説明

アクティブマトリクス基板およびそれを備えた表示装置

【課題】配線抵抗の増加やスイッチング素子の駆動能力の低下を伴うことなく、走査配線と信号配線との交差部に形成される容量を低減することが可能なアクティブマトリクス基板およびそれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】本発明によるアクティブマトリクス基板は、基板10と、基板10上に形成された信号配線11と、信号配線11に交差する走査配線13と、走査配線13に印加される信号に応答して動作するボトムゲート型の薄膜トランジスタ14と、薄膜トランジスタ14を介して信号配線11に電気的に接続され得る画素電極15とを備えている。信号配線11は、第1の層間絶縁膜12を介して走査配線13の下層に形成されており、第1の層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12’を介して薄膜トランジスタ14のソース電極14Sに電気的に接続されている。第1の層間絶縁膜12は、ゲート絶縁膜16よりも厚く、且つ、ゲート絶縁膜16よりも比誘電率が低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶テレビ、液晶モニタ、ノートパソコン等に用いられるアクティブマトリクス基板に関する。また、本発明は、アクティブマトリクス基板を備えた表示装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型で低消費電力であるという特徴を有し、様々な分野に広く用いられている。特に、画素ごとに薄膜トランジスタ(「TFT」と称される)などのスイッチング素子を備えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置は、高いコントラスト比および優れた応答特性を有し、高性能であるため、テレビやモニタ、ノートパソコンに用いられており、近年その市場規模が拡大している。
【0003】
アクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板上には、複数の走査配線と、これらの走査配線に絶縁膜を介して交差する複数の信号配線とが形成されており、走査配線と信号配線との交差部近傍に画素をスイッチングするための薄膜トランジスタが設けられている。
【0004】
走査配線と信号配線との交差部に形成される容量(「寄生容量」と呼ばれる)は、表示品位の低下の原因となるため、この寄生容量の容量値は小さいことが好ましい。
【0005】
そこで、特許文献1は、走査配線および信号配線の幅をこれらの交差部において他の部分よりも狭くすることによって、交差部の面積を小さくし、交差部に形成される寄生容量を低減する手法を開示している。
【特許文献1】特開平5−61069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、局所的とはいえ配線の幅を狭くすることは、配線の抵抗値を高くし、信号のなまりの原因となってしまう。また、配線の幅を狭くすることは、断線の確率を高くするので、一般的には、元の幅の50%程度は確保する必要がある。このため、上記特許文献1の手法で交差部の寄生容量を低減するのには限界がある。近年、液晶表示装置の大型化、高精細化が進んでおり、大型、高精細の液晶表示装置においては、配線抵抗の低減のために配線の幅が広くなり、また、配線の交差部が多くなるため、交差部に形成される寄生容量が増大する。そのため、上述した信号のなまりが顕著となる。
【0007】
走査配線と信号配線との交差部に生成される容量を低減する別の手法として、走査配線を覆う絶縁膜を厚くすることも考えられるが、ボトムゲート型のTFTなどのように走査配線を覆う絶縁膜の一部がゲート絶縁膜として機能する場合には、この絶縁膜を厚くすることはTFTの駆動能力の低下を招いてしまう。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配線抵抗の増加やスイッチング素子の駆動能力の低下を伴うことなく、走査配線と信号配線との交差部に形成される容量を低減することが可能なアクティブマトリクス基板およびそれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるアクティブマトリクス基板は、基板と、前記基板上に形成された複数の信号配線と、前記複数の信号配線に交差する複数の走査配線と、前記基板上に形成され、対応する前記走査配線に印加される信号に応答して動作する複数の薄膜トランジスタと、前記複数の薄膜トランジスタを介して、対応する前記信号配線に電気的に接続され得る複数の画素電極と、を備えたアクティブマトリクス基板であって、前記複数の薄膜トランジスタのそれぞれは、対応する前記走査配線に電気的に接続されたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極の上方に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを有するボトムゲート型の薄膜トランジスタであり、前記信号配線は、第1の層間絶縁膜を介して前記走査配線の下層に形成されており、前記第1の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して対応する前記薄膜トランジスタの前記ソース電極に電気的に接続されており、そのことによって上記目的が達成される。
【0010】
ある好適な実施形態において、本発明によるアクティブマトリクス基板は、前記走査配線と同一の導電膜をパターニングすることによって形成された第1の導電部材と、前記画素電極と同一の導電膜をパターニングすることによって形成された第2の導電部材とをさらに備え、前記信号配線は、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材とを介して前記ソース電極に電気的に接続されている。
【0011】
ある好適な実施形態において、前記第1の導電部材は、前記第1の層間絶縁膜に形成された前記コンタクトホール内において前記信号配線に接触している。
【0012】
ある好適な実施形態において、本発明によるアクティブマトリクス基板は、前記複数の薄膜トランジスタを覆うように形成された第2の層間絶縁膜をさらに備え、前記第2の導電部材は、前記第2の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホール内において前記第1の導電部材に接触している。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記第2の導電部材は、前記第2の層間絶縁膜に形成された前記コンタクトホール内において前記薄膜トランジスタの前記ソース電極に接触している。
【0014】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜は、前記ゲート絶縁膜よりも厚く、且つ、前記ゲート絶縁膜よりも比誘電率が低い。
【0015】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜の厚さは、1.0μm以上4.0μm以下である。
【0016】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜の比誘電率は、4.0以下である。
【0017】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜は、有機成分を含む絶縁材料から形成されている。
【0018】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜は、Si−O−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料から形成されている。
【0019】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜は、Si−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料から形成されている。
【0020】
ある好適な実施形態において、前記第1の層間絶縁膜は、シリカから形成されたフィラーを含むスピンオンガラス(SOG)材料から形成されている。
【0021】
ある好適な実施形態において、前記半導体層は、アモルファスシリコンから形成されている。
【0022】
ある好適な実施形態において、本発明によるアクティブマトリクス基板は、マトリクス状に配列された複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに前記複数の画素電極のそれぞれが設けられている。
【0023】
ある好適な実施形態において、本発明によるアクティブマトリクス基板は、前記複数の画素領域によって規定される表示領域と、前記表示領域の周辺に配置され、前記複数の画素領域を駆動するための信号が入力される複数の端子が設けられる非表示領域とを有し、前記第1の層間絶縁膜は、前記非表示領域には実質的に形成されていない。
【0024】
ある好適な実施形態において、本発明によるアクティブマトリクス基板は、前記信号配線に略平行に延びるように形成されたシールド電極を有する。
【0025】
ある好適な実施形態において、前記シールド電極は、前記走査配線に電気的に接続されている。
【0026】
ある好適な実施形態において、本発明によるアクティブマトリクス基板は、前記基板上に形成された複数の補助容量配線をさらに備え、前記シールド電極は、前記補助容量配線に電気的に接続されている。
【0027】
ある好適な実施形態において、前記シールド電極は、前記画素電極のエッジに重なるように配置されている。
【0028】
本発明による表示装置は、上記構成を有するアクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板上に配置された表示媒体層とを備えており、そのことによって上記目的が達成される。
【0029】
ある好適な実施形態において、本発明による表示装置は、前記アクティブマトリクス基板に前記表示媒体層を介して対向する対向基板をさらに備え、前記表示媒体層は液晶層である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、信号配線が、第1の層間絶縁膜を介して走査配線の下層に形成され、第1の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して薄膜トランジスタのソース電極に電気的に接続される。そのため、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを備えたアクティブマトリクス基板において、配線抵抗の増加や薄膜トランジスタの駆動能力の低下を伴うことなく、走査配線と信号配線との交差部に形成される容量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0032】
(実施形態1)
図1および図2に、本実施形態における液晶表示装置100を示す。図1は、液晶表示装置100の1つの画素領域を模式的に示す上面図であり、図2は、図1中の2A−2A’線に沿った断面図である。
【0033】
液晶表示装置100は、アクティブマトリクス基板(以下では「TFT基板」と呼ぶ)100aと、TFT基板100aに対向する対向基板(「カラーフィルタ基板」とも呼ばれる)100bと、これらの間に設けられた液晶層60とを備えている。
【0034】
TFT基板100aは、透明絶縁性基板(例えばガラス基板)10と、基板10上に形成された複数の信号配線11と、信号配線11を覆うように形成された第1の層間絶縁膜12と、第1の層間絶縁膜12上に形成され、信号配線11に交差する複数の走査配線13とを有している。
【0035】
TFT基板100aは、さらに、画素領域ごとに、対応する走査配線13に印加される信号に応答して動作する薄膜トランジスタ(TFT)14と、TFT14を介して対応する信号配線11に電気的に接続され得る画素電極15とを有している。
【0036】
対向基板100bは、透明絶縁性基板(例えばガラス基板)50と、基板50上に形成され画素電極15に対向する対向電極51とを有している。典型的には、対向基板100bはカラーフィルタをさらに有している。
【0037】
液晶層60は、画素電極15と対向電極51との間に印加された電圧に応じてその配向状態を変化させ、それにより液晶層60を通過する光を変調することによって表示が行われる。液晶層60としては、種々の表示モード用の液晶層を広く用いることができる。例えば、旋光性を利用するTN(Twisted Nematic)モードの液晶層や、複屈折性を利用するECB(Electrically Controlled Birefringence)モードの液晶層を用いることができる。ECBモードのなかでも、VA(Vertically Aligned)モードは高コントラスト比を実現することができる。VAモードの液晶層は、典型的には、負の誘電異方性を有する液晶材料を含む液晶層の両側に垂直配向層を設けることによって得られる。
【0038】
以下、さらに図3(a)〜(c)も参照しながら、TFT基板100aの構成をより詳しく説明する。図3(a)〜(c)は、それぞれ図1中の3A−3A’線、3B−3B’線、3C―3C’線に沿った断面図である。
【0039】
図3(a)に示すように、TFT基板100aのTFT14は、走査配線13に電気的に接続されたゲート電極14Gと、ゲート電極14Gを覆うゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極14Gの上方に形成された半導体層(真性半導体層)17と、半導体層17上に形成されたソース電極14Sおよびドレイン電極14Dとを有するボトムゲート型(逆スタガ型とも呼ばれる)のアモルファスシリコンTFTである。
【0040】
半導体層17のソース領域、ドレイン領域は、コンタクト層として機能する不純物添加半導体層18を介して、ソース電極14S、ドレイン電極14Dと電気的に接続されている。半導体層17のうち、ソース領域とドレイン領域との間の領域はチャネル領域として機能し、チャネル領域の上面には不純物添加半導体層18が存在していない。
【0041】
また、図3(b)に示すように、TFT基板100aは、基板10上に第1の層間絶縁膜12を介して形成された複数の補助容量配線20と、これらの補助容量配線20にゲート絶縁膜16を介して対向する複数の補助容量電極21とをさらに有しており、TFT基板100aにはいわゆるCs On Com構造が採用されている。補助容量配線20は、走査配線13やゲート電極14Gと同一の導電膜をパターニングすることによって形成されている。補助容量電極21は、ソース電極14Sおよびドレイン電極14Dと同一の導電膜をパターニングすることによって形成されている。
【0042】
TFT14を覆うように第2の層間絶縁膜19が形成されており、画素電極15はこの第2の層間絶縁膜19上に形成されている。画素電極15は、図1および図2に示すように、第2の層間絶縁膜19のドレイン電極14D上に位置する部分に形成されたコンタクトホール19’においてTFT14のドレイン電極14Dに接触し、電気的に接続されている。また、補助容量電極21は、図3(b)に示すように、第2の層間絶縁膜19の補助容量電極21上に位置する部分に形成されたコンタクトホール19’において画素電極15に接触し、電気的に接続されている。
【0043】
本実施形態におけるTFT基板100aでは、信号配線11は、図3(c)に示すように、第1の層間絶縁膜12を介して走査配線13の下層に形成されており、図2および図3(a)に示すように、第1の層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12’を介して対応するTFT14のソース電極14Sに電気的に接続されている。より具体的には、信号配線11は、第1の層間絶縁膜12およびゲート絶縁膜16に形成されたコンタクトホール12’、16’内においてTFT14のソース電極14Sに接触し、そのことによってTFT14に電気的に接続されている。
【0044】
ここで、ボトムゲート型のTFTを備えた従来のTFT基板700aの構造を図18(a)および(b)に示す。図18(a)は、TFT基板700aのTFT714近傍を模式的に示す断面図(図3(a)に対応)であり、図18(b)は、信号配線711と走査配線713との交差部近傍を模式的に示す断面図(図3(c)に対応)である。従来のTFT基板700aでは、信号配線711は、ゲート絶縁膜716を介して走査配線713の上層に形成されており、多くの場合、TFT714のソース電極714Sおよびドレイン電極714Dと同一の導電膜をパターニングすることによって形成されている。
【0045】
これに対し、本実施形態では、信号配線11は、図3(c)に示すように、第1の層間絶縁膜12を介して走査配線13の下層に形成されている。第1の層間絶縁膜12は、ゲート絶縁膜や、補助容量用の誘電体膜としては機能しないので、第1の層間絶縁膜12を厚く形成したり、第1の層間絶縁膜12を比誘電率の低い材料から形成したりしても、TFT14の駆動能力の低下や補助容量の容量値の低下を招くことはない。従って、TFT14の駆動能力の低下や補助容量の容量値の低下を伴うことなく、走査配線13と信号配線11との交差部に形成される容量を低減することができる。また、信号配線11と画素電極15との間や信号配線11と対向電極51との間に第1の層間絶縁膜12が介在するので、信号配線11と画素電極15との間に形成される容量や、信号配線11と対向電極51との間に形成される容量も低減することができる。
【0046】
走査配線13と信号配線11との交差部の容量を十分に低減するためには、第1の層間絶縁膜12は、ゲート絶縁層16よりも厚いことが好ましく、ゲート絶縁膜16よりも比誘電率が低いことが好ましい。
【0047】
ゲート絶縁膜16は、典型的には、0.2μm〜0.4μm程度の厚さを有し、5.0〜8.0程度の比誘電率を有している。これに対し、第1の層間絶縁膜12の厚さは、1.0μm以上4.0μm以下であることが好ましく、第1の層間絶縁膜12の比誘電率は、4.0以下であることが好ましい。
【0048】
また、ゲート絶縁膜16は、典型的には、SiNxやSiOxなどの無機絶縁材料から形成されている。これに対し、第1の層間絶縁膜12は、有機成分を含む絶縁材料から形成されていることが好ましい。第1の層間絶縁膜12の材料としては、有機成分を含むスピンオンガラス材料(いわゆる有機SOG材料)を好適に用いることができ、特に、Si−O−C結合を骨格とするSOG材料や、Si−C結合を骨格とするSOG材料を好適に用いることができる。
【0049】
SOG材料とは、スピンコート法などの塗布法によってガラス膜(シリカ系皮膜)を形成し得る材料である。有機SOG材料は、比誘電率が低く、厚膜の形成が容易であるので、有機SOG材料を用いることによって、第1の層間絶縁膜12の比誘電率を低くし、第1の層間絶縁膜12を厚く形成することが容易となる。
【0050】
Si−O−C結合を骨格とするSOG材料としては、例えば、特開2001−98224号公報、特開平6−240455号公報に開示されている材料や、IDW’03予稿集第617頁に開示されている東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製DD1100を用いることができる。また、Si−C結合を骨格とするSOG材料としては、例えば、特開平10−102003号公報に開示されている材料を用いることができる。
【0051】
次に、TFT基板100aの製造方法の一例を図4(a)〜(e)および図5(a)〜(d)を参照しながら説明する。
【0052】
まず、図4(a)に示すように、ガラス基板等の絶縁性基板10上に、スパッタリング法を用いてモリブデン(Mo)膜、アルミニウム(Al)膜、モリブデン(Mo)膜をこの順に積層し、この積層膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることにより、信号配線11を形成する。ここでは、Mo/Al/Mo積層膜の厚さは、上層から順に150nm、500nm、50nmである。
【0053】
次に、図4(b)に示すように、スピンコート法を用いて基板10上に有機SOG材料を塗布し、続いてプリベーク、ポストベークを行って第1の層間絶縁膜12を形成した後、フォトリソグラフィー技術を用いて第1の層間絶縁膜12のうち信号配線11に重なる部分の一部を除去することによってコンタクトホール12’を形成する。ここでは、まず、厚さが1.5μmとなるように有機SOG材料の塗布を行い、次にホットプレートを用いて150℃で5分間のプリベークを行った後、オーブンを用いて350℃で1時間のポストベークを行うことによって、比誘電率が2.5の第1の層間絶縁膜12を形成する。エッチングの際には、四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)の混合ガスを用いてドライエッチングを行う。
【0054】
続いて、図4(c)に示すように、スパッタリング法を用いてMo膜、Al膜、Mo膜をこの順に積層し、この積層膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることにより、ゲート電極14Gを形成する。このとき、図示しない走査配線13および補助容量配線20も同時に形成される。ここでは、Mo/Al/Mo積層膜の厚さは、上層から順に150nm、200nm、50nmである。
【0055】
次に、図4(d)に示すように、CVD法を用いてSiNx膜、アモルファスシリコン(a−Si)膜、n+アモルファスシリコン(n+ a−Si)膜を連続して堆積し、その後、a−Si膜、n+ a−Si膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニング(ドライエッチングによりn+ a−Si膜、a−Si膜の一部を除去)することによって、ゲート絶縁膜16と、真性半導体層17および不純物添加半導体層18から構成される島状の半導体構造(半導体活性層領域)とを形成する。ここでは、厚さ0.4μm、比誘電率7.0のゲート絶縁膜16を形成し、厚さが50nm〜200nm程度の真性半導体層17、厚さ40nm程度の不純物添加半導体層18を形成する。
【0056】
続いて、図4(e)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて第1の層間絶縁膜12のコンタクトホール12’内のゲート絶縁膜16を除去することによって、ゲート絶縁膜16にコンタクトホール16’を形成する。
【0057】
その後、図5(a)に示すように、スパッタリング法によって、Moを堆積し、フォトリソグラフィー技術によってこのMo膜をパターニングすることによって、厚さが150nmのソース電極14S、ドレイン電極14D、および補助容量電極21(ここでは不図示)を形成する。Mo膜のパターニングの際にはウェットエッチングを行う。既に述べたように、本実施形態では、ソース電極14Sやドレイン電極14D、補助容量電極21と信号配線11とを別の層に形成(異なる導電膜をパターニングすることによって形成)する。そのため、ソース電極14Sなどの材料として、信号配線11の材料ほど低抵抗の材料を用いる必要はなく、ここで例示したMoや、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などの高融点金属を用いることもできるし、ITOを用いることもできる。従って、製造プロセスの短縮や材料費の削減を図ることができる。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、島状の半導体構造のチャネルとなる領域において、ソース電極14Sおよびドレイン電極14Dをマスクとして、不純物添加半導体層18をドライエッチングにより除去する。なお、不純物添加半導体層18を除去する際に、真性半導体層17の表面も薄くエッチングされる。
【0059】
続いて、図5(c)に示すように、CVD法を用いてSiNxを堆積することによって、厚さ150nm〜700nm程度の層間絶縁膜19を基板10のほぼ全面を覆うように形成し、その後、フォトリソグラフィー技術を用いてコンタクトホール19’(ここでは不図示)を形成する。なお、層間絶縁膜19の材料として有機系の絶縁材料(例えば感光性の樹脂材料)を用いて厚さ1.0μm〜3.0μm程度の膜を形成してもよいし、また、層間絶縁膜19は、SiNxなどの無機絶縁材料から形成された膜と、上述した有機系の絶縁材料から形成された膜とが積層された積層構造を有してもよい。
【0060】
最後に、図5(d)に示すように、スパッタリング法を用いて厚さ100nmのITO膜を形成し、このITO膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングする(エッチングの際には、ウェットエッチングを用いる)ことによって、画素電極15を形成する。なお、画素電極15の材料としては、ここで例示したITOなどの透明導電材料に限定されず、Alなどの光反射性を有する金属材料を用いてもよい。
【0061】
上述のようにして、TFT基板100aが完成する。ここで例示した方法では、厚さ1.5μm、比誘電率2.5の第1の層間絶縁膜12が形成される。従って、走査配線13と信号配線11との交差部に形成される容量の単位面積当りの容量値は、1.48×10-5pF/μm2である。これに対し、従来のアクティブマトリクス基板のように、走査配線と信号配線との間にゲート絶縁膜(例示した方法と同じく厚さ0.4μm、比誘電率7.0のゲート絶縁膜)が設けられている構成では、単位面積当たりの容量値は、1.55×10-4pF/μm2となるので、本実施形態の構成を採用することにより、交差部に形成される容量の値が10分の1以下に低減されている。また、信号配線13と画素電極15との間にも第1の層間絶縁膜12が介在するため、信号配線13と画素電極15との重畳部についても大幅に容量値を低減することができる。さらに、信号配線13と対向電極51との間にも第1の層間絶縁膜12が介在するため、これらの間の容量値を低減することもできる。
【0062】
(実施形態2)
図6および図7(a)〜(c)を参照しながら、本実施形態における液晶表示装置200を説明する。以下では、実施形態1における液晶表示装置100と異なる点を中心に説明する。
【0063】
液晶表示装置200のTFT基板200aは、信号配線11とソース電極14Sとの接続の態様が実施形態1におけるTFT基板100aとは異なっている。TFT基板100aでは、図3(a)に示すように、第1の層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12’内においてソース電極14Sが信号配線11に直接接触し、そのことによって信号配線11とソース電極14Sとが電気的に接続されている。
【0064】
これに対し、TFT基板200aは、図7(a)に示すように、走査配線13と同一の導電膜をパターニングすることによって形成された第1の導電部材13aと、画素電極15と同一の導電膜をパターニングすることによって形成された第2の導電部材15aとをさらに備えており、TFT基板200aの信号配線11は、第1の導電部材13aと第2の導電部材15aとを介してソース電極14Sに電気的に接続されている。
【0065】
より具体的には、第1の導電部材13aが第1の層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12’内において信号配線11に接触し、第2の導電部材15aが第2の層間絶縁膜19に形成されたコンタクトホール19’内において第1の導電部材13aおよびソース電極14Sに接触していることによって、信号配線11はソース電極14Sに電気的に接続されている。
【0066】
本実施形態におけるTFT基板200aにおいても、信号配線11は、図7(c)に示すように、第1の層間絶縁膜12を介して走査配線13の下層に形成されているので、TFT14の駆動能力の低下や補助容量の容量値の低下を伴うことなく、走査配線13と信号配線11との交差部に形成される容量や、信号配線11と画素電極15との間に形成される容量、信号配線11と対向電極51との間に形成される容量を低減することができる。
【0067】
本実施形態では、さらに、信号配線11が、走査配線13と同一の導電膜をパターニングすることによって形成された第1の導電部材13aと、画素電極15と同一の導電膜をパターニングすることによって形成された第2の導電部材15aと介してソース電極に電気的に接続されている。このような構成を採用すると、後述するような製造プロセス上の利点が得られる。
【0068】
TFT基板200aの製造方法の一例を図8(a)〜(d)および図9(a)〜(d)を参照しながら説明する。
【0069】
まず、図8(a)に示すように、ガラス基板等の絶縁性基板10上に、スパッタリング法を用いて導電膜を形成し、この導電膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることにより、信号配線11を形成する。
【0070】
次に、図8(b)に示すように、スピンコート法を用いて基板10上に有機SOG材料を塗布し、続いてプリベーク、ポストベークを行って第1の層間絶縁膜12を形成した後、フォトリソグラフィー技術を用いて第1の層間絶縁膜12のうち信号配線11に重なる部分の一部を除去することによってコンタクトホール12’を形成する。
【0071】
続いて、図8(c)に示すように、スパッタリング法を用いて導電膜を形成し、この導電膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることにより、ゲート電極14Gおよび第1の導電部材13aを形成する。このとき、第1の導電部材13aは、第1の層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12’内において信号配線11に接触するように形成される。また、このとき、図示しない走査配線13および補助容量配線20も同時に形成される。
【0072】
次に、図8(d)に示すように、CVD法を用いて無機絶縁膜、真性半導体膜、不純物添加半導体膜を連続して堆積し、その後、真性半導体膜、不純物添加半導体膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることによって、ゲート絶縁膜16と、真性半導体層17および不純物添加半導体層18から構成される島状の半導体構造とを形成する。
【0073】
続いて、図9(a)に示すように、スパッタリング法によって、導電膜を形成し、フォトリソグラフィー技術によってこの導電膜をパターニングすることによって、ソース電極14S、ドレイン電極14Dおよび補助容量電極21(ここでは不図示)を形成する。
【0074】
その後、図9(b)に示すように、島状の半導体構造のチャネルとなる領域において、ソース電極14Sおよびドレイン電極14Dをマスクとして、不純物添加半導体層18をドライエッチングにより除去する。なお、不純物添加半導体層18を除去する際に、真性半導体層17の表面も薄くエッチングされる。
【0075】
次に、図9(c)に示すように、CVD法を用いて第2の層間絶縁膜19を基板10のほぼ全面を覆うように形成し、その後、フォトリソグラフィー技術を用いて第2の層間絶縁膜19の一部を除去することによってコンタクトホール19’を形成する。このとき、ゲート絶縁膜16の一部(信号配線11に重なる部分の一部)も同時に除去され、ゲート絶縁膜16にもコンタクトホール16’が形成される。
【0076】
最後に、図9(d)に示すように、スパッタリング法を用いてITO膜を形成し、このITO膜をフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることによって画素電極15および第2の導電部材15aを形成する。このとき、第2の導電部材15aは、第2の層間絶縁膜19に形成されたコンタクトホール19’内において第1の導電部材13aおよびソース電極14Sの両方に接触するように形成される。このようにして、TFT基板200aが完成する。
【0077】
本実施形態では、信号配線11が第1の導電部材13aと第2の導電部材15aとを介してソース電極14Sに電気的に接続される構成を採用しているので、上述したように、第2の層間絶縁膜19とゲート絶縁膜16とに同時にコンタクトホールを形成することが可能になる。つまり、ゲート絶縁膜16にのみコンタクトホールを形成する工程(図4(e)に示した工程)を省略することができる。そのため、用いるフォトマスクの枚数を少なくし、製造コストを削減することができる。
【0078】
なお、有機SOG材料から形成された膜は、一般的にSiNなどから形成された無機絶縁膜に比べ、機械的ストレス、熱ストレスに弱く、クラックが発生しやすい。そのため、第1の層間絶縁膜12を有機SOG材料から形成する場合、クラックの発生を抑制する観点からは、図10に示すように、第1の層間絶縁膜12を非表示領域2には実質的には形成しないことが好ましい。
【0079】
非表示領域2は、マトリクス状に配列された複数の画素領域によって規定される表示領域1の周辺に配置されており、額縁領域とも呼ばれる。非表示領域2には、画素領域を駆動するための信号が入力される複数の端子が設けられており、これらの端子にゲートドライバ30やソースドライバ40が接続されている。非表示領域2には、実装工程や基板分断工程においてストレスが印加されやすいので、非表示領域2には第1の層間絶縁膜12を形成しないことによって、クラックの発生を抑制することができる。
【0080】
また、上述のクラックは、第1の層間絶縁膜12を厚くするほど、また、基板が大型になるほど発生しやすい。本願発明者がクラックの発生と第1の層間絶縁膜12の材料との関係について詳細な検討を行ったところ、シリカから形成されたフィラー(シリカフィラー)を含むSOG材料を用いることで、クラックの発生を抑制することができ、大型のアクティブマトリクス基板において第1の層間絶縁膜12を厚く形成することが容易になることがわかった。
【0081】
図11に、シリカフィラーを含む有機SOG材料から形成された第1の層間絶縁膜12の断面構造を模式的に示す。図11に示すように、第1の層間絶縁膜12は、有機SOG材料から形成されたマトリクス(基材)12a中に、シリカフィラー12bが分散された構成を有している。このような構成を用いると、シリカフィラー12bがストレスを緩和することによってクラックの発生が抑制されるので、大型の基板において第1の層間絶縁膜12を厚膜化することが容易となる。シリカフィラー12bの粒径は、典型的には10nm〜30nmであり、第1の層間絶縁膜12におけるシリカフィラー12bの混入比率は、典型的には、20体積%〜80体積%である。シリカフィラーを含む有機SOG材料としては、例えば、触媒化成社製LNT−025を用いることができる。
【0082】
表1に、シリカフィラーを含む有機SOG膜とシリカフィラーを含まない有機SOG膜について、耐クラック性評価を行った結果を示す。なお、サンプル基板としては、サイズが360mm×465mmのガラス基板(Corning 1737)を用いた。また、耐クラック性評価は、図12に示す手順で行った。具体的には、まず、サンプル基板上にSOG材料を塗布し、次に、180℃で4分間のプリベークを行う。続いて、窒素雰囲気下において350℃で1時間のポストベークを行うことによってSOG膜を形成し、その後、SOG膜が形成された基板を窒素雰囲気下において350℃で1時間保持した後に急冷するという熱サイクル試験を行った。
【0083】
【表1】

【0084】
表1に示すように、フィラー無しの場合には、膜厚が1.5μm以上になるとクラックが発生することがあるのに対し、フィラー有りの場合には、膜厚を3.0μmにしてもクラックの発生を抑制することができた。
【0085】
(実施形態3)
図13および図14(a)〜(d)に、本実施形態における液晶表示装置300を模式的に示す。
【0086】
本実施形態の液晶表示装置300が有するTFT基板300aは、図13および図14(a)〜(c)に示すように、実施形態2における液晶表示装置200のTFT基板200aとほぼ同じ構成を有している。
【0087】
ただし、液晶表示装置300のTFT基板300aは、図13および図14(d)に示すように、信号配線11と略平行に延びる複数のシールド電極23を有している点において、液晶表示装置200のTFT基板200aと異なっている。
【0088】
本実施形態におけるシールド電極23は、走査配線13と同一の導電膜をパターニングすることによって形成されている。このシールド電極23は、補助容量配線20に接続され、一定の電位を与えられる。以下、シールド電極23を設けない場合に発生し得る問題と、シールド電極23を設けることによって得られる利点を説明する。
【0089】
図15は、従来のアクティブマトリクス基板を備えた液晶表示装置において電圧印加時に形成される電界(電気力線)をシミュレーションした図である。シミュレーションに用いたセルパラメータ(構成要素の厚さや幅、比誘電率、与えられる電位など)は図中に示す通りである。図15に示すように、電気力線は、画素電極と対向電極とを結ぶように形成されるだけでなく、画素電極と信号配線とを結ぶようにも形成される。つまり、画素電極と信号配線との間で静電容量が形成されてしまう。そのため、1フレーム内で一定に保たれるべき画素電極の電位が、信号配線の電位の影響を受けて変動してしまう。上述の問題は、図16に示すように、信号配線を第1の層間絶縁膜を介して走査配線の下層に形成した場合にも発生することがある。
【0090】
これに対し、シールド電極23を設けると、図17に示すように、画素電極15から信号配線13に向かう電気力線を、シールド電極23に導くことが可能になり、画素電極15と信号配線13との間での容量の形成を妨げることができる。そのため、画素電極15の電位が信号配線13の電位の影響を受けて変動することを抑制することができる。つまり、シールド電極23は、画素電極15を、信号配線11によって生成される電場から遮蔽する機能を有している。
【0091】
なお、図15に示したような従来のアクティブマトリクス基板においても、シールド電極を設けることによって信号配線11の電位の影響を抑制することはできる。しかしながら、シールド電極の効果は、本実施形態におけるTFT基板300aのように、信号配線11が第1の層間絶縁膜12を介して走査配線13の下層に形成されている構成においてより顕著に得られる。従来のアクティブマトリクス基板とは逆に、信号配線11が走査配線13の下層に形成されるため、シールド電極23(典型的には走査配線13と同一の導電膜から形成される)を信号配線11の上層(つまり信号配線11と画素電極15との間の層)に位置させることが容易であり、図17に示したような高い遮蔽効果を得やすいからである。
【0092】
画素電極15からの電気力線をより多くシールド電極23に導き、画素電極15の電位の変動を効果的に抑制する観点からは、図14(d)に示したように、シールド電極23の信号配線11側のエッジが、画素電極15の信号配線11側のエッジよりも信号配線13寄りに配置されていることが好ましい。
【0093】
また、信号配線13と画素電極15との間の領域は、液晶表示装置においては光漏れが発生する領域であるため、対向基板側に遮光体(ブラックマトリクスとも呼ばれる)を設けることによってこの領域を遮光することが好ましいが、対向基板側に設ける遮光体は、基板同士の貼り合わせ精度を考慮して大きめに形成されるので、液晶表示装置の開口率、透過率の低下の原因となる。これに対し、図14(d)に示したように、シールド電極23(典型的には遮光性の材料から形成され、遮光層としても機能し得る)を画素電極15のエッジに重なるように配置することにより、対向基板側の遮光体の幅を狭くすることが可能となり、液晶表示装置の開口率、透過率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明によると、配線抵抗の増加やスイッチング素子の駆動能力の低下を伴うことなく、走査配線と信号配線との交差部に形成される容量を低減することが可能なアクティブマトリクス基板およびそれを備えた表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態の液晶表示装置100を模式的に示す上面図である。
【図2】液晶表示装置100を模式的に示す断面図であり、図1中の2A−2A’に沿った断面を示す図である。
【図3】(a)〜(c)は、液晶表示装置100のTFT基板100aを模式的に示す断面図であり、それぞれ図1中の3A−3A’線、3B−3B’線、3C−3C’線に沿った断面を示す図である。
【図4】(a)〜(e)は、TFT基板100aの製造工程を模式的に示す工程断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、TFT基板100aの製造工程を模式的に示す工程断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の液晶表示装置200を模式的に示す上面図である。
【図7】(a)〜(c)は、液晶表示装置200のTFT基板200aを模式的に示す断面図であり、それぞれ図6中の7A−7A’線、7B−7B’線、7C−7C’線に沿った断面を示す図である。
【図8】(a)〜(d)は、TFT基板200aの製造工程を模式的に示す工程断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、TFT基板200aの製造工程を模式的に示す工程断面図である。
【図10】TFT基板200aを模式的に示す上面図である。
【図11】シリカフィラーを含む有機SOG材料から形成された第1の層間絶縁膜を模式的に示す断面図である。
【図12】耐クラック性評価の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施形態の液晶表示装置300を模式的に示す上面図である。
【図14】(a)〜(d)は、液晶表示装置300のTFT基板300aを模式的に示す断面図であり、それぞれ図13中の14A−14A’線、14B−14B’線、14C−14C’線、14D−14D’線に沿った断面を示す図である。
【図15】従来のアクティブマトリクス基板を備えた液晶表示装置において電圧印加時に形成される電界(電気力線)をシミュレーションした図である。
【図16】シールド電極が設けられていない場合に電圧印加時に形成される電界(電気力線)をシミュレーションした図である。
【図17】液晶表示装置300において電圧印加時に形成される電界(電気力線)をシミュレーションした図である。
【図18】(a)および(b)は、ボトムゲート型のアモルファスシリコンTFTを備えた従来のアクティブマトリクス基板700aを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0096】
1 表示領域
2 非表示領域(額縁領域)
10 基板(透明絶縁性基板)
11 信号配線
12 第1の層間絶縁膜
12a 基材(マトリクス)
12b シリカフィラー
12’ コンタクトホール
13 走査配線
13a 第1の導電部材
14 薄膜トランジスタ(TFT)
14G ゲート電極
14S ソース電極
14D ドレイン電極
15 画素電極
15a 第2の導電部材
16 ゲート絶縁膜
16’ コンタクトホール
17 半導体層(真性半導体層)
18 不純物添加半導体層
19 層間絶縁膜
19’ コンタクトホール
20 補助容量配線
21 補助容量電極
23 シールド電極
30 ゲートドライバ
40 ソースドライバ
60 液晶層
100、200、300 液晶表示装置
100a、200a、300a アクティブマトリクス基板(TFT基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成された複数の信号配線と、
前記複数の信号配線に交差する複数の走査配線と、
前記基板上に形成され、対応する前記走査配線に印加される信号に応答して動作する複数の薄膜トランジスタと、
前記複数の薄膜トランジスタを介して、対応する前記信号配線に電気的に接続され得る複数の画素電極と、を備えたアクティブマトリクス基板であって、
前記複数の薄膜トランジスタのそれぞれは、対応する前記走査配線に電気的に接続されたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極の上方に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを有するボトムゲート型の薄膜トランジスタであり、
前記信号配線は、第1の層間絶縁膜を介して前記走査配線の下層に形成されており、前記第1の層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して対応する前記薄膜トランジスタの前記ソース電極に電気的に接続されており、
前記第1の層間絶縁膜は、前記ゲート絶縁膜よりも厚く、且つ、前記ゲート絶縁膜よりも比誘電率が低い、アクティブマトリクス基板。
【請求項2】
前記第1の層間絶縁膜の厚さは、1.0μm以上4.0μm以下である請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項3】
前記第1の層間絶縁膜の比誘電率は、4.0以下である請求項1または2に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項4】
前記第1の層間絶縁膜は、有機成分を含む絶縁材料から形成されている請求項1から3のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項5】
前記第1の層間絶縁膜は、Si−O−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料から形成されている請求項4に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項6】
前記第1の層間絶縁膜は、Si−C結合を骨格とするスピンオンガラス(SOG)材料から形成されている請求項4に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項7】
前記第1の層間絶縁膜は、シリカから形成されたフィラーを含むスピンオンガラス(SOG)材料から形成されている請求項4から6のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項8】
前記半導体層は、アモルファスシリコンから形成されている請求項1から7のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項9】
マトリクス状に配列された複数の画素領域を有し、前記複数の画素領域のそれぞれに前記複数の画素電極のそれぞれが設けられている請求項1から8のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項10】
前記複数の画素領域によって規定される表示領域と、前記表示領域の周辺に配置され、前記複数の画素領域を駆動するための信号が入力される複数の端子が設けられる非表示領域とを有し、
前記第1の層間絶縁膜は、前記非表示領域には実質的に形成されていない請求項9に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項11】
前記信号配線に略平行に延びるように形成されたシールド電極を有する請求項1から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項12】
前記シールド電極は、前記走査配線に電気的に接続されている請求項11に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項13】
前記基板上に形成された複数の補助容量配線をさらに備え、
前記シールド電極は、前記補助容量配線に電気的に接続されている請求項11に記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項14】
前記シールド電極は、前記画素電極のエッジに重なるように配置されている請求項11から13のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板上に配置された表示媒体層とを備えた表示装置。
【請求項16】
前記アクティブマトリクス基板に前記表示媒体層を介して対向する対向基板をさらに備え、前記表示媒体層は液晶層である、請求項15に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図18】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−153688(P2008−153688A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36201(P2008−36201)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【分割の表示】特願2004−254876(P2004−254876)の分割
【原出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】