半導体装置の製造方法
【課題】半導体装置の製造過程において生じるウエハ外周部分からのパーティクルの発生を防止し、十分な歩留りを実現する。
【解決手段】ウエハにゲート電極となる導電膜4、5を形成する第一工程と、導電膜4、5の中の、ウエハの外周部分に形成された導電膜4、5の上に選択的に保護膜7を形成する第二工程と、導電膜4、5の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして導電膜4、5をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、を有する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ウエハにゲート電極となる導電膜4、5を形成する第一工程と、導電膜4、5の中の、ウエハの外周部分に形成された導電膜4、5の上に選択的に保護膜7を形成する第二工程と、導電膜4、5の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして導電膜4、5をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、を有する半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造過程において、パーティクルが発生するという問題がある。特に、製造工程中にダメージを受けやすいウエハの外周部分においては、パーティクルが発生しやすい。発生したパーティクルがウエハに付着してしまうと、十分な歩留りを実現することができない。
【0003】
ウエハの外周部分からのパーティクル発生を防止する手段としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に記載の半導体基板の処理方法は、SOI(Silicon On Insulator)基板上に形成されたSOI層を薄膜化する処理を実行する際に、ウエハの外周部分において生じるSOI層の剥離に起因するパーティクルの発生を防止するものである。
【0004】
具体的には、SOI層を薄膜化する処理を実行する前に、ウエハの外周部分のSOI層を完全に酸化してしまうことで、上述した問題を解決するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−111581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体装置の製造過程においては、トランジスタを形成し、このトランジスタを層間絶縁膜で覆った後、この層間絶縁膜を貫くコンタクトホールを形成する工程においても、ウエハの外周部分からパーティクルが発生する可能性がある。以下、図18乃至21を用いて説明する。各図の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0007】
まず、図18に示すように、ウエハのシリコン基板100上にLOCOS酸化膜200を形成し、分離されたトランジスタ領域にさらにゲート酸化膜300を形成する。次に、ゲート酸化膜300の上に、ゲート電極となる例えば多結晶シリコン層400を形成する。形成方法としては一般的に減圧CVD法を用いるが、この方法の場合、シリコン基板100の表面側、裏面側の両面に多結晶シリコン層400が形成される。裏面側の多結晶シリコン層400は、必要に応じて除去されるが、ここでは、除去しない場合を例に説明する。その後、スパッタリング法により、シリサイド膜500を表面側の多結晶シリコン層400の上のみに形成する。
【0008】
次に、ゲート電極となる多結晶シリコン層400およびシリサイド膜500を覆うレジストパターン600をシリサイド膜500の上に形成し、このレジストパターン600をマスクとして、多結晶シリコン層400およびシリサイド膜500をエッチングすることにより、図19に示す状態が得られる。この時、図19(b)に示すように、ウエハの外周部分には、多結晶シリコン層400のエッチング残りが存在する。
【0009】
その後、図20に示すように、トランジスタ領域にイオン注入を用いてLDD領域1100を形成後、シリコン酸化膜(図示せず)を形成し、エッチバックによりゲート電極の側壁にサイドウォール1000を形成する。その後、LDD領域1100にイオン注入することでソース領域およびドレイン領域を形成し、このトランジスタを覆う単層または複層の層間絶縁膜800を形成する。そして、層間絶縁膜800を貫くコンタクトホールを形成するため、層間絶縁膜800の上にレジストパターン900を形成する。なお、ウエハの外周部分にレジストを残しておくと、キャリアへの付着などにより発塵の原因となるので、図20(b)に示すように、ウエハの外周部分にレジストは形成しない。
【0010】
その後、レジストパターン900をマスクとして層間絶縁膜800をエッチングし、レジストパターン900を取り除くと、図21に示すような状態となる。
【0011】
ここで、図20に示す状態から、レジストパターン900をマスクとして層間絶縁膜800をエッチングすると、ウエハの外周部分(図20(b))においては、レジストパターン900に覆われていない層間絶縁膜800がエッチングされ、酸化膜200、300および多結晶シリコン層400が露出する。そして、層間絶縁膜800のエッチング処理により露出した酸化膜200、300も、このエッチング処理によりエッチングされ、図21(b)のAに示すような、シリコン基板100が部分的に剥き出しとなった状態となってしまう。このため、ウエハの外周部分(図20(b))に残った多結晶シリコン層400が剥がれやすくなり、パーティクルの原因となってしまう。例えば、その後の製造工程においてウエハの外周部分に何らかの負荷が加わると、ウエハの外周部分に残っている多結晶シリコン層400が容易に剥がれてしまう。
【0012】
ここでの図18乃至21を用いた説明はウエハの裏面側に形成された多結晶シリコン層400を除去しない例であったが、これを除去した場合においても、同様の問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、ウエハにゲート電極となる導電膜を形成する第一工程と、前記導電膜の中の、前記ウエハの外周部分に形成された前記導電膜の上に選択的に保護膜を形成する第二工程と、前記導電膜の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、導電膜をエッチングする前に、ウエハの外周部分に形成された導電膜の上にレジストマスクと異なる保護膜を形成する。この保護膜により、レジストマスクを形成できない部分の導電膜をも、エッチングされず残すことが可能となる。
【0015】
その結果、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する処理において、前記残された導電膜がマスクとなることで、この導電膜の下に形成された酸化膜が除去されるのを回避でき、その下に存在するシリコン基板が部分的に剥き出しになるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0016】
半導体装置の製造過程において生じるウエハ外周部分からのパーティクルの発生を防止し、十分な歩留りが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図2】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図3】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図4】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図5】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図6】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図7】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図8】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図9】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図10】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図11】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図12】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図14】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図15】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図16】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図17】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図18】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図19】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図20】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図21】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図1乃至5、7乃至11、13乃至21を用いた説明においては、図中上側のウエハ面を表面、図中下側のウエハ面を裏面と定義して説明する。
【0019】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、ウエハにゲート電極となる導電膜を形成する第一工程と、前記導電膜の中の、前記ウエハの外周部分に形成された前記導電膜の上に選択的に保護膜を形成する第二工程と、前記導電膜の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、を有する。
【0020】
なお、本実施形態における必須の工程は第一工程乃至第五工程であり、以下の例で説明するその他の工程は、その他の適当な処理内容に変更することも可能である。
<実施形態1>
【0021】
本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を、図6のフローチャート図、および、図1乃至5を用いて説明する。図1乃至5の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0022】
まず、図1(a)に示すように、ウエハのシリコン基板1上のLOCOS酸化膜2で分離されたトランジスタ領域にゲート酸化膜3を形成する(S10)。
【0023】
例えば、熱酸化法を用いて、ゲート酸化膜3を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面にもゲート酸化膜3が形成されるほか、図1(b)に示すように、ウエハの外周部分においてもゲート酸化膜3が形成される。
【0024】
次に、図1(a)に示すように、ゲート酸化膜3の上に、ゲート電極となる導電膜4、5を形成する(S20:第一工程)。
【0025】
例えば、まず、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜3の上に多結晶シリコン層4を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面側にも多結晶シリコン層4が形成されるほか、図1(b)に示すように、ウエハの外周部分においても多結晶シリコン層4が形成される。その後、例えばスパッタリング法を用いて、図1(a)(b)に示すようにウエハの表面側のみにシリサイド膜5を形成する。シリサイドとしては、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイドなどを使用することができる。
【0026】
なお、導電膜4、5は、一以上の膜からなるとともに、少なくとも多結晶シリコン層4を有するのが望ましい。すなわち、ここでは導電膜4、5として多結晶シリコン層4と、シリサイド膜5を形成する例を説明したが、シリサイド膜5を有さない構成とすることも可能である。この例については、以下で説明する。
【0027】
次に、図2(a)(b)に示すように、導電膜4、5の中の、ウエハの外周部分に形成された導電膜4、5の上に選択的に保護膜7を形成する(S30、S40:第二工程)。保護膜7は、以降の工程である導電膜4、5をエッチングする工程(S80)を行う際に除去されない性能を有する。例えば、導電膜4、5に多結晶シリコン層4を有する構成とする場合、保護膜7は酸化膜とすることができる。
【0028】
このような保護膜7の形成方法は、例えば以下のようにして実現することができる。まず、CVD法を用いて、図1(a)(b)に示すようにウエハの表面側およびウエハの外周部分に保護膜7を形成する(S30)。その後、ウエハの外周部分に形成された保護膜7を残し、他の部分の保護膜7を除去する(S40)ことで、図2(a)(b)に示す状態が得られる。保護膜7はCVD装置の機種によってはウエハ裏面側にも形成される。なお、図においてはウエハ裏面側に保護膜7が形成されていない例を示しているが、ウエハ裏面側に保護膜7が形成される場合においても同様にして本実施形態を実現することができる。
【0029】
ウエハの外周部分に形成された保護膜7を残し、他の部分の保護膜7を除去する手段としては、例えば、クランプを用いて、図1(a)(b)の状態のウエハの外周部分を覆い、このクランプをマスクとして保護膜7を異方性エッチングすることで実現してもよい。なお、クランプとしてはウエハ全周を覆うタイプのものが望ましい。また、ウエハ外周を2mm程度覆うことが可能なものが望ましい。
【0030】
なお、保護膜7の膜厚は、保護膜7を除去するためのドライエッチャーの性能に応じて任意に設計可能であるが、150Å程度であれば十分であると考えられる。
【0031】
その後、図3(a)に示すように、導電膜4、5の上に第一レジストパターン6を形成し、第一レジストパターン6をマスクとして導電膜4、5をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する(S50、S60、S70、S80:第三工程)。
【0032】
例えば、導電膜4、5の上にレジストを塗布後(S50)、図3(a)に示すような第一レジストパターン6を形成するためのフォトマスク越しにレジストを露光し(S60)、現像する(S70)。そして、図3(a)に示すような第一レジストパターン6をマスクとして、導電膜4、5を異方性エッチング(例:プラズマエッチング)することで(S80)、図3(a)に示す状態を得る。そして、第一レジストパターン6を除去することで、ゲート電極が得られる。なお、第一レジストパターン6をマスクとして、導電膜4、5を異方性エッチングする処理(S80)により、ウエハの外周部分に形成された保護膜7が除去されることはないので、図3(b)に示すように、保護膜7に覆われた導電膜4、5はそのまま残る。
【0033】
その後、図4(a)に示すようなトランジスタを形成する(S90)。
【0034】
例えば、トランジスタ領域にイオン注入を用いてLDD領域11を形成後、シリコン酸化膜(図示せず)を形成し、エッチバックによりゲート電極の側壁にサイドウォール10を形成する。その後、LDD領域11にイオン注入することでソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0035】
その後、図4(a)に示すような、第三工程で形成したゲート電極を覆う単層または複層の層間絶縁膜8を形成する(S100:第四工程)。
【0036】
例えば、CVD法を用い、ゲート電極を覆う層間絶縁膜8として酸化絶縁膜し、この酸化絶縁膜を、ケミカルメカニカルポリッシングなどを用いて平坦化する。
【0037】
その後、図4(a)に示すように、層間絶縁膜8の上に第二レジストパターン9を形成し、第二レジストパターン9をマスクとして層間絶縁膜8をエッチングすることにより、図5(a)に示すようなコンタクトホールを形成する(S110:第五工程)。
【0038】
例えば、層間絶縁膜8の上にレジストを塗布後、図4(a)(b)に示すような第二レジストパターン9を形成するためのフォトマスク越しにレジストを露光し、現像する。なお、ウエハの外周部分にレジストを残しておくと、キャリアへの付着などにより発塵の原因となる。よって、図4(b)に示すように、ウエハの外周部分にレジストは形成しない。次に、図4(a)に示すような第二レジストパターン9をマスクとして、層間絶縁膜8を異方性エッチング(例:プラズマエッチング)する。その後、第二レジストパターン9を除去すると、図5(a)(b)に示す状態が得られる。
【0039】
なお、層間絶縁膜8を異方性エッチングする処理を行うと、ウエハの外周部分(図4(b))においては、第二レジストパターン9に覆われていない層間絶縁膜8が除去され、露出した保護膜(酸化膜)7も除去される。しかし、保護膜7が除去されることにより露出した導電膜(例:多結晶シリコン層)4が除去されることはないので、シリコン基板1が剥き出しとなることはない。
【0040】
この後、コンタクトビアの形成、配線の形成などが行われるが、ここでの説明は省略する。
<実施形態2>
【0041】
本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの他の一例を、図12のフローチャート図、および、図7乃至11を用いて説明する。図7乃至11の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0042】
実施形態2の例は、ウエハの裏面に形成されたゲート酸化膜3および多結晶シリコン層4を取り除く点で、実施形態1の例とは異なる。
【0043】
まず、図7(a)に示すように、ウエハのシリコン基板1上のLOCOS酸化膜2で分離されたトランジスタ領域にゲート酸化膜3を形成する(S10)。
【0044】
例えば、熱酸化法を用いて、ゲート酸化膜3を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面にもゲート酸化膜3が形成されるほか、図7(b)に示すように、ウエハの外周部分においてもゲート酸化膜3が形成される。
【0045】
次に、図7(a)に示すように、ゲート酸化膜3の上に、ゲート電極となる導電膜4、5を形成する(S20:第一工程)。
【0046】
例えば、まず、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜3の上に多結晶シリコン層4を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面側にも多結晶シリコン層4が形成されるほか、図7(b)に示すように、ウエハの外周部分においても多結晶シリコン層4が形成される。その後、例えばスパッタリング法を用いて、図7(a)(b)に示すようにウエハの表面側のみにシリサイド膜5を形成する。シリサイドとしては、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイドなどを使用することができる。
【0047】
なお、導電膜4、5は、一以上の膜からなるとともに、少なくとも多結晶シリコン層4を有するのが望ましい。すなわち、ここでは導電膜4、5として多結晶シリコン層4と、シリサイド膜5を形成する例を説明したが、シリサイド膜5を有さない構成とすることも可能である。この例については、以下で説明する。
【0048】
次に、ウエハの表面全面にレジスト(図示せず)を塗布し(S21)、ウエハの裏面の多結晶シリコン層4をエッチングする(S22)。その後、S21で塗布したウエハの表面のレジスト(図示せず)を剥離し(S23)、ウエハの裏面のゲート酸化膜3をエッチングする(S24)。これにより、図7(a)(b)に示す状態が得られる。なお、多結晶シリコン層4のエッチングや、ゲート酸化膜3のエッチングは、従来技術を利用して実現できる。
【0049】
この後は、実施形態1と同様にして、S30以降の処理が行われる。ここでの詳細な説明は省略する。
【0050】
なお、上述した例では、ウエハ表面に形成された多結晶シリコン層4の上にシリサイド膜5を形成した後、ウエハ裏面に形成された多結晶シリコン層4およびゲート酸化膜3を除去したが、ウエハ裏面に形成された多結晶シリコン層4およびゲート酸化膜3を除去した後に、ウエハ表面に形成された多結晶シリコン層4の上にシリサイド膜5を形成してもよい。
<実施形態3>
【0051】
本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの他の一例を、図6のフローチャート図、および、図13乃至17を用いて説明する。図13乃至17の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0052】
実施形態3の例は、導電膜として多結晶シリコン層4を形成し、シリサイド膜5は形成しない点で、実施形態1の例とは異なる。
【0053】
まず、図13(a)に示すように、ウエハのシリコン基板1上のLOCOS酸化膜2で分離されたトランジスタ領域にゲート酸化膜3を形成する(S10)。
【0054】
例えば、熱酸化法を用いて、ゲート酸化膜3を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面にもゲート酸化膜3が形成されるほか、図13(b)に示すように、ウエハの外周部分においてもゲート酸化膜3が形成される。
【0055】
次に、図13(a)に示すように、ゲート酸化膜3の上に、ゲート電極となる導電膜4を形成する(S20:第一工程)。
【0056】
例えば、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜3の上に多結晶シリコン層4を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面側にも多結晶シリコン層4が形成されるほか、図13(b)に示すように、ウエハの外周部分においても多結晶シリコン層4が形成される。
【0057】
この後は、実施形態1と同様にして、S30以降の処理が行われる。なお、この後、実施形態2のS21以降の処理を行うことも可能である。ここでのこれ以降の処理の説明は省略する。
【0058】
以上、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、シリコン基板1が剥き出しとなるのを防止できるので、その後の工程でシリコン基板1に何らかの負荷が加わり、ウエハの外周部分に残っている多結晶シリコン層4が剥がれ、パーティクルが発生するという問題を回避することができる。
また、ウエハの裏面に形成された多結晶シリコン層4を取り除くことで、ウエハの裏面に形成された多結晶シリコン層4の剥がれによる、パーティクルの発生をも回避することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 シリコン基板
2 LOCOS酸化膜
3 ゲート酸化膜
4 多結晶シリコン層
5 シリサイド膜
6 第一レジストパターン
7 保護膜
8 層間絶縁膜
9 第二レジストパターン
10 サイドウォール
11 LDD領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造過程において、パーティクルが発生するという問題がある。特に、製造工程中にダメージを受けやすいウエハの外周部分においては、パーティクルが発生しやすい。発生したパーティクルがウエハに付着してしまうと、十分な歩留りを実現することができない。
【0003】
ウエハの外周部分からのパーティクル発生を防止する手段としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に記載の半導体基板の処理方法は、SOI(Silicon On Insulator)基板上に形成されたSOI層を薄膜化する処理を実行する際に、ウエハの外周部分において生じるSOI層の剥離に起因するパーティクルの発生を防止するものである。
【0004】
具体的には、SOI層を薄膜化する処理を実行する前に、ウエハの外周部分のSOI層を完全に酸化してしまうことで、上述した問題を解決するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−111581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体装置の製造過程においては、トランジスタを形成し、このトランジスタを層間絶縁膜で覆った後、この層間絶縁膜を貫くコンタクトホールを形成する工程においても、ウエハの外周部分からパーティクルが発生する可能性がある。以下、図18乃至21を用いて説明する。各図の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0007】
まず、図18に示すように、ウエハのシリコン基板100上にLOCOS酸化膜200を形成し、分離されたトランジスタ領域にさらにゲート酸化膜300を形成する。次に、ゲート酸化膜300の上に、ゲート電極となる例えば多結晶シリコン層400を形成する。形成方法としては一般的に減圧CVD法を用いるが、この方法の場合、シリコン基板100の表面側、裏面側の両面に多結晶シリコン層400が形成される。裏面側の多結晶シリコン層400は、必要に応じて除去されるが、ここでは、除去しない場合を例に説明する。その後、スパッタリング法により、シリサイド膜500を表面側の多結晶シリコン層400の上のみに形成する。
【0008】
次に、ゲート電極となる多結晶シリコン層400およびシリサイド膜500を覆うレジストパターン600をシリサイド膜500の上に形成し、このレジストパターン600をマスクとして、多結晶シリコン層400およびシリサイド膜500をエッチングすることにより、図19に示す状態が得られる。この時、図19(b)に示すように、ウエハの外周部分には、多結晶シリコン層400のエッチング残りが存在する。
【0009】
その後、図20に示すように、トランジスタ領域にイオン注入を用いてLDD領域1100を形成後、シリコン酸化膜(図示せず)を形成し、エッチバックによりゲート電極の側壁にサイドウォール1000を形成する。その後、LDD領域1100にイオン注入することでソース領域およびドレイン領域を形成し、このトランジスタを覆う単層または複層の層間絶縁膜800を形成する。そして、層間絶縁膜800を貫くコンタクトホールを形成するため、層間絶縁膜800の上にレジストパターン900を形成する。なお、ウエハの外周部分にレジストを残しておくと、キャリアへの付着などにより発塵の原因となるので、図20(b)に示すように、ウエハの外周部分にレジストは形成しない。
【0010】
その後、レジストパターン900をマスクとして層間絶縁膜800をエッチングし、レジストパターン900を取り除くと、図21に示すような状態となる。
【0011】
ここで、図20に示す状態から、レジストパターン900をマスクとして層間絶縁膜800をエッチングすると、ウエハの外周部分(図20(b))においては、レジストパターン900に覆われていない層間絶縁膜800がエッチングされ、酸化膜200、300および多結晶シリコン層400が露出する。そして、層間絶縁膜800のエッチング処理により露出した酸化膜200、300も、このエッチング処理によりエッチングされ、図21(b)のAに示すような、シリコン基板100が部分的に剥き出しとなった状態となってしまう。このため、ウエハの外周部分(図20(b))に残った多結晶シリコン層400が剥がれやすくなり、パーティクルの原因となってしまう。例えば、その後の製造工程においてウエハの外周部分に何らかの負荷が加わると、ウエハの外周部分に残っている多結晶シリコン層400が容易に剥がれてしまう。
【0012】
ここでの図18乃至21を用いた説明はウエハの裏面側に形成された多結晶シリコン層400を除去しない例であったが、これを除去した場合においても、同様の問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、ウエハにゲート電極となる導電膜を形成する第一工程と、前記導電膜の中の、前記ウエハの外周部分に形成された前記導電膜の上に選択的に保護膜を形成する第二工程と、前記導電膜の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、導電膜をエッチングする前に、ウエハの外周部分に形成された導電膜の上にレジストマスクと異なる保護膜を形成する。この保護膜により、レジストマスクを形成できない部分の導電膜をも、エッチングされず残すことが可能となる。
【0015】
その結果、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する処理において、前記残された導電膜がマスクとなることで、この導電膜の下に形成された酸化膜が除去されるのを回避でき、その下に存在するシリコン基板が部分的に剥き出しになるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0016】
半導体装置の製造過程において生じるウエハ外周部分からのパーティクルの発生を防止し、十分な歩留りが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図2】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図3】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図4】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図5】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図6】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図7】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図8】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図9】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図10】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図11】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図12】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図14】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図15】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図16】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図17】本実施形態の半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図18】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図19】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図20】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【図21】半導体装置の製造過程の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図1乃至5、7乃至11、13乃至21を用いた説明においては、図中上側のウエハ面を表面、図中下側のウエハ面を裏面と定義して説明する。
【0019】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、ウエハにゲート電極となる導電膜を形成する第一工程と、前記導電膜の中の、前記ウエハの外周部分に形成された前記導電膜の上に選択的に保護膜を形成する第二工程と、前記導電膜の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、を有する。
【0020】
なお、本実施形態における必須の工程は第一工程乃至第五工程であり、以下の例で説明するその他の工程は、その他の適当な処理内容に変更することも可能である。
<実施形態1>
【0021】
本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を、図6のフローチャート図、および、図1乃至5を用いて説明する。図1乃至5の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0022】
まず、図1(a)に示すように、ウエハのシリコン基板1上のLOCOS酸化膜2で分離されたトランジスタ領域にゲート酸化膜3を形成する(S10)。
【0023】
例えば、熱酸化法を用いて、ゲート酸化膜3を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面にもゲート酸化膜3が形成されるほか、図1(b)に示すように、ウエハの外周部分においてもゲート酸化膜3が形成される。
【0024】
次に、図1(a)に示すように、ゲート酸化膜3の上に、ゲート電極となる導電膜4、5を形成する(S20:第一工程)。
【0025】
例えば、まず、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜3の上に多結晶シリコン層4を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面側にも多結晶シリコン層4が形成されるほか、図1(b)に示すように、ウエハの外周部分においても多結晶シリコン層4が形成される。その後、例えばスパッタリング法を用いて、図1(a)(b)に示すようにウエハの表面側のみにシリサイド膜5を形成する。シリサイドとしては、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイドなどを使用することができる。
【0026】
なお、導電膜4、5は、一以上の膜からなるとともに、少なくとも多結晶シリコン層4を有するのが望ましい。すなわち、ここでは導電膜4、5として多結晶シリコン層4と、シリサイド膜5を形成する例を説明したが、シリサイド膜5を有さない構成とすることも可能である。この例については、以下で説明する。
【0027】
次に、図2(a)(b)に示すように、導電膜4、5の中の、ウエハの外周部分に形成された導電膜4、5の上に選択的に保護膜7を形成する(S30、S40:第二工程)。保護膜7は、以降の工程である導電膜4、5をエッチングする工程(S80)を行う際に除去されない性能を有する。例えば、導電膜4、5に多結晶シリコン層4を有する構成とする場合、保護膜7は酸化膜とすることができる。
【0028】
このような保護膜7の形成方法は、例えば以下のようにして実現することができる。まず、CVD法を用いて、図1(a)(b)に示すようにウエハの表面側およびウエハの外周部分に保護膜7を形成する(S30)。その後、ウエハの外周部分に形成された保護膜7を残し、他の部分の保護膜7を除去する(S40)ことで、図2(a)(b)に示す状態が得られる。保護膜7はCVD装置の機種によってはウエハ裏面側にも形成される。なお、図においてはウエハ裏面側に保護膜7が形成されていない例を示しているが、ウエハ裏面側に保護膜7が形成される場合においても同様にして本実施形態を実現することができる。
【0029】
ウエハの外周部分に形成された保護膜7を残し、他の部分の保護膜7を除去する手段としては、例えば、クランプを用いて、図1(a)(b)の状態のウエハの外周部分を覆い、このクランプをマスクとして保護膜7を異方性エッチングすることで実現してもよい。なお、クランプとしてはウエハ全周を覆うタイプのものが望ましい。また、ウエハ外周を2mm程度覆うことが可能なものが望ましい。
【0030】
なお、保護膜7の膜厚は、保護膜7を除去するためのドライエッチャーの性能に応じて任意に設計可能であるが、150Å程度であれば十分であると考えられる。
【0031】
その後、図3(a)に示すように、導電膜4、5の上に第一レジストパターン6を形成し、第一レジストパターン6をマスクとして導電膜4、5をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する(S50、S60、S70、S80:第三工程)。
【0032】
例えば、導電膜4、5の上にレジストを塗布後(S50)、図3(a)に示すような第一レジストパターン6を形成するためのフォトマスク越しにレジストを露光し(S60)、現像する(S70)。そして、図3(a)に示すような第一レジストパターン6をマスクとして、導電膜4、5を異方性エッチング(例:プラズマエッチング)することで(S80)、図3(a)に示す状態を得る。そして、第一レジストパターン6を除去することで、ゲート電極が得られる。なお、第一レジストパターン6をマスクとして、導電膜4、5を異方性エッチングする処理(S80)により、ウエハの外周部分に形成された保護膜7が除去されることはないので、図3(b)に示すように、保護膜7に覆われた導電膜4、5はそのまま残る。
【0033】
その後、図4(a)に示すようなトランジスタを形成する(S90)。
【0034】
例えば、トランジスタ領域にイオン注入を用いてLDD領域11を形成後、シリコン酸化膜(図示せず)を形成し、エッチバックによりゲート電極の側壁にサイドウォール10を形成する。その後、LDD領域11にイオン注入することでソース領域およびドレイン領域を形成する。
【0035】
その後、図4(a)に示すような、第三工程で形成したゲート電極を覆う単層または複層の層間絶縁膜8を形成する(S100:第四工程)。
【0036】
例えば、CVD法を用い、ゲート電極を覆う層間絶縁膜8として酸化絶縁膜し、この酸化絶縁膜を、ケミカルメカニカルポリッシングなどを用いて平坦化する。
【0037】
その後、図4(a)に示すように、層間絶縁膜8の上に第二レジストパターン9を形成し、第二レジストパターン9をマスクとして層間絶縁膜8をエッチングすることにより、図5(a)に示すようなコンタクトホールを形成する(S110:第五工程)。
【0038】
例えば、層間絶縁膜8の上にレジストを塗布後、図4(a)(b)に示すような第二レジストパターン9を形成するためのフォトマスク越しにレジストを露光し、現像する。なお、ウエハの外周部分にレジストを残しておくと、キャリアへの付着などにより発塵の原因となる。よって、図4(b)に示すように、ウエハの外周部分にレジストは形成しない。次に、図4(a)に示すような第二レジストパターン9をマスクとして、層間絶縁膜8を異方性エッチング(例:プラズマエッチング)する。その後、第二レジストパターン9を除去すると、図5(a)(b)に示す状態が得られる。
【0039】
なお、層間絶縁膜8を異方性エッチングする処理を行うと、ウエハの外周部分(図4(b))においては、第二レジストパターン9に覆われていない層間絶縁膜8が除去され、露出した保護膜(酸化膜)7も除去される。しかし、保護膜7が除去されることにより露出した導電膜(例:多結晶シリコン層)4が除去されることはないので、シリコン基板1が剥き出しとなることはない。
【0040】
この後、コンタクトビアの形成、配線の形成などが行われるが、ここでの説明は省略する。
<実施形態2>
【0041】
本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの他の一例を、図12のフローチャート図、および、図7乃至11を用いて説明する。図7乃至11の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0042】
実施形態2の例は、ウエハの裏面に形成されたゲート酸化膜3および多結晶シリコン層4を取り除く点で、実施形態1の例とは異なる。
【0043】
まず、図7(a)に示すように、ウエハのシリコン基板1上のLOCOS酸化膜2で分離されたトランジスタ領域にゲート酸化膜3を形成する(S10)。
【0044】
例えば、熱酸化法を用いて、ゲート酸化膜3を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面にもゲート酸化膜3が形成されるほか、図7(b)に示すように、ウエハの外周部分においてもゲート酸化膜3が形成される。
【0045】
次に、図7(a)に示すように、ゲート酸化膜3の上に、ゲート電極となる導電膜4、5を形成する(S20:第一工程)。
【0046】
例えば、まず、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜3の上に多結晶シリコン層4を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面側にも多結晶シリコン層4が形成されるほか、図7(b)に示すように、ウエハの外周部分においても多結晶シリコン層4が形成される。その後、例えばスパッタリング法を用いて、図7(a)(b)に示すようにウエハの表面側のみにシリサイド膜5を形成する。シリサイドとしては、タングステンシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイドなどを使用することができる。
【0047】
なお、導電膜4、5は、一以上の膜からなるとともに、少なくとも多結晶シリコン層4を有するのが望ましい。すなわち、ここでは導電膜4、5として多結晶シリコン層4と、シリサイド膜5を形成する例を説明したが、シリサイド膜5を有さない構成とすることも可能である。この例については、以下で説明する。
【0048】
次に、ウエハの表面全面にレジスト(図示せず)を塗布し(S21)、ウエハの裏面の多結晶シリコン層4をエッチングする(S22)。その後、S21で塗布したウエハの表面のレジスト(図示せず)を剥離し(S23)、ウエハの裏面のゲート酸化膜3をエッチングする(S24)。これにより、図7(a)(b)に示す状態が得られる。なお、多結晶シリコン層4のエッチングや、ゲート酸化膜3のエッチングは、従来技術を利用して実現できる。
【0049】
この後は、実施形態1と同様にして、S30以降の処理が行われる。ここでの詳細な説明は省略する。
【0050】
なお、上述した例では、ウエハ表面に形成された多結晶シリコン層4の上にシリサイド膜5を形成した後、ウエハ裏面に形成された多結晶シリコン層4およびゲート酸化膜3を除去したが、ウエハ裏面に形成された多結晶シリコン層4およびゲート酸化膜3を除去した後に、ウエハ表面に形成された多結晶シリコン層4の上にシリサイド膜5を形成してもよい。
<実施形態3>
【0051】
本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの他の一例を、図6のフローチャート図、および、図13乃至17を用いて説明する。図13乃至17の(a)は、ウエハの外周部分でない部分の断面概略図を示しており、各図の(b)は、ウエハの外周部分付近の断面概略図を示している。
【0052】
実施形態3の例は、導電膜として多結晶シリコン層4を形成し、シリサイド膜5は形成しない点で、実施形態1の例とは異なる。
【0053】
まず、図13(a)に示すように、ウエハのシリコン基板1上のLOCOS酸化膜2で分離されたトランジスタ領域にゲート酸化膜3を形成する(S10)。
【0054】
例えば、熱酸化法を用いて、ゲート酸化膜3を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面にもゲート酸化膜3が形成されるほか、図13(b)に示すように、ウエハの外周部分においてもゲート酸化膜3が形成される。
【0055】
次に、図13(a)に示すように、ゲート酸化膜3の上に、ゲート電極となる導電膜4を形成する(S20:第一工程)。
【0056】
例えば、減圧CVD法を用いて、ゲート酸化膜3の上に多結晶シリコン層4を形成する。この方法によれば、ウエハの裏面側にも多結晶シリコン層4が形成されるほか、図13(b)に示すように、ウエハの外周部分においても多結晶シリコン層4が形成される。
【0057】
この後は、実施形態1と同様にして、S30以降の処理が行われる。なお、この後、実施形態2のS21以降の処理を行うことも可能である。ここでのこれ以降の処理の説明は省略する。
【0058】
以上、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、シリコン基板1が剥き出しとなるのを防止できるので、その後の工程でシリコン基板1に何らかの負荷が加わり、ウエハの外周部分に残っている多結晶シリコン層4が剥がれ、パーティクルが発生するという問題を回避することができる。
また、ウエハの裏面に形成された多結晶シリコン層4を取り除くことで、ウエハの裏面に形成された多結晶シリコン層4の剥がれによる、パーティクルの発生をも回避することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 シリコン基板
2 LOCOS酸化膜
3 ゲート酸化膜
4 多結晶シリコン層
5 シリサイド膜
6 第一レジストパターン
7 保護膜
8 層間絶縁膜
9 第二レジストパターン
10 サイドウォール
11 LDD領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハにゲート電極となる導電膜を形成する第一工程と、
前記導電膜の中の、前記ウエハの外周部分に形成された前記導電膜の上に選択的に保護膜を形成する第二工程と、
前記導電膜の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、
前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第二工程は、
前記導電膜の上に、保護膜を形成する工程と、
前記ウエハの外周部分に形成された前記保護膜を残し、他の部分の前記保護膜を除去する工程と、
を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第二工程は、
前記ウエハの外周部分を、クランプを用いて覆い、前記クランプをマスクとして前記保護膜をエッチングする工程である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記導電膜は、一以上の膜からなるとともに、少なくとも多結晶シリコン膜を有し、
前記層間絶縁膜は、酸化膜である請求項1から3のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
ウエハにゲート電極となる導電膜を形成する第一工程と、
前記導電膜の中の、前記ウエハの外周部分に形成された前記導電膜の上に選択的に保護膜を形成する第二工程と、
前記導電膜の上に第一レジストパターンを形成し、前記第一レジストパターンをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、ゲート電極を形成する第三工程と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成する第四工程と、
前記層間絶縁膜の上に第二レジストパターンを形成し、前記第二レジストパターンをマスクとして前記層間絶縁膜をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成する第五工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第二工程は、
前記導電膜の上に、保護膜を形成する工程と、
前記ウエハの外周部分に形成された前記保護膜を残し、他の部分の前記保護膜を除去する工程と、
を有する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第二工程は、
前記ウエハの外周部分を、クランプを用いて覆い、前記クランプをマスクとして前記保護膜をエッチングする工程である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記導電膜は、一以上の膜からなるとともに、少なくとも多結晶シリコン膜を有し、
前記層間絶縁膜は、酸化膜である請求項1から3のいずれか一に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−40545(P2011−40545A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186057(P2009−186057)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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