説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】層間絶縁膜の損傷を抑えながらタンタルを主成分とするバリア膜をスパッタによって成膜する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】層間絶縁膜113上に、キセノンガスを用いたスパッタリングで、タンタルまたは窒化タンタルを主成分とするバリア膜116を形成するスパッタ成膜工程を備える。スパッタ成膜工程は、層間絶縁膜113の上に、基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いるスパッタリングにより、窒化タンタルを主成分とするバリア膜116Aを形成する工程と、RFバイアスを印加せずに行うキセノンガスを用いるスパッタリングにより、バリア膜116Aの上に、タンタルを主成分とするバリア膜116Bを形成する工程とを備えてもよい。バリア膜116はRFバイアスを連続的に変化させて、層間絶縁膜113側をRFバイアスを印加して、配線層117側をRFバイアスを印加せずに形成することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。より詳しくは、配線とその下の絶縁物との間にバリア膜を備える半導体装置、およびバリア膜をスパッタリングで生成する半導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の半導体集積回路装置では、基板上に形成された多数の素子を接続するのに、層間絶縁膜中に配線パターンを埋設した配線層を積層した多層配線構造を使うことが多い。集積回路の性能は、デバイスの微細化による高集積化、動作周波数の高速化によって進展してきた。デバイスの微細化に伴う配線の高密度化によって、集積回路の動作遅延時間は、心臓部であるトランジスタのゲート遅延時間だけではなく、配線の抵抗Rと線間容量Cによって決まるRC遅延時間の比率が相対的に大きくなっている。そこで、配線の抵抗を小さくするために、低抵抗の銅を用い、また、線間容量を小さくするために、低誘電率層間絶縁膜(いわゆるlow-K層間絶縁膜)が用いられる。そして、配線の銅が層間絶縁膜に拡散するのを防止するために、配線と層間絶縁膜の間にバリア層を形成する。
【0003】
バリア層としては、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)または窒化タンタル(TaN)(例えば、特許文献1参照)等が用いられる。これらの金属をスパッタリングで堆積するにはArガスを用いる(特許文献2、特許文献3参照)。ところが、Ta/TaNは「スパッタ等の物理気相成長(PVD)法を用いた場合、PVDにより打ち込まれる粒子はエネルギーが大きいために、各層間絶縁膜に打ち込まれてその内部に拡散するおそれがある」(特許文献4段落[0054])。
【0004】
一方、低誘電率層間絶縁膜の材料として、フルオロカーボン(CF)が注目されている。しかし、フルオロカーボンは、密着性が小さいなどのプロセス整合性に関する難点がある(非特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−347472号公報
【特許文献2】特開2001−85331号公報
【特許文献3】特開2003−309084号公報
【特許文献4】特開2005−229093号公報
【非特許文献1】フルオロカーボンプラズマCVDを用いた低誘電率薄膜の作製(<小特集>材料プロセス用フルオロカーボンプラズマ-現状と展望-):(プラズマ・核融合学会誌Vol.83.NO.4(20070425) pp.350-355)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にスパッタに用いられるアルゴン(Ar)プラズマはプラズマポテンシャルが高く、また、フルオロカーボン(CF)に対するエネルギ移転効率が高いので、CF基板にダメージを与えやすい。一方、Arプラズマは窒化タンタル(TaN)へはエネルギ移転効率が低く、結晶改善のためのエネルギを与えにくい(結晶改善のための充分なエネルギを与えられない)。結果として、CF基板上に結晶性の良好なTaNを成膜できない。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、層間絶縁膜の損傷を抑えながらタンタル(Ta)を主成分とするバリア膜をスパッタによって成膜する半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る半導体装置は、
半導体装置の1つの層とその層に隣接する層との間に形成され、前記1つの層から前記隣接する層に前記1つの層の原子が拡散することを抑制するバリア膜であって、主成分の1つにタンタルを含み、かつキセノンを含有するバリア膜を備えることを特徴とする。
【0008】
前記バリア膜は、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより形成される場合がある。
【0009】
好ましくは、前記バリア膜の下に接する層が、炭素とフッ素を主成分とするアモルファス絶縁物から構成される。
【0010】
または、前記バリア膜の下に接する層が、珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成されてもよい。
【0011】
好ましくは、前記珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成される層が、多孔質構造を有する。
【0012】
好ましくは、前記バリア膜の下に接する層が、フッ化炭化水素から構成される層の上に炭窒化珪素(SiCN)を含む層が形成される絶縁物から構成される。
【0013】
好ましくは、前記バリア膜は、
前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記隣接する層の上に形成された、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記1つの層に接するように形成された、窒化タンタルを主成分とする上層バリア膜と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
または、前記バリア膜は、
前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記隣接する層の上に形成された、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記1つの層に接するように形成された、タンタルを主成分とする上層バリア膜と、
を備える構成でもよい。
【0015】
本発明の第2の観点に係る半導体装置の製造方法は、
半導体装置の1つの層とその層に隣接する層との間に形成され、前記1つの層から前記隣接する層に前記1つの層の原子が拡散することを抑制するバリア膜を形成する工程であって、前記隣接する層の上に、キセノンガスを用いたスパッタリングによって、タンタルを主成分の1つとする前記バリア膜を形成するスパッタ成膜工程を備えることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記スパッタ成膜工程は、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加しながら前記キセノンガスを用いたスパッタリングを行う工程を含むことを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記スパッタ成膜工程で印加するRFバイアスは、ピーク電圧が0Vより大きく、20V以下である。
【0018】
好ましくは、前記スパッタ成膜工程は、炭素とフッ素を主成分とするアモルファス絶縁物から構成される層の上に、前記バリア膜を形成することを特徴とする。
【0019】
または、前記スパッタ成膜工程は、珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成される層の上に、前記バリア膜を形成してもよい。
【0020】
なお、前記珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成される層は、多孔質構造を有していてもよい。
【0021】
好ましくは、前記スパッタ成膜工程は、フッ化炭化水素から構成される層の上に炭窒化珪素(SiCN)を含む層が形成される絶縁物から構成される層の上に、前記バリア膜を形成する。
【0022】
好ましくは、前記スパッタ成膜工程は、
前記隣接する層の上に、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜を形成する工程と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜を形成する工程よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、前記1つの層に接するように、窒化タンタルを主成分とする上層バリア膜を形成する工程と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0023】
または、前記スパッタ成膜工程は、
前記隣接する層の上に、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜を形成する工程と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜を形成する工程よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、前記1つの層に接するように、タンタルを主成分とする上層バリア膜を形成する工程と、
を含む構成でもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、層間絶縁膜へのダメージを回避しながら、タンタルを主成分の1つとするバリア膜を形成することができる。配線材のCuが層間絶縁膜に拡散することに対するバリア性も確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(実施の形態)
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1Aないし図1Dは、本発明の実施の形態に係る半導体装置において配線層の形成工程を示す図である。
【0026】
図1Aは基板上に配線パターンを形成した断面図である。シリコン基板110上に形成されたシリコン酸化膜(SiO膜)111上には、銅(Cu)などの低抵抗金属よりなる配線パターン111Aが埋設されている。図1Bは、配線パターンの上に層間絶縁膜を形成した基板の断面図である。図1Bの工程において、SiO膜111上にはシリコン窒化膜(SiN膜)などのエッチングストッパ膜112を介して、低誘電率層間絶縁膜113、SiN膜などのエッチングストッパ膜114および低誘電率層間絶縁膜115が形成される。
【0027】
層間絶縁膜113、115は、例えば、SiO、フルオロカーボン(CF)、炭素添加酸化珪素(SiOC)、または炭窒化珪素(SiCN)などを用いることができる。あるいはフルオロカーボン(CF)の上にSiCNの薄膜を形成したものなどを用いてもよい。フルオロカーボンはフッ素(F)と炭素(C)を主成分とする。フルオロカーボンはアモルファス(非結晶性)の構造を有するものを用いてもよい。層間絶縁膜は、例えば炭素添加酸化珪素(SiOC)などの多孔質構造を有していてもよい。
【0028】
図1Cは、層間絶縁膜にバリア膜を形成した基板の断面図である。図1Cの工程において層間絶縁膜113および115中に配線溝やビアホールなどの凹部113A、113Bが形成される。ビアホール113Bの底部においてCu配線パターン111Aが露出するように、SiN膜114をエッチングストッパ膜として形成される。さらに図1Cの工程において、図1Bの構造上に凹部113A、113Bの底面および側壁面を覆うようにバリア膜116を形成する。
【0029】
バリア膜116は、タンタル(Ta)または窒化タンタル(TaN)を主成分として構成する。バリア膜116は、キセノン(Xe)ガスのプラズマ中で、Taをスパッタリングで堆積することによって形成する。タンタル/窒化タンタル等のバリア膜の堆積のために、処理ガスはXeと窒素を含む。Xeは、ターゲットに衝撃を加えるプラズマイオンのための主たるガスソースとして働き、窒素は、主としてターゲットからスパッタされた原子(タンタル)と反応して、基板上に堆積されるタンタル/窒化タンタル膜を形成する。Xeガスを用いてスパッタリングする結果、堆積されるバリア膜は微量のXeを含む。
【0030】
図1Dは、凹部113A、113Bを導体で充填した基板の断面図である。バリア膜116の上に、図1Dの工程において凹部113A、113Bを、例えば、Cu膜で充填した後(図示せず)、層間絶縁膜115上の余分なCu膜および層間絶縁膜上面のバリア膜116をCMP法(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)で研磨・除去する。図1Dに示すように、凹部113A、113BがCu材料で充填されて、Cu配線パターンあるいはCuプラグなどの配線層117の構造が得られる。
【0031】
図2は、本実施の形態で使われるプラズマ処理装置10の構成を示す。プラズマ処理装置10は被処理基板21を保持する基板保持台12を収納し、基板保持台12とともにプロセス空間を画成する処理容器11を備える。処理容器11は、ターゲット装着台11A、ベース11B、側壁11Cから構成される。ターゲット装着台11Aは、ターゲット20が装着され、ターゲット20とは反対側に磁石19が配置される。処理容器11には、ガス導入口13および排気ダクト14が設けられる。排気ダクト14はポンプ15に結合される。
【0032】
ターゲット装着台11Aは、DC電源供給部16に接続される。DC電源供給部16は通常、ターゲット装着台11Aを基板保持台12に対して正の電位に保持する。側壁11Cは導電性で、DC電源供給部17に接続される。DC電源供給部17は、側壁11Cを基板保持台12に対して負の電位に保持する。基板保持台12は、RFバイアス供給部18に接続される。RFバイアス供給部18は、ターゲット20に対して、基板保持台12に高周波の交流電圧をかける。したがって、被処理基板21にはRFバイアスが印加される。
【0033】
ポンプ15によって、処理容器11内を適度な真空に保持する。ガス導入口13からXeガスを導入し、グロー放電等(図示せず)によりプラズマ22を生成する。プラズマ22は、磁石19によってターゲット20付近に閉じこめられる。ここで、RFバイアス供給部18によって、被処理基板21にRFバイアスを印加する場合と、RFバイアスを印加しない場合がある。プラズマ22の下層と周囲に発生する電子は、導電性の側壁11CからDC電源供給部17に流れる。その結果、プラズマ22中のイオン濃度が高くなる。ターゲット20は負の電位に保持される。そして、プラズマ22のイオンがターゲット20に衝突し、ターゲット20の原子をスパッタリングする。スパッタリングされた原子は、基板21に付着して膜を形成する。
【0034】
本発明では、ターゲット20として、タンタルTa、またはTaを主成分とするTa合金もしくはTa化合物を用いる。また、ガス導入口13から、必要に応じて、窒素Nなどを導入する。窒素Nは、主としてターゲット20からスパッタリングされた原子(タンタル)と反応して、基板上に堆積されるタンタル/窒化タンタル膜を形成する。
【0035】
プラズマ処理装置10で、Ta/TaNのバリア膜を形成するときに、RFバイアスを印加してスパッタリングする方法と、RFバイアスを印加せずにスパッタリングする方法がある。いずれにおいても、Arを用いる場合に比べて、層間絶縁膜の損傷は小さい。特に、フルオロカーボンの場合に、Arよりも層間絶縁膜の損傷は小さい。
【0036】
詳細には後述するが、RFバイアスを印加する場合は、Ta/TaNは相対的に結晶性の高い傾向を示し、RFバイアスを印加しない場合は、Ta/TaNは相対的に結晶性の低い傾向を示す。そして、結晶性の高いTa/TaNはCuのバリア性が高く、結晶性の低いTa/TaNはCuとの密着性が高い。層間絶縁膜および配線層の組み合わせに応じて、RFバイアスを印加しながらXeプラズマによってスパッタリングしたTa/TaN、またはRFバイアスを印加しないでXeプラズマによってスパッタリングしたTa/TaNを、バリア膜として用いることができる。
【0037】
層間絶縁膜に接する側のバリア膜をRFバイアスを印加して形成し、配線に接する側のバリア膜をRFバイアスを印加せずに形成すると、さらに、Cuのバリア性が高く、かつCuとの密着性が高いバリア膜が得られる。図3は、2段階で形成されたバリア膜を模式的に示す断面図である。層間絶縁膜113、115に接する側をRFバイアスを印加して形成したTa/TaNのバリア膜116Aとする。そして、その上にRFバイアスを印加せずにTa/TaNのバリア膜116Bを形成する。いずれもXeガスのスパッタによって形成するので、Xeを微量に含む。こうすることによって、配線層117のCuが層間絶縁膜113、115に拡散することを防止するバリア性をさらに向上し、かつ、Cuとバリア膜116Bとの密着性をより高めることができる。
【0038】
バリア膜を図3のように明確な2層構造とせず、RFバイアスを連続的に変化させてスパッタリングしても、同様の効果を得ることができる。図4は、RFバイアスを連続的に変化させてスパッタリングした場合を模式的に示す断面図である。層間絶縁膜113、115側ではRFバイアスをかけてスパッタリングし、配線層117側ではRFバイアスをかけないか、または層間絶縁膜113、115側より小さいRFバイアスでスパッタリングしてもよい。このようにしても、バリア性をさらに向上し、かつ密着性をより高めたバリア膜を形成することができる。
【0039】
図5は、RFバイアスをかけた場合とかけない場合のTaNの結晶方位の散乱強度(Intensity)を示す。黒丸太線はRFバイアスをかけてXeでスパッタリングした場合の結晶方位の散乱強度を示す。白丸細線はRFバイアスをかけないでXeでスパッタリングした場合の結晶方位の散乱強度を示す。RFバイアスをかけた場合は、β−TaとTaNに顕著なピークが現れ、それらの結晶構造が形成されていることがわかる。RFバイアスをかけない場合はこのようなピークは殆ど現れず、結晶性の低い構造であることが示される。Xeプラズマはプラズマポテンシャルが低くても、RFバイアスでひきおこされるイオン衝突によってTaNの結晶度が高まることがわかる。
【0040】
図6および図7は、RFバイアスをかけた場合とかけない場合について、TaN中のNとTaそれぞれの結合エネルギを示す。図6は窒素Nの、図7はタンタルTaのグラフである。結合エネルギはX線光電子分光(X-ray Photoelectron Spectroscopy:以下、XPSという)で計測した。図6および図7中、黒丸太線はRFバイアスをかけてXeでスパッタリングした場合、白丸細線はRFバイアスをかけないでXeでスパッタリングした場合を表す。
【0041】
図6に示されるように、RFバイアスをかけない場合のTaNのほうが、RFバイアスをかけた場合よりも、N1Sのピーク強度がそれぞれのグラフの中で相対的に強い。したがって、RFバイアスをかけないほうがRFバイアスをかけた場合よりも、TaN中に窒素原子が取り込まれることを意味する。
【0042】
このことは図7によっても裏付けられる。すなわち、より多くの窒素原子が取り込まれることによって、TaのピークであるTa7/2が、RFバイアスをかけない場合のほうが高いエネルギにシフトしている。その結果、RFバイアスを印加して行ったXeスパッタリングによって窒素原子が少なく結晶性の高いTaN薄膜が形成され、RFバイアスを印加しないで行ったXeスパッタリングによって窒素原子が多く結晶性の低いTaN薄膜が形成される。
【0043】
理想粒子の単純な質点系弾性衝突を仮定すると、基板の原子に衝突するイオンのエネルギ移転効率ηは次の式(1)で与えられる。
【数1】



ここで、Mionはイオンの原子質量、Msubは基板の原子質量である。式(1)と原子質量から、数種のイオンと基板の組み合わせについてエネルギ移転効率を求めた結果を図8に示す。図8の表に示すように、XeイオンからTa、CおよびFへのエネルギ移転効率はそれぞれ、97%、31%、44%である。ArイオンからTaへの移転効率59%に比較して、XeイオンからTaへは殆どのエネルギが移転される。一方、XeイオンからCおよびF原子へは、少ししか移転されない。Arイオンでは逆に、C(71%)およびF(87%)へは、Ta(59%)よりも多くのエネルギが移転される。
【0044】
基板に堆積する薄膜を結晶化するためにイオンの衝突エネルギが必要であるが、衝突エネルギはまた、基板の損傷をもたらす。したがって、Taには多くのエネルギが移転され、CおよびF原子には少ないエネルギしか移転しないXeイオンは、基板にTaバリア膜を形成するのに都合がよい。
【0045】
イオンの移転エネルギは次の式(2)で与えられる。
Eion = η・Vion (2)
ここで、Vionはプラズマ中の基板上のイオンのエネルギであり、フローティングポテンシャルと呼ばれる。フローティングポテンシャルは、印加される電圧の交流成分である。いくつかの基板について、結合エネルギと移転エネルギEionを図9に示す(W. Shindo and T. Ohmi: J. Appl. Phys., 79(5),(1996), 2347)。図9において、イオンはXeである。基板は、炭素の単結合、炭素とフッ素の単結合、炭素の2重結合、炭素の3重結合、Ta、Ta2Nの場合を示す。
【0046】
図9に示すように、CおよびFに関する結合エネルギは、いずれもEionと同等以上である。したがって、Xeプラズマ中ではこれらの基板は損傷を受けないと考えられる。一方、Ta、TaNについては、結合エネルギに比べてEionが大きいが、結晶化のために必要なエネルギがXeプラズマで与えられると考えられる。
【0047】
Taについて、RFバイアスをかけた場合とかけない場合とで、Eionの差は1.0eVである。この差が、TaNの結晶化に効果を及ぼすと考えられる。Arプラズマは高密度プラズマで、Xeに比較して10eV程度高いエネルギを示し、図8に示すように基板へのエネルギ移転効率が高いので、フルオロカーボン基板にダメージを与える。
【0048】
(2)式で、Vion=20Vのとき、炭素Cに対してEion=移転効率・Vion=0.31×20eV=6.2eVである。炭素の2重結合では、結合エネルギは6eVである(図9参照)。そこで、炭素の2重結合を有する材料に対して、RFバイアス20Vが有効である。したがって、プラズマ処理装置10に印加するRFバイアスは、0〜20Vが適当である。
【0049】
以下の具体例は、図2に示すプラズマ装置10を用いて、各種の層間絶縁膜の上にTa/TaNのバリア膜をXeプラズマによってスパッタリングした。具体例では、バリア膜の上にCuの配線層を形成した。配線層は、Cuに限らずアルミニウム、錫、インジウムなど、またはそれらを含む合金を用いることができる。
【0050】
(具体例1)
図10および図11は、シリコン熱酸化膜上にRFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry:二次イオン質量分析法)による深さ方向分析結果を示す。横軸は表面からの深さ、縦軸はイオン強度(Ion Intensity)(cps)である。図10はアニーリング前の分析結果、図11は同基板を500℃で1時間アニーリングした後の深さ方向分析結果である。図10および図11において、Cuは原子濃度(Cu Concentration)(atm/cm)でありその尺度は右の縦軸で示される。その他の原子のイオン強度(Ion Intensity)の尺度は左の縦軸で与えられる。
【0051】
図中、太い実線はCuの濃度、白三角はTa、白四角はN、白丸はSiである。図10および図11に示すように、図の左が表層で、右に向かって表層から深くなる方向にCu、Ta/TaN、シリコン熱酸化膜の構成が表されている。Cu原子の濃度は、Si中では表層に比べて5桁小さい値で、分析のノイズレベルであって、存在しないと考えてよい。
【0052】
Cu原子は、アニーリングした後でもTaNにほとんど拡散せず、Siには達していない。このように、RFバイアスをかけてXeプラズマで形成したTaNは、Cuが層間絶縁膜に拡散するのを高度に防止する。
【0053】
図12および図13は、シリコン熱酸化膜上にRFバイアスをかけずに形成したTaNにCuを形成した場合の、SIMS分析結果を示す。図12はアニーリング前の、図13は500℃で1時間アニーリングした後の分析結果である。それぞれの記号と、イオン強度、原子濃度の尺度は、図10と同様である。
【0054】
図12に示すように、図10と比較してCuはアニーリング前にもTaNに拡散している。図13に示すように、アニーリング後にはCuは、RFバイアスをかけずに形成したTaN層を通ってシリコン熱酸化膜に拡散している。
【0055】
以上の結果、RFバイアスをかけてXeプラズマで形成したTaNは、RFバイアスをかけずに形成したTaNに比べて良好なCuバリア特性を示す。RFバイアスをかけてスパッタ成膜したTaNは、RFバイアスをかけずにスパッタ成膜したTaNに比較して、窒素含有量が少なく結晶性が高く、より強いCuバリア特性を示す。
【0056】
具体例1のシリコン熱酸化膜を、ポーラス構造のシリコン酸化膜としてもよい。さらに、多孔質(ポーラス構造)のSiCOの上にSiCN被膜層を形成して、拡散防止層とすることができる(S. Grandikota, S. Voss, R. Tao, A. Duboust, D. Cong, L. Y. Chen, S. Ramaswami, D.Carl: Microelectronics Eng. 50(2000) 547-553)。ポーラス構造は誘電率が小さくなるので、半導体装置の動作特性改善に効果がある。このときにも、XeプラズマでTaをスパッタリングすることによって、層間絶縁膜のダメージを回避しながら、バリア膜を形成することができる。そして、TaNはCuが層間絶縁膜に拡散するのを防止する。
【0057】
(具体例2)
図14および図15は、フルオロカーボン膜上にRFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、SIMS分析結果を示す。図14はアニーリング前の、図15は200℃でアニーリングした後の分析結果である。図中、太い実線はFの濃度、破線はCの濃度、白丸はCu、白三角はTa、白四角はNである。FおよびCの濃度(F, C Concentration)(atm/cm)は右の尺度、その他の原子の強度(Ion Intensity)(cps)は左の尺度で示される。
【0058】
図14に示すように、F、CおよびTaはCuに拡散しているが、アニーリングの前後でCuはTaNに拡散していない。アニーリング後に、TaはCuに拡散している。
【0059】
図16および図17は、フルオロカーボン膜上にRFバイアスをかけずに形成したTaNにCuを形成した場合の、SIMS分析結果を示す。図16はアニーリング前の、図17は200℃でアニーリングした後の分析結果である。それぞれの記号と尺度は図14と同様である。
【0060】
FおよびC原子はTaN薄膜中にも存在し、アニーリングの後もTaN薄膜中に留まる。Cu原子は、フルオロカーボン層を通って、シリコン熱酸化膜に拡散している。この結果は、図12および図13の結果と変わらない。これらの結果は、Cu原子がアニーリングの後にTaN中にあることを明らかにする。
【0061】
図20は、フルオロカーボン基板の密着性の試験結果を示す。図20中、「×」は剥離したことを表し、「○」は剥離しなかったことを表す。それぞれ、剥離はCuとTaNとの間で発生した。RFバイアスをかけてフルオロカーボン膜の上にスパッタ成膜したTaNとCuでは、250℃でアニーリングした後に層間剥離が発生した。RFバイアスをかけずにスパッタ成膜したTaNでは、300℃未満の温度でアニーリングしても層間剥離は発生しなかった。
【0062】
RFバイアスをかけて形成したTaNでは、250℃アニーリングした後に層間剥離が発生する。RFバイアスをかけずに形成したTaNでは、300℃アニーリングの後に層間剥離が発生する。これらの結果は、RFバイアスTaNとCuの密着性は、非RFバイアスTaNとCuの200℃アニーリング後の密着性より劣ることを示す。
【0063】
図18および図19は、炭窒化珪素(SiCN)/フルオロカーボン積層膜上に、RFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、SIMS分析結果を示す。フルオロカーボンの層間絶縁膜の上に、SiCNの層を形成し、その上にTaNをXeスパッタリングで堆積してバリア膜を形成した。バリア膜の上にCuの配線層を形成した。
【0064】
図18はアニーリング前の、図19は350℃でアニーリングした後の分析結果である。図中、太い実線はFの濃度、破線はCの濃度、白丸はCu、白三角はTa、白四角はN、黒四角はSiである。FおよびCの濃度(F, C Concentration)(atm/cm)は右の尺度、その他の原子の強度(Ion Intensity)(cps)は左の尺度である。
【0065】
図19に示すように、アニーリングした後でもFおよびC原子がTaN薄膜中に見られない。このことは、フルオロカーボンの上のSiCN被膜層がそれらの拡散を防止していることを示す。図20を参照すると、RFバイアスで形成したTaNでは、350℃でアニーリングした後でも層間剥離は発生しない。そのことは、FおよびC原子の拡散を阻止するSiCN被膜層の存在に帰せられる。
【0066】
これらの結果は、低誘電率のフルオロカーボン材の上にTaNおよびCuを形成する場合、RFバイアスをかけてスパッタ成膜したTaNとSiCN被膜層は、半導体装置の熱的性能を向上し、その製造方法として適していると言える。
【0067】
以上、説明したとおり、Xeプラズマでスパッタ成膜することによって、基板の層間絶縁膜の損傷を回避しながら、Ta/TaNのバリア膜を形成することができる。特に、層間絶縁膜が低誘電率のフルオロカーボンの場合でも、層間絶縁膜のダメージを抑えるので効果がある。
【0068】
Ta/TaNをRFバイアスをかけてXeプラズマでスパッタ成膜することによって、Cuのバリア性が向上する。Ta/TaNをRFバイアスをかけずにXeプラズマでスパッタ成膜することによって、Cuとの密着性が向上する。層間絶縁膜側にRFバイアスをかけてTa/TaNをスパッタ成膜し、配線層側にRFバイアスをかけずにTa/TaNをスパッタ成膜することによって、さらにバリア性を向上しながらCuとの密着性を改善できる。
【0069】
また、層間絶縁膜であるフルオロカーボン層の上にSiCNの被膜層を形成することによって、フルオロカーボンのCおよびFがTa/TaNのバリア層に拡散することを防止できる。SiCN被膜層は、Cu配線層とTa/TaNバリア層の密着性を向上する。
【0070】
その他、前記の層間絶縁膜、バリア膜、配線層の構成、およびプラズマ処理装置の構成は一例であり、任意に変更及び修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1A】本発明の実施の形態に係る半導体装置において配線層の形成工程を示し、基板上に配線パターンを形成した断面図である。
【図1B】配線パターンの上に層間絶縁膜を形成した基板の断面図である。
【図1C】層間絶縁膜にバリア膜を形成した基板の断面図である。
【図1D】凹部を導体で充填した基板の断面図である。
【図2】本実施の形態で使われるプラズマ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】2段階で形成されたバリア膜を模式的に示す断面図である。
【図4】RFバイアスを連続的に変化させてスパッタリングした場合を模式的に示す断面図である。
【図5】RFバイアスをかけた場合とかけない場合のTaNの結晶方位を示す図である。
【図6】RFバイアスをかけた場合とかけない場合について、TaN中のNの結合エネルギを示す図である。
【図7】RFバイアスをかけた場合とかけない場合について、TaN中のTaの結合エネルギを示す図である。
【図8】イオンと基板の組み合わせについてエネルギ移転効率を示す図である。
【図9】移転エネルギEionと結合エネルギの例を示す図である。
【図10】シリコン熱酸化膜上にRFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング前のSIMS分析結果を示す図である。
【図11】シリコン熱酸化膜上にRFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング後のSIMS分析結果を示す図である。
【図12】シリコン熱酸化膜上にRFバイアスをかけずに形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング前のSIMS分析結果を示す図である。
【図13】シリコン熱酸化膜上にRFバイアスをかけずに形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング後のSIMS分析結果を示す図である。
【図14】フルオロカーボン膜上にRFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング前のSIMS分析結果を示す図である。
【図15】フルオロカーボン膜上にRFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング後のSIMS分析結果を示す図である。
【図16】フルオロカーボン膜上にRFバイアスをかけずに形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング前のSIMS分析結果を示す図である。
【図17】フルオロカーボン膜上にRFバイアスをかけずに形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング後のSIMS分析結果を示す図である。
【図18】炭窒化珪素/フルオロカーボン積層膜上に、RFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング前のSIMS分析結果を示す図である。
【図19】炭窒化珪素/フルオロカーボン積層膜上に、RFバイアスをかけて形成したTaNにCuを形成した場合の、アニーリング後のSIMS分析結果を示す図である。
【図20】フルオロカーボン基板の密着性の試験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
10 プラズマ処理装置
11 処理容器
11A ターゲット装着台
11B ベース
11C 側壁
12 基板保持台
13 ガス導入口
14 排気ダクト
15 ポンプ
16 DC電源供給部(ターゲット装着台)
17 DC電源供給部(側壁)
18 RFバイアス供給部
19 磁石
20 ターゲット
21 被処理基板
22 キセノンプラズマ
110 シリコン基板
111 シリコン酸化膜
111A Cu配線パターン
112、114 エッチングストッパ膜
113、115 層間絶縁膜
113A 配線溝
113B ビアホール
116、116A、116B バリア膜
117 配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の1つの層とその層に隣接する層との間に形成され、前記1つの層から前記隣接する層に前記1つの層の原子が拡散することを抑制するバリア膜であって、主成分の1つにタンタルを含み、かつキセノンを含有するバリア膜を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記バリア膜は、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記バリア膜の下に接する層が、炭素とフッ素を主成分とするアモルファス絶縁物から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記バリア膜の下に接する層が、珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成される層が、多孔質構造を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記バリア膜の下に接する層が、フッ化炭化水素から構成される層の上に炭窒化珪素(SiCN)を含む層が形成される絶縁物から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記バリア膜は、
前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記隣接する層の上に形成された、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記1つの層に接するように形成された、窒化タンタルを主成分とする上層バリア膜と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記バリア膜は、
前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記隣接する層の上に形成された、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンガスを用いたスパッタリングにより、前記1つの層に接するように形成された、タンタルを主成分とする上層バリア膜と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置の1つの層とその層に隣接する層との間に形成され、前記1つの層から前記隣接する層に前記1つの層の原子が拡散することを抑制するバリア膜を形成する工程であって、前記隣接する層の上に、キセノンガスを用いたスパッタリングによって、タンタルを主成分の1つとする前記バリア膜を形成するスパッタ成膜工程を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記スパッタ成膜工程は、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加しながら前記キセノンガスを用いたスパッタリングを行う工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記スパッタ成膜工程で印加するRFバイアスは、ピーク電圧が0Vより大きく、20V以下であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記スパッタ成膜工程は、炭素とフッ素を主成分とするアモルファス絶縁物から構成される層の上に、前記バリア膜を形成することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記スパッタ成膜工程は、珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成される層の上に、前記バリア膜を形成することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記珪素または炭素を主成分とする絶縁物から構成される層は、多孔質構造を有することを特徴とする請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記スパッタ成膜工程は、フッ化炭化水素から構成される層の上に炭窒化珪素(SiCN)を含む層が形成される絶縁物から構成される層の上に、前記バリア膜を形成することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記スパッタ成膜工程は、
前記隣接する層の上に、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜を形成する工程と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜を形成する工程よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、前記1つの層に接するように、窒化タンタルを主成分とする上層バリア膜を形成する工程と、
を含む、
ことを特徴とする請求項9ないし15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記スパッタ成膜工程は、
前記隣接する層の上に、前記隣接する層を備える基板にRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、窒化タンタルを主成分とする下層バリア膜を形成する工程と、
前記基板にRFバイアスを印加しないかまたは前記下層バリア膜を形成する工程よりも小さいRFバイアスを印加して行うキセノンプラズマによるスパッタリングで、前記1つの層に接するように、タンタルを主成分とする上層バリア膜を形成する工程と、
を含む、
ことを特徴とする請求項9ないし15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−111251(P2009−111251A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283659(P2007−283659)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】