説明

電力使用系の断線予測装置及び熱処理装置

【課題】電力使用系に対する電圧及び電流を正確に測定して精度の高い抵抗値を求め、断線の予測を精度良く行うことができる電力使用系の断線予測装置を提供する。
【解決手段】電力使用系42A〜42Eに対して個別に各給電ライン46A〜46Eを介して供給される電力を制御するようにした電力供給回路系24に設けた断線予測装置26において、各給電ライン毎に設けられ、異なる周波数のパルス波をオフ期間に対応させて発生するパルス波発生手段52A〜52Eと、自己のパルス波発生手段にて発生したパルス波を混合させるパルス波混合手段54A〜54Eと、伝送される自己のパルス波を検出するパルス波検出手段56A〜56Eと、パルス波検出手段にて検出されたパルス波に基づいて電力使用系の断線予測を判断する判断手段58とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等に対して所定の熱処理を施す熱処理装置及びこれに用いる電力使用系の断線予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電力供給源から複数の電力使用系に対して電力を供給する場合には、電源電力を変圧器等で変圧して電力供給回路系を介して上記複数の電力使用系に分配するようになっている。
【0003】
ところで、上記電力使用系は、経年変化等により次第に劣化してくることは避けられず、寿命が到来した時には断線等が生じて使用不能な状態になってしまう。この場合、電力使用系を稼働して何らかの処理を行っている時に、その処理途中で上記したような断線等が生じた場合には、その時点で処理を中止しなければならず大きな経済的な損失を受ける場合がある。そのため、この種の電力使用系には、その劣化の程度を求めて断線等が実際に生ずる前にその予兆を発見するようにした断線予測装置が設けられている(特許文献1、2)。
【0004】
この点について例えば半導体ウエハに対して熱処理を施す熱処理装置(例えば特許文献3)を例にとって説明する。図8は従来の一般的な縦型の熱処理装置の一例を示す模式図である。この縦型の熱処理装置は、例えば石英よりなる縦長の処理容器2を有しており、この処理容器2内にウエハボート4で支持された複数の半導体ウエハWがロード及びアンロード可能に収容されている。この処理容器2内へは、処理に必要なガスが供給されつつ容器内雰囲気が排気されて所定の圧力に維持されている。
【0005】
そして、この処理容器2の周囲には、これを囲むようにして円筒体状の加熱手段6が設けられており、処理容器2内のウエハWを加熱するようになっている。この加熱手段6は抵抗加熱ヒータよりなり、高さ方向に複数、ここでは例えば5つのゾーンヒータ6A、6B、6C、6D、6Eに分割されている。そして、例えば三相式の交流電源8からの電力は電源トランス10にて変圧された後、電力供給回路系12を介して各ゾーンヒータ6A〜6Eに個別に供給されている。
【0006】
従って、これらのゾーンヒータ6A〜6Eがそれぞれ電力使用系を構成していることになる。この場合、上記電力供給回路系12は、各ゾーンヒータ6A〜6Eに個別に接続された給電ライン12A〜12Eを有しており、この給電ライン12A〜12Eには、サイリスタ等よりなる電力調整器14A〜14Eがそれぞれ介設されて、個別独立的に供給電力を制御するようになっている。これにより、各ゾーンヒータ6A〜6E毎に対応するゾーンに位置するウエハWの温度を精度良く制御するようになっている。
【0007】
このような熱処理装置において、熱処理中に電力使用系であるゾーンヒータ6A〜6Eの一部でも経年劣化等により断線した場合には、熱処理中の半導体ウエハ全体が製品化できずに無駄になってしまう場合がある。
【0008】
そこで、前述したように、上記ゾーンヒータ6A〜6Eの劣化の程度を予測するために上記各給電ライン12A〜12Eには電圧及び電流を検出するための電圧・電流検出器16A〜16Eがそれぞれ設けられており、ここで検出した電圧及び電流より対応するゾーンヒータの抵抗値を求め、この求めた抵抗値が新品の時のゾーンヒータの基準抵抗値に対してどの程度増加しているかを認識することによってゾーンヒータの劣化の程度を判断するようになっている。そして、このゾーンヒータの劣化の程度が断線の直前になっていると判断された場合には、実際に断線が生ずる前に、該当するゾーンヒータを新品の物と取り換えるようにしている。
【0009】
【特許文献1】特開2006−023105号公報
【特許文献2】特開2007−121102号公報
【特許文献3】特開平08−280034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述したような電力供給回路系12にあっては、各給電ライン12A〜12Eに介設した電力調整器14A〜14Eのオン・オフに伴ってノイズが発生することは避けられない。そして、このノイズは電源干渉を引き起こして電源電圧の歪となり、自己の給電ラインのみならず、他の給電ラインにも悪影響を及ぼすことになる。このため、各給電ラインにおいて精度の高い電圧及び電流を検出することが困難になって、算出する抵抗値が不正確となり、断線の予測が的確にできなくなってしまう、という問題があった。
【0011】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、電力使用系に対する電圧及び電流を正確に測定して精度の高い抵抗値を求めることができ、その結果、断線の予測を精度良く行うことができる電力使用系の断線予測装置及び熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、複数の電力使用系に対して個別に接続された各給電ラインを介して電力が供給されるオン期間と電力が供給されないオフ期間とを調整することにより供給電力を制御するようにした電力供給回路系に設けた断線予測装置において、前記各給電ライン毎に設けられ、互いに異なる周波数のパルス波を前記オフ期間に対応させて発生するパルス波発生手段と、前記各給電ライン毎に設けられて自己の前記パルス波発生手段にて発生した前記パルス波を混合させるパルス波混合手段と、前記各給電ライン毎に設けられて伝送される自己のパルス波を検出するパルス波検出手段と、前記パルス波検出手段にて検出された前記パルス波に基づいて前記電力使用系の断線予測を判断する判断手段と、を備えたことを特徴とする電力使用系の断線予測装置である。
【0013】
このように、複数の電力使用系の断線を予測する断線予測装置において、パルス波発生手段にて互いに異なる周波数のパルス波を供給電力のオフ期間に対応させて発生し、このパルス波をパルス波混合手段にて混合させて、パルス波検出手段にて自己のパルス波を検出し、更にこの検出された前記パルス波に基づいて電力使用系の断線予測を判断するようにしたので、これにより電力使用系に対する電圧及び電流を正確に測定して精度の高い抵抗値を求めることができ、その結果、断線の予測を精度良く行うことができる。
【0014】
この場合、例えば請求項2に記載したように、前記判断手段は、前記パルス波検出手段にて検出された前記パルス波に基づいて前記電力使用系の抵抗値を求める抵抗値算出部と、予め求められた前記各電力使用系の基準抵抗値を記憶する基準抵抗値記憶部と、前記抵抗値算出部で求めた前記抵抗値と前記基準抵抗値記憶部に記憶された前記基準抵抗値とを比較して断線の予測を判断する断線予測部と、前記断線予測部の判断結果を告知させる告知部と、を有する。
【0015】
また例えば請求項3に記載したように、前記各パルス波発生手段は、前記オフ期間に少なくとも2つのパルスを生ずるように前記パルス波の周波数を設定する。
また例えば請求項4に記載したように、前記各パルス波発生手段は、自己の前記給電ラインの前記オフ期間を示すオフ期間信号と自己以外の他の前記パルス波発生手段のパルス波のタイミングを示すタイミング信号とを入力して自己のタイミング信号を出力するタイミング制御部と、前記自己のタイミング信号に基づいて前記パルス波を発生するパルス波発生部と、を備える。
【0016】
また例えば請求項5に記載したように、前記各パルス波検出手段は、前記給電ラインに流れる電流と電圧とを検出する電流・電圧モニタ部と、前記電流・電圧モニタ部にて検出した検出値から自己の前記パルス波発生手段が発生したパルス波の成分のみを取り出すパルス波選出部と、を有する。
また例えば請求項6に記載したように、前記電力制御は、ゼロクロス制御又は位相制御である。
【0017】
請求項7に係る発明は、被処理体に対して所定の熱処理を施すための熱処理装置において、前記被処理体を収容して排気可能になされた処理容器と、前記処理容器内で前記被処理体を保持する保持手段と、前記処理容器内へ必要なガスを供給するガス供給手段と、前記処理容器内の前記被処理体を加熱する複数の電力使用系を含む加熱手段と、前記加熱手段に電力を供給する電力供給回路系と、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電力使用系の断線予測装置と、を備えたことを特徴とする熱処理装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る電力使用系の断線予測装置及び熱処理装置によれば、次のような優れた作用効果を発揮することができる。
複数の電力使用系の断線を予測する断線予測装置において、パルス波発生手段にて互いに異なる周波数のパルス波を供給電力のオフ期間に対応させて発生し、このパルス波をパルス波混合手段にて混合させて、パルス波検出手段にて自己のパルス波を検出し、更にこの検出された前記パルス波に基づいて電力使用系の断線予測を判断するようにしたので、これにより電力使用系に対する電圧及び電流を正確に測定して精度の高い抵抗値を求めることができ、その結果、断線の予測を精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明に係る電力使用系の断線予測装置及び熱処理装置の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る電力使用系の断線予測装置を用いた熱処理装置の一実施形態を示す概略構成図、図2は電力使用系の断線予測装置を示すブロック構成図、図3は判断手段を示すブロック構成図、図4は供給電力の電圧波形の一例を示す電圧波形図、図5は電力供給のオフ期間にパルス波を混合させて重畳した時の状態を示す電圧波形図である。
【0020】
まず、図1に示すように、この熱処理装置20の全体は、被処理体である例えば半導体ウエハWに対して実際に成膜処理やアニール処理や拡散処理等の熱処理を施すための処理ユニット22と、この処理ユニット22の加熱手段に対して電力を供給する電力供給回路系24と、上記加熱手段に含まれる電力使用系の断線を予測する断線予測装置26とにより主に構成されている。
【0021】
まず、上記処理ユニット22について説明する。上記処理ユニット22は、石英製の縦長の円筒体状の処理容器28を有している。この処理容器28の下端部は開口されており、この開口に蓋部30が気密に着脱可能に取り付けられている。この処理容器28内には、複数板の上記半導体ウエハWを複数段に亘って保持するための保持手段として石英製のウエハボート32が上記蓋部30上に保温筒34を介して設置されて収容されている。この処理容器28は、単管構造の場合もあるし、二重管構造の場合もある。
【0022】
そして、このウエハボート32は、図示しない昇降機構により上記蓋部30と共に昇降可能になされており、これによりウエハボート32は処理容器28内に対してロード及びアンロード可能になされている。この処理容器28の下部側壁には、ガスノズルを有するガス供給手段36が設けられており、熱処理に必要な各種のガスを処理容器28内へ流量制御しつつ供給し得るようになっている。
【0023】
また処理容器28の上部には排気口38が設けられ、この排気口38には、真空ポンプや圧力調整弁を有する排気系40が接続されており、処理容器28内の雰囲気を所定のプロセス圧力に維持しつつ排気(真空排気を含む)するようになっている。尚、上記排気口38を処理容器28の下部側壁に設ける場合もある。
【0024】
そして、上記処理容器28の周囲には、これを含むようにして円筒体状の加熱手段42が設けられており、処理容器28内のウエハWを加熱するようになっている。この加熱手段42は、抵抗加熱ヒータで構成されており、高さ方向に複数、ここでは例えば5つのゾーンヒータ42A、42B、42C、42D、42Eに分割されており、後述するようにそれぞれ独立して個別にゾーン毎に温度制御が可能になっている。
【0025】
そして、これらのゾーンヒータ42A〜42Eが、それぞれ電力使用系を構成することになる。そして、各ゾーンヒータ42A〜42Eに対応させて、例えば熱電対よりなる温度測定器44A、44B、44C、44D、44Eが設けられており、各ゾーンヒータ毎に温度を測定できるようになっている。尚、上記ゾーン数よりも少ない数の温度測定器を設けて、この少ない数の温度測定器の各出力に基づいて各ゾーン毎の設定温度を決定する場合もある。
【0026】
そして、例えば三相式の交流電源8からの電力は電源トランス10にて変圧された後、前述した電力供給回路系24を介して上記加熱手段42の各ゾーンヒータ42A〜42Eへ供給するようになっている。具体的には、上記電力供給回路系24は、上記電源トランス10と電力使用系である上記各ゾーンヒータ42A〜42Eとをそれぞれ個別に接続している給電ライン46A、46B、46C、46D、46Eを有している。そして、上記各給電ライン46A〜46Eには、例えばサイリスタ等のスイッチング素子よりなる電力調整器48A〜48Eがそれぞれ介設されている。
【0027】
上記各電力調整器48A〜48Eは、例えばコンピュータ等よりなる温度制御部50から送出される温度制御信号により個別にオン・オフ制御されて、供給電力を制御するようになっており、前述したように各ゾーン毎に温度が調整される。この温度制御部50は、上記各温度測定器44A〜44Eからの温度検出値に基づいて、各ゾーン毎に予め定められた温度を維持するように上記各電力調整器48A〜48E毎にスイッチング信号(温度制御信号)を出力するようになっている。
【0028】
この温度制御部50の電力制御方式としては、例えばゼロクロス制御が行われている。そして電力調整器48A〜48Eからは図4に示すような供給電力が制御された電圧波形が出力されることになる。ここでは一例として3つの電力調整器48A、48B、48Cから出力される電圧波形を示しており、ゼロクロス制御では電力が供給されるオン期間と電力を供給しないオフ期間とを1波長単位で制御しており、供給する電力を大きくする場合にはオン期間が1波長の単位で多くなり(オフ期間は1波長の単位で少なくなる)、供給する電力を小さくする場合にはオン期間が1波長の単位で少なくなる(オフ期間は1波長の単位で多くなる)。他の電力調整器48D、48Eでも同様に個別に制御されている。尚、図4の電圧波形図において、実線の部分がオン期間を示し、破線の部分がオフ期間を示している。
【0029】
このように構成された電力供給回路系24に設けた本発明の断線予測装置26は、上記各給電ライン46A〜46E毎に設けられて互いに異なる周波数のパルス波を電力供給のオフ期間に対応させて発生するパルス波発生手段52A、52B、52C、52D、52Eと、上記各給電ライン46A〜46E毎に設けられて自己のパルス波発生手段52A〜52Eにて発生した上記パルス波を供給電力に混合させるパルス波混合手段54A、54B、54C、54D、54Eと、各給電ライン46A〜46E毎に設けられて伝送される自己のパルス波を検出するパルス波検出手段56A、56B、56C、56D、56Eと、各パルス波検出手段56A〜56Eにて検出された上記パルス波に基づいて各電力使用系であるゾーンヒータ42A〜42Eの断線予測を判断する判断手段58とにより主に構成されている。
【0030】
そして、上記各パルス波検出手段56A〜56Eは、それぞれ給電ライン46A〜46Eのパルス波混合手段54A〜54Eの下流側に介設されて給電ライン46A〜46Eに流れる電流と電圧とを検出する電流・電圧モニタ部60A、60B、60C、60D、60Eと、ここで検出した検出値、すなわち電流値と電圧値とから対応する自己のパルス波発生手段52A〜52Eが発生したパルス波の成分のみを取り出すパルス波選出部62A、62B、62C、62D、62Eとによりそれぞれ構成されている。そして、上記各パルス波選出部62A〜62Eで取り出された自己のパルス波の成分は、上記判断手段58へそれぞれ送出されるようになっている。
【0031】
次に、上記パルス波発生手段52A〜52Eについて説明する。このパルス波発生手段52A〜52Eは全て共通の同じ構成となっているので、ここでは図2に示すように代表としてパルス波発生手段52Aを例にとって説明する。
【0032】
具体的には、図2に示すように上記パルス波発生手段52Aは、自己の給電ラインのオフ期間を示すオフ期間信号SA1と自己以外の他のパルス波発生手段52B〜52Eからのパルス波のタイミングを示すタイミング信号とを入力して自己のタイミング信号を出力するタイミング制御部64と、この自己のタイミング信号に基づいて自己のパルス波を発生するパルス波発生部66とにより主に構成されている。上記オフ期間信号は自己の電力調整器48Aから入力され、このオフ期間信号により図4(A)中のオフ期間の位置が時間的に特定されている。
【0033】
また、他のパルス波発生手段52B〜52Eからの各パルス波のタイミングを示すタイミング信号により、それぞれのパルス波のオフ期間の位置が時間的に特定されている。これらのオフ期間信号や他のタイミング信号を参照することにより、この自己のタイミング制御部64は、電力供給のオフ期間であって、且つ他のパルス波発生手段52B〜52Eで発生されている各パルス波と時間的に同じ位置にならないように、すなわち、他のいずれのパルスとも重ならない位置となるパルスを発生させるようなタイミングを示す自己のタイミング信号SA2を出力するようになっている。この自己のタイミング信号SA2はパルス波発生部66及びパルス波選出部62Aへ送られると共に、他の全てのパルス波発生手段52B〜52Eのタイミング制御部へ送られるようになっている。
【0034】
上記パルス波発生部66には、交流電源68からの交流電圧をAC/DCコンバータ70及び平滑回路72を経由することにより形成した直流電圧が入力されており、この直流電圧を、上記自己のタイミング信号SA2に基づいてスイッチング制御することにより、自己のタイミング信号SA3を形成するようになっている。この自己のタイミング信号SA3のパルスは、上述したように、自己の電力供給のオフ期間に対応し、且つ他のパルス波発生手段52B〜52Eにて発生されているパルス波のいずれのパルスとも時間的に重ならないようなタイミングで出力するようになっている。
【0035】
そして、この自己のパルス波SA3は、パルス波発生部66より自己のパルス波混合手段54Aへ向けて出力されるようになっており、このパルス波混合手段54により給電ライン46Aを流れる供給電力に混合、或いは重畳されるようになっている。
【0036】
この時に、給電ライン46Aのパルス波混合手段54Aの出力の電圧の状態は図5(A)に示すような状態となっている。すなわち、この給電ライン46Aの各パルスは、図5(B)及び図5(C)に示す他の給電ライン46B、46Cの各パルスとは、互いに重なり合わないようにそれぞれ時間的に異なる位置に配置されている。
【0037】
このように、各パルスが時間的に重ならないように位置する理由は、図5では示されていないが、給電ラインに電力供給のオン・オフが行われたり、上記パルスが立つと、この電圧の変化が電源干渉によって他の全ての給電ラインに電圧の歪みを生ぜしめることは避けられず、上述のようにパルスの重なりを防止することによって上記電圧の歪みから悪影響を受けることを防止するためである。
【0038】
ここで、1つのオフ期間に少なくとも2つのパルスが生ずるようにこのパルス波SA3の周波数f を設定する。この周波数f は以下のようにパルス波SA3の周期T の逆数で与えられる。
=1/T [H
この場合、供給電力は、商用周波数なので、50H 或いは60H となり、上記パルス幅は、それに対応させて十分に小さくなるように設定する。例えばこのパルス幅は、商用周波数の60Hzの周期である16msecよりも小さくなるように設定する。
【0039】
また、上記パルス波検出手段56Aの電流・電圧モニタ部60Aは、自己の給電ライン46Aに流れる電流及び電圧の変化を検出するが、このパルス波検出手段56Aのパルス波選出部62Aは、自己のタイミング制御部64から入力される自己のタイミング信号SA2に基づいて、上記電流・電圧モニタ部60Aの検出結果から自己のパルス波SA3(タイミング信号SA2)に同期した成分のみを選出して取り出すようになっている。
【0040】
従って、このパルス波選出部62Aでは、自己のパルス波SA3と同期した成分のパルス波が選出して取り出され、上記判断手段58へ送出するようになっている。このパルス波が印加されている時の電流値は、当然のこととして電力使用系のその時の抵抗値に依存した大きさとなっている。
【0041】
次に、図3も参照して上記判断手段58の構成について説明する。図3に示すように、この判断手段58の大部分はコンピュータにより構成されており、具体的には、上記各パルス波検出手段56A〜56Eにて検出された各パルス波に基づいて対応する各電力使用系、すなわち各ゾーンヒータ42A〜42E(図1参照)の抵抗値を求める抵抗値算出部74と、予め求められている各電力使用系、すなわち各ゾーンヒータ42A〜42E(図1参照)の抵抗値を基準抵抗値として記憶する基準抵抗値記憶部76と、上記抵抗値算出部74で求めた抵抗値と上記基準抵抗値記憶部76にて記憶されている対応する基準抵抗値とを比較して当該ゾーンヒータの断線の予測を判断する断線予測部78と、この断線予測部78の判断結果をオペレータに告知させる警報部80とにより主に構成されている。
【0042】
上記抵抗値算出部74では、各パルス波検出手段56A〜56Eのパルス波選出部62A〜62Eより入力されるパルス波に基づいて、その実効電圧及び実効電流を求め、更にこの実効電圧及び実効電流から現状の各ゾーンヒータ42A〜42Eの各抵抗値を求めるようになっている。
【0043】
上記基準抵抗値記憶部76では、所定のプロセス温度での各ゾーンヒータ42A〜42Eの新品時の抵抗値を予め求めて、その各抵抗値を基準抵抗値として予め記憶している。例えばこの基準抵抗値は、抵抗温度係数や抵抗率や温度等を用いた関数を演算することにより求められ、温度変化に対応して求めることができるようになっている。
【0044】
上記断線予測部78は、検出された抵抗値とこれに対応する基準抵抗値とを比較して、検出された抵抗値が所定の割合、例えば1%以上抵抗値が変化した時に、具体的には、抵抗値が1%以上増加した時に、”断線は近い”と断線の予測を判断するようになっている。
【0045】
上記告知部80は、例えば警告ランプ80Aやディスプレイ80Bやブザー80C等を有しており、上記”断線は近い”と判断された時には、その旨をオペレータに告知させて警告できるようになっている。
【0046】
次に、以上のように構成された熱処理装置20及び断線予測装置26の動作について図6も参照して説明する。図6は給電ライン及び給電ラインから検出された電圧波形の変化の状態を示す図である。
【0047】
まず、半導体ウエハWに対する一般的な熱処理について説明する。未処理の複数枚の半導体ウエハWは、ウエハボート32に多段に保持された状態で、予備加熱されている処理容器28内へその下方よりロードされて、処理容器28内を密閉する。そして、交流電源8、電源トランス10及び電力供給回路系24の各給電ライン46A〜46Eを介して加熱手段42を形成する各ゾーンヒータ(電力使用系)42A〜42Eへ供給する電力を増加してウエハWを所定のプロセス温度に維持しつつ処理容器28内へガス供給手段36より流量制御された必要な各種の処理ガスを供給する。これと同時に排気系40を連続的に駆動して処理容器28内の雰囲気を排気して所定のプロセス圧力に維持し、成膜処理、アニール処理、酸化拡散処理等の所定の熱処理を施すことになる。
【0048】
ここで、この熱処理中においては、加熱手段42に設けた各温度測定器44A〜44Eにて測定された温度値が温度制御部50へ入力されており、この温度制御部50は、給電ライン46A〜46Eに設けた各電力調整器48A〜48Eへ個別に温度制御信号を出力し、各ゾーンヒータ42A〜42Eが予め定められた所定の温度を維持するように供給電力を制御することになる。
【0049】
ここでは前述したように各電力調整部48A〜48Eではゼロクロス制御が行われ、各給電ライン46A〜46Eには、図4に示すようなオン期間とオフ期間とが調整された状態の電圧(電力)が印加されていく。図4では代表として3つの給電ライン46A〜46Cの電圧波形のみを示す。また、ゼロクロス制御なのでオン期間及びオフ期間の長さが波長の単位でコントロールされている。
【0050】
次に、本発明に係る断線予測装置26の動作について説明する。上述した加熱手段42の電力使用系を構成する各ゾーンヒータ42A〜42Eは、経年変化等によって次第に劣化して抵抗値が増加してくるので、これらの各ゾーンヒータ42A〜42Eが完全に断線する前に、その兆候を断線予測装置26で検出する必要がある。
【0051】
ここでは給電ライン46Aについて主として説明するが、他の給電ライン46B〜46Eについても同様な動作をするのは勿論である。まず、給電ライン46Aにおける断線予測装置26のパルス発生手段52では、図2に示すように、このパルス波発生手段52Aの一部を構成するタイミング制御部64が、自己の電力調整器48Aから入力されるオフ期間信号SA1と他のパルス波発生手段52B〜52Eから送られてくるタイミング信号とに基づいて自己のタイミング信号SA2を発生する。
【0052】
このタイミング信号SA2は自己のパルス波SA3を形成するための制御信号となるものであり、自己の給電ライン46Aの電力供給のオフ期間であって、他のパルス波発生手段52B〜52Eで発生する各パルス波の全てのパルスと時間的に重ならないようなタイミングを求めるようになっている。
【0053】
このタイミング制御部64で求められたタイミング信号SA2は、自己のパルス波発生部66及び自己のパルス波検出手段56Aのパルス波選択部62Aへ送られると同時に、他の全てのパルス波発生手段52B〜52Eへも送られている。
【0054】
そして、上記パルス波発生部66では、交流電源68よりAC/DCコンバータ70及び平滑回路72を経て形成された直流電圧を、上記タイミング信号SA2に従って自己のパルス波SA3を発生させる。そして、この発生したパルス波SA3は、自己のパルス波混合手段54Aへ送られて、ここで自己の給電ライン46Aに流れる供給電力に混合或いは重畳されることになる。
【0055】
尚、上記パルス波は、1つのオフ期間に少なくとも2つのパルスが入るように設定され、誤検出を防止するようになっている。この時に給電ライン46Aのパルス波混合手段54Aの出力の電圧の状態は、図5(A)に示すような状態となっている。
【0056】
すなわち、この給電ライン46Aの各パルスは、図5(B)及び図5(C)に示す他の給電ライン46B、46Cの各パルスとは、互いに重なり合わないようにそれぞれ時間的に異なる位置に配置されている。すなわち、給電ライン46Aのパルス波の周波数f (=1/T )は、他の給電ライン46B、46Cの各パルス波の周波数f (=1/T )、f (=1/T )とは互いに異なるように設定されており、且つ各パルスが時間的に重ならないように設定されている。この点は、全ての給電ライン46A〜46Eに関して同じように成立している。
【0057】
このように、給電ライン46Aにおいて電力供給のオフ期間に自己のパルス波発生部66で発したパルス波を混合、或いは重畳させたが、実際の動作では他の給電ライン46B〜46Eにおいて混合、或いは重畳されたパルスや他の電力調整器48B〜48Eでのオン、オフの切り替え時の衝撃パルスが電源干渉によって当該自己の給電ライン46Aに影響を及ぼし、この結果、自己の給電ライン46Aに電圧歪が発生してしまう場合がある。図6はこの時の状況を示している。
【0058】
図6(A)は給電ライン46Aにおいて電圧歪が生じていない時の状態を示しており、電力供給のオフ期間に自己のパルス波SA3が重畳されているが、実際には、他の給電ライン46B〜46Eのパルス波等の電源干渉を受けて、図6(B)に示すように、異常なパルス82が立ってしまう場合がある。ここでは発明の理解を容易にするために異常なパルス82は1つしか記載していないが、実際には多数形成されてしまう。
【0059】
そして、給電ライン46Aのパルス波混合手段54Aの下流側に配置した電流・電圧モニタ部60Aでは、この給電ライン46Aに流れる電流及び電圧がそのまま検出され、従って、図6(B)に示すように異常なパルス82を含む電圧波形及び電流がそのまま検出されることになる。
【0060】
しかしながら、この電流・電圧モニタ部60Aからの出力を受けるパルス波選出部62Aでは、前述したように自己のタイミング信号SA2(図2参照)が入力されており、この自己のタイミング信号SA2に同期したパルス波SA4(図6(C)参照)のみを、上記電流・電圧モニタ部60Aからの電圧波形から取り出している。すなわち、このパルス波選出部62Aでは、自己のパルス波SA3に同期しているパルス波SA4のみを検出して取り出し、他の同期していないパルスや交流成分は除去するようになっている。これにより、パルス波選出部62Aでは自己のパルス波発生手段52Aで発生したパルス波成分のみを取り出す。
【0061】
この検出して取り出されたパルス波SA4は、図3に示すように、抵抗値算出部74へ入力され、このパルス波SA4に基づいてその実効電圧(図6(D)参照)及び実効電流が求められ、更に、この実効電圧及び実効電流から当該電力使用系であるゾーンヒータ42Aの抵抗値が求められることになる。この場合、上記検出されたパルス波SA4には、外乱の要因となる他の給電ライン46B〜46Eにおけるパルス波等が全く含まれていないので、上記ゾーンヒータ42Aの抵抗値は非常に精度が高い値となっている。
【0062】
そして、断線予測部78では上記求めた抵抗値と、基準抵抗値記憶部76に予め記憶されていた対応する基準抵抗値とを比較し、上記求められた抵抗値が閾値となる所定の割合、例えば1%以上抵抗値が変化した時に、具体的には抵抗値が1%以上増加した時に例えば”断線は近い”と判断し、変化が1%以内ならば例えば”正常”と判断する。尚、この変化の閾値は上記値に限定されず、設計条件によって種々変更されるのは勿論である。
【0063】
そして、上記判断の結果は告知部80へ出力され、”断線は近い”と判断された場合には、警告ランプ80Aを点灯したり、ディスプレイ80Bにてその旨を表示したり、ブザー80Cを鳴動させたりして、オペレータにその旨を警告することになる。
【0064】
そして、上記抵抗値算出部74へは、各パルス波選出部62A〜62Eにて検出されたパルス波が入力されており、各パルス波毎に上述したような処理が行われるので、従って、各ゾーンヒータ42A〜42Eの精度の高い抵抗値をそれぞれ求めることができる。この結果、各ゾーンヒータ42A〜42Eの断線の予測を精度良く行うことができる。
【0065】
上記パルス波SA3の重畳は、電力供給のオフ期間の時に行うものであるので、100%のオン時間でゼロクロス制御が行われている時には、パルス波SA3の重畳は行うことができないが、100%のオン時間でゼロクロス制御が行われる頻度は少ないので、特に問題は生じない。
【0066】
また、理論的には重畳されるパルス波によって表される電力だけゾーンヒータに余分に加わることになるが、このパルス波による電力は微小なので、ゾーンヒータの温度制御に悪影響を与えることもない。
【0067】
尚、上記実施形態では電力使用系であるゾーンヒータ42A〜42Eが5つの場合を例にとって説明したが、この数に限定されないのは勿論である。更には、上記電力使用系としてはゾーンヒータに限定されず、他のヒータ、例えば配管系等に用いられるヒータも電力使用系として上記断線予測の対象として用いるようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、供給電力の制御方法としてゼロクロス制御を用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、図7に示すように、位相制御を用いた場合にも本発明を適用することができる。図7は供給電力が位相制御の場合にパルス波を重畳した時の状態を示す電圧波形図である。ここでも電力供給がオフ期間の時に、例えばパルス波SA3が重畳されている。
【0069】
また更には、ここではいわゆるバッチ式の熱処理装置に本発明を適用した場合について説明しているが、これに限定されず、枚葉式の熱処理装置にも本発明を適用することができる。
【0070】
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、この半導体ウエハにはシリコン基板やGaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体基板も含まれ、更にはこれらの基板に限定されず、ガラス基板、LCD基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る電力使用系の断線予測装置を用いた熱処理装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】電力使用系の断線予測装置を示すブロック構成図である。
【図3】判断手段を示すブロック構成図である。
【図4】供給電力の電圧波形の一例を示す電圧波形図である。
【図5】電力供給のオフ期間にパルス波を混合させて重畳した時の状態を示す電圧波形図である。
【図6】給電ライン及び給電ラインから検出された電圧波形の変化の状態を示す図である。
【図7】供給電力が位相制御の場合にパルス波を重畳した時の状態を示す電圧波形図である。
【図8】従来の一般的な縦型の熱処理装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0072】
20 熱処理装置
22 処理ユニット
24 電力供給回路系
26 断線予測装置
28 処理容器
32 ウエハボート(保持手段)
36 ガス供給手段
40 排気系
42 加熱手段
42A〜42E ゾーンヒータ(電力使用系)
44A〜44E 温度測定器
46A〜46E 給電ライン
48A〜48E 電力調整器
50 温度制御部
52A〜52E パルス波発生手段
54A〜54E パルス波混合手段
56A〜56E パルス波検出手段
58 判断手段
60A〜60E 電流・電圧モニタ部
62A〜62E パルス波選出部
64 タイミング制御部
66 パルス波発生部
74 抵抗値算出部
76 基準抵抗値記憶部
78 断線予測部
80 告知部
SA1 オフ期間信号
SA2 タイミング信号
SA3 パルス波
SA4 パルス波
W 半導体ウエハ(被処理体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電力使用系に対して個別に接続された各給電ラインを介して電力が供給されるオン期間と電力が供給されないオフ期間とを調整することにより供給電力を制御するようにした電力供給回路系に設けた断線予測装置において、
前記各給電ライン毎に設けられ、互いに異なる周波数のパルス波を前記オフ期間に対応させて発生するパルス波発生手段と、
前記各給電ライン毎に設けられて自己の前記パルス波発生手段にて発生した前記パルス波を混合させるパルス波混合手段と、
前記各給電ライン毎に設けられて伝送される自己のパルス波を検出するパルス波検出手段と、
前記パルス波検出手段にて検出された前記パルス波に基づいて前記電力使用系の断線予測を判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とする電力使用系の断線予測装置。
【請求項2】
前記判断手段は、
前記パルス波検出手段にて検出された前記パルス波に基づいて前記電力使用系の抵抗値を求める抵抗値算出部と、
予め求められた前記各電力使用系の基準抵抗値を記憶する基準抵抗値記憶部と、
前記抵抗値算出部で求めた前記抵抗値と前記基準抵抗値記憶部に記憶された前記基準抵抗値とを比較して断線の予測を判断する断線予測部と、
前記断線予測部の判断結果を告知させる告知部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の電力使用系の断線予測装置。
【請求項3】
前記各パルス波発生手段は、
前記オフ期間に少なくとも2つのパルスを生ずるように前記パルス波の周波数を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の電力使用系の断線予測装置。
【請求項4】
前記各パルス波発生手段は、
自己の前記給電ラインの前記オフ期間を示すオフ期間信号と自己以外の他の前記パルス波発生手段のパルス波のタイミングを示すタイミング信号とを入力して自己のタイミング信号を出力するタイミング制御部と、
前記自己のタイミング信号に基づいて前記パルス波を発生するパルス波発生部と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力使用系の断線予測装置。
【請求項5】
前記各パルス波検出手段は、
前記給電ラインに流れる電流と電圧とを検出する電流・電圧モニタ部と、
前記電流・電圧モニタ部にて検出した検出値から自己の前記パルス波発生手段が発生したパルス波の成分のみを取り出すパルス波選出部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電力使用系の断線予測装置。
【請求項6】
前記電力制御は、ゼロクロス制御又は位相制御であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電力使用系の断線予測装置。
【請求項7】
被処理体に対して所定の熱処理を施すための熱処理装置において、
前記被処理体を収容して排気可能になされた処理容器と、
前記処理容器内で前記被処理体を保持する保持手段と、
前記処理容器内へ必要なガスを供給するガス供給手段と、
前記処理容器内の前記被処理体を加熱する複数の電力使用系を含む加熱手段と、
前記加熱手段に電力を供給する電力供給回路系と、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電力使用系の断線予測装置と、
を備えたことを特徴とする熱処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−281837(P2009−281837A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133684(P2008−133684)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】