説明

視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法

【課題】光空間変調素子とイメージャとを組み合わせることによって、従来では得られることのなかった新たな視覚情報処理を実現可能な視覚情報処理システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る視覚情報処理システムは、光源からの放射光を所定の光パターンに基づいて変調する光空間変調素子を有し、光パターンに基づいて変調された放射光を撮像対象物に照射する光パターン生成部と、光パターンが重畳された撮像対象物を撮像し、撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部とを備え、光パターンは、三角測量原理に基づいて前記撮像対象物の3次元情報を得ることができる複数の光パターンであると共に、画像特徴抽出部で抽出された特徴量に基づいて光パターンの種類及び数の少なくとも一方が適応制御される光パターンであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法に係り、特に、光空間変調素子及び高速撮像素子を用いた視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、CMOS画像センサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置やカメラは、民生用、産業用を問わず多種多様な形態でその応用分野を広めつつある。
【0003】
特に、産業用の撮像装置の分野においては、対象物の物理的変動を画像データから抽出し、抽出した情報を各種制御システムの入力値やフィードバック値として用いるといった応用形態が普及してきている。
【0004】
例えば、移動物体を撮像することにより、移動物体の重心位置や移動物体の姿勢角といった物理量を抽出し、これらの物理量或いはその変化量に基づいて各種制御、例えばロボットアームの制御等を行うシステムがある。このような制御システムに用いられる撮像装置では、対象物の移動速度等にも依存するが、一般的には民生用の応用に比べるとはるかに高い解像度や高フレームレートをリアルタイムで実現することが必要となってくる。
【0005】
特許文献1が開示する撮像カメラ装置は、高空間解像度と高速リアルタイム性を両立させる技術を開示している。図15は、特許文献1が開示する撮像カメラ装置200の構成を示すものであり、高空間解像度を有するイメージャ(固体撮像素子)20と、演算部30と、座標変換部40とを備えている。
【0006】
演算部30には、イメージャ20の全画像(M×N)の中から、座標変換部40で指定された部分画像(m×n)の画像データ(現在のフレームタイムの画像データ)が切り出されて入力される。演算部30では、部分画像のデータから画像特徴量ξを抽出する演算を行う。画像特徴量ξとは、例えば、部分画像データに含まれる対象物の大きさ、位置、姿勢角等、或いはこれらの変化量等である。座標変換部40では、抽出された画像特徴量ξに基づいて、次のフレームタイムに切り出すべき部分画像の座標(m’×n’)を計算する。例えば、対象物が平行移動や回転移動している場合には、前フレームの部分画像の座標(m×n)に対してアフィン変換等によって平行移動や回転移動をさせる座標変換を施し、次フレームの部分画像の座標(m’×n’)を算出する。
【0007】
算出された次フレームの座標(m’×n’)をイメージャの全画像の中から順次読み出して新たな部分画像(m’×n’)の画像データを演算部30に入力する。
【0008】
特許文献1が開示する撮像カメラ装置200では、演算部30で算出された画像特徴量ξをフィードバックすることにより、イメージャの全画像データを読み出すのではなく、必要な部分的な画像を読み出すことが可能となり、高空間解像度を維持しつつ高速リアルタイム性を実現することができる。
【0009】
他方、今日、撮像対象物を2次元画像としてだけでなく3次元画像として撮像する技術も開発されつつある。例えば、非特許文献1には、三角測量原理に基づいた3次元画像の生成方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−319262号公報
【非特許文献1】“画像処理・実験の概要”、[online]、[平成17年4月1日検索]、インターネット<URL:http://www.image.esys.tsukuba.ac.jp/range_finder/gaiyo.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近時、光空間変調素子と呼ばれるデバイスが開発、実用化されプロジェクタ装置等に多く用いられるようになってきている。光空間変調素子には、液晶ライトバルブ等の透過型のものと、DMD(Digital Micro-mirror Device)と呼ばれる反射型のものがある。
【0011】
透過型の光空間変調素子を用いたプロジェクタ装置では、画像信号を液晶ライトバルブに印加し、光源からの光を液晶ライトバルブに透過させて前方のスクリーン等に画像を投影する。
【0012】
一方、反射型の空間変調素子を用いたプロジェクタ装置は、光源からの光をDMDに反射させた後、前方のスクリーン等に画像を投影するものである。DMDには多数の微小なミラーが画素数に対応する数だけ配置されており、ミラーの角度を画素毎に変えることによりスクリーンに投影する光の量を画素毎にオン・オフさせ2次元画像を形成するものである。ミラーの角度の変化はオン・オフ信号によって2値的に変化するが、パルス幅変調によってオン・オフの周期を設定することにより人間の眼に対しては連続的な光の強度を表現することができる。また、画素毎、フレーム毎にパルス幅変調のデューティ比を変化させることにより、空間的にも時間的にも連続な動画像を形成することができる。
【0013】
従来、液晶ライトバルブやDMD等の光空間変調素子は、専らプロジェクタ装置に用いられることが多かった。高輝度化、高速化のシステム技術の進展に伴って、プレゼンテーション用のプロジェクタに留まらず、大型テレビとして、或いは劇場映画用のプロジェクタとして多方面に活用されるようになってきているものの、基本的にはプロジェクタ装置の画像形成素子として用いられている。
【0014】
本発明に係る視覚情報処理システムは、これらの光空間変調素子を従来の画像形成素子として用いるものではない。
【0015】
画像形成(撮像)そのものは、CMOS画像センサ等の固体撮像素子で行う。同時に、液晶ライトバルブやDMD等の光空間変調素子を用いて、固体撮像素子に入射する対象物からの光に対して空間的、時間的な変調を施すものである。
【0016】
本発明に係る視覚情報処理システムは、光空間変調素子と固体撮像素子とを組み合わせることによって、従来では得られることのなかった新たな視覚情報処理を実現することを目的とする。
【0017】
特に、特許文献1が開示する技術のようにイメージャ(固体撮像素子)で撮像された画像データから画像特徴量を抽出し、この画像特徴量に基づいたフィードバックループ中に光空間変調素子を設けることにより、対象物の動き、変化に適応した新たな視覚情報処理を実現することを目的とする。
【0018】
具体的には、本発明の目的のひとつは、光空間変調素子とイメージャ(固体撮像素子)とを組み合わせることによって、移動物も含めた撮像対象物の3次元画像を画像特徴量に基づいたフィードバック制御により高速にかつ高効率で生成することができる視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の他の目的は、光空間変調素子とイメージャとを組み合わせることによって、明暗の差が非常に大きく、かつその差が時間的、空間的に変化する対象物に対しても適正な明度のダイナミックレンジを確保することができる視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法を提供することにある。
【0020】
また、本発明の他の目的は、光空間変調素子とイメージャとを組み合わせることによって、画像全体としては解像度をある程度犠牲にして高感度の画像データを提供しつつも、特定の固定或いは移動対象物については高解像度を実現することができる視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法を提供することにある。
【0021】
また、本発明の他の目的は、光空間変調素子とイメージャとを組み合わせることによって、所定の輝度変動を画素毎に抽出し、輝度変動スペクトラム画像を生成することができる視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法を提供することにある。
【0022】
さらに、本発明の他の目的は、光空間変調素子とイメージャとを組み合わせることによって、画像全体、又は特定の固定若しくは移動対象物に対してエッジ強調等の空間フィルタ処理を施すことができる視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するため、本発明に係る視覚情報処理システムは、請求項1に記載したように、光源からの放射光を所定の光パターンに基づいて変調する光空間変調素子を有し、前記光パターンに基づいて変調された前記放射光を撮像対象物に照射する光パターン生成部と、前記光パターンが重畳された前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部とを備え、前記光パターンは、三角測量原理に基づいて前記撮像対象物の3次元情報を得ることができる複数の光パターンであると共に、前記画像特徴抽出部で抽出された特徴量に基づいて光パターンの種類及び数の少なくとも一方が適応制御される光パターンであることを特徴とする。本構成による視覚情報処理システムによれば、移動物も含めた撮像対象物の3次元画像を画像特徴量に基づいたフィードバック制御により高速にかつ高効率で生成することができる。
【0024】
また、本発明に係る視覚情報処理システムは、請求項2に記載したように、所定の画素領域を有し、撮像対象物からの入射光の露光時間を画素毎に制御する光空間変調素子と、画素毎に入射光の露光時間が制御された前記光空間変調素子からの反射光或いは透過光によって前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部とを備え、前記画像特徴抽出部で抽出された特徴量は、前記撮像対象物の画素毎の輝度を含む特徴量であり、前記光空間変調素子は、前記画素毎の輝度に基づいて露光時間を適応制御することを特徴とする。本構成による視覚情報処理システムによれば、明暗の差が非常に大きく、かつその差が時間的、空間的に変化する対象物に対しても適正な明度のダイナミックレンジを確保することができる。
【0025】
また、本発明に係る視覚情報処理システムは、請求項3に記載したように、指定された領域の画素を複数にグループ化し、前記各グループ内の複数の画素信号を順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力する光空間変調素子と、前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数の解像度を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部とを備え、前記画像特徴抽出部は、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、順次切り換えて前記イメージャに入力される前記複数の画素の信号を合成し、前記イメージャの解像度を前記光空間変調素子と同じ解像度に高めることを特徴とする。本構成による視覚情報処理システムによれば、画像全体としては解像度をある程度犠牲にして高感度の画像データを提供しつつも、特定の固定或いは移動対象物については高解像度を実現することができる。
【0026】
また、本発明に係る視覚情報処理システムは、請求項4に記載したように、指定された領域の画素を複数にグループ化し、前記各グループ内の複数の画素信号をそれぞれ異なる周波数でオン・オフして撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力する光空間変調素子と、前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記光空間変調素子の解像度と同じ解像度のイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部とを備え、前記画像特徴抽出部は、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記撮像対象物の輝度変動を前記異なる周波数に対応して周波数分解し、前記異なる周波数に対応したスペクトラム画像を生成することを特徴とする。本構成による視覚情報処理システムによれば、所定の輝度変動を画素毎に抽出し、輝度変動スペクトラム画像を生成することができる。
【0027】
また、本発明に係る視覚情報処理システムは、請求項5に記載したように、指定された領域の画素を複数にグループ化し、前記各グループ内の複数の画素信号を所定の複数の空間パターンに基づいて順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力する光空間変調素子と、前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部とを備え、前記画像特徴抽出部は、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記複数の空間パターンに基づいて順次イメージャから出力される複数の信号を演算し、前記グループ内の複数の画素を処理対象とする空間フィルタリングを行うことを特徴とする。本構成による視覚情報処理システムによれば、画像全体、又は特定の固定若しくは移動対象物に対してエッジ強調等の空間フィルタ処理を施すことができる。
【0028】
また、本発明に係る視覚情報処理方法は、請求項8に記載したように、光空間変調素子によって光源からの放射光を所定の光パターンに基づいて変調し、前記光パターンに基づいて変調された前記放射光を撮像対象物に照射するステップと、前記光パターンが重畳された前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップとを備え、前記光パターンは、三角測量原理に基づいて前記撮像対象物の3次元情報を得ることができる複数の光パターンであると共に、前記画像特徴抽出部で抽出された特徴量に基づいて光パターンの種類及び数の少なくとも一方が適応制御される光パターンであることを特徴とする。本方法による視覚情報処理方法によれば、移動物も含めた撮像対象物の3次元画像を画像特徴量に基づいたフィードバック制御により高速にかつ高効率で生成することができる。
【0029】
また、本発明に係る視覚情報処理方法は、請求項9に記載したように、所定の画素領域を有した光空間変調素子によって、撮像対象物からの入射光の露光時間を画素毎に制御するステップと、画素毎に露光時間が制御された前記光空間変調素子からの反射光或いは透過光によって前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップとを備え、抽出された前記特徴量は、前記撮像対象物の画素毎の輝度を含む特徴量であり、前記画素毎に制御するステップは、前記画素毎の輝度に基づいて露光時間を適応制御することを特徴とする。本方法による視覚情報処理方法によれば、明暗の差が非常に大きく、かつその差が時間的、空間的に変化する対象物に対しても適正な明度のダイナミックレンジを確保することができる。
【0030】
また、本発明に係る視覚情報処理方法は、請求項10に記載したように、指定された領域の画素が複数にグループ化された光空間変調素子によって、前記グループ内の複数の画素信号を順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力するステップと、前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数の解像度を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップとを備え、前記特徴量を抽出するステップは、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、順次切り換えて前記イメージャに入力される前記複数の画素の信号を合成し、前記イメージャの解像度を前記光空間変調素子と同じ解像度に高める処理を含むことを特徴とする。本方法による視覚情報処理方法によれば、画像全体としては解像度をある程度犠牲にして高感度の画像データを提供しつつも、特定の固定或いは移動対象物については高解像度を実現することができる。
【0031】
また、本発明に係る視覚情報処理方法は、請求項11に記載したように、指定された領域の画素が複数にグループ化された光空間変調素子によって、前記グループ内の複数の画素信号をそれぞれ異なる周波数でオン・オフして撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力するステップと、前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記光空間変調素子の解像度と同じ解像度のイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップとを備え、前記特徴量を抽出するステップは、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記撮像対象物の輝度変動を前記異なる周波数に対応して周波数分解し、前記異なる周波数に対応したスペクトラム画像を生成する処理を含むことを特徴とする。本方法による視覚情報処理方法によれば、所定の輝度変動を画素毎に抽出し、輝度変動スペクトラム画像を生成することができる。
【0032】
また、本発明に係る視覚情報処理方法は、請求項12に記載したように、指定された領域の画素が複数にグループ化された光空間変調素子によって、前記グループ内の複数の画素信号を所定の複数の空間パターンに基づいて順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力するステップと、前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップとを備え、前記特徴量を抽出するステップは、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記複数の空間パターンに基づいて順次イメージャから出力される複数の信号を演算し、前記グループ内の複数の画素を処理対象とする空間フィルタリングを行う処理を含むことを特徴とすることを特徴とする。本方法による視覚情報処理方法によれば、画像全体、又は特定の固定若しくは移動対象物に対してエッジ強調等の空間フィルタ処理を施すことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る視覚情報処理システム及びその視覚情報処理方法によれば、光空間変調素子とイメージャとを組み合わせることによって、従来では得られることのなかった新たな視覚情報処理を実現することができ、特に、画像特徴量に基づいたフィードバックループ中に光空間変調素子を設けることにより、対象物の動き、変化に適応した新たな視覚情報処理を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明に係る視覚情報処理システムおよび視覚情報処理方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0035】
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る視覚情報処理システム1のシステム構成例を示す図である。第1の実施形態に係る視覚情報処理システム1は、撮像対象物の3次元画像を高速、かつ、高効率で生成するものである。
【0036】
視覚情報処理システム1は、画像特徴抽出部2と光パターン照射部3とを備えて構成されている。
【0037】
このうち、画像特徴抽出部2は、図15に示した撮像カメラ装置200と同様の構成を備えるものであり、高空間解像度を有するイメージャ(固体撮像素子)20と、演算部30と、座標変換部40とを備えている。イメージャ20は、例えば所定の画素数を有するCMOS画像センサである。
【0038】
演算部30には、イメージャ20の全画像(M×N)の中から内、座標変換部40で指定された部分画像(m×n)の画像データ(現在のフレームタイムの画像データ)が切り出されて入力される。演算部30では、部分画像のデータから画像特徴量ξを抽出する演算を行う。画像特徴量ξとは、例えば、部分画像データに含まれる対象物の大きさ、位置、姿勢角等、或いはこれらの変化量等である。座標変換部40では、抽出された画像特徴量ξに基づいて、次のフレームタイムに切り出すべき部分画像の座標(m’×n’)を計算する。例えば、対象物が平行移動や回転移動している場合には、前フレームの部分画像の座標(m×n)に対してアフィン変換等によって平行移動や回転移動をさせる座標変換を施し、次フレームの部分画像の座標(m’×n’)を算出する。
【0039】
算出された次フレームの座標(m’×n’)をイメージャの全画像の中から順次読み出して新たな部分画像(m’×n’)の画像データを演算部30に入力する。
【0040】
特許文献1が開示する撮像カメラ装置200では、演算部30で算出された画像特徴量ξをフィードバックすることにより、イメージャの全画像データを読み出すのではなく、必要な部分的な画像を読み出すことが可能となり、高空間解像度を維持しつつ高速リアルタイム性を実現することができる。
【0041】
他方、光パターン照射部3は、光空間変調素子10と、光源12と、光パターン生成部11を備えて構成されている。
【0042】
光パターン生成部11は、画像特徴抽出部2からフィードバックされる画像特徴量ξにも基づいて、各種の光パターン信号を生成し光空間変調素子10に出力する。
【0043】
光空間変調素子10では、光源12から放射光を光パターン信号に基づいて変調することにより、各種の光パターンを生成する。光空間変調素子10は、大別して反射型の光空間変調素子10aと透過型の光空間変調素子10bが存在する。反射型の光空間変調素子10aとしては、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(以下、DMDという)がある。また、透過型の光空間変調素子10bとしては、例えば、透過型液晶ライトバルブがある。
【0044】
反射型、透過型のいずれの形態の光空間変調素子10も反射面或いは透過面に多数の画素を形成しており、反射光あるいは透過光の強度を画素毎に制御することができる。また、いずれの光空間変調素子10も画素毎の光の強度制御を時間的にも高速で変化させることが可能である。この意味で、光空間変調素子10は、時空間変調素子と呼ぶこともできる。
【0045】
上記のように構成された視覚情報処理システム1の3次元画像の生成動作について説明する。
【0046】
図2は、視覚情報処理システム1の3次元画像生成の動作概念を説明する第1の図である。まず、光空間変調素子10によって光源12の放射光を空間的に変調し、所定の光パターンを生成し、この光パターンを、光学系を介して撮像対象物100に照射する。
【0047】
光空間変調素子10が反射型の場合には、光空間変調素子10の前方側に光源12を配置し、透過型の場合には光空間変調素子10の後方側に光源12を配置すればよい。
【0048】
図2に例示した光パターンは、複数の縦縞からなる縦縞パターンが撮像対象物100に照射されている状態を示している。
【0049】
イメージャ20には、光学系を介して、撮像対象物100からの像が入射されるが、この際撮像対象物100と光パターンとが重畳した像が入射光として入射されることになる。イメージャ20で撮像された画像データは画像特徴抽出部2の演算部30に入力される。
【0050】
演算部30では、光パターンが重畳された複数の画像データから3次元画像を生成する。この際、イメージャ20から取り出される画像データは、イメージャ20の全画素領域であってもよいし、前述したようにイメージャ20の部分領域を取り出した画像データであっても良い。部分領域の画像データを取り出す場合には、全画素領域の画像データを取り出す場合に比べてより高速(高フレームレート)の処理が可能となる。
【0051】
演算部30では、さらに画像特徴量ξが抽出される。画像特徴量ξは、例えば、撮像対象物の位置(重心位置)、大きさ、姿勢角等である。また、これらの変化量(速度)等である。
【0052】
この画像特徴量ξをフィードバックし光パターンの種類や数等を適応制御することによって、従来の3次元画像の生成方法に比べて高速でかつ精度の高い3次元画像を生成することができる。
【0053】
図3は、従来の3次元画像の生成方法について説明した図である。詳細については、例えば非特許文献1等に記載されているため、ここでは概略の説明に留める。
【0054】
まず、複数、図3の例ではk種k枚のそれぞれ異なる光パターン300を1組として用意し、これらの光パターンを撮像対象物100に対して順次照射する。イメージャ20では光パターンと撮像対象物が重畳された画像データがk枚取得されることになる。このk枚の画像データを処理することにより1枚の3次元画像(図示せず)が得られることになる。
【0055】
連続的に撮像する場合には、上記の処理を繰り返すことになる。従来の方法では、フレーム毎に同じk種k枚の光パターンを撮像対象物に照射するものとしていた。
【0056】
光パターンの種類や数は、撮像対象物の大きさや解像度(空間解像度)に依存するものである。例えば、図3で示した1組の光パターンは、2つの縦縞をもつ最も粗い間隔(これを最粗間隔という)の縞模様から、最も蜜な間隔(これを最密間隔という)の縞模様まで順次縦縞の間隔が1/2となっていくパターンで構成されている。
【0057】
この場合、最粗間隔は、撮像対象物の大きさにほぼ一致させる必要がある。一方、最密間隔は空間解像度にほぼ一致する。したがって、同じ大きさの撮像対象物を撮像する場合、高い空間解像度を得ようとすると、最密間隔の小さな光パターンが必要となり、結果的に光パターンの種類、数が増加することになる。また、同じ解像度の場合であっても、撮像対象物が大きいほど、或いは撮像対象範囲が広い程最粗間隔を大きくする必要があるため、この場合にも光パターンの種類、数が増加することになる。
【0058】
従来の3次元画像の生成方法では、画一的な光パターンを生成する形態であるため、撮像対象物の情報が未知の場合や、撮像対象物が移動する等変化した場合には、最適な光パターンとすることが困難であった。
【0059】
これに対して、本実施形態に係る視覚情報処理システム1では、図1に示したように画像特徴量ξを抽出可能に構成されているため、この画像特徴量ξをフィードバックすることにより、所定の評価関数を最適とする光パターンをアダプティブに生成する(適応制御)することが可能となる。
【0060】
図4は、本実施形態に係る視覚情報処理システム1による光パターンの生成概念を模式的に示したものである。例えば、Nフレーム目の光パターン300に基づいてイメージャ20では複数の画像データ301が生成され、これに基づいてNフレーム目の3次元画像が生成される。
【0061】
この3次元画像に基づいて、画像特徴抽出部2において画像特徴量ξが抽出される。この画像特徴量ξを用いて評価関数を最適化する光パターンを生成することができる。
【0062】
例えば、評価関数として処理時間を設定し処理時間を最小とするような場合には、所定の解像度を維持する範囲で光パターンの種類、数が最小となればよい。この際、画像特徴量ξとして、撮像対象物の位置、大きさをフィードバックすることにより、光パターンの最粗間隔を広い範囲から撮像対象物の大きさの範囲にまで縮小することが可能となり、結果的に光パターンの種類、枚数が削減され処理時間が短縮されることになる。
【0063】
また、従来の3次元画像の生成方法では、光パターンの種類、数が多かったため、撮像対象物が移動した場合にはフレーム内での変化により正確な3次元画像の生成が困難であった。これに対して、本実施形態に係る視覚情報処理システム1では、上述したように光パターンの種類、数が削減され、フレームタイムが短縮化されるため、移動対象物であっても正確な3次元画像の生成、或いは3次元情報の抽出が可能となる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る視覚情報処理システム1では、画像特徴量ξとして撮像対象物の移動の有無、移動速度等を検出することが可能であるため、動的な撮像対象物に対してより柔軟な処理が可能となる。
【0065】
図5は、動的な撮像対象物に対する処理の一例を示したものである。図5(a)は、画像全体に動きがない場合である。この場合には、フレーム時間が多少長くても対象物の動きによる誤差は少ないため、最密間隔を小さくした空間解像度の高い光パターンを用いることができる。
【0066】
一方、図5(b)は、撮像範囲の一部に移動物400が出現してきた状況を示している。画像特徴抽出部2では移動物400の位置、大きさ、速度等を画像特徴量ξとして抽出することができる。これらの画像特徴量ξを光パターン生成部3にフィードバックすることにより、移動物400の周辺の領域(動きのある領域)401のみ異なるパターンの光パターンを生成することができる。例えば、動きのある領域の縦縞の密度をその周辺の領域よりも粗くした光パターンに変更する。
【0067】
変更前の光パターンでは、縦縞の間隔が移動量に比べて大きすぎるため、連続的に移動物400の3次元画像を生成することは困難であった。これに対して、変更後の光パターンでは、移動物400の周辺の領域401において縦縞の間隔を粗くすることによって、空間解像度は若干低下するものの、連続フレームでの3次元計測が可能となる。また、動きの無い周辺領域については、変更前と同様に高い空間解像度を維持することができる。
【0068】
光空間変調素子10を用いた光パターンの生成では、2次元の画素領域上に原理的には任意の形状の光パターンを形成することができる。従って、従来のように全領域で一様な縦縞パターンだけではなく、1つ或いは複数の部分領域のパターンを周囲のパターンと異なった形態で形成することができ、この部分領域を移動対象物の移動に追尾して移動させることも可能となる。
【0069】
(2)第2の実施形態
図6は、本発明の第2ないし第5の実施形態に係る視覚情報処理システム1aないし1dにおいて共通して用いられる光空間変調素子とイメージャの関係を示した図である。第1の実施形態における光空間変調素子は、光源からの放射光を空間的に変調する形態として用いている。これに対して、第2ないし第5の実施形態における光空間変調素子は、図6に示したように、撮像対象物からの入射光を空間的に変調する形態である。この場合にも第1の実施形態と同様に、反射型と透過型の2つの形態をとり得る。図6(a)は、反射型の光空間変調素子10a、例えば、DMDを用いた形態である。また、図6(b)は、透過型の光空間変調素子10b、例えば、透過型液晶ライトバルブを用いた形態である。いずれの形態も、撮像対象物100からの入射光を光空間変調素子10a、10bで画素毎に変調(空間変調)した後、イメージャ20に出力する形態である。
【0070】
以下の説明では、図面上は透過型の光空間変調素子を用いているが、説明の重複を避けるためであり、反射型の光空間変調素子を除外するものではない。
【0071】
図7は、第2の実施形態に係る視覚情報処理システム1aの構成例を示した図である。第2の実施形態に係る視覚情報処理システム1aは、反射対象物100からの入射光の露光時間を画素毎に制御可能に構成されたものである。
【0072】
視覚情報処理システム1aは、光空間変調素子10と、画像特徴抽出部2aと、露光時間制御部15を備えて構成されている。
【0073】
光空間変調素子10は露光時間制御部15からの制御信号に基づいて、画素毎に露光時間を制御し、反射光或いは透過光を画像特徴抽出部2aのイメージャ20に出力するものである。反射型の光空間変調素子10a、例えば、DMDの場合にはオン時間、即ちマイクロミラーの反射面がイメージャ20の方向に向いている時間を画素毎に制御することにより露光時間を画素毎に制御することができる。また、透過型の光空間変調素子10bの場合には画素に印加する電圧を制御することにより透過量を画素毎に制御することにより等価的に露光時間を画素毎に制御することができる。
【0074】
画像特徴抽出部2aは、基本的構成は第1の実施形態に係る画像特徴抽出部2と同様のものである。但し、第2の実施形態では、演算部30で求める画像特徴量ξとして輝度を含んだものとしている。
【0075】
図8は、視覚情報処理システム1aによる露光時間制御の動作概念を示した図である。イメージャ20単体では、素子精度等の問題から明るさに対するダイナミックレンジに限界があり、輝度が極めて高い対象物と輝度が非常に低い対象物とを同時に鮮明な画像で撮像することは一般に困難である。イメージャ20の画素毎に感度制御回路等を設ける形態も原理的には可能であるが、感度制御回路等の実装上の制約から画素数の低減や画素面積の低減となり、分解能や感度といった本来のイメージャの性能を犠牲にすることとなる。
【0076】
これに対して、本実施形態に係る視覚情報処理システム1aにおいては、光空間変調素子10によって露光時間を制御し、露光時間が制御された反射光或いは透過光を従来のイメージャ20へ出力する形態である。イメージャ20で撮像された画像データの輝度を画素毎に画像特徴量ξとして抽出し、露光時間制御部15を介して光空間変調素子10にフィードバックする。イメージャ20で撮像された画像データの特定領域の輝度が高すぎる場合にはその領域の画素の露光時間を減少させ、逆に他の特定領域の輝度が低すぎる場合にはその領域の画像の露光時間を増加させる。このようにイメージャ20で観測された画像の輝度を画素単位で適応制御することにより、実質的に極めて広いダイナミックレンジを実現することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態では、イメージャ20自体は従来の形態のものがそのまま使用できるため、イメージャ20が本来備える解像度や感度を犠牲にすることもない。
【0078】
第2の実施形態に係る視覚情報処理システム1aの変形例として、空間感度の自動補正機能を備えた視覚情報処理システム1aとすることができる。
【0079】
一般に、イメージャ20は画素領域の全範囲において完全に均一な感度を有するとは限らず、空間的に感度に差がある。また、カラー撮像の場合に用いられるRGBやCMY等のカラーフィルタアレイも同様に空間的な感度(透過率)の不均一性を有している。
【0080】
本実施形態に係る視覚情報処理システム1aでは、光空間変調素子10によって画素毎の露光時間を制御することが可能であるため、イメージャ20やカラーフィルタアレイの空間的な不均一性を容易に補正することができる。
【0081】
また、第2の実施形態に係る視覚情報処理システム1aの他の変形例として、室内での撮像等の場合に生じる、照明光の位置の偏りによる輝度の不均一性を補正する形態とすることもできる。照明光に近い領域から遠い領域に向かって輝度が徐々に下がるような場合、特に2値化画像を生成する際には輝度が均一になるように補正する必要がある。本実施形態に係る視覚情報処理システム1aでは、イメージャ20の輝度情報をモニタし、光空間変調素子10の露光時間を適応制御することにより、照明光の位置によらず画素全体で均一な輝度の画像データを生成することができる。
【0082】
(3)第3の実施形態
図9は、第3の実施形態に係る視覚情報処理システム1bの構成例を示した図である。第3の実施形態に係る視覚情報処理システム1bは、イメージャ20と光空間変調素子10とを組み合わせることにより、イメージャ20の解像度の向上させる処理を行なうように構成されたものである。
【0083】
視覚情報処理システム1bは、光空間変調素子10と、画像特徴抽出部2bとを備えて構成されている。
【0084】
本実施形態に係る光空間変調素子10は、画像特徴抽出部2bの画素切換部16からの制御信号に基づいて、入射光を反射或いは透過させる画素を所定のグループ内で順次切り替えてイメージャ20へ出力するものである。
【0085】
画像特徴抽出部2bは、基本的構成は第1の実施形態に係る画像特徴抽出部2と同様のものである。但し、第3の実施形態では、演算部30で求める画像特徴量ξとして特定の撮像対象物の領域情報を含んだものとしている。
【0086】
図10は、視覚情報処理システム1bによる高解像度処理の動作概念を示した図である。
【0087】
第3の実施形態に係る視覚情報処理システム1bでは、光空間変調素子10の解像度の方がイメージャ20の解像度よりも高く構成されている。図10の例では、光空間変調素子10は16×16(256)画素、イメージャ20は4×4(16)画素であり、光空間変調素子10はイメージャ20に対して16倍の解像度を有している。
【0088】
例えば、照明等の無い暗い場所に設置された対象物を撮像する場合等では、より感度の高いイメージャ20が求められる。一般にイメージャ20の感度を向上させるには、画素面積の増大が最も有効であり、高感度イメージャは通常のイメージャに比べて画素面積を大きくとったものが多い。このため、一般に高感度イメージャは所定エリア内の画素数が制約され、解像度は通常のイメージャに比べて低いものが多い。
【0089】
第3の実施形態に係る視覚情報処理システム1bでは、このような高感度かつ低解像度のイメージャであっても、光空間変調素子10と組み合わせることにより、高解像度を実現するものである。
【0090】
図10に例示したイメージャ20の解像度は、光空間変調素子10の解像度に比べて1/16となっている。即ち、光空間変調素子10の16画素がイメージャ20の1画素に対応する例である。
【0091】
まず、光空間変調素子10の画素を16(4×4)素子毎にグループ化する。そして、グループ内の1画素のみを順次オンしていく。図10の例では、(4×4)素子のグループの左上の画素から順次切り替えて(スキャンして)オンとしていく。他のグループについても同様の切り替えシーケンスで画素をオンにしていく。
【0092】
このような画素の切り替え方法によって、1画素の切り替え毎に各グループからグループの数に対応した数の画素が出力されることになる。図10の例では、光空間変調素子10の16グループから各1画素がオンとなり、合計16画素がイメージャ20に出力される。イメージャ20ではこの16画素によってまず低解像度の画像データが1枚生成される。光空間変調素子10では、グループ内の画素を順次切り替えてオンとし、イメージャ20では低解像度の画像データを順次生成する。グループ内の全画素の切り替えが終了した時点で、イメージャ20では16枚の低解像度画像を生成されることになる。
【0093】
次にこれらの16枚の低解像度画像データを合成することにより、1枚の高解像度画像データを生成する。16枚の各低解像度画像データとグループ内の画素位置とは1対1に対応しているため、16枚の低解像度画像データの合成により、1枚の高解像度画像データの生成が可能である。本例では、イメージャ20の解像度の16倍の高解像度化が可能となる。
【0094】
図10の例では、グループ内の16画素を1画素ずつオンする形態を示している。これに対して、例えば、16画素のうち、4(2×2)画素ずつオンとする形態でも良い。この場合、イメージャ20では4枚の低解像度画像データが生成されることになり、これらの4枚を合成することにより、4倍の解像度の画像データを生成することができる。前の例に比べると合成後の画像データの解像度は1/4となっているものの、合成する画像データの枚数も1/4となっており、処理時間は短縮される。
【0095】
このように、本実施形態に係る視覚情報処理システム1bでは、イメージャ20の解像度の向上が可能であり、また向上させる解像度も上記のように容易に変更することができる。
【0096】
また、図9に示したように、本実施形態に係る視覚情報処理システム1bでは、画像特徴抽出部2bにおいて撮像対象物の特定の領域を抽出する形態としている。従って、この特定の領域をフィードバックすることにより、所定の画素領域の範囲についてのみ上述した高解像度処理を行なう形態とすることができる。
【0097】
例えば、画像特徴抽出部2bによって移動物体の領域を画像特徴量ξとして抽出する。そして、この移動物体の領域に対しては高解像度処理を行ない、その他の領域については低解像度のままとする。このような適応的な処理により、注視すべき移動物体に対しては高解像度を実現しつつ、画像全体としては感度の低下や処理時間の増加を抑制した視覚情報処理システム1bとすることが可能となる。
【0098】
(4)第4の実施形態
図11は、第4の実施形態に係る視覚情報処理システム1cの構成例を示す図である。
【0099】
第4の実施形態に係る視覚情報処理システム1cは、イメージャ20と光空間変調素子10とを組み合わせることにより、撮像対象物の輝度変動等の周波数成分を画素毎に抽出し画像化したスペクトラム画像を生成することができるように構成されたものである。
【0100】
視覚情報処理システム1cは、光空間変調素子10と、画像特徴抽出部2cとを備えて構成されている。
【0101】
本実施形態に係る光空間変調素子10は、画像特徴抽出部2cの画素オン・オフ制御部17からの制御信号に基づいて画素毎に所定の周期信号によってオン・オフし、入射光を反射或いは透過させてイメージャ20へ出力するものである。
【0102】
画像特徴抽出部2cは、基本的構成は第3の実施形態に係る画像特徴抽出部2bと同様のものであり、演算部30で求める画像特徴量ξとして特定の撮像対象物の領域情報を含んだものとしている。
【0103】
図12は、視覚情報処理システム1cによるスペクトラム画像生成処理の動作概念を示した図である。
【0104】
第4の実施形態では、光空間変調素子10とイメージャ20とは基本的には同じ画素数で構成される。
【0105】
光空間変調素子10は複数の画素を有する複数のグループに分割される。図12の例では、4(2×2)画素毎にグループ化される。
【0106】
グループ内の4画素に対して、それぞれ異なる周波数のオン・オフ制御信号を印加する。例えば、画素1ないし画素4に対してそれぞれ周波数1ないし周波数4でオン・オフが切り替わる制御信号を印加する。
【0107】
撮像対象物の輝度が所定の周波数で変動している場合、この変動周波数と光空間変調素子10に印加するオン・オフ制御信号の周波数が一致した場合、イメージャ20では該当する画素の輝度が保持される。他方、撮像対象物の輝度変動の周波数と光空間変調素子10に印加するオン・オフ制御信号の周波数が不一致の場合、イメージャ20では該当する画素の輝度は抑制される。即ち、光空間変調素子10を相関器として機能させ、イメージャ20が備える容量成分により積分器が構成されるため、画素毎に撮像対象物の変動周波数を抽出することが可能となる。
【0108】
例えば、複雑な背景の中に50Hzの商用電源で蛍光灯が点灯されている場合、本実施形態に係る視覚情報処理システム1cでは、オン・オフ制御周波数の1つを50Hzと一致させることにより、蛍光灯の部分のみが強調されたスペクトラム画像を生成することができる。
【0109】
各グループ内のオン・オフ制御周波数は任意に設定することが可能であり、撮像対象物の物理的条件や測定対象周波数に応じて適宜設定することができる。
【0110】
例えば、構造物のクラック等を検出する場合、このクラック等が特定の共振周波数で変動することが予めわかっているときには、オン・オフ制御周波数の1つをこの共振周波数に一致させることによりクラック等の位置に対応したスペクトラム画像を生成することが可能となる。この結果、視認が困難な微細なクラック等に対してもその共振周波数を抽出し画像化することによってクラック等の可視化が可能となる。
【0111】
また、逆に、観測対象物の共振周波数が未知の場合であっても、画像中の特定の部位の周波数とその周囲の範囲の周波数が異なる場合には、その特定の部位を抽出した画像(スペクトラム画像)を生成することもできる。
【0112】
例えば、プリント配線基板を既知の周波数で振動させ、この振動周波数と異なった周波数成分を有する部分を画像として抽出することにより、実装部品の半田付け不良部位を画像情報として検出することが可能となる。
【0113】
また、画像特徴抽出部2cから画像特徴量ξとして特定の領域情報や特定の周波数成分をフィードバックすることにより、全画素領域の一部の領域に対して特定の周波数成分を中心としたスペクトラム画像を生成することが可能となる。この形態では、スペクトラム画像を生成しようとする領域やその中心周波数が連続的に変化する場合であっても、適応制御によりその変化に追尾させることが可能となる。
【0114】
(5)第5の実施形態
図13は、第5の実施形態に係る視覚情報処理システム1dの構成例を示した図である。第5の実施形態に係る視覚情報処理システム1dは、イメージャ20と光空間変調素子10とを組み合わせることにより、エッジ強調等の空間フィルタリング処理を簡素な演算処理によって実現可能に構成されたものである。
【0115】
視覚情報処理システム1dは、光空間変調素子10と、画像特徴抽出部2dとを備えて構成されている。
【0116】
本実施形態に係る光空間変調素子10は、画像特徴抽出部2dの空間パターン生成制御部18からの制御信号に基づいて画素毎にオン・オフし、入射光を反射或いは透過させてイメージャ20へ出力するものである。
【0117】
画像特徴抽出部2dは、基本的構成は第3の実施形態に係る画像特徴抽出部2bと同様のものであり、演算部30で求める画像特徴量ξとして特定の撮像対象物の領域情報を含んだものとしている。
【0118】
図14は、視覚情報処理システム1dによる空間フィルタリング処理の動作概念を示した図である。
【0119】
第5の実施形態では、光空間変調素子10の画素数はイメージャ20の画素数よりも多い画素数で構成される。図14の例では、光空間変調素子10の画素数はイメージャ20の画素数の4倍として構成されている。
【0120】
光空間変調素子10は複数の画素を有する複数のグループに分割される。図14の例では、4(2×2)画素毎にグループ化される。
【0121】
グループ内の4画素に対しては、所定の空間パターンに基づいて対応する画素にオン・オフ制御信号を印加する。例えば、図14に例示したように、空間パターン1では、グループ内の4画素総てをオンとする。空間パターン2では、右半分の2画素をオンとし左半分の2画素はオフとする。逆に、空間パターン3では、左半分の2画素をオンとし右半分の2画素はオフとする。
【0122】
本実施形態に係る視覚情報処理システム1dでは、光空間変調素子10を空間パターン1、2および3に設定したときに得られるイメージャ20の画像データから、減算処理のみよってX方向、Y方向のエッジ強調処理をする空間フィルタリング処理を実現することができる。
【0123】
具体的には、図14の式(1)に示したように、空間パターン2のときに得られるイメージャ20の画像、I(x,y,t+Δt)から、空間パターン1のときに得られるイメージャ20の画像のI(x,y,t)の1/2を減算することによってX方向のエッジが強調された画像データを生成することができる。空間パターン1から得られる画像データと空間パターン2から得られる画像データとは厳密には時刻が異なっているものの、光空間変調素子10の画素を高速に切り替えることにより、図14の式(1)右辺の演算式を左辺で近似することができる。
【0124】
同様にして、図14の式(2)に示したように、空間パターン3のときに得られるイメージャ20の画像、I(x,y,t+2Δt)から、空間パターン1のときに得られるイメージャ20の画像のI(x,y,t)の1/2を減算することによってY方向のエッジが強調された画像データを生成することができる。
【0125】
第5の実施形態に係る視覚情報処理システム1dによれば、複数の空間パターンを光空間変調素子10を用いて形成し、各空間パターンに応じて得られるイメージャ20の画像データに対して、減算等の簡素な演算によって空間フィルタリング処理を行なうことができる。
【0126】
また、図13に示したように、所定の領域を示す画像特徴量ξをフィードバックすることにより、特定の領域に対してのみ空間フィルタリング処理を施すことも可能となる。さらに、複数の異なる領域に対して、それぞれ異なった種類の空間フィルタ処理を施すことも可能となる。
【0127】
この他、より広い領域に対してテンプレート画像などマッチングする画像を光空間変調素子10で空間パターンとして生成することにより、空間的なマッチング処理等も可能となる。また、あらかじめ用意した画像だけではなく、前フレームの画像情報に基づいた変調パターンを用意することで、ブロックマッチング等の処理も可能となる。
【0128】
上述した各実施形態に係る視覚情報処理システムおよび視覚情報処理によれば、光空間変調素子とイメージャ(固体撮像素子)とを組み合わせることによって、従来では得られることのなかった新たな視覚情報処理を実現することができる。
【0129】
特に、イメージャで撮像した画像データから画像特徴量を抽出し、この画像特徴量に基づいたフィードバックループ中に光空間変調素子を設けることにより、対象物の動き、変化に適応した新たな視覚情報処理を実現することができる。
【0130】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明に係る視覚情報処理システムの第1の実施形態のシステム構成例を示す図。
【図2】本発明に係る視覚情報処理システムの第1の実施形態における3次元画像生成の動作を説明する第1の図。
【図3】本発明に係る視覚情報処理システムの第1の実施形態における3次元画像生成の動作を説明する第2の図。
【図4】本発明に係る視覚情報処理システムの第1の実施形態における3次元画像生成の動作を説明する第3の図。
【図5】本発明に係る視覚情報処理システムの第1の実施形態における3次元画像生成の動作を説明する第4の図。
【図6】本発明に係る視覚情報処理システムの第2ないし第5の実施形態における光空間変調素子とイメージャとの関係を示す図。
【図7】本発明に係る視覚情報処理システムの第2の実施形態のシステム構成例を示す図。
【図8】本発明に係る視覚情報処理システムの第2の実施形態における露光時間制御の動作概念を説明する図。
【図9】本発明に係る視覚情報処理システムの第3の実施形態のシステム構成例を示す図。
【図10】本発明に係る視覚情報処理システムの第3の実施形態における高解像度処理の動作概念を説明する図。
【図11】本発明に係る視覚情報処理システムの第4の実施形態のシステム構成例を示す図。
【図12】本発明に係る視覚情報処理システムの第4の実施形態におけるスペクトラム画像生成処理の動作概念を説明する図。
【図13】本発明に係る視覚情報処理システムの第5の実施形態のシステム構成例を示す図。
【図14】本発明に係る視覚情報処理システムの第5の実施形態におけるスペクトラム画像生成処理の動作概念を説明する図。
【図15】画像特徴量の抽出及びフィードバック処理を行う従来の撮像カメラ装置の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0132】
1、1a、1b、1c、1d 視覚情報処理システム
2、2a、2b、2c、2d 画像特徴抽出部
3 光パターン照射部
10 光空間変調素子
10a 光空間変調素子(反射型)
10b 光空間変調素子(透過型)
11 光パターン生成部
12 光源
15 露光時間制御部
16 画素切換部
17 画素オン・オフ制御部
18 空間パターン生成部
20 イメージャ
30 演算部30
40 座標変換部
50 高解像度処理部
60 スペクトラム画像生成部
70 空間フィルタリング処理部
100 撮像対象物
ξ 画像特徴量
ρ 座標変換パラメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの放射光を所定の光パターンに基づいて変調する光空間変調素子を有し、前記光パターンに基づいて変調された前記放射光を撮像対象物に照射する光パターン生成部と、
前記光パターンが重畳された前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部と、
を備え、
前記光パターンは、三角測量原理に基づいて前記撮像対象物の3次元情報を得ることができる複数の光パターンであると共に、前記画像特徴抽出部で抽出された特徴量に基づいて光パターンの種類及び数の少なくとも一方が適応制御される光パターンである、ことを特徴とする視覚情報処理システム。
【請求項2】
所定の画素領域を有し、撮像対象物からの入射光の露光時間を画素毎に制御する光空間変調素子と、
画素毎に入射光の露光時間が制御された前記光空間変調素子からの反射光或いは透過光によって前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部と、
を備え、
前記画像特徴抽出部で抽出された特徴量は、前記撮像対象物の画素毎の輝度を含む特徴量であり、前記光空間変調素子は、前記画素毎の輝度に基づいて露光時間を適応制御することを特徴とする視覚情報処理システム。
【請求項3】
指定された領域の画素を複数にグループ化し、前記各グループ内の複数の画素信号を順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力する光空間変調素子と、
前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数の解像度を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部と、
を備え、
前記画像特徴抽出部は、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、順次切り換えて前記イメージャに入力される前記複数の画素の信号を合成し、前記イメージャの解像度を前記光空間変調素子と同じ解像度に高めることを特徴とする視覚情報処理システム。
【請求項4】
指定された領域の画素を複数にグループ化し、前記各グループ内の複数の画素信号をそれぞれ異なる周波数でオン・オフして撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力する光空間変調素子と、
前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記光空間変調素子の解像度と同じ解像度のイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部と、
を備え、
前記画像特徴抽出部は、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記撮像対象物の輝度変動を前記異なる周波数に対応して周波数分解し、前記異なる周波数に対応したスペクトラム画像を生成することを特徴とする視覚情報処理システム。
【請求項5】
指定された領域の画素を複数にグループ化し、前記各グループ内の複数の画素信号を所定の複数の空間パターンに基づいて順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力する光空間変調素子と、
前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出する画像特徴抽出部と、
を備え、
前記画像特徴抽出部は、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記複数の空間パターンに基づいて順次イメージャから出力される複数の信号を演算し、前記グループ内の複数の画素を処理対象とする空間フィルタリングを行うことを特徴とする視覚情報処理システム。
【請求項6】
前記画像特徴抽出部は、
所定サイズの画素領域を有し、画素位置情報に応じて前記画素領域の部分領域の画像データをフレーム毎に出力するイメージャ部と、
前記部分領域の画像データを入力し、入力した前記画像データと予め算出されている座標変換パラメータとに基づいて画像特徴量を算出すると共に、算出された前記画像特徴量と前記座標変換パラメータとに基づいて次フレーム用の座標変換パラメータを生成する演算部と、
前記部分領域の画素位置を前記次フレーム用の座標変換パラメータに基づいて座標変換し、次フレームの部分領域の画素位置情報を生成する座標変換部と、
を備えて構成されたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の視覚情報処理システム。
【請求項7】
前記光空間変調素子は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)或いは液晶ライトバルブであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の視覚情報処理システム。
【請求項8】
光空間変調素子によって光源からの放射光を所定の光パターンに基づいて変調し、前記光パターンに基づいて変調された前記放射光を撮像対象物に照射するステップと、
前記光パターンが重畳された前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップと、
を備え、
前記光パターンは、三角測量原理に基づいて前記撮像対象物の3次元情報を得ることができる複数の光パターンであると共に、前記画像特徴抽出部で抽出された特徴量に基づいて光パターンの種類及び数の少なくとも一方が適応制御される光パターンである、ことを特徴とする視覚情報処理方法。
【請求項9】
所定の画素領域を有した光空間変調素子によって、撮像対象物からの入射光の露光時間を画素毎に制御するステップと、
画素毎に露光時間が制御された前記光空間変調素子からの反射光或いは透過光によって前記撮像対象物を撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップと、
を備え、
抽出された前記特徴量は、前記撮像対象物の画素毎の輝度を含む特徴量であり、前記画素毎に制御するステップは、前記画素毎の輝度に基づいて露光時間を適応制御することを特徴とする視覚情報処理方法。
【請求項10】
指定された領域の画素が複数にグループ化された光空間変調素子によって、前記グループ内の複数の画素信号を順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力するステップと、
前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数の解像度を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップと、
を備え、
前記特徴量を抽出するステップは、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、順次切り換えて前記イメージャに入力される前記複数の画素の信号を合成し、前記イメージャの解像度を前記光空間変調素子と同じ解像度に高める処理を含むことを特徴とする視覚情報処理方法。
【請求項11】
指定された領域の画素が複数にグループ化された光空間変調素子によって、前記グループ内の複数の画素信号をそれぞれ異なる周波数でオン・オフして撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力するステップと、
前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記光空間変調素子の解像度と同じ解像度のイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップと、
を備え、
前記特徴量を抽出するステップは、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記撮像対象物の輝度変動を前記異なる周波数に対応して周波数分解し、前記異なる周波数に対応したスペクトラム画像を生成する処理を含むことを特徴とする視覚情報処理方法。
【請求項12】
指定された領域の画素が複数にグループ化された光空間変調素子によって、前記グループ内の複数の画素信号を所定の複数の空間パターンに基づいて順次切り換えて撮像対象物からの入射光を反射或いは透過させて出力するステップと、
前記光空間変調素子から出力された前記撮像対象物からの入射光を、前記グループ数と同じ画素数を有するイメージャで撮像し、前記撮像対象物の特徴量を抽出するステップと、
を備え、
前記特徴量を抽出するステップは、前記特徴量に基づいて領域を指定し、その領域において、前記複数の空間パターンに基づいて順次イメージャから出力される複数の信号を演算し、前記グループ内の複数の画素を処理対象とする空間フィルタリングを行う処理を含むことを特徴とすることを特徴とする視覚情報処理システム。
【請求項13】
前記特徴量を抽出するステップは、
所定サイズの画素領域を有するイメージャから、画素位置情報に応じて前記画素領域の部分領域の画像データをフレーム毎に出力するステップと、
前記部分領域の画像データを入力し、入力した前記画像データと予め算出されている座標変換パラメータとに基づいて画像特徴量を算出すると共に、算出された前記画像特徴量と前記座標変換パラメータとに基づいて次フレーム用の座標変換パラメータを生成するステップと、
前記部分領域の画素位置を前記次フレーム用の座標変換パラメータに基づいて座標変換し、次フレームの部分領域の画素位置情報を生成するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の視覚情報処理方法。
【請求項14】
前記光空間変調素子は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)或いは液晶ライトバルブであることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の視覚情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−292385(P2006−292385A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109200(P2005−109200)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(390005164)株式会社フォトロン (18)
【Fターム(参考)】