説明

較正の方法、較正基板、及びデバイス製造の方法

【課題】測定システムにおける非理想性の作用に対する補償をサポートするために、較正の方法を提供すること。
【解決手段】一実施例による較正の方法は、テーブルを複数の露光位置に移動するステップを含む。各位置で、測定システムの第1の部分が、平面内の2つの直交軸のそれぞれに沿ってテーブルの位置を測定し、マークが基板上に露光される。各マークについて、また、基板の2つの異なる向きについて、測定システムの第2の部分が、マークに対応するテーブルの測定位置を測定する。測定された位置に基づいて、直交軸の双方に沿った位置の関数として、直交軸の1つに沿った測定システムの位置測定誤差の特徴付けが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(たとえば、リソグラフィ装置内の)精密位置決めに関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板の標的部分上に付けるために使用することができる機械である。リソグラフィ装置は、たとえば、集積回路(IC)の製造時に使用される。その場合、選択可能にマスク又はレチクルと呼ばれるパターン形成デバイスを使用してICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンを、感放射線性材料(レジスト)の層を有する基板(たとえば、シリコン・ウェハ)上の(たとえば、1つ又は複数のダイの一部を含む)標的部分上に結像することができる。一般に、単一の基板は、連続して露光される、隣接する標的部分のネットワークを含むことになる。周知のリソグラフィ装置には、パターン全体を一度に標的部分上に露光することによって各標的部分が照射される、いわゆるステッパと、所与の方向(「走査」方向)で投影ビームを介してパターンを走査し、一方、この方向に平行又は逆平行で基板を同期走査することによって、各標的部分が照射される、いわゆるスキャナとが含まれる。
【0003】
マスクの概念はリソグラフィで周知であり、バイナリ、レベンソン型位相シフト、ハーフトーン型位相シフトなどのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッド・マスク・タイプを含む。放射線ビーム内にそのようなマスクを配置することにより、マスク上のパターンに従って、マスク上で衝突する放射線の選択的透過(透過マスクの場合)又は反射(反射マスクの場合)が生じる。マスクの場合、支持構造は一般に、マスクを入来放射線ビーム内の所望の位置で確実に保持することができる、また望むなら、ビームに対して確実に移動することができるようにするマスク・テーブルとなる。
【0004】
パターン形成デバイスの別の例は、プログラム可能なミラー・アレイである。そのようなアレイの一例は、粘弾性制御層と反射表面とを有するマトリクス・アドレス可能な表面である。そのような装置の背景にある基本原理は、たとえば、反射表面のアドレスされた領域が入射光を回折光として反射し、一方、アドレスされない領域が入射光を非回折光として反射することである。適切なフィルタを使用して、非回折光を反射ビームから逃がし、回折光だけを残すことができる。このようにして、マトリクス・アドレス可能な表面のアドレッシング・パターンに従って、ビームがパターン形成済みのものとなる。
【0005】
マスク・テーブル上のマスクによるパターン形成を使用する現行の装置では、2つの異なるタイプの機械を区別することができる。1つのタイプのリソグラフィ投影装置では、マスク・パターン全体を標的部分上に一気に露光することによって各標的部分が照射される。そのような装置は、一般にウェハ・ステッパと呼ばれる。一般にステップ・アンド・スキャン装置と呼ばれる代替の装置では、マスク・パターンを投影ビームの下で所与の基準方向(「走査」方向)に漸次走査し、一方、基板テーブルをこの方向に平行又は反平行で同期走査することによって、各標的部分が照射される。一般に、投影システムは倍率M(一般に1未満)を有することになるため、基板テーブルが走査される速さVは、マスク・テーブルが走査される速さの係数M倍となる。本明細書に述べられているリソグラフィ・デバイスに関するさらなる情報は、たとえば、米国特許第6,046,792号からわかる。
【0006】
リソグラフィ投影装置を使用する周知の製造プロセスでは、(たとえば、マスク内の)パターンが、感放射線性材料(レジスト)の層によって少なくとも部分的に被覆された基板上に結像される。この結像ステップの前には、基板を、下塗り、レジスト・コーティング、ソフト・ベークなど、様々な手順にかけることができる。露光後には、基板を、露光後ベーク(PEB)、現像、ハード・ベーク、並びに結像されたフィーチャの測定及び/又は検査など、他の手順にかけることができる。この一連の手順を基礎として使用し、デバイス、たとえばICの個々の層をパターン形成する。次いで、そのようなパターン形成済みの層を、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学的機械的研磨など、すべて個々の層を仕上げるように意図された様々なプロセスにかけることができる。
【0007】
いくつかの層が必要とされる場合には、様々な積み重ねられた層のオーバーレイ(並置)を可能な限り正確に行って、手順全体、又はその変形形態若しくは一部分を、新しい各層について繰り返すことが必要となる可能性がある。そのために、小さな基準マークをウェハ上の1つ又は複数の位置で設け、したがってウェハ上で座標系の原点を定義する。光学デバイスと電子デバイスを(以下、「位置合わせシステム」と呼ぶ)基板ホルダ位置決めデバイスと組み合わせて使用すると、新しい層を既存の層上で並置しなければならないたびに、このマークを位置変更することができ、位置合わせ基準として使用することができる。最終的には、一連のデバイスが基板(ウェハ)上に存在することになる。次いで、これらのデバイスは、ダイシング又はソーイングなどの技法によって互いに分離され、そこで、個々のデバイスを、キャリア上に取り付ける、ピンに接続する、などすることができる。そのようなプロセスに関するさらなる情報は、たとえば、Peter van Zantによる書籍「Microchip Fabrication:A Practical Guide to Semiconductor Processing」第3版、McGraw Hill Publishing Co.、1997年、ISBN0−07−067250−4から得ることができる。
【0008】
本文中では、ICの製造時におけるリソグラフィ装置の使用を具体的に参照することがあり得るが、本明細書で述べられているリソグラフィ装置には、集積光学系、磁区メモリ用のガイド及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造など、他の応用分野があり得ることを理解されたい。当業者なら、そのような代替の応用例の文脈において、本明細書における「ウェハ」又は「ダイ」という用語のどのような使用も、それぞれより一般的な用語である「基板」又は「標的部分」と同義と見なすことができることを理解するであろう。本明細書で参照されている基板は、露光の前後に、たとえば、トラック(一般に、レジストの層を基板に付着し、露光されたレジストを現像するツール)、又は測定若しくは検査ツール内で処理することができる。適用可能な場合、本明細書における開示は、そのような、また他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、たとえば多層ICを作成するために複数回処理することができ、その結果、本明細書で使用される基板という用語は、複数の処理済みの層をすでに含む基板を指すこともあり得る。
【0009】
本明細書で使用される「放射線」及び「ビーム」という用語は、(たとえば、波長365、248、193、157、又は126nmを有する)紫外線(UV)及び(たとえば、5〜20nmの範囲内の波長を有する)極紫外線(EUV)、並びに、イオン・ビーム又は電子ビームなど粒子ビームを含む、あらゆるタイプの電磁放射線を包含する。
【0010】
本明細書で使用される用語「パターン形成デバイス」は、基板の標的部分内でパターンを生み出すように、ビームにその断面でパターンを与えるために使用することができる任意のデバイスを指すものとして広く解釈すべきである。ビームに与えられるパターンは、基板の標的部分内の所望のパターンに正確に対応しない可能性があることに留意されたい。一般に、ビームに与えられるパターンは、集積回路など、標的部分内で生み出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
【0011】
パターン形成デバイスは、透過型又は反射型とすることができる。パターン形成デバイスの実施例には、マスク、プログラム可能なミラー・アレイ、プログラム可能なLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィで周知であり、バイナリ、レベンソン型位相シフト、ハーフトーン型位相シフトなどのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッド・マスク・タイプを含む。プログラム可能なミラー・アレイの一実施例は、小さな鏡の行列構成を使用し、鏡のそれぞれは、入来放射線ビームを様々な方向で反射するように個別に傾けることができ、このようにして、反射されたビームがパターン形成される。
【0012】
支持構造は、パターン形成デバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び他の条件、たとえばパターン形成デバイスが真空環境内で保持されるか否かなどに応じた方法で、パターン形成デバイスを保持する。この支持体は、機械式固定、真空、又は他の固定技法、たとえば真空条件下での静電固定を使用することができる。支持構造はフレーム又はテーブルとすることができ、これらは、たとえば、必要に応じて固定又は可動とすることができ、また、パターン形成デバイスが(たとえば投影システムに対して)確実に所望の位置にあるようにすることができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語のどの使用も、「パターン形成デバイス」という、より一般的な用語と同義と見なすことができる。
【0013】
本明細書では、「投影システム」という用語は、たとえば、使用される露光放射線に対して、或いは、浸漬流体の使用又は真空の使用など他の要因に対して適切なように、屈折光学系、反射光学系、カタディオプトリック光学系を含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広く解釈すべきである。本明細書における「投影レンズ」という用語のどの使用も、「投影システム」という、より一般的な用語と同義と見なすことができる。
【0014】
照明システムはまた、放射線のビームを誘導する、形作る、又は制御するために、屈折構成要素、反射構成要素、カタディオプトリック光学構成要素を含む様々なタイプの光学構成要素を包含することができ、そのような構成要素は下記で、集合的に、又は単数で「レンズ」と称される可能性がある。
【0015】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアル・ステージ)以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスク・テーブル)を有するタイプのものとすることができる。そのような「複数ステージ」機では、追加テーブルを同時に使用することができ、或いは、1つ又は複数の他のテーブルが露光用に使用されている間に、1つ又は複数のテーブルに対して準備ステップを実施することができる。
【0016】
リソグラフィ装置はまた、投影システムの最終要素と基板の間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体、たとえば水に、基板の表面が浸漬されるタイプのものとすることができる。また、浸漬液は、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえば、マスクと投影システムの最初の要素との間に適用することもできる。浸漬技法は、投影システムの開口数を増大するために、当技術分野で周知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来、干渉測定システム(たとえば、1つ又は複数のレーザ干渉計を含むシステム)を使用し、ビームの経路内で基板の様々な標的部分を提示するように基板テーブル(又は「チャック」)を正確に位置決めする。このシステムは、レーザ・ビームが基板テーブルの鏡面側部表面(mirrored side surface)から反射されるように構成される。このテーブルは、一般に、x方向とy方向のそれぞれで、測定用に少なくとも1つのそのような鏡を含む。実際には、これらの鏡は、平坦となるように仕上げられるが、何らかの非平坦性を有する。基板テーブルの鏡の非平坦性は、位置決め時の誤差に通じる可能性があり、これは最終的に、たとえば、デバイスの個々の層のオーバーレイにおける誤差に通じる恐れがある。
【0018】
基板テーブル位置測定誤差は、上記で論じたような鏡の非平坦性によるだけでなく、x−y鏡間の非直交性、並びに(一般に、程度はより低いが)様々な座標軸に沿った測定値間のスケールにおける差によって生じる可能性もある。したがって、測定されたテーブルの位置は、実際のテーブルの位置からの偏差を含む可能性がある。したがって、測定システムにおける非理想性の作用に対する補償をサポートするために、較正が必要とされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施例による較正の方法は、テーブル上で担持された基板の主表面に実質的に平行な平面内で、複数の露光位置にテーブルを移動するステップと、複数の露光位置の各部で、測定システムの第1の部分を使用し、平面内の2つの直交軸のそれぞれに沿って、テーブルの第1の位置を測定し、基板上にマークを露光するステップとを含む。また、この方法は、前記マークのそれぞれについて、第1の部分と異なる測定システムの第2の部分を使用し、2つの直交軸の少なくとも1つに沿って、マークに対応するテーブルの測定位置を測定するステップと、前記測定された露光位置及び測定位置を記録するステップとを含む。前記記録された位置に基づいて、測定システムの位置測定誤差が決定される。
【0020】
本発明の諸実施例はまた、較正基板と、本明細書で述べられている1つ又は複数の較正の方法を含むデバイス製造方法と、1つ又は複数のそのような製造及び/又は較正の方法を説明する機械可読命令を含むコンピュータ・プログラム製品とを含む。
【0021】
次に、本発明の諸実施例について、対応する符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら、例としてのみ述べる。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の特定の実施例によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射線(たとえば、UV放射線)のビームPBを条件付けるように適合された照明システム(イルミネータ)ILと、投影システムPLに対してパターン形成デバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続された、パターン形成デバイス(たとえば、マスク)MAを支持するように構成された支持構造(たとえば、マスク・テーブル)MTと、投影システムPLに対して基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された、基板(たとえば、レジスト・コーティング済みウェハ)Wを保持するように構成された基板テーブル(たとえば、ウェハ・テーブル)WTと、パターン形成デバイスMAによってビームPBに与えられたパターンを基板Wの(たとえば、1つ又は複数のダイを含む)標的部分C上に結像するように手契合された投影システム(たとえば、屈折投影レンズ)PLとを含む。
【0023】
本明細書では、本装置は、(たとえば、透過マスクを使用する)透過タイプのものである。別法として、本装置は、(たとえば、上記で参照されているタイプのプログラム可能なミラー・アレイを使用する)反射タイプのものとすることができる。
【0024】
イルミネータILは、放射線源SOから放射線のビームを受け取る。放射線源とリソグラフィ装置は、たとえば放射線源がエキシマ・レーザであるとき、別体とすることができる。そのような場合、放射線源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、たとえば、適切な誘導ミラー及び/又はビーム・エキスパンダを含むビーム送達システムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILに渡される。他の場合には、たとえば放射源が水銀ランプであるとき、放射源を装置の一体化部分とすることができる。放射源SO及びイルミネータILは、(必要に応じてビーム送達システムBDと共に)放射システムと呼ばれることがあり得る。
【0025】
イルミネータILは、ビームの角度強度分布を調整するために、調整デバイスAMを含むことができる。一般に、イルミネータのひとみ平面内の強度分布の少なくとも外部及び/又は内部径方向範囲(一般にそれぞれσ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調整することができる。さらに、イルミネータILは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなど、様々な他の構成要素を備える。イルミネータは、その断面において所望の均一性及び強度分布を有する、投影ビームPBと呼ばれる条件付けられた放射線のビームを提供する。
【0026】
投影ビームPBは、マスク・テーブルMT上で保持されているマスクMA上に入射する。投影ビームPBは、マスクMAを横切って、投影システムPLを通過し、投影システムPLは、ビームを基板Wの標的部分C上に集束する。基板テーブルWTは、第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(たとえば、干渉測定デバイス)の助けにより、たとえば、様々な標的部分CをビームPBの経路内で位置決めするように、正確に移動することができる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと別の位置センサ(図1には明示的に図示せず)を使用し、マスクMAを、たとえばマスク・ライブラリから機械的に取り出した後で、又は走査中に、ビームPBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般に、物体テーブルMT及びWTの移動は、位置決めデバイスPM及びPWの一方又は双方の一部を形成するロング・ストローク・モジュール(粗い位置決め)及びショート・ストローク・モジュール(細かい位置決め)の助けにより実現されることになる。しかし、(スキャナではなく)ステッパの場合には、マスク・テーブルMTをショート・ストローク・アクチュエータに接続するだけとすることも、固定とすることもできる。マスクMA及び基板Wは、マスク・アライメント・マークM1、M2、及び基板アライメント・マークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0027】
図の装置は、以下の好ましいモードで使用することができる。
1.ステップ・モードでは、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが本質的に静止したままであり、一方、投影ビームに与えられたパターン全体が標的部分C上に1回で投影される(すなわち、1回の静止露光)。次いで、基板テーブルWTがX及び/又はY方向でシフトされ、その結果、異なる標的部分Cを露光することができる。ステップ・モードでは、露光領域の最大サイズにより、1回の静止露光で結像される標的部分Cのサイズが制限される。
2.走査モードでは、マスク・テーブルMT及び基板テーブルWTが同期して走査され、一方、投影ビームに与えられたパターンが標的部分C上に投影される(すなわち、1回の動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの(縮小)倍率と映像反転特性によって決定される。走査モードでは、露光領域の最大サイズにより、1回の動的露光における標的部分の(非走査方向での)幅が制限され、一方、走査運動の長さにより、標的部分の(走査方向での)高さが決定される。
3.別のモードでは、マスク・テーブルMTが、プログラム可能なパターン形成デバイスを保持して本質的に静止したままであり、投影ビームに与えられたパターンが標的部分C上に投影されている間に、基板テーブルWTが移動又は走査される。このモードでは、一般に、パルス放射源が使用され、基板テーブルWTの各移動の後で、又は走査中、連続する放射パルスの間で、必要に応じてプログラム可能なパターン形成デバイスが更新される。この動作モードは、上記で参照されているタイプのプログラム可能なミラー・アレイなど、プログラム可能なパターン形成デバイスを使用するマスク不要のリソグラフィに容易に適用することができる。上述の使用モード又は全く異なる使用モードに対する組合せ及び/又は変形形態をも、使用することができる。
【0028】
精密位置決め技術の応用例では、プラットフォーム又はテーブルは、何らかの基準に対して正確に位置決めすべき物体を担持する。1つのそのような応用例では、(ウェハ・ステージ又はウェハ・チャックとも呼ばれる)基盤テーブルを使用し、投影レンズ・システムなど基準に対して、基板を正確に位置決めする。センサを使用し、いくつかの座標でテーブルの位置を検出することができる。たとえば、従来、基板テーブルは、レーザ干渉計からの位置合わせビームをミラーから反射させ、チャック又はウェハ・ステージWSの相対位置を測定することを可能にすることができるように、ウェハ・チャックWTの隣接する側に配置された鏡Mx及びMyを備える(図2を参照)。他の諸実施例では、いくつかの座標でのテーブルの位置は、他の光学検知構成(たとえば、光学式エンコーダ、おそらくは干渉計)、又は他の検知技術(たとえば、容量センサ)、或いはそのようなセンサの組合せを使用して測定することができる。いくつかの実施例では、(X及びYに直交する)Z軸に沿った測定、及び/又は回転軸に対する測定が望ましい可能性がある。
【0029】
図2は、典型的な位置測定システムを概略的に示す。この特定の実施例は、ウェハWを保持するウェハ・チャックWSの位置を測定するために適用されるシステムを示す。ウェハ・チャックは、レーザ・ビームBx、By1、By2を反射させ、X軸及びY軸のそれぞれに沿ったチャックの位置を干渉計で決定することができるように、チャックWSの隣接する側に配置された鏡Mx及びMyを備える。チャックWSは、(たとえば、ビームBx、By1、By2が鏡Mx及びMy上に入射したままとなるように)X軸及びY軸に沿った動きの、ある範囲内で(少なくとも)X−Y平面内の様々な位置に移動可能である。この実施例では、z軸の周りで回転の測定を可能にするために、2つのビームBy1及びBy2が設けられている。このシステムは、ビームBy1を使用することにより、又はビームBy2を使用することにより、又は両ビームを使用して測定値の平均を取ることにより、y方向で位置を測定するように構成することができる。z軸の周りでの回転は、ビームBy1とビームBy2による測定値間の差を取り、その差をビームBy1とビームBy2の間の距離で割ることによって測定することができる。
【0030】
X、Y、Rzでの位置を決定するために、少なくとも3つのビームが必要とされる。他の構成では、2つのビームを、Y方向ではなくX方向で使用することができ、或いは、2つ以上のビームを各方向について(たとえば、冗長のために)使用することができる。また、X及び/又はY軸の周りでの回転の測定をサポートするために、ビームを提供することもできる。図のビーム/鏡構成に対する代替としてであろうと追加としてであろうと、1つ又は複数の他の測定センサ(たとえば、光学式エンコーダ、容量センサ)を含むシステムもまた可能である。
【0031】
検知システムにおける非理想性などの要因は、その測定が行われたとき、測定されたテーブルの位置と実際のテーブルの位置との間の変位に影響する可能性がある。同じスケールを有する直交軸に基づくデカルト座標系では、この誤差は、測定された位置(x,y)と実際位置(x,y)の間の変位として表すことができる。上述のように鏡Mx及びMyを使用する干渉測定システムでは、そのような測定誤差は、(たとえば、図3に示されている)鏡の非平坦性、(たとえば、図4に示されている)異なる座標軸に沿った測定に使用される鏡同士の非直交性、及び、(一般に、程度はより低いが)異なる座標軸に沿った測定間のスケーリング誤差によって発生する可能性がある。スケーリング誤差は、たとえば、異なるセンサ(たとえば、おそらくは異なる波長を有する、異なるレーザ)を使用して、それぞれX方向及びY方向に沿って位置を測定することから生じる可能性がある。他の検知方法(テーブルの側部表面への距離を測定するように構成された容量センサ)にもまた非直交性及び/又は表面非平坦性誤差がある可能性があり、その結果、本明細書で述べられている本発明の原理は、そのような状況にも適用することができることをも理解することができる。
【0032】
いくつかの誤差(たとえば、鏡非平坦性及び非直交性)の作用は、ある測定された位置と別の測定された位置との間で異なる可能性がある。たとえば、図3は、xでの鏡非平坦性誤差がyでの位置の関数であることを示す。したがって、測定された位置(x,y)と、対応する実際位置(x,y)との位置依存の偏差を「グリッド」で表すことが有用である可能性がある。そのようなグリッドは、並進マップDx(y)(yでの位置の関数としてのxでの誤差)及びDy(x)(xでの位置の関数としてのyでの誤差)、回転マップRz(x,y)((x,y)位置の関数としてのZ軸周りの回転)、(たとえば、鏡MxとMyの間の角度に基づく)非直交性係数、並びに(x及びyでの測定スケールに関する)倍率(scaling factor)の組合せとしてモデル化することができる。これらの貢献もまた、マップDx(x,y)、Dy(x,y)、Rz(x,y)の三つ組(それぞれを(x,y)位置の関数として、それぞれ、xでの誤差、yでの誤差、Z周りの回転)として表すことができる。
【0033】
位置決めシステムは、複数のそのようなグリッドによって特徴付けることができる。たとえば、リソグラフィ装置では、位置合わせステーション部でテーブル位置を測定するために使用されるシステムは、露光ステーション部でテーブル位置を測定するために使用されるシステムと異なる可能性がある。そのような場合には、露光ステーション部でのウェハ・チャックの位置誤差マップを表すために「露光グリッド」を使用することができ、測定ステーション部でのウェハ・チャックの位置誤差マップを表すために「測定グリッド」を使用することができる。
【0034】
図5は、単一のテーブルが2つのそのようなステーション間で移動する一実施例を示す。あるステーション(たとえば、ウェハをテーブルと位置合わせするために、且つ/又はZでウェハ表面のマップを測定するために、動作中にテーブルをX−Y平面内で様々な位置に移動することができる「測定」ステーション)部では、ビームBx1を使用してX位置が測定される。別のステーション(「測定ステーション」部で測定された情報に従って、ウェハの1つ又は複数の領域を投影レンズに対して連続的に位置決めして露光するために、テーブルをX−Y平面内で様々な位置に移動することができる「露光」ステーション)部では、ビームBx2を使用してX位置が測定される。したがって、一方のステーション部でテーブル位置を測定するために使用されるシステムは、他方のステーション部でテーブル位置を測定するために使用されるシステムと異なる。
【0035】
図6は、2つのテーブルが2つのそのようなステーション間を(たとえば、一般に「チャック・スワップ」と呼ばれる動作を介して)移動される一実施例を示す。1つの機械内にそのような構成を含むことの潜在的な利点は、次に露光される物品が測定されている間に1つの物品を露光することができる点で、スループットが高まることである。この実施例では、各ステーション部でチャックのY位置を測定するために、異なるビーム並びに異なる鏡が使用される。そのような場合には、2つのステーション部でY軸に沿って取られる、1つのテーブルの測定値は、たとえば異なる非平坦性誤差を受ける可能性があることを、当業者なら理解するであろう。
【0036】
精密位置決めシステム内の位置測定誤差を(たとえば、グリッドの形態で)表すものを得るために、較正動作を行うことができる。そのような動作をサポートするために、テーブルは、1組のアライメント・マークを備えることができる。別法として、テーブルによって担持される物体(たとえば、基板又はウェハ)がアライメント・マークを備えることができる。たとえば、露光ステーション部でテーブルを様々なX−Y位置に移動させることができ、一方、テーブル位置のそれぞれにおいて、1つ又は複数のアライメント・マークが、テーブルによって担持された感光性基板上に露光される。テーブルの位置決め時の誤差により、基板上のアライメント・マークの相対位置は、意図されたものと異なる可能性がある。
【0037】
アライメント・マークの露光後、露光後ベーク(PEB)、現像、及びハード・ベークのためにウェハをテーブルから除去することができ、その後、測定ステーション部でマークの位置を測定するために、ウェハをテーブルに戻すことができる。ウェハの除去及び置き換えの結果として、露光ステーション部でのテーブルに対するウェハの位置は、測定ステーション部でのテーブルに対するウェハの位置と異なる可能性がある。(本発明の諸実施例のいくつかの応用例では、測定するためにウェハをテーブルから除去することは必要とされない。たとえば、場合によっては、マーク潜像上で測定を行うことができる。)
【0038】
本明細書で論じられている(一方のステーションと他方のステーションとの間で異なる可能性がある)誤差により、マークのそれぞれが露光されたときのテーブルの実際位置も、マークのそれぞれが測定されたときのテーブルの位置も完璧に既知でない可能性がある。さらに、上記で指摘したように、(たとえば、測定前に露光済みマークを現像するために)露光と測定の間でウェハをテーブルから除去することが必要であり、したがって、追加の位置の不確定性を導入する可能性がある。
【0039】
1回の露光時に複数のアライメント・マークからなるパターンが露光される場合、ウェハ上で形成されるこれらのマークの間の相対位置誤差は、大きく削減する、又はなくすることができる。図7は、1組のレチクル・マーク(この場合には5つのマーク)が、露光ステーション部で、1回で露光される一実施例を示す。したがって、これらは、露光ステーション部でのウェハ・ステージの1つの位置、すなわち単一の共通位置測定誤差に対応する。しかし、測定ステーション部で、このマーク群は、それぞれが異なる測定誤差を有する最大5つの異なる位置測定を得るために使用することができる。相対測定済み位置は露光ステーションの位置測定システムにおける誤差からほとんど、又は完全に独立しているため、相対測定済み位置を使用し、測定ステーションの位置測定システムにおける非理想性に特に特徴的な情報を得ることができる。たとえば、相対測定済み位置は、露光ステーション部でのどの非平坦性、非直交性、又はスケーリング誤差からも独立している。
【0040】
図7に示されている特定のパターン・レイアウトでは、その1組のマークを使用し、いくつかの異なるX位置及びY位置での測定をサポートすることができる。さらに、マークの分布は、単一の露光ステーション位置に対応する、ウェハのいくつかの座標場所をカバーするパターンを提供する。
【0041】
x及びyマーク位置誤差を様々な誤差源に関連させる式の系(1)−(2)が、下記に示されている。この系は、(たとえば、図7に示されているように)単一の露光ステーション位置での複数のマークの露光を実現する。これらの式は、X軸及びY軸の1つに沿って、ある位置を示すマークの使用に関連する。すなわち
【0042】
【数1】

【0043】
これらの式において、以下の表記法が使用される。
・iは、(マルチマーク・レチクル・レイアウト内で)マーク・インデックスを示す。
・「waf」は、ウェハ座標系内の座標を示し、「lens」は、レンズ座標系内の座標を示す。
・「e」及び「m」は、それぞれ露光チャックと測定チャックを示す。
・「meas」及び「int」という用語は、それぞれ測定された位置と所期の位置を示す。
・「E」及び「M」は、それぞれ露光ステーションと測定ステーションを示す。
・X及びYは、それぞれウェハ・ステージX及びY位置を示す。
・YTXは、Yの関数として並進マップXを示し、XTYは、Xの関数として並進マップYを示し、XRZは、Xの関数として回転マップRzを示す。
・sfxは、干渉計Xスケーリングを示し、sfyは、干渉計Yスケーリングを示す。
・Rzmx及びRzmyは、それぞれx鏡とy鏡のRz誤差を示す。
・wmは、ウェハ倍率を示し、wrは、ウェハ回転を示し、wxは、xでのウェハ並進を示し、wyは、yでのウェハ並進を示す。
・rx及びryは、それぞれxとyでのレチクル・マーク誤差を示す。
【0044】
これらの表記法は、実際上変わる可能性がある。たとえば、sfxのsfyに対する比(或いはその逆)を、2つの別個のパラメータではなく使用することができる。他の実施例では、Rz鏡誤差の1つ(たとえば、Rzmx)をゼロとして定義し、パラメータsxy=Rzmx−Rzmy(この場合には−Rzmy)を使用し、鏡間の非直交性を示すことができる。式(1)及び(2)はまた、複数のチャックを有する1台の機械内のステーションとチャックの異なる組合せ(たとえば、デュアル・チャック機について4つの組合せ(E1M1、E1M2、E2M1、E2M2))を実現し、これにより、より多くの情報が得られ、また、より正確な較正が可能になる可能性がある。
【0045】
それぞれが1つ又は複数のマークを有する複数のレチクルを使用して、単一の露光ステーション位置でマルチマーク・レイアウトを露光することもまた可能であることに留意されたい。図8は、図7のレイアウト実施例に基づいて、2つのそのような実施例を示す。そのような場合には、各レチクルの誤差を(たとえば、系(1)−(2)内で)反映することが必要となる可能性がある。
【0046】
本明細書では、「オルソボックス(ortho−box)」という用語を使用し、複数の直交方向で位置を提供するマークを示す。オルソボックスは、任意の好適なサイズとすることができ、「ボックス」という語が使用されるが、オルソボックスは、三角形、円、又は任意の他の好適な形状とすることができることを理解されたい。図9は、位相格子の形態でオルソボックスの一実施例を示す。この実施例は、4つの副格子P1,a、P1,b、P1,c、P1,dを含み、そのうち2つ(P1,b及びP1,d)は、X方向での位置合わせのために働き、他の2つ(P1,a及びP1,c)は、Y方向での位置合わせのために働く。2つの副格子P1,b及びP1,cは、たとえば16ミクロンの格子周期を有し、副格子P1,a及びP1,dは、たとえば17.6ミクロンの格子周期を有する。各副格子は、たとえば200×200ミクロンの寸法を有することができる。原理上0.1ミクロンより小さい位置合わせ精度を、この格子マークと好適な光学系を用いて達成することができる。様々な格子周期を選ぶことにより、位置合わせユニットの取込み範囲を拡大することができる。この範囲は、たとえば40ミクロンである。
【0047】
本発明の諸実施例のいくつかの応用例では、測定ステーション部でのテーブル上のウェハ位置と、(たとえば、現像後の)測定ステーション部でのテーブル上のウェハ位置との間の(「ウェハ・ロード角」と呼ばれる)角度だけウェハを回転させることができる。そのような場合には、オルソボックス・マークを、2つ以上のウェハ・ロード角で位置合わせするために構成することが望ましい可能性がある。これらのロード角は、通常0、90、180、270度であるが、任意の他の、選ばれたロード角とすることができる。マルチマーク・レイアウトの使用に関連して上記で論じたように、あるロード角でのマークの相対測定済み位置と、別のロード角でのマークの同じ相対測定済み位置との差は、露光ステーション部でのどの非平坦性、非直交性、又はスケーリング誤差からも独立している。したがって、そのような測定値を使用し、測定ステーションの位置測定システムにおける非理想性に特に特徴的な情報を得ることができる。
【0048】
以下に、マルチオルソボックス(multi ortho−box)レチクル・レイアウトについて(並進マップ、回転マップ、非直交性、スケーリング、ウェハロード・パラメータ、レチクル誤差を含む)様々な誤差源に対するx及びyマーク位置相違(X−Y平面内での測定された位置と所期の位置との間の距離)に関連する2つの式の実施例が示されている。これらの式は、0度での露光、並びに0度(式(3))及び90度(式(4))での測定の場合についてのものである。しかし、式(3)及び(4)に提示されている特定の組合せと異なるウェハ・ロード角で露光すること、及び/又は異なるウェハ・ロード角(たとえば、0、90、180、270度の1つ)で測定することも可能であることを理解されたい。
【0049】
【数2】

【0050】
(0度ウェハ・ロード角についての)式(3)は、実際、マルチマーク・レチクル・レイアウトのための系(1)−(2)と同じであることに留意されたい。また、露光ステーションからの誤差の貢献は、(90度ウェハ・ロード角についての)式(4)で「ひっくり返され」、その結果、X座標内の誤差がYでの相違に貢献し、逆も同様であることに留意されたい。これらの式は、180度ウェハ・ロード角及び270度ウェハ・ロード角の場合についても同様な形で修正される。
【0051】
オルソボックスは、任意の所望の構成でウェハ全体にわたって分布することができる。図10には、オルソボックスがx軸に沿って行内で、またy軸に沿って列内で位置合わせされる十字構成の一実施例が示されている。他の実施例では、オルソボックスは、多角形構成(たとえば、図11に示されているように菱形四辺形)で構成することができる。そのような構成を使用し、並進マップを得ること、また、非直交性及びスケーリング誤差を特徴付けることができる。
【0052】
図10に示されている実施例と異なり、図11の構成では、2つ以下のオルソボックスが、X軸及びY軸のいずれかに沿って同じ位置を有する。したがって、そのような菱形構成のオルソボックスは、XとY共に相対情報を提供する。図11の菱形構成では、たとえば図10の十字構成に比べて、より少ないオルソボックス・マークを用いて、より高い精度を得ることができる。その結果として、露光ステーション部で、より少ないオルソボックス・マークを露光し、測定ステーション部で、より少ないオルソボックス・マークを測定することによって、より迅速且つ効率的に同じ精度を得ることができる。
【0053】
図10の実施例及び図11の実施例では、オルソボックスのそれぞれが、露光ステーション部のテーブルの異なる位置でウェハ上に露光される。図12は、本発明の他の実施例による構成の一実施例を示し、複数のオルソボックスが、(たとえば、図7に示されているマルチマーク・レイアウトに似たマルチオルソボックス・レイアウトを使用して)露光ステーション部のテーブルの同じ位置で露光される。図12内の破線は、同じテーブル位置で露光されたオルソボックスを示すように働くにすぎず、ウェハ上に存在する必要はない。
【0054】
図13は、本発明による他の実施例を示し、2行のマルチオルソボックス・パターンがウェハW上でプリントされる。異なる露光からのオルソボックスの(この図の垂直方向の)重なり合いにより、複数のオルソボックスを単一の測定位置で読み取ることが可能になり、したがって、そのようなオルソボックス間の露光ステーション位置決め誤差について、測定ステーション位置決め誤差がほとんど、又は全くない情報が提供される。
【0055】
図12及び図13に示されている構成を使用し、Xでの位置の関数として、Z周りの回転の誤差のマップを得ることができる。同様な構成を使用し、Yでの位置の関数として、Z周りの回転の誤差のマップを得ることができる。実際には、そのような構成はまた、オルソボックスではなく通常のマーク(1つの軸だけに沿った位置を示す、回折格子又は位相格子などのマーク)と共に使用することができる。そのような各構成は、1つのウェハ・ロード角について回転誤差情報を提供することができるにすぎないが、直交方向で配向された通常のマークの別の構成をウェハ上に露光し(たとえば十字構成全体を形成して)、1枚のウェハを用いてRz(x)とRz(y)双方の特徴付けを可能にすることができる。(また、マルチオルソボックス・レイアウトの直交構成を使用し、そのような両回転誤差マップの測定をサポートすることもできる。)
【0056】
図14は、斜めに構成された1組の通常のマーク(この実施例では5つ)を含むマルチマーク・レチクル・レイアウトを示す。特定の、しかし非限定的な実施では、各マークは、X軸に沿って(おそらくはY軸にも沿って)0.512mmの寸法を有し、X軸での位置を示し、マークの中心間の間隔は、X方向及びY方向共に2mmである。(これらの寸法は、ウェハ上で露光されたマークを参照しており、たとえば投影システムの倍率だけレチクル・レイアウト上のマークの対応する寸法と異なる可能性がある。)
【0057】
図15は、そのようなマークをどのようにウェハ上で数回露光することができるかを示す(図内の異なる線の特性(qualities)は、異なる露光を示す)。この実施例では、各露光は、X軸に沿った同じ位置で、しかしY軸に沿った対応する異なる位置で(たとえば、マーク間の間隔に等しいオフセットで)行われる。測定ステーション部では、X軸に沿ったいくつかのマークの位置は、Y軸に沿った単一の位置で決定することができる(たとえば、点線A−Aに沿ったXでの最大5つの異なる位置)。これらのマークは、実質的に同じY位置で測定されるため、それらの予想されるX位置からの変動は、ほぼ全体的に露光ステーション部のX鏡の非平坦性に起因すると考えることができる。具体的には、線A−Aに沿って分布する複数のマークについて、測定は、露光ステーション部のX鏡の複数の点(この実施例では5点)、及び測定ステーション部のX鏡の1点によって影響される。点線B−Bに沿った複数のマークは、同じX位置で露光され、それらの予想されるY位置からの変動は、ほぼ全体的に測定ステーション部のY鏡の非平坦性に起因すると考えることができる。具体的には、線B−Bに沿って分布する複数のマークについて、測定は、測定ステーション部のY鏡の複数の点(この実施例では5点)、及び露光ステーション部のY鏡の1点によって影響される。
【0058】
図18は、露光ステーション(露光鏡)部で測定されたX鏡マップと、測定ステーション(測定鏡)部で測定されたY鏡マップとの間に存在する関係の一実施例を示す。この図18から、露光ステーション(「露光鏡EM」)部で測定されたX鏡マップの1点が、測定ステーション(「測定鏡MM」)部で測定されたY鏡マップの複数の点(たとえば3点)に関連することがわかる。同様に、露光ステーション部で測定されたX鏡マップの複数の点(たとえば3点)が、測定ステーション部でのY鏡マップの1点に関連することがわかる。
【0059】
図16は、図14及び図15に関連して述べられているように露光されたウェハの一実施例を示す。上述のように、この実施例では、別の軸に沿った測定をサポートするために(たとえば、X軸に沿った単一の位置で、Y軸に沿ったいくつかのマークの位置の測定をサポートするために)、異なる向きで同様な一連の同じレイアウトを用いてウェハが露光される(たとえば、ウェハ上で十字構成を形成する)。当然ながら他の構成も可能であり、異なるレイアウト、オフセットなどを、異なる軸に沿った露光のために使用することができる。
【0060】
他の実施例では、マルチマーク・レイアウトを、マルチステージ機の別のステージ部でウェハ上に露光することができる。そのような場合には、第2のステージ部のウェハを第1のステージと同じ位置で、何らかの所定のオフセットだけ変えて露光することができる。連続露光がY軸に沿って2mmだけオフセットされて、X及びYにおいて2mmで離隔された0.512mmマークの一実施例では、2つのステーション部での露光は、たとえば640ミクロンの距離だけオフセットする可能性がある。そのような構成により、軸の1つに沿った単一の測定位置でさらに多くの情報を得ることが可能になる可能性がある。そのような、2つの異なるステージ部でウェハ上にマルチマーク・レイアウトを露光することは、上記で論じたウェハの複数の向きについて行うこともできる。
【0061】
図17は、本発明の他の実施例による基板を示す。この実施例は、図11に示されている実施例に似ているが、各露光で1つのオルソボックス・マークをプリントする代わりに、マルチオルソボックス・レイアウト・パターンが各露光でプリントされる。異なる露光からのオルソボックスの重なり合いにより、複数のオルソボックスを単一の測定位置で読み取ることが可能になる。マルチオルソボックス・レイアウトのオフセット構成もまた、図11の実施例に関連して上記で論じたように、X方向及びY方向で追加の情報を提供する。
【0062】
以上、本発明の特定の諸実施例について述べたが、本発明は、述べられているものとは別の方法で実施することができることを理解されたい。たとえば、そのような方法は、テーブルに対して複数のウェハの向きで、較正ウェハ上でマークを露光すること、及び/又は異なるテーブル上で、較正ウェハ上でマークを露光することを含むことができる。また、本明細書で述べられている方法は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの何らかの組合せとして(たとえば、ディスク又はコンピュータ・メモリなどデータ記憶媒体に記憶された機械実行可能命令の1つ又は複数のセットの形態で)実施することもできる。一実施例では、コンピュータ・システム上で実行されたとき、本明細書で述べられている方法のいずれか、又はすべてを実行するようにコンピュータ・システムに命令するプログラム・コードを含むコンピュータ・プログラムが提供される。リソグラフィ装置について論じられているが、本発明の諸実施例は、他の使用(たとえば、ナノファブリケーション、ナノアセンブリ、ナノアナリシス)のための精密位置決めに対する応用例を含むことがはっきりと意図されている。この説明は、本発明を限定しないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施例において使用することができるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施例において使用することができる位置測定システムを概略的に示す図である。
【図3】鏡非平坦性の一例を示す図である。
【図4】非直交性の甚だしく誇張された例を示す図である。
【図5】シングルステージ構成における2つのステーションを示す図である。
【図6】デュアルステージ構成における2つのステーションを示す図である。
【図7】マルチマーク・レチクル・レイアウト(multi−mark reticle)を含むパターンの露光を示す図である。
【図8】図7のパターンを形成するために使用することができるレチクルの組の2例を示す図である。
【図9】オルソボックス(ortho−box)の一実施例を示す図である。
【図10】アライメント・マークの十字構成を示す図である。
【図11】アライメント・マークの四辺形構成を示す図である。
【図12】マルチオルソボックス(multi−ortho−box)レイアウトの線形構成を示す図である。
【図13】マルチオルソボックス・レイアウトの重なり合い構成を示す図である。
【図14】マルチマーク・レチクル・レイアウトを示す図である。
【図15】Xにおける同じ位置とYにおける異なる位置で、図14のレイアウトの一連の露光を示す図である。
【図16】異なる軸に沿ったマルチマーク・レイアウトの一連の露光後のウェハの一実施例を示す図である。
【図17】マルチオルソボックス・レイアウトの四辺形構成を示す図である。
【図18】露光ステーション部で測定されたX鏡マップと、測定ステーション部で測定されたY鏡マップとの間に存在する関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
AM 調整デバイス
BD ビーム送達システム
Bx レーザ・ビーム
Bx1 ビーム
Bx2 ビーム
By1 レーザ・ビーム
By2 レーザ・ビーム
C 標的部分
CO コンデンサ
EM 露光鏡
IF 位置センサ
IL 照明システム(イルミネータ)
IN インテグレータ
M1 マスク・アライメント・マーク
M2 マスク・アライメント・マーク
MA パターン形成デバイス(マスク)
MM 測定鏡
MT 支持構造(マスク・テーブル)
Mx 鏡
My 鏡
P1 基板アライメント・マーク
P2 基板アライメント・マーク
PB 投影ビーム
PL 投影システム
PM 第1の位置決め手段
PW 第2の位置決めデバイス
SO 放射源
W 基板
WS チャック、ウェハ・ステージ
WT 基板テーブル(ウェハ・テーブル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルの位置を、前記テーブルによって担持された基板の主表面に実質的に平行な平面内で測定するように構成された測定システムを較正する方法であって、
測定システムの第1の部分を用いて、前記平面内の2つの直交軸のそれぞれに沿って、テーブルの複数の露光位置のそれぞれを測定するステップと、
前記複数の露光位置の各部で、前記基板上にマークを露光するステップと、
前記マークのそれぞれについて、また、前記テーブルに対する前記基板の第1の向きについて、前記第1の部分と異なる前記測定システムの第2の部分を使用し、前記2つの直交軸のそれぞれに沿って、前記マークの場所に対応する前記テーブルの測定位置を測定するステップと、
前記マークのそれぞれについて、また、前記第1の向きと異なる、前記テーブルに対する前記基板の第2の向きについて、前記測定システムの前記第2の部分を使用し、前記2つの直交軸のそれぞれに沿って、前記マークの場所に対応する前記テーブルの第2の測定位置を測定するステップと、
前記測定された露光位置、測定位置、第2の測定位置を記録するステップと、
前記記録された位置に基づいて、前記直交軸の双方に沿った位置の関数として、前記直交軸の1つに沿った前記測定システムの位置測定誤差の特徴付けを得るステップとを含む方法。
【請求項2】
前記第1の向きと前記第2の向きとの関係が、実質的に90度の非ゼロ整数倍に等しい請求項1に記載の較正方法。
【請求項3】
前記基板上にマークを露光するステップが、前記複数の露光位置の少なくとも1つについて、複数のマークを含むパターンを前記基板上に露光するステップを含み、各マークが、少なくとも1つの軸に沿って異なる位置を示す請求項1に記載の較正方法。
【請求項4】
前記複数の露光位置が、前記直交軸の双方に沿って互いに実質的に異なる3つの位置を含む請求項1に記載の較正方法。
【請求項5】
前記3つの位置が、前記直交軸の双方と共に実質的な角度を形成するラインに実質的に沿って構成される請求項4に記載の較正方法。
【請求項6】
前記複数の露光位置が、多角形の輪郭に沿って前記主表面上で実質的に構成される請求項4に記載の較正方法。
【請求項7】
前記多角形が、その軸が前記直交軸の双方と共に実質的な角度を形成する四辺形である請求項6に記載の較正方法。
【請求項8】
前記位置測定誤差の特徴付けを得るステップが、前記テーブルの表面の非平坦性の特徴付けを得るステップを含む請求項1に記載の較正方法。
【請求項9】
前記位置測定誤差の特徴付けを得るステップが、前記テーブルの2つの隣接する表面間の非直交性の特徴付けを得るステップを含む請求項1に記載の較正方法。
【請求項10】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分が、同じ位置センサを使用して、前記直交軸の少なくとも1つに沿って前記テーブルの位置を測定するように構成される請求項1に記載の較正方法。
【請求項11】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分の少なくとも1つが、レーザ干渉計を含む請求項1に記載の較正方法。
【請求項12】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分の少なくとも1つが、前記テーブルの反射表面を含む請求項1に記載の較正方法。
【請求項13】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分が、前記テーブルの同じ表面を使用して、前記直交軸の少なくとも1つに沿って前記テーブルの位置を測定するように構成される請求項1に記載の較正方法。
【請求項14】
前記測定システムの位置測定誤差の特徴付けを得るステップがそれに基づく前記記録された位置のすべてが、単一の基板を使用して測定される請求項1に記載の較正方法。
【請求項15】
前記マークの少なくとも1つが、位相格子及び回折格子からなるグループの少なくとも1つを含む請求項1に記載の較正方法。
【請求項16】
前記測定するステップ及び露光するステップを繰り返すことが、前記テーブルに対して、前記基板の複数の異なる向きで実施される請求項1に記載の較正方法。
【請求項17】
前記測定システムの前記第1の部分を用いて、前記2つの直交軸のそれぞれに沿って、前記基板を担持する第2のテーブルの第1の位置を測定するステップと、前記基板上にマークを露光するステップとを含み、
前記測定システムの位置測定誤差の特徴付けを得るステップが、前記基板上に露光されたマークに対応する、前記第2のテーブルの記録された、測定された位置に基づく請求項1に記載の較正方法。
【請求項18】
放射線のビームを、その断面内で、あるパターンでパターン形成するステップと、
前記パターン形成済みビームを用いて、前記テーブルによって担持された第2の基板上の感放射線性層の少なくとも一部分を露光するステップとを含み、
前記パターンが、前記基板上で形成すべきデバイスのプロセス層に対応し、
前記露光するステップが、前記測定システムの前記位置測定誤差の前記特徴付けの少なくとも一部分に基づく請求項1に記載の較正方法。
【請求項19】
テーブルの位置を、前記テーブルによって担持された基板の主表面に実質的に平行な平面内で測定するように構成された測定システムを較正する方法であって、
測定システムの第1の部分を用いて、前記平面内の第1及び第2の直交軸のそれぞれに沿って、テーブルの複数の露光位置のそれぞれを測定するステップと、
前記複数の露光位置の各部で、複数のマークを含むパターンを前記基板上に露光するステップと、
前記第1の軸に沿った実質的に同じ測定された位置で、前記第1の部分と異なる前記測定システムの第2の部分を使用し、前記第2の軸に沿って、様々な露光位置で露光されたマークの場所に対応する前記テーブルの複数の測定位置を測定するステップと、
前記測定された露光位置及び測定位置を記録するステップと、
前記記録された位置に基づいて、前記直交軸の双方に沿った位置の関数として、前記平面に直交する軸の周りで前記測定システムの位置測定誤差の特徴付けを得るステップとを含む方法。
【請求項20】
前記マークの少なくとも1つが、両直交軸に沿って位置を示す請求項19に記載の較正方法。
【請求項21】
前記パターンを露光するステップが、前記第1の軸に沿って異なる位置を示すマークを露光するステップを含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項22】
前記パターンを露光するステップが、前記第2の軸に沿って異なる位置を示すマークを露光するステップを含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項23】
前記測定するステップを、前記第2の軸に沿って、前記第1の軸に沿った少なくとも1つの他の測定された位置について繰り返すステップを含む請求項22に記載の較正方法。
【請求項24】
前記複数の露光位置の各部でパターンを前記基板上に露光するステップが、前記テーブルに対する前記基板の第1の向きについて実施され、
前記方法が、前記第1の向きと異なる、前記テーブルに対する前記基板の第2の向きについて、前記テーブルの複数の第2の露光位置のそれぞれを測定するステップと、前記複数の第2の露光位置の各部で、前記基板上にパターンを露光するステップとを含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項25】
前記第2の軸に沿った実質的に同じ測定された位置で、前記第1の部分と異なる前記測定システムの第2の部分を使用し、前記第1の軸に沿って、様々な第2の露光位置で露光されたマークの場所に対応する前記テーブルの複数の第2の測定位置を測定するステップを含む請求項24に記載の較正方法。
【請求項26】
前記第1の向きと前記第2の向きとの関係が、実質的に90度の非ゼロ整数倍に等しい請求項24に記載の較正方法。
【請求項27】
前記複数の露光位置が、前記第1の軸に沿って実質的に同じである、また前記第2の軸に沿って互いに実質的に異なる位置を含み、
前記複数の第2の露光位置が、前記第2の軸に沿って実質的に同じである、また前記第1の軸に沿って互いに実質的に異なる位置を含む請求項24に記載の較正方法。
【請求項28】
前記複数の露光位置が、前記第1の軸に沿って実質的に同じである、また前記第2の軸に沿って互いに実質的に異なる位置を含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項29】
前記位置測定誤差の特徴付けを得るステップが、前記テーブルの表面の非平坦性の特徴付けを得るステップを含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項30】
前記位置測定誤差の特徴付けを得るステップが、前記テーブルの2つの隣接する表面間の非直交性の特徴付けを得るステップを含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項31】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分が、同じ位置センサを使用して、前記直交軸の少なくとも1つに沿って前記テーブルの位置を測定するように構成される請求項19に記載の較正方法。
【請求項32】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分の少なくとも1つが、レーザ干渉計を含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項33】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分の少なくとも1つが、前記テーブルの反射表面を含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項34】
前記測定システムの前記第1及び第2の部分が、前記テーブルの同じ表面を使用して、前記直交軸の少なくとも1つに沿って前記テーブルの位置を測定するように構成される請求項19に記載の較正方法。
【請求項35】
前記測定システムの位置測定誤差の特徴付けを得るステップがそれに基づく前記記録された位置のすべてが、単一の基板を使用して測定される請求項19に記載の較正方法。
【請求項36】
前記マークの少なくとも1つが、位相格子及び回折格子からなるグループの少なくとも1つを含む請求項19に記載の較正方法。
【請求項37】
各マークが基板の主表面に実質的に平行な平面内で第1の軸に沿って位置を示す、複数の実質的に同一な組のマークを備える基板であって、
1組内の各対のマークの相対位置が、前記複数の組のそれぞれにおける対応する対のマークの相対位置と実質的に同じであり、
各組が、前記第1の軸に沿って、また前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って異なる位置を有するマークを含み、
前記複数の組の異なる組同士からの複数のマークが、前記第1の軸に沿って動作可能に位置合わせされる基板。
【請求項38】
前記マークの少なくとも1つが、前記第1及び第2の軸の双方に沿って位置を示す請求項37に記載の基板。
【請求項39】
前記マークの少なくとも1つが、位相格子及び回折格子からなるグループの少なくとも1つを含む請求項37に記載の基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−19755(P2006−19755A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−217968(P2005−217968)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(504151804)エイエスエムエル ネザランドズ ベスローテン フエンノートシャップ (1,856)
【Fターム(参考)】