説明

表面検査装置および表面検査方法

【課題】欠陥の種類を特定可能な表面検査装置を提供する。
【解決手段】表面検査装置1は、ステージ20を用いて設定した複数の設定角度において、照明系30が繰り返しパターンを有するウェハ10の表面に直線偏光を照射するとともに、受光系40がウェハ10からの正反射光のうち直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出し、複数の設定角度毎に検出した偏光成分に基づいて画像処理部50がウェハ10の繰り返しパターンにおける欠陥の種類を特定するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検基板の繰り返しパターン(ライン・アンド・スペースパターン)に直線偏光を照射して生じる正反射光の偏光成分に基づいて、繰り返しパターンの欠陥を検出する表面検査装置および表面検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハの表面に形成された繰り返しパターン(ライン・アンド・スペースパターン)の欠陥を検査する検査装置として、従来から、回折光を利用したものが知られている。回折光を利用した装置では、パターンのピッチが短くなると、ブラッグの条件を満足するために短波長の光を使用する必要がある。しかしながら、短波長の光を用いると、装置が高価になるばかりでなく、レジストパターンの検査を行う場合にレジストを感光させてしまうという問題がある。
【0003】
これに対し、繰り返しパターンの構造性複屈折を利用した検査装置が提案されている。この装置は、繰り返しパターンへ直線偏光を照射し、その偏光成分と直交する成分の光を検出して検査を行うものである(例えば、特許文献1を参照)。このような装置によれば、レジストの繰り返しパターンに崩れ(すなわち欠陥)がある場合、検出される正反射光(偏光成分)の光量(光の強度)はパターンに崩れが無い場合と比較して低下するため、正反射光(偏光成分)の光量から繰り返しパターンの欠陥を検出することが可能になる。これにより、回折光が出ないような微細な繰り返しパターンの検査を、短波長の光を用いることなく実施できる。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0280806A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の検査装置では、繰り返しパターンの欠陥(崩れ)を検出することはできたが、検出した欠陥の種類を特定することができなかった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、欠陥の種類を特定可能な表面検査装置および表面検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的達成のため、本発明の第1形態では、所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に直線偏光を照射する照明部と、前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査部と、前記繰り返しパターンの繰り返し方向と前記被検基板の表面における前記直線偏光の振動方向とのなす角度を所定の設定角度に設定可能な角度設定部とを備え、前記角度設定部により設定された複数の前記設定角度において、前記照明部が前記被検基板の表面に前記直線偏光を照射するとともに、前記検出部が前記正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出し、前記検出部により前記複数の前記設定角度毎に検出した前記偏光成分に基づいて前記検査部が前記欠陥の種類を特定することを特徴とする表面検査装置を提供する。
【0007】
本発明の第2形態では、所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に直線偏光を照射する照明工程と、前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出する検出工程と、前記検出工程で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査工程と、前記繰り返しパターンの繰り返し方向と前記被検基板の表面における前記直線偏光の振動方向とのなす角度を所定の設定角度に設定する角度設定工程と、前記角度設定工程により設定された複数の前記設定角度において、前記被検基板の表面に前記直線偏光を照射するとともに、前記正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出し、前記複数の前記設定角度毎に検出した前記偏光成分に基づいて前記欠陥の種類を特定する特定工程とを有することを特徴とする表面検査方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、欠陥の種類を特定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態の表面検査装置1は、図1に示すように、被検基板である半導体ウェハ10(以下、ウェハ10と称する)を支持するステージ20と、照明系30と、受光系40とを備えて構成されている。また、表面検査装置1は、受光系40で撮像された画像の画像処理を行う画像処理部50と、受光系40で撮像された画像や画像処理部50による画像処理結果を表示するモニタ55とを備えている。表面検査装置1は、半導体回路素子の製造工程において、ウェハ10の表面の検査を自動的に行う装置である。ウェハ10は、最上層のレジスト膜への露光・現像後、不図示の搬送系により、不図示のウェハカセットまたは現像装置から運ばれ、ステージ20に吸着保持される。
【0010】
ウェハ10の表面には複数のチップ領域が配列され、各チップ領域の中には、図2に示すように、複数のライン部2Aと、隣り合うライン部2A同士の間に位置するスペース部2Bとからなる繰り返しパターン12(ライン・アンド・スペースパターン)が形成されている。繰り返しパターン12は、複数のライン部2Aがその短手方向に沿って一定の繰り返しピッチPで配列されたレジストパターン(例えば、配線パターン)である。なお、ライン部2Aの配列方向を「繰り返しパターン12の繰り返し方向」とする。
【0011】
ここで、繰り返しパターン12におけるライン部2Aの線幅の設計値をピッチPの1/2とする。すなわち、繰り返しパターン12は、ライン部2Aとスペース部2Bとを繰り返し方向に沿って交互に配列した凹凸形状を有しており、適正な露光フォーカスで設計値の通りに形成された場合、ライン部2Aの線幅とスペース部2Bの線幅は等しくなり、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比は略1:1になる。このような形状を理想的な形状とも呼称する。
【0012】
また、本実施形態においては、繰り返しパターン12に対する照明光(後述する直線偏光)の波長と比較して繰り返しパターン12のピッチPが十分小さいものとする。このため、繰り返しパターン12から回折光が発生することはなく、繰り返しパターン12の欠陥検査を回折光により行うことはできない。
【0013】
表面検査装置1のステージ20は、ウェハ10を上面で支持して、例えば真空吸着により固定保持する。さらに、ステージ20は、上面の中心における法線A1を中心軸として回転可能である。この回転機構によって、ウェハ10における繰り返しパターン12の繰り返し方向を、ウェハ10の表面内で回転させることができる。なお、ステージ20は、上面が水平面であり、ウェハ10を常に水平な状態に保つことができる。
【0014】
本実施形態においては、繰り返しパターン12の欠陥検査の感度を最も高くするため、ウェハ10における繰り返しパターン12の繰り返し方向を、図3に示すように、ウェハ10の表面における照明光(直線偏光L)の振動方向に対して、45度の角度に傾けて設定する。なお、角度は45度に限らず、22.5度や67.5度など任意角度方向に設定可能である。
【0015】
照明系30は、図1に示すように、照明装置31と、第1の偏光板32と、第1の凹面反射鏡33とを有して構成される。照明装置31は、図示しない水銀ランプ等の光源および波長選択フィルタを有して構成され、特定の波長を有する光を射出することができるようになっている。第1の偏光板32は、照明装置31から射出された光を透過軸の向きに応じた直線偏光L(図3を参照)にする。第1の凹面反射鏡33は、第1の凹面反射鏡33で反射する第1の偏光板32からの光を平行光束にして、被検基板であるウェハ10へ照射する。すなわち照明系30は、ウェハ10側に対してテレセントリックな光学系である。
【0016】
上記の照明系30において、照明装置31からの光は、第1の偏光板32および第1の凹面反射鏡33を介してp偏光の直線偏光Lとなり、ウェハ10の表面全体に入射する。このとき、ウェハ10の各点における直線偏光Lの入射角度は、平行光束のため互いに同じであり、光軸と法線A1とのなす角度θに相当する。
【0017】
なお、本実施形態では、ウェハ10に入射する直線偏光Lがp偏光であるため、図3に示すように、繰り返しパターン12の繰り返し方向が直線偏光Lの入射面(ウェハ10の表面における直線偏光Lの進行方向)に対して45度の角度に設定された場合、ウェハ10の表面における直線偏光Lの振動方向と繰り返しパターン12の繰り返し方向とのなす角度も、45度に設定される。言い換えると、直線偏光Lは、ウェハ10の表面における直線偏光Lの振動方向が繰り返しパターン12の繰り返し方向に対して45度傾いた状態で、繰り返しパターン12を斜めに横切るようにして繰り返しパターン12に入射することになる。
【0018】
受光系40は、図1に示すように、第2の凹面反射鏡41と、第2の偏光板42と、撮像装置43とを有して構成され、その光軸がステージ20の中心を通る法線A1に対して角度θだけ傾くように配設される。従って、繰り返しパターン12からの正反射光は、受光系40の光軸に沿って進行することになる。第2の凹面反射鏡41は、第1の凹面反射鏡33と同様の反射鏡であり、繰り返しパターン12からの正反射光を反射させて撮像装置43の撮像面上に集光する。
【0019】
ただし、第2の凹面反射鏡41と撮像装置43との間には、第2の偏光板42が配設されている。第2の偏光板42の透過軸の方位は、上述した照明系30の第1の偏光板32の透過軸に対して直交するように設定されている(クロスニコルの状態)。したがって、第2の偏光板42により、繰り返しパターン12からの正反射光のうち直線偏光Lと振動方向が略直角な偏光成分(例えば、s偏光の成分)を抽出して、撮像装置43に導くことができる。その結果、撮像装置43の撮像面には、繰り返しパターン12からの正反射光のうち直線偏光Lと振動方向が略直角な偏光成分によるウェハ10の反射像が形成される。
【0020】
撮像装置43は、例えばCCD撮像素子等から構成され、撮像面に形成されたウェハ10の反射像を光電変換して、画像信号を画像処理部50に出力する。ウェハ10の反射像の明暗は、撮像装置43で検出された偏光成分の光量(光強度)に略比例し、繰り返しパターン12の形状に応じて変化する。ウェハ10の反射像が最も明るくなるのは、繰り返しパターン12が理想的な形状の場合(パターンに崩れがない場合)である。なお、ウェハ10の反射像の明暗は、ショット領域ごとに現れる。
【0021】
画像処理部50は、撮像装置43から出力される画像信号に基づいて、ウェハ10の反射画像を取り込む。なお、画像処理装置50は、比較のため、良品ウェハの反射画像を予め記憶している。良品ウェハとは、繰り返しパターン12が理想的な形状で表面全体に形成されたものである。そのため、良品ウェハの反射画像での信号強度として現れる光量(光の強度)は、最も高い値を示すと考えられる。
【0022】
したがって、画像処理部50は、被検基板であるウェハ10の反射画像を取り込むと、その光量(信号強度)を良品ウェハの反射画像の光量(信号強度)と比較する。そして、ウェハ10の反射画像における暗い箇所の光量の低下量に基づいて、繰り返しパターン12の欠陥を検出する。例えば、光量変化が予め定められた閾値(許容値)より大きければ「欠陥」と判定し、閾値より小さければ「正常」と判断すればよい。そして、画像処理部50による光量の比較結果およびそのときのウェハ10の反射画像がモニタ55で出力表示される。
【0023】
なお、画像処理部50においては、上述のように、良品ウェハの反射画像を予め記憶しておく構成の他、ウェハ10のショット領域の配列データと光量の閾値を予め記憶しておく構成でもよい。この場合、ショット領域の配列データに基づいて、取り込まれたウェハ10の反射画像中における各ショット領域の位置が分かるので、各ショット領域の光量を求める。そして、その光量と記憶されている閾値とを比較することにより、パターンの欠陥を検出する。閾値より光量が小さいショット領域を「欠陥」と判断すればよい。
【0024】
このような構成の表面検査装置1を用いた表面検査方法について、図4に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。まず、ステップS101において、被検基板であるウェハ10の表面に直線偏光Lを照射する。このとき、照明装置31から射出された光は、第1の偏光板32でp偏光の直線偏光Lに変換されるとともに、第1の凹面反射鏡33で平行光束となってウェハ10の表面に照射される。
【0025】
ウェハ10の表面で反射した正反射光は、第2の凹面反射鏡41により集光され、第2の偏光板42で正反射光のうち直線偏光Lと振動方向が略直角な偏光成分(例えば、s偏光の成分)が抽出されて撮像装置43の撮像面上に導かれる。そこで、次のステップS102において、撮像装置43の撮像面上に導かれた偏光成分を、撮像装置43により検出する。このとき、撮像装置43は、撮像面上に形成された、正反射光のうち直線偏光Lと振動方向が略直角な偏光成分によるウェハ10の反射像を光電変換して、画像信号を画像処理部50に出力する。
【0026】
そして、次のステップS103において、先のステップで検出した偏光成分に基づいて、繰り返しパターン12における欠陥の有無を検査する。このとき、画像処理部50は、撮像装置43から入力されたウェハ10の画像の光量(信号強度)を、良品ウェハの画像の光量(信号強度)と比較し、光量変化が予め設定した閾値を超えたとき、欠陥があると判定する。
【0027】
ところで、繰り返しパターン12に欠陥があると画像処理部50が判定すると、ステージ20を回転させ、繰り返しパターン12の繰り返し方向を、ウェハ10の表面における直線偏光Lの振動方向に対して、(45度から)67.5度の角度に傾ける設定を行う。次に、67.5度の設定角度において、ステップS101およびステップS102と同様に、ウェハ10の表面に直線偏光Lを照射するとともに、ウェハ10からの正反射光のうち直線偏光Lと振動方向が略直角な偏光成分を検出する。そして、45度および67.5度の設定角度で検出した偏光成分の光量に基づいて、或る欠陥の種類を特定する。
【0028】
本願の発明者は、図5に示すような、ライン部の伸長方向に対してウェハ10の表面内で一方に傾斜する傾斜依存性を有する欠陥を含んだ繰り返しパターン12′において、前述のような複数の設定角度で偏光成分を検出し、偏光成分の光量変化率(コントラスト)を算出すると、複数の設定角度でコントラスト差が生じることを発見した。例えば、図6(a)および(b)に示すように、検出した偏光成分の光量分布(光の強度分布)をコントラスト分布に変換すると、設定角度で67.5度の場合の方が45度の場合よりもコントラストが相対的に高くなることを発見した。なお、本実施形態において、光量変化率(コントラスト)は、光量の最大値、すなわち良品ウェハの場合の光量と検出した光量との光量差から、光量の最大値を除した値と定義する。また、図5に示すような繰り返しパターン12′の傾斜角度を非対称角αと定義する。
【0029】
そこで、画像処理部50は、45度および67.5度の設定角度で検出した偏光成分の光量から、前述した光量のコントラストを算出し、図6(b)に示すコントラスト差を利用して(具体的には、67.5度の設定角度におけるコントラストと、45度の設定角度におけるコントラストとのコントラスト差を算出し、算出したコントラスト差から図6(b)のグラフより非対称角αを逆算するようにして)傾斜依存性を有する欠陥を含んだ繰り返しパターン12′の傾斜角度(非対称角α)を算出する。これにより、ウェハ10の表面内で一方に傾斜する傾斜依存性を有する欠陥を含んだ繰り返しパターン12′の傾斜角度(非対称角α)を求めることができる。なお、コントラストの差が生じない場合、繰り返しパターンは他の種類の欠陥を有することになる。このように、本実施形態の表面検査装置1によれば、繰り返しパターンで検出される欠陥の種類を特定することが可能になる。
【0030】
またこのとき、前述したように、複数の設定角度毎に検出した光量変化率(コントラスト)に基づいて欠陥の種類を特定することで、比較的容易に欠陥の種類を特定することができる。
【0031】
なお、特定する欠陥の種類は、前述したように、繰り返しパターン12の少なくとも一部がウェハ10の表面内で一方に傾斜する傾斜依存性を有する欠陥であり、本実施形態はこのような欠陥を特定するのに効果的である。
【0032】
なお、図7(および図8)に示すように、繰り返しパターン12″(12′′′)が対称的に崩れている場合(すなわち、欠陥が傾斜依存性を有さない場合)、上述の実施形態で述べたコントラストの差は生じないことが知られている。
【0033】
また、上述の実施形態において、45度および67.5度の設定角度で偏光成分を検出しているが、これに限られるものではなく、例えば、さらに22.5度の設定角度で偏光成分を検出するようにしてもよく、複数の任意の設定角度について偏光成分を検出するようにすればよい。
【0034】
また、上述の実施形態において、直線偏光Lがp偏光である例を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、p偏光ではなくs偏光にしてもよい。なおこのとき、撮像装置43で検出する偏光成分は、例えばp偏光の成分となる。
【0035】
また、上述の実施形態では、照明装置31からの照明光と第1の偏光板32を利用して、直線偏光Lを作り出すように構成されているが、これに限られるものではなく、直線偏光を供給するレーザーを光源として使用すれば第1の偏光板32は必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る表面検査装置の全体構成を示す図である。
【図2】繰り返しパターンの概略図である。
【図3】直線偏光の入射面と繰り返しパターンの繰り返し方向との傾き状態を説明する図である。
【図4】表面検査装置を用いた表面検査のフローチャートである。
【図5】傾斜依存性を有する欠陥を含んだ繰り返しパターンの概略図である。
【図6】(a)は偏光成分の光量と非対称角との関係を示すグラフであり、(b)は光量のコントラストと非対称角との関係を示すグラフである。
【図7】傾斜依存性を有さない欠陥を含んだ繰り返しパターンの概略図である。
【図8】傾斜依存性を有さない欠陥を含んだ繰り返しパターンの別例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1 表面検査装置
10 ウェハ(被検基板) 12 繰り返しパターン
20 ステージ(角度設定部) 30 照明系(照明部)
40 受光系(検出部) 50 画像処理部(検査部)
L 直線偏光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に直線偏光を照射する照明部と、
前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査部と、
前記繰り返しパターンの繰り返し方向と前記被検基板の表面における前記直線偏光の振動方向とのなす角度を所定の設定角度に設定可能な角度設定部とを備え、
前記角度設定部により設定された複数の前記設定角度において、前記照明部が前記被検基板の表面に前記直線偏光を照射するとともに、前記検出部が前記正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出し、前記検出部により前記複数の前記設定角度毎に検出した前記偏光成分に基づいて前記検査部が前記欠陥の種類を特定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
前記検査部は、前記検出部により検出した前記偏光成分の光量変化率を前記複数の前記設定角度毎に算出し、前記複数の前記設定角度毎に算出した前記光量変化率に基づいて前記欠陥の種類を特定することを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置。
【請求項3】
前記欠陥の種類は、前記繰り返しパターンの少なくとも一部が前記被検基板の表面内で一方に傾斜する傾斜依存性を有する欠陥であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の表面検査装置。
【請求項4】
所定の繰り返しパターンを有する被検基板の表面に直線偏光を照射する照明工程と、
前記直線偏光が照射された前記被検基板の表面からの正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出された前記偏光成分に基づいて、前記繰り返しパターンにおける欠陥の有無を検査する検査工程と、
前記繰り返しパターンの繰り返し方向と前記被検基板の表面における前記直線偏光の振動方向とのなす角度を所定の設定角度に設定する角度設定工程と、
前記角度設定工程により設定された複数の前記設定角度において、前記被検基板の表面に前記直線偏光を照射するとともに、前記正反射光のうち前記直線偏光と振動方向が略直角な偏光成分を検出し、前記複数の前記設定角度毎に検出した前記偏光成分に基づいて前記欠陥の種類を特定する特定工程とを有することを特徴とする表面検査方法。
【請求項5】
前記特定工程では、前記検出工程により検出した前記偏光成分の光量変化率を前記複数の前記設定角度毎に算出し、前記複数の前記設定角度毎に算出した前記光量変化率に基づいて前記欠陥の種類を特定することを特徴とする請求項4に記載の表面検査方法。
【請求項6】
前記欠陥の種類は、前記繰り返しパターンの少なくとも一部が前記被検基板の表面内で一方に傾斜する傾斜依存性を有する欠陥であることを特徴とする請求項4もしくは請求項5に記載の表面検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−145129(P2009−145129A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321152(P2007−321152)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】