説明

ウェハー様物の加工のためのオゾンの使用

【課題】ウェハー様物の加工のためのオゾンの使用。
【解決手段】本発明は、オゾンを用いたウェハー様物(例えば、露出した銅表面を有する及び/又はlow−k(低誘電)材料を含む。)の加工方法に関する。特定の好ましい態様において、塩基もまた、ウェハー様物を加工するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本特許出願は、クリステンソン他によって2004年9月17日に出願された米国仮出願第60/610,702号(発明の名称:露出した銅を有するウェハー様物を加工するための、オゾン及び塩基の組み合わせ使用)から35 USC §119(e)に基づき優先権主張されたものであり、前記仮出願は、全て、参照としてここに組み込まれる。
【0002】
発明分野
本発明は、低コストで、環境に優しい、様々な用途における洗浄及び表面処理を提供する。本発明は、露出した銅表面を有する、ウェハー様物、例えば半導体ウェハー又は他の超小型電子構造物を加工するための、オゾンの使用を容易にする。一つの適用は、露出した銅を有するバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)ウェハー上のレジスト及び/又はポストアッシュを剥離することを含む。本発明の方式はまた、銅が洗浄されるときはいつでも実施され得る。本発明は、銅表面が組み込まれた印刷回路基板の製造において興味深いものであり得る。他の適用は、low k(低誘電)材料が組み込まれたウェハーから有機物質及び/又は有機残渣物質を除去することを含む。
【背景技術】
【0003】
背景
本発明以前、露出した銅を有するウェハー様物を加工するために、オゾン化学物質を使用することは問題があった。特に、水の存在下において、オゾンは、特にCO2が存在する場合に、Cu金属を腐食する傾向がある(‘‘Atlas of Electrochemical Equillibria in Aqueous Solution,’’マルセル プルーベ編(National Association of Corrosion Engineers,ヒューストン,1974)参照,該文献の全ては参照としてここに組み込まれる。以後、‘‘プルーベ’’として言及)。390頁において、プルーベは、‘‘水中に溶解した炭酸が酸化物の保護膜の形成を妨げる’’ことを記している。プルーベはまた、389頁において、Cu腐食は、pHが7より低い酸化性溶液中で起こり、極めて微量のCO2でさえ、系を腐食領域(corrosive regime)に移し得ることを示している。
【0004】
先端技術ノード(<65nm)において、多孔性low−k材料の集積化は、非損傷のエッチング、アッシング及び洗浄プロセスの発展を必要とする。酸化又は還元化学物質を使用した従来のプラズマアッシングプロセスは、Si−C結合の攻撃及び膜緻密化を通してlow−k材料にかなりの損傷を与え得る。従来のプラズマアッシング化学物質を使用したフォトレジストの除去は、k−値の増加及び限界寸法の変化を含むlow−k性(低誘電性)の深刻な低下をもたらす。様々なシリル化剤、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)を使用した修復プロセスは、アッシングされた膜の誘電性を部分的に修復するために使用される。気相中での、又は超臨界CO2中で補助溶媒として、HMDSを使用したLow−k修復プロセスは、スピン−オン多孔性MSQ膜において明示されている(例えば、P.G.クラーク他,‘‘Cleaning and Restoring k−Value of Porous MSQ film’’,Semiconductor International,August 2003;P.G.クラーク他,‘‘Post Ash Residue Removal and Surface Treatment Process for Porous MSQ’’,International Sematech Wafer Clean&Surface Prep Workshop,May 2003;及びG.B.ジャコブソン他,‘‘Cleani
ng of Photoresist and Etch Residue from Dielectrics using Supercritical CO2’’,International Sematech Wafer Clean&Surface
Prep Workshop,May 2003参照、各文献の全ては参照としてここに組み込まれる。)。これらのプロセスは、成膜直後の材料のk−値を10%まで部分的に修復する。しかしながら、これらのプロセスは、成膜直後のlow−k膜のk−値を十分に修復しない。洗浄及び再加工プロセスによるあらゆる悪影響を完全に取り除くという目標と共に、ストリップ及び残渣の除去プロセスにおいて、k−値の最大変化がわずか2.5%であることが、所望の要件として求められている。結果として、非損傷でフォトレジストを除去することが超low−k集積化における主要な課題となっている。
【0005】
他の関連文献は、S.ネルソン,‘‘Reducing Environmental
Impact with Ozone Based Processes’’,Environmental Issues in the Electronics and
Semiconductor Industries,ed.L.Mendicino(Electrochemical Society,2001)pp.126−133及び国際公開第02/04134号パンフレットを含み、各文献の全ては、参照としてここに組み込まれる。
【非特許文献1】Atlas of Electrochemical Equillibria in Aqueous Solution,’’マルセル プルーベ編(National Association of Corrosion Engineers,ヒューストン,1974
【非特許文献2】P.G.クラーク他,‘‘Cleaning and Restoring k−Value of Porous MSQ film’’,Semiconductor International,August 2003
【非特許文献3】P.G.クラーク他,‘‘Post Ash Residue Removal and Surface Treatment Process for Porous MSQ’’,International Sematech Wafer Clean&Surface Prep Workshop,May 2003
【非特許文献4】G.B.ジャコブソン他,‘‘Cleaning of Photoresist and Etch Residue from Dielectrics using Supercritical CO2’’,International Sematech Wafer Clean&Surface Prep Workshop,May 2003
【非特許文献5】S.ネルソン,‘‘Reducing Environmental Impact with Ozone Based Processes’’,Environmental Issues in the Electronics and Semiconductor Industries,ed.L.Mendicino(Electrochemical Society,2001)pp.126−133
【特許文献1】国際公開第02/04134号パンフレット
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
プルーベは、389頁において、pH7ないし12.5において、Cuが不動態化されることを示す。それ故、本発明は、特に水が存在する場合、オゾンの存在下において、銅の腐食を減少させるために塩基性環境においてオゾン処理を行うことが望ましいことが分かった。塩基性環境においてオゾン処理が行われる場合、多くの利点がもたらされる。オゾンプロセスが塩基性条件下で行われる場合、銅の腐食は劇的に減少する。実際には、有用であるが、適度な酸性成分、例えばCO2が、過度の腐食作用なく存在し得る。要するに、Cu BEOLウェハーを洗浄する場合、塩基性範囲へのpH調節がオゾンの使用を
可能にする。オゾンそれ自体は、レジストを剥離するために使用され得、オゾンベースの混合物は、しばしば、アッシング洗浄後の残渣の洗浄を補助するために、APM(NH4OH:H22:H2O)のように作用し得る。
【0007】
塩基の存在は、いわゆる炭化クラスト層の除去も補助する。典型的なポストエッチングフォトレジスト膜において、炭化クラスト層は、高エネルギーRIEプラズマへの曝露の結果として、エッチング後に形成される傾向にある。オゾンしか使用しない場合、クラスト層の除去速度は非常にゆっくりである。しかしながら、塩基溶液中でのO3の分解中に生じた短寿命ラジカル種は、非常に反応性であり、攻撃し得、クラスト層の除去を容易にし得る。図2は、レジストの塊を、ニュージーランド、フィリップスバーグ、J.T.ベーカー エレクトロニック マテリアルズ社製のJTB ALGE 820(登録商標)として市販で入手可能な、露出した銅製のインターコネクトを有するウェハーのためのフォトレジスト剥離化学物質によって溶解した後のウェハー200上に残った膜210を示す。本発明は、この膜210を除去することができた。除去は、塩基によるオゾンの分解中に、反応性ラジカル種が生成することによるものであり得る。我々は、超low−k(ULK)CDV有機ケイ酸塩ガラス(OSG)材料上でHMDS修復プロセスの有効性を試験した。我々の結果は、修復は材料の気孔率の増加によってのみ改善されることを表わし(例えば、k=2.2の膜)、実際、我々は、k=2.5の膜において、いかなる改善も確認できなかった。従って、損傷を与えるプラズマアッシングプロセスへの代替が、本発明の方式を使用して試験された。本発明の方式は、誘電材料の損傷を減少させるために、多孔性の、low−k材料(低誘電材料)の洗浄プロセスの実施においても使用され得る。
【0008】
有意には、本発明は、誘電性又は限界寸法の変化があったとしても非常に少ないため、low−k材料(低誘電材料)を組み込んだウェハーからフォトレジストを剥離するために使用され得る。例えば、以下で更に論議するように、本発明の処理は、CDV有機ケイ酸塩ガラス材料(OSG)low−k膜を組み込んだウェハーからフォトレジストを剥離するために使用され、該処理はlow−k性(低誘電性)又は限界寸法に変化をもたらさない。好ましい実施形態は、ウェハーを湿潤させるために使用される塩基水溶液を用いたバッチ噴霧処理装置中に所望により同時に導入されるDIO3を使用して展開した‘‘全湿潤’’フォトレジストストリップを使用することを含む。処理するウェハーが露出した銅を有する場合、塩基水溶液の使用がより望ましい。DIO3を用いた処理は、市販の配合物と比べて、化学物質のコスト及び有害廃棄物の発生がかなり減少する。オゾンプロセスは、成膜直後の膜に対して、k−値をわずかにしか変化させない。更に、パターン化した試験構造物の電気パラメーターデータは、リーク電流が、還元プラズマアッシングによって加工された膜と比べて、オゾンによって加工された膜において非常に低いことを示した。
【0009】
本発明の一つの観点に従って、1種以上のウェハー様物の加工方法は、約7.5より高いpHにおいて、前記1種以上のウェハー様物にオゾンを接触させる工程を含む。
【0010】
本発明の他の観点に従って、1種以上のウェハー様物の加工方法は、前記1種以上のウェハー様物を塩基水溶液で湿潤させながら、該ウェハー様物にオゾンを接触させる工程を含む。
【0011】
本発明の他の観点に従って、ウェハー様物を処理するためのシステムは、前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ、オゾン含有物質が前記チャンバ中に導入されるところの第一経路、前記ウェハー様物を湿潤させるのに効果的な方法で、塩基水溶液がチャンバ中に導入されるところの第二経路、及び、オゾンがアルカリ条件下で前記ウェハー様物と接触するような方法において、前記オゾン含有物質及び前記塩基水溶液を前記チャンバ
中に導入させるプログラムインストラクションを含む。
【0012】
本発明の他の観点に従って、ウェハー様物を処理するためのシステムは、前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ、オゾン含有物質が前記チャンバ中に導入されるところの第一経路、前記ウェハー様物を湿潤させるのに効果的な方法で、塩基水溶液が前記チャンバ中に導入されるところの第二経路、及び、少なくとも処理の一部において、前記オゾン含有物質及び前記塩基水溶液を前記チャンバ中に同時に導入させるプログラムインストラクションを含む。
【0013】
好ましい態様において、ウェハー様物は、露出した銅表面を含む。
【0014】
本発明の他の観点に従って、露出した銅表面を含むウェハー様物を処理するためのシステムは、前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ、前記チャンバ中に導入される第一液体物質であって、オゾンを含む物質、及び、前記チャンバ中に別個に導入される第二液体物質であって、約7.5より高いpHを有し、かつ露出した銅表面に近接した塩基性環境の構築を補助するために効果的な方法において導入される物質を含む。
【0015】
本発明の他の観点に従って、露出した銅表面を含むウェハー様物を処理するためのシステムは、前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ、前記チャンバ中に導入される第一液体物質であって、オゾンを含む物質、及び、前記チャンバ中に別個に導入される第二液体物質であって、塩基水溶液からなる物質を含む。
【0016】
本発明の他の観点に従って、露出した銅表面を含むウェハー様物を処理するための方法は、前記ウェハー様物を、加工チャンバ中の回転支持材上に置く工程、前記ウェハー様物上に塩基水溶液を噴霧する工程、及び、前記加工チャンバ中にオゾンを含む物質を導入する工程を含む。
【0017】
本発明の他の観点に従って、low−k材料(低誘電材料)を含むウェハー様物を処理するための方法は、1種以上のウェハー様物にオゾンを接触させる工程を含む。
【0018】
図面の簡単な説明
図1Aは、本発明を実施するために使用され得るバッチ噴霧処理装置の概略図を示す。
図1Bは、ウェハーを、加熱/湿潤(本発明に従ったウェハー上に直接導入される塩基性の脱イオン水混合物を使用して)させながら、中央噴霧柱(center spray
post)の底部から回転している回転台上にオゾン飽和脱イオン水を導入する図1Aに示したバッチ噴霧処理装置のオゾン導入機構の概略図を示す。
図2は、ウェハーが高エネルギーRIEプラズマ剥離化学物質に曝露された後のウェハー上の炭化膜の概略図を示す。
図3は、CO2は含むが塩基は含まないDIO3溶液を用いて、実施例1に従って加工されたウェハーの側面図を示す顕微鏡写真である。
図4は、CO2及び溶液を11.8のpHにするような塩基を含むDIO3溶液を用いて、実施例1に従って加工されたウェハーの側面図を示す顕微鏡写真である。
図5Aは、DIO3プロセス前の、フォトレジストを有するlow−k(低誘電)構造物のSEM像の概略図を示す。
図5Bは、DIO3プロセス後の、限界寸法の変化が見られずに、完全にフォトレジストが除去されたlow−k(低誘電)構造物のSEM像の概略図を示す。
図6は、湿潤剥離プロセス及びプラズマアッシングプロセスにおけるリーク電流のデータを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
詳細な説明
言及したように、オゾンは、とりわけ、特に水の存在下において、とりわけCO2が存在する場合、Cu金属を腐食する傾向にある。残念なことに、溶液中のオゾンの寿命を増加させるために、ラジカル掃去剤として、オゾン化水にCO2を添加することは、非常に好ましい。オゾン化水へのCO2の添加を避け、結果として生じる低濃度のO3を許容することは可能であると思われるが、これは実用的ではない。まず、有機物が酸化される場合、それでもなおCO2は生じる。この、その場でのCO2の発生は、系を腐食領域に又は腐食領域に向かって移す傾向にあり得る。従って、特にバルク有機物が存在する場合、CO2を避けることは意味がなく、腐食問題に対するロバスト解にもならない。
【0020】
本発明の典型的なオゾン処理は、適当な加工チャンバ中に置かれた1種以上のウェハーにオゾンを接触させることを含む。オゾンは、気体として及び/又は溶液中の溶質として加工チャンバに導入され得る。DIO3溶液の成分としてオゾンを導入することが好ましい。ここで使用される‘‘DIO3’’は、水(好ましくは脱イオン水)、溶存オゾン及び所望により1種以上の他の任意の成分を含む水性組成物を言及する。DIO3組成物中に配合され得る他の任意の成分の例は、塩基、ラジカル掃去剤、例えば二酸化炭素、腐食抑制剤、例えばBTA(ベンゾトリアゾール、Cuのための一般の腐食抑制剤)及び/又は尿酸、これらの組み合わせ等を含む。コイト他は、その全てを参照としてここに組み込まれる‘‘Effective and Environmentally Friendly Remover for Photo Resist and Ashing Residue for Use Cu/Low−k Process(IEEE Tran.Semi.Mfg.15,4,Nov 2002,p.429)’’において腐食抑制剤として尿酸の使用を記載している。米国特許出願公開第2004/0029051号明細書、米国特許出願公開第2003/0130147号明細書、米国特許出願公開第2003/0173671号明細書、米国特許出願公開第2003/0083214号明細書、米国特許出願公開第2003/0003713号明細書、米国特許出願公開第2002/0155702号明細書、米国特許出願公開第2002/0037479号明細書及び米国特許出願公開第2002/0025605号明細書も参照され、これらの各々は、その全てが参照としてここに組み込まれる。いくつかの実施方式において、腐食抑制剤の添加は、弱塩基のみを用いて得られるpHよりも低いpHにて行われ得る。いくつかの実施方式において、腐食抑制剤は、特に、CO2がDIO3に意図的に添加されない場合及び/又はウェハーの有機物負荷が低い場合、塩基の添加なしで添加される。
【0021】
DIO3溶液は、一般に、溶液中の水の質量に基づき約1ppmないし約100ppmのオゾンを含み得る。一般に、オゾンを約20ppm以上含むオゾン化溶液が、加圧下で水中にオゾンを溶解させることによって製造され、その後、得られた溶液が加工チャンバ中に導入される。DIO3溶液を製造するための方法及びシステムは、その全てを参照としてここに組み込まれる米国特許第5,971,368号明細書、米国特許第6,235,641号明細書、米国特許第6,274,506号明細書及び米国特許第6,648,307号明細書に記載されている。
【0022】
様々な塩基が、本発明の実施において使用され得る。最も多くの態様において、Cuと過度に反応しない塩基が好ましい。アンモニア水溶液それ自体は、例えば、いくつかの実施様式において、過度にCu++イオンと錯体化する傾向にあり得る。このような場合は、腐食抑制剤と組み合わせてアンモニア水溶液を使用することが望まれ得る。性能に影響を及ぼす他の要因は、塩基の強度と関係がある。塩基は、pHが7より高いところの処理領域を提供するくらい十分に強いべきである。処理中に発生するCO2を中和するくらい十分に強い塩基も望ましい。また、塩基は、あまりにも強い塩基の存在下においてはオゾンが急速に分解し得るため、あまり強くないこと及び/又は溶液のpHが、腐食領域、即ち約12.5のpHを超えて、高くなり得るような強さではないことが好ましい。これらの
関係の釣り合いをとり、塩基は、選択され、ウェハー様物18(以下参照)上に導入される塩基溶液が、約7.0ないし約12.5、好ましくは約8ないし約11、より好ましくは約9の範囲のpHを有するような適当量において使用される。塩基溶液が緩衝される場合、より低いpH、例えば約7.0ないし約9.0が有利に使用され得る。オゾンが有機物を消費するとCO2が生じる傾向にあるために、より重い有機物負荷が存在する場合、より高いpH、例えば約11ないし約12.5が有利に使用され得る。
【0023】
所望のpH及び塩基は配送方法に依存する。塩基及びDIO3がウェハー表面から離れた混合マニホルドにおいてブレンドされる場合、O3は実質的にウェハー表面に向けて分解し得る。アルカリ領域のより低いpHは、一般に、このような離れた混合場所(remote−mix situation)において好まれ得る。オゾンが、主にウェハー18表面において塩基と最初に接触するところの、以下の図1A及び1Bにおいて記載される処理技術に従って、噴霧処理装置10の回転台22上に下向きに脱イオン水が導入される場合、より高いpH操作はより実用的である。
【0024】
KOH及びアルカリ金属を含まない水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が、どちらもCu金属とほとんど反応せず、かつ以下の実施例に記載されるようにどちらも上手く使用できるため、好ましい。また、KOHはアルカリ金属を含むため、TMAHがより好ましい。適当な塩基の他の例は、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、これらの組み合わせ等を含む。所望により、本発明の塩基溶液は、1つ以上の所望の目的を達成するために、例えば、副生成物の処理に関してpHを安定化するのを補助するために、及び/又は塩基溶液の寿命を長くするために、緩衝され得る。
【0025】
本発明は、ミネソタ州、チャスカのエフエスアイ インターナショナルインコーポレーテッドから市販で入手できるマーキュリー(登録商標:MERCURY)又はゼータ(登録商標:ZETA)噴霧処理装置等の噴霧加工装置において加工される場合に、ウェハーの複数バッチによって生じるのと同様に、複数のウェハー様物を同時に加工するために使用され得る。本発明はまた、ウェハーが動く又は固定されるところの単一ウェハー加工適用において、又は、ウェハーが実質的に静止するところのバッチ適用において、使用され得る。
【0026】
塩基はオゾンと反応し、オゾンを消費する傾向にあり得るため、オゾンと塩基は、別々に加工チャンバに導入することが好ましい。図2A及び2Bは、この実施において、有用な装置の一つの例を示す。図2Aは、化学物質混合マニホルド49、再循環タンク71及び加工ボール12を含む主要システムコンポーネントを示すバッチ噴霧処理装置10の概略図を示す。装置10は、ミネソタ州、チャスカのエフエスアイ インターナショナルインコーポレーテッドから市販で入手できるマーキュリー(登録商標:MERCURY)又はゼータ(登録商標:ZETA)噴霧処理装置に含まれるような噴霧加工装置の略図である。装置10は、一般に、加工チャンバ16を定義するタンク12及びふた14を含む。ウェハー様物18は、キャリヤー20(例えば、テフロン(登録商標)カセット)中に置かれ、そしてそれは、回転台柱(図示なし)によって回転している回転台22上に順に保持される。回転台22は、モーター駆動シャフト24に連結される。1種以上の化学物質が供給ライン32から供給され、回転台柱(図示なし)を通して加工チャンバ16中に導入され得る。1種以上の化学物質はまた、供給ライン34から供給され、加工チャンバ16中のウェハー18上に直接及び/又は中央噴霧柱36を通して回転台22上に直接導入され得る。例えば、供給ライン34は、化学物質混合マニホルド49に連結され得る。化学物質混合マニホルドは、化学物質供給ライン67及び68を含み得る。化学物質供給ライン67は、フィルター64及び66、ポンプ62を含み得、化学物質供給タンク50に連結される。化学物質供給タンクは、再循環ドレーン54及び新たな化学物質補給管52から加工化学物質を供給し得る。窒素雰囲気生成装置56は、タンク50の上部の空間に
おいて使用され得る。タンク50中の加工化学物質の温度を制御するために、タンク50は、加熱コイル58、冷却コイル60及び温度プローブ62を含み得る。化学物質供給ライン68は、例えば窒素及び脱イオン水リンスを供給し得る。1種以上の化学物質はまた、供給ライン38から供給され、側面ボール噴霧柱(side bowl spray post)40を通して加工チャンバ16中に導入され得る。タンク12はまた、側面ボール温度プローブ41を含み得る。加工チャンバ16に化学物質を供給した後、あらゆる未使用の化学物質がドレーン70を経て再循環タンク71に入り得る。再循環タンクから、化学物質は、再循環ドレーン54、排出管72、DIドレーン74、補助管76、補助管78、補助管80及び補助管82等の様々な出口へ導かれ得る。装置10の配置及び使用は、更に、米国特許第5,971,368号明細書、米国特許第6,235,641号明細書、米国特許第6,274,506号明細書及び米国特許第6,648,307号明細書並びに2004年3月12日に出願された本出願人の同時係属米国特許出願(発明の名称:回転ユニオン、流体配送システム及び関連する方法、発明者:ベンソン他、出願番号:米国特許出願第10/779,250号)に記載されており、前記同時係属特許出願は、その全てを参照としてここに組み込まれる。
【0027】
図1Bは、本発明に従った装置10の一つの典型的な使用方式を示す。脱イオン水中に溶解した1種以上の塩基を含む塩基溶液42は、中央噴霧柱36からウェハー様物18上に導入される。これは、塩基性の化学物質でウェハー表面を湿潤させる。その間にも、DIO344は、中央噴霧柱36の底部46から回転している回転台22上に着水する。この‘着水’において、オゾンガスは、その後、DIO3から気体放出する傾向にあり得る。かなりの量のO3が溶液から蒸発し、アルカリ性の化学物質の存在下で、酸化的にウェハー表面と接触する。気相中のO3は、ウェハー上の液体の薄層に容易に溶解する。薄層は、O3を急速拡散させ、ウェハー表面に良好な物質移行及び塩基によるO3の分解時間の短縮をもたらす。この方法を行った特定の例を、以下の実施例に記載する。以下の実施例は、図1A及び図1Bに示され、かつミネソタ州、チャスカのエフエスアイ インターナショナルインコーポレーテッドから市販で入手できるマーキュリー(登録商標:MERCURY)MP噴霧処理装置において行われた。
【実施例】
【0028】
実施例1
着水を介したDIO3の導入及び塩基としてKOH水溶液の使用
1個の、露出してパターン化された銅及びフォトレジスト残渣を含む200mmウェハー及び99個のベアシリコンフィラーウェハー(99 bare silicon filler wafer)を加工チャンバの内部に置いた。脱イオン水中にオゾン約80ppmを含むDIO3溶液を調製した。DIO3溶液は、CO240ppmも含んだ。回転台を500RPMで回転させ、DIO3を中央噴霧柱の底部から回転台上に、連続的に着水させた。DIO3は、10lpm及び20℃において供給した。DIO3を回転台上に着水させながら、ウェハーは、塩基が1サイクルにおいて50秒間噴霧されるところの80秒サイクルの繰り返しに従って塩基水溶液を噴霧された。塩基水溶液は、中央噴霧柱からウェハー上に9.1lpm及び85℃において導入された。該サイクルの残りの30秒間に、ウェハーを塩基水溶液の噴霧なく回転させ、O3をウェハーの表面上に拡散させた。塩基混合物は、導入前にマニホルド中で20℃のKOH、質量に対して100:1の300cc/分と95℃の脱イオン水1800cc/分を組み合わせることによって形成した。これは、約7lpmの脱イオン水流とは別に中央噴霧柱から同時に導入された。2つの湿潤化学物質の流れは、噴霧柱の外側で互いに噴霧として衝突するように導入された。そのため、生じた塩基溶液は、pH11.8で、KOH約0.35g/L(0.006モル)を含んだ。KOHをウェハー上に噴霧された液体に添加しなかったことを除いて、同様の加工を行った。図3及び図4は、それぞれ、KOHの添加なし及びありの着水プロセス(図1A及び図1Bに関して上記した)を示す。図3と図4を比べると分かるように、KO
Hの使用(図4)は、走査電子顕微鏡法によって測定すると、実質的に、あらゆる発見可能なCu腐食をなくした。図4が、実質的にCu腐食がないウェハー400を示すのに対して、図3は、Cu腐食310を有するウェハー300を示す。
【0029】
実施例2
DIO3の導入及び塩基としてTMAH水溶液の使用
マニホルド中で脱イオン水67質量部中にTMAH1質量部を含む溶液150cc/分とDI水1800cc/分を組み合わせたこと以外は、実施例1の方法を使用した。結果として生じた塩基は、pH約11.5で、TMAH 約0.25g/L(0.003モル)を含んだ。この方法により得られた腐食データを以下に記載する。
【0030】
実施例3
着水を介したDIO3の導入、及び、塩基としてのTMAH水溶液及び腐食抑制剤としての尿酸の使用
尿酸0.45g/分を、マニホルド中でDI水1800cc/分と組み合わせられたTMAH溶液150cc/分に添加したこと以外は、実施例2の方法を使用した。表Iは、DIO3のみを用いて加工したブランケット銅ウェハー、DIO3とTMAHを用いて加工したブランケット銅ウェハー(実施例2)及びDIO3とTMAHと尿酸を用いて加工したブランケット銅ウェハー(実施例3)における、蛍光X線分光分析法によって測定された銅損失を示し、該銅損失は、それぞれ、33.5Å、10.7Å及び1.0Åであった。実施例2及び3において観察されたほんのわずかなかすみは、希酸化学物質、例えば希HF又は市販の化学物質溶液、例えばコネティカット州、ダンベリーのATM社製のST−250(登録商標)として入手できるもの又は日本国、東京都の関東化学株式会社製のDEERCLEAN(登録商標)LK−1として入手できるものを使用して容易に除去される表面酸化物であると考えられる。
表I:DIO3フォトレジスト剥離プロセスにおけるCu損失の測定
【表1】

【0031】
本発明の方式はまた、誘電材料の損傷を減少させるために、多孔性の、low−k材料(低誘電材料)の洗浄プロセスの実施に関して使用され得る。
【0032】
BEOL用途のlow−k材料からの残渣の除去は、好ましくは、構成材料の化学物質相溶性、加工温度及び化学物質の導入時間に関して、非常に柔軟性のある自動装置を含む。図1A及び図1Bに示した装置10が使用され得る。このシステムは、粒子の除去及び乾燥を強化するために遠心力を利用するバッチ噴霧処理装置10である。加工化学物質は、新たな52又は再循環した54補給源から中央噴霧柱36及び側面噴霧柱40を通して導入され得る。化学物質は、化学分解を最小にし、かつ浴寿命を最大にするために、窒素雰囲気下で貯蔵及び導入される。ウェハー18は、時計回り及び半時計回りに回転され、均一性を最適化し得る。更に、化学物質の温度は、化学物質加熱器58において、加工ボール12中で監視され、ウェハー上の化学物質の温度を厳密に制御する。
【0033】
オゾンプロセスは、高圧において脱イオン水中にオゾンを溶解し、室温において、120ppmの濃度とする工程を含む。図1Bに示すように、オゾン化水(DIO3)44は
、中央噴霧柱36の底部46を通して回転している回転台22上に導入され、その間に、同時に、任意に塩基及び/又は腐食抑制剤を含む加熱した脱イオン水混合物42がウェハー18上に直接導入される。過飽和のDIO344が、回転している回転台22上に導入されるが、ここでオゾンが気体放出され、密閉された加工チャンバ16中に維持される。結果として生じるウェハー18の温度は好ましくは約70℃であり、オゾン導入時間は、100ウェハーの1バッチ当り30分未満である。
【0034】
low−k膜実施例
膜損傷を決定するために、最初の研究において使用したブランケットlow−k膜をSi基材上に蒸着した。膜は、プラズマ強化酸素−オルガノシラン容量放電(plasma
enhanced oxygen−organosilane capacitive
discharge)を使用して、〜6300Åの厚さで製造した。プラズマアニールを使用して、膜のポロゲンを取り除き、少孔性とした。k=2.5とk=2.2のlow−k膜の違いは、プラズマ蒸着ポストアニール(post deposition plasma anneal)を変更することによって得られた。全てのブランケット膜は、典型的なエッチングプロセスを使用して、〜3700Åまで部分的にエッチバックした。これらの研究のためのブランケット膜上にはフォトレジストが被覆されていなかった。剥離条件は、目標としたフォトレジスト(248nmの4100Å レジスト)を除去するために調整し、ULK膜上を加工した。その後、漏電を試験するために、パターン化ウェハーを使用した。ここで、膜は〜6300Åの厚さで蒸着し、同様のレジスト条件を使用してパターン化した。膜は、CHF3/CF4/N2化学物質を使用して、元来の膜厚の〜50%まで部分的にエッチングした。
【0035】
ブランケットULK CVD OSG膜は、1)エッチングのみ、2)エッチングとアッシング、及び3)エッチング、アッシング、HMDS、洗浄、HMDSによって加工した。全てのサンプルは、400℃までアニールし、k=2.2及びk=2.5の膜の膜厚及びk−値のデータを、表IIに示す。結果は、膜の気孔率が増加するほど、アッシングプロセスによる損傷がより顕著になることを示した。特に、k=2.2及びk=2.5の膜のk−値は、それぞれ、2.91及び2.82まで増加した。k−値の増加に加えて、膜は、k=2.2の膜において−28%、k=2.5の膜において−12%の顕著な膜緻密化も示した。
【0036】
洗浄及びHMDS修復プロセスは、k=2.2の膜において、k−値を2.91から2.66へ減少させ、9%のk−値の減少を示した。しかしながら、より密度の高いk=2.5の膜においては、洗浄及びHMDS修復プロセスは、いかなる有意なk−値の減少も与えなかった。
表II.プラズマアッシングプロセスにおける厚さ及びk−値の測定
【表2】

【0037】
表IIに関連して記載されたプラズマアッシングプロセスと比べて、プラズマアッシン
グの必要なくフォトレジストを選択的に除去する本発明に従った湿潤剥離プロセスは、剥離/洗浄プロセス中にlow−k材料に対する損傷を減少させるために、使用される。短ループパターン試験構造物(short−loop pattern test structure)をULK CVD OSG上にフォトレジストを用いて調製した。図5A及び図5Bは、オゾン加工前及びオゾン加工後の構造物において得られたSEM像を図解する。オゾン加工前(図5A)は、例えば、low−k(低誘電)構造物500の隆起構造物505上にフォトレジスト材料510があることを示す。オゾン加工後(図5B)は、low−k(低誘電)構造物500からフォトレジストが完全に除去され、かつ例えば、隆起構造物505の限界寸法に外見上の変化がないことを示す。
【0038】
表IIIは、1)エッチングのみ、及び2)エッチングと湿潤剥離により加工した膜の膜厚とk−値のデータを示す。双方のスプリット(split)は400℃までアニールした。結果は、湿潤剥離プロセスが、有意に、膜厚を減少させないこと(<2%)又はk−値を増加させないこと(<2%)を示した。
表III.湿潤剥離プロセスにおける厚さ及びk−値の測定
【表3】

【0039】
その後、短ループ試験構造物上で電気パラメーターデータを取った。図6は、プラズマアッシングによって加工したスプリットと比べ、湿潤剥離によって加工したスプリットでは、リーク電流が減少したことを示した。双方のプロセスとも、狭い電流分布をもたらす;しかしながら、湿潤剥離プロセスは、より低いリーク電流をもたらす。丸く囲んである領域600は、湿潤剥離DIO3加工により得られたデータを示し、丸く囲んである領域610は、プラズマアッシング加工により得られたデータを示す。
【0040】
これらの電気試験構造物は露出した銅を有さない。それ故、ブランケット銅ウェハーを、DIO3プロセスを使用した銅の酸化を評価するために使用した。銅損失を研究するために、〜950Åの平均開始厚を有するブランケット銅ウェハーを使用し、サーモ ノラン GXRS X線蛍光システム(Thermo Noran GXRS X−Ray Fluorescence(XRF) system)を用いて測定した。水中銅/酸化銅系のためのプルーベダイアグラムは、酸化銅が酸性の混合物に溶解性であることを示す(例えば、‘‘Atlas of Electrochemical Equilibria in Aqueous Solutions’’マルセル プルーベ編(National Association of Corrosion Engineers,1974),pp.389−390参照。)。炭酸は、DIO3プロセスにおいて2つの機構を通して発生される:1)CO2が、溶液中のオゾンの寿命を最大にするためにラジカル掃去剤としてDIO3混合物へ添加される;2)フォトレジストと反応するオゾンが、副生成物としてCO2をもたらす。結果として、銅は、オゾンを使用して酸化され、その後、酸性混合物中に溶解され得る。それ故、我々は、ウェハー上に直接導入されるDI混合物中に2種類の腐食抑制剤を配合した。さもなくば、DI混合物は、所望により1種以上の腐食抑制剤との組み合わせにおいて1種以上の塩基を配合し得る。
【0041】
表IVは、化学抑制剤あり及びなしのDIオゾンプロセスにおける銅損失及び可視的検査の結果を示す。化学抑制剤なしのDIオゾンプロセスは、目に見える表面酸化をもたらし、33.5Åの銅損失が測定された。抑制剤Aは、10.7Åまでの、68%の銅損失
の減少をもたらした。その後、表面上の銅種に更に結合させ、オゾンとの競争反応において銅種の酸化を減少させるために、抑制剤Bを、DI混合物に添加した。抑制剤A+Bを使用したDI混合物は、1.0Åまでの、97%の銅損失の減少をもたらした。表面酸化物であると考えられるわずかなかすみが、抑制剤を用いて加工されたウェハー上で観察された。表面酸化物は、希HF又は市販の残渣除去化学物質(例えば、コネティカット州、ダンベリーのATMI社製のST−250(登録商標)又は日本国、東京都の関東化学株式会社製のDEERCLEAN(登録商標)LK−1)を使用して容易に除去された。
表IV.DIO3フォトレジスト剥離プロセスによるCu損失の測定
【表4】

【0042】
我々は、low−k材料において気孔率が増加するほど、アッシングプロセスが膜緻密化の形態において顕著な材料損傷をもたらし得ることを観測した。緻密化は、次々に、絶縁劣化をもたらす。洗浄及びHMDS修復プロセスは、多孔性膜(k=2.2)におけるk−値を顕著に改善し得る;しかしながら、膜緻密化は、元にもどせず、成膜直後のk−値は回復できない。対照的に、本発明は、実質的に、low−k材料性を過度に低下させることなく、又は銅をほとんど除去することなくフォトレジストを選択的に除去する、非損傷の湿潤剥離プロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1A】図1Aは、本発明を実施するために使用され得るバッチ噴霧処理装置の概略図を示す。
【図1B】図1Bは、ウェハーを、加熱/本発明に従ったウェハー上に直接導入される塩基性の脱イオン水混合物を使用して湿潤させながら、中央噴霧柱(center spray post)の底部から回転している回転台上にオゾン飽和脱イオン水を導入する図1Aに示したバッチ噴霧処理装置のオゾン導入機構の概略図を示す。
【図2】図2は、ウェハーが高エネルギーRIEプラズマ剥離化学物質に曝露された後のウェハー上の炭化膜の概略図を示す。
【図3】図3は、CO2は含むが塩基は含まないDIO3溶液を用いて、実施例1に従って加工されたウェハーの側面図を示す顕微鏡写真である。
【図4】図4は、CO2及び溶液を11.8のpHにするような塩基を含むDIO3溶液を用いて、実施例1に従って加工されたウェハーの側面図を示す顕微鏡写真である。
【図5A】図5Aは、DIO3プロセス前の、フォトレジストを有するlow−k(低誘電)構造物のSEM像の概略図を示す。
【図5B】図5Bは、DIO3プロセス後の、限界寸法の変化が見られずに、完全にフォトレジストが除去されたlow−k(低誘電)構造物のSEM像の概略図を示す。
【図6】図6は、湿潤剥離プロセス及びプラズマアッシングプロセスにおけるリーク電流のデータを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のウェハー様物の加工方法であって、約7.5より高いpHにおいて、前記1種以上のウェハー様物にオゾンを接触させる工程を含む方法。
【請求項2】
前記1種以上のウェハー様物が、露出した銅表面を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種以上のウェハー様物の加工方法であって、前記1種以上のウェハー様物を塩基水溶液で湿潤させながら、該ウェハー様物にオゾンを接触させる工程を含む方法。
【請求項4】
前記塩基性水溶液がTMAH水溶液を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基性水溶液がKOH水溶液を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基性水溶液が緩衝液を含む請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基性水溶液が腐食抑制剤を含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基性水溶液がアンモニア水溶液を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基性水溶液がアンモニア水溶液を含む請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記オゾンが、水溶液中の溶質として供給され、かつ該水溶液が、更に腐食抑制剤を含むところの請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記腐食抑制剤が尿酸又はその誘導体を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記腐食抑制剤がベンゾトリアゾール又はその誘導体を含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記1種以上のウェハー様物が加工チャンバ中に置かれ、かつ前記オゾン及び前記塩基水溶液が該加工チャンバ中に別々に導入される請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記オゾンが、DIO3組成物の溶存成分として前記チャンバ中に導入される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記DIO3組成物が、溶存オゾンの少なくとも一部が前記DIO3組成物から気体放出され、その後、ウェハー様物と接触するような条件下で、前記加工チャンバ中に着水される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1種以上のウェハー様物が、露出した銅表面を含む請求項3に記載の方法。
【請求項17】
露出した銅表面を含むウェハー様物を処理するためのシステムであって、
前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ;
前記チャンバ中に導入される第一液体物質であって、オゾンを含む物質;及び、
前記チャンバ中に別個に導入される第二液体物質であって、約7.5より高いpHを有し、かつ露出した銅表面に近接した塩基性環境の構築を補助するために効果的な方法において導入される物質
を含むシステム。
【請求項18】
露出した銅表面を含むウェハー様物を処理するためのシステムであって、
前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ;
前記チャンバ中に導入される第一液体物質であって、オゾンを含む物質;及び、
前記チャンバ中に別個に導入される第二液体物質であって、塩基水溶液を含む物質
を含むシステム。
【請求項19】
ウェハー様物を処理するためのシステムであって、
前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ;
オゾン含有物質が前記チャンバ中に導入されるところの第一経路;
前記ウェハー様物を湿潤させるのに効果的な方法で、塩基水溶液がチャンバ中に導入されるところの第二経路;及び、
オゾンがアルカリ条件下で前記ウェハー様物と接触するような方法において、前記オゾン含有物質及び前記塩基水溶液を前記チャンバ中に導入させるプログラムインストラクション、
を含むシステム。
【請求項20】
ウェハー様物を処理するためのシステムであって、
前記ウェハー様物が、処理中に置かれるチャンバ;
オゾン含有物質が前記チャンバ中に導入されるところの第一経路;
前記ウェハー様物を湿潤させるのに効果的な方法で、塩基水溶液が前記チャンバ中に導入されるところの第二経路;及び、
少なくとも処理の一部において、前記オゾン含有物質及び前記塩基水溶液を前記チャンバ中に同時に導入させるプログラムインストラクション、
を含むシステム。
【請求項21】
露出した銅表面を有するウェハー様物を処理するための方法であって、
前記ウェハー様物を、加工チャンバ中の回転支持材上に置く工程;
前記ウェハー様物上に塩基水溶液を噴霧する工程;及び、
前記加工チャンバ中にオゾンを含む物質を導入する工程、
を含む方法。
【請求項22】
low−k材料(低誘電材料)を含むウェハー様物を処理するための方法であって、1種以上のウェハー様物にオゾンを接触させる工程を含む方法。
【請求項23】
前記1種以上のウェハー様物にオゾンを接触させる工程が塩基水溶液で湿潤させながら行われる請求項22に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−516419(P2008−516419A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532498(P2007−532498)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/033162
【国際公開番号】WO2006/034030
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(503450771)エフエスアイ インターナショナル インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】