説明

基板処理装置

【課題】基板に対して、高温の処理液を用いた処理を良好に施すことができる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】内側成部材20の案内部24の外側壁面37におけるSPM液の着液位置には、その外側壁面37に着液するSPM液を冷却するための第1冷却管38が配設されている。第1冷却管38は、回転軸線Cを中心軸線とする螺旋形状に形成されている。外構成部材30の内側壁面47におけるSPM液の着液位置には、その内側壁面47に着液するSPM液を冷却するための第2冷却管48が配設されている。第2冷却管48は、回転軸線Cを中心軸線とする螺旋形状に形成されている。
【効果】内構成部材20および外構成部材30の変形をそれぞれ防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理するための基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、半導体ウエハなどの基板の表面に薬液による処理を施すために、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が用いられることがある。この枚葉式の基板処理装置は、たとえば、基板をほぼ水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックによって回転される基板に処理液を供給するためのノズルと、基板から飛散する処理液を捕獲して回収/廃棄するための処理カップとを備えている。
【0003】
処理カップは、たとえば、スピンチャックによる基板の回転軸線を中心軸線とする同軸略円筒状の複数の側壁を有した樹脂(ポリプロピレン樹脂やフッ素樹脂)製のものである。各側壁の上端部は、上方ほど各側壁の中心軸線(基板の回転軸線)に近づくように傾斜して、互いに間隔を空けてほぼ平行をなし、スピンチャックから飛散する処理液を導入するためのポートを形成している。
【0004】
スピンチャックによって基板を回転させつつ、ノズルから基板の表面に処理液を供給することにより、基板の表面に処理液による処理が施される。基板の表面に供給された処理液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の周縁部から側方へ飛散する。基板から飛散する処理液は、処理カップの壁面に受け止められて捕獲され、この壁面を伝って処理カップの下部に導かれて廃棄等される。
【特許文献1】特開2004−153078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
枚葉式の基板処理装置において、高温(約150℃以上)の処理液を用いた処理が基板に施される場合がある。この場合、ノズルから基板の表面に高温の処理液が供給される。
しかしながら、基板から飛散する高温の処理液が処理カップの壁面に捕獲されると、その処理液の着液位置付近の回収カップに変形を生じるおそれがある。回収カップが変形すると、基板の処理に影響を与えたり、回収カップの部材同士が干渉したりするおそれがある。
【0006】
このような事態を防止するために、高温の処理液を用いた処理では、その処理時間に制約を設けることが考えられるが、かかる制約の下では、基板に良好に処理を施すことができないことがある。
そこで、この発明の目的は、基板に対して、高温の処理液を用いた処理を良好に施すことができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持しつつ回転させる基板回転手段(2)と、前記基板回転手段により回転される基板に対して、常温よりも高温の処理液を供給する処理液供給手段(4)と、前記基板回転手段による基板の回転軸線(C)を取り囲むように形成され、基板から飛散する処理液を受け止めて捕獲する壁面(37,47)を有した処理液捕獲部材(24,30)と、基板からの処理液が前記壁面に着液する着液位置付近の処理液捕獲部材、および、前記壁面に着液する処理液のうち少なくとも一方を冷却するための冷却手段(38,48,61,62)とを含む、基板処理装置である。
【0008】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、高温の処理液が処理液捕獲部材の壁面に捕獲されるとき、着液位置付近の処理液捕獲部材および高温の処理液のうちの少なくとも一方が、冷却手段により冷却される。このため、着液位置付近の処理液捕獲部材における温度上昇を抑えることができる。したがって、壁面に高温の処理液が着液した場合であっても、処理液捕獲部材の変形を防止することができる。これにより、処理液捕獲部材の変形を防止しつつ、高温の処理液を用いた処理を基板に施すことができることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記壁面は、前記基板回転手段による基板の回転軸線を中心とする回転対称形状に形成されていて、前記冷却手段は、前記回転軸線を中心軸線とする螺旋形状の冷却管(38,48,61,62)を含む、請求項1記載の基板処理装置である。
この構成によれば、管状に形成されている冷却管は、放熱効果を有している。そのため、この冷却管によって、着液位置付近の処理液捕獲部材の熱、および/または処理液の熱が逃がされる。したがって、着液位置付近の処理液捕獲部材および/または処理液を冷却することができる。これにより、着液位置付近の処理液捕獲部材および/または処理液の冷却を、簡単な構成で実現することができる。
【0010】
また、螺旋形状に形成された冷却管が、処理液捕獲部材の壁面の着液位置に配置されているので、壁面における全周の着液位置で、その付近の処理液捕獲部材および/または処理液を冷却することができる。このため、着液位置付近の処理液捕獲部材における温度上昇を、処理液捕獲部材の全周にわたって抑えることができる。これにより、処理液捕獲部材の変形をより一層防止することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記冷却管に対し、前記処理液供給手段からの処理液よりも低温の流体を供給する低温流体供給手段(40,50)をさらに含む、請求項2記載の基板処理装置である。
この構成によれば、冷却管の内部を低温の流体が流通する。このとき、着液位置付近の処理液捕獲部材および/または高温の処理液と、冷却管の内部を流通する低温の流体との間で熱交換が行われ、着液位置付近の処理液捕獲部材および/または処理液から熱が奪われる。これにより、処理液捕獲部材および/または処理液を、簡単な構成で冷却することができる。
【0012】
前記低温流体供給手段により供給される低温流体は、冷却水のような液体であってもよいし、N2ガスや空気のような気体であってもよい。
請求項4記載の発明は、前記処理液捕獲部材の前記壁面の前記着液位置に、前記冷却手段が露出して配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0013】
この構成によれば、基板から飛散した高温の処理液は、冷却手段に着液して、この冷却手段により冷却される。そのため、処理液を直ちに冷却することができる。また、処理液捕獲部材に高温の処理液が直接着液しないので、着液位置付近の処理液捕獲部材にダメージを与えることがほとんどない。
請求項5記載の発明は、前記処理液捕獲部材の前記壁面には、前記着液位置に溝部(39,49)が形成されており、前記溝部に前記冷却手段が収容されている、請求項4記載の基板処理装置である。
【0014】
この構成によれば、冷却手段の露出部と処理液捕獲部材の壁面との段差を小さくすることができる。このため、冷却手段の露出部に着液した処理液を、処理液捕獲部材の壁面へとスムーズに導くことができる。
請求項6記載の発明は、前記処理液捕獲部材の内部には、前記着液位置付近に前記冷却手段(61,62)が配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0015】
この構成によれば、着液位置付近の処理液捕獲部材には高温の処理液から熱が与えられるが、その一方で、冷却手段は、着液位置付近の処理液捕獲部材から熱を奪う。このため、着液位置付近の処理液捕獲部材における温度上昇を抑えることができる。これにより、処理液捕獲部材の変形を防止することができる。
請求項7記載の発明は、前記処理液供給手段は、基板の表面に対し、レジストを剥離するためのレジスト剥離液を供給するレジスト剥離液供給手段(4)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0016】
この構成によれば、レジスト剥離液を用いて、基板の表面からレジストが剥離される。レジスト剥離液としては、たとえば、硫酸と過酸化水素水とを混合させた硫酸過酸化水素水混合液が用いられる。硫酸過酸化水素水混合液は、その液温が高くなるにつれてレジスト剥離能力が向上するため、高温(約200℃)の硫酸過酸化水素水混合液を基板の表面に供給することにより、その表面に形成されているレジストを良好に剥離することができる。
【0017】
そして、基板の周縁から側方へ飛散する高温のレジスト剥離液が、処理液捕獲部材の壁面に捕獲される。着液位置付近の処理液捕獲部材および高温のレジスト剥離液のうちの少なくとも一方が冷却手段により冷却される。このため、着液位置付近において処理液捕獲部材の温度上昇を抑えることができ、これにより、処理液捕獲部材の変形を防止することができる。ゆえに、処理液捕獲部材の変形を防止しつつ、基板の表面に形成されているレジストを良好に剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
基板処理装置は、たとえば、基板の一例である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wの表面に不純物を注入するイオン注入処理やドライエッチング処理の後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを剥離するためのレジスト剥離処理に用いられる枚葉式の装置である。
【0019】
この基板処理装置は、ウエハWをほぼ水平に保持するとともに、その中心を通るほぼ鉛直な回転軸線CまわりにウエハWを回転させるスピンチャック2と、このスピンチャック2を収容する処理カップ3と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に対してレジスト剥離液としてのSPM液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)を供給するためのSPMノズル4と、ウエハWの表面にDIW(脱イオン化された純水)を供給するためのDIWノズル5とを備えている。
【0020】
スピンチャック2は、モータ6と、このモータ6の回転駆動力によって鉛直軸線まわりに回転される円盤状のスピンベース7と、スピンベース7の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられ、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持するための複数個の挟持部材8とを備えている。これにより、スピンチャック2は、複数個の挟持部材8によってウエハWを挟持した状態で、モータ6の回転駆動力によってスピンベース7を回転させることにより、そのウエハWを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース7とともに鉛直軸線まわりに回転させることができる。
【0021】
モータ6の周囲は、筒状のカバー部材17によって包囲されている。カバー部材17は、水平に延びるベース9上にその下端が固定され、その上端がスピンベース7の近傍にまで及んでいる。カバー部材17の上端部には、カバー部材17から外方へほぼ水平に張り出し、さらに下方に屈曲して延びる鍔状部材18が取り付けられている。
SPMノズル4は、スピンチャック2の上方でほぼ水平に延びるSPMアーム10の先端に取り付けられている。このSPMアーム10は、スピンチャック2の側方でほぼ鉛直に延びた図示しないSPMアーム支持軸に支持されている。また、SPMアーム10には、SPMノズル駆動機構12が結合されており、このSPMノズル駆動機構12の駆動力によって、SPMアーム10を揺動させることができるようになっている。
【0022】
SPMノズル4には、SPM供給管13が接続されており、SPM液がSPM供給管13を通して供給されるようになっている。SPM供給管13の途中部には、SPMノズル4へのSPM液の供給および供給停止を切り換えるためのSPMバルブ14が介装されている。このSPMノズル4から、たとえば約200℃のSPM液が吐出されるようになっている。
【0023】
DIWノズル5は、スピンチャック2の上方で、その吐出口をウエハWの中央部に向けて配置されている。このDIWノズル5には、DIW供給管15が接続されており、リンス液としてのDIWがDIW供給管15を通して供給されるようになっている。DIW供給管15の途中部には、DIWノズル5へのDIWの供給および供給停止を切り換えるためのDIWバルブ16が介装されている。
【0024】
処理カップ3は、レジスト剥離処理に用いられた後のSPM液およびDIWを捕獲して廃棄するためのものであり、互いに独立して昇降可能な内構成部材20および外構成部材30を備えている。図2は、図1の切断面線A−Aから見た断面図である。以下、図1および図2を参照して、処理カップ3について説明する。
内構成部材20は、スピンチャック2の周囲を取り囲み、スピンチャック2によるウエハWの回転軸線Cに対してほぼ回転対称な形状を有している。内構成部材20は、フッ素系樹脂(たとえば、PCTFE(Poly Chloro Tri Fluoro Ethylene)樹脂)製であり、平面視円環状の底部21と、この底部21の内周縁から上方に立ち上がる円筒状の内壁部22と、底部21の外周縁から上方に立ち上がる円筒状の外壁部23と、内壁部22と外壁部23との間から立ち上がる案内部24とを一体的に備えている。案内部24は、内壁部22と外壁部23との間から立ち上がる円筒状の本体部24bと、その本体部24bの上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(ウエハWの回転軸線に近づく方向)斜め上方に延びる上端部24aとを備えている。
【0025】
内壁部22は、内構成部材20が上方位置にある状態(図1に仮想線で示す状態)で、カバー部材17と鍔状部材18との間に隙間を保って、そのカバー部材17と鍔状部材18との間に収容されるような長さに形成されている。
内壁部22と案内部24との間は、ウエハWのレジスト剥離処理に使用されたDIW(SPM液を含むDIW)を集めて廃棄するための内側廃液溝25とされている。また、案内部24と外壁部23との間は、ウエハWのレジスト剥離処理に使用されたSPM液を集めて廃棄するための外側廃液溝26とされている。内側廃液溝25には、図外の廃液処理設備へと導くための第1廃液路27が接続されている。外側廃液溝26には、図外の廃液処理設備へと導くための第2廃液路28が接続されている。案内部24の内側壁面36は、ウエハWから飛散するDIW(SPM液を含むDIW)を受け止めて捕獲し、内側廃液溝25へと案内するためのものである。案内部24の外側壁面37は、ウエハWから飛散するSPM液を受け止めて、外側廃液溝26へと案内するためのものである。
【0026】
外構成部材30は、内構成部材20の案内部24の外側において、スピンチャック2の周囲を取り囲み、スピンチャック2によるウエハWの回転軸線Cに対してほぼ回転対称な形状を有している。外構成部材30は、フッ素系樹脂(たとえば、PCTFE(Poly Chloro Tri Fluoro Ethylene)樹脂)製であり、案内部24と同軸円筒状をなす下端部31と、下端部31の上端から滑らかな円弧を描きつつ中心側(ウエハWの回転軸線に近づく方向)斜め上方に延びる上端部32と、上端部32の先端部を下方に折り返して形成される折返し部33とを有している。
【0027】
下端部31は、内側廃液溝25上に位置し、内構成部材20と外構成部材30とが最も近接した状態で、内側廃液溝25に収容されるような長さに形成されている。
上端部32は、内構成部材20の案内部24の上端部24aと上下方向に重なるように設けられ、内構成部材20と外構成部材30とが最も近接した状態で、案内部24の上端部24aに対してごく微小な隙間を保って近接するように形成されている。
【0028】
折返し部33は、内構成部材20と外構成部材30とが最も近接した状態で、案内部24の上端部24aと水平方向に重なるように形成されている。
外構成部材30の内側壁面47は、ウエハWから飛散するSPM液を受け止めて捕獲し、外側廃液溝26へと案内するためのものである。
後述するように、ウエハWの周縁から飛散するSPM液は、内構成部材20の案内部24の上端部24aと外構成部材30の上端部32との間に形成される開口に飛入する。開口に飛び入りしたSPM液は、外構成部材30の内側壁面47の所定の着液位置に着液し、内側壁面47で跳ね返って、案内部24の外側壁面37の着液位置に着液する。この実施形態では、案内部24の外側壁面37における着液位置は、外側壁面37のうち内側壁面47のうち上端部24aの下部から本体部24bの上部にわたって形成されている。また、外構成部材30の内側壁面47における着液位置は、内側壁面47のうち上端部32の下部から下端部31の上部にわたって形成されている。
【0029】
案内部24の外側壁面37におけるSPM液の着液位置には、その外側壁面37に着液するSPM液を冷却するための第1冷却管38が露出して配設されている。第1冷却管38は、回転軸線Cを中心軸線とする螺旋形状に形成されている。
具体的には、案内部24の外側壁面37には、SPM液の着液位置に、円環状の第1冷却管収容溝部39が形成されている。この第1冷却管収容溝部39に第1冷却管38が収容されている。第1冷却管38は、たとえば接着剤などを用いて第1冷却管収容溝部39の底部に貼り付けられている。第1冷却管38は、その外側の周面を露出させた状態で第1冷却管収容溝部39に収容されており、その収容状態において、その外側の周面が案内部24の外側壁面37とほぼ面一になっている。この第1冷却管38は、フッ素系樹脂(たとえば、PFA(Per Fluoro Alkoxy Fluoroplastics)樹脂)製であり、外径6mm、肉厚1mmの円筒管である。
【0030】
第1冷却管38の一端部には、第1冷却管38に冷却水を供給するための第1冷却水供給管40が接続されている。第1冷却管38には、第1冷却水供給管40から、たとえば、20℃に温度調節された冷却水が供給される。第1冷却水供給管40から第1冷却管38の一端部に供給された冷却水は、第1冷却管38の内部を流通して、第1冷却管38の他端部に達する。第1冷却管38の他端部には、第1冷却管38の他端部に到達した冷却水を図外の冷却水回収設備へと導くための第1回収管41が接続されており、第1冷却管38を流通し終えた冷却水は、第1回収管41を流通して回収される。
【0031】
外構成部材30の内側壁面47におけるSPM液の着液位置には、その内側壁面47に着液するSPM液を冷却するための第2冷却管48が露出して配設されている。第2冷却管48は、回転軸線Cを中心軸線とする螺旋形状に形成されている。
具体的には、外構成部材30の内側壁面47には、SPM液の着液位置に、円環状の第2冷却管収容溝部49が形成されている。この第2冷却管収容溝部49に第2冷却管48が収容されている。第2冷却管48は、たとえば接着剤などを用いて第2冷却管収容溝部49の底部に貼り付けられている。第2冷却管48は、その内側の周面を露出させた状態で第2冷却管収容溝部49に収容されており、その収容状態において、その内側の周面が外構成部材30の内側壁面47とほぼ面一になっている。この第2冷却管48は、フッ素系樹脂(たとえば、PFA(Per Fluoro Alkoxy Fluoroplastics)樹脂)製であり、外径6mm、肉厚1mmの円筒管である。
【0032】
第2冷却管48の一端部には、第2冷却管48に冷却水を供給するための第2冷却水供給管50が接続されている。第2冷却管48には、第2冷却水供給管50から、たとえば、20℃に温度調節された冷却水が供給される。第2冷却水供給管50から第2冷却管48の一端部に供給された冷却水は、第2冷却管48の内部を流通して、第2冷却管48の他端部に達する。第2冷却管48の他端部には、第2冷却管48の他端部に到達した冷却水を図外の冷却水回収設備へと導くための第2回収管51が接続されており、第2冷却管38を流通し終えた冷却水は、第2回収管51を流通して回収される。
【0033】
また、処理カップ3は、内構成部材20を昇降させるための第1昇降駆動機構34と、外構成部材30を昇降させるための第2昇降駆動機構35とを備えている。
この基板処理装置により実施されるレジスト剥離処理は、ウエハWの表面にSPM液を供給するSPM工程と、SPM処理後のウエハWにDIWを供給してウエハWに付着したSPM液を洗い流すリンス工程とを含む。
【0034】
ウエハWの搬入前は、第1昇降駆動機構34が駆動されて内構成部材20が下方位置(図1に実線で示す状態)まで下げられているとともに、第2昇降駆動機構35が駆動されて外構成部材30が下方位置(図1に仮想線で示す状態)まで下げられている。
レジスト剥離処理に際しては、図示しない搬送ロボットによって、処理室内にイオン注入処理後のウエハWが搬入されてくる。このウエハWは、レジストをアッシング(灰化)するための処理を受けておらず、その表面にはレジストが存在している。
【0035】
ウエハWは、その表面を上方に向けて、スピンチャック2の上面に保持される。ウエハWがスピンチャック2に保持された後、第2昇降駆動機構35が駆動されて外構成部材30が上方位置(図1に仮想線で示す状態)まで上げられる。これにより、内構成部材20の案内部24の上端部24aと、外構成部材30の上端部32との間に、ウエハWの端面に対向する開口が形成される。
【0036】
その後、モータ6が駆動されて、スピンチャック2が所定の回転速度で等速回転される。また、SPMノズル駆動機構12が駆動されて、SPMノズル4がスピンチャック2の側方に設定された待機位置から、ウエハWの上方に移動される。そして、SPMバルブ14が開かれて、SPMノズル4から回転中のウエハWの表面に向けてSPM液が供給される。
【0037】
このSPM工程においては、SPMノズル駆動機構12が駆動されて、SPMアーム10が所定の角度範囲内で揺動される。これにより、SPMノズル4からのSPM液が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。また、ウエハWの表面に供給されたSPM液は、ウエハWの表面の全域に拡がる。これにより、ウエハWの表面に対するSPM液による処理が達成される。SPM液は、ウエハWの回転による遠心力により、ウエハWの周縁から側方に向けて飛散する。
【0038】
ウエハWの周縁から飛散するSPM液は、内構成部材20の案内部24の上端部24aと外構成部材30の上端部32との間に飛入して、外構成部材30の内側壁面47および案内部24の外側壁面37に受け止められて捕獲される。
SPM液は、案内部24の外側壁面37の着液位置に配置された第1冷却管38に着液する。第1冷却管38が円筒管からなるので、SPM液は、第1冷却管38の周面に着液する。このとき、案内部24の外側壁面37に捕獲されるSPM液と、第1冷却管38の内部を流通する冷却水との間で熱交換が行われ、SPM液から熱が奪われる。SPM液が第1冷却管38の周面に着液するので、SPM液と第1冷却管38との接触面積が比較的大きい。したがって、SPM液をより効果的に冷却することができる。
【0039】
そして、熱を奪われたSPM液が、第1冷却管38の周面から案内部24の外側壁面37に移動し、この外側壁面37を伝って流下して、外側廃液溝26に集められる。第1冷却管38の周面が案内部24の外側壁面37とほぼ面一であるので、第1冷却管38の周面から案内部24の外側壁面37へとSPM液をスムーズに移動させることができる。
また、SPM液は、外構成部材30の内側壁面47の着液位置に配置された第2冷却管48に着液する。第2冷却管48が円筒管からなるので、SPM液は、第2冷却管48の周面に着液する。このとき、外構成部材30の内側壁面47に捕獲されるSPM液と、第2冷却管48の内部を流通する冷却水との間で熱交換が行われ、SPM液から熱が奪われる。SPM液が第2冷却管48の周面に着液するので、SPM液と第2冷却管48との接触面積が比較的大きい。したがって、SPM液をより効果的に冷却することができる。
【0040】
そして、熱を奪われたSPM液が、第2冷却管48の周面から外構成部材30の内側壁面47に移動し、この内側壁面47を伝って流下して、外側廃液溝26に集められる。第2冷却管48の周面が外構成部材30の内側壁面47とほぼ面一であるので、第2冷却管48の内側端部から外構成部材30の内側壁面47へとSPM液をスムーズに移動させることができる。外構成部材30の内側壁面47を伝って流下し、外側廃液溝26に集められる。外側廃液溝26に集められたSPM液は、第2廃液路28を通して図示しない廃液設備に導かれる。
【0041】
ウエハWへのSPM液の供給が所定時間にわたって行われると、SPMバルブ14が閉じられてSPMノズル4からのSPM液の供給が停止される。そして、第1昇降駆動機構34が駆動されて内構成部材30が上方位置(図1に仮想線で示す状態)まで上げられて、内構成部材20の案内部24の上端部24aが、スピンチャック2に保持されたウエハWよりも上方に配置される。
【0042】
その後、ウエハW(スピンチャック2)の回転が継続されたまま、DIWバルブ16が開かれる。これにより、回転中のウエハWの表面の中央部に向けてDIWノズル5からDIWが吐出される。ウエハWの表面上に供給されたDIWにより、ウエハWの表面のSPM液が洗い流される。そして、SPM液を含むDIWは、ウエハWの回転による遠心力により、ウエハWの周縁から側方に向けて飛散する。
【0043】
ウエハWの周縁から飛散するDIW(SPM液を含むDIW)は、内構成部材20の案内部24の内側壁面36に捕獲され、内構成部材20の案内部24の内側壁面36を伝って流下し、内側廃液溝25に集められ、第1廃液路27を通して図示しない廃液設備に導かれる。このとき、内構成部材20の案内部24の上端部24aおよび外構成部材30の上端部32がごく微小な隙間を保った状態で近接し、さらに、外構成部材30の折返し部33が内構成部材20の案内部24の上端部24aと水平方向において重なる。したがって、案内部24と外構成部材30との間へのDIWの進入が防止される。これにより、SPM液とDIWとの混触を防止することができる。
【0044】
ウエハWへの純水の供給が所定時間にわたって行われると、DIWバルブ16が閉じられて、DIWノズル5からのDIWの供給が停止される。そして、第1昇降駆動機構34が駆動されて内構成部材20が下方位置(図1に実線で示す状態)まで下げられるとともに、第2昇降駆動機構35が駆動されて外構成部材30が下方位置(図1に仮想線で示す状態)まで下げられる。その後、ウエハW(スピンチャック2)の回転速度が予め定める高回転速度に上げられて、リンス工程後のウエハWの表面に付着しているリンス液を遠心力で振り切って乾燥させる乾燥工程が所定時間にわたって行われる。乾燥工程が終了すると、スピンチャック2によるウエハWの回転が止められて、スピンチャック2から処理後のウエハWが搬出されていく。
【0045】
以上により、この実施形態によれば、ウエハWから飛散した高温のSPM液は、第1冷却管38に着液して、第1冷却管38によって冷却される。そして、第1冷却管38によって熱を奪われたSPM液が、案内部24の外側壁面37を流下し、廃液される。このため、着液位置付近の案内部24における温度上昇を抑えることができる。これにより、案内部24(内構成部材20)の変形を防止することができる。
【0046】
また、ウエハWから飛散した高温のSPM液は、第2冷却管48に着液して、第2冷却管48によって冷却される。そして、第2冷却管48によって熱を奪われたSPM液が、外構成部材30の内側壁面47を流下し、廃液される。このため、着液位置付近の外構成部材30における温度上昇を抑えることができる。これにより、外構成部材30の変形を防止することができる。
【0047】
したがって、処理カップ3の変形を防止しつつ、高温(約200℃)のSPM液を用いたレジスト剥離処理をウエハWに施すことができる。ゆえに、ウエハWの表面に形成されているレジストを良好に剥離することができる。
また、螺旋形状に形成された第1冷却管38が、案内部24の外側壁面37の着液位置に配置されているので、外側壁面37における全周の着液位置でSPM液を冷却することができる。これにより、着液位置付近の案内部24における温度上昇を、案内部24の全周にわたって抑えることができる。
【0048】
さらに、螺旋形状に形成された第2冷却管48が、外構成部材30の内側壁面47の着液位置に配置されているので、内側壁面47における全周の着液位置でSPM液を冷却することができる。これにより、着液位置付近の案内部24における温度上昇を、案内部24の全周にわたって抑えることができる。
また、第1冷却管38および第2冷却管48が、それぞれ、案内部24の外側壁面37および外構成部材30の内側壁面47に露出して配置されているので、ウエハWから飛散したSPM液は、第1冷却管38および第2冷却管48に着液し、第1冷却管38および第2冷却管48により冷却される。そのため、SPM液を直ちに冷却することができる。さらに、案内部24および外構成部材30に、SPM液が直接着液しないので、案内部24および外構成部材30にダメージを与えることがほとんどない。
【0049】
さらにまた、第1冷却管38および第2冷却管48が、それぞれ円筒管からなるので、SPM液と第1冷却管38および第2冷却管48との接触面積が比較的大きい。したがって、SPM液をより効果的に冷却することができる。
したがって、内構成部材20および外構成部材30の変形を、より一層防止することができる。
【0050】
図3は、この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の要部構成を示す断面図である。この図3において、前述の実施形態で示された各部に対応する部分には、図1の場合と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
前述の実施形態では、案内部24の外側壁面37および外構成部材30の内側壁面47に、それぞれ、露出して配置される第1冷却管38および第2冷却管48を例にとって説明したが、この実施形態では、第1冷却管38および第2冷却管48に代えて、案内部24および外構成部材30の内部に配置される第3冷却管61および第4冷却管62を設けている。
【0051】
案内部24の内部には、外側壁面37におけるSPM液の着液位置(図中に×印で示す。)の近傍位置に(着液位置よりも、ウエハWの回転半径方向の内方位置に)、着液位置付近の案内部24を冷却するための第3冷却管61が配設されている。第3冷却管61は、回転軸線Cを中心軸線とする螺旋形状に形成されている。第3冷却管61は、フッ素系樹脂(たとえば、PFA(Per Fluoro Alkoxy Fluoroplastics)樹脂)製であり、外径6mm、肉厚1mmの円筒管である。第3冷却管61の一端部には、前述の第1冷却水供給管40が接続されており、第3冷却管61の他端部には、前述の第1回収管41が接続されている。第1冷却水供給管40から第3冷却管61の一端部に供給された冷却水は、第3冷却管61の内部を流通して、第3冷却管61の他端部から、第1回収管41を通して回収される。
【0052】
外構成部材30の内部には、内側壁面47におけるSPM液の着液位置(図中に×印で示す。)の近傍に(着液位置よりも、ウエハWの回転半径方向の外方位置に)、着液位置付近の外構成部材30を冷却するための第4冷却管62が配設されている。第4冷却管62は、回転軸線Cを中心軸線とする螺旋形状に形成されている。第4冷却管62は、フッ素系樹脂(たとえば、PFA(Per Fluoro Alkoxy Fluoroplastics)樹脂)製であり、外径6mm、肉厚1mmの円筒管である。第4冷却管62の一端部には、前述の第2冷却水供給管50が接続されており、第4冷却管62の他端部には、前述の第2回収管51が接続されている。第2冷却水供給管50から第4冷却管62の一端部に供給された冷却水は、第4冷却管62の内部を流通して、第4冷却管62の他端部から、第2回収管51を通して回収される。
【0053】
SPM工程においては、SPM液は、ウエハWの回転による遠心力により、ウエハWの周縁から側方に向けて飛散する。
ウエハWの周縁から飛散するSPM液は、内構成部材20の案内部24の上端部24aと外構成部材30の上端部32との間に飛入して、外構成部材30の内側壁面47および案内部24の外側壁面37に受け止められて捕獲される。このとき、案内部24の外側壁面37の着液位置に着液する高温のSPM液と、着液位置付近の案内部24との間で熱交換が行われ、SPM液から熱が奪われるとともに、着液位置付近の案内部24に熱が与えられる。同時に、着液位置付近の案内部24と、第3冷却管61の内部を流通する冷却水との間で熱交換が行われ、着液位置付近の案内部24から熱が奪われる。このため、着液位置付近の案内部24における温度上昇を抑えることができる。そして、熱を奪われたSPM液が、案内部24の外側壁面37を伝って流下して、外側廃液溝26(図1参照。)に集められる。
【0054】
また、外構成部材30の内側壁面47の着液位置に着液する高温のSPM液と、着液位置付近の外構成部材30との間で熱交換が行われ、SPM液から熱が奪われるとともに、着液位置付近の外構成部材30に熱が与えられる。同時に、着液位置付近の外構成部材30と、第4冷却管62の内部を流通する冷却水との間で熱交換が行われ、着液位置付近の外構成部材30から熱が奪われる。このため、着液位置付近の外構成部材30における温度上昇を抑えることができる。そして、熱を奪われたSPM液が、外構成部材30の内側壁面47を伝って流下して、外側廃液溝26(図1参照。)に集められる。
【0055】
以上により、この実施形態では、着液位置付近の案内部24および着液位置付近の外構成部材30には、高温のSPM液から熱が与えられ、一方で、第3冷却管61および第4冷却管62は、着液位置付近の案内部24および着液位置付近の外構成部材30から熱を奪う。このため、着液位置付近の案内部24および着液位置付近の外構成部材30における温度上昇を抑えることができる。これにより、内構成部材20および外構成部材30の変形をそれぞれ防止することができる。
【0056】
以上、本発明の2つの実施形態を説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前記の各実施形態では、内構成部材20および外構成部材30の双方に冷却管38,48,61,62を設ける構成について説明したが、冷却管は、ウエハWからのSPM液が着液する側の構成部材にだけ設けられていればよい。したがって、たとえば、ウエハWから飛散する高温のSPM液が、外構成部材30の内側壁面47にだけ着液し、案内部24の外側壁面37に着液しない場合には、外構成部材30にだけ冷却管38,61が設けられていればよい。また、たとえば、ウエハWから飛散する高温のSPM液が、案内部24の外側壁面37にだけ着液し、外構成部材30の内側壁面47に着液しない場合には、内構成部材20にだけ冷却管が設けられていればよい。
【0057】
第1〜第4冷却管38,48,61,62の内部に冷却水を流通させるとして説明したが、第1〜第4冷却管38,48,61,62の内部に、冷却水に代えて他の低温の液体を流通させてもよいし、N2ガスや空気のような気体を流通させてもよい。
また、第1〜第4冷却管38,48,61,62の内部に液体または気体を流通させない構成であってもよい。管状に形成されている第1〜第4冷却管38,48,61,62は、それぞれ放熱効果を有している。その放熱効果によって、SPM液や、着液位置付近の案内部24および外構成部材30を、冷却することができる。
【0058】
冷却管の内部に液体または気体を流通させない場合には、冷却管が、案内部24の外側壁面37の着液位置および外構成部材30の内側壁面47の着液位置の少なくとも一方に露出して配置されていることが好ましい。この場合、SPM液の熱を冷却管によって直接逃がすことができるので、SPM液をより良好に冷却することができる。
さらに、処理カップ3は、内構成部材20の案内部24と、外構成部材30とが互いに独立して昇降可能な構成を例にとって説明したが、案内部が、内構成部材(有底円筒容器状の下容器)20とは別体に設けられて、外構成部材30と一体的に構成されていてもよい。また、内構成部材(有底円筒容器状の下容器)20と外構成部材30とが一体化されて、案内部だけが、その内構成部材20および外構成部材30に対して昇降可能な構成であってもよい。
【0059】
また、前記の実施形態では、レジスト剥離液としてSPM液を例示したが、SPM液以外の高温液に代えられる。たとえば硫酸とオゾン水との混合液を用いることもできる。また、基板処理装置の処理に用いられる処理液はレジスト剥離液に限られない。処理液として、たとえば窒化膜用のエッチング液としての熱燐酸等を例示することができる。
さらに、螺旋形状に形成された第1〜第4冷却管38,48,61,62を用いる構成について説明したが、第1〜第4冷却管38,48,61,62の形状は螺旋形状に限られない。たとえば、回転軸線Cを中心とする管状の円筒管を、回転軸線Cに沿う方向に複数個配置した構成であってもよい。
【0060】
また、第1冷却管38および第2冷却管48が、それぞれ、第1冷却管収容溝部39および第2冷却管収容溝部39に収容されている構成を例示したが、案内部24の外側壁面37の平坦面上、および、外構成部材の内側壁面47の平坦面上に、それぞれ、第1冷却管38および第2冷却管48が配置されていてもよい。
さらにまた、冷却管38,48,61,62以外に、案内部24や外構成部材30に冷却水が流通することのできる空洞部を設けて、処理液や着液位置付近の案内部24、外構成部材30を冷却することができる。
【0061】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図3】この発明の他の実施形態に係る基板処理装置の要部構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
2 スピンチャック(基板回転手段)
3 処理カップ
4 SPMノズル(レジスト剥離液供給手段)
24 案内部(処理液捕獲部材)
30 外構成部材(処理液捕獲部材)
37 外側壁面
38 第1冷却管
39 第1冷却管収容溝部(溝部)
40 第1冷却水供給管(低温流体供給手段)
47 内側壁面
48 第2冷却管
49 第2冷却管収容溝部(溝部)
50 第2冷却水供給管(低温流体供給手段)
61 第3冷却管
62 第4冷却管
C 回転軸線
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持しつつ回転させる基板回転手段と、
前記基板回転手段により回転される基板に対して、常温よりも高温の処理液を供給する処理液供給手段と、
前記基板回転手段による基板の回転軸線を取り囲むように形成され、基板から飛散する処理液を受け止めて捕獲する壁面を有した処理液捕獲部材と、
基板からの処理液が前記壁面に着液する着液位置付近の処理液捕獲部材、および、前記壁面に着液する処理液のうち少なくとも一方を冷却するための冷却手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記壁面は、前記基板回転手段による基板の回転軸線を中心とする回転対称形状に形成されていて、
前記冷却手段は、前記回転軸線を中心軸線とする螺旋形状の冷却管を含む、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記冷却管に対し、前記処理液供給手段からの処理液よりも低温の流体を供給する低温流体供給手段をさらに含む、請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理液捕獲部材の前記壁面の前記着液位置に、前記冷却手段が露出して配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理液捕獲部材の前記壁面には、前記着液位置に溝部が形成されており、
前記溝部に前記冷却手段が収容されている、請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理液捕獲部材の内部には、前記着液位置付近に前記冷却手段が配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記処理液供給手段は、基板の表面に対し、レジストを剥離するためのレジスト剥離液を供給するレジスト剥離液供給手段を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−49063(P2009−49063A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211421(P2007−211421)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】