理装置におけるウエハの処理を説明するための工程図である。
【符号の説明】
【0084】
1,51 基板処理装置
3 スピンチャック(基板回転手段)
5 裏面SC1ノズル(薬液供給手段)
6 裏面DIWノズル
8 第1表面SC1ノズル(下流側周縁薬液吐出手段)
9 第1表面DIWノズル(周縁リンス液吐出手段)
10 N2ガスノズル(ガス吹付け手段)
21 ブラシ
23 揺動駆動機構
24 昇降駆動機構
32 第1洗浄面
33 第2洗浄面
52 第2表面SC1ノズル(薬液供給手段)
54 吸引ノズル(薬液吸引手段)
55 吸引管(薬液吸引手段)
57 第2表面DIWノズル(周縁リンス液吐出手段)
L1,L2,L3,L4,L5,L6 間隔
P1 ブラシ接触位置
P2 SC1着液位置(所定の薬液吐出位置)
P3 DIW着液位置(所定のリンス液吐出位置)
P4 N2ガス吹付け位置
P5 SC1着液位置(所定の薬液吐出位置)
P6 DIW着液位置(所定のリンス液吐出位置)
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を回転させるための基板回転手段と、
前記基板回転手段により回転される基板に対して、少なくとも基板の表面の周縁領域において当接するブラシと、
基板の表面の周縁領域における前記ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てた所定のリンス液吐出位置に向けて、その所定のリンス液吐出位置よりも基板の回転半径方向の内側からリンス液を吐出する周縁リンス液吐出手段とを含むことを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記ブラシに薬液を供給するための薬液供給手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記薬液供給手段は、基板の表面の周縁領域における前記ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向上流側に位置する所定の薬液吐出位置に向けて、その所定の薬液吐出位置よりも基板の回転半径方向の内側から薬液を吐出することを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板回転手段は、基板を、その表面が上方に向いたほぼ水平な姿勢に保持しつつ鉛直軸線周りに回転させるものであり、
前記薬液供給手段は、前記基板回転手段により回転される基板の裏面に薬液を供給することを特徴とする、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ブラシの内部に含まれる薬液を吸引するための薬液吸引手段をさらに含むことを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
基板の表面の周縁領域における前記ブラシが接触する領域に対して基板の回転方向下流側に間隔を隔てた所定の薬液吐出位置に向けて、その所定の薬液吐出位置よりも基板の回転半径方向の内側から薬液を吐出するための下流側周縁薬液吐出手段をさらに含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記周縁リンス液吐出手段により基板の表面の周縁領域に供給されたリンス液に対して、前記所定のリンス液吐出位置よりも基板の回転方向下流側に間隔を隔てた位置において、基板の回転半径方向の内側から不活性ガスを吹き付けるためのガス吹付け手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ブラシは、弾性変形可能な材料を用いて形成され、前記基板回転手段により回転される基板の表面に垂直な垂線方向の一方側に向けて狭まる形状の第1洗浄面を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ブラシは、前記第1洗浄面の前記一方側の端縁から前記垂線方向の前記一方側に向けて拡がる形状の第2洗浄面を備えていることを特徴とする請求項8記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記薬液は、アンモニア過酸化水素水混合液であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−32846(P2009−32846A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194166(P2007−194166)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】