説明

出力回路及びデータドライバ及び表示装置

【課題】出力信号遅延を抑制し、消費電流の増大を抑制する出力回路の提供。
【解決手段】入力端子101と出力端子102の電圧を差動入力する差動入力段110からなる差動増幅回路と、第1及び第2の電源端子VDD、VSSに接続された第1及び第2のカレントミラー130、140と、前記第1及び第2のカレントミラーの入力間、出力間に接続される第1、第2の連絡回路150L、150Rと、第1導電型の第1のトランジスタ121と第2導電型の第2のトランジスタ122とからなる出力増幅回路と、前記第1、第2の電源端子VDD、VSSの電源電圧の間の電圧が供給される第3の電源端子VMLの電圧に応じたバイアス信号を受ける第1導電型の第3のトランジスタ161からなる制御回路160と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力回路とそれを用いたデータドライバ及び表示装置に関する。
【0002】
近時、表示装置は、薄型、軽量、低消費電力を特徴とする液晶表示装置(LCD)が幅広く普及し、携帯電話機(モバイルフォン、セルラフォン)やPDA(パーソナルデジタルアシスタント)、携帯情報端末、ノートPC等のモバイル機器の表示部に多く利用されてきた。しかし、最近では液晶表示装置の大画面化や動画対応の技術も高まり、モバイル用途だけでなく、据置型の大画面表示装置や大画面液晶テレビも実現可能になってきている。これらの液晶表示装置としては、高精細表示が可能なアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置が利用されている。
【0003】
図7を参照して、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置の典型的な構成について概説しておく。なお、図7(A)には、液晶表示装置の要部構成がブロック図にて示され、図7(B)には、液晶表示装置の表示パネルの単位画素の要部構成が示されている。図7(B)において、単位画素は、模式的な等価回路で示す。
【0004】
図7(A)を参照すると、一般に、アクティブマトリクス駆動方式の薄型表示装置は、電源回路940、表示コントローラー950、表示パネル960、ゲートドライバ970、データドライバ980で構成される。表示パネル960は、画素スイッチ964と表示素子963を含む単位画素がマトリクス状に配置され(例えばカラーSXGA(Super eXtended Graphics Array)パネルの場合、1280×3画素列×1024画素行)、各単位画素にゲートドライバ970から出力される走査信号を送る走査線961と、データドライバ980から出力される階調電圧信号を送るデータ線962とが格子状に配線される。なお、ゲートドライバ970及びデータドライバ980は、表示コントローラー950によって制御され、それぞれ必要なクロックCLK、制御信号等が表示コントローラー950より供給され、映像データは、デジタル信号にてデータドライバ980に供給される。電源回路940は、ゲートドライバ970、データドライバ980に必要な電源を供給する。表示パネル960は、半導体基板で構成され、特に大画面表示装置ではガラス基板やプラスチック基板等の絶縁性基板上に薄膜トランジスタ(TFT)で画素スイッチ等を形成した半導体基板が広く使われている。
【0005】
上記表示装置は、画素スイッチ964のオン・オフを走査信号により制御し、画素スイッチ964がオン(導通状態)となるときに、映像データに対応した階調電圧信号が表示素子963に印加され、該階調電圧信号に応じて表示素子963の輝度が変化することで画像を表示するものである。
【0006】
1画面分のデータの書き換えは、1フレーム期間(60Hz駆動時は通常、約0.017秒)で行われ、各走査線961で1画素行毎(ライン毎)、順次、選択(画素スイッチ964がオン)され、選択期間内に、各データ線962より階調電圧信号が画素スイッチ964を介して表示素子963に供給される。なお、走査線で複数画素行を同時に選択したり、60Hz以上のフレーム周波数で駆動される場合もある。
【0007】
液晶表示装置の場合、図7(A)及び図7(B)を参照すると、表示パネル960は、単位画素として画素スイッチ964と透明な画素電極973をマトリクス状に配置した半導体基板と、面全体に1つの透明な電極974を形成した対向基板と、これら2枚の基板を対向させて間に液晶を封入した構造からなる。なお単位画素を構成する表示素子963は、画素電極973、対向基板電極974、液晶容量971及び補助容量972を備えている。また表示パネルの背面に光源としてバックライト(不図示)を備えている。
【0008】
走査線961からの走査信号により画素スイッチ964がオン(導通)となるときに、データ線962からの階調電圧信号が画素電極973に印加され、各画素電極973と対向基板電極974との間の電位差により、液晶を透過するバックライトの透過率が変化し、画素スイッチ964がオフ(非導通)とされた後も、該電位差を液晶容量971及び補助容量972で一定期間保持することで表示が行われる。
【0009】
なお、液晶表示装置の駆動では液晶の劣化を防ぐため、対向基板電極974のコモン電圧(COM)に対して画素ごと通常1フレーム周期で電圧極性(正又は負)を切替える駆動(反転駆動)が行われる。代表的な駆動として、隣接画素間で異なる電圧極性となるようなドット反転駆動や隣接データ線間で異なる電圧極性となるようなカラム反転駆動がある。データ線962には、ドット反転駆動では1選択期間(1データ期間)毎に異なる電圧極性の階調電圧信号が出力され、カラム反転駆動では1選択期間(1データ期間)毎に同じ電圧極性の階調電圧信号が出力される(1フレーム周期毎には極性反転される)。
【0010】
図8は、特許文献1の図6を引用した図である(詳細は特許文献1の記載が参照される)。差動段14は、NMOSトランジスタMN11、MN12、MN13、MN15、MN16、PMOSトランジスタMP11、MP12、MP13、MP15、MP16、定電流源I11、I12、浮遊電流源I13、スイッチSW11、SW12を備える。NMOSトランジスタMN11、MN12は、それぞれのゲートがスイッチ回路6、入力端子12に接続され、Nch差動対を形成する。定電流源I11は、負電源電圧VSSが供給され、Nch差動対トランジスタ(NMOSトランジスタMN11、MN12)にバイアス電流を供給する。PMOSトランジスタMP11、MP12は、それぞれのゲートがスイッチ回路6、入力端子12に接続され、Pch差動対を形成する。定電流源I12は、正電源電圧VDDが供給され、Pch差動対トランジスタ(PMOSトランジスタMP11、MP12)にバイアス電流を供給する。NMOSトランジスタMN11及びPMOSトランジスタのゲートは、スイッチ回路6によって、出力端子11又は出力端子21に接続される。
【0011】
PMOSトランジスタMP15、MP16のソースは電源端子15(正電源電圧VDD)に共通接続され、ドレインはNch差動対トランジスタ(NMOSトランジスタMN11、MN12)のそれぞれのドレインに接続される。またPMOSトランジスタMP15のドレインは、スイッチSW11及びPMOSトランジスタMP13を介して浮遊電流源I13に接続される。更に、PMOSトランジスタMP15、MP16のゲートは、浮遊電流源I13及びPMOSトランジスタMP13のドレインに共通接続される。これにより、PMOSトランジスタMP15、MP16は、フォールデッドカスコード接続の能動負荷として機能する。PMOSトランジスタMP13のゲートにはバイアス電圧BP2が供給される。
【0012】
NMOSトランジスタMN15、MN16のソースは電源端子16(負電源電圧VSS)に共通接続され、ドレインはPch差動対トランジスタ(PMOSトランジスタMP11、MP12)のそれぞれのドレインに接続される。またNMOSトランジスタMN15のドレインは、スイッチSW12及びNMOSトランジスタMN13を介して浮遊電流源I13に接続される。更に、NMOSトランジスタMN15、MN16のゲートは、浮遊電流源I13及びNMOSトランジスタMN13のドレインに共通接続される。これにより、NMOSトランジスタMN15、MN16は、フォールデッドカスコード接続の能動負荷として機能する。NMOSトランジスタMN13のゲートにはバイアス電圧BN2が供給される。スイッチSW11、12は、常時、オン状態(導通状態)である。
【0013】
NMOSトランジスタMN12及びPMOSトランジスタMP16のドレインは、入力段出力端子51に接続され、スイッチSW51、SW52を介して出力段13(PMOSトランジスタMP14のソース)及び出力段23(PMOSトランジスタMP24のソース)に接続される。PMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN16のドレインは、入力段出力端子52に接続され、スイッチSW53、SW54を介して出力段13(NMOSトランジスタMN14のソース)及び出力段23(NMOSトランジスタMN24のソース)に接続される。以上のような構成により、NMOSトランジスタMN12及びPMOSトランジスタMP16のドレイン(入力段出力端子51)と、PMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN16のドレイン(入力段出力端子52)とから、入力端子12に入力された入力信号Vin1に応じた2つの入力段出力信号Vsi11、Vsi12が出力される。
【0014】
差動段24も同様な構成である。ただし、NMOSトランジスタMN11〜MN16、PMOSトランジスタMP11〜MP16、定電流源I11、I12、浮遊電流源I13、スイッチSW11、SW12、SW51〜SW54、バイアス電圧BP12、BN12、入力段出力端子51、52、入力段出力信号Vsi11、Vsi12はそれぞれ、NMOSトランジスタMN21〜MN26、PMOSトランジスタMP21〜MP26、定電流源I21、I22、浮遊電流源I23、スイッチSW21、SW22、SW55〜SW58、バイアス電圧BP22、BN22、入力段出力端子53、54、入力段出力信号Vsi21、Vsi22に読み替える。
【0015】
差動段14(24)は、入力信号Vin1(Vin2)が入力される2つの差動対を有し、差動対のそれぞれにフォールデッドカスコード接続された能動負荷を有している。2つの差動対及び能動負荷は、それぞれ導電型が異なるトランジスタで構成されている。このため、差動段14(24)から出力段13又は23に入力される2つの入力段出力信号Vi11、Vi12(Vi21、Vi22)は、入力レベルが異なる同相信号となる。
【0016】
差動段14(24)では、入力信号Vin1(Vin2)の電圧範囲がVSS〜VDS(sat)+VGSである場合、Pch差動対(PMOSトランジスタMP11、MP12(MP21、MP22))のみで動作し、VDS(sat)+VGS〜VDD−(VDS(sat)+VGS)である場合、Pch差動対(PMOSトランジスタMP11、MP12(MP21、MP22))とNch差動対(NMOSトランジスタMN11、MN12(MN21、MN22))の両方が動作し、VDD−(VDS(sat)+VGS)〜VDDの場合、Nch差動対(NMOSトランジスタMN11、MN12(MN21、MN22))のみが動作する。ここで、VDS(sat)は定電流源I11、I12(I21、I22)に含まれるトランジスタの三極管領域と五極管領域の切り替わり目のソース、ドレイン間電圧、VGSは差動対を形成するトランジスタ(NMOSトランジスタMN11、MN12(MN21、MN22)、PMOSトランジスタMP11、MP12(MP21、MP22))のゲートとソース間電圧である。結果として、差動段14、24は、入力電圧のVSS〜VDD全ての電圧範囲でRail−to−Rail動作する。
【0017】
正専用出力段13は、NMOSトランジスタMN14、MN17、MN18、PMOSトランジスタMP14、MP17、MP18、位相補償容量C1、C2を備える。PMOSトランジスタMP17とNMOSトランジスタMN17のドレイン及びソースは相互に接続され、それぞれゲートにバイアス電圧BP11、BN11が供給されることで浮遊電流源として機能する。PMOSトランジスタMP14のゲートはバイアス定電圧源(バイアス電圧BP12)に接続され、ドレインは浮遊電流源(PMOSトランジスタMP17とNMOSトランジスタMN17)の一端に接続される。NMOSトランジスタMN14のゲートはバイアス定電圧源(バイアス電圧BN12)に接続され、ドレインは浮遊電流源(PMOSトランジスタMP17とNMOSトランジスタMN17)の他端に接続される。又、PMOSトランジスタMP14のソースは位相補償用容量C11を介して出力端子11に接続され、NMOSトランジスタMN14のソースは位相補償用容量C12を介して出力端子11に接続される。
【0018】
PMOSトランジスタMP18のドレインとNMOSトランジスタMN18のドレインは出力端子11を介して接続される。PMOSトランジスタMP18のゲートは浮遊電流源の一端(及びPMOSトランジスタMP14のドレイン)に接続され、ソースは電源端子15(正電源電圧VDD)に接続される。NMOSトランジスタMN18のゲートは浮遊電流源の他端(及びNMOSトランジスタMN14のドレイン)に接続され、ソースは電源電圧VMLが供給される電源端子17に接続される。
【0019】
負専用出力段23も同様な構成である。ただし、NMOSトランジスタMN14、MN17、MN18、PMOSトランジスタMP14、MP17、MP18、位相補償用容量C11、12、電源端子15(正電源電圧VDD)、電源端子17(電源電圧VML)、バイアス電圧BP11、BP12、BN11、BN12はそれぞれ、NMOSトランジスタMN24、MN27、MN28、PMOSトランジスタMP24、MP27、MP28、位相補償用容量C21、C22、電源端子16(負電源電圧VSS)、電源端子18(電源電圧VMH)、バイアス電圧BP21、BP22、BN21、BN22に読み替える。
【0020】
スイッチSW61は、出力端子11と差動段14(NMOSトランジスタMN11、PMOSトランジスタMP11)と間の接続を制御する。スイッチSW62は、出力端子11と差動段24(NMOSトランジスタMN21、PMOSトランジスタMP21)との間の接続を制御する。スイッチSW63は、出力端子21と差動段24(NMOSトランジスタMN21、PMOSトランジスタMP21)との間の接続を制御する。スイッチSW64は、出力端子21と差動段14(NMOSトランジスタMN11、PMOSトランジスタMP11)との間の接続を制御する。
【0021】
出力段13(23)の入力トランジスタ(PMOSトランジスタMP14(MP24)及びNMOSトランジスタMN14(MN24))、出力トランジスタ(PMOSトランジスタMP18(MP28)、NMOSトランジスタMN18(MN28))は、それぞれ出力端子11(21)に対して対称的に形成される。出力段13(23)は、入力レベルが異なる同相の2つの入力段出力信号Vsi11、Vsi12(Vsi21、Vsi22)に基づくシングルエンド信号を、出力信号Vout1(Vout2)として出力端子11(21)に出力する。この際、出力トランジスタ(PMOSトランジスタMP18、NMOSトランジスタMN18)のアイドリング電流は、バイアス電圧BP11、BN11によって決定する。
【0022】
図8に示した構成は、ハーフVDDアンプ(駆動用電源を正極、負極性のダイナミックレンジに応じて設けたアンプ)であり、差動段14(24)と、出力段13(23)を備え、差動段14(24)の電源電圧範囲VDD〜VSS(VDD〜VSS)に対して、出力段13(23)の電源電圧範囲はVDD〜VML(VMH〜VSS)と小さい場合がある(例えばVML=VMH=VDD/2)。
【0023】
データ線等の重負荷を高速駆動(カラム反転駆動)する場合、例えば差動段14と出力段13が接続されて正極入力電圧(Vin1)が差動段14に入力され、差動段24と出力段23が接続されて負極入力電圧(Vin2)が差動段24に入力されるとする。差動段14にVDD電源電圧付近の正極入力電圧が入力されるとき(出力端子がVDD電源電圧側に充電動作)、出力段13の出力段トランジスタMP18、MN18のゲート電圧は過渡的に中位電源電圧VMLよりも低いVSS電源電圧付近まで大きく低下する場合がある。この状態で正極入力電圧が低電圧側(例えばVML付近)へ変化すると、出力段トランジスタ(MP18、MN18)のゲート電圧がVMLより高電位側の出力安定状態時の電圧に一旦戻るまで、NMOSトランジスタMN18はオンせず、放電動作への切替えは行われない。このため、出力信号電圧に遅延が生じる。同様に、差動段24にVSS電源電圧付近の負極入力電圧が入力され、出力段23の出力段トランジスタMP28、MN28のゲート電圧がVDD電源電圧付近まで大きく上昇している状態で、負極入力電圧が高電圧側(例えばVMH付近)へ変化すると、出力信号電圧に遅延が生じる。
【0024】
一方、差動段14に電源VML付近の正極入力電圧が入力されるとき、出力段13の出力段トランジスタ(MP18、MN18)のゲート電圧はVDD付近の電圧までしか上がらない。この状態で正極入力信号がVDD側へ変化しても、出力段トランジスタ(MP18、MN18)のゲート電圧は出力安定状態時の電圧に速やかに戻り、引き続き出力段トランジスタMP18のゲート電圧は速やかに低下して放電動作に切り替わり、出力信号の遅延の発生は起こりにくい。同様に、差動段24に電源VMH付近の負極入力電圧が入力されるときは、出力段23の出力段トランジスタMP28、MN28のゲート電圧はVSS電源電圧付近までしか低下しない。この状態で負極入力電圧がVSS側へ変化しても、出力信号電圧の遅延は起こりにくい。
【0025】
図9は、特許文献2の図4から引用した図面である(参照番号は変更してある)。図9を参照すると、正極アンプ210は、差動入力段、中間段、出力段を備えている。正極アンプ110の差動入力段は、第1端子が低位電圧源VSSに接続された電流源M15と、共通ソースが電流源M15の第2端子に接続されたNch差動対(M11、M12)とを有する差動部210Aと、Nch差動対(M11、M12)の出力対と高位電源VDD2間に接続されたPchカレントミラー(M13、M14)と、を備えている。Nch差動対(M11、M12)の入力対の非反転入力端(M12のゲート)には正極参照電圧V11が入力され、反転入力端(M11のゲート)はアンプ出力端子N11に接続される。
【0026】
正極アンプ210の増幅段は、Pchカレントミラー(M13、M14)の入力端(M12とM14の接続点)がゲートに接続され、高位電圧源VDD2とアンプ出力端子N11との間に接続された充電作用の増幅トランジスタM16と、アンプ出力端子N11と中位電圧源VDD1との間に接続された放電作用の増幅トランジスタM18と、を備えている。
【0027】
正極アンプ210の中間段は、浮遊電流源M51、M52と、電流源M53、M54とを備えている。浮遊電流源M51は、バイアス電圧BP1がゲートに入力され、増幅トランジスタM16のゲートN13にソースが接続され、増幅トランジスタM18のゲート端子N15にドレインが接続されたPchトランジスタM51からなる。浮遊電流源M52は、バイアス電圧BN1がゲートに入力され、増幅トランジスタM16のゲート端子N13にドレインが接続され、増幅トランジスタM18のゲート端子N15にソースが接続されたNchトランジスタM52からなる。電流源M53は、高位電圧源VDD2と増幅トランジスタM16のゲート端子N13間に接続される。電流源M54は、中位電圧源VDD1と増幅トランジスタM18のゲート端子N15間に接続される。浮遊電流源M51、M52の合計電流が、電流源M53及びM54のそれぞれとほぼ等しい電流に設定される。
【0028】
負極アンプ220は、差動入力段、中間段、出力段を備えている。負極アンプ220の差動入力段は、第1端子が高位電圧源VDD2に接続された電流源M25と、共通ソースが電流源M25の第2端子に接続されたPch差動対(M21、M22)とを有する差動部220Aと、Pch差動対(M21、M22)の出力対と低位電圧源VSS間に接続されるNchカレントミラー(M23、M24)と、を備えている。Pch差動対(M21、M22)の入力対の非反転入力端(M22のゲート)には負極参照電圧V21が入力され、反転入力端(M21のゲート)はアンプ出力端子N12に接続される。
【0029】
負極アンプ220の増幅段は、Nchカレントミラー(M23、M24)の入力端(M22とM24の接続点)がゲートに接続され、アンプ出力端子N12と低位電圧源VSSとの間に接続された放電作用の増幅トランジスタM26と、中位電源VDD1とアンプ出力端子N12との間に接続された充電作用の増幅トランジスタM28と、を備えている。
【0030】
負極アンプ220の中間段は、浮遊電流源M61、M62と、電流源M63、M64を備えている。浮遊電流源M61は、バイアス電圧BP2がゲートに入力され、増幅トランジスタM26のゲート端子N14にドレインが接続され、増幅トランジスタM28のゲート端子N16にソースが接続されたPchトランジスタM61からなる。浮遊電流源M62は、バイアス電圧BN2がゲートに入力され、増幅トランジスタM26のゲート端子N14にソースが接続され、増幅トランジスタM28のゲート端子N16にドレインが接続されたNchトランジスタM62からなる。電流源M63は、中位電圧源VDD1と増幅トランジスタM28のゲートN16間に接続される。電流源M64は、増幅トランジスタM26のゲートN14と低位電圧源VSS間に接続される。浮遊電流源M61、M62の合計電流が、電流源M63及びM64のそれぞれとほぼ等しい電流に設定される。
【0031】
正極アンプ210及び負極アンプ220の中間段及び出力段の電源電圧の電位差を差動部210A、220Aの電源電圧の電位差の1/2としている。
【0032】
正極アンプ210及び負極アンプ220の各アンプの消費電流の大部分が出力段に流れるため、消費電力も約1/2とすることができる。
【0033】
図9もハーフVDDアンプであり、正極アンプ210の差動段の電源電圧範囲VDD2〜VSSに対して、正極アンプの出力段回路(中間段を含む)の電源電圧範囲VDD2〜VDD1は小さい。例えば、VDD1=VDD2/2とされる。
【0034】
図9の関連技術では、正極アンプ210の出力段の構成素子の耐圧を、電源電圧範囲VDD2〜VDD1に対応して下げるため、耐圧を逸脱しないように、出力段PMOSトランジスタM16のゲート電圧がVDD1にクランプされる(PMOSトランジスタM16のゲート電圧がVDD1よりも低電位にならない)ように作用する補助トランジスタM31を備えている。補助トランジスタM31は、出力段PMOSトランジスタM16のゲートと電源VDD2間に接続され、ゲートにバイアス電圧VBNを受ける。また、負極アンプ220の出力段の構成素子の耐圧を、電源電圧範囲VDD1〜VSSに対応して下げるため、耐圧を逸脱しないように、出力段NMOSトランジスタM26のゲート電圧がVDD1にクランプされる(PMOSトランジスタM26のゲート電圧がVDD1よりも高電位にならない)ように作用する補助トランジスタM41を備えている。補助トランジスタM41は、出力段NMOSトランジスタM26のゲートと、電源VSS間に接続され、ゲートにバイアス電圧VBPを受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2009−244830号公報(図6)
【特許文献2】特開2008−116654号公報(図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
以下に関連技術の分析を与える。
【0037】
図8に示した関連技術においては、データ線等の重負荷(負荷容量が大)を高速駆動(カラム反転駆動)する場合、正極入力電圧が電源VDD付近(充電動作)から電源VML付近(放電動作)に変化するとき、充電動作時に大きく低下した出力段13の出力段トランジスタMP18、MN18のゲート電圧が放電動作に切り替わる電圧まで戻るのが遅れることにより、出力信号電圧に遅延が生じる。また、負極入力電圧が電源VSS付近(放電動作)から電源VMH付近(充電動作)に変化するとき、放電動作時に大きく上昇した出力段23の出力段トランジスタMP28、MN28のゲート電圧が充電動作に切り替わる電圧まで戻るのが遅れることにより、出力信号電圧に遅延が生じる。
【0038】
図9に示した関連技術においては、正極アンプ210の補助トランジスタM31がクランプ動作するとき、正極アンプ210のアイドリング電流とは別に高電位電源VDD2から補助トランジスタM31により増幅トランジスタM16のゲートN13へ電流が流れるため、消費電力が増大する。また、負極アンプ220の補助トランジスタM41がクランプ動作するとき、負極アンプ220のアイドリング電流とは別に、増幅トランジスタM26によりゲートN14から低電位電源VSSへ電流が流れるため、消費電力が増大する。
【0039】
したがって、本発明は上記課題に鑑みて創案されたものであって、その目的は、出力信号電圧に遅延を回避するとともに、消費電流の増大を抑止する出力回路、及び該出力回路を備えたデータドライバと表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0040】
上記課題の少なくとも1つを解決する本発明は、特にこれらに制限されるものではないが、概略以下の構成とされる。
【0041】
本発明によれば、差動増幅回路と、出力増幅回路と、制御回路と、入力端子と、出力端子と、第1乃至第3の電源電圧がそれぞれ供給される第1乃至第3の電源端子と、を備え、前記第3の電源電圧は前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧の間の電圧とされ、
前記差動増幅回路は、
前記入力端子の入力信号と前記出力端子の出力信号を差動で入力する差動入力段と、
前記第1及び第2の電源端子にそれぞれ接続された第1及び第2導電型のトランジスタ対をそれぞれ含む第1及び第2のカレントミラーと、
を備え、前記第1及び第2のカレントミラーの少なくとも一方が前記差動入力段の出力電流を受け、
前記第1及び第2のカレントミラーの入力ノードの間に接続された第1の連絡回路と、
前記第1及び第2のカレントミラーの出力ノードの間に接続された第2の連絡回路と、
を備え、
前記出力増幅回路は、
前記第1の電源端子と前記出力端子との間に接続され、制御端子が前記第1のカレントミラーの出力ノードと前記第2の連絡回路の一端との接続点に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、
前記出力端子と前記第3の電源端子との間に接続され、制御端子が前記第2の連絡回路の他端に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、
を備え、
前記制御回路は、前記第2の連絡回路の前記他端と前記出力増幅回路の前記第2のトランジスタの制御端子との接続点に第1端子が接続され、前記第2のカレントミラーの出力ノードに第2端子が接続され、前記第3の電源端子の電圧に応じたバイアス信号を制御端子に受ける第1導電型の第3のトランジスタを備えた出力回路が提供される。
【0042】
本発明によれば、前記第3の電源端子に第1端子が接続され、第2端子と制御端子が共通接続された第1導電型の第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの第2端子と前記第2の電源端子間に接続された負荷素子と、
を含み、前記第4のトランジスタの前記第2端子の電圧を前記バイアス信号として供給するバイアス回路を備えている。
【0043】
本発明によれば、複数の前記出力回路を備え、前記バイアス回路を複数の前記出力回路に対して共通に備えたデータドライバが提供される。本発明によれば該データドライバを備えた表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、出力信号電圧の遅延を回避するとともに、消費電流の増大を抑止する出力回路、及び該出力回路を備えたデータドライバと表示装置を実現可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例と比較例のシミュレーション波形を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施形態の構成を示す図である。
【図7】(A)、(B)は液晶表示装置と、画素の構成を示す図である。
【図8】特許文献1の図6を引用した図である。
【図9】特許文献2の図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の出力回路は、差動増幅回路と、出力増幅回路(120)と、制御回路(160)と、入力端子(101)と、出力端子(102)、第1乃至第3の電源電圧が供給される第1乃至第3の電源端子(VDD、VSS、VML)と、を備える。前記第3電源電圧(VML)は、前記第1及び第2の電源(VDD、VSS)の間の電位に設定されている。
【0047】
差動増幅回路は、前記入力端子(101)の入力信号(VI)と前記出力端子(102)の出力信号(VO)を差動で入力する差動入力段(110)と、
第1及び第2の電源(VDD、VSS)にそれぞれ接続され、少なくとも一方に前記差動入力段(110)の出力電流を受ける第1及び第2のカレントミラー(130、140)と、前記第1及び第2のカレントミラー(130、140)の入力同士間に接続される第1の連絡回路(150L)と、前記第1及び第2のカレントミラー(130、140)の出力同士間に接続される第2の連絡回路(150R)と、を備えている。
【0048】
出力増幅回路は、前記第1の電源端子(VDD)と前記出力端子(102)との間に接続され、制御端子が前記第1のカレントミラー(130)の出力と前記第2の連絡回路(150R)の一端との接続点に接続された第1導電型の第1のトランジスタ(121)と、前記第3の電源端子(VML)と前記出力端子(102)との間に接続され、制御端子が前記第2の連絡回路(150R)の他端に接続された第2導電型の第2のトランジスタ(122)と、を備えている。
【0049】
前記制御回路(160)は、前記第2のカレントミラー(140)の出力と前記第2の連絡回路(150R)の前記他端との間に接続され、前記第3の電源端子(VML)の電圧に応じたバイアス信号(BP3)を受ける第1導電型の第3のトランジスタ(161)を備えている。
【0050】
前記第3の電源端子(VML)に第1端子が接続され、第2端子と制御端子が共通接続された第1導電型の第4のトランジスタ(162)と、前記第4のトランジスタ(162)の第2端子と前記第2の電源間に接続された負荷素子(163)を含み、前記第4のトランジスタ(162)の前記第2端子の電圧を前記バイアス信号(BP3)として供給するバイアス回路(165)を更に備えてもよい。以下、実施形態に即して説明する。
【0051】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の出力回路の構成を示す図である。図1の構成は、図8の正極駆動アンプ(図8の14と13)に対応する。図1を参照すると、本実施形態の出力回路は、差動増幅回路と、出力増幅回路と、第1の制御回路と、入力端子と、出力端子、第1乃至第3の電源VDD、VSS、VMLの各電源端子と、を備えている。VML電源端子には、VDD、VSSの電源電圧の間の電圧が供給される。
【0052】
本実施形態において、差動増幅回路は、
VSS電源端子に一端が接続された定電流源113と、定電流源113の他端に共通ソースが接続され、入力端子101と出力端子102にそれぞれ接続されたNMOSトランジスタ112、111を含むNch差動対と、VDD電源端子に一端が接続された定電流源116と、定電流源116の他端に共通ソースが接続され、入力端子101と出力端子102にそれぞれ接続されたPMOSトランジスタ116、115を含むPch差動対と、からなる入力差動段110と、
VDD電源端子にソースが接続され、ゲートが共通接続されたPMOSトランジスタ131、132と、PMOSトランジスタ131、132のドレインにソースがそれぞれ接続され、ゲートが共通接続され第1のバイアス電圧BP1を受けるPMOSトランジスタ133、134からなり、PMOSトランジスタ133のドレインがPMOSトランジスタ131と132の共通ゲートに接続された第1のカレントミラー130と、
VSS電源端子にソースが接続され、ゲートが共通接続されたNMOSトランジスタ141、142と、NMOSトランジスタ141、142のドレインにソースがそれぞれ接続され、ゲートが共通接続され第2のバイアス電圧BN1を受けるNMOSトランジスタ143、144からなり、NMOSトランジスタ143のドレインがNMOSトランジスタ141と142の共通ゲートに接続された第2のカレントミラー140と、
を備えている。Nch差動対の出力をなすNMOSトランジスタ111、112のドレインは、PMOSトランジスタ131と133の接続ノードN6と、PMOSトランジスタ132と134の接続ノードN5にそれぞれ接続されている。Pch差動対の出力をなすPMOSトランジスタ114、115のドレインは、NMOSトランジスタ141と143の接続ノードN8と、NMOSトランジスタ142と144の接続ノードN7にそれぞれ接続されている。
【0053】
本実施形態において、差動増幅回路は、さらに、
第1のカレントミラー130の入力ノードN2をなすPMOSトランジスタ133のドレインノードと、第2のカレントミラー140の入力ノードN4をなすNMOSトランジスタ143のドレインノードとの間に接続された電流源151からなる第1の連絡回路150Lと、
第1のカレントミラー130の出力ノードN1をなすPMOSトランジスタ134のドレインノードと、第2のカレントミラー140の出力ノードN3をなすNMOSトランジスタ144のドレインノード間に並列接続され、ゲートに第3、第4のバイアス電圧BP2、BN2をそれぞれ受けるPMOSトランジスタ152とNMOSトランジスタ153を備えた第2の連絡回路150Rと、
を備えている。
【0054】
本実施形態において、出力増幅回路120は、
VDD電源端子と出力端子102との間に接続され、ゲートが第1のカレントミラー130の出力ノードN1と第2の連絡回路150Rの一端との接続点に接続されたPMOSトランジスタ121と、
VML電源端子と出力端子102との間に接続され、ゲートが第2の連絡回路150Rの他端N3Aに接続されたNMOSトランジスタ122と、
を備えている。
【0055】
本実施形態においては、さらに、
第2の連絡回路150Rの前記他端とNMOSトランジスタ122のゲートとの接続点N3Aにソースが接続され、ドレインが第2のカレントミラー140の出力ノードN3に接続され、ゲートにVML電源端子の電圧に応じた第5のバイアス信号BP3を受けるPMOSトランジスタ161を備えた制御回路160を備える。
【0056】
本実施形態において、さらに、VML電源端子にソースが接続され、ドレインとゲートが共通接続された(すなわち、ダイオード接続された)PMOSトランジスタ162と、PMOSトランジスタ162のドレインとVSS電源端子間に接続された負荷素子163と、を含み、PMOSトランジスタ162のドレインの電圧を第5のバイアス信号BP3として供給するバイアス回路165を備える。なお、負荷素子163は電流源で構成されているが、トランジスタ、抵抗素子等であってもよい。
【0057】
なお、本実施形態において、バイアス回路165は、複数の出力回路100Aに対して1つ備え、複数の出力回路100Aの制御回路160に対してバイアス電圧BP3を共通に供給する。
【0058】
差動増幅回路の電源電圧範囲VDD〜VSSに対して出力増幅回路120の電源電圧範囲はVDD〜VMLに設定される。例えばVML=VDD/2とされる。
【0059】
バイアス回路165から出力されるバイアス電圧BP3は、VMLからPMOSトランジスタ162の閾値電圧の絶対値(|Vtp|)程度低い電圧とされる。
【0060】
なお、図1では、第1、第2のカレントミラー130、140は、低電圧カスコードカレントミラー構成とされているが、1段のカレントミラー構成としてもよい。1段のカレントミラー構成は、別の実施形態として後述される。
【0061】
大画面液晶表示装置のデータ線等重い容量負荷を高速に駆動(カラム反転駆動)する場合、電源VDD付近の正極入力電圧が入力されるとき(出力端子102の充電動作)、第2のカレントミラー140の出力電流の増加により、PMOSトランジスタ121のゲート電位とNMOSトランジスタ122のゲート電位が低下する。
【0062】
出力増幅回路120のNMOSトランジスタ122のゲート電位N3AがVMLからさらに低下しようとすると(すなわち、PMOSトランジスタ161のソース電位がVMLより低下しようとすると)、PMOSトランジスタ161のゲート・ソース間電圧が閾値電圧以下となるところで、PMOSトランジスタ161がオフし、VDDとVSS間の電流パス(PMOSトランジスタ132、134、第2の連絡回路150R、PMOSトランジスタ161、NMOSトランジスタ144、142)が遮断され、ノードN3AはVML付近に保持される(VML以下には低下しない)。また、出力増幅回路120のPMOSトランジスタ121のゲート電位もVML以下には低下しない。
【0063】
この状態で電源VML付近の正極入力電圧が入力されると(出力端子102の放電動作)、出力増幅回路120のPMOSトランジスタ121のゲートノードN1は出力安定状態時の電圧(VDD−|Vtp|)、NMOSトランジスタ122のゲートノードN3Aは出力安定状態時の電圧(VML+Vtn)まで速やかに上昇し、引き続きノードN1、N3Aはそれぞれ上昇して、PMOSトランジスタ121がオフ状態、NMOSトランジスタ122がオン状態(導通状態)となって、出力端子102のVML付近への放電動作が速やかに開始される。したがって、本実施形態によれば、図8に示した関連技術のように、出力段トランジスタのゲート電圧がVMLよりも低下するということはないため、出力信号の遅延は回避される。
【0064】
なお、制御回路160のPMOSトランジスタ161がオフとなるノードN3Aの電圧は、バイアス回路165のバイアス電圧BP3からPMOSトランジスタ161の閾値電圧の絶対値(|Vtp|)だけ高い電圧となる。このため、バイアス回路165のPMOSトランジスタ162と制御回路160のPMOSトランジスタ161の閾値電圧が等しいとき、PMOSトランジスタ161がオフ(非導通状態)となるノードN3Aの電圧はVML付近となる。必要に応じて、PMOSトランジスタ161、162のそれぞれの閾値電圧を調整して、PMOSトランジスタ161がオフ(非導通状態)となるノードN3Aの電圧をVMLからずらすことも可能である。
【0065】
また、本実施形態によれば、PMOSトランジスタ161は、第2のカレントミラー140の出力ノードN3と第2の連絡回路150Rとの電流パス間に挿入され、PMOSトランジスタ161がオフ(非導通状態)の時、電流パスが遮断されることで、NMOSトランジスタ122のゲート電圧がVML付近に保持される。このため、本実施形態によれば、図9に示した関連技術のような、消費電力の増加という問題は回避される。
【0066】
本実施形態において、NMOトランジスタ122のゲート電位がVMLよりも高電位にあるときは、PMOSトランジスタ161はオン(導通)しているため、通常の増幅動作に影響は与えない。
【0067】
<実施形態2>
図2は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。図2の構成は、図8の負極駆動アンプ(24、23)に対応する。
【0068】
図2に示すように、本実施形態の出力回路100Bにおいては、入力差動段10、第1、第2のカレントミラー130、140、第1、第2の連絡回路150L、150Rは前記第1の実施形態と同一である。出力増幅回路120は、中位電源電圧VMHが供給されるVMH電源端子にソースが接続され、ゲートが第2の連絡回路150Rの一端に接続され、ドレインが出力端子102に接続されたPMOSトランジスタ121と、VSS電源端子にソースが接続され、ゲートが、第2の連絡回路150Rの他端に接続され、ドレインが出力端子102に接続されたNMOSトランジスタ122と、を備えている。
【0069】
本実施形態の出力回路100Bにおいては、前記第1の実施形態の制御回路160の代わりに、制御回路170を備えている。すなわち、前記第1の実施形態の制御回路160は、第2の連絡回路150Rの他端N3Aと、第2のカレントミラー140の出力ノードN3の間に接続されたPMOSトランジスタ161で構成されていたが、本実施形態において、制御回路170は、第1のカレントミラー130の出力ノードN1にドレインが接続され、ソースが第2の連絡回路150Rの一端とPMOSトランジスタ121のゲートの接続点N1Aに接続され、ゲートにバイアス電圧BN3を受けるNMOSトランジスタ171を備えている。
【0070】
また、本実施形態の出力回路100Bでは、バイアス回路175は、ソースがVMHに接続され、ドレインとゲートが接続されたNMOSトランジスタ173と、NMOSトランジスタ173のドレインと電源VDD間に接続された負荷素子172を備えている。NMOSトランジスタ173のドレインからバイアス電圧BN3が供給される。
【0071】
大画面液晶表示装置のデータ線等重い容量負荷を高速に駆動(カラム反転駆動)する場合、電源電圧VSS付近の負極入力電圧が入力されるとき(出力端子102の放電動作)、第1のカレントミラー130の出力電流の増加により、PMOSトランジスタ121のゲート電位とNMOSトランジスタ122のゲート電位が上昇する。
【0072】
出力増幅回路120のトランジスタ122のゲート電位N1AがVMHからさらに上昇しようとすると(すなわち、NMOSトランジスタ171のソース電位がVMHより上昇しようとすると)、NMOSトランジスタ171のゲート・ソース間電圧が閾値電圧以下となるところで、NMOSトランジスタ171がオフし、VDDとVSS間の電流パス(PMOSトランジスタ132、134、第2の連絡回路150R、PMOSトランジスタ161、NMOSトランジスタ144、142)が遮断され、ノードN1AはVMH付近に保持される(VMH以上には上昇しない)。また、出力増幅回路120のNMOSトランジスタ122のゲート電位もVMH以上には上昇しない。
【0073】
この状態で電源VMH付近の負極入力電圧が入力されると(出力端子102の充電動作)、出力増幅回路120のNMOSトランジスタ122のゲートノードN3は出力安定状態時の電圧(VSS+Vtn)、PMOSトランジスタ121のゲートノードN1Aは出力安定状態時の電圧(VMH−|Vtp|)まで速やかに低下し、引き続きノードN1A、N3はそれぞれ低下して、NMOSトランジスタ122がオフ状態、PMOSトランジスタ121がオン状態となって、出力端子102のVMH付近への充電動作が速やかに開始される。したがって、図8の関連技術のように、出力段トランジスタのゲート電圧がVMHより上昇することはないため、出力信号の遅延は回避される。
【0074】
なお、制御回路170のNMOSトランジスタ171がオフ(非導通状態)となるノードN1Aの電圧は、バイアス回路175のバイアス電圧BN3からNMOSトランジスタ171の閾値電圧(Vtn)だけ低い電圧となる。このため、バイアス回路175のNMOSトランジスタ173と制御回路170のNMOSトランジスタ171の閾値電圧が等しいとき、NMOSトランジスタ171がオフとなるノードN1Aの電圧はVMH付近となる。必要に応じて、NMOSトランジスタ171、173のそれぞれの閾値電圧を調整して、NMOSトランジスタ171がオフとなるノードN1Aの電圧を、VMHからずらすことも可能である。
【0075】
また、本実施形態によれば、NMOSトランジスタ171は、第1のカレントミラー130の出力ノードN1と第2の連絡回路150Rの電流パス間に挿入され、NMOSトランジスタ171がオフ(非導通状態)の時、電流パスが遮断されることで、PMOSトランジスタ121のゲート電圧がVMH付近に保持される。このため、本実施形態によれば、図9の関連技術のような、消費電力の増加という問題は回避される。
【0076】
本実施形態において、PMOトランジスタ121のゲート電位がVMHよりも低電位にあるときは、NMOSトランジスタ171はオン(導通)しているため、通常の増幅動作に影響は与えない。
【0077】
<実施形態3>
図3は、本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。図3を参照すると、本実施形態の出力回路100Cは、図1の前記第1の実施形態の出力回路100Aにおける第1、第2のカレントミラー130、140(低電圧カスコードカレントミラー)を1段のカレントミラーで構成したものである。
【0078】
図3に示すように、第1のカレントミラー130’は、電源VDDにソースが接続されゲートが共通接続されたPMOSトランジスタ131、132を備え、トランジスタ131のドレインとゲートが接続されている。第2のカレントミラー140’は、電源VSSにソースが接続されゲートが共通接続されたPMOSトランジスタ141、142を備え、トランジスタ141のドレインとゲートが接続されている。制御回路160は、第2の連絡回路150RとNMOSトランジスタ122のゲートの接続点にソースが接続され、第2のカレントミラー140’の出力ノードN3(NMOSトランジスタ142のドレイン)にドレインが接続され、ゲートにバイアス回路165からのバイアス電圧BP3を受けるPMOSトランジスタ161を備えている。バイアス回路165は、前記第1の実施形態と同一構成とされる。本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0079】
<実施形態4>
図4は、本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。図4を参照すると、本実施形態の出力回路100Dは、図2の前記第1の実施形態の出力回路100Bにおける第1、第2のカレントミラー130、140(低電圧カスコードカレントミラー)を1段のカレントミラーで構成したものである。
【0080】
図4に示すように、第1のカレントミラー130’は、電源VDDにソースが接続されゲートが共通接続されたPMOSトランジスタ131、132を備え、トランジスタ131のドレインとゲートが接続されている。第2のカレントミラー140’は、電源VSSにソースが接続されゲートが共通接続されたPMOSトランジスタ141、142を備え、トランジスタ141のドレインとゲートが接続されている。制御回路170は、第2の連絡回路150RとPMOSトランジスタ121のゲートの接続点にソースが接続され、第1のカレントミラー130’の出力ノードN1(PMOSトランジスタ132のドレイン)にドレインが接続され、ゲートにバイアス回路175からのバイアス電圧BN3を受けるNMOSトランジスタ171を備えている。バイアス回路175は、前記第2の実施形態と同一構成とされる。本実施形態においても、前記第2の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0081】
<実施例>
本発明の一実施例として、図1の実施形態の回路シミュレーション結果を示す。図5は、図1の実施形態の構成について回路シミュレーション結果(過渡解析)と、比較例として図8の関連技術の回路シミュレーション結果(過渡解析)を示す波形図である。図5(A)は、関連技術と本発明の実施形態の出力回路の重い配線容量負荷駆動時の出力電圧波形を示し、(B)は、関連技術と本発明の実施形態の出力段のNMOSトランジスタ(図8のMN18、図1のNMOSトランジスタ122)のゲート電圧波形を示す。
【0082】
図5(A)は、正極電源電圧範囲VDD(16V)〜VML(8V)間で配線容量負荷を交流駆動したときの正極入力信号に対する出力回路の出力信号(配線容量負荷端部との接続点)の電圧波形であり、正極入力信号はステップ波形(振幅:8.0V)とされる。正極入力信号がVDD(16V)からVML(8V)付近に低下するとき、関連技術の出力信号VOの遅延時間は大きい。これに対して、本発明によれば、出力信号VOの遅延は抑制されている。
【0083】
図5(B)に示すように、正極入力信号が高位側電源電圧VDDのとき、関連技術ではNMOSトランジスタ(図8のMN18)のゲート電圧は中位電源電圧VML(8V)よりも低下する(例えば3.2V近辺まで下る)。この状態で、正極入力信号がVDD付近からVML付近に立ち下ると、出力段のNMOSトランジスタ(図8のMN18)のゲート電圧が3.2V付近から上昇してVML(8V)を超え(VML+Vtn)に達し、出力段のNMOSトランジスタ(図8のMN18)がオン(導通)するまでに時間がかかる。このため、図5(A)の関連技術のような出力信号遅延が生じる。これに対して、本発明によれば、NMOSトランジスタ122のゲート電圧(ノードN3Aの電圧)は、VML以下に低下しかけたところで、PMOSトランジスタ161がオフし、VML付近にとどまる。この状態で、入力信号がVDD付近からVML付近に変化した(立下る)場合、NMOSトランジスタ122のゲート電圧(ノードN3Aの電圧)はVML(8V)から速やかに(VML+Vtn)を超え、NMOSトランジスタ122がオン(導通)する。このため、本実施例によれば、関連技術のような、出力信号の遅延は回避される。
【0084】
以上、図5より、図1の実施形態における出力信号の遅延抑制作用が示された。同様にして、図2〜図4の各実施例においてもシミュレーション(不図示)により、出力信号の遅延抑制作用を確認することができる。
【0085】
<実施形態5>
図6は、本発明の一実施形態の表示装置のデータドライバの要部構成を示す図である。このデータドライバは、例えば図7(A)のデータドライバ980に対応している。図6を参照すると、このデータドライバは、シフトレジスタ801と、データレジスタ/ラッチ802と、レベルシフタ群803と、参照電圧発生回路804と、デコーダ回路群805と、出力回路群806と、を含んで構成される。
【0086】
出力回路群806の各出力回路は、図1乃至図4を参照して説明した各実施形態の出力回路100A〜100Dを用いることができる。出力数に対応して、出力回路を複数個備えている。バイアス回路808は、図1のバイアス回路165に対応し、複数の出力回路の正極駆動アンプを構成する出力回路の制御回路160に共通にバイアス電圧BP3を供給する。バイアス回路809は、図2のバイアス回路175に対応し、複数の出力回路の負極駆動アンプを構成する出力回路の制御回路170に共通にバイアス電圧BN3を供給する。
【0087】
シフトレジスタ801は、スタートパルスとクロック信号CLKに基づき、データラッチのタイミングを決定する。データレジスタ/ラッチ802は、シフトレジスタ801で決定されたタイミングに基づいて、入力された映像デジタルデータを各出力単位のデジタルデータ信号に展開し、所定の出力数毎ラッチし、制御信号に応じて、レベルシフタ回路群803に出力する。レベルシフタ群803は、データレジスタ/ラッチ802から出力される各出力単位のデジタルデータ信号を低振幅信号から高振幅信号にレベル変換して、デコーダ回路群805に出力する。デコーダ回路群805は、各出力毎に、参照電圧発生回路804で生成された参照電圧群から、入力されたデジタルデータ信号に応じた参照電圧を選択する。出力回路群806は、各出力毎に、デコーダ回路群805の対応するデコーダで選択された一つ又は複数の参照電圧を入力し、該入力した参照電圧に対応した階調信号を増幅出力する。出力回路群806の出力端子群は表示装置のデータ線に接続されている。シフトレジスタ801及びデータレジスタ/ラッチ802はロジック回路で、一般に低電圧(例えば0V〜3.3V)で構成され、対応する電源電圧が供給されている。レベルシフタ群803、デコーダ回路群805及び出力回路群806は、一般に表示素子を駆動するのに必要な高電圧(例えば0V〜18V)で構成され、対応する電源電圧が供給されている。
【0088】
図1乃至図4を参照して説明した各実施形態の出力回路は、出力回路の出力端子に接続するデータ線の充電時、放電時の遅延を抑制し、消費電力の縮減に好適とされるため、表示装置のデータドライバの出力回路群806の各出力回路として好適な構成とされている。
【0089】
本実施例によれば、低消費電力で高速駆動が可能なデータドライバ、表示装置を実現可能としている。
【0090】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施例ないし実施例の変更・調整が可能である。例えば、本発明で用いた電流源は、ソースに所定の電源が供給され、ゲートに所定のバイアス電圧が供給されるトランジスタとしてよい。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0091】
3、4、5、6 スイッチ回路
11、21 出力端子
12、22 入力端子
13、23 出力段回路
14、24 入力差動段回路
15、16、17、18 電源端子
31 奇数端子
32 偶数端子
41、42 端子
51〜54 入力段出力端子
61〜64 出力段入力端子
100A〜100D 出力回路
210 正極アンプ
210A 差動部
220 負極アンプ
220A 差動部
230 出力スイッチ回路
801 シフトレジスタ
802 データレジスタ/ラッチ
803 レベルシフタ群
804 参照電圧発生回路
805 デコーダ回路群
806 出力回路群
808、809 バイアス回路
940 電源回路
950 表示コントローラー
960 表示パネル
961 走査線
962 データ線
963 表示素子
964 画素スイッチ
970 ゲートドライバ
971 液晶容量
972 補助容量
973 画素電極
974 対向基板電極
980 データドライバ
984 画素スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動増幅回路と、出力増幅回路と、制御回路と、入力端子と、出力端子と、第1乃至第3の電源電圧がそれぞれ供給される第1乃至第3の電源端子と、を備え、前記第3の電源電圧は前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧の間の電圧とされ、
前記差動増幅回路は、
前記入力端子の入力信号と前記出力端子の出力信号を差動で入力する差動入力段と、
前記第1及び第2の電源端子にそれぞれ接続された第1及び第2導電型のトランジスタ対をそれぞれ含む第1及び第2のカレントミラーと、
を備え、前記第1及び第2のカレントミラーの少なくとも一方が前記差動入力段の出力電流を受け、
前記第1及び第2のカレントミラーの入力ノードの間に接続された第1の連絡回路と、
前記第1及び第2のカレントミラーの出力ノードの間に接続された第2の連絡回路と、
を備え、
前記出力増幅回路は、
前記第1の電源端子と前記出力端子との間に接続され、制御端子が前記第1のカレントミラーの出力ノードと前記第2の連絡回路の一端との接続点に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、
前記出力端子と前記第3の電源端子との間に接続され、制御端子が前記第2の連絡回路の他端に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、
を備え、
前記制御回路は、前記第2の連絡回路の前記他端と前記出力増幅回路の前記第2のトランジスタの制御端子との接続点に第1端子が接続され、前記第2のカレントミラーの出力ノードに第2端子が接続され、前記第3の電源端子の電圧に応じた第1のバイアス電圧を制御端子に受ける第1導電型の第3のトランジスタを備えた出力回路。
【請求項2】
差動増幅回路と、出力増幅回路と、制御回路と、入力端子と、出力端子と、第1乃至第3の電源電圧がそれぞれ供給される第1乃至第3の電源端子と、を備え、前記第3の電源電圧は前記第1の電源電圧と前記第2の電源電圧の間の電圧とされ、
前記差動増幅回路は、
前記入力端子の入力信号と前記出力端子の出力信号を差動で入力する差動入力段と、
前記第1及び第2の電源端子にそれぞれ接続された第1及び第2導電型のトランジスタ対をそれぞれ含む第1及び第2のカレントミラーと、
を備え、前記第1及び第2のカレントミラーの少なくとも一方が前記差動入力段の出力電流を受け、
前記第1及び第2のカレントミラーの入力ノードの間に接続された第1の連絡回路と、
前記第1及び第2のカレントミラーの出力ノードの間に接続された第2の連絡回路と、
を備え、
前記出力増幅回路は、
前記第3の電源端子と前記出力端子との間に接続され、制御端子が前記第2の連絡回路の一端に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、
前記出力端子と前記第2の電源端子との間に接続され、制御端子が前記第2の連絡回路の他端と前記第2のカレントミラーの出力ノードとの接続点に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、
を備え、
前記制御回路は、前記第2の連絡回路の前記一端と前記出力増幅回路の前記第1のトランジスタの制御端子との接続点に第1端子が接続され、前記第1のカレントミラーの出力ノードに第2端子が接続され、前記第3の電源端子の電圧に応じた第1のバイアス電圧を制御端子に受ける第2導電型の第3のトランジスタを備えた出力回路。
【請求項3】
前記第3の電源端子に第1端子が接続され、第2端子と制御端子が共通接続された第1導電型の第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの第2端子と前記第2の電源端子間に接続された負荷素子と、
を含み、
前記第4のトランジスタの前記第2端子の電圧を前記第1のバイアス電圧として供給するバイアス回路を備えた請求項1記載の出力回路。
【請求項4】
前記第3の電源端子に第1端子が接続され、第2端子と制御端子が共通接続された第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1の電源端子と前記第4のトランジスタの第2端子との間に接続された負荷素子と、
を含み、
前記第4のトランジスタの前記第2端子の電圧を前記第1のバイアス電圧として供給するバイアス回路を備えた請求項2記載の出力回路。
【請求項5】
前記差動入力段が、
前記第2の電源端子に一端が接続された第1の電流源と、
共通接続された第1端子が前記第1の電流源の他端に接続され、制御端子が前記入力端子と前記出力端子にそれぞれ接続され、第2端子が前記第1のカレントミラーの前記第1導電型のトランジスタ対にそれぞれ接続された第2導電型の差動トランジスタ対と、
前記第1の電源端子に一端が接続された第2の電流源と、
共通接続された第1端子が前記第2の電流源の他端に接続され、制御端子が前記入力端子と前記出力端子にそれぞれ接続され、第2端子が前記第2のカレントミラーの前記第2導電型のトランジスタ対にそれぞれ接続される第1導電型の差動トランジスタ対と、
を備えた請求項1又は2記載の出力回路。
【請求項6】
前記第1のカレントミラーは、第1端子が前記第1の電源端子に共通に接続され、制御端子同士が接続された前記第1導電型の第1のトランジスタ対と、
第1端子が前記第1導電型の第1のトランジスタ対の第2端子にそれぞれ接続され、共通接続された制御端子に第2のバイアス電圧が印加される前記第1導電型の第2のトランジスタ対と、
を備え、前記第1導電型の第2のトランジスタ対の一方のトランジスタの第2端子は、前記第1導電型の第1のトランジスタ対の共通接続された制御端子に接続され前記第1のカレントミラーの入力ノードをなし、他方のトランジスタの第2端子が前記第1のカレントミラーの出力ノードをなし、前記第2導電型の前記差動トランジスタ対の第2端子が前記第1のカレントミラーの前記第1導電型の前記第1のトランジスタ対の第2端子にそれぞれ接続され、
前記第2のカレントミラーは、第1端子が前記第2の電源端子に共通に接続され、制御端子同士が接続された前記第2導電型の第1のトランジスタ対と、
第1端子が前記第2導電型の第1のトランジスタ対の第2端子にそれぞれ接続され、共通接続された制御端子に第3のバイアス電圧が印加される前記第2導電型の第2のトランジスタ対と、
を備え、前記第2導電型の第2のトランジスタ対の一方のトランジスタの第2端子は、前記第2導電型の前記第1のトランジスタ対の共通接続された制御端子に接続され前記第2のカレントミラーの入力ノードをなし、他方のトランジスタの第2端子が前記第2のカレントミラーの出力ノードをなし、前記第1導電型の前記差動トランジスタ対の第2端子が前記第2のカレントミラーの前記第2導電型の前記第1のトランジスタ対の第2端子にそれぞれ接続される、請求項5記載の出力回路。
【請求項7】
前記第1のカレントミラーは、第1端子が前記第1の電源端子に共通に接続され、制御端子同士が接続された前記第1導電型の第1のトランジスタ対を備え、
前記第1導電型の第1のトランジスタ対の一方のトランジスタの第2端子は、前記第1導電型の第1のトランジスタ対の共通接続された制御端子に接続され前記第1のカレントミラーの入力ノードをなし、他方のトランジスタの第2端子が前記第1のカレントミラーの出力ノードをなし、前記第2導電型の前記差動トランジスタ対の第2端子が前記第1のカレントミラーの前記第1導電型の前記第1のトランジスタ対の第2端子にそれぞれ接続され、
前記第2のカレントミラーは、第1端子が前記第2の電源端子に共通に接続され、制御端子同士が接続された前記第2導電型の第1のトランジスタ対を備え、前記第2導電型の第1のトランジスタ対の一方のトランジスタの第2端子は、前記第2導電型の前記第1のトランジスタ対の共通接続された制御端子に接続され前記第2のカレントミラーの入力ノードをなし、他方のトランジスタの第2端子が前記第2のカレントミラーの出力ノードをなし、前記第1導電型の前記差動トランジスタ対の第2端子が前記第2のカレントミラーの前記第2導電型の前記第1のトランジスタ対の第2端子にそれぞれ接続される、請求項5記載の出力回路。
【請求項8】
前記第1の連絡回路が、電流源を備え、
前記第2の連絡回路が、前記第2の連絡回路の一端と他端間に並列に接続され、ゲートにそれぞれ第4、第5のバイアス電圧を受ける第1及び第2導電型のトランジスタを備えている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項9】
請求項1の前記出力回路において、前記第1、第2導電型をそれぞれP型、N型とし、第1乃至第3の電源電圧をそれぞれ高電位電源電圧、低電位電源電圧、第1中間電源電圧とした正極出力回路と、
請求項1の前記出力回路において、前記第1、第2導電型をそれぞれN型、P型とし、第1乃至第3の電源電圧をそれぞれ前記低電位電源電圧、前記高電位電源電圧、第2中間電源電圧とした負極出力回路と、
を備えた出力回路。
【請求項10】
請求項1の前記出力回路において、前記第1、第2導電型をそれぞれP型、N型とし、第1乃至第3の電源電圧をそれぞれ高電位電源電圧、低電位電源電圧、第1中間電源電圧とした正極出力回路と、
請求項2の前記出力回路において、前記第1、第2導電型をそれぞれP型、N型とし、第1乃至第3の電源電圧をそれぞれ前記高電位電源電圧、前記低電位電源電圧、第2中間電源電圧とした負極出力回路と、
を備えた出力回路。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の出力回路を複数備えた出力回路群を備えたデータドライバ。
【請求項12】
請求項1に記載の出力回路を複数備えた出力回路群を備え、
前記第3の電源端子に第1端子が接続され、第2端子と制御端子が共通接続された第1導電型の第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの第2端子と前記第2の電源端子間に接続された負荷素子と、
を含み、
前記第4のトランジスタの前記第2端子の電圧を前記バイアス信号として供給するバイアス回路を、前記複数の出力回路に対して共通に1つ備えたデータドライバ。
【請求項13】
請求項2に記載の出力回路を複数備えた出力回路群を備え、
前記第3の電源端子に第1端子が接続され、第2端子と制御端子が共通接続された第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1の電源端子と前記第4のトランジスタの第2端子との間に接続された負荷素子と、
を含み、
前記第4のトランジスタの前記第2端子の電圧を前記第1のバイアス電圧として供給するバイアス回路を、前記複数の出力回路に対して共通に1つ備えたデータドライバ。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載のデータドライバを備えた表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−39345(P2012−39345A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177033(P2010−177033)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】