説明

液晶表示装置

【課題】画素の開口率を向上することができる、アクティブマトリックス方式及びドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置1において、互に交差する第1及び第2の方向に向かって配列された複数の画素20と、第1の方向に向かって隣接する画素20間に配置され、第2の方向に延在する垂直走査線21と、第2の方向に向かって隣接する画素20間に配置され、第1の方向に延在する映像信号線22と、第1の方向に向かって隣接する画素20間に配置され、一定間隔において垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向に延在する補助容量線23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特にアクティブマトリックス方式を採用する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリックス方式を採用する液晶表示装置においては、互いに交差する垂直走査線と映像信号線との交差部分に画素が配置され、この画素は垂直走査線、映像信号線のそれぞれの延在方向に規則的に複数配列されている。画素は、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)と、画素電極と、補助容量(保持容量)とを備えている。薄膜トランジスタの一方の主電極は映像信号線に接続され、ゲート電極は垂直走査線に接続され、他方の主電極は画素電極に接続されている。画素電極は液晶を介在して共通画素電極に対向配置されている。補助容量は、薄膜トランジスタの他方の主電極と画素電極との間に電気的に並列に接続されており、液晶の起立状態(配向状態)を制御する。
【0003】
下記特許文献1には、ドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置において、補助容量及びそれに接続される補助容量線のレイアウトが記載されている。この液晶表示装置は、垂直走査線が延在する方向に向かって配列された複数の画素の各々の中央部分に1本の垂直走査線を延在している。この垂直走査線の両側には交互に複数の画素の各々の薄膜トランジスタを配列している。この薄膜トランジスタの配列に対応させて垂直走査線の両側に補助容量が交互に配列され、1本の垂直走査線の両側には合計2本の補助容量線が垂直走査線と同一方向に延在している。
【0004】
補助容量は画素内に配置され、補助容量線は画素内特に画素電極に重複して延在する。2本のうちの一方の補助容量線は垂直走査線の一側に配列された補助容量に接続され、他方の補助容量線は垂直走査線の他側に配列された補助容量に接続されている。2本の補助容量線には、薄膜トランジスタのオフ期間中に変化する互いに逆相の補助容量電圧が供給され、この補助容量電圧が補助容量の一方の電極に印加されるようになっている。
【特許文献1】特開2003−150080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許文献1に記載される液晶表示装置においては、1本の垂直走査線に対して2本の補助容量線が配置され、更にこれらの垂直走査線及び補助容量線はいずれも画素内に延在するレイアウトが採用されている。透過型液晶表示装置を製作する場合、これらの垂直走査線及び補助容量線は画素に対して重複して配置しているので、実効的な画素の開口率が減少してしまい、液晶表示装置の透過率を低下してしまう点について、配慮がなされていなかった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、画素の開口率を向上することができ、光透過率を向上することができる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、液晶表示装置において、互に交差する第1の方向及び第2の方向に向かって配列された複数の画素と、第1の方向に隣接する画素間に配置され、第2の方向に向かって延在する垂直走査線と、第2の方向に隣接する画素間に配置され、第1の方向に延在する映像信号線と、第1の方向に向かって隣接する画素間に配置され、一定間隔において垂直走査線と交差を繰り返し第2の方向に延在する補助容量線とを備える。
【0008】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、液晶表示装置において、互に交差する第1の方向及び第2の方向に向かって配列された複数の画素と、第1の方向に向かって隣接する画素間に配置され、第2の方向に向かって延在する垂直走査線と、第2の方向に隣接する画素間に配置され、第1の方向に延在し、垂直走査線とは異なる導電層に配置された映像信号線と、第1の方向に向かって隣接する画素間に配置され、垂直走査線と同一導電層に配置され、第2の方向に延在する補助容量線と、一定間隔において垂直走査線と補助容量線とを繰り返し交差させ、映像信号線と同一導電層に配置された交差配線とを
備える。
【0009】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、液晶表示装置において、薄膜トランジスタ、その一方の主電極に電気的に接続された画素電極及び薄膜トランジスタと画素電極との間に電気的に並列に接続された保持容量を有し、互に交差する第1及び第2の方向に向かって配列された複数の画素と、第1の方向に向かって隣接する画素間に配置され、この画素の隣接する一方、他方のそれぞれの薄膜トランジスタのゲート電極に第2の方向において交互に電気的に接続され、ゲート電極と同一導電層に配置された垂直走査線と、第2の方向に向かって隣接する画素間に配置され、この画素の隣接する一方の薄膜トランジスタの他方の主電極に電気的に接続され、垂直走査線よりも上層の導電層に配置され、第1の方向に延在する映像信号線と、第1の方向に向かって隣接する画素間に配置され、垂直走査線と同一導電層に配置され、第2の方向に延在する補助容量線と、一定間隔において垂直走査線と補助容量線とを繰り返し交差させ、映像信号線と同一導電層に配置された交差配線とを備える。
【0010】
本発明の実施の形態に係る第4の特徴は、互に交差する第1及び第2の方向に向かって配列された複数の画素を有する第1基板と、前記第1の基板の上部に形成され、前記第1の方向に向かって延在する垂直走査線と、前記第1の基板の上部に形成され、前記第1の方向に向かって延在し、前記垂直走査線から離隔された補助容量線と、前記第2の方向に向かって前記垂直走査線の上部に形成され、前記垂直走査線とともに前記複数の画素を区分する複数の映像信号線と、前記第1の基板に対向する第2の基板とを備える。前記複数の画素は前記第1の方向と並んでいる仮想線を境界にして第1のグループと第2のグループに区分され、前記垂直走査線または前記補助容量線は前記仮想線に対して前記第1のグループと前記第2のグループとの間を蛇行する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画素の開口率を向上することができ、画素の光透過率を向上することができる液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係るアクティブマトリックス方式を採用する液晶表示装置特に小型中型の液晶表示装置について、図面を参照して詳細に説明する。ここで、小型中型の液晶表示装置とは、例えば携帯電話機、無線機、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ等に組み込まれる例えば20インチ以下の液晶表示部を有する液晶表示装置を意味する。
【0013】
(第1の実施の形態)
【0014】
[液晶表示装置のシステム構成]
図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るアクティブマトリックス方式並びにドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1は、液晶表示部10と、垂直走査線駆動回路11と、映像信号線駆動回路12と、制御回路13と、走査線シフトレジスタ14と、補助容量線タイミング発生回路15と、電圧発生回路16と、スイッチング回路17とを備えている。
【0015】
液晶表示部10には複数の画素20(20(11)、20(12)、…、20(21)、20(22)、…)と、複数本の垂直走査線21(21(1)、21(2)、…)と、複数本の映像信号線22(22(1)、22(2)、…)と、複数本の補助容量線23(23(1)、23(2)、…)とを備えている。
【0016】
画素20は、液晶表示部10において、第1の方向D1及びこの第1の方向D1と交差する第2の方向D2に規則的に配列される。ここでは、上方から下方に向かって画素20(11)、画素20(12)、…が一定の配列ピッチにおいて配列され、左方から右方に向かって画素20(11)、20(21)、…が一定の配列ピッチにおいて配列されている。
【0017】
1つの画素20は、薄膜トランジスタ(TFT)201と画素容量202とを電気的に直列に接続した直列回路により構成されている。この1つの画素20は更に補助容量203を備えている。薄膜トランジスタ201の一方の主電極(例えばソース領域)は画素容量202の画素電極に電気的に接続されるとともに、補助容量203の一方の電極に電気的に接続されている。薄膜トランジスタ201の他方の主電極(例えばドレイン領域)は映像信号線22に電気的に接続されている。薄膜トランジスタ201のゲート電極には垂直走査線21が電気的に接続されている。薄膜トランジスタ201は、この構造並びに接続数に限定されるものではないが、第1の実施の形態において、電気的に直列に接続された2個の薄膜トランジスタ201a及び201bにより構成されている。画素容量202は、前述の画素電極と、この画素電極に対向配置される共通画素電極と、画素電極と共通画素電極との間に配設された液晶とを備えて構成されている。補助容量203の他方の電極は補助容量線23に電気的に接続されている。なお、この薄膜トランジスタ201、画素容量202及び補助容量203の具体的な構造は、後に図3を使用して説明する。
【0018】
垂直走査線(ゲート信号線)21は、第1の方向D1に隣接する画素20間に配置され、第2の方向D2に延在する。例えば、垂直走査線21(2)は、第1の方向D1に隣接する画素20(11)と画素20(12)との間に配置される。垂直走査線21は垂直走査線駆動回路11に接続され、この垂直走査線駆動回路11は、垂直走査線21を走査し、走査された垂直走査線21に接続された画素20の薄膜トランジスタ201を導通させる。垂直走査線駆動回路11は制御回路13に接続され、この制御回路13により垂直走査線駆動回路11の回路動作が制御されている。
【0019】
映像信号線(水平信号線)22は、第2の方向D2に隣接する画素20間に配置され、第1の方向D1に延在する。例えば、映像信号線22(2)は、第2の方向D2に隣接する画素20(11)と画素20(21)との間に配置される。この映像信号線22は映像信号線駆動回路12に接続され、この映像信号線駆動回路12は、映像信号線22を走査し、走査された映像信号線22に接続された画素20の画素容量202に薄膜トランジスタ201を通して映像信号を伝送する。映像信号線駆動回路12は制御回路13に接続され、この制御回路13により映像信号線駆動回路12の回路動作が制御されている。
【0020】
補助容量線23は、その対応する垂直走査線21が配置された画素20間に配置され、一定間隔においてこの対応する垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する。例えば、補助容量線23(2)は、垂直走査線21(2)が配置された画素20(11)と画素20(12)との間に配置され、垂直走査線21(2)と一定間隔において交差を繰り返す。表現を代えれば、垂直走査線21(2)、補助容量線23(2)のそれぞれは、一定間隔において交差を繰り返しながら、第2の方向D2に向かって延在している。
【0021】
補助容量線23はスイッチング回路(SW回路)17に接続され、このスイッチング回路17は、補助容量線タイミング発生回路15及び走査線シフトレジスタ14を通して制御回路13に接続されるとともに、電圧発生回路16に接続されている。スイッチング回路17のスイッチング動作は走査線シフトレジスタ14、補助容量線タイミング発生回路15のそれぞれを通して制御回路13により制御される。同様に、電圧発生回路16の回路動作は制御回路13により制御される。スイッチング回路17は、電圧発生回路16により発生され供給される複数種類の電圧(補助容量信号又はオーバードライブ信号)を補助容量線23を通して画素20の補助容量203に供給する。
[画素の配列レイアウト]
【0022】
第1の実施の形態に係る液晶表示装置1の液晶表示部10は、同図4に示すように、第1の方向D1に隣接する垂直走査線21(1)と21(2)との間の領域内において、第2の方向D2に向かって奇数番目に配列された画素20(11)、20(31)、…を一方の垂直走査線21(1)に接続し、偶数番目に配列された画素20(21)、20(41)、…を他方の垂直走査線21(2)に接続している。すなわち、画素20(11)、20(21)、20(31)、20(41)、…は1つの画素20置き(1ドット置き)に隣接する垂直走査線21の一方、他方に交互に接続されている。
【0023】
更に、第1の実施の形態に係る液晶表示装置1はカラー液晶表示装置であり、画素20毎にカラーフィルタ25が配置されている。第2の方向D2に配列された画素20(11)、20(21)、20(31)のそれぞれには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれのカラーフィルタ25が各々割り当てられる。第2の方向D2に配列された次段の画素20(41)、20(51)、20(61)のそれぞれには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれのカラーフィルタ25が各々繰り返して割り当てられる。第1の方向D1に配列された画素20(11)、20(12)、…のそれぞれには赤色(R)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。画素20(21)、20(22)、…のそれぞれには緑色(G)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。画素20(31)、20(32)、…のそれぞれには青色(B)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。
【0024】
第1の方向D1に隣接する次段の垂直走査線21(2)と21(3)との間の領域内に配列された画素20(12)、20(22)、20(32)、20(42)、…の接続関係は前段と同様である。すなわち、第2の方向D2に向かって奇数番目に配列された画素20(12)、20(32)、…を一方の垂直走査線21(2)に接続し、偶数番目に配列された画素20(22)、20(42)、…を他方の垂直走査線21(3)に接続している。次段以降の垂直走査線21間に配列された画素20の接続関係は前段と同様である。
【0025】
第2の方向D2に隣接する映像信号線22(1)と22(2)との間の領域内において、第1の方向D1に向かって配列された画素20(11)、20(12)、…は一方の映像信号線22(1)に接続されている。第2の方向D2に隣接する次段の映像信号線22(2)と22(3)との間に配列された画素20(21)、20(22)、…は一方の映像信号線22(2)に接続されている。次段以降の映像信号線22間に配列された画素20の接続関係は前段と同様である。
[液晶表示装置の具体的な断面構造並びに平面構造]
【0026】
次に、第1の実施の形態に係る液晶表示装置1の具体的な断面構造並びに平面構造を説明する。図3(左側)に示すように、液晶表示装置1は、方形形状を有する絶縁基板101と、この絶縁基板101の表面上に対向して配設され絶縁基板101のサイズよりもひと回り小さいサイズの方形形状を有する対向基板121と、絶縁基板101と対向基板121との間において対向基板121側に配設されるカラーフィルタ層122と、絶縁基板101とカラーフィルタ層122との間に封入される液晶111とを備えている。
【0027】
ここで、第1の実施の形態に係る液晶表示装置1は光透過型を採用しているので、絶縁基板101、対向基板121にはいずれも透明なガラス基板を実用的に使用することができる。
【0028】
画素20を構築する薄膜トランジスタ201の一方の薄膜トランジスタ201aは、絶縁基板101上に下地絶縁膜102を介して配設され、チャネル形成領域103bと、このチャネル形成領域103bの両側に各々配設された一対の主電極(ソース電極又はドレイン電極)103aと、チャネル形成領域103b上のゲート絶縁膜104と、ゲート絶縁膜104上の制御電極(ゲート電極)105とを備えている。薄膜トランジスタ201の他方の薄膜トランジスタ201bは、薄膜トランジスタ201aと同様の構造を有し、絶縁基板101上に下地絶縁膜102を介して配設され、チャネル形成領域103bと、このチャネル形成領域103bの両側に各々配設された一対の主電極103aと、チャネル形成領域103b上のゲート絶縁膜104と、ゲート絶縁膜104上の制御電極105とを備えている。
【0029】
チャネル形成領域103b、主電極103aは、いずれも同一導電層に形成され、かつ同一半導体薄膜により形成されている。薄膜トランジスタ201a、201bのそれぞれの隣り合う一方の主電極103aは一体化され、共用されている。半導体薄膜には例えば製造プロセスにおいて絶縁基板101に影響を及ぼさない低温度により成膜された多結晶シリコン膜(低温ポリシリコン膜)を実用的に使用することができる。また、半導体薄膜には非晶質シリコン膜も使用することができる。主電極103aは第1の実施の形態においてn型に設定されており、結果として薄膜トランジスタ201はnチャネル導電型により構成されている。制御電極105にはゲート材、例えば製造プロセスにおいて低温度により成膜された多結晶シリコン膜、スパッタリングにより低温において成膜することができる高融点金属膜、高融点金属シリサイド膜、MoW膜、アルミニウム合金膜のいずれかの単層膜を使用することができる。また、ゲート材には、それらいずれかの単層膜を複数種類において少なくとも2層以上重ね合わせた複合膜を使用することができる。
【0030】
薄膜トランジスタ201、詳細には薄膜トランジスタ201aの他方の主電極103aには、制御電極105上の導電層に配設された映像信号線106h(22)が接続されている。映像信号線106hには、薄膜トランジスタ201a、201bのそれぞれの制御電極105の比抵抗値に比べて低い配線材料、例えばアルミニウム合金膜を実用的に使用することができる。アルミニウム合金膜は例えばシリコンや銅を添加したアルミニウム薄膜である。また、アルミニウム合金膜は、単層膜だけに限らず、下層にバリアメタル膜を備えてもよいし、上層に製造プロセスのフォトリソグリフィ技術において露光時の反射を防止する反射防止膜を備えてもよい。
【0031】
補助容量203は、第1の電極(下層電極)103cと、第1の電極103c上の誘電体膜104cと、誘電体膜104c上の第2の電極(上層電極)105cとを備えている。第1の電極103cは、薄膜トランジスタ201bの他方の主電極103aと一体に構成され、共有されている。すなわち、第1の電極103cは主電極103aと同一導電層において同一導電性材料により構成されている。誘電体膜104cは薄膜トランジスタ201a、201bのそれぞれのゲート絶縁膜104と同一絶縁層において同一絶縁材料により構成されている。第2の電極105cは薄膜トランジスタ201a、201bのそれぞれの制御電極105と同一導電層において同一導電性材料により構成されている。
【0032】
画素容量202は、画素電極(第1の電極又は下部電極)107と、画素電極107に対して離間され対向配置された共通画素電極(第2の電極又は上部電極)124と、画素電極107と共通画素電極124との間に配設された誘電体膜(符号は付けない。)とを備えている。画素電極107は補助容量203の第1の電極103cに中間配線106aを通して電気的に接続されている。中間配線106aは、第1の実施の形態において、映像信号線106h(22)と同一導電層において同一導電性材料により構成されている。つまり、中間配線106aは薄膜トランジスタ201の制御電極105の上層の導電層に配置されている。画素電極107は中間配線106aの更に上層の導電層に配設されている。この画素電極107にはITO(インジウムスズ酸化物)膜を実用的に使用することができる。画素容量202の誘電体膜は、画素電極107と共通画素電極124との間に存在する誘電体膜、詳細には絶縁基板101側に配設される配向膜と対向基板121側に配置される配向膜と前記両配向膜の間に封入された液晶111をと含む。、図3には簡略化して示してあるが、絶縁基板101にはパッシベーション膜110が形成され、パッシベーション膜110は制御電極105と映像信号線106hとの間の層間絶縁膜、中間配線106aと画素電極107との間の層間絶縁膜、最上層の配向膜を少なくとも含み構成されている。
【0033】
なお、対向基板121上(図3中、下側表面)には、カラーフィルタ層122、オーバーコート層123、共通画素電極124、パッシベーション膜125のそれぞれが順次積層されている。カラーフィルタ層122には、画素20毎に赤色、緑色、青色のそれぞれのカラーフィルタ25が配列されている。カラーフィルタ層122は、その構造を明確に示していないが、例えばブラックマトリックス層と、赤色、緑色又は青色に着色された着色層とを備えている。カラーフィルタ層122の表面上にはオーバーコート層123が配設されている。
【0034】
共通画素電極124はオーバーコート層123上に配設され、この共通画素電極124には例えば画素電極107と同様にITO膜を実用的に使用することができる。パッシベーション膜125には少なくとも配向膜が含まれる。
【0035】
図1、図2及び図3に示すように、薄膜トランジスタ201の制御電極105には垂直走査線105g(21)が電気的に接続されている。垂直走査線105gは、制御電極105と同一導電層において同一導電性材料により構成されている。つまり、垂直走査線105gと制御電極105とは一体化されている。垂直走査線105gは、特に図1及び図2に示すように、画素20(11)の画素電極107と画素20(12)の補助容量203との間、画素20(21)の補助容量203と画素20(22)の画素電極107との間、画素20(31)の画素電極107と画素20(32)の補助容量203との間、…のそれぞれを第2の方向D2に向かって直線状に延在している。換言すれば、補助容量203は、垂直走査線105gを中心として第2の方向D2において1つの画素20毎に上側と下側とに交互に繰り返し配列されている。
【0036】
補助容量線23は、連結配線105sと、補助容量203の第2の電極105cと、連結配線105sと第2の電極105cとの間を垂直走査線105g(21)を跨いで交差する交差配線106gとを備えて構築されている。連結配線105sは、垂直走査線105gを中心として第2の方向D2において1つの画素20毎に上側と下側とに交互に繰り返し配置され、第2の方向D2に延在する。この連結配線105sは、垂直走査線105gに対して一定間隔離れ、平行に第2の方向D2に延在する。連結配線105sは、垂直走査線105g及び補助容量203の第2の電極105cと同一導電層において同一導電性材料により構成されている。すなわち、連結配線105sは、第2の電極105cに一体に構成され、かつ電気的に接続されている。交差配線106gは、補助容量線23と垂直走査線21とを交互に繰り返し交差させるために、垂直走査線105gを中心として上側に配置された連結配線105sと下側に配置された第2の電極105cとの間を垂直走査線105gを跨いで電気的に接続し、又は上側に配置された第2の電極105cと下側に配置された連結配線105sとの間を垂直走査線105gを跨いで電気的に接続する。交差配線106gは、映像信号線106h(22)と同一導電層において同一導電性材料により構成されている。つまり、補助容量線23は、連結配線105s、第2の電極105c、交差配線106g、連結配線105s、第2の電極105c、交差配線106g、…のそれぞれを連続的に連結して構成されている。
[液晶表示装置の表示動作]
【0037】
第1の実施の形態に係る液晶表示装置1は図1乃至図5を用いて以下に説明するドット反転駆動方式により液晶表示動作を実現する。ここでの液晶表示動作は、前述の図1及び図3に示す、赤色(R)のフィルタ層122が配置された画素20(12)、緑色(G)のフィルタ層122が配置された画素20(21)及び青色(B)のフィルタ層122が配置された画素20(32)のカラー表示動作について説明する。
【0038】
まず、制御回路13は垂直走査線駆動回路11を駆動し、垂直走査線駆動回路11は垂直走査線21(2)を選択する。この選択された垂直走査線21(2)には図5に示す電圧波形を有する垂直走査信号が供給される。選択された垂直走査線21(2)とその上段に隣接する垂直走査線21(1)との間に配列され、垂直走査線21(2)に接続された1つおきの画素20(21)、20(41)、…のそれぞれの薄膜トランジスタ201の制御電極105には垂直走査信号が入力される。同様に、選択された垂直走査線21(2)とその下段に隣接する垂直走査線21(3)との間に配列され、垂直走査線21(2)に接続された1つおきの画素20(12)、20(32)、…のそれぞれの薄膜トランジスタ201の制御電極105にも垂直走査信号が入力される。この垂直走査信号が入力されたこれらの薄膜トランジスタ201はオン状態になる。
【0039】
一方、制御回路13は映像信号線駆動回路12を駆動し、映像信号線駆動回路12は映像信号線22(1)、22(2)及び22(3)を選択する。この選択された映像信号線22(1)、22(2)及び22(3)には例えば図5に示す電圧波形を有する映像信号が供給される。この映像信号の電圧レベルは表示色、階調等により変化する。映像信号線22(1)に接続された画素20(12)の薄膜トランジスタ201の主電極103、映像信号線22(2)に接続された画素20(21)の薄膜トランジスタ201の主電極103、映像信号線22(3)に接続された画素20(32)の薄膜トランジスタ201の主電極103にはいずれも映像信号が供給される。
【0040】
垂直走査線21(2)と映像信号線22(1)との交差部に配置された画素20(12)、垂直走査線21(2)と映像信号線22(2)との交差部に配置された画素20(21)、垂直走査線21(2)と映像信号線22(3)との交差部に配置された画素20(32)のそれぞれにおいては、既に薄膜トランジスタ201がオン状態にあるので、画素電極107に映像信号が伝送される。画素20(12)、20(21)及び20(32)においては、映像信号が画素電極107に供給されることにより、画素容量202の画素電極107と共通画素電極124との間に電圧変化が生じ、液晶111の配向制御が行われるので、液晶111の光透過率が変化し、表示が開始される。
【0041】
ここで、映像信号線22(1)〜22(3)の選択動作に同期させ、制御回路13は走査線シフトレジスタ14、補助容量線タイミング発生回路15のそれぞれを通してスイッチング回路17を駆動する。第1の実施の形態に係るスイッチング回路17は、図5に示すように、電圧発生回路16により生成された電圧レベルが互いに異なる4種類の補助容量信号V1〜V4を、予め設定された一定順序により、一定期間、補助容量線23(2)に供給する。補助容量信号V3は補助容量線23(2)の非選択時の電圧レベルである。補助容量信号V2は、補助容量線23(2)の選択時(1フィールド期間)の電圧レベルである。補助容量信号V1は、補助容量線23(2)に供給された補助容量信号V2の電圧レベルを、オーバードライブ期間において、正(+)方向にオーバードライブする電圧レベルである。補助容量信号V4は、補助容量線23(2)に供給されていた補助容量信号V2の電圧レベルを、オーバードライブ期間において、補助容量信号V3よりも低い負(−)方向にオーバードライブする電圧レベルである。つまり、それぞれの電圧レベルは、補助容量信号V1が最も高く、補助容量信号V2、V3、V4の順番において順次低く設定されている。
【0042】
従って、液晶表示装置1においては、画素20の画素容量202への映像信号の供給開始に同期して補助容量信号V1により補助容量203を正方向にオーバードライブ状態で起動し、映像信号の供給停止に同期して補助容量信号V4により補助容量203を負方向にオーバードライブ状態で停止することができる。この結果、液晶111の配向制御速度(起立制御速度)の高速化を実現することができる。
【0043】
画素20(12)、20(21)及び20(32)の表示動作が行われるのと同時に、第2の方向D2において、同一垂直走査線21(2)に接続された次段の画素20(41)、20(52)、20(61)、…の表示動作が同様に行われる。1水平期間の画素20の表示動作が終了すると、第1の方向D1において隣接する垂直走査線21(2)の次段の垂直走査線21(3)に接続された画素20の表示動作が行われる。
[液晶表示装置の特徴]
【0044】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1は、図1、図2及び図4に示すように、垂直走査線21が配置された画素20間に配置され、かつ一定間隔すなわち1つの(1ドットの)画素20置きに垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する補助容量線23を備える。つまり、1本の補助容量線23は、第1の方向D1において隣接する画素20間において、第2の方向D2に真っ直ぐに延在する1本の垂直走査線21に対して、交差を繰り返し蛇行しながら(ジグザグに)第2の方向D2に延在する。このように構成される液晶表示装置1は1本の垂直走査線21に対して1本の補助容量線23を備え、液晶表示部10に延在する補助容量線23の配列本数、特に画素20を横切る補助容量線23の配列本数を削減することができるので、画素20の開口率を向上することができ、画素20の光透過率を向上することができる。
【0045】
更に、第1の実施の形態に係る液晶表示装置1においては、図2及び図3に示すように、補助容量線23が連結配線105s、補助容量203の第2の電極105c及び交差配線106gにより構成され、連結配線105s及び第2の電極105cは垂直走査線105g(21)と同一導電層において同一導電性材料により構成され、交差配線106gは映像信号線106h(22)と同一導電層において同一導電性材料により構成される。従って、液晶表示装置1のデバイス構造において新たな導電層は必要とせず、又その製造プロセスにおいて新たな工程追加は必要としないので、レイアウト変更のみで画素20の光透過率を向上することができる補助容量線23を簡易に実現することができる。
(第2の実施の形態)
【0046】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1において、垂直走査線21と補助容量線23との繰り返し交差の間隔を変えた例を説明するものである。なお、第2の実施の形態並びに後述する第3の実施の形態において、前述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一構成要素には同一符号を付し、同一構成要素の説明は重複するので省略する。
[画素の配列レイアウト及び液晶表示装置の具体的な平面構造]
【0047】
第2の実施の形態に係る液晶表示装置1の液晶表示部10は、図6及び図7に示すように、第1の方向D1に隣接する垂直走査線21(1)と21(2)との間の領域内において、第2の方向D2に向かって配列された3つの画素20(11)、20(21)及び20(31)を一方の垂直走査線21(1)に接続し、第2の方向D2に向かって配列された次段の3つの画素20(41)、20(51)及び20(61)を他方の垂直走査線21(2)に接続している。すなわち、画素20(11)、20(21)、20(31)、20(41)、…は3つの画素20置き(3ドット毎)に隣接する垂直走査線21の一方、他方に交互に接続されている。
【0048】
更に、第2の実施の形態に係る液晶表示装置1はカラー液晶表示装置であり、画素20毎にカラーフィルタ25が配置されている。第2の方向D2に配列された画素20(11)、20(21)、20(31)のそれぞれには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれのカラーフィルタ25が各々割り当てられる。この3色のカラーフィルタ25が割り当てられた3つの画素20(11)、20(21)及び20(31)は1つの絵素を構築する。同様に、第2の方向D2に配列された画素20(41)、20(51)、20(61)のそれぞれには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれのカラーフィルタ25が各々繰り返し割り当てられる。第1の方向D1に配列された画素20(11)、20(12)、…のそれぞれには赤色(R)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。画素20(21)、20(22)、…のそれぞれには緑色(G)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。画素20(31)、20(32)、…のそれぞれには青色(B)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。
【0049】
第1の方向D1に隣接する次段の垂直走査線21(2)と21(3)との間の領域内に配列された画素20(12)、20(22)、20(32)、20(42)、20(52)、20(62)、…の接続関係は前段と同様である。すなわち、第2の方向D2に向かって配列された3つの画素20(12)、20(22)及び20(32)を一方の垂直走査線21(2)に接続し、次段に配列された3つの画素20(42)、20(52)及び20(62)を他方の垂直走査線21(3)に接続している。次段以降の垂直走査線21間に配列された画素20の接続関係は前段と同様である。
【0050】
第2の方向D2に隣接する映像信号線22(1)と22(2)との間の領域内において、第1の方向D1に向かって配列された画素20(11)、20(12)、…は一方の映像信号線22(1)に接続されている。第2の方向D2に隣接する次段の映像信号線22(2)と22(3)との間に配列された画素20(21)、20(22)、…は一方の映像信号線22(2)に接続されている。次段以降の映像信号線22間に配列された画素20の接続関係は前段と同様である。
【0051】
このように構成される第2の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1において、補助容量線23は、その対応する垂直走査線21が配置された画素20間に配置され、一定間隔においてこの対応する垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する。例えば、補助容量線23(2)は、垂直走査線21(2)が配置された画素20(11)と画素20(12)との間に配置され、垂直走査線21(2)と一定間隔において交差を繰り返す。垂直走査線21(2)は、特に図6に示すように、3つの画素20(11)、20(21)、20(31)のそれぞれの画素電極107と3つの画素20(12)、20(22)、20(32)のそれぞれの補助容量203との間、3つの画素20(41)、20(51)、20(61)のそれぞれの補助容量203と3つの画素20(42)、20(42)、20(42)のそれぞれの画素電極107との間、…を第2の方向D2に向かって直線状に延在している。換言すれば、補助容量203は、垂直走査線21(2)を中心として第2の方向D2において3つの画素20毎に上側と下側とに交互に繰り返し配列されている。
【0052】
補助容量線23の具体的な断面構造は前述の図3に示す第1の実施の形態に係る液晶表示装置1の補助容量線23と同様であり、補助容量線23は、連結配線105sと、補助容量203の第2の電極105cと、連結配線105sと第2の電極105cとの間を垂直走査線105g(21)を跨いで交差する交差配線106gとを備えて構築されている。すなわち、第2の実施の形態に係る液晶表示装置1において、補助容量線23は、3つの画素20置き又は1つの絵素置きに垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する。
[液晶表示装置の特徴]
【0053】
以上説明したように、第2の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1は、図6及び図7に示すように、垂直走査線21が配置された画素20間に配置され、かつ一定間隔すなわち3つの(3ドットの)画素20置き又は1つの絵素置きに垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する補助容量線23を備える。つまり、1本の補助容量線23は、第1の方向D1において隣接する画素20間において、第2の方向D2に真っ直ぐに延在する1本の垂直走査線21に対して、交差を繰り返し蛇行しながら(ジグザグに)第2の方向D2に延在する。このように構成される液晶表示装置1は1本の垂直走査線21に対して1本の補助容量線23を備え、液晶表示部10に延在する補助容量線23の配列本数、特に画素20を横切る補助容量線23の配列本数を削減することができるので、画素20の開口率を向上することができ、画素20の光透過率を向上することができる。加えて、補助容量線23は3つの画素20置き又は1つの絵素置きに垂直走査線21との交差を繰り返すので、第2の方向D2において、第1の実施の形態に係る補助容量線23の交差配線106gの配列本数に比べて補助容量線23の交差配線106gの配列本数を3分の1に削減することができる。
【0054】
更に、前述の第1の実施の形態に係る液晶表示装置1と同様に、第2の実施の形態に係る液晶表示装置1においては、補助容量線23の連結配線105s及び第2の電極105cが垂直走査線105g(21)と同一導電層において同一導電性材料により構成され、補助容量線23の交差配線106gが映像信号線106h(22)と同一導電層において同一導電性材料により構成されているので、レイアウト変更のみで画素20の光透過率を向上することができる補助容量線23を簡易に実現することができる。
(第3の実施の形態)
【0055】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1において、補助容量線23に対して垂直走査線21を交互に繰り返し蛇行させた例を説明するものである。
[画素の配列レイアウト及び液晶表示装置の具体的な平面構造]
【0056】
第3の実施の形態に係る液晶表示装置1の液晶表示部10は、図8及び図9に示すように、第1の方向D1に隣接する垂直走査線21(1)と21(2)との間の領域内において、第2の方向D2に向かって配列された3つの画素20(11)、20(21)及び20(31)を一方の垂直走査線21(1)に接続し、第2の方向D2に向かって配列された次段の3つの画素20(41)、20(51)及び20(61)を他方の垂直走査線21(2)に接続している。すなわち、画素20(11)、20(21)、20(31)、20(41)、…は3つの画素20置き(3ドット毎)に隣接する垂直走査線21の一方、他方に交互に接続されている。
【0057】
更に、第2の実施の形態に係る液晶表示装置1はカラー液晶表示装置であり、画素20毎にカラーフィルタ25が配置されている。第2の方向D2に配列された画素20(11)、20(21)、20(31)のそれぞれには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれのカラーフィルタ25が各々割り当てられる。この3色のカラーフィルタ25が割り当てられた3つの画素20(11)、20(21)及び20(31)は1つの絵素を構築する。同様に、第2の方向D2に配列された画素20(41)、20(51)、20(61)のそれぞれには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれのカラーフィルタ25が各々繰り返し割り当てられる。第2の方向D2に配列された画素20(11)、20(12)、…のそれぞれには赤色(R)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。画素20(21)、20(22)、…のそれぞれには緑色(G)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。画素20(31)、20(32)、…のそれぞれには青色(B)のカラーフィルタ25が各々割り当てられる。
【0058】
第1の方向D1に隣接する次段の垂直走査線21(2)と21(3)との間の領域内に配列された画素20(12)、20(22)、20(32)、20(42)、20(52)、20(62)、…の接続関係は前段と同様である。すなわち、第2の方向D2に向かって配列された3つの画素20(12)、20(22)及び20(32)を一方の垂直走査線21(2)に接続し、次段に配列された3つの画素20(42)、20(52)及び20(62)を他方の垂直走査線21(3)に接続している。次段以降の垂直走査線21間に配列された画素20の接続関係は前段と同様である。
【0059】
第2の方向D2に隣接する映像信号線22(1)と22(2)との間の領域内において、第1の方向D1に向かって配列された画素20(11)、20(12)、…は一方の映像信号線22(1)に接続されている。第2の方向D2において、次段の映像信号線22(2)と22(3)との間に配列された画素20(21)、20(22)、…は一方の映像信号線22(2)に接続されている。次段以降の映像信号線22間に配列された画素20の接続関係は前段と同様である。
【0060】
このように構成される第3の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1において、補助容量線23は、その対応する垂直走査線21が配置された画素20間に配置され、一定間隔においてこの対応する垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する。例えば、補助容量線23(2)は、垂直走査線21(2)が配置された画素20(11)と画素20(12)との間に配置され、垂直走査線21(2)と一定間隔において交差を繰り返す。垂直走査線21(2)は、特に図8に示すように、3つの画素20(11)、20(21)、20(31)のそれぞれの画素電極107と3つの画素20(12)、20(22)、20(32)のそれぞれの補助容量203との間、3つの画素20(41)、20(51)、20(61)のそれぞれの補助容量203と3つの画素20(42)、20(42)、20(42)のそれぞれの画素電極107との間、…を第2の方向D2に向かって延在している。第3の実施の形態に係る液晶表示装置1においては、第2の実施の形態に係る液晶表示装置1とは異なり、補助容量線23が第2の方向D2に直線状に延在し、垂直走査線21がこの補助容量線23に対して交互に繰り返し交差しながら第2の方向D2に延在する。換言すれば、垂直走査線21(2)は、補助容量203を中心として第2の方向D2において3つの画素20毎に上側と下側とに交互に繰り返し配列されている。
【0061】
補助容量線23の具体的な断面構造は前述の図3に示す第1の実施の形態に係る液晶表示装置1の補助容量線23の一部と同様であり、補助容量線23は、連結配線105sと補助容量203の第2の電極105cとを備え、連結配線105sと第2の電極105cとを第2の方向D2に交互に繰り返し配置しかつそれらを一体化したものである。垂直走査線21は、3つの画素20置き又は1つの絵素置きに補助容量線23の上側、下側に交互に配置された垂直走査線105gと、補助容量線23上ここでは第2の電極105c上を跨いで上側の垂直走査線105gと下側の垂直走査線105gとの間を接続する交差配線106sとを備えて構成されている。交差配線106sは、前述の第2の実施の形態に係る液晶表示装置1の補助容量線23の交差配線106gと同様に、映像信号線22(106h)と同一導電層に配置されかつ同一導電性材料により構成されている。
[液晶表示装置の特徴]
【0062】
以上説明したように、第3の実施の形態に係るドット反転駆動方式を採用する液晶表示装置1は、図8及び図9に示すように、垂直走査線21が配置された画素20間に配置され、かつ一定間隔すなわち3つの(3ドットの)画素20置き又は1つの絵素置きに垂直走査線21と交差を繰り返し第2の方向D2に延在する補助容量線23を備える。つまり、1本の垂直走査線21は、第1の方向D1において隣接する画素20間において、第2の方向D2に真っ直ぐに延在する1本の補助容量線23に対して、交差を繰り返し蛇行しながら(ジグザグに)第2の方向D2に延在する。このように構成される液晶表示装置1は1本の垂直走査線21に対して1本の補助容量線23を備え、液晶表示部10に延在する補助容量線23の配列本数、特に画素20を横切る補助容量線23の配列本数を削減することができるので、画素20の開口率を向上することができ、画素20の光透過率を向上することができる。加えて、垂直走査線21は3つの画素20置き又は1つの絵素置きに補助容量線23との交差を繰り返すので、第2の方向D2において、垂直走査線21の交差配線106sの配列本数を削減することができる。
【0063】
そして、第3の実施の形態に係る液晶表示装置1においては、垂直走査線21を蛇行させ、画素20の画素容量202の電荷(画素電極107に印加される電位)を決定する補助容量線23を直線状に延在したので、補助容量線23に付加される寄生容量や寄生抵抗を減少することができる。
【0064】
更に、第3の実施の形態に係る液晶表示装置1においては、補助容量線23の連結配線105s及び第2の電極105cが垂直走査線105g(21)と同一導電層において同一導電性材料により構成され、垂直走査線21の交差配線106sが映像信号線106h(22)と同一導電層において同一導電性材料により構成されているので、レイアウト変更のみで画素20の光透過率を向上することができる補助容量線23を簡易に実現することができる。
(その他の実施の形態)
【0065】
本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、アクティブマトリックス方式並びにドット反転駆動方式を採用する有機エレクトロルミネッセンス表示装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の液晶表示部の要部平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示部の拡大平面図である。
【図3】図2に示すF3A−F3A切断線及びF3B−F3B切断線において切った断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る液晶表示装置のシステム回路図である。
【図5】第1の実施の形態に係る液晶表示装置の表示動作を説明するタイムチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の液晶表示部の要部平面図である。
【図7】第2の実施の形態に係る液晶表示装置のシステム回路図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示装置の液晶表示部の要部平面図である。
【図9】第3の実施の形態に係る液晶表示装置のシステム回路図である。
【符号の説明】
【0067】
1 液晶表示装置
10 液晶表示部
101 絶縁基板
103a 主電極
103b チャネル形成領域
103c 第1の電極
104 ゲート絶縁膜
104c 誘電体膜
105 制御電極
105c 第2の電極
105s 連結配線
106g、106s 交差配線
107 画素電極
11 垂直走査線駆動回路
111 液晶
12 映像信号線駆動回路
13 制御回路
14 走査線シフトレジスタ
15 補助容量線タイミング発生回路
16 電圧発生回路
17 スイッチング回路
20 画素
121 対向基板
122 カラーフィルタ層
123 オーバーコート層
124 共通電極
201、201a、201b 薄膜トランジスタ
202 画素容量
203 補助容量
21、105g 垂直走査線
22、106h 映像信号線
23 補助容量線
25 カラーフィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互に交差する第1及び第2の方向に向かって配列された複数の画素と、
前記第1の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、前記第2の方向に延在する垂直走査線と、
前記第2の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、前記第1の方向に延在する映像信号線と、
前記第1の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、一定間隔において前記垂直走査線と交差を繰り返し前記第2の方向に延在する補助容量線と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記垂直走査線に対して前記補助容量線が蛇行し、この補助容量線が前記垂直走査線と交差を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記補助容量線に対して前記垂直走査線が蛇行し、この垂直走査線が前記補助容量線と交差を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された1つの画素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された3つの画素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された1つの絵素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
互に交差する第1及び第2の方向に向かって配列された複数の画素と、
前記第1の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、前記第2の方向に延在する垂直走査線と、
前記第2の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、前記第1の方向に延在し、前記垂直走査線とは異なる導電層に配置された映像信号線と、
前記第1の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、前記垂直走査線と同一導電層に配置され、前記第2の方向に延在する補助容量線と、、
一定間隔において前記垂直走査線と前記補助容量線とを繰り返し交差させ、前記映像信号線と同一導電層に配置された交差配線とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記垂直走査線の両側に前記第2の方向において前記補助容量線が交互に延在し、この補助容量線が前記交差配線を通して連結されることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記補助容量線の両側に前記第2の方向において前記垂直走査線が交互に延在し、この垂直走査線が前記交差配線を通して連結されることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された1つの画素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された3つの画素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された1つの絵素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
薄膜トランジスタ、その一方の主電極に電気的に接続された画素電極及び前記薄膜トランジスタと前記画素電極との間に電気的に並列に接続された補助容量を有し、互に交差する第1の方向及び第2の方向に配列された複数の画素と、
前記第1の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、この画素の隣接する一方、他方のそれぞれの前記薄膜トランジスタの制御電極に前記第2の方向において交互に電気的に接続され、前記制御電極と同一導電層に配置された垂直走査線と、
前記第2の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、この画素の隣接する一方の前記薄膜トランジスタの他方の主電極に電気的に接続され、前記垂直走査線よりも上層の導電層に配置され、前記第1の方向に延在する映像信号線と、
前記第1の方向に向かって隣接する前記画素間に配置され、前記垂直走査線と同一導電層に配置され、前記第2の方向に延在する補助容量線と、
一定間隔において前記垂直走査線と前記補助容量線とを繰り返し交差させ、前記映像信号線と同一導電層に配置された交差配線とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項14】
前記補助容量の一方の電極は前記薄膜トランジスタの一方及び他方の主電極、又は前記薄膜トランジスタの半導体層と同一導電層により構成され、前記補助容量の他方の電極は前記薄膜トランジスタの前記制御電極と同一導電層により構成されることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記垂直走査線の両側に前記第2の方向において前記補助容量線が交互に延在し、この補助容量線が前記交差配線を通して電気的に接続されることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記補助容量線の両側に前記第2の方向において前記垂直走査線が交互に延在し、この垂直走査線が前記交差配線を通して電気的に接続されることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された1つの画素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された3つの画素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記垂直走査線、前記補助容量線のそれぞれは、第2の方向に配列された1つの絵素毎に交差を繰り返すことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記垂直走査線及び前記補助容量線はシリコン膜、高融点金属膜、高融点金属シリサイド膜、MoW膜、アルミニウム合金膜のいずれかの単層膜、又はそれらのいずれか2つ以上を重ね合わせた複合膜により構成され、前記映像信号線及び前記交差配線はアルミニウム合金膜の単層膜又はそれを主体とする複合膜により構成されることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記第2の方向に配列された1つの画素置き、又は3つの画素置き、又は1つの絵素置きに反転駆動するドット反転駆動方式を採用したことを特徴とする請求項1、請求項7、請求項13のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項22】
前記画素への映像信号の供給開始から一定期間、又は映像信号の供給停止から一定期間、前記補助容量によりオーバードライブされることを特徴とする請求項1、請求項7、請求項13のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項23】
互に交差する第1及び第2の方向に向かって配列された複数の画素を有する第1基板と、
前記第1の基板の上部に形成され、前記第1の方向に向かって延在する垂直走査線と、
前記第1の基板の上部に形成され、前記第1の方向に向かって延在し、前記垂直走査線から離隔された補助容量線と、
前記第2の方向に向かって前記垂直走査線の上部に形成され、前記垂直走査線とともに前記複数の画素を区分する複数の映像信号線と、
前記第1の基板に対向する第2の基板とを備え、
前記複数の画素は、前記第1の方向と並んでいる仮想線を境界にして第1のグループと第2のグループに区分され、前記垂直走査線または前記補助容量線は前記仮想線に対して前記第1のグループと前記第2のグループとの間を蛇行することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項24】
前記垂直走査線は前記仮想線に対して蛇行し、
前記第1のグループに対応する第1の垂直走査線と、
前記第2のグループに対応する第2の垂直走査線と、
前記第1及び第2の垂直走査線を接続し、前記映像信号線と同一層に形成された交差配線とを含むことを特徴とする請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項25】
前記補助容量線は前記仮想線に対して蛇行し、
前記第1のグループに対応する第1の補助容量線と、
前記第2のグループに対応する第2の補助容量線と、
前記第1及び第2の補助容量線を接続し、前記映像信号線と同一層に形成された交差配線とを含むことを特徴とする請求項23に記載の液晶表示装置。
【請求項26】
前記第1及び第2の方向は互に垂直であり、前記交差配線は前記第2方向に並んでいることを特徴とする請求項23または請求項24に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−191626(P2008−191626A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43621(P2007−43621)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】