説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】能動素子、受動素子等の損傷や特性変化を防止しつつ、より小型化が図れる半導体装置を提供する。
【解決手段】複数の層2〜4が積層された半導体装置において、最上部に位置する第1配線層59と、最上部から下方の2番目に位置する第2配線層54と、第1配線層59と第2配線層54の間に形成された金属膜56と、金属層56の外周に形成され、第1配線層59と第2配線層54を接続する第1導電性プラグ58と、金属膜56及び第1配線層59の上方に形成されたパッド62と、パッド62と第1配線59を接続する第2導電性プラグ61とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、より詳しくは、上面にパッドを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体基板に形成されたトランジスタを含む半導体回路を有するとともに、その半導体回路を外部に接続するための外部接続用のパッドを有している。外部接続用のパッドの配置として、半導体基板における素子形成領域の上方に位置させる構造と、素子形成領域の周囲に位置させる構造がある。ここで、素子形成領域は、トランジスタ、キャパシタ等が形成される領域である。
【0003】
パッドを素子形成領域の上方に配置する構造では、パッドに試験装置のプローブ針を当てると、プローブ針からパッドに加わる力は、パッド、配線、絶縁層等を伝達して例えばトランジスタに加わることになる。そして、トランジスタに応力が加わると、トランジスタに欠損が生じたり、トランジスタ特性が変化したりするおそれがある。
特にプローブ針からパッド、絶縁膜を介して強誘電体キャパシタに力が加わると、圧電素子である強誘電体膜は大きな特性変化が生じる。この影響により、強誘電体特性が劣化し、或いは強誘電体特性のズレが生じてしまう恐れがある。
【0004】
これに対して、パッドを素子形成領域の周囲に配置する構造では、プローブ針の直下にはトランジスタが存在しないので、パッドにプローブ針を当ててもトランジスタに損傷を与えるおそれがない。
多くの半導体装置のパッドは、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ロジック等の品種にかかわらず、素子形成領域の周辺に配置される構成となっている。
【特許文献1】特開平9−298217号公報
【特許文献2】特開2002−190568号公報
【特許文献3】特表2006−502561号公報
【特許文献4】特開平06−308163号公報
【特許文献5】特開2002−190568号公報
【特許文献6】特開2002−116224号公報
【特許文献7】特開2006−41333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外部接続用のパッドを素子形成領域の周囲に配置する半導体装置については、パッドの占有面積が半導体装置の大きさを決める要因となる。例えば、ICタグ(IC−TAG)、RFタグ(RF−TAG)、認証チップのように、半導体チップのサイズが1mm角を下回る小さい品種では、パッド領域が全体の約20%を占める。
【0006】
そのような半導体装置では、半導体基板のうち半導体回路として利用できない領域が大きくなるので、半導体回路の微細化が進んでも面積縮小効果が十分に得られない。
一方、半導体装置では、用途の違いによりパッド数の少ないもの、多いものなど様々な構造が存在している。そのため、半導体装置の試験に使用するプローバは、品種に合わせて用意する必要がある。
【0007】
大量生産、大量販売できる品種であれば、試験プローバの使用頻度は高くなり、半導体装置の試験にかかるコストは低くなる。しかし、少量多品種が多用されてくると、それぞれの品種に合わせて試験プローバが必要になるので、試験プローバの管理が煩雑になるとともに半導体装置の試験コストが高くなる。
【0008】
本発明の目的は、より小型化が図れる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの観点によれば、半導体基板上方の最上部の配線である第1配線層と、前記最上部から下方の2番目に位置する第2配線層と、前記第1配線層と前記第2配線層の間に形成される金属膜と、前記半導体基板の外周部の上方に形成され、前記第1配線層と前記第2配線層を接続する第1導電性プラグと、前記金属膜及び前記第1配線層の上方に形成されたパッドと、前記パッドと前記第1配線層を接続する第2導電性プラグとを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
本発明の別の観点によれば、半導体基板上方で、上から2番目の配線である第2配線層を形成する工程と、前記第2配線層の上に第1絶縁膜を介して金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上に第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1及び第2絶縁膜内に形成され、前記半導体基板の外周部の上方で前記第2配線層に接続する第1導電性プラグを形成する工程と、前記第1導電性プラグに接続され、最上部の配線となる第1配線層を前記第2絶縁膜上に形成する工程と、前記第2絶縁膜及び前記第1配線層上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第1配線層に接続される第2導電性プラグを前記第3絶縁膜内に形成する工程と、前記金属膜の上方で、前記第2導電性プラグに接続されるパッドを前記第3絶縁膜上に形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最上部の第1配線層とその下の第2配線層の間に金属膜を形成し、半導体基板の外周部で第1配線層と第2配線層を第1導電性プラグにより接続するとともに、金属膜の上方で第1配線層に第2導電性プラグを介してパッドを形成している。
これにより、試験時にプローブ針をパッドに当てても、その下方への応力を金属膜により抑制することができ、金属膜の下方に形成される能動素子、受動素子の損傷、劣化を防止することができる。
しかも、パッドを能動素子の上方に位置させることができので、パッドを半導体装置の外周部にのみに形成する従来構造に場合に比べて、パッドが半導体装置の大きさを決める要因とはならず、半導体装置の小型化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1A〜図1Hは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図、図2A〜図2Hは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。
【0012】
まず、図1A、図2Aに示すように、シリコン基板1にトランジスタ領域層2とキャパシタ領域層3と配線領域層4を順に形成する。この場合、トランジスタ(能動素子)領域層2とキャパシタ(受動素子)領域層3の周囲は、半導体チップ領域の外周部である配線周辺領域層5となっている。トランジスタ領域層2、キャパシタ領域層3及び配線領域層4の一部は、例えば図3に示すような構造を有している。
【0013】
図3において、半導体基板であるn型又はp型のシリコン基板1の表面には、活性領域を囲む素子分離絶縁層11がLOCOS法により形成されている。
なお、素子分離絶縁層11としてシャロートレンチアイソレーション(STI)を形成してもよい。STIは、シリコン基板1の活性領域の周囲に溝を形成した後に、その溝の中に絶縁膜を埋め込むことにより形成される。
【0014】
メモリセル領域における活性領域には、イオン注入によりpウェル12が形成されている。また、pウェル12には、第1、第2のMOSトランジスタT1、T2が形成されている。第1、第2のMOSトランジスタT1、T2は、それぞれゲート電極14、15、第1〜第3のソース/ドレイン領域16、17、18等を有している。
【0015】
2つのゲート電極14、15は、pウェル12の上にゲート絶縁膜13を介して形成され、さらに互いに横方向に間隔をおいて形成されている。ゲート電極14、15は、下からシリコン膜、タングステンシリサイド膜、酸化シリコン膜の積層構造をパターニングすることにより形成される。さらに、ゲート電極14、15は、素子分離絶縁層11上に形成されるワード線の一部を構成している。
【0016】
ゲート電極14、15の側面には、絶縁性のサイドウォール19が形成されている。サイドウォール19は、シリコン基板1の上に絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を形成した後にエッチバックすることにより形成される。
【0017】
第1〜第3のソース/ドレイン領域16、17、18はそれぞれn型のエクステンション領域16a、17a、18aと高濃度n型不純物領域16b、17b、18bにより構成されている。エクステンション領域16a、17a、18aは、ゲート電極14、15及び素子分離絶縁層11をマスクにして、pウェル12内にn型不純物として例えばリンをイオン注入することにより形成される。また、高濃度n型不純物領域16b、17b、18bは、ゲート電極14、15、サイドウォール19及び素子分離絶縁層12をマスクにして、pウェル12内にn型不純物として砒素をイオン注入することにより形成される。
【0018】
MOSトランジスタT1、T2及びシリコン基板1の上には、酸化防止絶縁膜20としてプラズマCVD法により酸窒化シリコン(SiON)膜が形成されている。
さらに、酸化防止絶縁膜20の上には、第1層間絶縁膜21としてノンドープシリケートガラス(NSG)膜がCVD法により形成されている。第1層間絶縁膜21の表面は化学的機械研磨 (CMP)法により平坦化されている。
【0019】
第1層間絶縁膜21には、第1〜第3のソース/ドレイン領域16、17、18のそれぞれに達する第1〜第3のコンタクトホール21a〜21cがフォトリソグラフィ法により形成されている。さらに、第1〜第3のコンタクトホール21a〜21c内にはチタン(Ti)膜、窒化チタン(TiN)膜及びタングステン(W)膜の積層導電膜が順に充填され、第1〜第3の導電性プラグ22、23、24として使用される。
なお、第1層間絶縁膜21の上面上に形成されたW膜、TiN膜、Ti膜はCMP法により除去されている。
【0020】
第1層間絶縁膜21の上には、第2層間絶縁膜25、第1保護膜26が形成されている。第2層間絶縁膜25としてNSG膜が形成され、その表面は例えば窒素雰囲気中で脱水処理されている。また、第1保護膜26としてアルミナ(Al)膜が形成されている。
以上のように、MOSトランジスタT1、T2が形成されたシリコン基板1から第1保護膜26までの層は、図1Aに示したトランジスタ領域層2となる。
【0021】
第1保護膜26の上には、強誘電体キャパシタQの下部電極27、強誘電体膜28及び上部電極29が順に形成されている。
下部電極27は、例えばPt、Ir、Ru等の貴金属膜から形成され、フォトリソグラフィ法により例えばストライプ状にパターニングされている。強誘電体膜28は、例えばPb(Zr,Ti)O3(PZT)、SrBi2Ta2O9(SBT)などのペロブスカイト構造を有する材料から構成される。そのような強誘電体材料は、例えばスパッタ法、MOCVD法により形成される。また、上部電極29は、強誘電体膜28上に形成され、例えば、酸化イリジウム膜から形成されている。
【0022】
強誘電体膜28はパターニングされて下部電極27のコンタクト領域を露出する形状を有している。また、上部電極29は、強誘電体膜28上で横方向に間隔をおいて複数形成されている。
強誘電体キャパシタQは、pウェル12の斜め上の両側方にそれぞれ形成され、その上面は第2保護膜30により覆われ、さらに全体が第3保護膜31により覆われている。第2、第3保護膜30、31は、水素、水の移動を阻止するバリア材料、例えばアルミナから形成されている。
【0023】
第3保護膜31上には、第3層間絶縁膜33として例えば厚さ1500nmのNSG膜がCVD法により形成されている。第3層間絶縁膜33の表面は例えばCMP法により平坦化され、さらに窒素プラズマ雰囲気で窒化されている。
以上のように第1保護膜26の上に形成された強誘電体キャパシタQ、第2、第3保護膜30、31及び第3層間絶縁膜33は、図1Aに示したキャパシタ層3となる。
【0024】
第3の層間絶縁膜33から第2層間絶縁膜25までの層には、第1〜第3の導電性プラグ22、23、24の上面に達する深さの第4〜第6のコンタクトホール33a、33b、33cがフォトリソグラフィ法により形成されている。第4〜第6のコンタクトホール33a、33b、33c内には、TiN膜及びW膜の積層導電膜が順に充填され、第4〜第6導電性プラグ34、35、36として使用される。
【0025】
従って、第4、第5、第6の導電性プラグ34、35、36はそれぞれ第1、第2、第3の導電性プラグ22、23、24に接続されることになる。
また、第3層間絶縁膜33から第2保護膜30までの各層には、上部電極29と下部電極27のそれぞれの一部に達する深さの第1ホール33d、第2ホール33eがフォトリソグラフィ法により形成されている。そして、第1、第2ホール33d、33eのそれぞれの中にはTiN膜、W膜の積層導電膜が順に充填され、第1のビア38、第2のビア39として使用される。
【0026】
第3層間絶縁膜33上には、第1、第2の上部電極用配線40a、40b、プレート用配線40c、導電性パッド40d等の一層目配線が形成されている。
第1の上部電極用配線40aは、強誘電体キャパシタQ上の第1のビア38と第6の導電性プラグ37を電気的に接続する。第2のキャパシタ用配線40bは、他の強誘電体キャパシタQ上の他の第1のビア38と第4の導電性プラグ35を接続する。
【0027】
プレート用配線40cは、第2のビア39を介して下部電極27のコンタクト領域に接続されて周辺回路(不図示)に接続される。また、導電性パッド40dは、第2、第5導電性プラグ23、36を介して第2のソース/ドレイン領域17に接続される。
第1、第2の上部電極用配線40a、40b、プレート用配線40c、導電性パッド40d等は、Ti膜、TiN膜、AlCu合金膜、TiN膜を順に積層した積層導電膜をパターニングすることにより形成される。
【0028】
第1、第2の上部電極用配線40a、40b、プレート用配線40c、導電性パッド40d、第3層間絶縁膜33の上には、第4層間絶縁膜42としてCVD法によりNSG膜が形成されている。第4層間絶縁膜42の上面はCMP法により平坦化されている。
第4層間絶縁膜42のうち導電性パッド40dの上には、第3ホール42aが形成され、その中には第3のビア43となるTiN膜、W膜の積層導電膜が順に充填されている。
【0029】
さらに、第4層間絶縁膜42の上には、第3のビア43に接続するビット線44が形成され、導電性パッド40c及び第2、第4の導電性プラグ23、36を介して第2のソース/ドレイン領域17に接続されている。ビット線44は例えばワード線と直交する方向に延在する形状を有している。また、ビット線44は、TiN膜、AlCu合金膜、TiN膜の積層構造を有している。なお、ビット線44は二層目配線の一部となる。
【0030】
ビット線44、第4層間絶縁膜42の上には、第5層間絶縁膜45としてCVD法によりNGS膜が形成されている。さらに、第5層間絶縁膜45の上面はCMP法により平坦化され、その上には三層目配線46が形成されている。
【0031】
第5層間絶縁膜45と三層目配線46の上には第6層間絶縁膜47が形成され、その上面はCMP法により平坦化されている。さらに、三層目配線46上の所定位置にはホールが形成され、その中にはビア48a〜48dが埋め込まれている。第6層間絶縁膜47の上には四層目配線49が形成されている。
【0032】
第6層間絶縁膜47と四層目配線49の上には第7層間絶縁膜50が形成され、その上面はCMP法により平坦化されている。さらに、第7層間絶縁膜50のうち四層目配線49上の所定位置にはホールが形成され、その中にはビア51a、51bが埋め込まれている。
【0033】
第7層間絶縁膜50、ビア51a、51bの上には、特に図示しないが配線、ビア、層間絶縁膜が繰り返して順に形成されている。そして、n層目の層間絶縁膜52内には、m層目の配線(不図示)に接続されるm層目のビア53a〜53dが形成される。ここで、n、mはそれぞれ自然数である。なお、n層目の層間絶縁膜52の上面はCMP法により平坦化されている。
上記の一層目の配線40a〜40dからn層目の層間絶縁膜52及びm層目のビア53a〜53dまでの各層により、図1Aに示す配線領域層4が形成される。
【0034】
次に、第n層目の層間絶縁膜52上にTiN膜、AlCu合金膜、TiN膜の積層金属膜を形成した後に、積層金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、図1B、図2Bに示す(m+1)層目の配線54を形成する。
(m+1)層目の配線54の幅は、後述する外部接続用パッド62に比べて極めて細く、例えば20μm以下である。
【0035】
(m+1)層目の配線54は、図3に示したm層目のビア53a〜53dに接続される。そして、(m+1)層目の配線54の一部である引出配線54aは、半導体チップ領域、即ち半導体装置の外周部の配線周辺領域層5にはみ出して形成される。
【0036】
これにより、強誘電体キャパシタQ等の受動素子、MOSトランジスタT1、T2を含む半導体回路は、m層目のビア53a〜53dと(m+1)層目の配線54の引出配線54aにより、配線周辺領域層5に電気的に引き出される。
なお、(m+1)層目の配線54は、上から数えて2番目の配線である。
【0037】
次に、図1C、図2Cに示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、(m+1)層目の配線54及びn層目の層間絶縁膜52の上に、(n+1)層目の層間絶縁膜55としてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。
その後、(n+1)層目の層間絶縁膜55の上に、金属膜、例えばTi、TiN、TiAlN、或いは、Pt、Pd、Ir等の貴金属の膜を形成する。続いて、金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、これにより配線領域層4の上に応力緩和プレート56を形成する。
【0038】
応力緩和プレート56は、後述する外部接続パッド62に試験用プローブ針が当たった状態で、プローブ針からの応力が下方に伝達することを阻止するために形成される。従って、応力緩和プレート56を構成する金属膜は、その衝撃及び応力が下方に伝達することを抑制する材料、厚さに形成される。例えば金属膜としてTiN膜を選択する場合には、その厚さを200μm〜1000μm程度にする。
なお、本実施形態では、応力緩和プレート56が電気的に他の導電パターンに接続されずに孤立した状態になっている。
【0039】
次に、図1D、図2Dに示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、応力緩和プレート56と(n+1)層目の層間絶縁膜55の上に、(n+2)層目の層間絶縁膜57として例えばCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法により(n+1)層目と(n+2)層目の層間絶縁膜55、57を部分的にエッチングすることにより、(m+1)層目の配線54のうち配線周辺領域層5上にはみ出した引出配線54aの上にホール57aを形成する。
【0040】
さらに、ホール57aの中にTiN膜をスパッタにより形成した後に、TiN膜上にW膜をCVD法により形成する。その後に、CMP法によりTiN膜、W膜を(n+2)層目の層間絶縁膜57の上面上から除去し、これによりホール57a内に残されたTiN膜とW膜を(m+1)層目のビア(導電性プラグ)58として使用する。
(m+1)層目のビア58は、上から数えて2番目のビアとなる。
【0041】
次に、(n+2)層目の層間絶縁膜57上に、TiN膜、AlCu合金膜及びTiN膜を順に形成した後に、これらの積層導電膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングする。
これにより、図1Eに示すように、応力緩和プレート56の上方とその周辺の領域でパターニングされた積層導電膜をパッド接続用配線59として使用する。パッド接続用配線59は、例えば20μm以下の幅に形成され、図2Eに示すように、(m+1)層目のビア58と接続する引出配線59aを有している。
【0042】
パッド接続用配線59は、最上の配線であり、(m+1)層目のビア58を応力緩和プレート56の真上のパッド配置部のパッド形成位置に電気的に引き出す形状を有している。なお、パッド形成位置は、試験装置のプローブ針を当てる位置である。
【0043】
次に、図1F、図2Fに示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、(n+2)層目の層間絶縁膜57とパッド接続用配線59の上に、(n+3)層目の層間絶縁膜60としてシリコン酸化膜をCVD法により形成する。その後に、フォトリソグラフィ法を用いて(n+3)層目の層間絶縁膜60にホールを形成する。ホールは、パッド接続用配線59の上であり且つパッド形成位置に形成される。
【0044】
続いて、ホール内にTiN膜、W膜を順に充填することにより最上の導電性プラグであるビア61を形成する。最上のビア61は、(m+1)層目のビア58と同じ方法により形成される。
【0045】
次に、最上のビア58と(n+3)層目の層間絶縁膜60上に導電膜として、TiN膜、AlCu合金膜及びTiN膜の積層膜、或いはアルミニウム膜、アルミニウム合金膜等を形成する。続いて、その導電膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、図1G、図2Gに示すように、パッド形成位置に外部接続パッド62を形成する。外部接続パッド62は応力緩和プレート56の真上であって複数のパッド形成位置に形成され、それらのうち少なくとも一部は最上層のビア61に接続される。
応力緩和プレート56の面積は、複数の外部接続パッド62を形成するパッド配置部の面積と同じかそれよりも大きいことが好ましい。
【0046】
次に、図1H、図2Hに示す構造を形成する工程を説明する。
まず、(n+3)層目の層間絶縁膜60と外部接続パッド62の上にシリコン酸化膜63とシリコン窒化膜64を順に形成した後に、それらの膜63、64をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより外部接続パッド60のそれぞれの上に開口64aを形成する。
【0047】
さらに、シリコン窒化膜64と外部接続パッド62の上に保護膜65として、例えば感光性のポリイミド膜を形成する。そして、ポリイミド膜を露光、現像、熱硬化することにより、外部接続パッド62の上に開口部65aを形成する。これにより、外部接続用パッド62の上面が露出する。
以上により、半導体基板1に半導体装置が形成される。半導体装置は、シリコン基板1であるシリコンウエーハにダイシング領域を挟んで縦横に複数形成される。
【0048】
その後に、シリコンウエーハ1をダイシング領域に沿って分割するが、その分割の前に、試験装置を用いて半導体装置のコンタクト試験、特性試験等を行う。試験の際には、半導体装置の外部接続パッド62には、試験装置のプローブ針が接続される。
【0049】
プローブ針は圧力を掛けながら外部接続用パッド62に当てるので、外部接続パッド62には外部から力が加わることになる。その力は配線領域層4、キャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2に向くことになる。
しかし、プローブ針による押圧力は、外部接続用パッド62の下方に形成した応力緩和プレート56により遮られるので、その下の配線領域層4、キャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2に加わる応力は極めて小さくなる。
【0050】
これにより、強誘電体キャパシタQ、MOSトランジスタT1、T2の応力による特性変化、特性劣化及び損傷が防止される。また、外部接続用パッド62に加わる力は、応力緩和プレート56からの反作用によりその上の外部接続用パッド62の押さえがきくため、プローブ針と外部接続用パッド62の接続が良好になる。
【0051】
さらに、キャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2に対して外部接続用パッド62が上下に離れて重なる構造となっているので、外部接続用パッド62が半導体装置の大きさを決める要素が極めて少なくなり、半導体装置の小型化が可能になる。
【0052】
なお、パッド接続配線59と(m+1)層目の配線54のそれぞれの引出配線54a、59aはキャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2の外周に位置することになるが、それらの引出配線54a、59aは(n+1)層目のビア58を接続する大きさを有すればよく、半導体装置の小型化に支障をきたすことはない。
【0053】
次に、従来技術と本実施形態のそれぞれの半導体装置の不良発生を比較して説明する。
本実施形態に係る半導体装置として、図4A、図4Bに示す概要平面図のように、外部接続用パッド62の配置と全体の大きさがそれぞれ異なる第1品種、第2品種の半導体装置67、68を用意した。
一方、図5A、図5Bの概要平面図に示すように、従来技術に係る半導体装置として、トランジスタ領域層の外周に外部接続用パッド102を配置した第1品種、第2品種を用意した。
【0054】
本実施形態の第1品種、第2品種は、表1に示す大きさであり、また、従来技術の第1品種、第2品種は、表2に示す大きさである。それらを比較すると、本実施形態の第1品種は従来技術の第1品種に比べて上面の面積が81.5%となり、また、本実施形態の第2品種は従来技術の第2品種に比べて上面の面積が68.4%となって、いずれも本実施形態の方が小さくなっている。
【表1】


【表2】


【0055】
さらに、図示しないが、応力緩和プレートの無い半導体装置のトランジスタ領域層の真上に外部接続用パッドを形成した第1品種、第2品種の比較例を用意した。その大きさは、表1とほぼ同じである。
そして、本実施形態と従来例と比較例のそれぞれの第1品種、第2品週の半導体装置について高度加速ストレス試験(UHAST)を行ったところ表3に示す結果が得られた。UHASTでは、試験槽内において極端な温度や湿度の下で試験時間を変えながらデバイスに負荷を加えた後に、デバイスの動作確認を行い、デバイスに電気的な障害が無いかどうか試験される。
【表3】

【0056】
表3において、従来技術によれば、第1、第2品種の半導体装置101,103の外部接続用パッド102はトランジスタ領域層の周辺に配置したものであり、以前に当てられたプローブ針による影響はなく、試験時間に係わらず不良率はゼロであった。
しかし、外部接続用パッドをトランジスタ領域層の真上に配置した比較例の第1、第2品種の半導体装置によれば、試験時間が増加するにつれて不良率が高くなった。これにより、トランジスタ領域層の真上に外部接続用パッドを形成することは好ましくないと推測される。
【0057】
一方、本実施形態の第1、第2品種の半導体装置67,68では、トランジスタ領域層2の真上に外部接続用パッド62を形成しているにもかかわらず、不良率はゼロであった。従って、応力緩和プレート56による効果が現れていることがわかる。
以上のことから、本実施形態によればトランジスタ領域層2、キャパシタ領域層3の真上に外部接続用パッド62を形成しても、トランジスタ領域層2、キャパシタ領域層3内の能動素子、受動素子の特性に実質的に影響を与えることはなかった。
【0058】
ところで、図6に示すように、図4Aのパッド配置部の外部接続用パッド62にダミーパッド62aを加えることにより、それらのパッド配置を図4Bのパッド配置部と同じにすることができる。
【0059】
これにより、第1品種の半導体装置67と第2品種の半導体装置68のそれぞれの試験の際にプローブ針を当てる位置が同じになるので、同じプローブ針を双方に使用することができる。また、異なる品種の半導体装置の試験の際に同じプローブカードを使用できることになり、試験の準備作業が軽減され、しかも、試験用部品の管理が容易になる。
【0060】
図4A、図4B、図6に示した半導体装置の最上面に現れる外部接続用パッド及びダミーパッドの形状は四角に限られるものではない。例えば図7に示すように、外部接続用パッド62b、ダミーパッド62cの平面形状を正六角形にしてもよい。
【0061】
これにより、正六角形の一辺を互いに平行にして外部接続用パッド62bやダミーパッド62cを互いに隣接して配置すると、少ない面積でより多くの外部接続用パッド62bやダミーパッド62cを配置することが可能になる。これにより、同じプローブカードが使用できる半導体装置の品種を増やすことが可能になる。そのような外部接続用パッド62bの形状については、次の第2の実施の形態について適用してもよい。
【0062】
(第2の実施の形態)
図8A〜図8H、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図、図9A〜図9Hは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図である。なお、図8A〜図8H、図9A〜図9Hにおいて、図1A〜図1L、図2A〜図2Lと同じ符号は同じ要素を示している。
【0063】
まず、図8A、図9Aに示すように、シリコン基板1の上に、図3に示したトランジスタ領域層2の導電性プラグ22〜24の形成と同じ工程で、一層目の支柱プラグ71を形成する。その後に、図3に示したキャパシタ領域層3の導電性プラグ35〜37の形成と同じ工程で、一層目の支柱プラグ71上に二層目の支柱プラグ72を形成し、接続する。
【0064】
一層目及び二層目の導電性プラグ71、72は、それぞれ一層目、二層目の導電性プラグ22〜24、35〜37と同じ材料から形成され、トランジスタ領域層2、キャパシタ領域層3の周囲に形成される。
【0065】
続いて、図8Bに示すように、二層目の支柱プラグ72の上に三層目の支柱プラグ73を形成する。三層目の支柱プラグ73は、図3に示すビット線44、配線46、49、ビア42a、48a〜48d、51a、51b、53a〜53d等と同時に形成される。即ち、三層目の支柱プラグ73は、ビット線44、配線46、49、ビア42a、48a〜48d、51a、51b、53a〜53d等と同じ導電膜の積層構造により構成される。
【0066】
次に、図8C、図9Bに示すように、上から数えて2番目の配線である(m+1)層目の配線54を配線領域層4上に形成する。
(m+1)層目の配線54は、図3に示したn層目の層間絶縁膜52上に形成され、トランジスタ領域層3、キャパシタ領域層4の上方でビア53a〜53dに接続され、さらに配線周辺領域層5上に延在する引出配線54aを有している。
【0067】
これにより、(m+1)層目の配線54は、配線領域層4内の配線46、49、ビア42a、48a〜48d、51a、51b、53a〜53d、導電性プラグ22〜24、35〜37等を介して強誘電体キャパシタQ、MOSトランジスタT1、T2等を含む半導体回路に電気的に接続される。
【0068】
(m+1)層目の配線54は、n層目の層間絶縁膜52上にTiN膜、AlCu合金膜、TiN膜等の積層金属膜を形成した後に、積層金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより形成される。
次に、図8D、図9Cに示すように、(m+1)層目の配線54及びn層目の層間絶縁膜52の上に、(n+1)層目の層間絶縁膜55としてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。
【0069】
さらに、(n+1)層目の層間絶縁膜55上に水素、水の移動を阻止するバリア膜74として例えば酸化アルミニウム膜、酸化チタン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜のいずれかをスパッタ法により形成する。続いて、バリア膜74の上に(n+2)層目の層間絶縁膜75としてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。
なお、バリア膜74と(n+2)層目の層間絶縁膜75の形成を省略してもよい。
【0070】
その後に、(n+1)層目と(n+2)層目の層間絶縁膜55、75及びバリア膜74をフォトリソグラフィ法によりパターニングして三層目の支柱プラグ73の上にホールを形成した後に、ホール内にTiN膜、W膜を充填することにより、ホール内に四層目の支柱プラグ76を形成する。
【0071】
次に、図8E、図9Dに示すように、(n+2)層目の層間絶縁膜75の上であってトランジスタ領域層2、キャパシタ領域層3等の真上に応力緩和プレート56を形成する。応力緩和プレート56は、四層目の支柱プラグ76に接続する大きさを有している。
【0072】
応力緩和プレート56は、(n+2)層目の層間絶縁膜75と四層目の支柱プラグ76の上に金属膜を形成した後に、フォトリソグラフィ法により金属膜をパターニングすることにより形成される。その金属膜として、例えば、Ti、TiAlN、或いはPt、Ir、Pd等の貴金属が選択される。
【0073】
応力緩和プレート56は、後述の外部接続パッド62に加わる衝撃、応力がキャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2等に伝達することを防止するために形成される。従って、応力緩和プレート56を構成する金属膜は、その衝撃を抑制する材料、厚さを選択して形成される。
【0074】
次に、図8F、図9Eに示す構造を形成するまでの工程について説明する。
まず、応力緩和プレート56と(n+2)層目の層間絶縁膜75の上に、(n+3)層目の層間絶縁膜78としてシリコン酸化膜をCVD法により形成する。
続いて、(n+1)層目、(n+2)層目及び(n+3)層目の層間絶縁膜55、75、78とバリア膜74をフォトリソグラフィ法によりパターニングして複数のホールを形成する。ホールは、半導体装置の外周部、即ち配線周辺領域層5の上に形成される。
【0075】
さらに、ホールの中にTiN膜をスパッタにより形成し、さらにTiN膜上にW膜をCVD法により形成する。その後に、TiN膜、W膜を(n+3)層目の層間絶縁膜78の上面上からCMP法により除去し、これによりホール内に残されたTiN膜とW膜を(m+1)層目のビア58として使用する。(m+1)層目のビア58は、上から数えて2番目の導電プラグである。
【0076】
続いて、(n+3)層目の層間絶縁膜78と(m+1)層目のビア58の上に、第1実施形態と同様に、TiN膜、アルミニウム銅合金膜及びTiN膜を順に形成した後に、これらの導電膜をリソグラフィ法によりパターニングする。
これにより、図8G、図9Fに示すように、(n+3)層目の層間絶縁膜78の上に、最上の配線であるパッド接続用配線59を形成する。
【0077】
パッド接続用配線59は、第1実施形態と同様に、キャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2等の周囲にある(m+1)層目のビア58に接続する引出配線59aを有している。パッド接続用配線59は、(m+1)番目のビア58を応力緩和プレート56の真上のパッド配置部のパッド形成位置に電気的に引き出す形状を有している。
【0078】
次に、図9Gに示すように、パッド接続用配線59と(n+3)層目の層間絶縁膜78の上に、(n+4)層目の層間絶縁膜80を形成する。その後に、(n+4)層目の層間絶縁膜80をフォトリソグラフィ法によりパターニングする。これにより、第1実施形態と同様に、パッド接続用配線59上のパッド形成位置に最上のビアホールを形成する。
続いて、最上のビアホール内にTiN膜、W膜を順に充填することにより最上の導電性プラグであるビア61を形成する。最上のビア61は、(m+1)層目のビア58と同じ方法により形成され、パッド接続用配線59に接続される。
【0079】
次に、図8H、図9Hに示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、(n+4)層目の層間絶縁膜80上にアルミニウム、アルミニウム合金等の導電膜を形成する。その後に、その導電膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、複数の外部接続パッド62を形成する。
【0080】
外部接続パッド62は、応力緩和プレート56の上方であって、試験用のプローブ針が当てられるパッド形成位置に形成され、少なくとも一部は最上のビア61に接続される。
なお、応力緩和プレート56の面積は、複数の外部接続パッド62を形成するパッド配置領域の面積と同じかそれよりも大きいことが好ましい。
【0081】
さらに、(n+4)層目の層間絶縁膜80と外部接続パッド62の上に、シリコン酸化膜63とシリコン窒化膜64を順に形成した後に、それらの膜63、64をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより外部接続パッド62の上に開口62aを形成する。
【0082】
その後に、シリコン窒化膜64と外部接続パッド62の上に保護膜65として、例えば感光性のポリイミド膜を形成する。そして、ポリイミド膜を露光、現像、熱硬化することにより、外部接続パッド62の上に開口部65aを形成する。これにより、外部接続用パッド62は露出する。
以上により、半導体基板1に半導体装置が形成される。半導体装置は、同じシリコンウエーハであるシリコン基板1に間隔をおいて複数形成される。
【0083】
その後に、シリコンウエーハをダイシングすることにより、半導体基板1をチップ状に分割するが、その前に、試験装置により半導体装置のコンタクト試験、特性試験等が行われる。試験の際には、半導体装置の外部接続パッド62には試験装置のプローブ針が接続される。
そして、外部接続パッド62にはプローブ針の押圧力が加わることになるが、その力のうちのシリコン基板1方向への成分の伝達は応力緩和プレート56により遮られる。
【0084】
しかも、応力緩和プレート56は、トランジスタ領域層2、キャパシタ領域層3の周囲で、シリコン基板1から連続して積み重ねられた一層目〜四層目の支柱プラグ71、72、73、76により支持されているので、配線領域層4、キャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2に伝わる応力の一部はその周囲に分散し、第1実施形態に比べてさらに小さくなる。しかも、一層目〜四層目の支柱プラグ71、72、73、76は、導電膜により構成されているので、外部接続パッド62とシリコン基板1を同電位にすることができ、電荷の蓄積を防止することができる。
【0085】
これにより、強誘電体キャパシタQ、MOSトランジスタT1、T2の特性変化、特性劣化が防止される。また、外部接続用パッド62をキャパシタ領域層3、トランジスタ領域層2の真上に配置しているので、第1実施形態と同様に、半導体装置の小型化が可能になる。
【0086】
なお、第1、第2実施形態に示した半導体装置は、図3に示すような強誘電体キャパシタQを備えた構造に限られるものではなく、その他の構造を有してもよい。また、応力緩和プレート56の平面形状は、上から2番目のビア(導電性プラグ)に接触しない形状であれば特に四角に限られるものではなく、そのビアを貫通させる孔を有していてもよい。
【0087】
次に、本発明の実施形態について特徴を付記する。
(付記1) 複数の層が積層される半導体装置において、半導体基板上方の最上部の配線である第1配線層と、前記最上部から下方の2番目に位置する第2配線層と、前記第1配線層と前記第2配線層の間に形成される金属膜と、前記半導体基板の外周部の上方に形成され、前記第1配線層と前記第2配線層を接続する第1導電性プラグと、前記金属膜及び前記第1配線層の上方に形成されたパッドと、前記パッドと前記第1配線層を接続する第2導電性プラグと、を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記金属膜の面積は、複数の前記パッドが形成されるパッド配置部の面積と等しいか、大きいことを特徴と付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記第1配線層と前記第1導電性プラグとを接続する第1引出配線と、前記第2配線層と前記第1導電性プラグとを接続する第2引出配線と、を備えることを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記金属膜を支える支柱プラグを備えることを特徴とする付記1、付記2又は付記3に記載の半導体装置。
(付記5) 前記複数の層は、トランジスタ領域、キャパシタ領域層のいずれかを含むことを特徴する付記1に記載の半導体装置。
(付記6) 前記第2配線層と前記金属膜との間に、バリア層を備えることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7) 前記バリア膜は、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化膜、酸化窒化膜のいずれかであることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8) 前記金属膜は、前記複数の層に対して電気的接続を有しないことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記9) 前記金属膜は、Ti膜、TiAlN膜、貴金属膜のいずれかであることを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記10) 複数の層が積層される半導体装置の製造方法において、半導体基板上方で、上から2番目の配線である第2配線層を形成する工程と、前記第2配線層の上に第1絶縁膜を介して金属膜を形成する工程と、前記金属膜の上に第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1及び第2絶縁膜内に形成され、前記半導体基板の外周部の上方で前記第2配線層に接続する第1導電性プラグを形成する工程と、前記第1導電性プラグに接続され、最上部の配線となる第1配線層を前記第2絶縁膜上に形成する工程と、前記第2絶縁膜及び前記第1配線層上に第3絶縁膜を形成する工程と、前記第1配線層に接続される第2導電性プラグを前記第3絶縁膜内に形成する工程と、前記金属膜の上方で、前記第2導電性プラグに接続されるパッドを前記第3絶縁膜上に形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11) 前記第1配線層と前記第1導電性プラグを接続する第1引出配線を形成する工程と、前記第2配線層と前記第1導電性プラグを接続する第2引出配線を形成する工程とを有することを特徴とする付記10に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12) 前記第2引出配線と第2配線層を同時に形成することを特徴とする付記11に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記複数の層を形成する工程において、前記半導体基板から前記金属膜を支える支柱プラグを形成することを特徴とする付記10、付記11又は付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14) 前記第2配線層と前記金属膜の間にバリア層を形成する工程を有することを特徴とする付記10乃至付記13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1A】図1A、図1B及び図1Cは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図1D】図1D、図1E及び図1Fは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図1G】図1G及び図1Hは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図2A】図2A、図2B及び図2Cは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図(その1)である。
【図2D】図2D、図2E及び図2Fは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図(その2)である。
【図2G】図2G及び図2Hは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図(その3)である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る半導体装置のトランジスタ領域層、キャパシタ領域層及び配線領域層を示す断面図である。
【図4】図4A、図4Bは、本発明の実施形態に係る半導体装置とパッドの配置関係の例を示す平面図である。
【図5】図5A、図5Bは、従来技術に係る半導体装置とパッドの配置関係の例を示す平面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に係る半導体装置のパッドの配置の別の例を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態に係る半導体装置のパッドの配置のさらに別の例を示す平面図である。
【図8A】図8A、図8B及び図8Cは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図8D】図8D、図8E及び図8Fは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図8G】図8G及び図8Hは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図9A】図9A、図9B及び図9Cは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図(その1)である。
【図9D】図9D、図9E及び図9Fは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図(その2)である。
【図9G】図9G及び図2Hは、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図(その3)である。
【符号の説明】
【0089】
1 シリコン基板
2 トランジスタ領域層
3 キャパシタ領域層
4 配線領域層
5 配線周辺領域層
54 配線
56 応力緩和プレート(金属膜)
57、60 層間絶縁膜
59 パッド接続用配線
58、61 ビア(導電性プラグ)
62 外部接続パッド
71、72、73、76 支柱プラグ
74 バリア層
75、80 層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層が積層される半導体装置において、
半導体基板上方の最上部の配線である第1配線層と、
前記最上部から下方の2番目に位置する第2配線層と、
前記第1配線層と前記第2配線層の間に形成される金属膜と、
前記半導体基板の外周部の上方に形成され、前記第1配線層と前記第2配線層を接続する第1導電性プラグと、
前記金属膜及び前記第1配線層の上方に形成されたパッドと、
前記パッドと前記第1配線層を接続する第2導電性プラグと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記金属膜の面積は、前記パッドが複数形成されるパッド配置部の面積と等しいか、大きいことを特徴と請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1配線層と前記第1導電性プラグとを接続する第1引出配線と、
前記第2配線層と前記第1導電性プラグとを接続する第2引出配線と、
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属膜を支える支柱プラグを備えること
を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
複数の層が積層される半導体装置の製造方法において、
半導体基板上方で、上から2番目の配線である第2配線層を形成する工程と、
前記第2配線層の上に第1絶縁膜を介して金属膜を形成する工程と、
前記金属膜の上に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第1及び第2絶縁膜内に形成され、前記半導体基板の外周部の上方で前記第2配線層に接続する第1導電性プラグを形成する工程と、
前記第1導電性プラグに接続され、最上部の配線となる第1配線層を前記第2絶縁膜上に形成する工程と、
前記第2絶縁膜及び前記第1配線層上に第3絶縁膜を形成する工程と、
前記第1配線層に接続される第2導電性プラグを前記第3絶縁膜内に形成する工程と、
前記金属膜の上方で、前記第2導電性プラグに接続されるパッドを前記第3絶縁膜上に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1D】
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【図1G】
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【図2A】
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【図2D】
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【図2G】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8D】
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【図8G】
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【図9A】
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【図9D】
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【図9G】
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【公開番号】特開2010−147062(P2010−147062A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319481(P2008−319481)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】