説明

半導体装置、表示装置、および電子機器

【課題】トップコンタクト構造において、有機半導体層の膜質を確保しつつチャネル領域に対するコンタクト抵抗(注入抵抗)の低減を図る。
【解決手段】有機半導体層17は、ゲート電極13を幅方向に覆う状態で配置されており、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17−1と、この厚膜部17−1よりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17−2とを有する。またソース電極19sおよびドレイン電極19dは、有機半導体層17の薄膜部17−2上に端部が積層される。有機半導体層17は、厚膜部17−1が前記ゲート電極13の幅の範囲内に設けられる一方、薄膜部17−2は、厚膜部17−1からゲート電極13の幅方向の外側に延設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置、表示装置、および電子機器に関し、有機半導体層を備えた薄膜トランジスタ構成の半導体装置、この半導体装置を備えた表示装置、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
チャネル領域が形成される活性層として有機半導体層を用いた半導体装置、いわゆる有機薄膜トランジスタ(有機TFT:thin film transistor)は、有機半導体層に対してのゲート電極とソース電極/ドレイン電極との位置関係によって4種類に分類される。例えば有機半導体層よりも下層にゲート電極を備えたボトムゲート構造は、ソース電極/ドレイン電極が有機半導体層上に位置するトップコンタクト構造と、有機半導体層下に位置するボトムコンタクト構造の2種類がある(下記非特許文献1参照)。
【0003】
このうちトップコンタクト構造は、ソース電極/ドレイン電極と有機半導体層との接触がより強固であり、非常に信頼性の高い電極構造である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Advanded Materials」、(2002年)、vol.14、p.99
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで一般的に、有機半導体層を用いた半導体装置においては、活性層となる有機半導体層中において電荷伝導を担うチャネル領域は、ゲート絶縁膜の界面から数分子層(〜10nm)程度の非常に限られた領域であることが知られている。
【0006】
ところが上述したボトムゲート・トップコンタクト構造の半導体装置では、ソース電極/ドレイン電極が、有機半導体層においてチャネル領域とはならない非活性な領域に接触している。このため、ソース電極/ドレイン電極とチャネル領域との間に、有機半導体層の非活性な領域が大きな抵抗成分として介在することになり、チャネル領域に対するコンタクト抵抗(注入抵抗)の低減が難しい。
【0007】
有機半導層を薄くすることで、この非活性な領域による抵抗を減少することが可能であるが、大面積プロセスにおいては〜10nm程度の極薄膜を均一に成膜することは難しい。またこのような極薄膜の領域では、有機半導体層に良好な特性を得ることが困難であると共に、また成膜後の工程において有機半導体層のチャネル領域が損傷を受け易いという問題もある。
【0008】
そこで本発明は、ソース電極/ドレイン電極と有機半導体層との接触が強固なトップコンタクト構造において、有機半導体層の膜質を確保しつつコンタクト抵抗を低減し、これによって信頼性および機能性の向上が図られた半導体装置を提供することを目的とする。また本発明は、このような半導体装置を備えたことにより機能性の向上が図られた表示装置および電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明の半導体装置は、基板上のゲート電極と、このゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に設けられた有機半導体層と、さらにこの上部に設けられたソース電極およびドレイン電極を備えている。有機半導体層は、ゲート電極を幅方向に覆う状態で、ゲート絶縁膜を介して当該ゲート電極の上部に重ねて配置されている。この有機半導体層は、ゲート電極の幅方向の中央部に配置された厚膜部と、当該厚膜部よりも薄い膜厚を有して当該ゲート電極の幅方向の両端に配置された薄膜部とを有している構成が特徴的である。そして、ソース電極およびドレイン電極は、ゲート電極を幅方向から挟んだ状態で対向配置されると共に、有機半導体層の薄膜部上に端部が積層されている。また特に、有機半導体層の厚膜部はゲート電極の幅の範囲内に設けられ、薄膜部は厚膜部からゲート電極の幅方向の外側に延設されていることが好ましい。
【0010】
また本発明は、上述した本発明の半導体装置を備えた表示装置および電子機器でもある。
【0011】
このような構成の半導体装置は、ボトムゲート・トップコンタクト構造の有機薄膜トランジスタであるため、有機半導体層におけるゲート電極の幅方向の両端上にソース電極/ドレイン電極が積層される。このため有機半導体層との接触が強固である。また特に有機半導体層は、ゲート電極の幅方向の両端が薄膜部として形成されており、この薄膜部上にソース電極/ドレイン電極の端部が積層されている。これにより、有機半導体層においてゲート電極と積層されている部分の中央部、すなわちチャネル領域上方の膜厚を維持しつつ、チャネル領域の両端における有機半導体層を薄膜化してチャネル領域−ソース電極/ドレイン電極間の抵抗成分が低減される。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、ボトムゲート・トップコンタクト構造でありながらも、チャネル領域に対応する部分の有機半導体層の膜厚に依存せずに、チャネル領域とソース電極/ドレイン電極との間の抵抗成分を低減することができる。したがって、有機半導体層のチャネル領域に対応する部分の膜質を確保しつつチャネル領域に対するコンタクト抵抗(注入抵抗)の低減を図ることが可能となり、有機半導体装置の信頼性および機能性の向上を図ることができる。またこの様な構成の半導体装置を用いて構成された表示装置および電子機器の信頼性および機能性の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の半導体装置の構成を示す断面図および平面図である。
【図2】第1実施形態の半導体装置の製造方法(1)を示す断面工程図である。
【図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法(2)を示す断面工程図である。
【図4】第1実施形態の半導体装置の製造方法(3)を示す断面工程図である。
【図5】第2実施形態の半導体装置の構成を示す断面図および平面図である。
【図6】第2実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す断面工程図である。
【図7】第3実施形態の半導体装置の構成を示す断面図および平面図である。
【図8】第3実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す断面工程図である。
【図9】第4実施形態の半導体装置の構成を示す断面図および平面図である。
【図10】第4実施形態の半導体装置の製造方法の特徴部を示す工程図(その1)である。
【図11】第4実施形態の半導体装置の製造方法の特徴部を示す工程図(その2)である。
【図12】第5実施形態の表示装置の一例を示す断面図である。
【図13】第5実施形態の表示装置の回路構成図である。
【図14】本発明の表示装置を用いたテレビを示す斜視図である。
【図15】本発明の表示装置を用いたデジタルカメラを示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。
【図16】本発明の表示装置を用いたノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図17】本発明の表示装置を用いたビデオカメラを示す斜視図である。
【図18】本発明の表示装置を用いた携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す斜視図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて、次に示す順に実施の形態を説明する。
1.第1実施形態(半導体装置の実施形態例)
2.第2実施形態(保護膜を備えた半導体装置の実施形態例)
3.第3実施形態(2層構造の有機半導体層を有する半導体装置の実施形態例)
4.第4実施形態(ソース電極/ドレイン電極とゲート電極の端部が一致している半導体装置の実施形態例)
5.第5実施形態(薄膜トランジスタを用いた表示装置への適用例)
6.第6実施形態(電子機器への適用例)
尚、第1〜第4実施形態においては、同一の構成要素には同一の符号を用いて重複する説明は省略する。
【0015】
≪1.第1実施形態≫
<半導体装置の構成>
図1は、第1実施形態の半導体装置1の断面図および平面図ある。断面図は平面図におけるA−A’断面に対応している。これらの図に示す半導体装置1は、ボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタであり、基板11上には、一方向に延設されたゲート電極13を覆う状態でゲート絶縁膜15が設けられている。ゲート絶縁膜15の上部には、有機半導体層17が設けられている。有機半導体層17は、ゲート電極13の上方において島状にパターニングされ、ゲート絶縁膜15を介してゲート電極13上に積層された状態で設けられている。またゲート絶縁膜15上には、ゲート電極13を挟んで対向配置される位置にソース電極19s/ドレイン電極19dが設けられている。これらのソース電極19s/ドレイン電極19dは、ゲート電極13を挟んで対向配置された縁部が、有機半導体層17上に重ねた状態で設けられていることとする。
【0016】
以上の構成において本第1実施形態では、ゲート電極13に対する有機半導体層17の形状が特徴的である。すなわち、有機半導体層17は、ゲート電極13の幅方向を覆う状態で、ゲート電極13の上部に重ねて配置されている。つまり半導体装置1をソース電極19s/ドレイン電極19d側から平面視的に見た場合、有機半導体層17におけるゲート電極13の幅方向の両端縁は、ゲート電極13の端縁よりも外側に配置されている。
【0017】
この有機半導体層17は、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17-1と、この厚膜部17-1よりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17-2とを有する。つまり、有機半導体層17の厚膜部17-1は、ゲート電極13の上部においてゲート電極13の延設方向に沿って配置されており、膜厚t1を有している。一方、有機半導体層17の薄膜部17-2は、厚膜部17-1からゲート電極13の幅方向の両側に向かって延設されている。この薄膜部17-2の膜厚は、厚膜部17-1の膜厚t1よりも薄いt2である。
【0018】
ここで、厚膜部17-1が配置される範囲は、ゲート電極13の上部に限定され、ゲート電極13の幅の範囲内において、ゲート電極13の上部に重ねて配置されている。半導体装置1をソース電極19s/ドレイン電極19d側から平面視的に見た場合、有機半導体層17の厚膜部17-1におけるゲート電極13の幅方向の両端縁は、ゲート電極13の端縁と一致しているか、またはゲート電極13の端縁よりも内側に位置している。ゲート電極13の端縁と厚膜部の端縁との間隔d1は、d1≧0である。
【0019】
一方、薄膜部17-2が配置される範囲は、ゲート電極13の幅方向の外側にまで達していることとする。半導体装置1をソース電極19s/ドレイン電極19d側から平面視的に見た場合、有機半導体層17の薄膜部17-2におけるゲート電極13の幅方向の両端縁は、ゲート電極13の端縁よりも外側に位置している。ゲート電極13の端縁と薄膜部の端縁との間隔d2は、d2>0である。
【0020】
また有機半導体層17は、厚膜部17-1の膜厚t1と薄膜部17-2とで、段差を有して膜厚が異なっていれば良い。
【0021】
厚膜部17-1の膜厚t1は、この半導体装置1のさらに上層を形成する際のプロセスにおいて、当該有機半導体層17におけるゲート絶縁膜15との界面、すなわちチャネル領域にダメージが加わることのない十分な膜厚であることとする。このような膜厚t1は、有機半導体層17を構成する材料の4〜5分子層以上の膜厚である。このため、有機半導体層17を構成する材料にもよるが、例えば30nm以上、好ましくは50nm以上である。また厚膜部17-1は、上述した範囲であれば膜厚t1が一定値である必要はなく、厚膜部17-1が段差形状を有していたり、一部がテーパ形状であっても良い。
【0022】
一方、薄膜部17-2の膜厚t2は、有機半導体層17として機能する範囲で小さいことが好ましい。このような薄膜部の膜t2厚は、有機半導体層17を構成する材料の1分子層以上の膜厚である。また薄膜部17-2は、膜厚t2が一定値である必要はなく、端部に向かって薄膜化する段差形状を有していたり、一部がテーパ形状であっても良い。ただし、厚膜部17-1に隣接する部分の膜厚が薄い方が好ましい。
【0023】
尚、有機半導体層17は、ソース電極19sおよびドレイン電極19dが積層された部分、およびソース電極19sおよびドレイン電極19dで挟まれた部分において、上述した断面形状になっていれば良い。したがって、ソース電極19sおよびドレイン電極19d脇の有機半導体層17部分は、段差を有する断面形状でなくても良い。
【0024】
またソース電極19sおよびドレイン電極19dは、少なくともゲート電極13の幅方向における有機半導体層17の薄膜部17-2上に積層されている。チャネル領域chに対する後プロセスでのダメージ防止の観点からは、チャネル領域ch上の薄膜部17-2を覆う状態でソース電極19sおよびドレイン電極19dが設けられていることが好ましい。したがって、ソース電極19sおよびドレイン電極19dは、有機半導体層17における厚膜部17-1にまで達して積層されていることが好ましい。また、ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量低減の観点からは、ソース電極19sおよびドレイン電極19dは、有機半導体層17の厚膜部17-1との重なり幅が小さいことが好ましい。このため、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁が、ゲート電極13の端縁とが一致していることが最も好ましい。
【0025】
以下、下層から順に上述した各部材を構成する材料の詳細を説明する。
【0026】
<基板11>
基板11は、少なくとも表面が絶縁性に保たれていれば良く、ガラス基板のほか、プラスチック基板、金属箔基板、紙等を用いることができる。プラスチック基板であれば、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリアセタール類、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチルエーテルケトン、ポリオレフィン類等が例示される。金属箔基板であれば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等からなる金属箔を絶縁性の樹脂でラミネートした基板が用いられる。またこれらの基板上には、密着性や平坦性を改善するためのバッファー層、ガスバリア性を向上するためのバリア膜等の機能性膜が形成されても良い。フレキシブルな屈曲性を得るためには、プラスチック基板や金属箔を用いた基板が適用される。
【0027】
<ゲート電極13>
ゲート電極13には、金属材料または有機金属材料が用いられる。金属材料であれば、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、インジウム(In)、錫(Sn)、マンガン(Mn)、ルテニウム(Rh)、ルビジウム(Rb)等が用いられる。これらの金属材料は、単体または化合物として用いられる。有機金属材料であれば、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホナート[PEDOT/PSS]、テトラチアフルバレン/テトラシアノキノジメタン[TTF/TCNQ]等が用いられる。以上のようなゲート電極13を構成する材料膜の成膜は、抵抗加熱蒸着、スパッタリング等の真空蒸着法の他,インク・ペーストを用いて上に挙げたような塗布法によっても行うことができる。また電界メッキ、無電界メッキ等のメッキ法により成膜しても良い。
【0028】
<ゲート絶縁膜15>
ゲート絶縁膜15には、無機絶縁膜または有機絶縁膜を用いることができる。無機絶縁膜としては、例えば酸化ケイ素、チッ化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ハフニウム等が用いられる。これらの無機絶縁膜の成膜には、スパッタ法、抵抗加熱蒸着法、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)等の真空プロセスが適用される。さらにこれらの無機絶縁膜の成膜には、原料を溶解させた溶液のゾル・ゲル法を適用しても良い。一方、有機絶縁膜としては、例えばポリビニルフェノール、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、シンナメート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ポリパラキシリレン等の高分子材料を用いることができる。これらの有機絶縁膜の成膜には、塗布法や真空プロセスが適用される。塗布法であれば、スピンコート法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、浸漬法等が例示される。真空プロセスであれば、化学的気相成長法や蒸着重合法等が例示される。
【0029】
<有機半導体層17>
有機半導体層17を構成する材料としては、次の材料が例示される。
ポリピロールおよびポリピロール置換体、
ポリチオフェンおよびポリチオフェン置換体、
ポリイソチアナフテンなどのイソチアナフテン類、
ポリチェニレンビニレンなどのチェニレンビニレン類、
ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、
ポリアニリンおよびポリアニリン置換体、
ポリアセチレン類、
ポリジアセチレン類、
ポリアズレン類、
ポリピレン類、
ポリカルバゾール類、
ポリセレノフェン類、
ポリフラン類、
ポリ(p−フェニレン)類、
ポリインドール類、
ポリピリダジン類、
ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーおよび多環縮合体、
上述した材料中のポリマーと同じ繰返し単位を有するオリゴマー類、
ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのアセン類、およびアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノン,ペリキサンテノキサンテンなど)、さらにはこれらの水素を他の官能基で置換した誘導体、
金属フタロシアニン類、
テトラチアフルバレンおよびテトラチアフルバレン誘導体、
テトラチアペンタレンおよびテトラチアペンタレン誘導体、
ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N' −ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N' −ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N' −ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)、N,N' −ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、
アントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、
C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類およびこれらの誘導体、
SWNTなどのカーボンナノチューブ、
メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素とこれらの誘導体。
【0030】
以上のような有機半導体材料からなる膜の成膜には、塗布法や真空プロセスが適用される。塗布法であれば、スピンコート法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、浸漬法等が例示される。真空プロセスであれば、抵抗過熱蒸着およびスパッタリング等の真空蒸着法が例示される。
【0031】
<ソース電極19s/ドレイン電極19d>
ソース電極19sおよびドレイン電極19dは、ゲート電極13と同様の材料を用いて構成され、特に有機半導体層17に対してオーミック接合されるものであれば良い。
【0032】
<製造方法(1)>
次に第1実施形態の半導体装置1の製造方法の第1例として、有機半導体材料膜上に直接レジストパターンを形成する方法を、図2の断面工程図に基づいて説明する。
【0033】
先ず、図2(1)に示すように、基板11上にゲート電極13をパターン形成する。ここでは、上述したゲート電極13を構成する電極材料膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法を適用してこの上部にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクにして電極材料膜をパターンエッチングすることによってゲート電極13を得る。エッチング終了後にはレジストパターンを除去する。
【0034】
次に、ゲート電極13を覆う状態で、基板11上の全面にゲート絶縁膜15を成膜する。ここでは例えば、スピンコート法によって、ポリビニルフェノール(PVP)からなるゲート絶縁膜13を塗布成膜する。
【0035】
次に、ゲート絶縁膜15上に、有機半導体材料膜17aを成膜する。ここでは有機溶剤耐性の高い有機半導体材料を用いて有機半導体材料膜17aを成膜する。そこで例えばスピンコート法によって、ポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)からなる有機半導体材料膜17aを膜厚t1(例えば50nm)で成膜する。
【0036】
その後、図2(2)に示すように、フォトリソグラフィ法を適用し、有機半導体材料膜17a上にレジストパターン21を形成する。このレジストパターン21は、ゲート電極13の幅方向を覆う島状を有し、素子領域に形成されることとする。尚、ここで形成するレジストパターン21として、フッ素系樹脂からなるレジスト材料を用いることが好ましい。これにより、有機半導体材料膜17aへのダメージを抑え、有機半導体材料膜17aに対してレジスト材料を選択的に溶解除去する現像処理を行うことができる。またポジ型レジストを用いることで、露光部を現像処理によって除去することが好ましい。
【0037】
次に、レジストパターン21をマスクにしたエッチングにより、有機半導体材料膜17aをパターンエッチングし、ゲート電極13の幅方向を覆う島状に有機半導体材料膜17aをパターニングする。ここでは、島状にパターニングされた有機半導体材料膜17aにおけるゲート電極13の幅方向の両端縁が、ゲート電極13の端縁よりも外側に配置され、ゲート電極13の端縁と有機半導体材料膜17aの端縁との平面的な間隔d2を、d2>0とすることが重要である。
【0038】
このような有機半導体材料膜17aのエッチングは、異方性エッチングで行うことが好ましい。このようなエッチングの一例としては、例えば酸素をエッチングガスに用いたリアクティブイオンエッチング法によって行われる。
【0039】
次に図2(3)に示すように、レジストパターン21に対して、ハーフトーンマスクを用いた2度目の露光(追い露光)と現像処理を行う。これにより、ゲート電極13の幅方向の両側において、レジストパターン21におけるゲート電極13の幅方向の両側をパターニング除去して細線化する。この際、例えばレジストパターン21がポジ型レジストであれば、ゲート電極13の幅方向の両側に対して2度目の露光を行い、露光部を現像処理によって除去する。
【0040】
次いで、細線化したレジストパターン21をマスクにして、有機半導体材料膜17aの上層部をエッチングする。ここでは、エッチング後に、ゲート電極13の幅方向の両側において、有機半導体材料膜17aを膜厚t2で残すことが重要である。さらにレジストパターン21で覆われた有機半導体膜17aにおいて初期の膜厚t1に保たれた厚膜部17-1を、ゲート電極13の幅方向の範囲内に残す。これにより、ゲート電極13の端縁と、厚膜部17-1の端縁との平面的な間隔d1を、d1≧0とすることが重要である。このような有機半導体材料膜17aのエッチングは、先と同様の異方性エッチングで行うことが好ましい。
【0041】
以上により、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17-1と、この厚膜部17-1よりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17-2とを有する有機半導体層17を、ゲート絶縁膜15上に形成する。
【0042】
尚、以上のエッチング終了後には有機半導体層17に対して選択的に残りのレジストパターン21を溶解除去する。また以上のような有機半導体層17のパターン形成は、レジストパターン21を用いることなく、有機半導体材料膜17aに対してレーザ加工を施すことによっても実施できる。この場合、レーザ出力等の調整によって有機半導体材料膜17aの加工深さを制御することで、2段階の膜圧t1、t2を有する有機半導体層17をパターン形成することが可能である。
【0043】
以上の後、図2(4)に示すように、有機半導体層17を覆う状態で、ゲート絶縁膜15上に電極材料膜19を成膜する。ここでは例えば真空蒸着法により、上述した材料の中から有機半導体層17に対して良好にオーミック接合される材料を選択して成膜する。
【0044】
次いで図2(5)に示すように、電極材料膜19をパターニングすることによって、ソース電極19sおよびドレイン電極19dを形成する。ここでは、フォトリソグラフィ法を適用して電極材料膜19上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクにして電極材料膜をパターンエッチングすることによってソース電極19sおよびドレイン電極19dを得る。ここでは、少なくともゲート電極13の幅方向の端縁に達する状態で、有機半導体層17における薄膜部17-2上に、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁を積層させることが重要である。この際、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端部は、有機半導体層17の厚膜部17-1上にまで重ねて形成される必要はない。ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量低減の観点からは、ソース電極19sおよびドレイン電極19dと有機半導体層17の厚膜部17-1との重なり幅が小さいことが好ましい。
【0045】
以上のようなエッチングは、水溶性エッチャントを用いることにより、有機半導体層17に対して影響を及ぼすことなく電極材料膜19のパターンエッチングを行う。パターンエッチング終了後にはレジストパターンを除去する。
【0046】
以上により、図1を用いて説明した構成のボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタ構成の半導体装置1を得ることができる。
【0047】
<製造方法(2)>
次に第1実施形態の半導体装置1の製造方法の第2例として、有機半導体材料膜上にバッファ層を介してレジストパターンを形成する方法を、図3の断面工程図に基づいて説明する。
【0048】
先ず図3(1)に示すように、基板11上にゲート電極13を形成し、これを覆う状態でPVPからなるゲート絶縁膜15を成膜し、さらにこの上部に有機半導体材料膜17aを成膜する。ここまでの工程は、上述した第1例において図2(1)を用いて説明したと同様に行う。
【0049】
ただし、ここで成膜される有機半導体材料膜17aは、特に有機溶剤耐性の高い有機半導体材料を用いる必要はなく、ここで形成する半導体装置に適する特性を得られる有機半導体材料を用いればよい。そこで例えば真空蒸着法によって、ペンタセンからなる有機半導体材料膜17aを膜厚t1(例えば50nm)で成膜する。
【0050】
またここでは、さらに有機半導体材料膜17a上に金属バッファ層23を成膜する。この金属バッファ層23は、有機半導体材料膜17aに対してダメージを与えることなくエッチングが可能なバッファ層として形成される。このような金属バッファ層23は、例えば金,アルミ,銅,等からなり、真空蒸着法によって成膜される。
【0051】
次いで、図3(2)に示すように、金属バッファ層23上に、フォトリソグラフィ法を適用してレジストパターン21を形成する。このレジストパターン21は、ゲート電極13の幅方向を覆う島状を有し、素子領域に形成されることは、第1例と同様である。
【0052】
ただし、ここで形成するレジストパターン21は、金属バッファ層23上に形成されるため、有機半導体材料膜17aへのダメージを考慮する必要はなく、パターニング性に優れたレジスト材料を用いることができる。
【0053】
次いで、レジストパターン21をマスクにしたエッチングにより、金属バッファ層23をパターンエッチングする。この際、水溶性のエッチャントを用いたウェットエッチングを行うことにより、有機半導体材料膜17aに対してダメージを与えることなく金属バッファ層23のみをパターンエッチングする。
【0054】
さらにレジストパターン21を積層させた状態で、金属バッファ層23をマスクにして有機半導体材料膜17aをエッチングし、ゲート電極13の幅方向を覆う島状に有機半導体材料膜17aをパターニングすることは、第1例と同様である。また島状にパターニングされた有機半導体材料膜17aにおけるゲート電極13の幅方向の両端縁が、ゲート電極13の端縁よりも外側に配置され、ゲート電極13の端縁と有機半導体材料膜17aの端縁との間隔d2をd2>0とすることが重要である。
【0055】
このような有機半導体材料膜17aのエッチングは、第1例と同様の異方性エッチングで行うことが好ましい。すなわち、例えば酸素をエッチングガスに用いたリアクティブイオンエッチング法によって行われる。
【0056】
次に図3(3)に示すように、レジストパターン21に対して、2度目の露光(追い露光)と現像処理を行う。これにより、ゲート電極13の幅方向の両側において、レジストパターン21におけるゲート電極13の幅方向の両側をパターニング除去して細線化する。
【0057】
次いで、細線化したレジストパターン21をマスクにして、金属バッファ層23をパターンエッチングし、さらに有機半導体材料膜17aの上層部をエッチングする。ここでは、第1例と同様に、エッチング後に有機半導体材料膜17aを膜厚t2で残すことが重要である。さらにレジストパターン21で覆われた有機半導体膜17aにおいて初期の膜厚t1に保たれた厚膜部17-1を、ゲート電極13の幅方向の範囲内に残し、ゲート電極13の端縁と厚膜部17-1の端縁との間隔d1を、d1≧0とすることが重要である。このような有機半導体材料膜17aのエッチングは、先と同様の異方性エッチングで行うことが好ましい。
【0058】
以上により、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17-1と、この厚膜部17-1Aよりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17-2とを有する有機半導体層17を、ゲート絶縁膜15上に形成する。
【0059】
エッチング終了後には、水溶性のエッチャントを用いたウェットエッチングを行うことにより金属バッファ層23をエッチング除去し、これにより金属バッファ層23上に残存するレジストパターン21も除去する。
【0060】
その後は第1例の図2(4)及び図2(5)と同様にして、ソース電極およびドレイン電極の形成を行う。
【0061】
すなわち先ず、図3(4)に示すように、有機半導体層17を覆う状態で、ゲート絶縁膜15上に電極材料膜19を成膜する。ここでは例えば真空蒸着法により、上述した材料の中から有機半導体層17に対して良好にオーミック接合される材料を選択して成膜する。
【0062】
次いで図3(5)に示すように、電極材料膜19をパターニングすることによって、ソース電極19sおよびドレイン電極19dを形成する。ここでは、フォトリソグラフィ法を適用して電極材料膜19上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクにして電極材料膜をパターンエッチングすることによってソース電極19sおよびドレイン電極19dを得る。ここでは、少なくともゲート電極13の幅方向の端縁に達する状態で、有機半導体層17における薄膜部17-2上に、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁を積層させることが重要である。この際、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端部は、有機半導体層17の厚膜部17-1上にまで重ねて形成される必要はない。ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量低減の観点からは、ソース電極19sおよびドレイン電極19dと有機半導体層17の厚膜部17-1との重なり幅が小さいことが好ましい。ここでのエッチングは、水溶性エッチャントを用いることにより、有機半導体層17に対して影響を及ぼすことなく電極材料膜19のパターンエッチングを行う。パターンエッチング終了後にはレジストパターンを除去する。
【0063】
以上により、図1を用いて説明した構成のボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタ構成の半導体装置1を得ることができる。
【0064】
<製造方法(3)>
次に第1実施形態の半導体装置1の製造方法の第3例として、レジストパターンの形状を有機半導体材料膜に転写する方法を、図4の断面工程図に基づいて説明する。
【0065】
先ず、図4(1)に示すように、基板11上にゲート電極13を形成し、これを覆う状態でPVPからなるゲート絶縁膜15を成膜し、さらにこの上部に有機半導体材料膜17aを成膜する。ここまでの工程は、上述した半導体装置1の製造方法の第1例において図2(1)を用いて説明したと同様に行う。つまり、有機半導体材料膜17aは、ポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)のような有機溶剤耐性の高い有機半導体材料を用い、スピンコート法によって膜厚t1(例えば50nm)で成膜される。
【0066】
次に、図4(2)に示すように、フォトリソグラフィ法を適用し、有機半導体材料膜17a上にレジストパターン29を形成する。ここではハーフトーンマスクを用いた露光、または2段階の露光を行うことにより、ゲート電極13の幅方向の端縁と中央部とで露光量が異なるように、レジスト膜に対して露光を行う。これにより、ゲート電極13の幅方向を覆う島状であり、かつゲート電極13の幅方向の両端縁の膜厚が、中央部よりも薄膜化された構成のレジストパターン29を得る。
【0067】
尚、ここで形成するレジストパターン29として、フッ素系樹脂からなるレジスト材料を用いることが好ましいことは、第1実施形態の第1例と同様であり、同様の現像液を用いることで、有機半導体材料膜17aに対してダメージのない現像処理が可能である。
【0068】
次に図4(3)に示すように、レジストパターン29上からのエッチングにより、有機半導体材料膜17aをパターンエッチングし、ゲート電極13と重なる位置に有機半導体層17を形成する。ここでは、レジストパターン29と共に有機半導体材料膜17aを異方性エッチングすることにより、レジストパターン29の形状を有機半導体材料膜17aに転写する。
【0069】
以上により、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17-1と、この厚膜部17-1よりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17-2とを有する有機半導体層17を、ゲート絶縁膜15上に形成する。
【0070】
次に、レジストパターン21をマスクにしたエッチングにより、有機半導体材料膜17aをパターンエッチングし、ゲート電極13の幅方向を覆う島状に有機半導体材料膜17aをパターニングする。ここでは、島状にパターニングされた有機半導体材料膜17aにおけるゲート電極13の幅方向の両端縁が、ゲート電極13の端縁よりも外側に配置され、ゲート電極13の端縁と有機半導体材料膜17aの端縁との平面的な間隔d2を、d2>0とすることが重要である。
【0071】
以上のような異方性エッチングは、例えば酸素をエッチングガスに用いたリアクティブイオンエッチング法によって行われる。またエッチング終了後にレジストパターン29が残存している場合には、有機半導体層17に対して選択的にレジストパターン29を溶解除去する。尚、有機半導体層17の中央の厚膜部分のみに残ったレジストパターン29は、除去絶にそのまま保護膜として残しても良い。
【0072】
以上の後には、第1実施形態の第1例と同様にしてソース電極およびドレイン電極の形成を行う。
【0073】
すなわち先ず、図4(4)に示すように、有機半導体層17を覆う状態で、ゲート絶縁膜15上に電極材料膜19を成膜する。ここでは例えば真空蒸着法により、上述した材料の中から有機半導体層17に対して良好にオーミック接合される材料を選択して成膜する。
【0074】
次いで図4(5)に示すように、電極材料膜19をパターニングすることによって、ソース電極19sおよびドレイン電極19dを形成する。ここでは、フォトリソグラフィ法を適用して電極材料膜19上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクにして電極材料膜をパターンエッチングすることによってソース電極19sおよびドレイン電極19dを得る。ここでは、少なくともゲート電極13の幅方向の端縁に達する状態で、有機半導体層17における薄膜部17-2上に、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁を積層させることが重要である。この際、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端部は、有機半導体層17の厚膜部17-1上にまで重ねて形成される必要はない。ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量低減の観点からは、ソース電極19sおよびドレイン電極19dと有機半導体層17の厚膜部17-1との重なり幅が小さいことが好ましい。ここでのエッチングは、水溶性エッチャントを用いることにより、有機半導体層17に対して影響を及ぼすことなく電極材料膜19のパターンエッチングを行う。パターンエッチング終了後にはレジストパターンを除去する。
【0075】
以上により、図1を用いて説明した構成のボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタ構成の半導体装置1を得ることができる。
【0076】
以上のようにして得られる図1に示した構成の半導体装置1は、ボトムゲート・トップコンタクト構造の有機薄膜トランジスタであり、有機半導体層17におけるゲート電極13の幅方向の両端上にソース電極19s/ドレイン電極19dが積層される。このため有機半導体層17とソース電極19s/ドレイン電極19dとの接触が強固である。また特に有機半導体層17は、ゲート電極13の幅方向の両端が薄膜部17-2として形成されており、この薄膜部17-2上にソース電極19s/ドレイン電極19sの端部が積層されている。これにより、有機半導体層17においてゲート電極13と積層されている部分の中央部、すなわちチャネル領域ch上方の膜厚t1を維持しつつ、チャネル領域chの両端における有機半導体層17を薄膜化してチャネル領域ch−ソース電極19s/ドレイン電極19d間の抵抗成分が低減される。
【0077】
以上より、本第1実施形態の半導体装置1によれば、ボトムゲート・トップコンタクト構造でありながらも、チャネル領域chに対応する部分の有機半導体層17の膜厚に依存せずに、チャネル領域chとソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の抵抗成分を低減することができる。したがって、有機半導体層17のチャネル領域chに対応する部分の膜質を確保しつつチャネル領域chに対するコンタクト抵抗(注入抵抗)の低減を図ることが可能となり、半導体装置1の信頼性および機能性の向上を図ることができる。
【0078】
≪2.第2実施形態≫
<半導体装置の構成>
図5は、第2実施形態の半導体装置2の断面図および平面図ある。断面図は平面図におけるA−A’断面に対応している。これらの図に示す半導体装置2は、第1実施形態と同様の構成において、有機半導体層17における厚膜部17-1上に、絶縁性の保護膜31が積層されている構成が特徴的であり、他の構成は第1実施形態と同様である。
【0079】
本第2実施形態に特有の保護膜31は、有機半導体層17をパターン形成する際に、有機半導体層17のチャネル領域chに対してダメージが加わらないように保護するための膜である。このような保護膜31は、有機絶縁性材料または無機絶縁性材で構成される。特に有機絶縁性材料であれば、有機半導体層17をパターン形成する際に、有機半導体層17を構成する有機半導体材料膜と同一工程でエッチング可能であるため好ましい。このような有機絶縁性材料としては、フッ素樹脂を用いることができる。
【0080】
特に本第2実施形態においては、保護膜31を設けたことにより、厚膜部17-1の膜厚t1は、有機半導体層17を成膜する際に安定した膜質として成膜される程度の膜厚であれば良く、上層を形成する際のプロセスによるダメージを考慮する必要ははい。したがって、有機半導体層17の厚膜部17-1の膜厚t1は、有機半導体層17を構成する材料の4〜5分子層以上の膜厚である。このため、有機半導体層17を構成する材料にもよるが、例えば30nm以上、好ましくは50nm以上である。また厚膜部17-1は、上述した範囲であれば膜厚t1が一定値である必要はなく、厚膜部17-1が段差形状を有していたり、一部がテーパ形状であっても良い。
【0081】
一方、薄膜部17-2の膜厚t2は、第1実施形態と同様であり、有機半導体層17として機能する範囲で小さいことが好ましい。このような薄膜部の膜厚t2は、有機半導体層17を構成する材料の1分子層以上の膜厚である。また薄膜部17-2は、膜厚t2が一定値である必要はなく、端部に向かって薄膜化する段差形状を有していたり、一部がテーパ形状であっても良い。ただし、厚膜部17-1に隣接する部分の膜厚が薄い方が好ましい。
【0082】
尚、有機半導体層17における厚膜部17-1と薄膜部17-2との配置状態は、ゲート電極13に対して第1実施形態と同様である。
【0083】
またソース電極19sおよびドレイン電極19dが、有機半導体層17の厚膜部17-1と重なっている場合、保護膜31を介して有機半導体層17の厚膜部17-1上にソース電極19sおよびドレイン電極19dの端部が積層している。ただし、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの配置状態の好ましい例は、第1実施形態と同様である。すなわち、ソース電極19sおよびドレイン電極19dは、少なくともゲート電極13の幅方向における有機半導体層17の薄膜部17-2上に積層されている。チャネル領域chに対する後プロセスでのダメージ防止の観点からは、チャネル領域ch上の薄膜部17-2を覆う状態でソース電極19sおよびドレイン電極19dが設けられていることが好ましい。したがって、ソース電極19sおよびドレイン電極19dは、有機半導体層17における厚膜部17-1にまで達して積層されていることが好ましい。また、ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量低減の観点からは、ソース電極19sおよびドレイン電極19dは、有機半導体層17の厚膜部17-1との重なり幅が小さいことが好ましい。このため、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁が、ゲート電極13の端縁とが一致していることが最も好ましい。
【0084】
<製造方法>
以上のような第2実施形態の半導体装置2の製造方法を、図6の断面工程図に基づいて説明する。
【0085】
先ず図6(1)に示すように、基板11上にゲート電極13を形成し、これを覆う状態でPVPからなるゲート絶縁膜15を成膜し、さらにこの上部に有機半導体材料膜17aを成膜する。ここまでの工程は、第1実施形態の半導体装置の製造方法の第1例において図2(1)を用いて説明したと同様に行う。
【0086】
ただし、ここで成膜される有機半導体材料膜17aは、特に有機溶剤耐性の高い有機半導体材料を用いる必要はなく、ここで形成する半導体装置に適する特性を得られる有機半導体材料を用いればよい。そこで例えば真空蒸着法によって、ペンタセンからなる有機半導体材料膜17aを50nmの膜厚t1で成膜する。
【0087】
次に、有機半導体材料膜17a上に保護膜31を成膜する。この保護膜31は、有機半導体材料膜17aを保護するための膜として形成される。このような保護膜31は、例えばフッ素樹脂からなり、スピンコート法によって塗布成膜される。
【0088】
次いで図6(2)に示すように、保護膜31上に、フォトリソグラフィ法を適用してレジストパターン21を形成する。このレジストパターン21は、ゲート電極13の幅方向を覆う島状を有し、素子領域に形成されることは、第1実施形態の各製造方法と同様である。
【0089】
ただし、ここで形成するレジストパターン21は、保護膜31上に形成されるため、有機半導体材料膜17aへのダメージを考慮する必要はなく、パターニング性に優れたレジスト材料を用いることができる。
【0090】
次いで、レジストパターン21をマスクにしたエッチングにより、保護膜31および有機半導体材料膜17aをパターンエッチングし、ゲート電極13の幅方向を覆う島状に保護膜31および有機半導体材料膜17aをパターニングする。これにより、ゲート電極13と重なる位置に有機半導体材料膜17aと保護膜31との積層体を形成する。ここでは少なくとも有機半導体材料膜17aのエッチングは、異方性エッチングにより行う。また島状にパターニングされた有機半導体材料膜17aにおけるゲート電極13の幅方向の両端縁が、ゲート電極13の端縁よりも外側に配置され、ゲート電極13の端縁と有機半導体材料膜17aの端縁との間隔d2をd2>0とすることが重要である。
【0091】
この際、保護膜31がフッ素樹脂のような有機材料からなる場合であれば、保護膜31と有機半導体材料膜17aとのパターンエッチングは同一工程で行われる。このような保護膜25および有機半導体材料膜17aのエッチングは、異方的なドライエッチングによって行われる。例えば酸素をエッチングガスに用いたリアクティブイオンエッチング法によって行われる。尚、保護膜31のパターンエッチングと有機半導体材料膜17aのパターンエッチングとは、それぞれ別工程で行うようにしても良い。
【0092】
次に図6(3)に示すように、レジストパターン21に対して、2度目の露光(追い露光)と現像処理を行う。これにより、ゲート電極13の幅方向の両側において、レジストパターン21におけるゲート電極13の幅方向の両側をパターニング除去して細線化する。
【0093】
次いで、細線化したレジストパターン21をマスクにして、保護膜31をパターンエッチングし、さらに有機半導体材料膜17aの上層部をエッチングする。ここでは、第1実施形態における製造方法の第1例と同様に、エッチング後に有機半導体材料膜17aを膜厚t2で残すことが重要である。さらにレジストパターン21で覆われた有機半導体膜17aにおいて初期の膜厚t1に保たれた厚膜部17-1を、ゲート電極13の幅方向の範囲内に残し、ゲート電極13の端縁と厚膜部17-1の端縁との間隔d1を、d1≧0とすることが重要である。このような有機半導体材料膜17aのエッチングは、先と同様の異方性エッチングで行うことが好ましい。
【0094】
以上により、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17-1と、この厚膜部17-1よりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17-2とを有する有機半導体層17を、ゲート絶縁膜15上に形成する。またこの有機半導体層17における厚膜部17-1上に保護膜31を積層した状態とする。尚、エッチング終了後には、有機半導体層17および保護膜31に対して選択的に、残りのレジストパターン21を溶解除去する。また以上のような有機半導体層17および保護膜31のパターン形成は、レジストパターン21を用いることなく、有機半導体材料膜17aおよび保護膜31に対してレーザ加工を施すことによっても実施できる。この場合、レーザ出力等の調整によって加工深さを制御することで、2段階の膜圧t1、t2を有する有機半導体層17をパターン形成することが可能である。
【0095】
その後は第1実施形態における製造方法の各例と同様にして、ソース電極およびドレイン電極の形成を行う。
【0096】
すなわち先ず、図6(4)に示すように、有機半導体層17および保護膜31を覆う状態で、ゲート絶縁膜15上に電極材料膜19を成膜する。ここでは例えば真空蒸着法により、第1実施形態で例示した材料の中から有機半導体層17に対して良好にオーミック接合される材料を選択して成膜する。
【0097】
次いで図6(5)に示すように、電極材料膜19をパターニングすることによって、ソース電極19sおよびドレイン電極19dを形成する。ここでは、フォトリソグラフィ法を適用して電極材料膜19上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクにして電極材料膜をパターンエッチングすることによってソース電極19sおよびドレイン電極19dを得る。この場合、少なくともゲート電極13の幅方向の端縁に達する状態で、有機半導体層17における薄膜部17-2上に、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁を積層させることが重要である。この際、ソース電極19sおよびドレイン電極19dの端部は、有機半導体層17の厚膜部17-1および保護膜31上にまで重ねて形成される必要はない。ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量低減の観点からは、ソース電極19sおよびドレイン電極19dと有機半導体層17の厚膜部17-1との重なり幅が小さいことが好ましい。ここでのエッチングは、水溶性エッチャントを用いることにより、有機半導体層17に対して影響を及ぼすことなく電極材料膜19のパターンエッチングを行う。パターンエッチング終了後にはレジストパターンを除去する。
【0098】
以上により、図5を用いて説明した構成のボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタ構成の半導体装置2を得ることができる。
【0099】
以上のようにして得られる図5に示した構成の半導体装置2は、ボトムゲート・トップコンタクト構造の有機薄膜トランジスタであるため、有機半導体層17とソース電極19s/ドレイン電極19dとの接触が強固である。また第1実施形態と同様に、有機半導体層17は、ゲート電極13の幅方向の両端が薄膜部17-2として形成されており、この薄膜部17-2上にソース電極19s/ドレイン電極19sの端部が積層されている。これにより、有機半導体層17の中央部におけるチャネル領域ch上方の膜厚t1を維持しつつ、チャネル領域chの両端における有機半導体層17を薄膜化してチャネル領域ch−ソース電極19s/ドレイン電極19d間の抵抗成分を低減できる。
【0100】
特に本第2実施形態の半導体装置2は、有機半導体層17における厚膜部17-1の上面が保護膜31で覆われた構成である。このため、製造プロセスにおいて有機半導体層17の厚膜部17-1がダメージを受けることがなくチャネル領域chの膜質が確保される。
【0101】
以上より、本第2実施形態の半導体装置2によれば、第1実施形態の構成よりもさらに確実にチャネル領域chの膜質を確保した状態で、チャネル領域chに対するソース電極19s/ドレイン電極19dのコンタクト抵抗(注入抵抗)の低減を図ることができる。この結果、ソース電極19s/ドレイン電極19dと有機半導体層17との接触が強固ではあるが、コンタクト抵抗の低減が困難とされていたトップコンタクト構造において、信頼性を維持しつつコンタクト抵抗を低減させて機能性の向上を図ることが可能となる。
【0102】
≪第3実施形態≫
<半導体装置の構成>
図7は、第3実施形態の半導体装置3の断面図および平面図ある。断面図は平面図におけるA−A’断面に対応している。これらの図に示す半導体装置3は、第1実施形態と同様の構成において、有機半導体層17’が2層構造で構成されている点が特徴的であり、他の構成は第1実施形態と同様である。
【0103】
このような第1層35と第2層37とからなる有機半導体層17’の全体としての構成は、第1実施形態および第2実施形態の有機半導体層と同様である。
【0104】
すなわち、第1層35と第2層37とからなる有機半導体層17’は、ゲート電極13の幅方向の中央部に配置された厚膜部17-1と、この厚膜部17-1よりも薄い膜厚を有してゲート電極13の幅方向の両端に配置された薄膜部17-2とを有する。
【0105】
厚膜部17-1は、ゲート電極13の幅の範囲内でパターニングされた第1層35と、これを覆う第2層37とで構成される。つまり、厚膜部17-1の膜厚t1は、第1層35の膜厚と第2層37の膜厚とを合計した値であり、第1層35および第2層を構成する有機半導体材料の4〜5分子層以上の膜厚である。このため、第1層35および第2層37を構成する材料にもよるが、例えば30nm以上、好ましくは50nm以上である。また厚膜部17-1の幅は、第1層35の幅と、第1層35の側壁に成膜された第2層37の膜厚とを合計した値であり、ゲート電極13の幅の範囲内に収まる値である。ゲート電極13の端縁と厚膜部17-1の端縁との間隔d1は、d1≧0である。
【0106】
これに対して薄膜部17-2は、第2層37のみで構成されている。つまり、薄膜部17-2の膜厚t2は、第2層37の膜厚であり、第2層37を構成する材料の1分子層以上の膜厚である。また薄膜部17-2は、膜厚t2が一定値である必要はなく、端部に向かって薄膜化する段差形状を有していたり、一部がテーパ形状であっても良い。ただし、厚膜部17-1に隣接する部分の膜厚が薄い方が好ましい。また薄膜部17-2の幅は、第1層35の側壁からゲート電極13の両脇に対してはみ出した第2層37の幅である。ゲート電極13の端縁と薄膜部の端縁との間隔d2は、d2>0である。
【0107】
以上の第1層35および第2層37は、同一の有機半導体材料を用いて構成されることが好ましいが、これに限定されることはない。
【0108】
<製造方法>
次に第3実施形態の半導体装置3の製造方法を、図8の断面工程図に基づいて説明する。
【0109】
先ず、図8(1)に示すように、基板11上にゲート電極13を形成し、これを覆う状態でPVPからなるゲート絶縁膜15を成膜し、さらにこの上部に有機半導体材料膜の第1層35を成膜する。ここまでの工程は、上述した半導体装置1の製造方法の第1例において図2(1)を用いて説明したと同様に行う。つまり、有機半導体材料膜の第1層35は、ポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)のような有機溶剤耐性の高い有機半導体材料を用い、スピンコート法によって成膜される。
【0110】
次に、図8(2)に示すように、フォトリソグラフィ法を適用し、有機半導体材料膜の第1層35上に、レジストパターン41を形成する。このレジストパターン41は、例えばゲート電極13とほぼ同一幅であり、素子領域においてゲート電極13上に積層される島状である。
【0111】
尚、ここで形成するレジストパターン41として、フッ素系樹脂からなるレジスト材料を用いることが好ましいことは、第1実施形態の第1例と同様であり、同様の現像液を用いることで、有機半導体材料膜の第1層35に対してダメージのない現像処理が可能である。
【0112】
次にレジストパターン41上からのエッチングにより、ゲート電極13と重なる島状に有機半導体材料膜の第1層35をパターンエッチングする。この際、第1層35を等方的にオーバーエッチングすることにより、第1層35のパターン形状をゲート電極13の幅よりも小さくパターニングする。
【0113】
尚、以上のエッチング終了後には有機半導体材料膜の第1層35に対して選択的に残りのレジストパターン21を溶解除去する。また有機半導体材料膜の第1層35をパターニングする工程には、図3を用いて説明した金属バッファ層を用いた工程を適用することもできる。またさらに、有機半導体材料膜の第1層35をパターニングする工程には、レジストパターン41を用いることなく、レーザ加工を施すことによっても実施できる。
【0114】
次に、図8(3)に示すように、パターニングされた第1層35を覆う状態で、ゲート絶縁膜15上に有機半導体材料膜の第2層37を成膜する。ここでは、1分子層以上の膜厚の範囲で極薄い第2層37を成膜する。この際、第1層35の側壁を覆う第2層37部分が、ゲート電極13の幅方向内に収まるように、つまり第1層35と第2層37とで構成される厚膜部17-1の端縁とゲート電極13の端縁との間隔d1が、d1≧0となる膜厚で、第2層37を成膜する。ここでは例えば第1層35と同様のポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)のような有機溶剤耐性の高い有機半導体材料を用い、スピンコート法によって第2層37を成膜する。
【0115】
次いで、図8(4)に示すように、有機半導体材料層の第1層35を覆う島状に第2層37のパターニングを行う。この際、第2層37の端縁が、ゲート電極13の幅方向の端縁よりも外側に配置されるように第2層37をパターニングする。これにより、第2層37のみで構成される薄膜部17-2の端縁とゲート電極13の端縁との間隔d2を、d2>0とする。以上のような第2層37のパターニングは、第1層35のパターニングと同様に行われる。
【0116】
以上のようにして、第1層35と第2層37との2層からなる有機半導体層17’を得る。
【0117】
その後は図8(5)に示すように、上述した他の実施形態と同様のリソグラフィ法を適用した手順にて、有機半導体層17’の薄膜部17-2上に端部を積層させたソース電極19sおよびドレイン電極19sを形成する。
【0118】
以上により、図7を用いて説明した構成のボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタ構成の半導体装置3を得ることができる。
【0119】
以上のようにして得られる図7に示した構成の半導体装置3は、ボトムゲート・トップコンタクト構造の有機薄膜トランジスタであるため、有機半導体層17’とソース電極19s/ドレイン電極19dとの接触が強固である。また第1実施形態および第2実施形態と同様に、有機半導体層17’は、ゲート電極13の幅方向の両端が薄膜部17-2として形成されており、この薄膜部17-2上にソース電極19s/ドレイン電極19sの端部が積層されている。これにより、有機半導体層17’におけるチャネル領域ch上方の膜厚t1を維持しつつ、チャネル領域chの両端における有機半導体層17を薄膜化してチャネル領域ch−ソース電極19s/ドレイン電極19d間の抵抗成分を低減できる。
【0120】
特に本第3実施形態の半導体装置3は、有機半導体層17’が、第1層35とこれを覆う第2層37との積層構造であり、上述した薄膜部17-2は第2層37のみで構成される。これにより、薄膜部17-2の膜厚は、第2層37の成膜時の膜厚に制御性良好に設定される。したがって、この薄膜部17-2を挟んで配置されるチャネル領域chとソース電極19s/ドレイン電極19dと間隔が制御性良好に薄膜化され、コンタクト抵抗(注入抵抗)の低減を確実に図ることができる。
【0121】
以上より本第3実施形態の半導体装置3によれば、チャネル領域chの膜質を確保しつつも、第1実施形態と比較してさらに確実にチャネル領域chに対するソース電極19s/ドレイン電極19dのコンタクト抵抗(注入抵抗)の低減を図ることができる。この結果、ソース電極19s/ドレイン電極19dと有機半導体層17’との接触が強固ではあるが、コンタクト抵抗の低減が困難とされていたトップコンタクト構造において、信頼性を低下させることなくコンタクト抵抗を低減させて機能性の向上を図ることが可能となる。
【0122】
≪4.第4実施形態≫
<半導体装置の構成>
図9は、第4実施形態の半導体装置4の断面図および平面図ある。断面図は平面図におけるA−A’断面に対応している。これらの図に示す半導体装置4は、第3実施形態と同様の2層構造の有機半導体層17’を有する構成において、ソース電極19s/ドレイン電極19dの端縁がゲート電極13に対して自己整合的に配置されている点が特徴的である。他の構成は、第3実施形態と同様である。
【0123】
すなわち、ゲート電極13を挟んで配置されるソース電極19sおよびドレイン電極19dの端縁は、ゲート電極13の幅方向の端縁に一致している。このようなゲート電極13は、以下に説明するように、ゲート電極13をマスクにした裏面露光を適用して得ることができる。
【0124】
<製造方法>
次に第4実施形態の半導体装置4の製造方法を、図10および図11の製造工程図に基づいて説明する。
【0125】
先ず、図10(1)に示すように、基板11上にゲート電極13、ゲート絶縁膜15、第1層35および第2層37からなる2層構造の有機絶縁層17’を形成するまでを第3実施形態で説明したと同様の手順で行う。またその後、有機絶縁層17’を覆う状態で、ゲート絶縁膜15上に電極材料膜19を成膜する。ここでは、他の実施形態と同様に、例えば真空蒸着法により、第1実施形態で例示した材料の中から有機半導体層17’に対して良好にオーミック接合される材料を選択して成膜する。
【0126】
次の工程を図10(2)-1の断面図および図10(2)-2の平面図に示す。断面図は平面図におけるA−A’断面に対応している。これらの図に示すように、先ず電極材料膜19上にネガ型のレジスト膜43を成膜する。
【0127】
その後、このレジスト膜43に対して、基板11側からゲート電極13をマスクにした裏面露光を行う。この際、基板11側に露光マスク45を配置し、この露光マスク45を介して露光光hの照射を行う。
【0128】
露光マスク45は、ゲート電極13と交差する開口部45aを備えていることとする。この開口部45aは、ゲート電極13の両脇に露光光hが照射される構成であれば良い。図示したように、ゲート電極13の延設方向における有機半導体層17’の範囲内に開口部45aが配置される場合には、この開口部45aの開口幅がチャネル幅となり、ゲート幅の寸法制御性が良好であるため好ましい。一方、ゲート電極13の延設方向における有機半導体層7の範囲を越えて開口部45aが配置される場合には、有機半導体層17’の寸法がチャネル幅となる。
【0129】
以上のような露光マスク45を介しての裏面露光により、露光マスク45の開口部45a内において、ゲート電極13で遮光されていない部分のレジスト膜43に露光光hが照射されて露光部43aとなり、レジスト材料が硬化する。
【0130】
次に、図11(1)に示すように、レジスト膜43の現像処理を行うことにより、露光部43aのみが電極材料膜19上にレジストパターン43aとして残される。以上により、ゲート電極13に対して自己整合的にレジストパターン43aが形成される。
【0131】
次に、図11(2)に示すように、レジストパターン43aをマスクにして電極材料膜19をパターンエッチングする。これにより、ゲート電極13上における電極材料膜1913をエッチング除去し、電極材料膜19からなるソース電極19sおよびドレイン19dを、ゲート電極13に対して自己整合的に形成する。
【0132】
以上により、図9を用いて説明した構成のボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタ構成の半導体装置4を得ることができる。
【0133】
以上のようにして得られる図9に示した構成の半導体装置4は、第3実施形態と同様の2層構造の有機半導体層17’を有する構成において、ソース電極19s/ドレイン電極19dの端縁がゲート電極13に対して自己整合的に配置された構成である。したがって、第3実施形態と同様の効果を得ることが可能であると共に、さらに以下のような特別な効果を奏する。
【0134】
すなわち、本第4実施形態の半導体装置4は、ソース電極19s/ドレイン電極19dの端縁がゲート電極13に対して自己整合的に配置された構成であることにより、ゲート電極13とソース電極19s/ドレイン電極19dとの間の寄生容量を効果的に低減させることが可能である。したがって、第3実施形態の半導体装置と比較して、さらに機能性の向上を図ることが可能となる。
【0135】
尚、本第4実施形態においては、第3実施形態の構成においてソース電極19s/ドレイン電極19dの端縁がゲート電極13に対して自己整合的に配置された構成を説明した。しかしながら、本第4実施形態は、第1実施形態および第2実施形態の構成と組み合わせても良く、組み合わせることによって第4実施形態でプラスされた効果を得ることが可能である。
【0136】
≪第5実施形態≫
<表示装置の層構成>
図12は、本発明を適用した表示装置50の3画素分の構成図である。この表示装置50は、第1〜第4実施形態で例示した本発明の半導体装置を用いて構成されたものであり、ここでは一例として第1実施形態で説明した半導体装置1、すなわちボトムゲート・トップコンタクト構造の薄膜トランジスタを設けた構成を示す。
【0137】
この図に示すように、表示装置50は、基板11上の各画素aに、薄膜トランジスタ構成の半導体装置(以下薄膜トランジスタ1と記す)を用いた画素回路と、これに接続された有機電界発光素子ELとが配列されたアクティブマトリックス型の表示装置50である。
【0138】
薄膜トランジスタ1を用いた画素回路が配列された基板11上は、パッシベーション膜51で覆われ、この上部に平坦化絶縁膜53が設けられている。平坦化絶縁膜53およびパッシベーション膜51には、各薄膜トランジスタ1に達する接続孔51aが設けられている。この平坦化絶縁膜53上に、各接続孔51aを介して薄膜トランジスタ1に接続された画素電極55が配列形成されている。
【0139】
各画素電極55の周縁はウインドウ絶縁膜57で覆われて素子分離されている。素子分離された各画素電極55上は、各色の有機発光機能層59r,59g,59bで覆われ、さらにこれらを覆う状態で各画素aに共通の共通電極61が設けられている。各有機発光機能層59r,59g,59bは、少なくとも有機発光層を備えた積層構造からなり、少なくとも有機発光層が画素毎に異なる構成でパターン形成されており、各画素に共通の層を有していても良い。共通電極61は、例えば陰極として形成され、さらにここで作製する表示装置が基板11と反対側から発光光を取り出す上面発光型であれば光透過電極として形成されることとする。
【0140】
以上により、画素電極55と共通電極61との間に有機発光機能層59r,59g,59bが挟持された各画素a部分に、有機電界発光素子ELが形成される。尚、ここでの図示は省略したが、これらの有機電界発光素子ELが形成された基板11上には、さらに保護層が設けられ、接着剤を介して封止基板が貼り合わされて表示装置50が構成されている。
【0141】
<表示装置の回路構成>
図13には、表示装置50の回路構成図の一例を示す。尚ここで説明する回路構成は、あくまでも一例である。
【0142】
図13に示すように、表示装置50の基板11上には、表示領域11aとその周辺領域11bとが設定されている。表示領域11aには、複数の走査線71と複数の信号線73とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。また周辺領域11bには、走査線71を走査駆動する走査線駆動回路75と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線73に供給する信号線駆動回路77とが配置されている。
【0143】
走査線71と信号線73との各交差部に設けられる画素回路は、例えばスイッチング用の薄膜トランジスタTr1、駆動用の薄膜トランジスタTr2、保持容量Cs、および有機電界発光素子ELで構成されている。
【0144】
この表示装置50は、走査線駆動回路75による駆動により、スイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線73から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持される。そして保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。尚、駆動用の薄膜トランジスタTr2は、共通の電源供給線(Vcc)79に接続されている。
【0145】
尚、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域11bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
【0146】
このような回路構成において、薄膜トランジスタTr1,Tr2が、上述した実施形態で例示した本発明の薄膜トランジスタ(半導体装置)として構成される。尚、図12においては、以上のような回路構成の表示装置50における3画素分の断面図として、薄膜トランジスタTr2と有機電界発光素子ELとが積層された部分の断面図を示している。スイッチング用の薄膜トランジスタTr1および容量素子Csも、駆動用の薄膜トランジスタTr2と同一層に形成されている。また、図13においては、薄膜トランジスタTr1,Tr2がpチャンネル型である場合を例示している。
【0147】
以上のような構成の表示装置50においては、第1実施形態〜第4実施形態で説明したように、機能性の向上が図られた薄膜トランジスタ(半導体装置)を用いて画素回路が構成されている。これにより、画素の高集積化と高機能化を達成することが可能になる。
【0148】
尚、上述した本第5実施形態では、本発明の表示装置の一例として有機EL表示装置を示した。しかしながら本発明の表示装置は薄膜トランジスタを用いた表示装置、特に薄膜トランジスタを画素電極に接続させたアクティブマトリックス型の表示装置に広く適用可能であり、同様の効果を得ることができる。このような表示装置としては、例えば液晶表示装置や電気泳動型表示装置が例示され、同様の効果を得ることができる。
【0149】
≪6.第6実施形態≫
図14〜18には、本発明に係る電子機器の一例を説明する。ここで説明する電子機器は、例えば第5実施形態で説明した表示装置を表示部として用いた電子機器であることとする。尚、第5実施形態で一例を説明した本発明の表示装置は、電子機器に入力された映像信号、さらに電子機器内で生成した映像信号を表示するあらゆる分野の電子機器における表示部に適用することが可能である。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
【0150】
図14は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
【0151】
図15は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0152】
図16は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0153】
図17は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0154】
図18は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含んでいる。このうちディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0155】
尚、上述した第6実施形態では、本発明の電子機器の一例として、表示部を有する電子機器の各例を示した。しかしながら本発明の電子機器は、このような表示部を用いた物への適用に限定されることはなく、薄膜トランジスタを導電性パターンに接続させた状態で搭載した電子機器に広く適用可能である。このような例として、IDタグ、センサー等の電子機器への適用が可能であり、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0156】
1,2,3,4…半導体装置(薄膜トランジスタ)
11…基板
13…ゲート電極
15…ゲート絶縁膜
17,17’…有機半導体層
17-1…厚膜部
17-2…薄膜部
19s…ソース電極
19d…ドレイン電極
31…保護膜
35…第1層
37…第2層
55…画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を幅方向に覆う状態で当該ゲート電極の上部に重ねて配置され、前記ゲート電極の幅方向の中央部に配置された厚膜部と、当該厚膜部よりも薄い膜厚を有して当該ゲート電極の幅方向の両端に配置された薄膜部とを有する有機半導体層と、
前記ゲート電極を幅方向から挟んだ状態で対向配置されると共に前記有機半導体層の薄膜部上に端部が積層されたソース電極およびドレイン電極とを備えた
半導体装置。
【請求項2】
前記有機半導体層は、前記厚膜部が前記ゲート電極の幅の範囲内に設けられ、前記薄膜部が当該厚膜部から当該ゲート電極の幅方向の外側に延設されている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記有機半導体層は、前記ゲート電極の幅の範囲内に設けられた第1層と、当該第1層を覆う状態で設けられた第2層とで構成された
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ソース電極およびドレイン電極は、前記有機半導体層における前記厚膜部にまで達して積層されている
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ソース電極およびドレイン電極の端部は、前記ゲート電極の幅方向の端縁と平面視的に一致して配置されている
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記有機半導体層は、前記厚膜部の上面が絶縁性の保護膜で覆われている
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項7】
薄膜トランジスタと当該薄膜トランジスタに接続された画素電極とを有し、
前記薄膜トランジスタは、
基板上のゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を幅方向に覆う状態で当該ゲート電極の上部に重ねて配置され、前記ゲート電極の幅方向の中央部に配置された厚膜部と、当該厚膜部よりも薄い膜厚を有して当該ゲート電極の幅方向の両端に配置された薄膜部とを有する有機半導体層と、
前記ゲート電極を幅方向から挟んだ状態で対向配置されると共に前記有機半導体層の薄膜部上に端部が積層されたソース電極およびドレイン電極とを備えた
表示装置。
【請求項8】
前記有機半導体層は、前記厚膜部が前記ゲート電極の幅の範囲内に設けられ、前記薄膜部が当該厚膜部から当該ゲート電極の幅方向の外側に延設されている
請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
基板上のゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極を幅方向に覆う状態で当該ゲート電極の上部に重ねて配置され、前記ゲート電極の幅方向の中央部に配置された厚膜部と、当該厚膜部よりも薄い膜厚を有して当該ゲート電極の幅方向の両端に配置された薄膜部とを有する有機半導体層と、
前記ゲート電極を幅方向から挟んだ状態で対向配置されると共に前記有機半導体層の薄膜部上に端部が積層されたソース電極およびドレイン電極とを備えた薄膜トランジスタを有する
電子機器。
【請求項10】
前記有機半導体層は、前記厚膜部が前記ゲート電極の幅の範囲内に設けられ、前記薄膜部が当該厚膜部から当該ゲート電極の幅方向の外側に延設されている
請求項9記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−38923(P2012−38923A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177798(P2010−177798)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】