説明

基板洗浄装置およびそれを備えた基板処理装置

【課題】基板の端部の必要な部分を効果的に清浄にすることが可能な基板洗浄装置およびそれを備えた基板処理装置を提供することである。
【解決手段】洗浄ブラシ531は、鉛直方向に延びるブラシ軸540を有する。ブラシ軸540の外周面を覆うように円筒状の緩衝部材542が取り付けられ、緩衝部材542の外周面を覆うように円筒状の洗浄部材543が取り付けられている。緩衝部材542および洗浄部材543の下端部はブラシプレート541に固定されている。ブラシプレート541上における洗浄部材543の外側の領域には、環状の洗浄部材544が取り付けられている。本実施の形態では、洗浄部材543として比較的硬質で柔軟性が低い材料が用いられ、緩衝部材542および洗浄部材544として比較的軟質で柔軟性が高い材料が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を洗浄する基板洗浄装置およびそれを備えた基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。
【0003】
このような基板処理装置では、一般に、一枚の基板に対して複数の異なる処理が連続的に行われる。特許文献1に記載された基板処理装置は、インデクサブロック、反射防止膜用処理ブロック、レジスト膜用処理ブロック、現像処理ブロックおよびインターフェイスブロックにより構成される。インターフェイスブロックに隣接するように、基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置が配置される。
【0004】
上記の基板処理装置においては、インデクサブロックから搬入される基板は、反射防止膜用処理ブロックおよびレジスト膜用処理ブロックにおいて反射防止膜の形成およびレジスト膜の塗布処理が行われた後、インターフェイスブロックを介して露光装置へと搬送される。露光装置において基板上のレジスト膜に露光処理が行われた後、基板はインターフェイスブロックを介して現像処理ブロックへ搬送される。現像処理ブロックにおいて基板上のレジスト膜に現像処理が行われることによりレジストパターンが形成された後、基板はインデクサブロックへと搬送される。
【0005】
近年、デバイスの高密度化および高集積化に伴い、レジストパターンの微細化が重要な課題となっている。従来の一般的な露光装置においては、レチクルのパターンを投影レンズを介して基板上に縮小投影することによって露光処理が行われていた。しかし、このような従来の露光装置においては、露光パターンの線幅は露光装置の光源の波長によって決まるため、レジストパターンの微細化に限界があった。
【0006】
そこで、露光パターンのさらなる微細化を可能にする投影露光方法として、液浸法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の投影露光装置においては、投影光学系と基板との間に液体が満たされており、基板表面における露光光を短波長化することができる。それにより、露光パターンのさらなる微細化が可能となる。
【特許文献1】特開2003−324139号公報
【特許文献2】国際公開第99/49504号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献2の投影露光装置においては、基板と液体とが接触した状態で露光処理が行われるので、露光処理前に基板に汚染物質が付着すると、その汚染物質が液体中に混入する。
【0008】
露光処理前には、基板に対して種々の成膜処理が施される。その成膜処理の過程で、基板の端部が汚染される場合がある。このように、基板の端部が汚染された状態で基板の露光処理を行うと、露光装置のレンズが汚染され、露光パターンの寸法不良および形状不良が発生するおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、基板の端部の必要な部分を効果的に清浄にすることが可能な基板洗浄装置およびそれを備えた基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、基板に処理を行うための処理部と、処理部の一端部に隣接するように設けられ、処理部と露光装置との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し部とを備え、処理部は、露光処理前の基板の一面に成膜処理を行う成膜処理ユニットを含み、処理部および受け渡し部の少なくとも一方は、成膜処理後であって露光処理前の基板を洗浄する基板洗浄装置を備え、基板洗浄装置は、基板を保持しつつ回転させる基板回転保持手段と、基板回転保持手段に保持された基板の端部に接触可能に設けられた端部洗浄ブラシとを含み、端部洗浄ブラシは、第1の材料からなる第1の洗浄部材と、第1の洗浄部材に一体的に設けられ、第1の材料よりも柔軟性が高い第2の材料からなる第2の洗浄部材とを有するものである。
【0011】
この基板処理装置では、処理部において、成膜処理ユニットにより基板の一面に成膜処理が施される。成膜処理後の基板は、受け渡し部により処理部から露光装置に受け渡される。露光装置において基板に露光処理が行われた後、その基板は受け渡し部により露光装置から処理部へ戻される。成膜処理ユニットによる成膜処理後であって露光装置による露光処理前に、基板洗浄装置により基板が洗浄される。
【0012】
基板洗浄装置では、基板回転保持手段により基板が保持され、回転する。その状態で、基板の端部に端部洗浄ブラシが接触する。この場合、柔軟性が異なる第1の洗浄部材と第2の洗浄部材とを基板の端部の領域に応じて選択的に接触させることより、基板の端部の所望の部分を効果的に洗浄することができる。
【0013】
それにより、端部が十分に清浄な状態で、基板を露光装置に搬入することができる。そのため、基板の端部の汚染に起因する露光装置内の汚染を防止することができ、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
【0014】
(2)基板洗浄装置は、基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向の回転軸の周りで端部洗浄ブラシを回転させるブラシ回転手段をさらに含んでもよい。
【0015】
この場合、端部洗浄ブラシをブラシ回転手段により回転させた状態で基板の端部に接触させることにより、端部洗浄ブラシと基板との摺動速度を高くすることができる。それにより、効率良く基板の端部を洗浄することができる。
【0016】
(3)第1の洗浄部材は、基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向に軸心を有する円筒状の第1の洗浄面を有し、第2の洗浄部材は、第1の洗浄部材の第1の洗浄面の一端部から第1の洗浄面に略垂直な方向に延び、基板回転保持手段により保持された基板の他面の周縁領域に接触可能な第2の洗浄面を有してもよい。
【0017】
この場合、第1の洗浄部材の第1の洗浄面が基板の端部の端面領域に押し当てられ、基板の端部の端面領域が洗浄される。第1の洗浄部材は比較的柔軟性が低い第1の材料からなるので、基板に押し当てられてもほとんど変形しない。そのため、第1の洗浄面は、基板の端部の端面領域のみに接触する。したがって、第1の洗浄面が基板の一面に形成された膜に接触することが防止され、膜の損傷が防止される。
【0018】
また、第2の洗浄部材の第2の洗浄面が基板の他面の周縁領域に押し当てられる。第2の洗浄部材は比較的柔軟性が高い第2の材料からなるので、基板に押し当てられることによって変形する。そのため、第2の洗浄面は、基板の他面の周縁領域に加えて、基板の他面側のベベル領域に接触する。それにより、基板の他面の周縁領域および基板の他面側のベベル領域を洗浄することができる。
【0019】
このように、基板の一面に形成された膜の損傷を防止しつつ基板の端部の所望の部分を十分に清浄にすることができる。
【0020】
(4)第1の洗浄部材は円筒形状を有し、端部洗浄ブラシは、第1の洗浄部材の内周面に沿って設けられ、第1の洗浄部材よりも柔軟性が高い緩衝部材をさらに有してもよい。
【0021】
この場合、緩衝部材によって、第1の洗浄部材から基板に加わる負荷を低減することができる。それにより、基板の損傷を防止することができる。
【0022】
(5)第1の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持された基板の他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、第2の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持された基板の一面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第5の洗浄面を有してもよい。
【0023】
この場合、第1の洗浄部材の第4の洗浄面が基板の他面側のベベル領域に押し当てられ、基板の他面側のベベル領域が洗浄される。また、第2の洗浄部材の第5の洗浄面が基板の一面側のベベル領域に押し当てられ、基板の一面側のベベル領域が洗浄される。
【0024】
また、第2の洗浄部材は比較的柔軟性が高い第2の材料からなるので、第2の洗浄部材が基板の一面に形成された膜に接触しても、膜の損傷が抑制される。
【0025】
このように、基板の一面に形成された膜の損傷を防止しつつ基板の端部の所望の部分を十分に清浄にすることができる。
【0026】
(6)端部洗浄ブラシは、基板回転保持手段により保持された基板の一面側のベベル領域を研磨するための研磨面を有する研磨部材をさらに含み、第1の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持された基板の他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、第2の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持された基板の一面側のベベル領域に接触可能な第6の洗浄面を有し、研磨部材の研磨面と第2の洗浄部材の第6の洗浄面とによりテーパ状の研磨洗浄面が形成されてもよい。
【0027】
この場合、第1の洗浄部材の第4の洗浄面が基板の他面側のベベル領域に押し当てられ、基板の他面側のベベル領域が洗浄される。
【0028】
また、端部洗浄ブラシの研磨洗浄面が基板の一面側のベベル領域に押し当てられることにより、基板の一面側のベベル領域が研磨部材の研磨面により研磨される。それにより、基板の一面側のベベル領域に形成された余分な膜の部分が削り取られる。研磨によって生じる粉塵等は、第2の洗浄部材によって洗浄除去される。
【0029】
このように、基板の一面に形成された膜の余分な部分を確実に除去しつつ基板の端部の所望の部分を十分に清浄にすることができる。
【0030】
(7)第2の発明に係る基板洗浄装置は、一面および他面を有する基板を洗浄するための基板洗浄装置であって、基板を保持しつつ回転させる基板回転保持手段と、基板回転保持手段に保持された基板の端部に接触可能に設けられた端部洗浄ブラシとを備え、端部洗浄ブラシは、第1の材料からなる第1の洗浄部材と、第1の洗浄部材に一体的に設けられ、第1の材料よりも柔軟性が高い第2の材料からなる第2の洗浄部材とを含むものである。
【0031】
この基板洗浄装置においては、基板回転保持手段により基板が保持され、回転する。その状態で、基板の端部に端部洗浄ブラシが接触する。この場合、柔軟性が異なる第1の洗浄部材と第2の洗浄部材とを基板の端部の領域に応じて選択的に接触させることより、基板の端部の所望の部分を効果的に洗浄することができる。
【0032】
(8)基板洗浄装置は、基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向の回転軸の周りで端部洗浄ブラシを回転させるブラシ回転手段をさらに備えてもよい。
【0033】
この場合、端部洗浄ブラシをブラシ回転手段により回転させた状態で基板の端部に接触させることにより、端部洗浄ブラシと基板との摺動速度を高くすることができる。それにより、効率良く基板の端部を洗浄することができる。
【0034】
(9)第1の洗浄部材は、基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向に軸心を有する円筒状の第1の洗浄面を有し、第2の洗浄部材は、第1の洗浄部材の第1の洗浄面の一端部から第1の洗浄面に略垂直な方向に延び、基板回転保持手段により保持された基板の他面の周縁領域に接触可能な第2の洗浄面を有してもよい。
【0035】
この場合、第1の洗浄部材の第1の洗浄面が基板の端部の端面領域に押し当てられ、基板の端部の端面領域が洗浄される。第1の洗浄部材は比較的柔軟性が低い第1の材料からなるので、基板に押し当てられてもほとんど変形しない。そのため、第1の洗浄面は、基板の端部の端面領域のみに接触する。したがって、基板の一面に膜が形成されていても、その膜の損傷が防止される。
【0036】
また、第2の洗浄部材の第2の洗浄面が基板の他面の周縁領域に押し当てられる。第2の洗浄部材は比較的柔軟性が高い第2の材料からなるので、基板に押し当てられることによって変形する。そのため、第2の洗浄面は、基板の他面の周縁領域に加えて、基板の他面側のベベル領域に接触する。それにより、基板の他面の周縁領域および基板の他面側のベベル領域を洗浄することができる。
【0037】
(10)第1の洗浄部材は円筒形状を有し、端部洗浄ブラシは、第1の洗浄部材の内周面に沿って設けられ、第1の洗浄部材よりも柔軟性が高い緩衝部材をさらに有してもよい。
【0038】
この場合、緩衝部材によって、第1の洗浄部材から基板に加わる負荷を低減することができる。それにより、基板の損傷を防止することができる。
【0039】
(11)第1の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持された基板の他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、第2の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持された基板の一面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第5の洗浄面を有してもよい。
【0040】
この場合、第1の洗浄部材の第4の洗浄面が基板の他面側のベベル領域に押し当てられ、基板の他面側のベベル領域が洗浄される。また、第2の洗浄部材の第5の洗浄面が基板の一面側のベベル領域に押し当てられ、基板の一面側のベベル領域が洗浄される。
【0041】
また、第2の洗浄部材は第1の洗浄部材よりも柔軟性が高いので、基板の一面に膜が形成されていても、その膜が損傷することが抑制される。
【0042】
(12)端部洗浄ブラシは、基板回転保持手段により保持された基板の一面側のベベル領域を研磨するための研磨面を含む研磨部材をさらに含み、第1の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持される基板の他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、第2の洗浄部材は、基板回転保持手段により保持される基板の一面側のベベル領域に接触可能な第6の洗浄面を有し、研磨部材の研磨面と第2の洗浄部材の第6の洗浄面とによりテーパ状の研磨洗浄面が形成されてもよい。
【0043】
この場合、第1の洗浄部材の第4の洗浄面が基板の他面側のベベル領域に押し当てられることにより、基板の他面側のベベル領域が洗浄される。
【0044】
また、端部洗浄ブラシの研磨洗浄面が基板の一面側のベベル領域に押し当てられることにより、基板の一面側のベベル領域が研磨部材の研磨面により研磨される。そのため、基板の一面側のベベル領域に余分に膜が形成されている場合に、その余分な膜の部分を削り取ることができる。研磨によって生じる粉塵等は、第2の洗浄部材によって洗浄除去することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、柔軟性が異なる第1の洗浄部材と第2の洗浄部材とを基板の端部の領域に応じて選択的に接触させることより、基板の端部の所望の部分を効果的に洗浄することができる。それにより、端部が十分に清浄な状態で、基板を露光装置に搬入することができる。そのため、基板の端部の汚染に起因する露光装置内の汚染を防止することができ、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。
【0047】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。なお、図1ならびに後述する図2〜図4には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。なお、各方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。また、Z方向を中心とする回転方向をθ方向としている。
【0048】
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15を含む。また、インターフェースブロック15に隣接するように露光装置16が配置される。露光装置16においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0049】
以下、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15の各々を処理ブロックと呼ぶ。
【0050】
インデクサブロック9は、各処理ブロックの動作を制御するメインコントローラ(制御部)30、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
【0051】
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部50および第1のセンターロボットCR1を含む。反射防止膜用塗布処理部50は、第1のセンターロボットCR1を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
【0052】
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
【0053】
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS13にも同様に設けられる。
【0054】
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。レジスト膜用塗布処理部60は、第2のセンターロボットCR2を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
【0055】
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
【0056】
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120,121、現像処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。現像処理部70は、第3のセンターロボットCR3を挟んで現像用熱処理部120,121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
【0057】
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
【0058】
レジストカバー膜用処理ブロック13は、レジストカバー膜用熱処理部130,131、レジストカバー膜用塗布処理部80および第4のセンターロボットCR4を含む。レジストカバー膜用塗布処理部80は、第4のセンターロボットCR4を挟んでレジストカバー膜用熱処理部130,131に対向して設けられる。第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8が上下に設けられる。
【0059】
現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間には、雰囲気遮断用の隔壁20が設けられる。この隔壁20には、現像処理ブロック12とレジストカバー膜用処理ブロック13との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS7は、基板Wを現像処理ブロック12からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS8は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられる。
【0060】
レジストカバー膜除去ブロック14は、露光後ベーク用熱処理部140,141、レジストカバー膜除去用処理部90および第5のセンターロボットCR5を含む。露光後ベーク用熱処理部141はインターフェースブロック15に隣接し、後述するように、基板載置部PASS11,PASS12を備える。レジストカバー膜除去用処理部90は、第5のセンターロボットCR5を挟んで露光後ベーク用熱処理部140,141に対向して設けられる。第5のセンターロボットCR5には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH9,CRH10が上下に設けられる。
【0061】
レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間には、雰囲気遮断用の隔壁21が設けられる。この隔壁21には、レジストカバー膜用処理ブロック13とレジストカバー膜除去ブロック14との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS9,PASS10が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS9は、基板Wをレジストカバー膜用処理ブロック13からレジストカバー膜除去ブロック14へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS10は、基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14からレジストカバー膜用処理ブロック13へ搬送する際に用いられる。
【0062】
インターフェースブロック15は、洗浄処理ユニットSD1、第6のセンターロボットCR6、エッジ露光部EEW、送りバッファ部SBF、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)、基板載置部PASS13、インターフェース用搬送機構IFRおよび乾燥処理ユニットSD2を含む。なお、洗浄処理ユニットSD1は、露光処理前の基板Wに洗浄処理を行い、乾燥処理ユニットSD2は、露光処理後の基板Wに乾燥処理を行う。
【0063】
また、第6のセンターロボットCR6には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH11,CRH12(図4参照)が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2(図4参照)が上下に設けられる。インターフェースブロック15の詳細については後述する。
【0064】
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、Y方向に沿ってインデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13、レジストカバー膜除去ブロック14およびインターフェースブロック15が順に並設されている。
【0065】
図2は、図1の基板処理装置500を+X方向から見た概略側面図であり、図3は、図1の基板処理装置500を−X方向から見た概略側面図である。なお、図2においては、基板処理装置500の+X側に設けられるものを主に示し、図3においては、基板処理装置500の−X側に設けられるものを主に示している。
【0066】
まず、図2を用いて、基板処理装置500の+X側の構成について説明する。図2に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部50(図1参照)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル52を備える。
【0067】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部60(図1参照)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。
【0068】
現像処理ブロック12の現像処理部70には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル72を備える。
【0069】
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用塗布処理部80には、3個の塗布ユニットCOVが上下に積層配置されている。各塗布ユニットCOVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック81およびスピンチャック81上に保持された基板Wにレジストカバー膜の塗布液を供給する供給ノズル82を備える。レジストカバー膜の塗布液としては、レジストおよび水との親和力が低い材料(レジストおよび水との反応性が低い材料)を用いることができる。例えば、フッ素樹脂である。塗布ユニットCOVは、基板Wを回転させながら基板W上に塗布液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジスト膜上にレジストカバー膜を形成する。
【0070】
レジストカバー膜除去ブロック14のレジストカバー膜除去用処理部90には、3個の除去ユニットREMが上下に積層配置されている。各除去ユニットREMは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック91およびスピンチャック91上に保持された基板Wに剥離液(例えばフッ素樹脂)を供給する供給ノズル92を備える。除去ユニットREMは、基板Wを回転させながら基板W上に剥離液を塗布することにより、基板W上に形成されたレジストカバー膜を除去する。
【0071】
なお、除去ユニットREMにおけるレジストカバー膜の除去方法は上記の例に限定されない。例えば、基板Wの上方においてスリットノズルを移動させつつ基板W上に剥離液を供給することによりレジストカバー膜を除去してもよい。
【0072】
インターフェースブロック15内の+X側には、エッジ露光部EEWおよび3個の乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。各エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
【0073】
次に、図3を用いて、基板処理装置500の−X側の構成について説明する。図3に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100,101には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPがそれぞれ積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0074】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110,111には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0075】
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120,121には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、現像用熱処理部120,121には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0076】
レジストカバー膜用処理ブロック13のレジストカバー膜用熱処理部130,131には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジストカバー膜用熱処理部130,131には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0077】
レジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部140には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置され、露光後ベーク用熱処理部141には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS11,PASS12が上下に積層配置される。また、露光後ベーク用熱処理部140,141には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0078】
次に、図4を用いてインターフェースブロック15について詳細に説明する。
【0079】
図4は、インターフェースブロック15を+Y側から見た概略側面図である。図4に示すように、インターフェースブロック15内において、−X側には、送りバッファ部SBFおよび3個の洗浄処理ユニットSD1が積層配置される。また、インターフェースブロック15内において、+X側の上部には、エッジ露光部EEWが配置される。
【0080】
エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の略中央部には、戻りバッファ部RBF、2個の載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13が上下に積層配置される。エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の+X側には、3個の乾燥処理ユニットSD2が上下に積層配置される。
【0081】
また、インターフェースブロック15内の下部には、第6のセンターロボットCR6およびインターフェース用搬送機構IFRが設けられている。第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFおよび洗浄処理ユニットSD1と、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。インターフェース用搬送機構IFRは、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS13と、乾燥処理ユニットSD2との間で上下動可能かつ回動可能に設けられている。
【0082】
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0083】
(2−1)インデクサブロック〜レジストカバー膜除去ブロックの動作
まず、インデクサブロック9〜レジストカバー膜除去ブロック14の動作について簡単に説明する。
【0084】
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRは±X方向に移動しつつ±θ方向に回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
【0085】
本実施の形態においては、キャリアCとしてFOUP(front opening unified pod)を採用しているが、これに限定されず、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等を用いてもよい。
【0086】
さらに、インデクサロボットIR、第1〜第6のセンターロボットCR1〜CR6およびインターフェース用搬送機構IFRには、それぞれ基板Wに対して直線的にスライドさせてハンドの進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いているが、これに限定されず、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いてもよい。
【0087】
基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
【0088】
その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部50に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部50では、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
【0089】
次に、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用塗布処理部50から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
【0090】
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。
【0091】
その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部60に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部60では、塗布ユニットRESにより反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
【0092】
次に、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
【0093】
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
【0094】
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wをレジストカバー膜用塗布処理部80に搬入する。このレジストカバー膜用塗布処理部80では、塗布ユニットCOVによりレジスト膜が塗布形成された基板W上にレジストカバー膜が塗布形成される。
【0095】
次に、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用塗布処理部80から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジストカバー膜用熱処理部130,131に搬入する。その後、第4のセンターロボットCR4は、レジストカバー膜用熱処理部130,131から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
【0096】
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wを基板載置部PASS11に載置する。
【0097】
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られ、後述するように、インターフェースブロック15および露光装置16において所定の処理が施される。インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、その基板Wは、第6のセンターロボットCR6によりレジストカバー膜除去ブロック14の露光後ベーク用熱処理部141に搬入される。
【0098】
露光後ベーク用熱処理部141においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第6のセンターロボットCR6は、露光後ベーク用熱処理部141から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS12に載置する。
【0099】
なお、本実施の形態においては露光後ベーク用熱処理部141により露光後ベークを行っているが、露光後ベーク用熱処理部140により露光後ベークを行ってもよい。
【0100】
基板載置部PASS12に載置された基板Wは、レジストカバー膜除去ブロック14の第5のセンターロボットCR5により受け取られる。第5のセンターロボットCR5は、その基板Wをレジストカバー膜除去用処理部90に搬入する。レジストカバー膜除去用処理部90においては、レジストカバー膜が除去される。
【0101】
次に、第5のセンターロボットCR5は、レジストカバー膜除去用処理部90から処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS10に載置する。
【0102】
基板載置部PASS10に載置された基板Wは、レジストカバー膜用処理ブロック13の第4のセンターロボットCR4により基板載置部PASS8に載置される。
【0103】
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを現像処理部70に搬入する。現像処理部70においては、露光された基板Wに対して現像処理が施される。
【0104】
次に、第3のセンターロボットCR3は、現像処理部70から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120,121に搬入する。その後、第3のセンターロボットCR3は、現像用熱処理部120,121から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
【0105】
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により基板載置部PASS4に載置される。基板載置部PASS4に載置された基板Wは反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により基板載置部PASS2に載置される。
【0106】
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
【0107】
(2−2)インターフェースブロックの動作
次に、インターフェースブロック15の動作について詳細に説明する。
【0108】
上述したように、インデクサブロック9に搬入された基板Wは、所定の処理を施された後、レジストカバー膜除去ブロック14(図1)の基板載置部PASS11に載置される。
【0109】
基板載置部PASS11に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをエッジ露光部EEW(図4)に搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
【0110】
次に、第6のセンターロボットCR6は、エッジ露光部EEWからエッジ露光済みの基板Wを取り出し、その基板Wを洗浄処理ユニットSD1のいずれかに搬入する。洗浄処理ユニットSD1においては、上述したように露光処理前の基板Wに洗浄処理が行われる。
【0111】
ここで、露光装置16による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置16が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBF(図4)に一時的に収納保管される。本実施の形態では、第6のセンターロボットCR6は、洗浄処理ユニットSD1から洗浄処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
【0112】
次に、第6のセンターロボットCR6は、送りバッファ部SBFに収納保管されている基板Wを取り出し、その基板Wを載置兼冷却ユニットP−CPに搬入する。載置兼冷却ユニットP−CPに搬入された基板Wは、露光装置16内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
【0113】
なお、露光装置16が十分な処理速度を有する場合には、送りバッファ部SBFに基板Wを収納保管せずに、洗浄処理ユニットSD1から載置兼冷却ユニットP−CPに基板Wを搬送してもよい。
【0114】
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRの上側のハンドH1(図4)により受け取られ、露光装置16内の基板搬入部16a(図1)に搬入される。
【0115】
露光装置16において露光処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRの下側のハンドH2(図4)により基板搬出部16b(図1)から搬出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH2により、その基板Wを乾燥処理ユニットSD2のいずれかに搬入する。乾燥処理ユニットSD2においては、上述したように露光処理後の基板Wの乾燥処理が行われる。
【0116】
乾燥処理ユニットSD2において乾燥処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRのハンドH1(図4)により取り出される。インターフェース用搬送機構IFRは、ハンドH1により、その基板Wを基板載置部PASS13に載置する。
【0117】
基板載置部PASS13に載置された基板Wは、第6のセンターロボットCR6により受け取られる。第6のセンターロボットCR6は、その基板Wをレジストカバー膜除去ブロック14(図1)の露光後ベーク用熱処理部141に搬送する。
【0118】
なお、除去ユニットREM(図2)の故障等により、レジストカバー膜除去ブロック14が一時的に基板Wの受け入れをできないときは、戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
【0119】
(3)洗浄処理ユニットについて
(3−1)構成
次に、洗浄処理ユニットSD1の詳細について説明する。図5は、洗浄処理ユニットSD1の構成を説明するための模式図である。図5に示すように、洗浄処理ユニットSD1は、基板Wを水平に保持するとともに、基板Wの中心を通る鉛直軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック521を備える。
【0120】
スピンチャック521は、チャック回転駆動機構522によって回転される回転軸523の上端に固定されている。また、スピンチャック521には吸気路(図示せず)が形成されている。スピンチャック521上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック521に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
【0121】
スピンチャック521の近傍には、複数(本例では2つ)の下面ノズル524が外側上方に向けて設けられている。また、スピンチャック521の上方には、上面ノズル525が設けられている。各下面ノズル524には洗浄液供給管524aが接続され、上面ノズル525には洗浄液供給管525aが接続されている。洗浄液供給管524a,525aを通して下面ノズル524および上面ノズル525に洗浄液が供給される。本実施の形態では、洗浄液として純水を用いる。
【0122】
基板Wの洗浄処理時には、基板Wがスピンチャック521に保持された状態で回転する。回転される基板Wの下面に向けて下面ノズル524から洗浄液が供給される。また、回転される基板Wの上面の中心部に向けて上面ノズル525から洗浄液が供給される。下面ノズル524および上面ノズル525から吐出された洗浄液は遠心力によって外方に広がる。それにより、基板Wの表面の全体および基板Wの裏面の周縁領域が洗浄される。
【0123】
スピンチャック521の外方には、端部洗浄部530が配置されている。端部洗浄部530は、基板Wの端部Rを洗浄するための洗浄ブラシ531を備える。洗浄ブラシ531は、保持部材532により保持され、ブラシ回転駆動機構534によって鉛直軸周りに回転駆動される。
【0124】
保持部材532にはアーム535が連結されている。アーム駆動機構536によってアーム535が駆動されることにより、洗浄ブラシ531が上下方向および水平方向に移動する。
【0125】
(3−2)洗浄ブラシの詳細
図6は、洗浄ブラシ531の詳細な構成を示す断面図である。図6に示すように、洗浄ブラシ531は、鉛直方向に延びるブラシ軸540を有する。ブラシ軸540の下端部には、ブラシプレート541が取り付けられている。
【0126】
ブラシ軸540の外周面を覆うように円筒状の緩衝部材542が取り付けられ、緩衝部材542の外周面を覆うように円筒状の洗浄部材543が取り付けられている。緩衝部材542および洗浄部材543の下端部はブラシプレート541に固定されている。ブラシプレート541上における洗浄部材543の外側の領域には、環状の洗浄部材544が取り付けられている。
【0127】
本実施の形態では、洗浄部材543として比較的硬質で柔軟性が低い材料が用いられ、緩衝部材542および洗浄部材544として比較的軟質で柔軟性が高い材料が用いられる。洗浄部材543の材料としては、例えばポリウレタンまたはナイロン等が用いられる。緩衝部材542および洗浄部材544の材料としては、例えばポリビニルアルコールが用いられる。
【0128】
(3−3)基板の端部の洗浄
上記のように、洗浄処理ユニットSD1では、図6の洗浄ブラシ531により基板Wの端部Rが洗浄される。以下、その詳細を説明する。
【0129】
上記のように、基板Wの洗浄処理時には、スピンチャック521により保持された基板Wが回転する。その回転する基板Wの端部Rに接触するように、洗浄ブラシ531がアーム駆動機構536によって移動する。その際、ブラシ回転駆動機構534によって洗浄ブラシ531が回転駆動される。
【0130】
図7は、基板Wおよび洗浄ブラシ531の回転方向を示す平面図である。図7に示すように、洗浄ブラシ531と基板Wとは互いに同じ方向に回転する。この場合、洗浄ブラシ531と基板Wとの摺動速度が高くなり、効率良く基板Wの端部Rを洗浄することができる。
【0131】
なお、図5の下面ノズル524および上面ノズル525から吐出される洗浄液は、基板Wの回転に伴う遠心力により基板Wの裏面および表面を伝って端部Rに導かれ、洗浄ブラシ531と基板Wの端部Rとの接触部分に供給される。
【0132】
ここで、本実施の形態で用いる基板Wの端部Rの具体的な形状について説明する。図8は、基板Wの端部Rの具体的な形状を示す側面図である。
【0133】
図8に示すように、基板Wの端部Rは、基板Wの外周部において基板Wの平坦な表面に連続的につながるように傾斜する上ベベル領域A、基板Wの平坦な裏面に連続的につながるように傾斜する下ベベル領域C、および基板の表面または裏面に略垂直な端面領域Bを含む。なお、基板Wの表面とは回路パターン等の各種パターンが形成される基板Wの面をいい、基板Wの裏面とはその反対側の基板Wの面をいう。
【0134】
次に、洗浄ブラシ531による基板Wの端部Rの洗浄方法についてより詳細に説明する。図9は、洗浄ブラシ531による基板の端部Rの洗浄方法について説明するための模式的断面図である。
【0135】
まず、図9(a)に示すように、洗浄ブラシ531が基板Wに向かって水平方向に移動し、洗浄部材543が基板Wの端部Rに押し当てられる。ここで、上記のように洗浄部材543は柔軟性が低い。そのため、洗浄部材543は基板Wの端面Rに押し当てられても大きく変形することがない。それにより、洗浄部材543は、ほぼ基板Wの端部Rの端面領域B(図8)のみに接触する。
【0136】
続いて、洗浄部材543が基板Wの端部Rに接触する状態で洗浄ブラシ531が上方に移動する。それにより、図9(b)に示すように、洗浄ブラシ531の洗浄部材544が基板Wの裏面の周縁部に押し当てられる。ここで、上記のように洗浄部材544は柔軟性が高い。そのため、洗浄部材544は基板Wに押し当てられることによって変形する。それにより、洗浄部材544は、基板Wの裏面の周縁部および基板Wの端部の下ベベル領域C(図8)に接触する。
【0137】
このようにして、洗浄ブラシ531により、基板Wの端部Rの端面領域B、基板Wの端部Rの下ベベル領域Cおよび基板Wの裏面の周縁部が洗浄される。
【0138】
この洗浄処理ユニットSD1においては、洗浄ブラシ531が基板Wの表面にほとんど接触しない。それにより、基板Wの表面に形成された膜が洗浄ブラシ531との接触によって損傷することが防止される。
【0139】
また、洗浄ブラシ531は基板Wの端部Rの上ベベル領域A(図8)にもほとんど接触しない。そのため、基板Wの端部Rの上ベベル領域Aに膜が形成されている場合でも、膜の損傷が防止される。
【0140】
なお、基板Wおよび洗浄ブラシ531が偏心している場合、あるいはこれらが傾いている場合には、洗浄ブラシ531から基板Wに負荷が加わる。本実施の形態では、洗浄ブラシ531のブラシ軸540と洗浄部材543との間に緩衝部材542が設けられていることにより、洗浄ブラシ531から基板Wに加わる負荷が低減される。それにより、基板Wの損傷を防止することができる。
【0141】
また、本実施の形態では、洗浄ブラシ531の緩衝部材542および洗浄部材543の下端部がブラシプレート541に固定されていることにより、緩衝部材542および洗浄部材543が撓むことが防止される。それにより、洗浄部材543が基板Wの表面に形成された膜に接触することがより確実に防止される。
【0142】
(3−4)洗浄ブラシの変形例
図10は、洗浄ブラシ531の変形例を示す断面図である。図6に示した洗浄ブラシ531においては、洗浄部材544の上面がほぼ水平面に沿うように形成されているが、基板Wの形状等に応じて洗浄部材544の形状を変形させてもよい。
【0143】
図10(a)に示す洗浄ブラシ531aにおいては、洗浄部材544の上面が外側下方に傾斜するように形成されている。この場合、基板Wの端部Rの下ベベル領域Bに洗浄部材544をより確実に接触させることができる。それにより、基板Wの端部Rの下ベベル領域Bの洗浄効率を向上させることができる。
【0144】
また、図10(b)に示す洗浄ブラシ531bにおいては、洗浄部材544の上面が外側上方に傾斜するように形成されている。
【0145】
(4)洗浄ブラシの他の例
洗浄ブラシ531の代わりに、図11に示す洗浄ブラシを用いてもよい。図11は、洗浄ブラシの他の例を示す側面図である。
【0146】
図11に示す洗浄ブラシ550は、鉛直軸周りに回転対称な形状を有し、上半分の領域が上洗浄部材551により構成され、下半分の領域が下洗浄部材552により構成されている。上洗浄部材551の外周面は外側上方に傾斜し、下洗浄部材552の外周面は外側下方に傾斜している。
【0147】
本実施の形態では、上洗浄部材551として非常に柔らかく柔軟性が高い材料が用いられ、下洗浄部材552として比較的軟質で柔軟性が高い材料が用いられる。なお、上洗浄部材551としては図9の洗浄部材544よりも軟らかい材料を用いることが好ましく、下洗浄部材552としては図9の洗浄部材544と同程度の硬度を有する材料を用いることが好ましい。
【0148】
上洗浄部材551および下洗浄部材552の材料としては、例えばポリビニルアルコールが用いられる。なお、一般的にポリビニルアルコールはスポンジ状で用いられる。そのスポンジの気孔の量および大きさを調整することにより、上洗浄部材551を下洗浄部材552よりも軟らかく調整することができる。
【0149】
図12は、洗浄ブラシ550による基板の端部Rの洗浄方法について説明するための図である。
【0150】
図12(a)に示すように、洗浄ブラシ550の上洗浄部材551が基板Wの端部Rに押し当てられると、上洗浄部材511が変形して基板Wの端部Rの上ベベル領域Aおよび端面領域Bに接触する。これにより、基板Wの端部Rの上ベベル領域Aおよび端面領域Bが洗浄される。
【0151】
図12(b)に示すように、洗浄ブラシ550の下洗浄部材552が基板Wの端部Rに押し当てられると、下洗浄部材552が変形して基板Wの端部Rの下ベベル領域Cおよび端面領域Bに接触する。これにより、基板Wの端部Rの下ベベル領域Cおよび端面領域Bが洗浄される。
【0152】
洗浄ブラシ550においては、上洗浄部材511が非常に軟らかい材料で形成されていることにより、図12(a)の状態で上洗浄部材511が基板Wの表面に形成された膜に接触しても、その膜の損傷を抑制することができる。一方、基板Wの端部Rの端面領域Bおよび下ベベル領域Cは、上洗浄部材511に比べて比較的硬い下洗浄部材511により十分な洗浄力で洗浄することができる。
【0153】
このように、洗浄ブラシ550を用いた場合には、基板Wの表面に形成された膜の損傷を抑制しつつ、基板Wの端部Rの上ベベル領域A、端面領域Bおよび下ベベル領域Bを十分に清浄にすることができる。
【0154】
(4−a)変形例
図13は、図11に示した洗浄ブラシ550の変形例を示す側面図である。図11の洗浄ブラシ550と図13の洗浄ブラシ550aとが異なるのは、下洗浄部材552の上端部分が上洗浄部材551に置き換えられている点である。
【0155】
図11の洗浄ブラシ550を用いた場合には、下洗浄部材552が基板Wの端部Rに強く押し当てられると(図12(b)参照)、下洗浄部材552の上端部分が、基板Wの表面または端部Rの上ベベル領域Aに接触することがある。その場合、基板W状上の膜が損傷する可能性がある。
【0156】
それに対して、図13の洗浄ブラシ550aを用いた場合には、下洗浄部材552が基板Wの端部Rに強く押し当てられても、基板W上の膜に接触するのは上洗浄部材551であり、下洗浄部材552が基板W上の膜に接触することはない。したがって、基板W上の膜の損傷をより確実に防止することができる。
【0157】
(4−b)他の変形例
図14は、図11に示した洗浄ブラシ550の他の変形例を示す側面図である。図11の洗浄ブラシ550と図14の洗浄ブラシ550bとが異なるのは、上半分の領域に、上洗浄部材551と研磨部材553とが周方向に交互に配置されている点である。
【0158】
洗浄ブラシ550bの上半分の領域が基板Wの端部Rに押し当てられると、基板Wの端部Rの上ベベル領域Aが研磨部材553によって研磨される。この場合、基板Wの端部Rの上ベベル領域Aまたは端面領域Bに形成された膜の部分が削り取られる。研磨によって生じる粉塵等は、上洗浄部材551によって洗浄除去される。
【0159】
塗布ユニットBARC,RES,COVによる成膜処理の過程においては、基板Wの表面の周縁部または基板Wの端部Rの上ベベル領域Aに、余分に膜が形成されることがある。図14の洗浄ブラシ550bを用いて基板Wの端部Rの洗浄を行った場合には、その余分な膜の部分を基板Wから除去することができる。
【0160】
なお、従来では、そのような余分な膜の部分を除去するため、各塗布ユニットにおいて成膜処理後の基板Wにエッジリンス処理が行われる。エッジリンス処理においては、余分な膜の部分が薬液によって溶解除去される。
【0161】
しかしながら、エッジリンス処理時に、所望の部分に精度良く薬液を供給することは困難である。そのため、余分な膜の部分を十分に除去することができなかったり、除去すべきでない膜の部分が除去されたりする。
【0162】
洗浄ブラシ550bを用いる場合には、除去すべき膜の部分に応じて、洗浄ブラシ550bの研磨部材553の形状等を調整することにより、余分に形成された膜の部分を精度良く確実に除去することができる。
【0163】
(5)実施の形態の効果
本実施の形態では、露光装置16における露光処理前に、洗浄処理ユニットSD1において基板Wの端部Rが洗浄される。それにより、端部Rが十分に清浄な状態で、基板Wを露光装置16に搬入することができる。そのため、基板Wの端部Rの汚染に起因する露光装置内の汚染を防止することができ、露光パターンの寸法不良および形状不良の発生を防止することができる。
【0164】
また、洗浄処理ユニットSD1においては、基板W上に形成された膜に損傷を与えることなく、基板Wの端部の所望の部分を確実に洗浄することができる。それにより、基板Wの処理不良の発生をより確実に防止することができる。
【0165】
(6)他の実施の形態
上記実施の形態では、洗浄処理ユニットSD1において、洗浄液として純水を用いるが、純水の代わりに界面活性剤、溶剤またはIPA(イソプロピルアルコール)等のアルコール薬液を用いてもよい。この場合、化学的洗浄によってより高い洗浄効果を得ることができる。
【0166】
また、端部洗浄部530を乾燥処理ユニットSD2に設け、乾燥処理ユニットSD2において、露光処理後の基板Wの端部Rを端部洗浄部530により洗浄した後、基板Wの乾燥処理を行ってもよい。この場合、現像処理ブロック12において基板Wの端部Rが十分に清浄な状態で現像処理を行うことができる。それにより、端部Rの汚染に起因する現像性能の低下を確実に防止することができる。
【0167】
また、洗浄処理ユニットSD1または乾燥処理ユニットSD2がインターフェースブロック15以外のブロックに設けられてもよい。
【0168】
また、洗浄処理ユニットSD1、乾燥処理ユニットSD2、塗布ユニットBARC,RES、COV、現像処理ユニットDEV、除去ユニットREM、加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよび載置兼冷却ユニットP−CPの個数は、各処理ブロックの処理速度に合わせて適宜変更してもよい。例えば、エッジ露光部EEWを2個設ける場合は、乾燥処理ユニットSD2の個数を2個にしてもよい。
【0169】
また、上記実施の形態では、露光処理前の基板Wの成膜処理および露光処理後の基板Wの現像処理を行ういわゆるコータデベロッパ装置内に洗浄処理ユニットSD1が設けられる例について説明したが、他の装置に洗浄処理ユニットSD1が設けられてもよい。例えば、成膜処理前の基板Wの洗浄処理を行ういわゆるスクラバ装置に洗浄処理ユニットSD1が設けられてもよい。
【0170】
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0171】
上記実施の形態では、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12、レジストカバー膜用処理ブロック13およびレジストカバー膜除去ブロック14が処理部の例であり、インターフェースブロック15が受け渡し部の例であり、塗布ユニットBARC,RES,COVが成膜処理ユニットの例であり、洗浄処理ユニットSD1または乾燥処理ユニットSD2が基板洗浄装置の例である。
【0172】
また、スピンチャック521およびチャック回転駆動機構522が基板回転保持手段の例であり、ブラシ回転駆動機構534がブラシ回転手段の例であり、洗浄ブラシ531,531a,531b,550,550a,550bが端部洗浄ブラシの例であり、洗浄部材543または下洗浄部材552が第1の洗浄部材の例であり、洗浄部材544または上洗浄部材551が第2の洗浄部材の例である。
【0173】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明は、種々の基板の処理等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
【図2】図1の基板処理装置を+X方向から見た概略側面図である。
【図3】図1の基板処理装置を−X方向から見た概略側面図である。
【図4】インターフェースブロックを+Y側から見た概略側面図である。
【図5】洗浄処理ユニットの構成を説明するための図である。
【図6】洗浄ブラシの詳細な構成を示す断面図である。
【図7】基板および洗浄ブラシの回転方向を示す平面図である。
【図8】基板の端部の具体的な形状を示す側面図である。
【図9】洗浄ブラシによる基板の端部の洗浄方法について説明するための模式的断面図である。
【図10】洗浄ブラシの変形例を示す断面図である。
【図11】洗浄ブラシの他の例を示す側面図である。
【図12】洗浄ブラシによる基板の端部の洗浄方法について説明するための図である。
【図13】図11に示した洗浄ブラシの変形例を示す側面図である。
【図14】図11に示した洗浄ブラシの他の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0176】
9 インデクサブロック
10 反射防止膜用処理ブロック
11 レジスト膜用処理ブロック
12 現像処理ブロック
13 レジストカバー膜用処理ブロック
14 レジストカバー膜除去ブロック
15 インターフェースブロック
500 基板処理装置
521 スピンチャック
522 チャック回転駆動機構
531,531a,531b,550,550a,550b 洗浄ブラシ
534 ブラシ回転駆動機構
543,544 洗浄部材
542 緩衝部材
551 上洗浄部材
552 下洗浄部材
SD1 洗浄処理ユニット
SD2 乾燥処理ユニット
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置に隣接するように配置される基板処理装置であって、
基板に処理を行うための処理部と、
前記処理部の一端部に隣接するように設けられ、前記処理部と前記露光装置との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し部とを備え、
前記処理部は、露光処理前の基板の一面に成膜処理を行う成膜処理ユニットを含み、
前記処理部および前記受け渡し部の少なくとも一方は、成膜処理後であって露光処理前の基板を洗浄する基板洗浄装置を備え、
前記基板洗浄装置は、
基板を保持しつつ回転させる基板回転保持手段と、
前記基板回転保持手段に保持された基板の端部に接触可能に設けられた端部洗浄ブラシとを含み、
前記端部洗浄ブラシは、
第1の材料からなる第1の洗浄部材と、
前記第1の洗浄部材に一体的に設けられ、前記第1の材料よりも柔軟性が高い第2の材料からなる第2の洗浄部材とを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記基板洗浄装置は、
前記基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向の回転軸の周りで前記端部洗浄ブラシを回転させるブラシ回転手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の洗浄部材は、前記基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向に軸心を有する円筒状の第1の洗浄面を有し、
前記第2の洗浄部材は、前記第1の洗浄部材の前記第1の洗浄面の一端部から前記第1の洗浄面に略垂直な方向に延び、前記基板回転保持手段により保持される基板の他面の周縁領域に接触可能な第2の洗浄面を有することを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1の洗浄部材は円筒形状を有し、
前記端部洗浄ブラシは、前記第1の洗浄部材の内周面に沿って設けられ、前記第1の洗浄部材よりも柔軟性が高い緩衝部材をさらに有することを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持される基板の他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、
前記第2の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持される基板の前記一面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第5の洗浄面を有することを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記端部洗浄ブラシは、前記基板回転保持手段により保持される基板の前記一面側のベベル領域を研磨するための研磨面を有する研磨部材をさらに含み、
前記第1の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持される基板の他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、
前記第2の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持される基板の前記一面側のベベル領域に接触可能な第6の洗浄面を有し、
前記研磨部材の前記研磨面と前記第2の洗浄部材の前記第6の洗浄面とによりテーパ状の研磨洗浄面が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項7】
一面および他面を有する基板を洗浄するための基板洗浄装置であって、
基板を保持しつつ回転させる基板回転保持手段と、
前記基板回転保持手段に保持された基板の端部に接触可能に設けられた端部洗浄ブラシとを備え、
前記端部洗浄ブラシは、
第1の材料からなる第1の洗浄部材と、
前記第1の洗浄部材に一体的に設けられ、前記第1の材料よりも柔軟性が高い第2の材料からなる第2の洗浄部材とを含むことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項8】
前記基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向の回転軸の周りで前記端部洗浄ブラシを回転させるブラシ回転手段をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
前記第1の洗浄部材は、前記基板回転保持手段に保持された基板の表面に略垂直な方向に軸心を有する円筒状の第1の洗浄面を有し、
前記第2の洗浄部材は、前記第1の洗浄部材の前記第1の洗浄面の一端部から前記第1の洗浄面に略垂直な方向に延び、前記基板回転保持手段により保持された基板の前記他面の周縁領域に接触可能な第2の洗浄面を有することを特徴とする請求項7または8記載の基板洗浄装置。
【請求項10】
前記第1の洗浄部材は円筒形状を有し、
前記端部洗浄ブラシは、前記第1の洗浄部材の内周面に沿って設けられ、前記第1の洗浄部材よりも柔軟性が高い緩衝部材をさらに有することを特徴とする請求項9記載の基板洗浄装置。
【請求項11】
前記第1の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持された基板の前記他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、
前記第2の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持された基板の前記一面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第5の洗浄面を有することを特徴とする請求項7または8記載の基板洗浄装置。
【請求項12】
前記端部洗浄ブラシは、前記基板回転保持手段により保持された基板の前記一面側のベベル領域を研磨するための研磨面を含む研磨部材をさらに含み、
前記第1の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持された基板の前記他面側のベベル領域に接触可能なテーパ状の第4の洗浄面を有し、
前記第2の洗浄部材は、前記基板回転保持手段により保持された基板の前記一面側のベベル領域に接触可能な第6の洗浄面を有し、
前記研磨部材の前記研磨面と前記第2の洗浄部材の前記第6の洗浄面とによりテーパ状の研磨洗浄面が形成されることを特徴とする請求項7または8記載の基板洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−231553(P2009−231553A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75460(P2008−75460)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(506322684)株式会社SOKUDO (158)
【Fターム(参考)】