説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】半導体装置に記憶された情報のセキュリティ性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】半導体基板20上に多層配線層を形成する。そして、多層配線層のうち最上層配線層に配線42を形成する。配線42上に酸化シリコン膜43、有色薄膜44および酸化シリコン膜45を順次形成し、酸化シリコン膜45上に表面保護膜となる窒化シリコン膜46を形成する。すなわち、本発明の特徴は、最上層配線層を構成する配線42と表面保護膜となる窒化シリコン膜46の間に有色薄膜44を形成する。この有色薄膜44は、可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる機能を有し、例えば、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜より形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、IC(Integrated Circuit)カードのようなセキュリティ性の必要な半導体装置およびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
国際公開WO03/015169号パンフレット(特許文献1)には、半導体装置に記憶された情報のセキュリティ性を向上させることができる技術が開示されている。具体的には、半導体チップに形成された集積回路に駆動電圧を供給する電源電圧供給用の配線を、半導体チップの主面を覆うように配置する。そして、半導体チップに記憶された情報を解析するために配線を除去してしまうと、集積回路が動作せず、情報解析ができないようにしている。さらに、配線の加工を検出する加工検出回路を設ける。この加工検出回路により配線の加工を検出すると、集積回路にリセットがかかるようになっている。
【0003】
特開2000−183291号公報(特許文献2)には、回路構成部の解析が困難であり、他人による複製、模倣、情報の改ざんを防止する半導体装置が開示されている。具体的には、半導体チップの回路構成部上に形成された保護膜上に、光を通しにくい導電性金属膜と染色した酸化アルミニウム膜とを積層して形成するとしている。
【特許文献1】国際公開WO03/015169号パンフレット
【特許文献2】特開2000−183291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ICカード(半導体装置)は、内蔵したCPU(Central Processing Unit)の機能によりメモリのリード/ライトが管理され、暗号処理をカード自身に持たせた高いセキュリティ機能を有している。そして、記憶容量が磁気カードに比べて大きいことから、例えば、金融、流通、医療、交通、運輸または教育分野などにおける情報記憶媒体として使用が検討されている。
【0005】
一般的なICカードは、名刺サイズほどのプラスチック薄板の一部に凹部を形成し、この凹部内にパッケージングされた半導体チップを埋め込むことで構成されている。そして、半導体チップには、多層配線およびMISFETなどの素子が形成され、最上層に表面保護膜が形成されている。このように構成されたICカードには、高いセキュリティ性が要求され、半導体チップの内部に形成された多層配線のレイアウト情報などを読み取られにくくして、半導体チップの内部に形成されている集積回路を解析しにくくすることが重要である。
【0006】
ICカードなどの半導体装置に記憶された情報のセキュリティ性を向上させる技術として、半導体チップに形成する配線層でセキュリティシールドパターンを形成する技術がある。例えば、配線間の空き領域を埋めるダミーパターンや偽配線を形成して、多層配線のレイアウト情報を読み取りにくくする技術がある。また、例えば、半導体チップに形成されるマスクROM(Read Only Memory)、Logic回路、SRAM(Static Random Access Memory)などの1つの機能モジュールを覆うような比較的大面積のベタパターンを形成し、このベタパターンの下に存在する機能モジュールを見えにくくする技術がある。さらには、電源配線とGND配線とを隣り合わせに形成した配線パターンを敷き詰め、オープンあるいはショートのいずれかを電気的に検知すると、半導体チップに形成されている集積回路を強制的にリセットする、いわゆるアクティブシールド技術がある。
【0007】
一方、近年、半導体チップに向けて光を照射し、半導体チップに形成されているpn接合などに電流を流してICカードを誤動作させる技術に対する耐性も求められている。この問題に対応するために、pn接合などで光を検知し、半導体チップに形成されている集積回路を強制的にリセットする光検出器を半導体チップ内に埋め込む技術がある。さらに、半導体チップの最上層に形成されている表面保護膜(パッシベーション膜)上に光を透過させない材料を設ける技術がある。
【0008】
しかし、機能モジュールを覆うベタパターンを形成する技術では、レーザ光やフラッシュ光などの光を遮る効果は大きいが、物理的な手法、例えば、FIB(Focused ion beam)などによって比較的簡単に除去できる問題点がある。
【0009】
一方、アクティブシールド技術は、物理的な手法で除去しようとすると、オープンまたはショートを検知して集積回路をリセットするため、物理的なアタックには強い。ところが、配線スペースから光が透過するため、光を用いたアタックには弱い問題点がある。この点は、ダミーパターンを形成する技術においても同様である。
【0010】
ここで、ベタパターンを形成する技術とアクティブシールド技術とを組み合わせることで、両者の長所を得ることは可能であるが、結果的に実配線とは関係ない配線層が増加することになり、半導体装置のコストが上昇する問題点がある。
【0011】
さらに、光検出器を半導体チップ内に設ける技術では、半導体チップ内に設けることができる光検出器の数が限られているため、集光された光やレーザ光のようにビームを絞った光を、光検出器を避けて照射されると検知できない問題点がある。また、表面保護膜の外部に設けた遮光材料は、半導体チップそのものに影響を与えることなく容易に除去することが可能である問題点がある。
【0012】
本発明の目的は、半導体装置に記憶された情報のセキュリティ性を向上させる技術を提供することにある。
【0013】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0015】
本発明による半導体装置は、(a)半導体基板上に形成された最上層配線層と、(b)前記最上層配線層上に形成された層間絶縁膜と、(c)前記層間絶縁膜上に形成された表面保護膜とを備える。そして、前記層間絶縁膜に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜が形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に配線層を形成する工程と、(b)前記配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、(c)前記層間絶縁膜上に表面保護膜を形成する工程とを備える。そして、前記(b)工程は、(d)可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0018】
半導体チップの層間絶縁膜内に有色薄膜を形成しているので、半導体チップ内の回路情報を読み取られる可能性を少なくし、また、光照射による誤動作を起こりにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0021】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0022】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0023】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1におけるICカード(半導体装置)1の全体平面図を示している。そして、図2は、図1のA−A線で切断した断面図を示している。
【0025】
ICカード1は、例えば電子マネー、クレジットカード、携帯電話機、有料衛星放送受信機、身分証明書、免許書、保険証、電子カルテ、電子乗車券など、金融、流通、医療、交通、運輸または教育などにおける各種の情報記憶媒体として使用されている。このICカード1は、例えば平面長方形状のプラスチックの薄板からなる。ICカード1の縦横寸法は、例えば85.47〜85.72×53.92〜54.03mm程度、厚さは、例えば0.68〜1.84mm程度である。
【0026】
ICカード1の主面側の一部には、平面略矩形状の情報格納領域2が設けられている。この情報格納領域2には、図2に示すように、溝3が形成されており、この溝3内に半導体チップ4を内包するパッケージ5が埋め込まれている。情報格納領域2の縦横寸法は、例えば、11.4×12.6mm程度である。
【0027】
半導体チップ4は、その主面(デバイス形成面)を溝3の底部に向け、かつ、裏面をパッケージ基板5aに接合させた状態で、パッケージ基板5a上に実装されている。半導体チップ4には、ボンディングパッドが形成されており、このボンディングパッドは、例えば金(Au)などからなるボンディングワイヤ5bを介して、パッケージ基板5aに形成されているランド(電極)と電気的に接続されている。このような半導体チップ4およびボンディングワイヤ5bは、例えばエポキシ系樹脂などからなる封止樹脂5cによって封止されている。パッケージ基板5aの裏面、すなわち、半導体チップ4を実装している実装面とは反対側の面は、ICカード1の表面側に面している。このパッケージ基板5aの裏面には、パッケージ基板5aの表面(半導体チップ4の実装面)に形成されているランド(電極)と電気的に接続されている複数の電極が形成されており、これを通じて外部から半導体チップ4に対してアクセスが可能となっている。すなわち、ICカード1の表面に形成されている複数の電極を介して、ICカード1の内部に埋め込まれた半導体チップ4とデータの授受が行なうことができるようになっている。
【0028】
半導体チップ4の実装方式は、図2に示したものに限定されるものではなく、例えば図3に示すようなフェイスダウンボンディング方式を採用してもよい。すなわち、半導体チップ4の外部端子上にバンプ電極5dが形成され、かつ、半導体チップ4の主面をパッケージ基板5aに向けた状態で、半導体チップ4をパッケージ基板5aに実装する方式を採用してもよい。半導体チップ4は、バンプ電極5dを介してパッケージ基板5aに形成されている配線と電気的に接続されている。
【0029】
次に、半導体チップ4に形成された集積回路のレイアウト構成について説明する。図4は、半導体チップ4に形成されたそれぞれの素子のレイアウト構成を示した上面図である。図4において、チップ4は、CPU(Central Processing Unit)12、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)15、アナログ回路16、ボンディングパッド17を有している。
【0030】
CPU(回路)12は、中央演算処理装置とも呼ばれ、コンピュータなどの心臓部にあたる。このCPU12は、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なうものであり、処理の高速性が要求される。したがって、CPU12を構成しているMISFETには、半導体チップ4に形成されている素子の中で、相対的に大きな電流駆動力が必要とされる。すなわち低耐圧MISFETで形成される。
【0031】
ROM(回路)13は、記憶情報が固定され変更できないメモリで、読み出し専用メモリと呼ばれる。ROM13の構成には、MISFETを直列接続したNAND型と、MISFETを並列接続したNOR型がある。NAND型は、集積密度重視であるのに対し、NOR型は、動作速度重視の目的で使用されることが多い。このROM13も動作の高速性が要求されるため、ROM13を構成しているMISFETには、相対的に大きな電流駆動力が必要とされる。すなわち低耐圧MISFETで形成される。
【0032】
RAM(回路)14は、記憶情報をランダムに、すなわち随時記憶されている記憶情報を読み出したり、記憶情報を新たに書き込んだりすることができるメモリであり、随時書き込み読み出しができるメモリとも呼ばれる。ICメモリとしてのRAM14には、ダイナミック回路を用いたDRAM(Dynamic RAM)とスタティック回路を用いたSRAM(Static RAM)の2種類がある。DRAMは、記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリであり、SRAMは、記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリである。これらRAM14も動作の高速性が要求されるため、RAM14を構成しているMISFETには、相対的に大きな電流駆動力が必要とされている。すなわち低耐圧MISFETで形成される。
【0033】
EEPROM15は、書き込み動作および消去動作とも電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一種であり、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリとも呼ばれる。このEEPROM15のメモリセルは、記憶(メモリ)用の例えばMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタやMNOS(Metal Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタから構成される。EEPROM15の書き込み動作および消去動作には、例えばファウラーノルドハイム型トンネル現象を利用する。なお、ホットエレクトロンやホットホールを用いて書き込み動作や消去動作させることも可能である。
【0034】
EEPROM15の書き込み動作時などには、記憶用のMONOS型トランジスタに高い電位差(12V程度)が生じるため、記憶用のMONOS型トランジスタとして、相対的に高耐圧のトランジスタが必要とされる。
【0035】
アナログ回路16は、時間的に連続して変化する電圧や電流の信号、すなわちアナログ信号を扱う回路であり、例えば増幅回路、変換回路、変調回路、発振回路、電源回路などから構成されている。これらアナログ回路16は、半導体チップ4に形成された素子の中で、相対的に高耐圧の高耐圧MISFETが使用される。
【0036】
ボンディングパッド17は、外部接続用の電極である。すなわち、半導体チップ4に形成された集積回路は、このボンディングパッド17を介して外部と接続されるようになっている。例えば、このボンディングパッド17が図2に示したボンディングワイヤ5bと接続され、ボンディングワイヤ5bとパッケージ基板5aのランドが接続されている。このように半導体チップ4は、ボンディングパッド17を介して外部と電気的に接続するようになっている。
【0037】
次に、半導体チップ4の内部に形成されている素子構造の一例について図5を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態1における半導体装置の構造を示した断面図である。図5では、CMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されている領域の断面を示している。
【0038】
図5において、例えばシリコン単結晶よりなる半導体基板20には、素子分離領域21が形成されている。素子分離領域21は、素子間を分離して素子が互いに干渉することを防止するために設けられており、この素子分離領域21によって分離された活性領域に素子が形成される。
【0039】
素子分離領域21によって分離された活性領域のうち、nチャネル型MISFET形成領域にはp型ウェル22が形成され、pチャネル型MISFET形成領域にはn型ウェル23が形成されている。p型ウェル22は、半導体基板20内にホウ素(B)などのp型不純物を導入した半導体領域であり、n型ウェル23は、半導体基板20内にリン(P)や砒素(As)などのn型不純物を導入した半導体領域である。
【0040】
まず、p型ウェル22に形成されたnチャネル型MISFETQの構成について説明する。nチャネル型MISFETQは、p型ウェル22上に、例えば酸化シリコン膜よりなるゲート絶縁膜24を有しており、このゲート絶縁膜24上に、例えばポリシリコン膜よりなるゲート電極25aを有している。ゲート電極25a上には、ゲート電極25aを保護するためのキャップ絶縁膜26が形成されている。キャップ絶縁膜26は、例えば酸化シリコン膜から形成されている。
【0041】
ゲート電極25aの両側の側壁には、サイドウォール27が形成され、サイドウォール27下の半導体基板20内には、半導体領域である低濃度n型不純物拡散領域28が形成されている。そして、サイドウォール27に整合して高濃度n型不純物拡散領域29が形成されている。サイドウォール27は、例えば酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。また、低濃度n型不純物拡散領域28および高濃度n型不純物拡散領域29には、リンや砒素などのn型不純物が導入されており、この低濃度n型不純物拡散領域28および高濃度n型不純物拡散領域29によってLDD(Lightly Doped Drain)構造のソース領域とドレイン領域が形成される。高濃度n型不純物拡散領域29には、低濃度n型不純物拡散領域28よりも高濃度にn型不純物が導入されている。
【0042】
次に、n型ウェル23に形成されたpチャネル型MISFETQの構成について説明する。pチャネル型MISFETQは、n型ウェル23上に、例えば酸化シリコン膜よりなるゲート絶縁膜24を有しており、このゲート絶縁膜24上に、例えばポリシリコン膜よりなるゲート電極25bを有している。ゲート電極25b上には、ゲート電極25bを保護するためのキャップ絶縁膜26が形成されている。キャップ絶縁膜26は、例えば酸化シリコン膜から形成されている。
【0043】
ゲート電極25bの両側の側壁には、サイドウォール27が形成され、サイドウォール27下の半導体基板20内には、半導体領域である低濃度p型不純物拡散領域30が形成されている。そして、サイドウォール27に整合して高濃度p型不純物拡散領域31が形成されている。サイドウォール27は、例えば酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。また、低濃度p型不純物拡散領域30および高濃度p型不純物拡散領域31には、ホウ素などのp型不純物が導入されており、この低濃度p型不純物拡散領域30および高濃度p型不純物拡散領域31によってLDD構造のソース領域とドレイン領域が形成される。高濃度p型不純物拡散領域31には、低濃度p型不純物拡散領域30よりも高濃度にp型不純物が導入されている。
【0044】
なお、図示はしないが、本実施の形態1のゲート電極25a、25b上、高濃度n型不純物拡散領域29上および高濃度p型不純物拡散領域31上に、コバルトシリサイド等の金属シリサイド層を形成しても良い。この場合、ゲート電極25a、25b上のキャップ絶縁膜26は形成しない。このような金属シリサイド層を形成することで、表面の接触抵抗を低減することができる。なお、金属シリサイド層の他の材料として、ニッケルシリサイドまたはチタンシリサイド等を例示できる。
【0045】
このようにして、半導体基板20上にはnチャネル型MISFETQおよびpチャネル型MISFETQが形成されている。続いて、nチャネル型MISFETQおよびpチャネル型MISFETQの上部に形成されている配線構造について説明する。
【0046】
nチャネル型MISFETQおよびpチャネル型MISFETQ上には、窒化シリコン膜32および酸化シリコン膜33が形成されている。これら窒化シリコン膜32および酸化シリコン膜33により層間絶縁膜が形成されており、この層間絶縁膜にコンタクトホール34が形成されている。コンタクトホール34の底部は、高濃度n型不純物拡散領域29あるいは高濃度p型不純物拡散領域31に達している。
【0047】
コンタクトホール34の内部には、導体膜が埋め込まれてプラグ35が形成されている。プラグ35は、例えばバリア導体膜とタングステン膜の積層膜から形成されている。バリア導体膜は、タングステン膜を構成するタングステンがプラグ35の外部に拡散することを防止する機能を有しており、例えばチタン/窒化チタン膜の積層膜から形成されている。
【0048】
プラグ35の上部には、プラグ35へ電気的に接続するように第1配線層となる配線36が形成されている。配線36は、例えばチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜およびチタン/窒化チタン膜の積層膜から形成されている。なお、アルミニウム膜に変えてアルミニウム合金膜を使用してもよい。
【0049】
次に、配線36を覆うように層間絶縁膜となる酸化シリコン膜37が形成されており、この酸化シリコン膜37を貫通するようにプラグ38が形成されている。プラグ38の底部は、配線36に達している。そして、プラグ38の上部には、第2配線層となる配線39が形成されている。
【0050】
配線39の周囲を覆うように層間絶縁膜となる酸化シリコン膜40が形成されており、この酸化シリコン膜40を貫通するようにプラグ41が形成されている。プラグ41の底部は、配線39に達しており、プラグ41と配線39は電気的に接続されている。
【0051】
プラグ41の上部には、プラグ41へ電気的に接続するように最上層配線層となる配線42が形成されている。そして、配線42の周囲を覆うように酸化シリコン膜43が形成されている。酸化シリコン膜43上には、有色薄膜44が形成されており、この有色薄膜44上に酸化シリコン膜45が形成されている。酸化シリコン膜45上には、表面保護膜となる窒化シリコン膜46が形成されている。表面保護膜は、最上層に形成される膜であり、半導体チップを機械的応力や不純物の侵入を保護する機能を有している。図5では、配線層が3層である場合を示しているが、これは一例であり、配線層の数が3層以上であっても、または3層以下であっても本発明を適用することができる。
【0052】
ここで、本実施の形態1における特徴の1つは、有色薄膜44を設けた点にある。すなわち、半導体基板20上に形成された最上層配線層(配線42)と、最上層配線層上に形成された層間絶縁膜(酸化シリコン膜43および酸化シリコン膜45)と、層間絶縁膜上に形成された表面保護膜(窒化シリコン膜46)とを備える半導体装置において、層間絶縁膜に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜44が形成されていることを特徴とするものである。
【0053】
このように、有色薄膜44を形成することによって、有色薄膜44の下層に形成されている配線パターンを見えなくすることができる。したがって、半導体チップの内部に形成された多層配線のレイアウト情報などを読み取られにくくして、半導体チップの内部に形成されている集積回路を解析しにくくすることができる。つまり、ICカードなどに使用される半導体チップにおいて、情報の高セキュリティ性を確保することができる。
【0054】
従来、層間絶縁膜には、有色薄膜が形成されていなかった。すなわち、層間絶縁膜に酸化シリコン膜が使用され、表面保護膜として窒化シリコン膜が使用されている。酸化シリコン膜および窒化シリコン膜は、可視光を透過させるため、例えば顕微鏡などを用いて、下層に形成されている配線パターンを見ることが可能となっていた。そして、この配線パターンを読み取って、半導体チップに形成されている集積回路の解析を行うことにより、不正改竄などに悪用されるおそれがあった。
【0055】
ここで、半導体チップのセキュリティ性を向上させる技術として、1つの機能モジュールを覆うような比較的大面積のベタパターンを形成し、このベタパターンの下に存在する機能モジュールを見えにくくする技術がある。この技術によれば、レーザ光やフラッシュ光などの光を遮る効果は大きいが、物理的な手法によって比較的簡単に除去できてしまう。また、電源配線とGND配線とを隣り合わせに形成した配線パターンを敷き詰め、オープンあるいはショートのいずれかを電気的に検知すると、半導体チップに形成されている集積回路を強制的にリセットする、いわゆるアクティブシールド技術がある。この技術によれば、物理的な手法で除去しようとすると、オープンまたはショートを検知して集積回路をリセットするため、物理的なアタックには強い。ところが、配線スペースから光が透過するため、光を用いたアタックには弱い。すなわち、半導体チップに向けてレーザ光を照射し、半導体チップに形成されているpn接合などに電流を流してICカードを誤動作させる技術に対しては弱い。同様に、ダミーパターンや偽配線を形成して、多層配線のレイアウト情報を読み取りにくくする技術があるが、配線スペースから光が透過するため、光を用いたアタックには弱い。
【0056】
光を用いたアタックに対しては、光検出器を半導体チップ内に設ける技術がある。しかし、半導体チップ内に設けることができる光検出器の数が限られているため、集光された光やレーザ光のようにビームを絞った光を、光検出器を避けて照射されると検知できない。さらに、表面保護膜の外部に遮光材料を設ける技術がある。しかし、この技術では、半導体チップそのものに影響を与えることなく遮光材料を容易に除去することが可能である。
【0057】
そこで、本実施の形態1では、図5に示すように、層間絶縁膜に有色薄膜44を設けている。この有色薄膜44は、第1の機能として可視光を減衰させる機能を有している。ここで、可視光とは、波長が380nm以上800nm以下の光をいう。有色薄膜44は、可視光のすべての波長域の光を減衰させる必要はなく、可視光のうち一部の光を減衰させる機能を有していればよい。すなわち、有色薄膜44は、黒色である場合だけでなく、その他の色をしていてもよい(有色という)。つまり、有色薄膜44は、可視光に含まれるすべての波長域の光を透過させて透明となる以外であればよい。このような有色薄膜44を層間絶縁膜に設けているので、顕微鏡などで半導体チップを観察しても、有色薄膜44の下層に形成されている配線パターン(配線42、配線39、配線36)を読み取ることができなくなる。このため、半導体チップに形成されている集積回路の解析を行うことが困難となり、半導体チップのセキュリティ性を向上させることができる。
【0058】
次に、有色薄膜44の第2の機能として特定波長域のレーザ光を減衰させる機能を有している。これにより、レーザ光を半導体チップに照射しても、半導体基板20に形成されているpn接合などにレーザ光が届かないため、pn接合などに電流を流して半導体装置を誤動作させることを防止できる。すなわち、半導体基板20の上層に有色薄膜44が設けられており、この有色薄膜44によってレーザ光を減衰させて遮光するため、半導体基板20に形成されているpn接合にレーザ光が照射されることを防止できるのである。レーザ光の特定波長域とは、例えば500nm以上600nm以下の波長域をいい、例えば532nmの波長を有するレーザ光を減衰させる機能を有している。また、レーザ光の特定波長域は、これに限らず、例えば、266nm、355nm、1064nmなどのレーザ光を減衰させる機能を有していてもよい。つまり、工業的に一般的に使用されるNd:YAGレーザなどのレーザ光を減衰させる機能を有していればよい。
【0059】
このように、本実施の形態1における有色薄膜44は、第1の機能および第2の機能を有しているので、光を用いたアタックに対する耐性を向上させることができる。特に、有色薄膜44は、半導体基板20の主面上の全面に形成されているので、光が透過する隙間が形成されない利点を有している。このため、レーザ光のようにビームを絞った光を照射されても遮蔽できる顕著な効果を奏する。
【0060】
次に、本実施の形態1における特徴の1つは、最上層配線層を構成する配線42と表面保護膜となる窒化シリコン膜46の間に有色薄膜44が形成されている点である。すなわち、配線42と窒化シリコン膜46の間には、層間絶縁膜となる酸化シリコン膜43、45が形成されており、この酸化シリコン膜43と酸化シリコン膜45の間に有色薄膜44が形成されている。このように有色薄膜44を配線42よりも上部に形成することにより、配線42による配線パターン、配線39による配線パターンおよび配線36による配線パターンのすべての配線パターンを読み取ることができなくなる。さらに、半導体基板20に形成された素子形成パターン(nチャネル型MISFETQおよびpチャネル型MISFETQやメモリセルなど)も読み取ることができなくなる。このため、半導体チップのセキュリティ性を向上させることができる。
【0061】
一方、有色薄膜44を表面保護膜である窒化シリコン膜46よりも下層に形成することにより、物理的なアタックに対する耐性も向上させることができる。つまり、前述の背景技術に示した特開2000−183291号公報の構成のように、表面保護膜である窒化シリコン膜46よりも上部に有色薄膜44を形成した場合、表面保護膜よりも上層に有色薄膜44が形成されているので、半導体チップに影響を与えることなく除去することができる。これに対し、本実施の形態1のように、有色薄膜44を窒化シリコン膜46よりも下層に形成している場合、まず、表面保護膜である窒化シリコン膜46を除去する必要がある。さらに、酸化シリコン膜45を除去した後に、有色薄膜44を除去することになる。このとき、配線42などもダメージを受けることになり、配線42によるパターンの解析に不都合が生じることになる。したがって、有色薄膜44を窒化シリコン膜46よりも下層に形成することにより、半導体チップに影響を与えることなく有色薄膜44を除去することが困難となる。すなわち、有色薄膜44の物理的なアタックに対する耐性も向上させることができる。
【0062】
以上のことから、有色薄膜44を設けることにより、光を用いたアタックに対する耐性を向上させることができるとともに、有色薄膜44を表面保護膜である窒化シリコン膜46よりも下層に設けることで、物理的なアタックに対する耐性も向上させることができる。
【0063】
続いて、有色薄膜44に用いる材料について説明する。有色薄膜44として、まず、有色絶縁膜を使用することができる。有色絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜に金属酸化物を添加したものを挙げることができる。具体的には、酸化シリコン膜をSOG(Spin On Glass)によって形成したSOG膜から形成し、このSOG膜を形成する際、金属酸化物として酸化コバルトを混合することによって有色絶縁膜を形成することができる。このとき、有色絶縁膜の膜厚は、可視光(一部の場合も含む)および特定波長域のレーザ光を遮光するように形成する必要があり、例えば、100nm以上2μm以下にすることによって遮光する効果を充分に得ることができる。また、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜から有色薄膜44を形成することにより、FIBなどで除去することが困難となり、半導体装置のセキュリティ性を向上させることができる。すなわち、有色薄膜44をベタパターンのように金属膜などから形成すると、FIBなどの物理的手法によって簡単に除去できる。しかし、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜のように、酸化シリコン膜自体に有色物質を混合するように構成することにより、除去することが困難にすることができる。したがって、半導体装置のセキュリティ性を確保することができる。
【0064】
また、有色薄膜44として、有色の導体膜を使用することができる。つまり、本実施の形態1では、有色薄膜44を最上層配線層である配線42よりも上部に形成されているので、有色の導体膜も使用することができる。有色の導体膜としては、例えば、黒鉛(カーボン)膜を挙げることができる。黒鉛膜は黒色であるので、可視光および特定波長域のレーザ光を充分に遮光することができる。例えば、有色薄膜44として黒鉛膜を使用する場合、その膜厚を、例えば30nm以上50nm以下にすることで充分な効果が得られる。黒鉛膜は、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成することができる。
【0065】
本実施の形態1における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0066】
まず、図6に示すように、半導体基板20に素子分離領域21を形成する。素子分離領域21は、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)法を用いて形成することができる。つまり、半導体基板20に素子分離溝を形成し、この素子分離溝に酸化シリコン膜を埋め込んだ後、化学的機械的研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing)で研磨することにより形成できる。そして、素子分離領域21で分離された活性領域に、通常の技術を用いてnチャネル型MISFETQを形成する。同様に、pチャネル型MISFETQも形成するが、図示を省略する。
【0067】
次に、図7に示すように、nチャネル型MISFETQを形成した半導体基板20上に窒化シリコン膜32を形成し、この窒化シリコン膜32上に酸化シリコン膜33を形成する。窒化シリコン膜32および酸化シリコン膜33は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。この窒化シリコン膜32および酸化シリコン膜33により層間絶縁膜が形成される。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜33および窒化シリコン膜32を貫通するコンタクトホール34を形成する。そして、コンタクトホール34内を含む酸化シリコン膜33上にチタン/窒化チタン膜とタングステン膜の積層膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができ、タングステン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。その後、CMP法を使用して酸化シリコン膜33上に形成されている不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を除去することにより、プラグ35を形成する。
【0068】
続いて、図8に示すように、プラグ35を形成した酸化シリコン膜33上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜およびチタン/窒化チタン膜を形成する。これらの積層膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの積層膜をパターニングして、第1配線層を構成する配線36を形成する。なお、アルミニウム膜に変えてアルミニウム合金膜を形成してもよい。
【0069】
次に、図9に示すように、配線36を形成した酸化シリコン膜33上に酸化シリコン膜37を形成する。この酸化シリコン膜37は層間絶縁膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜37に接続孔を形成する。その後、接続孔へ埋め込むように、チタン/窒化チタン膜とタングステン膜からなる積層膜を形成し、酸化シリコン膜37上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜とタングステン膜をCMP法で除去することにより、プラグ38を形成する。このプラグ38は、配線36と電気的に接続するように形成されている。
【0070】
続いて、図10に示すように、プラグ38を形成した酸化シリコン膜37上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜およびチタン/窒化チタン膜を形成する。これらの積層膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの積層膜をパターニングして、第2配線層を構成する配線39を形成する。
【0071】
次に、図11に示すように、配線39を形成した酸化シリコン膜37上に酸化シリコン膜40を形成する。この酸化シリコン膜40は層間絶縁膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜40に接続孔を形成する。その後、接続孔へ埋め込むように、チタン/窒化チタン膜とタングステン膜からなる積層膜を形成し、酸化シリコン膜40上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜とタングステン膜をCMP法で除去することにより、プラグ41を形成する。このプラグ41は、配線39と電気的に接続するように形成されている。
【0072】
続いて、図12に示すように、プラグ41を形成した酸化シリコン膜40上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜およびチタン/窒化チタン膜を形成する。これらの積層膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの積層膜をパターニングして、最上層配線層を構成する配線42a、42bを形成する。
【0073】
その後、図13に示すように、配線42a、42b上を含む酸化シリコン膜40上に酸化シリコン膜43を形成する。酸化シリコン膜43は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、図14に示すように、酸化シリコン膜43上に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜44を形成する。ここでは、有色薄膜44の一例として酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜を形成する場合について、図15を参照して説明する。
【0074】
まず、シリカを溶解させた溶液を用意する(S101)。そして、シリカを溶解させた溶液に酸化コバルトを混合させる(S102)。その後、酸化コバルトとシリカを含有した溶液を酸化シリコン膜43(半導体基板20)上に塗布する(S103)。次に、半導体基板20に対して熱処理を施す(S104)。これにより、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜(SOG膜)からなる有色薄膜44を形成することができる(S105)。このとき、有色薄膜44の膜厚は、100nm以上2μm以下となるように形成する。一回の処理で上述した膜厚を有する有色薄膜44が形成できない場合は、図15に示した処理を複数回行なうことで、100nm以上2μm以下の膜厚を実現することができる。
【0075】
なお、有色薄膜44の一例として、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜を説明したが、有色薄膜44として、例えば、黒鉛膜を形成してもよい。黒鉛膜を形成するには、例えば、プラズマCVD法を使用することができる。このとき、黒鉛膜の膜厚は30nm以上50nm以下になるように形成する。
【0076】
次に、図16に示すように、有色薄膜44上に酸化シリコン膜45を形成する。酸化シリコン膜45は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。酸化シリコン膜43と酸化シリコン膜45が層間絶縁膜であり、この層間絶縁膜に有色薄膜44が形成されていることになる。
【0077】
続いて、図17に示すように、酸化シリコン膜45上に窒化シリコン膜46を形成する。この窒化シリコン膜46は外部からの汚染物質や水分の浸入等を防ぐ表面保護膜として機能する膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、図18に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜43、有色薄膜44、酸化シリコン膜45および窒化シリコン膜46を貫通する開口部を形成する。このとき、開口部の底部には、配線42bの一部が露出し、ボンディングパッド47が形成される。
【0078】
以上のようにして、本実施の形態1における半導体装置を形成することができる。
【0079】
本実施の形態1によれば、有色薄膜44を最上層配線層と表面保護膜の間に設けるように構成したので、光を用いたアタックに対する耐性を向上させることができるとともに、物理的手法を用いたアタックに対する耐性も向上させることができる。さらに、酸化コバルトを含有した酸化シリコン膜から有色薄膜44を構成するようにしたので、通常の酸化シリコン膜(SOG膜)の製造工程に酸化コバルトを混合する工程を追加するだけで有色薄膜44を形成できる利点がある。したがって、本実施の形態1によれば、安価な製造コストで半導体装置のセキュリティ性を確実に向上させることができる。同様に、黒鉛膜を使用する場合も通常の製造工程で使用されるプラズマCVD法によって形成できるので、安価な製造コストで半導体装置のセキュリティ性を確実に向上させることができる。
【0080】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、最上層配線層と表面保護膜の間に形成されている層間絶縁膜に有色薄膜を形成する例を説明した。本実施の形態2では、配線層間に形成されている層間絶縁膜に有色薄膜を形成する例について説明する。
【0081】
図19は、本実施の形態2における半導体装置の断面を示す断面図である。図19において、前記実施の形態1と異なる点は、第2配線層を構成する配線39と最上層配線層を構成する配線42の間に有色薄膜44が形成されている点である。つまり、前記実施の形態1では、最上層配線層の上部に有色薄膜44が形成されていたが、本実施の形態2では、第2配線層と最上層配線層の間の層間絶縁膜に有色薄膜44が形成されている。すなわち、配線39上には酸化シリコン膜50が形成されており、この酸化シリコン膜50上に有色薄膜44が形成されている。そして、有色薄膜44上に酸化シリコン膜51が形成されており、この酸化シリコン膜51上に配線42が形成されている。
【0082】
このように有色薄膜44を形成する場合においても、半導体装置のセキュリティ性を向上させることができる。なぜならば、有色薄膜44が可視光を減衰させて遮光するので、有色薄膜44の下層に形成されている配線パターン(配線39や配線36)のレイアウト構成を読み取りにくくすることができるからである。さらに、有色薄膜44は、特定波長域のレーザ光も減衰させて遮光するので、半導体基板20上に形成されたpn接合などにレーザ光が照射されることを防止でき、誤動作による解析などを困難にすることができる。
【0083】
ここで、本実施の形態2では、有色薄膜44の上部に最上層配線層が形成されているため、最上層配線層自体は、有色薄膜44によって保護されない。しかし、有色薄膜44の下層に形成されている配線39や配線36は、見えにくくなっている。したがって、集積回路を構成するすべての配線を解析することができないので、セキュリティ上問題はない。すなわち、すべての配線を読み取りにくくしなくても、一部の配線を読み取りにくくすることで、半導体装置のセキュリティ性を確保することができる。
【0084】
さらに、本実施の形態2では、前記実施の形態1よりも下層に有色薄膜44が形成されているので、この有色薄膜44を除去することは困難になっており、物理的なアタックに対する耐性を向上させることができる。つまり、本実施の形態2においては、有色薄膜44を除去するためには、窒化シリコン膜46、酸化シリコン膜43、配線42、酸化シリコン膜51などを除去する必要があり、有色薄膜44の除去には手間がかかることになる。また、有色薄膜44を除去するためには、配線42を除去する必要があり、有色薄膜44を除去しても、半導体装置を正常に動作させることはできなくなるので、解析を困難にすることができる。
【0085】
次に、有色薄膜44の材料について説明する。本実施の形態2では、図19に示すように、有色薄膜44がプラグ41と接触することになる。このため、有色薄膜44は絶縁膜であることが望ましい。導体膜で構成すると、すべてのプラグ41が導通してしまうからである。したがって、有色薄膜44は、例えば、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜から形成することができる。
【0086】
本実施の形態2における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0087】
図6から図10までは、前記実施の形態1と同様である。続いて、図20に示すように、配線39上を含む酸化シリコン膜37上に酸化シリコン膜50を形成する。この酸化シリコン膜50は層間絶縁膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、図21に示すように、酸化シリコン膜50上に有色薄膜44を形成する。この有色薄膜44は、例えば、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜から形成することができる。酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜の製造方法は前記実施の形態1と同様の方法で形成することができる。つまり、シリカを溶解させた溶液を用意する。そして、シリカを溶解させた溶液に酸化コバルトを混合させる。その後、酸化コバルトとシリカを含有した溶液を酸化シリコン膜50(半導体基板20)上に塗布する。次に、半導体基板20に対して熱処理を施す。これにより、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜(SOG膜)からなる有色薄膜44を形成することができる。この有色薄膜44の膜厚は、100nm以上2μm以下である。
【0088】
次に、図22に示すように、有色薄膜44上に、例えば、CVD法を使用して酸化シリコン膜51を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜51、有色薄膜44および酸化シリコン膜50に達する接続孔を形成する。このとき、接続孔の底部には、配線39が露出する。酸化シリコン膜50および酸化シリコン膜51が層間絶縁膜であり、この層間絶縁膜に有色薄膜44が形成されている。
【0089】
続いて、接続孔へ埋め込むように、チタン/窒化チタン膜とタングステン膜からなる積層膜を形成し、酸化シリコン膜40上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜とタングステン膜をCMP法で除去することにより、プラグ41を形成する。このプラグ41は、配線39と電気的に接続するように形成されている。
【0090】
次に、図23に示すように、プラグ41を形成した酸化シリコン膜51上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜およびチタン/窒化チタン膜を形成する。これらの積層膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの積層膜をパターニングして、最上層配線層を構成する配線42a、42bを形成する。
【0091】
続いて、図24に示すように、配線42a、42b上を含む酸化シリコン膜51上に酸化シリコン膜43を形成する。酸化シリコン膜43は、層間絶縁膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜43上に窒化シリコン膜46を形成する。この窒化シリコン膜46は表面保護膜として機能する膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。
【0092】
次に、図25に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜43および窒化シリコン膜46を貫通する開口部を形成する。このとき、開口部の底部には、配線42bの一部が露出し、ボンディングパッド47が形成される。以上のようにして、本実施の形態2における半導体装置を形成することができる。
【0093】
本実施の形態2では、図19に示すように、第2配線層を構成する配線39と最上層配線層を構成する配線42との間の層間絶縁膜に有色薄膜44を形成しているが、例えば、第1配線層を構成する配線36と第2配線層を構成する配線39との間の層間絶縁膜に有色薄膜44を形成するようにしても同様の効果が得られる。さらに、図26に示すように、nチャネル型MISFETQおよびpチャネル型MISFETQを形成した半導体基板20と、第1配線層を構成する配線36との間の層間絶縁膜に有色薄膜44を形成しても同様の効果が得られる。図26では、半導体基板20上に酸化シリコン膜52を形成し、この酸化シリコン膜52上に有色薄膜44を形成している。そして、この有色薄膜44上に酸化シリコン膜53を形成し、この酸化シリコン膜53上に第1配線層を構成する配線36を形成する。この場合、有色薄膜44が配線層の最下層に形成されるので、有色薄膜44の除去をさらに困難にすることができる。
【0094】
また、図27に示すように、層間絶縁膜に複数の有色薄膜を設けてもよい。図27では、第2配線層を構成する配線39上に酸化シリコン膜50が形成されており、この酸化シリコン膜50上に有色薄膜44aが形成されている。そして、有色薄膜44a上に酸化シリコン膜51が形成されており、酸化シリコン膜51上に最上層配線層を構成する配線42が形成されている。さらに、配線42上には酸化シリコン膜43が形成されており、この酸化シリコン膜43上に有色薄膜44bが形成されている。有色薄膜44b上には、酸化シリコン膜45が形成されている。このように第2配線層と最上層配線層との間に有色薄膜44aを形成するとともに、最上層配線層と窒化シリコン膜46の間に有色薄膜44bを形成することにより、半導体装置のセキュリティ性をさらに向上させることができる。例えば、複数の有色薄膜を形成することにより、有色薄膜の下層に形成される配線パターンをさらに読み取りにくくすることができるとともに、レーザ光を用いたアタックに対しても耐性を高めることができる。また、複数の有色薄膜を除去するためには煩雑な処理が必要となり物理的なアタックに対する耐性も高めることができる。
【0095】
また、1つの有色薄膜だけでは遮光性が充分でない場合、複数の有色薄膜を配線層に設けることによって、遮光性を確保できるような構成も可能である。つまり、1つの有色薄膜において遮光性を充分に確保できるだけの膜厚を確保できない場合、複数の層間絶縁膜に有色薄膜を形成することによって遮光性を確保できるようにしてもよい。
【0096】
なお、図27では、第2配線層と最上層配線層の間、および、最上層配線層と表面保護膜との間に有色薄膜44a、44bを設ける例について説明しているが、これに限らず、例えば、第1層配線層と第2配線層の間、および、第2配線層と最上層配線層との間などに有色薄膜を形成してもよい。さらに、3つ以上の有色薄膜を形成してもよい。
【0097】
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2では、層間絶縁膜に有色薄膜を形成する例について説明したが、本実施の形態3では、配線層と同層に有色薄膜を形成する例について説明する。
【0098】
以下に、本実施の形態3における半導体装置の製造方法について説明する。まず、図6、図7までは、前記実施の形態1と同様である。続いて、図28に示すように、プラグ35を形成した酸化シリコン膜33上に、窒化シリコン膜55、酸化シリコン膜56、有色薄膜44および酸化シリコン膜57を順次、積層して形成する。窒化シリコン膜55は、この後の工程で形成される銅配線の銅原子が半導体基板20中に拡散することを防止するためのバリア絶縁膜として機能する膜である。窒化シリコン膜55、酸化シリコン膜56および酸化シリコン膜57は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。
【0099】
有色薄膜44は、例えば、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜から形成され、例えば、前記実施の形態1で述べた方法により形成することができる。例えば、シリカを溶解させた溶液を用意する。そして、シリカを溶解させた溶液に酸化コバルトを混合させる。その後、酸化コバルトとシリカを含有した溶液を酸化シリコン膜56(半導体基板20)上に塗布する。次に、半導体基板20に対して熱処理を施す。これにより、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜(SOG膜)からなる有色薄膜44を形成することができる。この有色薄膜44の膜厚は、100nm以上2μm以下である。
【0100】
次に、図29に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜57、有色薄膜44、酸化シリコン膜56および窒化シリコン膜55を貫通する配線溝58を形成する。配線溝58の底部には、プラグ35が露出している。
【0101】
続いて、図30に示すように、配線溝58内を含む酸化シリコン膜57上にチタン/窒化チタン膜59および銅膜60を形成する。チタン/窒化チタン膜59は、例えば、スパッタリング法を使用することにより形成でき、銅膜60は、例えば、めっき法を使用して形成することができる。
【0102】
次に、図31に示すように、酸化シリコン膜57上に形成されている不要なチタン/窒化チタン膜59および銅膜60を、例えば、CMP法によって除去することにより、配線溝58に埋め込んだ埋め込み配線61を形成することができる。このとき、埋め込み配線61と同層に有色薄膜44を形成することができる。すなわち、埋め込み配線61と同層に形成されている層間絶縁膜に有色薄膜44が形成されている。この場合も、有色薄膜44よりも下層の構造を見えにくくすることができるので、半導体装置のセキュリティ性を向上させることができる。また、有色薄膜44と同層に埋め込み配線61が形成されているので、有色薄膜44を除去する場合、埋め込み配線61にもダメージを与えることになる。このため、半導体装置の解析を困難にすることができる。つまり、有色薄膜44を埋め込み配線61と同層に形成することにより、物理的なアタックに対する耐性も向上させることができる。
【0103】
図31に示すように、埋め込み配線61と有色薄膜44は接触することになるので、有色薄膜44は絶縁性を有する材料から形成する必要がある。一例として、上述したように、酸化コバルトを含有する酸化シリコン膜を使用することができる。
【0104】
この後の工程は、埋め込み配線を形成するシングルダマシン法あるいは埋め込み配線とプラグとを同時に形成するデュアルダマシン法を用いて配線層を形成するが、本実施の形態3では省略する。
【0105】
本実施の形態3では、第1配線層を構成する埋め込み配線61と同層に有色薄膜44を形成する例を示しているが、これに限らず、例えば、第2配線層と同層あるいは最上層配線層と同層に有色薄膜を形成するようにしてもよい。
【0106】
なお、前記実施の形態1、2では、アルミニウム膜を用いた配線について説明したが、銅配線を用いる場合であっても適用することができる。例えば、銅配線を形成する場合、配線は埋め込み配線となるが、複数層の埋め込み配線間に形成される層間絶縁膜に有色薄膜を用いてもよい。また、本実施の形態3では、銅配線を例に説明しているが、例えば埋め込み配線をアルミニウム膜から形成し、この埋め込み配線と同層に有色薄膜を形成するようにしてもよい。
【0107】
(実施の形態4)
前記実施の形態1〜3では有色薄膜を使用する例について説明したが、本実施の形態4では、屈折率の異なる複数の積層膜を使用して特定波長域のレーザ光を遮光する例について説明する。
【0108】
図32は、本実施の形態4における半導体装置の断面を示す断面図である。図32は、図5とほぼ同様であるので、異なる構成についてだけ説明する。図32において、図5と異なる点は、最上層配線層を構成する配線42と表面保護膜となる窒化シリコン膜46の間に特定波長域のレーザ光を遮光する積層膜が形成されている点である。すなわち、配線42上には、酸化シリコン膜65、炭化シリコン膜66および酸化シリコン膜67が形成されている。酸化シリコン膜65、67と炭化シリコン膜66とは屈折率が異なるので、その膜厚を調整することにより、特定波長域のレーザ光を遮光することができる。例えば、酸化シリコン膜65、67と炭化シリコン膜66の膜厚を所望の値にすることにより、波長が532nmの波長を有するレーザ光を減衰させる機能を有することができる。また、レーザ光の特定波長域は、これに限らず、例えば、266nm、355nm、1064nmなどのレーザ光を減衰させる機能を有していてもよい。つまり、工業的に一般的に使用されるNd:YAGレーザなどのレーザ光を減衰させる機能を有していればよい。
【0109】
このように屈折率の異なる積層膜からなる薄膜を形成することにより、レーザ光を用いたアタックに対する耐性を向上させることができ、半導体装置のセキュリティ性を向上させることができる。また、屈折率の異なる積層膜を表面保護膜よりも下層に設けることにより、除去が困難となり、物理的なアタックに対する耐性も向上させることができる。
【0110】
なお、本実施の形態4では、最上層配線層(配線42)と表面保護膜(窒化シリコン膜46)の間に屈折率の異なる積層膜を形成する例を示しているが、これに限らず、例えば、第2配線層(配線39)と最上層配線層(配線42)との間に屈折率の異なる積層膜を形成しても同様の効果が得られる。
【0111】
さらに、酸化シリコン膜65、67のいずれか一方に酸化コバルトを含有するようにして、有色薄膜とすることで、可視光を遮光する効果も得られる。すなわち、有色薄膜と炭化シリコン膜66の屈折率の違いを利用して、特定波長域のレーザ光を減衰させることができ、かつ、有色薄膜により可視光を減衰することが可能となる。
【0112】
本実施の形態4では、屈折率の異なる積層膜として酸化シリコン膜と炭化シリコン膜を例に挙げて説明したが、これに限らず、屈折率の異なる膜であれば、適宜選択することができ、さらに膜厚を調整することにより、特定波長域のレーザ光を遮光することができる。
【0113】
本実施の形態4における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0114】
図6から図12までは、前記実施の形態1と同様である。続いて、図33に示すように、特定波長域の光を減衰させる薄膜を形成する。具体的には、配線42a、42b上を含む酸化シリコン膜40上に酸化シリコン膜65を形成する。そして、酸化シリコン膜65上に炭化シリコン膜66を形成する。酸化シリコン膜65および炭化シリコン膜66は、例えば、CVD法を使用することにより形成することができる。次に、図34に示すように、炭化シリコン膜66上に酸化シリコン膜67を形成する。この酸化シリコン膜67も、例えば、CVD法を使用して形成することができる。
【0115】
このようにして、特定波長域の光を減衰させる薄膜を形成することができる。すなわち、屈折率の異なる酸化シリコン膜65、炭化シリコン膜66および酸化シリコン膜67よりなる積層膜を形成することができる。このとき、積層膜のそれぞれの膜厚は所望の値になるように形成されており、特定波長域のレーザ光を減衰させる機能を有している。
【0116】
次に、図35に示すように、酸化シリコン膜67上に窒化シリコン膜46を形成する。この窒化シリコン膜46は表面保護膜として機能する膜であり、例えば、CVD法を使用して形成することができる。
【0117】
次に、図36に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸化シリコン膜65、炭化シリコン膜66、酸化シリコン膜67および窒化シリコン膜46を貫通する開口部を形成する。このとき、開口部の底部には、配線42bの一部が露出し、ボンディングパッド47が形成される。以上のようにして、本実施の形態4における半導体装置を形成することができる。
【0118】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0119】
前記実施の形態1〜4に示した技術と、例えば、アクティブシールド技術や、ダミー配線を形成する技術などと組み合わせることにより、さらに、半導体装置のセキュリティ性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、ICカードなどの半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施の形態1におけるICカードを示す全体平面図である。
【図2】図1のA−A線で切断した断面を示す断面図である。
【図3】図2の変形例を示す断面図である。
【図4】半導体チップに形成されたそれぞれの素子のレイアウト構成を示した上面図である。
【図5】実施の形態1における半導体装置の断面を示す断面図である。
【図6】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】有色薄膜を形成する工程を説明するフローチャートである。
【図16】図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図19】実施の形態2における半導体装置の断面を示す断面図である。
【図20】実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図21】図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図22】図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図25】図24に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図26】実施の形態2の変形例を示す断面図である。
【図27】実施の形態2の変形例を示す断面図である。
【図28】実施の形態3における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図31】図30に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図32】実施の形態4における半導体装置の断面を示す断面図である。
【図33】実施の形態4における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図34】図33に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図35】図34に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図36】図35に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0122】
1 ICカード
2 情報格納領域
3 溝
4 半導体チップ
5 パッケージ
5a パッケージ基板
5b ボンディングワイヤ
5c 封止樹脂
5d バンプ電極
12 CPU
13 ROM
14 RAM
15 EEPROM
16 アナログ回路
17 ボンディングパッド
20 半導体基板
21 素子分離領域
22 p型ウェル
23 n型ウェル
24 ゲート絶縁膜
25a ゲート電極
25b ゲート電極
26 キャップ絶縁膜
27 サイドウォール
28 低濃度n型不純物拡散領域
29 高濃度n型不純物拡散領域
30 低濃度p型不純物拡散領域
31 高濃度p型不純物拡散領域
32 窒化シリコン膜
33 酸化シリコン膜
34 コンタクトホール
35 プラグ
36 配線
37 酸化シリコン膜
38 プラグ
39 配線
40 酸化シリコン膜
41 プラグ
42 配線
42a 配線
42b 配線
43 酸化シリコン膜
44 有色薄膜
44a 有色薄膜
44b 有色薄膜
45 酸化シリコン膜
46 窒化シリコン膜
47 ボンディングパッド
50 酸化シリコン膜
51 酸化シリコン膜
52 酸化シリコン膜
53 酸化シリコン膜
55 窒化シリコン膜
56 酸化シリコン膜
57 酸化シリコン膜
58 配線溝
59 チタン/窒化チタン膜
60 銅膜
61 埋め込み配線
65 酸化シリコン膜
66 炭化シリコン膜
67 酸化シリコン膜
nチャネル型MISFET
pチャネル型MISFET

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)半導体基板上に形成された最上層配線層と、
(b)前記最上層配線層上に形成された層間絶縁膜と、
(c)前記層間絶縁膜上に形成された表面保護膜とを備え、
前記層間絶縁膜に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記有色薄膜は、絶縁膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記有色薄膜は、導体膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記有色薄膜の膜厚は、100nm以上2μm以下であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記有色薄膜は、金属酸化物を含有する酸化シリコン膜から形成されていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項6】
前記酸化シリコン膜は、SOG膜であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記金属酸化物は、酸化コバルトであることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記有色薄膜は、黒鉛膜から形成されていることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項9】
前記黒鉛膜の膜厚は、30nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記有色薄膜は、500nm以上600nm以下の波長を有する前記レーザ光を減衰させることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
(a)半導体基板上に形成された第1配線層と、
(b)前記第1配線層上に形成された層間絶縁膜と、
(c)前記層間絶縁膜上に形成された第2配線層とを備え、
前記層間絶縁膜に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
(a)半導体基板上に形成されたMISFETと、
(b)前記MISFET上に形成された層間絶縁膜と、
(c)前記層間絶縁膜上に形成された配線層とを備え、
前記層間絶縁膜に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
(a)半導体基板上に形成された層間絶縁膜と、
(b)前記層間絶縁膜に埋め込むように形成された埋め込み配線とを備え、
前記層間絶縁膜に可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
(a)半導体基板上に形成された第1層間絶縁膜と、
(b)前記第1層間絶縁膜上に形成された配線と、
(c)前記配線上に形成された第2層間絶縁膜とを備え、
前記第1層間絶縁膜および前記第2層間絶縁膜には、可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
(a)半導体基板上に形成された最上層配線層と、
(b)前記最上層配線層上に形成された層間絶縁膜と、
(c)前記層間絶縁膜上に形成された表面保護膜とを備え、
前記層間絶縁膜に特定波長域の光を減衰させる薄膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
前記薄膜は、屈折率の異なる複数の膜から形成されていることを特徴とする請求項15記載の半導体装置。
【請求項17】
前記薄膜は、酸化シリコン膜と炭化シリコン膜の積層膜から形成されていることを特徴とする請求項16記載の半導体装置。
【請求項18】
(a)半導体基板上に配線層を形成する工程と、
(b)前記配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記層間絶縁膜上に表面保護膜を形成する工程とを備え、
前記(b)工程は、
(d)可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記(d)工程は、
(d1)シリカを含む溶液に金属酸化物を混合する工程と、
(d2)前記金属酸化物を混合した前記溶液を前記半導体基板上に塗布する工程と、
(d3)前記半導体基板に熱処理を加えることにより、前記溶液内の溶媒を蒸発させて、前記金属酸化物を含有した酸化シリコン膜を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記金属酸化物は、酸化コバルトであることを特徴とする請求項19記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記有色薄膜は、プラズマCVD法により形成した黒鉛膜であることを特徴とする請求項18記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
(a)半導体基板上に第1配線層を形成する工程と、
(b)前記第1配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記層間絶縁膜上に第2配線層を形成する工程とを備え、
前記(b)工程は、可視光および特定波長域のレーザ光を減衰させる有色薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
(a)半導体基板上に配線層を形成する工程と、
(b)前記配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、
(c)前記層間絶縁膜上に表面保護膜を形成する工程とを備え、
前記(b)工程は、
(d)特定波長域の光を減衰させる薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記(d)工程は、屈折率の異なる膜からなる積層膜を形成する工程であることを特徴とする請求項23記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記(d)工程は、
(d1)酸化シリコン膜を形成する工程と、
(d2)前記酸化シリコン膜上に、前記酸化シリコン膜とは屈折率の異なる炭化シリコン膜を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項24記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2007−266083(P2007−266083A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85755(P2006−85755)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】