説明

経路探索装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体

【課題】移動経路を適切に探索し車両を良好に案内誘導するナビゲーション装置の提供。
【解決手段】目的地までの移動経路を探索する経路処理手段と、外部から現在の渋滞情報を取得する交通情報取得手段と、過去の交通状況より得られる道路毎の渋滞状況に関する渋滞状況データを記憶する記憶手段160と、渋滞状況データに基づいて渋滞予測情報を生成する渋滞状況認識手段と、渋滞が移動経路上に存在する場合に経路処理手段を制御して当該渋滞を回避する回避経路を探索させる処理部180とを備える経路探索装置において、処理部180が渋滞情報ならびに渋滞予測情報に基づいて得られる移動経路を移動した場合の目的地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる回避経路を移動した場合の目的地までの所要予測時間とに応じて、移動経路または回避経路の一つを選出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動経路を探索する経路探索装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用のナビゲーション装置において、道路交通情報通信システム(Vehicle Information Communication System:VICS)から交通事故や渋滞などの交通情報(VICSデータ)を取得し、地図情報に交通事故や渋滞などの交通状況を表す表示を重畳させて表示装置の表示画面に表示することで、利用者に報知する構成が知られている。ところで、渋滞箇所の周辺道路では、渋滞の回避などにより二次的な渋滞が生じる場合が多々ある。そして、VICSデータに基づいて報知される交通状況は現時点での状態であることから、報知される現時点の交通状況に基づいて渋滞を回避しても、二次的な渋滞に遭遇するおそれがある。このことにより、より適切な走行が得られるナビゲーション装置が望まれる。
【0003】
一方、車載用のナビゲーション装置において、過去の渋滞情報を統計処理した統計渋滞情報データを用い、現在および将来の交通状況を予測して報知する構成が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載のものは、統計渋滞情報データに基づいて曜日や時間帯などの時間的要素に応じた統計渋滞情報を、渋滞状況に応じて異なる表示形態で地図情報に重畳させて報知する。このことから、報知される曜日や時間帯などにより、現在や将来に起こり得る渋滞を利用者に予測させることが可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−113290号公報(第3頁右欄−第7頁左欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のような過去の渋滞情報を統計処理した統計渋滞情報データに基づいて報知される渋滞状況でも、その曜日や時間帯での渋滞状況であり、渋滞が今後どのように推移するかについて利用者は認識できない。そして、例えば車両が渋滞箇所に到達するまでに渋滞が解消されるのであれば、渋滞を回避する必要がない。このことから、より良好な車両の走行を得るためには、渋滞状況の推移を認識する必要がある。この場合には、その時間帯の前後の時間帯における渋滞状況を報知させ、それらの報知内容により利用者が判断する必要があり、渋滞状況の推移の認識が煩雑であるなどの問題が一例として挙げられる。
【0006】
本発明の目的は、このような点に鑑みて、移動体の移動経路を適切に探索することによって、移動体を良好に案内誘導可能にする経路探索装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、目的地までの移動経路を探索する経路処理手段と、外部から現在の渋滞に関する渋滞情報を取得する交通情報取得手段と、過去の交通状況を時間的要素にて統計処理することにより得られる道路毎の渋滞状況の傾向に関する渋滞状況データを記憶する記憶手段と、前記渋滞状況データに基づいて渋滞の発生予測に関する渋滞予測情報を生成する渋滞状況認識手段と、前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、前記経路処理手段を制御して、当該渋滞を回避する回避経路を探索させる処理部と、を備え、前記処理部は、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を移動した場合の前記目的地または前記移動経路上の経由地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記回避経路を移動した場合の前記目的地または前記経由地点までの所要予測時間とに応じて、前記移動経路または前記回避経路の一つを選出することを特徴とする経路探索装置である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、移動経路を要求する端末装置と、この端末装置がネットワークを介して送受信可能に接続され前記移動経路を前記端末装置に報知する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の経路探索装置と、を具備したことを特徴とした経路探索システムである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、移動経路を要求する旨の要求信号を生成する要求信号生成手段および前記移動経路を出力する出力手段を備えた端末装置と、この端末装置がネットワークを介して送受信可能に接続され、目的地までの移動経路を探索する経路処理手段と、外部から現在の渋滞に関する渋滞情報を取得する交通情報取得手段と、過去の交通状況を時間的要素にて統計処理することにより得られる道路毎の渋滞状況の傾向に関する渋滞状況データを記憶する記憶手段と、前記渋滞状況データに基づいて渋滞の発生予測に関する渋滞予測情報を生成する渋滞状況認識手段と、前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、前記経路処理手段を制御して、当該渋滞を回避する回避経路を探索させるとともに、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を移動した場合の前記目的地または前記移動経路上の経由地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記回避経路を移動した場合の前記目的地または前記経由地点までの所要予測時間とに応じて、前記移動経路または前記回避経路の一つを選出する処理部を備えたサーバ装置と、を具備したことを特徴とした経路探索システムである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、経路処理手段と交通情報取得手段と記憶手段と渋滞状況認識手段と処理部とを備えた経路探索装置を用いて移動体の移動する経路を探索する経路探索方法であって、経路処理手段にて目的地までの移動経路を探索し、交通情報取得手段にて外部から現在の渋滞に関する渋滞情報を取得し、記憶手段にて過去の交通状況を時間的要素にて統計処理することにより得られる道路毎の渋滞状況の傾向に関する渋滞状況データを記憶し、渋滞状況認識手段にて前記渋滞状況データに基づいて渋滞の発生予測に関する渋滞予測情報を生成し、前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、処理部にて前記経路処理手段を制御して、当該渋滞を回避する回避経路を探索させるとともに、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を移動した場合の前記目的地または前記移動経路上の経由地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記回避経路を移動した場合の前記目的地または前記経由地点までの所要予測時間とに応じて、前記移動経路または前記回避経路の一つを選出することを特徴とする経路探索方法である。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の経路探索方法を演算手段に実行させることを特徴とした経路探索プログラムである。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の経路探索プログラムが演算手段にて読取可能に記録されたことを特徴とした経路探索プログラムを記録した記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の経路探索装置または案内誘導装置としてのナビゲーション装置であって、移動体である例えば車両の移動状況としての走行における経路を探索し、走行を案内誘導する構成を例示して説明する。なお、本発明の経路探索装置としては、車両の走行を経路探索する構成に限らず、いずれの移動体の交通状況を報知する構成が対象となる。
【0014】
図1は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図3は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図4は、渋滞予測テーブルにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図5は、カレンダテンプレートにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図6は、ナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。図7は、移動経路設定時の重み情報を生成する際の経路を示す概念図である。
【0015】
〔ナビゲーション装置の構成〕
図1において、100は経路探索装置または案内誘導装置としてのナビゲーション装置である。このナビゲーション装置100は、移動体である例えば車両の移動状況に対応して移動に関する案内を報知する装置である。なお、移動体としては、車両に限らず、航空機、船舶などいずれの移動体が対象となる。また、ナビゲーション装置100としては、例えば移動体としての車両に搭載される車載型、携帯型、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯型パーソナルコンピュータなどが例示できる。
このナビゲーション装置100は、このナビゲーション装置100が有する地図情報に基づいて、現在位置や目的地に関する情報、目的地までのルート探索や表示、最寄りの所定の店舗の検索やその表示あるいは店舗のサービス内容に関する情報の表示などを実施する。そして、このナビゲーション装置100は、図1に示すように、センサ部110と、交通情報取得手段としてのVICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)受信部120と、端末入力部130と、報知手段を構成する表示手段である端末表示部140と、報知手段を構成する音声出力部150と、記憶手段160と、メモリ170と、処理部180と、などを備えている。
【0016】
センサ部110は、移動体である例えば車両の移動の状態、すなわち現在位置や走行状況などを検出して処理部180に所定の信号Sscとして出力する。このセンサ部110は、例えば図示しないGPS(Global Positioning System)受信部と、図示しない速度センサ、方位角センサおよび加速度センサなどの各種センサなどにて構成されている。
【0017】
GPS受信部は、図示しない人工衛星であるGPS衛星から出力される航法電波を図示しないGPSアンテナにて受信する。そして、GPS受信部は、受信した航法電波に対応した信号に基づいて現在位置の擬似座標値を演算し、GPSデータとして処理部180に出力する。
【0018】
また、センサ部110のセンサである速度センサは、移動体である例えば車両に配設され、車両の移動速度である走行速度に対応して変動する信号に基づいて、車両の走行速度や実際の加速度を検出する。この速度センサは、例えば車軸や車輪の回転により出力されるパルス信号や電圧値などを読み取る。そして、速度センサは、読み取ったパルス信号や電圧値などの検出情報を処理部180へ出力する。センサである方位角センサは、車両に配設され、図示しないいわゆるジャイロセンサを有し、車両の方位角すなわち車両が前進する走行方向を検出する。この方位角センサは、検出した走行方向に関する検出情報である信号を処理部180へ出力する。センサである加速度センサは、車両に配設され、車両の走行方向における加速度を検出する。この加速度センサは、検出した加速度を、例えばパルスや電圧などによる検出情報であるセンサ出力値に変換し、処理部180へ出力する。
【0019】
VICS受信部120は、図示しないVICSアンテナを有し、このVICSアンテナにより交通に関する情報を取得する。具体的には、図示しないVICSから、例えばビーコンやFM多重放送などにより、渋滞、交通事故、工事、交通規制などの交通情報(以下、VICSデータという。)を取得する。そして、取得した交通に関する情報を処理部180に所定の信号Sviとして出力する。
【0020】
ここで、VICSデータは、例えば以下に示す概念的な複数の項目が1つのデータとして構成されたテーブル構造となっている。
・渋滞度:渋滞、混雑、順調など
・渋滞の先頭位置情報
・渋滞の長さ情報
・リンク旅行時間情報:いわゆるVICSリンクである交差点間を車両が走行に要する時間
・区間旅行時間情報:VICSリンクより長い所定区間における車両が走行に要する時間
・規制内容、原因、規制区間などの情報
・駐車場における空車状況などの情報
・サービスエリアやパーキングエリアに関する情報
・その他の情報
【0021】
端末入力部130は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えばナビゲーション装置100の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、目的地の設定、情報の検索、車両の移動状況である走行状態を表示させるなどが例示できる。そして、端末入力部130は、設定事項の入力操作により、所定の信号Sinを処理部180へ適宜出力して設定させる。なお、この端末入力部130としては、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば端末表示部140に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
【0022】
端末表示部140は、処理部180にて制御され処理部180からの画像データの信号Sdpを画面表示させる。画像データとしては、例えば地図情報や検索情報などの画像データの他、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、メモリ170からの画像データなどである。この端末表示部140としては、例えば液晶表示パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
【0023】
音声出力部150は、例えば図示しないスピーカなどの発音手段を有する。この音声出力部150は、処理部180にて制御され、処理部180からの音声データなどの各種信号Sadを発音手段から音声により出力する。音声により出力する情報としては例えば車両の走行方向や走行状況、交通状況などで、車両の走行を案内する上で運転者などの搭乗者に報知する。なお、発音手段は、例えばTV受信機で受信したTV音声データや記録媒体さらにはメモリ170などに記録された音声データなどをも適宜出力可能である。また、音声出力部150は、発音手段を設けた構成に限らず、車両に配設されている発音手段を利用する構成としてもよい。
【0024】
記憶手段160は、例えば図2および図3に示すような地図情報や図4に示すような渋滞予測テーブル10などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この記憶手段160は、図示しない、地図情報が記憶される地図情報記憶領域と、渋滞予測テーブル10が記憶される渋滞予測テーブル記憶領域と、などを備えている。なお、ここでは、記憶手段160が上述した2つの記憶領域を備えた構成について例示したが、これに限らず例えば記憶手段160に上述した記憶領域を備えない構成や、さらに他の記憶領域を備えた構成などとしてもよい。また、記憶手段160としては、HD(Hard Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成などとしてもよい。
【0025】
ここで、情報としての地図情報は、例えば図2に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図3に示すようなマッチングデータMMと、移動経路探索用地図データと、などを備えている。
【0026】
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。各表示用メッシュ情報VMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。
【0027】
そして、表示用メッシュ情報VMxは、例えば交差点の名称などの名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである道路を絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。
【0028】
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。各マッチングメッシュ情報MMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。ここで、縮尺が同一であれば固有の番号の情報を用いてデータを関連付けておけばよく、また縮尺が異なる場合であれば例えば絶対座標を用いてデータを関連付けるなどすればよい。
【0029】
そして、マッチングデータMMは、例えば車両の移動状態を地図情報に重畳させて表示させる際に、車両を表す表示が道路上ではなく建物上に位置するなどの誤表示を防止するため、車両を表す表示が道路上に位置するように表示を修正するマップマッチング処理に利用される。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
【0030】
リンク列ブロック情報は、図3に示すように、道路を構成し地点を表す地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクL毎に付加された固有の番号である線分固有情報(以下、リンクIDという。)と、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。また、リンクLは、VICSリンクに関連付けられ、VICSデータと地図表示との位置関係が対応するようになっている。
【0031】
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。なお、ノードNには、単に道路の形状を表すためにフラッグ情報を有しない地点固有情報および座標情報のみを有したものや、トンネルや道路の幅員などの道路の構成を表す情報である属性情報をさらに有したものもある。そして、フラッグ情報を有しない単に道路の形状を表すためのノードNについては、後述する座標マッチング手段186による地点の同一性の判断には利用されない。
【0032】
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。なお、ノードNには、単に道路の形状を表すためにフラッグ情報を有しない地点固有情報および座標情報のみを有したものや、トンネルや道路の幅員などの道路の構成を表す情報である属性情報をさらに有したものもある。そして、フラッグ情報を有しない単に道路の形状を表すためのノードNについては、後述する座標マッチング手段186による地点の同一性の判断には利用されない。
【0033】
また、移動経路探索用地図情報は、例えばマッチングデータMMと同様のテーブル構造、すなわち道路を表すノードNのように地点を表す地点情報とリンクLのように地点を結ぶ線分情報とを有したテーブル構造で、移動経路を探索するために道路を表すための情報構造となっている。
【0034】
渋滞予測テーブル10は、過去の交通状況を時間的要素にて統計処理した統計交通情報で、任意の場所における過去の交通状況を示すデータ群である。この渋滞予測テーブル10は、ルート探索処理や地図の表示処理の際の渋滞状況の予測などに用いられる。そして、この渋滞予測テーブル10は、例えば図4に示すように、日付分類ID(identification)11と、時系列データ12i(iは自然数)と、などが1つのレコードとして複数記録されたテーブル構造に構成されている。
【0035】
日付分類ID11は、日付や曜日などの分類を示す例えばIDナンバである。なお、以下において日付や曜日などの分類を日付分類と適宜称して説明する。具体的には、例えば「ID1」は祝日以外の月曜日ないし金曜日である「平日」を示し、例えば「ID2」は祝日以外の土曜日である「土曜日」を示し、例えば「ID4」は例えば都市Aで祭りが行われる日である「特殊日1」を示し、例えば「ID5」は例えば競技場Bでスポーツの試合が行われる日である「特殊日2」を示し、例えば「ID7」は例えば4連休の前日である「長期休暇前日」を示し、例えば「ID11」は例えば4連休の3日目である「長期休暇終了前日」を示す。なお、日付分類ID11は、IDナンバに限らず、直接「平日」などの日付に関するテキストデータなどとしてもよい。
【0036】
時系列データ12iは、例えばVICSなどから取得したVICSデータをVICSリンク毎に蓄積し、蓄積したVICSリンク毎の時間的要素である日付分類などで10分間隔で統計処理した交通状況である渋滞状況の傾向に関するデータである。すなわち、時系列データ12iは、例えばVICSリンク毎などの任意の場所における所定時間毎の渋滞の状況、例えば渋滞の長さ、渋滞度である渋滞状況、渋滞を抜け出すまでの所要時間などに関するデータなどである。なお、ここでは時系列データ12iを上述したような所定の場所毎における時間的要素で統計処理して生成する構成について例示したが、これに限らず例えば施設、店舗、地域、市町村毎、道路毎などで生成する構成などとしてもよい。
【0037】
また、記憶手段160には、例えば地図情報における所定の地点の情報を取得するための検索情報が記憶されている。すなわち、検索情報は、地図情報上で順次細分化される領域となる都道府県名、市町村名、地区名、地点名などの内容やガイダンスなどの各種情報や、地点としての店舗に関する各種情報などで、例えば階層状に項目情報が関連付けられたツリー構造のテーブル構造となっている。
【0038】
メモリ170は、端末入力部130で入力操作される設定事項、音楽データや画像データ、図5に示すような複数のカレンダテンプレート20などを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ170には、ナビゲーション装置100全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。このメモリ170としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、メモリ170としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0039】
ここで、カレンダテンプレート20は、各日付の日付分類を示すテンプレートである。具体的には、カレンダテンプレート20は、日付に関する日付情報と、この日付情報の日付に対応付けられた分類IDナンバと、などが1つのレコードとして複数記録された月ごとのテーブルデータが複数、例えば12ヶ月分記録されたテーブル構造に構成されている。
【0040】
分類IDナンバは、渋滞予測テーブル10の日付分類ID11のうちのいずれか1つと同一のIDナンバであり、日付情報により特定される日付の日付分類を示す。例えば5日の金曜日は「ID1」に対応付けられた「平日」の日付分類であり、例えば15日の月曜日は「ID3」に対応付けられた「祝日」の日付分類であることを示す。なお、このカレンダテンプレート20の分類IDナンバは処理部180により適宜変更可能となっている。分類IDナンバは、数値に限らず、対応付けられた「平日」など、渋滞予測テーブル10の日付分類IDに対応するテキストデータなどを用いたデータ構造などとしてもよい。
【0041】
処理部180は、図示しない各種入出力ポート、例えばVICSアンテナが接続されるVICS受信ポート、GPS受信部が接続されるGPS受信ポート、各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、端末入力部130が接続されるキー入力ポート、端末表示部140が接続される表示部制御ポート、音声出力部150が接続される音声制御ポート、記憶手段160が接続される記憶ポート、メモリ170が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部180は、各種プログラムとして、図6に示すように、現在位置情報取得手段としての現在位置認識手段181と、目的地情報取得手段としての目的地認識手段182と、報知手段を構成する案内報知手段183と、報知手段を構成する表示制御手段184と、マップマッチング手段185と、座標マッチング手段186と、地図情報取得手段および統計交通情報取得手段としても機能する交通情報取得手段である渋滞状況認識手段187と、移動容易性認識手段としても機能する移動経路探索手段としての経路処理手段188と、情報検索手段189と、カレンダ変更手段190と、計時手段191と、などを備えている。
【0042】
現在位置認識手段181は、車両の現在位置を認識する。具体的には、センサ部110の速度センサおよび方位角センサから出力される車両の速度データおよび方位角データに基づいて、車両の現在の擬似位置を複数算出する。さらに、現在位置認識手段181は、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータに基づいて、車両の現在の擬似座標値を認識する。そして、現在位置認識手段181は、算出した現在の擬似位置と、認識した現在の擬似座標値とを比較し、別途取得された地図情報上における車両の現在位置を算出し、現在位置を認識する。
【0043】
また、現在位置認識手段181は、加速度センサから出力される加速度データに基づいて、走行する道路の傾斜や高低差を判断し、車両の現在の擬似位置を算出し、現在位置を認識する。すなわち、立体交差点や高速道路など、平面上で重なる箇所でも、車両の現在位置を正確に認識できる。さらに、山道や坂道を走行する際に、速度データや方位角データのみから得る移動距離と、実際の車両の走行距離との誤差を、検出した道路の傾斜を用いて補正するなどにより正確な現在位置を認識する。
【0044】
なお、現在位置認識手段181は、現在位置として上述した車両の現在位置の他、端末入力部130にて設定入力された起点となる出発地点などを、擬似現在位置として認識可能である。そして、現在位置認識手段181で得られた各種情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0045】
目的地認識手段182は、例えば端末入力部130の入力操作により設定入力された目的地に関する目的地情報を取得し、目的地の位置を認識する。設定入力される目的地情報としては、例えば緯度・経度などの座標、住所、電話番号など、場所を特定するための各種情報が利用可能である。そして、この目的地認識手段182で認識した目的地情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0046】
案内報知手段183は、メモリ170に記憶され、車両の走行状況に対応してあらかじめ取得した移動経路情報や地物案内情報に基づいて車両の移動に関する案内、例えば車両の走行を支援する内容の案内を、端末表示部140による画像表示や音声出力部150による発音にて報知させる。具体的には、所定の矢印や記号などを端末表示部140の表示画面に表示したり、「700m先、○○交差点を△△方面右方向です。」、「移動経路から逸脱しました。」、「この先、渋滞です。」などの音声出力部150における音声により発音したり、することなどが例示できる。
【0047】
表示制御手段184は、端末表示部140を適宜制御して各種情報を端末表示部140で表示させて利用者に報知させる。この表示制御手段184は、例えば端末入力部130による入力操作を促して各種情報を設定入力するための各種表示画面などをも表示制御する。
【0048】
マップマッチング手段185は、記憶手段160から取得する地図情報に基づいて、現在位置認識手段181にて認識した現在位置を適切に表示させるためのマップマッチング処理をする。このマップマッチング手段185は、上述したように、例えばマッチングデータMMを用い、現在位置を端末表示部140で地図に重畳して表示される位置が、端末表示部140で表示される地図を構成する要素である道路から逸脱しないように、現在位置情報を適宜修正すなわち補正して表示させるマップマッチング処理を実施する。
【0049】
座標マッチング手段186は、記憶手段160から取得する地図情報のマッチングデータMMのノードNに関する情報である地点情報が同一の点か否かの判断である座標マッチング処理を実施する。すなわち、上述したように、マッチングデータMMのノードNの地点情報を取得し、地点情報を構成する座標情報を読み取る。具体的には、座標情報の座標値の情報やオフセット量に基づいて緯度、経度などの座標値を算出し、異なるノードNが同一の座標値であれば、それらのノードNの地点情報を構成するフラグ情報を読み取り、ノードNが同一の点なのか否かを判断する。そして、同一の点であると判断した場合には、例えばノードNにそれぞれ接続し異なるリンク列ブロック情報を構成するリンクLが互いに交わる道路状態、例えば交差点であると判断する。また、同一の点でないと判断した場合には、例えばノードNにそれぞれ接続し異なるリンク列ブロック情報を構成するリンクLが互いに交わらない道路状態、例えば立体交差であると判断する。
【0050】
渋滞状況認識手段187は、現在発生している渋滞の状況に関する現在渋滞情報を生成する。具体的には、VICS受信部120から出力されたVICSからのVICSデータを適宜取得する。そして、この取得したVICSデータに基づいて、例えば現在位置および目的地を含む地域、あるいは現在位置を中心とした所定の範囲などにおいて発生している渋滞の状況に関する現在渋滞情報を生成する。
【0051】
また、渋滞状況認識手段187は、目的地までの任意の場所に到達する予測時刻である到達予測時刻を求める。例えば、目的地までの任意の場所に到達する予測時刻である到達予測時刻を求める。そして、この求めた到達予測時刻やあらかじめ設定入力された予定時刻、時系列データ12iなどに基づいて、目的地に到達するまであるいは設定入力した予定時刻における任意の場所で発生する渋滞の状況予測に関する渋滞予測情報を生成する。
【0052】
具体的には、計時手段191から取得する時刻情報およびカレンダテンプレート20に基づいて、渋滞の状況予測を実施する日付の分類IDナンバを認識する。そして、認識した分類IDナンバに対応しかつ現在位置および目的地を含む地域の時系列データ12iを、渋滞予測テーブル10から検索して取得する。この後、現在渋滞情報、および、計時手段191から取得する現在時刻に基づいて、経路処理手段188にて生成される後述する移動候補経路情報により特定される移動候補経路上の任意の場所に到達する到達予測時刻を求める。
【0053】
この到達予測時刻を求める方法としては、例えば以下に示すような方法などが例示できる。すなわち、移動候補経路情報から移動候補経路上の任意の場所までの距離を認識し、この認識した距離を移動するための所要時間を現在渋滞情報に基づいて求める。この後、この求めた所要時間および現在時刻から到達予測時刻を求める方法などが例示できる。そして、時系列データ12iおよび到達予測時刻に基づいて渋滞予測情報を生成する。
【0054】
経路処理手段188は、利用者により設定入力される経路設定のための設定事項情報、および、記憶手段160に記憶された地図情報に基づいて、車両の走行経路を演算してルート探索する。この経路処理手段188は、渋滞情報さらには渋滞予測を加味したルート探索を要求する旨の渋滞予測要求情報を処理部180が認識することにより、渋滞状況認識手段187にて生成される現在渋滞情報や渋滞予測情報などをも加味して移動経路を演算可能である。
【0055】
具体的には、設定事項情報に渋滞予測要求情報が記載されていない場合には、現在位置、目的地、設定事項情報、現在渋滞情報を取得する。そして、これら取得した情報に基づいて地図情報の移動経路探索用地図情報を利用し、例えば車両が通行可能な道路を探索し、所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した経路などを設定した移動経路情報を生成する。そして、この移動経路情報の各経路における目的地までの所要時間を求め、この所要時間に関する所要時間情報を生成する。
【0056】
一方で、設定事項情報に渋滞予測要求情報が記載されている場合には、現在位置、目的地、設定事項情報、現在渋滞情報を取得する。そして、これら取得した情報に基づいて所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した候補経路などを設定した移動候補経路情報を生成する。そして、現在渋滞情報および渋滞予測情報を取得し、これら取得した情報に基づいて移動候補経路情報の候補経路をさらに絞り込むことにより、経路などを設定した移動経路情報を生成する。
すなわち、設定事項情報に渋滞予測要求情報が記載されている場合には、まず、経路処理手段188は現在位置、目的地、設定事項情報、現在渋滞情報を取得するとともに設定事項情報、および、記憶手段160に記憶された地図情報に基づいて、車両の移動経路を演算する。
また、経路処理手段188は、これら取得した情報に基づいて所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した候補経路などを設定した移動候補経路情報を生成する。
そして、現在渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて得られる当該移動経路を移動した場合の目的地または当該移動経路上の経由地までの所要予測時間を求め、この所要予測時間に関する所要予測時間情報を生成する。
さらに当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる当該候補経路、例えば回避した候補経路を移動した場合の目的地または当該移動経路上の経由地までの所要予測時間を求め、この所要予測時間に関する所要予測時間情報を生成する。
処理部180はこれらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該候補経路のいずれか一つの経路を選出し、経路処理手段188にて移動経路情報を生成する。
【0057】
この渋滞予測要求情報を利用する移動経路情報の生成の際、例えば図7に示すように、現時点である出発始点Sから目的地Gまでの経路途中に分岐位置および合流位置が一緒となる複数の道路R1,R2,R3が存在する場合、各道路R1,R2,R3を通過するのに必要な所要時間を算出する。この所要時間は、例えばセンサ部110からの情報や地図情報などを用いて演算する。具体的には、地図情報に含まれる法定速度に関する情報から所定時間経過する間の走行距離を演算し、この演算した走行距離に基づいて地図情報のマッチングデータMMを利用し、分岐位置から合流位置までの走行時間を演算し、予測所要時間情報を生成し、メモリ170に適宜記憶する。さらに、経路処理手段188は、各道路について経路設定で選択する有意性である重み情報を生成、すなわち、各道路の所要時間が短いほど経路設定で選択され易いように確率を演算処理する。この重み情報は、重みP=1−{(その道路の予測所要時間)/(各道路の予測所要時間の合計)}の演算により生成される。
【0058】
具体的には、3つの道路R1,R2,R3についての予測所要時間情報TR1,TR2,TR3である場合、各道路R1,R2,R3の重みPR1,PR2,PR3は、以下のようになる。
PR1=1−{TR1/(TR1+TR2+TR3)}
PR2=1−{TR2/(TR1+TR2+TR3)}
PR3=1−{TR3/(TR1+TR2+TR3)}
【0059】
なお、経路処理手段188は、重みが所定の閾値以下あるいは下回る場合、その重みを他の重みの確率に対応した比率で振り分ける処理をする。具体的には、閾値が10%にあらかじめ設定され、PR1が50%、PR2が40%、PR3が10%であった場合、50:40=55.56:44.44であることからPR3の10%を振り分けて、PR1を55.55%、PR2を44.44%、PR3を0%として重み情報とし、メモリ170に適宜記憶させる。そして、経路処理手段188は、この重み情報に基づいて分岐位置から合流位置のいずれかの道路R1,R2,R3を選択して移動経路情報を生成する。さらに、この移動経路情報の各経路における目的地までの所要時間を求め、この所要時間に関する所要時間情報を生成する。なお、閾値を設けず、重みの演算結果をそのまま重み情報としてもよい。
また、図7に示すように、現時点である出発始点Sから目的地Gまでの経路途中に分岐位置および合流位置が一緒となる複数の道路R1,R2,R3が存在する場合であっても、重み情報を生成しないで移動経路情報を生成することもできる。すなわち、経路処理手段188が、前記のとおり演算した移動経路の他に、当該移動経路上における同一の分岐位置から同一の合流位置までの複数の候補経路を検索する場合が挙げられる。ここで、説明のため、当該移動経路をR1、複数の候補経路をそれぞれR2,R3とする。
この場合、経路処理手段188は各道路R1,R2,R3を通過するのに必要な所要予測時間を算出する。すなわち、渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて得られる移動経路R1を分岐位置から合流位置まで移動した場合の所要予測時間、渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて得られる候補経路R2,R3のそれぞれを分岐位置から合流位置まで移動した場合の所要予測時間である。この所要予測時間に関する所要予測時間情報はメモリ170に適宜記憶する。
そして、処理部180はこれらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該複数の候補経路のいずれか一つの経路を選出し、経路処理手段188にて移動経路情報を生成する。
【0060】
なお、この移動経路を探索する際、移動経路探索用地図情報の他、地図情報のマッチングデータMMを用いる場合もある。例えば、裏道などの幅の狭い道路などの移動経路探索用地図情報ではない道路を利用して移動経路を探索する場合などである。そして、マッチングデータMMを利用する場合には、座標マッチング手段186による道路状態の判断に基づいて、適宜経路を探索する。また、移動経路情報には、例えば車両の走行の際に誘導して走行を補助する経路案内情報をも有する。この経路案内情報は、案内報知手段183による制御により、端末表示部140で適宜表示あるいは音声出力部150で適宜音声出力され、走行が補助される。
【0061】
情報検索手段189は、例えば端末入力部130にて設定入力された検索情報の検索要求により、記憶手段160に記憶された検索情報を、例えば店舗や施設などを項目情報などに基づいて階層状に検索して取得する。
【0062】
カレンダ変更手段190は、利用者により設定入力される変更内容に基づいて、メモリ170に記憶されたカレンダテンプレート20を適宜更新する。具体的には、カレンダ変更手段190は、利用者による端末入力部130の入力操作により設定入力される各種情報、例えば日付を特定する日付情報、祭りやスポーツの試合などのイベントに関するイベント情報などを認識する。そして、日付情報により特定される日付を認識するとともに、イベント情報に対応付けられた分類IDナンバを認識する。この分類IDナンバを認識する方法としては、例えば以下のような方法が例示できる。すなわち、設定入力されたイベント情報から日付分類を判断し、この判断した日付分類から分類IDナンバを認識する方法が例示できる。例えばイベント情報が例えば競技場Bでのスポーツの試合に関するものであれば、日付分類を「特殊日2」と判断し、この「特殊日2」から分類IDナンバを「ID5」と認識する。また、イベント情報が例えば5連休の最終日に関するものであれば、日付分類を「長期休暇終了日」と認識し、この「長期休暇終了日」から分類IDナンバを「ID10」と認識する。そして、この認識した日付および分類IDナンバに基づいて、カレンダテンプレート20を適宜変更する。
【0063】
計時手段191は、例えば内部クロックなどの基準パルスに基づいて現在時刻を認識する。そして、この計時手段191は、認識した現在時刻に関する時刻情報を適宜出力する。
【0064】
〔ナビゲーション装置の動作〕
次に、ナビゲーション装置100の動作を図面を参照して説明する。
【0065】
(カレンダテンプレートの変更処理)
まず、ナビゲーション装置100の動作としてカレンダテンプレート20の変更処理について図8および図9に基づいて説明する。なお、ここでは、利用者が、例えばラジオやテレビなどの各種放送、新聞などの情報誌、官報などにより認識したり、携帯電話などを接続して携帯電話回線を介して取得した、例えば5日に都市Aで祭りが開催される旨の情報に基づいて、図5に示すようなカレンダテンプレート20を変更する処理について説明する。図8は、カレンダテンプレートの変更処理を示すフローチャートである。図9は、カレンダ変更手段にて更新されたカレンダテンプレートにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【0066】
まず、車両に搭乗した利用者である搭乗者がナビゲーション装置100の電源をオンし、電力を供給する。この電力の供給により、処理部180は、端末表示部140を制御してメインメニューを表示させ、利用者にナビゲーション装置100に動作させる内容の設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0067】
そして、図8に示すように、利用者は、例えば端末入力部130の入力操作により、カレンダテンプレート20の変更処理を実施させる旨を設定入力する。処理部180は、カレンダ変更手段190にて、このカレンダテンプレート20の変更処理を実施させる旨の設定入力を認識すると(ステップS101)、カレンダテンプレート20の変更に必要な日付情報、イベント情報などの設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0068】
この後、利用者が表示された表示画面の指示に従って、端末入力部130の入力操作により日付情報、イベント情報などを設定入力すると、カレンダ変更手段190は、設定入力された日付情報、イベント情報などを取得する。ここで、利用者が日付情報やイベント情報などを設定入力する方法としては、例えば各情報を文字で設定入力したり、端末表示部140に表示されたいくつかの候補から選択する方法や、以下に示す方法などが例示できる。例えば端末表示部140に表示された図5に示すようなカレンダテンプレート20のいずれかの日付を示す領域やその周囲などに表示される、例えばフラッシング表示されたカーソルを端末入力部130の操作により移動させて日付を選択する。そして、この選択した日付のイベント情報を文字で設定入力したり、表示されたいくつかのイベント情報から選択する方法などが例示できる。
【0069】
カレンダ変更手段190は、日付情報、イベント情報などを取得すると、これら取得した各種情報を認識する処理をする(ステップS102)。具体的には、日付情報により特定される日付を認識するとともに、イベント情報に対応付けられた分類IDナンバを認識する。ここでは、日付情報により特定される日付を5日と認識する。また、イベント情報に対応付けられた日付分類を都市Aでの祭りに関する「特殊日1」と判断した後、この判断した日付分類から分類IDナンバを「ID4」と認識する。
【0070】
この後、メモリ170に記憶されたカレンダテンプレート20を読み出す(ステップS103)。そして、カレンダ変更手段190は、ステップS102において認識した各種情報が、ステップS103において読み出したカレンダテンプレート20の情報と一致するか否かを判断する(ステップS104)。具体的には、読み出したカレンダテンプレート20から、ステップS102において認識した日付に対応付けられた分類IDナンバを認識する。そして、このカレンダテンプレート20から認識した分類IDナンバと、ステップS102において認識した分類IDナンバとが一致するか否かを判断する。
【0071】
カレンダ変更手段190は、ステップS104において、一致すると判断した場合には、カレンダテンプレート20を変更せずに処理を終了する。一方で、一致しないと判断した場合には、カレンダテンプレート20をステップS102において認識した各種情報に基づいて変更し(ステップS105)、処理を終了する。具体的には、ステップS102において認識した5日の分類IDナンバが「ID4」であり、カレンダテンプレート20から認識した5日の分類IDナンバが「ID1」なので、カレンダ変更手段190は、5日の分類IDナンバを「ID1」から、図9に示すように「ID4」に変更して処理を終了する。
【0072】
(移動経路の探索処理)
次に、ナビゲーション装置100の動作として、移動経路の探索処理について、図10および図11に基づいて説明する。この移動経路の探索処理において、リルート時に重み情報を生成して渋滞状況を平均化する処理を実施して説明するが、移動経路の設定時のみ、あるいは移動経路の設定時とリルート探索時の双方で重み情報を利用する構成としてもよい。図10は、ナビゲーション装置における移動経路の探索処理を示すフローチャートである。図11は、リルート探索時のリルート探索処理を示すフローチャートである。
【0073】
まず、図10に示すように、利用者は、端末入力部130の入力操作により、例えば移動するための移動経路の探索処理を実施させる旨を設定入力する。この移動経路の探索処理を実施させる旨の設定入力を処理部180が認識すると(ステップS201)、処理部180は、移動経路の探索に必要な各種情報、例えば目的地、最短距離か最短時間か渋滞予測をするか否かなどの設定事項情報などの設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0074】
そして、処理部180は、移動経路の探索に必要な各種情報を認識すると、まず現在位置認識手段181にて、現在位置を認識する処理をするとともに(ステップS202)、目的地認識手段182にて、設定入力された目的地を認識する処理をする(ステップS203)。具体的には、現在位置認識手段181により、センサ部110の速度センサおよび方位角センサから出力される車両の速度データおよび方位角データと、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータとに基づいて、車両の現在位置を算出して現在位置情報を取得する。この取得した現在位置情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0075】
また、処理部180は、端末表示部140を制御して端末入力部130の入力操作による目的地の設定入力を促す表示をさせる。そして、利用者が表示された表示画面の指示に従って、端末入力部130の入力操作により目的地を設定入力すると、目的地認識手段182は設定入力された目的地に関する目的地情報を取得する。この取得した目的地情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0076】
ここで、端末入力部130の目的地の入力操作に際し、目的地の地点である地点に関する情報の取得を要求する場合、利用者が端末表示部140で表示される表示画面に基づいて、地点の検索情報を要求する旨の入力操作をする。この地点の検索情報の検索要求により、処理部180は情報検索手段189にて、目的地に関する検索情報を例えば地図情報MPを用いて領域毎のより下層のメッシュ情報に階層状に検索し、目的地の地点に関連付けられた検索情報を記憶手段160から取得する。そして、処理部180が端末表示部140を適宜制御して取得した検索情報を表示させる。
【0077】
なお、検索情報が例えば目的地を含む地図情報の所定の領域を表示させる旨のもの、あるいは検索情報を認識した利用者が端末入力部130の入力操作により所定領域を表示させる旨を設定入力するなどの場合、処理部180が端末表示部140を適宜制御し対応する領域の表示用メッシュ情報VMxを表示させる。このようにして、端末表示部140に所望の地図情報が表示された後、適宜目的地の地点を端末入力部130の入力操作にて設定、例えば地図表示画面中に表示されるカーソルを移動する操作により、目的地の地点情報を特定する。この地点情報の特定により、処理部180の目的地認識手段182が目的地の地点情報を目的地情報として認識し、メモリ170に適宜記憶させる。
【0078】
また、処理部180は、端末表示部140を制御して移動経路の探索のための条件である設定事項の入力操作を促す表示をさせる。そして、利用者が表示された表示画面の指示に従って、端末入力部130の入力操作により設定事項を設定入力すると、処理部180は設定入力された設定事項に関する設定事項情報を取得する(ステップS204)。この取得した設定事項情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0079】
この後、処理部180は、経路処理手段188にて、メモリ170に記憶された設定事項情報を取得し、この取得した設定事項情報に渋滞予測要求情報が記載されているか否かを判断する(ステップS205)。
【0080】
このステップS205において、処理部180は、経路処理手段188にて渋滞予測要求情報が記載されていないと判断した場合、渋滞状況認識手段187にてVICS受信部120から出力されるVICSデータを取得する。そして、処理部180は、取得したVICSデータから現在位置および目的地を含む地域の現在渋滞情報を生成する。この生成した現在渋滞情報は、メモリ170に適宜記憶される。
【0081】
そして、処理部180は、経路処理手段188にて現在位置情報、目的地情報、設定事項情報、現在渋滞情報をメモリ170から取得する。そして、これら取得した各種情報に基づいて、車両の現在位置から目的地までの移動経路を、記憶手段160に記憶された地図情報の移動経路探索用地図情報およびマッチングデータMMを用いて探索するルート探索処理をする(ステップS206)。
【0082】
具体的には、例えば、主要道路などのように移動経路探索用地図情報にデータが蓄積され整備されている場合には移動経路探索用地図情報を用いてルート探索処理を行い、細街路などのような移動経路探索用地図情報にデータが蓄積されていない場合には細街路から主要道路までの区間についてマッチングデータMMを用いて探索する。なお、このマッチングデータMMを用いたルート探索処理の際、座標マッチング手段186によりノードNが同一の地点か否かを判断してリンクLの関係から道路の状態を認識して実施される。
【0083】
そして、経路処理手段188は、複数の移動経路を検出し、取得した設定事項情報や現在渋滞情報に基づいて移動経路をいくつかに絞り込んで、利用者が所望する条件にあったいくつか、例えば5候補の移動経路に関する移動経路情報を生成する。なお、この移動経路の選出の際、経路処理手段188にて重み情報を生成し、この重み情報に基づいて複数の候補の移動経路における重み付けすなわち推奨する順位を設定して報知、例えば端末表示部140に表示させてもよい。
【0084】
一方で、ステップS205において、経路処理手段188にて渋滞予測要求情報が記載されていると判断した場合、計時手段191から時刻情報を取得し、この取得した時刻情報から現在の日付を認識する。そして、メモリ170からカレンダテンプレート20を取得し、この取得したカレンダテンプレート20から認識した日付の分類IDナンバを検索して認識する(ステップS207)。また、メモリ170に記憶された現在位置情報および目的地情報を取得し、現在位置および目的地を認識する。そして、渋滞状況認識手段187は、記憶手段160に記憶された渋滞予測テーブル10から、認識した分類IDナンバに対応し、かつ、現在位置および目的地を含む時系列データ12iを検索して取得する(ステップS208)。
【0085】
この後、処理部180は、ステップS206の処理を実施する。具体的には、処理部180は、渋滞状況認識手段187にて、現在渋滞情報を生成してメモリ170に適宜記憶させる。そして、処理部180は、経路処理手段188にて、現在位置情報、目的地情報、設定事項情報をメモリ170から取得する。そして、これら取得した各種情報に基づいて、複数の移動経路を検出し、取得した設定事項情報に基づいていくつかに絞り込み、利用者が所望する条件にあったいくつかの移動候補経路に関する移動候補経路情報を生成する。
すなわち、処理部180は、経路処理手段188にて、現在位置情報、目的地情報、設定事項情報をメモリ170から取得して、設定事項情報、および、記憶手段160に記憶された地図情報に基づいて、車両の移動経路を検出する。そして、所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した候補経路などを設定した移動候補経路情報を生成する。
【0086】
さらに、処理部180は、渋滞状況認識手段187にて現在渋滞情報をメモリ170から現在日時を計時手段191から取得する。次に、渋滞状況認識手段187は、取得した現在渋滞情報および現在日時に基づいて、経路処理手段188にて生成された移動候補経路情報の移動候補経路上における任意の場所に到達する予測時刻である到達予測時刻を求める。そして、渋滞状況認識手段187は、ステップS208において取得した時系列データ12iに基づいて、各移動候補経路上の任意の場所での到達予測時刻における渋滞の状況を予測し、この予測した渋滞の状況に関する渋滞予測情報を生成する。
【0087】
そして、処理部180は、経路処理手段188にて、移動候補経路情報の移動候補経路について現在渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて、移動経路をいくつかに絞り込むステップS206の経路設定処理を実施する。なお、この経路設定処理は、渋滞予測情報のみに基づいて移動経路の絞り込み処理をしてもよい。そして、上述したように、絞り込んだ移動経路の目的地までの所要時間を求めて所要時間情報を生成し、表示制御手段184により演算した移動経路情報を端末表示部140に表示させるとともに、利用者による選択を要求する旨の表示をさせる。そして、利用者がいずれかの移動経路情報を選択する入力操作により移動経路が設定される。なお、1経路しか設定されない場合には、選択を要求する旨の表示をせず、その1つの経路を移動経路として設定する。
また、処理部180は、以下のように移動経路情報を生成することもできる。経路処理手段188にて、現在渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて得られる当該移動経路を移動した場合の目的地または当該移動経路上の経由地までの所要予測時間を求め、この所要予測時間に関する所要予測時間情報を生成する。
さらに当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる当該候補経路、例えば回避した候補経路を移動した場合の目的地または当該移動経路上の経由地までの所要予測時間を求め、この所要予測時間に関する所要予測時間情報を生成する。
処理部180はこれらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該候補経路のいずれか一つの経路を選出し、経路処理手段188にて移動経路情報を生成する。
なお、この経路設定処理は、渋滞予測情報のみに基づいて移動経路の選出をしてもよい。そして、上述したように、表示制御手段184に、選出した移動経路情報を端末表示部140に表示させることもできる。
【0088】
この後、処理部180は、記憶手段160からマッチングデータMMを取得する。そして、座標マッチング手段186にて、この取得したマッチングデータMMの座標マッチング処理をし(ステップS209)、道路の状況すなわち道路の接続状況を認識し、メモリ170に適宜記憶させる。さらに、処理部180は、表示制御手段184にて端末表示部140を制御して、取得した地図情報に、現在位置情報に基づく車両の現在位置を表すアイコンなどの表示とともに、利用者が選択した移動経路に関する移動経路情報、渋滞予測情報、所要時間情報、現在渋滞情報などをそれぞれ重畳して表示させ、適宜音声出力部150から音声出力させて、案内誘導する(ステップS210)。
【0089】
この後、処理部180は、センサ部110の速度センサ、方位角センサおよび加速度センサから出力されるデータと、GPS受信部から出力されるGPSデータとに基づいて、車両の移動状況を認識する。さらに、処理部180は、案内報知手段183により、ステップS210の処理、すなわち認識した移動状況と、移動経路情報に含まれる経路案内情報とに基づいて車両の移動に関する案内情報を表示あるいは音声により報知し、車両の移動を案内誘導する。
【0090】
具体的には、処理部180の表示制御手段184が、記憶手段160から取得したマッチングメッシュ情報MMxのノードNをポリラインで結び、マッチングデータMMを構成するリンク列ブロック情報に記載された道路の構成に基づいてポリラインを処理し、移動経路を含むマッチングメッシュ情報MMxの領域の道路を端末表示部140に表示させる。さらに、表示制御手段184は、記憶手段160から取得した表示用メッシュ情報VMxのマッチングメッシュ情報MMxに対応する領域における道路以外の地図を構成する要素に関する要素データである名称情報VMxAおよび背景情報VMxCを重畳させて表示させる。そして、この表示される地図に現在位置を重畳表示させる。
【0091】
この現在位置の重畳表示の際、車両の現在位置情報に基づく表示が表示された道路から逸脱しないように、マッチングデータMMに基づいてマップマッチング処理する。すなわち、処理部180は、表示される現在位置が移動経路のマッチングデータMM上に位置するように現在位置情報を適宜補正して表示位置をリンクLが連なるリンク列上となるようにする。このようにして地図と現在位置とを重畳表示させて、案内誘導する。また、現在位置が所定の位置に達した場合には、上述したように、表示や音声などにより移動する方向などを案内する。なお、ステップS209でマッチングデータMMを取得した際に座標マッチング処理をしたが、マップマッチング処理の際、あるいはマップマッチング処理の前に座標マッチング処理をしてもよい。
【0092】
なお、この領域以外の領域において、例えば端末入力部130の入力操作にて他の領域の表示を見る設定入力がなされた場合に表示させる地図は、検索により表示させる場合と同様に、記憶手段160から取得した表示用メッシュ情報VMxにより表示させる。
【0093】
また、車両の移動中の際、処理部180は、渋滞状況認識手段187にて、例えば渋滞、交通事故、工事、交通規制などのVICSデータや気象情報などを取得する。そして、処理部180は、渋滞状況認識手段187にて取得したVICSデータや気象情報などに基づいて、車両の移動の状態が影響を受けたり、変更したりするなどのおそれがある場合には、移動経路の探索処理を再度実施、すなわちリルート処理をする。また、処理部180は、案内報知手段183にて、その旨の案内あるいは影響を報知する。
【0094】
具体的には、図11に示すリルート探索処理を実施する。ステップS206で移動経路が設定されて車両が移動すると、例えば案内報知手段183は車両が目的地に到達したか否かを判断する(ステップS11)。具体的には、現在位置認識手段181にて認識する現在位置が目的地認識手段182にて認識した目的地と同一位置であるか否かを判断する。そして、目的地に到達したと判断した場合には、案内誘導を終了する。また、このステップS11において、目的地に到達していないと判断すると、渋滞状況認識手段187はVICS受信部120を制御してVICSデータを取得させる(ステップS12)。そして、渋滞状況認識手段187が設定されて案内誘導に利用している移動経路中に渋滞や混雑が発生したか否かを判断する(ステップS13)。
【0095】
このステップS13において、渋滞や混雑が発生していないと判断した場合、そのまま設定された移動経路を維持し、前回にVICSデータを取得した時点から5分経過するまで待機し(ステップS14)、ステップS11に戻る。一方、ステップS13において、移動経路中に渋滞や混雑が発生したと判断すると、経路処理手段188は例えばその渋滞や混雑が発生した道路の分岐位置と合流位置とが一致する他の道路、すなわち迂回するための回避ルートを探索する(ステップS15)。そして、経路処理手段188は、上述したように、現在の移動経路の渋滞が発生した道路と他の道路の所要時間を演算するとともに(ステップS16)、各道路の重みを演算して重み情報を生成する(ステップS17)。そして、経路処理手段188は、生成した重み情報に基づいて、重みに応じた出現確率で1つの道路を含む移動経路を選出し、移動経路情報を生成する。そして、表示制御手段184は、この生成された移動経路情報を端末表示部140に表示させて利用者に報知する制御をする。この報知の際、他の道路を含む移動経路の場合には例えば迂回を薦める案内をし、選出した道路が従前の移動経路と同一の場合には例えばそのまま進行することを薦める案内をする。この後、ステップS14に進んで、処理を繰り返す。
なお、このリルート探索の際に重み情報を生成しないで移動経路情報を選出することもできる。すなわち、経路処理手段188は、現在の移動経路の渋滞が発生した道路と他の迂回するための回避ルートである候補経路の所要予測時間を演算し、処理部180は、これらの所要予測時間に応じて、現在の移動経路または回避するための候補経路のいずれか一つを選出し、経路処理手段188は、選出した経路に関する移動経路情報を生成する。そして、表示制御手段184は、この生成された移動経路情報を端末表示部140に表示させて利用者に報知する制御をする。この報知の際、他の道路を含む移動経路の場合には例えば迂回を薦める案内をし、選出した道路が従前の移動経路と同一の場合には例えばそのまま進行することを薦める案内をする。この後、ステップS14に進んで、処理を繰り返す。
【0096】
〔第1の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第1の実施の形態では、現在位置認識手段181にて認識した車両の現在位置に関する現在位置情報と、目的地認識手段182にて取得した車両が移動する目的地の位置に関する目的地情報と、渋滞状況認識手段187にて認識した車両の交通状況に関する現在渋滞情報や渋滞予測情報などの交通情報とに基づいて、経路処理手段188にて車両の移動経路の候補を複数探索して報知、すなわち案内誘導のために端末表示部140に表示させる。
そして、この案内誘導に利用する移動経路において、渋滞状況認識手段187にて車両の移動における移動容易性に影響を及ぼす渋滞や混雑などが発生したことを認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との移動容易性、すなわち所要時間を演算し、各移動経路の所要時間に基づく重み付け、すなわち出現確率を演算して重み情報を生成し、この重み情報に基づいていずれかの移動経路を選出して端末表示部140に表示させる。このため、同一の区間を走行する各車両に搭載されたナビゲーション装置100にて同様の処理により、各車両が出現確率に基づいて各移動経路に振り分けられるので、各移動経路における所要時間が平均化され、一部の道路のみが重度に渋滞するなどを防止でき、安定した交通状況が得られ、良好に車両が走行できる案内誘導が容易に得られる。
また重み情報を生成しない場合であっても、処理部180は、この案内誘導に利用する移動経路において、渋滞状況認識手段187にて車両の移動経路上に渋滞や混雑などが発生したことを認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との所要予測時間を演算し、これらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該回避する移動経路のいずれか一つを選出して端末表示部140に表示させる。
すなわち、処理部180は渋滞状況の推移を適切に認識、判断して移動経路を選出するので、利用者が良好な走行を得るために当該移動経路を走行するのが適切なのか、または当該回避する移動経路を走行するのが適切なのかについて判断する必要がない。そのため、適切な経路探索が可能であって、さらに良好に車両が走行できる経路探索、案内誘導が容易に得られる。
【0097】
そして、移動容易性として車両が走行に要する所要時間を求め、この所要時間が短くなるにしたがって確率が高くなる重み付けにより報知する移動経路の出現確率を設定している。このため、安定した交通状況が得られる構成が簡単な構成で容易に得られる。
【0098】
また、重み情報として、各移動経路の所要時間の総和に対する各移動経路の所要時間の割合に基づき、所要時間が短くなるにしたがってその移動経路が選出され易くなる確率を求めている。このため、簡単な演算により安定した交通状況が得られる構成が得られ、処理負荷の低減による構成の簡略化や処理速度の短縮化により迅速な報知による使い勝手の向上などが得られる。
【0099】
さらに、重み情報の確率値が所定の閾値以下あるいは下回る場合、その確率に対応する移動経路を選出して報知することを規制、すなわちその確率値を0として処理する。このため、所要時間が比較的に掛かってしまう移動経路については報知しないので、車両を走行させる運転者や同乗者などの搭乗者が所要時間の掛かる移動経路により不愉快となることを防止でき、良好な案内誘導ができる。
【0100】
また、所定の閾値以下あるいは下回る確率値については、他の移動経路の確率値をそれら移動経路の確率値の比率に対応して振り分けて重み情報としている。このため、所要時間が短くなるにしたがって選出され易くなる割合が変動することなく、良好な案内誘導ができる移動経路の探索が容易に得られる。
【0101】
また、渋滞予測を過去の交通状況を統計処理した統計交通情報である渋滞予測テーブル10を用いて渋滞予測情報を生成している。このため、特別なシミュレーションプログラムを用いて渋滞予測する場合に比して処理負荷が小さく、所定時間経過毎の渋滞予測を比較的に迅速に演算でき、渋滞予測に基づく渋滞推移の報知がより迅速にでき、良好なナビゲーションを容易に提供できる。
【0102】
そして、カレンダテンプレート20を設けて渋滞予測テーブル10をカレンダテンプレートの日付に関連付けている。すなわち、カレンダテンプレート20をカレンダの日付に関する日付情報に、渋滞予測テーブル10の日付分類ID11に対応する変更可能な分類IDナンバを関連付けたテーブル構造のカレンダテンプレート20としている。このため、過去のデータである渋滞予測テーブル10でも適切に渋滞予測でき、良好なナビゲーションを提供できる。さらには、カレンダテンプレート20の日付に渋滞予測テーブルに関連する分類IDナンバを変更可能としている。このため、例えば予測した結果と現状の交通状況とが異なる場合、現状に対応する渋滞予測テーブルの時系列データに対応した分類IDナンバに変更すればよく、より適切な渋滞予測ができる。
【0103】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の経路探索装置を有する案内誘導システムとしての通信型のナビゲーションシステムであって、移動体である例えば車両の移動状況としての走行における経路を探索し、走行を案内誘導する構成を例示して説明する。なお、本発明の案内誘導システムとしては、第1の実施の形態と同様に、車両の走行を経路探索する構成に限らず、いずれの移動体の交通状況を報知する構成が対象となる。
【0104】
図12は、本実施の形態におけるナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。図13は、端末装置の概略構成を示すブロック図である。図14は、端末装置の処理部の概略構成を示すブロック図である。図15は、サーバ装置の概略構成を示すブロック図である。図16は、サーバ装置のCPUの概略構成を示すブロック図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0105】
〔ナビゲーションシステムの構成〕
図12において、200は案内誘導システムとしての通信型のナビゲーションシステムで、このナビゲーションシステム200は、移動体である例えば車両の移動状況に対応して移動に関する案内を報知するシステムである。なお、移動体としては、車両に限らず、航空機、船舶などいずれの移動体が対象となる。そして、このナビゲーションシステム200は、ネットワーク300と、経路探索装置または案内誘導装置としても機能する端末装置400と、サーバ装置500と、を備えている。
【0106】
ネットワーク300には、端末装置400およびサーバ装置500が接続されている。そして、ネットワーク300は、端末装置400およびサーバ装置500とを情報の送受信が可能な状態に接続する。例えば、TCP/IPなどの汎用のプロトコルに基づくインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、無線媒体により情報が送受信可能な複数の基地局がネットワークを構成する通信回線網や放送網などのネットワーク、さらには、端末装置400およびサーバ装置500間で情報を直接送受信するための媒体となる無線媒体自体などが例示できる。ここで、無線媒体としては、電波、光、音波、電磁波などのいずれの媒体をも適用できる。
【0107】
端末装置400は、第1の実施の形態のナビゲーション装置100と同様に、移動体としての例えば車両に搭載される車載型、携帯型、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯型パーソナルコンピュータなどが例示できる。この端末装置400は、サーバ装置500からネットワーク300を介して配信される地図情報を取得し、この地図情報に基づいて現在位置や目的地に関する情報、目的地までのルート探索や表示、最寄りの所定の店舗の検索やその表示あるいは店舗のサービス内容に関する情報の表示などを実施する。そして、この端末装置400は、図13に示すように、端末通信手段としての送受信器410と、センサ部110と、端末入力部130と、端末表示部140と、音声出力部150と、メモリ420と、処理部430と、などを備えている。
【0108】
送受信器410は、ネットワーク300を介してサーバ装置500に接続されるとともに、処理部430に接続されている。そして、送受信器410は、ネットワーク300を介してサーバ装置500から端末信号Stを受信可能で、この端末信号Stの取得によりあらかじめ設定されている入力インターフェース処理を実施し、処理端末信号Sttとして処理部430に出力する。また、送受信器410は、処理部430から処理端末信号Sttが入力可能で、この入力される処理端末信号Sttの取得によりあらかじめ設定されている出力インターフェース処理を実施し、端末信号Stとしてネットワーク300を介してサーバ装置500に送信する。
【0109】
センサ部110は、車両の移動の状態すなわち現在位置や走行状況などを検出して処理部430に所定の信号Sscとして出力する。
【0110】
端末入力部130は、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。これら操作ボタンや操作つまみなどの入力操作としては、端末装置400の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、ネットワーク300を介して情報を取得する旨の通信要求情報である通信動作の実行命令、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、目的地の設定、情報の検索、車両の移動状況である走行状態を表示させるなどが例示できる。そして、端末入力部130は、設定事項の入力操作により、所定の信号Sinを処理部430へ適宜出力して設定させる。
【0111】
端末表示部140は、処理部430にて制御され処理部430からの画像データの信号Sdpを画面表示させる。画像データとしては、サーバ装置500から送信される地図情報や検索情報などの画像データなどである。
【0112】
音声出力部150は、処理部430にて制御され、処理部430からの音声データなどの各種信号Sadを発音手段から音声により出力して報知する。
【0113】
メモリ420は、ネットワーク300を介して取得した各種情報や、端末入力部130で入力操作される設定事項、あるいは音楽データや画像データなどを適宜記憶する。また、メモリ420には、端末装置400全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。なお、メモリ420としては、HD(Hard Disk)や光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0114】
処理部430は、図示しない各種入出力ポート、例えば送受信器410が接続される通信ポート、センサ部110のGPS受信部が接続されるGPS受信ポート、センサ部110の各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、端末入力部130が接続されるキー入力ポート、端末表示部140が接続される表示部制御ポート、音声出力部150が接続される音声制御ポート、メモリ420が接続される記憶ポートなどを有する。そして、処理部430は、各種プログラムとして、図14に示すように、現在位置情報取得手段としての現在位置認識手段181と、目的地情報取得手段としての目的地認識手段182と、案内報知手段183と、表示制御手段184と、マップマッチング手段185と、座標マッチング手段186と、などを備えている。
【0115】
現在位置認識手段181は、車両の現在位置を認識する。そして、現在位置認識手段181で得られた各種情報は、メモリ420に適宜記憶される。
【0116】
目的地認識手段182は、例えば端末入力部130の入力操作により設定入力された目的地に関する目的地情報を取得し、目的地の位置を認識する。そして、この目的地認識手段182で認識した目的地情報は、メモリ420に適宜記憶される。
【0117】
案内報知手段183は、メモリ420に記憶され、車両の走行状況に対応してあらかじめ取得した移動経路情報や地物案内情報に基づいて車両の移動に関する案内、例えば車両の走行を支援する内容の案内を報知する。
【0118】
マップマッチング手段185は、サーバ装置500から取得した地図情報に基づいて、現在位置認識手段181にて認識した現在位置を適切に表示させるためのマップマッチング処理をする。
【0119】
座標マッチング手段186は、サーバ装置500から取得する地図情報のマッチングデータMMのノードNに関する情報である地点情報が同一の点か否かの判断である座標マッチング処理を実施する。
【0120】
サーバ装置500は、ネットワーク300を介して端末装置400と情報の送受信が可能となっている。また、サーバ装置500は、気象庁や警視庁などの各種官庁、民間団体、VICS、企業などの各種機関に設置された図示しないサーバなどから、ネットワーク300を介して各種情報を取得可能となっている。取得する情報としては、例えば気象情報や、渋滞、交通事故、工事、交通規制などのVICSデータ、ガソリンスタンドや飲食店などの各種店舗に関する店舗情報など、車両の移動に関する情報、すなわち車両の移動の際に利用される各種の移動関連情報である。そして、サーバ装置500は、図15に示すように、現在位置情報取得手段および目的地情報取得手段としても機能するインターフェース510と、入力部520と、表示部530と、記憶手段540と、CPU(Central Processing Unit)550と、などを備えている。
【0121】
インターフェース510は、ネットワーク300を介して入力されるサーバ信号Ssvに対してあらかじめ設定されている入力インターフェース処理を実行し、処理サーバ信号ScとしてCPU550へ出力する。また、インターフェース510は、CPU550から端末装置400に対して送信すべき処理サーバ信号Scが入力されると、入力された処理サーバ信号Scに対してあらかじめ設定されている出力インターフェース処理を実行し、サーバ信号Ssvとしてネットワーク300を介して端末装置400へ出力する。なお、サーバ信号Ssvは、処理サーバ信号Scに記載された情報に基づいて、適宜所定の端末装置400のみに出力させることも可能である。
【0122】
入力部520は、端末入力部130と同様に、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。これら操作ボタンや操作つまみなどの入力操作は、サーバ装置500の動作内容の設定や、記憶手段540に記憶する情報の設定入力、記憶手段540に記憶された情報の更新、などの設定事項の設定入力である。そして、入力部520は、設定事項の入力操作により、設定事項に対応する信号SinをCPU550へ適宜出力して設定入力させる。なお、入力操作としては、操作ボタンや操作つまみなどの操作に限らず、例えば表示部530に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作などにより、各種設定事項を設定入力する構成としてもできる。
【0123】
表示部530は、端末表示部140と同様に、CPU550にて制御されCPU550からの画像データの信号Sdpを画面表示させる。この画像データとしては、記憶手段540からの画像データやネットワーク300を介して外部のサーバから取得した画像データなどが例示できる。
【0124】
記憶手段540は、端末装置400あるいは外部のサーバなどから受信した各種情報、例えば図2および図3に示すような地図情報、図4に示すような渋滞予測テーブル10などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。また、記憶手段540は、ネットワーク300を介してサーバ装置500に接続された各端末装置400に対応付けられた図5に示すようなカレンダテンプレート20を読み出し可能に記憶する。具体的には、この記憶手段540は、図示しない、各種情報が記憶される各種情報記憶領域と、地図情報が記憶される地図情報記憶手段としての地図情報記憶領域と、渋滞予測テーブル10が記憶される統計交通情報記憶手段としての渋滞予測テーブル記憶領域と、カレンダテンプレート20が記憶されるカレンダ記憶領域と、などを備えている。
【0125】
なお、ここでは、記憶手段540が上述した4つの記憶領域を備えた構成について例示したが、これに限らず例えば記憶手段540に上述した記憶領域を備えない構成や、さらに他の記憶領域を備えた構成などとしてもよい。また、記憶手段540としては、HD(Hard Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成などとしてもよい。なお、格納する情報として例えば入力部520の入力操作により入力された情報をも記憶可能で、入力操作により格納された情報の内容が適宜更新可能となっている。また、記憶手段540には、サーバ装置500全体およびナビゲーションシステム200全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどをも情報として記憶している。
【0126】
また、記憶手段540には、例えば地図情報における所定の地点の情報を取得するための検索情報が記憶されている。すなわち、検索情報は、地図情報上で順次細分化される領域となる都道府県名、市町村名、地区名、地点名などの内容やガイダンスなどの各種情報や、地点としての店舗に関する各種情報など、端末装置400からの検索要求に対する情報で、例えば階層状に項目情報が関連付けられたツリー構造のテーブル構造となっている。
【0127】
さらに、記憶手段540には、端末装置400を用いてナビゲーションシステム200を利用する利用者に関する情報である個人情報が記憶されている。個人情報としては、氏名、住所、利用者毎に付与されるIDナンバやパスワードなどの他、ナビゲーションシステム200を利用する端末装置400の形態、端末装置400と情報を送受信するためのアドレス番号、などである。その他、記憶手段540には、ナビゲーション処理の実行に利用される各種情報を、CPU550にて適宜読み取り可能に記憶する。
【0128】
CPU550は、記憶手段540に記憶された各種プログラムとして、図16に示すように、地図出力手段551と、交通情報取得手段としてのVICSデータ取得手段552と、交通情報取得手段としての渋滞状況認識手段553と、サーバ座標マッチング手段554と、地図情報取得手段および移動容易性認識手段としても機能する移動経路探索手段としての経路処理手段555と、情報検索手段556と、カレンダ変更手段557と、計時手段558と、などを備えている。
【0129】
地図出力手段551は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された地図情報に関する情報の配信を要求する旨の情報により、記憶手段540に記憶された地図情報のうちの要求された情報、例えば所定の領域に対応した表示用データVMやマッチングデータMMなどを検索してメモリ信号Smとして読み出す。そして、読み出したメモリ信号Smを処理サーバ信号Scとして適宜変換し、インターフェース510およびネットワーク300を介して処理サーバ信号Scに基づいて所定のあるいは全ての端末装置400に出力し、地図情報の要求された情報を配信する。
【0130】
VICSデータ取得手段552は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された経路の探索要求に関する情報などにより、第1の実施の形態のVICS受信部120と同様に、図示しないVICSからVICSデータを取得する。
【0131】
渋滞状況認識手段553は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された経路の探索要求に関する情報などにより、VICSデータ取得手段552にて取得したVICSデータからメモリ信号Smとして現在渋滞情報を生成する。また、渋滞状況認識手段553は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された渋滞情報さらには渋滞予測を加味したルート探索要求に関する情報により、第1の実施の形態の渋滞状況認識手段187と同様の処理を実施し、メモリ信号Smとして渋滞予測情報を生成する。そして、これら生成したメモリ信号Smを処理サーバ信号Scとして適宜変換し、インターフェース510およびネットワーク300を介して処理サーバ信号Scに基づいて所定のあるいは全ての端末装置400に適宜出力し、現在の渋滞の状況や目的地に到達するまでの渋滞の状況予測などを通知する。
【0132】
サーバ座標マッチング手段554は、上述した端末装置400の座標マッチング手段186と同様に、地図情報のマッチングデータMMのノードNに関する情報である地点情報が同一の点か否かの判断である座標マッチング処理を実施する。
【0133】
経路処理手段555は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された経路の探索要求に関する情報により、第1の実施の形態の経路処理手段188と同様の処理を実施し、メモリ信号Smとして移動経路情報および所要時間情報などを生成する。そして、生成したメモリ信号Smを処理サーバ信号Scとして適宜変換し、インターフェース510およびネットワーク300を介して処理サーバ信号Scに基づいて所定のあるいは全ての端末装置400に出力し、移動経路や所要時間などを通知する。
【0134】
情報検索手段556は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された検索情報の検索要求に関する情報により、第1の実施の形態の情報検索手段189と同様に、記憶手段540に記憶された検索情報を例えば項目情報に基づいて階層状に検索し、メモリ信号Smとして読み出す。そして、読み出したメモリ信号Smを処理サーバ信号Scとして適宜変換し、インターフェース510およびネットワーク300を介して処理サーバ信号Scに基づいて所定の端末装置400に出力し、検索情報を配信する。
【0135】
カレンダ変更手段557は、入力された処理サーバ信号Scに基づいて、この処理サーバ信号Scに記載された、カレンダテンプレート20の変更を要求するカレンダ変更要求情報、および、このカレンダ変更要求情報を生成した端末装置400を特定する例えばIDナンバなどの端末固有情報を認識する。そして、記憶手段540に記憶され端末固有情報により特定される端末装置400に対応付けられ記憶手段540に記憶されたカレンダテンプレート20を、第1の実施の形態のカレンダ変更手段190と同様の処理により適宜更新する。
【0136】
計時手段558は、例えば内部クロックなどの基準パルスに基づいて現在時刻を認識する。そして、この計時手段558は、認識した現在時刻に関する時刻情報を適宜出力する。
【0137】
また、CPU550は、入力部520の入力操作により入力部520から入力される信号Sinに基づいて、入力操作に対応する内容で適宜演算し、信号Sdpなどを適宜生成する。そして、生成した各種信号を表示部530やインターフェース510、記憶手段540に適宜出力して動作させ、入力された内容を実施させる。
【0138】
〔ナビゲーションシステムの動作〕
次に、ナビゲーションシステム200の動作を図面に基づいて説明する。なお、以下において、第1の実施の形態と略同一の処理については、その説明を簡略化する。
【0139】
(カレンダテンプレートの変更処理)
まず、ナビゲーションシステム200の動作として、カレンダテンプレート20の変更処理について、図17に基づいて説明する。なお、ここでは、利用者が、例えばラジオやテレビなどの各種放送など介して取得した、例えば5日に都市Aで祭りが開催される旨の情報に基づいて、サーバ装置500の記憶手段540に記憶された図5に示すようなカレンダテンプレート20を変更する処理について説明する。図17は、カレンダテンプレートの変更処理を示すフローチャートである。
【0140】
まず、車両に搭乗した利用者である搭乗者が端末装置400の電源をオンし、電力を供給する。この電力の供給により、処理部430は、端末表示部140を制御してメインメニューを表示させ、利用者に端末装置400に動作させる内容の設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0141】
そして、図17に示すように、利用者は、例えば端末入力部130の入力操作により、カレンダテンプレート20の変更処理を実施させる旨を設定入力する。処理部430は、カレンダ変更手段557にて、このカレンダテンプレート20の変更処理を実施させる旨の設定入力を認識すると(ステップS301)、カレンダテンプレート20の変更に必要な日付情報、イベント情報などの設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0142】
この後、利用者が表示された表示画面の指示に従って、端末入力部130の入力操作により日付情報、イベント情報などを設定入力すると、処理部430は、設定入力された日付情報、イベント情報などを認識する。そして、処理部430は、認識した日付情報、イベント情報などを記載したカレンダ変更要求情報を生成し(ステップS302)、この生成したカレンダ変更要求情報を送受信器410にてネットワーク300を介してサーバ装置500へ送信させる。このカレンダ変更要求情報の送信の際、端末装置400を特定する端末固有情報を合わせて送信する(ステップS303)。
【0143】
サーバ装置500は、端末装置400から送信されるカレンダ変更要求情報および端末固有情報を受信すると(ステップS304)、カレンダ変更手段557にて、受信したカレンダ変更要求情報に記載された日付情報、イベント情報を認識する処理をする(ステップS305)。具体的には、日付情報により特定される日付を5日と認識し、イベント情報に対応付けられた分類IDナンバを「ID4」と認識する。
【0144】
この後、カレンダ変更手段557は、ステップS304において受信した端末固有情報に基づいて、カレンダ変更要求情報を送信した端末装置400に対応付けられたカレンダテンプレート20を記憶手段540から読み出す(ステップS306)。そして、ステップS305において認識した各種情報が、ステップS306において読み出したカレンダテンプレート20の情報と一致するか否かを判断する(ステップS307)。
【0145】
このステップS307において、カレンダ変更手段557は、一致すると判断した場合には、カレンダテンプレート20を変更せずに処理を終了する。一方で、一致しないと判断した場合には、カレンダテンプレート20をステップS305において認識した各種情報に基づいて変更する(ステップS308)。具体的には、ステップS305において認識した5日の分類IDナンバが「ID4」であり、カレンダテンプレート20から認識した5日の分類IDナンバが「ID1」なので、カレンダ変更手段557は、5日の分類IDナンバを「ID1」から、図9に示すように「ID4」に変更する。そして、この分類IDナンバを変更したカレンダテンプレート20を、カレンダ変更情報を送信した端末装置400に対応付けて記憶手段540に記憶させて処理を終了する。
【0146】
(移動経路の探索処理)
次に、ナビゲーションシステム200の動作として、移動経路の探索処理について、図18に基づいて説明する。図18は、ナビゲーションシステムにおける移動経路の探索処理を示すフローチャートである。
【0147】
まず、図18に示すように、利用者は、端末入力部130の入力操作により、例えば移動するための移動経路の探索処理を実施させる旨を設定入力する。この移動経路の探索処理を実施させる旨の設定入力を処理部430が認識すると(ステップS401)、処理部430は、移動経路の探索に必要な各種情報、例えば目的地、最短距離か最短時間か渋滞予測をするか否かなどの設定事項情報などの設定入力を促す表示画面を端末表示部140に表示させる。
【0148】
そして、処理部430は、移動経路の探索に必要な各種情報を認識すると、まず現在位置認識手段181にて、現在位置に関する現在位置情報を取得するとともに(ステップS402)、目的地認識手段182にて、設定入力された目的地に関する目的地情報を取得する(ステップS403)。また、処理部430は、設定入力された設定事項に関する設定事項情報を取得する(ステップS404)。これら取得した現在位置情報、目的地情報、設定事項情報は、メモリ420に適宜記憶される。
【0149】
この後、処理部430は、送受信器410を制御して、移動経路の探索を要求する旨の信号とともに、メモリ420に記憶してある現在位置情報、目的地情報、設定事項情報をサーバ装置500に送信する処理をする。この各種情報の送信の際、端末装置400を特定する端末固有情報を合わせて送信する(ステップS405)。
【0150】
サーバ装置500は、端末装置400から送信される各種情報を受信すると(ステップS406)、CPU550の経路処理手段555にて、受信した設定事項情報に渋滞予測要求情報が記載されているか否かを判断する(ステップS407)。
【0151】
このステップS407において、CPU550は、経路処理手段555にて渋滞予測要求情報が記載されていないと判断した場合、VICSデータ取得手段552にてVICSデータを取得する。そして、CPU550は、渋滞状況認識手段553にて、取得したVICSデータから現在位置および目的地を含む地域の現在渋滞情報を生成する。この後、CPU550は、経路処理手段555にて、現在位置情報、目的地情報、設定事項情報、現在渋滞情報に基づいて、車両の現在位置から目的地までの移動経路を探索するルート探索処理をする(ステップS408)。
【0152】
具体的には、経路処理手段555は、記憶手段540に記憶された地図情報を用いて、利用者が所望する条件にあったいくつかの移動経路情報を生成する。そして、第1の実施の形態と同様に、絞り込んだ移動経路情報の各移動経路における目的地までの所要時間を求めて所要時間情報を生成する。なお、この移動経路情報の生成の際、第1の実施の形態と同様に、経路処理手段555にて重み情報を生成し、この重み情報に基づいて複数の候補の移動経路における重み付けすなわち推奨する順位を設定して報知、例えば端末表示部140に表示させてもよい。
【0153】
一方で、ステップS407において、経路処理手段555にて渋滞予測要求情報が記載されていると判断した場合、計時手段558から時刻情報を取得し、この取得した時刻情報から現在の日付を認識する。そして、CPU550は、渋滞状況認識手段553にて、ステップS406において受信した端末固有情報に基づいて、ルート探索を要求した端末装置400に対応付けられたカレンダテンプレート20を記憶手段540から読み出す。この後、読み出したカレンダテンプレート20から認識した日付の分類IDナンバを検索して認識する(ステップS409)。また、ステップS406において受信した現在位置情報および目的地情報から現在位置および目的地を認識する。そして、渋滞状況認識手段553は、記憶手段540に記憶された渋滞予測テーブル10から、認識した分類IDナンバに対応し、かつ、現在位置および目的地を含む時系列データ12iを検索して取得する(ステップS410)。
【0154】
この後、CPU550は、ステップS408の処理を実施する。具体的には、CPU550は、渋滞状況認識手段553にて、現在渋滞情報を生成する。そして、CPU550は、経路処理手段555にて、現在位置情報、目的地情報、設定事項情報、現在渋滞情報に基づいて、複数の移動経路を検出し、取得した設定事項情報に基づいて移動経路をいくつかに絞り込んで、利用者が所望する条件にあったいくつかの移動候補経路に関する移動候補経路情報を生成する。
すなわち、CPU550は、経路処理手段555にて、現在位置情報、目的地情報、設定事項情報をメモリ420から取得して、設定事項情報、および、記憶手段540に記憶された地図情報に基づいて、車両の移動経路を検出する。そして、所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した候補経路などを設定した移動候補経路情報を生成する。
【0155】
さらに、CPU550は、渋滞状況認識手段553にて現在日時を計時手段558から取得する。次に、渋滞状況認識手段553は、現在渋滞情報および現在日時に基づいて、経路処理手段555にて生成された移動候補経路情報の移動候補経路上の任意の場所に到達する予測時刻である到達予測時刻を求める。そして、渋滞状況認識手段553は、ステップS410において取得した時系列データ12iに基づいて、各移動候補経路上の任意の場所での到達予測時刻における渋滞の状況を予測し、この予測した渋滞の状況に関する渋滞予測情報を生成する。
【0156】
そして、CPU550は、経路処理手段555にて、移動候補経路情報の移動候補経路を、現在渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて、利用者が所望する条件および現在渋滞状況と渋滞予測状況に対応したいくつかの移動経路に関する移動経路情報を生成する。この後、経路処理手段555は、移動経路情報の各移動経路における所要時間情報を生成する。
また、CPU550は、以下のように移動経路情報を生成することもできる。経路処理手段555にて、現在渋滞情報および渋滞予測情報に基づいて得られる当該移動経路を移動した場合の目的地または当該移動経路上の経由地までの所要予測時間を求め、この所要予測時間に関する所要予測時間情報を生成する。
さらに当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる当該候補経路、例えば回避した候補経路を移動した場合の目的地または当該移動経路上の経由地までの所要予測時間を求め、この所要予測時間に関する所要予測時間情報を生成する。
CPU550はこれらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該候補経路のいずれか一つの経路を選出し、経路処理手段555にて移動経路情報を生成する。
なお、この経路設定処理は、渋滞予測情報のみに基づいて移動経路の選出をしてもよい。
【0157】
このステップS408の後、サーバ装置500は、ステップS406において受信した端末固有情報に基づいて、インターフェース510を制御し、ルート探索処理にて得られた移動経路情報、渋滞予測情報、所要時間情報、現在渋滞情報を地図情報とともに所定の端末装置400に適宜送信する(ステップS411)。なお、マッチングデータMMは、現在位置情報に基づいてあらかじめ取得していてもよい。この地図情報の送信の際、移動経路に対応する道路を表すノードNおよびリンクLを含むマッチングデータMMのマッチングメッシュ情報MMxと、それ以外の領域での表示用データVMの表示用メッシュ情報VMxと、マッチングメッシュ情報MMxに対応する領域における名称情報VMxAおよび背景情報VMxCのみを送信すればよい。
【0158】
そして、各種情報を受信した端末装置400の処理部430は(ステップS412)、受信したマッチングデータMMの座標マッチング処理をし(ステップS413)、道路の状況すなわち道路の接続状況を認識し、メモリ420に適宜記憶させる。さらに、処理部430は、表示制御手段184により、サーバ装置500にて演算された例えば5候補の移動経路に関する移動経路情報を端末表示部140に表示させるとともに、利用者による選択を要求する旨の表示を実施させる。そして、利用者がいずれかの移動経路情報を選択する入力操作により、移動経路が設定される。
【0159】
この後、処理部430は、表示制御手段184にて端末表示部140を制御して、受信した地図情報に、現在位置情報に基づく車両の現在位置を表すアイコンなどの表示とともに、利用者が選択した移動経路に関する移動経路情報、渋滞予測情報、所要時間情報、現在渋滞情報などをそれぞれ重畳して表示させる。
【0160】
そして、処理部430は、センサ部110から出力される各種データに基づいて、車両の移動状況を認識する。さらに、処理部430は、案内報知手段183により、認識した移動状況と、移動経路情報に含まれる経路案内情報とに基づいて車両の移動に関する案内情報を表示あるいは音声により報知し、車両の移動を案内誘導する(ステップS414)。
【0161】
この後、サーバ装置500は、第1の実施の形態と同様に、リルート探索処理を実施する。すなわち、図11に示す実施の形態と同様に、VICSデータ取得手段552にて、VICSデータなどを取得する。そして、CPU550は、VICSデータ取得手段552にて取得したVICSデータなどに基づいて、例えば事故が発生するなど、車両の移動の状態が影響を受けたり、変更したりするおそれがある場合には、ルート探索を再度実施するか否かを確認するためのリルート確認情報を生成する。そして、ステップS406において受信した端末固有情報に基づいて、インターフェース510を制御し、リルート確認情報を所定の端末装置400に送信する。
【0162】
そして、リルート確認情報を受信した端末装置400の処理部430は、表示制御手段184により、受信したリルート確認情報に基づいて、端末表示部140にルート探索を再度実施するか否かの選択を要求する旨の表示とともに、目的地情報、設定事項情報などの設定入力を要求する旨の表示をさせる。この後、処理部430は、利用者による、ルート探索を再度実施するか否かを選択する設定入力、目的地情報や設定事項情報などの設定入力を認識すると、これら認識した情報を記載したリルート要求情報を生成する。そして、送受信器410を制御して、リルート要求情報および端末固有情報を、サーバ装置500に送信する。
【0163】
サーバ装置500は、端末装置400から送信される各種情報を受信すると、受信したリルート要求情報に基づいて、ルート探索を再度実施する旨が選択されたか否かを認識する。そして、ルート探索を実施する旨が選択されていないと認識した場合、特に処理を実施しない。一方で、ルート探索を実施する旨が選択されたと認識した場合、CPU550にて、リルート要求情報に基づいて、図11に示す第1の実施の形態と同様の処理によりルート探索を再度実施する。そして、サーバ装置500は、受信した端末固有情報に基づいて、インターフェース510を制御し、リルート探索処理にて得られた各種情報を、必要がある場合には地図情報とともに所定の端末装置400に送信する。そして、端末装置400の処理部430は、サーバ装置500から各種情報を受信すると、ステップS412およびステップS413の処理を実施する。
【0164】
〔第2の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第2の実施の形態では、端末装置400から車両の現在位置に関する現在位置情報および車両が移動する目的地の位置に関する目的地情報とともに移動経路の探索を要求する旨の要求信号をサーバ装置500が認識すると、サーバ装置500の経路処理手段555が第1の実施の形態と同様に渋滞状況認識手段553にて認識した車両の交通状況に関する現在渋滞情報や渋滞予測情報などの交通情報に基づいて車両の移動経路の候補を複数探索して報知、すなわち案内誘導のために端末装置400へ送信し、端末装置400で利用者が所定の移動経路を設定して端末表示部140に表示させる。
この後、サーバ装置500は、端末装置400で設定された移動経路中に渋滞状況認識手段553にて渋滞や混雑などが発生して移動容易性が変動するような交通情報を取得すると、第1の実施の形態と同様に、その移動経路と他の回避する移動経路との移動容易性、すなわち所要時間を演算し、各移動経路の所要時間に基づく重み付け、すなわち出現確率を演算して重み情報を生成し、この重み情報に基づいていずれかの移動経路を選出して端末装置400へ報知、すなわち送信して端末表示部140に表示させる。このため、第1の実施の形態と同様に、同一の区間を走行する各車両に搭載された端末装置400にて同様の処理により、各車両が出現確率に基づいて各移動経路に振り分けられるので、各移動経路における所要時間が平均化され、一部の道路のみが重度に渋滞するなどを防止でき、安定した交通状況が得られ、良好に車両が走行できる案内誘導が容易に得られる。
また重み情報を生成しない場合であっても、CPU550は、この案内誘導に利用する移動経路において、渋滞状況認識手段553にて車両の移動経路上に渋滞や混雑などが発生したことを認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との所要予測時間を演算し、これらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該回避する移動経路のいずれか一つを選出して端末表示部140に表示させる。
すなわち、第1の実施形態と同様に、CPU550は渋滞状況の推移を適切に認識、判断して移動経路を選出するので、利用者が良好な走行を得るために当該移動経路を走行するのが適切なのか、または当該回避する移動経路を走行するのが適切なのかについて判断する必要がない。そのため、適切な経路探索が可能であって、さらに良好に車両が走行できる経路探索、案内誘導が容易に得られる。
【0165】
また、上記第2の実施の形態では、端末装置400から車両の現在位置情報を取得しているので、リルート探索により報知した移動経路を車両が走行しているか否かを判断できる。このため、リルート探索により報知した移動経路を走行していないと判断した場合、その移動経路の確率を下げるように例えば係数を設定し、他の端末装置400へリルート探索する際の移動経路の選出する確率を変更することもできる。この構成とすることにより、各移動経路における所要時間をより平均化でき、より安定した交通状況が得られ、良好に車両が走行できるより精度の高い案内誘導が容易に得られる。なお、確率値を変動する構成としては、係数を用いる他、いずれの方法が利用できる。
【0166】
さらに、第2の実施の形態では、地図情報とともに渋滞予測に利用する比較的にデータ量が大きい渋滞予測テーブル10をサーバ装置500に格納している。このため、端末装置400の構成を簡略化できるとともに、例えば地図情報や渋滞予測テーブル10の更新もサーバ装置500で実施するのみで、端末装置400でも更新された情報を共有化でき、ナビゲーションシステム200としての保守管理性や運用性を向上できるとともに、端末装置400で適宜最新の情報を取得することが可能で、最新の情報に基づく良好なナビゲーションが得られ、使い勝手がよい。
【0167】
そしてさらには、地図情報および渋滞予測テーブル10を格納するサーバ装置500で移動経路を探索して端末装置400へ配信している。このため、端末装置400における処理負荷を低減でき、端末装置400に大きな処理能力を要求することがなく例えば携帯電話などでも良好に利用することが可能となるなど、端末装置400の構成を簡略化でき、小型軽量化やコストの低減が容易に図れ、利用の拡大が容易に図れる。
【0168】
また、端末装置400の処理部180およびサーバ装置500のCPU550の構成としてプログラムとしているので、地図情報の良好な利用が図れる構成が容易に得られ、利用の拡大が容易にできる。さらには、そのプログラムを記録媒体に記録し、適宜演算手段、すなわちコンピュータに読み取らせる構成とすることで、容易に地図情報の良好な利用が図れる構成が得られるとともに、プログラムを容易に取り扱いでき、利用の拡大が容易にできる。なお、本発明における演算手段としては、1つのコンピュータに限らず、複数のコンピュータをネットワーク状に組み合わせた構成、CPUやマイクロコンピュータなどの素子、あるいは複数の電子部品が搭載された回路基板などをも含む。
【0169】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0170】
すなわち、移動体としては、車両に限らず例えば飛行機や船舶など移動するいずれの移動体にも適用でき、また移動体は、端末装置400を利用するために携帯する利用者の現在位置を端末装置400の現在位置として認識させることで利用者を対象としてもよい。さらには、上述したように、利用者が直接携帯する構成、あるいは携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などを端末装置400として携帯電話やPHSの基地局をサーバ装置500として、携帯電話やPHSなどが基地局から情報を取得する構成などにも適用できる。なお、上述したように、移動体の移動により障害となる渋滞が生じ得る移動体に利用することが特に有効である。
【0171】
さらには、交通状況としては、渋滞状況に限らず、移動体が移動する状態に関する各種状況が対象となる。
【0172】
そして、目的地情報および設定事項情報に基づいて絞り込んだいくつかの移動経路を送信する構成について説明したが、単に現在位置情報および目的地情報のみに基づいて移動経路を設定、すなわちルート探索する構成としてもよい。また、現在位置認識手段で認識する現在位置情報を各種センサからの出力データやGPS受信部から出力されるGPSデータに基づいて取得したが、移動体の現在位置を認識する方法としては、いずれの方法でも適用でき、上述したように、端末入力部130で入力操作した擬似現在位置を現在位置として認識させてもよい。さらに、いくつかに移動経路を報知して利用者が選択する構成に限らず、最適の移動経路を報知する構成としてもよい。
【0173】
そして、リルート探索のみに限らず、車両を案内誘導するための移動経路を探索するルート探索の際にも重み情報に基づいて設定した移動経路を報知してもよい。このような構成とすることにより、より安定した交通状況が得られ、より良好な車両の走行が得られる案内誘導が容易に得られる。
【0174】
また、重み情報に基づいて報知する移動経路を1つのみではなく、複数探索した移動経路の候補を重み情報に基づいて推奨する優位付けをして報知してもよい。
【0175】
また、上述した各機能をプログラムとして構築したが、上述したように、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
【0176】
さらに、第2の実施の形態において、サーバ装置500に地図情報および渋滞予測テーブル10を記憶した構成について説明したが、地図情報および渋滞予測テーブル10の少なくともいずれか一方が端末装置400に記憶した構成としてもよい。
【0177】
また、端末装置400に送受信器410を設けて説明したが、端末装置400と送受信器410を別体とし、送受信器410として例えば携帯電話やPHSなどを用いて、この送受信器410を端末装置400に接続して情報の送受信を適宜実行させる構成とすることもできる。
【0178】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0179】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態では、車両の現在位置に関する現在位置情報と、車両が移動する目的地の位置に関する目的地情報と、車両の交通状況に関する現在渋滞情報や渋滞予測情報などの交通情報とに基づいて、車両の移動経路の候補を複数探索して報知し、この案内誘導に利用する移動経路において、車両の移動における移動容易性に影響を及ぼす渋滞や混雑などが発生して移動容易性が変動するような交通情報を認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との移動容易性、すなわち所要時間を演算し、各移動経路の所要時間に基づく重み付け、すなわち出現確率を演算して重み情報を生成し、この重み情報に基づいていずれかの移動経路を選出させる。このため、同一の区間を走行する各車両に搭載されたナビゲーション装置100にて同様の処理により、各車両が出現確率に基づいて各移動経路に振り分けられるので、各移動経路における所要時間が平均化され、一部の道路のみが重度に渋滞するなどを防止でき、安定した交通状況が得られ、良好に車両が走行できる案内誘導が容易に得られる。
また重み情報を生成しない場合であっても、処理部180は、この案内誘導に利用する移動経路において、渋滞状況認識手段187にて車両の移動経路上に渋滞や混雑などが発生したことを認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との所要予測時間を演算し、これらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該回避する移動経路のいずれか一つを選出して端末表示部140に表示させる。
すなわち、処理部180は渋滞状況の推移を適切に認識、判断して移動経路を選出するので、利用者が良好な走行を得るために当該移動経路を走行するのが適切なのか、または当該回避する移動経路を走行するのが適切なのかについて判断する必要がない。そのため、適切な経路探索が可能であって、さらに良好に車両が走行できる経路探索、案内誘導が容易に得られる。
【0180】
また、上記実施の形態では、端末装置400から車両の現在位置に関する現在位置情報および車両が移動する目的地の位置に関する目的地情報とともに移動経路の探索を要求する旨の要求信号をサーバ装置500が認識すると、サーバ装置500は認識した車両の交通状況に関する現在渋滞情報や渋滞予測情報などの交通情報に基づいて車両の移動経路の候補を複数探索して案内誘導のために端末装置400へ送信し、この端末装置400で設定された移動経路中に渋滞や混雑などの移動容易性が変動するような交通情報を認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との移動容易性、すなわち所要時間を演算し、各移動経路の所要時間に基づく重み付け、すなわち出現確率を演算して重み情報を生成し、この重み情報に基づいていずれかの移動経路を選出して端末装置400へ報知する。このため、同一の区間を走行する各車両に搭載された端末装置400にて同様の処理により、各車両が出現確率に基づいて各移動経路に振り分けられるので、各移動経路における所要時間が平均化され、一部の道路のみが重度に渋滞するなどを防止でき、安定した交通状況が得られ、良好に車両が走行できる案内誘導が容易に得られる。
また重み情報を生成しない場合であっても、CPU550は、この案内誘導に利用する移動経路において、渋滞情報認識手段553にて車両の移動経路上に渋滞や混雑などが発生したことを認識すると、その移動経路と他の回避する移動経路との所要予測時間を演算し、これらの所要予測時間に応じて当該移動経路または当該回避する移動経路のいずれか一つを選出して端末表示部140に表示させる。
すなわち、CPU550は渋滞状況の推移を適切に認識、判断して移動経路を選出するので、利用者が良好な走行を得るために当該移動経路を走行するのが適切なのか、または当該回避する移動経路を走行するのが適切なのかについて判断する必要がない。そのため、適切な経路探索が可能であって、さらに良好に車両が走行できる経路探索、案内誘導が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記第1の実施の形態における地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図3】前記第1の実施の形態における地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図4】前記第1の実施の形態における渋滞予測テーブルにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図5】前記第1の実施の形態におけるカレンダテンプレートにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図6】前記第1の実施の形態におけるナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】前記第1の実施の形態における移動経路設定時の重み情報を生成する際の経路を示す概念図である。
【図8】前記第1の実施の形態におけるカレンダテンプレートの変更処理を示すフローチャートである。
【図9】前記第1の実施の形態におけるカレンダ変更手段にて更新されたカレンダテンプレートにおけるデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図10】前記第1の実施の形態における移動経路の探索処理を示すフローチャートである。
【図11】前記第1の実施の形態におけるリルート探索時のリルート探索処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図13】前記第2の実施の形態における端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図14】前記第2の実施の形態における端末装置の処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図15】前記第2の実施の形態におけるサーバ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図16】前記第2の実施の形態におけるサーバ装置のCPUの概略構成を示すブロック図である。
【図17】前記第2の実施の形態におけるカレンダテンプレートの変更処理を示すフローチャートである。
【図18】前記第2の実施の形態における移動経路の探索処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0182】
100…経路探索装置としてのナビゲーション装置
120…交通情報取得手段としてのVICS受信部
140…報知手段を構成する表示手段である端末表示部
181…現在位置情報取得手段としての現在位置認識手段
182…目的地情報取得手段としての目的地認識手段
183…報知手段を構成する案内報知手段
184…報知手段としても機能する表示制御手段
187,553…地図情報取得手段および統計交通情報取得手段としても機能する交通情報取得手段としての渋滞状況認識手段
188,555…移動容易性認識手段としても機能する移動経路探索手段としての経路処理手段
200…案内誘導システムとしてのナビゲーションシステム
300…ネットワーク
400…経路探索装置としても機能し得る端末装置
500…経路探索装置としても機能し得るサーバ装置
540…記憶手段
552…交通情報取得手段としてのVICSデータ取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの移動経路を探索する経路処理手段と、
外部から現在の渋滞に関する渋滞情報を取得する交通情報取得手段と、
過去の交通状況を時間的要素にて統計処理することにより得られる道路毎の渋滞状況の傾向に関する渋滞状況データを記憶する記憶手段と、
前記渋滞状況データに基づいて渋滞の発生予測に関する渋滞予測情報を生成する渋滞状況認識手段と、
前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、前記経路処理手段を制御して、当該渋滞を回避する回避経路を探索させる処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を移動した場合の前記目的地または前記移動経路上の経由地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記回避経路を移動した場合の前記目的地または前記経由地点までの所要予測時間とに応じて、前記移動経路または前記回避経路の一つを選出することを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記経路処理手段によって探索された移動経路または回避経路を報知する報知手段を更に備えるとともに、
前記処理部は前記報知手段を制御して前記選出した移動経路または回避経路を報知させることを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記経路処理手段は、前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、当該移動経路上における同一の分岐位置から同一の合流位置までの複数の異なる回避候補経路を探索し、
前記処理部は、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を前記分岐位置から前記合流位置まで移動した場合の所要予測時間と、当該渋滞情報ならびに当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記複数の異なる回避候補経路の夫々を前記分岐位置から前記合流位置まで移動した場合の所要予測時間と、に応じて、前記移動経路と前記複数の回避候補経路との中から一つを選出することを特徴とする請求項1または2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
移動経路を要求する端末装置と、
この端末装置がネットワークを介して送受信可能に接続され前記移動経路を前記端末装置に報知する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の経路探索装置と、
を具備したことを特徴とした経路探索システム。
【請求項5】
移動経路を要求する旨の要求信号を生成する要求信号生成手段および前記移動経路を出力する出力手段を備えた端末装置と、
この端末装置がネットワークを介して送受信可能に接続され、目的地までの移動経路を探索する経路処理手段と、外部から現在の渋滞に関する渋滞情報を取得する交通情報取得手段と、過去の交通状況を時間的要素にて統計処理することにより得られる道路毎の渋滞状況の傾向に関する渋滞状況データを記憶する記憶手段と、前記渋滞状況データに基づいて渋滞の発生予測に関する渋滞予測情報を生成する渋滞状況認識手段と、前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、前記経路処理手段を制御して、当該渋滞を回避する回避経路を探索させるとともに、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を移動した場合の前記目的地または前記移動経路上の経由地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記回避経路を移動した場合の前記目的地または前記経由地点までの所要予測時間とに応じて、前記移動経路または前記回避経路の一つを選出する処理部を備えたサーバ装置と、
を具備したことを特徴とした経路探索システム。
【請求項6】
経路処理手段と交通情報取得手段と記憶手段と渋滞状況認識手段と処理部とを備えた経路探索装置を用いて移動体の移動する経路を探索する経路探索方法であって、
経路処理手段にて目的地までの移動経路を探索し、
交通情報取得手段にて外部から現在の渋滞に関する渋滞情報を取得し、
記憶手段にて過去の交通状況を時間的要素にて統計処理することにより得られる道路毎の渋滞状況の傾向に関する渋滞状況データを記憶し、
渋滞状況認識手段にて前記渋滞状況データに基づいて渋滞の発生予測に関する渋滞予測情報を生成し、
前記交通情報取得手段によって取得された渋滞情報で示される渋滞が前記移動経路上に存在する場合に、処理部にて前記経路処理手段を制御して、当該渋滞を回避する回避経路を探索させるとともに、前記渋滞情報ならびに前記渋滞予測情報に基づいて得られる前記移動経路を移動した場合の前記目的地または前記移動経路上の経由地までの所要予測時間と、当該渋滞情報と当該渋滞予測情報に基づいて得られる前記回避経路を移動した場合の前記目的地または前記経由地点までの所要予測時間とに応じて、前記移動経路または前記回避経路の一つを選出する
ことを特徴とする経路探索方法。
【請求項7】
請求項6に記載の経路探索方法を演算手段に実行させることを特徴とした経路探索プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の経路探索プログラムが演算手段にて読取可能に記録された
ことを特徴とした経路探索プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−69160(P2009−69160A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288131(P2008−288131)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【分割の表示】特願2003−340029(P2003−340029)の分割
【原出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】