説明

エンジン制御装置

【課題】車両の燃費を向上させつつ、補機作動についてのユーザビリティの向上を図ること。
【解決手段】 車両を走行させるために駆動するメインエンジン100と、メインエンジン停止時において補機を駆動するために設けられたメインエンジンよりも小排気量のサブエンジン200と、を制御するエンジン制御装置であって、メインエンジン100の回転数が所定回転数以上であって、かつ減速中であれば、メインエンジン100に対する燃料供給を停止し、減速中であって、メインエンジン100の回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、減速後、車両が停車しないと予測した場合には、メインエンジン100に対する燃料供給を再開し、減速中であって、メインエンジン100の回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、減速後、車両が停車すると予測した場合には、燃料供給停止を継続しつつ、サブエンジン200を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインエンジン及びサブエンジンを制御するエンジン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メインエンジン停止時、補機を作動するための小型のサブエンジンを設けることが特許文献1により知られている。
【特許文献1】特開2000−345874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、スロットル弁が全閉の状態でエンジンに対する燃料供給を停止して燃費の向上を図る技術が提案されている。しかし、スロットル弁が全閉の状態であっても、通常は、所定の回転数以下になればアイドル回転を維持するためメインエンジンに燃料供給を再開するよう制御している。この燃料供給によるメインエンジンの駆動はなんら仕事に利用されないため、無駄に燃料を消費することになっていた。
【0004】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、スロットル弁が全閉の状態でメインエンジンが所定の回転数以下になっても、メインエンジンに対する燃料を供給せず、サブエンジンを駆動して、補機の作動を行なうことにより、燃費を向上させつつ、ユーザビリティの向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
車両を走行させるために駆動するメインエンジンと、メインエンジン停止時において補機を駆動するために設けられたメインエンジンよりも小排気量のサブエンジンと、を制御するエンジン制御装置であって、
メインエンジンの回転数が所定回転数以上であって、かつ、前記メインエンジンに対する燃料供給を停止し、
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車しないと予測した場合には、メインエンジンに対する燃料供給を再開し、
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車すると予測した場合には、燃料供給停止を継続しつつ、サブエンジンを駆動することを特徴とする。
【0006】
このような制御によれば、スロットル弁が全閉の状態であって、車両が停止することが予測される場合に、メインエンジンの回転数が所定値以下であっても、メインエンジンに対する燃料供給をストップできるため燃費の向上を図ることができる。しかも、その間、サブエンジンを駆動させるため、補機が作動状態にある場合は、その作動状態を維持できるとともに、補機が非作動状態であってもその後の補機の作動開始に備えて待機しておくことができ、補機の作動に問題が生じることはなく、ユーザビリティが向上する。
【0007】
また、所定回転数から車両が停車するまでの間、サブエンジンが駆動されることになるが、サブエンジンは、メインエンジンよりも小型で、機械抵抗やポンピングロスが小さいため、メインエンジンを駆動する場合に比べ、大幅に燃費を向上することができる。
【0008】
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車すると予測した場合であっても、補機が作動状態にない場合にはサブエンジンを駆動しないことを特徴とする。補機が作動状態に無い場合にはサブエンジンを駆動しないので、より燃費を向上することができる。
【0009】
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車すると予測した場合であっても、補機負荷が所定値以下であれば前記サブエンジンを駆動しないことを特徴とする。補機のかかる負荷が所定値以下の場合には、サブエンジンを駆動しないので、より一層の燃費向上を図ることができる。、
前記車両が停止している間、前記メインエンジンを自動停止させることを特徴とする。つまり、アイドルストップ制御を行なうことによって、より一層の燃費向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の燃費を向上させつつ、補機作動についてのユーザビリティの向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
<実施形態>
(構成)
本発明の実施形態に係る排気浄化システムを適用したエンジンルーム内の構成について図1を用いて説明する。図1は、メインエンジン100、サブエンジン200及びその周辺構成のレイアウトを示す図である。
【0013】
メインエンジン100は、車両走行時に使用するためのものであり、その車両の能力に応じて、例えば2000ccといった排気量を有している。一方、サブエンジン200は、所定条件下、例えば、アイドル時などメインエンジン100を停止させる状態において、補機150を駆動するために設けられている。ここでの補機150は、エアコンやパワーステアリング用ポンプなど、メインエンジン100の停止に伴いその作動が停止されると、空調が効かない、操舵抵抗が増加するなど乗員に不都合が生じる装置である。サブエンジン200は、駆動する補機の負荷に応じて、例えば50ccといった排気量を有している。
【0014】
メインエンジン100から排出された排気ガスを車外へ導くためメイン排気通路300が設けられている。そして、メイン排気通路300上には、排気ガスを浄化するための排気浄化部400A、400Bが設けられている。排気浄化部400A、400Bは、白金やロジウムなどの貴金属を基体に担持させた三元触媒を内包しており、排気浄化部400A、400Bに導入される排気ガスの空燃比が理論空燃比(λ=1)の時、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)などの大気汚染物質を浄化する。なお、図1には、2つの排気浄化部400A、400Bが示されているが、3つ以上設けてもよい。サブエンジン200から排出された排気ガスは、サブ排気通路500によって、複数の排気浄化部400A、400Bの間に導かれる。そして、サブエンジン200を制御するサブエンジン制御部600は、サブ排気通路500の接続端500aよりも下流側に位置する排気浄化部400Bを暖めるためにサブエンジン200を駆動する。
【0015】
排気浄化部400A、400Bに用いられる触媒は、その温度が活性化温度に達しないと、排気ガス浄化力を十分に発揮することができない。そこで、排気浄化用触媒が活性化していないエンジンの冷間始動時に、特に後段の排気浄化部400Bを効果的に暖機するため、サブエンジン200を駆動する。これにより、エンジン始動後、サブエンジン200からの排気熱を用いて、排気浄化部400Bの早期活性化を図ることができ、排気浄化性能の向上及び排気浄化部の低コスト化を実現できる。
【0016】
サブエンジン制御部600は、複数の排気浄化部400A、400Bの内、サブ排気通路500の接続端500aよりも上流側に位置する排気浄化部400Aが所定の活性温度に達するまで、サブエンジン200を駆動する。これは、図2に示すように、上流側の排気浄化部400Aの温度がほぼサーチレイトして、完全に暖まってから、下流側の排気浄化部400Bの温度上昇が始まる現象を踏まえたものである。
【0017】
上流側の排気浄化部400Aの温度がほぼ上がりきった時点T1を経過後は、上流側の排気浄化部400Aから排出される排気ガスが十分な熱量を有しているため、下流側の排気浄化部400Bの温度が急激に上昇する。したがって、サブエンジン制御部600は、T1までの間、サブエンジン200を駆動して、一点鎖線で示すように、下流側の排気浄化部400Bの温度を上昇させ、T1を過ぎれば、サブエンジン200を停止する。つまり、エンジン始動後、T1経過後までは、メインエンジン100とサブエンジン200の両方で燃焼が行なわれ、T1経過後はメインエンジン100のみで燃焼が行なわれる。
【0018】
また、サブエンジン制御部600は、T1が経過したか否かを、メインエンジン100の始動後の積算燃料消費量が所定値に達したか否かによって判定する。燃料消費量は、不図示の燃料タンクからインジェクタ800から噴射すべく演算された毎回の燃料噴射量をメインエンジン制御部700で積算して求める。そして、その燃料消費量を積算することによって積算燃料消費量が導かれる。積算燃料消費量に比例した熱量がメインエンジン100で発生し、メインエンジン100で発生した熱量に比例した熱量が、排気ガスとして排出されるため、結果として、排気浄化部400A、400Bの温度上昇は、積算燃料消費量に比例することとなる。
【0019】
このように、積算燃料消費量を熱量とみなし、サブエンジンの駆動によって暖まる下流側の排気浄化部に十分な熱量が伝わるまでを、積算燃料消費量によって判断することにより、排気浄化部に温度センサを取り付けなくとも、より容易に、適正なサブエンジン200の駆動制御を行なうことができ、効果的に排気浄化部の早期活性化を図ることができる。
【0020】
なお、サブエンジン制御部600は、始動時のエンジン水温が所定温度以上の場合には、サブエンジン200を駆動しない。メインエンジン100が始動した時点で、エンジン水温が高ければ、排気浄化部400Bの温度も高い状態で維持されている可能性が高いため、サブエンジン200によって暖める必要がないと判断する。したがって、無駄にサブエンジン200を駆動することはなく、効率的に排気浄化部の早期活性化を図ることができる。
【0021】
メインエンジン100には、メインエンジン100の回転数やトルクを制御するためのメインエンジン制御部700が設けられている。メインエンジン制御部700は、サブエンジン制御部600がサブエンジン200の駆動を停止する際に、メインエンジン100の発生トルクが、補機の駆動に必要な分だけ増大するように、メインエンジン100の駆動を制御する。
【0022】
この構成によれば、サブエンジン200を停止させる際に、補機を駆動するための負荷がメインエンジン100側に移行し、メインエンジン100のトルクが急激に低下することを防止できる。
【0023】
(制御)
次に、本発明の実施形態における制御について図3及び図4を用いて説明する。図3は、スロットル弁が全閉の状態で運転中、車両が停止してエンジンが停止するまでの車速201及びエンジン回転数202の変化について説明するための図である。
【0024】
まず、本実施形態の制御の前提として、車両が停車中に、エンジンを停止して燃費の向上を図る、所謂、アイドルストップ技術が知られている。しかし、エンジンを完全に停止してしまうと、エアコン等の補機の作動を適正に保つことができない。従って、補機が作動している状態でエンジンを停止すると、エアコンが効かなくなる等、補機作動停止による弊害が生じていた。そこで、図1に示したサブエンジン200を駆動し、メインエンジン100が停止している間、補機150を作動するために用いる。
【0025】
一方、スロットル弁が全閉の状態(いわゆる減速運転時)で、メインエンジン100に対する燃料供給を停止して、燃費の向上を図る技術も提案されている。この減速運転時の燃料供給停止は、通常、エンジン回転数が、アイドル回転数よりも所定回転数(例えば、100rpm)高く設定された燃料復帰回転数まで低下した時、燃料供給を再開するようになっている。これは、車両が停止した時点でアイドル運転に復帰させるためである。
【0026】
ところが、上述のようなアイドルストップ採用車においては、燃料復帰後、車速が0になって車両が停車すると、再びエンジンが停止されることになるため、燃料復帰から車両が停車されるまでの間、所定の回転数を維持する必要はなく、逆に無駄な燃料消費がなされることになる。
【0027】
この状態が図3に示されている。スロットル弁が全閉の状態では、車速201が低下するに従って、エンジン回転数202も低下する。このとき、燃費を向上させるため、メインエンジン100に対する燃料供給をストップする(燃料カットフラグ204→1)。
【0028】
しかし、従来は、アイドル回転を維持する必要から、アイドル回転数203よりも100rpm程度高い燃料復帰回転数205になった時点で、メインエンジン100に対する燃料供給を再開し、アイドル回転数を維持していた(燃料カットフラグ204→0)。しかし、メインエンジン100をアイドリング駆動して得られるエネルギーは、補機駆動用のエネルギーに対して極めて大きいため、燃費低下の原因になっていた(斜線部)。
【0029】
これに対し、本実施形態のようにサブエンジン200を備えた車両にあっては、補機を駆動するためにサブエンジン200を利用することができるため、サブエンジン200が作動している状態では、メインエンジン100に対する燃料供給をエンジン停止までストップすることができる。つまり、減速燃料供給停止中、その後車両が停車される状態が想定される場合、例えば、ブレーキが踏み込まれ、車両が停車すると予想される場合、車両停車まで燃料供給の停止を継続し、代わりに補機作動用にサブエンジン200を駆動すればよい。
【0030】
このように、メインエンジン100に対する燃料供給停止運転中で、メインエンジン100の回転数が所定の燃料復帰回転数205以下という条件下で、サブエンジン200を駆動すれば、メインエンジン100の回転数がアイドル回転数203以下に下がることによる補機駆動エネルギーの不足を補うことができる。したがって、補機、例えばエアコンが作動状態で、燃料供給を停止しても、空調が効かなくなる等の弊害が生じず、ユーザビリティを向上できる。また、この図では、補機の作動状態にかかわらず常にサブエンジン200を駆動しているためパワーステアリング用ポンプなど即時の応答性が求められる補機の作動が開始された場合でも、サブエンジン200の作動開始遅れを抑制でき、補機の機器が遅れることを抑制できるので、ユーザビリティを向上できる。
【0031】
なお、この図では、スロットル弁が全閉の状態であって、燃料供給を停止中であって、かつ、メインエンジン100の回転数が所定値205以下となっていれば、常にサブエンジン200を駆動することとしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、補機の作動状況を監視し、補機が作動中でなければサブエンジン200を駆動しないこととしてもよい。つまり、補機が作動中であることをサブエンジン200の駆動条件に加えても良い。
【0032】
更に、補機負荷が所定値以上であることをサブエンジン駆動条件として加えても良い。つまり、補機負荷が所定値以上でなければ、メインエンジン100の回転数が下がってもサブエンジン200を駆動しない制御としても良い。
【0033】
図4〜図6は、サブエンジン制御部600及びメインエンジン制御部700が行なう制御の流れを示すフローチャートである。このフローチャートで示す一連の処理は、メインエンジンが駆動中、定期的に行なわれる。
【0034】
まず図4のステップS401において、アイドルストップ準備条件が成立しているか否かを判定する。アイドルストップ準備条件としては、以下のものが挙げられる。
【0035】
・スロットル弁全閉
・ブレーキを踏んでいる
・ウィンカを作動していない
・パワーステアリングポンプを作動していない
・エンジン始動後、車速が所定値以上になった
・エンジン水温が所定値以上である
・エンジン始動後、所定時間が経過している
・バッテリ電圧が所定値以上である
・バッテリが劣化していない
・キャタリスト温度が所定値以上である
・AT油温が所定の範囲内である
つまり、これらの条件を全て満たした状態で、アイドルストップ準備条件が成立したとみなしてステップS402に進み、アイドルストップ準備フラグを1にする。上記の何れかの条件を満たしていない場合にはステップS403に進みアイドルストップ準備フラグを0にする。
【0036】
ステップS404では、車速が0か否かを判定する。車速が0の場合にはステップS405に進み、アイドルストップ実行フラグを1にする。一方、車速が0でない場合には、アイドルストップ実行フラグを0にして処理を終了する。
【0037】
次に図5を用いて、燃料カット許可条件の判定について説明する。ステップS501で減速燃料カット許可条件が成立しているか否かを判定し、成立していればステップS502に進んで燃料カット許可フラグを1にする。また、減速燃料カット許可条件が成立していなければ、ステップS503に進んで燃料カット許可フラグを0にする。
【0038】
減速燃料カット許可条件としては、以下のものが挙げられる。
【0039】
・スロットル弁全閉
・エンジン始動後、所定時間が経過している
・シフト後所定時間が経過している
・エアフローセンサが故障していない
つまり、これらの条件を全て満たしている場合に、減速燃料カット許可条件が成立したと見なす。一方、これらの何れかの条件が満たされていない場合には、減速燃料カット許可条件が不成立とみなす。
【0040】
次に、図6を用いて、メインエンジン100とサブエンジン200の停止制御について説明する。
【0041】
まずステップS601において、アイドルストップ実行フラグが1か否かを判定し、1であれば、ステップS617に進んでメインエンジン100を停止する。その後、補機作動状態に応じて、ステップS619からステップS607またはS621に進み、サブエンジンの駆動または停止を行なう。
【0042】
一方、アイドルストップ実行フラグが0の場合には、ステップS601からステップs603に進み、減速燃料カット許可フラグが1か否かを判定する。減速燃料カット許可フラグが0の場合には、燃料カット運転をせずに通常運転を行なうため、ステップS605に進み、メインエンジン100を駆動し、更にステップS607に進んで、サブエンジン200を停止する。
【0043】
ステップS603において、燃料カット許可フラグが1であると判定すると、ステップS609に進み、メインエンジン100のエンジン回転数が、燃料復帰回転数よりも低いか否かを判定する。エンジン回転数が燃料復帰回転数以上の場合には、ステップS611に進み、メインエンジン100を停止させ、更にステップS607に進んで、サブエンジン200も停止させて処理を終了する。
【0044】
一方、エンジン回転数が燃料復帰回転数よりも低い場合には、ステップS613に進み、アイドルストップ準備フラグが1か否かを判定する。アイドルストップ準備フラグが1でなければ、ステップS615に進み、メインエンジン100を駆動して更にステップS607に進みサブエンジン200を停止させる。
【0045】
ステップS613で、アイドルストップ準備フラグが1であると判定されるとステップS617に進み、メインエンジン100を停止させる。ステップS617でメインエンジン100を停止させるとステップS619に進んで、補機150が作動状態にあるか否かを判定し、作動状態になければ、ステップS607に進んでサブエンジン200を停止させる。補機150が作動状態にあれば、ステップS621に進んで、サブエンジン200を駆動し、サブエンジン200のエネルギーを補機150に供給する。
【0046】
以上のフローチャートに従って、メインエンジン100及びサブエンジン200の駆動処理を行なうことにより、メインエンジン100に対する燃料供給停止運転中の補機作動エネルギーの不足を補うことができる。したがって、補機、例えばエアコンが作動状態で、燃料供給を停止しても、空調が効かなくなる等の弊害が生じず、ユーザビリティを向上できる。なお、このフローチャートでは、ステップS619において補機150が作動中であることを判定し、補機150が作動中であることを条件としてステップS621に進みサブエンジン200を駆動しているが、図3で説明したように、補機が作動中か否かに拘わらずサブエンジン200を駆動してもよいし、また、補機負荷が所定値以上であることを条件にサブエンジン200を駆動してもよい。つまり、ステップS619の処理を行なわない変形例や、ステップS619において、補機150を作動させるために必要な負荷が所定値以上であるか否かを判定して、所定値以上の場合にステップS621に進んでサブエンジン200を駆動する変形例も可能である。
【0047】
以上のように、本実施形態では、減速中、メインエンジン100に対する燃料供給を停止した場合に、サブエンジン制御部600は、所定条件下でサブエンジン200を駆動するので、燃費の向上と、補機作動のユーザビリティの向上の両立を図ることができる。具体的には、減速中であって、メインエンジン100の回転数が所定値以下となった場合にも、そのまま車両が停止すると予測される場合には、サブエンジン200を駆動しつつメインエンジン100に対する燃料供給を停止する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態としてのエンジン制御装置の構成を示す図である。
【図2】上流側の排気浄化部と、下流側の排気浄化部の温度変化を示す図である。
【図3】本発明の実施形態としてのエンジン制御装置の動作を示す図である。
【図4】本発明の実施形態としてのエンジン制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態としてのエンジン制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態としてのエンジン制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
100 メインエンジン
150 補機
200 サブエンジン
300 メイン排気通路
400 排気浄化部
500 サブ排気通路
600 サブエンジン制御部
700 メインエンジン制御部
800 インジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を走行させるために駆動するメインエンジンと、メインエンジン停止時において補機を駆動するために設けられたメインエンジンよりも小排気量のサブエンジンと、を制御するエンジン制御装置であって、
メインエンジンの回転数が所定回転数以上であって、かつスロットル弁が全閉の状態であれば、前記メインエンジンに対する燃料供給を停止し、
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車しないと予測した場合には、メインエンジンに対する燃料供給を再開し、
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車すると予測した場合には、燃料供給停止を継続しつつ、サブエンジンを駆動することを特徴とするエンジン制御装置。
【請求項2】
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車すると予測した場合であっても、補機が作動状態にない場合にはサブエンジンを駆動しないことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
スロットル弁が全閉の状態であって、メインエンジンの回転数が所定回転数よりも低下し、かつ、車両が停車すると予測した場合であっても、補機負荷が所定値以下であれば前記サブエンジンを駆動しないことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項4】
前記車両が停止している間、前記メインエンジンを自動停止させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジン制御装置。
【請求項5】
前記車両のブレーキが作動している場合に、車両が停車すると予測することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−283725(P2006−283725A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−107703(P2005−107703)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】