基板処理装置
【課題】異常により所定の処理が停止しても、リトライ処理を行うことで、ウェハ回収作業等の実施に起因する装置稼働率の低下を抑止できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ウェハ1を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御する制御手段を備えた基板処理装置であって、前記搬送手段が、前記基板を搬送中にエラーが発生して一時停止したときに、前記制御手段は、所定回数のリトライ処理を前記搬送手段に実施させても前記エラーが解消されない場合、前記搬送手段を待機状態(コマンド入力待ち状態)に移行させる。
【解決手段】ウェハ1を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御する制御手段を備えた基板処理装置であって、前記搬送手段が、前記基板を搬送中にエラーが発生して一時停止したときに、前記制御手段は、所定回数のリトライ処理を前記搬送手段に実施させても前記エラーが解消されない場合、前記搬送手段を待機状態(コマンド入力待ち状態)に移行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置でトラブルが発生し自動運用が停止した際に、オペレータが目視確認、及び調整を実施した後、再度停止状態から自動運転を継続できる機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の方式では、装置でトラブルが発生し自動運用が停止した場合、例えば、基板(ウェハ)搬送途中で、センシングエラー(取り付け不良、センサ光量不足等)により停止した場合、基板処理装置を一度メンテナンスを可能な状態にして、センサを調整したのち、ウェハを自動回収して、再度未処理ウェハに対してレシピを設定した後、再度運転を行う。
【0003】
図11の例では、ウェハを取り出す(Get動作)前に、該当する基板を載置するアームの2つのブレードにウェハがないことと、取りだし後にウェハが2枚あることを確認する。ここで、センサ誤検知(位置不良)、信号遅延、或いはセンサ光量不足などを考慮し、所定の回数をインターバル時間をおいた後、リトライを実施する。図では、3回目においても期待する情報とならない場合は、エラー停止処理を実施する。
【0004】
図12を用いて、上述したように所定回数のリトライ処理を実施したにもかかわらず、エラー停止処理をした後の操作員のリカバリ作業の概要を説明する。
【0005】
図12において、センシングエラーが発生して、装置状態は「停止」となる。センサ調整不良ならば、操作員がセンサ調整する。まず、Wafer#5,6をロードロックチャンバLC1−Slot5,6へ搬送する。プロセスチャンバPC2を搬送圧力に設定し、Wafer#3,4をロードロックチャンバLC1−Slot3,4へ搬送する。同様に、プロセスチャンバPC1を搬送圧力に設定し、Wafer#1,2をロードロックチャンバLC1−Slot1,2へ搬送する。装置担当者が確認して、未処理ウェハWafer#5〜25に対して、再度プロセスレシピを設定し、処理実行する。尚、上述のウェハ回収搬送は、自動回収(1ボタンでプログラム制御)される。
【0006】
プロセスチャンバPCで異常停止した場合、該当チャンバでの制御を諦める。また、マルチチャンバであれば、他のプロセスチャンバPCを利用して縮退運用を実施する。よって、縮退運用であるため稼働率低下が免れない。そして、ロット等の運用の区切りで、異常停止したプロセスチャンバPCから異常終了した滞留ウェハを回収する。
【0007】
図13に、プロセスチャンバPCで異常停止した場合におけるプロセス異常処理例を示す。Step2においてアラーム、又はインターロック(プログラムにて常時監視)が発生した際、現在実行中のプロセスレシピを無視して、設定されているアラームレシピを実行する。所定のアラームレシピを実行した後、レシピを異常終了する。 尚、アラーム(又はインターロック)が発生した際に、自動制御するコマンドとして、アラームレシピのほかに、「Stop」、「Pause」、「Jump」などがある。「Stop」は実行中のレシピを即時停止させるコマンドであり、「Pause」は、現在の状態をそのまま保持させるコマンドであり、「Jump」は、指定したステップNo.へジャンプ(移行)して実行させるコマンドである。
【0008】
図14を用いて、プロセスチャンバPC1で異常停止して、アラームレシピを実行した後異常終了した後に縮退運用を実施する場合を示す。自動運用中(プロセスチャンバPC1とプロセスチャンバPC2)にプロセス異常が発生した場合、全プロセスチャンバ異常となった場合は自動運転を停止する。また、異常となったプロセスチャンバPC1の圧力をチェックして、トランスファチャンバTCと同圧ならば異常Waferとして未処理Wafer#5,6を保持しているのでプロセスチャンバPC1からロードロックチャンバLCへ戻す。また、同圧でなければ、プロセスチャンバPC1とトランスファチャンバTC間のゲートバルブを開くことができない。よって、異常発生したプロセスチャンバPC1にウェハを滞留させ、保持している未処理Wafer#5,6をプロセスチャンバPC2へ回転させ、処理待ちになる。
【0009】
図14では、異常終了となったプロセスチャンバPCとトランスファチャンバTCが搬送圧で同圧の場合、異常発生したプロセスチャンバPCのエラー要因を排除した後、搬送圧力に同圧化される。そして、滞留ウェハの回収が行われる。尚、回収方法は、上述した搬送エラー時の回収と同じである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
半導体製造装置で、アラーム又はインターロックなどのトラブルが発生した際に、自動運用を停止し生産が止まってしまう場合がある。このとき即座に装置内のウェハ回収を実施し、アラーム又はインターロックなどの発生要因を取り除いて生産を開始しても、装置稼働率が大幅に低下してしまう。
【0011】
このように、一度装置を停止してしまうと、装置稼働率が極端に低下することになる。特に、高スループットを要する装置では、上述したメンテナンス作業による稼働率低下は顕著となる。
【0012】
本発明では、異常により所定の処理が停止しても、リトライ処理を行うことで、ウェハ回収作業等の実施に起因する装置稼働率の低下を抑止できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の特徴は、ウェハ1を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御する制御手段を備えた基板処理装置であって、前記搬送手段が、前記基板を搬送中にエラーが発生して一時停止したときに、前記制御手段は、所定回数のリトライ処理を前記搬送手段に実施させても前記エラーが解消されない場合、前記搬送手段を待機状態(コマンド入力待ち状態)に移行させることにある。
【発明の効果】
【0014】
単純なアラーム又はインターロックについては、一時停止状態で復旧作業を実施し、生産を再開させることで、稼働率の低下を最小限に抑えることができる。特に、アッシング装置など高スループット(200枚〜300枚/時程度)を要する装置については顕著に装置稼働率の低下を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態である半導体製造装置を示す平面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態である半導体製造装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態である半導体製造装置における処理室を示す斜視図である。
【図4】ウェハ処理時の内側移載装置周辺を示す平面図である。
【図5】ウェハ移載フローを示す各模式的平面図及び各縦断面図である。
【図6】ウェハ移載フローの続きを示す各模式的平面図及び各縦断面図である。
【図7】本発明の一実施形態である半導体製造装置におけるコントローラ構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態における真空ロボットアームセンサ異常時のリトライ制御方式を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるプロセス異常時のリカバリ制御方式を示す図である。
【図10】ロボットアームをセンシングする構造例を示す図である。
【図11】従来の真空ロボットアーム制御方式を示す図である。
【図12】従来の搬送停止時のリカバリ作業の概要を示す図である。
【図13】従来のプロセス異常処理例を示す図である。
【図14】従来のプロセス異常処理時の運用方式の一例を示す図である。
【図15】アッシングプロセスを実施するためのプロセスレシピ実行例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施形態において、本発明に係る基板処理装置は、半導体製造装置10として構成されている。図1に示されるように、半導体製造装置10は、第一搬送室としての搬送室12を中心として、2つのロードロック室(予備室)14a,14b及び2つの処理室16a,16bが配置されている。2つのロードロック室14a,14bの上流側には第二搬送室であるEFEM(Equipment Front End Module)18が配置されている。
【0017】
EFEM18は、図示しないが、複数のキャリアを搭載することができる構造になっている。キャリアには25段のスロットが形成されており、格段のスロットはウェハを1枚ずつ保持するように構成されている。したがって、キャリアは最小1枚から最大25枚のウェハを収容可能である。図示しないが、EFEM18内には第二搬送装置としてのウェハ移載装置が設置されており、ウェハ移載装置は大気中にて同時に複数枚(通例、5枚)を移載することができる。ウェハ移載装置は2つのロードロック室14a,14bとの間のウェハ移載を可能としている。
【0018】
図2に示されているように、ロードロック室14a,14bには支持台20が設けられており、支持台20は25枚のウェハを縦方向に一定間隔を隔てて収容する。支持台20は、例えば、炭化珪素やアルミで構成しており、上部板22と下部板24とを接続する例えば3つの支柱26を有する。支柱26の長手方向内側には例えば25個の載置部28が平行に形成されている。また、支持台20は、ロードロック室14a,14b内において、鉛直方向(上下方向に移動)するように構成されているとともに、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するように構成されている。
【0019】
搬送室12には第一搬送装置としてのウェハ移載装置30が設置されている。ウェハ移載装置30はロードロック室14a,14bと処理室16a,16bとの間でウェハ1を搬送する。ウェハ移載装置30はフィンガーアッシー32が設けられたアーム34を備えている。フィンガーアッシー32は上フィンガー32aと下フィンガー32bとを有する。上フィンガー32aと下フィンガー32bとは同一の形状をしており、上下方向に所定の間隔で離間され、アーム34からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、ウェハ1をそれぞれ支持する。アーム34は鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転するように、かつ、水平方向に移動するように構成されている。搬送室12と処理室16a、搬送室12と処理室16bは、ゲートバルブ35(図3参照)を介してそれぞれ連通している。尚、図2ではアームとしてのフィンガーアッシー32が1つだけ表示されているが、この形態に限定されないのはいうまでも無い。後述するようにフィンガーアッシー(アーム)32を2つ設けてもよい。
【0020】
したがって、搬送室12に設置されたウェハ移載装置30はロードロック室14a,14bにストックされた未処理ウェハを同時に2枚ずつゲートバルブ35を介して処理室16a,16bへ移載することができるとともに、処理済ウェハを一度に2枚ずつ処理室16a,16bからロードロック室14a,14bに移載することができる。
【0021】
図3に示されているように、処理室16には2つの保持台37が設置されている。搬送室12側の保持台37を第一処理部36、他方の保持台37を第二処理部38とする。第一処理部36と第二処理部38は各々独立した構造となっており、装置全体からみると、ウェハ処理流れ方向と同方向一列になっている。すなわち、第二処理部38は、搬送室12から第一処理部36を挟んで遠方に配置されている。第一処理部36と第二処理部38とは連通し、処理室16内は300℃までの昇温が可能である。第一処理部36と第二処理部38は、例えばアルミニウムで形成され、内挿したヒータ(不図示)により加熱される。省スペース、低コストの目的を達成するため、ロードロック室14a,14b、搬送室12および処理室16a,16bを例えばアルミニウム1部品にて形成してもよい。
【0022】
処理室16内の第一処理部36と第二処理部38の間の内側寄りには、第三搬送装置としての処理室内のウェハ移載装置(以下、内側移載装置ともいう)40が設けられている。内側移載装置40はウェハ移載装置(以下、外側移載装置ともいう)30によって搬送された2枚の未処理ウェハのうちの1枚を第二処理部38へ移載し、さらに、第二処理部38の処理済ウェハを外側移載装置30のフィンガーアッシー32上へ移載する。
【0023】
図4は、処理部16内の内側移載装置40が第二処理部38側に待機している時(ウェハ処理時)の状態を示す。内側移載装置40は、ウェハの外径より大きな円弧部43aと、円弧部43aから切欠かれた切欠き部43bと、円弧部43aから円弧部の中心に向かって略水平に設けられたウェハを載置する爪部43cと、円弧部43aを支えるフレーム部43dが設けられたアーム47と、を有する。円弧部43aとフレーム部43dとは連続して形成され、アーム47から略水平に装着され、爪部43cを介してウェハ1を支持する。アーム47は、鉛直方向に延びる軸部43eを回転軸として回転するように、かつ、鉛直方向に昇降するように構成されている。切欠き部43bは、軸部43eが回転し、第一処理部36側に位置するときに、搬送室12と処理室16との間に設けられたゲートバルブ35と向かい合う位置に配置する。したがって、内側移載装置40は、回転軸である軸部43eの回転動作、昇降動作に伴い、回転動作や昇降動作を行うので、外側移載装置30によって処理室16に搬送された2枚のウェハのうち、1枚のウェハを第一処理部36上方から搬送室12の遠方にある第二処理部38に搬送して載置することができる。内側移載装置40は、第一処理部36および第二処理部38からの熱輻射により高温(200℃くらい)になるため、耐プラズマ性、耐高熱性である例えばアルミナセラミックス、石英、SiC(炭化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等から形成するのが好ましい。金属部品に比べ熱膨張係数の小さい例えばアルミナセラミックスで形成することで、熱変形によるたわみ等による搬送信頼性劣化を防止することができる。ただし、内側移載装置40の基部には位置やレベル(高さ)調整のため、金属部品を使用する。
【0024】
図5に示されるように、第一処理部36および第二処理部38は、処理室16内において固定部材(不図示)により装置本体11に固定されている。第一処理部36外周には3つの第一保持ピン39aが鉛直方向に貫通しており、第一保持ピン39aが上下に昇降することで、ウェハ1を略水平に昇降させる。第二処理部38外周には3つの第二保持ピン39bが鉛直方向に貫通しており、第二保持ピン39bが上下に昇降することで、ウェハ1を略水平に昇降させる。したがって、ゲートバルブ35を介して外側移載装置30により搬送されたウェハ1は、保持ピン39a,39bを介して保持台37に載置されるようになっている。つまり、モータが回転および逆回転することにより、第一保持ピン39a、第二保持ピン39bが上下方向に移動する。
【0025】
図5および図6に処理室16内におけるウェハ移載のフローの概要を示す。図5(a)〜(d)および図6(e)〜(h)において、上図は処理室16の上面図であり、下図は上図の断面をイメージした図で、説明用図面である。下図では、保持ピン39aの一つが第一処理部36内のゲートバルブ35に近い箇所に設けられている。これは説明の便宜上のものである。実際には上図のように、第一処理部36内のゲートバルブ35に近い箇所、すなわち、外側移載装置30が図5(c)上図のように待機する箇所には、保持ピン39aは設けられていない。
【0026】
尚、以下の説明において、半導体製造装置10を構成する各部の動作は、後述するコントローラシステム700により制御されている。まず、処理室16内は搬送室12と同圧に減圧化される。
【0027】
(ステップ1 図5(a))
ゲートバルブ35が開き、第一処理部36の第一保持ピン39aと第二処理部38の第二保持ピン39bが上昇する。内側移載装置40は第二処理部38側に待機し、第一保持ピン39a、第二保持ピン39bと共に上昇する。
【0028】
(ステップ2 図5(b))
内側移載装置40は、軸部43eが回転することで、水平に第一処理部36側へ移動する。この際、内側移載装置40の切欠き部43bは、ゲートバルブ35と向かい合っている。
【0029】
(ステップ3 図5(c))
外側移載装置30が上フィンガー32aと下フィンガー32bに載置された2枚のウェハ1を同時に搬送しながら、搬送室12からゲートバルブ35を介して処理室16に移動し、第一処理部36の上方にて停止する。その際、内側移載装置40はフィンガーアッシー32の上フィンガー32aと下フィンガー32bの間に収まる高さ位置にて待機している。
【0030】
(ステップ4 図5(d))
外側移載装置30はそのまま動作しない状態にて、第一処理部36の第一保持ピン39aが上昇し、下フィンガー32bに載置されたウェハ1を第一保持ピン39a上に載置する。さらに、内側移載装置40が上昇することで、上フィンガー32aに載置されたウェハを内側移載装置40の爪部43c上に載置する。
【0031】
(ステップ5 図6(e))
外側移載装置30は、搬送室12内に戻る。
【0032】
(ステップ6 図6(f))
内側移載装置40は、ウェハ1を載置した状態で、軸部43eが回転することで略水平に第二処理部38側へ移動する。また、同時にゲートバルブ35が閉まる。
【0033】
(ステップ6 図6(g))
軸部43eが下降して、内側移載装置40は、第二処理部38の外周下方に移動する。内側移載装置40は、ウェハ処理中も処理室16内に待機することになるため、第二処理部38上方から供給される処理ガス(例えばO2ラジカル等)のガスの流れを阻害し、ウェハ面内の均一性を悪化させる危惧がある。そのため、第二処理部38の外周のガス流れを阻害しない高さへと移動する。
【0034】
(ステップ6 図6(h))
第一処理部36の第一保持ピン39aおよび第二処理部38の第二保持ピン39bがウェハ1を略水平に保持した状態で略同時に下降し、ウェハ1を保持台37に載置する。すなわち、それぞれのウェハ1と、それらのウェハ1に対応した保持台との距離が互いに等しくなるよう、ウェハ1を下降させる。第一処理部36および第二処理部38それぞれのウェハ1への熱影響を同じにするためである。
【0035】
熱影響を同じにすることにより、例えばそれぞれのウェハのアッシングレートを均一にすることができる。まったく同じ熱影響とする必要はなく、アッシングレートが均一にさえなれば、誤差があってもよい。誤差は、例えば2秒程度である。第一保持ピン39aと第二保持ピン39bを略同時に下降して、熱影響を同じとする代わりに、ヒータを個別に制御してもよい。また、本実施例では、保持ピン39が下がるが、保持台37が上下するように構成してもよい。
【0036】
その後、処理室16内にガスを供給し、プラズマ生成(アッシング処理)がなされ、基板処理後は、逆のシーケンスを実行し、処理済ウェハ1を搬出する。
【0037】
図7は、本発明に於けるコントローラ構成を示す図である。本発明に於ける装置コントローラとしてのコントローラシステム700は、操作部(OU)701と、メインコントローラとしての統括制御コントローラ702と、第二搬送装置としての大気ロボットコントローラ704と、第一搬送装置としての外側移載装置(真空ロボット)30を制御する真空ロボットコントローラ705とがLANを介して接続されている。尚、図示されていないが、内側移載装置30(処理室ロボット)を制御する処理室ロボット制御コントローラもLANを介して接続されている。
【0038】
操作部701は、モニタ表示、ロギングデータやアラームなどの解析、及びパラメータ編集などを行うための画面を表示する図示しない表示部と、該表示部を介して入力された指示データや各種レシピや各種パラメータをファイルとして格納する図示しない記憶部と、システム制御コマンドなどのコマンドや、各種レシピ作成時における設定値を入力する図示しない入力部などを設けた構成である。メインコントローラとしての統括制御コントローラ702は、コントローラシステム700全体の運用制御を行う。また、真空ロボットコントローラ705、大気ロボットコントローラ704等の搬送系制御、真空排気系制御。各プロセスチャンバPCとしてのプロセス制御(温度、カ゛ス、圧力、RF等)を行う。また、統括制御コントローラ702の直下の通信回線であるセンサバスを介してウェハ検知センサからの信号を取り込みウェハ情報を確認しながら各ロボット(真空ロボットや大気ロボット)と連動し、搬送制御を実施する。サブコントローラ703は、前記統括制御コントローラ702の命令(指示)に対して、MFCやAPC(オートプレッシャーコントローラ)やRF発信機や温調(温度調節器)などに数値データを出力したり、反対に、数値を受信し、前記統括制御コントローラ702に送信する。また、サブコントローラ703は、命令(指示)されたバルブパターンに対してバルブインターロックをかけたり、ハードインターロックを検出し適切な処理を実施したりと高制御性能を必要とする処理を実施する。尚、上記表示部、記憶部、入力部は、操作部701と別体であってもよいし、また、メインコントローラ701に対して別体であってもよい。
【0039】
また、図示しないGEMコントローラと。また、該GEMコントローラを介して図示しないユーザ(顧客)側のHostコンピュータと接続され、工場内の自動化システムを実現する。
【0040】
次に、自動運転の制御概要について詳述する。尚、処理室16内のウェハ1の搬送は上述した通りであり省略する。
【0041】
図示しない基板収容容器(キャリア)としてのFOUP(front opening unified pod)が図示しないロードポートに投入され、ウェハマッピングが実施され、ウェハ枚数の確認が行われる。そして、ウェハ毎に、投入されるプロセスチャンバPCとしての処理室16とプロセスレシピを指定して実行する。本装置では、指定枚数を空いている処理室16へ搬送し、EVAC(排気)制御を実行する。ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14から2枚ずつウェハを、該当する処理室16へ搬送し、プロセスレシピを実行して、処理後、元のロードロック室14へ戻す。
【0042】
ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14からプロセスチャンバPCとしての処理室16への搬送は、以下の通りである。
【0043】
ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14からプロセスチャンバPCとしての処理室16への搬送は、以下の通りである。1)ロードロック室14からウェハ1を2枚取り出す(Getする)前に、ウェハセンサで該当ブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことを確認する。2)ロードロック室14からウェハ1を2枚取り出した(Getした)後に、ウェハセンサで該当ブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1があることを確認する。3)該当する処理室16方向へ回転する。4)処理室16へウェハ1を2枚載置(Put)する前に、ウェハセンサでブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1があることを確認する。5)処理室16へウェハ1を2枚載置(Put)した後に、ウェハセンサでブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことを確認する。ここで、ウェハセンサとは、ウェハの有無を検知するセンサのことである。ウェハセンサとして、例えば、透過型センサでは、光を遮断することにより、ウェハ有、透過した場合はウェハ無となるようにセンサ位置、光量を調整する。また、反射型センサでは、一定の光量を受けた場合ウェハ有、そうでない場合はウェハ無となるようにセンサ位置、光量を調整する。これらを、ロボット形状、チャンバ形状から適切に配置し、ウェハ有無を都度検知することで安全にロボット搬送が可能となる。
【0044】
指定枚数実行完了したならば、ロードロック室14をVent(大気圧復帰)し、指定FOUPへウェハ1を戻す。全てウェハ1が戻ったところで、FOUP払出動作を実行する。
【0045】
次に、搬送室12(トランスファチャンバ)内の真空ロボットとしての外部移載装置40のアームに載置したウェハ1を検知する場合について詳述する。
【0046】
図10を用いてアームに2枚のウェハ1を保持し、これらウェハ1を検知する場合について説明する。まず、アーム2としての上側アームの基板載置部であるブレードにウェハ1を保持した際に、アームを伸縮方向でアームを縮めた位置で、下ブレードのウェハ1は透過スリットを通し透過型センサ光でウェハ有無を検知する。また、上ブレード上のウェハ1は反射型センサによりウェハ1有無を検知する。一方、アーム1としての下側アームの基板載置部であるブレードにウェハ1を保持した際に、アームを伸縮方向でアームを縮めた位置で、下ブレード上のウェハ1は反射型センサによりウェハ1有無を検知する。また、上ブレードのウェハ1は透過スリットを通し透過型センサ光でウェハ有無を検知する。尚、本装置構成では、アーム1とアーム2上のウェハ1を同時に検知することができない構成となっている。ここで、上記透過型センサ、上記反射型センサが本願発明におけるウェハセンサの一種であるのは言うまでもない。
【0047】
上記ウェハセンサによるウェハ1の検知結果、実際にはウェハずれが発生しておらず、上記ウェハセンサの位置調整不足であった場合、ウェハ搬送が停止している状態で、センサ位置を調整し、再スタートさせる。そうすることで、装置内の滞留ウェハを回収することなく、生産を継続することができる。
【0048】
ここで、図8を用いて、本願発明の実施形態におけるリトライ制御方式について、搬送室12(トランスファチャンバ)内の真空ロボットとしての外部移載装置40が、ロードロックチャンバとしての予備室14からウェハ1を取り出す場合を例に挙げて説明する。
【0049】
真空ロボット40は、ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14からウェハ1を2枚取り出すよう指示される(Step1)。まず、真空ロボット40は、該当するロードロック室14と対向する位置に回転する(Step2)。真空ロボット40のアームに設けられたブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことをウェハセンサで確認する(Step3)。ウェハ1がない場合、アームを伸ばすことでロードロック室14内のウェハ1を取り出す処理を行う(Step4)。ウェハセンサの検知結果がウェハ有となった場合、リトライ処理が所定の回数行われたかチェックされる。ここで、リトライ処理とは、ウェハセンサでフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことを確認するための検知であって、図10に示す検知方法である。所定の回数が行われていない場合は、インターバルの時間を置いた後に、Step3へ戻り再度ウェハセンサによる検知が行われる(Step5)。また、所定の回数行われた場合、Step6へ移行する。所定の回数リトライ処理を行っても検知結果が所望の結果にならない場合、待機状態(コマンド入力待ち状態)になり、リトライ処理の実施を要求するコマンド指示を待つ(Step6)。エラー処理の実施を要求するコマンド指示があった場合、エラー処理(異常終了)が行われる(Step7)。尚、リトライ処理をするか、諦めて異常終了させるかは、オペレータの判断による。
【0050】
Step4にてロードロック室14内のウェハ1を取出した後、今度は、真空ロボット40のアームに設けられたブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1があることをウェハセンサで確認する(Step8)。ウェハ1がある場合、ロードロック室14からウェハ1を2枚取り出す処理が終了となる(Step9)。ウェハセンサの検知結果がウェハ無となった場合、リトライ処理が所定の回数行われたかチェックされる。ここで、リトライ処理とは、ウェハセンサでフィンガー32a,32b上にウェハ1が有ることを確認するための検知であって、図10に示す検知方法である。所定の回数が行われていない場合は、インターバルの時間を置いた後に、Step8へ戻り再度ウェハセンサによる検知が行われる(Step10)。また、所定の回数行われた場合、Step11へ移行する。所定の回数リトライ処理を行っても検知結果が所望の結果にならない場合、待機状態(コマンド入力待ち状態)になり、リトライ処理の実施を要求するコマンド指示を待つ(Step11)。エラー処理の実施を要求するコマンド指示があった場合、エラー処理(異常終了)が行われる(Step12)。尚、リトライ処理をするか、諦めて異常終了させるかは、オペレータの判断による。
【0051】
次に、本願発明の実施形態におけるリトライ制御方式に関して、アッシング装置など、プロセスチャンバPCとしての処理室16内にウェハ1が滞留してもプロセス結果に影響することがない装置を例示する。まず、図15を用いて、アッシングプロセスを行うプロセスレシピの構成と制御概要について説明する。ここで、プロセスレシピは時系列に温度、ガス、圧力、RF(Radio Frequency)などの各制御項目を設定、監視するステップ(イベント)があり、各ステップは設定時間通りに実行制御される。
【0052】
自動運用にて該当プロセスチャンバPCとしての処理室16にウェハ1を搬入後、該当するプロセスレシピを開始する。プロセスレシピのステップ1で、処理室16内の温度、圧力をプロセス条件に設定する。ステップ時間の設定値は30秒とされる場合があるが、温度、圧力の条件を満たすまでステップ2へ移行しない。ステップ2で、高周波RFを印加して、プラズマを生成し、60秒間アッシングする。ステップ3でウェハ1を搬出するための搬送圧力に設定する。ここでも、設定値30秒とされる場合があるが、圧力の条件を満たすまで終了しない。尚、次のウェハのために温度は保持される。
【0053】
一般的に、プロセスレシピのステップ実行の間に、アラームやインターロックを検出した場合を想定し、アラームやインターロックの内容、及び当該ステップの制御内容を勘案して、「プロセスレシピ停止(Abort)」、「アラームレシピ実行」、「プロセスレシピポーズ(Pause)」などの処置を予め設定される。
【0054】
アッシングなど、処理室16(プロセスチャンバ)内にウェハ滞留したとしてもプロセス結果に影響することがない装置では、プラズマ異常放電などが発生し、プロセスレシピ制御が途中停止したとしても、再度放電することでウェハ1のプロセス品質には問題が発生しない。このため、再度プロセスレシピを実行(異常があったステップをリトライ処理)することでプロセスレシピ処理を継続することが望ましい場合がある。プロセスレシピ内に、復帰可能なアラームが発生したときの処理として、アラームレシピを実行してプロセス異常終了とするのが一般的である。しかしながら、「Pause」コマンド設定として、オペレータ判断、指示により「Resume」や「SetupJump」(プロセスレシピの最初から)を選択し、プロセスレシピを継続する。尚、継続不能(プロセス性能未達)と判断した場合は、異常終了を選択することも可能とする。「Resume」コマンドは、レシピ再開して次のStepを実行する。「Jump」コマンドは指定Stepから実行する。「Abort」コマンドは、レシピ異常終了する。特に、レシピの先頭から実行させる場合は、「SetupJump」コマンドを設定する。
【0055】
図9を用いて、処理室16(プロセスチャンバ)で実行されるプロセスレシピで異常が発生した場合を例に挙げて説明する。
【0056】
Step2にてアラームが発生して、予め設定された「Pause」コマンドが実施され、プロセスレシピ制御が「Pause」状態となり、コマンド入力待ち状態となる。そして、オペレータが状況を判断して、操作部701からコマンドを入力する。
【符号の説明】
【0057】
10…半導体製造装置(アッシング装置)
702…上位コントローラ(メインコントローラ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置でトラブルが発生し自動運用が停止した際に、オペレータが目視確認、及び調整を実施した後、再度停止状態から自動運転を継続できる機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の方式では、装置でトラブルが発生し自動運用が停止した場合、例えば、基板(ウェハ)搬送途中で、センシングエラー(取り付け不良、センサ光量不足等)により停止した場合、基板処理装置を一度メンテナンスを可能な状態にして、センサを調整したのち、ウェハを自動回収して、再度未処理ウェハに対してレシピを設定した後、再度運転を行う。
【0003】
図11の例では、ウェハを取り出す(Get動作)前に、該当する基板を載置するアームの2つのブレードにウェハがないことと、取りだし後にウェハが2枚あることを確認する。ここで、センサ誤検知(位置不良)、信号遅延、或いはセンサ光量不足などを考慮し、所定の回数をインターバル時間をおいた後、リトライを実施する。図では、3回目においても期待する情報とならない場合は、エラー停止処理を実施する。
【0004】
図12を用いて、上述したように所定回数のリトライ処理を実施したにもかかわらず、エラー停止処理をした後の操作員のリカバリ作業の概要を説明する。
【0005】
図12において、センシングエラーが発生して、装置状態は「停止」となる。センサ調整不良ならば、操作員がセンサ調整する。まず、Wafer#5,6をロードロックチャンバLC1−Slot5,6へ搬送する。プロセスチャンバPC2を搬送圧力に設定し、Wafer#3,4をロードロックチャンバLC1−Slot3,4へ搬送する。同様に、プロセスチャンバPC1を搬送圧力に設定し、Wafer#1,2をロードロックチャンバLC1−Slot1,2へ搬送する。装置担当者が確認して、未処理ウェハWafer#5〜25に対して、再度プロセスレシピを設定し、処理実行する。尚、上述のウェハ回収搬送は、自動回収(1ボタンでプログラム制御)される。
【0006】
プロセスチャンバPCで異常停止した場合、該当チャンバでの制御を諦める。また、マルチチャンバであれば、他のプロセスチャンバPCを利用して縮退運用を実施する。よって、縮退運用であるため稼働率低下が免れない。そして、ロット等の運用の区切りで、異常停止したプロセスチャンバPCから異常終了した滞留ウェハを回収する。
【0007】
図13に、プロセスチャンバPCで異常停止した場合におけるプロセス異常処理例を示す。Step2においてアラーム、又はインターロック(プログラムにて常時監視)が発生した際、現在実行中のプロセスレシピを無視して、設定されているアラームレシピを実行する。所定のアラームレシピを実行した後、レシピを異常終了する。 尚、アラーム(又はインターロック)が発生した際に、自動制御するコマンドとして、アラームレシピのほかに、「Stop」、「Pause」、「Jump」などがある。「Stop」は実行中のレシピを即時停止させるコマンドであり、「Pause」は、現在の状態をそのまま保持させるコマンドであり、「Jump」は、指定したステップNo.へジャンプ(移行)して実行させるコマンドである。
【0008】
図14を用いて、プロセスチャンバPC1で異常停止して、アラームレシピを実行した後異常終了した後に縮退運用を実施する場合を示す。自動運用中(プロセスチャンバPC1とプロセスチャンバPC2)にプロセス異常が発生した場合、全プロセスチャンバ異常となった場合は自動運転を停止する。また、異常となったプロセスチャンバPC1の圧力をチェックして、トランスファチャンバTCと同圧ならば異常Waferとして未処理Wafer#5,6を保持しているのでプロセスチャンバPC1からロードロックチャンバLCへ戻す。また、同圧でなければ、プロセスチャンバPC1とトランスファチャンバTC間のゲートバルブを開くことができない。よって、異常発生したプロセスチャンバPC1にウェハを滞留させ、保持している未処理Wafer#5,6をプロセスチャンバPC2へ回転させ、処理待ちになる。
【0009】
図14では、異常終了となったプロセスチャンバPCとトランスファチャンバTCが搬送圧で同圧の場合、異常発生したプロセスチャンバPCのエラー要因を排除した後、搬送圧力に同圧化される。そして、滞留ウェハの回収が行われる。尚、回収方法は、上述した搬送エラー時の回収と同じである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
半導体製造装置で、アラーム又はインターロックなどのトラブルが発生した際に、自動運用を停止し生産が止まってしまう場合がある。このとき即座に装置内のウェハ回収を実施し、アラーム又はインターロックなどの発生要因を取り除いて生産を開始しても、装置稼働率が大幅に低下してしまう。
【0011】
このように、一度装置を停止してしまうと、装置稼働率が極端に低下することになる。特に、高スループットを要する装置では、上述したメンテナンス作業による稼働率低下は顕著となる。
【0012】
本発明では、異常により所定の処理が停止しても、リトライ処理を行うことで、ウェハ回収作業等の実施に起因する装置稼働率の低下を抑止できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の特徴は、ウェハ1を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御する制御手段を備えた基板処理装置であって、前記搬送手段が、前記基板を搬送中にエラーが発生して一時停止したときに、前記制御手段は、所定回数のリトライ処理を前記搬送手段に実施させても前記エラーが解消されない場合、前記搬送手段を待機状態(コマンド入力待ち状態)に移行させることにある。
【発明の効果】
【0014】
単純なアラーム又はインターロックについては、一時停止状態で復旧作業を実施し、生産を再開させることで、稼働率の低下を最小限に抑えることができる。特に、アッシング装置など高スループット(200枚〜300枚/時程度)を要する装置については顕著に装置稼働率の低下を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態である半導体製造装置を示す平面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態である半導体製造装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態である半導体製造装置における処理室を示す斜視図である。
【図4】ウェハ処理時の内側移載装置周辺を示す平面図である。
【図5】ウェハ移載フローを示す各模式的平面図及び各縦断面図である。
【図6】ウェハ移載フローの続きを示す各模式的平面図及び各縦断面図である。
【図7】本発明の一実施形態である半導体製造装置におけるコントローラ構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態における真空ロボットアームセンサ異常時のリトライ制御方式を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるプロセス異常時のリカバリ制御方式を示す図である。
【図10】ロボットアームをセンシングする構造例を示す図である。
【図11】従来の真空ロボットアーム制御方式を示す図である。
【図12】従来の搬送停止時のリカバリ作業の概要を示す図である。
【図13】従来のプロセス異常処理例を示す図である。
【図14】従来のプロセス異常処理時の運用方式の一例を示す図である。
【図15】アッシングプロセスを実施するためのプロセスレシピ実行例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施形態において、本発明に係る基板処理装置は、半導体製造装置10として構成されている。図1に示されるように、半導体製造装置10は、第一搬送室としての搬送室12を中心として、2つのロードロック室(予備室)14a,14b及び2つの処理室16a,16bが配置されている。2つのロードロック室14a,14bの上流側には第二搬送室であるEFEM(Equipment Front End Module)18が配置されている。
【0017】
EFEM18は、図示しないが、複数のキャリアを搭載することができる構造になっている。キャリアには25段のスロットが形成されており、格段のスロットはウェハを1枚ずつ保持するように構成されている。したがって、キャリアは最小1枚から最大25枚のウェハを収容可能である。図示しないが、EFEM18内には第二搬送装置としてのウェハ移載装置が設置されており、ウェハ移載装置は大気中にて同時に複数枚(通例、5枚)を移載することができる。ウェハ移載装置は2つのロードロック室14a,14bとの間のウェハ移載を可能としている。
【0018】
図2に示されているように、ロードロック室14a,14bには支持台20が設けられており、支持台20は25枚のウェハを縦方向に一定間隔を隔てて収容する。支持台20は、例えば、炭化珪素やアルミで構成しており、上部板22と下部板24とを接続する例えば3つの支柱26を有する。支柱26の長手方向内側には例えば25個の載置部28が平行に形成されている。また、支持台20は、ロードロック室14a,14b内において、鉛直方向(上下方向に移動)するように構成されているとともに、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するように構成されている。
【0019】
搬送室12には第一搬送装置としてのウェハ移載装置30が設置されている。ウェハ移載装置30はロードロック室14a,14bと処理室16a,16bとの間でウェハ1を搬送する。ウェハ移載装置30はフィンガーアッシー32が設けられたアーム34を備えている。フィンガーアッシー32は上フィンガー32aと下フィンガー32bとを有する。上フィンガー32aと下フィンガー32bとは同一の形状をしており、上下方向に所定の間隔で離間され、アーム34からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、ウェハ1をそれぞれ支持する。アーム34は鉛直方向に延びる回転軸を中心として回転するように、かつ、水平方向に移動するように構成されている。搬送室12と処理室16a、搬送室12と処理室16bは、ゲートバルブ35(図3参照)を介してそれぞれ連通している。尚、図2ではアームとしてのフィンガーアッシー32が1つだけ表示されているが、この形態に限定されないのはいうまでも無い。後述するようにフィンガーアッシー(アーム)32を2つ設けてもよい。
【0020】
したがって、搬送室12に設置されたウェハ移載装置30はロードロック室14a,14bにストックされた未処理ウェハを同時に2枚ずつゲートバルブ35を介して処理室16a,16bへ移載することができるとともに、処理済ウェハを一度に2枚ずつ処理室16a,16bからロードロック室14a,14bに移載することができる。
【0021】
図3に示されているように、処理室16には2つの保持台37が設置されている。搬送室12側の保持台37を第一処理部36、他方の保持台37を第二処理部38とする。第一処理部36と第二処理部38は各々独立した構造となっており、装置全体からみると、ウェハ処理流れ方向と同方向一列になっている。すなわち、第二処理部38は、搬送室12から第一処理部36を挟んで遠方に配置されている。第一処理部36と第二処理部38とは連通し、処理室16内は300℃までの昇温が可能である。第一処理部36と第二処理部38は、例えばアルミニウムで形成され、内挿したヒータ(不図示)により加熱される。省スペース、低コストの目的を達成するため、ロードロック室14a,14b、搬送室12および処理室16a,16bを例えばアルミニウム1部品にて形成してもよい。
【0022】
処理室16内の第一処理部36と第二処理部38の間の内側寄りには、第三搬送装置としての処理室内のウェハ移載装置(以下、内側移載装置ともいう)40が設けられている。内側移載装置40はウェハ移載装置(以下、外側移載装置ともいう)30によって搬送された2枚の未処理ウェハのうちの1枚を第二処理部38へ移載し、さらに、第二処理部38の処理済ウェハを外側移載装置30のフィンガーアッシー32上へ移載する。
【0023】
図4は、処理部16内の内側移載装置40が第二処理部38側に待機している時(ウェハ処理時)の状態を示す。内側移載装置40は、ウェハの外径より大きな円弧部43aと、円弧部43aから切欠かれた切欠き部43bと、円弧部43aから円弧部の中心に向かって略水平に設けられたウェハを載置する爪部43cと、円弧部43aを支えるフレーム部43dが設けられたアーム47と、を有する。円弧部43aとフレーム部43dとは連続して形成され、アーム47から略水平に装着され、爪部43cを介してウェハ1を支持する。アーム47は、鉛直方向に延びる軸部43eを回転軸として回転するように、かつ、鉛直方向に昇降するように構成されている。切欠き部43bは、軸部43eが回転し、第一処理部36側に位置するときに、搬送室12と処理室16との間に設けられたゲートバルブ35と向かい合う位置に配置する。したがって、内側移載装置40は、回転軸である軸部43eの回転動作、昇降動作に伴い、回転動作や昇降動作を行うので、外側移載装置30によって処理室16に搬送された2枚のウェハのうち、1枚のウェハを第一処理部36上方から搬送室12の遠方にある第二処理部38に搬送して載置することができる。内側移載装置40は、第一処理部36および第二処理部38からの熱輻射により高温(200℃くらい)になるため、耐プラズマ性、耐高熱性である例えばアルミナセラミックス、石英、SiC(炭化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等から形成するのが好ましい。金属部品に比べ熱膨張係数の小さい例えばアルミナセラミックスで形成することで、熱変形によるたわみ等による搬送信頼性劣化を防止することができる。ただし、内側移載装置40の基部には位置やレベル(高さ)調整のため、金属部品を使用する。
【0024】
図5に示されるように、第一処理部36および第二処理部38は、処理室16内において固定部材(不図示)により装置本体11に固定されている。第一処理部36外周には3つの第一保持ピン39aが鉛直方向に貫通しており、第一保持ピン39aが上下に昇降することで、ウェハ1を略水平に昇降させる。第二処理部38外周には3つの第二保持ピン39bが鉛直方向に貫通しており、第二保持ピン39bが上下に昇降することで、ウェハ1を略水平に昇降させる。したがって、ゲートバルブ35を介して外側移載装置30により搬送されたウェハ1は、保持ピン39a,39bを介して保持台37に載置されるようになっている。つまり、モータが回転および逆回転することにより、第一保持ピン39a、第二保持ピン39bが上下方向に移動する。
【0025】
図5および図6に処理室16内におけるウェハ移載のフローの概要を示す。図5(a)〜(d)および図6(e)〜(h)において、上図は処理室16の上面図であり、下図は上図の断面をイメージした図で、説明用図面である。下図では、保持ピン39aの一つが第一処理部36内のゲートバルブ35に近い箇所に設けられている。これは説明の便宜上のものである。実際には上図のように、第一処理部36内のゲートバルブ35に近い箇所、すなわち、外側移載装置30が図5(c)上図のように待機する箇所には、保持ピン39aは設けられていない。
【0026】
尚、以下の説明において、半導体製造装置10を構成する各部の動作は、後述するコントローラシステム700により制御されている。まず、処理室16内は搬送室12と同圧に減圧化される。
【0027】
(ステップ1 図5(a))
ゲートバルブ35が開き、第一処理部36の第一保持ピン39aと第二処理部38の第二保持ピン39bが上昇する。内側移載装置40は第二処理部38側に待機し、第一保持ピン39a、第二保持ピン39bと共に上昇する。
【0028】
(ステップ2 図5(b))
内側移載装置40は、軸部43eが回転することで、水平に第一処理部36側へ移動する。この際、内側移載装置40の切欠き部43bは、ゲートバルブ35と向かい合っている。
【0029】
(ステップ3 図5(c))
外側移載装置30が上フィンガー32aと下フィンガー32bに載置された2枚のウェハ1を同時に搬送しながら、搬送室12からゲートバルブ35を介して処理室16に移動し、第一処理部36の上方にて停止する。その際、内側移載装置40はフィンガーアッシー32の上フィンガー32aと下フィンガー32bの間に収まる高さ位置にて待機している。
【0030】
(ステップ4 図5(d))
外側移載装置30はそのまま動作しない状態にて、第一処理部36の第一保持ピン39aが上昇し、下フィンガー32bに載置されたウェハ1を第一保持ピン39a上に載置する。さらに、内側移載装置40が上昇することで、上フィンガー32aに載置されたウェハを内側移載装置40の爪部43c上に載置する。
【0031】
(ステップ5 図6(e))
外側移載装置30は、搬送室12内に戻る。
【0032】
(ステップ6 図6(f))
内側移載装置40は、ウェハ1を載置した状態で、軸部43eが回転することで略水平に第二処理部38側へ移動する。また、同時にゲートバルブ35が閉まる。
【0033】
(ステップ6 図6(g))
軸部43eが下降して、内側移載装置40は、第二処理部38の外周下方に移動する。内側移載装置40は、ウェハ処理中も処理室16内に待機することになるため、第二処理部38上方から供給される処理ガス(例えばO2ラジカル等)のガスの流れを阻害し、ウェハ面内の均一性を悪化させる危惧がある。そのため、第二処理部38の外周のガス流れを阻害しない高さへと移動する。
【0034】
(ステップ6 図6(h))
第一処理部36の第一保持ピン39aおよび第二処理部38の第二保持ピン39bがウェハ1を略水平に保持した状態で略同時に下降し、ウェハ1を保持台37に載置する。すなわち、それぞれのウェハ1と、それらのウェハ1に対応した保持台との距離が互いに等しくなるよう、ウェハ1を下降させる。第一処理部36および第二処理部38それぞれのウェハ1への熱影響を同じにするためである。
【0035】
熱影響を同じにすることにより、例えばそれぞれのウェハのアッシングレートを均一にすることができる。まったく同じ熱影響とする必要はなく、アッシングレートが均一にさえなれば、誤差があってもよい。誤差は、例えば2秒程度である。第一保持ピン39aと第二保持ピン39bを略同時に下降して、熱影響を同じとする代わりに、ヒータを個別に制御してもよい。また、本実施例では、保持ピン39が下がるが、保持台37が上下するように構成してもよい。
【0036】
その後、処理室16内にガスを供給し、プラズマ生成(アッシング処理)がなされ、基板処理後は、逆のシーケンスを実行し、処理済ウェハ1を搬出する。
【0037】
図7は、本発明に於けるコントローラ構成を示す図である。本発明に於ける装置コントローラとしてのコントローラシステム700は、操作部(OU)701と、メインコントローラとしての統括制御コントローラ702と、第二搬送装置としての大気ロボットコントローラ704と、第一搬送装置としての外側移載装置(真空ロボット)30を制御する真空ロボットコントローラ705とがLANを介して接続されている。尚、図示されていないが、内側移載装置30(処理室ロボット)を制御する処理室ロボット制御コントローラもLANを介して接続されている。
【0038】
操作部701は、モニタ表示、ロギングデータやアラームなどの解析、及びパラメータ編集などを行うための画面を表示する図示しない表示部と、該表示部を介して入力された指示データや各種レシピや各種パラメータをファイルとして格納する図示しない記憶部と、システム制御コマンドなどのコマンドや、各種レシピ作成時における設定値を入力する図示しない入力部などを設けた構成である。メインコントローラとしての統括制御コントローラ702は、コントローラシステム700全体の運用制御を行う。また、真空ロボットコントローラ705、大気ロボットコントローラ704等の搬送系制御、真空排気系制御。各プロセスチャンバPCとしてのプロセス制御(温度、カ゛ス、圧力、RF等)を行う。また、統括制御コントローラ702の直下の通信回線であるセンサバスを介してウェハ検知センサからの信号を取り込みウェハ情報を確認しながら各ロボット(真空ロボットや大気ロボット)と連動し、搬送制御を実施する。サブコントローラ703は、前記統括制御コントローラ702の命令(指示)に対して、MFCやAPC(オートプレッシャーコントローラ)やRF発信機や温調(温度調節器)などに数値データを出力したり、反対に、数値を受信し、前記統括制御コントローラ702に送信する。また、サブコントローラ703は、命令(指示)されたバルブパターンに対してバルブインターロックをかけたり、ハードインターロックを検出し適切な処理を実施したりと高制御性能を必要とする処理を実施する。尚、上記表示部、記憶部、入力部は、操作部701と別体であってもよいし、また、メインコントローラ701に対して別体であってもよい。
【0039】
また、図示しないGEMコントローラと。また、該GEMコントローラを介して図示しないユーザ(顧客)側のHostコンピュータと接続され、工場内の自動化システムを実現する。
【0040】
次に、自動運転の制御概要について詳述する。尚、処理室16内のウェハ1の搬送は上述した通りであり省略する。
【0041】
図示しない基板収容容器(キャリア)としてのFOUP(front opening unified pod)が図示しないロードポートに投入され、ウェハマッピングが実施され、ウェハ枚数の確認が行われる。そして、ウェハ毎に、投入されるプロセスチャンバPCとしての処理室16とプロセスレシピを指定して実行する。本装置では、指定枚数を空いている処理室16へ搬送し、EVAC(排気)制御を実行する。ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14から2枚ずつウェハを、該当する処理室16へ搬送し、プロセスレシピを実行して、処理後、元のロードロック室14へ戻す。
【0042】
ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14からプロセスチャンバPCとしての処理室16への搬送は、以下の通りである。
【0043】
ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14からプロセスチャンバPCとしての処理室16への搬送は、以下の通りである。1)ロードロック室14からウェハ1を2枚取り出す(Getする)前に、ウェハセンサで該当ブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことを確認する。2)ロードロック室14からウェハ1を2枚取り出した(Getした)後に、ウェハセンサで該当ブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1があることを確認する。3)該当する処理室16方向へ回転する。4)処理室16へウェハ1を2枚載置(Put)する前に、ウェハセンサでブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1があることを確認する。5)処理室16へウェハ1を2枚載置(Put)した後に、ウェハセンサでブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことを確認する。ここで、ウェハセンサとは、ウェハの有無を検知するセンサのことである。ウェハセンサとして、例えば、透過型センサでは、光を遮断することにより、ウェハ有、透過した場合はウェハ無となるようにセンサ位置、光量を調整する。また、反射型センサでは、一定の光量を受けた場合ウェハ有、そうでない場合はウェハ無となるようにセンサ位置、光量を調整する。これらを、ロボット形状、チャンバ形状から適切に配置し、ウェハ有無を都度検知することで安全にロボット搬送が可能となる。
【0044】
指定枚数実行完了したならば、ロードロック室14をVent(大気圧復帰)し、指定FOUPへウェハ1を戻す。全てウェハ1が戻ったところで、FOUP払出動作を実行する。
【0045】
次に、搬送室12(トランスファチャンバ)内の真空ロボットとしての外部移載装置40のアームに載置したウェハ1を検知する場合について詳述する。
【0046】
図10を用いてアームに2枚のウェハ1を保持し、これらウェハ1を検知する場合について説明する。まず、アーム2としての上側アームの基板載置部であるブレードにウェハ1を保持した際に、アームを伸縮方向でアームを縮めた位置で、下ブレードのウェハ1は透過スリットを通し透過型センサ光でウェハ有無を検知する。また、上ブレード上のウェハ1は反射型センサによりウェハ1有無を検知する。一方、アーム1としての下側アームの基板載置部であるブレードにウェハ1を保持した際に、アームを伸縮方向でアームを縮めた位置で、下ブレード上のウェハ1は反射型センサによりウェハ1有無を検知する。また、上ブレードのウェハ1は透過スリットを通し透過型センサ光でウェハ有無を検知する。尚、本装置構成では、アーム1とアーム2上のウェハ1を同時に検知することができない構成となっている。ここで、上記透過型センサ、上記反射型センサが本願発明におけるウェハセンサの一種であるのは言うまでもない。
【0047】
上記ウェハセンサによるウェハ1の検知結果、実際にはウェハずれが発生しておらず、上記ウェハセンサの位置調整不足であった場合、ウェハ搬送が停止している状態で、センサ位置を調整し、再スタートさせる。そうすることで、装置内の滞留ウェハを回収することなく、生産を継続することができる。
【0048】
ここで、図8を用いて、本願発明の実施形態におけるリトライ制御方式について、搬送室12(トランスファチャンバ)内の真空ロボットとしての外部移載装置40が、ロードロックチャンバとしての予備室14からウェハ1を取り出す場合を例に挙げて説明する。
【0049】
真空ロボット40は、ロードロックチャンバLCとしてのロードロック室14からウェハ1を2枚取り出すよう指示される(Step1)。まず、真空ロボット40は、該当するロードロック室14と対向する位置に回転する(Step2)。真空ロボット40のアームに設けられたブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことをウェハセンサで確認する(Step3)。ウェハ1がない場合、アームを伸ばすことでロードロック室14内のウェハ1を取り出す処理を行う(Step4)。ウェハセンサの検知結果がウェハ有となった場合、リトライ処理が所定の回数行われたかチェックされる。ここで、リトライ処理とは、ウェハセンサでフィンガー32a,32b上にウェハ1がないことを確認するための検知であって、図10に示す検知方法である。所定の回数が行われていない場合は、インターバルの時間を置いた後に、Step3へ戻り再度ウェハセンサによる検知が行われる(Step5)。また、所定の回数行われた場合、Step6へ移行する。所定の回数リトライ処理を行っても検知結果が所望の結果にならない場合、待機状態(コマンド入力待ち状態)になり、リトライ処理の実施を要求するコマンド指示を待つ(Step6)。エラー処理の実施を要求するコマンド指示があった場合、エラー処理(異常終了)が行われる(Step7)。尚、リトライ処理をするか、諦めて異常終了させるかは、オペレータの判断による。
【0050】
Step4にてロードロック室14内のウェハ1を取出した後、今度は、真空ロボット40のアームに設けられたブレードとしてのフィンガー32a,32b上にウェハ1があることをウェハセンサで確認する(Step8)。ウェハ1がある場合、ロードロック室14からウェハ1を2枚取り出す処理が終了となる(Step9)。ウェハセンサの検知結果がウェハ無となった場合、リトライ処理が所定の回数行われたかチェックされる。ここで、リトライ処理とは、ウェハセンサでフィンガー32a,32b上にウェハ1が有ることを確認するための検知であって、図10に示す検知方法である。所定の回数が行われていない場合は、インターバルの時間を置いた後に、Step8へ戻り再度ウェハセンサによる検知が行われる(Step10)。また、所定の回数行われた場合、Step11へ移行する。所定の回数リトライ処理を行っても検知結果が所望の結果にならない場合、待機状態(コマンド入力待ち状態)になり、リトライ処理の実施を要求するコマンド指示を待つ(Step11)。エラー処理の実施を要求するコマンド指示があった場合、エラー処理(異常終了)が行われる(Step12)。尚、リトライ処理をするか、諦めて異常終了させるかは、オペレータの判断による。
【0051】
次に、本願発明の実施形態におけるリトライ制御方式に関して、アッシング装置など、プロセスチャンバPCとしての処理室16内にウェハ1が滞留してもプロセス結果に影響することがない装置を例示する。まず、図15を用いて、アッシングプロセスを行うプロセスレシピの構成と制御概要について説明する。ここで、プロセスレシピは時系列に温度、ガス、圧力、RF(Radio Frequency)などの各制御項目を設定、監視するステップ(イベント)があり、各ステップは設定時間通りに実行制御される。
【0052】
自動運用にて該当プロセスチャンバPCとしての処理室16にウェハ1を搬入後、該当するプロセスレシピを開始する。プロセスレシピのステップ1で、処理室16内の温度、圧力をプロセス条件に設定する。ステップ時間の設定値は30秒とされる場合があるが、温度、圧力の条件を満たすまでステップ2へ移行しない。ステップ2で、高周波RFを印加して、プラズマを生成し、60秒間アッシングする。ステップ3でウェハ1を搬出するための搬送圧力に設定する。ここでも、設定値30秒とされる場合があるが、圧力の条件を満たすまで終了しない。尚、次のウェハのために温度は保持される。
【0053】
一般的に、プロセスレシピのステップ実行の間に、アラームやインターロックを検出した場合を想定し、アラームやインターロックの内容、及び当該ステップの制御内容を勘案して、「プロセスレシピ停止(Abort)」、「アラームレシピ実行」、「プロセスレシピポーズ(Pause)」などの処置を予め設定される。
【0054】
アッシングなど、処理室16(プロセスチャンバ)内にウェハ滞留したとしてもプロセス結果に影響することがない装置では、プラズマ異常放電などが発生し、プロセスレシピ制御が途中停止したとしても、再度放電することでウェハ1のプロセス品質には問題が発生しない。このため、再度プロセスレシピを実行(異常があったステップをリトライ処理)することでプロセスレシピ処理を継続することが望ましい場合がある。プロセスレシピ内に、復帰可能なアラームが発生したときの処理として、アラームレシピを実行してプロセス異常終了とするのが一般的である。しかしながら、「Pause」コマンド設定として、オペレータ判断、指示により「Resume」や「SetupJump」(プロセスレシピの最初から)を選択し、プロセスレシピを継続する。尚、継続不能(プロセス性能未達)と判断した場合は、異常終了を選択することも可能とする。「Resume」コマンドは、レシピ再開して次のStepを実行する。「Jump」コマンドは指定Stepから実行する。「Abort」コマンドは、レシピ異常終了する。特に、レシピの先頭から実行させる場合は、「SetupJump」コマンドを設定する。
【0055】
図9を用いて、処理室16(プロセスチャンバ)で実行されるプロセスレシピで異常が発生した場合を例に挙げて説明する。
【0056】
Step2にてアラームが発生して、予め設定された「Pause」コマンドが実施され、プロセスレシピ制御が「Pause」状態となり、コマンド入力待ち状態となる。そして、オペレータが状況を判断して、操作部701からコマンドを入力する。
【符号の説明】
【0057】
10…半導体製造装置(アッシング装置)
702…上位コントローラ(メインコントローラ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御する制御手段を備えた基板処理装置であって、
前記搬送手段が、前記基板を搬送中にエラーが発生して一時停止した際に、
前記制御手段は、所定回数のリトライ処理前記搬送手段に実施させても前記エラーが解消されない場合、前記搬送手段を待機状態に移行させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項1】
基板を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御する制御手段を備えた基板処理装置であって、
前記搬送手段が、前記基板を搬送中にエラーが発生して一時停止した際に、
前記制御手段は、所定回数のリトライ処理前記搬送手段に実施させても前記エラーが解消されない場合、前記搬送手段を待機状態に移行させることを特徴とする基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−61008(P2011−61008A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209151(P2009−209151)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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